No20 提督 『 鎮守府を飛び出して、艦娘達と慰安旅行! 』
何やかんやで順調に日々を過ごしていたある日、海軍本部の元帥から手紙と写真、そしてお菓子が送られてくる。手紙の内容を確認している間にリア友、後輩からも同じ内容で違うお菓子が……
どういうことか?と元帥に連絡を取り、話し合いの結果……我が艦隊、慰安旅行へ行けることを此処に発表します。
どうも!御無沙汰してます!柔時雨です。
ちょっとポケモン熱が再発してしまい、育成やら厳選をしている間に前回からかなり開いてしまいましたね……
そして、来る9月27日は無双OROCHI 3 の発売日!予約したのを受け取って、プレイして……また日数が開きますでしょうが
艦これSSも続けていきますよ~!
(ちょっと、オリキャラ、オリジナル地方で冒険物のポケモンSSを綴ろうかな……とも……いや、今は艦これですね!)
今回は無事に20回目ということで、ちょっと鎮守府を飛び出してみました。
どこへ行ったかは、此処で書き込むより実際に見ていただいた方が早いですね。
ただし、これだけは!これだけは先に言っておきます!
本作には多大なるネタバレ要素が含まれますので、本作を覗かれる場合は自己責任でお願いします!
…………良いですか?大丈夫ですか?それでは、残られた方はゆっくりしていってください!
鎮守府 ・ 執務室
提督 「…………」執務中
扶桑 「…………」秘書艦中
磯風 「司令、ちょっと良いか?」扉開け
扶桑 「あら、磯風ちゃん。」
提督 「ん?どうした、磯風。」
磯風 「本部の元帥殿から、何やらお菓子と手紙が届いているぞ。」
提督 「爺さんからお菓子?何だろう?」
俺は磯風からお菓子が入った箱と封筒を受け取り、上の部分を破いて中身を出してみると、手紙の他に1枚の写真が入っていた。
提督 「ん?写真?まぁ、それは後で見るとして……えっと、手紙の内容は……」
元帥 『 先日、慰安旅行へ行った際に買った菓子よりと、その時撮った写真を送る。遠慮せずに食べてくれ。』
提督 「慰安旅行って……爺さん達、何処に行ったんだ?」
俺は同封されていた写真を手に取ると、そこには天龍に168、千歳に涼風、浜風、秋月、グラーフ、長門に早霜、蒼龍、大和の姿が1枚の写真に収められていた。
提督 「おぉ!皆、楽しそうに写ってるなぁ……ん?ちょっと待て。この皆の後ろにある西洋の城っぽいの……これって、千葉にあるのに東京と名乗る、あの夢の国の象徴じゃねぇか!」
扶桑 「あっ……あの、提督?その、某所に喧嘩を売るような発言は控えるべきかと……」
磯風 「……司令。送られて来たお菓子、チョコレートっぽいぞ!しかも、保冷剤らしきものが入ってない!」
提督 「マジで!?まだまだクソ暑いっつうのに、季節ってモンを考えろよ!とりあえず、磯風。そいつを食堂の冷蔵庫……冷凍庫、どっちでもいい。すぐに入れておいてくれ!」
磯風 「承知した!」
チョコレートの箱を持って執務室から出て行った磯風と入れ替わるように、今度は那智が同じような箱と封筒を持って入ってきた。
那智 「何を急いでいるんだ?磯風は……」
扶桑 「あら、那智さん。」
那智 「扶桑、秘書艦の任、ご苦労様。さて、本題なのだが……旦那様。リア友提督殿からお菓子と書状が届いてるぞ。」
提督 「あいつから?はて……」
俺は那智からお菓子の入った箱と封筒を受け取り、先程と同じように封筒の中身を確認すると、まったく同じように手紙と1枚の写真が入っていた。
提督 「これって……」
リア友提督 『どや?元気してる?この間、慰安旅行で皆と出かけてなぁ。お土産のお菓子と、記念写真1枚手紙と同封して送るわぁ。皆で食べてやぁ。』
手紙を読み終え、写真を見てみると……そこには山城に曙、青葉に矢矧、筑摩、五十鈴の姿が写っていた。
提督 「舞鶴に行った皆も楽しそうだな。」
扶桑 「うふふっ、そうですね。」
提督 「…………ん?」
那智 「どうした?旦那様。」
提督 「いや……これ……さっき、元帥から送られて来た写真の撮影場所とまったく同じ……こいつ等も夢の国へ遊びに行ったのか。」
扶桑 「え?……あら、本当に構図がそっくりですね。」
那智 「ふむ……確かに。2枚の写真の、皆の背後に写る城がそっくりだ。」
提督 「同じタイミング……一緒に行ったのか……別の日に行った場所がたまたま偶然一緒だったのか……まぁ、土産のお菓子の内容がダブってなかっただけ良しとするか。」
那智 「…………」
提督 「どうした?那智。」
那智 「ん?あぁ……いや、この楽しそうな写真の中に、朝潮が居ないのがな……生きていれば、こんな風に楽しい時間も過ごせただろうに……」
扶桑 「…………」
提督 「何言ってんだ。近代改修で朝潮はお前の一部となって今も生き続けてる。お前が楽しい思いをすれば、きっと朝潮も一緒になって喜ぶだろうさ。」
那智 「そう……だな。あぁ、そうだといいな。」
扶桑 「それでは、近いうちに私達もどこかへお出かけしましょうか。」
提督 「そうだな……実現できる様、俺も少し頑張ってみるか。」
祥鳳 「失礼します。提督、ちょっといいですか?」
扉を開け、祥鳳が小堤と封筒を持って入って来た。
提督 「祥鳳………それって、もしかして……後輩からか?」
祥鳳 「えっ!?どうして判ったんですか!?」
那智 「まぁ、この流れからすれば……な。」
扶桑 「二度あることは三度ある……とは、よく言ったものですね。」
那智が机の上の手紙や写真に視線を落とすと、祥鳳もすぐに納得したようだった。
祥鳳 「あぁ、なるほど……」
提督 「まぁ……手紙の内容は元帥やリア友と似たり寄ったりだろうから、後で読むとして……写真だな。」
俺は封筒の上部分を破り中身を出すと、手紙と一緒に案の定1枚の写真が入っていた。
手に取った写真には、高雄と一緒に阿武隈ちゃんや瑞鳳ちゃん、雪風ちゃんに文月ちゃんと……見たことのない淡い茶色の髪の娘が写っていた。あぁ、きっとこの娘が、初月のお姉さんの照月さん……涼月さん?あれ、どっちだろう?
そして……先の2枚と同じ、美しく立派な西洋の城も。
提督 「あいつ等、バカの1つ覚えみたいに……他に行く所無いのかよ!」
那智 「ふふっ、高雄が完全に引率者だな。」
祥鳳 「雪風ちゃんと文月ちゃんの頭に着いてる、世界一有名なネズミさんのヘアバンド、可愛いですね。」
提督 「雪風ちゃんに例の耳とか……完全に齧歯類……」
那智 「こらっ!そういうことを言わない!」
提督 「……っていうか、後輩のトコがウチより先に慰安旅行に行ってるのが、ちょっと納得いかない……」
扶桑 「それは……時期というのもあるのではないでしょうか?」
祥鳳 「とりあえず、お菓子のお礼も兼ねて1度元帥さんに電話をしてみては?」
提督 「そうだな。ちょいと電話してみるか……」
俺は受話器を取り、番号を入力して……呼び出し音の向こう側に居る相手が受話器を取るのをしばし待つ。
元帥 『もしもし?』
提督 「先に言っておく。詐欺じゃねぇからな?とりあえず……俺だ。」
元帥 『おぉ!こちらからも電話しようと思ったのじゃよ。どうじゃ?菓子折りは届いたかの?』
提督 「それなんだけど……最近、ちょっと涼しくなってきたとはいえ、まだまだクソ暑い日が多い時に保冷剤無しでチョコレートなんて送ってくるんじゃねぇよ!時期ってモンを考えろや!」
元帥 『じゃが……旨いぞ?』
提督 「知ってるわ!そういう問題じゃねぇんだよ!まぁ、頂いた物は後で皆で美味しく食べるとして……本題はそっちじゃねぇんだ。」
元帥 『と、言うと?』
提督 「慰安旅行の件なんだけど……これは爺さんに行きたい場所を申請すりゃ、受理してくれるのか?」
元帥 『おぉ!そういえば、君の所はまだじゃったのぅ。申請してこないから、興味ないのかと思ったぞ。』
提督 「いや、あんた等の土産が届くまでは、そんなシステムがあること自体マジで知らんかったんだが……ちょっと後輩に先越されたのが悔しくてな。」
元帥 『なるほどのぅ。うむ!そちらの皆で話し合って、行き先が決まったら改めて電話してきてくれ。可能な範囲で費用を工面してやろう。あっ……費用の件は儂の教え子の君達だけ特別待遇じゃから、他言無用で頼むぞ。』
提督 「了解。じゃあ、また改めて電話する。その……いろいろ、ありがとうな。」
元帥 『うむ。ふぉっふぉ、君らは何処へ行くのか楽しみじゃな。』
― 通話終了 —
提督 「……てな訳で。扶桑、那智、祥鳳。磯風と初月を座学室に呼んできてくれ。」
扶桑 ・ 那智 ・ 祥鳳 「「了解!」」ニコッ
◇◇◇
鎮守府 ・ 座学室
提督 「何か最近、よく此処に集まってる気がするが……こほん。えぇ~、これより慰安旅行についての行き先を、土産のお菓子を食べながら決めていくぞ。」
5人 「「「「「ヽ(* ´ ∀ ` )ノ 」」」」」
提督 「それで早速なんだが……誰か、行きたい所の希望はあるか?」
磯風 「司令!行き先は日本国内か?それとも国外も有りなのか?」
提督 「あ~……そこは聞いてなかったな。まぁ、国外でも大丈夫……じゃねぇかな、たぶん。後輩んトコも、パラオ泊地から日本の千葉に行ってるくらいだし……」
那智 「ふむ……ありきたりな提案で良いのであれば……京都や奈良の神社仏閣巡りか…」
提督 「神社仏閣かぁ……俺達大人はそれで楽しめるかもしれんが、磯風や初月には……いや、そもそもそういうのに興味が無ければ、退屈なだけじゃないか?」
那智 「あっ、それもそうだな。」
初月 「じゃあ、温泉旅行……と思ったけど、この間の件で入渠ドックがかなり立派になったから、今更他所へお風呂に入りに行くためだけに、出かける必要は無いのか。」
提督 「まぁ、何らかの原因でドックが使えなくなった時以外は、ウチで事足りるだろうな。」
扶桑 「あの、旦那様は行きたい場所はあるのですか?」
提督 「ん?俺?そうだな……俺はやっぱりギリシャに行きてぇな。神殿や神話をモチーフにした絵画や彫刻を見てみたいし……それに、この前本屋でガイドブックを立ち読みして知ったんだが……ギリシャにもあるらしいんだよ。ヌーディストビーチが。」
那智 「またそういうことを言う……最初の方はまともな理由だったのに……」
祥鳳 「その……提督以外の男性の前で裸になるのは、抵抗がありますから……却下の方向で。」
扶桑 「むぅ……旦那様は、私達よりあちらの……異国の 『 ぱつきんぎゃる 』 の裸が見たいのですか?」
提督 ・ 4人 「「「「「(パツ金ギャル!?)Σ ( ゜ ロ ゜;)!? 」」」」」
提督 「こほん……まぁ、ギリシャは昔、提督になる前に1人旅で行ったことあるからな。今回は皆の意見を尊重するよ。」
初月 「いきなりそう言われても……ん~……ここは、流れに乗る感じで千葉県の夢の国に……」
提督 「それでお土産は今、皆が食べてるようなお菓子になるんだろ?本部・舞鶴・パラオ組も散々楽しんだだろうし、今更お土産で行った場所のお菓子を貰ってもな……」
初月 「あっ、それもそうだな。」
磯風 「だが、そんなに長期間此処を留守にするわけにもいかないし、初月の……えっと、遊園地でいいのか?その提案そのものは悪くないと思うぞ。」
提督 「ふむ……だが、ただ遊園地に行くだけなら、日帰りの旅行になるぞ?それでもいいのか?」
那智 「まぁ、楽しければ、それはそれで……」
祥鳳 「…………あっ!提督、提督。私、あそこに行ってみたいです!えっと……ほら、大阪にある……」
提督 「大阪にある遊園地……ひっらパ~♪ 」
祥鳳 「ちっ、違います!そちらではなく、あの回る地球がある……」
那智 「祥鳳、落ち着け。地球は常に回っているぞ。」
提督 「……あぁ、解った。USJのことか。」
祥鳳 「!そう、そこです!」
扶桑 「ゆーえすじぇー……そこも遊園地なのですか?」
提督 「そうだな……えっと、何て言えばいいんだろう?千葉のネズミーランドが、その種類のアニメの映画作品をテーマにした乗り物があるなら、USJはアメリカの実写映画作品をテーマにした乗り物がある遊園地ってトコかな。(確か、どっちもアメリカだったような気が……)」
扶桑 「なるほど。異国の映画作品ですか……それは楽しみですね。」ニコッ
提督 「(異国の映画っつう括りにするなら、ネズミーの方も異国の映画なんだよなぁ……言わねぇけど。)えっと……それじゃあ、他に意見が無ければ、行き先をUSJに決めるけど……異論はあるか?」
5人 「「「「「異論、無しで!」」」」」ヾノ ≧ ∀ ≦ )oイエイエ!
提督 「じゃあ、行き先はUSJに決定!日時が決まったら改めて通達するから、前日慌てなくて済むように準備はしっかりしておけよ。」
5人 「「「「「了解!」」」」」
提督 「さてと……それじゃあ、俺も爺さんと具体的な話をしておくかな。」
*****
慰安旅行前日 二二〇〇
鎮守府 ・ 正門
提督 「はい!というわけで……これから大阪のUSJに向かいます!」
初月 「提督……旅行は明日と明後日じゃないのか?」
提督 「これくらいの時間に出ないと、開園前に到着しねぇからな……」
那智 「旦那様。そのUSJまでは旦那様の車で行くのか?」
提督 「いや、流石に距離があるからな……行けないこともねぇけど。舞鶴のリア友の鎮守府まではコイツで行って、駐車させてもらった後は舞鶴の駅から電車で新大阪まで行って乗り換え、西九条まで行く。さらにそこでUSJに行ける電車に乗り換える。」
扶桑 「あらあら。ずいぶん、電車を乗り継いで行くのですね。」
提督 「だから逸れないようにちゃんと着いて来いよ。迷子になったら、探すだけで時間ロスして……遊ぶ時間が減るぞ。」
初月 「そっ……それは嫌だ!」
提督 「なら、とりあえず……迷いそうだなぁと思ったら、扶桑の艦橋を目印に集合だ!いいな!?」
初月 ・ 磯風 「「了解!」」
那智 「旦那様……此処から舞鶴まで夜通し運転なんだろ?……大丈夫か?」
提督 「一応、昼寝をしたし、疲れたらちょっと自販機で缶コーヒーを買って凌ぐから大丈夫だとは思うが……もし、電車の中で寝てしまった時は、起こしてくれ。」
那智 「承知した。」
提督 「よっしゃ!それじゃあ、出発!」
5人 「「「「「お~っ!!」」」」」
◇◇◇
数時間後
大阪 ・ JR西九条駅
祥鳳 「提督。此処まで何の滞りも無く来ることができましたが……此処からどの電車に乗るのですか?」
提督 「それは見れば一目瞭然なんだが……」
初月 「……!提督、提督!あの電車、凄い!あの有名な魔法使いの絵?写真?とにかく、凄いよ!」癖毛ピコピコ!
提督 「はいはい。アレに乗ってユニバーサルシティ駅に行く。此処から、確か2駅目だったはずだ。」
磯風 「司令!説明は後でいいから、早く乗るぞ!」キラキラッ
提督 「あぁ、そうだな。凄い人だから逸れるなよ。」
◇✝◇
ユニバーサルシティ駅
提督 「改札口を出て、此処からは道なりに歩いて行けば、USJの正面ゲート……ウチでいう正門の前に出る。」
那智 「詳しいな、旦那様。来たことがあるのか?」
提督 「まだ海兵……提督を目指す前、普通の学生だった頃、友達とな。おっ!見えて来たぞ。」
10分掛かるか、掛からないか……それくらいの時間を歩いていると、俺達の目の前に立派な入口と……向かって右側に、祥鳳が言っていた地球が姿を現した。
祥鳳 「提督!地球、地球ですよ!」
提督 「そうだなー。地球だなー……祥鳳、その地球儀……本来とは逆方向で回ってるって、気付いたか?」
祥鳳 「えっ!?そうなんですか!?」
那智 「扶桑、今何時だ?」
扶桑 「ちょっと待ってください。えっと……7時30分ですね。開園まであと1時間あります。」
提督 「なら、列に並ぶ前に此処で写真撮影を済ましちまうか。ほら、皆地球儀の前に並べ~。」
那智 「え?旦那様は……一緒に撮らないのか?」
祥鳳 「そうですよ、せっかくなんですから……あっ、あちらの御家族の方にお願いされてみては?」
提督 「……そうだな。すいません、ちょっとお願いしたいことが……」
俺は家族で訪れていた父親であろう男性にシャッターを切ってもらうようお願いし……カメラには無事、俺を含めて6人がちゃんと写った記念すべき1枚目が収められた。
提督 「どうも、ありがとうございました。」
扶桑 「親切な方が居てくれて、良かったですね。」
提督 「そうだな。さてと!それじゃあ、開園まで列に並んで待機だな。その間に説明しておくことがある。」
那智 「説明しておくこと?」
提督 「お前等……魔法使いのアトラクションに乗りたいか?」
5人 「「「「「乗りたい(です)。」」」」」」
提督 「そうか。なら……開園したら俺は先に本気の全力疾走で整理券を買いに行ってくるから、皆は地図を頼りにデカいサメが吊るされている場所を目指してくれ。そこで合流しよう。」
那智 「承知した。」
初月 「乗り物に乗るのに整理券が必要なのか?」
提督 「人気アトラクションだからな……混雑具合では整理券無しで乗れることもあるらしいんだが、俺の過去の体験上、そんなことはまず無い!運に任せていきなり乗り場へ直行してもいいけど……それで乗れなかったら、意味無いしな。」
初月 「なるほど。」
磯風 「今回はとにかく、経験者である司令の言う通りに行動しよう。」
祥鳳 「そうですね。提督、引率改めてよろしくお願いしますね。」
提督 「ほいほい……おっと、そろそろ開園みてぇだな。」
扶桑 「あら、もうですか?おしゃべりしていると、あっという間ですね。」
那智 「いよいよか……ふふっ、少し……いや、かなり期待で胸が高鳴ってきた。」
前列の人の歩みに合わせてゆっくりと進み、自分達の番になった時、入場料を払って無事園内へ。
提督 「それじゃあ、ちょっと行ってくる。地図は持ったな?那智、祥鳳、扶桑。俺が戻って来るまでの間、引率を頼んだぞ。」
扶桑 「はい、御任せください。」
祥鳳 「心配しなくても、磯風ちゃんも、初月ちゃんも良い子ですから大丈夫ですよ。」
那智 「こちらは私達に任せて、旦那様は……全力疾走を頼む。」
提督 「任せろ!必ず人数分確保してくる!」
― 提督 ダッシュ開始! —
初月 「おぉ……速い!」
磯風 「蹴り技で鍛えた脚力は、伊達ではないということか……流石だ!」
扶桑 「では、私達は地図を頼りにゆっくり行きましょうか。」
祥鳳 「確か……サメを目指すんですよね?」
那智 「サメ……サメ……あっ、あった。此処か……えっと……『 JAWS 』 という場所らしい。」
扶桑 「じょーず……ですか。どういう意味でしょうか?」※ JAWS = 顎( あご )
初月 「とりあえず、行ってみれば判るのでは?」
扶桑 「そうですね。それじゃあ、そのジョーズという場所を目指しましょうか。」
✝✝✝
【 JAWS 】
祥鳳 「はぁぁ……大きなサメですね。」
磯風 「このサメ、イ級より大きいぞ。」
初月 「こんなサメが本当に海の中に居るのか……?」
那智 「……! 扶桑、ちょっと。」手招き
扶桑 「? はい、何ですか?」トコトコ
祥鳳 「那智さん?扶桑さん?」
那智 「此処にこうして……な?」
扶桑 「! あっ、はい。」
扶桑 in サメの口
扶桑 「あぁ~……助けてくださぁい。」
初月 「ぷっ……www 何をしているんですか、扶桑さん!」
那智 「磯風、シャッターを!後で旦那様に見せてやろう。」
磯風 「ふふっ、了解。」カシャッ!
祥鳳 「うふふ。これも良い記念ですね。」
扶桑 「良い写真、撮れましたか?」
磯風 「あぁ。バッチリです。」
提督 「ぜはぁ……はぁ……すまん、待たせたな。」
― 提督 帰還 —
那智 「あぁ、旦那様。お帰り。それで……どうだった?買えたのか?」
提督 「はぁ……はぁ……あぁ、バッチリだ。6枚、ちゃんと手に入れてきたぞ。乗車時間は11時だそうだ……はぁ、はぁ……」
祥鳳 「お疲れ様です、提督。」
初月 「11時か……まだ時間があるな。提督、せっかくだしこれに乗ってみないか?」
提督 「はぁ……はぁ……あぁ、JAWSか。そうだな……うん、いいぜ。皆で乗ろうか。」
扶桑 「あの、提督……」
提督 「ん?どうした、扶桑。」
扶桑 「この乗り物はどのような内容なのですか?あの、入り口のサメは関係あるのですか?」
提督 「そっか、映画の内容をしらないのか。ん~……簡単に言えば、平和なビーチに現れた巨大な人食いサメ……ホオジロザメなんだが、そのサメに対する恐怖心と、そいつを退治しようと立ち向かう人達の姿を描いた映画だ。」
那智 「なるほど……」
提督 「それで、このアトラクションは、その映画の舞台となった港町・アミティをボートに乗って観光する内容だ。」
磯風 「ん?それだけか?もっと激しいアトラクションかと思っていたのだが……」
提督 「まぁ、元凶のサメはそこに吊るされてあるからな。ほら、時間がもったいない……っていうか、このアトラクションで少し休ませてくれ。」
祥鳳 「あっ……そうですね。提督、この乗り物でゆっくり休んでください。」
~ 数分後 ~
早朝であることと、他の人は激しいアトラクションを目指してダッシュ……しているであろう。とにかく、待ち時間に何十分ともかけず、すぐに乗船することができた。
提督 「お前等、2人ずつになって左側に詰めて乗り込め。美しい景色は殆ど左寄りだからな。」
初月 「わかった。」
1列目 = 那智、提督 ・ 2列目 = 磯風、初月 ・ 3列目 = 祥鳳、扶桑
本部 『本部からアビティシックスへ、出航を許可します。have a good day。』
磯風 「アビティシックス?」
提督 「この船の名前だ。」
乗組員 「了解しました!それでは船着き場の皆さんに手を振って行きましょう!いってきま~す!さて、出発!進行!……はい、皆様本日はアビティ・ハーバーツアーへお越しいただき、誠にありがとうございます。私が本日、皆様のツアーガイドを務めさせていただきます。どうぞ本日は最後までよろしくお願いします!」
パチパチパチ!
乗組員 「ありがとうございます!さて、皆様は御存知でしょうか?1975年、この町アビティに1匹のサメが現れ、次々に人を襲うという悲惨で凄惨な事件がありました。その話を元に、あの有名なスティーブン・スピルバーグ監督が【 JAWS 】の映画を作り、一躍この町も有名になったのですが、今でも時折サメの目撃例があるとのことなので……ね、こちらに護身用アイテムを念のため搭載させていただいております。」つ ライフル銃
『メーデー!メーデー!緊急事態発生!こちらアビティスリー!救援を頼む!』
5人 「「「「「!?」」」」」
乗組員 「はい、こちらアビティシックス。どうした?アビティスリー。」
『何かがボートの下に!うぁっ、襲って来た!うわっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
乗組員 「いやいやいや……アビティシックスから本部へ。今の聞きました?」
本部 『こちらも受信した!君達の船のすぐ近くからだ。寄港中のアビティスリーからの遭難信号らしい。』
乗組員 「遭難信号だって!?」
本部 『その付近を捜索してくれ!こちらはブロディ所長に連絡を取る。Over!』
乗組員 「了解しました。……まぁ、大丈夫でしょう。私達はこのままツアーを続けて……」
アビティスリーらしきボート 『 じゃあの…… 』 轟沈!
乗組員 「……アビティスリー!?」
那智 「うわっ……大惨事じゃないか!」
扶桑 「ボートの後ろ側が、がっつりと抉られてしまってます!」
乗組員 「本部!アビティスリーが沈没して………っ!?」
サメ 『やぁ。』
初月 「うわぁぁぁっ!サメの背びれが見えた!」
磯風 「提督!これは優雅な観光ツアーではなかったのか!?」
本部 『アビティシックス、もう1度頼む。』
乗組員 「サメです!サメが出現しました!あっ……あぁ!」
祥鳳 「はわわわ……大変です!サメがボートの下に!」
乗組員 「本部、今のお姉さんの声聞こえましたか!?サメがボートの下に潜り込んで……」
本部 『落ち着け!ライフルを使うんだ!』
乗組員 「……!そうだった。もしものためにと思って積んでいたコイツを使って……!」1発目、2発目 発砲!
銃弾 『 ハズレやで 』ニコッ
銃弾 『 水しぶきだけは、いっちょまえですね 』ニコッ
提督 「サメって本当に速く泳ぐんだな……銃弾躱すとか、やるなぁ。」
那智 「関心してる場合かぁ!!」
乗組員 「駄目だ、当たらない……そうだ、このボートハウスに避難しましょう。此処なら安全なハズです……すいませーん!誰か居ませんかー!?」
バキッ!
乗組員 「……ッ!?あいつだ……」
那智 「しつこい奴だな……フカヒレにしてやろうか!」
祥鳳 「落ち着いてください、那智さん!ガイドさん、すぐに出発しましょう!」
乗組員 「そうですね。…………あれ?」
扶桑 「どうしました?」
初月 「まさか……」
乗組員 「申し訳ありません!エンストしてしまったらしく、ギアが……くそっ!動け、このポンコツが!動けってんだよ!」
サメ 『 右側から失礼しますよ 』ザバァ
5人 「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
エンジン 『 仕方ないですね 』ブロロロロ……
乗組員 「やった!エンジンがかかりました!すぐに此処から脱出しましょう!」
提督 「俺、あの乗組員さんと仲良くできそうな気がする。」
磯風 「司令!?そんな暢気な事、言ってないで!」
本部 『アビティシックス!こちらブロディ所長!』
乗組員 「所長!よかったぁ、助けてください!」
本部 『そちらに向かっている!あと10分で到着する!』
乗組員 「……あと10分?そんなに待ってたら、時間差で作ったカップ麺が3つできる間に皆サメの餌になってしまいますよ!……って、あれ?あいつ、どこ行った?」
サメ 『 突撃、今日の朝ご飯 』
祥鳳 「きゃああぁぁぁ!!左から来ましたぁぁぁ!!」
乗組員 「そこかぁ!」 3発目、4発目 発砲!
銃弾 『 クソエイムですね 』ニコッ
銃弾 『 当たりやで!』ニコッ
燃料タンク 『 フォイヤー!フォイヤー!! 』発火!
磯風 「熱い!熱い!ちょっと、戦場を思い出す!」
乗組員 「………………ワォ。」
提督 ・ 那智 「「言ってる場合かぁぁぁ!!」」
乗組員 「申し訳ありません。誤って燃料タンクを撃ち抜いてしまったようで……あっ!皆さん、見えますか?前方にある船着き場、あそこに避難しましょう。陸に上がってしまえば、サメに襲われる心配もありません。ただし、左側に見えますあの高圧電流ケーブル。あれにだけは触れないでくださいね。爪先が当たっただけで、全身黒焦げ状態になってしまいますからね。」
那智 「……!サメが来たぞ!」
初月 「本当だ!背びれと尾びれの上の部分が見えた!」
乗組員 「また来た!?しつこいなぁ……そうだ。皆さん、私に良い考えがあります!」
提督 「乗組員さん!それ、あかん!失敗フラグや!」
乗組員 「大丈夫です!私を信じてください!」
扶桑 「あの……えっと……先程からの射撃の腕前を見た感じですと…………」
磯風 「くっ!艤装さえあれば……!」
サメ 『 お腹空いた 』
乗組員 「くらえぇぇ!!」5発目、発砲!
銃弾 『 もっと前狙わなあかんて! 』
那智 ・ 初月 「「ほらぁ!」」
祥鳳 「あっ、でも!見てください!!サメの歯にケーブルが引っかかってます!」
サメ 『 あばばばばばばば 』
乗組員 「今だっ!」6発目、7発目 発砲!
銃弾 『 当たりやで!』
銃弾 『 むしろ、動けんサメ相手にハズしてたら、格好悪いで 』
那智 「くっ!水しぶきにも砲撃の音にも慣れているハズなのに……抵抗するサメが迫真すぎる!」
提督 「だが、無事に銃弾が当たったみたいだぞ。」
磯風 「あっ……サメが沈んでいく……」
サメ ( 黒焦げ ) 『一矢報いてや……れませんでしたわぁ……』轟沈!
乗組員 「やった……やりました!皆さん、無事にサメを退治することができましたぁ!」
5人 「「「「「よかった!本当に良かった!!」」」」」
乗組員 「ありがとうございます!勇敢な皆様のおかげで、こうして無事に港へ戻って来ることができました!あっ……皆さん。さっき見た大きなサメの話はくれぐれも内緒でお願いしますね。お客様が来なくなっては、商売あがったりですねで。それでは、お疲れ様でした。ボートが完全に止まってから、順番に下りてくださいね。」
― JAWS 終了 —
提督 「くっくっく……お前等、なかなか良いリアクションだったな。」
初月 「司令……さっきの乗り物の内容、知っていたな?」
提督 「あったりまえだ。友人ともう10回もUSJに来て、その度に乗ってるんだ……嫌でも内容を覚えるっつうの。まぁ……だからといって、内容のネタばらしをするような真似はしねぇから、安心してくれ。その辺の空気はちゃんと読むよ。」
那智 「なるほどな。それはそうと……旦那様、さっきJAWSの入り口で撮った写真があるのだが……」
提督 「え?どんなのが撮れ……ぷふっ!扶桑、お前……www」
扶桑 「うふふ。せっかく来たんですから、楽しまなくてはと思いまして。」
提督 「これ、喰われてる扶桑も大変だけど、扶桑を喰ってるサメの方も……扶桑の艦橋が咽に刺さって大変そうだよな。」
磯風 「あっ……確かに、そういう見方もできるな。」
初月 「命懸けの捕食か……」
提督 「とりあえず、この写真は後日、現像してから山城に送ってやろう。さてと……まだ11時まで時間があるな。どうする?他のアトラクションに行くか……魔法のエリアで時間を潰すか?」
祥鳳 「このJAWSから魔法のエリア以外だと、どこへ行けるんですか?」
提督 「そうだな……『 ウォーターワールド 』 か 『 ジュラシック・パーク 』 だな。」
扶桑 「えっと……旦那様。それらは、どういった内容なのですか?」
提督 「……それは映画の内容か?それともアトラクションの内容か?」
扶桑 「できれば両方……ですが、今は乗り物の内容でお願いします。」
提督 「えっとだな、ウォーターワールドの方は、ショー……えっと、演劇を見て楽しむ場所だな。ジュラシック・パークは……何て言えばいいんだろう?ゴムボートに乗って、最先端技術で現代に復活した恐竜達を見て廻る見学ツアーだな。」
那智 「ふむ……それらのアトラクションの待ち時間と、観覧・乗車時間のことを考えると……もう、魔法のエリアに行って時間を潰した方が良いのではないか?」
磯風 「そうだな。他のアトラクションもすぐに乗れるとは限らないし……確実に魔法のエリアでチケットを活用した後で、他のアトラクションを楽しめば良いのではないか?」
提督 「他の皆も同じ意見か?」
扶桑 ・ 祥鳳 ・ 初月 「「「はい( うん )。」」」
提督 「了解。それじゃあ、当初の目的地に向かうとするか。」
✝✝✝
【ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター 】
提督 「……というわけで、やってきました。ハリー・ポッターのエリアです……っつっても、俺は映画をちゃんと見たことないから何が何やら……」
那智 「そうなのか?この遊園地にある乗り物が題材の映画は、全部熟知しているのかと思っていたのだが……」
提督 「いやいや、世代とかの都合もあるからな……まぁ、この映画は……あれだ、TVで放送されたやつを興味本位で録画して……1作目でケルベロスが映ったのを見て以来、モンスターが出るところまで、早送りで見てるからな。物語の内容そのものはさっぱりだ。」
祥鳳 「独特な楽しみ方をしてますね……」
提督 「個人的には2作品目で出て来た、バジリスクがお気に入りだ。」
扶桑 「しかし……旦那様がこの作品を知らないとなると、この町にある物がどういう物なのか……さっぱりですね。この汽車は一体?」
提督 「あぁ、それは覚えてるぞ。確か、それに乗って……ほれ、奥にあるあの城……魔法学校なんだが、あそこに行くんだ。ちなみに、アトラクションもあの城の中にある。」
扶桑 「なるほど、そうなのですね。」
提督 「さてと……とりあえず、指定された時間になるまではこのエリア内で自由時間だな。11時になる30分前に、この汽車の前の集合ということで。」
5人 「「「「「了解!」」」」」
~ 数分後 ~
提督 「ん……」ゴクッゴクッ
那智 「ん!?旦那様がジョッキでビールを飲んでいるだと!?貴様、下戸ではなかったのか?」
提督 「え?あぁ、これはバタービールっつって、ノンアルコールの飲み物なんだよ。だから、子どもも安心して飲める。確か普通にアルコールの入ったビールもあるんだっけ?でも、止めておいた方がいいぞ。今、アルコールを摂取して今後乗り物に乗ったら……確実に吐くぞ。」
那智 「そっ、そうか……せっかく遊びに来たのにそれは嫌だな。うん、今回は自重して旦那様と同じ物を頂くとしようかな。それより、旦那様……鼻の下に泡が付いてるぞ。」
提督 「知ってる。これが作法……流儀だからな。」
◇◇◇
乗車30分前 ・ アトラクション待ち列
初月 「整理券があったら、すぐ乗れるというわけじゃないんだな。」
提督 「まぁ、ちょっと優先的に乗れますよ……程度に考えてくれれば。それより、初月。良い物をやろう……手を出せ。」
初月 「?…………これは……グミというものか?」
提督 「まぁ、喰ってみな。」
初月 「はむ…………?んん!?何だこれ……」
提督 「百味ビーンズっていうお菓子だ。バナナ味とか青りんご味とか普通な味から、ミミズ味とか草味、果ては鼻くそやらリバースした物とか……よく商品化できたなぁと思う味まである。」
初月 「うぐっ!?……んっ……どうしよう、飲み込んじゃった!!」
提督 「まぁ、今のトコロ百味ビーンズを喰って死んだって奴の話を聞いたことねぇから、たぶん大丈夫だろ。さて…………次は誰が食う?」
祥鳳 「初月ちゃんのアレを見た後で食べる勇気はちょっと……」
那智 「そもそも、旦那様は何でこんな物を買ったんだ?」
提督 「いや、待ち時間に手軽に楽しもうと思ってな……ちなみに、本部 ・ 舞鶴 ・ パラオ の分も購入済みだ。」
扶桑 「あら?CQC提督さんの分は買われなかったのですか?」
提督 「買おうとは思ったんだけど……せっかく築けた友好関係が、このお菓子1つで崩壊するような気がしてな……笑いごとで済ませるとは思えないし、彼等には後で改めて違うお菓子を買おうと思ってる。」
祥鳳 「なるほど……賢明な判断だと思います。
磯風 「…………なぁ、司令。私にも1つくれないか?」
提督 「おっ!いくか?磯風。いいぞ、ほれ。」
磯風 「うむ。では、いただきます。はむ………むぐ……ん?」
扶桑 「どうしたの?磯風ちゃん、大丈夫?」
磯風 「あぁ……その……美味しくはない……少なくとも果物系統の味ではないのだが……何だ?この味……私は知っているぞ……」
初月 「ごほっ……けほっ……本当か、磯風……」
磯風 「……あぁ!そうだ、わかった!これは土の味だ。司令と手合わせしている最中、運動場で倒れて口に入った土と同じ味がするんだ。とりあえず……頑張って飲み込む。」
提督 「おう、頑張れ。さて……他にコレを喰う勇者は居るか?」
那智 「なら、旦那様が食べて勇者になって見せてくれ。」
提督 「ん?そうだな……よし、じゃあコレを……いただきます。はむ……ん……んん?」
祥鳳 「大丈夫ですか、提督?どんな味ですか?」
提督 「何だこれ……あっ、いや……これって、微かに硫黄の……えっと、百味ビーンズの種類で該当しそうなのは……うん。どうやら腐った生卵味を引い……うぐっ!?これ、洒落にならん。普通にリバースしそう。」
那智 「……なるほど。そうなった場合は、リバースした物の味のお菓子が2つになるのか。」
祥鳳 「提督!本当に無理でしたら、こちらのティッシュに……」
提督 「すまん……( 見せられないよ! )……ふぅ、自分でやりだしたことだけど、マジでヤバいなコレ……何だ、あれ……化学兵器か?」
初月 「とりあえず……妖精さん達にはお土産として提供できないな。絶対に暴動が起きるぞ。」
提督 「そうだな。他の鎮守府の土産として購入する際、どうしようか迷ったが……うん、買わなくて良かった。」
扶桑 「ですが、良い感じに時間が潰せたようですね。」
提督 「ん?そろそろか……まぁ、とりあえず……初月、磯風……すまんかった。」
初月 「え?あぁ、いや……何味か判らなかったのは、ちょっと怖いけど……磯風や提督の挑戦は見ていて、ちょっと楽しかったし……」
磯風 「私も……うん、私のはまだ飲み込めないってほどの味ではなかったしな。」
那智 「ほら、私達の番が来たぞ。」
【 ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー 】
扶桑 「あらあら……これは足が宙吊り状態なのですね。」
提督 「よく解らんが、空を飛んでる感じ(?)が体験できるらしい。ジュラシックパークにある新しくできた乗り物も、こんな感じらしい。」
祥鳳 「それより、先程から女の子が何やら言っているのですが……何かこの先にハリーとロンという人が待っているらしいです。」
提督 「なら、その指示に従うとするか。」
ハリー 『やったね、ハーマイオニー!飛んでるよ!急げ、ロン!僕らも行くからね、外で会おう!』
磯風 「そうか、此処はまだ城の中なのか。」
初月 「それにしても凄い疾走感だ……」
ハリー 『ごめんね、皆!椅子はちょっと揺れるけど、イスはちょっと揺れるけど我慢して、大丈夫落ちた人はいないよ。』
ロン 『うん。今週はね。』
提督 「先週は居たんだな。」
那智 「そういうことを言うな、旦那様!」
ハグリッド 『やあ皆、ドラゴンを見なかったか?』
祥鳳 「そんな軽いノリで、重大そうなことを訊かれましても!」
初月 「鎖の先端の鉄の輪に、何も繋がれてない!?」
ハリー 『行くよ、クディッチ競技場へ!』
那智 「あの魔法使い達はこの速度を箒に乗って…………っ!?」
ハリー 『ハグリッド!ドラゴンだ!』
提督 「あのドラゴン……腕と翼が同一化してるな。ワイバーン種か。」
磯風 「余裕だな、司令……うわっ!ドラゴンが火を吐いた!」
ハリー 『危ない!』
提督 ・ 那智 「「見ればわかる!」」
扶桑 「……っ!?あの竜、旋回してこちらへ来ます!」
祥鳳 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
初月 「うわあぁっ!くっ……凄い遠心力……」
ハーマイオニー 『私の声について来て。森は危険よ!よぉく、掴まって!』
磯風 「森は危険……ひぃっ!?蜘蛛……!」
初月 「しかも、尋常じゃない大きさだ!」
提督 「これは苦手な人は本当に苦手だろうな。害虫を喰ってくれる、ありがたい奴等なんだが……」
那智 「それでこのサイズまで育つということは……この森にはどれだけの害虫が居るというんだ?」
ハーマイオニー 『Arania Exumai ( アラーニア・エグズメイ )!競技場へ急ぐわよ。灯りが無いけど、気をつけて!』
扶桑 「先程、女の子が唱えていたのが、呪文というやつですね。何て言っていたのかは解りませんが……」
提督 「気になるなら、後日調べてみてくれ。割とそのまんまの意味だから。」
ハーマイオニー 『危ないっ!』
初月 「っ!?本当に油断できないな……」
祥鳳 「あっ、森を抜けるみたいですよ。」
アナウンス 『同点です!グリフィンドール、スリザリン、ともに20点!』
ハリー 『どこにいたの?……クディッチだ!行くよ!』
那智 「あれは……羽の付いた球?」
提督 「俺も詳しいルールは知らんけど……確か、あの弾を相手のゴールに魔法を使って追い込んだらポイント……だったかな?」
祥鳳 「意外とシンプルなのですね。」
マルフォイ 『マグルのファンへのアピールか?ポッター!』
磯風 「!?おい、あのメガネの魔法使い、肘打ちらしき行為をしたのだが!?」
初月 「肉体言語はありなのか……」
提督 「どうやら、思っていたより過激な競技らしいな。」
アナウンス 『スリザリンがリード!』
那智 「何がどうなっているのかは知らんが、試合は滞りなく進んでいるらしいな。」
扶桑 「あら?何やら会場の上空が……」
祥鳳 「何か出てきましたね……乱入者でしょうか?」
ハリー 『ディメンターだ!』
初月 「ディメンター?」
提督 「確か亡霊の一種だったかな?相手に接近して精気……魂を吸い取るとか?」
那智 「悪霊じゃないか!」
祥鳳 「くっ……弓矢さえあれば……!」
提督 「映像!映像だから!いや、そうでなくても深海棲艦みたいに実体があるわけじゃねぇから、砲弾も艦載機も通用しねぇって。」
ハリー 『よせ!やめろ!皆には手を出すなっ!Expecto patronum ( エクスペクト・パトローナム )!』
磯風 「おっ……おぉ!どういう効果の魔法かはしらないけれど、魔法使いが悪霊を追い払ってくれたぞ!」
提督 「ありがとう、ハリー!」
ハリー 『ありがとう!みんな最高だったよ!』
ダンブルドア 『実に勇敢じゃった、またいつでもホグワーツへ来るがよい。』
― ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー 終了 ―
提督 「…………で?どうだった?乗りたかったアトラクションを楽しんだ感想は?」
那智 「うん……いや、人気なのが良く分かったよ。ふふっ……とても楽しかった。」
磯風 「あぁ。今度また来た時は、是非とも再び乗りたいな。今現在の待ち時間がこの後ずっと続くようなら、おそらく今日はもう乗れないだろうからな。」
― 待ち時間 120分 —
初月 「これは確かに……まぁ、待てない時間では無いんだろうけど、せっかくだし他の乗り物も楽しみたいしね。」
扶桑 「そうですね。旦那様、場所を移動しましょうか。」
提督 「ん?そうだな…………すまん。ちょっと、小腹が空いちまってな。個人的に食いたい物があるんで、そこへ向かってもいいだろうか?」
祥鳳 「はい。私達は初めての場所ですので、提督の引率にお任せします。」ニコッ
✝✝✝
【 ジュラシック・パーク 】
扶桑 「此処は他の場所とは違って、緑が多くて涼しいですね。」
祥鳳 「滝の音も風情があっていいですね。」
那智 「それで、旦那様が食べたかった物というのは……」
提督 「すまん、待たせた。」つターキーレッグ
磯風 「おぉ……豪快な肉料理だな。」
提督 「USJに来たら、これはいっつも買って食ってるんだよ。レストランの料理も良いんだろうけど、座って食う時間があるのなら、こういう食べ歩きができる物を買って、次の目的地へ向かうことを俺は選ぶよ。」
初月 「なるほど。……提督、僕もそれ……食べてみたいんだけど。」
磯風 「私も興味があるな。」
提督 「ん?そうか。じゃあ、追加で2つ買って来よう。那智、すまんが俺の肉を預かっていてくれるか?」
那智 「うむ、承知した。」
提督 「お前達も食うか?」
扶桑 「そうですね……せっかくですし、頂きましょうか。」
祥鳳 「はい。おそらく、こういう場所に来なければ、なかなか食べる機会がなさそうですし。」
那智 「あぁ。旦那様、私達の分も頼めるか?」
提督 「おう、任せろ。じゃあ、初月。ちょっと一緒に来てくれるか?1人で5本を持てる自信が無い。」
初月 「うん。わかったよ。」
~ 数分後 ~
那智 「ん……食べ応えがあって、美味しいな。」モグモグ
扶桑 「それに、燻製でしょうか?香りもいいですね。」モグモグ
祥鳳 「美味しくてお腹に溜まる……提督がお気に入りなのも頷けます。」モグモグ
提督 「こいつを片手で持って、豪快にかぶりついて……引きちぎる!この原始的な喰い方ができる鶏肉料理……最高だね。」
初月 「そのうち、あの……マンガ肉というのか?あの骨付き肉も売り出されたりしてな。」モグモグ
提督 「それが露店で実現したら、絶対に買うわ。」モグモグ
サイレン 『ヴー!ヴー!』
磯風 「ん?何事だ?」モグモグ
アナウンス 『皆さん、いいですか!?トラブルが発生しました!ジッとしていて、動かないでくださいね!』
那智 「トラブルとは穏やかではないな。」
祥鳳 「いったい、何が遭ったんでしょう?」
初月 「……何だ?向こうの方が騒がし……い……」
磯風 「どうした?初月」
ヴェロキラプトル 登場!
那智 「うわっ!?何だ、アイツ等は!」
扶桑 「あらあら、あれが恐竜という生き物なのですね。」
磯風 「研究施設から脱走したのか!?早く非難しなくては!」
提督 「ん~……いやまぁ、此処で働くプロフェッショナルの方々が居るんだし、ここは下手に動かねぇほうがいい。必要な時は、あの飼育員さん達の引率に従えば大丈夫だ。」
祥鳳 「そ……そうですね。此処でジッとしていましょう。」
初月 「…………ちょっと待って。あいつ等、こっちに近づいて来てないか?」
提督 「おそらく、施設へ帰るためのルートに此処が組み込まれているんだろう。」
ヴェロキラプトル 『キシャアァァァァァァ!!』
那智 「ちょっ!?こいつ、何で私達の方に!?」
磯風 「おぉ……近くで見ると、筋肉とか凄い……」
扶桑 「あ……係りの人と一緒に去っていきますね。」
祥鳳 「ビックリしました……いきなり現れるんですもの。」
提督 「今のは『 ダイナソー・パニック 』 ってイベントで、1日に7~8回、時間はランダムでイベントが発生するんだよ。ついでに、恐竜は3種類居て、そのうちの肉食恐竜は、ターキーレッグを持ったお客さんの近くに割と高確率で寄って来てくれる。」
那智 ・磯風 ・ 初月 「「「あいつが寄って来たのは、この肉のせいか!!」」」
提督 「ちなみに、アイツ等はこのジュラシック・パークにあるディスカバリーレストランにも出現する。レストラン内のモニターが乱れた時が、イベント開始の合図だ。」
祥鳳 「なるほど……提督がこのお肉を好んで食すのは、このイベントをより楽しむためだったのですね。」
提督 「ん~……個人的に美味いから好きなんだけど……まぁいいや。それより、せっかくジュラシックパークに居るんだ。どっちかのアトラクションに乗っていくか?」
扶桑 「どっちか?此処には乗り物が2種類あるのですか?」
提督 「あぁ。1つはさっき言った施設を見学するアトラクション、1つは……さっきから上をあり得ない速度と角度で走行している……アレだ。」
那智 「あれも宙吊りの状態なのだな。」
祥鳳 「……………あれ、もしかしたらスカートの中身……見えたりしませんか?」
提督 「ん?どうだろう……見たことも無いし、そもそもあの速度じゃ……パンツ見てる暇も無いだろ。まぁ、どうしても不安だというなら乗るのを控えておくんだな。」
祥鳳 「そうですね。そうさせていただきます。」
磯風 「こういう時、那智さんや初月のようみたいな服装が良いのだろうな。」
提督 「それじゃあ、施設見学っつうことで……アトラクションの乗り場に行こうか。」
【 ジュラシック・パーク・ザ・ライド 】
扶桑 「それにしても……化石を復元させて、現代に生き返らせるなんて……凄い技術ですね。」
提督 「そうだな……化石を発掘して、骨格標本とか肉付けしたりして、DNAやら何やらを調べて……凄い執念だと思うよ。」
初月 「それでもやっぱり、象やキリンよりも大きな生き物が地上を歩いていたのかと思うと少し怖い……いや、それ以前に実感が湧かないな。」
提督 「そいつ等を今から見に行くんだよ。まぁ、楽しみにしてな。」
― 全員 乗車 —
那智 「ほぅ……水の上を進んでいくのか。」
祥鳳 「普段は立って移動するので、何か少し、変な感じですね。」
磯風 「」ワクワク
初月 「……提督。この乗り物は恐竜を見に行く内容なんだよね?」
提督 「ん?そうだけど。」
扶桑 「では、この安全装置とやらを下ろす意味は……?」
提督 「そりゃ、走行中に興奮して水に落ちないようにするためだよ。」
磯風 「なるほど!……おぉ!動き出した!」
アナウンス 『時間。それは悠久の流れ。その流れを遡り、この青い惑星が時を刻み始めて間もない頃、人類がまだ誕生していない時代へお連れしましょう。巨大な生物が地上をのし歩いていた世界、ようこそ!ジュラシック・パークへ!』
― ゲート 開門 —
提督 「この瞬間は、何度乗ってもテンション上がるなぁ……」
那智 「旦那様!いきなり何か大きな恐竜が見えるのだが!」
ウルトラサウロス
肩甲骨を含む数個の巨大な化石に基づき命名され、史上最大になるであろうと分類されていた竜脚類恐竜。( 現在は無効 )
1979年 アメリカ、コロラド州ドライメサで、恐竜のものと思われる数個の巨大な化石が発見される。特に肩甲骨と思われる化石は当時発見されていたどの恐竜のものより大きく、史上最大の恐竜であろうということで 『 ウルトラサウルス 』( Ultrasaurus ) の愛称で呼ばれた。
1985年 ブリガムヤング大学のジェイムズ・ジャンセンさんがこの化石を『 Ultrasaurus macintoshi 』 として正式に記載する。
以前、韓国の古生物学者・金鳳均さんが韓国で発見した別の竜脚類に、1983年にウルトラサウルスと命名し中国韓国の学会誌に記載したため、命名権先取の原則によりドライメサの竜脚類にウルトラサウルスという名前が使用できなくなる。
1991年 ジョージ・オルシェフスキーは意味が変わらないようにウルトラサウルス のサウルス ( saurus ) を、ラテン語化した綴りである saurus から、もとのギリシャ語の綴りをラテン語でおきかえたサウロス ( sauros )に変更し、正式にウルトラサウロス・マッキントッシ ( Ultrasauros macintoshi ) の名で記載した。
しかし、後の研究で、巨大な骨のうちいくつかはディプロドクス科に属する全く異なる竜脚類であるスーパーサウルスという恐竜のものであることが判り、また、肩甲骨を含む残りの骨については、ブラキオサウルスという恐竜についてのその後の発見や比較研究から、ブラキオサウルス属の既知の種ブラキオサウルス・アルティトラックスのものあることが判った。
そのため現在では無効な名前である。
祥鳳 「こんなに大きいのに、水草を食べて……草食のおとなしい恐竜なのですね。」
扶桑 「本当に大きいですね。顔が全然見えないです。」
初月 「ん?岩の所に、何か小さな恐竜が居る。」
プシッタコサウルス
白亜紀中期アプト期~アルブ期( 1億2000万年前~9700万年前 ) に生息した体長1~2 mの小型で二足歩行の草食恐竜。名前の由来はPsittacus=オウム、sauros=トカゲで、その名の通りオウムのような嘴が特徴。角もフリルも無いが最も原始的な角竜下目に分類される。
生息地域は主にモンゴル、中国、タイ。
丈夫な角竜独特のくちばしを持つことから繊維質の多い種子植物の葉や種子などかなり硬いものも食べられたとされる。
しかしトリケラトプスなど他のちょっと進化した角竜類のようにデンタルバッテリー構造は発達しておらず、そのため食べ物は胃石によってすりつぶして消化していた( と推測 )。
発見地がイチョウの原産地の近くであるため、銀杏をついばむ姿で描かれることが度々あるが証拠があるわけではない。
従来単独で発見されることが多く、他の角竜類と異なり群れを作らないとされていた。
しかし2002年中国遼寧省で成体と34体以上の幼体の化石が巣と思われる構造で一緒に発見された。プシッタコサウルスが子育てを行っていたと考えられる。
また、34体が一頭の個体の子供では多すぎるため、他の個体の子供が混じるくらいまとまって生活していた……もしくは、現生のダチョウやワニのように、他の個体との縄張り争いの際に獲得した別の親の幼体も含まれているものと考えられる。
磯風 「あれも草食恐竜なのか……ふふっ、小さくて可愛いな。」
那智 「アナウンスの説明を聞いた感じ、このジュラシック・パークの植物も太古にあった物なのだな。」
提督 「まぁ、先に植物 ( こっち ) を再生しておかねぇと、恐竜達が当時喰っていたエサが無くて餓死させちまっていたんだろう。現在の植物では口に合わない……そこは恐竜達の好みの問題なんだろうけどな。」
那智 「なるほど……ん?また何か別の恐竜が見えて来たぞ。」
初月 「あの恐竜は知っているぞ!本で見たことがある!」
ステゴサウルス
ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけて、現在の北米と中国に生息していた、体長7メートルほどの剣竜類の植物食恐竜。名前の由来は Stego = 屋根に覆われた、Saurus = トカゲ。
発見された当初は完全な標本がなく、亀の甲羅のように骨質の板で背中が覆われていたと考えられたためである。
背中に骨質の板が、互い違いに立ち並んでいるのが特徴。
使用目的には諸説あるが、表面と内部に多くの血管の跡と思われる痕跡が発見されたことから、アフリカゾウの大きな耳のように、熱を放射し体温を調節するのに役立っていたとする説が有力。
肉食恐竜に対する武器や防具とする説もあったが、薄く強度に劣るため、その役には立たなかったとされている。
最新の研究では、成体となった後にも板が成長していることが判明しており、仲間同士におけるディスプレイだったとする説が提唱されている。
武器としては尾の先にある4本の長大なスパイクが役立ったようで、これによる傷跡と思しき窪みがついた化石も見つかっている。
頭は小さく、脳のサイズはクルミ程度。
提督 「ステゴサウルスは格好良いよなぁ。好きな恐竜の1匹だ。」
祥鳳 「きゃっ!近っ!……あら、ステゴサウルスの口元、さっきの小さな恐竜と同じ……?」
提督 「あぁ。さっきの小さい奴等が進化してトリケラトプスとか、このステゴサウルスみたいな恐竜になったらしいからな。」
磯風 「ふむ……あんな小さな恐竜が、こんな大きな恐竜に進化するとは……」
扶桑 「先程の首の長い恐竜といい……当時は、生き物がとても大きく成長できる環境だったんですね。」
初月 「…………!? 今度は水中から……うわっ、冷たっ!」
ハドロサウルス
中生代白亜紀の北半球に繁栄した恐竜の分類群である。( ハドロサウルスと名付けられた恐竜も、ちゃんと存在する )
鳥盤目 - 鳥脚亜目に属し、分類学においては科の階級が与えられている。
『 カモノハシ恐竜 』 、『 カモハシ竜 』 としても知られ、鴨のように長く平たい口吻部が特徴的な草食恐竜が属する。
生息地域は主に東アジア(特に中国、モンゴル、極東ロシアなど)、北アメリカ(特にカナダ、アラスカ)での発見例が多い。
近年、初期の種がヨーロッパからも発見された。またクリトサウルス ( Kritosaurus ) とされる化石が南アメリカからも発見されている。
元々ユーラシアが起源で進化した後、一部の種がベーリング陸橋を渡り北アメリカに移住したと考えられる。
また、南アメリカの種は南アメリカ大陸がゴンドワナ大陸から分離し島大陸になった後、一次的に北アメリカ大陸とつながった際に移住したものとされ、大陸移動の過程を考える際の重要な資料でもある。
口の奥に無数の小さな歯が並ぶデンタルバッテリー ( 絶滅した植物食恐竜の一部において見られる特殊な歯の構造 ) 構造をもつ。歯は前から順に磨り減ると後ろから次々に生えていき、これで硬い葉を磨り潰すことができる。
以前は手足に水かきを持つと考えられ潜水を行うと考えられていたが、ミイラ化石から水かきではなく肉質のクッションであることが判り、むしろ内陸地に生息していたとみられる。
頭部に中空状のとさかがあり、以前は上記の水かきとの類推から潜水中のシュノーケルではないかと考えられたが現在は否定されている。
用途は臭いをよく嗅ぐためや共鳴させて大きな声を発するためなど、様々な説が出されており有力なものもあるが、決定的ではない。
扶桑 「この登場の仕方は、先程のサメを少し思い出してしまうので、少し遠慮してほしいです。」
提督 「まぁ、コイツはサメと違って草食だから、人に襲い掛かってくるようなことはないけどな。」
サイレン 『ヴー!ヴー!』
磯風 「なっ、何だ!?また何か出て来るのか!?」
アナウンス 『こちら、セントラル・コントロール!ご安心ください。すぐにボートを元のコースに戻します。』
那智 「またトラブルか……こういう管理は、しっかりしておいてほしいものだ。」
祥鳳 「…………あの。正規のルートを通り越してしまったようなのですが……」
初月 「そして目の前に広がる何かの施設……」
磯風 「火花が飛び散るような音や、何か別の恐竜の鳴き声が聞こえる……此処は何かの研究施設か?」
提督 「俺もよく知らんが、おそらく此処で化石を復元させたり、パークに放つ前の恐竜をある程度育成してるんじゃないか?」
磯風 「なるほど。」
初月 「ひっ……!何か、小さな恐竜が銜えている布……あれって、此処の作業員さんの服じゃないのか?」
4人 「「「「Σ ( ゜ ロ ゜;)!? 」」」」
祥鳳 「上のコンテナも、ガタガタ揺れて……中に何か居るんでしょうね……」
通信 『オペレーション・ワン。こちら、本部。ツアーボートはまだコースを外れている。トランスポートステーションでボートを止めるんだ。』
通信 『乗客を救助しろ!』
通信 『こちら、アニマル・コントロール!緊急事態発生!ラプトルが逃げた!』
那智 「ラプトルというのは、おそらく恐竜の種類なのだろうが……しっかり、管理もできないのか!?此処の職員は!」
提督 「まぁ、『 アニマル 』コントロールだからな……『 ダイナソー 』まではコントロールできなかったんだろう。」
磯風 「それより、この現状……あきらかに、先程の水路で見た恐竜達よりも、獰猛そうなヤツ等があっちこっちに居るのだが……」
初月 「さっき、このアトラクションに乗る前に見た恐竜も、此処から脱走したんだろうな……」
提督 「あぁ。さっき肉を喰ってる時に近づいてきたのがラプトル種だ。」
那智 ・ 初月 「「あいつ等か!!」」
提督 「もう1つデイノニクスって恐竜も居るんだが、そいつとの見分けは後頭部から首筋に羽毛?が生えてるかどうかでつけられる。毛の無い方がラプトル種だ。」
扶桑 「きゃあっ!?何か、側面から水を吹きかけられました!」
提督 「おのれ、エリマキトカゲ……」
祥鳳 「…………あの、先程よりも一段と激しくサイレンが鳴り響いているのですが……」
T-Rex 『やぁ!』
ティラノサウルス
約6850万- 約6550万年前の北アメリカ大陸に生息していた、非常に名高い大型獣脚類の肉食恐竜。
恐竜をテーマにした各種の創作作品においては、脅威の象徴、また最強の恐竜として描かれることが多く高い人気を誇っている。また、恐竜時代終焉の象徴として滅びの代名詞にも度々引用される。
名前の由来は古代ギリシア語: τύραννος ( テュランノス )「 暴君 」 + σαῦρος ( サウロス )「 とかげ 」の合成語で、『 暴君の爬虫類 』 といった意味になる。
本属に属する ティラノサウルス レックスの名は一般にも広く通用している。 種小名 rex はラテン語で「 王 」の意味。
骨格標本から推定される成体の体長は約11 - 13m、頭骨長は約1.5m で、その体重は概ね5 - 6t と推測されている。
( 体重に関しては異説も多く最低3tから最大9t まで幅がある )
ティラノサウルスの上下の顎には鋭い歯が多数並んでいるが、他の肉食恐竜と比べると大きい上に分厚く、最大で18cm以上にも達する。
また、餌食となったとみられる恐竜の骨の多くが噛み砕かれていたことから驚異的な咬合力を持っていたと考えられ、その力は少なくとも3 t、最大8 t に達したと推定される。
これらの事からティラノサウルスは獲物に対し、他の肉食恐竜のように噛み付いて切り裂いたり、出血死を狙う方法は用いず、短時間で仕留めていたと考えられている。
体の大きさに比して前肢は異常に小さく、指が2本あるのみで、用途は未だにはっきりとしていない。
ただし、その大きさのわりにはかなり大きな力を出せたことがわかってきている。逆に頭部は非常に大きく、それを前肢の代わりに上手く活かしていたのではないかと考えられている。
また、進化の過程で体の前方が重くなったため、前肢を短く軽くすることでバランスを取ったとする見解もある。
那智 「なっ!?こんなヤツまで居たのか!?」
初月 「逃げて!逃げて、早く!」
提督 「お前等、対ショック姿勢を取っておけよ。」
扶桑 「旦那様……それは、どういう———ッ!?」
— ボート 急降下 —
5人 「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
— 着水 —
アナウンス 『古代への冒険の旅、いかがだったでしょうか?6500万年の時を越えて完成した驚異の世界!それが、ジュラシック・パークです!』
磯風 「古代への冒険の道中で、恐ろしく近代的な場所に入ってしまったがな……」びしょ濡れ
初月 「…………この何事も無かったかのように語ってくるアナウンスに、ちょっとイラッときたのは、僕だけかな?」びしょ濡れ
提督 「まぁ、本来は正規ルートでツアーした後の締めくくり文句だからな……」びしょ濡れ
— ジュラシック・パーク・ザ・ライド 終了 —
那智 「ふぅ……常日頃から、戦場で水に濡れているから、最後の着水そのものには抵抗は無かったのだが……あの急降下はなかなか面白かったぞ。」びしょ濡れ
扶桑 「普段の生活では、まず体験しませんからね。うふふ、たまにこういう形で大声を出すのも良いものですね。」びしょ濡れ
祥鳳 「? 何でしょう? 出口付近に人だかりができてるのですが……提督、あれは?」びしょ濡れ
提督 「ん?あぁ……せっかくだし、1枚買って帰るか。」
アイテム : 決定的瞬間写真
初月 「これは……こんな写真、いつの間に……?」
那智 「あの恐竜……ティラノサウルスだったか?あいつから逃げる瞬間だろうな。」
提督 「ふむ……皆、可も無く不可も無く……妥当な感じかな。強いて言うなら、磯風の黒髪が後部座席に居たバーコードなオッサンの顔を少しだけ隠しちまったくらいか。」
磯風 「ワザとではないからな。大目に見てもらいたい。」
扶桑 「私達は目を閉じたりしてしまっていますが……旦那様は片手を上げるほどの余裕があったのですね。」
祥鳳 「あれ?でも、提督って確か……高所恐怖症じゃなかったですか?」
提督 「前まではそうだったよ。皆と同じように目を閉じて、安全バーにしがみついて……けどな、CQC提督の 『 高い高い 』 と、移動手段を体験しちまった後だとな……あれくらいの高さくらいは、何とも無くなっちまったよ。」死んだ目
那智 ・ 磯風 ・ 扶桑 ・ 祥鳳 「「「「あ……( 察し )」」」」
✝✝✝
提督 「さてと……次は何処へ行く?」
那智 「順当に反時計回りで巡って行けば良いのでは?」
初月 「?……??」
祥鳳 「どうしたの?初月ちゃん。」
初月 「実は……まだ、提督に会う前、テレビ番組で此処の特集がされていた時、チラッと見たアトラクションが面白そうだったんだけど……地図にそれらしきものが載ってないんだ。」
扶桑 「どんな内容だったか、覚えてる?」
初月 「えっと……本当に車に乗り込んで……どんな映像、内容かは知らないけど、座席が激しく揺れて……」
提督 「わかった。おそらく、初月が言ってるのは 『 バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド 』 だな。残念だけど、あれはもう無いぞ。俺もあれ、大好きだったんだけどなぁ……」
初月 「えっ!?そうなのか?何で……何か不具合でもあったのか?」
提督 「いや、そういうわけじゃないんだ。初月……今って何年だか分かるか?」
初月 「え?2018年だけど……」
提督 「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドで行く未来のヒルバレーってのが、2015年なんだよ。」
5人 「「「「「あっ……」」」」」
扶桑 「なるほど。未来が未来ではなくなってしまったのですね。」
提督 「そういうこと。まぁ、2018年になった今でも車は空を飛ばないし、デロリアンみたいなタイムマシンも開発されてねぇんだけどな。あの博士が思い描いた未来の実現はまだ先の様だ。」
磯風 「では、そのアトラクションがあった場所は今、どうなってるのだ?」
提督 「地図に何かよく解らない黄色い化け物が居るだろ。そいつ等に占領された……」
那智 「……何だ、こいつ等は?」
提督 「さぁ?映画を全然見たことないから、知らんが……バナナの付喪神か何かじゃねぇの?まぁ、アトラクションの内容……映像は違うが、動きはバック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドと一緒らしいからな。せっかくだし、行ってみるか。」
初月 「うん!」 癖毛ピコピコ
【 ミニオン・パーク 】
提督 「へぇ……あの黄色い化け物、ミニオンっていうのか……」
那智 「旦那様や初月の言う内容と思われる乗り物の待ち時間が、1時間30なのだが……どうする?」
提督 「え?そんなもんなの?」
磯風 「その言い方だと、司令はもっと長い待ち時間を予想していたのか?」
提督 「あぁ。軽く4時間から6時間は掛かるもんだと……ハリーと同様、エリアが完成して間もなくて、何か異様なまでにこのバナナの付喪神のキャラが人気らしくてな……キモ可愛いって、こういう感覚なのか?」
扶桑 「一二〇〇は少し過ぎていますから、皆さん御昼食というわけではなさそうですし……」
祥鳳 「最初、この乗り物に乗ろうとしていた人が、今から魔法の世界や、他の場所へ向かわれたのか……ちょうど人の波が収まった時間帯だったようですね。」
提督 「何にせよ、それくらいの待ち時間で済むなら儲けモンだな。初月も楽しみにしてるし、並ぶか。」
*****
【 ミニオン ・ ハチャメチャ ・ ライド 待機列 】
祥鳳 「何ていうか、その……随分と悪趣味な部屋ですね。」
提督 「このスキンヘッド、悪っそうな顔してるなぁ……」
初月 「新聞の写真……どう見ても、指名手配犯だよね?」
扶桑 「もしかして、とんでもない所に来てしまったのでは……?」
那智 「今日1日でサメに驚かされ、ドラゴンに襲われ、恐竜を見て来たが……それ以上のことが、まだあるとでもいうのか?」
磯風 「この黄色いキャラクター……ミニオンだったか?1つ目のヤツも存在するのだな……」
提督 「おいおいおいおい、ちょっと待て。何か映像で物騒な物が出てきたぞ。連中、こんなモンまで作れるのか。」
那智 「いや、それも気になるが……一体、何匹居るんだ、コイツ等は!?3匹くらいではないのか!?」
磯風 「1匹見たら、30匹以上居ると思え……か。」
提督 「っていうか、このスキンヘッド……宇宙まで行ったのかよ。目的は知らんが、すげぇ行動力だな。」
扶桑 「そしてそれを実現できるだけの財力や技術を持っているというのも、凄い話ですね。」
祥鳳 「そんな男の人が3人の女の子と……」
提督 「養子縁組ってヤツか……あ~あ~、幸せそうにしちゃって……」
那智 「まぁ、とりあえず……これまでの過程のようなものは大まかではあるが、理解した。」
初月 「問題は、これから僕達が何をされるのか……だよね。」
磯風 「おぉ!この男性、サメを裏拳で沈めたぞ!」
提督 「身体能力も半端ねぇな……」
◇◇◇
グルー 『こほんっ……ミニオン候補生の諸君、ようこそ!俺がグルーや。超悪党、かつ、人類の敵。』
初月 「倒さなきゃ……」
提督 「こらこら。っていうか、このグルーっつったか?こいつの声、まさか……あの落語家師匠か!?何やってんだよ、師匠……」
那智 「それ以前にミニオン候補生というのは……?」
磯風 「私達、あのバナナの付喪神になった覚えはないぞ?」
グルー 『へぇ……あんた等、ミニオンになりたいんやて?じきに訓練が始まるで。でも、言うとく。危険がいっぱいや。至る所にな。』
提督 「いや、そんなこと一言も言った覚えがねぇです、師匠。」
祥鳳 「あの黄色い生き物になるために、訓練が必要なんですね……」
扶桑 「ですが、私達は現役で海軍に属する身です。どのような過酷な訓練も乗り切って見せましょう。」
黒い化け物 『』
全員 「「「「「「Σ ( ゜ ロ ゜;)!?」」」」」」
提督 「何だ、今の黒いモンスターは……?」
那智 「あの黄色い連中の突然変異……なのだろうか?」
アグネス 『カイル?おいで、カイル。』
グルー 『アグネス?やめてくれ。はぁ……パパは悪を演じてるんや。』
磯風 「よし、解った。この男の人は悪い人じゃない。」
マーゴ 『何してるの?』
グルー 『せやから、俺は……!』
アグネス 『世界一可愛いにゃんこはだ~れだ?』
提督「おいおい……どうやって収拾つけるんだよ、これ……」
初月 「少なくとも、あの黒いのは猫ではないだろ……」
グルー 『はぁ……どこまで言うた?……マーゴ!』
マーゴ 『何?汚れてたもん。』
イディス 『恐怖のイヴィル・ジャック!身よ!この赤い鼻!』
アグネス 『カイル、おいで!』
グルー 『やめぇ!頼むから、邪魔せんどいてくれへんか?』
提督 「子育てって大変なんだな……」
那智 「もしかしたら、4児の父親になるかもしれないのだ。初月も寵愛したら5児か?」
初月 「?」
那智 「ふふっ、しっかり頼むぞ?旦那様。」
提督 「うっす。今のうちから覚悟しておくです。」
イディス 『あ~あ、盛り上げようと思ったのに……』
アグネス 『ちぇ~……』
グルー 『わかったから!ちょっと口、塞いどいてくれへんか?えぇな?こほん……俺の娘達や。さぁ、御挨拶し。』
イディス 『やっほ~!皆さん。』
マーゴ 『元気?』
アグネス 『画面からこんにちは!』
グルー 『ほんなら、始めよか。まずは筆記試験からスタートや。』指パッチン!
ミニオン 『』つ 大量の書類
提督 ・ 那智 「「多いわぁ!!」」
提督 「何が悲しくて、執務以外で……しかも、遊びに来てまで、あんな紙の山と睨めっこせにゃならんのだ!?」
扶桑 「旦那様、落ち着いてください。気持ちは解りますが……」
グルー 『試験に掛かる時間は、たったの3時間やで!パークは廻られへんなぁ。はっはぁ!』
初月 「……提督、やっぱりこの人……倒さなきゃ。」
提督 「許可する。」
祥鳳 「まぁ、まぁ……2人共、落ち着いて?ね?」
マーゴ 『ねぇ!筆記試験はしないってば!忘れたの?』
グルー 『あれ?せぇへんのか。そうか、だったら無しや。』
ミニオン 『』
提督 「残念そうな顔、すんな。付喪神。」
グルー 『皆は、ミニオンになりに来たんやな!言うとくけど、いつもこんな簡単なワケやあらへんで。ラボに籠って危ない実験せなあかんし、時にはラボの外に出て恐ろしい敵と戦わなあかん。』
初月 「え?その実験はどう見ても失敗……」
磯風 「薬品の実験も危険そうだが、それ以上に画面を横切った身内の方が危険そうなのだが……」
扶桑 「彼等にとって、先程の黒い生き物が恐ろしい敵なのですね。」
那智 「あっ……おい!周りをよく見ろ!あっ……あぁ……同士討ちが始まったぞ。」
グルー 『おっと、これは例が悪かったなぁ。』
提督 「お前、絶対に確信犯だろ……」
グルー 『任務の一環として、変装して囮捜査もするし、遠い国に行くこともある。最先端の技術を扱うこともあれば、新しい言葉も学ぶ。外国でもコミュニケーションが取れる様にな。』
提督 「へぇ……意外としっかりしてるんだな。ちょっと、感心した。」
祥鳳 「そうですね。新しい言葉に関しては、特に良い心掛けだと思います!」
提督 「だよなぁ……俺もグラーフとなら何とか意思疎通できなくもないが……ロシアやイギリス、イタリアやアメリカの海外艦の言葉はさっぱりだからな。」
那智 「……いや、イギリスとアメリカは英語だろ?少し感覚が違うのかもしれないが……おそらく、ドイツ語より簡単なのではないか?」
グルー 『サバイバルの方法も学ぶ。これの味見係も務める。』
提督 「極寒の地で凍結したアイツで釘が打てそうだ。」
那智 「あれは……ジャムか?この味見係には何の意味が……?」
初月 「あっ……瓶を床に叩きつけて割ったぞ。」
提督 「めちゃくちゃ不味かったんだな……」
磯風 「しかも、自分で割っておいて、周囲を巻き込んで大騒ぎし始めた。」
提督 「何がしたいんだよ、コイツ等は……?」
グルー 『重要な作戦に関わることもある。』
提督 ・ 磯風 ・ 初月 「「「大惨事じゃないか!!」」」
那智 「見事なまでのフレンドリーファイアだったな。」
扶桑 「彼らの中では、同士討ちが流儀なのでしょうか?」
祥鳳 「嫌な流儀ですね。」
グルー 『外国でのお偉いさんに会うたりとか、二度と来るなとも言われることもあるやろうな。』
磯風 「いや、要人に会ってそれを言われた時点で、作戦失敗しているではないか。」
提督 「俺もいきなりこいつ等に襲撃されたら、問答無用で叩き出すわ。」
グルー 『せやけど、えぇこともいっぱいあるで。ビーチでのんびりしたり』
那智 ・ 磯風 ・ 初月 「「「水着を着ろぉ!!」」」
提督 「まさか……此処にもあったのか、ヌーディストビーチが。」
祥鳳 「提督は今ので満足なのですか?おそらく彼(?)等、性別不明の存在ですよ?」
グルー 『恰好えぇ乗り物に乗ったり、コスプレしたり』
扶桑 「……先程の囮捜査と、どう違うのでしょう?」
提督 「言ってやるな……当人達は楽しそうなんだから。」
グルー 『何より1番えぇことは、史上最強の悪党とつるむことや!つまり、俺様のことや。せやろ?』
提督 「さっきの格好いい乗り物より、このグルー……さん?の乗ってるバイクの方が俺は好みだな。」
磯風 「かなり魔改造されているようだな……恐ろしいスピードが出ていそうだ。」
グルー 『ミニオンになる覚悟はできたか?なら、俺の家族に変わりあらへん。さぁ!お遊びはここまでや!仕事場に戻るでぇ。世界一イケてる任務を果たしになぁ。ただし、辛い任務も喜んでやらんとあかん。えぇか?言うとくで、未来のミニオン諸君。俺に従え!万が一逆らえば、恐ろしいで。』
マーゴ 『楽しんで!』
イディス 『めっちゃ、面白いよ。えへへへへ~。』
アグネス 『ほら、笑って?グルーさん。』
グルー 『はぁ…………笑うんの嫌や。』
— 通信終了 —
提督 「…………アトラクションが始まるまでの内容が濃いなぁ。」
磯風 「これを見れただけで、割と満足しているのだが……」
提督 「いや、でも……グルーさん、良いこと言ってたなぁ。あぁいうカリスマ性のある人とつるめるなら、ミニオンになるのも悪くないと思えてきた。さらに欲を言えば、提督として……お前達の上に立つ者として、彼のようなカリスマ性や人望が欲しいとも思う。」
那智 「?何を言っている。旦那様は充分、よくやってくれていると思うが……」
扶桑 「そうですね。旦那様と一緒に先程の映像のようなことができるのなら……私は喜んで彼等のようになりますよ?」
提督 「そう言ってくれるか?ありがとな。さてと、じゃあ先に進むか。」
◇*◇
グルー 『いつもやったら、俺が新人を1人ずつ面接するんやけど、今日はとてつもないデカいことしとんねや。せやから、手短に済ますわ。んんっ……俺はグルー。まず、名前は?どっから来たん?何したもんやなぁ。質問、質問、質問。いやぁ、おおきに。』
磯風 「こんな雑でいい加減な面接は初めて見た……」
提督 「ほら……グルーさんも何かデカいことしようとしてるんだし……忙しいんだよ、きっと。」
グルー 『さてと!』
ミニオン 『』つ謎の棒
グルー 『あ?……あぁ、ちょい待ち。ん~…………えぇなぁ。』
扶桑 「あの棒、紙を筒状に細く丸めた物だったのですね。」
那智 「あれは……何かの設計図か?形状的にロケットのようだが……」
祥鳳 「また宇宙にでも行く気なのでしょうか?」
グルー 『でも、ネファリオ博士にもっとデカい爆弾にしろ言うとけ。』つ設計図返し
全員 「「「「「「爆弾!?Σ ( ゜ ロ ゜;) 」」」」」」
グルー 『……!聞こえてへんやんな?』
提督 「バッチリ聞こえてたわ。」
グルー 『さてと!えぇか?あんた等はこれからミニオンになるんやで。数ヶ月前、ウチの主任科学者ネファリオ博士が開発した装置。この装置は、アンタ等みたいな退屈な人間をミニオンに変えることができるんや。』
磯風 「さっきの老人が例の爆弾を作ったのか……」
提督 「天才と馬鹿は紙一重……いや、まぁ。あの爺さんの領域まで到達できたらマッドサイエンティストか。」
グルー 『開発当初は小さな不具合もあった。……大きな不具合もあった。』
那智 「!?いや、割とガッツリと欠陥品なのではないか!?」
提督 「新種のモンスターを誕生させるという意味では、立派に成功してるんじゃないか?」
祥鳳 「本当に大丈夫なのでしょうか?この装置……」
扶桑 「とても不安になってきましたね……」
グルー 『けど、俺はこいつは好きやったなぁ……こいつもや。あぁ!こいつもや。めっちゃノりのえぇ奴やったし。』
初月 「そういう問題では無いと思うのだが……」
提督 「変えられたこいつも、何おどけて踊ってんだよ。もっと焦れよ!中途半端な合成獣になってるっつうのに。」
グルー 『大丈夫。今まで判った不具合は全て、修正された。ついに!あんた等もミニオンになれるんや。うわぁ、安心!いや、凄いやろ?素晴らしいやろ!?あ~、さて、それでは……ちょい待ち。ん~?……これや。よぉし!訓練を始める前の規則として、まずは身体検査や。人間のウィルスを持ち込まれたら、かなわんからなぁ。』
扶桑 「え?あの、身体検査ということは……此処で服を脱がなくてはいけないのですか……?」/////
提督 「そんなこと毎回やってみろ。大問題になって営業停止になるわ。」
グルー 『心配せんでえぇ。何てことは無いコンスト……』
提督 「うおぉい!?何か赤外線照射の音がデカすぎて、何て言ってんのか解んねえぞ!?」
那智 「とりあえず、この消毒とやらが終わるまで待つか。」
初月 「…………あの。何か警告音が鳴り響いて、画面に 『 WARNING 』 の文字が映し出されているのだが……?」
祥鳳 「何か、私達の身体に不具合でもあったのでしょうか?」
磯風 「まさか……司令の持っている百味ビーンズが引っかかったのでは……?」
扶桑 「あぁ……食べられない程、美味しくない味のお豆が……」
提督 「マジで!?確かに危険物が混ざってるからなぁ……そっかぁ、こいつが引っかかっちまったか……」
グルー 『おっとぉ、トラブル発生や。どうやら、この中に1週間もシャワー浴びてない奴が居るようや。くっさ~!』
提督 「おいおい……リバースしたヤツの味ってのは、そんなに臭うのか?まだ容器の中に入ってる……ハズなのに。」
磯風 「それか……初月が勢いで飲み込んでしまった豆がそれか……」
初月 「!?」
那智 「もう、処分してしまえ!その豆!」
グルー 『名前は伏せたる!でもぉ……そいつ等や!』指差し+スクリーンで晒し者
祥鳳 「!?」
提督 「名前伏せても、こんなことされたら意味ねぇじゃんwww!」
那智 「祥鳳……お前……」
祥鳳 「ちっ……違います!提督、お願いします!信じてください!昨日はちゃんとお風呂に入りました!」涙目
提督 「大丈夫!わかってる、わかってるから!落ち着け、な?祥鳳。」
扶桑 「うふふ、那智さんも人が悪いですよ。出発前夜に私達全員で一緒にお風呂に入ったじゃないですか。」
那智 「ふふっ……こういう場所では、こういうのが礼儀なのだと、今日1日で随分学ばせてもらっているからな。」
グルー 『よかったなぁ、お前等。俺が寛大で、かつ時間が無ぅて。』
祥鳳 「全然、よくありません!あなたなんか大っ嫌いです!」涙目
磯風 「まぁまぁ、祥鳳さん。落ち着いて……」
グルー 『でも、ホテルに戻ったらシャワー浴びなあかんで?まっすぐプールに行ったらあかん。』
祥鳳 「まだ言いますか!」
提督 「グルーさん、火に油を注がねぇでもらえます!?」
初月 「この短時間で祥鳳さんをここまで怒らせるとは……グルーさん……恐ろしい男だ。」
グルー 『他の皆も!もし、今逃げ出そうと考えてんねんやったら……えぇか?攻撃するで。おなら砲で。実はおなら砲持って来てんねや。』
提督 「おい、何かとんでもねぇ武器の名前が聞こえたぞ。」
初月 「下品極まりないな……」
グルー 『さぁ、どうする!?ミニオンか!おならか。』
イディス 『ミニオンか!おなら砲か。』
グルー 『この子等、真似する。』
ミニオン 『』
グルー 『後にせぇ。』
アグネス 『大丈夫だよ。グルーさんは熊みたいだけど優しいの。』
マーゴ 『そう。皆をおなら砲で撃ったりなんかしない。』
グルー 『ほぅ?そうかぁ?』 機械操作+よく聞くサウンド
イディス 『……ねぇ!バナナの匂いする!』
ミニオン 『!』
グルー 『こら、やめぇて!』
アグネス 『あのね、グルーさんに渡したい物があるんだけど……』
グルー 『あぁ……嬉しいなぁ。けど、後でえぇか?予定より遅れとんのや。こいつ等の訓練もせなあかんし。』
マーゴ 『お手伝いしたい!』
グルー 『何?』
イディス 『訓練なら任せてよ!』『ん~……』『ねぇ、いいじゃん?』
グルー 『どうしようかなぁ……いや、やっぱりあかん。』
イディス 『お願い!』
グルー 『あかん!難しいねや。』
イディス 『いいじゃん!グルーさんがやるところ、何百回も見たもん。』
マーゴ 『そうよ!ロケット工学じゃないし、レイソンや理科より簡単。』『わかった。あっち、行っとき。後にせぇ。』
イディス 『そうだよ!めちゃくちゃ簡単だよ!』
グルー 『わかった!……未来のミニオン諸君!訓練は俺の娘達が担当する。』
那智 「折れたか……彼もやはり人の親だったか。」
提督 「っていうか、あのメガネの女の子……まだ子どもなのに、なかなか凄いのを学んでるな。レイソンって……たぶん、古代学のことだろうな?それか荒損田に対する田租の減免のことか……」
扶桑 「おそらく前者ではないでしょうか?後者はあの歳の子には難しすぎるかと……」
磯風 「だが、ロケット工学も学んでいるようだし……あるいは……」
イディス 『あんた等全員、終わったね。』
グルー 『あぁ!今のは気にせんでえぇ。けどな、イディスの言う通りやで。幸運を祈る!』
アグネス 『あっ、グルーさん、待って!』
イディス 『もう行っちゃったよ。』
アグネス 『今日は私達が引き取られた記念日なのに、忘れちゃったのかな?』
マーゴ 『そんなことないってば、アグネス。さぁ!お仕事しなきゃ!』
イディス 『よぉし!始めるよ!』
マーゴ 『それじゃあ、皆。ラボでね。』
イディス 『こりゃ楽しくなりそう。』
扶桑 「そういえば、先程の男性と彼女達には血の繋がりがないのですね。」
提督 「そういう内容のストーリーらしいからな。とりあえず、先に進もう。グルーさんやあの子達の言う過酷な試練ってやつをこなしてしまわねぇと。」
【 ミニオン ・ ハチャメチャ ・ ライド 】
提督 「はぁ……此処まで長かったな。」
那智 「まぁ、待ち時間の間、退屈するということはなかったが……」
初月 「此処までで既にお腹いっぱいな感じなんだけど……これからが本番なんだよね?」
祥鳳 「あっ……始まるみたいですよ。」
マーゴ 『いい?OK?いよいよミニオンになるよ。』
イディス 『やっちゃえ、テディ!』
磯風 「あぁ……今、私達はあの黄色い奴等の仲間入りをしているのだな。」
提督 「…………」
初月 「どうした?提督。」
提督 「いや、これがもし……映像がミニオンになっただけで、機械そのものはバック・トゥ・ザ・フューチャーと同じ動きをするのなら……気を付けろ。いきなり来るぞ。」
マーゴ 『やったぁ!成功!』
アグネス 『すっごく可愛い。』
マーゴ 『それじゃあ、訓練開始!』
アグネス 『楽しんでねぇ!』
— 訓練 開始! —
5人 「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」」
提督 「てめっ……このっ!いきなり射出とか、恨むからな!」
マーゴ 『此処はミニオンの訓練場。』
祥鳳 「あぁ……たくさんのミニオンが同じ目に……」
那智 「まぁ、私達も含め、彼等は自らこうなることを望んだんだろう。」
提督 「しかし、あの黄色いちんちくりんな姿になって、このレールの上を滑走する……何だか、卸売りで出荷されていくバナナの気分だ。」
マーゴ 『テストするのは体力、スピード、それと生き残る能力!』
磯風 「それなら、普段私達がしている訓練と変わらな……ん!?おいっ、側面の奴が何か射出しているぞ!」
那智 「良くも悪くも、普通じゃないということか……」
初月 「扶桑さん、大丈夫か!?」
扶桑 「えぇ。まだ何とか……っ!?皆さん、前方に仙人掌が……!」
提督 「うわっ!2名が犠牲に……ッ!?バウンドするこの動き……くそっ!俺等も犠牲者か。」
那智 「だが、実際に痛みを伴わなければ……!?なっ……今度は蠅叩きだと!?」
アグネス 『気をつけて。ハエ叩きに注意!』
提督 「言われんでも、見れば解るわぁ!」
祥鳳 「きゃぁぁぁぁ!明らかに、私達を潰しにかかってきています!」
初月 「侮っていた……どうやら、僕が想像していたよりも、遥かに過酷な訓練みたいだ。」
イディス 『レーザーに引っ掛かったら、おしまいだよ♪ 』
磯風 「今度は赤外線レーザーだと!?」
那智 「訓練と称して、目に見える殺意が凄いな……」
扶桑 「あぁっ!目の前で御味方が!」
提督 「……あんな毛玉になるだけで済むなら、案外平気そ……うぉっ!?」
初月 「ほらっ!提督がそんなことを言うから、当たってしまっただろ!」
アグネス 『フサフサだよぉ。』
祥鳳 「そのようですね。……あら?STOP?」
初月 「……っ!?側面からグローブが……あぁ!また目の前で仲間が!」
提督「なるほど。側面へブッ飛ばされる順番待ち……じゃない!?」
那智 「なっ!?前からだとぅあわぁぁぁぁぁ!!」
磯風 「まさか、こんな古典的な仕掛けで来るとは……!」
扶桑 「あぁ……落ちてます!落ちて……はうっ!」
マーゴ 『お疲れ様。次は問題解決能力と協調性。』
アグネス 『此処を渡って!』
那智 「ふむ……協調性……って、うわぁぁぁぁ!いっぱい集まって来た!」
提督 「いや、マジで何匹居るんだよ、こいつ等!」
祥鳳 「ですが、皆で協力したおかげで向こうへ行けそうですよ。」
マーゴ 『ミニオンズ!いけっ!』
アグネス 『今までで最高のミニオンズだね!』
イディス 『バナナに釣られるなぁ!』
ミニオン 『!』
提督 「おい!1人でも反応しちまったら……」
ミニオンズ 『『『『『『『『!』』』』』』』』
提督 「全員反応しちまうだろうが!」
磯風 「まぁ、これはこれで協調性があると言えなくもないが……あ、1人飛びついた。」
那智 「おい、待て。今のこの状況は私達の合作だろ?そのパーツの1部でも崩壊したら……」
アグネス 『やめるの!』
[ プツンッ! ]
初月 「バナナを吊るしていた糸の方が先に限界を……!?」
祥鳳 「ですが、結局こうなってしまうのですねぇぇぇぇぇ!!」
マーゴ 『このままいけぇぇぇぇ!』
提督 「蜘蛛の糸が切れて、地獄へ逆落としになるカンダタの気分って、こんな感じなんだろうな。」
扶桑 「あぁぁぁぁ……あら?何か広い場所が見えて……」
那智 「見るからに危険な場所……あぁっ!何かを壊してしまった。」
グルー 『おう、あんた等。張り切って訓練……って、何してるんや!?』
提督 「助けてくれ!師匠!」
初月 「また何かを突き破って来てしまったが……目の前にある、アレって……これに乗る前に設計図で見た爆弾では?」
提督 ・ 4人 「「「「「Σ ( ゜ ロ ゜;)!?」」」」」
マーゴ 『ミニオンズ、此処から出ないと!』
ミニオン 『オッオゥ。』爆弾投下
提督 「あの野郎!爆弾、落としやがった!!」
那智 「とりあえず、さっきバナナに飛びついた奴と、今爆弾を投下した奴は絶対に許さない。」
扶桑 「とにかく、すぐに此処から避難しなくては……きゃあぁぁっ!」
アグネス 『ミニオンと大事なプレゼントが!』
祥鳳 「あぁっ!今の爆風と衝撃でアグネスちゃんのプレゼントが……!」
初月 「プレゼントも心配だけど、僕達の身も心配しないと……!」
磯風 「目の前にはたくさんの巨大な歯車……此処は何かを潰す場所なのか?」
提督 「それか、この建物の要所……人間でいう心臓のような場所か……」
那智 「仮に旦那様の言うような場所だったらマズいな……先程の爆発の影響で、周囲でも爆発が巻き起こっている!」
アグネス 『もう少し……』
初月 「っ!?アグネス、危ない!」
マーゴ 『きゃあっ!』
イディス 『きゃあっ!』
アグネス 『きゃあっ!』
祥鳳 「あんな、カッターのような物まであるんですかっ!?」
提督 「こりゃ、予想以上に危険な場所みてぇだ……もう、訓練どころじゃないぞ!」
那智 「だが、あの少女は無事にプレゼントを……っ!?」
扶桑 「今度は蒸気が!」
磯風 「くっ!負の連鎖というやつか……まだ終わりそうにないようだな。」
マーゴ 『キャッチ!』
アグネス 『イエーイ!』
提督 「おぉ!ナイスキャッチだ!……ん?」
祥鳳 「はうっ!?今の跳ねるような動き……こちらは着地失敗……みたいですね。」
初月 「あぁぁぁぁ……僕達が着地失敗したせいで、ミサイルが……!」
提督 「はっはっは。大惨事だな。」
磯風 「言ってる場合では……あぁ!味方が垂直に上方へ射出された!」
グルー 『大丈夫!受け止めたるっ!あぁぁぁぁぁぁ…………』
提督 「ししょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
祥鳳 「何しに来たんですか!?あの人は!!」
那智 「助けようとしてくれたのだろう。ミサイルに足を取られたが。おっ……子ども達が乗っている乗り物が浮上してきたな。」
扶桑 「グルーさんも満身創痍のようですが、無事で良かったです。」
アグネス 『今、プレゼント渡してもいい?』
グルー 『アグネス!今はそんな時やない。ひぐぅぅぅう……』
提督 「アグネス!空気読め!」
初月 「うわっ!グルーさんが盛大に吹っ飛ばされた!……あれは生きているのだろうか?」
磯風 「彼はサメを裏拳で倒す人物だ!あの程度では死なない……と、信じてる!」
グルー 『俺は無事や!おぅっ……うぅぅぅぅう!!』正面衝突
祥鳳 「グルーさん!とても無事には見えないのですが!?」
那智 「だが、アレで死んでいないんだ!彼は放っておいて大丈夫だろう!」
提督 「何というピタゴラス装置……」
初月 「……っ!側面から先程射出されたと思われる味方がミサイルと一緒に飛んで来るぞ!生存は確認できたが……」
扶桑 「あの子もとんだ災難ですね……今日は厄日なのでしょうか?」
提督 「今の俺達は赤外線レーザーを受けても毛玉になる程度で済む身体だ!あのミサイルが暴発したとしても、彼はきっと大丈夫だろう!」
磯風「味方も心配だが、施設そのものも大変な状態だ!あっちこっちで爆発が起こって……うわっ!」衝突!
那智 「マズい!乗り物から子ども達が放り出されたぞ!!」
マーゴ 『うわぁぁ!うっ、うぅ……』
イディス 『うぅ……』
アグネス 『う……うぅ……』
提督 「床は固そうだが、無事に着地できたよう……ん!?」
マーゴ 『大丈夫よ!』
イディス 『だけど、宙に浮いてる!』
マーゴ 『半重力リサイクルルームだ!あ……あぁ……きゃあ!』
イディス 『きゃあ!』
アグニス 『きゃあ!』
マーゴ 『しっかり捉まって!』
提督 「半重力……リサイクル!?マズい!さっき、磯風が言ってた何かを潰す場所ってのは、おそらく此処だ!」
5人 「「「「「!?」」」」」
那智 「確かに、左右から何かを潰すような動作をする金属が……うわっ!」
アグネス 『やだっ!』
マーゴ 『アグネス!』
祥鳳 「大変です!プレゼントとアグネスちゃんが!」
提督 「いろんな角度から、物騒な機械による猛攻があるってのに……!」
磯風 「アグネス!危ない!!」
初月 「何だ、あの機械は!?剥き出しの殺意が高すぎる!!」
アグネス 『んっ、んっ、んっ……やった!』
那智 「油断するな!両側から来るぞ!」
アグネス 『あ……あぁ……どうしよう……』
グルー 『来たでぇ!』
アグネス 『グルーさん!』
提督 「おぉっ!師匠、良いタイミングで来てくれた!」
祥鳳 「これで安心……できません!グルーさんが持って来た鋼材が嫌な音を立ててます!」
初月 「マーゴとイディスも何とかしようとしているが、子どもの力では……っ!」
磯風 「っ!?グルーさんが強引に機械を止めた!やはり、彼もできる男だったか!」
扶桑 「それは良いのですが、その衝撃で殆どの機械が停止してしまったようですね。」
那智 「ということは……」
マーゴ ・ イディス 『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
グルー 『マーゴ!イディス!手に捉まれ!』
提督 「師匠!俺達も助けてください!」
磯風 「今の私達の姿は黄色い彼等だからな……彼等よりもやはり、愛娘優先は当然だろう。」
祥鳳 「でも、このままじゃ……きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
グルー 『ミニオンズ!』
那智 「……っ!……?お……おぉ!そうか!私達にはまだ味方が大量に居たんだったな!」
扶桑 「うふふ。頼もしく心強い御味方の皆さんに感謝しなくてはいけませんね。」
グルー 『お前達!』
マーゴ ・ イディス ・ アグネス 『『『グルーさん!』』』
初月 「グルーさん達も無事のようだし、本当に良かった……」
グルー 『これは?』
アグネス 『手作りのプレゼント。潰れちゃったし、焦げたけど……』
グルー 『いやぁ、最高のプレゼントや。俺も3人に手作りしたモンがあんねや。記念日のお祝いやでぇぇぇ!』
イディス 『うわぁ!凄い!!』
アグネス 『覚えてたんだ!』
グルー 『人生で1番大事な日を忘れるワケないやろ!』
マーゴ 『ありがとう!グルーさん。」
提督 「いや、マジでスゲェ!やるなぁ!ハゲだけど格好良いぜ、師匠!」
那智 「あぁ!これは確かに粋な計らいだ!」
磯風 「確かに素晴らしいな……って、前!」
初月 「おい!グルーさん!設計上での不具合が早速見つかったぞ!」
祥鳳 「花火も綺麗で……っ!?ミサイルに騎乗した御味方が現在も尚飛行中!?」
提督 「あいつ……この短時間で、完全に乗りこなしやがった……うわっ!?」
扶桑 「御味方との衝突が多いですね。まぁ、これだけ大勢居れば仕方ありませんか。」
グルー 『偉いでぇ、ミニオンズ!よぅやった!いよいよ新しい人生が始まんでぇ!!』
提督 「グルーさんの下で働けるなら、こいつ等の同胞としてやっていくのも悪く……ん?」
那智 「あっ……ミサイルの同胞が……」
祥鳳 「この機械って確か……」
グルー 『おい!?誰や!?』
提督 ・ 那智 「「ミサイルの同胞がやりました。」」
初月 「良いのか?そんな名付け方で……」
磯風 「それ以外に表現の仕様がない姿を、彼は私達に示してくれたからな……」
扶桑 「結局、乗りこなせていなかったのですね、彼……」
グルー 『あ~あ、人間に戻ってしもうた。次のグループを連れて来い!』
— ミニオン ・ ハチャメチャ ・ ライド 終了 —
提督 「いやぁ!人気なのが凄く解るぜ!めちゃくちゃ楽しかったな!」
初月 「うん!今度、いつかまた此処に来た時は、たとえ6時間待ちだろうと、絶対に乗りたいな!」癖毛ピコピコ!
祥鳳 「私も……途中、アグネスちゃんを助けた辺りから、グルーさんをとても素敵な人だと思えるようになってました。また彼等と楽しみたいです!」
扶桑 「うふふ、そうですね。できれば、あのミサイルの御味方さんは、今度私達が来るまでの間に乗りこなしておいていただけることを願いたいです。」
磯風 「あぁ。今度こそ、彼等の同胞として、ちゃんと迎え入れてもらわねば!」
那智 「…………!旦那様、ちょっといいか?」
提督 「ん?どうした、那智。」
那智 「次のアトラクションへ向かう前に、少し売店を覗いてみても良いだろうか?今回の件で、彼等に少し興味が湧いたのでな。」
提督 「そうだな。もしかしたら、此処にグルーさん達が出てる映画のDVDが置いてあったりするかも……よし!許可する。けど、まだ遊ぶから、何かを買うにしても、移動の邪魔にならない程度にな。帰る前に改めてちゃんと時間を取るから、本格的なお土産を買うのはその時にするように。」
5人 「「「「「了解!」」」」」
◇◇◇
数分後
那智 「さてと……後程の買い物の時間を考慮するなら、乗れるアトラクションはあと1つくらいか?」
提督 「いや、夜のパレードも見て帰る……閉館まで居るつもりだから、まだ時間はある。ただ、全員で回るのは次までにして、後は各々自由に……って、考えてた。皆それぞれ行きたい場所があるだろうしな。あぁ、パレードの場所取りは俺に任せろ。」
初月 「え?でも……」
提督 「俺のことは気にすんな。此処にはもう何度か来てるし……お前達が楽しむのが1番の優先事項だからな。あぁ、でも。アトラクションに乗る時以外は通信機を繋ぐようにしておいてくれ。パレードが始まる前の場所確認ができないと困るからな。」
初月 「あっ、うん。わかった。」
磯風 「それで?次は?次は何に乗るんだ?」
扶桑 「えっと、順番ですと次は…………」
✝✝✝
【 アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D 】
提督 「よっしゃあ!やっと来たぁぁぁ!!」
那智 「旦那様が今日1番の盛り上がりを……そんなに楽しみにしていたのか?」
提督 「おう!このテーマパークにある作品の中で唯一、映画を全シリーズ見て、DVDも持ってる……俺が1番大好きなヒーローだからな!」キラキラ!
磯風 「そうだったのか?言ってくれれば、1番最初に此処へ来たのに……」
提督 「いや、さっきも言ったけど、此処に初めて来たお前達に楽しんでもらうことが最優先事項だからな。俺の都合なんていくらでも後回しにするさ。それより、ほら!早く中に行こうぜ!!」
~ 待機列 ~
扶桑 「あの……それで、提督。この乗り物はどのような内容なのですか?」
提督 「ん?そうだな……まず、最初に……皆、自由の女神って銅像は知ってるな?」
初月 「むしろ知らない人の方が少ないだろ……」
提督 「それもそうだな。まぁ……とりあえず、俺達は今 『 デイリー・ビューグル 』 っていう、新聞会社に社会科見学に来ているという設定だ。」
祥鳳 「あ……写真が幾つかある部屋があったので、何となくそうではないかと思っていました。」
提督 「そんな中、5人のヴィラン……悪役達、グループ名 『 シニスター・シンジゲート 』 が武器を使って、自由の女神を盗むという事件に遭遇する。」
磯風 「さすが、アメリカ……犯罪のスケールも大きいな。」
提督 「そこで俺達は社長のジョナ・ジェイムソンさんに頼まれ、さっきからアニメでちょいちょい映ってる車、スクープに乗って臨時カメラマンとして、犯罪現場へ行くって内容だ。」
那智 「なるほど……それで、映画を観た旦那様は、敵のことも当然知っているのだな?」
提督 「全員が映画に出てきたわけじゃないけどな。リーダーと……最初にちょっかい仕掛けてくる奴は、シリーズでも有名な敵キャラだな。あっ……皆。通路左側にあるメガネは絶対に取れよ。それが無いと、映像がぼやけてしか見えないからな。」
5人 「「「「「わかった( 了解しました )。」」」」」
— アトラクション 乗車 —
那智 「いよいよだな……」
初月 「おしゃべりに夢中で、アニメをちゃんと見てなかった……どんな敵が来るか、ちょっと楽しみだ。」
祥鳳 「まぁ、深海棲艦より禍々しい敵は出てこないでしょう。」
提督 「とりあえず、座高的な意味で磯風と初月は前に。残りは係員さんの指示に従って乗り込め!」
磯風 「わかった。ありがとう、司令。」
提督 「……さてと。それじゃあ、騒動の現場へ赴くとしましょうか。」
通信 『スタンバイお願いします。犯罪タイムス記者達が乗り込みました。コンポートシステムを確認します。アクション機能を確認します。』
扶桑 「随分と最新鋭の車の様ですね。」
提督 「まぁ、危険な場所へ赴かないといけないからな。それなりの準備や装備は必要なんだろう。」
通信 『ラジャー!搭乗確認。』
ジェイムソン 『おい!ジョナ・ジェイムソンだ。聞こえるか?いいかぁ、チームスクープ。次々と犯罪のニュースが舞い込んできて俺も不安になってきた。』
那智 「事件の早期解決が求められているな……」
初風 「ん?あれは……?」
ジェイムソン 『今の見たか!?スパイダー・シグナルだ!スパイダーマンが近くに居るってことは、何か事件が起こるってことだ!』
祥鳳 「そうなのですか?」
提督 「あぁ……まぁ、この社長さんはスパイダーマンが敵キャラと協力して、何かしてる……って思ってる人だからな……」
ジェイムソン 『事件だ!つまりは大売り出しだ!とくダネだ!』
初月 「!怪しい奴、倒さなきゃ……」
提督 「馬鹿、やめろ!」
スパイダーマン 『なぜ此処に来たんだ!?オクトパス博士が暴れてる。何が起こるかわからないんだぞ!まぁ、とにかく……気をつけてくれ。良いサングラスだね。』
提督 「ありがとうな、スパイダーマン。あんたも頑張ってくれ。」
磯風 「今の彼が司令が好きなヒーローか……」
提督 「親愛なる隣人、スパイダーマン。覚えてやってくれ。」
ジェイムソン 『今のはスパイダーマンだ!あのふざけた……コスプレ野郎め!』
提督 「……俺はいつか、この社長とじっくり話し合う必要がありそうだ。」
扶桑 「まぁまぁ……それより、車が加速して……あら?」
ホブ・ゴブリン 『オクトパス博士。全ては計画通りです!』
オクトパス博士 『素晴らしい……!この半重力砲があればスパイダーマンでも私を止められない!』
ホブ・ゴブリン 『私” 達 ”!』
オクトパス博士 『あぁ~、そうだったな。』
那智 「アレが敵か……」
祥鳳 「……っ!もしかして、目の前のコレ……自由の女神の松明の部分では?」
磯風 「おかしい……4人しか見えなかった。司令の話では5人居るそうなのだが……」
ジェイムソン 『おーい!どうしたんだぁ!?」
エレクトロ 『何だぁ!?』
扶桑 「敵に気付かれました!」
初月 「社長!空気読め!」
提督 「仕方ねえよ……向こうからこっちの様子なんて見えてねぇんだから。」
エレクトロ 『侵入者共!無事に帰れると思ったら、ひゃーはっはっ!大間違いだ!!あーはっはっはっはっは!!』
5人 「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
祥鳳 「うぅ……恐ろしい、捨て身の特攻ですね!」
初月 「さすが……戦闘力53万は伊達ではないな……っ!」
磯風 「くっ!早くアンパンが顔のヒーローを呼んで来なくては……っ!」
提督 「2人共、よく知ってたな……っ!次、来るぞ!」
スクリーム 『』
那智 「何だ、こいつは!?」
提督 「とりあえず……全身ピッチリタイツの女性って、エロいよな。」
那智 「言ってる場合か!!」
オクトパス博士 『どけ!私がやる!』
扶桑 「狙われてます!」
磯風 「私達は避けたが、自由の女神の頭部が!!」
那智 「なるほど……銅像をバラバラにして持って来たのか……」
ホブ・ゴブリン 『ハズれた!もう1度撃って!』
初月 「第2射、来るぞ!」
提督 「おぉぉぉぉぉ!緊急回避ぃぃぃ!!」
那智 「くっ……敵の攻撃から逃れるためとはいえ、運転が荒いぞ!」
祥鳳 「…………あら?開けた所に出ましたね。水……下水道でしょうか?」
扶桑 「あっ、すぱいだーまんさん。」
スパイダーマン 『此処に居ちゃ、危険だ!早くビューグルに戻って!』
ハイドロマン 『うおぉぉぉぉ……』
5人 「「「「「!?」」」」」
初月 「スパイダーマン!後ろ!」
扶桑 「水が……人の形に!?」
スパイダーマン 『まずい!』
提督 「お前も逃げろ、スパイディ!そいつに物理攻撃は無意味だ!」
スパイダーマン 『よけろぉぉぉ!!』
5人 「「「「「きゃああっ!!」」」」」
初月 「あんな敵、どうやって……ん?」
祥鳳 「前方の壁から何か……」
オクトパス博士 『もうお帰りか?これからもっと熱くなるのに!わっはっははっはっは!!』
磯風 ・ 初月 「「熱い、熱い、熱い、熱い!!」」
那智 「武器から察するに、彼が先程のアニメにも映っていたリーダーなのだろうが……あんな服装だったか?」
提督 「よく気付いたな。できた当初は博士もアニメのコスチュームだったんだけど、リニューアルしてからは映画2作品目の衣装になったんだ。俺はこっちの方が格好良くて好きだな。」
扶桑 「そして、よく見えませんでしたが、機械の誤作動でしょうか?無事に博士の攻撃から逃れられましたね。」
提督 「俺、あの4本のアーム、マジで欲しいんだよなぁ……妖精さんに頼んだら、作ってもらえるかな?」
那智 「誤作動を起こした後の対処が面倒だから、実行に移さないで……ん?気を付けろ!何か来る!!」
ホブ・ゴブリン 『マヌケ共~♪ 覚悟しろ~♪ お前等、全員オクトパス~♪だーはっはっは! 』
提督 「オクトパスはさっきの博士だ。」
祥鳳 「提督。彼が手に持っている物は……?」
提督 「あれは、カボチャ爆弾だ。」
祥鳳 「爆弾!?」
初月 「さっきのミニオンといい、アメリカはそんなのばっかりか!?」
スパイダーマン 『危ないっ!』
磯風 「スパイダーマン!やはり来てくれたか!」
那智 「爆弾を受け止めても切れない……なかなかの強度だな。」
ホブ・ゴブリン 『スパイダーマン!』
スパイダーマン 『やめろ!』
ホブ・ゴブリン 『うぎゃあぁぁぁぁ!!』
壁 『アバーッ!』中破!
初月 「うわっ!びっくりした。」
祥鳳 「あっ!スパイダーマンさんが戻って来られました!」
ジェイムソン 『スクープが!俺の大事なスクープがぁ!』
那智 「あぁ、今踏み台にされたな。」
提督 「ふっ……ざまぁ。」
スパイダーマン 『危なかったな。』
磯風 「……!まだ終わってない!後ろ!」
スパイダーマン 『うおっと!……あんたの射撃はその髪型と同じくらい酷いな!』
提督 「よく言ったぁ!!」
オクトパス博士 『いやぁ、そのマヌケ面共には、これで充分だ!達者でな。はーっはっはっは!!』
扶桑 「さすがにこの至近距離からの射撃は避けきれません……か……?」
那智 「マズい!私達、車ごと浮いてる……!」
スパイダーマン 『おい、待ってくれ!君らは保険に入ってないんだろ?』
提督 「俺、スパイダーマンのあぁいうちょっとした軽口、大好き。」
初月 「そんなこと言ってる場合じゃ……割と深刻な高さだぞ。」
スパイダーマン 『落ちるなよ、今助けてやる!』
那智 「おぉ!蜘蛛の糸が。このまま安全に……っ!?」
扶桑 「あれは……!先程爆弾を投げてきた方ですね!」
祥鳳 「きゃあああっ!引っ張られますぅぅぅ!!」
磯風 「……っ!それだけじゃない!ビルの上の塔の所に、さっきの女性が……っ!あれは……どうなってるんだ?」
提督 「スクリームは髪の毛を自在に操るキャラだ。おそらく、髪の毛で巻き付いているんだろう。」
ホブ・ゴブリン 『ひゃーははははは!ひゃーはははh……危ねぇ!あぁぁぁぁぁぁ……』
初月 「やった!爆弾魔を倒した!』
提督 「ホブ・ゴブリンが落ちる横で、スパイダーマンがスクリームを倒してたし……残るは……」
祥鳳 「敵のリーダーと……」
エレクトロ 『これ以上お前等に邪魔されてたまるかぁ!!』
ハイドロマン 『飛び込んでもらう。』
磯風 「来たっ!電気と水を操る敵達!」
スパイダーマン 『そうはさせないぞ!』
エレクトロ 『ひゃーはっはっはっは!』
ハイドロマン 『うぐおぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』爆発四散!
那智 「上手い!敵の攻撃を誘導して同士討ちさせるとは!」
扶桑 「まさに一瞬の攻防……すぱいだーまんさん、お見事です!」
祥鳳 「爆発の勢いで、電気を操る御方も吹き飛んでいましたし……っ!?あの博士が銃口をこちらに向けて……!」
オクトパス博士 『じゃあ、着陸だぁ!どぉあぁぁぁぁぁ!?』
スパイダーマン 『やめろぉ!!』
5人 「「「「「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
那智 「…………っ!あれは!」
蜘蛛の巣 『間に合いましたな。』
初月 「助かった……?」
扶桑 「みたいですね。この下に、蜘蛛の巣があるみたいです。」
スパイダーマン 『これで一件落着。君等はよくやった。』
磯風 「!?博士のアームが1本……!」
祥鳳 「あ……うふふ。御見通しでしたか。お隣の方、災難ですね。」
スパイダーマン 『でも、これっきりにしとけよ。はい、チーズ!じゃあ、また!』
— アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D 終了 —
提督 「どうだった?」
那智 「あぁ、面白くって……彼は格好良かったな!ふふっ、旦那様が好きになった理由が何となく解った気がする。」
磯風 「司令はDVDを持っているのだったな?」
提督 「あぁ。1 ~ 3 、アメイジングの方も全部持ってるぞ。次の非番の時にでも観るか?」
磯風 「是非!」
扶桑 「……あら?此処でも写真が売られているのですね。」
祥鳳 「1番最後……では、ないですね。明らかに、走行途中の写真です。」
提督 「ふむ……これ、いつ撮られたと思う?」
初月 「あの、カボチャ爆弾で壁が吹き飛んだ瞬間……とか?」
提督 「いや、もう少し前……エレクトロが電気コードで襲い掛かって来ただろ?あの時だよ。」
那智 「あぁ!あの時か。」
提督 「せっかくだし、これも記念に1枚買って帰るか。」
*****
提督 「さてと……それじゃあ、スパイダーマンに乗る前にも言ったけど、俺はこのままパレードの場所取りをしておくから……皆は好きなだけ楽しんで来い。他にもアトラクションはあるし、ウォーター・ワールドの演劇もまだ見れるんじゃないかな?」
磯風 「では、私達はそれを見に行ってくるとしよう!行くぞ、初月。」
初月 「うん!」癖毛ピコピコ!
祥鳳 「では、念のため引率として私も同行します。行きましょう、2人共。」
提督 「ウォーター・ワールドの中に入って、可能であれば中央のできるだけ最前列に座れよ。そこが特等席だからな。」
磯風 「承知した!」
提督 「……ん?那智と扶桑は行かなくていいのか?」
那智 「あぁ。私は存分に楽しんだからな。これから少し園内を廻って、土産の購入に専念しようと思う。」
扶桑 「私は乗り物で少し疲れてしまったので……旦那様と一緒に場所取りをさせていただきます。」
那智 「では、扶桑。旦那様のことは頼んだぞ。」
扶桑 「はい。御任せください。」
~ 数分後 ~
パレード観覧場所取り中
提督 「ん~…………」
扶桑 「どうされました?旦那様。」
提督 「いや……那智達だけで行動させるのは、やっぱり間違いだったかなって……皆、美人だからアホな奴等が言い寄って来ないか、心配で……」
扶桑 「それは大丈夫だと思いますよ。皆さん、旦那様のことが大好きですし……言い寄られてきても、那智さんと磯風ちゃんなら軽く対処できるでしょう。」
提督 「だと良いんだが……ふぁ…………」
扶桑 「旦那様もお疲れですね。」
提督 「電車の中で満足に眠れなかったからな……」
扶桑 「帰りのこともありますし……あっ、旦那様。」
提督 「ん?」
レジャーシートの上で正座から少しだけ足を崩した扶桑が、小さくチョイチョイと手招きをする。
扶桑 「どうぞ。私の膝で宜しければ使ってください。」
提督 「え?……悪いな。じゃあ、少しだけ……御言葉に甘えても良いかな?」
扶桑 「はい。」
提督 「お……おぉぉ……すげぇ柔らかい。」
扶桑 「うふふ。御疲れ様です、旦那様。皆さんからの通信が入るまでですが、ゆっくり休まれてください。」ナデナデ
~ 更に数十分後 ~
提督 「……ん?やべっ!ガッツリ寝てしまってた!」
扶桑 「おはようございます。」ニコッ
那智 「お目覚めの様だな、旦那様。」
提督 「あれ……?那智……通信無しで合流できたのか?」
那智 「あぁ。道なりに歩いている途中で、扶桑の艦橋が見えたのでな。」
提督 「そっか……それで?満足のいくお土産は買えたか?」
那智 「あぁ。他の皆への土産は司令官が買ってくれるのなら、私個人としては姉妹と、曙の……第七駆逐隊の子達の分だけだからな。」
提督 「なるほど。送られた写真を見た感じ、楽しそうにしてるみたいで安心した。」
扶桑 「では、旦那様。今度は私が……山城と西村艦隊の皆さんの分のお土産を買ってきますね。」
提督 「おう。行ってらっしゃい。」
那智 「そういえば、旦那様。ウォーター・ワールドとやらに行った3人から連絡はあったのか?」
提督 「いや……けどまぁ、ショーが終わったら連絡が来るだろ。まだ時間もあるし、急ぐこともないだろ。」
那智 「それもそうだな。」
~ 追加で数十分後 ~
扶桑 「只今帰投しました~。」
提督 「おう。お帰り、扶桑。」
那智 「その様子だと、良い買い物ができたみたいだな。」
扶桑 「はい。艦隊の皆さんには菓子折りという選択になってしまいましたが……山城にはちゃんと形の残る物を購入しました。」
提督 「そっか。まぁ、菓子折りの選択肢は無難だよな。こういう場所のお菓子のケースは、食べ終わった後も空き缶として、充分使えるし。」
祥鳳 「あっ!皆さん、此処に居たんですね。」びしょ濡れ
那智 「おっ、祥鳳。戻って……どうしたんだ!?そんなに濡れて……」
磯風 「応援合戦に負けて、乗り物が走行した後に生じた波が服の前を濡らし……まぁ、でも面白かった。」びしょ濡れ
提督 「そっか。まぁ、お前等が楽しかったのなら、それで良いんだけどな。」
初月 「あ……お土産。僕も姉さん達に買って帰らなきゃ。」びしょ濡れ
提督 「うん。それは後でな。まずはタオルで必要最低限を拭いて……もうすぐ始まるパレードが終わったらな?」つタオル
初月 「ん……解った。」
提督 「それじゃあ、パレードの最後尾が通過したら買い物して帰るか。また個人行動にするから、買い物が終わったヤツから入り口の地球儀前に集まる様に。」
5人 「「「「「了解!」」」」」
磯風 「姉妹達へのお土産…………陽炎姉さんと不知火姉さん、黒潮姉さんの分だけでいいか。」
提督 「諦めんなよ。お金が足りないなら出してやるから……姉妹全員分買ってやれよ。」
那智 「姉妹艦が多い所は大変だな……」
初月 「睦月型や白露型の娘達も悲鳴を上げそうだ。」
◇◇◇
パレード終了 ・ 閉園時間
提督 「皆……今日は満足したか?」
磯風 「あぁ!楽しかった!」キラキラ!
初月 「提督!また今度、連れて来てくれ!」キラキラ! + 癖毛ピコピコ!
提督 「あぁ。また機会があったらな。レディ3人はどうだった?」
那智 「概ね私も2人と同じ意見だ。今日は楽しかったぞ。」ニコッ
祥鳳 「はい!次に来た時は、今日乗れなかったものにも挑戦したいですね。」ニコッ
扶桑 「旦那様。本日は私達をこちらへ連れて来てくださり、ありがとうございました。とても楽しかったです。」ニコッ
提督 「まぁ、確かに此処まで連れて来たのは俺だけど、最初に 『 行きたい 』 って言ったのは祥鳳だからな。礼は祥鳳に言うといい。」
祥鳳 「そんな!私は……でも、皆が満足した形で旅行が終われて、私も嬉しいです。」ニコッ
提督 「さてと……それじゃあ、今から舞鶴鎮守府に帰る。あちらさんに停めてある俺の車に詰め込むまで、荷物は自己管理で……電車の中に忘れて帰ったりしないようにな。」
5人 「「「「「はいっ!」」」」」
*****
慰安旅行から5日後。
旅行が終わった当日に土産を渡したリア友の所と、まだ連絡をしていないCQC提督の所以外……海軍本部の元帥と、パラオ泊地の後輩提督から
お礼の書状が届いた。
提督 「ふぅ……俺も無難に菓子折りにして正解だったな。」
那智 「ん?旦那様。パラオからの手紙……これ、高雄の字ではないか?」
提督 「え?…………言われてみればそうだな。あいつ、手紙も自分で書かないとは……先輩として、ちょっと電話で注意してやる!」
— 呼び出し中 —
高雄 『はい。こちらパラオ泊地……』
提督 「高雄か?元気そうで何よりだ。」
高雄 『あっ!提督。先日は慰安旅行のお土産、ありがとうございました。皆で美味しく頂きました。』
提督 「そっか、そりゃ良かった。それで、そのお礼の書状……これ、高雄が書いたのか?」
高雄 『はい。こちらの提督は今、動けない状態でして……』
提督 「何か遭ったのか?」
高雄 『実は……提督がお菓子と一緒に送ってくださった豆を、提督は文月ちゃんと雪風ちゃんと食べてらしたのですが……1つ食べた文月ちゃんは小破!2つ食べた提督が目を回して倒れたので、現在私が提督代行を務めさせていただいておす。』
提督 「そ……そうか。大変だろうけど、頑張れよ?」
高雄 『はい♪ それでは失礼しますね。それにしても……雪風ちゃんは美味しいと言っていたのに、何が原因————————……』
— 通話終了 —
提督 「……………………やらかしたぁ!」フコォォォ……
那智 「まぁ、これに懲りたら、あまり変な物は買わないことだな。」
とりあえず、俺は後日改めて、口直しにと……そこそこ良いお菓子を買って、パラオ泊地へと郵送しておいた。
『すまん!』 の謝罪一文を沿えて。
と……いうわけで、USJの個人的に好きなアトラクションを詰め込ませていただきました。
自分で調べてみたのですが、アトラクションの音声録音はシネマ4-Dやシアタータイプのアトラクション
また、ドラゴンクエストなどのウォークスルーアトラクションでは禁止されていますが、ライドアトラクションでは禁止されていないそうです。
簡単に言えば、スパイダーマンやハリー・ポッターは大丈夫!でも、エヴァやセーラームーン、進撃の巨人やウォーター・ワールドは駄目という感じです。
ジョーズはシアターになるのか……?俺の中ではジョーズとジュラシック・パークはライドなのですが……
USJでは録音が禁止されているアトラクションについては、アナウンスで必ず録音が禁止である事柄を案内されます。
なお、撮影、録画、スマートフォンなどの操作などは安全のため使用禁止になっています。ココは当然だと思ってます。
内容に関しましては、俺も某動画投稿サイトにUPされている物を( 禁止されているものをどうやって撮影したのか? )
台詞を聞き取るついでに見て、極力忠実に表現しようとしたのですが
ミニオンやハリー・ポッターはどう説明すれば良いのか解らん物が出てきたり、ジュラシック・パークは施設に入った後が暗すぎるので、ティラノサウルスが出てくるまでの間、何がどこに居るのか判らなかったりと
表現しきれている気がしないので……その辺りは、皆様が各々USJへ遊びに行かれた時に、見て来てください。
提督や艦娘達のようにジョーズで乗組員さんと一緒になって楽しんだり、ハリー・ポッター達やミニオンのグルーさん達、スパイダーマンの発言に対して返答できるようになれば
あなたは立派なUSJエンジョイ勢だそうです。
さてと!ここまで長々とお付き合いいただき誠にありがとうございます。
来週から……無双をプレイしたりして、投稿期間が更にまちまちになるでしょうが、投稿はまだまだ続けるつもりでいます。
気長にゆるゆると、お待ちしていただければなぁ……と、思っております。
まぁ、次の話で出したい娘は決めているので、ストーリーさえ考えられれば……ですね。
それでは、ここまでお付き合いしてくださり、ありがとうございました!また次話で御会いしましょうです。
慰安旅行
温泉(混浴)
某、ネズミの国
千葉県浦安市にある。
しかし
問題『東京ディズニーランド・ディズニーシー』は何処にあるか?
あまりにも難解である為、国立千葉大学の二次試験でしか出題されない。
ちなみに、この問題を間違えると国立千葉大学は他が満点でも不合格となる。
あと忠告
『千葉県浦安市』と記載すると問答無用で0点である。
ユニバーサル・スタジオ
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どうもです。
お久しぶりでございます。
U○Jですか...。
修学旅行以来行ってないので
懐かしいですねぇ。
どちらかと言えばマウス王国よりも
U○J派ですが、これ以上言うと
夢の国へお持ち帰りされるので閉口...。
まぁ実際は、富士急とか行った後では、
テーマパークのジェットコースターが
可愛く見えて、
ガキの時にビビってたのが
面白く見えてきますがね...。
とりあえず...扶桑さんの膝枕、
羨ましいです...。羨まし過ぎます......!
自分も少し制作から離れてまして、
ナマコブシよりも鈍足な速度ですが、
再開することにしました。
次回作も心待ちにしております。
失礼しました。
某、ネズミの国
二回行ったが、楽しかった。
USJは行った事がない。
>>1~3 SS好きの名無しさん
コメントありがとうございます!
混浴は、前回施設増築の際に作りましたので……
千葉大学、おっそろしいなwww 他のテストで良い点取っても、ここを間違えるとアウトとは……
黄鼬狐さん
お久しぶりです!コメントありがとうございます!
何かで読んだのですが、ネズミーのランドは子ども向け、シーが大人向け、USJが割と幅広い層向けだとか。
俺は高所恐怖症なので、ハリウッド何とか……とか、最近できた翼竜に連れ去られる、あんなのは死んでもごめんですね。
作中に書いた急流すべりが精いっぱい……
扶桑さんの膝枕は至高……! 黄鼬狐さんも今作が扶桑さんパートナーの様ですし、ワンチャンいけますって!
ありがとうございます!とりあえず、無双で 関羽 ・ 上杉謙信 ・ アテナ様が自キャラとして使えるようになるまでは粘りたい……
頃合いを見て、ひっそりとポケモンの方にも投下するかもです……
ぶっし……( ・* ・ )
>>7 SS好きの名無しさん
コメントありがとうございます!
逆に俺はネズミーのほうは全然ですね。
幼少期に1度ランドに、小……中?学生の頃にシーに1度行ったっきりです。
(その頃はシーにまだ、ストーム・ライダーがありました。あれ、おもしろかったなぁ……)
USJにはまだ、来られたことがないとのことで……ネタばれな内容を投下してしまい、申し訳ないです。
ただ、いつか遊びに来られた時、この拙い作がガイド的な何かになれば幸いかと……
まぁ、楽しみ方は人それぞれですよね!『もしも』『いずれ』が叶った際は
是非、楽しまれてください。
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ディズニーランド周辺は・・・JR京葉線舞浜駅まで戻らないとコンビニが無いんだぜ・・・入園以外の目的で行くと、とても不便なのぜ・・・
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>>14 ㈱提督製造所さん
コメントありがとうございます!俺は夜行バスで家族と行った口なので
電車やその周辺のことは、サッパリなのです。
しかし、何とまぁ……有名なテーマパークの最寄り駅付近に、そういった施設が無いのは確かに不便ですね。
ユニバーサルシティ駅は確か、改札を出たところに……何だったかはちょっと忘れましたが
確か1件、コンビニがあったはずです。
駅を利用される方への気配りは、改善していただきたいトコロですねぇ。