吹雪「初期艦の威厳が足りない」
初期艦吹雪
駆逐艦の練度は99です
叢雲 ズズッ
モグモグ
「……」
吹雪「つまりね、私には威厳が、って叢雲ちゃん話聞いてる?」
叢雲「それは今聞いたわよ」
「あんたが珍しく『ケーキごちそうするからちょっと付き合ってよ』なんて言うからついて来たらこれよ」
吹雪「叢雲ちゃんケーキ好きだもんねー」
「それ美味しそうだよね、新作なんだって」
叢雲「だいたいなんで私だけケーキセットであんたはコーヒーだけなのよ、ちょっと気まずいじゃない」
吹雪「あー、私はあとで司令官と一緒に食べるから今はコーヒーだけでいいの」
叢雲「そもそもあんた秘書艦でしょ、こんなところでサボってていいの?」
吹雪「それなんだけどねー、私の今日の分は片付いちゃって」
「そこに丁度白雪ちゃんがお茶を持ってきて司令官とおしゃべり始めちゃったから抜けてきたの」
叢雲「この間の引っ越しでまだばたついてるって聞いたけど」
吹雪「うーん、執務室にはしょっちゅう誰か来るからその娘に手伝ってもらえばいいと私は思ってるんだけど」
叢雲「そういうことしてるから威厳も何もないんじゃないの?」
吹雪「あーそういえばそういう話だったねー」
叢雲「あんたが誘ったんでしょうが」
吹雪「あれは別に真面目な話題じゃなくて、単におしゃべりのきっかけにしたかっただけだよ」
叢雲「…あんたけっこう変わったわよね」
吹雪「そうかな?」
叢雲「そうよ、アイツに似てきたわ」
吹雪「叢雲ちゃんが言うならそうなのかもね」
叢雲「どういう意味よ?」
吹雪「別に深い意味はないけど、なんとなくそう思っただけ」
叢雲「最近あんたと話しているとちょっとイラっとする時があるわ」
吹雪「それは司令官に似てきたからかな?」
叢雲「そうかもしれないわね」
吹雪「叢雲ちゃんも随分と素直になったねー」
叢雲「たまにそうやって姉面するのやめてくれない?」
吹雪「実際お姉ちゃんなんだもーん」
ガララッ
白雪「あ、吹雪ちゃんこんなところにいた」
「資料が見つからないって司令官が呼んでたよ」
吹雪「えーあの書類明日でいいと思ってたのに今日するの?」
白雪「私もちょっと探したんだけど吹雪ちゃんじゃないとわからないって司令官が」
吹雪「そんなことないと思うんだけどなあ」
「白雪ちゃん、抜けちゃって悪かったね」
「私にツケといていいからケーキセットでも食べていって」
「じゃ、私はケーキ買って司令官のところに戻るから、叢雲ちゃん、今日はありがとね」
ガララッ
白雪「叢雲ちゃん」
叢雲「なによ」
白雪「私ときどき吹雪ちゃんのことがすごくうらやましくなるの」
叢雲「そうね」
「私もよ」
叢雲はケーキセットをもう一つ注文しました
吹雪
タフになった。
吹雪
最高練度で提督とケッコンカッコカリし、レベル150くらいだと、間違いなく鎮守府の事も知りつくし、戦術能力は下手な海軍士官裸足、鳳翔さんでも道を譲り、敬語、ガチバトルだと大和・武蔵も足元にも及ばず、肝心の提督とは『阿吽の呼吸』何十年も連れ添い、互いに何も言わなくても考えている事が分かる古女房
こんな海千山千の艦娘になっていそうだ。
一番、分かりやすい例だと艦娘版『北政所』提督の全てを知り尽くしている。
続き。
提督自体、最古参で長年、深海棲艦との第一線で戦い抜いてきた『古強者』だが、吹雪にだけは頭が上がらない。
互いに深い信頼関係で結ばれている。
そんな艦娘に吹雪はなっていそうだ。
イチャイチャ過ぎない程よい甘さです。ごちそうさまでした(笑)