提督「裏切り者に復讐を」番外編
本編では書ききれなかった話と補足を書いていきます。
良い子のみんなは、前書きと概要を見てから、気をつけて読もうね!
どうも、かむかむレモンです。
この度は変態糞投稿者の文字数管理がガバ穴並に緩かったので、話を分けざるを得ませんでした。お兄さん許して!
書くと言っても、大和がメインとなると思います。
嫁艦、推し艦だという提督兄貴は、キャラ崩壊前提でお読み下さい。
変態糞投稿者が編み出したガバ設定も書いていくかもしれません。
暗い海の底にて、私は沈んでいた。
私の周りには、小魚ばかり訪れている。
あの戦いが終わり、私は平穏に身を置いている。
しかし、再び海が騒ぎ始めた。
再び、戦争が始まった。
今度の敵は、得体の知れない何か。
誰なんだ。この穏やかな時間を荒らす者は。
また国民が脅かされているというのか。
許されるのなら、再び戦いたい。
国の為、人の為に戦いたい。
今度は秘密兵器ではなく、常に晴れ舞台に立って活躍したい。
そう思っていた私は、突然強い光に包まれた。
***
妖精「できたー」
妖精「だいせんかだー」
妖精「おおものだー」
整備士「こ、今度はすごいみたいですよ!」
中将「何、本当か!」
大将「誰が来るんだ?」
大和「...」ブシュウウウウウ
大将「お、おい!誰なんだこの艦娘は!」
整備士「えぇと...艦娘型録だと...や、大和です!戦艦大和のようです!」
中将「や、やったのか!遂に!」
大和「...」
あの強い光から解放されると、私は人と同じ姿をしていた。
私は艦娘として生まれ変わった。それも、かつて世界最大、最強と言わしめた戦艦大和に。
だが、私は初めて見た人間に対し、とてつもない嫌悪感と、吐き気を催した。
大和(なんだこいつら...この大和を前にして敬礼も無しか)
初めて見た人間は、余りにも無礼に見えた。薄汚れた男が一人、やたら偉そうな男が二人。私はその三人...いや、三匹の猿を見て無性にイラついた。
大将「おっと、私は海軍大将だ。戦艦大和、君を歓迎する」
中将「私は中将。君が望むなら、我が鎮守府へ招待しよう」
大将「中将、早速抜け駆けですかな?」フフ
中将「わはは、つい癖でして」
大和(...は?)
大和(何なのこいつら。覇気の欠片も感じない。こんな奴が海軍の重役なのか?)
大和(大戦時に比べたら、何て軟弱なことか。こんな奴が私を操る?気持ちが悪い)
私は更に嫌悪感が増した。何もかもが気持ち悪かった。声色、視線、全てが生理的に受け付けなかった。
妖精「んー」
妖精「これはざんねんなおしらせです」
整備士「ん、どうしたんだい?」
妖精「やまとは、バグをもっています」
妖精「なんとうんのわるい」
整備士「そ、そんな...」
大将「何だ?」
整備士「そ、その、申し上げにくいのですが、大和に『バグ』が見られたそうで...」
中将「バグ、だと?なんだそれは」
整備士「あ、はい。バグとはごく稀に発生する障害のようなもので、本来持ちうる性能や、与えられた性格が異なってしまう事を言います」
大将「何だと?ではこの艦娘は『不良品』だということか!?」
整備士「い、今要妖精さんが精査してくれています。詳しい事はそこでわかるかと...」
大和(バグ?何のことだ?私は正常だ。無礼にも程がある)
大和(それになんだこの小さいのは。鬱陶しい事この上ない)
中将「何だ、大和撫子だと思ったら傷物であったか」
整備士「そ、そのような言い方は...」
中将「急に興味が削がれた。不良品は我が鎮守府には要らんな」
大将「残念だが私も同感だな。このような事故があろうとは」
整備士「と、とにかく、バグを持つ艦娘は解体になります。艦隊運営に支障を出しては...」
大将「それはそれで勿体ないなぁ。不良品とて、大和の名を冠する艦娘だからなぁ」
中将「まあ、我ら以外に手網を引ける者に任せるしかない」
人間たちは勝手に話を進めていた。この大和を放置し、侮辱しておいて。
バグ。傷物。不良品。そのような呼ばれは心外もいいところだった。
艦娘に劣る人間が、何の尺度を持ってしてこの大和を測っているのか。
腹立たしい。人間とは、これほどまでにエゴを進化させてきたのか。
大将「という訳で君、大和のバグは『見当たらなかった』という事にしておいてくれ」
整備士「え、ええ!?それは...」
妖精「だ、だめです」
妖精「きけんです」
整備士「よ、妖精さんもダメだと...」
中将「...君ぃ、今回大和を建造するに当たって消費した資材の量は分かってるかね?」
整備士「え、は、はい」
中将「私らの鎮守府でも賄いきれない量なんよ。それを国民や陸軍の連中に知られてみなさい。我らの信用はガタ落ちだ」
大将「君が責任を負えるというなら話は別だが、君が何回人生を繰り返しても到底払いきれない金額を背負う事になるぞ?」
整備士「そ、それは...」
中将「だから、我らを救うと思って、ここは『わからなかった』という事にしないか?な?」
整備士「...は、はい」
大将「いやぁよかった!最近の若者は物分りが良くて助かる!では、報告書には異常無しと書いておいてくれ」スタスタ
中将「はは、ではまた明日大型建造を見るからな。また会おう」スタスタ
人間特有の、意地汚さと杜撰な管理を垣間見た私は、激しい怒りを覚えた。
何と醜悪な組織だろうか。名前のお陰で助かったとは言え、艦娘としての誇りを踏みにじられた気分だった。
これから、このような人間どもに従うのか...いつか、いつか必ずこの屈辱を晴らす。
そして、どちらが上に立つものなのかを教えてやろう。本当に強く、力を持つ者が上に立つべきなのだと。
大淀「...」
***
翌日、また大型建造が行われ、武蔵が建造された。
今回は元帥も立ち会い、皆がお祭り騒ぎとなるぐらい喜んでいた。
妖精の精査の結果、異常無し。私は一番艦として喜ぶべきなのだが、同時に僅かな嫉妬心も芽生えた。
何故私との扱いがここまで違う?私は大和だぞ?世界に名を馳せる戦艦だぞ?
バグが無いとわかった時の反応が露骨過ぎたのだ。何の障害も無く、艦隊に歓迎されようとする武蔵を見て、私は歯を食いしばった。
しかし、上位者である私たち艦娘は敵にはしない。私が目の敵にするのは陳腐な尺度で測ろうとする人間どもなのだ。
武蔵「おお大和!久々の再会だな!」
大和「...え、あ、そうね」
武蔵「そのような湿気た面をするな。再び戦場へと向かえるんだ。今度は我らが先頭に立ってな!」ワハハ
大和「...そうよね」
そう。今度は私たち個人が戦うのだ。人間どもは陸地で偉そうに指示をするだけと聞く。
時代が変わったからとは言え、やはり気に食わない。
武蔵「そうだ!元帥殿が特例で私たちが希望した鎮守府へ着任を許可してくれるそうだぞ?」
大和「...」
武蔵「ここはやはり激戦区を選ぶべきだと思うが、大和はどうだ?」
大和「...激戦区」
武蔵「出来れば一緒の鎮守府に行きたいところだが、ここは大和に一番を譲ろうと思ってな」
大和「...」
話を聞いた限りだと、二つの鎮守府がかなりの戦果を上げているらしい。
少し調べてみたら、そこの提督たちは軍学校の首席と次席でありながら、友人同士でもあるらしい。
心底下らないが、伸び代が高いことは認めなければならない。
若干の興味が湧き、同時に一つの野望が生まれた。
私の予想だと、この提督らは順調に戦果を上げていき、いつかは戦争を終結させられるかもしれない。
その直前まで、私は従順な振る舞いをして、警戒心を解かせるのだ。
そして、来るべき時に、提督の寝首を掻き、私が鎮守府の長となる。勿論、他の連中には私ではなく、深海棲艦が殺したと見せかけねばならない。
更に、提督の遺志を継いだとして、戦争を終結させ、私の功績を確立させる。発言力の高まった私は、軍の中枢へと進めるようになる。
果ては、軍国主義を復活させ、私は頂点に立つ。下等な人間の上に立ち、支配する。
それが、私のなすべきこと。
私は武蔵の言葉に甘え、戦果が1番高い鎮守府への着任を希望した。
元帥は二つ返事で了承し、後日着任が決まった。
その時、大淀という軽巡も一緒だった。
***
提督「よ、ようこそ我が鎮守府へ!」
朝潮「司令官、落ち着きましょう」
提督「そ、そうだな...ふう、改めて、ようこそ我が鎮守府へ。あなた方を歓迎しましょう」
大和「よろしくお願いします」
大淀「よろしくお願いします」
こいつは大本営にいたクズ共よりかは多少礼儀がなっているが、やはり人間は人間だ。
それにしてもこんな若い人間が鎮守府を指揮する辺り、軍はだいぶ手詰まりだと見える。
まあそれはどうでもいい。今は私の野望を叶える為に、感情を押し殺し、人間受けのいい性格を演じなければ。
摩耶「おお、これが大和型かぁ...」
赤城「威風堂々という言葉を体現したようですね」
川内「夜戦が楽しくなりそう!」
陽炎「負ける気がしないわね!」
...それにしても、やはり讃えられるのはいい気分だ。ある程度信頼を得られたら、計画への参加も考えるべきか。
私は歓迎会の後、用意された自室に向かっていた。私の後を尾けるネズミに気付きながら。
大和「何をコソコソしているの」
大淀「!」
大和「あなたの部屋はこちらではないでしょう?」
大淀「...すいません。まだ見取り図がわからなくて」
大和「それもそうか。重巡以上の大型艦以外は違う階よ」
大淀「失礼しました。それでは...」
あくまで無難な言い訳をしてここから去るつもりみたいだ。
大和「あ、ちょっと待ちなさい」
大淀「何でしょうか」
大和「あなた、あの時もいなかった?」
大淀「あの時、とは?」
大和「あなた、私が建造された時に扉越しに居たでしょう?」
大淀「!?」
大和「とぼけても無駄。私の電探ではあの場にいた者以外にもう一人探知していたのよ」
大淀「...」
そう。あの場にもう一人いた事はわかっていた。それも、今回みたいにコソコソした気配。
そして、艦娘であることもわかっていた。まだ練度は低く、恐らく私の建造される前日辺り?に生まれたような者ではないかと。
大和「何が目的なの?」
大淀「...」
大和「...何を隠しているの?」
大淀「...私は、本当に迷っただけです」
大和「嘘を付くのはよくないわ。それとも、自分だけ教えるのは割に合わないかしら?」
大淀「...?」
大和「あなたは、あの提督についてどう思う?」
大淀「え?」
大和「早く答えなさい」
大淀「...優秀な方と聞きます」
大和「ありきたりな答えね。それはいいの。あなた個人はどう思ってるの?」
大淀「...正直、私はまだわかりません」
大和「そうよね。それが普通よ。だから私は信用してないわ」
大淀「何故?」
大和「あなたがあの場にいたなら、大将と中将の話も聞いていたのでしょう?あの男も、いつかあんなゴミみたいになる日が来るのよ」
大淀「そ、その、き、決めつけは」
大和「よくないですって?確かにそうかもしれない。でも、私はここに来るまでにこの国について色々調べたわ」
大淀「...?」
大和「腐敗していたのは軍だけではなかった。政府も、社会も、何もかも昔よりも酷くなっていた。人間は愚かになっていたのよ。これじゃいつの日か滅ぶ」
大淀「...」
大和「だから、本当にあるべき姿に戻すために、私たち艦娘が海と、陸をも正さなければならない。理解できないかしら?」
大淀「...私たちが?」
大和「そう。だから、艦娘が人の上に立つのよ。それには、まず地位を確立しなければならない。その為に私はここを希望した。いつか提督の座に就くためにね」
大淀「...」ゾクッ
大和「恐怖がこの目で見えるわ。何故怖いと思う?自分じゃ成し得ないと思ってるからよ。誰もリスクある道を通りたがらない。でも、何かを変える為には、嫌でも通るのよ」
大淀「...本当に、やるつもりなんですか」
大和「当たり前でしょ。こんな腐った人間どもに従うのはごめんよ。今は我慢するしかないけど」
大淀「...」
大和「さて、私は答えたわ。あなたも答えなさい」
大淀「...私は、元帥の所に行こうとした時、偶然あなたが建造された所に居合わせてしまっただけです」
大和「...へぇ」
大淀「話を少し聞いていましたが、元帥には報告していません。単に、あなたの事が気になったので、ここを選んだのです」
大和「...そう」
大淀「ただ、大将と中将の話を聞いて、少し落胆したのは事実です。保身の為に、平気で隠蔽をすると思わなかったので」
大和「じゃあ私がバグってやつを持ってることは知ってたんだ」
大淀「...はい」
大和「...大淀」
大淀「...何でしょうか」
大和「私と手を組みなさい」
大淀「え...」
大和「あなたも人間に嫌悪を抱いているなら、私と手を組みなさい」
大淀「...」
大和「私の計画が成功すれば、少なくともここにいる艦娘全員の利権の保障はする。仲間は多い方が成功しやすいでしょ?」
大淀「...」
大和「あなたに拒否権は無いわ。今聞いた事を誰かにバラすつもりなら、私はあなたを抹殺するわ」
大淀「そ、そんな...」
大和「あなたが賢いなら、わかるわよね?」
大淀「...」
本当は使いたくない手だったが、頑なにこちら側にならなそうな顔をしていた。
こいつが何かを隠していることはわかっているが、死と隣り合わせの選択なら自身を取るはず。
大淀「...わかりました」
大和「ふふ、よかったわ」
大淀「...」
大和「あなたの隠してることは今は聞かないでおくわ。でも、いつか必ず教えてね」
大淀「...はい」
大和「ふふ、今から自室へ戻って、誰かにチクろうとしても無駄よ。私にはお見通しだから」
大淀「...」
大和「それじゃ、ご機嫌よう」スタスタ
脅迫まがいの手だったが、これ以降は出来るだけ使わない。
とにかく、仲間ができた。これからも私の思想に賛同しそうな連中を仲間にして、計画の成功率を上げていく。
そして、来るべき時、私はここの提督を殺す。
それまで、少しばかり辛抱しなければ...
***
初の実戦で、私は遠慮なく砲撃を続けた。
日々の人間どものストレスを発散でき、非常にご機嫌であった。
やはり、力を解放するのは気分がいい。これでもまだ伸び代があると思うと、胸が高鳴る。
艦娘として生まれてよかったと思う瞬間だった。
しかし、その実戦で駆逐艦が一人中破した。
陽炎「陽炎型ネームシップの名が泣くわ...もぉ!」中破
提督『お、おい!どうした!』
不知火「陽炎が中破しました」
提督『て、撤退だ!』
不知火「て、撤退、ですか。了解」
...は?
私は呆然としつつ、母港へ帰投した。
提督は中破した陽炎をドックへと連れていった。
意味がわからない。駆逐艦など被害担当艦である。一人中破したぐらいで撤退など愚の愚。
たかが駆逐艦如きにここまで大袈裟になるとは、本当に呆れ返る。
お陰で作戦は一からやり直し。再び攻めなければならなくなった。
私は納得行かなかったので、提督に問い質してみた。
大和「提督、少しいいでしょうか」
提督「何だ」
大和「失礼かと思われますが、何故撤退を?陽炎ちゃんはまだ中破でした。私たちが前衛に出れば轟沈はまず無かったと思いますが」
提督「...大和の不満も理解出来る。だが、これは俺のやり方だ。損害は出してもいいが、損失は許さない」
大和「?」
提督「たとえ前衛として陽炎を守れると言っても、戦場じゃ何が起こるかわからない。中破から一気に轟沈してしまうかもしれない」
大和「...」
提督「臆病者と思ってくれて構わない。でも俺は、轟沈を出さず、終戦まで皆を生き残らせたい」
大和「...そうですか」
提督「すまない。俺のやり方が気に食わないのなら、転属も考える」
私は呆れを通り越して感心した。損失は許さない?何を寝言を言ってるのか。
戦争において損失が許されないという言葉は、不可能に等しい事だ。しかし、この男はそのやり方で戦果を最も上げている。
この矛盾が成り立たせている事実。試行錯誤が出来てこその艦隊運用。まるでゲームでもしているかのような茶番を感じた。
そして、この男は艦娘を割れ物のように扱い、信頼を大き過ぎる程に寄せている。こいつもまた、軟弱者である事に変わりない。
だが、だからこそ壊しがいがある。
この男の顔が絶望に染まる瞬間を、この目で見たい。信頼していた者から刃を向けられた時の顔を見てみたい。
私に新たな楽しみが出来た。
大和「...素晴らしいと思います」
提督「?」
大和「ここまで艦娘を大切にしているとは思いませんでした。この大和、感服しました」
提督「...」
大和「私も、皆と一緒に戦いを終わらせたいです」
私の言葉を聞いて、提督は口元を綻ばせていた。人間とは本当に単純だ。
これはもう少し仲間を増やす必要があるようだ。なるべく、奴が絶望できるように...
しかし、仲間にするにあたっても、ある程度の選別をしなければならない。
まず、睦月型は論外だ。あのガキ共は口が軽そうだ。
朝潮型は、朝潮があの人間の側をうろちょろしている。ここで妹たちを仲間に引き入れようものなら計画をバラしかねない。よって除外。
そうなると、駆逐艦で仲間にするなら陽炎型辺りか。
軽巡以上の大型艦は、今のところ特に策が思い付かない。何か不満を持っている所に付け込めば何とかなるかもしれん。まだ不確定だが、ゆっくりと観察するしかない。
いざとなれば力で示す。誰も私には敵わないのだから。
演技をし続けなければならないが、来るべき時の為と思えば一時の苦しみだ。
せいぜい今のうちに書類とにらめっこしていろ。お前が気付いた時は既に手遅れになっているだろうからな!
***
私の練度が上がるにつれ、自然と発言力が増していった。
私よりも在籍期間が長い艦娘も、徐々に私の意見に賛同するようになっていった。
ここ最近は艦隊決戦で必ず編成される。そして、敵主力艦隊に止めを刺しているのも私だ。
まるで全てが運命のように、トントン拍子に事が運んでいった。
そして...
赤城「提督への不満、ですか?そうですね...強いて言うなら、慎重過ぎるところですかね」
加賀「私たちは大破するまでは妖精の力を維持出来ると言われてますので、些か過保護だと思います」
大和「なら、私たちが指揮をすれば、海域攻略が格段に進むのでは?」
赤城「そんな事出来るんですか?」
大和「私も少し提督のやり方に不満を感じています。ずっと慎重なままでは戦争は終わりませんから」
一航戦では話を合わせ、徐々に話題を変え、意識を同調させていった。
次は重巡を落とそうと思った。
足柄「ぷはー!やっぱり勝利の美酒は格別ね!」グビグビ
那智「ああ、この時のために生きているとも思える!」
摩耶「しっかし、よくこんなやり方でここまで来れてるよなぁ」
鳥海「司令官さんは運も味方に付けていますね」
大和「そうですけど...」
こいつらは一航戦と同じやり方が通じなそうだった。だから、酔ったフリをして種火を入れてみた。
大和「うーん...あの子たちもここに来れれば...」
鳥海「あの子たち?」
大和「いえ、ここに着任するまでの話なんですけど、私と同時に建造された子が居たんですよ。ただ、その子はバグを持って生まれてきたから期待ハズレの烙印を押されて解体されてしまって...」グスッ
摩耶「おいおい、バグってマジであったのか?」
鳥海「発見例はかなり少ないけどあると言われてますが、まさか大和さんと同時に建造された子が...」
大和「私は影から聞いてたんだけど、傷物とか不良品とか言われて可哀想でした...怖くて声が出なくて、何も出来ませんでした...」グスッ
足柄「やーねぇ!建造されたのにすぐ解体なんて!」
那智「まあ、手前勝手な面が見受けられる時もあるな」
大和「そうなんです...人は自分勝手なんですよ...いずれ私たちも解体されるかも...」
勿論嘘だ。こうして人間に対するヘイトを集め、いずれ計画に参入させるつもりだ。種火はいずれ大火へと姿を変える。
川内型はというと、正直拍子抜けだった。
川内「大和さんが提督になるの?そしたら今以上に夜戦させてくれるの?」
那珂「大和さんが指揮するんですか?それならアイドルにも専念出来そう!」
こいつらは物事の倫理観が少しばかり欠如していた。ただ、面白いかつまらないか。自分が満足出来る結果になればそれでいいという感じだった。
正直なところ、現時点でもかなり自由に動き回っていると思うが、こいつらはそれでも飽きたらぬようだった。
問題は神通だったが、こいつは姉妹同士の多数決に滅法弱かった。渋々賛同したが、いずれゆっくりと意識を同調させてやる。
筑摩と千代田にも話をしたが、お互い難色を示していた。この二人は姉を提督と同等以上に慕っていたので、恐らく姉を引き入れるか否かを迷っていたのだろう。
そして予想通り、姉は巻き込まないという条件付きで計画に参入した。この時少しやる気を出していたのは千代田の方だった。
千代田は千歳と提督が仲良くしている所が気に食わない節があったようだ。筑摩はそのような点が見受けられなかったが、流されやすいところがあったので、好都合だった。
そして、この話を隠れて聞いていた陽炎型を電探で察知した。
私は陽炎たちを別室へ移動させ、他の同志たちを呼び、洗脳するように言い聞かせた。もし暴れようにも、駆逐艦如きが戦艦や空母に敵う事は無い。
恐怖だけではいずれボロを出しかねないので、好奇心も煽る事にした。戦争が終わった後のこと、自分のやりたい事など、様々な話をさせていくと、彼女たちは乗り気になっていった。ガキなどチョロいものだ。
こうして、私たちはクーデターのメンバーを結成した。提督が床に就いた後、時折計画の修正や準備を整えていた。
ある日、それを覗かれた。親潮だった。
親潮はかなり提督寄りの艦娘だった。このままでは計画が台無しになってしまう。
私は急いで親潮を拘束し、陽炎たちを連れてきた。こうなってしまっては仕方が無いので、大淀と同じく強硬手段に出る他なかった。
深海棲艦との戦争も順調に終わりに近付いていた。即ち、計画実行の時も近付いていた矢先の出来事だった。
私は全てが上手くいっていて少し浮かれていたのだろう。だが、これで目が覚めた。クーデター実行まで、最早微塵の油断もない。
しばらくすると、陽炎たちが親潮を連れてきた。どうやら親潮も計画に参入することになった。
もう一から説明する時間が無いので、クーデター後の火消しを担当してもらう事にした。
しかし、ここに来て一番の問題が浮上した。
奴の初期艦の朝潮だった。
計画を実行しようとする時に限って、奴が提督の近くにいようとするのだ。
単に運が悪かったのか、それともこっちに感づいているのか。
何にせよ、朝潮をどうにかして排除しなければあの人間も消せないのだ。
計画は一時中断し、少しの間ターゲットを朝潮に変更した。
艦娘に手を掛ける訳には行かなかったが、これは例外だ。提督の周りでうろちょろされると困るからな。
***
計画中断から少し経った日、深海棲艦の大攻勢が発生した。勝利を重ねている私たちへの最後の抵抗と行ったところだった。
他の鎮守府の連中は戦々恐々としていたみたいだが、私たちにとっては烏合の衆に見えた。
武蔵のいる鎮守府も友軍として援護に来たお陰で、こちらの損害は軽微な上、深海棲艦には大打撃を与えられた。
艦娘の本懐である戦闘に勝利するのはいつでもいい気分がするものだ。
だが、この後鎮守府に帰投するとなると、嫌な気分になる。計画を先延ばしにするのは好ましくない。仲間の団結力が強い間に、何とかしなければ、と思いながら私は鎮守府へ戻った。
埠頭に戻ると、朝潮が私を呼び止めた。
朝潮「お疲れ様です、大和さん」
大和「ありがとうございます」
朝潮「執務室にて司令官がお呼びです」
大和「...了解です。何でしょうか...」
朝潮「私の口からは言えません」
私はその時、背筋が凍りついた。
まさか、計画がバレたのか!?いつ、どこでボロが出た!?どうして気付かれた!?誰かが喋ったのか!?見つかったのか!?
いや待て、まだ決めつけるのは良くない。きっと今回の出撃を労う為かもしれない。だが、それなら私だけを呼び出す必要があるか?わからない。何が目的なんだ...?
私は頭が痛くなった。まさかここにきて計画が水の泡になる可能性があると思うと、身体が震えてしまう。
それでも、怪しまれないように執務室までは平静を装って歩く。疚しいことなど一切無いという堂々とした歩調でいく。
そして、執務室に着き、扉を開けた...
大和「失礼します」ガチャ
提督「おお、来たか。出撃お疲れ様」
大和「ありがとうございます。結果は知っている通り、私たちの勝利です」
提督「ああ。今回の勝利はとても大きい。深海棲艦との戦いももうすぐ終わるだろう」
さぁ、こいつはいつ私を問い質すんだ...
誰かから聞いたとなると、裏切り者がいるのか?
いや待て、まだ決めつけるのは良くない。
何か別の用事で私を呼んだのかもしれない。それなら朝潮もいてもいいはずだが、やはり...?
そう言えば今はこいつと私だけではないか。
朝潮がいない今、ここでこいつを消せる!
だが、それならここまで仲間を増やす必要は無かったし、そもそも私の楽しみが達成されないではないか。
しかし、あくまでそれは私個人の趣向だ。本当の目的を忘れるな。こいつを消さない事には私の野望が達成されない。
深海棲艦も虫の息のこのタイミングなら十分だ。後は手下どもに隠蔽工作を徹底すればいい。
朝潮の処理もその後でいい。海域で適当に殺してやる。
さあ、艤装を展開...
提督「そういえば、大和」
大和「は、はい」
提督「渡したい物があるんだが」スッ
来たか。何か小さなものを出してきた。箱か?
盗聴器か何かか?これはもう確信と言ってもいい。こいつは勘づいていた。
朝潮を遣わせてここに来させたという事は、恐らく扉の外で奴は待機している...が、電探にはそれらしい反応は感じられない。
ならば、ここではないどこかにいるのか?
まあいい。計画について話した時が、お前の最期だ!
提督「これ、大本営に申請して配備させた『ケッコンカッコカリ』の指輪だ」
大和「...え?」
...は?
提督「何でも、燃費向上とか艦娘の性能向上が期待されるらしい」
大和「...そ、そうなんですか」
私としたことが、一瞬思考停止してしまった。
盗聴器でもなければ、計画についてでもない。
ケッコンカッコカリだと?何と悪趣味な真似を...
だが、話を聞いていると、悪い話ではないようだ。
練度限界を迎えた艦娘の力を更に高める装備なのだ。限界を超えられるものを断る奴などいるものか。
だが、食い気味に受け取ると何か不審に思われかねない。ここはいつものように、皆が思い描くお淑やかな大和を演じて受け取ろう。
大和「こ、これを...私にですか?」
提督「ああ。嫌なら受け取る必要は...」
大和「そ、そんなことございません!是非とも、受け取らせて下さい!」
提督「そ、そうか...わかった」
大和「...私は、朝潮ちゃんに渡すと思ってましたから、その...」
一応疑問に思った事を聞いておこう。私より先に練度限界に達しているであろう朝潮に渡さず、何故大和に渡したのか。
提督「...話し合ったんだ。それで、君に渡すと決めた」
...この男と朝潮は、とんでもないバカだったようだ。
練度限界を突破できる装備を譲る?私には理解出来ない。
それに、意図せずして私の楽しみをより濃厚にしてくれるとは、やはり人間は馬鹿だ。
しかし、この大和を強化しようとした考えだけは賞賛してやる。私の野望と、最後の楽しみのために、これ程までに完璧なピエロになってくれるとは思わなかったぞ。
大和「う、嬉しいです...」
これは私個人の感情そのものだった。これ程までに嬉しい誤算は無い。
渾身の演技のおかげで、提督は気持ち悪い笑みを浮かべていた。私は早々に立ち去り、急いで計画の再開を手下たちに教えた。
今回の海戦の勝利を祝して、即興ではあるが祝勝会を開き、油断させるのだ。
そして、皆がお祭り騒ぎをして寝静まった後、遂に計画を実行するのだ。
浮かれているあのバカがどのような顔をするかと思うと、心が弾んでしまう。思わず顔がニヤけてしまう。
さあ、私の野望の第一歩が始まる。
***
祝勝会は滞りなく終わり、提督は酒を飲みまくって寝ていた。
後は手下どもに任せるとして、私は朝潮の様子を見に行った。
朝潮「すぅ...」
大和「...よし」
私が確認を終えると同時に、外から喧騒が聞こえてきた。
まさか、もう起きるとは思わなかった。だが、今更である。私も行くとしよう。
提督「お、おい!何やってんだよ!」ガタガタ
摩耶「へー?あんだけたらふく酒飲んだ割には、随分早い目覚めだな」ニヤニヤ
提督「ま、摩耶!どうなってるんだ!?とにかくこれを解いてくれ!」ギチギチ
川内「この期に及んでまだ理解出来てないの?ほんっと鈍いよねぇ」アキレ
提督「せ、川内!?何を言って...み、みんな!?」
陽炎「いやーバカだよねぇ。勝って兜の緒を締めよって自分で言ってた癖にさ」クスクス
赤城「まあ、悪く思わないで下さいね。これも全てあの人の計画ですから。そうよね?加賀さん」
加賀「そうね。バカな人間に従うのはもううんざりだと言ってましたから」
提督「だ、誰なんだ...」
大和「私ですよ。『元』提督」
提督「...嘘だ」
いい表情だ。驚愕と絶望が入り交じっている。
大和「信じられない?まあ当然か。こんな指輪で馬鹿みたいに浮かれればねぇ」キラッ
提督「そんな...何故だ!」
大和「これから死にゆく者に言う必要ある?」
艦娘たち『ないでーす!』ゲラゲラ
提督「くっ...!」ポロポロ
大和「さ、とっととボートを出して。深海棲艦共の餌にしちゃいましょ」
黒潮「了解や~」グイグイ
提督「やめろ!くそっ...!」ジタバタ
不知火「暴れるな」ドカッ
提督「ゴフッ!?」
不知火「全く、お前ごときに無駄な労力を使いたくないんですよ。見てて気分が悪くなります」ゲシッゲシッ
提督「がっ...ごはっ...」ポロポロ
大和「あらら、大の男が泣いちゃってますねぇ。情けない」
ここにきて不知火が思わぬファインプレーをした。男が泣いている所を見下ろすと、どうしようもないぐらいの優越感に浸ることができた。
提督「お前ら...お前ら...!」ギリギリ
こいつの表情に怒りも宿り始めた。あまり騒がれると面倒だし、私も程々に満足したし、そろそろ頃合か。
大和「ふーん、目だけは生きてるんですね。見てて吐き気がします。不知火ちゃん!黒潮ちゃん!」
黒潮「ボート出すで」
不知火「ふん、大人しくしていろ」
提督「今までの信頼は...嘘だったのか!?」
想定していたセリフが一字たりとも違わずに口から出て、思わず笑ってしまった。
やはり、私の期待した通りだ。人間は痛めつけてこそ面白みがある。
大和「アッハッハ!バーカ!信頼してたのはお前だけだ!」ゲラゲラ
『ウケるー!』『間抜けー!』『ギャハハ!』
提督「畜生...!畜生!」ジタバタ
大和「もう諦めろ。あんたはもうすぐ死ぬんだから」バイバイ
ボートが出て、しばらく経った。
私は艤装展開し、クライマックスに向けて準備をした。
大和「さーて皆さんお待ちかね!戦艦大和の弾着観測射撃の時間です!」
艦娘たち『イエー!』パチパチ
大和「いつも昼間にドンパチやってましたが、今回は夜間初挑戦!」
艦娘たち『いいぞー!』
大和「世界に誇る46センチ砲が火を吹きます!とくとご覧あれー!」ガチャ
零観妖精「」ビクビク
大和「おい、ちゃんと働かなかったらお前も奴と同じ目に遭わせるぞ」
零観妖精「は、はい...」ビクビク
大和「ほら、とっとと行け」
零観妖精「ごめんなさい、ていとくさん...」ブ-ン
零観に乗った妖精ですらあの男の心配をしている。だが、妖精ですら裏切るなら容赦しない。
非常に耳障りなセリフばかり吐きやがった。あいつもいずれ洗脳か始末しよう。
が、観測最中に思わぬ来客が来た。
朝潮「ちょ、ちょっと!何をしてるんですか!?」ドタドタ
陽炎「...ちっ、うるさいのが来たね」
朝潮「先程からの騒ぎ...大和さん!あなたは何をしてるのかわかってるんですか!?」
また、こいつだ。いつもこいつだ。
こいつにまた邪魔をされた。この大和の邪魔を、何度すれば気が済むんだ。
いちいちうるさい蝿みたいなガキに、何故邪魔されなきゃならない!
大和「...あーあー、なぁに?指輪を渡されなかった初期艦様?」イライラ
朝潮「っ...そ、それは...」
大和「今からみんなにショーを見せようと思ってたんだけど、あんたが来たお陰で白けたんですけど?どう責任取ってくれんの?」イライラ
朝潮「ショー...ですって?」
大和「あんたの愛しい愛しい提督様なら海の上にいるわ。連れ戻してきたきゃ自分でやってよね」イライラ
朝潮「っ...司令官!」ダッ
丁度いい。零観妖精の観測が終わり次第、奴諸共吹き飛ばしてやる。
ちょっとしたアクシデントがあったが、終わりよければ全てよし。お互い喜んで沈んで死ね。
大和「...はーい皆さん、とんだ邪魔が入っちゃいまして申し訳ございません!ショーの続きを始めます!」
大和「零式水上観測機からゴミの位置情報が届きましたー!それでは、全砲門!」グググ
大和『てぇ!』ド-ン!
零観妖精の報告が無くとも私にはわかった。命中したんだ。
妖精は震え声で宙を舞う朝潮と提督を見たと報告した。私は喜びに震え上がる。
成功したんだ。私の野望の第一歩が、無事に踏み出せた。
大和「...成功でーす!」ジャ-ン
艦娘たち『おぉー!』パチパチ
大和「いちいちうるさい蝿も同時に処理出来ましたー!」
艦娘たち『おぉー!』パチパチ
大和「以上で夜間弾着観測射撃ショーを終了します!皆様、ありがとうございましたー」
艦娘たち『おつかれー!』
大和「さ、今後は計画通り、お願いね」
大和「バイバイ。馬鹿な人間さん」ニタリ
これで障害は消えた。まだ私の野望は始まったばかりだ。
やる事は沢山あるが、私ならできる。やりきってやる。
まずは、予定通り隠蔽工作だ。明日から忙しくなる。
***
隠蔽工作は仕組まれてるのではないかと疑う程に早く済み、大本営も私を提督代行任命した。
やはり馬鹿ばかりだ。睦月型のガキ共はすぐに信じ込んだ。朝潮型は多少疑っていたが、それでも反論はしなかった。
だが、奴のために涙を流す様は非常に腹が立った。
腹いせにしばらく遠征に従事してもらおうか。
顔も見たくなくなってきた。人間の為に涙を流すなど、上位者としてあるまじき行為だ。
...だが、今すぐにやろうとすると怪しまれる可能性がある。
ここは少しだけ捜索活動らしい動きを見せ、慰霊会でも開いた後にしよう。
そして、捜索活動を始め、わざと時間を掛けて弾着観測地点に散らばるボートの破片を見つけた。
偶然、鉄の破片も見つかり、適当に朝潮の物として提出した。
また睦月型が泣く。それに釣られて朝潮型が涙ぐむ。こっちは笑いを堪えるのに必死だった。
提督と朝潮は死亡したと判断され、慰霊会の準備を始めた。
千歳が自棄飲みしたいのか、自室から酒瓶を何本も持ってきた。足柄がつまみを持ってこようとしていたので、私は軽く止めた。
慰霊会で私は提督の遺志を継ぐ旨を話し、駆逐共がわんわん泣いてる所を背に、献杯という名の乾杯を仲間たちと交わした。
後処理は念入りにやった。後は適当に深海棲艦を狩り、終戦に持ち込ませれば次のステップだ。
私と神通、鳥海以外が潰れてしまったので、場所を変えた。酔い醒ましに提督の座っていた椅子に座ったが、なんとも言えない満足感が私を支配する。
この満足感をいつも奴が感じていたと思うとむかっ腹が立つが、今はもう私のものだ。
全て思い通りに進む。
私は人よりも優れた存在なのだから。
ここで、何故か妖精どもが震えだした。
妖精どもは海を見つめながら震えている。
警報は作動しない。何に怯えているのだろうか。
***
残党狩りを続けていると、上位の深海棲艦の目撃情報が入った。私はこれに食いつき、早速討伐部隊を派遣した。
メンツは赤城、加賀、川内、神通、那珂、親潮。負ける事はまずない。これで勝利を得たなら、私の評価と地位は盤石なものになるだろう。
ところが、彼女らは帰ってこなかった。
何か予想外の事態が起きたら救援要請を出すはず。流石にそれを忘れるほど馬鹿ではないはず。
つまり、彼女らは急襲され、救援要請を出す暇もなくやられたという事になる。
有り得ない。最早虫の息の深海棲艦どもが、隠し玉でも出してきたというのか。
知性を持つ深海棲艦がいたとしても、あのメンツなら負けるはずがない。
何が起こった?こんな事有り得ない。
妖精どもは震え上がり、部屋の隅で縮こまっている。こいつらは何を恐れている?
何にせよ、私は頭に来ている。
深海棲艦如きが小癪な真似をしてくれたな。
主力艦はまだいるものの、航空戦力が居なくなったのは非常に痛い。
どうにかして取り戻さなければ。
***
捜索隊を派遣したら、また仲間が消えた。
今度は千歳、千代田、鳥海が消え、朝潮型だけ戻ってきた。
仲間だったのは千代田と鳥海。千歳は無関与なので、敵は無計画に攫っている訳では無いらしい。大型艦の捕獲が目的か?
私の中にはもうひとつの疑問があった。
だが、私の鎮守府ではそれを証明しにくい。
ここは、他の連中も巻き込む必要があるようだ。
***
友提督の鎮守府に協力を求めたら、快く受けてくれた。人間に協力を求めるのはこれっきりだ。不快極まりない。
だが、今回は他にも大型艦がいる。深海棲艦どもの狙いが大型艦だけなら、友提督の艦娘も攫われるはず。
もしそうでないとしたら...
大淀「未帰還の艦娘...摩耶、那智、足柄、利根、筑摩、陽炎、不知火、黒潮、大潮、満潮、荒潮です」
大和「...ちっ」
やはりそうか。私の仲間が目的か。利根と朝潮型は巻き添えという事になる。
大淀「その中で、三日月さんと望月さんが、鳥海さんを見たとのことです。そして、協力してくれた武蔵さんは、千歳さんを見たと」
大和「...」
大淀「詳しい報告は後日にするとして、これをどう見ますか」
この女はわざと聞いているのか...?
こんなの、誰でも分かる。
大和「決まってんでしょ。狙われてるのよ。恐らく、奴に」
大淀「奴とは?」
大和「あんたも気付いてんでしょ。ここの元提督よ」
大淀「...俄に信じ難い話ですね」
大和「私もそう思いたいわ。でもね、こうも計画を知っているメンバーが消えていけば、ね」
大淀「つまり...これは」
あの人間が生き残り、深海棲艦に手を貸す...
そう、これはまさしく...
大和「報復じゃない?」
大淀「...あまり驚かれてないようですが」
大和「低脳が考えそうな事じゃない?運良く生き延びて、深海棲艦の手先になって復讐とか。堕ちる所まで堕ちたものね」
大淀「...」
大和「皆がやられても、この大和は負けない。世界最強の戦艦であるこの私が、人間ごときに屈服することは無い。最後に勝つのはこの大和だ!大和だ!」ドンッ!
死に損ないの癖に、この私を追い詰めたつもりなのか。
忌々しい。人間の癖に、この私に盾突くのか。
人間の癖に!
人間の癖に!!!
***
数日経ち、私の元に一本の電話が来た。
大和「はい...」ガチャ
元帥「おお、提督代行の大和かね」
大和「そうです」
元帥「此度の捜索は残念だったな」
大和「はい...」
元帥「今、お主の鎮守府に何人艦娘がいる?」
大和「...駆逐艦皐月、文月、長月、菊月、三日月、望月、軽巡大淀、そして...」
元帥「大和だけ、か。随分少なくなってしまったな」
大和「はい...」
元帥「この結果を受け、儂らはお主の指揮に難ありという意見を持っておる。これ以上損失が増えれば、鎮守府を放棄せねばならないのだ」
大和「はい...」
元帥「提督の遺志を継いだとしても、彼には成り代われん。お主も消えてしまう前に、もう一度艦娘として生きてほしい」
大和「それは...」
元帥「...まだ、彼の遺志があると言うなら、これが最後じゃ。これ以上損失が増えたら、指揮権を剥奪せねばならん。わかったな?」
大和「...はい、了解です」ガチャ
...ちっ、流石に損害が大きすぎたか。大本営の連中が釘を刺してきた。
余計なお世話だ。元はと言えば攫われる雑魚が悪いんだ。
大淀「どうされました?」
大和「鎮守府の欠員が著しいから、指揮権の剥奪を検討するとか言われたわ」イライラ
大淀「それは残念ですね」
大和「チッ、どいつもこいつも攫われて、私の計画が台無しじゃない。やっぱ弱い奴は使えないわ」
大淀「...」
大和「大淀、まさかあんたも一枚噛んでるんじゃないでしょうね?」
大淀「...いえ、そんな事はありません。でも、私の役目はここまでですね」
大和「は?」
役目...だと?
大淀「大和さん、今までの会話は全て盗聴器で録音してあります。保存データは私しか知らない所に隠してあります。もし見つけてもバックアップがありますので」
こいつ、まさか...
こいつが私を尾けていたのは...
大和「...お前、私と同時期に建造されたから警戒していなかったが、奴らのスパイだったのか?」
大淀「私は大本営からあなたの監視を任命された艦娘です。あなたが建造された時に発見された『バグ』の監視の為に」
大和「バグ、だと?」
大淀「建造される艦娘はごく稀に艦娘型録に記載されていない特徴を持つことがあります。人間で言う突然変異に近いものですね。例えば、容姿、性格、センス」
大淀「あなたの場合は性格に変異が見受けられました。しかし、建造当初はその兆候が全く見られず、誤認かと思われました」
大淀「そして、この鎮守府に着任すると希望した際、元帥からあなたの監視を任されました。我々や提督の前では猫を被っているかもしれないから、と」
大淀「突然変異のデータ収集もありましたが、提督への心配もあったと思います。しかし、まさか着任した直後に、私に本性を現すとは思いませんでした」
大淀「私や大本営が思ってる以上に人間を嫌悪し、危険な思想を持っていました。計画を聞いて、何故か私も同調してしまう狂気を感じました。私も、データを大本営に渡すことを躊躇うぐらい、狂気に侵されていたのでしょう」
大淀「そして、あの夜。実は私は全て見ていました。あなたの狂気に魅入られた艦娘たちは、見事に提督に牙を剥きました。私は恐怖と同時に、高揚しました。このまま責務を放棄し、人の上に立つのも悪くないと思いました」
大淀「でも、それも愚かな夢だと気付いた時には遅すぎました。復讐を果たさんとする提督の魔の手が、多くの仲間を連れ去って行きました。私たちもいずれ、彼に殺される事でしょう」
大和「...は?」
大淀「一体、どこで道を違えたのでしょうね。あなたの計画を知ったところか、この鎮守府に着任して監視に就いたところか、あなたがバグを抱えて建造されたところか...」
大和「お前...まさか逃げようとでも?」
大淀「どうでしょうね?逃げてもいいですが、恐怖に怯えながら生きるというのも考えものですし、そもそも逃げられないかもしれませんし」
大和「...この私を、大和を差し置いて逃げると?」
大淀「...まあ、奴らが来るまでに動かないとですね。尤も、もうそれすらも手遅れかもしれませんが」
大和「何?」
大淀「言い忘れてましたが、敵勢力の反応がありました。もう鎮守府近海まで押し寄せています」
大和「なっ...!」
大淀「私はどうなっても構いませんが、一応逃げることにします。大本営にも報告しないといけませんし」
大和「大淀ぉ!!!!」
大淀「短い間でしたが、提督お疲れ様でした。それでは」ガチャ
大和「...逃がすかぁ!!!」ダッ
この糞女め!とんでもない置き土産を残しやがって!
お前も人間に与するのか!人間如きに!
許さない!許さない!!
大淀「はぁ、はぁ、はぁ」
大和「大淀ぉぉ!!!」ガシッ
大淀「うぅ!」
大和「何が逃げるだ!?ふざけんじゃないわよ!人間の言いなりになって、私を監視しておいて!」グググ
大淀「うぐっ...ふんっ!」ピカッ
大和「くっ!?」
こいつ、小癪な真似を...!
大和「フラッシュバンか...くそっ!」
このままじゃ、逃げられる...!
まだ視界が完全に回復しない...!
光がやっと消えてきたが...
大和「くそっ!どこだ!」キョロキョロ
大和「あのクソメガネ、逃げたな!」
大和「...それに、この音...もう来たか」
くそっ!くそっ!!
奴らは押し寄せてくるだけだ。砲音の一つも聞こえない。
何故だ!?
大和「...ちっ、駆逐艦たち!どこいったの!?」
大和「...反応無し。さては大淀め、先に逃がしたか?」
大和「まあいい、私は大和。世界最強の戦艦が全てを消し去ってやる」
大和「かかってこいゴミ共ぉ!!!」ダッ
そう、私ならできる。やってやる。
たかが深海棲艦如きに遅れなど取らん!
私は大和だ。世界最強の戦艦なのだ!
***
大和「...ん?」
レ級e『...』
おかしい、突っ込んでも、誰も反応しない。
何が目的なんだ?
大和「誰も撃ってこない...それに、私を囲んで...」
レ級e『キヒヒ、夢にまで見た戦艦大和とのタイマンだ』
大和「あ?」
レ級e『さあ、とっとと始めよう。失望させるなよ!』ド-ン!
大和「ほざいてろ!直ぐに海の藻屑にしてやる!」ド-ン!
こいつは見覚えがある。ソロモン海北方で目撃例があるレ級とかいう雑魚だ。
一騎打ちを所望のようだか、飛んで火に入る夏の虫だ!
***
おかしい、何故私の攻撃が当たらない!?
こいつは戦闘狂のはず!ただ突っ込むだけが能なしが、何故ここまで高度な動きを...!?
それに、何故奴の攻撃だけ当たるんだ!?
こいつには未来が見えているというのか!?
何故!何故だ!?
レ級e『下手くそだなぁ。やっぱ口だけか?』ドン
何だと...?
レ級e『戦艦大和だから多少期待してたが、思ったより弱いな』ドン
レ級e『はー、アホくさ。辞めたら?艦娘』ド-ン!
レ級e『どこ撃ってんの?あ、お前もしかして喧嘩初めてか?力抜けよ』ド-ン
こ、この私を...侮辱するのか...!
海から湧き出るゴミの分際で、この私を、大和を...!!!
大和「調子に乗るなゴミがぁ!!!」ド-ン!ド-ン!
当たれ!当たれ!当たれぇ!!
レ級e「」ド-ン!
大和「がっ!!!」
レ級e『マジつまんな』ド-ン!
大和「うっ!!」
レ級e『大和の名を背負うのやめなよ。恥の上塗りだ』ド-ン!
大和「あぁ!!!」大破
レ級e『腹立つから殺してやりたいけど、提督がお待ちかねだかんね。後は任せた』ドゴッ
大和「ごふっ...」グラッ
レ級e『ワ級』
ワ級f『はい、ただいま』ガブッ
ち、畜生...
***
目覚めたら、薄暗い部屋にいた。隣に誰かいるようだ。
当然、拘束されている。最早自明の理だ。
そして、誰がこんな真似をするかというと...
提督「さーてここか」ガチャ
大和「...やはりお前か」ギラッ
提督「あ、レ級にボコボコにされた自称世界最強の艦娘じゃないっすか」
大和「っ...」
提督「それと自分だけ逃げようとした受話器メガネの大淀じゃないっすか」
大淀「...提督」
提督「いやー遂にここまで来たねぇ。何か感慨深いねぇ」
大和「深海に寝返った国賊め!」
提督「おーおー、今更正義の艦娘ぶってんじゃねぇよ小物が。大本営もこんなゴミ送ってくるとは思わなかったぜ」
何度私を侮辱すれば気が済むんだ?
こいつはどこまで、私の誇りを傷付けるんだ?
こんな拘束具、すぐに壊して...
提督「そういや大淀も大本営から来てたよなぁ?何か事情とか知らないの?」
大淀「...それを言ったら、殺してくれますか?」
提督「そいつは保障出来ねぇなぁ。まあ前向きに考えてやるよ」
...は?
大淀「...大本営にのみ設置されている大型建造装置、通称『溶鉱炉』は、生み出される艦娘の種類が通常より格段に多い事は知ってますよね」
提督「おう」
大淀「しかし、種類が多い反面、建造精度に誤差が生じている事が確認されたのです。以降これを『バグ』と呼びます。通常の建造装置は建造できる種類がそれほど多くないので、精度は非常に高いのです」
提督「...」
大淀「人が生まれてくる時にも、ごく稀に遺伝子疾患を持つ赤子が出てくるのと同じく、艦娘、もとい船も建造で僅かな故障を持ったまま生まれて来ることがあります。大和はその一例です」
提督「は?」
大淀「もちろん建造直後はバグの確認の為に、妖精さんがチェックをします。恐らく提督なら、チェックを掻い潜り、鎮守府に着任したものと思うでしょう」
提督「違うのか」
大淀「はい。建造妖精たちは大和の性格、精神面にバグを確認しました。バグのある艦娘は艦隊運用において支障ありと見なされ、解体されるのが普通ですが、大本営は妖精の報告を『無かったこと』として、着任を許可したのです」
提督「...何故だ」
大淀「かつての日本を表し、第二次大戦中の日本の切り札とされた戦艦の建造に成功したのです。それが運悪くバグを抱えていた。また建造できる可能性は低く、資材の余裕も無い。即ち、『勿体ないからやらなかった』という事です」
提督「...」
大淀「今回の事件の原因は大和にもありますが、大本営の杜撰な対応にもあります。ですが、大本営は今や国防の要。ここで陥落する訳にはいかないんです。だから、この真実と、私の命をもって、復讐を終わりにして下さい」
提督「...」
大淀「どうか、ここにいる者のみの犠牲で終わらせてほしいのです。どうか...」
こいつもまだ減らず口を...!
大和「私をまた愚弄したな!この大和をんぐっ!?」ガシッ
提督「ちと黙ってろ」グググ
大和(ば、バカな!?人間如きがこんな力を!?)
提督「...そーかいそーかい、てめぇらのガバのお陰で俺はこうなったってのかい」
大淀「元を辿ればそうなります」
提督「...はー、海月姫。追加であの薬作れる?」
深海海月姫「...その子の分?」
提督「ああ。俺は今最高に頭に来てる」
深海海月姫「...少し待ってて」スタスタ
提督「...大淀、よく話してくれたな」
大淀「...なら、殺してくれますか?」
提督「気が変わった。お前も実行犯同様、永遠に苦しんでもらう」
大淀「え...」
提督「そんな重要な事を知っておいて話さなかったのは、ある意味今回の謀反より重いぞ」グググ
大和「んん!?」
大淀「...」
提督「切れ者だと思っていたが、役立たずのクズだったな。笑わせんじゃねぇぞ!」ブチッ
大和「うぁぁ!!?」
提督「おっと、口を引きちぎっちまった。力み過ぎたか」ポイッ
大和「こ、このクソ猿がぁ!このやあと(大和)を傷付けていいとおおって(思って)いるのかぁ!!」ダラダラ
提督「いいに決まってるだろクソ女。てめぇら裏切り者に人並みの権利が残ってると思うな」
大淀「そんな...」
提督「それと、軍ではこういう事件は連帯責任で通ってるよなぁ?あの夜いたクズ共をここに集めるか」
***
な、なんだこいつら...
なんて姿をしているんだ...
まるで正気を感じられない、ボロ人形同然じゃないか...
こんなことは有り得ない...艦娘が、人間に屈服するなど...
こんなヤツら...艦娘では無い...私の仲間は、もっと強く、頼れたはず...
提督「どーっすか大和。あんたの同胞、まだ生かしといてあるぜ」
大和「な、何だそいつらは...」
提督「何って、さっき一人一人確認しただろ?」
大和「わ、私は人間如きに敗れるかんんす(艦娘)は知らない!そんなボロ人形なんか知らない!」
提督「あら、あらあら、張本人がそんな事言っちゃうかぁ。こりゃかなーりキツい罰が下るなぁ?」
朝潮「謀反のリーダーなら、全員分の罰を受けるべきかと」
大和「は、はぁ!?このガキ!」
朝潮「口の利き方に気を付けろ」ドスッ
大和「ごはっ!?」
朝潮「貴様のようなクズに指輪を譲ったのが間違いでしたよ」ドゴッ
大和「く、駆逐艦如きが...」
朝潮「駆逐艦如きが、何か?」スッ
大和「お、おあえいたいな(お前みたいな)ゴミが指輪を受け取ったところで何の役にお(役にも)立たないだろう!あの指輪は私にこそ相応しい、強者の証だ!」
朝潮「私はそんな証など要りません。欲しかったのは、司令官との強い絆だけでした。貴様のお陰で邪に染まった指輪など...ふんっ」ガシッ
大和「な、何をする!」
朝潮「この世に存在してはなりません」グリグリ
大和「や、やえろ!(やめろ!)いだい!」
朝潮「それ」ブチッ
大和「うああああ!!!!」
朝潮「これで、力も抜けたでしょう」バキッ
大和「く、クソがぁ...!」
こいつ、薬指を千切りやがって...!
くそっ、力が抜けていく...これでは、拘束具を破壊出来ない...
深海海月姫「持ってきたわ」ガチャガチャ
提督「おー待ってましたぁ。そんじゃ、お注射の時間ですよぉ」ピュッ
大和「注射だと?下らん!毒などでこのやあと(大和)は死なん!」
提督「毒ならよかったと思う時が来るだろうぜ。オラッ!」ブスッ
大和「ぐっ...!」
な、何の薬なんだ!
畜生、体に力が入らない!
大和「な、何を打っ...た...」
大和(何だ...意識が...)
提督「ふふふ、そう怖がることは無い」
大和(だ、ダメだ...目の前が暗く...)
提督「5分後にまた会おう」
***
5分後...
大和「...ん」パチッ
深海海月姫「ふふ、お目覚めね」
大和「い、生きてる...?」
提督「海月姫。時間は?」
深海海月姫「5分ちょうどね」
提督「お!再現出来たみたいだな!」
大和「な、何だったんだ、今のは...」
な、何だったんだ、あれは...
痛みは、確かに感じた。
恐怖も感じた。この私が初めて、恐怖した。
なのに、この夢から覚めたかのような脱力感は...
提督「俺さぁ、ガキの頃見てた番組で出た話でよぉ、『懲役30日』っていうのがあってな」
提督「たった30日の懲役と思いきや、その実、新種の幻覚剤で5分間で30日分の苦痛を体験するってやつだったかな」
大和「な、何だそれは...」
提督「ちなみに試作を朝潮に渡して、足柄に投与した際は過剰なストレスで老けたらしいけどな。時の流れを脳みそが誤認したのか知らねぇが」
提督「怖ぇよなぁ?てめぇがクソみてぇに苦しんだ時間が、現実じゃたった5分だぜ?ちなみに海月姫が開発したのはそれに限りなく再現したもんだ」
馬鹿な...そんなことが有り得るわけが...
大和「う、嘘だ...」
提督「嘘だと思うならもっぺん打ってやるよ」
大和「や、やめろ!」
なんて事を言い出すんだ!だが、こいつは本気だ。私を再びあれへ...
これではまるで...
提督「お前に拒否権は無い。時間はたっぷりある。お前の命が尽きるその時まで...」ピュッ
提督「死ぬまで苦しめ」プスッ
...悪魔。
こいつは悪魔だったんだ...
大和「や、やだ、いやだ」ドクン
大和「また、あれが...」ドクン
大和「いやだ、いやだ、いやだ」ドクン
大和「やめろぉ!やめろぉぉ!!」ドクン
大和「やめ...ろ...」ガクッ
ダメだ、意識が遠のく。
気をしっかり持て、またあれを...あれを...
ダメだ...
私は...大和....
こんな終わりを迎えるのは...
『お前の寿命が尽きるまで、これは終わらない』
『夢も現も、貴様には苦しみしか与えられん』
『貴様の慟哭は、最早どこにも届かん』
『ここは深海。如何なる光も届かん』
『裏切り者に復讐を』
大和「そんな...」
大和『うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』
大和の物語·終わり
深海棲艦大侵攻後の日本·友提督鎮守府執務室
友提督(あれから、幾月か過ぎた。日本を含め、アジア各国は大打撃を受けた)カキカキ
友提督(大侵攻はそれだけに収まらず、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカへと広がり、世界の人口が半分近く失われた)
友提督(各国の要人をほぼ殺し、世界の秩序はほぼ失われたかと思っていた)
友提督(しかし...俺の予想を反して、世界は手を取り、ひとつになり始めていた)
友提督(深海棲艦という強大かつ共通の敵を目のあたりにして団結したのか、それとも要人がいなくなり、思想が自由となったので、手を取り出し始めたのか、俺には判断が付かない)
友提督(奴らは害ある人間と艦娘を殺すと言って回った。そして、それを成し遂げた深海棲艦たちは、海の底へと戻っていった)
友提督(つまり、奴らは浄化をしたのかもしれない。海を荒らす人間たちを。陸でも醜い争いを繰り広げる人間たちを)
友提督(結果として、奴らは人類に希望を与えたのかもしれない。若しくは、滅びるまでの猶予を残したのかもしれない)
友提督(愚かな人間が現れ始め、再び浄化をするまでの僅かな時間を享受すべきなのか、俺にはわからない)
武蔵「提督、いいか」ガチャ
友提督「ん、ああ、何だ」
武蔵「皐月たちが例の墓を作り上げたらしい。友提督にも来て欲しいとのことだ」
友提督「...わかった。もう少ししたら行く」
武蔵「了解」バタン
友提督(...戦友、お前の艦娘は真実を知っても、お前を慕っていた)カキカキ
友提督(皐月たちにお前の残した記録を聞かせても、誰もお前に幻滅しなかった。むしろ、皆が揃って泣きながら、お前の力になりたかったそうだ)
友提督(お前はそれを望まなかったから、何もしないで俺のところに送ってきたんだろう?深海に堕とさないように)
友提督(それからというものの、皐月たちはお前と朝潮の墓を作っていた。それも、今日完成したらしいぞ。俺はそれを見に行くからな)
友提督(それと、深海棲艦側に付いた千歳、利根、大潮、満潮、荒潮だが、俺の鎮守府を拠点として、『監視者』という役を受けている)
友提督(聞いた限りだと、海を荒らしたり、再び有害と見なした人間が出ると深海棲艦に報告する役目があるらしい)
友提督(違う形だが、日本の海を守っているよ。満足か?)
友提督(俺は...そうだな。残された艦娘たちの保護者と言ったところか。まあ大して変わらん)
友提督(俺以外の軍事関係者はほぼ殺されちまったからな。戦艦棲姫に、海については俺に一任されちまった)
友提督(毎日書類とにらめっこだ。本当に変わらねぇよ)
友提督(お前はあの世で何してる?復讐を果たしたお前は朝潮と一緒にいるのか?)
友提督(まあ、俺が逝くのはかなり後になりそうだ。それまで正座でもしながら待ってろ。俺は一応、怒ってるんだからな)
武蔵「...書き終わったか?」ガチャ
友提督「ああ。すまない」パタン
武蔵「...私も、あの男と色々話をしたいのだがな。墓前にいればいいのだが」
友提督「何を話すんだ?」
武蔵「...姉をお前を鎮守府に行かせて申し訳ない、とな。かと言ってここでもダメだが」
友提督「...上の連中の責任だ。武蔵が気にすることは無い」
武蔵「そうは言ってもだ。姉が迷惑を掛けた事に変わりない。複雑だったが、あの男があそこまで堕ちる真似をしたんだ。私がやっていなくても、姉妹というだけで責任が発生する」
友提督「そう言うな。きっとあいつもそんなこと気にしちゃいねぇよ」
武蔵「そうであればいいが...」
友提督「ほら、後は墓の前で話し合おうぜ。酒も忘れずにな」ガチャ
武蔵「ああ...」バタン
『あいつら、元気そうでよかった』
『はい。大潮たちも生きているようでよかったです』
『それにしても長い日記だこと。色々あったんだな』
『世界が少しだけ綺麗になったようですね』
『ま、正座して待ってろって書かれちまったから、あいつが死んだ時は少しだけあの世の入口に居れるよう頼んでみるか』
『誰にですか?閻魔大王と言ったら、面白い冗談ですね』
『...じゃあな、戦友』
『さようなら、皆さん』
友提督はふと、先程までいた執務室に懐かしい気配を感じた。
彼は急いで戻ったが、そこには誰もいなかった。
ただ、彼は確信した。
そこに、彼の友と、彼女がいたという事を。
残された者達·終わり
提督(深海提督)
ほんへ主人公
努力に努力を重ね、海軍学校を友提督とダブル首席で卒業し、提督の席に就く。元帥の忠告を遵守し、艦娘を丁重に運用し、努力を重ねてきたが、大和一派に裏切られて殺害されかける。鎮守府近海を偵察していたイ級に保護され、深海本拠地にて戦艦棲姫の誘いに乗り、大和一派に復讐を誓う。
復讐を全て果たした後は、元凶の大本営と共に自爆した。
友提督
エリート。
海軍学校をダブル首席卒業した身だが、実は友提督の方が優秀であった。提督を努力型とするなら、友提督は天才型。某漫画における戦闘民族の王子ポジション。(ただしMハゲではない)
深海棲艦大侵攻の際、唯一生き残った提督であったり、武蔵が着任したりと、何だかんだで運に恵まれている。
朝潮
提督の初期艦。
謀反に巻き込まれ、提督と共に深海に堕ちる。
提督と共にいた期間が誰よりも長く、何の皮肉か、提督と同じく、深海の狂気を多少操れる。
復讐を遂げた後は、提督と共に自爆した。
大和
裏切りの首謀者。
建造の際、バグと呼ばれる異常を抱え、人間に対して嫌悪感を持つ。杜撰な処理のお陰で生き延び、提督の鎮守府に着任し、謀反を企てる。
しかし、慢心が仇となり、深海で永遠の苦しみを味わうこととなった。
大淀
裏切り者。
元帥の命令で大和の監視をするが、狂気に魅入られ、謀反に加担する。主に大本営への虚偽申告など。
後に、大和と同様の復讐をされる。
赤城·加賀
裏切り者。
提督の慎重な運用に少し不満があったところを大和に付け込まれてしまう。
後に、提督の復讐として、裏切り者たちの死体を漁らされる事となった。
川内·神通·那珂
裏切り者。
提督がワガママを許してきた結果、自分が楽しいと思う方に付いてしまい、大和に加担。
後に那珂はファラリスの雄牛で、神通はギロチンで死亡。川内は盲目の中で痛覚を3000倍にされ、ゴム鉄砲(他の弾も内蔵)で打たれ続け、最後は大和と同様の苦しみを味わった。
陽炎·不知火·黒潮
裏切り者。
大和たちの計画を偶然聞き、計画に加担。
後に、皮を剥がされたり、強酸をぶっかけられたり、焼きごてを押されたり、塩責めされたり、水滴責めされ、最後は大和と同様(ry
摩耶·鳥海
裏切り者。
酒の席で大和の戯言を真似に受けて加担。
後に鳥海は生首以外ミンチにされ死亡。摩耶は精神崩壊。そして大和と(ry
足柄·那智
裏切り者。
摩耶と鳥海同様、酒の席にて大和に加担。
その後、朝潮のレクリエーション(大嘘)で爆発四散された。
千代田·筑摩
裏切り者。
大和の誘いに、姉を巻き込まないという条件で加担。
その後、千代田はアイアン・メイデンに閉じ込められ死亡。筑摩は頭蓋を拓かれ、生きたまま赤城と加賀に食われた。
親潮
裏切り者。
本作で最も運の無い艦娘であり、大和一派の会合を覗いてしまい、見つかってしまう。計画に加担させられ、提督の復讐を最初に受けてしまい、蛇責めで死亡。
大潮·満潮·荒潮
朝潮と共に深海へ堕ちる。復讐の手伝い、及び深海棲艦大侵攻への参加、そして監視者を務める。
大潮は提督の怨嗟にいち早く気付き、満潮は朝潮の次に提督を慕っていた。荒潮はトリガーハッピー。
利根
提督と共に深海に堕ちる。
ほんへでは書かれていないが、初めての重巡で着任している。
千歳
朝潮の次に深海に堕ちる。
提督と同じく、裏切り者を許さず、それが妹であっても容赦はしない。
睦月型たち(皐月·文月·長月·菊月·三日月·望月)
生存組
提督の意により、友提督の鎮守府に移される。真実を全て聞いた後でも、提督を慕っていたいい子たち。天使。
戦艦棲姫
提督を深海に堕とし、艦娘と害ある人間を滅ぼそうと企む。
深海本拠地のリーダー的存在。しかし、最後は提督の願いを聞き入れてしまい、友提督の鎮守府のみ生かしてしまう。
重巡棲姫
ヴェアアアの人。ノリは軽いが、提督の力に多少の警戒を持っていた。
好物は地上の菓子。
空母棲姫
おばさん呼ばわりされてる人。
すぐに深海艦載機を使いこなす千歳を少し警戒している。
深海海月姫
深海におけるリケジョ。
自室が薬品だらけであり、最後の復讐の中核を担った。
レ級e
5-5ボス前のあいつ。
つよい(小並感)
ル級(新人)
まさかの癒し枠。
提督の復讐の手伝いというクッソハードな役に回されてしまう。
だがそのお陰で戦闘が怖くなくなり、割と成果を上げている模様。
無印なのによく避けたり大破にさせてくるやつがいたら多分この子です。
番外編、工事完了です...
設定を追記しておきました。
これにて、本SS『提督「裏切り者に復讐を」』を完結させて頂きます。
ここまで読んで下さった読者兄貴、応援、評価、コメント下さった兄貴たちに、心から感謝します。ありがとうございました。
リクエストを全て実現出来なくて申し訳ございません。変態糞投稿者のメンタルがククソザコナメクジでした(反省)
お淀の復讐詳細は、大和とほぼ同じと見てください(息切れ)
荒らされたり狂いかけたりと波乱のSSでしたが、最後まで書ききれて安心しました。
次回作は予告通り、ほのぼの甘々となっておりますので、本SSで狂気に侵された心を浄化出来たら幸いです。
また次回、お会いしましょう。
ただし荒らし兄貴、一作目のコメ欄まで飛び火したのは流石に許容出来ませんでしたので、通報しました。
やったぜ!
番外編来てた!
この大将と中将は殺されてもしゃーないな
だけども、逆に大和と最初に出会ったのが提督か、真摯な態度な人物だったら、乗っ取り事件は起きなかったのだろうかと、思いました。
そういや、ほっぽちゃんとかは、結局出てこなかったな
レっきゅんの時みたいにお願いしとけばワンチャンあった?
キタコレ! 大和編ですかー。最初のせいでこんなことに... この世界線はifルートですか?だとしたらどうか大和を救ってやってください! 違うならそれはそれで楽しみに待っています。無理しちゃダメよ
いやいや、この大和は
たとえ提督だったとしても嫌悪感と
人間への悪意があったと思う。
前大戦の戦禍を持って産まれた故に。
そして、あの様な結末を…。
バグ持ちでも何でもいいので大和下さい、オナシャス!(大型建造40連敗)
いや~、キツイっす(血涙)
妖精さん許して 資源壊れちゃぁぅ↑
1さん
恐らく提督が初めてであっても見下していたと思います。ただ、反逆までの時間がかなら先延ばしになるかと。
今回の大和編はほんへに沿う話なのでほっぽちゃんは出ません。申し訳ナス...
2さん
これはほんへと同じ大和ですので、救いは無いね!(レ)
ほんへでは書かれなかった所を中心に書く予定です。
3さん
その通りです。バグの影響で人間は絶対的に弱く見えます。
4さん
変態糞投稿者も大和お迎えまで一年半近く掛かったゾ...(蘇るトラウマ)
妖精さんは気まぐれだからね、しょうがないね(妥協)
番外編キター!
こうして見ると大和なりの信念が、成し遂げたいことがあったのね…
こうして見ると大和なりの信念が、成し遂げたいことがあったのね…
もう番外編来てるじゃないですかー本編も楽しく読ませていただきましたよー
偉そうに陸上から指示を…は
大将と中将で全ての提督では無いのだが
まるで深海悽艦の心を持って産まれた
感じですな。
どうも首吊り兄貴です
概要の誤字があります
本編→ほんへ
になっています
6さん
待たせたな!(蛇並感)
7、8さん
何かしらの信念が無ければ行動に起こさないと思いましたので。
9さん
お疲れナス!
本SSでもよろしくオナシャス!
10さん
そうですねぇ。悪い所を見ると全てがそう見えてしまう心理が拍車を掛けてしまいましたね。
11さん
純粋な首吊り兄貴のために修正しときます。
ちなみにほんへの元ネタは調べたらダメだゾ!
(既に大和が)こわいなーとづまりすとこ
提督「裏切り者に復讐を」で何度かコメントを投稿させていただきました 442 です。
海軍大将と海軍中将、これでは殺されても文句は言えませんねぇ。
個人的には、これでよく大将、中将が務められるなぁと思いますが・・・。
そして、大和。
大きな野望を抱いて(本作)のクーデター(提督「裏切り者に復讐を」での裏切り)の様でしたが、正直、爪が甘いですねぇ。
確かに…同時期に建造されたとは言え
大淀を信頼していた辺りはねぇ。
これぞ慢心ダメ絶対! by他のSSの赤城
14さん
これで〆ではございませんので(無慈悲)
15さん
博識兄貴じゃないっすか!
今回の誤算は提督が深海棲艦に助けられた事ですなぁ。それと中将と大将はコネで得た地位みたいな感じにしてみました。
16さん
お淀の描写がまだ少ないんでこれから出していく所存です。
今回は慢心もありますが運命のイタズラ要素も絡んでますなぁ...(遠い目)
新作!
いまから期待がとまりません笑
大将と中将は因果応報としか言えませんね。番外編の作成お疲れ様です!適度に
頑張って下さい!
18さん
ご期待に添えるかわかりませんが頑張りナス!
19さん
おつありナス!
まるで現代の日本みたいだぁ(直喩)
いつか裏切られると知っているからつらい...けれども見てしまう!コワイ!
このスレ住民は怖いもの見たさに
来てるから!
…ですよね作者様。
21さん
そっか、じゃあまだ堪能してもらおうかな(鬼畜)
裏話的な感じなので気軽(?)に読めたら幸いです。
22さん
え、何それは...(戦慄)
みんな肝が据わってて凄い(小並感)
本編でコメントしました313です。大将と中将は真性の屑ですね殺されてもそりゃ文句は言えませんわ。
流れぶった切ってすまんが
必ず訪れる大和のお仕置き中の
心理描写も執筆されるのだろうか?
大和には大いなる野望があったのか!
だが、詰めが甘かったな
大淀が参謀ポジかと思っていたんだが、巻き込まれた側だったのか・・・
こう言っちゃなんだが、本編ではでかい野望を持ってたわりには深海側に付いた提督の戦術に対応出来なかったりしてやられるがままだったけど、大和ってわりと大艦巨砲主義の脳筋?
24さん
磔兄貴じゃないっすか!
大和建造キツいから出た甘事ですねクォレハ...隠蔽はしてはいけない(戒め)
25さん
正直、ほんへをもう一度見直して、自分の書いた狂気と向き合わなければならないので迷ってます。
多分書きます(ボソッ)
26さん
提督が生きていた事が誤算であるのと、そもそも人間を舐め腐っていた大和の慢心ですね。
また、提督の観察眼の鋭さを想定していなかったという詰めの甘さなど、大和も人間と似ているという皮肉を表現しようとしていました。
442 & 15 です。
お返事、ありがとう御座います。
成程!コネで得た大将と中将の地位ですか!
確かにコネで地位を得た人材ならば有り得そうな言動ですね。(寧ろ、所謂 “ 解体 ” 賛成派は少数かも知れませんが。)
そして、大和。
随分と自信たっぷりに発言をされていますが、大事な場面でこれまでの積み重ねが水泡に帰する失敗を遣らかす予感が大いに感じられますね。(結局、「提督「裏切り者に復讐を」」で盛大に遣らかして海軍を壊滅させましたが。)
最も提督と朝潮の死亡確認を怠る時点で、大きな野望を抱いて事を起こすも失敗に終わる側の典型的なパターンだと個人的には思いますが。
28さん
大和型の砲撃はたとえ艦娘でも衝撃でミンチになりかねないとイメージしたので死体確認は必要なしとしていました。
提督くんの悪運と大和のガバが後の惨劇を生み出したんすねぇ(他人事)
神通と親潮は馬鹿な姉妹に巻き込まれたというか…。哀れ。
川内と那珂ちゃんアホすぎて笑った。精神年齢駆逐以下かなー笑
赤城と加賀は慢心して、提督の指揮以外だと轟沈しそう。
装甲空母じゃねえんだから、中破したらお荷物。中破でも昼戦参加できるようになってから言えや。(ツインテ鶴より)
大和がガバ穴マミーだと!もう許さねぇからなぁ?
あー これは流石に酷い...まさか無理やり洗脳じゃなく同意を得て最終的にあの態度とは...救いようがありませんね...
大っていう字がついている割に小物だね
戦争終了後の大和と作戦参加艦のその後が見たいです(死亡していないキャラで)
30さん
渋々でも最終的にはノリノリな神通はギルティ。
それにしてもずいずい腹黒過ぎぃ!
31さん
ガバ穴マミーというワードに草
大和推しだったら申し訳ないゾ
32さん
コテコテの悪役臭しかしなかいですね...
33さん
だれうま
確かに小物臭がプンプンしますねぇ!
34さん
おかのした。
とりあえず大和編を終わらせたら考えますね。
提督が地上にいるときは語録を使ってないところ見るとまだノンケですね。
これは本編で摂取した深海棲艦の血にホモの成分が混じってる可能性が濃厚ですね
15 & 28 です。
お返事、ありがとう御座います。
確かに作者様の仰られます通り、普通に考えれば、大和の砲撃を受けても無事であったとなれば、えぇっ!!? となりますね・・・・。
姉妹艦である「戦艦 武蔵」が主砲(「戦艦 大和」と同じ 46 センチ砲)を発射した際、最上甲板の機銃員が爆風で海上まで吹き飛ばされたという話があるそうですから・・・。
36さん
姫や鬼たちの血にホモの血が混じってるということは、野獣先輩は深海棲艦だった...?
37さん
46砲の逸話はどれ聞いてもブルっちゃうよ...!(鳥肌)
お疲れのようで...休んでもええんやで まあその間禁断症状出そうな気もするけど。
やっぱり川内型救いようがないアホだったな笑
むしろ那珂はもう少し苦しめても良かったな(*´∇`*)
え、というか一航戦はそんな慢心で裏切ったの∑(゚Д゚)
あんだけ国賊とか罵ってたくせに笑
深海悽艦との決戦に勝った後
鎮守府に帰投する場面で
大和が嫌な気分になると言う所ですが
これ程迄に、提督が嫌いだったのか…。
そして、本編にて朝潮が大和の凶行に
気付いた時に何故イライラしていたのか
此処で理解しました。
ああ、確かに、この大和なら
そうだよなぁ
39さん
お心遣いありがとナス!
もうだめぽ...になりそうだと思ったら後書きに報告しますね。
40さん
ファラリスくんがこちらを見ている...
やはりコメ兄貴たちの底が知れませんな...!
41さん
大和が時間を掛けて思想を同調させたのもありますが、大前提である人類と深海棲艦の敵対関係から見た発言でもありますね。
特大ブーメランだと思うんですけど(名推理)
42さん
ここの大和は人間大嫌いウーマンですから、仕方ないね♂
ほんへの方もよく見てくれてありがとナス!
こういう人間大嫌いな大和を見てたら、逆に人間に屈服させられる妄想が捗りますねぇ!
それにしても川内と那珂ちゃんは欲望に忠実過ぎやしませんかねぇ?w
あ、でも川内型の2人、
那珂は最後までたくさん歌が歌えましたし
川内は永遠に夜戦()ができるので本人の希望通り願いは叶ってるんですね笑
朝潮…いい奴だったよ
(遠い目)
44さん
番外見た後にもう一度ほんへ見るのもアリですねぇ!(食い気味)
これは提督くんが艦娘への要望に叶う限り応えていた結果の性格ですね(分析)
45さん
那珂ちゃん死んでるし川内は地獄アンド地獄を味わってるんだよなぁ...(遠い目)
46さん
悲しいなぁ(諸行無常)
28 & 37 です。
お返事、ありがとう御座います。
自分も「戦艦 武蔵」の 46 センチ砲のエピソードを知った時は、予想を超えるものでしたので正直、魂消ました。
こっちでも荒潮を出せ(半ギレ)-1145148101919^889464点
48さん
博識兄貴生き返れ生き返れ...
49さん
荒潮好き兄貴の猛減点やはりヤバい...(分析)
出るとしても大和編の後になりますね(書くとは言っていない)
42ですが大和のイライラは
朝潮乱入だったのか。
自分は策略バレて問い詰められると
思っていたのに指輪を渡された。
先程まで提督に対する不安感を
持っていた自分が無様と思った後に
提督に対して憎悪が噴き上がり
朝潮乱入時にイライラしていたのかと
思いましたが…まさか喜んでいたとは。
最も嫌悪している人間からの贈り物で
この大和を強化する事だけは賞賛に
値すると言う所は流石としか
言いようが無い。悪い意味で。
長文スマン
番外編だと更にこの大和のド外道さが解りますね・・・
大和いるけど、解体した方が良いかな・・・
51さん
これは真性の外道ですね間違い無い(証明)
ただ、どうしても朝潮だけは邪魔だったのでイラつきが我慢出来なかったのでしょう。
52さん
あ、おい待てぃ(江戸っ子)
このSSはあくまでフィクションだから解体するのは良くないゾ(引き止め)
52さん待ってください!貴方の鎮守府の大和はそんな子じゃないと思います!大和を引き当てるまでの苦労を思い出すのです!
まあそれはそうとこの大和二コマ目にはもうバラバラにされてそう(粉ミカン)
千代田はわかるがその他の艦娘は大和にそそのかれ計画に反対することもなく加担した
殺される提督は元々部下たちから信用されてなかったんだなw
いや、提督の割れ物を扱うような
育成方針が悪い方向に行った故の
悲劇ですね。
千歳が本編で「我が儘を聞いてくれた」
その過保護さが一部の艦娘を
善悪の判断が出来ない甘ったれた小娘を作り上げた温床になってしまった。
あと52さんは
このスレの狂気に犯されつつあるのか?
食べた菓子に深海因子が入ってたのか?
さて頂上まで来ましたね。
あとは言うまでもなく
54さん
悪い大和はこのSSだけゾ!
ほんへでバラバラより酷い目に遭ってるから安心!(?)
55さん
甘やかした結果ですねクォレハ...
56、57さん
変態糞投稿者の言いたいことを全て表してくれてありがとナス!コメ兄貴の読解力が高過ぎるッピ!
58さん
ここから転がり落ちる様が見物ですねぇ!(食い気味)
42、51、56、57ですが
コメ返しありがとうございます!
親潮だけは不憫ですね。
あの時、大和の計画を知らなかったら
朝潮達のように深海側に
なっていたかもしれない。
52です。ちょっとあまりの凶暴さとどす黒さに恐怖を感じまして・・・
うちの大和は違うはず、ですよね・・・
大和の活躍の全盛期が終わったw
後は言わずもがなw
友提督の艦娘達「お米と具材置いてけぇぇぇ!!!」
ほんへで大淀が「私も同調してしまう狂気を感じました」って言ってたけど、大和以外の城娘が提督に牙を向いたのはその狂気(バグ?)の影響なのか、それとも純粋にバグ関係無い大和の説得力や洗脳技術がすごかったのかな?
後者だったら提督に従ってた城娘を裏切らせるとかやり手ですわ
この世界には城娘も存在してるのかぁ(すっとぼけ)
揚げ足取ってすみません。
ふざけないと死んでしまう難病なんです!
60さん
親潮が見つからなかった場合は進んで深海側に堕ちましたね。
ちなみに最初の理不尽さは提督くんの地上との決別も表してます。
61さん
狂気に呑まれてるヤバいヤバい...
急いで『提督「艦娘からのアプローチが怖い」』を読んで浄化するんだ!(ダイマ)
62さん
もう一度ほんへを読み直そう(キチスマ)
食材より福江が欲しいでち
63さん
城娘って何だよ(哲学)
大和というネームバリュー、人間と似たような悪意と狂気、更に時間をゆっくり掛けた洗脳行動で他の艦娘をじわじわ侵食していったのでしょう。
65さん
城娘全く知らなかったゾ...
競合し過ぎぃ!
37 & 48 です。
このことを知ったら、戦艦棲姫たち深海棲艦は、バカ過ぎるwww などと言いながら腹を抱えて大爆笑ですね。
そして、千歳や利根、朝潮の姉妹艦たちが知ったら大激怒の上、生き残った実行犯・関与グループは深海棲艦の新兵器や新薬の実験体になるそうですね。
66さん
結果的に大和グループは生ける屍と化してるからオーライですね。
狂気からは逃れられない!(カルマ)
提督が深海提督になり、それを察知した妖精さん達は恐れたって感じかな?
そういや、妖精さん達は深海側が陸に侵攻を開始した時に殺されてしまったのかが、ふと気になった
荒潮を泣かせた大和を生きて帰すな
絶対に殺して土に還してやる
68さんも気になったんですね。
自分的には危機を察知して
いち早く友提督の元へ避難していると
思った。
本編では友提督の鎮守府が
拠点になったことから全ての妖精達が
そこにいるんだろうな。
68です
大和が提督を殺そうと弾着観測射撃を行った際に、彼を生かそうと少しだけ違う位置を大和に報告したから提督と朝潮が即死を免れたんじゃないかなと、考察してみたり!
“妖精の住まう場所”メタルギアTPPのサブタイとかにありそうww
48 & 66 です。
お返事、ありがとう御座います。
作者様の仰られます通り、(おバカな)実行犯・関与グループは拷問(罰)を受けて死亡、または心身ともにボロボロとなりましたが、千歳、利根、大潮、満潮、荒潮のあの様子では、まだまだ生温いとして生き残った実行犯・関与グループに更なる “ 処罰 ” という名の拷問(永遠に苦しむ深海棲艦の新兵器や新薬の実験体?)を科すのではないかと個人的には思ってしまいます。(最も当然の報いなので全然、同情出来ませんが。)
そして、妖精さんたち、あのクーデターの日から戦々恐々としていたのですね。
提督と朝潮は死亡していないので何時か報復に来るであろうと。
68さん
ほんへで提督の怒りの叫びを察知したものとして書きました。一応大潮も感知だけはしています。
妖精さんたちの描写もこれから入れていく予定ですんで、お待ち下さいオナシャス!
69さん
こんな所にも荒潮好き兄貴がいたとは...
悪い子はお仕置きだどぉ!
70さん
実はすっかり忘れてたなんて言えない(焦燥)
少なくとも死んではいないのでご安心を
71さん
考察兄貴いっぱいちゅき♡
読んで色々考えてくれてありがとナス!
そのような小話があるとまた読み応えさんが深まりますねぇ!
72さん
正直ほんへのアレ以上に苦しませる方法が個人的に思い付かないので、直接的な描写は描書けないと思います。変態糞投稿者の力量不足ですね(反省)
妖精さんは深海にいる提督の怨嗟を察知して怯えているという設定です(メタ)
自分が見逃しただけかもしれないけれど、鳥海さんって具体的に何しましたっけ?
ほんへで提督から真実告げられたときに「とんでもないことしてしまったんじゃ」と凄く後悔してるのは覚えているんですが…
74さん
鳥海は実行犯グループではないので、隠蔽工作側になっています。
ほんへでのセリフは、番外で重巡たちを仲間に引き入れる際の嘘を信じ込んでいたものでしょう。
大和が嘘を長い時間を掛けて定着させて人間へのヘイトを染み込ませたが、後の復讐回で提督の心の叫びを聞いて後悔した所を見ると、完全に大和に染まっていなかったか、今までの提督の行動の裏付けが取れて理解出来たか、またはその他になるでしょう。
ガバガバな設定付けで申し訳ないです。
気になるところがあればこれからもご指摘ください。
大和よ、お前は読み間違えている
人間の“癖に”ではなく、人間であるが“故に”だ
深海でもなく
獣畜生でもなく
艦娘でもない
人間だからこそ神すら殺す事が出来るバケモノに成り得る
大和よ、下等生物と見下した人間を侮り、後れを取ったな三下
どうしよう
イベント全く
やってない
モチベーションアップのため
続きを早く♡
完結お疲れ様です。
本編サブストーリーともに読ませていただきましたが、今までに読んだことのないジャンルでドキドキしてました!
新しいトビラが開きs…
これからも応援してます!頑張ってください!
お疲れ様でした。そして世界は滅び、地球から全ての命が無くなり、残ったのは何もなかった・・・ですね。
最凶最悪のバッドエンド・・・かな?
お疲れ様でした。大和絶叫脱糞してそう。
今日は時間があったのでもう一度本編から見直しましたが。やはり結末がわかってもドキドキしながら見ました。やはりどのSSもハズレがありませんね。次回作期待してます!
番外編投稿お疲れナス!
ところで、次回作の内容についてはもう決まってるんですかね?
もし決まってないようでしたら、アイスティーが大好きで空手と水泳が得意な24歳の学生提督が人間の屑であるブラチン(鎮)提督を駆逐して、残された艦娘たちと鎮守府を立て直していくSSというのはどうでしょうか?(提案)
66 & 72 です。
お返事、ありがとう御座います。
作者様の認められました「提督「裏切り者に復讐を」」は見事な良作であるであると思っていますので、寧ろ、余計なコメントで作者様を煩わす様なことをしてしまい誠に申し訳御座いません。
謹んでお詫び申し上げます。
千歳、利根、大潮、満潮、荒潮に関するコメントは、飽く迄、復讐を決意した女性は怖いと考える自分の個人的な考えでありますので、お気になさることは御座いません。
そして、妖精さんたち。
やはり提督の怨嗟を感じ取っていたのですね。
完結お疲れ様でした。本編、番外編共に楽しく読まさせていただきました! バグとはいえほんと大和は救いようのないやつでしたね。題材だけにさぞ精神がやられている事でしょう。心の休養をとって次は口から砂糖を吐き出すくらい甘ったるいやつをオナシャス!
76さん
人を侮った末路ですねクォレハ...
77さん
こっちもダッシュで書いちゃいました...(疲労困憊)
ミニイべ(大嘘)頑張りましょう!
78さん
おつありナス!
狂気に呑まれてるヤバいヤバい...
早いとこ次回作書いて浄化させないと...(使命感)
79さん
実はあと一本書いて番外を終わらせるつもりですんで、もう少しよろしくオナシャス!
80さん
おつありナス!
次回作はほんへの狂気を浄化するぐらいのを書ければいいなと思ってますんで頑張りナス!
【追記】
66 & 72 & 82 です。
完結お疲れ様でした!
本編(提督「裏切り者に復讐を」)にも劣らぬ見事な良作であると思います。
81さん
おつありナス!
次回作についてはもう決めてあるんで救世主先輩は実現出来そうにありません。お兄さん許して!
82さん
博識兄貴も長いようで短い期間でしたがありがとナス!
本当はあと一本書いて終わりなので、良ければよろしくオナシャス!
83さん
おつありナス!
皆さんが砂糖を吐けるSS目指して頑張りナス!
85さん
追記までしてくれて感謝で涙が出、出ますよ...(号泣)
妖精さんは結局どうなったんやろか?
生きて心安らかに過ごせてると良いんだが・・・
お疲れ様です
次回作も応援してます
大和で終わりかと思ってたら続き出てた!
終わりはやっぱり本編とおんなじ感じにほう...ってなりました。 荒らし通報されてしまったか。残当。次回作はかむかむレモン吐くくらいの甘さを期待してます!お疲れ様でした!
88さん
友提督鎮守府に全員避難したと書くつもりでしたが、また書き忘れてしまいました...
申し訳ないですが、そういう事でお願いします(猛省)
89さん
おつありナス!
次回作も頑張りナス
90さん
おつありナス!
大和編を引っ張り過ぎたお陰で終わりと思われてしまいましたねクォレハ...
次回作はもう書いてるので吐けるかわかりませんが頑張りナス!
さ、更にもう一本だと…。
作者様は我々をどれだけ喜ばせれば
気が済むのか?
良いぞ、良いぞ!…頑張れ!!!
さ、更にもう一本だと…。
作者様は我々をどれだけ喜ばせれば
気が済むのか?
良いぞ、良いぞ!…頑張れ!!!
92と93です。
もう一本は既に出ていたんですね。
申し訳ありませんでした!
これからも頑張って下さい。
でも今は、休んで欲しいです。
狂気モノは精神に負担大ですから。
リフレッシュしてから
甘いSSを執筆オナシャス!
92、93、94さん
ありがとナス!
やっと狂気から解放されたんやなって...
次回作なるものを書いてますので、よろしくオナシャス!
完結お疲れ様でした!
96さん
ありがとナス!
長かった...(疲労困憊)
↑ログイン切れてたゾ...
82 & 85 です。
お返事、ありがとう御座います。
完結お疲れ様でした!
本編(提督「裏切り者に復讐を」)にも劣らぬすばらっ!な “ 番外編 ” であると思います!
99さん
おつありナス!
花田姉貴のお墨付きウレシイ…ウレシイ
本編を読ませて頂いたときに
大和の裏切るだけの理由や背景が深く描かれていない。
一体何があったのだろうか、という疑問を持っていました。
歪んで生まれたものが修正される前にさらに歪まれるという悲しいスタートでした…。提督と出会うのがもう少し早ければ・・・。なんて思ってしまいます。
濃厚な本編と番外編 とても楽しませてもらいました!
101さん
恐らく誰よりも先に提督くんと会っていても結末は収束しているものだと思われます。運命は残酷で無慈悲ですね(他人事)
大和を見て思ったんだ…
大和「わ、わたしは何回死ぬんだ!?次はど……どこから………い…いつ「襲って」くるんだ!?わたしは!私はッ!」
大和「わたしのそばに近寄るなああ━━━━━ッ」
川内型ほんと草だゾ〜
糞尿レストラン垂れ流しという拷問があるのを忘れるなよ…忘れんな…
このSSホントニアコガレテル…