【不謹慎注意!】悲惨な葬式
箸休め的な単発作です。
かなり読む人を選ぶ内容ですので、読む時はご注意下さい。
なお、他の作品に対する批評は受けますが、この作品に関しては事前に警告してありますので、批判は受け付けませんので、ご了承下さい。
注意!
この作品はかなり不謹慎な内容ですので、真面目な方や気が弱い方、洒落や冗談を理解できない方はすぐにバックしていただく事をお願いします。
繰り返しますが、不真面目かつ不謹慎な内容ですので、洒落や冗談を理解できない方はすぐにバックしていただく事をお願いします。
ーーーここまできたという事は、上記の内容を承諾いただけたものと認識致します。
さて、このお話は私ムフロンが10年ほど前に知り合った方から聞いた話です。
名前が無いと解りづらいので出身地から『長野さん』と呼びます。実際の名前とはかなりかけ離れてます。
長野さんは私、ムフロンより年上の方で長野の山奥の村から上京してきた方でした。
お話は長野さんが高校生の頃、ちょうどまだ青函トンネルが建設中の80年代に、長野さんの曾祖父さんが亡くなったのが始まりでした。
この曾祖父さん、村で一番の長生きで長野さんが見ていた時にはすでにドリフの老人コントのように腰が曲がり、かなりボケていたそうですが、若い頃は喧嘩も博打も負け知らずで、戦争にも参加して武勲をあげて、村の相撲大会ではいつも優勝してしまうので、行司をさせられていたほどだったそうです。
村人や家族は明治・大正・昭和を生き抜いた曾祖父さんに対して『大往生だなぁ』と泣くよりもお疲れ様でしたという気持ちになったそうです。
しかし、今までの曾祖父さんの運の良さが枯れ果てたかのように次々とトラブルが発生したそうです。
まず第1のトラブルは、時期が時期で、ちょうど長野さんのお父さんや親戚、その他村の男衆が秋の収穫を終えて出稼ぎに行ってほとんどおらず、さらに天気予報で1週間以内に雪が降り始めるとでていたので、皆が皆、『早くしないと雪に間に合わない!』と、葬儀の準備や、出稼ぎに出ていた村の衆を呼び戻すのにあたふたしていたそうです。
第2のトラブルは何とか葬儀屋(長野さんの同級生の親)と村の衆に連絡をつけた後でした。
葬儀屋が来た時の事です。
ーーー(解りやすくするため標準語表記にしてあります、ご了承下さい)
葬儀屋「うーん……弱ったな~…」
長野「おじさん、どうしたンすか?」
葬儀屋「ああ、いやね、実はさ…棺を持って来たんだけど…ほら、曾祖父さん腰がブーメランみたいに曲がりきっちゃってるから入らなくってさ~…どうしようか?」
長野「いや、俺に聞かれても…」
葬儀屋「この辺は昔土葬にしてたから土葬用の棺なら膝曲げてやれば入るんだけど…最近は火葬ばっかりだったから火葬に使う長方形の棺しか無くてさ…」
長野「うーん…じいちゃんに聞いてみます」
ーーー
じいちゃん「…仕方ねーから無理やりまっすぐにして入れちまうか!」
葬儀屋&長野「「ええ!?」」
じいちゃん「いや、他に方法がねーだろ?それに今回は火葬だから棺に入らねーと曾祖父ちゃん起き上がってるか、脚上げた体勢で葬式しなきゃなんねーだろうが。来た人が式場入っていきなり死んだ人が起き上がった体勢でいてみろ、坊さんだってビビるぞ?」
長野「確かにそうだけどさ…誰がやるんだよじいちゃん?」
じいちゃん「近くにいる俺の同級生を呼んでこい、全員でやるぞ」
長野「ええ…」
じいちゃん「ええ…じゃねーだろ!それともバーさんやら女衆にやらせるってのか!?」
長野「それは流石に…おふくろとばーちゃんホラー系駄目な人だし…」
結局近場に住むじいちゃんの同級生数名が来て、曲がりきった腰を伸ばそうとしたんだけど、そもそも骨が変形しちゃってるから伸ばそうにも伸ばせなくて全員で
「よいしょーーー!」
って肩と足押さえて全力込めて伸ばしたら
バギベキボキッ!
というデカイ音と共に曾祖父さんの腰が一気に伸びた!
それと同時に
(;゚;Д;゚;; )ギャァァァーーー
という叫び声で振り返ったら用事があってこちらに来たばーさんがそれを見ちゃってショックで泡吹いて倒れちゃって、
じいちゃん「おい!ばーさん!ばーさん!大丈夫か!?」
長野「ばーちゃーん!」
結局ばーちゃんは寝込んでしまって、葬式中は動けなかったそうです。
さて、それだけで終わればまだよかったのですが、本来家の中を取り仕切るばーちゃんが寝込んじゃってさらに忙しくなってしまい、それは家族だけではなく、他にも伝播してしまいました。
第3のトラブルはばーちゃんが寝込んでしまった為に生前曾祖父さんが撮っていた遺影がどこにあるのかわからなくなり、仕方なく葬式の時は他の写真を引き伸ばして使って、後で探して替えようという事になった時の事です。
皆が皆忙しかった為、葬儀屋さんにアルバムを渡して「曾祖父さんが写ってるなら何でもいいから使ってくれ!」と頼んだそうです。
それで葬儀屋さんもあわてていたので、写真屋に同じように頼んだら間違えてまだ生きてるじいちゃんの遺影を作っちゃって、しかも確認せずに持って来たから皆びっくりしてたら
じいちゃん「馬鹿野郎!俺の葬式じゃねーよ!」って怒って。んで葬儀屋さんまたあわてて写真屋にすぐに作ってもらったんだそうで…
で、出来たのがなんと葬式の直前
ーーー
葬儀屋「すいません、お待たせしました!」
じいちゃん「おい、今度は大丈夫だろうな?」
葬儀屋「ええ!今度は大丈夫です!はい!こちらです!」
そういって出て来たのは、某夢の国のネズミーランドで売ってるネズミ耳の飾りを頭にのせて超ニコニコ顔でペロペロキャンディなめてる曾祖父さんの図
曾祖父さん昔から顔がいかつくて、「鬼瓦」なんてアダ名がついてたんだけど、それ見た瞬間全員が
( ;゚;ж;゚;)ブッ!
ってなって
じいちゃん「おい、馬鹿野郎!なんだこの写真は!」
長野(やべえ!あれ去年ネズミーランド行ってお土産に買ってきたら喜んでたから、こっそり俺が撮ったやつだ!)
葬儀屋「いや、あの、その、実は渡された写真の中に曾祖父さんの写真はそれしか無くて…写真屋も『本当にいいのか?』って聞いてたんですけど、時間もないし、曾祖父さんの写真ならなんでもいいって言ってたから大丈夫だと思って…」
じいちゃん「限度ってもんがあるだろ!」
葬儀屋「だからなるべくネズミ耳が隠れるようにはしたんですよ。でもそれだと顔が見切れちゃうから…」
じいちゃん「もういい!」
仕方なくその写真を祭壇に飾って、葬式が始まったそうで。
んでもう弔問客皆が入ってきて写真を見た瞬間から皆うつむいてふるえてたそうです。誰も正面が見れない状態でした。
正に「絶対に笑ってはいけない葬式」の開始だったと長野さんは語っていました。
それからは入ってきた坊さんもずっと下を向いてるし、弔問客も焼香の時もチラッと見てまたふるえてたそうです。
そんな時、遠方に住んでた従兄弟(4歳)が爆弾を投下した!
従兄弟(・∀・)「アッハハハハハハハハハハハハ!!ママー!あのおじいちゃんなんでミッ○ーの耳つけてんのー?へんなのー!アハハハハハハハハハハハハ!」
もう、そこらかしこから「ングッ!」とか「ウグッ!」とか声が聞こえてきて、さらに皆がふるえちゃって。ママさんまわりに「すいません!すいません!」って謝ってたけど、長野さんも笑いをこらえるのに必死でよく聞いてなかったそうです。
んでこの従兄弟、さらにやらかして、式が終わって霊柩車で火葬場に運ぶって時になって、さあ!いよいよ出発って時!
テーテレテーテー♪テーテレテレテレ♪テーテレテレテレテレテレテレテレ……
BGM「エレクトリカルパレー○」のあの曲!
さっきの従兄弟が持ってたオモチャが音の出るタイプで、正に車が動き始めた瞬間に鳴らしたもんだから一部で
( ;゚;ж;゚;)プフッ!
って声が出ちゃって。
その従兄弟、お母さんにガチ怒られしてギャン泣きしてたそうです。
さて、そんなこんなで葬式が終わって、しばらくたって雪が溶けて春になってからようやくお墓に入れるって段になって、いよいよ納骨って時です。
雪が溶けていたとはいえ、まだまだ墓場には雪が残ってたんで、どこが家の墓だ?ってなっちゃって
長野「あれ?この辺じゃなかったっけ?」
じいちゃん「確かこの辺り…」
ズボッ!
じいちゃんヽ(´Д`;)ノ「あああああああああああああああああ!」
長野「じいちゃーーーん」
って雪の中にじいちゃんがはまっちゃって
しかもまだ土葬がなくなってから年月がたってなかったころだったもんで落ちた場所が曾祖父さんより先に死んだ曾祖母さんの墓を踏みぬいちゃって、んでそこで白骨化した曾祖母さんを見て
じいちゃん(;゚;Д;゚;; )「ギャァァァ!」
ってなって
正にオチがついたという話でした。
つけたしますと、結局生前撮っていた遺影はその後、何年も見つからず、曾祖父さんの写真は見つかるまでずっと葬式で使われた写真のままだったそうです。
ちなみに……
このお話は98%フィクションですが、2%ほどノンフィクションが入ってます。それがどれなのかは、ご想像におまかせします。
といった所で、「悲惨な葬式」のお話、どっとはらいの語りきり、ありがとうございました。
ご覧いただきありがとうございました。
正直書こうか悩みましたが、頭に浮かんだものは一度書いてみないと気がすまない性分でして……
概要に書いた通り、この作品に関しては批判は受け付けませんのでご了承下さい。
改めて、ご覧いただきありがとうございました!
もし俺だったら嬉しいかな。
最後にみんなが笑ってるんだぜ?
最高じゃん。
俺だったら泣いてまで送って欲しくないね。
どうせだったら笑う方がしんみりしなくていいだろ?
ウラァー!!ハラショー!!氏、ご覧いただきありがとうございます!
最後だから笑って送ってもらえる位な生き方をしたいものです。