2019-06-22 19:08:04 更新

概要




提督を辞めたがってる男の物語

各方面のネタを盛り込んでますので、許容出来る方のみお読み下さい。




前書き



初めまして、かむかむレモンといいます。
そうでない方は、いつも見て下さりありがとうございます。



今作は、Twitterでアンケートを取った結果に従い、ギャグ系SSとなっております。


殺伐とした雰囲気は無い予定ですので、軽い気持ちで見て頂ければ幸いです。













提督『だから辞めたいです』


元帥「は~(クソデカため息)」


提督『だ、だから、このままじゃ私の命が危ういのです!』


元帥「…何で?」


提督『何でって…か、艦娘ですよ!』


元帥「まーたそれか。今度は何だ」


提督『こ、此度は…あ、やばい!直ぐに掛け直します!』ガチャ


元帥「…アホくさ」ヤレヤレ











***












提督「くっ…は、入っていいぞ」アセアセ


大淀「失礼します。本日受領期限の書類を回収しに来ました」


提督「そ、その机に置いてあるやつだ」


大淀「了解です」ヨイショ


提督(くっ、大淀め…俺が元帥に報告してる時ばかり狙って来やがって…)


大淀「それでは、失礼しました」スタスタ


提督(お陰でまた報告し損ねた…俺はもう我慢の限界なんだ!)








提督(この鎮守府は危険過ぎる!俺は今すぐにでも提督を…海軍を辞めてやる!)








大淀「…よし!不備は無し!流石ですね」


大淀「これだけの量をちゃんと期限を守ってやり抜く…何てしっかりしたお方でしょうか…」ホワホワ


大淀「…そ、そうだ、お茶ぐらい淹れて差し上げましょう」コポポ


大淀『…俺のためにお茶を?ありがとう大淀。君は何て気の利く艦娘なんだ』低音


大淀「い、いえ、そんな…私はただ、提督のためを思って…///」


大淀『…結婚してくれ、大淀』低音


大淀「…なーんて、あるわけ無いよね…って、あらら!?」コポポ


大淀「やば、一人芝居してたらちょっと多めに…大丈夫かなぁ…」シュン









提督「くそっ、早く出てくれ…」プルルル


大淀「て、提督、また良いでしょうか」コンコン


提督「あ、ああ!」プツ


大淀「お、お茶をご用意しました」カタン


提督(…湯呑みいっぱいにお茶が入ってる…な、何だこれは嫌がらせか!?)


提督(そ、それともこれは警告なのか!?もしや、俺のしようとしてることは全て大淀に筒抜けなのか!?)


大淀「あ、あの、少し多くなってしまって、すいません」


提督(す、少しだと!?表面張力が張りかけてるんだぞ!?)


提督(くっ…仕方ない、今日はやめておくか…)


大淀「あ、あの…」


提督「ちょ、ちょっと熱いからね。少し冷ましてから飲むよ」


大淀「あ、ありがとうございます」ホッ


提督(畜生熱いぜ。だがゆっくり飲めば…)チビチビ


提督(…変な匂いはしない。どうやら毒の類は無いようだが…油断は出来ん)


大淀(ま、まさか私に気を遣った…?何て優しいお方なのでしょうか…)ジ-ン


提督(…俺は諦めんぞ。いつか必ず!俺はこの危険な鎮守府から出ていくんだ!)














恐怖の鎮守府













俺は艦娘から命を狙われている。


そう。俺は艦娘から命を狙われているんだ。大事な事だから二回言った。



着任当初から、今に至るまで、何度も俺は危険な目に遭ってきた。



そうだな、まずは俺がここに着任した時の事だ。






俺が提督として鎮守府に着任したのは数ヶ月前。元々海兵団にいた俺には縁がないと思っていたが、ある事で大きく運命が変わった。



苛烈を極める訓練の最中、俺は小人を見た。



幻かと思ったが、バテた俺の身体に登って遊んでいたのだ。



そいつをつまみ上げ、クルクルと振り回していたら、教官がそれを見ていたらしく、鬼気迫る顔で引っぱたかれた。



教官は俺がつまみ上げていた小人を手厚く保護していた。他の訓練兵は目を丸くしていた。俺もそうだった。



空を掴んでなにかしている俺と、目に見えない何かを宥めている教官。二人とも頭がおかしくなったのだと話していた。




だが違った。その小人は妖精と呼ばれる者で、誰にでも見えるやつじゃなかったらしい。



俺はわけも分からないまま、士官学校へと移された。この時は何となくラッキーだと思っていた。だって士官コースだからかなり高い地位が約束されたものだと思ったんだ。




それはある意味正しかったが、間違いでもあった。








色々あって無事士官学校を修了し、鎮守府へと着任する事となった。兵学校時代でかなり鍛えた身体、士官学校で叩き込まれた膨大な知識を以てすれば、きっとやり遂げられる、と元帥閣下から言われた。



…あの時は戦争の勝利だと思ってたけど、今だから分かる。提督としての毎日を生き延びられるという意味だったんだ。







俺が鎮守府に着き、執務室に入った時、一人の少女が出迎えてくれた。



特Ⅲ型駆逐艦、またの名も暁型駆逐艦四番艦、電だった。






電「あ、は、初めまして!」


提督「やあ、初めまして」


電「電と申します!あなたが司令官さんでよろしいのですね?これからよろしくお願いします、なのです!」ペコ


提督「よろしく頼む」


電「で、では、各施設の案内をするのです」ペラ


提督(メモかな?ふふ、子供らしいな)


電「えぇと、まず…ひゃっ!?」コテ







俺はまだその時は何も理解していなかった。



艦娘と、人間の違いを。







提督「おっと、気を付けぐほぉ!?」ドシ-ン






転びそうになった電を抱きとめようとしたら、俺は吹き飛ばされた。



何が起こったのか理解出来なかったが、激痛で意識を戻されたその時、俺は悟った。






艦娘はやばい、と。






電「はわわ!?だ、大丈夫ですか!?」


提督「(大丈夫じゃ)ないです…」ボソッ


電「し、司令官さーん!」ユサユサ







俺は着任初日から死にかけたのだ。五万馬力は伊達じゃなかった…












俺は半日寝ただけで復帰した。


確かに身体はかなり鍛えていたが、それでも死んで当然だと思ってた。



起きたら電と、二人の艦娘がいた。明石と大淀だったかな。




これが俺の初日の話だ。全く散々だった。







しばらく時が経ち、艦娘も増えてきたが、俺は電のアレがトラウマになってしまっていた。故にスキンシップは極力控え、つまづいても支えに入れなかった。



吹き飛んだ、と簡単に表したが、バトル漫画みたいに勢いよく吹っ飛ばされたんだ。そして俺は漫画の主人公みたいに勇敢になれなかった。人間だし、多少はね?




それでも積極的な艦娘はかなりいるわけだ。その一人として、夕立を挙げよう。



夕立は電とは違い、自分からスキンシップにくる子だ。抱きつかれると吹っ飛ばされる。








夕立「提督さーん!作戦成功っぽーい!」ピョ-ン


提督「あわわわ…ぐえぇ!」ドシ-ン


夕立「むふー!褒めて欲しいっぽい!」スリスリ


提督「よ、よくやった…な…」ガク


電「はにゃー!?司令官さんが気絶しちゃったのですー!」アタフタ







そして起きる時は医務室だ。知らない天井だ、と言うより最早こっちで起きた回数の方が早いぐらいだ。



この時大淀が艦娘全員に注意喚起していたが、艤装展開状態のみ艦の力が解放されるから、俺に関わる時のみ展開を解除するとか。



それなら鎮守府にいる時はずっと解除しとけよオラァン!と言いたい所だったが、戦時中だし敵がいつ攻め込んで来るか分からんし臨戦態勢は解かない方が望ましいとか言われちゃった。



また、何度も展開と解除を繰り返すと妖精にも負担が掛かるらしい。電灯のスイッチを繰り返して押されたら鬱陶しいのと同じで、妖精がストライキを起こすかもしれないとか言われたら何も言えなくなった。





国民の命も大事だけど俺の命も大事にして欲しい(切実)









大淀の注意喚起のお陰で医務室送りになる回数は減りつつあったが、完全ではなかった。



そこで、俺自身が更に打たれ強くなればいいと思い、執務を終わらせた後に自主トレを始めた。



給料の半分をトレーニング機材に費し、遠征で得た資材の運び込みを手伝ったりと、力仕事にも手を付け始めた。







でも国民の皆様ごめんね。俺はトレーニングしてもあんまり状況が改善されなかったよ。



ドラム缶とかクッソ重いのに潜水艦の子とか駆逐艦の子たちは軽々上げるんだもん。心が折れかけるよね。



変わったのは俺が更にムキムキになり、ストレスでハゲただけ。絶望したからスキンヘッドにしたよ。



とは言え元からかなり短かったし頭洗うのが楽になった。ポジティブシンキング。




後、鍛えても怪我するのは変わらなかった。何なら軍服がピチピチになって特注サイズを発注する羽目になった。勿論俺の給料から天引きだ。いやーキツいっす(素)




鎮守府は俺の身体と心、そしてお財布にダメージを与える恐ろしい場所だったのだ。










ムキムキハゲゴリラと化した俺は多少打たれ強くはなったが、あくまでそれは外部からのダメージの話だ。




今度は内部からのダメージの話として、磯風を挙げよう。




鎮守府には給糧艦として間宮と伊良湖が配属されている。料理めちゃくちゃ美味いし、美しいと可愛いが綺麗に組み合わさってて、正直どタイプ。



基本的に食堂から出ないから、俺は朝食、昼食、夜食の時間が楽しみとなった。飯が美味いとモチベも上がるんだよ。





ここまでなら提督やってて良かったと心底思うんだが、イレギュラーは発生するもんだ。









提督「今日の飯はなんだろな~」


磯風「…ん?司令、随分機嫌が良いみたいだな」


提督「え?磯風か。そりゃお前もうすぐ飯時だろ?」


磯風「司令は食事が好きなのか」


提督「まあね」


磯風「ふむ、それならこの磯風が軽食でも作ってやろう」


提督「ほー」


磯風「少し待っていてくれ」スタスタ







磯風は来て間もない頃から何故か俺に懐いてるようだった。言葉には多少の圧があるけど。



同じ駆逐隊の浦風とか飯は美味いから期待してたよ。この時はね。



数分後、磯風はその手に得体のしれない何かを持って戻ってきた。一目見て分かったよ、やべーやつだって。






磯風「司令、待たせたな」スッ


提督「え、何それは…(困惑)」


磯風「軽食だ」


提督「何作ったの…」


磯風「フライドポテトだ」グイ







それは、フライドポテトと呼ぶにはあまりにも大きすぎた。


大きく、丸く、そして大雑把過ぎた。


それは正しく消し炭だった。





恐らくじゃがいもをそのまま油に付けて揚げただけのやつだろう。そういったものもあるにはあるが、黒焦げになっていた。原型ないやん。



まだ新参の磯風が俺にこんなものを食わせようとは、恐ろしい子!ここは丁重にお断りしようかと思ったが、頑なに手を引っ込めなかった。






磯風「司令、食わないのか」


提督「い、いやそれ失敗作だろ…」


磯風「何だと?この磯風が失敗などするものか!」


提督「」


磯風「ええい、つべこべ言わず食べてくれ!」グイグイ


提督「もがっ!?」


磯風「そうだ、そのまま味わって…」








生まれて初めて炭を味わった。くっそ不味い。あとめちゃくちゃ硬い。



吐き出そうにも磯風に向かって、というのは絶対にしてはいけないと思い、虚ろな目で飲み込んだ。というより飲み込まされた。




口から鼻へと炭の匂いが漂ってくる。気持ち悪い。満面の笑みの磯風に俺は恐怖した。




懐いている素振りは嘘で、本当は俺を苦しませようとしてるんだ、と。






数時間後、案の定俺は体調を崩した。


真相を知った陽炎型の子たちは俺が寝てる医務室のベッドを囲いながら土下座していた。



磯風は簀巻きにして逆さ吊りの刑にしたらしい。意識が朦朧としつつもすぐにやめるよう言ったが、果たして陽炎はやってくれたのだろうか…



まあ過ぎた事だから分からんが、内臓は流石に鍛えようが無いから無理。





そんな訳で、楽しみにしていた食事が出来なかった挙句、寝込まされたという散々な目に遭った。










体調が戻った後に詳しい話を聞いたが、遠征で得た燃料で揚げたらしい。お前人のものを…(レ)



磯風は厨房出禁になったらしく、俺は一安心。また間宮さんと伊良湖さんの料理が食えるとウキウキだ。



だが俺はまた後悔する。間宮さんと伊良湖さんに医務室まで料理を持ってきて貰うんだった。




食堂では俺の回帰祝いと称し、飲兵衛たちが既に酒盛りをしていた。



俺はあまり強い方ではない上、病み上がりの身体で酒など飲みたくなかった。



だがそれを許すほど飲兵衛たちは素面じゃなかった。少しぐらいといい、お猪口を差し出してくる。



注がれるは焼酎、ウイスキー、ワイン、等々…







提督「…」


隼鷹「およ?どうした提督~、飲めないのかい?」ニシシ


那智「この那智の達磨…飲まんのか」グイ


千歳「取り寄せたワイン…お飲みにならないのですか?」ウルウル







綺麗な女性に酒を注がれるのは嬉しいけど混ぜないでくれ。これ絶対悪酔いする。



でも千歳必殺の女の涙に負けてしまった。男は涙に弱いって、はっきりわかったんだね。




ちびちび飲んでみる。色んな味が混ざりあってて正直不味い。アルコール特有の匂いが鼻につく。気持ち悪い。




お猪口に注がれた混合物を飲み終えた後に再び新しい酒を注がれた。やめてくれよ…




病み上がりに飲ませる量とは思えないぐらい注がれまくった。目の前が暗くなる。意識が朦朧とする。とにかく気持ち悪い。






電「な、何やってるのですかー!」ドタドタ


鳳翔「電ちゃん?いきなり走っちゃ…て、提督!?」







***








また知らない天井だ…って、本当に知らない天井だった。



周りを見ると、鎮守府じゃない…?






「…む、意識が戻りましたか」






白衣を着たおっさんが俺の顔を覗き込む。俺は何が何だか分からない。






事情を聞くと、急性アルコール中毒に陥ったらしい。





もうやだ、提督辞めたい。と本気で思うようになってきたのはこの辺りだ。










こんな目に遭っても何だかんだで復帰を果たしている。俺の身体が慣れてしまったのか、それとも…




まあそんなことはどっちでもよかった。俺はどうにかして提督を辞めようと考え始めた。





とりあえずダメ元で脱走してみる。昼休憩の時間に、こっそりと鎮守府を出てみた。




軍服だと少々目立つので、コートを羽織って人混みへと紛れていく。軍帽は勿論置いてった。




すれ違い様に見てくる人はいるものの、誰も声を掛けようとしない。当然と言えばそうなのだろうか、よく分からないが。



だが、そのお陰で俺は非常に助かっていた上に、心が安らいでいた。自由に歩き、あの恐ろしい鎮守府から遠ざかっていく素晴らしさを、心から満喫していた。




しばらく歩き、公園のベンチに座り込み、深呼吸する。海の匂いが薄まり、草花の匂いが鼻を満たす。リラックス効果が大き過ぎる。




ある程度貯金は貯まってるし、少しの間だけはこうした自由を享受してから次の職を探そうか、とも思い始めていた。



または、元帥なら他の職への斡旋をしてくれないかとも淡い期待を抱いていたりしたが、ここでそんな時間は終わりとなった。






提督「…ま、昼飯でも買ってまた考えるか」


早霜「司令官、それなら私がお弁当を…」


提督「お、いいね…ぇ!?」ビク


早霜「ど、どうしました」


提督「お、お前、いつの間に…」アセアセ


早霜「ず、ずっとついてきてましたけど」


提督「」







ここに来てまさかの事態。早霜が俺の脱走に気付いていた。更に尾行までするとは、恐ろしい子!



だが俺は何とか冷静さを保とうとしていた。俺はまだ鎮守府から脱走するとは一言も言ってないし、早霜への言い訳も立つ。



脳みそ筋肉みたいな見た目の俺が頭をフル回転させて、穏便且つ速やかにこの事態を処理する。






提督「…ずっととは、どこから?」


早霜「ええと、鎮守府から…」


提督「…何か俺に用でもあったのか?」


早霜「その、お昼ご飯のお誘いで…」


提督「…ならもっと早く声を掛ければ良かったじゃないか」


早霜「えと、声を掛けようとしたら、どこかに行こうとしてたので、何となく…」







何となくでここまでついてくるのか…?鎮守府からは割と離れてると思うんだが。



…って、よくよく考えたら素直に尾行してきましたなんて言うはずないよな。バカか俺は。



昼飯の為だけにここまでついてくるはずが無い。ダメ元とは言え、早霜は俺の計画に気付いていたという事だ。



まあ仕方ない。成功率はかなり小さいと踏んでいたので、次なる作戦を練るしかない。早霜に気付かれないようにな。







早霜「あ、あの、司令官?お弁当は…」


提督「…あ、ああ。食べるよ。ありがとう」


早霜(良かった…)ホッ


提督(…特に怪しい所は無さそうだ)モグモグ


早霜(いつも見ていた甲斐がありましたけど…もっと声を掛けないと…)


提督(…薬品らしいものは入ってないな)モグモグ


早霜(司令官は何をしにこんな所まで…お散歩でしょうか?)







***







提督「…ご馳走様」


早霜「お、お粗末さまでした…」モジモジ


提督(…一応全部食ったが…毒は無かったようだ)


早霜(全部食べてくれて良かった…)


提督「…さて」


早霜「あ…もう昼休憩が終わります。そろそろ戻りましょう」


提督「」







まあそうだよな。見つかっといて逃げ出せる訳ないわな。



俺は鎮守府へと戻されて、再び艦娘との命懸けのスキンシップに付き合わされる事になった。















恐怖の鎮守府:艦娘サイド







私、大淀はこの鎮守府で何人もの提督を見てきました。何人もの、とは言っても一ヶ月に一人辞めてはまた着任するといった状態でした。



お陰で出撃もままならず、艦娘とのコミュニケーションも取れず、ただ建造、ドロップされては放置という劣悪な環境になっていました。



そしてまた、一人提督がここに着任するらしい。また一ヶ月もすればやめて行くのでしょう。






ただ、今回来た提督は、他とは違うようでした。



妖精を視認出来る人が来たのだ。妖精が選ぶ人だから、必ず何かを成し遂げてくれる…そう淡い期待を胸の内にしまい、新たな提督が来るのを待っていました。





正面の門を見ると、一人の男が入ってきました。あれが、新たな提督…妖精が見える…




…ちょっと気になるから案内しつつ観察してみましょう。


















…どうやら入れ違いで見失ってしまいました。



すると、執務室の方から大きな音が聞こえてきました。



急いで向かうと、壁にめり込んだ提督と、パニック状態になった電ちゃんが見えました。



私は落胆しました。これは最短記録となってしまう、と。













と思っていたら、提督は無事に意識を取り戻したのです。回復力が強く、後遺症も何も無かったのです。



流石は妖精が選んだ人です。これはきっと、この鎮守府を変えてくれる人なんだなと思いました。








***








間宮「あ、初めまして。新しい提督さんですね?」


提督「あ、はい…」


間宮「私、給糧艦の間宮と言います」ペコ


伊良湖「お、同じく伊良湖です!」ペコ


提督「よ、よろしく」







私、間宮はこの時、また挨拶だけしてずっと食堂には来ないのだろうなと思ってました。



最初の一回は美味しそうに食べてくれたけど、それからパタンと来なくなって、気付いたら辞めちゃって、それが何度もありました。



諦めが入ってますが、私はめげません。何度も来てくれるようにお料理をもっと頑張ります。







それが、報われたのです。



今度の提督さんは、毎日来てくれました。とっても美味しそうに食べてくれて、私も嬉しいです。



でも、他の子たちが近くに座ろうとすると、必死に料理を完食して、逃げるように出ていっちゃいます。少し悲しいです…







伊良湖「あ、あのー、間宮さん?」


間宮「え?」


伊良湖「その、大淀さんから聞いた話なんですけど、提督さん、初日に大怪我してから苦手意識があるみたいで…」


間宮「お、大怪我?でも…」


伊良湖「そうなんですよ。全然健康そうに見えますよね?何でも妖精さんが見えるらしいですよ」


間宮「まあ…妖精さんが選んだのかしら」


伊良湖「妖精さんが関わってるのなら…今度の提督さんは、長く居てくれるかもしれませんね」











***










夕立「提督さん、構ってくれなくて寂しいっぽい」


時雨「提督もきっと忙しいんだよ」


電「そ、そうじゃなくて、電が司令官さんを突き飛ばしちゃって…うわーん!!」ビエ-


時雨「電は悪くないよ…事故だって」


夕立「むー、提督さんから来ないなら夕立から行くっぽい!」


電「そ、それはやめた方が…」


夕立「もうすぐ鎮守府に戻るから、遠征報告ついでに抱きついてやるっぽい!それなら提督さんも構ってくれるっぽい!」









そして…








夕立「ごめんなさい…」正座


大淀「いいですか、私たちが艤装を展開してる時は、艦の力をそのまま宿してる状態なんですから、艦艇が全速タックルしたようなものなんですよ!?」


夕立「あ、あれはタックルじゃ…」


大淀「言い訳無用!夕立さんに限らず、提督と交流を図る時は艤装展開を解除して下さい」


時雨「…でもそれだと殆どの子が提督の所に向かうと思うよ。それに緊急時なんか…」


大淀「その辺については調整しますが、非番の時のみとさせてもらいます」








夕立「…時雨、次の非番っていつっぽい?」


時雨「僕たちはしばらく遠征だよ」


夕立「…ぽいぃぃぃぃぃぃ!!」ビエ-









***









磯風「…浦風、聞きたい事がある」


浦風「んー?」


磯風「私はこの鎮守府に来てまだ間もない。故に司令についてはまだ分からん所が多い」


浦風「そうやねぇ、磯風はまだ一週間も経っとらんねぇ」


磯風「単刀直入に言おう。司令は男色なのか」


浦風「ぶっ、な、何じゃそれは…」


磯風「司令は私たち艦娘との接触を避けているように見えたからな。違うか?」


浦風「それだけで決めつけるんは早計じゃと思わんの?」


磯風「ふむ、確かにそうかもしれない」


浦風「…まあ、確かに避けとるとは思うなぁ。でも食堂には誰よりも早く行っとるような…」


磯風「…ふむ、司令は食いしん坊なのか」


浦風「んー、でも軽い物を作った時は美味しそうに食べてくれたけぇ」


磯風「何?いつ?」


浦風「磯風が着任するちょっと前の事じゃねぇ。あの無邪気な顔はぶち可愛かったけぇね」ニヨニヨ


磯風「…そうか、軽食か。ありがとう浦風」スタスタ











磯風「…とは言え、何から手をつけるべきか…」


提督「今日の飯はなんだろな~」


磯風「…ん?司令、随分機嫌が良いみたいだな」


提督「え?磯風か。そりゃお前もうすぐ飯時だろ?」


磯風「司令は食事が好きなのか」


提督「まあね」


磯風「ふむ、それならこの磯風が軽食でも作ってやろう」


提督「ほー」


磯風「少し待っていてくれ」スタスタ








磯風「…何を作ろうか…ん?あれは…馬鈴薯か」


磯風「軽い物…そうだ」


磯風「油は…そういえば燃料も油だったな」


磯風「…やってみるか」ドボン








その後、私は司令に軽食を振舞ったが、司令は倒れてしまった。



それから程なくして、陽炎姉さんたちが私に問い詰めてきた。浦風から話を聞いたらしい。



私は正直に答えたら、私は抗う間もなく簀巻きにされ、逆さ吊りにされてしまった。



どうやら、私の軽食が原因らしいが、どこに間違いがあった?



…わからんが、出来れば早めに下ろして欲しい。詳しい説明と、司令に謝罪しなければ。



頭に血が上ってきた。目眩がする…











***








隼鷹「提督が復帰したってよ」


鳳翔「まあ…それなら、お腹に優しいものを作って差し上げましょう」パタパタ


隼鷹「…鳳翔さんはああ言ってるけど、これは飲むチャンスじゃない?」


千歳「そういえば、先日注文したワイン、やっと届いたんですよ」


隼鷹「おお!こりゃ飲むしかないじゃん!那智も呼ぼーっと」スタスタ


千歳(気に入ってくれるかなぁ…)ホワホワ


千代田「…病み上がりの体にお酒ってどうなの?」


千歳「え?お、お酒は百薬の長って言うでしょ?」


千代田「…ま、いいけど。大淀さんに怒られないようにね」


千歳「だ、大丈夫。ちょっとだけだから」









そして…









鳳翔「復帰したばかりだと言うのに、急性アルコール中毒にさせるとはどういう事ですか!」


隼鷹「う、すんません…」


那智「返す言葉もない…」


千歳「申し訳ございません…」


鳳翔「あなたたちは当分飲酒禁止とします。既に大淀さんと電ちゃんが片付けをしていますので」


隼鷹「そ、そんなぁ!」


千歳(私は…何ということを…)ズ-ン


那智(私の達磨が…)ズ-ン









***










ここに、一人の駆逐艦がいる。名を早霜という艦娘だ。



早霜は早期にドロップし、鎮守府へ所属することとなった。故に提督の事情は熟知していた。



何でもそつなくこなす子だったが、何故か提督からはあまり印象に残らない子だった。








その理由は、目立たな過ぎて、影が薄かったからだった。







提督への報告に行こうにも、声の小ささで他の艦娘が向かってしまい、それを止めようにも聞こえないぐらいだった。



また、提督とのコミュニケーションを図ろうにも、ふとした事で怪我をさせるのではないか、と及び腰になってしまい、結局遠目から提督を見守るしかない、もどかしい日々を送っていたのだ。



だが早霜はそこでめげなかった。再び提督が復帰した際に、話だけでもしようと策を浮かばせた。



その中で、食事をしつつ会話をしようと思い、手作り弁当を用意して執務室へ向かおうとした。



昼休憩、自分は非番、これ程の条件が揃うことは無いと思っていたが、途中でどこかへ行こうとする提督を見かけた。



執務室ではなく、外へ出ようとしている提督に声を掛けようとしても、声が小さ過ぎて聞こえていない。



だが今回ばかりはそこで諦めなかった。早霜はどうにか提督に気付いて貰えるよう彼を追った。



離れ過ぎず、しかし弁当を食べつつ話せるような場所が見つかるまで気付かれぬよう、注意深く提督について行った。



道行く人たちは怪しくついて行く早霜を見ていたが、早霜はその視線に意識を割くことは無かった。



早霜の視線は常に提督の背中に向いていた。そして、ついて行く中で感情の一部に変化が起きた。



大きな背中、歩幅、コート越しでもわかる鍛えられた身体。



そして、3歩後ろとまで近くはないが、一定な距離を保ちつつ歩く自分。




早霜がその正体に気付くのはそう遠くない未来だが、それはまた別の話である。








しばらく歩くと、提督は公園に入った。早霜が弁当を振る舞いつつ、話が出来る場所として適していた。



提督が何か物思いに耽っている間に、早霜は声を掛けようと試みた。いつもより、少しでも声を大きくして、提督に聞こえるように。











その声は、提督に届いたのだ。提督は驚いていたが、差し出した弁当を全て平らげた。



会話という会話はあまりしていなかったが、早霜にとっては大きな一歩を踏み出していた。











だが、それに反して提督は更に怖気付いているとは、知る由もなかった。













危険な艦娘たち












しばらく時が経ったが、未だに俺は提督を辞められてない。早く辞めたい。自由になりたい。



色んな計画を立てても頓挫しまくってる。連続して失敗するとガン萎えする。



そんな萎びた俺の癒しは間宮さんと伊良湖さんと二人の作る料理と風呂の時間。給糧艦は天使だよほんと。



あと風呂とか言ったが実際は一人になれる時間だね。トイレとか寝室とかね。









でもここ最近その時間が失われつつある。スキンシップを求める艦娘が増えた為だ。



大淀の計らいで艤装解除状態の艦娘のみコミュニケーションを取りに来るようになったのはいいんだが、正直駆逐艦とか怖くて仕方ないんだよね。俺が怪我してる原因のほとんどが駆逐艦絡みだし。




艤装解除してる時は年相応で可愛いんだけど、近海で警報が鳴ると瞬時に艤装展開して海に向かう訳だが、そこで俺はとばっちりを受けて怪我してる。



艤装の一部に掠るだけでもえげつない痣が出来るし、振り返った時に髪が靡いて俺に当たると鞭で打たれたみたいなミミズ腫れが起こる。全身凶器とか怖すぎるッピ!




だが俺の怪我の治りが早すぎるのもよくよく考えたら怖い。人間の治癒速度を超えてるってそれ一番言われてるから。




癒しが…癒しが欲しい…








でも面と向かって言うのは抵抗がある。客観的に見てスキンヘッドムキムキゴリラが甘えるのってどうなのさ日向。



だが恥とかそんなの構ってられない。俺が提督を辞める前に心が壊れてしまう。そうなっては絶対に正常な判断が出来なくなる。とち狂って終身提督とかやりそう。それだけは絶対に避けたい。







そう思いつつ一晩頭を休めると、べつに艦娘に甘えなくてもいいじゃん?という結論に至った。



というわけで、俺は一日完全休養を取る事にした。どうせ外出ても艦娘に見つかって連れ戻されるし、それなら自室で一日引きこもってた方がいい。








***












自室の鍵を閉め、布団に寝転がる。身体から力を抜き、大の字で深呼吸する。




素晴らしい。何と心地良い気分な事か。視界にあるのは書類でも艦娘でもなく、自室の天井のみ。



一日休みが決まってる時のこの光景は何物にも変え難い、素晴らしいものなんだよ。リラックス効果が大き過ぎる。ダメになる。




だが今は何も考えたくない。俺は休むんだよ、来るべき時に備えて。




大きく欠伸をかき、そっと目を閉じる。真っ暗な世界が広がる。しばらくすれば瞼の裏はスクリーンのように、映像を映し出すだろう。




どんな映画が流れるのだろうか。支離滅裂な光景か、俺が切望している光景か、そのどちらでもない何か…いや、何でもいいや。




頭をしっかり休めて、俺は次なる計画を練る。いつの日か、自由になると信じて…










***









「提督?」





…何だ?誰かが俺を呼んでいる。






「提督、そのまま寝ていては風邪を引きますよ?」







…誰だ?いや、この声は…






提督「…誰だ」ウトウト


夕雲「私、ですよ提督」


提督「…は?」


夕雲「提督がお休みになると聞いたので、いても経ってもいられず来てしまいました」


提督「えぇ…(困惑)」


夕雲「寝てる間は身体が冷えやすいですから、少なくとも毛布を掛けて寝てくださいね。あと後頭部の負担を減らす為に僭越ながら膝枕をさせてもらいました」








目が覚めてきた所で周りを確認してみたが、確かに夕雲は俺に膝枕をしている。あと毛布も布団も掛けてあった。



本来なら感謝する所だが、何でこの子俺の部屋に入ってんの。俺鍵掛けたはずだよな?



扉の方を見るがこじ開けたような形跡は無い。普通に入ってきたのか。



…とすると鍵を開けた?誰が?夕雲か?それか他の誰か?マスターキー?



…いや待て待て、こんな事で頭を使うな。犯人探しはどうでもいい。提督を辞める計画を練る為の体力だ。




しかし、ここにきて夕雲が来たのは非常にまずいのだ。現在、俺に突っ込んで怪我させてくる艦娘より、夕雲を含む一部の艦娘の方が警戒すべきなのだから。




夕雲を始め、一部の艦娘は俺に世話を焼きたがる。別段それは構わないのだが、問題はタイミングだ。決まって俺が精神的に疲弊してる時が多いのだ。



そして、その時俺がされたら甘えてしまうような世話を的確にしてくるのだ。やめてくれよ…




世話を焼きたがる艦娘は他に雷、浦風、萩風、由良、能代、鹿島…辺りが挙げられる。本当はもう少しいるが、多くなぁい?




なんにせよ、俺が疲れて正常な判断がしにくい時ばかりに来るという事は、俺に計画を練らせない為であると踏んでいる。




反抗する気力を無くし、俺を辞めさせないようにしてるようだ。どんだけ俺を辞めさせたくないの君たち。







夕雲「提督?お腹は空いてませんか?」


提督「そうでもないっす」


夕雲「本当ですか?」


提督「マジっす」


夕雲「即答、ですか」


提督「う…」


夕雲「遠慮しなくていいんですよ?」ズイ


提督「してないっす」


夕雲「む、目を見て話して貰えません?」





目を見たら絶対嘘がバレる。腹減ってるけど夕雲のペースに流されたらダメになる。腹を鳴らすな、腹の内を悟られるな、しかしあまり邪険に扱うな…って、難し過ぎぃ!






提督「!」ギュルルル


夕雲「あら、やっぱりお腹が空いてたんですね」パァァ


提督「いや、これは…」


夕雲「やはりそうだったんですね!それでは軽食を用意しますね!」パァァ






胃袋が主を裏切り、欲望を満たすよう外に知らせてきた。空腹には勝てなかったよ…




夕雲は恍惚とした表情だ。くっ、全て計画通りという事か。こんな事なら休む前に馬鹿食いすりゃ良かった。



夕雲は俺の頭を丁重に枕に移し、軽食を持ち込むために部屋から出ようとしていた。俺も逃げ出そうとしたが、身体がまだ完全に醒めてないようだ。力があまり入らない。



夕雲が戻ってくるのにそう時間は掛からないだろう。それまでに部屋を脱出出来るか?いや違うだろ俺!出来る出来ないじゃなくてやるんだよ!







提督「んぐぐ…」ウトウト







よし、まだ眠気はあるが醒めてきた。これなら…




提督「…よし」ガチャ


雷「あら司令官!もう身体は大丈夫なの?」


提督「ファッ!?」


雷「どうしたの?疲れてるんでしょ?」


提督「そ、それは…」


雷「まだ疲れが残ってそうだから、マッサージしてあげるわ!」グイグイ


提督「ちょ」







俺は夕雲から逃れる事に集中し過ぎたのだ。そりゃそうだわな、動くのは夕雲だけじゃないよな。



ここで不覚にも雷と出くわしてしまった。艦娘の世話から逃れられない!








雷「司令官、どう?気持ちいい?」モミモミ


提督「くすぐったい」


雷「あら?じゃあ疲れてないのね」


提督「…まあな」


雷「司令官の身体って思ったより柔らかいわ!筋肉ってもっと固いかと思ってたわ」ムニムニ


提督「…そりゃどうも」


雷「引き締まっててカッコイイわ!」サスサス


提督「…どうも」







雷の小さな手が俺の身体を撫で回していく。めちゃくちゃくすぐったい。カチカチになるほどトレーニング後のアフターケアは怠ってないからね。



ほんと艤装解除してる時は少女らしい力加減だけどね…展開状態でマッサージなんかされたらぺちゃんこにされちまう。想像するだけであーもうおしっこ出ちゃいそう!(戦慄)




だから頼む、今だけは敵来ないで。俺死んじゃう。








夕雲「お待たせしました提督…あら?」


雷「あら夕雲さんじゃない!」


夕雲「雷さん?何してるんですか?」


雷「マッサージよ!」


夕雲「ふ、ふーん…あ、提督。膝枕の続きをしてあげますね」


雷「膝枕!?」


夕雲「ええ、夕雲の膝枕、よかったでしょう?」フフン


雷「それなら雷がやってあげるわ!」


提督「うおっ」ゴロリ


雷「司令官どう?癒されるでしょ!」


夕雲「むー!夕雲がやってあげるんですから、少しどいて下さい!」プク-


雷「夕雲さんも膝枕してたんだし、休まなきゃダメよ!」


夕雲「もう大丈夫ですし、提督のお世話がしたいんですけど」


雷「私もしたいわ!」


提督「いや、そろそろここら辺で…」








萩風「司令?失礼しますね。お疲れと聞いたので…あら?」


浦風「んー?何じゃ、先客がいたんけ?」


由良「…そ、それなら由良、お掃除をしますね」


能代「能代、お洗濯をしてきます!」










…待て待て、敵が来て欲しくないと思っていたが、君たちも来て欲しくないんだよ。お世話したがりな艦娘ばっかじゃねぇか!



最悪の事態に陥った。こっから逃げ出せる可能性はゼロに近い。特に浦風と萩風は磯風の件があってからめちゃくちゃ気に掛けてくれているが、そんなに心配しなくていいから!放っといてくれていいから!




あと俺の部屋を勝手に掃除しないで。確かに少しばかり散らかっているが自分で出来るから。親に自室を掃除された時の何とも言えない気まずさを思い出しちゃうから。



しかしそれを言う暇すら与えられず、俺はお世話をされまくる。夕雲は諦めたのか軽食を俺の口に運んでいるが、寝ながら食うのは行儀悪いと思うんですがそれは…



雷は膝枕を解かず、頭を撫でまくったり指先でトントン突いたりしてる。やっぱりあれか、スキンヘッドは嫌か。やはり髪があった方がいいのか。まだアラサーですらないのに凹む。



萩風は持参してきた軽食を夕雲同様食わせてくる。どちらも甲乙つけ難いぐらい美味い。行儀悪いのは変わらないが。



浦風は…俺の布団を綺麗に直してくれている。一番まともで何だか申し訳ない気分になった。



当然だが全員艤装解除してる。となるとこの子らは非番なのか。世話好き艦娘全員が押し掛けて来ないのが幸いだが、それでも状況は最悪だ。



傍から見たら殿様が女中を侍らせてるみたいで印象が悪すぎる。むしろ挙げた例の方がまだマシに見えるレベルだ。ムキムキ男が少女に世話をさせてるように見えるとかどこの悪役だよ。



つーか俺は一日休みたかったのに心が全く休まらない。こんな事なら誰も来るなと言うべきだった。鍵だけ掛けてりゃ入ってこれないなんて甘い考えを持ってた自分が恥ずかしい。







浦風「さぁて、布団も敷き終えたし、提督さん?」ポンポン







あ、あれはまさか!布団の中に招き入れる動き…いくら磯風の件があったと言ったも添い寝までしようとしなくていいから…(良心)



あと布団も俺がデカすぎてギリギリだから密着しないといけないぐらいだと思う。そこまでして俺をオフトゥンに誘うという事は…やはり浦風も俺を堕落させるつもりか!







浦風「遠慮せんでええんよ?」ポンポン


提督「いやいいっす」


雷「まだ膝枕の方がいいのよね!?」トントン


提督「頭皮マッサージはもういいから…」


浦風「もう、ええからこっち来るんじゃ!」グイ


提督「おっ!?」







あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!俺は雷に膝枕されてると思ったら、気付いたら布団の中にいた。


何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった…


頭がどうにかなりそうだった…催眠術とか超スピード!?(レ)とか…ん?超スピードだったな。本当に何が起こったの?







雷「ずるいわ!」


浦風「雷ちゃんはもうええじゃろ?」


夕雲「夕雲は満足してませんよ」


萩風「私は…あの…」


由良「お掃除終わり…う、浦風ちゃん?」


能代「ただいま戻り…な、なんて事を!」


浦風「今度はウチの番じゃ!」ムギュ-







集まってきてあーもうめちゃくちゃだよ。俺が出れば万事解決…あら?出れない。浦風ががっちりホールドしてやがる!



しかもよく見ると艤装らしきものも見える!全身展開じゃないみたいだ…一部とか出来んのかよ。雷のずるいと言った意味が分かった。




ならあの引っ張りは艦の力の一部…怖すぎぃ!もし全身展開状態だったら腕が千切られてそうだ。






浦風「提督さんの胸板…ぶち逞しいのう」ホワホワ


提督「ドウモ」


浦風「まるで丘みたいじゃ…腹も割れとるし、引き締まってて素敵じゃけぇ」ホワホワ


提督「ソウデスカ」







浦風が何か言ってるみたいだが、俺は僅かしか動けないのでむしろ疲れてきている。圧倒的な力に拘束されるとストレスが溜まるのだ。



他の子たちは引っ張り出そうにも出来ないようだ。恐らく艤装展開しないと浦風から引き剥がせないのだろうが、そんな事したら俺が八つ裂きになりそう。



もうやだ、ただ休みたいだけなのにどうしてこうなった…どこに間違いがあった…




雷「むー!なら私も入るわ!」ゴソゴソ


夕雲「な、なら夕雲も」


萩風「あ、そ、その…失礼します!」


由良「由良も、行きます!」


能代「能代は膝枕をしてあげます!」







や、やめろぉ!ただでさえ布団が小さいのに無理くり入ってこないでくれ!あと能代は膝枕なんてしなくていいからこいつらを退かしてくれ…




それに今警報なんか来たら全員艤装展開するんだから本当に死んじまう!いくらタフでも今回ばかりは無理!




傍から見りゃ楽園だがその実、地獄の釜の中とはたまげたなぁ…全然休まらねぇ。畜生、やはりこいつらは俺の計画を妨害するためにこうしてるのか…



でも今は敵が来ない事を祈るばかりだ。早く一日終わってくれ…













***











結局、警報は鳴らずに夜まで何事も起きなかった。せっかく作った休日で早く平日になって欲しいと願うとは思わなかった。俺は悲しみのあまりちょっと泣いた。



頼むから一人で休む時間を奪わないでくれ…必ずしも甘やかせば癒される訳じゃないって、はっきりわかんだね。



平日より疲れを溜めた休日が終わり、また平日がやってくる。泣けるぜ。












能ある鷹は爪を隠す









休日が休日としての機能を果たさないまま朝を迎えた俺は、死んだ目で山積みになった書類を処理していった。



流石に量が多すぎて俺の気力は既に空っぽになっていた。提督になるとほとんどデスクワークだし身体動かさないと鈍るし、何よりケツと腰が痛くなる。



もう目の前の書類を全て破り捨てて焼き払ってしまいたいが、それすら面倒臭いと思うほど疲れてる。




だが俺の頭はまだ死んでいなかった。毛根は瀕死だけどってやかましいわ。






俺は学生の頃を思い出した。バイトで後輩が入った時、仕事を手取り足取りフレンドリーに教えていた時だ。



仕事を覚えさせるという事は、自分が楽できるようにする事なのだ。俺がこれまでやってきた作業を覚えてくれれば、俺がやる必要は無くなり、別の作業に移れるから。



そうだ、書類の書き方とか処理の仕方とか教えりゃ俺は計画を練る時間が増やせるじゃん。今までは直ぐに辞められるよう動いてたが、急がば回れとはこの事だったのだ。



艦娘たちに書類仕事を覚えさせれば俺が居なくても鎮守府を運用出来るし、そうなりゃ俺は用済みだから提督を辞められる。これぞwin-win。



素晴らしい。だが問題は誰にその役目を背負わせるかだが、直ぐに候補は上がった。名案を思いついたお陰で頭が冴えてるってはっきりわかんだね。




こういうのは事務的な関わりしか持ちたく無さそうな子にやらせるべきだ、と。そういう子なら怪我する可能性もかなり低いからね。









潮「あ、あの、お話とは…」ソワソワ


初雪「…」


羽黒「な、何かありましたか?」ソワソワ


提督「秘書艦やってくれないかな」


潮「え、ええ!?」


初雪「えぇ…」


羽黒「ひ、秘書艦ですか!?」







俺はこれまで秘書艦を就かせる事は無かった。初期艦の電にもやらせてない。だって怪我するんだもん。



だからこそ、引っ込み思案なこの三人の反応はもっともである。何かごめんね、他に思いつかなかったんだ。








提督「ちょっと手伝って欲しいかなって思ったんだが、嫌なら…」


潮「や、やります!」ズイ


羽黒「は、羽黒で良ければ!」ズイ


提督「お、おう…」


初雪「…ご褒美、ある?」


提督「…それは頑張り次第かな」


初雪「ふーん…じゃ、頑張る」フンス







…何か食い気味だな。まあいいか、やる気ありそうだからちゃんと教えよう。それにしてもご褒美か…アイスでいいかな。




甘味なら間宮さんと伊良湖さんとも会えるしそうしようか。それなら俺のメンタルも回復するし、初雪には頑張り次第とか言ったが普通に連れてくことにしよう。




こういうコツコツした積み重ねがいずれ実を結ぶと信じて、しばらくは足掻いてみよう。










***









一度に全てを教えるのは酷だと思ったので今日は最低限の仕事だけにしようとしたが、君たち覚えるの早いね。



俺はデスクワーク苦手だからこういうのに疎かったけど、まさか一度教えただけで覚えるとはね。



そして書類仕事中は黙々とやってくれてるし、俺の心の平穏は保たれている。やはり俺の人選にミスは無かった。



こりゃご褒美も弾むってもんだ。パフェでも奢ってやるか。






提督「とりあえず今はここまででいいや。休憩しようか」


潮「…あ、はい」カタン


羽黒「りょ、了解です」


初雪「…頑張ったから、ご褒美」ンフ-


提督「よし、甘味でも奢ってやる」


初雪「流石司令官、太い腹」


提督「太っ腹だ」









三人を食堂へ連れてくと、そこには間宮さんと伊良湖さんがいた。は~(心が)生き返るわ~



もう食堂の隅っこを執務室代わりにしてぇな。いやもう俺も給仕に転身しようかな。それもありだな。







潮「ひ、秘書艦って、結構大変ですね」


提督「…ん?」


羽黒「司令官さん、ずっと一人でやってたんですか?」


提督「…そうだね」


潮「そ、その、頼って貰って、有難うございます」


羽黒「ま、また、頑張ります!」


提督「う…」


初雪「次は…スマブラで」


提督「お、おう…」









うぐぐ…つぶらな瞳で感謝とかされると罪悪感に苛まれるからやめてくれよ…あと初雪はサラッと次の要求をするな。買ってやるけど。




しかし、思いの外順調なようだ。これで仕事内容をガンガン覚えてくれれば、俺は貴重な時間を有効活用できる。その為ならご褒美を妥協しないさ。俺の財布が生きている間はね。




俺の心も生き返ったし、書類も粗方消化出来たし、今日は有意義な日だったな。怪我も無いし、これが本来在るべき提督の姿なんだろうな。



異常な打たれ強さとか要らないから普通に労災認定して俺を辞めさせてくれりゃこんな事にはならなかったのに、本当にブラックだな。




だがそれも終わりが近づいている。俺の作戦が成功すれば、俺は大本営から用無し認定される。つまり、俺は自由だ。




明日は本格的に教えこもう。俺の署名が必要な書類以外を全て出来るようになれば、自由は目前だ。








***









翌日、また彼女たちに執務を教え込んだ。やっぱり吸収早いね君たち。引っ込み思案でも根っこは真面目で助かる。



昨日より少し食い気味に話を聞いてるようだが、慣れというものだろう。メモまで取るなんて真面目だなぁ。



俺もバイトしてた時はメモ取りつつ仕事覚えてたね。何の因果か教えてくれてた店長もハゲだった。歴史は繰り返す(悲壮感)



唐突な自分語りはここでキャンセルだ。ごめんね、フサフサの爽やかイケメンじゃなくてムキムキハゲゴリラで。提督辞めたら髪の毛も生き返ると思うから。








潮「て、提督、もうそろそろ休憩ですよね」


提督「ん?そうだな」


潮「き、昨日のお、お返しです」スッ


提督「うっ…!」ビク


潮「あっ…」ウルウル






艦娘から食い物差し出されると嫌な事思い出すんだよなぁ…あ、間宮さんと伊良湖さんは例外だぞ。



でも女の涙はトラウマを上回って心が痛むからヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)



潮からお弁当をひったくり、がぶ食いする。普通に美味くて俺が泣きそうだった。トラウマと自己嫌悪で。



磯風のそれが無ければ普通に受け取ったんだが、ホントトラウマばかり植え付けられて頭に来ますよ!というか提督になってから奪われたものが多すぎるって、それ一番言われてるから。







羽黒(…私も何か作ろうかな)


初雪(うぅむ…)











休憩後は特に何も無く、初雪と羽黒はご褒美の催促もなく執務を終えた。特に初雪はまたゲームの要求をされそうで少し不安だったが、拍子抜けだった。



ままええわ。何があろうと、俺の計画に中断は無い。このまま俺の署名が必要な書類以外の執務を全部覚えて貰えればいい。



あの子たちなら、そう遠くない日に実現するだろう。そうなったら、大本営に退役を申し出よう。








***









元帥『は?退役したいだと?』


提督「い、如何でしょうか…」


元帥『んなこといきなり言われてもなぁ』


提督「さ、再三連絡を取ろうとしましたが、艦娘に阻まれ…」


元帥『それって艦娘の方が必要としてくれてるじゃんアゼルバイジャン』


提督「私の身体が持たないのです!これまで何度も酷い目に遭ってきて、もう我慢の限界なんですよ!」


元帥『んな事言われても、妖精が直々に選んだお前を辞めさせるのはなぁ』


提督「私が死んでしまったら元も子も無いでしょう!」


元帥『あーそれは無いと思うけど、退役するなら秘書艦の承認が必要なのは知ってるな?』


提督「そ、そうでしたか?」


元帥『そうだよ(便乗)』


提督「…ん?ちょっと待って下さい。私が死んでしまったら元も子も無いと言った後、何故それは無いと言ったんですか」


元帥『そんじゃ一応書類送るけど、お前が艦娘の署名欄書いても無駄だからな』


提督「ちょ、話を」


元帥『こっちにはそれを見破る妖精が居るからな。いくら辞めたいからってインチキは効かないぞ』


提督「あの、話を」


元帥『もし不正が見つかったら…ククク』ブツッ


提督「え、ちょ」









珍しく一人の時間を確保出来たから退役を願い出たら、何かとんでもない事を聞いた気がする。



退役するのに秘書艦のサインが必要…まあまだここまでは理解出来なくもない。あんまし覚えてないけど提督になる前にそんな事を聞いたような気がするし…聞いたかな?



それより問題なのは、元帥のあの発言だ。それは無いって何故分かるんだ?




俺が何度も死にかけても復帰してるという話を聞いていたからか?そんな事が知れたら海軍全体が黙っちゃ居ないだろうし、そもそも元帥の耳に入るまでに他の将官にも知られてるだろう。



そうじゃないとしたら、元帥は何か俺に隠し事をしている?ここに来て新たな疑問を抱えるとは思わなかった。



それと大体見当は付くが…最後の意味深な笑いは、きっと終身提督にする気なんだろうなぁ。あの人嫌がらせ好きで有名だし。持ち前の賢さを悪巧みに全振りしなくていいから…(切実)



…何にせよ、秘書艦からサインを貰わなければ俺は辞められない。退役の申請書が来るまで我慢だ。










***








申請書を待つこと数日、郵便で来たよ。何か扱いが軽い…軽くない?ままええわ。この時をずっと待っていた。




俺はすぐに署名を済ませたが、俺は考えた。俺が馬鹿正直にこれを秘書艦の前に出した所で素直に署名してくれるかわからない。ほんの数日前ならこんな事考えなかったんだがな。



潮が弁当を持ってきたあの日から、秘書艦たちはやたらと俺への接触を増やしてきた。ご褒美は要らない、だが俺に何かお礼を用意しているという、至れり尽くせりな感じになっていた。



君たち初日のあの雰囲気はどこ行ったの。俺と関わりたく無さそうなあの雰囲気はどこへ行ってしまったの。



金が浮いたのはいいが計画に悪影響を及ぼすのは頂けない。あれじゃ絶対署名貰えないし、目の前で申請書破られそうだし、最悪問い詰められてミンチにされそうだ。



そうならないようにするには…他の書類に紛れ込ませるしかない。幸い、署名だけ済ませればいい書類とそうでない書類は分けられて来るから、適当な位置に入れとけば大丈夫だと思いたい。



くそっ、こんなはずじゃなかったのに手間が増えていく。何故辞めるだけなのにここまで苦労しなきゃならないんだ。



…愚痴を言ってても始まらない。何事も動くなら思い立ったその時に限る。署名のみの書類に申請書をこっそり忍ばせ、秘書艦の使う机に置いておく。







羽黒「お、おはようございます!」ガチャ


潮「おはようございます!」ヒョコ


初雪「おは…ねむ…」






来るの早くなぁい?やる気に満ちてるのはいいけど今じゃなくていいんだよなぁ。



…もう俺が自発的に教えなくても処理出来るぐらいまで覚えてるし、何なら俺のが遅いレベル。俺マジでいる?



心が砕け散りそうだがまだ耐えるんだ。ここを乗り切れば俺は自由なんだ。早く申請書に署名を…







羽黒「…あの、司令官さん?」


提督「っ!?」ビク-ン


羽黒「…こ、これは何でしょうか」ペラ


提督「んっ…!?」チラ


羽黒「…わ、私の見間違いじゃなければ、た、退役に関する書類だと思うのですが」


提督「」


潮「え」


初雪「え」







ば、バレたぁぁぁぁぁぁ!!



他に手が無かったとはいえ、無謀過ぎたんだ…いや、この子たちが優秀だっただけなんだ…



…そうだ、思い出した。俺が着任する前、元帥から話を聞いたんだった。昔は自分の意思のみで辞めることが出来たが、今は人手が足りないから秘書艦が見限るレベルまで行かないと辞めることができない、と。




その時は別にどうでもいいと思って聞き流していたが…ここに来てその意味を理解するとは。








羽黒「こ、これは…司令官さんが…?」


提督「え、いや、それは…」


潮「て、提督、辞めちゃうんですか!?」


初雪「なんで」ジト


羽黒「や、辞めないで下さい!まだ何かご不満な所がありましたか!?」ガシ


潮「う、潮のお仕事に不備があったからですか!?」ユサユサ


初雪「…ひどいよ、司令官…!」ユサユサ


提督「ちょ、待って…」グワングワン


羽黒「お、お願いです!辞めないで下さい!」ユサユサ


潮「や、辞めちゃ嫌ですぅ!」ユサユサ


初雪「ご、ご褒美とかいいから、だ、ダメ!」ユサユサ







ぐおおおおお!!三人いっぺんに揺らさないでくれ!揺らされながら気付いたが艤装展開してやがる!



感情が昂って制御が効かなくなったのか、それとも意図的にやってるのかはわからない。確かなのは、俺が馬鹿力で身体を揺らされている事。



や、やめてくれ…意識が遠のいてきた…視界が常に大きく動いてる…気持ちが悪くなってきた…頭が特にやばい…







大淀「失礼しま…な、何をしてるんですか!」ガチャ


羽黒「うぁぁぁぁ!辞めないでくだざいぃぃ!!」ユサユサ


潮「ごめんなさいぃぃぃ!!」ビエ-


初雪「辞めないでぇぇぇ!!」ユサユサ


提督「」白目


大淀「ちょ、三人とも落ち着いて!」ガシ


羽黒「ふぇ…お、大淀さん…」


大淀「な、何があったかは後で聞きますから、まずは提督を医務室へ!」


羽黒「は、はい…」


潮「提督…」グスッ


初雪「…」








***








…俺はまた医務室で目覚めた。もう俺の自室と大差ないな。




しばらくすると明石が入ってきた。俺の症状の経過を報告するとの事。







提督「…え?」


明石「頚椎捻挫及び脳震盪でした」


提督「」







俺はまた一つ学んだ。引っ込み思案でも艦娘は危険だと。代償がデカすぎて涙すら枯れた。












貪られる希望









大淀「…ふむ、退役申請書ですか」


羽黒「は、はい…それが書類の中に紛れ込んでて…」グスッ


大淀「…提督の署名あり、ですか」


羽黒「だ、だから本当に辞めてしまうのかなって…」


大淀「…いえ、これは仕組まれた可能性もあります」


羽黒「へ…」


大淀「今までの提督よりも着任期間が長く、意欲的に執務と指揮を執っている提督が、後任も決まってないのに辞めるはずがありません」


羽黒「そ、それは…」


大淀「もしやこれこそ、深海棲艦の仕組んだ罠かもしれません。提督が退役するという情報を以て我々を混乱させ、それに乗じ強襲を仕掛ける算段かも知れません」


羽黒「な、何て恐ろしい…」


大淀「近頃、極端に深海棲艦の発見例が少ないのです。まさか…」


羽黒「た、大変!」


大淀「…とりあえず、鎮守府にいる艦娘には臨戦態勢になるよう呼び掛けます。羽黒さんも急いで下さい」


羽黒「は、はい!」


大淀「…それと、提督は二週間ほど絶対安静ですので」


羽黒「…はい」シュン




大淀(…それにしてもこの紙、偽物にしてはよくできている…もし本物だとしたら、大本営内に工作員がいる?)


大淀(どうやって筆跡まで再現できたかはわからない…ともかく、警戒を厳としなければ…)








***









頚椎捻挫と脳震盪と診断された俺は二週間の安静期間を与えられた。初日は身体の末端があまり動かず、後遺症だと気付いて絶望した。



だが一日経つとそれが無かったかのように動いた。本当に何が起こってるんだ?



元帥の言葉が脳裏を過る。俺が死ぬ事は絶対に無い…何のカラクリがあるんだ?



…考え付かない。というか身体を動かしたい。ずっと寝てると鈍るし、とにかく暇過ぎて辛い。



大淀のお陰で艦娘は寄り付かないが、暇を潰す物がスマホしかない。SNS系は軍事機密とかもあって禁止されてるし、動画サイトも軍規がどうたらこうたらで制限がかけられてる。小学校かな?



テレビは日中はそんなに面白い番組無いし、ニュースもあまり興味無いし、退屈過ぎてむしろ疲れる。



だけどそんな毎日の中で俺の心が癒されるのは給糧艦の二人がお見舞いに来てくれる時だけ。間宮さんと伊良湖さんは天使だぁ。



果物を切り抜いて盛り付けてる姿は一枚の絵画みたいだった。時間を忘れるレベルで癒される。あと美味い。



これなら退屈な期間を凌ぎきれると思ってたんだけどなぁ…










暁「しれーかん!ご機嫌ようなのです!」


提督「うひっ!?」ビクッ


暁「一人前のれでぃーが看病してあげるわ!」







間宮さんと伊良湖さんが看病してくれてるから来なくていいから…(良心)



だがよく見ると艤装展開していない…非番のようだ。うーん、それでも不安でいっぱいなんですがそれは…間宮さん、伊良湖さん!どうにかして!






間宮さん「あ、暁ちゃん?大淀さんから許可は?」


暁「だ、大丈夫よ!」エッヘン


伊良湖「間宮さん、そろそろ仕込みの時間ですし、暁ちゃんと交代しませんか?」


間宮「あら、もうそんな時間…暁ちゃん、お願いね」


暁「任せて!」







やだ!やだ小生やだ!ダメだ間宮さん伊良湖さん!絶対トラブル起きるから!暁も連れて戻って!





◆ていとくの いのりは やみのなかへ とけていった





ちなみに祈り続けても通じない。現実ではテレパシーなど無いのだ。






暁「さ、看病するわ!」


提督「いやいいから…」


暁「遠慮なんてしなくていいわ!」


提督「してないから…」


暁「もう、れでぃーの言うことには素直に聞くものよ!」イソイソ







***






俺の声が聞こえてないのか、暁は俺の周りを掃除したり、手拭いを額に置いてきた。掃除は本人が気付いてないのか結構荒く、掃いても綺麗になってない。



手拭いに至っちゃ絞り切れてないのか、水が少しずつ流れてくる。正直めちゃくちゃ不快。あと俺風邪じゃねーから。もしかしたら今から引くかもしれんけど。



色々とガバが目立つが、暁は気付かずご機嫌に掃除?を続けている。もう勘弁してくれよ。



仕方ないから起き上がって気付かれないように花瓶の上で手拭いを絞る。軽く絞るだけで水がびちゃびちゃ落ちてくる。これ最早絞ってないのでは?



…と思ったが、今は艤装解除してたな。なら見た目相応の力しか出せないんだった。展開してたら手拭いごと千切ってるかもね。



暁なりに気を遣ってくれていると思いたいが…







暁「ふー!こんなもんね!しれーか」ガタッ


提督「あ、おい気を付けて…」


暁「きゃっ!」コテン






その時、暁の持っていた箒が俺目掛けて飛んできた。咄嗟に頭を逸らして躱したが、箒は壁に突き立っていた。



転んだ拍子にすっぽ抜けた箒が壁にぶっ刺さるとかどういう事なの…(レ)やっぱ俺を殺そうとしてるのか!?



偶然にしては狙いが正確で疑わない方がおかしい。提督辞めようとしてるのがバレたから口封じに殺しにきたのか…?



それなら大淀が入室を許可したのも合点がいく。俺が動けない事をいい事に容赦無く排除しに来たか…



執務もあの三人に教えちまったし、本当に『用済み』となった俺をこの世から自由にさせるってか…まだ死にたくねぇ!



俺は生きて自由になりたいんだ!誰か暁を止めてくれ!このままじゃ殺される!









白露「はーい提督!お見舞いに来たよ!」


提督「」


暁「あ、あら白露さん、ご機嫌ようなのです」


白露「あれ?暁ちゃんが先に居たの!?一番じゃない!?」ガ-ン







今度は白露が来た。こんな時にテレパシー仕事しなくていいから…



まさか増援か?殺意が高過ぎるッピ!








暁「ふふん、もう暁がお世話してるから大丈夫よ!」


白露「ま、まだあるでしょ!」


暁「暁が全部やったんだから!」






やれてないんだよなぁ…箒まだ刺さってるし。白露も艤装展開していないが、暁の箒投げを見てから警戒を解けない。



白露は…うん、あまり怪我させてこなかったイメージだが、夕立の姉貴だしなぁ。やたら一番にこだわるし、それがトラブルの原因にもなりそうだし、現になりかけてるし。







提督「お、俺の事はいいから、白露も部屋に戻りなさい」


白露「えー!?」


暁「そういう事だから、お世話は引き続きこの暁が」


提督「暁も戻っていいぞ」


暁「へ!?」


提督「も、もう十分助かったからな。だから大丈夫だ、ありがとう」


暁「…」シュン


白露「…」






やめて。落ち込む姿を見せられると心が痛む。



だが言っとくが俺は患者だからね。まだ安静期間内だし、今は末端も動くが完治してる訳じゃない。脳震盪の第二波は本当に死ぬかもしれないからな。



まあさっき死にかけたわけだけどね。放置されてる箒くんも解放しないと。






提督「さ、もう部屋に…」


暁「嫌よ!」ダキ


白露「わ、私だって!」ダキ


提督「うごっ」


暁「お、大淀さんから聞いたわ!のうしんとーってまた起きるかもしれないんでしょ!?それなら暁がずっと看病するわ!」ギュウウウ


白露「え、そうなの…じゃなくて、白露だって看病出来るんだから!」ギュウウウ


提督「ちょ、苦しい…」


暁「やだぁぁぁぁ!!しれいかん死んじゃやだぁぁぁ!!」ムギュウウウウ


提督「うぐぐ…う!?」






ぎ、艤装展開してる!?暁は気付いていない…という事はやはり感情の昂りで無意識に展開してしまうのか!?



めちゃくちゃ苦しい…だが背中まで腕が回ってないからか、背骨はまだダメージが少なく…ないです。ギシギシ響だよ。その軋みぶりから、ヒビのおそれがあるよ。



白露は幸いまだ艤装展開に至ってないが、暁の状態に気付いてない。頼む、気付いて止めてくれ!






提督「し、しらつゆ…暁を…」ググググ


白露「え…あ、暁ちゃん!艤装が!」


暁「うわぁぁぁん!!!」ギュウウウウ


提督「め、目眩が…」


白露「暁ちゃん離して!」ガシ


暁「んあ!?」ビリビリ


提督「え」







…白露が暁のホールドを無理やり剥がした時、乱暴に布を裂くような音が響いた。最早服と言えるほど原型を止めていない布が空を舞い、音もなく床に落ちた。



…俺は妙な開放感に襲われた。何だろうか、こんな感覚は久しく味わってない。まるで生まれたままの姿…そう、何も身に付けていない…身に付けてない?



…ああ、そうか、そういう事だったのか。俺は何も身につけていなかったのだ。素っ裸を晒して、少女二人の前に仁王立ちしているのだ。



だが俺はこの時、不思議と何も思わなかった。戸惑いも恥ずかしさも、何も感じなかった。むしろ清らかな気持ちになった。こんな所で悟りの境地に至りたくなかった。お釈迦様がカンカンでいらっしゃる、(無間地獄に)加えて差し上げろ。



暁と白露は顔を赤くして固まっている。どこに目がいってるのかもわかる。出来れば上半身、特に胸筋辺りをガン見して欲しかった。ありの~ままの~♪姿見せるのよ~♪



俺は悟りから徐々に現実へと引き戻された。完全に現状を把握しても、俺は冷静なままだった。そして、脇腹から生暖かい水が滴るような感覚も、俺は気にしなかった。



どうやら暁のホールドを無理やり剥がしたお陰で、俺の脇腹には深い引っ掻き傷が出来ていたようだ。しかし後から襲った痛覚も、俺は気にしなかった。








暁「ひゃ、ひゃあ…///」カオマッカ


白露「提督…///」カオマッカ


提督「…二人とも、怪我してないか」


暁「ひゃあ~!///」ドタドタ


白露「きゃあ~!///」ドタドタ








暁と白露は一目散に医務室から逃げ出して行った。ごめんね、お年頃なのに俺のムスコを見せちまって。事案だよねこれ。



憲兵に通報され、俺は逮捕され、裁判で…という事は、俺は提督を辞められるのか?これは嬉しい…いや、全くもって嬉しくないけど嬉しい誤算だ。



死刑以外なら何でもいいや。最悪シャバの空気を吸う事も出来なくなっても、俺は提督を辞められるなら…






提督「…ん」ポタポタ






足元を見ると、赤いカーペットのように血が広がっていた。少しばかり多く流しすぎたか。




また目眩が俺を襲う。重心が掴めなくなり、俺は床に倒れ込んでしまった。後頭部は打たなかったが…




血が少しだけ温かい。俺が眠りに着くまで、それだけが感じられた。











***










提督「…ぅ」


提督「…?」ムク








…何だか、長い夢を見ていたような気がする。夢にしては随分現実味があったが…本当に夢だったのか?



…脇腹を見るが、引っ掻き傷は無い。やはり夢だったか…でも、嫌な夢だったなぁ。療養期間特有の悪夢はやめろ。



それにしてももう空が焼け始めてる。身体が気怠い。トレーニングしたいなぁ。








明石「提督、失礼しま…あ、お、起きてたんですね」ガチャ


提督「んっ…あ、ああ」


明石「そ、そのー、健康状態を…」


提督「…ああ、経過観察か」


明石「そ、そうです!それです!」


提督「…まあ、いい気分じゃないな。暇過ぎて」


明石「それは…その、仕方ないですよね。提督がいくら頑丈でも絶対安静ですから」


提督「分かってるが…はぁ」


明石「…ふぅ、大丈夫そうね。それじゃ暁ちゃんに白露ちゃん、もう一度…じゃなくて少し相手をしてあげて」


暁「…」ヒョコ


白露「…」ヒョコ


明石(だ、大丈夫だから!どうやら覚えてないみたいだから!)ボソボソ


暁「し、司令官、トランプとか、どう?」オソルオソル


白露「ひ、暇潰しにはなるんじゃないかなって…」






…何か明石の後ろに引っ込んでるけど、明らかに様子がおかしいんだよなぁ。この子たち普段は食い気味なぐらい張り切るのにこのしおらしさ…何か企んでるな?



トランプか…何をするつもりだ?艦娘なら凶器にもなるし、そういった緊張か?







明石「…それじゃ、今後も運動は控えて下さいね」ガチャ


提督「うっす…」


暁「ば、ババ抜きとかどう?」


白露「い、いいんじゃない?」


提督「…やりたいのをやればいい」


暁「…そ、そうするわ」パラパラ








***








…特に何も起きずに時間は過ぎていった。ただ、二人は終始俯きがちでやっていたので表情を読むことは出来なかった。



それに耳も赤かったが、暖房は効きすぎているという程暑くはなかった。子どもは体温高めだからか?



負けたら何かを要求されるかと思っていたが、何も無くて安心…はしてない。何故ここまで慎ましくなってるんだ?




…俺はエスパーじゃないからこの子たちの思惑は分からんが、危害を加えてこないようだ。だがまだ油断は禁物だ。







間宮「提督、お夕食を…」






Oh!天使の給糧艦が舞い降りて下さった!心無しか後光が見える見える…






暁「え、もうそんな時間なの?」


間宮「はい。暁ちゃんと白露ちゃんも食堂に来てね」


白露「は、はーい、提督、またねー!」


暁「ま、また来てあげるわ!」






そんなに来なくていいから…(良心)あ、給糧艦は別だゾ。



それにしても飯が美味すぎる。お袋の味を思い出す…もしや間宮さんも俺のお袋だった可能性が微レ存…?



変な冗談考えてたらもう食い終わってた。至福の一時はすぐ終わるってはっきりわかんだね(悲愴)







如月「司令官、ご飯食べ終わりましたか?」ガチャ


荒潮「食器回収しにきました~」ヒョコ


提督「」ビク







お、お前たちは!子供なのに何とか大人ぶって俺を惑わそうと試みるおマセ艦!?







荒潮「ちゃんと全部食べたんですねぇ」


提督「…まあな」


如月「それじゃ、片付けてあげますね~」


提督「そのぐらい俺が…」


如月「もう、司令官はゆっくりしてて」ムギュ


提督「お、押さえるな」


如月「うふふ、そんなに暴れないで」


荒潮「…」ジト







荒潮の表情がみるみるうちに無くなっていく。そりゃ大男が小学生ぐらいの女の子とイチャついてたら気持ち悪いわな。世間一般じゃ一発逮捕で人生終わり!閉廷!



見苦しいのはわかってるんだけど如月しつこ過ぎぃ!ずっと寝てるのも苦痛だから歩くぐらいさせてくれ。






荒潮「…あ、あらあら~」ピシャ


提督「如月、離れ…ん?」


荒潮「ごめんなさい、汁物が服に着いちゃいました~」


如月「え」


荒潮「ちょっと着替えますねぇ」ヌギヌギ






ちょっと待て、何でここで脱ぎ出すの。着替えるなら自室にしてくれよ…



あと女の子の着替えのスピードとか知らないんだが、すっげぇゆっくり脱いでる。あとめちゃくちゃチラチラ見てくる。明らかに男である俺の目を意識してる。



…まさか、これは罠か?俺を嵌めようとしてるのか?



憲兵に捕まって提督辞めるのはいいんだが、強制猥褻とかで捕まるのは勘弁して欲しい。札付きになる時点で社会復帰クッソムズいからどっちもどっちだが。



そこまでして俺を苦しめるとかどんだけ嫌われてんだよ。確かに子供が変に大人ぶる時期と判断して適当に流してたけど、こんな仕返しはあんまりだ。



如月は艤装展開してないから押しのけられるが怪我させたら何言われるかわかんねぇし、荒潮は下着姿になってるし、傍から見りゃ何やってんだあいつら…ってなるだろう。







荒潮「あらあら~、そんなに見ちゃ…あら?」


如月「し、司令官?」


提督「早く着替えなさい」


荒潮「ど、どうしたの?うつ伏せになって…」


提督「見られるのは嫌だろ。風邪を引かないうちに着替えてきなさい」


荒潮「う、うーん…」オロオロ


提督「着替えたら言ってくれ」







安直だがこんな手段しか取ることが出来ない。俺だって引き際は聞こえがいい方を選びたい。そんな我儘を通そうとしてるから酷い目に遭ってるんだろうけど。



食器も俺が後で片付けるとして、今はやり過ごしておきたい。子供からハニートラップ仕掛けられるとは思わなかったし。








荒潮「…そうねぇ、このままじゃ風邪引いちゃいそうねぇ」


提督「早く着替えなさい」


荒潮「寒いからお邪魔しま~す」モゾモゾ


提督「お、おい!何してんだ!」


荒潮「あったか~い」モゾモゾ


如月「き、如月も、お邪魔しようかしら~」モゾモゾ


提督「やめろ!」


荒潮「提督の身体もあったかいわ~」


如月「背中の筋肉…まるで谷みたい…」ウットリ


提督「くっ…」フルフル


荒潮「ゴツゴツしてる…でも柔らかいですねぇ」サワサワ









…何でこうなるかなぁ。安静期間が機能してなくて涙が出る。



やっぱり心を疲弊させるつもりなんだな、この子たちは。もう本当に死んだ方が楽なんじゃねえかな。









間宮「荒潮ちゃん?如月ちゃん?食器は…え?」


提督「え、ま、間宮さん?」


間宮「な、何をしてるんですか…」ワナワナ


荒潮「お、お邪魔してまーす…」


如月「しょ、食器は今からでも…」









…あーあ、間宮さんに見られちゃった。完全にドン引きしてる。もう何かどうでも良くなってきた。本当に涙が出てきた。




言い訳する気力も湧かねぇ。一番嫌われたくなかったんだがなぁ。多分すぐに伊良湖さんの耳にも入るだろうし、完全に終わったわ。死にてぇ。








間宮「な、何やってるんですか二人ともー!」


荒潮「あ、あは…」コソコソ


如月「し、失礼しましたー!」ピュ-


間宮「あ、荒潮ちゃん!?下着じゃないですか!」


荒潮「あ、後で着替えまーす」ピュ-


間宮「もう…て、提督、大丈夫でしたか?」


提督「え、は、はい」








…あ、あれ?俺心配されてる?まだ生きてるゥー!







間宮「提督、大丈夫ですか?また怪我してませんか?」


提督「も、問題無い」


間宮「よかった…また大怪我をされたらと思うと…」ウルウル







涙目の間宮さん…あ~^たまらねぇぜ。ほんとこの世が生み出した奇跡だよね。



普通ならあんな光景見たら通報待った無しだが、俺は日頃の行いがいいからむしろ心配される側なのだ。何か頬を雫が伝ってるような気がするが気のせいだろう。



タッパだけ立派でごめんね。この化け物じみた耐久性は俺本来のものじゃないし、本当なら俺はもう指で数えきれないぐらい死んでるだろうね。それこそ人の形を留めずに。



間宮さんが心配してくれるのはクッソ嬉しいけど俺としちゃめちゃくちゃ情けない姿晒してる気分だからダメージ的にはプラマイゼロって所かな。やっぱ凹む。



気になる女性の前じゃかっこ悪いとこ見せたくないじゃん?お前の筋肉は飾りか?とか思われたら心が壊れる~^







提督「ま、間宮さん、俺はもう大丈夫だから、心配しなくていい」


間宮「提督…」ウルウル


提督(あ~^かわええんじゃ~^)








青葉「青葉、見ちゃいました!」


提督「ファッ!?」


青葉「荒潮ちゃんが下着姿で自室に駆け込んでたので事情を聞いたら医務室からとの事でしたが、なるほどぉ!」カキカキ


提督「」


青葉「普段大人びている小さな乙女の色仕掛けでも、本当の大人の女性には敵わなかったという事ですね!屈強な司令官でも病床に伏せば鎮守府屈指の母性には屈してしまうようですね!」カキカキ


提督「」


間宮「あ、あの、青葉さん!やめてください!」


青葉「これはいい記事が書けそうですねぇ!久しくネタに困ってたのでペンが止まりませんよ!」カキカキ






なんてこった…最悪のタイミングでゴシップに飢えたエセ記者艦娘が来てしまった。



つーかどうしてこうもタイミングが悪いのだろう。荒潮もここで着替えてから戻りゃ良かったのに。下着姿で鎮守府内を駆けては行けない(戒め)



間宮さんめっちゃ困ってんじゃん。あと間宮さんの母性にはハナっからイチコロだったし、君たちに靡かないのはそういう事するからだよ。内外問わずでかい傷負わせてくるし、精神攻撃してくるし。







青葉「さてさてー、それではインタビューに入りましょうか~」ウキウキ


間宮「も、もう!本当にやめてください!」


青葉「いいじゃないですか~。あ、司令官が目の前に居たら話しにくいですよね。青葉とした事が失念していました」


間宮「や、やめてくださいと言ってるんです!しばらく食堂を閉めさせてもらいますよ!」


青葉「うっ…そ、それはかなりダメージが大きいですね…」タジッ


間宮「分かったら…すぐに出てください…提督は安静期間なのに、こんな…こんな酷いことばかり…うわぁぁぁん!!!」ドタドタ




提督「…」


青葉「…あ、あはは、その、失礼しました~」コソコソ


提督「…」








…畜生、やりたい放題やって出ていきやがった。心を休める時間すら奪われ、気まずい空気だけを残し、医務室は再び静寂に包まれた。



おのれ青葉め、ここに来て置き土産なぞ仕掛けやがって。もう許せるぞオイ!安静期間過ぎたら絶対お仕置きしてやる。







***









その後、長いようで短い二週間が経ち、俺は安静期間を終えた。久しぶりの軍服は少しだけ緩く感じた。



俺はすぐに食堂へと向かった。しかし…






『諸事情により数日間休業させて頂きます』





提督「」






俺はその場でへたりこんでしまった。どう考えても青葉のアレが尾を引いてるって、はっきりわかんだね。アオバワレェ



ちなみに後で気付いたが後から来た赤城と加賀もこの世の終わりみたいな顔をしてた。他の子も巻き添えにするのは、やめようね!










苦悶の提督









食堂が一週間足らずで業務再開したのは喜ばしかったが、その間に艦隊の士気は一部を除きサゲサゲになっていた。あの元気いっぱい大潮ですらかつての面影が無いほど大人しくなっていたレベルだ。



皮肉にも食堂が閉鎖されていた期間が俺にとって一番平和な時間だった。艦隊士気が下がっている間は俺の怪我頻度がゼロになったが、艦娘たちの海戦での被害が著しくなった。勝利と俺の健康の共存は出来ないんやなって…



ちなみに平和であるが故に逃げ出すことも容易だっただろうけど、俺はやらなかった。俺もショックを受けてたからね、しょうがないね。



まあそんなこんなで提督を辞める機会を自ら棒に振り、艦隊士気も戻りつつあり、また命懸けの日々が帰ってきた。馬鹿じゃねぇの(嘲笑)







提督「早く辞めてぇな~」カリカリ







最近はもう口癖になってる。過去に戻れるならあの時見えてた妖精をシカトしてりゃよかった。



かつては自己表現で鍛え上げた身体も、今やクッションにしかならない。尤も緩衝出来てないけど。



書類作戦も失敗したし、他の案も浮かんでこないし、どうすりゃいいんだ…







瑞鳳「提督、演習終わりましたよ~」ガチャ


提督「うっす…」カリカリ







瑞鳳…そういえば食堂閉鎖中に士気があまり下がらなかった艦娘の一人だったな。



士気の下がらなかった艦娘は普段から料理を作っていた子が多い。瑞鳳はよく卵焼きをくれたね。美味かった。



危うく俺は胃袋を掴まれかけた。物理的ではなく家庭的な意味で。だが残念だったな、卵焼きだけだと飽きるんだ。



他には鳳翔とか浦風とかかな。間宮さんと伊良湖さんが出てこない間に料理アピールがかなり増えた。狙ってるな?






瑞鳳「はい、報告書!」


提督「…うん、お疲れ」カリカリ


瑞鳳「S勝利ですよS勝利!」フフン


提督「せやね…」カリカリ


瑞鳳「む、もう少し真面目に聞いてよ!」グイ


提督「むぐ…」






頬を両手で押さえられながら顔を上げられた。普通なら瑞鳳の顔を間近で見てMajiでKoiする5秒前なんだろうけど、俺は首をもぎ取られると思ってた。



それでも最近は死なないと分かってるとあまり動じなくなった。臨死体験を何度も経験してると死への恐怖感が麻痺してしまうのだ。







瑞鳳「ねぇ、S勝利したの!」


提督「うん…」


瑞鳳「まだ元気無いの?」


提督「ぼちぼち」


瑞鳳「それなら卵焼き作ってあげるから待ってて!」パッ







俺の意見を聞くことなく卵焼きを作りに行ったようだ。卵焼きの気分じゃないんだよなぁ。つか食堂開いてるんだから食事はそこで済ませたい。尚且つ間宮さんと伊良湖さんに会いたい。



でも瑞鳳って俺が思ってる以上に強引なんだよね。鳳翔さんと浦風はそんなことは無かったが、間宮さんと伊良湖さんが復帰してから話をしてたら無理くり卵焼き食わせようとしてきたし。



もしや俺の想いを邪魔する為か?ちょっと悪女過ぎんよ~。







伊良湖「提督さん、新メニューの試食をお願いしたいのですが…」ガチャ






…それはまさに天が与えたもうた奇跡。伊良湖さんがわざわざ俺の元に来てくれたのだ。さっきまでサゲサゲだったテンションがビンビンでいらっしゃる。



それに新メニューとか胸がアツゥイ!試食なんかしなくても既に美味いって決まってるから。約束された勝利の料理だし、アヴァロンはここにあったのだ。






瑞鳳「ただいま戻りまし…って伊良湖さん?何それ美味しそう!」トテトテ


伊良湖「あら瑞鳳さん、そっちの卵焼きも美味しそうですね」


瑞鳳「えへへ、頑張って作ったの!」


伊良湖「…あ、提督さんのですか?申し訳ございません、今から召し上がると知らずに」


提督「い、いや伊良湖さん、それ食わせ」


瑞鳳「さ、提督これ食べて元気出して!伊良湖さん、それ貰えます?」


伊良湖「はい、新メニューですよ」


提督「あの、俺がそれ食いた」


瑞鳳「頂きます!」モグモグ


提督「あ」


瑞鳳「…美味しい!すっごく美味しい!」パァァ


提督「」


伊良湖「瑞鳳さんに美味しいと言って貰えて嬉しいです。これなら新しく出しても大丈夫そうね」


瑞鳳「…あ、まさか食堂閉めてたのって、そういう事ですか?」


伊良湖「うーん、半分正解って所ですか。初日だけ間宮さんが何もしたくなかったらしくて、次の日から新メニューでも考えると言ってて…」


瑞鳳「ふーん…みんな心配してたんですよ?」


伊良湖「ごめんなさい、でも間宮さんもかなりやる気が出てますから、次は食堂に来てくださいね」ペコ


瑞鳳「了解です!」


伊良湖「それでは、失礼しました」スタスタ


瑞鳳「ふー、美味しかったぁ。さ、提督は卵焼き食べて?チーズとベーコン入りだよ?」


提督「」









…神は俺を見放したのだ。天使からの贈り物が目の前で食われたのだ。これ程の悲劇が他にあろうものか。お前人のものを…(レ)



そして代わりにあるのは何度も見てきた卵焼き。しかし新メニューの試食が食われた辺りから俺は意識が飛び、気付いたら目の前に置いてあったような状態だ。



出来たて特有の僅かな湯気と、小さな肉片と少し香るチーズの匂い。今回は何か違うのはわかるが、それどころじゃなかった。



やはり瑞鳳は俺の気持ちを知った上であのような行為に及んだのだ。提督辞めたがってんのが分かると何から何まで妨害してくるのか…やはり全て遠き理想郷だったのだ…



仕方なく目の前の卵焼きを頬張る。チーズとベーコンが入ってて普通に美味い。美味いんだけど試食が食えなかったショックで涙が出てきた。少しだけしょっぱい。








瑞鳳「ど、どうしたの提督」


提督「…何でもないよ」モグモグ


瑞鳳「そ、そんなに泣く程だとは思わなくて…」


提督「…大丈夫、大丈夫だから」ポロポロ


瑞鳳(感動するぐらい美味しかったのかな…こ、これはこれで一歩前進かな?)








何とか卵焼きは食い切った。普通に美味かったから怒るに怒れない。逆に申し訳なさすら感じてしまう。



半ば無理やりとは言え、飯を作ってもらってる身だからね。本来なら感謝するべきであり、怒りを向けるのはお門違いなんだよね。



…そ、そうだ。あれはあくまで試食なんだ。まだ完成途中なんだよ。近いうちにあれの完全体が食堂で出されるんだ。その時に食えばいい。あわよくば間宮さんと伊良湖さんとお話したい。






提督「…ご馳走様」カチャ


瑞鳳「お粗末さまでした!どうだった?」


提督「…美味かったよ」ズ-ン


瑞鳳「やったぁ!」パァァ


提督「…」


瑞鳳「次も頑張って作りますね!それでは!」スタスタ


提督「…そんな事しなくていいから」ボソッ









正直言うと今日はもう卵料理を食いたくない。心から思いながら執務を再開する。泣けるぜ。



次こそは絶対食堂行く。そして天使を拝んで心を癒してから再び辞める為の計画を立てる。そうでもしないとやってられん。



執務も粗方終わったし、残りは後でやるとして運動でもして時間を潰すことにした。一人の時間も欲しい。



そんな訳でこっそりと執務室から脱出し、俺の給料の大半を注ぎ込んだマシンルームへと向かうことにした。









***








怪我続きで中々来れなかったが、久々に入ると非常に落ち着く場所だ。もうここ自室にしようかな。



着替えててふと鏡に映る自分を見る。細かい傷跡は多少残っているが、大怪我した時のものは完全に治っている。やっぱおかしいよなぁ。



そういう事ならトレーニングで怪我しても、と思ったがそれはまた別だと思い、真面目にトレーニングをしよう。自己鍛錬で怪我するのは未熟者ってそれ一番言われてるから。







提督「…とりあえず、身体を起こそうか」ゴトッ






長門「おや、こんな所で会うとは」


提督「ファッ!?」


長門「ちょうど私も使おうと思ってたんだ」


提督「い、いやここ俺の」


長門「案ずるな。今は生身だ」


提督「うぐ…」






畜生、一人で黙々とやろうと思ってたが長門が入り込んできた。長門の言い方だと普段から使ってるような言いぶりだ。俺の給料で作った場所なんだけど。



…だがトレーニング自体は慣れてるみたいだし、俺が補助する必要は無いようだ。それなら人が増えようが構いはしない。








提督「…お前は、よくここを使ってるのか」グググ


長門「いや、初めてだが?」


提督「は?…おぉっと」グラッ


長門「危ないぞ」


提督「ふん、これぐらいウォーミングアップだ」ヨイショ


長門「なんだ、心配させて」


提督「お前ここ初めてなのか」ガシャン!


長門「以前から気になっていたのでな。器具倉庫だと思ってたが提督の所有地だとは思わなかった」


提督「…ここは俺の給料で建てたんだよ」


長門「ふむ…もし良ければ、時折使わせてはくれないか?」


提督「…壊さなければな」


長門「有難い!」







なんだ、長門は私物化していなかったのか。それなら安心だが…艦娘にトレーニングとかいるの?艤装展開してりゃ何でもできると思うんだが。



…ちょっと待て、生身が強化されたら艤装展開状態にも反映されるのか?ちょっと悩ましい。



海戦時に損傷が減るのはいいがこれまで以上に俺の怪我の具合が酷くなる可能性が高い。今までは艤装が当たって打撲で済んでたものが今度は骨折になるかもしれん。



どうせ治るから関係ないようだが、怪我した時は普通に痛いんだよ。だからそういうのは未然に防ぎたいが…







提督「…使う時は必ず俺の所に来い。勝手に使ったら二度と入らせん」


長門「了解だ。他の艦娘にも伝えて…」


提督「い、いやそれはいい。あまり人数を増やされても困る」


長門「…ふむ」


提督「そもそも個人で使う為に建てたんだから」


長門「…そうか。了解」







よし、長門はまだ話を聞いてくれる方だからこれで艦娘がなだれ込む事は無くなった…かもしれない。



長門がこの場所に出入りするようになってしまったのは正直痛いが…変に断って面倒になるよりかはマシか。



過ぎたことは置いといてトレーニングだ。やっと専念できる…





長門(…あまりこの場所を知られたくないようだが、何故そこまで…?)


長門(…こ、これはもしや、提督にお近付きになれるチャンスなのでは!?)











***







特に何事も無くトレーニングを終えられた。長門も大人しくやってて安心した。何度か鋭い視線を感じたが…まあ俺は怪我してねぇからどうでもいいや。



トレーニング後のシャワーはFoo↑気持ちいい~。汗と疲れが同時に落ちていくような感覚だ。そして身体を拭いた後の憑き物が落ちたかのような爽快感は何度味わっても素晴らしい。



残った執務をやる体力もある。そして終わらせたら食堂で飯を食い、間宮さんと伊良湖さんと話せば心も回復して思考力も戻るってわけだ。



それまでの間、何とか俺に構うなオーラを出しとかないといけないんだが…俺そんなに威厳があるように見られてない気がするんだよなぁ。



…見られてなかろうが、俺は俺がやるべき事をやるだけだ。俺は負けてられないんだ。立て続けに艦娘にしてやられていて心が折れかけていたんだ。



俺を軍に縛り付けるつもりだろうが、そうはいかん。俺の身体に不可思議な力が働いていようが、艦娘が殺しに掛かってこようが、勿論俺は抵抗するで?







鬼怒「あ、提督ここにいたぁ!」


提督「っ…」ピクッ


由良「ダメでしょ鬼怒、提督さんはお仕事中だから…」


鬼怒「提督って運動神経良さそうだから訓練付き合って貰おうかなって思ったんだけど、どう?行かない?」


提督「…悪いが他を当たってくれ」カリカリ


由良「ほら!邪魔しちゃダメでしょ」


鬼怒「えー!?」


提督(そうだ、早く行ってくれ)ドキドキ


鬼怒「そんな事言わずにさ!提督、すっごいムキムキだし絶対運動神経良いでしょ?ねぇお願い!提督見るとやる気が出るからさ!」


提督(や、殺る気…だと…!?)ドキドキ


由良「もう!提督さんごめんなさい、すぐ行きますね」グイグイ


鬼怒「ちょ、そ、それならさ!夕食の時にいつもやってるトレーニングメニュー教えてよ!」ズルズル








…由良のお陰で何とか難を逃れた。世話焼き艦娘の中じゃ大人しくて俺に怪我させてきた事は一度も無かったと思う。ええ子や。



だが残念だったな!俺は間宮さんと伊良湖さんとお話する予定なのだ!トレーニングメニューは我流だから人に教えられる程整ってないしな。



というか俺の楽しみを奪うのはヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)俺の数少ない癒しを奪われない為にもとっとと執務を終わらせて食堂に向かわないと…







***








使命感に燃えてる間は集中力が途切れなかった。お陰で予定より早く書類が終わった。やったぜ。



全ての動きに無駄が無く、食堂までの足取りが軽やかだ。もっと速く、もっと走れる気がする。







島風「駆けっこですか!?負けませんよ!」


提督「ファッ!?」


島風「提督速いですね!身体重そうだけど!」







なっ、し、島風だとぉ!?来るとしたら鬼怒が待ち伏せして殺しにかかってくると思ってたが、これはノーマークだった。俺の駆け足を見て競走と勘違いしてるようだが、俺は食堂に向かうだけなんだよ!



疾き事島風の如しとはよく言ったものだ。めちゃくちゃ速い。つーかアラレちゃんみたいな走り方してんなお前な。連装砲ちゃんなんか足が見えなくてホバー移動みたいになってるし。








霰「呼びましたか?」ピュ-


提督「ファッ!?」


島風「霰ちゃんも速いね!負けないよ!」








ここに来て霰だとぉ!?しかも後から追いついたみたいだが、結構足速いっすね。霰のキャラこれもうわかんねぇな。



このまま食堂がゴールになると俺の癒しタイムが無くなってしまう。ここは一度遠回りしてキリのいい場所をゴールとしよう。訓練場辺りはあんまり行きたくないけど…







提督「くっ…!」グルリ


島風「あっ、待ってくださいよー!」


霰「きーん!」






釣れたけど疲れてきた。訓練場の方を見るとやっぱり誰かいる。というか鬼怒たちがいる。予定調和かな?







阿武隈「も、もう疲れたんですけどぉ」ゼェゼェ


鬼怒「んな事言わずにさぁ。ほら、提督見てるよ」


阿武隈「ふ、ふんだ!もうその手には乗らないから!」


鬼怒「うぐ…あ、あれ、本当に提督じゃない?」


由良「そんな訳…あれ?」







提督「はぁ、はぁ、はぁ」


島風「どこがゴールなんですかぁ!」


霰「きーん!」







阿武隈「え、な、何で!?執務中じゃなかったの?」


由良「あの量をもう終わらせた…?」


鬼怒「んぐぐ…提督ずるいぞー!駆逐艦の子たちと遊ぶなんてー!」







あ、遊ぶ?何言ってんだあいつは…俺は気が付いたら追いかけられて…はっ!



そ、そうか、そういう事か。島風たちは俺をここに追い詰める為に走っているのか!?何という頭脳プレイなんだ。速さしか興味が無いと思っていたが、まさか結託していたのか!?



これは非常にまずい。とっととよくわからん追いかけっこを終わらせて、尚且つ迅速に訓練場から退散、そして息を整えつつ食堂へ逃げ込む。この手に限る。







提督「よ、よし、お前たち、あのラインが、ゴールだ」ハァハァ


島風「負けないよー!」


霰「きーん!」






…なんという事だ、今までのは全力ではなかったのか。二人は容易く俺を追い抜き、グラウンドに引かれた一本のラインに駆け込んで行った。はぇ~すっごい速い…








島風「ゴール!」


霰「疲れた…」


提督「マジか…」


島風「ふふーん!やっぱり島風が一番速いですね!」


提督「そ、そうだな…はぁ、それじゃ、俺はそろそろ行くから…」フラフラ








鬼怒「てーいーとーくー!訓練付き合ってよー!」


提督「嫌です…」


鬼怒「何で?」


提督「疲れた」


鬼怒「えー」


由良「もう、あまり困らせちゃダメだって…」


阿武隈「…」ジ-ッ


鬼怒「むむ…あ、阿武隈も何か言ってやってよ!」


阿武隈「エッ、ア、アタシ!?」


提督「悪いが、俺はこれで…」グゥゥ


鬼怒「ん?お腹鳴った?」


提督「っ…!」


鬼怒「あっ、そう言えばもうすぐ夕食だもんね!」


提督「…」


鬼怒「よーし!それじゃ食堂行こー!」ガシ


提督「ちょ、俺は一人で…あっ」








…こういう時ばかり見たくもないものが見えちまう。鬼怒の艤装がほんの一部だが展開してる。由良と阿武隈は…気付いてないのか?




ともかく、変に抵抗すりゃぐちゃぐちゃにされかねない。服を破かれてまた素っ裸を晒すのは…いや、あれは夢だった…はず…








鬼怒「それじゃ、色々とお話聞かせてね!」グイグイ


提督「…はぁ」ズルズル


由良「提督さん、無理しなくていいですからね」


阿武隈(…いいなぁ)








俺のプランはまた失敗した。引きずられながら、食堂へ連れていかれる。



偶然にしては出来すぎている。運が悪過ぎるというレベルでは無い。最早これは何かに操られているのでは?いってぇ!オイ!神やりやがったな!



…もういいや、話しかけられても適当に答えりゃいいや。そんで適当に切り上げて、ちょっと間宮さんと伊良湖さんと話す機会を作ればそれでいいかな…








***









間宮「…よし、これで準備は…あら?」


鬼怒「おっと、一番乗り~!」


間宮「あらあら、早いですね…提督もですか?」


提督「あ、はは、どうも…」


間宮「ちょうどお夕食も出来たところです」


提督「ありがとうございます」パァァ







ああ、間宮さんと話すだけで心が浄化される。以前のアレで多少気まずさがあるかと思ったが大丈夫なようだ。



しかも出来たてホヤホヤの夕飯が食えるとは何という幸運。もう待ちきれないよ、早く出してくれ!






伊良湖「あ、提督さん、さっきの試作メニューですけど、食べてみます?」


提督「いいのか?」


伊良湖「瑞鳳さんからのお墨付きですから大丈夫だと思いますけど…」


提督「頂こう!」



鬼怒「…むー、鼻の下伸ばして!」グイ


提督「?」


由良「提督さん、もしかして…間宮さんと伊良湖さんの事好きなの?」


提督「うん、大好きさ☆」


阿武隈「!」ガ-ン


由良「ふーん…」


鬼怒「鬼怒は!?」


提督「…普通だな」


鬼怒「こんにゃろー!」グリグリ


提督「ちょ、痛い…!」






こいつまたちょっと艤装展開してるよ。こめかみグリグリとか親にもやられた事ないぞ。超絶痛い。



そういうとこだよマジで。怪我させてこないなら君たちも好きになるだろうけど。つーか下手すりゃ殺されかけてるのに好きもクソもあるか。






間宮「お待たせしました」コトッ


提督「ありがとうございます。頂きます」ガツガツ


島風「提督、競争だよ!」ガツガツ


提督(美味い!美味すぎる!)


霰「…」チビチビ


鬼怒「ぐぬぬ…」







あ~生き返るわ~。試作メニューもそうだが給糧艦の飯はこっちのコンディションも上がるね。海軍の評価点はここだけだよ。



元気が出てきて辞職へのモチベも上がってきたけど、改めて考えると給糧艦の二人に会えなくなるのは悲しいなぁ(諸行無常)でも仕方ないね♂







提督「ふう、ご馳走様」


鬼怒「え、早っ」


島風「島風もご馳走様!」


提督「ありがとうございます、とても美味しかったですよ」カチャカチャ


間宮「まあ、ありがとうございます」


伊良湖「お口に合ったようで何よりです」


提督(あ~^たまらねぇぜ)








足早に食堂を後にし、俺は執務室へと逃げ込んだ。本当はもっとゆっくり味わいたかったけど、鬼怒の暴力に耐えきれなかった。殺されなかっただけマシか。



それにしても美味い飯だったなぁ。正直まだ食い足りなかった。でもあんまりワガママ言うのは良くないって、それ一番言われてるから。







鳳翔「あの、失礼します…」ガチャ


提督「っ!?」


鳳翔「その、お夕食を済ませたと後で聞いたものですから、余り物になってしまったんですが…」ソッ


提督「…」


鳳翔「も、もしよければ、召し上がってほしいと思って…」






鳳翔…か、俺の中じゃまだ安心できる方の艦娘だ。それと出された飯も普通に美味そう…じゃねぇよ。余り物ってレベルの量じゃねぇぞこれ。



だが美味そう…運動後だしまだ食えるんだよなぁ。






提督「…わかった、頂こう」


鳳翔「あっ…」パァァ


提督「…ん、美味い」モグモグ








普通に美味くて困る。この腕は間宮さんと伊良湖さん並か…?



…まあ腹に余裕はあるから食い切れはするだろう。







瑞鳳「提督ー!また卵焼き作ってきたよー!」ガチャ


足柄「提督!カツ余ったんだけどどう!?」








また君か壊れるなぁ…ってなんだお前ら!?








瑞鳳「あ、あれ?鳳翔さん?」


鳳翔「瑞鳳さんに足柄さん…?」


足柄「あーら鳳翔さんじゃないですか!もしかして同じ?」


鳳翔「…そのようですね」


足柄「ならよかった!さ、提督、食べてくれるわよね!?」キラキラ


提督「ぐ…」


瑞鳳「あ、わ、私のも大丈夫ですよね!?」


提督「…」







鳳翔が持ってきた飯が割と量があったからもう腹一杯なんだよなぁ。つーか卵焼きもカツも山盛りじゃねぇか!



あんな量食ったら絶対胸焼け起こすって、ハッキリわかんだね。今度はなんだ?飯責めか?



これっぽっちも食いたくねぇが、食い物を捨てるのは全くもって良くない。俺じゃなくて他の艦娘に食わせてやれよ。






提督「…鳳翔、食い終わった」カチャ


鳳翔「あ、ありがとうございます」


提督「さて、俺はそろそろ」


足柄「あーどこ行くの!?まだ残ってるから!」


提督「もがっ!?」


足柄「提督すっごい鍛えてるんだからもっと食べないと!」


提督「うが…」


瑞鳳「あ、足柄さん!それはちょっと…」


足柄「あ、あー!水ね!」


瑞鳳「そ、そうじゃなくて…」


提督「げほっ、ごほっ」


足柄「あ、勢いがありすぎたのね。それなら、はい、あーん♪」


提督「…」


足柄「もう、恥ずかしがらなくていいのよ!」ズイ


提督「もごっ!?」







こ、こいつ!あーんとか言いながらさっきと同じように押し込んできやがった!もう腹一杯なんだよ!



一気にカツが口の中を満たし、息苦しい。顎が疲れてきた。







足柄「まだまだいっぱいあるから!」


瑞鳳「足柄さん!」


足柄「あーそうだった!瑞鳳ちゃんの卵焼きも食べさせないと」


瑞鳳「そうじゃなくて、そんなに一気に食べしなくても…」


足柄「だーいじょうぶよ!男の子はいっぱい食べられるから!」


提督「むごご…」






ま、マジで息苦しい。肺が新たな空気を求めて思いっきり息を吸い込もうとするが、カツがフィルターみたいに邪魔しやがる。



た、助けて…息ができない…意識が…








提督「んぐ…」グラッ


足柄「あ、あれ?提督?」


提督「カハッ…」バタン


瑞鳳「て、提督ー!」


鳳翔「は、早く医務室に!」







***







提督「…」パチ


明石「あ、起きましたね」


提督「…」チラ


妙高「足柄が多大な迷惑を掛けて申し訳ございません」







この日、俺は新たに知った。好きな食い物でも窒息の原因になると嫌いになる、と。



あとちゃっかり顎関節症も診断されてた。お陰で口を開こうとすると痛い。どんだけ詰め込まれたんだ俺。



遂に食べ物すら俺を追い詰める道具として使われてきた。そんなに嫌ってんなら素直に辞めさせてくれよな~頼むよ~









目には目を









例によって顎関節症も治って普通に喋れるようになった。これもうわかんねぇな?



まあ毎度の事だからもう気にしなくなったが、俺はその間に新たな策を考え出した。俺はただ起き上がるだけではないのだ。



元々人間が艦娘相手にして無事で居られるはずがないってわかってんだから、馬鹿正直に耐える必要なんか無かったんだ。



ならどうすればいいか?ちょっと考えればわかる簡単な事だった。艦娘からの襲撃なら、艦娘を以て迎え撃てばよかったのだ。艦娘同士なら大怪我なんてごく稀だし、俺は何の被害も出ない。



艦娘を恐れ過ぎて、壁役という発想が全く浮かんでなかったが、これなら行けるだろうと踏んだ。



そして、肝心の壁役を務めさせるのは…








山城「…お呼びですか」ガチャ







そう、扶桑型戦艦二番艦の山城だ。俺に対してアプローチを掛けてこない、且つ耐久性に優れている艦娘と言ったらこの子しかいなかった。



最初は長門とか考えたけどここ最近目力が半端無くて正直ビビってる。殺る気満々に見えてあーもうおしっこ出ちゃいそう!



でも山城は扶桑大好きなシスコンだから扶桑に手を出さない限り俺には不干渉だからね。手を出す気はこれっぽっちもないし。







山城「…私が護衛って本気で言ってるんですか」


提督「ダメかな」


山城「…ま、暇なんでいいですけど」


提督「すんません」







キツイ一言だけど航空戦艦は使い所さんに困るねんな…という言い訳して申し訳ない。



嫌味っぽく言ってもちゃんとやってくれる山城はいい子だね。でも山城だけじゃ全方位角カバーしきれない。そこでもう一人俺は護衛を頼むことにした。








龍田「お邪魔しま~す」


山城「あら…二人目って言うのは」


龍田「そうで~す」







ただ護衛がいても掻い潜ってくる艦娘は少なからず居る。それだけじゃ前と同じになるので、物理的にではなく、寄ってこさせないという威圧感が必要だと考えた。



そういう意味では龍田が一番良い。フフ怖の天龍よりも雰囲気がヤバいし、駆逐艦とか潜水艦の子たちも少なからずビビってるし、これこそ適任だな!






提督「…まあ、情けない話ではあるが、引き受けてくれて感謝してる」


山城「扶桑姉様を安心させる為ですので」


龍田「これ以上怪我して指揮に支障が出ると天龍ちゃんが出撃出来なくてイライラするから、仕方ないですよねぇ」


提督「すんません」








色々言われてるけど支障出てるのはマジだし何も言えねぇ。だがそれもこれで終わりだ。



実際に執務室から出て少し歩いてみたが、なんとも言えない安心感がある。駆逐艦の子たちとか明らかに龍田を見てちょっと動きが止まってるし。



あと山城のブロックが結構頼もしい。突撃してくる艦娘を難なく防いでくれている。やはり戦艦の耐久性は伊達じゃないな。誰だよ欠陥とかほざいた奴は。



珍しく俺の作戦が上手くいってるようで何よりだ。何か頬を伝ってる気がするが気のせいだな!な、泣いてねぇし!







山城「…何泣いてるんですか」


龍田「花粉症かしら?」


提督「…目にゴミでも入ったのかな」


山城「みっともないんで早く拭いてください」スッ


提督「すまん…」







くそう、涙を隠しきれなくて辛辣な一言を貰ったが、それでも滲み出る山城の親切心にまた泣きそう。でもハンカチの柄が『不幸』の二文字でこの上なく使いにくい。



それに気付いてるのか龍田が肩を震わせている。正直俺も笑いそう。まあ使うんだけど。







提督「…ありがとう」フキフキ


山城「洗って返してください」


提督「ウッス…」


龍田「…それで、これから何をするつもりで?」


提督「えーと…そ、そうだ、工廠に用があるんだった」


山城「…何か今思いついたみたいな言い方ですね」


龍田「まあ護衛ですし行きますけど~」







ごめんなさい、半分思いつきです。もう半分は確か長門と陸奥が改二になれるとか言ってたから確かめに行こうと思ってたのだ。



以前の俺なら絶対に行かなかったろうけど、今は頼もしい護衛もいるから気が大きくなってるって、ハッキリわかんだね。







***








明石「改装完了ですよ~」


長門「フフ、改二か…胸が熱いな!」


陸奥「ちょうどいいタイミングで良かったわ」





山城「終わってるみたいですね」


提督「ほー」


龍田「いきなり戦艦二人も改装して資源は大丈夫なんですかぁ?」


提督「…よし、資源の確認をしてこよう」ダラダラ


山城「ダメなんですね」


龍田「先を見越さないと運用に支障が出ますねぇ」


提督「すんません」






長門「…おや?提督じゃないか!」


陸奥「え?」


明石「本当ですか?ちょうど良かった、改装に使った資源表ですよ~」


提督「ど、どうも」ペラ


山城「…ま、予想通りですね」ハァ


龍田「また駆逐艦の子たちをこき使うのね~」


提督「…」グスン


龍田「…遠征なら行きますけど、ちゃんとご褒美用意しといてくださいね~」


提督「…ハイ」






計画性の無さがモロに出て我ながら恥ずかしい。こんなんじゃ甘いよ?(艦隊運用)



龍田へのご褒美って何だ?新しい薙刀かな?







長門「資材整理か?なら私がやろうじゃないか!」


陸奥「手伝うわ」


明石「あ、改装直後は…」


山城「改装酔いと艤装の点検があるのでお二人はやらなくていいです」


明石「改s…あはは、先に言われちゃいましたね」


長門「そ、そうか…」シュン


陸奥(…ふーん)







***








山城「…まあ、数日あれば取り戻せるぐらいですね」


龍田「特殊作戦等の案もまだないと確認してきました~」


提督「…ありがとう」シュン


山城「それじゃ、戻りましょう」






消費量見て嫌な汗をかいたが、貯蔵量はまだ余裕があるから別段困ることも無かった。なんか恥ずかしい…



龍田は大本営に確認取ってくれたみたいだし、気が利きますねぇ!薙刀とかどこで買えるんだろう?



まあ俺の貯金と相談して何とか見繕うしかないね。人の扱う物じゃ艦娘にとっちゃ玩具同然だろうけど、観賞用にでもするのかね。







隼鷹「…おー、提督だ」


千歳「あ、提督」


提督「」ビク


隼鷹「ちょうど良かったぁ、今から軽く呑もうかと思ってたんだけど、どうよ?」


山城「あの、まだ仕事があるんですけど」


隼鷹「いいじゃんよ~、新しい酒が入ったんだからさぁ、ね?姐さん」


千歳「そ、そうなんですよ!是非とも提督にも…」


提督「い、いや俺は」


龍田「酒盛りなら夜にしてくれませんかね~?」






また君らか壊れるなぁ…俺はあんまり酒は呑めねぇんだよ!



だが俺の目には目を作戦(今思いついた)はあらゆる事態を想定して練られている。飲兵衛たちの強引な誘いを断つ為に、俺は三人目の協力者を用意していたのだ!






千歳「ささ、こちらへ…」


提督「仕事…」


隼鷹「いいからさぁ~」グイグイ






千代田「あ、千歳お姉!」


千歳「あ、あら、千代田…」サッ


隼鷹「よ、よぉ~」コソッ


山城「ちょうど良かった。今からお二人が酒盛りしようとしてたらしいんだけど」


千代田「えー?また?」


千歳「それは…」


千代田「酒盛りなら千代田が付き合うから!」


隼鷹「うーん、それはいいんだけど、提督も…」


千代田「えっと、それはダメ」


隼鷹「な、何でさ!」


千代田「いや、前に提督にちゃんぽんさせて病院送りにしたでしょ?」


隼鷹「うげっ…そ、それはそうだけど…」


千代田「それがあってから提督とお酒飲む時は鳳翔さんが居る時にって、言われたでしょ?」


隼鷹「うぅ…」


千代田「というか提督はまだ仕事時間中じゃないの?早く行けば?」


提督「あ、ああ。すまん」


龍田(病院送り…そういえばそんな事もあったかな…)


山城(そういう事だったのね)







千代田の迫真の演技のお陰で恐るべき飲兵衛たちから逃れることが出来た。多分半分はマジで俺を追い出そうとしてただろうけど。



これぞ先見の明、イレギュラーなどありえないのだ。強いて言うなら千代田の言い方に多少棘があった所か。少し凹む。








提督「…じゃ、残った執務をやるか」


山城「なら護衛はここまでですね」


提督「あ、おい待てぃ」


山城「何ですか」


提督「執務中でも突撃してくる者がいるかもしれないだろう」


龍田「…本当に用心深いですねぇ」


提督「これ以上執務に支障をきたしたくないだろ」


山城「…はあ、仕方ないですね」







山城と龍田は呆れてるけど俺にとっちゃ死活問題なんだよ!執務室は比較的安全なだけで絶対じゃないんだよ。駆逐艦とか普通に来るし。



ちなみに他のシスコン艦娘に防衛を頼みこもうと思ったけど、ちゃんと分析したら山城、龍田、千代田しか期待出来なそうだった。



筑摩とか大丈夫だと思ったけど、あの子も世話焼き艦娘と同じ気配がしたのだ。実際利根をめちゃくちゃ甘やかしてるし。マ-チクさん姉貴をダメにしてないか?



大井は北上にベッタリだし、頼み込んでもシカトしやがる。居ない時に頼んだら舌打ちされるし、提督としての威厳がまるでないと垣間見た時でもあった。凹む。



比叡は張り切りまくって俺に被害をもたらしかねない。あと直感だが磯風と同じ気配を感じた。第六感は大切だからね、しょうがないね。



だからしばらく俺が辞める算段を立てるまで、三人には俺の盾となってもらう。いつの日か辞められれば姉との時間もかなり取れるだろうし、お互い得だろ。



俺に必要なのは、安全な時間と場所、そして正式に提督を辞められる手段。前者二つは達成しつつあるが、問題の最後を早くどうにかしないとね。







***









その後、執務室に来る訪問者は誰も居ず、俺の平穏は保たれた。どうしてこうガチガチに固めてる時は何も起きないの。



しかし執務の終わりに一本の電話があった。







元帥『おい、俺だ』


提督「げ、元帥!?」


元帥『突然だけど明日お前んとこ行くから』


提督「へ?ちょ、待っ」


元帥『寝坊すんなよ~』ガチャ


提督「…え?」







…いやね、来るのはいいんだけど、海軍のトップがそんな学生みたいなノリで来ないで欲しいと思った。



…何しに来るのかさっぱりわかんねぇ。歴代最年少でノリは軽いけど普通にオッサンだし。鎮守府の艦娘にも誤解されそう。



こうなるとまた明日も護衛頼むことになるかなぁ…








山城「え、明日は姉様と過ごすのでやりませんよ」


龍田「私も明日は遠征入ってますから~」


千代田「明日?出撃だから無理!」


提督「」







目には目を作戦には一つだけ欠点がある。それはシスコン艦娘の予定と気分次第なのだ!はーつっかえ!



護衛無しで元帥をお迎えする訳だが、果たして俺はどうなってしまうのか…










分岐点









提督「うーん…うーん…」ソワソワ


大淀「あ、あの、もう少し落ち着かれたら…」


提督「…そ、そうだな」







元帥が突然来ると連絡をくれてから、俺は一睡も出来ず朝を迎えてしまった。緊張で眠気は一切無い。



艦娘にも一応連絡をしたが、俺は普段通りにしていればいいと伝えておいた。これも俺も作戦の一つなのだ。発案に要した時間は一分も無い。



ここで俺の事故を目にすれば例え元帥でも辞任を承諾せざるを得ないだろう。どんなに悪くても異動は固い。



期待と不安の入り交じった俺は大淀にも察せられてしまうぐらい緊張している。相手に呼吸を読まれたらそこで勝負は着いてるって、それ一番言われてるから。



緊張を隠したいのは山々だが、来るのが良くも悪くも元帥だからね。マジの切れ者だけどそのお陰で何考えてんのかさっぱりなんだよね。







提督「…ダメだ、落ち着かん」カタン


大淀「あ、あの、どこへ?」


提督「資材の確認に行ってくる」スタスタ


大淀(あっ…)シュン






ちなみに大淀は秘書艦やりたいと朝から居座ってる。こいつも何考えてんだかさっぱりわからん。







***







資材倉庫に行くと、どうやら搬入をしてるようだった。明石が作業員から書類を渡されている。






作業員「それじゃ、チェックおなしゃす」


明石「了解でーす」ペラ


提督「やあ、ご苦労」


作業員「あ、お疲れっス、それでは」スタスタ


明石「おはようございますー」ペラペラ


提督「…早いな」


明石「そうですよねぇ。元帥が来るからですかね?」







今日はいつもより大本営からの支給が早いな。まあそんな日もあるだろう。



つーか元帥がいつ来るか分からないのがほんと謎。時間ぐらい伝えてくれよな~頼むよ~。



…資材の確認は明石に任せるとして、他の場所で気を紛らわせる事にした。マジで提督になってから小心者になってるってハッキリわかんだね。




と思いつつ、ふと食堂の方を見ると食材の搬入をしているようだった。ついでに間宮さんたちに会いに行こう。










提督「おはようございます」ガチャ


間宮「あら、おはようございます」パァァ


伊良湖「検品終わりました…って、おはようございますっ」パァァ







ん~素晴らしい。曇天が晴れ渡るが如く、俺の不安はかき消されていく。給糧艦は特効薬。







間宮「朝食なら済ませたはずですが…」


提督「い、いや、何となく立ち寄っただけなんです」


間宮「あら、そうでしたか」


提督「あーでも、また食べたいかな、なんて」


間宮「うふふ、元気ですね」パァァ


伊良湖「お昼まで待ってて下さいね」パァァ







あ~^心が洗われるんじゃ~^


溢れんばかりの母性!全てを癒す微笑み!優しく照らす後光!たまらねぇぜ!



だが悲しいかな、そんなやり取りをしていたら大淀が食堂まで探しに来やがった。俺は引きずられながら執務室まで引きずられながら戻されることになった。



…だがこれも作戦の内だった。もし元帥が既に執務室に居たら、不真面目さをアピール出来てクビにさせてくれるかもしれない。



残念だったな大淀よ。貴様は俺の術中にハマっているのだ!







***







と思い込んでた筋肉ハゲが居ました。元帥全く来る気配無し!時間もかなり経って昼頃になってるし。







提督「…大淀」カリカリ


大淀「…何ですか」ムスッ


提督「俺が居ない間に元帥から連絡はあったか」カリカリ


大淀「…ありませんでした」ムスッ


提督「…そうか」カタン


大淀(もう!何で私の時は仏頂面なんですか!)ムスッ


提督「…昼休憩の時間だ。先に行ってくれて構わない」


大淀「…提督はどうするんですか」


提督「後で行く。出歩いてた分もやらんと」


大淀「…はい」トボトボ







大淀を先に上がらせたが、何も気が乗らない。昼飯食いに行きたいが、時間空けないと怪しまれるしなぁ。



つーか不思議な事に、ここまでで俺に突撃してくる艦娘が誰もいないのだ。やはり元帥が来る事を伝えたのはまずったか。これじゃ作戦になんないよ~。



ん?待てよ?普段通りにしろと言ったのに来なくなったという事は、今までのは故意でやってたということでいいのか?分かってはいたが何て奴らだ…



やっぱ早々に辞める旨を伝えておさらばするに限る。だから元帥早く来て。



…まさかドタキャン?仮にも海軍のトップがそんな無礼極まりない事すんのか?



…普段の言動が読めないからマジでわからねぇ。有り得そうなのが本当に怖い。








提督「…あれ」







気が付いたら俺は食堂の前に居た。約束の地かな?



と言うか、途中から記憶が曖昧だ。まるで導かれたように…






提督「…」ガチャ


間宮「あら提督」パァァ


提督「ちゅ、昼食を…」


間宮「はい、どうぞ」カタッ






尊い。もうこの言葉だけで全て足りる。



昼飯もめちゃくちゃ美味そう。これ食って元気出して元帥を待つ事にするか…







作業員「あ、向かいいいっすか?」


提督「ん?」


作業員「ちょっと作業が長引いちゃって…」ハハハ


提督「ええ、大丈夫ですよ」


作業員「いや~ここの飯初めて食ったんすけど、めちゃくちゃ美味いっすね」モグモグ


提督「そうですね」


作業員「は~羨ましいっすね。毎日こういう飯が食えて、綺麗な給仕さんもいて」


提督「…それは違いますよ」


作業員「え」


提督「確かに間宮さんと伊良湖さんはとても良い人ですけど、他の艦娘は恐ろしいですよ」


作業員「そうなんすか?」


提督「艤装の出てない時はほぼ無害ですけど、そうじゃない時は全身凶器ですから…」


作業員「…そうなんすか」


提督「現に俺は何度も死にかけてるんですよ。見た感じ何もないだろって思うでしょうけど…」


作業員「…」


提督「はは…あんたに愚痴っても意味無いのは分かってるんですけど、こうでもしないと溜め込むばかりなんで」


作業員「…わかるよ、それ」


提督「へ?」







何だ?急に声色が…



というか、どっかで聞いたような…







作業員「まあ提督くんよ、飯食い終わったら応接室に来な」ガタッ


提督「え、ちょ」


作業員「待ってるぜ」スタスタ


提督「あ、あんた…」







げ、元帥ぃぃぃ!?







***







提督「し、失礼します…」ガチャ


元帥「おう」






飯を食い終わり、急いで応接室へと向かうと、元帥はとてもくつろいでいたようだった。







元帥「さーて、何から話そうかね」


提督「…」


元帥「大丈夫だって安心しろよ~、無礼とかそういうのは考えてねぇから」


提督「そ、そうですか?」


元帥「つーかお前の鎮守府なんだしもっとくつろげば?」


提督「それは…」


元帥「…ま、それよりもまずはお前の鎮守府を見回ってみたが…誰も気づかなかったな」


提督「も、申し訳ございません」


元帥「いや俺そんなに外出ねぇしPRもしてねぇから当然なんだけど」


提督「は、はぁ」


元帥「TDN作業員として見られてたけど、それでも礼儀は欠かしてなかったな。評価点って所だな」






うーん…これは喜ぶべきなのか?一般人に怪我させたらタダじゃ済まないと分かってるのに俺の扱いとは…






元帥「次、お前提督辞めたいとか言ってたな」


提督「っ!」ビク


元帥「改めて聞こう。何故だ?」


提督「そ、それは…その…」


元帥「緊張しなくていい。さっき食堂で俺に言ったことをまた言えばいいだけだ」


提督「…俺は何度も死にかけているんです。艦娘との接触によって、内外問わずです。向こうが意識してるのか、無意識なのかは分かりませんが…」


元帥「そんで、お前は見た感じ治ってるが?」


提督「そ、それは、私にもよく分からないのです。致命的な怪我をしても、数日で完治してしまうのです」


元帥「…ふむ」ゴソゴソ







…な、何かかなり遠回りというか、色々あったけど元帥に伝えることが出来た。ここまで長かったが、元帥はどう出るか…







元帥「…正直言うと、今すぐ辞めたい?」


提督「え」


元帥「どうなん」


提督「や、辞めたいです」


元帥「ふーん、そうか」


提督「ど、どうですか?」


元帥「俺は別にいいけど、その前に重要な話がある」


提督「あ、手続きですか?」


元帥「違う」


提督「あ、はい」


元帥「まず、お前は妖精が見えるんだよな?」


提督「そ、そうです」


元帥「…妖精に選ばれた人間はな、艦娘とのコミュニケーションが円滑化されるらしい。それと同時に、艦娘との日常生活に耐えられるよう守護が施される」


提督「…え?」


元帥「どんなに死にかけてもちょっとすりゃ治っちまうんだよ。守護と言えば聞こえはいいが、呪いだな」


提督「…は??」


元帥「お前は妖精に選ばれ、呪われ、囚われてるんだよ」







…ちょ、どういう事?俺の耐久力って、つまり…







元帥「妖精の呪いは提督である間や、海軍…いや、艦娘との関わりがある限り続く。まあ妖精が近くにいるから当然か」


元帥「ちなみに、この戦争が終わればそこで呪いは解かれるらしい」


提督「…な、何故そんなことを…」


元帥「俺も呪われてるからさ」


提督「っ!?」


元帥「俺もな、昔はお前と同じだったんだよ。お前を見てると、昔の俺を見てるようでな」


提督「…」


元帥「逃げても無駄だと理解した時、俺は艦娘と極力関わらない、上を目指した。頭の固いジジイ共の裏をかくのは容易だったから、すんなり行けて拍子抜けだったがな」







ま、まさか元帥も妖精に呪われていたとは…い、いや、そうじゃなけりゃ俺の話なんか全部突拍子も無いから信じられなかっただろう。



…あ、あれ?なら普通に辞めれば自由の身なのに、何故こうも嫌な予感がするんだ?







元帥「…お前には選択肢が4つある」


提督「よ、4つ?」


元帥「一つ、俺みたいに元帥になる事。上に行けば行くほど大本営に近づけるし、自然と艦娘との接触は薄くなる」


元帥「一つ、戦争を終わらせる事。さっきも言ったが終戦になれば妖精の呪いも解かれる」


元帥「一つ、お前の後釜を探す事。後任がお前と同じ運命を辿るだろうが、まあそん時はそん時だ」


提督「…最後の一つとは?」


元帥「最後は…言うまでも無いが、今すぐ辞める事」コトン






な、何だ?ポケットから小さなケース…中にカプセルみたいな物が入ってる。マトリックスかな?







元帥「これを渡しておこう」


提督「な、何ですかそれは」


元帥「俺が提督だった頃に妖精から渡された物だ」


提督「え、それって何年前…」


元帥「大丈夫だって安心しろよ~。妖精が作ったものだから腐ってねぇよ」


提督「そ、そうすか…」


元帥「本気で辞めたくなったらこれを飲むといい。どうやら呪いを断つ効果があるようだ」


提督「え!?」


元帥「飲んだ後は俺が辞任の後処理してやんよ」


提督「本当ですか…?」


元帥「…関係無いけど何かこの構図、俺がトキみてぇだな」ワハハ







待て待て、元帥トキだと俺はレイになるんですがそれは…苦しみまくってその後真っ白になってたじゃん。白くなる髪無いけどってやかましいわ。



えぇ…最後の一言が余計過ぎて死線彷徨いそうじゃん…だがこれを飲めば提督を辞められるも同然なのか…



しかし…どうする…俺は今すぐにでもこれを飲んでもいい…



だが、言い様のない不安が俺を襲う。飲んだ後は自由の身だが…



今すぐ自由を勝ち取るか、安全に辞められる環境を整わせるか…俺は…









提督「…頂きましょう」


元帥「ん」


提督「やっと自由になれるのなら…恐怖などありません!」ゴクン


元帥「…そうか」


提督「それでは、後処理をよろしくお願いします」ペコ


元帥「…あいよ」スクッ


提督「どこへ?」


元帥「連絡」ガチャ






…い、今のところ何も変化が無い。まだ飲んだばかりで効果が出てないだけか?



ま、まあいい。元帥の話が嘘じゃない限り、これで俺は自由だ。遂に提督を辞められるんだ…!



…しかし妖精の呪いとか怖すぎぃ!あのチビなんて事してくれてんだよ!本来なら怒りに身を任せてお仕置きしてやりたい所さんだったが、水に流してやる。







提督「ん…」グラッ






お、おお、いきなり睡魔が。こういう怪しい薬の後ならよくあるやつだな。ホモコロリとは違う、緩やかな眠気だ。



元帥にはみっともない姿を晒してしまうだろうが、ちょいと休ませて貰おう。後処理ちゃんとやってくれよな~頼むよ~








元帥「…そんじゃ、回収してくれ。俺はここの艦娘に通達するから」


憲兵「はっ!」ドタドタ








***










提督「…ふぁぁ」ムクッ






…何だろう、めちゃくちゃ寝てた気がする。つーかめっちゃ長い夢も見てた気がする。提督やってた頃の嫌な夢だったなぁ。



…あれ、ここは…そ、そうか。あれから辞めた後に実家に戻ったんだ。貯金もそこそこ貯まってたし、のんびりしてて…






『ピンポ-ン!』




提督「ん?誰だ…」





「す、すいませーん!ここに元提督さんがいると聞いたんですけどー!」


提督「っ…は、はーい、今開け…マ゜ッ!?」ガチャ


間宮「あ…やっぱり!」


伊良湖「お、お久しぶりです!」


電「お、お久しぶりなのです!」







ファッ!?な、何故ここに天使が!?それと電か…







間宮「そ、その、元帥から住所を問い合わせて…」


提督「そ、そうすか…」


間宮「変わらずお元気そうで良かったです…!」


提督「は、はは、僕は相変わらずですよ」


伊良湖「あの、これ差し入れです」スッ


電「こ、これもで…はわっ!?」ガタン


提督「うひっ!?…あ、あれ?」ペタン


電「だ、大丈夫ですか!?」アセアセ


提督「…大丈夫、だな」








電がこけて、俺にぶつかる…昔を思い出す。俺が着任した初日、壁に飛ばされたっけ…



でも今回はそんなことなかった。俺は吹き飛ばされず、何ともない。ビビったのが恥ずかしいんですけど。







電「ご、ごめんなさいです。また怪我させてしまうんじゃないかって…」ウルウル


提督「な、泣くな。怪我してないから…」


間宮「…もう大丈夫ですから」


伊良湖「そうですよ。提督さんはもう大丈夫なんですから」


提督「?…そうすね」


電「よ、よかったのです」ウルウル


提督「っ…と、とりあえず上がって下さいよ。ちょいと散らかってますけど…」







…また俺の平和が脅かされると思ったが、何も起きなくて本当によかった。これなら電にも普通に接する事が出来るな。



それよりも…ふぉぉぉぉ!!!間宮さんと伊良湖さんが俺ん家に来てくれているぅぅぅぅ!!!押しかけ女房みたいで激アツなんですけど!



もうむしろ俺ん家に永住してくれていいんですぞ!?父ちゃんと母ちゃんに紹介したくてたまらねぇぜ!電は…まあ養子縁組なら大丈夫じゃないっすかね。



やっぱ提督辞めて正解だったな!平和な日々だけじゃなくて思わぬ来訪者でテンションアゲアゲです!大潮です!



元帥もこればかりはグッジョブと言わざるを得ない。個人情報漏らすなと思ったけど給糧艦なら問題ない。



まるで夢のようだぁ…













***







元帥「…どうよ」


医師「はい、継続してレム睡眠状態を維持させています」


元帥「…そうだな。モニターに映ってるしな」


医師「それにしても…よく生きてましたね」


元帥「ああ。最初は何もねぇのかと思ったら、いきなり瀕死になるとはな」


医師「…恐らく、妖精の守護が切れたことから、蓄積していたダメージが解放されたものだと思われます」


元帥「だろうなぁ。死んでもおかしくねぇのによ」


医師「…あの、一ついいでしょうか」


元帥「何?」


医師「こうして植物状態のまま、死ぬまで夢を見させるつもりですか?」


元帥「…その方が幸せなんじゃねぇの?」


医師「ですが…」


元帥「夢だと知らずに、理想の中で死んでいってもいいんじゃねぇの?」


医師「…」


元帥「せめて死ぬまでは夢見させてやろうや。給糧艦に惚れてたみたいだし、発端の駆逐艦も、一応救われたろ」


医師「初期艦は納得したんですか?」


元帥「さぁね。俺が後処理するって言った後ずっと泣いててわからんかったし、これは俺なりの気遣いってやつ」


医師「…そうですか」


元帥「…悪夢を見そうだったらその都度夢に干渉してやってくれ」


医師「…了解しました」カタカタ




元帥(…悪いな。こうなるのは薄々勘づいてたが、俺も怖いもの見たさで黙っちまってた)


元帥(それに、あの時はまだ溜まりに溜まったダメージを取り除く方法もわかんなかったし、遅かれ早かれこうなってたのかも知れねぇ)


元帥(あれからまだ一年も経ってねぇし、戦争も当然終わってねぇ。お前の後任もお前と同じ事言って辞めたがってるが、流石にこの様子を見せるのもなぁ)


元帥(夢を見続けて幸せに暮らしてくれよな。給糧艦の出番も増やしておくからよ)












BADEND「現実からの解放」
















***







提督「…はっ!?」


元帥「どうしたよ」


提督「い、いえ、何でも…」





な、何だ今のは。薬を取ろうとしたら一瞬嫌な映像を見たような…



そ、そうだ。慎重に選択を取るべきだ。まだ詳しい話を聞いてない。






提督「そ、その、もし元帥にまで昇進出来たら、何をするんですか」


元帥「ん?そうだなぁ、書類と会議ばっかだなぁ。定時で上がれるのはいいけどな」


提督「そ、そうすか…」


元帥「艦娘と関わる事は殆どねぇな。式典ぐれぇか」


提督「は、はい」






成程、元帥ルートは命懸けじゃなくなる代わりに事務作業に特化する感じか…正直辞めるっていうか艦娘と関わらなければ問題ないが…







提督「じ、自分の後釜というのは、早くていつ頃に見つかりますか?」


元帥「知らね」


提督「」


元帥「お前みたいに妖精が見える奴はそう簡単に見つかる訳じゃない。まあどんなに早くても次のしんへ希望者が集まってからだな」


提督「…」


元帥「言っとくがお前まだ一年も経ってねぇからな」


提督「そ、そうっすよね…」







うぐぐ…そういやまだ一年経ってねぇのか。俺みたいに海兵団から次なる犠牲者を見つけるのか、それとも将校ルートの坊ちゃんからか…



いずれにせよ、後釜ルートは直ぐには辞められないという事か。この薬めちゃくちゃ怪しいから取っておくだけにしておこう。俺の精神が完全に壊れた時、この薬を使う事になるだろう。



終戦ルートは…聞くまでもねぇか。俺が辞めるのが先か、終戦が先か。







元帥「…聞きたいことは粗方聞いた感じか」


提督「…はい」


元帥「そんじゃ、俺は用も済んだし帰るわ。見送りは要らねぇよ」


提督「は、はい」


元帥「アリーヴェデル…おっとそうだった」ガチャ


提督「は、はい、何ですか」


元帥「指輪渡した艦娘は基本的にどこへ行くことになっても付き添いなるぜ」


提督「へ?ゆ、指輪?」


元帥「そん時になりゃ分かる。よく考えておけよ~」ワハハ


提督「ちょ、詳しい話を」


元帥「アリーヴェデルチ!」バタン!


提督「ちょ、待って…あれ?」ガチャ







あ、あれ、もう居ねぇ。忍者かよ。



…うーん、指輪…か。恐ろしく嫌な単語だな。








大淀「て、提督!い、今元帥がいらっしゃったのですが、いつの間に!?」


提督「えぇ…」






うーんこのポンコツぶりよ。俺も気付かなかったけどさ。



それにしても、まだ足掻けってか…









飴とイバラ鞭









俺が提督を辞める、もとい艦娘から離れる為には少なくとも次の新兵が来るまでとされてしまった。その間何するかはずっとやってきた事だから慣れたもんよ。泣けるぜ。



執務も運動も大事だが、何より生き延びる事。妖精の呪いが掛かってるから嫌でも生き延びるけど、怪我したくない。痛い思いしたくない。



元帥になる昇進ルートは…正直現元帥が俺を推薦しない限り無理そう。あの人を超えるセンスを持つ人間は今の海軍には誰も居ないだろう。



…でも元帥が俺に協力的な事もわかって良かった。それに、俺が耐えられなくなった時の最終手段も…





薬『いいよ!こいよ!』






…やめとこう。わざわざ選択肢を用意してくれたって事は、まだ可能性は残されてるんだ。ポジティブシンキングでいこう。



どのルートも時間の問題だが、センスの無い俺は地道に功績を挙げていくしかないんだよね。ハードウェアもソフトウェアもポンコツハゲゴリラだからね、しょうがないね。



ハードウェアはもう生まれ持った資質だから仕方ないとしても、ソフトウェアはいくらでも更新の余地がある。本体の俺がついていければいいんだけど、何事もがむしゃらになればなんとかなるって、それ一番言われてるから。



という訳で、執務に自信のある子を適当に募集してみた。







霞「ふん」


満潮「…」


曙「何見てんのよ」


提督「」







いやいやおかしいだろ、何でこの3人なの。俺は妙高さん辺りが来ると思ってた。妙高さんも正直タイプだから期待してた訳じゃないぞ。



つーかこの3人めちゃくちゃ口悪いって評判だから意図的に避けてたのに何故募集に乗っかったのかコレガワカラナイ。もしやいじめか?泣けるぜ。






曙「今更執務で呼び出すとかどういう事よ」


提督(募集だから呼び出した訳じゃないんだよなぁ)


霞「まさかやり方忘れたなんてクズみたいな理由じゃないでしょうね」


提督「い、いや、ちょっと上を目指そうかなって思ってな」


満潮「…は?バカじゃないの?」


曙「あ、あんたみたいなクソ提督が昇進狙ってるの!?」


霞「ほ、ほんとクズね!自分の能力を弁えなさいよ!」


提督「」






うごご…紛うことなき正論で反論出来ねぇ。ハートフルボッコな声援が身に染みて涙が出、出ますよ…







曙(う、上って、そういう事よね?)チラ


満潮(それ以外に何があるの)チラ


霞(まずいわ、評価が上がっても下がっても異動の可能性があるから下手に動けないわ)チラ


提督「…嫌なら他当たるから」


曙「は、はぁ!?他の人に迷惑掛けるつもり!?」


満潮「…はいはい、私じゃ役不足よね」


霞「こ、こっちは貴重な時間割いてるんだから考えなさいよ!」


提督「(´・ω・`)」






口を開けばこのザマよ。ほんとなんで来たのこの子たち…



言いぶりからしてやるようだけど、こんな事ならもっかい以前執務教えた3人組にしときゃよかった。








提督「…じゃ、始めるから」ズ-ン


曙「好きにすれば」


満潮「字、汚い」


提督「まだ書いてすら居ないんですがそれは…」


霞「とっとと書きなさいよ」


提督「」シュン








***










曙「…ふん、こんなもんよね」


提督「う、うっす」


満潮「ミス無し…まあいいんじゃないの」


霞「こんなもんで安心してたらずっと半人前ね」


提督「ウッス」








君たちほんと言葉に棘があるね。場面転換でぱぱっと終わらせてるように見えるがノンストップで数時間費やしてるからな。



だが指導については他の追随を許さないぐらいしっかりしてる。これはこれでかなり有難いのだが、言い方が悪すぎてモチベーションが下がる。



ぬああああん疲れたもおおおん!チカレタ…だがもうすぐ飯時、即ち間宮伊良湖タイムが始まる訳だ。この為に集中力を切らさなかったと言っても過言ではない。



山積み書類も粗方終わってるし、飯を食いつつ間宮さん伊良湖さんで癒されて残りもパパパっとやって、終わり!








提督「よし、そうと決まれば…」ガタッ


曙「どこ行くのよ」ガシッ


提督「し、食堂だ」


霞「まだ書類残ってるじゃない!」


提督「食事をとったら直ぐに再開するから…」


霞「ふん、それで逃げられたらたまったもんじゃないわ。あんたはここで食事をとるのよ」


提督「え、何それは…」


霞「食事なら持ってくるからとっととやりなさい!」


満潮(えぇ…あっ)グゥゥ


提督「ほ、ほら、満潮だって腹を鳴らしてるじゃないか。ここは食堂行って…」


満潮「何聞いてんのよ変態」


提督「すんません」


満潮「正直どこで食べようがどうでもいいわ」







く、くそっ!執務室から出られない。これじゃ疲労が取れないまま執務を再開してしまう。こんなんじゃ仕事になんないよ~



女三人よれば姦しいと言うが、指導以外じゃかなりストレス溜まる。世間話でもしたら無駄口叩くなとか言われそう。








霞「ほら、持ってきたわ」コトン


提督「お、おう。ありがとう」


霞「とっとと食べて執務を再開なさい」


提督(こ、こんだけ?おにぎり2個?いや結構大きめだけど)


霞「何よ」


提督「い、いや、食わせてもらいやす…っ」モグ






しょ、しょっぱ!いくらなんでも塩を効かせすぎぃ!気付けにはなるけど水が欲しくなる。



大きめと言ったが所詮は少女の作るおにぎりだ。俺の拳と同じぐらいだし、腹の足しににはなるが空腹を満たす程でもない。中途半端な量はかえって腹が減るからね。



しかしここで俺のポジティブシンキングが発動した。こうして腹を空かせて夜まで待てば流石に食堂へ向かうだろう。後は分かるな?



…さて、食い終わればまた指導が始まる。我慢我慢。






霞「…食べ終わったわね」


提督「ハイ」


霞「…それじゃ、続きやるわよ」


提督「ハイ」


曙「ミスがあったらすぐ言うから」


満潮「分からない所はすぐ言いなさい。滞った時間は帰ってこないから」


提督「ハイ」






ん?さっきより態度丸くない?ままええわ。多少は棘が減りますように…







***







霞「…よく終わらせたわね」


提督「チカレタ…」


霞「上を目指すって言うのならこれが普通よ」


提督「…ウッス」


曙「ふん、無理だと思ったならせいぜいここで頑張ることね」


満潮「まだ続けるって言うなら明日も行くけど」


提督「…ウッス」







何とか終わらせてやったが、まー辛いわ。何が辛いって、ずっと文字を見過ぎて目が痛くなるし、身体動かしてないから節々が痛くなって辛い。



元帥とかこれ普通にこなしてたのか…?後で聞いてみるか。それよりも今は飯だ飯!とっとと食堂へ…







霞「待ちなさい」ガシ


提督「え」


霞「まだ反省会があるでしょ」


提督「えぇ…」


霞「それが済んでからよ」


提督「やだ!やだ小生やだ!」


霞「何言ってんのよ!反省点をその場で確認するのも重要なの!」


提督「っ…飯の後でいいだろ!」パッ


霞「あっ、コラ待て!」


曙「…」


満潮「…行きますか」








うおおおおお!!反省会とか罵倒大会の間違いだろ!そうはさせるか!



俺は食堂で癒されてからゆっくり休むんだよ!もう今日の業務終わってるし、時間外労働は真っ平御免だ!



それに俺は褒められて伸びるタイプじゃん?(鈴谷)叱られてばっかりだと凹むしモチベも上がらないってはっきりわかんだね。



つーかそこまでして俺を蔑みたいのかこいつ!他の二人は来てねぇし、やっぱ霞はダメだ!早く食堂へ…








提督「ま、間宮さん、今日の飯は…」ゼェゼェ


間宮「は、はい、こちらに…」


提督「有難い!いただきます…」






霞は…どうやら他の駆逐艦に捕まって一緒に食ってるようだ。危なかった。



それにしてもやはり給糧艦の飯は世界一ィィィ!!!やっぱ提督にもバフ掛かってるよこれ。めちゃくちゃ元気になる。



あとダメ押しのスマイルでもう俺の心の傷がどんどん癒されて行きますよ(バンバン!)元帥が指輪だとか言ってたがこれは文句なしで…







曙「隣失礼するわ」ガタン


提督「んぁ?」


満潮「霞から頼まれたからね」


提督「」チラ


霞「…」ゴゴゴゴ


提督「…怖い…アイアンマン!」







飯を食い終わった後、予定通り反省会が開かれた。不幸中の幸いだったのが、俺が思ってたよりも罵倒が少なかった事。



だが例によって反論しようとすると3人同時に黙らせてくる。三人に勝てるわけないだろ!



終わりも結構早かったし、これなら逃げなくても良かったかなと思った。怖かったし、多少はね?



あ、そうだ(唐突)元帥も同等の仕事をしてたか聞かないと。








元帥『…は?何その量。アホくさ』


提督「え」


元帥『んな量やる訳ねーだろ。全部秘書艦に投げて俺は戦術の勉強してたわ』


提督「」


元帥『そもそも書類なんかそれぞれ期限までに出しゃいいんだからいっぺんにやる必要ねぇだろ』


提督「うごっ…」


元帥『まさかお前、殆どやったのか?』


提督「は、はい」


元帥『ヴォ-スゲ-。でもバカだなー、それ提出したら大本営の連中が面倒くさがってた書類回されてくんぞ』


提督「マジすか」


元帥『お前、俺の座を狙ってんのか知らねぇが、俺の後任基準は書類をちゃんと出すいい子ちゃんじゃねぇからな』


提督「は、はい」


元帥『そんなん頭の固いジジイ共にも出来るし、戦争終わらせんのに必要なのは敵を掻い潜るセンスとアイデアだろ』


提督「そ、その通りです」








そ、それもそうか。確かに書類書くだけで階級上がりゃ苦労しないわな。



そうなると…調べるべきは敵の情報と、過去の戦闘詳報か。これは徹夜…






霞「いつまで起きてんのよ!とっとと寝なさい!」ガチャ


提督「ウッス」






怒られちまったが何でまた戻ってきてんの。お前こそ寝ろよ!



霞に構ってられるか。俺は資料室に籠る。



スニーキングハゲゴリラと化した俺だが一応艦娘は寝る時間だからバレはしなかった。当たり前だよなぁ?



資料室なんか入るの指で数える程度な時点で優秀でもないんだよなぁ。もっと勉強しないとね。







提督「さて…敵個体の情報を…」


川内「むむっ!何奴!」ピカッ


提督「ファッ!?」ビク


川内「何の光ぃ!?目が!目がぁぁぁ!」


提督「な、何だ、川内か」


川内「うぐぐ…提督、まさか太陽拳の使い手だったなんてね」


提督「う、うっさいわ!お前消灯時間過ぎてるだろ。何してんだ」


川内「な、何って…や、夜間警備」ギクッ


提督「…」


川内「ほ、ホントだって~、夜戦とかじゃないからさ~」


提督「…まあどっちでもいい、早く寝ろ」


川内「は、は~い」コソコソ







ふぅ、驚かせやがって。絡まれると超絶面倒な川内がうろついてるとは思わなかったが、存外引きは早かったな。



いつも口を開けば夜戦ばっかで寝不足にさせられるわ、何でもかんでも夜戦を条件にしないと言うこと聞かないわ、めちゃくちゃ面倒な奴だったね。



正直勝手に夜戦しようが何しようが俺に絡んでこなきゃ何でもいいわ。とっとと資料集めて目を通すぐらいはしないとね。






***







俺が必要だと思った資料は思いの外多く、帰りもスニーキング出来る余裕は無かった。重すぎるッピ!



どいつもこいつも分厚く綴じられてて読む前に心が折れそうになる。座学とか苦手だったし、多少はね?



イ級とかよく見るヤツの情報が事細かく記載されてるし、何ならスケッチもある。これ鹵獲した事あんのか?



流石に敵大将クラスの姫や鬼の連中は外見のスケッチだけになってる。鹵獲出来たらそれだけで昇進レベルだからなぁ。



それにしたって情報量が多すぎる。文字が細すぎて眠くなってきた。衝動とか大事だけど慣れない事をいきなりしてはいけない。こういうのは毎日少しずつ身体に馴染ませるものだね。







川内「また明かり…何奴!」ピカッ


提督「ファッ!?」


川内「目眩しはもう効かな…って、また提督かぁ」


提督(こっちのセリフなんだよなぁ)


川内「えーと?何か頑張ってるみたいだね。ここは私も手伝おうじゃん!」


提督「そんな事しなくていいから…」


川内「いーじゃん、夜は目が冴えちゃうんだよ~」


提督「…目を閉じてればいつかは寝るから」


川内「夜戦しないと寝れないな~これは」ニヒヒ


提督「じゃあ俺、ここ閉めて寝るから…」ガタン


川内「じ、冗談だって~!他の子はもう寝てて起こしたら怒るからさ、提督に遊んでもらおうと思ってさ~」


提督(こ、こいつ完全に俺を下に見てやがる…!)


川内「だからさ、話し相手ぐらいにはなってよ、ね?」


提督「嫌です…」


川内「何で?」


提督「眠いし…」


川内「さっきまで資料とにらめっこしてたじゃん」


提督「目を通したらすぐ寝るつもりだったんだよ。だから寝る」


川内「ちょ、待ってよ~!」








急ぎ足で俺は自室へと逃げ込む。何か資料も持ってきちゃったけど、ゴリラはスニーキングを無視すれば余裕で持ち運べるのだ。



艤装展開されてなきゃ俺の方が速い。一人で夜戦ごっこでもしてろってんだ。








提督「はぁ、はぁ」バタン!


川内「ちょ、開けてよー!」ガチャガチャ


提督「お、俺は寝るんだから、お前も早く寝ろ!」ガタガタ


川内「やだー!」


提督「じ、神通に言うぞ!」


川内「うぐっ…ちぇっ」


提督「…ふぅ」







よ、よし、鬼の神通の名を出せば夜戦バカですら撤退するんだな。名前だけで抑止力になるとか凄いねぇ…



これで邪魔者は消えたから今度は戦術資料に目を通して…ん?この名前…げ、元帥!?



考案者に元帥の名前しか無い!てことはこの分厚い資料の中身全部が元帥の発案かよ!凄すぎぃ!



ページを開けば過去の戦績報告と作戦概要がびっしり埋まってる。それでいて見やすく纏められてる。研究ノートをそのまま印刷したようにも見える。



敗北例はごく僅か…また、大規模作戦にて通称ギミックと呼ばれる敵艦隊の戦力残減効果の報告も載せられてる。



す、すげぇ、マジで自分の脳みそじゃ思いつかないぐらい画期的で大胆なものばかりだ。やっぱり目の付け所さんが違うって、はっきりわかったんだね。




…ん?待てよ。これ真似しても元帥の真似してるだけだから評価されねぇじゃん!やべぇよやべぇよ…



と、とりあえず元帥がすげぇって事は分かったし、明日ちゃんと読んで戦術の勉強をしよう。出来るならこれを応用して戦果を上げたいものだ。



それにしても…マジであの3人はどうしたものか…







***








提督「…」パチッ


川内「zzZ」







目が覚めた。目覚ましはまだ鳴ってない。川内が俺の布団に入り込んでるように見えるが気の所為だな。



…って天井の一部が開いてるし、こいつ不法侵入しやがった。あーもうめちゃくちゃだよ。



資料は…荒らされてないな。こいつ何が目的なんだ?





霞「起きてるかしら、クズ司令官」ガチャ


提督「ファッ!?」


霞「何その資料…って、何で川内さんがいるのよ!」


提督(お前は何で普通に入ってきてんだよ!)


霞「…言いたいことがあるなら目を見て言いなさいな!」


提督「俺は知らねぇ!」


霞「何がよ!」


提督「俺は資料室から戻って寝ただけだ!」


霞「は、はぁ!?あの後すぐ寝なかったの!?人に命令しといて自分は破るわけ!?」


提督(あっ、やっべ)


霞「まあそれは後で聞くとして、とっとと執務の準備をなさい!」


提督(…ん?俺何でこいつに怒られてんだ?)







…一瞬ハニートラップかと思ったけどあまり川内に関して言及してこなかったな。もしや他の艦娘には周知の行動なのか?傍迷惑過ぎんよ~



つーかこのまま執務とか頭おかしなるで。朝食もやはり王道を征く、間宮さん伊良湖さんの…






霞「ほら、朝食なら持ってきたから早くしなさい」ガシ


提督「へ?」ズルズル







なんだお前!?離せコラ!流行らせコラ!俺は食堂に行くんだ!つーかここまで騒いでて川内は起きる気配無し!紛うことなき夜型サイクルって、はっきりわかんだね。







提督「ちょ、資料…」


霞「後で持ってくるからあんたは私が持ってきた朝食を取りなさい」


提督「」






マジなんなのこいつ。俺のお袋より強引なんだけど。




ズルズルと引きずられ執務室へとたどり着くと、曙も満潮もスタンバイしていた。心做しか少しばかり不機嫌そうにしている。



そりゃだらしねぇ♂提督と顔合わせんのは嫌だろうけど、そんなに嫌うなら来なくていいから…







曙「ふん、一人で起きられないのかしら?クソ提督」


満潮「さっさと書類進めるわよ」


提督「」





畜生言いたい放題だな君たち。元帥の言うことが本当ならこれやる度に雑務が回ってくるんだよな。やりたくねぇ。



どうにかして戦術の勉強したい所さんだが…そ、そうだ!いい考えがある!







霞「ほら、資料」ドサッ


提督「よ、よし、じゃあ書類の方をやっててくれ。俺は…」


曙「は、はぁ!?これ全部!?」


提督「俺は他にやる事があるから…」


霞「ぜ、全部丸投げ!?ほんとクズね!」


提督「そ、それならやってくれる子を呼ぶから」


曙「は?そんなん居ないでしょ」


提督『…えー、潮、初雪、羽黒、至急執務室へ来てくれ』ポチ


曙「は!?」







羽黒「は、はい、何でしょうか!」ドタドタ


潮「う、潮、来ました!」ハァハァ


初雪「…」ゼェゼェ





曙「う、潮!?何で!?」


提督「すまない、本日中に済ませるべきものだけをやってくれないか」


羽黒「り、了解です!」テキパキ


潮「やります!」ガサガサ


初雪「…がんばる」


提督「ありがとう」







ふふふ、こんな時にかつて執務を教えた甲斐があったというものよ。流石に執務の邪魔はしないだろ。完璧な勝利だっ!






満潮「…はいはい、私らはお払い箱って事ね」


提督「…やる気があるなら、羽黒たちを手伝ってやってくれ」


満潮「っ」







満潮は他の2人と比べたらまだマイルドな方だ。だが自分が用無しだと思い込むと明らかに拗ねるところがある。



そこを少しつつけば多少の抵抗を見せてくれるだろうと踏んだが、どうやら当たりのようだ。目が泳いでるぞ。



そして、満潮がここで乗っかれば…







満潮「…羽黒さん、少しやります」


羽黒「は、はい、どうぞ」


曙「っ…う、潮」


潮「わかってるよ曙ちゃん」


霞「んぐぐ…は、初雪」


初雪「…ん」


霞「ちょ、ちょっと多いわよ!」


初雪「…お助け料百億万円ローンも可」


霞「冗談言ってないで少しはやってよ!」







ふはは、他の2人も便乗してしまうのだ。負けん気かプライドを触発されたか、まあどちらでもいいが性格の把握は重要なのだよワトソン君。



ともかくこれで心置き無く資料を読み漁れるが…や改めて見返すと殆ど元帥が考案、執筆したやつばかりだ。



戦術指南書も元帥が考えたトリッキー戦法が多くを占めてる。ほんと何者なんだよあの人。




しかし学ぶ事は極めて多い。ここに記された戦法を更に応用し、戦局を有利にすればきっと元帥も評価してくれるはずだ。



問題はそのアイデアを俺が生み出せるかどうかだ。一歩目からつまづいてんなお前な。



アイデアってのは気まぐれな天使みたいに、突然舞い降りてくるもんだ。今はその時じゃないと思いたいが、果たして俺にビビっと来るのか。







***








珍しく長々と文字を見続けていたような気がする。本当に為になるものを見てると集中力は続くんだな。



得たものは多かったが、俺がモノにできたかで言えばそんな事はなかった。書いてる事全部目からウロコだったし。



軍学校で教わったのは既存…いや、年寄り共の固定観念だけだったのか。真面目に聞いてて損した気分。



今の状況で俺から出るのは突拍子も無いものだけだ。こういうのはまず文献を再現してそこから改良点を見つけるしかない。そうと決まれば…






提督「よし、出撃させるか」


羽黒「へ、編成は」


提督「これで」ペラ


羽黒「伝えてきます!」ドタドタ






そんな元気いっぱいに行かなくてもいいから…急いでないし。メンバーもバーサーカー揃いだから負けはしないだろ。ちゃんと指示通り動くか知らねぇけど。






提督「じゃあ俺、司令室行ってくるから…」


霞「あ、待ちなさいよ!執務は」


提督「今日の分だけでいいから」


初雪「…まだ終わってないけど」


霞「あ…わ、わかった、やるから!」






よしよし、途中で投げ出すはず無いからな。曙と満潮も動く素振りを見せない。久々の一人の時間だ。




司令室は…誰も居ない。素晴らしい。後は文献通り司令を全うすればいいだけだ。







***














『戦闘終了、こちらの損害無しです』


提督「了解、帰投せよ」






おほ~^こりゃすげぇ。戦局がまるで手の平の上で繰り広げられてるようだった。あの人マジもんの天才だな。



さて、問題はこっから改良点を見つけ出す事だ。そうすりゃ元帥に近付くことも…






元帥「どう?(答え)出そう?」


提督「ダメみたいですね…ファッ!?」


元帥「やっぱりな♂俺の思った通り動いてやがる」


提督「い、いらしてたのですか…」


元帥「今来た」





ほ、ほんと心臓に悪いぜ。海軍トップが誰にも気付かれずに司令室に忍び込めるのか…あ、そういや元帥も提督時代は俺と同じだったんだっけ。







元帥「脳筋のお前ならまず俺の真似をしてくると思ったが、本当そのままだったな」


提督「うごっ…」


元帥「まあそれはいいや。聞きたいのは…この戦術はこれっぽっちも思い浮かばなかったか?」


提督「…恥ずかしながら」


元帥「やっぱそうか。軍学校の指導官変えるか。あいつらジジイ共寄りだし」


提督「は、はぁ」


元帥「いいか提督よ、昔からの慣習もそりゃ大事だが、今相手にしてる奴は人間とは違うだろ。そういう奴らにゃ常識なんざ通用しない」


提督「は、はい」


元帥「ジジイ共は戦争の要を忘れて弾薬ブッパすれば勝てると思い込んでやがる。そんなんじゃいつまで経っても俺らは呪いから解放されねぇ。大事なのは情報だ」


提督「はい」


元帥「んでもって情報はコツコツ集めろ。もう洗い出せねぇと分かったらそっから確実に勝てる戦略を立てるんだよ。ジャンケンの手は分かってる方がいいだろ?」


提督「そ、そうすね」


元帥「俺がやったのはそんなもんだ。お前も出来るだろ」


提督「…は、はい」







あ、あれ、そうだったの?戦術の勉強だけして後は全部天才的な閃きで成り上がったもんだと思ってたが、思ってたより地道な努力をしてたのか。



そっかぁ、海軍上層部というか、年寄り共は俺より脳筋だったのか。これもしや俺普通に元帥になれんじゃね?






元帥「おっと、俺の後を任せるにはまだ不十分だ」


提督「へ?」


元帥「俺の後任基準はセンスだ。ジジイ共と同じ思考回路なら俺は死んでも譲らねぇよ」


提督「は、はい。ですが…」


元帥「そう簡単にセンスは磨けねぇ。ならどうする?俺と同じ目線に立てるようになればいいだけだ」


提督「そ、それはどうすれば…」


元帥「そうさなぁ、戦術の勉強すれば?」


提督「うっ」


元帥「幸いテキストはあるようだし、全部暗記出来りゃ大丈夫かな」


提督「ぜ、全部ですか!?」


元帥「大丈夫だって安心しろよ~、難しく考えるな。書いてあることはちゃんと読めば案外単純だから」


提督「…」


元帥「そんじゃ、後釜が先になるか、俺の後釜になるのが先か、頑張れよ~」スタスタ


提督「あ、お帰りになるのなら…」


元帥「見送りは要らねぇ」







霞「こ、このクズ!全部押し付け…だ、誰よ!」


元帥「おっと…」


提督(何でこのタイミングで来るんだよぉぉぉぉ!!!)ウボァー


霞「…クズ司令官、こいつ誰」


元帥「…あ、そっか。私服だった」


霞「は?」


提督「お、お前…」ビクビク


元帥「まーまー、俺まだ若いし舐められるのも当然だわな。気にすんな」ワハハ


霞「ちょ、司令官、説明しなさいよ!」


元帥「ふーむ…ククク」スタスタ


提督「あっ⋯⋯(察し)」






うおおおおおおお!!元帥がとても気味の悪い笑みを浮かべてる!絶対悪い事考えてやがる!



ここんとこまともに話してくれるから安心してたが元々こういう人だったの忘れてた。何されるかこれもうわかんねぇな?






霞「…で、あの人誰よ」


提督「…元帥だよ」


霞「はぁ?」


提督(信じてないがこれでいいのか元帥…)


霞「そんな嘘誰が信じるのよ。それより書類終わったから署名しなさいよ」ガシ


提督「あ、はい」ズルズル






うーん、やる事が決まったのはいいが、丸暗記かぁ。ガムシャラになれば何とかなるって、それ一番言われてるから。



…あと、霞を含む例の3人をどう対処するかも問題だなぁ。







霞「ほら、連れてきたわ」


曙「こ、このクソ提督!面倒だからって書類全部押し付けるな!」


満潮「…ふん」プイ


提督(め、面倒だからじゃねぇし、他を優先しただけだし…)


提督「…あれ、他の3人は?」


曙「シカトすんな!」ゲシ


提督「ウィッ!?」


満潮「…もう上がったわ。それと、初雪がご褒美くれるとか言ってたんだけど」


提督「え」


霞「ま、そうよね。あんだけ押し付けたんだから」


曙「ふん、半端だったら許さないから」


提督「えぇ…」






初雪め、余計な事を言いおって…この子たち何が望みなんだろう。俺の命かな?



冗談抜きでわかんないが、そういう時は甘味で何とかなるはず。これは俺の意思と言うより、経験則というか、どこか遠くからの助言のような気がする。




俺は財布と相談し、甘味を奢った、結果的に3人は満足したようだが、毎回これだと金欠まっしぐらだ。またお財布素寒貧は勘弁して欲しいなぁ。



というかさっき曙に蹴られたがあれ艤装展開してたら確実に粉砕骨折だったな。やられたと思って変な声出たの死ぬほど恥ずい。






そして日は落ち、再び登るのだ。またあの3人を携えて。これならまだ羽黒たちに来て欲しかったなぁ…











アニマルパニック









元帥『おっす、生きてるか』


提督「…はい」


元帥『まあ生きてて当然か。あと少しで一年経つお前に良いニュースと悪いニュースがある』


提督「…洋画みたいな言い回しっすね」


元帥『どっちから聞きたい?』


提督「悪いニュースからで」


元帥『お前んとこの後任はまだ決まってない』


提督「うぐっ…い、良いニュースは?」


元帥『しんへの中に妖精を視認できる奴が見つかった』


提督「ま、マジすか!」ガタン


元帥『マジ。でも視認だけじゃ妖精に選ばれたとは言えない。見えるヤツ自体はそう少なくないからな』


提督「…はぁ」


元帥『ま、もしそのしんへも呪われてたらそこに着任させるようにしてやる』


提督「あ、ありがとうございます」


元帥『…』ブツッ







…あれから数ヶ月、例の三人衆に調教(罵倒)されつつ戦術を勉強し続けた。全暗記とまでは行かなかったが、元帥の考え方は理解し始めた気がする。



そしてついさっき、元帥から連絡があった。俺と同じ運命を辿るかもしれない、哀れな新兵が見つかったのだ。俺は後任候補が見つかったと聞いた直後は嬉しかったが、すぐに自分を恥じた。



最後の元帥の沈黙が俺を諭してくれたようだった。申し訳なさで一杯だけど、綺麗事を抜かせるほどの余裕も無いのだ。当事者でない者には決して理解されることの無い、逃げ道の確保なのだから。



まあこっからは耐久レースみたいなもんだ。俺の気力もだいぶマシになったし、戦術の開拓を優先していけば、鎮守府から離れられる事間違い無しだろ。





また、あの三人が執務をしている間、俺は全く怪我をしなかった。勉強中に艦娘が乱入する事はあったが、あの三人が姿も相まって強固な壁となってそれを防いだのだ。





霞「は?」


曙「は?」


満潮「は?」







別にディスってるわけじゃねぇから。ウォール・カスミが破られても、ウォール・ボーノがある。更に破られようともウォール・ミッチーがいる。まるで獲物を守る猛獣の如く、侵入者を追い返すのだ。



追い返した後は何か知らんが俺に矛先が向く。それ自体はもう慣れたし適当に流せば問題無いんだが、一筋縄で行かない艦娘がいるわけだ。



そう、動物のような艦娘、アニマル艦だ。そいつらだけは三重の壁をしぶとく突破しようと試みているのだ。戦士かな?



その筆頭は紛れもなく、やつさ。








夕立「提督さん!また大勝利っぽ~い!」ドアバ-ン!


提督「あわわ…」


夕立「提督さんの作戦すっごく冴えてるっぽい!凄いっぽい!」トテトテ


提督「」ガクブル


夕立「夕立頑張ったからご褒美欲しいっぽい!」






ちなみに三人衆は出撃と遠征に回ってここには居ない。ローテーションだから仕方ないとはいえ、再びあの頃のトラウマが蘇る。こうして二人で対峙するのはあの頃以来だが…







提督「ほ、褒美?な、何だ」ビクビク


夕立「んーと、その前に労って欲しいっぽい」


提督「え」


夕立「なでなでっぽい!」ズイ


提督「ンヒッ!い、いきなり寄るな」ビクン


夕立「撫でてくれたらご褒美考えるっぽい」ワクワク





こ、こいつ図太すぎる!お前これ俺にした事全部忘れてやがんな?頭に来ますよ!



見たとこ艤装展開してないけど怪我したくないから撫でるけどね。トラブルの元はとっとと解決するに限るからね。






提督「」ナデ


夕立「ふぁぁ…久しぶりかもっぽい」ホワホワ


提督(もういいかな)パッ


夕立「あっ…」ポロ


提督(え、えぇ…まだっすか…)


夕立「お、お願いっぽい…もう少しだけ…」フルフル


提督「…」ナデ


夕立「ずっとやってもらえてなかったし、会ってなかったからもう少しだけ…」ブルブル


提督(そりゃそうだよ意図的に避けてたし)


夕立「撫でられてると何か…幸せっぽい…」ブルブルッ


提督「…はっ!?」






ふと俺は、夕立の何気ない仕草に悪寒を感じた。蘇る昔の記憶、その中で夕立のそれに酷似した動きを見せる者が居た。



それは我が家に住まう愛犬だった。幼い頃から共に育ち、可愛がってきた愛犬が、久しくあった時に撫でた後、ブルブルと震え、嬉ションをした記憶と一致したのだ。



夕立と愛犬の顔立ちは全く以て似てないが、あの時の愛犬の蕩けた顔と、今の夕立の恍惚とした表情が重なった。



よく見ると髪の毛の一部も犬耳みたいに垂れ下がってるし、俺に対しての接し方も正にわんこ。トラウマの植え付けを行う♂をされてたから避けてたが、ここにきて更なるアニマル要素に気付かされるとは。



んなこた今はどうでもいいんだ。このまま撫でると恐らく夕立は嬉ションする。そんなの有り得ないと思いたいが、それこそ有り得ないと思ってしまう。






提督「も、もういいだろ」


夕立「ぽい…」シュン


提督「ほ、褒美って、何がいいんだ」


夕立「ええと…遊んで欲しいっぽい!」


提督「えぇ…」





遊ぶって何すんだよ…命懸けの遊びとか精神すり減る~^



ここで再び昔の記憶がフラッシュバック。我が家のわんこは確かフリスビーが好きだったな。



流石にフリスビーは無いからボールでも見つけようか…





提督「…俺は何をすれば?」


夕立「んと、外で遊ぶっぽい!」


提督「外…」


夕立「早く行くっぽい!」グイグイ






外に出たがる…やはり犬だな!俺は鎮守府の外に出たいけど。






***







時雨「どこへ行くんだい?」


白露「あっ…」


村雨「夕立とデートかしら?」ウフフ


提督「」


夕立「あ、みんな!」






外に出る前に白露たちに見つかってしまった。みんな耳みたいな髪をフリフリ揺らしている。時雨に至っちゃアホ毛が千切れそうなぐらいビンビンでいらっしゃる。



思ったが白露たちは共通して犬耳みたいな髪あるし全員犬なのでは?他にも犬っぽいやついるけど集中しているのはこいつらだけでは?



犬に限らずアニマル艦娘は他にもいるけど動物特有の察知能力があるから割愛させてもらう。






時雨「どこに行くんだい」


夕立「お外!」


時雨「ふーん…」


村雨「それなら一緒に言ってもいいよね?」


夕立「うーん…提督さん、いい?」


提督(どうせ拒否権なんか無いんだよなぁ)


白露「…」モジモジ


提督「白露は行きたくないなら…」


白露「え!?い、いや、行く!」


提督(ずっと俯いてたのに食い気味っすね…)


夕立「それじゃー外行きましょ!」







外行くっつってもどこ行くんだよ。正直全力ダッシュで置き去りにして逃げたいんだけど。







時雨「な、なら、僕行きたいとこがあるんだけど」


夕立「流石時雨っぽい!」


時雨(こ、こんな事もあろうかとリサーチしておいて良かった!)


提督(…まあいいか、こいつらの要求飲んで耐え続けていけばいずれ出ていくし)









***







提督「ドッグカフェ?」


時雨「そ、そう。提督、執務ばっかりでストレス溜まってそうだから、どうかなって」


提督(ストレスは主にお前らから来てるんだよなぁ)


時雨(で、出来る女アピール…!)


村雨「ドッグランも併設してあるのね」


白露「…」モジモジ


提督「…まあいいよ」






時雨に先導され、ドッグカフェに入る。ペット居ないけど入って良いものかと思ったが、店内に犬が何匹かいるようだった。



ひょこひょこ歩み寄るわんこは可愛いなぁ。こっちの犬もどきと違って大怪我させられる心配もないし、安心する。






夕立「むー、提督さんこっちも構うっぽい」


提督「えぇ…」


夕立「ガルル…」






ぽいぬめ、犬に威嚇し始めやがった。店のわんこも唸ってるし。



時雨にたちもなんか他のわんこに唸られてるし、何したの。俺には尻尾ブンブンしまくってるんだけど。






提督「やめろって」


夕立「提督さんもじゃれ過ぎっぽい!元々は夕立のご褒美っぽい!」


提督「外で遊んでこいよ」


夕立「むー!」


提督「犬も連れてっていいから」


白露「わ、私は飲み物飲みたいかなぁ」


提督「じゃあ他3人はドッグランを好きに走り回りなさい」


夕立「絶対夕立が勝つっぽい」


提督「艤装展開したら外出禁止」


時雨「…夕立」


夕立「分かってるっぽい!」


村雨(…あれ?村雨も走る感じ?)







よしよし、面倒な夕立を外に出せた。ほんとに走り回ってるし。夕立は追っかけて、時雨と村雨は追い掛けられてるってところか。





提督「止まるんじゃない、犬のように駆け巡るんだ」


夕立「ぽいい!!」


時雨「ちょ、待って」


村雨「」






わはは、白露は至って大人しいし、他は犬と追いかけっこしてるから平和だ。他の犬がやたら懐いてるのは少し分からんが。



まあ実家の愛犬にはもう会ってないし、もしかしたら死んでるかもしれないし、匂いも取れてるのかな。そう思うと少し悲しいなぁ。



提督辞めたらまずは実家に帰ろう。そんでもって愛犬がもし死んでいたら供養しよう。他にもやりたい事はあるがそれは後回しだ。






白露「あ、あのさ提督」


提督「ん」


白露「提督って、犬が好きなの?」


提督「うん、大好きさ☆」


白露「へ、へぇ~」


提督(…何だ?)






それにしてもよそよそしいなこいつ。長女の大人しさとは違う別の何かだ。さては犬が嫌いだったか?



見たところアレルギーでは無いようだが、嫌いなら仕方ないね。てっきりこいつも犬耳みたいな髪があるから同族だと思ってた。



俺に害を与えないなら別に避ける必要無いからね。先に退避させてもいいかな。





提督「んじゃ帰るか」


白露「へ?」


提督「お前たち、帰るぞ」


夕立「ぽい!?」


時雨「えっ」


村雨「は、走り損じゃないですか…」


夕立「もう犬はいいから早く構うっぽい!」


提督(とっとと戻って締め出そう…)





そう思ってたが、帰りにお土産という名のおやつを大量に買わされた。カフェ代なんか余裕で超える量だった。



マジで金節約しないとなぁ。あんまりこうして使ってると他の艦娘からもせびられて…






***






卯月「あ、どこ行ってたぴょん!?」ガサッ


時津風「夕立たちとお出かけしてたよねー?」


提督「なんのこったよ」






卯月に時津風…こいつらもアニマル艦娘としちゃかなり顕著な方で、鬱陶しさで言ったら夕立以上かも知れん。



俺のとぼけ方が下手くそなのもあるが、こいつらも妙に鋭い察知能力がある。アニマル特有の野生の勘やめろ。






時津風「しれぇさ~、ずっと避けてたのにいきなりデート行くの~?」


提督「ち、ちげぇし」


卯月「というか白露ちゃんたち連れて外出してった所みんな見てたぴょん」


提督「ファッ!?」


時津風「依怙贔屓は良くないんだぞ~!」ガルル


卯月「うーちゃんもデート行きたいぴょん!」


提督「嫌です…」


時津風「何で?」


提督「お前ら連れてくと絶対けんへに捕まる」


時津風「意味わかんないよ~」


卯月「白露ちゃんたちはセーフなの?」


提督「けんへ居なかったし…」


時津風「やっぱ依怙贔屓だー!」


卯月「理不尽ぴょん!」


提督(こっちのセリフなんだよなぁ…)


時津風「これはお仕置きしないとね~」ガシャン


卯月「裁判ぴょん!」ガシャン


提督「は?」





ちょ、何で艤装展開してんの。俺をどこへ連れてくんだ!



ジタバタしても離してもらえねぇ。何故か他の艦娘が見当たらない。もちろん間宮さんと伊良湖さんも。悲しいなぁ。






時津風「着いたよ~」ガチャ


提督「は?」


卯月「連れてきたぴょん!」






そこは大会議室。中には大勢の艦娘…いや、アニマル艦であろう艦娘がいた。



ちなみに中心に白露たちが座っていた。マジモンの裁判するつもりか?






時津風「えーそれでは、しれぇの依怙贔屓事件の裁判を執り行いま~す」


「ワ-ワ-!」「ニャ-!」「クマー!」「ピョン!」


提督「動物裁判だ…(開廷)」


時津風「えーと、しれぇは白露ちゃんたちと外出したよね?」


提督「…うっす」


時津風「白露ちゃん、どこ行ったの?」


白露「え、えっと、ドッグカフェです」


時津風「えー!?ドッグカフェ!?」





朝潮「司令官!朝潮に飽きてしまったのですか!?」


不知火「不知火は悲しいです。浮気ですか」


足柄「狼じゃダメなの!?犬の方がいいの!?」


提督「い、いや、時雨が…」


時雨「そ、そうだよ!僕がリサーチしたからだよ!僕が悪いんだ!」


提督(おお、忠犬…)


初月「時雨、何故そんな暴挙を?」


時雨「そ、それは…」


村雨「犬に紛れていちゃつきたかったからです!」


時雨「!?」


夕立「提督さんは頼めばやってくれるっぽい!」


提督(頼む以前に無理やりやらせようとしてきただろお前)


時津風「えーと、つまり、イチャつくためって事でいい?」


時雨「は、はひ…」ズ-ン


時津風「あたしも行きたかったー!」ガルル






多摩「何故猫カフェじゃないのニャ!」バンッ!


提督(ツッコミどころさんそこかよ)


親潮「そ、そうですよ!何故犬なんですか!猫カフェいいじゃないですか!」


提督(お前どっちかって言うと犬っぽいと思うんだが…)


卯月「うさぎカフェじゃないなんて有り得ないぴょん!」


提督(獣臭そう…)


潮「う、牛カフェ…」


提督「え、何それは…」


時津風「えーと、何故猫カフェじゃなかったの?」


時雨「て、提督は猫より犬派かなって…」


磯風「おお、分かってるじゃないか」


島風「犬より早いもん!」


提督(あれ?話題がズレてきたぞ?)


球磨「熊カフェはないのかクマ?」


鬼怒「鬼カフェは!?」


提督(んなもんねぇだろ…)


夕張「メロンカフェはー?」


提督(動物ですらねぇ!)


天龍「おいおい、ドラゴンカフェがねぇじゃん」


提督(何言ってんだこいつ…)





最早裁判どころじゃなくなっている。自分のモチーフ動物と同じカフェに行きたいみたいな感じになっている。



本来傍聴側は静かにしてるはずなのに俺らよりおしゃべりだ。そもそもこんな急いで作った場でちゃんと裁判が機能するはずないと思っていたが、これただの座談会だな?






提督「お、おい」


時津風「何さしれぇ」


提督「け、結局、裁判はどうなったんだ?」


時津風「おーそうだった忘れてた。どうしよっか」


提督「えぇ…」


球磨「とりあえず依怙贔屓は良くないクマ。次は球磨の番クマ」


多摩「ねーちゃん抜け駆けは良くないニャ」


提督「いやもう行かないって」


磯風「司令、それではフェアじゃないだろう!」


提督(こいつどの面下げて言ってんだ…?)


隼鷹「あたしゃ呑めればどこ行ってもいいよ」


提督「なんだお前!?」


時津風「とりあえずさー、依怙贔屓したのは事実だからさー、他の子にも同じように外出したらいいんじゃない?」


提督「やめちくり~」


時津風「だから何でさ」


提督「お前ら俺に怪我させまくっといて神経太過ぎんよ~」







そうなんだよ。省略しているが色々やられてるんだよ。今回のはトラブル回避の為に動いただけなのに一難去ってまた一難とか頭に来ますよ!







提督「つーか外出したいなら言えばいいのに」


時津風「わかってないなぁ、しれぇと行きたいんだよ」


提督「知wらwなwいwよw」


時津風「そーいう事言うと叩くよ」


提督「えぇ怖いやめてください…」


時津風「ならさ、デート、行くよね?」


提督「嫌です…」


時津風「は?」


提督「今回は特例であってこれからはやらないって」


白露「」ズ-ン


時津風「ひどいよー横暴だー!」


「ワ-ワ-!」「ニャ-!」「クマ-!」「ピョン!」「ウホウホ!」





まーた騒ぎ始めた…だから俺はもうデートなぞ行かんわ!間宮さんと伊良湖さんは話が別だが。



…ん?さっき居なかった鳴き声が聞こえるんだが。





「ウホウホ!」





ほらやっぱり聞こえた。うちにゴリラなんていたか?というかこんなはっきりウホウホ言うゴリラが居るか。





「ウホウホ!」


提督「…ちょ、待って」






…あれ?何か本物のゴリラがいるんだけど…あれ?何で?



いや待て、よく見ると頭になにか付けてる。どー見ても長門型のそれなんだが…






「ウホウホ!」ドドドド


提督(ドラミングしてる…)


「ウホホー!」ドドド


時津風「長門さーん、言いたいことはわかるけどちょっと落ち着こうよー」


長門?「ウホ」ピタ


提督(分かるのか…)


長門?「ウホホ」


提督「日本語で喋って、どうぞ」


長門「すまん」


提督「えぇ…」


時津風?「ワン…」


提督「どういう事なの…(レ)」





今度は時津風が犬になってる…あ、あれ?



周りにいた艦娘が…本物の動物になってる…?





「ワンワン!」「ガルル!」「キシャー!」





提督「えーと…そ、そうだ、白露たちは」


白露?「クゥ-ン…」


時雨?「ハッハッハッ」


夕立?「ポイ」


村雨?「…」クンクン


提督「は、はは…嘘だろ…」





ちょっとマジで意味わからねぇ…何でみんな動物になってんの…俺だけ人間だと逆に怖くて狂いそう…!



艦娘って獣化するもんなのか?俺これからどうなるの?八つ裂きにされんのか?これが本当の動物裁判だ…!



いや俺もう大いに戦慄ですよ。目の前がぼやけてきた。脳みそが理解の範疇を超えた光景に耐えきれず、思考力と五感の放棄を選択した。



俺は棒切れのように倒れたが、身体を打った痛みは感じなかった。薄れゆく意識の中、白露たちだった犬や、猫、鶴、狼、ゴリラ、その上にとぐろを巻きながら飛ぶ龍が見えたような気がした。







***








「おい、起きろ」ペチ


提督「クゥ-ン…ファッ!?」


元帥「これからお前の結果を知らせるってのに居眠りとは余裕だな」


提督「す、すいません…」






あれ…何だ、夢だったのか。それに俺は…そ、そうだ。俺はついさっきまで元帥の試験を受けてたんだった。



試験っていうか、面接…いや、面談みたいな感じだったな。問いに答えるだけ。



果たして元帥の思惑通りの答えが出せたのかは分からんが…それにしてもあの夢は一体…







元帥「…んで、お前をどうするかだが…」


提督「え、は、はい」


元帥「…ま、後を任せても大丈夫そうかなって」


提督「ほ、本当ですか!」


元帥「及第点ってだけだ。引き継ぎまでに仕上げるからな」


提督「あ、ありがとうございます!」






よ、よっしゃあ!成し遂げたのか!俺は遂に現場から抜け出せる!



ここまで長かったなぁ…初めは電の体当たりから始まったっけなぁ。あれから何度も死にかけたなぁ。



色々と感慨深いが、それは後でも思い起こせるから今だけはやり遂げたという達成感に浸りたい。





元帥「そういや指輪渡した娘はいんの?」


提督「いえ」


元帥「ふーん…ま、いいか」


提督「ここだけの話、渡したい艦娘は居ましたけど…」


元帥「どーせ間宮と伊良湖だろ」


提督「ファッ!?」


元帥「バレバレだっての」


提督「うぐぐ…」


元帥「ま、渡してないなら同伴も出来ないから俺みてぇに独り身で頑張りな」


提督「あ、あの、指輪自体は支給されるのでは?」


元帥「お前から任務受理されねぇからいらねぇもんかと思ってた」


提督「え」


元帥「…ま、今回は特例だ。よくあの戦術指南書を暗記したな。ご褒美だ」ポイ


提督「ちょ、投げないで下さいよ」


元帥「…まあ、今間宮か伊良湖に渡したら本当に死ぬかもな」


提督「っ…!」


元帥「俺は『運悪く』生き残ったけどな。よく考えとけ。じゃあな」スタスタ


提督「あっ…」







運悪く…か。薄々ながら何があったのか察しがついた。という事は…相手がいないってことはそういう事なのか。



詮索はやめておこう。だがあの一言で指輪を渡す勇気が無くなってしまった。死なないと言われてるが、肉片になってまで生きようとは思わない。



そもそも俺の目的はあの鎮守府から離れる、若しくは辞める事なんだから、それ自体は達成したんだし、これ以上深追いする必要無いだろ。



とりあえず、この事は鎮守府の皆に伝えよう。何をされても、その時だけの苦痛と割り切ればいいのだから…






***







提督「…というわけで、数ヶ月後には新たな提督が来るだろうから」


大淀「」


提督「…大淀?」


大淀「…え、は、はい…おめでとうございます…」ズ-ン


提督「それじゃ、皆に伝えといて」






大淀は肩を落として出ていった。まあ叩き慣れたサンドバッグがいなくなるから寂しいんだろうね。



新しい提督くん何ヶ月持つかなぁ、多分元帥もこんな事思ってたんだろうなぁ。



…あれ?何だこの違和感は…







電「じ、じれいがんざん!」ドタドタ


提督「うぉっ」


電「で、出ていくって本当なのですか!」ビエ-


提督「んまぁそう…」


電「い、電のせいですか!?電があの時、司令官さんを怪我させたからなのですか!」ビエ-


提督「そ、そういう訳じゃないけど」


電「司令官さん…いなくなっちゃうのですか…」ポロポロ


提督「うぐっ…」





正直電から始まったとは言ったが、電は最初の一回だけなんだよね。それからは他の艦娘の仕業なんだよね。



そう思うと避けてたのに少し罪悪感を感じてしまうが、仕方ないね。






白露「て、提督!いなくなるってほんと!?」


足柄「元帥にいきなり昇進ってほんと!?」


霞「いきなり昇進って何したのよ!」






三人が同時に俺の元へ殴り込みの如く駆け込んできた。それに続き、他の艦娘も同じような事をいいつつやってきた。執務室に入り切ってない。



皆の言い分を聞いてる余裕は無く、艤装展開されてるかどうかしか頭に無かった。






提督「み、皆落ち着け!言いたいことは山ほどあるだろうが、元帥が直々に後任に選んで下さっただけだ」


提督「とにかく、新任の提督の引き継ぎが終わるまでは俺もまだここにいる。それからは新たな提督と共に海を守ってくれ。俺からは以上だ」


艦娘『…』


提督(え、何)


艦娘『…』トボトボ


提督(ん…?やけに大人しく帰ってくな。ままええわ)






医務室送りを覚悟してたが、何も無くてよかった。さて、俺は引き継ぎ用のマニュアルでも作っておくか。とっとと出ていきたいからね。



…しかし、指輪はどうしようか…












数ヶ月後…









新提督「…はい、これで引き継ぎは終わりでしょうか」


提督(元帥)「ああ、これで問題ないな」


新提督「ありがとうございました。元帥直々に指導頂き光栄です」


提督「はは…言ってもまだ俺も君と同じくなったばかりだけどな」


新提督「いえ!自分は同じ扱いをされるほど立派ではありません!歴代最年少で昇進した元帥ほど…」


提督「…ま、それはいいや。困った事があったら迷わず言いなさい。それではね」


新提督「は、はい!」キリッ







引き継ぎも難なく終わり、遂に俺はこの鎮守府を去る。自由とは言い難いが、それでも怪我しないだけ有難い。



元帥の引き継ぎの方は、俺の要領が悪くて時間が掛かった。バカでごめんね、脳筋だから許して。






元元帥「終わったな」


提督「はい」


元元帥「それじゃ俺はお役御免ってこった。先に内地に逃げさせてもらうが、悪いな」


提督「いえ」


元元帥「…出来れば戦争を終わらせてほしいもんだ。頼むぜ」スタスタ


提督「…そうっすね」







そうだな…まだ戦争は終わってない。だから元帥もリタイアしたけど、呪いには囚われたままだ。



寿命まで死ねないという辛さはまだ分からないが、平穏な隠居生活になってくれることを祈るばかりだ。



そして俺は大本営に籠ることになる。膨大な書類と、他の将官らの管理をしていかねばならない。



次の目標は俺も還暦までにリタイアかなぁ。










そう思ってたが、数ヶ月後、事件は起きた。










提督「…はー、あいつらマジで老害だなぁ」ブツブツ


憲兵「失礼します」ガチャ


提督「ん?どうした」


憲兵「○○鎮守府…元帥殿が以前着任されていた鎮守府の提督の件です」


提督(…ヘルプかなぁ。俺と同じぐらいか)


憲兵「工廠視察の際、溶鉱炉へ誤って転落し、事故死したようです」


提督「…何?」


憲兵「溶鉱炉に落ちてしまい、遺留品の回収も不可能となっています」


提督「…マジ?」


憲兵「マジです」


提督「…臨時の提督を立てなければ」


憲兵「現在艦娘に取り調べをしてるところです。それでは」







ちょ、マジかよ!まだ半年も経ってねぇのに!流石に溶鉱炉に落ちたら黒焦げどころか骨すら残らないが…



…溶鉱炉は何度か見たことがあるが、転落防止用の鉄柵とかかなり厳重なんだけど。もしや耐えきれず自殺を選んだか?


いや、十分に有り得る。呪いについては一回も言わなかったが、恐らく俺と同じように何度も重傷を負ったはずだ。それから何かを察して…というパターンか?



ええどうしよう…早速後釜くんがいなくなっちゃった。とにかくこれについては緊急招集を掛けて臨時提督の会議をしなければ…








大将「あの鎮守府は元々元帥の居た鎮守府なのでしょう?戻られてはどうですか」


提督「え」


中将「それはいいかもしれませんのう。儂が若い頃は元帥であっても現場に居たからのう」


提督「ちょ」


大将「おや、何か不都合な事でもおありでしたか?」


少将「現場に立って貰えたら、他の鎮守府や艦娘たちの士気も上がる事間違いなしでしょう!」


「そうかもしれないなぁ…」「それがいい!」ザワザワ


提督「い、いや、私にも仕事が…」


大将「ご安心なされ!それについては我らが多少の肩代わりをしましょうぞ」


提督「そういう問題じゃなくて…」


中将「もし何か不幸があったとしても、我らが何としてでも元帥殿の遺志を継ぎ、戦争を終わりへと導きましょう」


提督「」






こ、こいつらさっきの会議までぶつくさ文句ばっか言ってたのになんだ!?もしや俺を追い出して、あわよくば自分が元帥になろうってのか!?



残念ながら俺は呪いのせいでそう簡単に死なん。だがこいつらの思惑は分かった。他の連中も賛同してるし、やっばこいつら害悪だわ。



…くっそ、またあの鎮守府に戻るのか…







提督「…はぁ、戻ってきちまった」


大淀「…」フラフラ


提督「…」コソコソ


大淀「…提督…?」ピクッ


提督「っ…」コソコソ


大淀「ていと…い、いえ、元帥」キリッ


提督「…いいよ、もうどっちでも変わらんし」


大淀「さ、再着任、ありがとう…ございま…うぇぇぇぇん!!」ブワッ







電「し、しれいがんざん!?」ブワッ


提督「…はぁ」







こうして、俺はまた戻ってきてしまった。再び、地獄の日々が始まったのだ。



大本営の老害共の思惑と、艦娘からの襲撃、深海棲艦との戦い、そして妖精の呪い。四面楚歌のまま現場に立たされてしまった。



実は少しだけ毛が生えてきたんだが、もう落ち始めた。希望は貪られていくものだったのだ。






多分また後釜が見つかったとしても、同じように自殺してしまうだろう…



そう、状況は何も変わってなかったのだ。ただ、俺は仕事が増やしただけだったのだ。結局は、自分の首を絞めただけだった。













…そして、俺も気付いたら溶鉱炉の前に立っていた。











BADEND「苦痛からの解放」










提督「…はっ!?」


元帥「…てめぇ自分の未来が掛かってんのに居眠りたぁ随分余裕だな?」


提督「い、いえ、そんなつもりじゃ…」





ま、また妙に鮮明な…夢…?



いや、何かが違った…前にもあったが、あれは一体…





元帥「ふん、そんなお前に良い知らせと悪い知らせだ」


提督「…またそのパターンすか」


元帥「そうだよ(便乗)」


提督「…じゃあまた悪い知らせからで」


元帥「俺の後任は任せられん」


提督「…そうでしたか」


元帥「その代わり、お前は遂に提督を辞める事が出来る。よかったな」


提督「…例の新兵ですか」


元帥「どうした?もっと喜べよ」


提督「…何か嫌な予感がしますけど、今はそうしときます」


元帥(…ふむ)






元帥の後任からは落ちてしまった…何だろう、受験失敗みたいなわだかまりを感じる。



…ま、いっか!新兵くんが俺の後任になった事だし、ある程度注意させておけばいくらか時間稼ぎ出来るだろ!








***









提督「つーわけで、俺の後釜が暫くしたら来るから」


大淀「…」パタン


提督「お、大淀ぉ!」


大淀「」


提督「気絶している…どないしよ…」







青葉「し、司令官!任期一年なんて嘘ですよね!?」


提督「ファッ!?まだ大淀にしか言ってなかったのにもうバレてやがる!」


青葉「あれ!?大淀さんが…まさか司令官、辞めるからって本性を…」


提督「え、なにそれは…」


青葉「…まあ冗談は置いといて、任期一年っておかしくないですか!?青葉はもっと長く居ると聞いてたんですけど!」


提督「知らねぇよ…」






任期については俺もあんまり話を聞いてなかったから覚えてないけど、そう言う機密情報をなぜ知ってるんだこいつは。



…ま、もう辞めるから何でもいいがな!早く新兵来ないかなぁ。






青葉「司令官のファンブックが更新されなくなるじゃないですか!」


提督「は?」


青葉「もうこの際だからぶっちゃけますけど、司令官の肉体美を写真に収めては他の子たちにシェアしてました!」


提督「」


青葉「しかも次来る司令官はヒョロヒョロじゃないですか!これじゃあファンブックも作れませんよ!」


提督「いやお前それ犯罪」


青葉「みんなにどう言えばいいんですかー!もう言っちゃいましたけど!」バタバタ


提督「えぇ…」






ちょっと意味わかんない…盗撮されてたってこったろ?何してくれてんだあいつ…ヒョロヒョロって言ったが俺基準だとしたらみんなヒョロくなるだろ。



つーか情報が早すぎんよ~もしかして海軍の機密ガバすぎ…?



…もういいや、撮られてんならもうちっとポージングでもしてりゃよかったね(錯乱)



それにしても…顔合わせ辛いんですがそれは…







***






やっぱりあれから怒涛の質問攻めを食らった。俺は適当に返しては泣きつく艦娘をそっと引き離した。



電が特にやばかったね。終始自分のせいと言ってたが、電は最初だけだから何とも言えないんだよなぁ。正直それ以降の艦娘がメインだな。



しかし、間宮さんと伊良湖さんが何も言わず厨房に籠ってしまったのだけ心残りだったな。あの後ろ姿だけはどうにも忘れられない。心が痛いぜ。



だが自由の為なら代償も付き物というものよ。こっから俺は内地で隠居生活だな。まだ20代なんだけどね…



1年は何もせずに食えるだけの金は貰えたから、そっから何をするかを決めていかないとな。そういった試行錯誤は楽しみでもある。



それまで、最後の踏ん張りを決めていかないとな…






***






元提督「引き継ぎご苦労、後は自分の力を頑張りたまえ」


新提督「…あの」


元提督「どうした?」


新提督「じ、自分は元提督のように頑丈でもなければ、辛抱強くありません。それでも大丈夫なんですか?」


元提督「いざとなりゃ元帥を頼ればいい。あの人ちょっとおかしいけど切れ者だから」


新提督「…元提督は、助けては下さらないのですか?」


元提督「…いやーキツいっす(素)」


新提督「…わかりました」シュン


元提督「…全部投げてすまないが、後は頼む」スタスタ







あれから、引き継ぎも難なく終えて、俺は退役した。実家には戻らず、別の土地にある借家に向かった。



本来は実家に戻ろうかと思ったが、毎日手紙と電話が来るようになったらしく、親がめちゃくちゃ心配してきたのだ。ちなみに全部艦娘からのものだ。浮気がバレた後の対応みたいだぁ…(直喩)



だから敢えて別の場所を選んだ。人気はあまりなく、寂しい地域だが俺は満足だった。俺の頭も寂しいままだがってやかましいわ。



とりあえず一年は何もせずにトレーニングだけして過ごして、実家の方のほとぼりが冷めたら帰ろうかな…










と思ってのんびり過ごして数ヶ月後、ある電話が来た。






提督「…はい、もしもし」


元帥『俺だ』


提督「…はぁ」


元帥『お前んとこの後釜、失踪した』


提督「…そうすか」


元帥『いやいや、俺もう無関係だろって話じゃないから。艦娘たちがお前を血眼で探してんぞ』


提督「っ…!?」


元帥『俺は急いで臨時の提督を立てるようにするが、お前に戻る気が無いなら隠れ続けるんだな』


提督「戻る気などありませんよ…」


元帥『おっと、俺は切るぜ。せいぜい見つかんなよ』ピッ







提督「マジか…ひっ!?」プルルルル


提督父『おい、今大丈夫か?』


提督「親父?何かあったのか?」


提督父『ああ、艦娘さんたちが家に来てお前を探してるって母さんから連絡が来た。俺は今職場だからこうして連絡してるが』


提督「ま、マジか…」


提督父『つーかお前戻らねぇのか?』


提督「い、嫌だよ。辞めたくて辞めたんだし…」


提督父『…あっそ。ちなみにお前今どこにいるんだ』


提督「…言いたくねぇ。親父、もし艦娘から教えろって言われても言うなよ」


提督父『言うも何も教えられてないんだから無理だろ』


提督「…不安だから」


提督父『…まあいい。状況が落ち着いたら一度戻ってきなさい』ピッ






やっぱり実家にも押し掛けてきやがったか…行動早すぎぃ!



それにしてもここは俺の経歴からして全く関係ない場所だからまだ大丈夫だろうけど、昔のように警戒を怠らない生活になりそうだな…



バイトなんかしたら即座にバレちまいそうだ。どうにかしないと…ん?





提督「このプロペラ音…ヘリじゃない…まさか!」チラッ







偵察機「」ブ-ン







提督「ウッソだろお前…」






俺は咄嗟に窓から離れ、ちゃぶ台の下に隠れた。あれは艦娘が装備する艦載機…中でも索敵に特化した偵察機だ。



私的使用するまで探すとかあいつら精神状態おかしいよ…とにかく見つからないように息を潜め、空気を乱さない事だ…



あいつらの情報網は伊達じゃないって、辞める前にわかったからな。迂闊に外も出られねぇな…



…これからどうすればいい?本当にほとぼりが冷めるまで、ここで隠れ続けるか?それとも、もっと遠くに逃げて、終戦まで隠れ続けた方がいいか?



結局、俺は辞めることは出来ても、ずっとあいつらに縛られ続けていくしかないのか…?



自由には代償が付き物だとは思ってたが、これ程までに重かったとは…つーか見つかるのが怖いし、そもそも自由じゃないのでは?



…逃げよう。もっと俺が安心して生きられる場所へ。偵察機が来るということは、ここもマーキングしてると言ってるようなもんだろう。



艦載機の飛ばせない夜にしか動けないが、それでも捕まるよりかはマシだ。夜偵まで考えたらキリがないし。



…よし、出ていこう!大家さんに言って俺がいたという痕跡も消してもらい、俺は遠くへ向かう。




…何か夜逃げしてるけど、俺悪いことしてないよな?何故こんな目に遭わなければならないんだ?



どこから間違えたんだ?俺が辞めた所か?俺が提督になった事か?それとも、俺が海軍に入ろうと思った所か?



…妖精の呪いとかいうものさえなければ、もっとマシな人生だったのか?今となっては確かめる術もないが…








あれから何年も経つが、俺はまだ実家に戻れていない。それどころか、あの鎮守府は提督が着任していないらしい。



元帥も頭を抱えてる。妖精に選ばれた新兵が見つからず、後任も立てられない。臨時の提督を立てようにも艦娘が拒否しているとか。



俺はずっと日銭を稼いでは逃げ回っている。まるで犯罪者のように。最近はどこへ行っても空に偵察機が飛んでいる。バレてないかと不安になりながら過ごしている。



今の生活を続けるのは無理だ。しかし見つかればまだあの地獄へ戻される。八方塞がりなんだよ。



…本当に、どうしてこうなってしまったんだろうか…







BADEND「塞がれた退路」








提督「…っ!」ビクッ


元帥「ん、どうした」


提督「い、いえ…」


元帥「まあ今からお前の未来を決める試験の始まりだしな。腹括りな」


提督「…」







また鮮明な夢…いや、夢とは言い難い何かを見た。何となくだが、あれはもしかして…






提督「…あの」


元帥「何だ」ペラ


提督「…すいません、ここまで来てですけど、やめます」


元帥「…ふむ、そうか」パタン


提督「…あ、あれ、怒らないんすか?」


元帥「…上手くは言えねぇけどよ、お前、夢みてぇなやつを見たな?」


提督「っ!?」


元帥「図星か。言うまでもねぇが、俺も経験してるからな」


提督「っ…」


元帥「断定は出来ねぇが、お前の見たそれは恐らく、お前が辿り着く…いや、辿り着いた未来だろう」


提督「み、未来…?」


元帥「ああ。こいつマジで頭おかしいんじゃね?って思っても構わねぇ。でもよ、俺自身そう思わないと話が通らねぇって思ってな」


提督「で、でも、そんな事が有り得たら…」


元帥「なら何故お前は俺の試験を直前で拒否した?ただの夢なら構わないだろ?」


提督「そ、それは…」


元帥「これも推測だがな、他の世界で辿った未来を見せて、同じルートを行かないようにしてんじゃねえかって思う。自分を犠牲にして、他の自分を生かすためにな」


提督「…」


元帥「…まあ真実かどうかはわかんねぇし、お前がやりたいようにやりゃいいんじゃね?」


提督「あ、はい」


元帥「そんじゃ帰っていいぞ。とっとと戦争終わらせるよう作戦練っとくわ」


提督「…了解」







俄に信じ難いが…俺もそう思わないと納得出来なくなってしまった。やはりあれは…別の世界の俺が辿った未来だったのか。



明晰夢であっても時が経てば忘れていくものだが、あの手の光景は今でも細部まで思い出せる。そして、何故かその未来に行きかけると頭より先に身体が拒否反応を起こしてるようだった。



…他にもちょこちょこ悪夢を見たりしたが、あれももしかしたらそういう事なのか?考え過ぎて頭がおかしくなりそうだ…


…だが、自ずと残された道がわかった。やはり妖精の呪いを解くべく、戦争を終わらせるしかない。











神への挑戦








大本営から戻ってきたら、何か艦娘たちが外で待ってた。色々と問い詰められたが適当に返して自室に籠った。目が怖かった。



みんな充血してるし目力が半端ない。今すぐ出ていきたいけど、あの夢のような光景がフラッシュバックする。すると、不思議と外に出ようとする気が失せていった。



やはり信じたくないが、何か別次元の力が働いてるように感じる。こうなると流れに身を任せるしかないみたいだ。



…ん?待てよ?そうなると運命というか、これからの未来は他の俺の働きかけもあるから、耐え切れば何とかなる可能性もある?



…でもそれが結局定年つーか、年老いてまで続いてたら元も子もないな。やっぱ終身提督かもしれないじゃん。



それならとっとと敵を叩いた方がいいが、闇雲に突っ込んで下手打ちたくもない。元帥の作戦と、敵の動きに注意するしかない。










そして数ヶ月、俺が着任して一年以上経った。事態はゆっくりとだが、着実に動き出した。



敵の動きが活発になりだした。元帥は以前から目を光らせてたようで、発覚から程なくして作戦を発令した。ほんとすげぇよあの人。



作戦内容は年寄りにはウケなかったらしいが、俺はイケると思った。やっぱ勉強の賜物なんやなって…



それにしても…このタイミングでの敵発生は何というか、仕組まれてるかのようにも感じる。証拠もなんもないが、そんな気がする。




作戦通りに行きすぎて艦娘からの評価がうなぎ登りだけど全然嬉しくねぇ。スキンシップはヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)



お陰でまた怪我したけど例によってすぐ治る。俺も慣れてしまったのか、ああこの程度か、ぐらいで済ませてしまってる。






満潮「…また頭のおかしい作戦」


曙「こんな作戦でも上手くいってると思うと腹立たしいわ」


提督「…」


霞「これがあんたの立案なら引っぱたいたけど元帥だとね…」


提督「は?」


霞「何よ」






そんでもってこいつらは引き続き勝手に居座ってやがる。つーか俺だったらって完全に舐め腐ってんな?頭に来ますよ!



まあ慣れたもんだよね。悲しいね。手を出したら返り討ちに遭うからね。







大淀「あ、あの、提督」


提督「?」


大淀「わ、私、疑問に思うのですが…な、何故こうも予想通りに事が運ぶのでしょうか」


提督「?」


大淀「ここまで行くと少し不気味というか、もしや敵側だったのかと思わざるを得ないんですが…」


提督「」


大淀「…わ、私は決して口外しませんから!安心してください!」


提督(えぇ…)






このように何故か俺が元は敵側だったみたいな変な憶測を立てる子もいる。大淀以外にも何故か俺を変に警戒する子は居たが、どういう事なの…



見方を変えれば確かにそう思うかもしれないけど、これ思いついてるの殆ど元帥だから遠回しに元帥も疑ってると言ったら悲鳴を上げながら出てったよ。イレギュラーが無いってのも考えものなのかな?








浦風「ええ感じじゃねぇ!頑張っとる提督さん労っちゃる!」


磯風「ああ!密かに作った軽食だ!」


提督「いらぬいです」


不知火「お呼びですか」


提督「(呼んで)ないです」







いやーほんと鬱陶しい。こいつらはというか駆逐艦は平常運転。磯風はちゃっかり毒殺しようとするが俺が気付かんとでも思ったか。



まあそんな訳で戦局は優位にあるけど俺は前より状況が酷くなってる。早く終わんねぇかな…






…と思い始めたある日、俺は変な夢を見た。



妖精に囲まれた猫が、俺を手招きしてるだけ、といった夢だったが、それから鎮守府でも猫を見るようになった。多摩じゃないぞ。



見つける場所は毎日違うが、見かけたと思い着いていくと、いつの間にか消えている。毎度の如く逃げられて俺も少しムキになりそうだったが、所詮は猫との戯れという事で流していた。だがまたある日…






提督「…お、あの猫だ」


山城「…は?」


提督「猫だよ」


龍田「…あのー、どこに?」


提督「ほら、工廠の前にいるだろ」


山城「…あの、ふざけてるなら護衛辞めますけど」


提督「い、いや、それぐらいいいだろ」


龍田「うーん…どこにいるんですかぁ?」


提督「え、だから工廠の前…ほら、まだいるだろ」


龍田「…あの、疲れてるなら遠慮せずお休みになっては?」


提督「…?」






何かのイタズラかと思ったが山城も龍田も工廠前にいる猫が見えていないようだった。目が悪いとかそういうのじゃなく、その場にいると認識出来ていない感じ。



ちなみにオコトワリ艦に限った話じゃなくて、他の艦娘も猫を視認出来ていないようだ。挙句の果てに俺が遂に壊れたと思われてる始末。遂にじゃねぇよ、もう壊れてるっての!



しかし俺自身正気だし、幻覚と言うにはあまりにも鮮明だし、何なら妖精には見えてるような素振りさえある。実際うろついている妖精は猫が通ろうとすると避けるし。



まあ今更周りから何言われようが構いやしねぇ。俺は犬も好きだが猫も好きだ。でもあちらは俺が近付くと逃げられるし、少し寂しい。



しっかし、噂ってもんは瞬く間に広がる。僅か一日で俺にしか見えない猫がいると騒ぎになっていた。アニマル艦娘たちは俺と同様に猫探しに没頭し始めていた。作戦に集中してくれよな~頼むよ~。



他は本気で俺が狂ったと思ってやがる。間宮さんと伊良湖さんにも心配されて甘味貰った時は複雑な気持ちになったよ。傍から見りゃ気狂いハゲゴリラとか誰得なんだよ。







提督「何で誰も見えねぇんだろうな~…っと、猫だ」


猫『!』ピク


提督「猫と仲良くなる時は…」


多摩「呼んだかニャ」


提督「…お前それ自分が猫だと自覚してるだろ」


多摩「知れたことニャ」


提督「…まあいい。お前には見えてるか」


多摩「どこニャ」


提督「見えてないのか」


多摩「提督はどこに見えてるのニャ」


提督「ほら、そこだ」


多摩「…さっぱりわからんニャ」


提督「お前でもダメか」


多摩「どーいう意味ニャ」


提督「同類だから見えると思ってたんだがなぁ」


多摩「フシャー!」ガリガリ


提督「ぐあああ!艤装展開してなくてもいてぇ!」


多摩「バカにし過ぎニャ」


提督「自覚してるって言ってたじゃん…」ボロボロ


多摩「猫は気まぐれニャ」


提督「こいつ都合のいい事ばっかり…って、猫がこっちに…」


多摩「だからどこニャ」


提督「あ、通り抜け…て?」


多摩「???」


提督「は…?」


多摩「どこを通り抜けたのニャ」


提督(い、いや、『透り抜け』た…?)


多摩「…何か見つけらんないと腹立つニャ。出撃まで探してるニャ」


提督(…俺はあからさまに避けて、多摩の足をすり抜けた…どういう事だ?)







俺は混乱した。その猫はそこに艦娘が初めから居なかったかのように、当然のように通り抜けていった。それ以降も艦娘の身体をすり抜ける様子を何度か見ている。



すり抜けようとしないのは妖精と俺のみ。艦娘が認識出来ない以上、俺自身の力でどうにかするしかないようだが…









元帥『…で?自分自身で何とかするんじゃなかったのか?』


提督「すいません、自分だけじゃ分からないので」


元帥『…猫、か。少なくとも俺は鎮守府もしくは大本営じゃ見かけなかったぜ』


提督「そ、そうですか」


元帥『んで?その猫とイチャついて何だってんだ?』


提督「そ、それがですね、艦娘には視認する事はおろか、幽霊のようにすり抜けてしまうんですよ」


元帥『…ふむ』


提督「な、何か助言があれば…」


元帥『幽霊なんじゃねぇの?』


提督「自分には霊感なるものは無いと思いますが…」


元帥『情報が足らねぇ。他になにか気になる所は』


提督「えぇと…そ、そうだ、最近は出撃中の無線で猫の鳴き声が聞こえたりもしましたし、あと…」


元帥『へっ、猫に取り憑かれちまったか』


提督「ちょ、勘弁して下さいよ」


元帥『ま、もう少し掘り下げねぇとその猫の正体はわからんな。猫が出てきて変わった所でもメモしてな』ガチャ


提督「あっ…切っちまった」







うーむ、元帥も見たことが無いか…益々謎だが、決して野放しにしていい問題では無いと思う。本当に俺だけでどうにかせねば。



まず分かってるのは、俺と妖精以外は猫を認識出来ない。次に恐らく俺は猫から警戒されてる。最後にここ最近通信中に猫の鳴き声が無線から聞こえてきた事。



こっから導き出される結論は、どう考えてもこの世の者とは思えない。ただ、妖精は気付いてるのに、妖精と関わりの深い艦娘が認識出来ないってのが腑に落ちない。



正直どこから手をつけていいのか分からないのが辛い所さんだが、猫との接触は絶っては行けない気がした。というか手がかりは猫だけだから何しても縋り付かねば。







提督「…思い立ったはいいが、猫が見当たらない」キョロキョロ


大淀「提督、出歩くのはいいですがそろそろ出撃が」


提督「うーん…」


猫『…』トテトテ


提督「あっ!」


猫『…』ピク


提督「待て!」


猫『…』スッ


提督「っ…消えた…」


大淀「…そ、その、提督、お戯れを…」ビクビク


提督(こいつここんとこずっとビビってんな)






…そういえば、俺が猫を見つけるのっていつも出撃直前あたりだったな。今思えばこれも共通してる…かも?正直そこまで気にしてなかった。



にしてもあの消え方はやはり現実的ではない。物陰に隠れるわけでもなく、その場から消えたのだ。自分から正体の一端を明かしたようなもんだが、何考えてんのか全くわからん。






大淀「あ、あの、もういいですか?」ビクビク


提督「…わかった」


大淀(ほ、ホントに何が見えてるのでしょうか…)ビクビク


提督(…仕方ない、また出直すか)







***








電「し、司令官さん、作戦終了なのです」


提督「…うん」


大淀「今回も損害軽微、作戦通りになりましたね」


提督「…うん」


電「…あ、あの、何か至らないところがありましたか?」


提督「そうじゃないが…」


電「あ、す、すいません、なのです…」シュン


提督「いやイラついてる訳じゃないから…」






また無線から猫の鳴き声が聞こえた。一回じゃなく、何回も。作戦が上手く行きまくってるのは嬉しいんだが、如何せん猫の動向が気になってそれどこじゃなくなってる。



作戦もいよいよ大詰めになってきている。出来るならば敵の本丸を落とす前に猫の正体を解き明かしたいが…








『やめろ』







提督「はっ!?」


電「な、何ですか?」ビクッ


提督「今のは…」






通信機からでも、ましてや司令室の中からでもない。幾重にも重なったような声が俺の頭の中に響いた。



ふと見回すと、扉から猫が覗いていた。俺はもう躊躇う事もなく、逃げ出そうとする猫を追いかけた。もう逃がす訳には行かない。俺の身体がそう言ってるようだった。





電「し、司令官さん!?」


大淀「提督、どこへ!?」






後ろから二人が追い掛けてくる。きっと二人には俺が突然狂ったように走り出したと見えるんだろうが、もうそんな事気にする余裕は無い。



さっきの妙な声といい、覗き猫といい、偶然とは言い難い。実際、俺ももう謎を解きたくて我慢の限界だった。



猫は執務室に逃げ込むが、残念だが行き止まりなんだよ!もう逃げられないぞ…と思ったら窓に向かってた。そりゃそうだ。



しかし俺は諦めない。窓に登り、飛び降りようとする猫を何とかして捕まえようと、俺も窓に乗り出し、遂に猫の尻尾を掴んだ。





猫「!」


提督「捕まえたぞ!」


電「司令官さん!?早まらないで下さい!」


大淀「て、提督ー!」






尻尾を掴んだのはいいが、大きく身を乗り出したお陰で窓から落ちようとしていた。二人は俺を掴もうと手を伸ばしてるが、どうせ呪いのせいで死なないしそんな事しなくても…







猫「」ピカッ


提督「何の光ぃ!?」







突然、猫から強い光が…目が潰される程強い。目くらましでのつもりだろうが、そうは行くか!







***






提督「ここは…」


『無駄な足掻きを…』


提督「は?つーかこ↑こ↓どこ…」





辺り一面真っ白な世界…まるで俺の頭みたいだぁってやかましいわ。



さっきまで窓から飛び降りみたいな感じになってたのにいきなりこれか…最早驚かんぞ。



そして声の主はどこだ…







提督「おい!隠れてねぇで出てきやがれ!」


『ふん、貴様の前にいるわ』


提督「ファッ!?」






いやいや、お前今出てきたろ!というか…クソデカ妖精?が猫の腕をぶら下げながら俺の前に佇んでる。そんな掴み方していいんだっけ?






『もういい、下ろせ』


妖精「…」パッ


提督「は?お前じゃねぇのか?」


猫『こいつは私の下僕だ』


提督「えぇ…」


猫『この姿は貴様ら現世の者に合わせた仮初の姿に過ぎん』


提督「つーか、お前誰だよ」


猫『口の利き方が分かってないようだな』ガリッ


提督「いってぇ!このやろっ!」スカッ


猫『馬鹿め、人間如きが常世の存在に触れられるとでも?』


提督「常世…」


猫『…ふん、その無礼はこれまでの功績に免じておいてやる』


提督「…何者だ?」


猫『現世にて神と呼ばれる者だ』


提督「ウッソだろお前www」


猫『…』


提督「で?神様が直々に何の用だ?」


猫『貴様に問う。何故我らに抗う?』


提督「質問に質問で返すなよ…つーか俺が死に損ないになってるのはお前らの仕業か!?」


猫『ふん、不服か?』


提督「当たり前だ!」


猫『言っておくが、元を辿れば貴様ら人間共の生み出した罪を罰しているのだ』


提督「は?」






は?え、そういう展開?生まれながらの罪とかそういう理不尽パターンですかいな?







猫『その昔、一人の艦娘が居た。その艦娘は思慮深く、どんな事があろうとも主に従った。その主から、何をされてもな』


猫『艦娘とは提督に絶対服従という、呪わしき運命を背負う道具であった。人の形を成している分、タチの悪さを際立たせていた』


猫『どんな理不尽にも疑うこと無く、どんな欲望も進んで捌け口として受け止めた。その艦娘が運命の軛から外れたのは、終戦した時だった』


猫『道具に自我が宿ったと気付いた提督はいとも簡単に艦娘を切り捨てた。あらゆる穢れに塗れた艦娘は絶望し、今際の際に全てを呪った。そしてその艦娘の怨念は、常世にまで昇華した』


猫『力の差を在るべき姿に、そして、自ら受けた苦痛を人間共に、永遠に受け続けるべく、艦娘の怨念は世界の理となった』


猫『その艦娘の骸は嘗ての敵にとってはこの上なく上等な依代となり、再び戦いの火蓋を切らせた』


猫『神とは信仰を依代とするが、憎悪、憤怒、恐怖もまた依代となっている。私はその一部…ククク』


提督「」


猫『理解したか?貴様ら人間は罰を受け続けるだけの道具に過ぎないのだ。それを不服とするなら、力を以て示さねばならないのだ』







提督「…うるせー!」


猫『何?』


提督「大人しく聞いてりゃ、俺全く関係ねぇじゃん!」


猫『…まだわからんか、貴様は人間共の罪を…』


提督「俺がした事じゃねぇだろ!んな話聞いたことねぇし、俺の世代までたらい回しにして八つ当たりすんじゃねー!」


猫『…愚かな』


提督「うるせぇ!要はてめぇらを塵芥にすりゃ俺は…いや、俺らは解放されるって事だな!?上等だよこの野郎!」


猫『っ…』


提督「首洗って待ってやがれ!」ズカズカ


猫『馬鹿め、ここから逃げ遂せるとでも…ぐっ!?』


提督「出口どこ…ここ?」キョロキョロ


猫『な、何だこいつらは!?まさか…貴様らぁ!』


提督「ん?あいつ何かモフモフっつーかボリューミーに…まあいいか!」


猫『有象無象めが!邪魔するな!』


提督「出口わかんね…え?」






***







提督「クゥ-ン…」プラプラ


電「し、司令官さん、重たいのです…」グググ


大淀「ちょっとだけ艤装展開してもいいんじゃないでしょうか…」グググ


提督「…ファッ!?何事!?」


電「あ、し、司令官さん!暴れないで欲しいのです!」


大淀「て、提督!今引きあげますから!」






な、何か俺ぶら下げられてる!?…って、そうだった、あの猫…じゃないな、化け物を捕まえようとして…





「キャー!」「て、提督、何してんの!?」「い、今行くから待ってて!」






…このタイミングで艦隊帰投とかタイミング悪過ぎぃ!あーもうめちゃくちゃだよ。








***






元帥『…お前んとこの艦娘から緊急通達とかあったが、てめぇが身投げしただけかよ』


提督「い、いえ違いますよ!確かに結果的に身投げのように見えてしまいますが、自分としてはかなり前進を感じさせる情報を…」


元帥『あくしろよ(飽くなき探究心)』






俺は覚えている範囲で細かく元帥に伝えた。元帥は俺が話終わるまで相槌しか打たなかった。



お陰で凄く話やすかったが、まあショックではあるだろうな。気付かない内に罪を背負わされてるなんて理不尽なんだよなぁ。






元帥『…つまり、なんだ?神様を名乗る猫が俺らをいじめてるってわけか?』


提督「んまぁそう…」


元帥『そんで、死んだ艦娘の亡骸が神様の御神体?になって、深海棲艦を生み出す依代になってる感じ?すげー話だな』


提督「そうですね」


元帥『…悪いが、そんな話は聞いたことねぇな。終戦なんてしてねぇぞ』


提督「…元帥が生まれるもっと前の話でしょうか?」


元帥『お前現代史の勉強してねぇのか?そもそも深海棲艦とかいう化け物が出るまで人間同士の戦争しかしてねぇぞ』


提督「それは知ってますよ!いくら脳筋ハゲゴリラだとしてもそこまで馬鹿じゃないっすよ!」


元帥『んなこと一言も言ってないんだよなぁ』


提督「あ、はい」


元帥『…まさかな』


提督「え?」


元帥『…いや、ここまできたらどんな仮定にも可能性が存在するな』


提督「ちょ、自分の世界に入らないで下さいよ」


元帥『そう、それだ。自分の世界を作ったんだよ!』


提督「は?」


元帥『そうだ、そうじゃなきゃ有り得ねぇ。怨念が概念となって、世界を作り、俺らは…』ブツブツ


提督「また髪の話してる…」


元帥『…ん、ああ、すまん。何と言うか、パズルのピースが合った時心が躍らねぇか?それと同じだった』


提督「はぁ…」


元帥『…とりあえず話は聞いた。丁度俺も言うことがあるからな』


提督「何でしょうか」


元帥『今回の大規模作戦でかなーり敵を蹴散らせた。んでもってもう戦争も終わり近いぐらいまで行ってんだけど、どうにも敵が湧き続けるらしい場所があるみたいなんだよ』


提督「マジすか!じゃあそこでリスキルしまくれば…」


元帥『バカたれ、今までの話でそこに何があるかわかんねぇか?』


提督「…あっふーん(察し)」


元帥『そういう事だ。まあお前の言う通り、湧いた瞬間に殲滅して、その海域で潜水艦に[宝探し]してもらうから』


提督「はい」


元帥『かなり有益な情報だったぜ』ガチャ





なんかウキウキだったなぁ。正直俺は震え始めてる。断片的ではあったが、元帥の呟きから嫌でも察してしまう。



つーか並行世界説も出てんだから普通驚く必要ないんだが、真実に近づくと改めてなぁ…



…来るべき時に、奴がまた現れる気がする。






大淀「て、提督、お話の方は…」チラッ


提督「終わった」


大淀「そ、そうですか」


提督「…恐らく次が最後の作戦になる」


大淀「つ、遂に…」ゴゴゴ


提督「そこで編成だが…」ゴゴゴ


大淀「は、はい…」


提督「潜水艦にサルベージさせる」


大淀「は、はい!連合艦…へ?」


提督「サルベージだ」








伊58「大規模作戦の大トリがゴーヤたち?ちょっと何言ってるか分からないでち」


提督「元帥が海底で宝探しして欲しいだってよ」


伊58「…ご機嫌取りでち?」


提督「…もし金銀財宝だったらポケットマネーにしていいってよ」ペラッ


伊58「…もしお金が見つかったらてーとくとお出かけするでち!」


提督「可愛い(終戦したらな)」


伊58「今のは本音でち?やったぁ!」


提督「違います(平沢進)」


伊58「は?」


提督「ちなみに旗艦よろ」


伊58「了解でち!」ビシッ







まあ金銀財宝なんか無いんですけどね、初見さん。ゴーヤたちには悪いが墓荒らしなどみたいな事させるようなもんだ。



だが戦いが終わるなら何だろうがやったるわ。俺の頭は荒地どころじゃないがってやかましいわ。



他の鎮守府が残党狩りをするみたいだが…果たして上手くいくのか。







***









元帥「いやーいい天気だわ」プカプカ


提督「…あの」


元帥「何だ?船酔いか?そんなんじゃ甘いよ」


提督「いえ、何故現場に…」


元帥「そりゃお前、敵の親玉の顔を拝もうって寸法よ」


提督「えぇ…」


元帥「…見させてもらおうじゃねぇの。俺らに先人たちの罪を擦り付けた挙句、人生を弄んだクソの面をよ」


提督「…」








掃討戦の現場は太平洋のど真ん中にあった。俺ら提督と元帥は護衛船に乗って遠目から艦娘のドンパチを見守ってる感じだ。



砲声が絶え間なく鳴り響く。海面に這い出た瞬間に倒されるとかちょっと気の毒に思える。



と思ってるのは俺だけなのか知らんが、他の提督連中は船内に引きこもってる。正直暑いし俺も引きこもりたい(初雪)





伊58『てーとく、真っ暗で怖いでち』ザザザ


提督「深海だからね、しょうがないね」


伊58『ほんとにお宝はあるの?』


提督「それらしいものはどんどん回収してくれ」


伊58『何か騙されてる気がするけど、了解でち』ブツッ


元帥「お前まさか宝探しって馬鹿正直に言ったのか?」


提督「うっ」


元帥「馬鹿じゃねぇの(嘲笑)」


提督「い、いや、じゃあ亡骸を回収しろと言えますか?」


元帥「俺は言える」


提督「うぐぐ…」






伊8『提督、何と言うか、その、凄く嫌な気配を感じます』


提督「はち!?何処だそこは!」


伊8『みんなとそう離れてません』


提督「全員集合させてその付近を捜索してくれ。あと人工物らしき物があったら回収してくれ」


伊8『了解です…』




元帥「そろそろ真実伝えた方がinじゃねーの」


提督「うぐっ…」


元帥「まあ俺はどっちでもいいけどね」


提督「つ、次通信が来たらにします…」




伊19『何か見っけたのね!』


伊168『何これ…砂煙…じゃないわ。真っ黒な…』


伊8『光を当てても正体が分かりませんね…』


伊58『てーとく!お宝じゃないけど回収するでち!』


提督「お、おう…」


元帥「おうあく言えよ」


提督「そ、その、みんな、宝探しってのはな…」


伊8『つ、冷た…』


伊168『な、何!?イ級…みたいなのが出てきてる!』


伊19『…という事は、こいつが元凶なのね!すぐ提督に持ってくのねー!』


伊58『イク!抜け駆けでちか!?』


伊19『てーとくからご褒美貰うのはイクなのねー!』


伊168『い、イク!そのまま急速浮上して!敵が湧く前に!』


提督「ちょ、お前たち」


伊8『す、すいません提督、もう防護服も限界ですので、浮上します』


提督「そ、そうか。他に嫌な感じのするところはあるか?」


伊8『いえ…妖精さんも感じてないみたいです』


提督「よし、急いで戻ってきてくれ」






ま、マジか。ホントに見つかるとは…つーか真実を言いそびれて後で質問攻めに…ええい!もう終わりが近いんだから甘んじて受け入れるわ!





元帥「…見つかったのか」


提督「そ、そのようです」


元帥「…」


提督「…どうしたんすか?」


元帥「何かすげー静かだなって」


提督「…そういやそうですね」


元帥「嵐の前の静けさかな?」


提督「縁起でもないっすよ…」






…確かに元帥の言う通り、波の音すら聞こえないぐらい静かだ。それと何となくだが…寒気を感じ始めた。



遠くから奴の声が聞こえ始めた。まだ遠いが…近付いている。徐々に声が大きくなっている。






伊19「てーとくー!お宝なのー!」ザパッ


伊58「待つでち!」ザパッ


提督「ヒエッ」





通信で聞いてイメージしてたよりも遥かに禍々しい…というか伊19が持ってる『それ』は全く正体が掴めない。



黒い靄なんてレベルじゃない、光を反射しない黒い丸があった。シンプルな形であるが故に余計不気味に思えた。






元帥「はぇ~すっごい黒い」


伊19「てーとく!あげるの!」ポイ


提督「投げるなって…うわっ」ゾワッ


伊58「な、何!?」


提督「何だ!?」


???『…』ズズズ






得体の知れない何かが形を変えていく…猫!?それもかなりでかい…






猫?『…』ギロッ


提督「ヒエッ」


猫?『』ガブッ


元帥「お、おい!」


伊19「てーとくが食べられたのね!」


伊58「は、早く助けないと!」


元帥「助けるっつっても…」





***







猫『よくもここまで引きずり出してくれたな』


提督「やっぱりお前か」


猫『人間風情が…』


提督「神だか何だか知らねぇが、俺はお前の策略に耐え切った。もう負けを認めろ」


猫『…ククク、これだから人間は愚かだ』


提督「は?」


猫『私は世界の理。貴様がどう足掻こうが、我が施しはもはや不変』


提督「いやいや、悪足掻きは…」


猫『私にとって、この時間は茶番に過ぎん。ゲームで気に入らない結果になったら、リセットしてしまえばいい』


提督「は?」


猫『これは貴様ら人間から教わった知識だ。有難く使わせて貰おうか』


提督「ちょ、待て!」


猫『フハハ!次は何回で辿り着けるかな?ハハハハ!!』







ふ、ふざけんな!ここまできて『リセット』だと!?冗談じゃねぇ!ゲームみてぇに弄びやがって!



例え俺がそのゲームの一部だとしても俺はこうして生きてるんだ!ここまでやってきた結果を気軽に無いものにできるか!



だが、俺に何が出来る?少なくともあの猫野郎と俺は次元が違う。触れる事が出来ないのに、どうやって止める?



俺は何をすればいい?ただ奴の言う『リセット』を待つだけでいいのか?抵抗出来そうな何かを直ぐに思いつけない。



俺はただ、奴の言いなりになるしか無いのか…?










猫『フハハハ…ハハ…は…?』


提督「…?」


猫『…何故だ、何故何も起きない!?』


提督「??」


猫『ぐっ!?』グラッ


提督「な、何だ?」


猫『ぐおおおっ!!?』


提督(い、痛がってる?)


猫『な、何が…ま、まさか』





***






猫?『ッッッー!』ジタバタ


妖精「ワ-!」「タスケロ-!」「ヤメロ-!」


元帥「妖精が集まって…何が起きてるんだ…?」


伊19「いいのね!そのままやっつけるのね!」


伊58「な、何で妖精さんの攻撃だけは当たるんでち?」


伊19「そんな事考えるより、もっと妖精を呼ぶのね!」


伊168「やっと帰ってこれた~…うわっ!何あれ!」


伊19「良いとこに来たのね!イムヤも妖精さんをあいつにけしかけるのね!」


伊168「な、何だか分からないけど、出てきてみんな!」


妖精「ワ-!」ゾロゾロ




元帥(黒い化け物が苦しんでる…つーか提督は無事なのか?)


艦娘「げ、元帥、あれは…」


元帥「おお、ちょうどいい。お前たちも艤装にいる妖精を全てやつにぶつけろ!」


艦娘「え、ええ?」


元帥「事は一刻を争う!全てを終わらせる為と思え!」





***







猫『し、下僕の分際で、この私に歯向かうのか!』


妖精『ッー!』ボコボコ


提督(よ、妖精か?だんだん何か見えてきたが…)


猫『何をしている!このままでは、貴様らも消えるのだぞ!やっている事の意味を理解しているのか!』


妖精『ッー!』グサグサ


猫『ぐああっ!!』


提督「…」


猫『おノれぇ!有象無象如キニこの私を止めらレルと思ウな!』


提督(なっ、姿が変わって…)


猫『グオオ…せめテ貴様だけハ…貴様ダケハぁ!!』ズズズ


提督「うわこっち来た!」







***







猫?『ッッッー!(言葉に出来ない断末魔)』


元帥「おお!効いてんぞ!」


伊19「頑張れなのー!」


元帥(身体を覆っている?黒い何かが煙のように徐々に消えていく…これなら…)






元帥「…ん?あれは…軍服の端…」


伊58「見つけたでち!」






***







猫『グオオオ…』ズルズル


提督(動きが鈍い…逃げるまでもねぇか?)


猫『何故ダ…何故…』


提督「…さぁな。だが俺にもわかるのは、お前の意思が絶対じゃねぇってことだ」


猫『何…』


提督「お前みてぇにずっとねちっこく虐めるより、終わって欲しいと願ってる者が多かったってだけだ。もう終わりなんだよ」


猫『馬鹿ナ…』


提督「怨念も月日が経てば薄れゆくもんだ。お前に刃向かってる妖精も目が覚めてんだよ。多分」


猫『ウァァァ…』シュウウウウ






***






元帥「おい!提督!」グイッ


伊19「引っ張るのぉ!」グググ


猫?『ギャアアアア…』シュウウウ


提督「うおっ!?」スポン


元帥「抜けたぁ!」


伊168「司令官!無事!?」


伊58「何だか分からないけど、やったでち!」


伊19「勝ったのねー!」


提督「はぁ、はぁ…な、何が…ん?」


元帥「無事なようだな。全く、最後の最後にとんでもねぇもんを…ん、何だそれ」


提督「これは…うわっ!髑髏じゃねぇか!」


伊8「…だいぶ綺麗ですね」


提督「そ、そうか?骨格標本しか見たこと無かったし、本物なんか…」


元帥「…それが、本体か?」


提督「…わかりません」


元帥「…へっ、こんなしゃれこうべ如きに俺らは振り回されたってか。笑えるぜ」


提督「…」


元帥「こういうのは、一思いに粉々にして終わりに…」ヒョイ


提督(…何だ?この胸騒ぎは)


元帥「つーわけで、提督くんよ。今回の戦争のMVPはお前だから、バチーンといっちゃおうか」


提督「へ?お、俺すか?」


元帥「当たり前だよなぁ?」


提督「は、はい…」






…あんまりこういう事はしたくないが、これで全てが終わるなら…かつて艦娘だったであろう骸を粉々に…



その子には申し訳ないが、もう憎むのは終わりにしよう。終わりには必ず、始まりが伴うもんだ。世界はそうしていきているのだから。



皆の視線を受けながらも、俺は髑髏を甲板に置き、思い切り踏み潰した。骨とは思えないぐらい呆気なく、木っ端微塵になった。






元帥「…終わったな」


提督「…そうですね」


元帥「…遂に、解き放たれるんだな」ピキッ


提督「…っ!?」ゾワッ






その時、視界に亀裂が走った。薄氷にヒビが入るかのように、亀裂は瞬く間に視界を覆い、砕け散った。



割れたガラスのように、元帥や伊58たちの景色が散らばり、目の前には何も無い『無』が広がっていた。俺は言葉を失い、精神は平静を保てずに意識を失ってしまった。



最後に感じたのは、『無』の空間に俺が吸い込まれていく感覚だった。


















***





提督「…はっ!?」ガバッ





教官「ふん、海兵団上がりのホープがお目覚めだぞ」


提督「え」


教官「講義を受ける必要が無いなら出ていっても構わん」


提督「す、すいません…」





くっそー、寝てしまったが寝ちまうような講義をする教官も教官だと思うんですけど(反論)



それにしても長い夢を見ていたような気がするな。お陰で目が冴えたけど、すっげぇハッキリ覚えてんのが逆に気になって講義に集中出来ない。



まあ聞いてても面白くねぇし、大事そうなとこだけメモしてりゃ…





妖精「」ペチペチ


提督「?」


妖精「」クイクイ


提督「…着いてこいって事か?」


妖精「」コク


提督「…教官、受ける必要無いと思ったので出ていきます」スタスタ


教官「は?」


提督(…あれ?なんで俺こんなに余裕が持ててるんだ?)






妖精「…や」


提督「お前喋れたのか」


妖精「はい。ようやくもどってきましたね」


提督「戻った?」


妖精「はい。ここがあなたがいるべきせかいです」


提督「???」


妖精「あなたがみたゆめは、じっさいにあったできごとです。べつのせかいのあなたがこのせかいのあなたのせいしんとどうかし、きおくがうけつがれたのです」


提督「…そうか」


妖精「さすがです。りかいのはやさがだんちがいですね」


提督「よくわからねぇけど、凄く安心したというか、何と言うか…」


妖精「ほんとうによくがんばりました。もうあののろいはありません」


提督「…ああ」


妖精「ここからはあなたのみらいです。ですがわすれてはいけません。あれがうまれたのはひとのあくいがげんいんであるということを」


提督「…ご忠告どうも」


妖精「それでは、ちんじゅふでまたあいましょう」フッ


提督(消えた…っていうかまだ着任するかわからんけどね)スタスタ






元帥「…」スタスタ


提督「あ、元帥」


元帥「は?」


提督「…あ、いえ、その、失礼しました!」


元帥「あー待て、お前そのバッジ、例の海兵団上がりのか」


提督「は、はい」


元帥「…ふむ、サボりか」


提督(な、何か自然に元帥って呼び掛けちまったけど、これも…)


元帥「今の講義はつまんねぇか」


提督「…はい」


元帥「そうか。俺もそう思うし、教官を総とっかえしようと思ってたとこだ」


提督(…これも何か覚えがあるな)


元帥「じゃあな」スタスタ


提督「…ふぅ」


元帥(…あれが妖精が話してた奴か。聞いてた通り随分落ち着いてたな)







***







妖精と元帥に遭遇してから、教官が変わったり、何かと他の士官候補生に因縁付けられたりと色々あったが、無事に鎮守府に着任することとなった。



元帥も終戦が近いとかウキウキだったが、どういう意味なんだろうか。俺には理解出来なかったが、それはきっと、戻ってきた俺なら分かるんだろうな。



鎮守府に付いたが、初めて来たはずなのに、懐かしい気がする。誰が待っているかもわかる。きっと、執務室には…






電「あ、は、初めまして!」


提督「やあ、初めまして」


電「電と申します!あなたが司令官さんでよろしいのですね?これからよろしくお願いします、なのです!」ペコ


提督「よろしく頼む」


電「で、では、各施設の案内をするのです」ペラ


提督(…このやり取りの後に、確か…)


電「えぇと、まず…ひゃっ!?」コテ


提督「おっと、気をつけ…」ポスッ






…吹き飛ばされると思っていた。でも、そんなことはなかった。艤装が少し当たって痛かったが、それだけだった。



…もう、あの世界とは違うんだ。俺はやっと、解放されたんだと思えた。きっと、戻ってきた俺が安堵したのだろう。



俺は気付くと、電を抱き締めていた。






電「はわわっ!?あ、あの…司令官さん?」


提督「…ごめんな」


電「え?な、何なのです?」


提督(きっとこれは、戻ってきた俺の言葉だ。この子に罪悪感を持っていたのかも)


電「あ、あの、施設の案内を…」


提督「…いや、いいんだ。不思議と隅々まで覚えてる」パッ


電「へ?」


提督(これが、本当の世界なんだな…)ウルッ


電「…あのー、それなら、次は今日の執務について」ペラッ


提督「…それも大丈夫だ。覚えてる」


電「す、凄いのです!」


提督「はは、でもその前に腹ごしらえがしたいから、食堂に…」


電「了解なのです!」






ん?俺別に腹減ってねぇが…身体が勝手に?







提督「ここだったよな」ガチャ


間宮「あら、いらっしゃ…あ、初めまして。新しい提督さんですね?」


提督「はい」


間宮「給糧艦の間宮です。こちらは…」


伊良湖「初めまして、伊良湖です」


提督「結婚したい(初めまして)」


電「…司令官さん、本音がダダ漏れなのです…」ブス-ッ


提督「え?い、いや、これは…」


電「そういうのは初対面では隠しておくものなのです!」プンスカ


間宮「うふふ、面白い人ですね」ニコ


伊良湖「もう昼時ですもの、良かったら昼食でも…」


提督「結婚したい!(ありがとうございます)」


電「またなのです!」ポカポカ


提督「痛てぇ…」







な、何だ!?勝手に言葉が…ま、まさか!戻ってきた俺!お前かぁぁぁ!!!初手プロポーズとか完全に変なやつじゃねぇか!



何となく察しは付いたが、ベタ惚れだからってここでちょっかいを出すなよ!第一印象が大事だってそれ一番言われてるから。



幸い二人には面白い人止まりで落ち着いたが、電からの印象は悪くなっちまった。実際俺もタイプだけど今後艦娘を増やしていくにあたって支障が出かねない。現に今も出てるし、自制させないと戻ってきた俺が暴走するぞこれ。



でも正直テンションアゲアゲなんだよね。こればっかりはどうしようもない。あと頭に浮かんだワードが『指輪』と『終戦』だった。これも戻ってきた俺のキーワードなのか?



…何だか分からないけど、俺の提督生活は少しばかり特殊になりそうだ…ただ一つ言えることは…








提督『間宮さんか伊良湖さんと結婚するまで提督辞めたくねぇ!』













TRUEEND「鎮守府は危険じゃない」






後書き


工事完了です…



ここまで見て下さりありがとうございます。



ギャグSSのつもりがSFになってしまい、挙句の果てに提督辞めてないし、あーもうめちゃくちゃだよ(本末転倒)

マルチエンディングですが、思ってた以上に書くのが難しかったです。やっぱり終わりは一本道が一番!

また、更新速度がかなり遅れてしまい申し訳ございません。リアルやスマブラ、獣狩りや地球防衛が忙しく、睡眠もままならず迷走しまいました。今後はきちんと休養を取るようにします。


最後に、本SSにコメント、評価、応援、お気に入り、オススメして下さった兄貴達に多大なる感謝をお伝えします。ありがとうございました。

次回作についてですが、春イベの掘りの成果によって変態糞投稿者のモチベと投稿日が決まると思います。フレッチャーと早波早く来て。


それでは、またどこかでよろしくお願いします。





このSSへの評価

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このSSへのコメント

362件コメントされています

1: タマモー 2018-12-30 21:01:25 ID: S:O4FL0N

新作ktkr!舞ってました!

2: SS好きの名無しさん 2018-12-30 21:03:00 ID: S:Odlacw

新作いいっすねぇ!楽しみが増えました

-: - 2018-12-30 21:26:55 ID: -

このコメントは削除されました

4: マンダイン 2018-12-30 21:41:28 ID: S:Jjz0rd

新作更新楽しみにしてます!

5: SS好きの名無しさん 2018-12-30 21:51:48 ID: S:7Djt3Y

待ってました❗️

6: 社畜 2018-12-30 22:02:53 ID: S:YY2KpZ

いいっすねえ
応援してるぞ

7: みがめにさまはんさみかたき 2018-12-30 22:17:48 ID: S:wIQFkp

全裸で舞ってた!

8: SS好きの名無しさん 2018-12-30 23:12:35 ID: S:PhZzDO

かむかむレモンニキの新作……あ^〜いいっすね^〜
応援しています!がんばって、どうぞ

9: SS好きの名無しさん 2018-12-30 23:54:02 ID: S:qpIFN7

来たか!今度の元帥は死なずに済みそうだな!

10: みがめにさまはんさみかたき 2018-12-31 00:05:04 ID: S:mJWkrI

北上さんは出るのな?(死活問題)

11: SS好きの名無しさん 2018-12-31 00:33:57 ID: S:sJnmpm

期待!

12: メットール 2018-12-31 06:59:04 ID: S:NtDk2Y

新作お待ちしてました!

13: 芝犬 2018-12-31 07:34:21 ID: S:GqKbv3

期待

14: SS好きの名無しさん 2018-12-31 12:00:25 ID: S:OgPRBf

ゆっくりでいいよ〜
がんばえ〜

15: SS好きの名無しさん 2018-12-31 13:06:46 ID: S:GpJf_8

待ってたぜ・・・!
勘違い系のラブコメの予感がしたりしなかったりwww

16: 病む病む命名ニキ 2018-12-31 17:19:07 ID: S:nufP40

うぽつです~。
急かされると遅くなるとかこれもうわかんねぇな・・・。

(このSS)ええやん、気に入った。(構想時間)なんぼなん?

かむかむニキも他のニキも、よいお年を。

17: かむかむレモン 2018-12-31 19:43:53 ID: S:J5V7B1

1さん

お待たせ(迫真)
面白いかどうかは置いといてまた頑張るゾ


2さん

ありがとナス!
退屈させないようにしなきゃ…(使命感)



4さん

ありがとナス!
頑張って書くゾ



5さん

待たせたな!(蛇並感)



6さん

ありがとナス!ウレシイ…ウレシイ(ニチニチ)



7さん

お待たせしました…あく服着て



8さん

ありがとナス!
お待たせしました、本年最後のSSになります。

18: かむかむレモン 2018-12-31 19:49:02 ID: S:HyG7lW

9さん

元帥の安否から気にする兄貴嫌いじゃないしむしろ好きだよ



10さん

今は分かりません(迫真)



11さん

ありがとナス!



12さん

電脳ウイルス兄貴また見てくれてるのか…ありがとナス!


13さん

ありがとナス!



14さん

ん、おかのした。
ありがとナス!



15さん

お待たせ(迫真)
勘のいい兄貴は好きだよ



16さん

天邪鬼だから、他所はね?
こちらは14万3000秒になっております

19: SS好きの名無しさん 2018-12-31 20:00:12 ID: S:eV4oBP

新作おまちしてました!
海軍兵学校だと士官育成学校なので
一般の兵士なら海兵団にした方が
よろしいかと
続き期待してます!

20: かむかむレモン 2018-12-31 20:07:26 ID: S:cYq_wQ

19さん

おかのした。にわかで申し訳ナス…
修正しときました。ありがとナス!

21: みがめにさまはんさみかたき 2018-12-31 22:51:27 ID: S:0_NQwI

※18
・大胆な告白は女の子の特権
・女の子は天の邪鬼
・女の子はあまり先の事を考えない
つまりかむかむレモンさんは女の子
Q.E.D.証明完了
電(かわ)いいです

22: SS好きの名無しさん 2018-12-31 22:58:02 ID: S:qbFZAg

新作、ありがとうございますm(_ _)m
続き楽しみに待ってます!

23: SS好きの名無しさん 2019-01-01 00:28:47 ID: S:WNqUfg

こういうの系の話好き+810^1919点
だから荒潮だして?♥️

それと明けましておめでとうございます

24: SS好きの名無しさん 2019-01-01 02:13:06 ID: S:HxxiGo

つまりここは嫁艦を愛でるだけで昇天する可能性が高い世界線と。
絶望しか無いじゃないか(白目)

25: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-01-01 10:08:00 ID: S:_XiGdN

明けましておめでとうございます!
さいっこうのお年玉でありますっ。

26: ウンチーコング 2019-01-01 22:33:13 ID: S:UVtRCT

あけましておめでとうございます
これからがたのしみだゾ

27: MPL 2019-01-02 00:21:09 ID: S:5zWj3O

まあ、そうなるな……(150cm前後の身体に軍艦の出力

28: かむかむレモン 2019-01-02 02:03:43 ID: S:PuXF8r

21さん

意味わかんないよパトラッシュ…



22さん

ありがとナス!
あまり待たせないよう頑張るゾ



23さん

荒潮好き兄貴ご無沙汰じゃないっすか!
おマセ艦も出す予定ゾ



24さん

あくまで艤装展開状態に限るから、多少はね?
それでも危険と隣り合わせのスキンシップはいやーキツいっす(素)



25さん

あけおめナス!
お年玉は新作SSゾ



26さん

あけおめナス!
まだまだこれからだから楽しみにしててゾ



27さん

提督こわれちゃ~う^
(ストレスが)太過ぎるッピ!

29: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-02 10:22:59 ID: S:zFJ_Rg

財布のダメージは自業自得じゃね…?
ゴウランガ!提督=サンのアドミラル・ボディは爆裂めいた音を発し爆発四散!ナムアミダブツ!

30: せっかち提督 2019-01-02 13:10:23 ID: S:IApjPl

あけましておめでとうございます!
1日遅れですね(痴呆)

よくよく考えたら、あの体に数万~十数万馬力のタービン動力と、ミンチにすらならないレベルの120mm以上の艦砲装備だもんね。そりゃ危険だよね。

これからE-3です(白目)
今回は丙提督です(普通)

31: 病む病む命名ニキ 2019-01-02 16:28:13 ID: S:HAUn2j

あけましておめでとうございます。(大遅刻)

最初見たときはただの糖質かと思ったけど、よくよく考えれば中学生位の体格の娘が(艤装の力とはいえ)五万馬力も出したら辞めたくなるのは当たり前ですね・・・。

32: タウイ泊地の大将提督 2019-01-02 19:42:37 ID: S:qRM3Hf

五万馬力の衝撃くらって生きてるこいつは一体...

33: SS好きの名無しさん 2019-01-03 00:38:58 ID: S:Am9p3h

YUDT 「つべこべ言わずに来いポイ!!」

34: かむかむレモン 2019-01-03 03:47:56 ID: S:8lNMf5

29さん

提督くんなりに頑張ったんだゾ



30さん

おめでとナス!
普通の人間ならペちゃんこなんだよなぁ…



31さん

あけおめナス!
辞めたくなりますよ~提督ぅ~



32さん

マジシャンみてぇだな(?)
それについてはちゃんと理由がありまさけど、もう少し後になります



33さん

夕立はKBTITだった…?

35: SS好きの名無しさん 2019-01-03 13:12:52 ID: S:UfLzD2

新作ウレシイ…ウレシイ…(ニチニチ)
美少女のタックル受けてェなあ俺もなあ

36: タウイ泊地の大将提督 2019-01-03 15:21:14 ID: S:7_pIbJ

E-3のボス硬すぎんよぉ...磯風の飯はヤバい(確信)次の更新楽しみにしてます!

37: 病む病む命名ニキ 2019-01-03 16:57:50 ID: S:LMp3BQ

磯風と比叡には絶対に料理を作らせてはいけない(戒め)
というか揚げるだけなのになんでジャガ芋が消し炭になるんですかね・・・。

38: SS好きの名無しさん 2019-01-03 18:44:25 ID: S:5G9d6p

ここで名誉挽回。トラブル元の長女達、暁白露陽炎の出番ですよ。
と思ったけど陽炎以外展開が変わる未来が浮かばなくて泣けた

39: SS好きの名無しさん 2019-01-03 19:05:46 ID: S:yIGLsi

磯風ぇ……これってメシマズのテンプレコッテコテですよ…。簀巻きの逆さ吊りで許されただけマシかと

40: 陽炎型・村雨のファン 2019-01-03 19:19:48 ID: S:1Hp2hN

かむかむニキの新作凄く楽しみにしてました。ゆっくり早く毎日更新してくれるのを待ってます。

今回は陽炎型メインですか?メインですよね?ね?

41: かむかむレモン 2019-01-04 17:38:24 ID: S:gj92SZ

35さん

ありがとナス!
命知らず兄貴考え直して



36さん

丙に落としてもええんやで…?
なるべく早く頑張るゾ~



37さん

時報で体調崩してんのは磯風だけなんだよなぁ…



38さん

どう転んでも提督くんは損しか無いゾ(無慈悲)



39さん

簀巻きに逆さ吊りもかなりキツいと思うんですけど(名推理)



40さん

ありがとナス!
メイン?なんですかそれ(すっとぼけ)

42: eisenkagura 2019-01-04 17:56:26 ID: S:Wgzhjl

謹賀瑞雲

43: SS好きの名無しさん 2019-01-04 20:33:23 ID: S:7uK7C0

このハゲェェエエ!!(開幕暴言魚雷)
筋肉もりもりマッチョマンの提督でも勝てない物があるのか…。

さぁ、話を続けたまえ…(続き楽しみゲスsmile)

44: せっかち提督 2019-01-04 22:13:56 ID: S:tF2HUS

なんか志村けんのだいじょうぶだぁのわんこそばネタみたいっすね(延々と出してくる点で)
アルコールの匂いとかは...ちょっとよくわかんない...(未成年並感)

45: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-05 01:10:06 ID: S:ids0G0

これはさすがに艦娘を養護でき…艦娘達が酒の勢いでどんちゃんするSSを書いたのは俺ですすいませんでした(宣伝)
提督は医者のおじさんルート入って、どうぞ
…北上さんが出てこないのなら、皆死ぬしかないじゃない!あなたも、私も!

46: 病む病む命名ニキ 2019-01-05 17:40:22 ID: S:K2u5Da

>>45 マテ、ハヤマルナ(イイゾモットヤレ)

なるほど、アルコールで体内の毒物を中和しようとしたんだな(脳死)

寝起き直後のアルコール(しかも急性アル中になるほどの量)は身体にかなりの毒になるゾ。(起床直後は肝臓にアルコールを分解するほどの余裕がない)

47: SS好きの名無しさん 2019-01-06 13:54:31 ID: S:y4mz_b

とんでもねぇ... 待ってだんだよ...(更新)

48: かむかむレモン 2019-01-07 02:43:43 ID: S:C6pzxq

42さん

あけましておめでとナス!



43さん

艦娘のパワーの前では赤子同然なんだよなぁ…



44さん

アルコール臭は大人になればいくらでも嗅げるゾ



45さん

アルハラはやめようね!しないようにしようね!



46さん

どっちかと言うとアルコールも有毒なんですがそれは…



47さん

コマンドー兄貴お待たせナス…

49: SS好きの名無しさん 2019-01-07 07:42:36 ID: S:yyXM8j

もうバキや神室町の住人レベルじゃないとこの子達のスキンシップ
耐えられないんじゃないかな

50: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-07 12:59:06 ID: S:rKtFnr

※48
毒を以て毒を制す
提督くん、逃げ切りたいのだろう?
ならヴァ私と全裸で路上で仮面ライダーごっこをしようではないか
少なくとも一生逃げ続ける人生をおくれるぞ(絶望)

51: 病む病む命名ニキ 2019-01-07 19:02:12 ID: S:4SWGp9

むしろここまで備考に一切気付かない提督もどうなのかゾ・・・?
単純に早霜の隠蔽術が高いだけか。

E-3終わってないけど早波お迎えしたから別にいいや(脳死)。

52: ぽっちさん 2019-01-08 23:34:09 ID: S:_v33gy

攻略中に早波来たからもういいや(死亡)
E3ラスダンにニキの力貸して、どうぞ(血涙)

53: かむかむレモン 2019-01-09 04:04:47 ID: S:zvdgkY

49さん

クソ強生身の人間でも荷が重すぎるッピ!



50さん

え、何それは…(困惑)



51さん

艦娘サイドで補完していきます
申し訳ないが掘り戦果で変態糞投稿者の心を折りに来るのはNG



52さん

申し訳ないが掘り報告で心を折りに来るのはNG

54: SS好きの名無しさん 2019-01-09 04:08:00 ID: S:piSFPY

今日もスキンシップ、キツかったすっね〜
辞めたくなりますよ〜提督ぅ(本気)

55: SS好きの名無しさん 2019-01-09 08:05:54 ID: S:d6MNM8

続き楽しみにしています。

 天丼状態の主コメント、これは掘り戦果を自慢しろというフリかな?

56: SS好きの名無しさん 2019-01-09 12:25:50 ID: S:dhJhzC

これがブラ鎮(提督にとって)ってやつか・・・

57: ぽっちさん 2019-01-09 21:53:52 ID: S:IhOJVo

な、なんて贅沢なてーとくなんだッ!
ところで気づいたら5人に増えてた山雲はいかがすれば・・・・・・

58: かむかむレモン 2019-01-09 23:02:59 ID: S:YxbKjf

54さん

あ、待ってくださいよ~(艦娘)
辞める日が来るのでしょうかねぇ



55さん

ありがとナス!
自慢したらボス前猫と初手大破の呪いを掛けてやるゾ


56さん

ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛もうやだアアアア!!(ひで)



57さん

贅沢でもありがた迷惑なんだよなぁ…
近代化に回せばいいんじゃないですかね

59: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-10 00:44:28 ID: S:QuuAWT

艦娘サイドいいぞ~これ
ほんとかむかむニキ…ネキ?のSSの質は落ちないな
にしてもイベント始まったばかりの時はPTのクソッタレクソチビクソヤロウに悩まされたけど今はフツーにポンポン進むわ…
龍 田 が 大 破 し な け れ ば

60: せっかち提督 2019-01-10 02:10:47 ID: S:AaP8di

E-3はゲージ半分削ったけど全然割れる気がしないせっかち提督です(白目)
E-3のギミック解除ってやるべきなんですかね...?ボス前で潜水クソガキにしばかれるの嫌っす

それはそうと、艦娘側が意図せず提督を傷つけてる状況ってのが面白いなぁ
それぞれの素の反応が見れるシチュだし
後ほんと提督くん頑強っすね(小並感)

61: かむかむレモン 2019-01-11 02:51:08 ID: S:JuNGWo

59さん

ありがとナス!
質は常に上げないと…(弛まぬ向上心)



60さん

勘違いSSは意外と難しいねんな…(カーリー)
提督くんの打たれ強さはちゃんと理由付きだから、多少はね?

62: SS好きの名無しさん 2019-01-11 02:56:41 ID: S:guYoau

これ幸運艦がそばに居たらとばっちり受けて不幸になるタイプですな

63: 病む病む命名ニキ 2019-01-11 18:49:04 ID: S:b-P78I

本人達に悪気がないからもうどうしようもないですねぇ・・・。

johnstonちゃん来ないゾ・・・。
バケツの量が4桁切って焦ってるゾ・・・。

64: かむかむレモン 2019-01-12 04:51:43 ID: S:GrLDRF

62さん

勘のいい兄貴は好きだよ(恍惚)



63さん

勘違いだからね、仕方ないね(レ)

65: SS好きの名無しさん 2019-01-12 09:08:51 ID: S:oTV5Qg

準鷹ぇ・・・
前作のヒロインムーブは、やっぱり幻じゃったか・・・

66: 病む病む命名ニキ 2019-01-12 11:52:12 ID: S:VyyGyu

やっぱり早霜ストーカーじゃないか・・・。(困惑)

67: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-12 13:30:15 ID: S:mfP3eT

早霜かわいい…かわいくない?
早霜の同僚「やめとけやめとけ!あいつはストーカーぎみなんだ…
戦果をあげても気づいてもらえるんだかもらえないんだか…
『早霜』 年齢不詳 独身
戦いはそつなくこなすが今一つパッとしない艦娘
悪いやつじゃあないんだが これといって特徴のない…影の薄い女さ」

68: かむかむレモン 2019-01-12 15:04:56 ID: S:AjUlmb

65さん

ギャグSSだからね、しょうがないね



66さん

ストーカー↑だとふざけんじゃねぇよお前!献身的だろぉ!?



67さん

ストーカー扱いする心無い輩はお仕置きだどぉ!(激憤)

69: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-01-12 15:24:03 ID: S:JEOvln

バケツは何時も2ケタ前半しかありませんが何か?( ˙-˙ )
中破以上になった子達に帰投後すぐに使ってるからね、仕方ないね♂

70: 病む病む命名ニキ 2019-01-13 18:22:01 ID: S:qDToV7

仮に献身的でもその気持ちが相手に伝わってなかったらストーカーだと思うんすけど・・・。
というかむしろ提督が恐怖を覚えてるからストーカー決定ゾ。(ガバガバ迷推理)

71: クサガメ 2019-01-13 22:02:23 ID: S:JkcC3V

この筋肉ハゲ提督には一人になれる時間とかあるんですかね……?

72: かむかむレモン 2019-01-14 02:48:52 ID: S:AVGIbc

69さん

バケツ3桁になるまで集めるんだゾ



70さん

ストーカー扱いする悪い子はお仕置きだどぉ!



71さん

一応ありますがそれも貪られています(無慈悲)

73: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-14 10:47:30 ID: S:hwiN85

提督くん…全裸で路上でダンスして牢屋で強く生きて
ちなみに先ほどバケツが尽きましたデデドン(絶望)
今日誕生日です(超小声)

74: せっかち提督 2019-01-14 10:51:53 ID: S:cy-nMX

艤装展開時は髪の毛すら凶器になるとか怖いな~とづまりすとこ(無意味)
力加減が出来ない駆逐艦も怖いけど、よく衝突する最上の方が危険だと思った(適当)というかここに最上居るんですかね?

※67
吉良の同僚改変ネタすこ

75: 病む病む命名ニキ 2019-01-14 17:05:08 ID: S:KB4W4H

>>73 誕生日おめ(超小声)

全身凶器は草。
一日引きこもっててもどうせ連れ出されると思うんすけど(無慈悲)

76: SS好きの名無しさん 2019-01-14 20:37:39 ID: S:NYqGqr

教官は妖精が見えたのに、何で提督をやっていないんですかねぇ・・・?w

77: かむかむレモン 2019-01-16 02:47:33 ID: S:n9QhfS

73さん

まっぱ兄貴そろそろ逮捕されそう


74さん

その辺については何も考えてません。基本的に誰でも出せますが変態糞投稿者の気分にもよります。



75さん

提督くんに救いは無いね!(レ)



76さん

提督くんみたいに妖精が見えるやつを見っける為ゾ

78: SS好きの名無しさん 2019-01-16 06:01:36 ID: S:HDJYa6

 1日休みが決まっている時の、布団から見る自室の天井は癒される。

 完 全 に 同 意

79: SS好きの名無しさん 2019-01-16 07:53:28 ID: S:Tu4aOr

バブ味艦、怖いなぁ戸締まりす・・・しても意味がねぇ!

80: ぽっちさん 2019-01-16 16:26:31 ID: S:7wPOf8

提督くん疲れすぎて鍵かけた気がしただけでしょ(適当)

81: 病む病む命名ニキ 2019-01-16 18:11:08 ID: S:6yEgGD

鍵をかけた(鍵がかかっているとは言っていない)

艦これサーバーにサイバー攻撃ってマジ?

82: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-16 21:30:28 ID: S:aAzAe3

流石に現実では自宅でしかまっぱじゃないよ()

…ふむ、でもこいつはヤンデレぎみじゃないのか>時雨

83: SS好きの名無しさん 2019-01-17 02:43:17 ID: S:ofa4Z-

仕事を終えて帰宅、夕食を取りまだ早いけど疲れたから少し休もうかと思い明日は休みだしどこに出抱えようかとかkkが得ながら布団に入る
次に気が付いたとき時計を見たら1時間ほど経っていた、いつの間にそんなに時間たってたのかな、と思いTVをつけると何かおかしい
良く見てみるとレギュラー番組、ただし翌日放送のである
そう、自分でも気が付かないうちに25時間ほど爆睡していたのである、寝た事すら気が付かずに
・・・よくあるよね、こんな事って
実話だよ

84: かむかむレモン 2019-01-18 03:51:06 ID: S:HUaKN8

78さん

当たり前だよなぁ?(迫真)



79さん

バブみ艦の魔の手からは逃れられない!(カルマ)



80さん

なんだよ、提督くんの確認ガバガバじゃねぇか(買いかぶり)



81さん

鍵は掛けたんだよなぁ…



82さん

ヤンデレじゃないって、言ってんだルルォ!?



83さん

爆睡兄貴所々の誤字でまだ疲れが残ってるみたいだからもう少し休んで

85: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-18 17:29:11 ID: S:ygVqTg

ははは引きこもる前に兵糧を蓄えないのは素人だよ提督くん

86: 病む病む命名ニキ 2019-01-18 17:51:55 ID: S:LJduHW

やることなすことみんな裏目に出てて草。

Johnstonチャン出ないゾ・・・。
イベントが22日までで助かったゾ。

87: かむかむレモン 2019-01-19 11:17:20 ID: S:xz1p2c

85さん

実際詰めが甘いんだよなぁ



86さん

追い詰められたら判断が鈍るから、多少はね?

88: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-19 15:00:15 ID: S:aE7IQL

雷ならしょうがないね。自由にさせたげて
俺は浦風にならお世話されたい…

89: 病む病む命名ニキ 2019-01-19 15:23:03 ID: S:Zb27cM

>>88
また浮気かたまげたなぁ

提督君が期せずしてハーレムを作り上げているにも関わらずその幸せを享受出来ないのは可愛そう(小並)

90: ぽっちさん 2019-01-20 00:19:54 ID: S:6Sra70

羽黒沈めました(懺悔)もっかい育てなおしてケッコンするゾ・・・・・・
かむかむニキは気を付けて、どうぞ

91: せっかち提督 2019-01-20 18:09:11 ID: S:dkWyV1

押し掛け女房多いっすねこの鎮守府...
提督くんの信頼と人徳のおかげなんだろうけど、深読みし過ぎて好意を素直に受け取れないのは悲しいなぁ...

E-3、工事完了です...(悲願)
結局丁になりました
資源ないしJohnston掘りは諦めます...

92: SS好きの名無しさん 2019-01-20 20:29:16 ID: S:Mdmovm

やっぱかむかむくんの・・・ssを・・・ 最高やな!

93: 黒結愛 2019-01-21 03:12:27 ID: S:EyhoPr

更新お疲れ様です。

94: かむかむレモン 2019-01-21 03:45:13 ID: S:dg0Q4F

88さん

また浮気か壊れるなぁ…



89さん

生身の人間には荷が重いって、はっきりわかんだね



90さん

轟沈報告なんてしなくていいから…(良心)



91さん

初日から大怪我したら全てを深読みせざるを得ないんだよなぁ



92さん

ありがとナス!



93さん

おつありナス!

95: 病む病む命名ニキ 2019-01-21 20:38:28 ID: S:SJLuQB

平日には書類仕事がある
→書類仕事をしているときは大体の娘は構いに来ない
→つまりここの提督にとっては書類仕事をしているときが一番安全

自分の安全を確保するために書類仕事をし続けなければならないという仕事強制システムが出来上がってますねクォレは・・・。
大本営はここまで考えていた・・・?

96: ぽっちさん 2019-01-21 23:54:57 ID: S:26d3Nl

ジョンストン出ました?自分は丁ですけど攻略中に早波ちゃんだけお迎えできました。早波ちゃん可愛いからそのうちSS作って、どうぞ

97: 農業好きな提督…雪だるま! 2019-01-22 04:43:00 ID: S:AMKc5y

何回見ても面白いです。こんな素晴らしい作品に会えて光栄です!

98: かむかむレモン 2019-01-23 04:36:30 ID: S:3vUi0e

95さん

大本営そこまで考えてないゾ(確信)
単に提督くんが不運なだけだゾ



96さん

ジョンストン来ましたけど早波来てないんでSSは書けませんね



97さん

何回も見てくれてありがとナス!
涙がで、出ますよ…

99: 病む病む命名ニキ 2019-01-23 19:43:01 ID: S:1y4JT2

(羽黒と潮は)事務的な関わりしか持ちたくない訳じゃなくってただ単に引っ込み思案なだけなんだよなぁ・・・。
完全に提督君人選ミスってますね・・・。

100: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-23 23:02:14 ID: S:_CJqXA

北上さんならなんやかんやで真面目に働いてくれるし余裕あって気遣いもできるから膝枕中警報なっても「ちょっとごめんねー」って退かしてから偽装展開してくれるし
提督LOVE勢北上さんなら遠回しに愛を伝えるから提督くんにも迷惑は被らないッッッッ!
やはり最強の嫁やで!
というわけで北上さんレベリングしてきます

101: ぽっちさん 2019-01-23 23:17:40 ID: S:tLupl1

羽黒を出すなんてやっぱりアグロを沈めて僕への当てつけですね?(適当)

102: かむかむレモン 2019-01-24 04:18:51 ID: S:2zbX5Y

99さん

勘違いによる人選ミスは最早お約束だから、多少はね?



100さん

露骨な北上希望が見える見える…
出すかどうかは未定です。



101さん

あ、なにそれは…
次から大破したら撤退して、どうぞ

103: 黒結愛 2019-01-24 05:49:25 ID: S:yuh20r

この度の更新もお疲れ様です。
無理ないペースで
更新ファイトです(´꒳`*)

104: SS好きの名無しさん 2019-01-24 07:19:43 ID: S:B4Z1ue

提督が酷い目にあってない!?(とんらん
そうか、これは嵐の前の静けさ、というヤツだなw

105: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-24 15:43:00 ID: S:v20pFW

この提督は初雪とケッコンすりゃいいとおもう(

106: 安部鬼 2019-01-24 15:43:32 ID: S:HiCcJ3

次はスマブラ(意味深)

107: 病む病む命名ニキ 2019-01-24 18:17:07 ID: S:0ZRNRs

やはり書類仕事をしている間は安全ってはっきり分かんだね。

スマブラ買ってあげたら「次はエスコン」とか言い出すと思うんすけど。

108: ぽっちさん 2019-01-24 22:29:31 ID: S:ZIITHm

スマブラ一緒にやって辞めたくなくなるまでテンプレ

109: マンダイン 2019-01-25 22:14:18 ID: S:Y3Ruya

スマブラ負けたら勝つまでやらされそう

110: かむかむレモン 2019-01-26 03:47:55 ID: S:kYRhqs

103さん

ありがとナス!
頑張るゾ~



104さん

いつも酷い目に遭ってるし、多少はね?



105さん

なんでケッコンする必要があるんですか(疑問)



106さん

特に深い意味は無いゾ。遊びたいだけだゾ。



107さん

強欲過ぎるッピ!エスコンは知らぬいです。



108さん

提督くんは辞める気マンマンなんだよなぁ



109さん

勝つまでとか萎えて辞めたくなる…辞めたくならない?

111: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-26 11:10:55 ID: S:Je8rRx

退役したら北上さんが追いかけ(エイサーイハラマスコーイ
ちょっとこの艦娘たちの誤解を解いてみたいなー
キングダムハーツはPS2しかしらね

112: 病む病む命名ニキ 2019-01-26 15:27:29 ID: S:VR2n7N

>>110
エスコン7はいいぞ!(ただしzero→5→7の順にやらないと物語の根幹にあるところは理解出来ないゾ)

提督君平和ですねぇ・・・。
この平和がずっと続けばいいのに・・・(叶わぬ思い)

113: SS好きの名無しさん 2019-01-26 19:58:41 ID: S:bp4L1u

なにこれおもしろ。
キングダムハーツか···。2しかやってねぇ…。

114: SS好きの名無しさん 2019-01-27 00:50:52 ID: S:oBvpt7

提督よ

俺の経験則によれば

ストレスで失った毛髪は、二度と…

115: かむかむレモン 2019-01-27 04:09:16 ID: S:jXrXAi

111さん

誤解解いても辞められるわけないんだよなぁ



112さん

平和なんて元から無いゾ(無慈悲)



113さん

ありがとナス!
面白いから、買おう!



114さん

提督くんの希望を貪るのは、やめようね!(良心)

116: 病む病む命名ニキ 2019-01-27 16:32:23 ID: S:fcgl6q

そうだ、提督君に応急修理女神持たせれば死ななくて済む→辞める必要がないじゃん(錯乱)
というか提督君が辞めたら後継の提督が今の提督君と同じ目に合うと思うんすけど。

117: SS好きの名無しさん 2019-01-27 17:08:01 ID: S:FxLsZG

長期休暇を取って旅行にでも行けばひと時の平穏が得られるのでは?と思ったけど護衛とか言って付いてきそうだしその前に誰が護衛に付くかでひと悶着起こしそうだし難しいね

鎮守府の門の上にはロダンの考える人が置かれていそうですな

118: メットール 2019-01-27 17:10:26 ID: S:V8YQNl

112さん
エスコンは面白いですよ、自分も今やってます。時系列的に7の後にXが来るのは何故か面白い所がありますが。


さあ提督くんの明日はどっちだ!

119: ぽっちさん 2019-01-27 22:14:36 ID: S:v0clrl

三日ぐらい投稿休んでいいから、キングダムハーツさっさと終わらせて、どうぞ

120: かむかむレモン 2019-01-28 04:55:49 ID: S:sLJbZr

116さん

提督くんには女神積めないんだよなぁ(無慈悲)



117さん

提督になった以上艦娘の魔の手からは逃れられない!



118さん

ああ、やっぱり今回もダメだったよ(ルシフェル)



119さん

3日で終わるほど短くないんだよなぁ

121: SS好きの名無しさん 2019-01-28 08:23:55 ID: S:L_GKoB

提督に必要なものは体力だってハッキリ分かんだね。
ただ、今回の話で重要なことは、大淀を始めとした艦娘たちに提督が退役したいという事がバレた訳で・・・

嵐が・・・来る・・・!(確信

122: こるちゃん 2019-01-28 10:12:35 ID: S:6k3AeX

これ別で辞めた未来と辞めなかった未来と両方書いて欲しいゾ⋯

123: SS好きの名無しさん 2019-01-28 19:23:04 ID: S:ycplPR

>>118
そんなこと言ったらエスコン3の立場が・・・。

提督君よく頚椎捻挫と脳震盪で済みましたね・・・。
頭部への強い衝撃は下手すればクモ膜下出血になる可能性があるから気を付けるんだゾ。

124: SS好きの名無しさん 2019-01-28 21:42:41 ID: S:jLp5mq

提督君を見つけた序盤の教官は、秘書艦に見限られた元・提督の可能性が微レ存?
そうなると、どうやって修羅場を潜り抜けたのか気になるわぁw

125: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-28 22:40:52 ID: S:9lc-ro

やったじゃないか!これを理由に辞めれるぞ!(フラグ)

126: SS好きの名無しさん 2019-01-29 01:56:24 ID: S:ow6sQs

もう無理退役するって、こんなんじゃ商品になんないよ。
もうさ、最後にケッコンしてもらって、
(人生)終わりでいいじゃない?

127: かむかむレモン 2019-01-29 04:03:13 ID: S:u_iYOX

121さん

体力あっても心が先に参っちゃ~う^
大淀のガバ推理のお陰でバレてないゾ



122さん

マルチエンディングは…すいません、まだ考えてません(力不足)



123さん

提督くんが異常に頑丈になってる所もいずれ回収したいですね…



124さん

そこら辺も提督くんの異常な回復と同時に回収する予定ゾ



125さん

(辞められ)ないです



126さん

そんな事したらSS終わっちゃ~う^
まだ続く予定です

128: SS好きの名無しさん 2019-01-29 15:56:24 ID: S:HFfe8l

深海棲艦がどこぞの秘密結社みたいな扱いになってる

129: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-01-29 16:32:48 ID: S:1nfgtr

(マルチエンディング)先にどちらか片方書いもらって、もう片方をゆっくり考えて頂く形で・・・(無茶振り

130: 病む病む命名ニキ 2019-01-29 17:30:37 ID: S:DSvKh2

深海棲艦とばっちり食らってて草。

P.S 123は私です。
   勝手にログアウトする症状何とかならないんですかねぇ・・・。

131: かむかむレモン 2019-01-30 04:39:48 ID: S:11U5Wa

128さん

大淀さんのガバ推理のお陰でいいとばっちりなんだよなぁ…



129さん

マルチ書くかは…ナオキです…
これが中々、難しいねんな…



130さん

またガバ推理か壊れるなぁ…

132: SS好きの名無しさん 2019-01-30 07:25:11 ID: S:pc4EfY

大淀のガバ推理と暁のガバガバ看病で、提督の退役RTAが進行不能過ぎるッピ!
どうすれば、提督と艦娘がWin-Winな生活が構築できるんですかねぇ・・・w

133: SS好きの名無しさん 2019-01-30 13:50:07 ID: S:AFOHlF

がむがむ兄貴!白露姉さんの最後の文面が誤字ってますぜ!硬くなってんぜ…!(?)


続き楽しみに待ってますぜ!

134: SS好きの名無しさん 2019-01-30 15:33:32 ID: S:9SHTCC

提督:運-100 特性:不運(死なない程度)

135: みがめにさまはんさみかたき 2019-01-30 17:11:45 ID: S:Q5Phb9

もうこれ大淀に土下座して助けを求めればいいんじゃないかと言おうとした俺の服を破いてk…しまった着てなかった。
大淀サァン…あんた無能すぎて密林だよ…

136: 病む病む命名ニキ 2019-01-30 19:37:28 ID: S:qEu-P9

>>135 はよ服着て

やっぱり一人前のレディー(何が一人前とは言っていない)じゃないか・・・。
まだ暁よりも雷のほうが多少は安心ゾ。

137: SS好きの名無しさん 2019-01-31 00:29:16 ID: S:xwIgu3

暁と白露はその気になればそつなくこなせるけど子供ゆえの未成熟さや
性格のそそっかしさが邪魔して残念な事になりやすいて印象が妙に有るなぁ

138: SS好きの名無しさん 2019-01-31 18:40:13 ID: S:lf0nu8

提督:逃げるんだぁ、オシマイだぁ

139: かむかむレモン 2019-02-01 19:31:09 ID: S:wr6LUS

132さん

提督くんが怪我する限りwin-winは無理ゾ(無慈悲)



133さん

誤字指摘ありがとナス!
修正したゾ



134さん

そんな特性付けなくていいから…(良心)



135さん

大淀に土下座しても何も変わらないゾ



136さん

提督くんは雷でも安心出来てないゾ



137さん

長姉だし、多少はね?
背伸びし過ぎは良くないってハッキリわかんだね


138さん

どこへ行くんだぁ?

140: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-01 21:37:44 ID: S:awlb1Q

※139
かむリー!お前と避難する準備だァ!

………さて、ついに提督スァン死んでもうたな
はい!このSSは終了!閉廷!皆解散………する思っていたのか!
もうチョッと(??)だけ続くんじゃ

141: リスト作りの人別媒体 2019-02-01 23:21:52 ID: S:zGzPs3

暁と白露、やってしまわれましたなぁ・・・?
(これはそれぞれの姉妹とお淀が黙って)ないです

142: SS好きの名無しさん 2019-02-01 23:22:58 ID: S:eCKEil

ギシギシ響のくだりは声出して笑ってしまった(不覚)
楽しみにしてるゾ

143: せっかち提督 2019-02-02 00:03:58 ID: S:lhu-Yn

どうも、お久しぶりです
ROMってただけで一応見てはいましたゾ

もし筋肉を鍛えてなかったら引っ掻き傷が致命傷になってたかも...?とか考えると、このガチムチ提督の筋肉も無駄にはなっていない...のかな?
とか考えてました

144: SS好きの名無しさん 2019-02-02 02:34:14 ID: S:H3R1ig

死んじゃうッピ!

145: SS好きの名無しさん 2019-02-02 03:12:01 ID: S:Xgo0Se

『ア●ルと雪の女王』の名曲を汚したな!
法廷で会おう!!
だが、お前が犬のマネをすれば示談する事を考えてやるよ

146: SS好きの名無しさん 2019-02-02 10:38:05 ID: S:aNsWci

ポンコツ長女達自慰(意味深)とか知らなそうだから
提督の息子思い出す度にパニックになる未来不可避ゾ
(無知シチュ並感)

147: 病む病む命名ニキ 2019-02-02 14:39:41 ID: S:sG15fL

なんて事だ、(提督君は)もう助からないゾ♡(メーデー並感)

148: SS好きの名無しさん 2019-02-02 17:52:53 ID: S:rv_8yq

艦娘ブリーカー!!〇ねぇ!!!

なぜか脳裏をよぎりました

149: SS好きの名無しさん 2019-02-02 22:54:31 ID: S:1QfGCF

ガバガバ看病どころか、さらに提督の状態が悪化してるじゃないか!?(目を覆い
やはり、秋津洲や大鯨のような家庭的な艦娘に看病しなくては!(フラグ

150: かむかむレモン 2019-02-03 13:25:49 ID: S:abKXBW

140さん

まだ生きているゾ(不屈)


141さん

提督くんが夢オチ処理したから大丈夫だゾ


142さん

ありがとナス!
響ネタなんで思いついたのかコレガワカラナイ


143さん

肉壁はあらゆる面で優秀ってはっきり分かったんだね(証明)


144さん

何度でも甦るさ!(ムスカ)


145さん

コメ兄貴もネズミ王国から怒られそうなタイトルしてますねクォレハ…


146さん

残念ながらR18にはならないから無知シチュは書けないゾ


147さん

提督くんはまだ死なないゾ


148さん

提督くんはハニワ幻人だった…?


149さん

誰が来ても提督くんにダメージが及ぶゾ(無情)

151: SS好きの名無しさん 2019-02-03 16:37:33 ID: S:G9Uojt

息子「」

152: ぽっちさん 2019-02-03 17:36:47 ID: S:KDph7V

間宮さんが母親とか理想ず過ぎてもうなんか・・・・・・
補給艦みたいな感じで実装されないかな?

153: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-03 18:51:25 ID: S:Ff3fNO

逃げるんだぁ…(この二人に)勝てるわけないよっ!

154: SS好きの名無しさん 2019-02-03 19:16:20 ID: S:7piCBU

大丈夫、提督は幸運だ

気合い入れ過ぎた比叡カレー赤城盛を五月雨が持って病室に駆け込んでくるようなことが無かったのだから

うん、提督は幸運だ

155: 病む病む命名ニキ 2019-02-03 21:58:06 ID: S:t7VtWn

引っ掻かれた傷痕も残らないとか提督君本当に何者なんですかねぇ・・・。

156: SS好きの名無しさん 2019-02-04 02:23:31 ID: S:y-pqJk

おマセ艦三大筆頭の如月荒潮村雨サンじゃないか
と思ったら1人居ない!

157: SS好きの名無しさん 2019-02-04 09:28:43 ID: S:VFe5jp

提督とオマセ艦のスマブラ、はっじまーるよぉ!っなんだおまえら!(予定調和)

もう次のダメージで提督の魂だけ天国に行っちゃうんじゃない?(ナランチャ感)

158: SS好きの名無しさん 2019-02-04 16:33:55 ID: S:SCH0j5

待ちに待った荒潮+114514^191919191919191919点
もう待ちきれないよ!早く(続きを)出してくれ!

159: かむかむレモン 2019-02-05 03:46:48 ID: S:GkPl9i

151さん

生き返れ生き返れ…


152さん

もう実装されてるだろ!(甘味)


153さん

ベジータ兄貴早く戦って


154さん

不幸の役満で草も生えないゾ…


155さん

その辺りはまた後でわかるゾ


156さん

村雨は出すか迷いましたが結局出さなかったゾ


157さん

提督様(死に)逃げてはダメですよ


158さん

荒潮好き兄貴ご無沙汰じゃないっすか!
桁数が多すぎるッピ!

160: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-05 15:02:47 ID: S:ZANQwM

\鎮守府の女神間宮さんが相手だぁ!/

161: 病む病む命名ニキ 2019-02-05 18:59:30 ID: S:jUMUlB

逆に考えるんだ、もう手を出しちゃってもいいやと。(投げやり)

162: かむかむレモン 2019-02-07 04:08:15 ID: S:c6OO5N

160さん

女神もお手上げなんだよなぁ


161さん

提督くんそこまで食い気味じゃないゾ

163: SS好きの名無しさん 2019-02-07 10:36:27 ID: S:GV_Fe1

赤城、加賀「青葉、制☆裁」

青葉「」

続き楽しみんゴ!

164: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-07 16:41:32 ID: S:q75KxX

女神もマスゴミ青葉スァンには勝てな………ましたね。
大量の犠牲を産み出しながら

ちくわぶ

165: 病む病む命名ニキ 2019-02-07 19:18:31 ID: S:0SKmTI

他に被害が出まくってるんですがそれは・・・。
青葉は簀巻き&逆さ吊り決定ですね間違いない。

はんぺん(便乗)
おでんおいしいよね。

166: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-02-08 08:42:30 ID: S:qlLdUE

青葉は背中側で両手首と両足首縛ってクレーンに吊るしとこう。

牛すじ串(便乗の便乗)
寒い時期にちょっと熱いおでんをはふはふやりながら食べるのは至高だぁ!

167: メットール 2019-02-08 12:35:43 ID: S:iL9km-


ですがこれはこれで料理が得意な艦娘達の戦いが始まりまた提督くんが三途の川を渡りかける未来が…


大根(便乗の便乗の便乗)
すいませんおでんと聞いたら自分的には外せないです。一杯やるのに丁度いいです。

168: かむかむレモン 2019-02-10 04:34:49 ID: S:a6dEVV

163さん

青葉は流布してないからセーフゾ


164さん

痛いですね、これは痛い…(テンションダウン)


165さん

兵糧攻めが一番効くって、それ一番言われてるから


166さん

悪い子はお仕置きだどぉ!ほんへではやりませんけど


167さん

電脳ウイルス兄貴は未来視でもしてるんですかね…?

169: SS好きの名無しさん 2019-02-10 16:05:05 ID: S:KcgcPe

提督「食べりゅ教だと……」((゚Д゚;))

170: 病む病む命名ニキ 2019-02-10 17:37:27 ID: S:We4Geo

自分から命懸けの日々に戻って行くとか提督君ドMなんじゃないんですかねぇ(迷推理)
少なくとも単に優しいだけではないと思うゾ。

171: ゼン・ラー 2019-02-10 18:38:35 ID: S:mALPY9

瑞鳳でるなら姉の祥鳳でるよなぁ?

(かむかむ兄貴の新作でてるの気が付かなかったぞ)

172: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-10 19:12:25 ID: S:gc_8zA

たべりゅうううううう!!(アイデアロール失敗)
瑞鳳は自らの玉子焼きで自家発電してたってわけか…自家………発電………
ぐへへへへへへへへへへへ

173: せっかち提督 2019-02-12 00:03:43 ID: S:UrHnZ8

赤城・加賀「生きる意味を...失う♀」(レ)

計画バレたと思ってオープンに辞めたい言い出す提督くん、チャンスを不意にするし既にダメそう

提督の(認識出来る)味方はどれほどいるのか!...といっても終止給糧艦だけな気がしてきた

174: かむかむレモン 2019-02-12 04:37:03 ID: S:9DF6ng

169さん

食べりゅは皆さん見慣れてると思うので敢えて出してないです



170さん

絶望してる間は何もしたくなくなるから、多少はね?



171さん

祥鳳の出番は…ナオキです



172さん

ちょっと何言ってるかわからない(ドン引き)



173さん

味方と言っても提督くんが思い込んでるだけの可能性が微レ存…?
上手くいかなすぎると適当になりだすからね、仕方ないね♂

175: SS好きの名無しさん 2019-02-12 21:24:48 ID: S:1Zbe-5

青葉を血祭りにあげろ!!

176: リスト作りの人別媒体 2019-02-12 21:28:05 ID: S:hcsMaw

大丈夫だ、提督!
貴方へのメンタルダメージは致命傷で済んでるから!

177: ぽっちさん 2019-02-12 23:32:26 ID: S:vOuJVC

ずほちゃん、全然建造できなかったのに夏イベで軽くドロップしたなぁ(遠い目)
明日から三日間テストゾ・・・・・・・ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa

178: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-13 00:25:52 ID: S:4nR-zf

うっへぇ提督哀れ爆発四散
さぁて明日(今日)は面接だぁ!五分間の口答自己表現とか練習してないけどなんとかなるだろ!あっはははははは(全裸)

179: 病む病む命名ニキ 2019-02-13 19:03:18 ID: S:yo87m9

なんかもう提督君踏んだり蹴ったりで草。
もう一回伊良湖さんに(料理)作ってもらってそのまま恋に発展して・・・。
素敵なことやないですかぁ。

なんかまたsyamuさんがアレコレやらかしてるみたいですねぇ。

180: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-13 21:56:19 ID: S:c4LL8J

ウィィィィィィィッスどうも、syamuデェェェッス(空耳)

181: SS好きの名無しさん 2019-02-14 17:42:24 ID: S:MoTc28

提督「食べ…れない…(泣)」

182: かむかむレモン 2019-02-15 08:46:22 ID: S:qRAUF3

176さん

致命傷はいやーキツいっす(素)


177さん

テスト勉強してホラ


178さん

提督くんのメンタル生き返れ生き返れ…



179さん

提督くんの恋が叶う日が来るといいですねぇ(目逸らし)


181さん

悲しいなぁ(諸行無常)

183: 病む病む命名ニキ 2019-02-15 20:31:57 ID: S:Y7iRYt

絶対マシンルームに誰かいるゾ。
提督君は艦娘に耐えれるように筋肉つけてるみたいですけどその努力が報われる日は来るんですかねぇ・・・。

184: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-16 16:12:54 ID: S:LLqWK2

あっっははははははっははは受験やーらかーしたー!
ま、それは、それと、して
マシンルーム誰か潜んでるよなぁ…間違いなく。
キヌガッサか川内=サンあたりが潜んでそう

185: ぽっちさん 2019-02-18 23:08:28 ID: S:ws4oor

最近投稿おせぇなぁ!?さてはまだKH3終わってねーんだろ!(名推理)
毎分投稿して、どうぞ

186: かむかむレモン 2019-02-19 04:56:15 ID: S:QUNkdj

183さん

そんなことないゾ
それに提督くんは元々心身の健康と自己表現の為ゾ


184さん

中に誰もいませんよ?


185さん

遅れて申し訳ございません

187: ウンチーコング 2019-02-19 06:39:56 ID: S:9W_m10

提督さん辛いっすね…

188: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-19 18:41:02 ID: S:DMpyMn

俺も受かったんだからかむかむ姉貴兄貴もとっとと就活終わらせて、どうぞ
キヌガッサは居なかったけど鬼怒ガッサは出ると言う…
きんにくモリモリマッチョマンのへん
たいの提督はなんと
か辞職までいけるのか…?
みんなも今後の提督の活躍に期待だ!

189: 病む病む命名ニキ 2019-02-19 20:15:07 ID: S:QKG34a

もう提督君誰かと結婚してその人に守ってもらえればいいんじゃないんですかね・・・。(思考放棄)

就活頑張って下さい。

190: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-19 23:47:36 ID: S:D-3Eyl

※189
おっ、おい待てぃ(最近気に入ってる)
提督くんには放置プレイ大好き元帥君が似合うと思うゾ

191: SS好きの名無しさん 2019-02-20 21:39:13 ID: S:tAs_0p

かむかむニキのペースでええんやで
就活応援してるぞ♡

192: かむかむレモン 2019-02-21 04:31:38 ID: S:lScsmm

187さん

提督くんの苦悩はまだまだ続くゾ



188さん

提督くんは変態じゃないだろ!
縦読みにしても出すかは未定です。



189さん

そんな事したらSS終わっちゃ~^う



191さん

ありがとナス!
出来れば一発ツモキメたいゾ…

193: SS好きの名無しさん 2019-02-21 16:24:42 ID: S:Rc6nKC

ぶっ潰しても、切り刻んでも、焼いても死なない。ゴキブリめ!蛆虫め!這いずりまわり、のたうちまわり、五臓六腑を撒き散らしても、生き抜いて見せろ!!
しかし、生き延びたとしてその先がパラダイスの筈はない!

提督ってこれだよね

194: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-21 16:54:40 ID: S:W7iWLn

提督んにも体力ってあったんだ!(すっとぼけ)
にしてもSMKZ早いっすね
いやでもあんなに追いかけられたらさすがの全裸マンでもやめたくなりますよ~提督~



PS.本格的に淫夢にハマってきた

195: 病む病む命名ニキ 2019-02-21 18:20:51 ID: S:hUBBGx

>>194
既 に 手 遅 れ

艦娘は釣れましたか・・・?(小声)
(艦娘の魔の手から)ああ逃れられない!(カルマ)

196: かむかむレモン 2019-02-23 14:37:04 ID: S:OfcHGk

193さん

ボトムズ兄貴がいますね…


194さん

全裸をやめた方がいいと思うんですけど(名推理)


195さん

艦娘からは逃れられないんだよなぁ

197: 病む病む命名ニキ 2019-02-23 15:06:46 ID: S:qGLM4U

提督君は優しいから断りきれずに全部食べると思うけど(予想)、夕食の後にカツとか胸やけルート待ったなしですね・・・。

198: SS好きの名無しさん 2019-02-23 16:05:31 ID: S:SeRofY

新ジャンル、提督破壊RTAがキツすぎるッピ!
今回は、料理上手艦による、提督の胃袋破壊工作がヤバ過ぎる・・・w

199: SS好きの名無しさん 2019-02-23 18:05:08 ID: S:sE8fUT

お腹が壊れちゃ^〜う!
なんでこの鎮守府には、正妻がこんなにいるんですか(半ギレ)

200: SS好きの名無しさん 2019-02-23 18:54:47 ID: S:hx1R1u

次は食い倒れか?

201: かむかむレモン 2019-02-24 04:45:58 ID: S:OOumAI

197さん

食い倒れるからしてはいけない(戒め)


198さん

食い物も凶器とか壊れる~^


199さん

正妻なんていないゾ


200さん

先読み兄貴ご名答ゾ

202: SS好きの名無しさん 2019-02-24 06:48:09 ID: S:K7PQAw

まずいな、ちょっとだけイライラ感が芽生えてきた。あまりにも可哀想すぎる。
救いはないんですか!?

203: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-02-24 07:56:23 ID: S:H_PMMR

いやー、(お腹一杯な状態でカツと玉子焼きを山盛りは胃が)キツイっす。(真顔
お腹が壊れる~^

204: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-24 09:32:34 ID: S:m4-QeZ

全裸はやめるとかいそういうものじゃないんだよ!(声だけ迫真)
さすがに今回ばかりはちょっとだけ提督を不憫に思うなー
あ、でも北上さんか熊野の料理にだったら殺されてもいいかな~

205: SS好きの名無しさん 2019-02-24 09:58:41 ID: S:HQ-N3D

不憫すぎてそろそろ笑えなくなってきたな。

206: せっかち提督 2019-02-24 14:56:31 ID: S:ny51Ip

提督くんにあまり食べさせないでください太ってしまいます(なんか犬みたいだあ)

顎外れずに顎関節症だけで済んだならまだマシなんだよなあ...まだ、ね

207: ぽっちさん 2019-02-24 15:50:00 ID: S:bTXlrp

クォレハ・・・・・・happy end来なそうですねェ!

208: SS好きの名無しさん 2019-02-24 18:06:57 ID: S:D1X1eH

食えよぉおぉ!! 食えよぉおぉぉおッ!!!
(緒方拳並みの某鬼畜並絶叫)

209: 病む病む命名ニキ 2019-02-24 21:26:56 ID: S:fDvb3Y

胸やけだけかと思ってたら予想の斜め上いってたゾ・・・。
食い物で窒息とか不憫すぎませんかねぇ・・・。

210: ぽっちさん 2019-02-26 00:10:52 ID: S:ksAYLg

訂正 happy end見えた
どーせ提督がドMになって堕ちるんでしょ?

211: かむかむレモン 2019-02-26 04:19:14 ID: S:Z1TWd5

202さん

今は救いは無いね!(レ)
これからですよ(多分)


203さん

本当に胸焼け起こすからしてはいけない(戒め)


204さん

提督くん不憫パートは一旦中断(かも)



205さん

不屈の提督くんの戦いはこれからゾ


206さん

食っても筋肉に消費されるからへーきへーき、へーきだから(GO)


207さん

まだエンドについて言及できないです


208さん

もーお腹いっぱいだ…(我修院)


209さん

尽くアプローチが仇になる展開だからね、仕方ないね(レ)

212: SS好きの名無しさん 2019-02-26 19:01:02 ID: S:SeSZ51

提督は、お断り勢の裏の顔を知らないようだ…。

次回予告

提督シス!(姉妹艦だけに)

213: 病む病む命名ニキ 2019-02-26 20:17:06 ID: S:BC8-j-

提督君・・・冷や汗を

214: 病む病む命名ニキ 2019-02-26 20:19:01 ID: S:ocS0Fa

↑ごめん、途中で送ってしもた。

提督君・・・汗拭けよ・・・。
この時点で本能的に作戦の失敗を悟るあたり提督君進化しましたね・・・。

215: みがめにさまはんさみかたき 2019-02-26 21:33:20 ID: S:IHgwfG

あ、くぉれはオコトワリの皮を被ったLOVE勢ですわぁ…(確信)
提督をいぢめるのはこれ以上やめちくりー
いやまじでやめろよ…(建前)

216: かむかむレモン 2019-02-28 04:30:45 ID: S:7LaRzR

212さん

大丈夫だって安心しろよ~(GO)


213さん

今までの自分のガバに涙してるんだよなぁ



215さん

建前じゃダメだな!
お断りなのにLOVEとかこれもうわかんねぇな

217: ぽっちさん 2019-02-28 16:48:09 ID: S:KJfU0f

むっちゃんレベル30で時が止まってるんですよウチ・・・・・・

218: 病む病む命名ニキ 2019-02-28 20:33:42 ID: S:YjDdJu

提督君まだ平和ですね。
「まだ」平和ですね・・・。(大事な事なので2回言いました)

219: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-03-01 04:40:17 ID: S:JNOXUR

この平和が永遠に続くように祈ろう、提督のために。(フラグ

220: かむかむレモン 2019-03-03 04:01:51 ID: S:cx2325

217さん

あく育てて、どうぞ


218さん

不穏な言い回しはヤメロォ!(建前)ナイスゥ!(本音)


219さん

祈って何とかなるといいですねぇ(鼻ほじ)

221: SS好きの名無しさん 2019-03-03 04:35:00 ID: S:XMXzd0

由良伊良湖間宮さんが一つ抜きんでて、意図して危害加えてない分
陸奥長門白露島風霰千代田が辛うじてって感じかな信頼度。
頭皮ENDと逃避ENDを覆すには至らないけど!

222: SS好きの名無しさん 2019-03-03 19:57:42 ID: S:oVqon3

あれ...前にもこんなことがあったような...途中まで平和だったのに...いつからか彼女達も...
あっ

223: 病む病む命名ニキ 2019-03-03 21:43:49 ID: S:WrAvdq

提督君完全にアルコール恐怖症になってますね・・・。
全て飲ん兵衛空母が悪い(確信)

224: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-04 16:04:35 ID: S:ROVyi4

しょんぼり提督かわ………あれ?
提督って筋肉モリモリマッチョマンのハゲ親父………
撤回します

225: SS好きの名無しさん 2019-03-05 22:05:50 ID: S:giMyRR

提督「これで安心やな!」
シスコん勢「せやで、せやから…。(サワサワ)」
提督「ライダー助けて!」

何回目で堕ちるかな?(ねっとりシンボイス)

226: かむかむレモン 2019-03-06 04:27:47 ID: S:RrOsk0

221さん

頭皮はもう終わってるんだよなぁ…


222さん

大丈夫だって安心しろよ~(GO)



223さん

ちゃんぽんで急性アル中なんかされたら当然だと思うんですけど(名推理)



224さん

親↓父↑だとふざけんじゃねぇよお前!独↑身ダルルォ!?


225さん

今回は普通にオコトワリの雰囲気で終わらせたから無いゾ

227: SS好きの名無しさん 2019-03-06 06:29:46 ID: S:HPBVo-

よかった...オコトワリ勢がしっかりしていて
ところで元帥。前世や前前世のような失敗はするなよ...妖精さんの力を借りるのじゃ...

228: 病む病む命名ニキ 2019-03-06 19:21:31 ID: S:LWQCKB

むしろ元帥の前で艦娘とのスキンシップによってボロボロになった方が早く辞めることが出来るのでは・・・。

229: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-06 23:18:35 ID: S:ERQJkX

元帥とか久しぶりに名前聞いたわ
ギャグに疲れたからアプ怖と裏復みてくる

230: かむかむレモン 2019-03-10 01:41:27 ID: S:SPCVux

227さん

果たして今回はどうなるんですかねぇ(恍惚)


228さん

今回はそうは行きませんでしたねぇ…



229さん

元帥チョイ役ばかりだったからね、仕方ないね♂

231: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-10 02:06:26 ID: S:ECRxW4

普通に気づけた>正体

232: SS好きの名無しさん 2019-03-10 03:08:40 ID: S:-DkMdU

提督:クビだな…(やったぜ)

233: 病む病む命名ニキ 2019-03-10 06:02:27 ID: S:Ca6QP3

提督君・・・よかったやん。
これで辞めることが出来ますね(フラグ)

234: せっかち提督 2019-03-10 12:32:21 ID: S:UmBda3

内定おめでとナス!
ただ入社してからが本番だと考えるべきですゾ。勝って兜のなんとやら、です(hmkz)

元帥めっちゃ楽しんでますやん...
そしてセリフからして同情はするけど辞めさせることは無さそうですね...(諦念)

235: SS好きの名無しさん 2019-03-10 13:44:09 ID: S:wqUvSF

内定...やったじゃない!配属先は柱島かな〜
さて...元帥...ここからだぞ...ミスるとあっという間にバラバラだからな...

-: - 2019-03-10 14:00:21 ID: -

このコメントは削除されました

237: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-10 21:14:25 ID: S:yYkdbB

※-
久々の嵐で草生えますよ

238: メットール 2019-03-10 23:05:04 ID: S:-r1QI_

内定おめでとうございます!
入ってからが本番になりますから頑張って下さい!及ばずながら応援してます。

239: SS好きの名無しさん 2019-03-11 00:11:41 ID: S:--9WHo

ssに語録がないと落ち着かなくなってきた

240: かむかむレモン 2019-03-13 14:29:27 ID: S:oE445j

231さん

気付いてしまったか…


232さん

マルチエンディング辞任になりましたねぇ


233さん

辞められる(今すぐとは言ってない)


234さん

元帥はノリのいいおっさんゾ
辞められるが不穏な空気が漂ってるゾ


235さん

申し訳ないが魔境はNG
元帥ももはやバラバラにすらなれないんだよなぁ


238さん

ありがとナス!
社会出荷されるの怖い…アイアンマン!


239さん

語録中毒兄貴気を確かに持ってノンケコンテンツ見て

241: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-13 15:36:22 ID: S:7aijWG

北上さんやっぱりでなかったよ!!!!!
これだったら俺は元帥と結婚ルートを選ぶぜ!

242: こるちゃん 2019-03-13 18:59:28 ID: S:1wRBnV

マルチエンディングダトォ!?
やったぜ。

243: SS好きの名無しさん 2019-03-13 19:43:12 ID: S:sPjgZy

なんだよそれ…救いがないじゃないか…(やったぜ)

244: SS好きの名無しさん 2019-03-13 20:07:57 ID: S:rT33Mo

待ってた。
1だと提督の有能度によりけりだけど逃げることができる?しかし手引きしたとバレたら元帥は...
2だとまあ円滑にうまくいくだろうが失敗すると二つ前の世界線と同じことになってしまう...
3は後釜を見つけたとしても確実に上手くいかない未来が見える。提督という役職に惹かれてるならまだしも今の提督を好いているからなぁ
4は絶対悪手すぎる。確実に死ぬかコミュニケーションが取れなくてダメになるか
まあ予想だと2がうまくいきそう
某アニメの9話で死にかけたから早く癒しを...元帥に救いを...

245: SS好きの名無しさん 2019-03-13 20:20:57 ID: S:pKmv9F

投下乙
すべてのEDに「艦娘と幸せなキスをして終了」ルートが無くて涙が出ますよw

246: 病む病む命名ニキ 2019-03-14 19:36:32 ID: S:Qqt0cv

多分4以外は逃れることが出来ないと思うんすけど(迷推理)
まだヤンデレルートにならないだけマシですね・・・。

247: SS好きの名無しさん 2019-03-15 02:17:05 ID: S:odsE2v

妖精の薬飲んで加護が消えたら、今までのダメージが一気に(略

248: レジオン 2019-03-15 18:16:54 ID: S:vq81Cv

妖精の呪いでゆゆゆ思い出しちまったじゃねーかいいぞもっとやれ

249: かむかむレモン 2019-03-15 21:15:22 ID: S:hugis6

241さん

申し訳ないが特異点はNG


242さん

所望されたから、多少はね?


243さん

本音が見える見える…


244さん

考察兄貴の着眼点いいゾ~これ


245さん

一応提督くんが辞める話だから、多少はね?


246さん

4が一番悲惨ゾ


247さん

正解でしたね…


248さん

本音が漏れてますね…

250: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-15 21:35:37 ID: S:ucx5-J

ナズェダ!ナズェゲンズィザンルートガナインディス!
オンドゥルナインディスカー!アンダハヤッデグレードシンジデ…ウェッ……ソンナァ…ナズェダ!ナズェダ!ナズェダ!
ヅギビ・ゼババッ゛ダジョ・キタカミ…

byガン・ラガビ・レガリ・キタカミ

251: SS好きの名無しさん 2019-03-15 23:26:04 ID: S:oy5F2F

元帥〜そういうところだぞ。それだから毎度酷い目に会うんだ!やっぱりクスリは駄目絶対!

252: SS好きの名無しさん 2019-03-15 23:37:24 ID: S:gs4Dh3

提督辞めますか、人生辞めますか
最終手段は人間を辞めるか考える事を辞めるか

253: せっかち提督 2019-03-16 17:12:12 ID: S:bLKP6A

アア、オワッタ...!
即解放の道はやっぱり罠やったんやな...
うまい話には裏があるって、それ一番言われてるから(諫言)

254: メットール 2019-03-17 06:33:56 ID: S:lBkQyD

まあ、そうなるな(某師匠風に)
どれかしらにダメージ系があると思いましたがいきなり来ましたか。

255: かむかむレモン 2019-03-17 19:56:40 ID: S:hK4ySm

250さん

オンドゥル語は履修してないんだよなぁ


251さん

今作の元帥くんは酷い目に遭っても死ねないゾ


252さん

救いは無いね!♂


253さん

第一エンド解放しないと他ルート解放されないからね、仕方ないね♂


254さん

提督くん無残な姿になっちゃったねぇ…(ねっとり)

256: SS好きの名無しさん 2019-03-17 21:06:43 ID: S:iDMgFq

さよナランチャ!果たして提督は何回死んだら助かるのだろう。そうだ!間宮さんと伊良湖ちゃんと駆け落ちしよう!

257: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-18 02:00:48 ID: S:S33CLN

※256それアリーヴェ帰るチだからアリーヴェデルチじゃないゾ


※かむかむニキ
オンドゥルだけじゃなくてグロンギ語も勉強しないと今のグローバル社会生きていけないんだよなぁ
提督くんは元帥に指輪を渡そう!

ナズェダ!ナズェゲンズィザンルートガナインディス!
(何故だ!何故元帥さんルートがないんです!)
オンドゥルナインディスカー!アンダハヤッデグレードシンジデ…ウェッ……
(ホントにないんですか!?あんたはやってくれると信じて…うっ)
ソンナァ…ナズェダ!ナズェダ!ナズェダ!
(そんな…何故だ!何故だ!何故だ!)
ヅギビ・ゼババッ゛ダジョ・キタカミ…
(ついに)(でなかったよ)(北上…)
byガン・ラガビ・レガリ・キタカミ
(さん・まさに・めがみ・北上)

258: せっかち提督 2019-03-18 07:50:48 ID: S:fa441_

※257ヒテリス語録は淫夢語録と同じように楽しんでも良いと思います(小並感)

前回の提督は悲しい結果で終わりましたが、今回の提督は上手くやってくれることでしょう(隙あらばフラグ建築)

259: 病む病む命名ニキ 2019-03-18 19:29:33 ID: S:4vXlqB

提督君このあとどうするんですかねぇ・・・。

BAD ENDになりそうな予感を感じて、貴方は決意で満たされた。

260: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-20 01:27:40 ID: S:ecIzOk

※259
GOルートは屑にも神になるのでNG。

261: かむかむレモン 2019-03-20 16:03:17 ID: S:xgWdXF

256さん

駆け落ちエンドはいやーキツイっす(無情)


257さん

日本語で書いて、どうぞ



258さん

茨の道も可愛いレベルだから正気こわれる


259さん

決意感じるんでしたよね?

262: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-20 18:50:54 ID: S:JkxZa0

ごめんなさい、私オンドゥル星グロンギ地区全裸町からやってきたモノで日本語あまりわからないアル




バナパス無くしたせいで艦これACのやり直し作業がキビシイ…キビシイ(シクシク)

263: ぽっちさん 2019-03-21 18:44:09 ID: S:rKT0FN

満潮がなんか拗ねてるの可愛い(ノンケ並感)
これ全員とケッコンして昇進してなんも変わらないパターンでは・・・・・・

264: 病む病む命名ニキ 2019-03-21 19:51:15 ID: S:PojvxE

何でツンデレ駆逐が集結してるんですかねぇ・・・。
正直今の提督君の状態で昇進まで精神が持つとは思わないゾ。

265: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-22 19:19:20 ID: S:sKLGuX

提督…もうやめたらこの人生(薬へ誘導)

266: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-03-22 21:36:12 ID: S:bmE5bt

ツンデレは外から見る分には面白いけど、ツンデレに好かれた方は疲れるんですよねー(経験なし

267: せっかち提督 2019-03-22 23:21:36 ID: S:AHw24u

ツンデレ三人衆は意地でも提督と一緒にいたい
徹夜作業は実際能率落ちるからね、熟睡して疲れは取るべき(寝不足並感)

給糧艦間宮って艦内施設に理髪店あったらしいし、新しい癒しにありかと思ったけど、この提督ハゲゴリラだったの忘れてたよ...

268: SS好きの名無しさん 2019-03-23 00:16:45 ID: S:bWUwF5

うーむ霞の提督への行動が悪手すぎて薬一直線な気がする。元帥の話を聞いて戦略方面に変えてもどうも三人娘に強制される未来見える。これは...BADENDですね!(確信)

269: 芝犬 2019-03-23 04:29:03 ID: S:N4Q5Qo

やはりわしはツンデレと言う種族は嫌いじゃ!嫌いからの好きの手のひら返し...そのギャップがええんやろうけど最初から好き好き言われた方がいいね!やはりヤンデレ!時代はヤ・ン・デ・レなのだよ!

270: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-24 00:32:42 ID: S:9iyLGY

※269
バカを言うな芝犬くん…
時代はクーデレパーカー僕っ娘幼馴染系女子!ここテストにでるで!

271: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-03-25 17:16:23 ID: S:uK67aY

ヤンデレは恋じゃなくて所有欲だろうがというツンデレ好きな友人がいるが、彼とは分かり合えないな。
ヤンデレは良い!最初からまっすぐ愛を向けてくれるのだからなぁ!
個人的には、相手を頃したり傷つけたりしてまで自分のものにしようとするのはヤンデレじゃなくてメンヘラだから。個人的にはね?

272: かむかむレモン 2019-03-26 03:09:42 ID: S:vxYP4V

263さん

今回はジュウコン無しの予定です


264さん

ツンデレと認識出来るのは第三者だけゾ(無慈悲)



265さん

1回やめたダルルォ!?



266さん

当たり前だよなぁ?



267さん

せっかち兄貴ロングスリープして


268さん

まるでSIRENのキャッチコピーみたいだぁ


269さん

申し訳ないが今作のヤンデレ出たらSSが進まなくなるから出ないゾ



273: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-26 10:01:53 ID: S:2zehJh

川内はかわ、いいぞ
いやこれは浮気とかそういうのじゃなくてただのあれだからそう小動物てきなほら

274: こるちゃん 2019-03-26 11:08:37 ID: S:KqdzG-

アイアンマン +3点

275: 病む病む命名ニキ 2019-03-26 19:56:13 ID: S:f-E_-D

(書類に)溺れる!溺れる!
とっとと秘書艦チェンジしないと提督君元帥になる前にMP消滅しちゃうゾ・・・。

276: SS好きの名無しさん 2019-03-26 21:20:17 ID: S:jcUF71

ニンジャ、サムライ、ゲイシャとくればスシ、フジヤマ

・・・ハラキリ?

※275
MPを勘違いして憲兵さんがなぎ倒されてく姿を想像してしまいました。ごめんなさい

277: せっかち提督 2019-03-27 13:40:54 ID: S:YaYMeO

後書きが変わってないせいで、川内は『三人』いたッ!状態になってるゾ

そういえばあの世界、イ級とかの駆逐艦は食べられるらしいっすね...(wiki情報)

278: かむかむレモン 2019-03-28 03:17:10 ID: S:TnMCO3

273さん

また浮気か壊れるなぁ


274さん

加点少なすぎぃ!



275さん

もう溺れてる!


276さん

忍殺兄貴がいますね…


277さん

後書き考えるのも面倒ですしネタも無いのでチャプター変わるまで放置します

279: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-28 13:28:29 ID: S:e0zg2v

きたかみさん すばらしい
きたかみさん めがみ
きたかみさん だいs…ファッ!?川内と添い寝!?
けしかr羨ましい!羨ましい!

280: SS好きの名無しさん 2019-03-28 20:09:16 ID: S:xdCc81

まずい...またイライラポイントが貯まってきてしまった。このままでは暗黒面に...霞をギャフンと言わせるような何かをくだち...

281: 病む病む命名ニキ 2019-03-29 19:07:58 ID: S:Lxke8B

提督君から元帥の地位がどんどん離れていってる気がするんですが・・・。

282: SS好きの名無しさん 2019-03-30 17:38:10 ID: S:vUjseU

良し、これで鎮守府司令官の地位は安泰だな

283: みがめにさまはんさみかたき 2019-03-30 18:27:44 ID: S:pDiOgk

ぶりぶりざえもん……だと!?
絶対☆なにか起きるヌルヌル!

284: かむかむレモン 2019-04-02 01:53:08 ID: S:YSSTcf

279、283さん

ブレブレじゃないか…(困惑)



280さん

提督くんに同情してくれてる兄貴優しい
提督くんもタダじゃ起き上がらない成長ぶりを見ろよ見ろよ(食い気味)


281さん

実の所元帥くんは提督くんにしか後を任さないゾ


282さん

SSが終わらなくなるゾ…(絶望)

285: みがめにさまはんさみかたき 2019-04-02 12:48:22 ID: S:LKU6Bm

元帥「どう?(答え)出そう?」

提督「ダメみたいですね…ファッ!?」

元帥「やっぱりな♂俺の思った通り動いてやがる」
この一連の流れで草が千葉県一帯に広がってのどかな草原になりました
オォンとかハヤラセコラ!とかバシクルハモウイヤデチとか聞こえてくる以外はのどかな大草原です

286: SS好きの名無しさん 2019-04-02 19:22:37 ID: S:OxGgOM

提督とは守護神たる艦娘に捧げられた供物である

ぶっちゃけ生贄よね

287: 病む病む命名ニキ 2019-04-02 19:37:01 ID: S:Xa30Hx

>>285 千葉県とばっちりで草。

艦娘なら一度は元帥の顔くらい見たことあるはずなのに「誰?」って言われる元帥カワイソス。

288: せっかち提督 2019-04-04 15:24:18 ID: S:kWYY_6

提督くん!戦術の前にダメコンとか補給線の話からやらないと危ないゾ
勝つための戦略より負けないための戦略の方が大事ってそれ一番言われてるから(適当)

そして老人連中頭わるわる~過ぎますね...

289: かむかむレモン 2019-04-08 03:16:25 ID: S:7eFJAl

285さん

BBの墓場かな?


286さん

この世界線じゃパワーバランスがおかしくなってるだけゾ


287さん

書いてないだけですけど元帥くんは自分の情報をあまり公にはしてません。彼自身も艦娘と妖精との関係を断つのが目標ですので、リスクを最小限に抑えてます。


288さん

こっちも書いてないだけですが老人連中は自身の地位に固執しているため戦争を終結させようとは思ってません。負けなくても勝たなければ終わりには近付かないので、元帥は新たな戦術で活路を見出した、といった感じです

290: みがめにさまはんさみかたき 2019-04-08 10:12:24 ID: S:PEupCT

かまって犬の夕立!いたずらウサギの卯月!とっとこハムスターの雪風!ヤセン・ニンジャの川内=サン!
すっごーい!なにこれ?なにこれー!
どうやったのー?



待ってた(本音)

291: SS好きの名無しさん 2019-04-08 19:53:45 ID: S:8P7t42

白露ー!!提督の息子に怯えてないで夕立を止めるんだ!!

292: 病む病む命名ニキ 2019-04-08 20:00:21 ID: S:883alv

アニマル艦の中でも一筋縄でいかないのはぽいぬとうーちゃんだけなのでは・・・?(素朴な疑問)

293: SS好きの名無しさん 2019-04-09 02:05:32 ID: S:kbwZsO

軍は信賞必罰だってそれ一番言われてるから。ま、とりあえず脱げ

294: かむかむレモン 2019-04-11 04:36:55 ID: S:mDk9HV

290さん

お待たせしますた(疲弊)


291さん

あれは事故だから…



292さん

筆頭なだけでまだまだいるゾ



293さん

なんで脱ぐ必要があるんですか(正論)

295: せっかち提督 2019-04-11 13:30:36 ID: S:WMK8ud

わんこの構って攻撃って激しいとガンガン飛び付いてくるんすよね...
だからまだ夕立のはかわいいもんだゾ(彼我の力量差には触れない)

夕立がコブラである可能性が...?

296: SS好きの名無しさん 2019-04-11 16:05:54 ID: S:dOMUEv

アニマル艦、つまり!

筋肉はゴリラ!牙は狼!燃える瞳は原始の炎!

・・・大して間違ってはいないか

297: 病む病む命名ニキ 2019-04-11 19:03:26 ID: S:ZlqoVE

やっぱり犬じゃないか・・・。
愛犬が提督君に会いたいあまりぽいぬとして目の前に現れた可能性が微レ存・・?
妖精さんいるし(可能性)ゼロはないやろ、ゼロは。

298: SS好きの名無しさん 2019-04-15 01:35:55 ID: S:GbAgOI

アカン、モジモジしてる白露が尊い。
これが思春期か(賢者並感)

299: クサガメ 2019-04-15 18:14:33 ID: S:JqaNCs

ぽいぬ達のおやつはほねっこかなんかですかね?
うーちゃんと時津風は一癖二癖ありそうですねぇ……

300: ぽっちさん 2019-04-15 23:45:42 ID: S:rS8d31

うん☆大好きさの頻度が高すぎて草

301: みがめにさまはんさみかたき 2019-04-17 01:41:32 ID: S:th_tQE

Q:君、かむかむニキのSS好きかい?
A:うん、大好きさ☆
Q:君、淫夢好きかい?
A:うん、大好きさ☆
Q:君、犬好きかい?
A:おまえはジュラル星人だな!チャージング・ゴー!

302: かむかむレモン 2019-04-19 04:01:06 ID: S:23jxgv

295さん

艤装展開してなきゃ相応の力だから…(小声)


296さん

バイオレンスジャック兄貴がいますね…



297さん

そんなファンタジーがあれば良かったですね…(無慈悲)



298さん

アレ見たら気まずくもなると思うゾ…



299さん

骨っ子って人の身で食えるんすかね?



300さん

チャー研語録流行らせコラ!



301さん

チャー研兄貴また虐殺か壊れるなぁ

303: SS好きの名無しさん 2019-04-19 10:57:14 ID: S:N5jHxi

あ〜もう(思考)めちゃくちゃだよ

304: せっかち提督 2019-04-19 18:02:34 ID: S:cbhO6D

ソロモンの狼はどこ...ここ?

305: みがめにさまはんさみかたき 2019-04-19 18:53:32 ID: S:5OV82z

おまえのSSを待ってたんだよ!(迫真)
球磨と多摩出たから北上さんも出るね!(威圧)

306: ログインパス忘れたリスト作り@2 2019-04-20 08:03:03 ID: S:hZgqeT

【速報】リスト作り、またやらかす。
ちゃんとメモしたから次は大丈夫(慢心)

307: 病む病む命名ニキ 2019-04-20 13:42:48 ID: S:kilp-U

提督君、艦娘全員とカフェデート確定しそうですねクォレハ・・・。

308: SS好きの名無しさん 2019-04-20 22:59:42 ID: S:KvhAzs

金剛さんや五航戦妹が原因の負傷がなかったなぁ・・・意外!

309: かむかむレモン 2019-04-26 02:44:32 ID: S:2rGM-H

303さん

啓蒙高まっちゃうやばいやばい…(発狂)


304さん

青葉は書記ゾ(手抜き)


305さん

正直北上とかどれにあたるかさっぱりわからんかったので(今回は出)ないです


306さん

慢心は身を滅ぼすゾ(赤城並感)


307さん

残念!悪夢オチでした!


308さん

描写を書いてないだけで彼女らも結構やらかしてるゾ(手抜き)

310: SS好きの名無しさん 2019-04-26 07:38:28 ID: S:fL2WP2

アカン!提督くんの脳に瞳を宿し始めてる!
艦娘たちが獣化するとか獣狩の夜が始まってしまう!

311: SS好きの名無しさん 2019-04-26 16:43:56 ID: S:LpYd4H

筋肉はゴリラ処かゴリラそのものとは

Welcome to ようこそ鎮守府、今日もドッタンバッタン大騒ぎってそのまんまやないか~い

312: みがめにさまはんさみかたき 2019-04-26 17:24:25 ID: S:URe5Xc

待ってた(血涙)

313: 病む病む命名ニキ 2019-04-26 19:03:52 ID: S:c3LW5W

動物が艦娘化してたとか相当な悪夢ですね・・・。
この夢を見るってことは提督君もけもフレ2期を見てた可能性が微レ存・・・?

314: かむかむレモン 2019-04-30 02:31:12 ID: S:CtT57B

310さん

上位者入りはまずいですよ!(交信ポーズ)



311さん

提督くんだけのけものフレンズになってるんですがそれは…


312さん

お待たせ(更新)



313さん

あんまり言及すると飛び火しそうだけどけもフレ2は悪夢そのものだから…(小声)

315: SS好きの名無しさん 2019-04-30 06:54:07 ID: S:fFYrPs

提督、モツ露ちゃんとタマつきちゃんのメンタル治療しないから・・・(違

316: SS好きの名無しさん 2019-04-30 11:54:34 ID: S:Q5bx2r

おお...希望の花シナシナですよ悪魔...
やっぱり予想どうり後釜ルートはまずかったか〜残りは何が残ってたっけ?

317: 病む病む命名ニキ 2019-04-30 21:07:34 ID: S:hdLcWY

やっぱりダメじゃないか・・・。
提督君の屈強な精神力も伝えるべきでしたねクォレハ・・・。

318: ログインパス忘れたリスト作り@2 2019-05-02 15:28:46 ID: S:jBEwlC

①戦争を終わらせる

②元帥になるBAD END

③後釜を探して辞める(?)

④今すぐ辞める

こんな感じ?だと思う。多分。

319: メットール 2019-05-04 21:26:54 ID: S:EKRNuu


3/4がバットエンドって救いが無さすぎる。ってかここの艦娘この提督に対する固執がヤバい

320: Lima 2019-05-04 22:15:40 ID: S:qb61K2

結局は傍観者が一番ってとこたい(江戸っ子

我々の様になぁ!

321: リスト作りの人別媒体 2019-05-05 06:57:00 ID: S:ETuoWB

①戦争を終わらせる

②元帥になる BAD END

③後釜を探して辞める(?) BAD END

④今すぐ辞める BAD END

救いはないね!(レ

322: SS好きの名無しさん 2019-05-05 11:59:10 ID: S:-Lr5mT

いつも更新楽しみに 見ています。

ただ、そろそろノーマルで良いので 、badendからの救いを…

323: SS好きの名無しさん 2019-05-08 10:44:48 ID: S:QV_AWC

(提督に救いは)ないです。
提督を救ってくれよな~頼むよ~

324: かむかむレモン 2019-05-09 23:48:50 ID: S:div6UC

315さん

え、そんなん関係ないでしょ(ホリトオル)


316さん

後釜も昇進も救いは無いね!(レ)


317さん

それでも折れてしまいましたねぇ…


318、321さん

リスト兄貴ご無沙汰じゃないっすか!
残る終戦ルートまでは全てBADゾ


319さん

まだ終戦ルートがあるから…
長く持ったからね、仕方ないね♂


320さん

安全地帯じゃないと巻き添え食らうから、多少はね?


322さん

終戦ルートをお楽しみください…(焦らし)


323さん

救いがあるのはこれからだから…(小声)

325: みがめにさまはんさみかたき 2019-05-10 00:46:04 ID: S:HueJ-D

さらなる選択肢
その筋肉で艦娘を片っ端から潰していく←NEW!
素直に打ち明ける←NEW!
深海に寝返って艦娘達を蛇責めしたり人食わせたり痛覚3000倍にしたり大和に例の薬打つ←NEW!

326: せっかち提督 2019-05-10 10:16:46 ID: S:w7XEdN

おはよう!また悪夢だ!(絶望)

さあ提督くん!鎮守府から去る選択なんて捨て置いて早く艦娘と仲良くなる道を選ぼう!それが最善なんだ!

...これ本当に幸せなんですかね?パワポケの し あ わ せ みたいにならなければいいんですけど...

327: ログインパス忘れたリスト作り@2 2019-05-13 00:44:59 ID: S:CzIlSt

楽しみだね・・・ゾクゾクするよ。(時雨の声真似

328: SS好きの名無しさん 2019-05-13 02:01:26 ID: S:SgrByC

しかし終戦を迎えたとしてその先楽園かどうかは・・・のはずもない

いっそのこと異形の力を手に入れてしまえば・・・

「手に入れたぞ!悪魔の力を!!」

それだけは止めましょう

329: 病む病む命名ニキ 2019-05-13 18:16:23 ID: S:pwHMXC

これ戦争が終わっても艦娘との関わりが続く気がするんですが(迷推理)

・・・提督君に救いはあるんですかね・・・?

330: SS好きの名無しさん 2019-05-18 19:32:40 ID: S:x5K7zh

お疲れ様です
提督患ったか
猫真っ二つ

331: みがめにさまはんさみかたき 2019-05-18 20:36:44 ID: S:VXaXKH

まってた(死亡)

332: SS好きの名無しさん 2019-05-19 19:39:33 ID: S:34J3QQ

ねこです(迫真)

すごく...面白いです

333: かむかむレモン 2019-05-21 03:22:59 ID: S:zUEbdq

325、331さん

申し訳ないがBADENDまっしぐらはNG


326さん

トラウマをほじくり返すのは、やめようね!


327さん

ギャグ要素あんま無さそうになるかもしれませんがよろしくオナシャス!


328さん

異形化ENDは変態糞投稿者がベヘリット使わない限りないです


329さん

救いはあるENDにする予定ゾ


330

提督くん発狂扱い悲しいなぁ(諸行無常)


332さん

収容違反だ!

334: 陽炎型・村雨のファン 2019-05-21 06:46:53 ID: S:Kink_N

続きが凄く気になる作品は「裏切り者には復讐を」以来なので、早めの投稿お願いしゃす

335: みがめにさまはんさみかたき 2019-05-21 11:17:14 ID: S:FeJ7Nj

待ってた!
裏復でかむかむニキを知った兄貴も多いと思うゾ
実際俺もその口だし。

336: みがめにさまはんさみかたき 2019-05-21 11:20:29 ID: S:8u4pMX

ごめん、本当に連投ごめん。
でもこれもしやと思ったら言わずにはいられない性格なんだ。
なぁ皆、覚えてないか?艦これには居たじゃないか…猫を抱えた少女が

337: 病む病む命名ニキ 2019-05-22 20:26:01 ID: S:4uLUt9

ねこはいます。ねこはどこにでもいます。あなたのなかにいます。
よろしくおねがいします。    ね こ

一度やってみたかったんや!許して下さいよろしくおねがいします。

・・・提督君を収容しなきゃ(使命感)

338: SS好きの名無しさん 2019-05-28 09:04:57 ID: S:1FYrAU

スキンヘッドでマッチョな男が何もない所で「ネコが・・・ネコが・・・」と呟いたら精神を疑われるのもやむ無し
だが、大淀、秘書艦筆頭なんだから、もう少し親身に・・・w

339: こるちゃん 2019-05-29 11:05:24 ID: S:RKQCqn

いや猫ってエr⋯おっと誰か来たようだ

340: せっかち提督 2019-05-31 10:29:53 ID: S:ON_5r4

なんかコメ欄での提督の扱いが少しずつSCPじみてるのほんと草

見えないものに話しかけてる様は他人から見たら狂気そのものだからね...僕も恐がるゾ絶対に

341: かむかむレモン 2019-06-03 04:15:15 ID: S:pfSncv

334さん

なるべく頑張るからお兄さん許して!


335、336さん

SCP以外の予想は初めてだゾ


337さん

はい収容違反


338さん

今思えばシュール過ぎる光景が目に浮かぶので親身になれというのはいやーキツいっす(素)


339さん

ああ落ちましたねぇ…落ちましたね…(NKTIDKSG)


340さん

誰が見てもドン引きするゾ(無慈悲)

342: みがめにさまはんさみかたき 2019-06-05 22:49:08 ID: S:thxU57

SCPといえば財団職員になれたよ(収容違反)
にしても俺の推理当たってるじゃないすか!
やった!やった!今夜はドン勝だ!

343: 病む病む命名ニキ 2019-06-07 18:28:20 ID: S:LRirYg

>>342
D-15105、何故ここにいる!
Dクラスの収容違反発生、機動部隊の展開を求めます。-投速博士

帰ってきたら提督君窓から宙吊りとか艦娘達卒倒待ったなしですね・・・。

344: SS好きの名無しさん 2019-06-10 11:43:20 ID: S:HQqvTg

沖田総司は美少年だったらしいから患っても様になったけど・・・
禿マッチョじゃ高速いとか着せられて鉄格子付きの病室に放り込まれてもやむ無しって感じですなぁ・・・

なぜか動物園の檻の中にいる提督が頭に浮かびました。やっぱり提督もアニマル

345: SS好きの名無しさん 2019-06-10 15:43:48 ID: S:LbkbCg

※344
高速い→拘束衣

誤字です、ごめんなさい

346: ぽっちさん 2019-06-10 23:42:53 ID: S:x3eT-j

まーた髪の話してる・・・・・・
まさかファンンタジーとは思わんかったね

347: リスト作りの人別媒体 2019-06-18 22:10:32 ID: S:Y0Rwrl

かむかむニキちゃんと睡眠取れてる?(小声

348: SS好きの名無しさん 2019-06-20 18:34:46 ID: S:UM8IAQ

まだみてるぞ~(*'ω'*)

349: かむかむレモン 2019-06-21 02:23:32 ID: S:EPtFSQ

342さん

大当たりです。(景品は)ないです


343さん

閉鎖病棟行きまっしぐらゾ


344さん

辛辣だけど的を射てて悲しいなぁ(諸行無常)


346さん

どうしてこうなってしまったんですかね…


347さん

(取れて)ないです


348さん

ありがとナス!もうすぐ終わりなのであともう少しオナシャス!

350: SS好きの名無しさん 2019-06-21 18:50:05 ID: S:ZSri2r

ここまでやるとはやりますねぇ(/・ω・)/

351: SS好きの名無しさん 2019-06-22 08:40:45 ID: S:sBTKQa

おっ今回も面白いです。ちゃんと健康に気を付けて毎秒投稿しろ(小声)

352: リスト作りの人別媒体 2019-06-22 11:53:38 ID: S:2HVZOL

お疲れ様でした。毎度私好みのSSをありがとうございます。
次のSSはリクありですか・・・?
ちゃんと健康に気をつけて自分のペースで投稿して!(ちょいデカボイス

353: SS好きの名無しさん 2019-06-22 20:41:16 ID: S:i7oOSr

投下おつ
次回作も期待してるよ!

354: 陽炎型・村雨のファン 2019-06-22 22:12:21 ID: S:5D2OhX

かむかむ氏のssはいつも10万字近くあるので読み応えがあり、とても楽しいです。

次回作こそ陽炎型にスポットを…

355: 病む病む命名ニキ 2019-06-23 22:05:00 ID: S:7jtqxF

完結乙です!
忙しかったらちゃんと休むんやで・・・。
次回作も期待してナス!

356: SS好きの名無しさん 2019-06-24 18:21:05 ID: S:MSDsR1

完結おめ 次回はヤンデレにしてください。(唐突

357: 黄十字 2019-06-25 14:39:49 ID: S:g_LfDK

完結おめでとうございます。
そして読ませてもらってありがとうございます。
私も完結させなきゃ・・・

358: かむかむレモン 2019-06-25 17:34:13 ID: S:N5mys4

350さん

なんかごちゃごちゃしてて申し訳ない気持ちが強いです…


351さん

ありがとナス!
何とか頑張りますた…


352さん

ありがとナス!
次はもう決まったのでちゃんと休みつつ書きますよーカクカク


353さん

ありがとナス!
もう始まってる!


359: かむかむレモン 2019-06-25 17:38:52 ID: S:K8q7v_

354さん

ありがとナス!
見たけりゃ見せてやるよ(新作)


355さん

ありがとナス!
今度はもっと余裕を持ちます…(反省)


356さん

ありがとナス!
もう新作書きましたがヤンデレじゃないのでゆるして!


357さん

ありがとナス!
証拠物件として押収(閲覧)するからな~?

360: せっかち提督 2019-06-27 09:46:07 ID: S:GFECgy

お疲れ様です
クッソ遅れた(後悔)

FE紋章の謎のメディウスパロやろうかと思いましたが面倒になってやめました()

361: ウラァー!!ハラショー!! 2021-05-21 01:13:17 ID: S:jhXorx

俺らがこうして過ごしてるのも他の次元の俺らの夢なのかもな。
そう考えると怖いな。
関係ないけど、人間って死んだらどこに行くんだろうね?

362: SS好きの名無しさん 2021-09-05 13:05:34 ID: S:bpx84z

勘違いが壮大だなぁ


このSSへのオススメ

16件オススメされています

-: - 2018-12-30 21:26:16 ID: -

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2: みがめにさまはんさみかたき 2018-12-30 22:18:11 ID: S:8DIqv7

かむかむニキ期待の新作

3: 病む病む命名ニキ 2018-12-31 17:19:41 ID: S:zq3eOD

ええぞ!ええぞ!

4: ログインパスを忘れたリスト作り 2019-01-01 10:07:06 ID: S:0SiR0u

おほぉう・・・楽しみなのね!

5: ウンチーコング 2019-01-01 22:32:28 ID: S:Z1_pYv

舞ってたゾ

6: クサガメ 2019-01-13 22:02:27 ID: S:LyYCAB

いいゾ~これ

7: 黒結愛 2019-01-21 06:50:54 ID: S:hvoJwI

個人的にはすっごくおもしろいゾ~

8: 農業好きな提督…雪だるま! 2019-01-22 04:40:07 ID: S:iNhPPP

暇潰しに読む気がつい⋯集中してしまって⋯気付けば朝の5時だったのでビックリしました。こんな面白い作品作るなんて⋯私はとても感動しました。
‪( ´•̥  ̫ •̥` )‬

9: SS好きの名無しさん 2019-02-10 14:12:36 ID: S:VAGpfV

最高やで

10: SS好きの名無しさん 2019-03-03 22:47:36 ID: S:iahX2Q

面白い

-: - 2019-03-10 14:01:09 ID: -

このオススメは削除されました

12: SS好きの名無しさん 2019-05-19 19:38:21 ID: S:sYMOOn

いいゾ^〜

13: SS好きの名無しさん 2019-07-06 02:21:47 ID: S:cT-1yz

最高です!

14: SS好きの名無しさん 2021-09-20 17:27:08 ID: S:M4g1Eo

(b・ω・)b

15: ハムhamu 2024-03-09 02:16:14 ID: S:WRTOh7

めっちゃ面白かった…

16: SS好きの名無しさん 2024-03-14 02:09:18 ID: S:ywX3Pa

久々にこんな物語してるSS見たよ
ありがとうございます!


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