第1巻 第82話 ミエナイ
レオン 「グアアッ!」
レオンは星化して、匣に戻ってしまった
エレキテル 「さーて、あの娘もトドメを刺してオキマスカ」
千棘 「うーん………」
シルフ 「千棘!起きなさい!」
エレキテル 「ムダネ!このまま………」
カシャンッ
?の星匣 「弓の札(ユミノフダ)」
ヒュンッ ザクッ
ボルト 「ぐあっ!」
エレキテル 「ボルト!?どうしたネ?」
ボルト 「申し訳ありませんユスフ党首、何者かに麻酔針を喰らった様です。」
エレキテル 「何?誰が?」
蒼也 「ふーー、間に合った様だね。」
ブウロ 「その様ですね、蒼也。」
エレキテル 「!お前!ビーハイブの双神兄弟の弟の方か?」
蒼也 「やっぱり知ってたか………エレキテル家の元御曹司、ユスフ・エレキテル。」
ザッ
蒼也は楽と千棘の方に寄り添った
蒼也 「お嬢、起きて下さい。」
ユサユサ
千棘 「うーん………アレ?私なんで眠って………あ!蒼也くん!?」
蒼也 「良かった、起きられましたね。」
千棘 「私確か、パピヨンコクーンの派手な男と戦ってて電撃を食らって………あ!そうだ!蒼也くん、楽は?」
蒼也 「奴の終の札を食らって伸びてます。
レオンも光化してしまった様です。」
千棘 「そんな………」
蒼也 「大丈夫です。誠士朗から電気を得た金星属性の星獣や星神の相手はまだお2人には早いと判断したから俺を寄こしました。
俺とお嬢がいれば何とかなります。」
千棘 「でも、あんだけパワーアップしてる奴にどうすれば……………」
蒼也 「お嬢、お嬢と楽はこの前格上げ(ランクアップ)したから星光値が上昇しただけじゃなくて、星札も何枚か増えてる筈です。」
千棘 「え?あ!ホントだ!2枚増えてる!」
千棘の星匣の保存所には新しく兎の腕が書かれた札と、兎の耳が書かれた札が入っていた
千棘 「でも、コレどう使えば………」
蒼也 「まずは俺がやります。」
カシャンッ
蒼也の星匣 「霧の札(キリノフダ)」
フシュー〜
貯電室の部屋一帯に紫色の霧が立ち込めた
蒼也 「これでお前は無闇に電撃を放てない。自分に当たるかもしれないからね。」
エレキテル 「くっ!だがこの霧の中でマトモに動けるのは、梟の目があるお前だけネ!
お前の仲間のあの女も見えない筈ダ!」
シルフ 「それはどうかしらね………
千棘!その札を使うのよ!」
千棘 「え!?あ、うん!」
カシャンッ
千棘の星匣 「耳の札(ミミノフダ)」
ニョキッ
千棘の頭に兎の耳が生えた
千棘 「ちょっ、何よコレ!?」
シルフ 「千棘、耳を澄ましてみなさい。」
千棘 「……………アレ?蒼也くんの霧の札で2人の星の光も全然分かんなかったのに、今はあの2人の心音が聞こえるわ!」
シルフ 「それが耳の札の力よ、付けている間聴覚を兎の更に倍にするの。」
千棘 「すごい!よーし………このビリビリ聞こえる方があのエレキテルってやつね、なら………」
カシャンッ
千棘 「もう一枚の新しい札も!」
千棘の星匣 「籠手の札(コテノフダ)」
ヒュンッ
千棘の両手には兎の手の様な籠手が装備された
シルフ 「………千棘、星体技(せいたいぎ)で両手に力を溜めてみなさい。」
千棘 「ええっ!?こう?」
ボウッ
千棘 「わわっ!」
シルフ 「それが私の籠手の札の力よ、星の光を通しやすい素材で出来てるから、あなたの星の光を普段の何倍も体に伝えて力にしてくれるの。」
千棘 「………なるほど、よーし!」
エレキテル 「チクショー!何も見えネー!どこだー!」
千棘 「……ここよ」
エレキテル 「え?」
千棘 「てりゃぁー!」
ドゴッ
エレキテル 「ギャアッ!」
千棘の籠手の札をはめた星体技(せいたいぎ)のパンチを食らって、エレキテルとボルトは倒れてしまった
エレキテル 「バカーナ!これほどの星体技の報告は火向の報告からは………」
ボルト 「無かった筈です、党首!」
蒼也 「戦闘中に敵から意識をそらしたら終わりだ。」
エレキテル 「え?」
蒼也はいつの間にかエレキテルの背後に回っていた
カシャンッ
蒼也の星匣 「終の札(ツイノフダ)」
ヒュンッ
蒼也の右手に梟の爪の様なモノが装備された
ブウロ 「ホーー!」
ヒュンッ
ガッ
ボルト 「な!?」
ブウロはボルトを足の爪で掴むと、霧を突き抜け上空に急上昇した
ブウロ 「ホォーー!」
ボルト 「うわぁーあ!」
そのままブウロは今度は蒼也目掛けて急降下して来た
ザクッ
降りて来たボルトを、蒼也はそのまま右手の紫色の爪で突き刺した
ドガァンッ
ボルト 「申し訳ありません………シルフ党首………」
シュン
ボルトは黄色の光に光化して、エレキテルの星匣に戻った
エレキテル 「チクショー!覚えてろよ!」
タタタッ
蒼也 「ふーー、どうやらお嬢の方は随分新しい札を使いこなせてる様だね。」
第82話 完
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