提督「個室が欲しい」
個室が欲しい提督くんと愉快な艦娘たちの物語
久々に艦これ開いて艦娘の人数見たら思いのほか多かったので何となく(リハビリ兼)投下
スーパーゆるーく気分で更新
提督「つーわけで増築手続きお願い」
大淀「…もう少し掘り下げて下さい。そもそも個室ならもうあるのでは?」
提督「『俺の個室』は最早個室では無くなった」
大淀「あの、もう少し分かりやすく」
提督「今日までいっぱい戦って沢山の艦娘を保護したり迎えただろ?その都度部屋を増設したろ?」
大淀「ええ、私を含め軽く200人を超えてますからね」
提督「そんな中でよ、増設間に合わず仕方なく俺の個室に一時居住させた時が何度かあったよな。あれで味を占めたのか知らんが増設後も何故か俺の部屋に誰か『必ず』居るようになってんの」
大淀「…」
提督「正直困るよね。自室は最後のプライベートスペースみたいなもんだし、鍵掛けてても何かいるし、目を気にするよね」
大淀「そうですね」
提督「オフの時は流石に羽目を外したいんだよね。読書もゲームも動画配信視聴とかしたいんよ」
大淀「同感です」
提督「…なら、俺が次に言う言葉は分かるよな?大淀」
大淀「個室増設の手続きですね」
提督「それもあるがそうじゃねぇ」
提督「自室に帰れ、大淀」
大淀「…はぁい」ムスッ
提督「こら!不貞腐れないの!」
大淀「今日一番乗りだったのに…」ブツブツ
提督「そんなん関係無いから…」
大淀「…」グスン
提督「うっ…」ギク
大淀「…失礼、しま」
提督「わかった、あと1時間程度ならいいから…」
大淀「!」パァァ
提督「…はぁ、その代わり申請は必ず通せよ?」
大淀「…はぁい」ムスッ
提督「お前オフの時すんごい顔に出るね…」
翌日
提督「…結局お前俺のベッドで寝たな」
大淀「お陰でかなり寝覚めがよかったです」キラキラ
提督「…まあいいよ、それより申請書出来てんだろうな」
大淀「…ここに」
提督「…うん、特に問題…はぁ!?着手未定!?何で!?」
大淀「直近で坊ノ岬沖海戦やった後なので資材不足との事です」
提督(うぐっ、そういやそうだった…)グヌヌ
大淀「これは私のせいじゃないですよね?ね?ね?」パァァ
提督「嬉しそうにすんな!」
大淀「まあ大規模作戦後は特に目立った任務も無いので気長に待ちましょう」フンフン
提督「お前らワザとズルズル引き延ばしてたらどんな手を使ってでも辞めてやるからな…」
提督「くぅぅ、マジ疲れた…」
提督「粗方終わったし、明日でも大丈夫か…」スタスタ
提督「…俺の部屋誰か居るんだろうなぁ、新しい鍵でも付けるか」ガチャ
春雨「ひうっ!?あ、司令官、お疲れ様です」
時雨「待ってたよ」
提督「…」ヒョイ
春雨「へ?」ユサユサ
時雨「ちょ、提督?」ユサユサ
提督「よいしょ」ストン
春雨「え、あの」
提督「おつかれ」ガチャン!
時雨「提督!?流石にノーコメントは傷付くよ!?」バンバン
春雨「い、入れてくださーい!」ガチャガチャ
提督(まーた家具の配置変わってるんだが)ヤレヤレ
時雨「提督!話ぐらいしてもいいじゃないか!」グルン
提督「のわぁぁぁ!?」ビクッ
時雨「大規模作戦後だから暇なんだよ」
提督「勝手にどんでん返しを作るな!お前これもうドアの意味無いじゃん!」
時雨「ぼ、僕に当たるのはやめてよ!これ見つけたのは夕立なんだから!」
提督「いや使うなよ」
春雨「もう、司令官!いきなり放り出すなんて酷いです!」ガタン
提督「お前どっから出てきてんだよ!俺の本棚がいつの間に隠し扉に…」
春雨「や、やったのは私じゃないですから、はい」
提督「俺の部屋が勝手に改造されてるのマジで何なの!?業者か!?業者もグルか!?」
時雨「い、いやね、提督。これ別に悪いことだけじゃないと思うよ?例えば提督が急病に罹った時なんか…」
提督「少なくとも今使うもんじゃねぇよな?な?な?」
春雨「司令官、怖いです…」ウルウル
提督「俺が一番ビビってんの!もう何でもアリじゃん!どっからでも入られちゃうじゃん!鍵ってなんだよ!」
時雨「僕らの輝かしい未来の扉を開けるものさ」キリッ
提督「ふざけた事言う口はこれか〜?」ムニムニムニ
時雨「ちょ、やべて」ムニムニムニムニ
春雨(つねらないの優しいです、はい)
提督「とりあえず自室戻れ。俺疲れてっから」
時雨・春雨『はぁい』ゴソゴソ
提督「隠し通路使って出るなよ!」
翌日
提督「…てな事があったんだが、お前か?」
明石「…知りません」
提督「目を、見て、話せ」グイ
明石「ご、ごめんなさい」
提督「早く完全なる個室が欲しい…」
翌日
提督「マジで1人の時間欲しい…」
大淀「そーですか、私たちは要らない子ですか」ムスッ
提督「中々めんどくさい性格してんなお前。逆に聞くけど1人の時間要らんの?」
大淀「提督が居れば私は何も」キリッ
提督「あっそう…」
大淀「そこはコロッと惚れて指輪渡してケッコンカッコガチまで行くのがテンプレでは?」
提督「何だよそれ…」
大淀「振られたから泣きます。これで提督の安寧は崩れるでしょう」グスン
提督「お前マジでやめろ!」
大淀「それならば」パァァ
提督「そうやって取引に持ち込もうとしなければなぁ…」
大淀「」グスン
提督(感情の起伏が激しすぎる…)
大淀「いいですよーだ!最後はこの大淀が勝つんですよーだ!うわーん!!」ドタドタ
提督(あーもうめちゃくちゃだよ)
提督「個室申請後から本性が現れてきてんな…疲れた」ガチャ
提督「あー腹減ったけどシャワー浴びねぇと…つーか外がうるせぇな…多分大淀のアレが影響してんな」
由良「ふふふ、甘いですね大淀さん」ギィィ
提督「当然の如くまだ知らない隠し扉から入ってくんのやめてくんない?」
由良「お腹が空いたのでしょう?由良が用意して差し上げますね」カチャカチャ
提督「どっから飯出してんの!?」
由良「秘密です」ゴトン
提督「俺の部屋マジでどうなってんの?あらゆる場所に隠し扉ありそうな気がするんだが」
由良「秘密です。さぁ、召し上がれ」
提督「…食器は俺が片付けに行くから、とりあえず」
由良「感想を述べるまでは出ません」
提督「デスヨネ…」モグモグ
由良「お味は如何ですか?」
提督「美味いよ…」
由良「よかったぁ!」パァァ
提督(それよりも由良が入ってきた隠し扉からチラチラ何か見えるのが気になる)チラ
提督(どう考えてもアホ毛だよなあれ…形状からしてまた時雨か?)
ドタドタ!ガタガタ!
提督「な、何だ!?屋根裏!?」
由良「あ、そ、その、提督さん、すみませんがまた後で来ますね」ビク
提督「お、おう…」
由良「失礼します」ギィィ
提督「ドア使えよ…」コソコソ
「あ、あら?時雨ちゃん、どうしたの?」「由良さん、どこから出てきたの?」
提督「…どうやら隠し扉は全員が全部知ってるわけじゃないのか」
提督「…傍迷惑過ぎる」
ガタガタ
提督「…」
ドタドタ
提督「…」イライラ
パキッ カタン
提督「…うるせぇー!」
ガタン!
不知火「驚かせないで下さい司令!」
提督「うぎゃぁぁぁぁ!!!ってお前また俺の知らないとこから!?」
不知火「しらぬいとこから?」
提督「冗談言ってねぇでとっとと自室に戻れ!」ガタッ
不知火「ふん!」バタン!
提督「あっ逃げた!」スカッ
不知火「ここですよ、司令」カタン
提督「お前そんなキャラじゃねぇだろ!」
不知火「キャラの押し付けは」ガチャ
不知火「今のご時世うるさいですよ?」バタン!
不知火「お気をつけて」ガチャ
不知火「それでは」バタン
提督「モグラ叩きみたいに動きやがって…つーか俺の部屋穴だらけじゃねぇか」
ガタガタ ギシッ
提督「むっ、そこか!」クルッ
迅鯨「ひゃうっ!?」ガシッ
提督「捕まえたけど不知火じゃない!?」
迅鯨「あ、あの、私は構いませんけど…」ポッ
提督「くそっ、身代わりか!不知火め…!」パッ
迅鯨「どうして手を離すのですか?????」ガシッ
提督「ひえっ、会って間もないのに怖い!」
迅鯨「提督?今は私を見て?」グググ
提督「わ、わかった!分かったから離せ!暴力反対!」
迅鯨「」パッ
提督(もう何なのこの子…こないだの作戦で保護したは良いものの嫉妬深いのか知らんがすげぇ怖い…)ゲホゲホ
提督「…というか、君はどうして隠し通路から来たんだ?」
迅鯨「自室の整理中に見知らぬ扉があったので」
提督「えぇ…」
迅鯨「それにしても、提督の自室直通路があるなんて素晴らしいですね!緊急時には避難経路にもなりますし、平時はこうして会いに行けますし!」ウキウキ
提督「いやこれ俺何も知らんし…」
迅鯨「あら?そうなんですか?なら私の通路以外は塞いでしまいましょう!それがいいでしょう?」
提督「うーん…」
提督(…この子に逆らうのはあんま得策では無さそうだし、俺の部屋のよく分からん隠し通路が潰されるなら接触も減るか…?ここは頷いておくか)
提督「…まあ、いいよ」
迅鯨「了解しまし」
『そうはさせるかぁ!』プシュー!
迅鯨「きゃあっ!」ゲホゲホ
提督「んな、なんだぁ!?」ゲホゲホ
迅鯨「ていと…く…」ウトウト
提督「くっ…催眠ガス…か…?」フラフラ
提督(くそ…誰かは分からんが…迅鯨は…守らねば…)フラフラ
提督「迅…げ…」ガクン
迅鯨「はぅ…」ポワポワ
迅鯨(提督が、私の上に…一片の…悔い無し…)ガクッ
早潮「…ふぅ、どうやら危機は去ったかな?」スタッ
早潮「ごめんね提督、私も来て浅いけど、貴方には大事な役目があるんだから」ヨイショ
早潮「親潮姉の旦那って役割がね!」ドーン!
その頃…
陽炎「ねぇ不知火、あんた何処行ってたの?」
不知火「司令に少し悪戯を」モグモグ
黒潮「またあれ使うたんか?塞がれても知らんで?」
親潮(『あれ?』塞がれ?あれって何?)ソワソワ
昨日の提督自室襲撃?事件により、鎮守府はちょっとした騒ぎとなった。
これにより、提督の部屋は厳戒態勢となり、一時的に艦娘の入室が制限されるようになったが…
提督「いや何で俺の部屋に入ろうとすんの!?」
『警備』と称して提督の部屋に何がなんでも入ろうとする艦娘が居たのだった!
提督「…あのさ、深海棲艦の仕業じゃないって分かってるだろ?」
榛名「しかし!万が一がありますので!」
神通「深海棲艦ではなくてこの鎮守府に所属する子の悪戯であっても、悪質極まりないのですよ」
親潮(早潮が『警備って言えば入れてくれるんじゃない?』と言ってくれたけど、本当に入れるとは…!)ワクワク
提督「別に怪我した訳じゃないんだし…」
神通「甘いですよ提督、青葉さんが偶然外出だったから良かったものの、これで変な記事でも書かれたら提督と鎮守府の評判に関わりますよ!」
提督「んん…」
親潮「…そ、その、司令!」
提督「んあっ、な、何?」ビク
親潮「司令のお部屋ですが、沢山の出入口があると専らの噂です!襲撃はどこから?」
神通(…そう、今のうちに)
榛名(他の隠し通路を塞いでおかないと!)
提督「…覚えてない。いっぱいありすぎてわからんし、閉めても新しいとこが出来るし」
親潮「し、司令にはプライバシーが保障されていないのですか!?」ガーン
提督(おお、親潮はいい子だ…)ジーン
早潮(…よしよし!親身になってる親潮姉いい感じ!)←屋根裏
神通「…!」ピクッ
榛名「何者ですか!」ドカッ!
早潮(ひえっ!危なっ!…戻るか)コソコソ
榛名「…気のせいでしたか?」
提督「気のせいで俺の部屋壊されちゃ世話ねぇよ…」
榛名「も、申し訳ございません!」
神通(…確かに気配はありましたが、急ぎましたね、榛名さん)ヤレヤレ
親潮「あんな所にも通路が…」
提督「もう外から出勤しようかな」
神通「提督、それはなりません」
提督「何で?」
神通「いいですか提督。出勤時間が長いとQOLは下がります。今後の仕事効率に支障が出てしまうと私たちにも悪影響が…」
親潮(…さすが神通さん!細かいですがそこまで考えて下さってるなんて!)キラキラ
榛名「そ、そうですよ!それに、鎮守府の外、市街地は榛名たちの防衛行動が大きく制限されてしまいます!揚陸型の深海棲艦にでも襲われたりしたら遅いのですよ!?」アセアセ
親潮(榛名さん、司令の事をとても大切に思って下さっている…まあこの親潮も負けてはいませんが!)ムフー
提督「んな事言われてもしょっちゅう誰か来てその度に気を遣うのも疲れるんだが…」
神通「その点はご心配無く、この神通が護衛を務めましょう」
提督「いやそうじゃなくて、1人にさせて欲しいの
完全なプライベートタイムが欲しいんだって」
榛名「そ、そんなご無体な!」
提督(何でだよ…)ズーン
親潮「あの、外と言ってもすぐ近くの賃貸マンション辺りですよね?」
提督「まあそんな感じかな。マンションなんてデカいとこじゃなくていいんだけどね、ちょっと古めのアパートとか」
神通「い、いけません!提督ともあろうお方がそんな所に…」
提督「ひでぇ言い様…」
神通・榛名(…はっ!)ピカーン
神通(鎮守府外からの出勤は本来なら避けるべきですが、今は提督の案に乗った方が心情的にも良いかも知れません。それに…)
榛名(提督の下宿先に訪問…これはこれでまた新鮮!鎮守府外なら隠し通路が作られることもありませんし、万が一作られたとしてもそれは厳罰、そして…)
神通・榛名(擬似的に『通い妻』になれるのでは!?)ドドーン!
提督「…んまぁ下宿は検討するとして、そろそろ戻って」
神通「うふふ…あ、それは警備なので」
榛名「んふ…あ、その、警備なので!」
親潮「え、ええと…」オロオロ
提督「いいから戻って」
親潮「は、はい!司令、お疲れ様でした!お気を付けて!」スタスタ
提督(ええ子や…)ホンワカ
神通「さて、警戒態勢を…」
榛名「神通さん、提督が本気で嫌がる前に…」
神通「…仕方ありません、ですが警戒は怠りませんよ。それでは」トボトボ
提督(思いっきり落ち込んでる…)
提督「…さてと、ちょっと調べてみよっかな」ゴソ
榛名「徒歩5分以内に物件が…」
提督「お前も戻れ!」ウガー!
総員起こしから1時間前…
提督「…」ムクッ
提督「…」チラッ
時津風「」クー
雪風「」スー
提督「…またか」コソコソ
提督「監視カメラは…と」チラ
時津風『…お邪魔しまぁす』コソコソ
雪風『失礼しまぁす』コソコソ
時津風『いやぁ…寒くなったよねぇ』
雪風『ほんとです。でもいいんですか?』
時津風『大丈夫大丈夫、だってしれぇ何も言ってこなかったし』
雪風『そうですね…!』
時津風『何よりしれぇ暖かいからよく寝れるし』
雪風『起きないように…』コソコソ
提督「…値段の割にはすげぇ音拾うなこれ」
提督「…こんな小さな子にも舐められてんのか、俺」ズーン
提督「…ここはガツンと1回…」チラ
時津風「」クー
雪風「」スー
提督「…ガツンとはやめとこう」ハァ
提督「…しかしどうするかなぁ、あんまり許しとくと他の奴らも調子に乗って…」
提督「…ん?まだ録画データが残ってるな」
迅鯨『…』コソコソ
提督「!?」
迅鯨『…』ピタ
提督(監視カメラをじっと見てる…)
迅鯨『…』ニタリ
迅鯨『…』コソコソ
提督「…え、怖」
提督(マジで何なのあの子!何する訳でもなく隠し扉から戻って…)
提督「…そういや迅鯨の帰ってった隠し扉は確かここら辺か」ガタッ
提督「…開かないな、まさかこないだの話、マジでやってんのか?」
提督(それは別にいいんだけど監視カメラ凝視すんの怖すぎぃ…ん?)
提督「…これ俺が起きる数分前じゃん」ゾクッ
提督「…ふふ、怖」バタッ
その日は、冷えきった状態のまま気絶している提督と、彼の布団に包まり寝坊する駆逐艦2人の発見から始まり、提督は風邪を引き、時津風と雪風は神通から長い説教を受けることとなった。
また、提督が密かに導入していた自室の監視カメラは何者かにより撤去され、録画データも消去されていたが、誰の仕業なのかは知る由もなかった。
提督『へっくし!』
提督「くっ、風邪とは情けない…」グズグズ
提督(…データが消えてたが、まさか…いや、もうカメラも何も残ってないから推測の域を出ないか)
提督「…にしても嫌に静かだな。こういう時こそどこからともなくやってくるもんだと思ってたが…まあいいか」
提督「病欠とはいえ久々の休みだ…へっくし!」クシュン!
浜風「提督、胃に優しい流動食です」ギィィ
提督「…どうも」
浜風「それと、浦風より漫画、谷風より鼻セレブ、磯風よりエナジードリンクです」ガサガサ
提督「…ありがとう」
浜風(…普段見せない弱々しさ…これは、アリですね)ワクワク
提督「…陽炎型は優秀だな」ガサガサ
浜風「当然です」フフン
提督「…じゃ、戻っていいよ。ゴミは片付けておくから」
浜風「そうはいきません」
提督「いやいいから…」
浜風(…ふむ)
提督「…エナドリは今はいいかな」
浜風「提督、寝るまで手を握ってあげましょう」
提督「唐突過ぎない…?」
浜風「リラックス効果があると言わていますので」
提督「今ゼリー飲んでるから…」
浜風「片手でも飲めますよね。さぁ」グイ
提督「…持ってきてくれた漫画とかティッシュとか使いにくくなると思うんだが」
浜風「この浜風が読み聞かせたり、鼻水の世話をしましょう」
提督「いやいいから…」ウトウト
浜風「…おやすみなさい、提督」
提督「…」zzZ
浜風「…」キョロキョロ
浜風「…今のうちに」コソッ
浜風「…」スマホ構え
浜風「」カシャ
浜風「…ふふふ、これはいい」カシャ
浜風「任務完了の証でもありますからね」カシャカシャ
***
鈴谷「提督風邪なの?じゃあ今日休みじゃーん!」
熊野「提督がダウンしてても近海警備はやるのですわ」
鈴谷「どっちにしても鈴谷非番だし?ちょっとイタズラしてこよっと♪」
熊野「怒られても知りませんわ」
鈴谷「おっはよー提督!調子ど…」ガチャ
浜風「はっ!」カシャ
鈴谷「ちょちょちょ!何してんの!」
浜風「な、何って…看病です!」
鈴谷「ツーショット自撮りする看病がどこにあるっての」
浜風「…鈴谷さん、ここは取引としましょう」
鈴谷「?」
浜風「提督の寝顔を撮っていいのでこの事は内密に…」
鈴谷「…や、そんなの言われなくてもやるし取引にはならないね!」スッ
浜風「くっ…!」
鈴谷「提督の寝顔結構幼く見える〜!いつもしかめっ面だから新鮮だよねぇ」カシャカシャ
浜風「あなた方が隠し通路ばかり使ってるからだと思うんですが」
鈴谷「鈴谷一度も使ったこと無いし!」
提督「何だ…?」ムクッ
鈴谷「あっ」カシャ
提督「…何してんだお前たち…」ウトウト
浜風「…そ、それは」アセアセ
鈴谷「か、看病!提督元気かなぁって」アセアセ
提督「…見りゃわかるだろ…静かにしてくれ…」
浜風「…さ、鈴谷さんはもう戻られて…」
鈴谷「今日非番」
浜風「…」
迅鯨「て、い、と、く〜♪お熱を測り…んん???」ギィィ
浜風・鈴谷『げ』
迅鯨「何をしてるのかしら?」ゴゴゴ
浜風・鈴谷『…看病』
迅鯨「なら、後はこの迅鯨が引き継ぐので!」ガサガサ
浜風「いえそういうのいいので」
鈴谷「いきなり来てなんなの?」
迅鯨「はっきり言わないと分かりませんか?」ゴゴゴ
提督(…何か目の前でおっきなものがぶつかりまくってる)
浜風「というか迅鯨さん、潜水艦の方々との訓練は?」
迅鯨「そんなのとうに終わってますが?というかあなた、何手を繋いでいるんですか?」
鈴谷(ちょっち羨ましい)
迅鯨「私の予定などどうでも良いでしょう?私は提督のお世話を…」
提督「…みんな出てくれ」
迅鯨「」ガーン
浜風「…了解」
鈴谷「…はーい」
提督「…必要になったら呼ぶから」
迅鯨「…私は何時でも!待っていますから!」スタスタ
浜風(…まあ、写真いっぱい撮ったからいいでしょう)スタスタ
鈴谷(…熊野に寝顔撮ったの見せびらかしてこよっと)スタスタ
提督(…もっと静かな子を呼ぼう)
提督(…何か余計疲れたな)
提督「…クソっ、まだ少し悪寒がする」フルフル
大淀「これがもし一人暮らしだったら危険でしたね」
提督「んまぁ…そうだが…」
大淀「私としては今の方が体調管理もしやすいんです。だから…」
提督「…一人暮らしの件は保留にするが個室は欲しい」
大淀「」チッ
提督「あ!今舌打ちしたな!?」
大淀「してないですぅ〜!」プンスカ
提督「お前どんどん面倒になってくな…」
大淀「ふーんだ!秘書艦兼任務管理担当を蔑ろにすると痛い目見ますよーだ!」プンスカ
提督「ガキみてぇな事言うなよ…」
大淀「…まあ話変わるんですけど、現状新たな部屋を用意するには宿舎の増築が必要です。今後未着任の艦娘を迎え入れるにしても見積もりはこんな感じです」ペラ
提督「…うーん、そうなるよなぁ」ヤレヤレ
大淀「そもそも現在提督が過ごしている部屋は元々物置になる予定だった場所なのですから」
提督「そういえばそうだったわ」
大淀「…新築部屋の中に提督の個室は当然設けます。ですが現宿舎の子たちとの部屋の差はどうするおつもりで?」
提督「…それも出来れば揃えたくはあるが、そんなことしたらすげぇ時間と金掛かるからなぁ」
大淀(…これまでの増築は明石も業者と協力してたお陰で安上がりになったけど、ちゃっかり抜け穴作ったのバレたからもう完全外注になるでしょうね…)
提督「まあ費用は大本営に補助金申請して何とかするが、問題は…」
***
霧島『只今より!新宿舎部屋割り決定戦を開催します!』
『ウォォォォォ!!!!』
霧島『私が手に入れた情報では、新宿舎に司令の新部屋を設け、司令も了承したとのこと!』
霧島『司令の部屋の隣に!なりたいかー!?』
『ウォォォォォ!!!!!』ガヤガヤ
提督(手に入れた情報も何も、盗み聞きしてただけだろ…)ケホケホ
霧島『部屋割り方法は至ってシンプル!くじ引きです!紙には番号が書かれていて、それと同じ番号の部屋が次の部屋割りとなります!』
霧島『さらに!今回は現在割り当てられている部屋番号をシャッフルさせていただきます!なのでどの番号でも司令の部屋の隣になる可能性はありますので、望みを捨てないように!』
提督「…すげぇ盛り上がってんな」
霧島「特別作戦よりもビッグイベントですから」
提督「お前それ艦娘としてどうなの発言なんだが…」
霧島「殺伐とするよりかはマシかと」
提督「…あれ見て同じこと言えるか?」
迅鯨『…必ず私が…私以外だったら……す…』ゴゴゴ
霧島「…張り切ってますね!」
提督「誤魔化すな!」
霧島「ちなみに運営委員は間宮さん伊良湖さんなので不正はまず許されないためご安心を」
提督「…あんま結末見たくないんだけど」
そして…
迅鯨『い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!て゛い゛と゛く゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!』ジタバタ
提督「…あーもうめちゃくちゃだよ」
霧島「」ズーン
提督「…こういうのは士気に関わるからイベントみたいな扱いすんの良くねぇのよ」
霧島「…まぁ盛り上がったから良し!別に司令に会えなくなる訳じゃありませんからね!」キリッ
提督「おぉ…そうだな。切り替えが早くて助かる」
霧島「確かに落ち込んでる子も居ますけど、少し考えればデメリットは無いと気付くはずですから」
提督(…宿舎の新築もあるが、現宿舎の改築も計画してるし、新しくなりゃ気分も変わるだろう)
親潮「…わ、私の、次の部屋が、司令の隣…!?」
早潮「やったね親潮姉!」
親潮「ほ、本当に、私で…良いのかな…?」
早潮(少なくとも迅鯨さんよりかはいいハズだと思うけどね…)ハハ...
提督「部屋割りも決まったし申請も通って後は待つだけ…」カリカリ
迅鯨『決まってません!!!』バーン!
提督「うひっ!?」
迅鯨「この迅鯨、まだ納得してません!きっと何らかの不正が…」
大淀「ある訳ないでしょうが」グイグイ
迅鯨「やだぁぁぁ!!好きって言ったはずなのにぃぃぃぃ…」ズルズル
提督(だから言ってねぇって…)
提督「…つーか根本的な解決はしてねぇな、部屋の位置変わっただけだわこれ」
不知火「気付いてしまいましたか」ガタン
提督「うわぁぁぁ!!?遂に執務室まで!?」
不知火「司令の望む『個室』は…やはり『一人暮らし』的な奴ですか」
提督「…そうだが」
不知火「ここの敷地内に掘っ建て小屋じゃダメなんですか」
提督「…俺の土地じゃねぇから色々とな」
不知火「成程、私物化してないのは評価に値します」フフン
提督「何で偉そうなんだお前は」
不知火「ここだけの話、不知火は大本営の監査鑑なので」
提督「…」ポカン
不知火「ジョークです。司令の呆然顔が見れたので不知火は退散します」フフフ
提督「仕事しろよ!」
提督「…ダメ元で聞いてみるか」
***
時津風「んーひま!しれぇにイタズラでもしよっかなぁ」
雪風「また大淀さんに怒られますよ!」
時津風「大丈夫だよぉ、しれぇ優しいから『手伝いしてた』って誤魔化してくれるかも」
雪風「んー…ん?しれぇ、誰かとお話中です」
提督「…といった次第なのですが」
大将『…君ぃ、それは秘書艦くんの言い分が正しいよ』
提督「…そうですか」
大将『警備も万全、緊急時も即時対応、設備も申し分無しだと思うんだがねぇ。何より君んとこは増築申請してたよね?』
提督「はい」
大将『まあ私が何が言いたいかというとね、そういった事で時間を取らせるなって事。君、大佐だっけ?俺と階級そんな近くないよな?お悩み相談室と勘違いしてない?』
提督「…申し訳ございません」
大将『まあ色々溜まってんのか知らんけどさ、そういうのはこっそり発散するのがいいよ?そういうとこ知らないなら教えてもいいけど』
提督「いえ、いいです」
大将『俺としちゃそっち系の話でも良かったけどね。次掛けてくる時は話題に気を付けたまえよ』ブツッ
提督「…」ショボン
時津風「…ぷぷぷ、しれぇ怒られたっぽいね」
雪風「わかるの?」
時津風「ソナー使ったから」
雪風「そういうのは良くないです。とにかく励まさないと」
時津風「雪風は真面目だなぁ」
雪風「こういう時は元気になるお話でもするのが1番です」
時津風「あたしが行けば元気になるでしょー!?」
時津風「しれぇー!遊びに来たよー!」
提督「…」ポケー
時津風「…しれぇ!うぉぉぉぉい!」
提督「…どうすっかなぁ」
時津風「…シカト?」
雪風「そのようです」
時津風「…ふ、ふーん、そーいう意地悪するんだ!叩くよ?」バンバン!
提督「いってぇ!…な、何だ?」
時津風「ほらほら叩くよ!?」バンバン!
提督「叩きながら言うな!なんだよ!」
雪風「落ち込んでたみたいだったので」
提督「…まあ、な」
時津風「しれぇ電話してて怒られたんでしょー?だから励ましてあげてんのー!元気出たでしょー!?」
提督「…いや」
時津風「…ふーんだ、しれぇが電話で怒られてたって言っちゃお」
提督「や、やめろ!」
時津風「じゃ、元気出してよ」
提督(むちゃくちゃだなこいつ…)
雪風「ちなみに誰とお電話してたのですか?」
提督「んん…上官、かな」
雪風「てことは将官さんですね!」
時津風「しれぇよりも偉い人?」
雪風「そうです」
時津風「へー」
提督「…ま、無駄話しちまったってとこだな」
時津風「無駄話するぐらい暇ならあたしと遊べー!」
提督「暇じゃねぇから!仕事あるから!」
時津風「…だってさ雪風。戻る?」
提督「暇なら手伝え」
雪風「時津風、頑張って下さいね!」ピュー
時津風「あ、逃げるなぁ!」
提督「じゃ、これよろしく」
時津風「うげ…」
大淀(…秘書艦が盗られてる)
大淀(…羨ましい!)
ふと階級見てて佐官クラスとかでも普通に凄いけどいきなり元帥に話通せんのかと思ってしまったので
応援、コメント、お気に入り等々心より感謝申し上げます。
コメントは必ず読ませてもらっています。読者兄貴らには本当に頭が上がりません。ありがとうございます。
お久しぶりです!新作が来て嬉しいです!
初っ端から大淀さんが飛ばしてて腹筋が…!提督の安寧は果たして!?
投稿お疲れ様です!お久しぶりです。
コレは絶対おもしろいと予想!続き楽しみに待ってます!
大淀絶対悪意あるよこれ…
これ、提督がキレて隠し通路塞いだらどうなるのでしょう?
続き見たいw
なんや帰ってきとったんかいワレ。
新作待ってたよー。
かむかむさんの新作だー!
わーい!
返信こないと思いますが質問です。クロスオーバー作品とか出す予定ありますか?
投稿ありがとうございます!
相変わらず面白すぎます!大淀さんナニシテンスカ
投稿お疲れ様です。
新作始まってて嬉しーーー!!
続きかけよあくしろよ
愛してるるるるる