第1巻 第39話 イバラノ
パーティーは大体終わり、千棘は一旦久し振りの自分の部屋に戻っていた
千棘 「ふーー久し振りね、この部屋も。」
千棘は鏡の前に座って、楽から貰った薔薇のペンダントを付けてみた
千棘 「わぁ〜、かわいい………これからは毎日付けてLABに行こう。」
千棘 (楽、私との関係をそんなに真剣に大事に考えてくれてたんだ…改めて嬉しいな。)
千棘 ハッ
千棘は楽からのプレゼントが嬉しくてそっちで頭が一杯だったが、蒼也から貰った華からのプレゼントの方に目をやった
千棘 「そういやあコレ、何だったんだろう………?」
ガサッ
千棘は手紙の封を開けた
「千棘へ、19歳おめでとう。あの坊やと本当の恋人になったそうね。
スミレの基礎カリキュラムをたった8ヶ月で終えたのもスミレから聞いたわ。
コレはあなたがその歳になり、自分の道と恋を見つけたから渡しておくわ。
必要になったら使いなさい。
華より」
千棘 「必要になったら………?一体なんだろう?」
ガサッ
千棘は色紙に包まれた細長い箱の方も開けた
千棘 「!え?これって………」
ドーン!
千棘 「!何?」
部屋の外から、爆発音の様な音が響いた
プルルルル……
千棘 「?鶫からだ、何だろう?」
ガチャッ
千棘 「もしもし鶫?なんなのさっきの音?」
鶫 「お嬢!大変です!屋敷内に星獣が現れました!」
千棘 「え?でも……屋敷の警備は?」
鶫 「それが、今回の星獣は特別センサーに引っかかりにくいタイプでして……とにかく、1人は危険です。会場に来て下さい!」
千棘 「分かったわ!」
千棘は大急ぎでパーティー会場に戻った
千棘 「ハァ、ハァ………あっ、つぐみ………何コレ?」
千棘が戻って来た時には、会場内は無数のイバラの様なモノが生えて、それがギャングを襲っていた
ドン ドン!
ギャングA 「くそーー!このツタ一体何本あるんだ?」
ギャングB 「ダメだ!撃っても切ってもまた生えて来やがる!」
鶫 「あ!お嬢、良かったご無事で。」
千棘 「つぐみ、何なのこの緑色に光ったツタ?」
鶫 「コレが星獣です。木星属性の。」
千棘 「え?星獣って、動物の姿をしてるのばっかじゃないの?」
鶫 「大多数がそうですが、木星属性だけは少し違います。
木星属性の星獣は植物や昆虫の姿をしたものが沢山います。
加えて快楽の感情をエサにしているので、おそらくこのお嬢の誕生パーティーに集まるビーハイブのみなの歓喜の感情に吊られてきたのでしょう。」
千棘 「そんな事が………」
つぐみ 「植物の星獣なので明確な意思も無いので、ビーハイブの生体センサーには反応せずに潜り込めたのでしょう。
お嬢、とにかく下がってて下さい!」
ザッ
クロード 「よし行け。誠士朗、蒼也。
あと一条楽、貴様なの力も一度見よう。
いい機会だ。」
楽 「あんたは戦わねーのか?あんたも星神なんだろ?」
クロード 「このレベルの星獣も倒せない奴に、お嬢を任せる気は無い。」
楽 「あーそうかよ、分かったよ!」
楽 「九愛太陽(きゅうあいたいよう) レオン」
鶫 「金星機械王(きんせいきかいおう) メガオン」
蒼也 「海王霧梟(かいおうむきょう) ブウロ」
シュンッ シュンッ シュンッ
楽、鶫、蒼也の星匣から、それぞれレオン、メガオン 、ブウロが現れた。
蒼也 「さて、俺はこの肩でどこまで行けるか………」
第39話 完
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