第1巻 第107話 トオカゴ
2017年9月26日(火) 18:00 スペクトル凡矢理 705号室
千棘 「え?じゃあ今羽(ユイ)さん、あんたの実家にいないの?」
楽 「ああ、そーなんだよ。あの夏休み俺らが実家帰りしてた次の日、何でも夜(イエ)さんから兵庫県で「羽(ユイ)姉なしじゃあ絶対に出来ない任務がある」って言われたらしくて、数日前に兵庫に行ったらしいんだ。」
千棘 「あたしに言ってなかったじゃない?」
楽 「悪りぃ、言う必要もねぇと思ってたから。」
千棘 「じゃあ、羽(ユイ)さんに残った鍵の内、どれかが反応して光るかどうかはまだ確認出来ないわねぇ………」
楽 「まあ、しょーがねーよ。羽姉は叉焼会の首領(ドン)なんだから。
色々忙しいんだろーよ。
あ!そーだ千棘、それも大事だけど、来月の10月6日、何の日か覚えてるかぁ?」
千棘 「え?10月6日?何かあったっけ?」
楽 「やっぱ分かんねーか………まあ、過去の事気にしないお前の事だから、そんな事だろうと思ってたぜ。」
千棘 「何よ?悪いのかしら?」
楽 「いや、別にそうじゃねーけど………ほら、アレだぜ。
お前がコッチ(日本)に戻って来て俺と再会したあの日、4月6日だったろ?」
千棘 「ああ、私がLABに入学してあんた達が大学に入った日ね。
あの日は色々あったわよねー。
鶫が蒼也くんを連れて来たり、あんたがレオ君を呼び出して星神になったり、沖縄料理店で凡高の皆んなと久々に会ったり、この部屋で同棲し始めたり……………で、それがどーしたの?」
楽 「いや、それがな………俺がお前とお互い告白したのはあの去年の夏の8月だったけど、ホントに付き合い出してホントのデートしたり、その………キスをしたりする様になったのって、あの日からだよな?」
楽は少し照れながら言った
千棘 「うん。そーよね………」
楽 「だからその、あの日ってほら………俺とお前の………記念日だよな?」
千棘 「!!ああ………そーよね。」
楽 「大学の友達で付き合ってる奴が何人かいるんだが………そいつらも記念日は特別な事して過ごしてるらしいんだ。
だから俺達も………今までは気にもしなかったけど、ちょうど来月の6日(むいか)が半年記念日だから。
どっか行ったりしねーか?」
千棘 「そうね………いいわよ!LABの講義の無い時間を見て、UNIQLOでのバイトのシフトをその日は空けとくは!」
千棘 (今日からちょうど10日(とおかご)かあ………楽しみだなぁ!)
2人は十日後の記念日を約束して、2人で計画を立て合った。
第107話 完
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