孤独のグルメ Season Extra 第10話「某県鳴沢市『すみれや』の甘ラーメン」
井之頭五郎、ラーメンを食べる。
今回は『神のみぞ知るセカイ』とのクロスオーバーです。
神のみぞ知るセカイの原作を読んでいないとわからないキャラが……
しかし、やってみたいと思っていたのでやりたいと思います。
あと、ゲストキャラもいます。かなり露骨なのでわかると思います。
~某県なるさわ市~
五郎(なるさわ市、初めて来たな……)
五郎(ここらへんはどちらかと言うと知らないんだが……)
五郎(なんだか美味そうな店がいっぱいだな)
五郎(これは仕事が終わった後のメシが楽しみだな……)
五郎(今のうちに、候補でも決めておくか)
五郎(中華に、洋食、イタリアン……)
五郎(しかし、思いの外ラーメン店が多いな……)
五郎(よし、今日はラーメンにでもしておこうか)
五郎(ふふ……今からが楽しみだ)
時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき
つかの間 彼は自分勝手になり、自由になる――
誰にも邪魔されず気を使わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが現代人に平等に与えられた
最高の癒しといえるのである。
「某県鳴沢市『すみれや』の甘ラーメン」
五郎(さて、仕事も一段落ついた……か)
五郎(さて、美味いラーメン店でも探そう……)
五郎(しかし、多いなぁ……テキトウに歩き回ってみるか)
五郎(うーん……たまには違った味も食べてみたい)
五郎(とんこつ……しょうゆ……しお)
五郎(いかんなぁ……考えてたら余計に腹が減ってきたぞ)
五郎(これがラーメンの魔性の力……か)
五郎(しかし、いつまでも歩きまわるのはな……)
モブA「いや~、最初『甘い』ラーメンなんて聞いたときはビックリしたけど案外美味いな!」
モブB「だろ? 店長のあの子もかわいいし、何よりあの『甘い』ラーメンは発想の勝利って感じだよな」
五郎(『甘い』ラーメン!? ……)
五郎(…………)
五郎(……気になる!)
五郎(どこだ……どこにある……)
五郎(……お! ここかな……?)
五郎(『すみれや』……)
五郎(『甘いラーメン』……ちゃんとあるな。よし、チャレンジだ)
五郎「すいませーん。今大丈夫ですか?」
スミレ「はいはーい。いらっしゃいませー! 『すみれや』によーこそー! 何にいたしましょうかー!」
五郎「えぇと……『甘いラーメン』ってあるんでしょうか?」
スミレ「はい、ありますよ! 甘ラーメン一つ!」
五郎(さてと……ふむ)
スミレ「お冷です!」
五郎「あ、ありがとうございます」
五郎(……あそこにいるのは、男の人だしな……。ということはあの子がこの店の店長か……まだまだ若いじゃないか)
五郎(……明らかに『JK』)
五郎(まぁ、そんなことを気にしてもしょうがいな)
五郎(さて、出来上がるまで待つか)
五郎(……でも、この店ぱっと見は古そうだよな)
五郎(もしかすると、親子で経営しているのか? だとすると、あの女の子はいわゆる道場破りみたいなものをやってしまったのか)
五郎(あの年齢で……すごいな)
???「すみません……今こちらのらぁめんを頂くことはできますでしょうか?」
スミレ「はい、どうぞー!」
???「ありがとうございます、ではこの甘いらぁめんというものを一つ、お願い致します」
スミレ「はいはーい! 甘いラーメン一つ!」
五郎(なんだなんだ……今度は突如として銀髪……の女の子が現れたぞ)
五郎(……何て言うか……普通じゃないよな)
五郎(どちらかと言えば、絵本の世界から飛び出た『お姫様』みたいな感じの子だな)
五郎(いかんいかん、他の客をじろじろ見るのは失礼だな)
スミレ「はい、甘ラーメン、お待ちどうさま!!」
五郎(お、きたきた……)
・甘ラーメン
ラーメンなのに、甘い……でも、病みつきになること間違いなし!
五郎(おお、これは結構すごいな……)
五郎(これ、明らかにフルーツだよな……)
五郎(……さくらんぼだよな)
五郎(……これ、本当に大丈夫なのか……)
五郎「いただきます」
五郎(……!! こっれっは……すごい甘さだ……)
五郎(でも、どうしてだ……不味くはない! 決して不味くはないぞ)
五郎(いや、むしろ……美味い!)
五郎(不思議な甘さだ……)
五郎(最初はとんでもないと思ってたけど、案外いけるもんだな)
スミレ「お待ちどうさま! 甘ラーメンです!」
???「これは何と面妖なっ!」
五郎(め、面妖? 今どきあんな言葉を使う女の子っているのか……?)
五郎(しかし、あの子、どっかで見たことがあるんだよなぁ)
五郎(まぁ、今は気にしなくていいか)
五郎(しかし、このラーメン、本当に美味いぞ)
五郎(さて、ここでいったんフルーツでもいただきますか)
五郎(さくらんぼ……っ! スープの味がしみてる……でいいんだよな)
五郎(ラーメン本体以上に不思議な甘さになってる)
五郎(そして……これがメロン)
五郎(いや、ちょっと待て、いくら甘いラーメンとはいえこれは……)
五郎(……)
五郎(なんだろう……この甘さ、笑えてくるな)
五郎(美味い……)
五郎(この味、病みつきになるなぁ……)
五郎(甘いラーメンは恋の味、思い浮かぶは君の顔)
五郎(まったくもって、何を言っているかわからんな……)
???「すいません、おかわりをいただけますでしょうか?」
五郎(え、あの子もう食べたのか!? 早いなぁ……)
五郎(しかし、まあ、ここで慌ててはダメだな。自分のペースを大切にするんだ)
五郎(ちょっと、スープだけ飲んでみるか)
五郎(……甘いなぁ、なんだろうこれ。何に例えていいかすらわからないぞ)
五郎(……しかし、こんな甘いラーメンに美味い美味いって言って……俺はもしかしたら味覚がダメになったのかもしれんな)
五郎(……いや、そんなことはない。このラーメンは美味い……)
五郎(ふふっ、たまにはいいじゃないかこんなラーメン)
五郎(まさしく、神が与えてくれた贈り物として、考えてもいいかもしれないな)
五郎(しっかし、どうやったら、この発想が出てきたんだろう)
五郎(まさか、あのオヤジさんが考えたってわけではない……よな)
五郎(店長あの女の子だから、あの子が考えた……発想の勝利だな)
五郎(ちょっと、気分がのってきたぞ)
五郎(この甘さ……まさしく神のみぞしる味)
五郎(甘さに酔いしれる………そんな日もいいかもしれん)
五郎(まるで、俺は……砂糖菓子にたかる虫だ)
五郎(うまい……)
五郎(む……フルーツがなくなってしまった……)
五郎(……気分的には、イチゴの乗ってないショートケーキ)
五郎(だけど……この食に巡り会えたのは一期一会……大切にしないと)
五郎(だから、残りの麺とスープを堪能させてもらおうじゃないか……)
五郎(うんうん……美味い)
五郎「ふぅ……」
五郎「ごちそうさまでした」
五郎(甘いラーメン、『すみれや』)
五郎(この店との出会いはまたあるのかな……近くに来ることがあればまた来てみたい)
五郎(一夏の甘い経験……)
五郎(そんな気分を味わえるいい店だった……)
五郎(さてと、来週は横須賀に行くんだったな……)
五郎(横須賀ということは……カレーだよなぁ)
五郎(今からが楽しみだ)
孤独のグルメ×神のみぞ知るセカイ×??? ~完~
次回、孤独のグルメ「神奈川県横須賀市横須賀鎮守府の『鳳翔カレー』と『間宮アイス』」 孤独のグルメ×艦隊これくしょん
今回は短めのストーリーとなってしまいました。
(仕事パートが考えられなかったからです)
次回は、ちゃんと艦これとのコラボです。偉大なる先人様がいるのですが、僕なりのオリジナルストーリーでやらせてもらいます。
久々の続き来たか!!
期待です
続きがキターッ!!
さぁ!今日も涎を垂らしながら見よう!
時間がない中でも少しずつ見させていただきます。
とてもおもしろくすばらしい文章なので、参考にしたいです。
ギョタンさん
お久しぶりの投稿です!
頑張ります
ワッフルさん
帰ってまいりました!
今回も読んでる人のお腹を空かせるつもりで頑張ります!w
白恋さん
コメントありがとうございます!
さ、参考にされるほどでは……
次回、まさかの先行作とのがっぷり四つ!?
が、その意気や良し!