2020-08-13 01:46:19 更新

概要

パラオ泊地で提督業を続けていたある日、本部から元帥が来て一言を告げる。

『 君にある鎮守府への異動を頼みたい 』……と


前書き

どうも、めっちゃくちゃ御無沙汰してます!柔時雨です。

艦これで大型建造をして消費した資材・資源を時間で回復している間に、ポケモンをしたり……PS4を購入した嬉しさの勢いに任せてデジモンしたり、三国無双8をどっぷりやってました。

ん?熱い鉄板……やめて!焼き土下座だけはご勘弁を!

ともあれ、艦これの方でも今まで会えなかった艦娘と出会うこともでき、久しぶりに……えぇ、本当に久しぶりに戻って作ってみました。

相変わらず拙い構成ですが、私の作品を読んでくださる皆様に 『 クスっと笑ってもらえる作品 』を信条に、またゆっくりと頑張らせていただきます。

生暖かい眼差しで、またよろしくお願い致します。


パラオ泊地鎮守府 ・ 応接室


元帥 「すまんな、急に押しかけて……」


提督 「別に構いませんよ。それより……何か遭ったんですか?普段は電話や資料で要件を伝えてくるのに……」


元帥 「うむ……実はのぅ……君に、ある鎮守府への異動をお願いしたいのじゃ。」


提督 「…………俺、何かミスしましたか?ちょっと心当たりがねぇんですけど……あぁ、こういう態度か。」


元帥 「違う!すまん!言い方が悪かった。異動というより転勤じゃな。実は今……提督も艦娘も居らん鎮守府が数ヶ所あるのじゃ。」


提督 「提督も艦娘も居ない鎮守府……?何が遭ったんですか?」


元帥 「まず1つ……ある提督からの報告なのじゃがな、深海棲艦と内通して鎮守府や遠征中の艦娘達を襲撃した提督が居るそうなんじゃ。」


提督 「穏やかじゃねぇなぁ……ってか、それは憲兵さんに伝えるべき案件なのでは?」


元帥 「もちろん憲兵にも報告してある。したうえで、君達提督にも伝えておるのじゃよ。」


提督 「ならいいんですけど……しかし、内通ねぇ。送られた資料によると、どっかの鎮守府では空母ヲ級とかいう個体と共存したり、北方棲鬼とかいう個体と交流したりしてるんだろ?それとはまた違うのか?」


元帥 「それらは人類と深海棲艦の和睦、共存のための実験……という、大まかな事情はあるのだが、それについては君はどう考える?」


提督 「別に……言語が通じて、意思疎通ができるのであれば、いいんじゃねぇですか?それで終戦への兆しがほんの一握りでも掴めりゃ、儲けモンでしょう。」


元帥 「そうじゃな。儂も概ね君と同じ意見じゃよ。……すまん、話が脱線してしまったな。問題になっているのは、今話したものとはまったく別に……純粋な悪意で深海棲艦と組んだ者が現れたのだ。」


提督 「純粋な悪意……ねぇ。そいつがおかしくなった原因ってのは解ってんのか?」


元帥 「まだ確保できておらんので、詳しいことは解らんが……何でも、『 俺がこんなに苦しんでいるんだ。 お前達も同じ苦しみを味わえ。 』……のようなことを言っていたらしい。」


提督 「あぁ……何となく事情が分かった。大方、そいつ……ケッコンカッコカリとか呼ばれるシステムで絆を結んだ艦娘を轟沈させちまったんじゃねぇか?それで、本部に呼ばれた時に他の提督と秘書艦が仲良くしているのを見て……」


元帥 「要するに逆恨み……と?」


提督 「俺の勝手な推測だから何とも言えねえけどな。けど……人間なんて、何がスイッチでおかしなことするか……解ったもんじゃねぇですよ?」


元帥 「ふむ……確かにな。まぁ、動機のことは置いておくとして、実際……もう既に数ヶ所、襲撃を受けてしまっておるのじゃ。」


提督 「それで……そこに居た提督や艦娘の安否は?」


元帥 「殉職した者は今のところ1人も居らんが、殆どが病院へ……後、提督を守ろうとした艦娘達も大破……轟沈した娘が出たとの報告を受けておる。」


提督 「そうか……」


元帥 「襲撃を受けた鎮守府は、人間と妖精さんの力を借りて建物そのものは襲撃を受ける前の姿へと戻すことができたのだが……艦娘達の方はメンタルケアをしているものの、解体希望者が相次いでな。要望に応えて、普通の女の子に戻ってもらっておるのじゃよ。」


提督 「まぁ……嫌な光景を見た相手に対して、引き続き軍務に励めっていう方が酷だろ。妥当な判断と対応だと思いますよ。」


元帥 「そうであればよいのだがな……それともう1つ、実は陸軍の者が艦娘を所持している姿を目撃した……という報があった。」


提督 「陸軍が?あんまり詳しくはねえんだけど、それって 『 あきつ丸 』 か 『 まるゆ 』 とかいう艦娘じゃないのか?」


元帥 「いや、それがな……駆逐艦 ・ 夕立 と 軽巡 ・ 球磨 の姿が目撃されたと……」


提督 「マジかよ……でも、艦娘の艤装ってのは海でしか正常に使えないんじゃなかったっけ?今の姿は女の子でも、ベースとなってんのは、かつての戦艦 ・ 軍艦の魂だろ?それを陸でって……最悪、川か湖くらいでしか使えないんじゃ?」


元帥 「儂もそう思っておったんじゃが……奴等、下水道を使って海軍の鎮守府へ襲撃を仕掛けようとしたそうだ。未遂で終わったがな。」


提督 「ならよかった。でも……陸軍と海軍の仲の悪さよりも、下水道を利用する行動力よりも……その陸軍の連中がどうやって艦娘を入手したのかの方が気になるな。」


元帥 「まぁ、そちらの方は儂等が責任を持って調査、対処、報告させてもらうよ。それで先程の話なのだが……件の無人の鎮守府へ異動してもらえんかな?」


提督 「事情は解った。けど、そうは言われても……この鎮守府はどうするんだよ?那智達、此処の艦娘はどうなる?俺1人がそこへ行くのは簡単だけど、行けばいいって話じゃねえだろ?無理に俺が此処を離れなくても、今度海軍学校を卒業してくる奴等を配属させればいいのでは?」


元帥 「儂もそう思うが……修繕されたとはいえ、直に襲撃を受けるような場所に、いきなり新人を配属させるというのも……な。」


提督 「危険なのはどこも一緒だと思うんだが…………そうだな。2つ、条件を呑んでくれるのなら異動の件、承諾してもいい。」


元帥 「何じゃ?言ってみなさい。」


提督 「1つ、秘書艦として誰か1人同伴させることを許可してもらいたいこと。本当は全員で……が理想だったんだが、そんなことは許可されないと自分でも理解しているんでね。」


元帥 「すまんな……じゃが、秘書官の件は承知した。それで?もう1つは?」


提督 「残りの皆を一時的にあんたとリアル友人提督の元に置いてやってほしい。それで、今度海軍学校を卒業……するであろう、後輩を此処に配属させて、その時希望があれば……彼女達の希望を聞いて、此処へ戻してやってもらいたい。頼む!できるだけ彼女達を信頼できる人達の傍に置いてやりたいんだ。」


元帥 「そんな……頭を上げなさい。無理を言っているのは儂の方なのじゃ。安心せい、もちろんその条件も承諾しよう!彼にも彼女にも儂から伝えておこう。」


提督 「ありがとうございます。それを許可していただけて安心しました。わかりました……異動の件、承諾します。」


元帥 「いやいや、こちらこそ……大変な思いをさせることになって……」


提督 「あぁ~……まぁ、皆に伝えなきゃならねえですけど、たぶん……もう全員に伝わってるでしょうし、あとは話し合いで何とかしますよ。」



◇◇◇◇◇



鎮守府 ・ 座学室


提督 「おそらく青葉のおかげで全員に伝わってるだろうけど……異動することになった。」


天龍 「大変だな、提督も。けどよぉ、悪いことして憲兵さん達のお世話になるとかじゃなくて、ちゃんと目的あるんだろ?だったらいいじゃねぇか。」


涼風 「それにさぁ、向こうでも提督続けられるんだろ?だったら、また演習とかで会えるだろうし、あんまり寂しいとは思わないよ。」


千歳 「ですね。此処も壊されるのではなくて、後々提督の後輩さんが着任した時に再起動するそうですし……艦隊は一時的に解散という形になってしまいますが、希望が通ればまた戻って来られるようですしね。」


曙 「むしろその条件が無ければ、今、此処で殆どの人が暴動を起こしていたでしょうね。クソ提督にしてはまぁまぁの気配りなんじゃない?」


提督 「そう言ってもらえると少し気が楽になるな……それじゃあ、皆は艦隊一時解散の件は承諾してくれるんだな?」


青葉 「大丈夫です!此処に居る12人全員が納得してくれましたよ!こんなことを言ってしまうのは不謹慎かもしれませんが、司令官が変わったところで私達がすることに変わりはありませんからねぇ。」


提督 「そりゃそうだ。それじゃあ、残りの秘書艦の件だけど…………」


高雄 「大丈夫です、提督。そちらの件に関しても既に私達の間で話はついています。」


山城 「むしろ決めるまでも無かったわよね。此処に居る全員が首を縦に振ったもの……ねぇ、那智。」


那智 「えっ?あっ……あぁ……」


提督 「そうか!那智が来てくれるのか。」


168 「むしろ司令官が那智以外の誰かを指名したら、私達古参からお説教だったわよ。」


浜風 「私や秋月、グラーフさんはこちらに来てからまだ日は浅かったですけど、提督と那智さんのことはいろいろ聞かされていましたので。」


秋月 「那智さんが一緒なら、私達も安心できます。」


グラーフ 「ナッチーも 『 Admiralを1人にすると何をしでかすか解らんから心配だ 』 と言っていたので、丁度良かったのではないか?」


那智 「…………そんなこと……言った覚えはないが……」


提督 「とにかく、今後もいろいろサポートしてくれると助かる。これからもよろしく頼むぜ、那智。」


那智 「う……うむ、承知した。」


青葉 「はいはーい!それじゃあ、最後に全員で記念撮影でもしましょうか。」



◇◇◇◇◇



後日……


パラオ泊地の皆を見送った後、数時間を費やして移動し、元々は名のある鎮守府だった場所へやってきた。


施設そのものは完全に修繕されているのだが、鎮守府の名を示す表札的な物が無くなっているので、此処が元々何という場所だったのかが解らない。



提督 「此処が新天地!新しい鎮守府ですよ。襲撃された鎮守府で、此処が最初に修繕完了したらしい。」


那智 「ふむ……それで、私は何をすればいい?鎮守府正面海域の警邏でもすれば良いのか?」


提督 「そうだな……那智の練度なら問題無くやってくれると信じてるけど、慢心はいけねぇと思うんだ。いくら旗艦が沈まないからっていわれてもな……世の中突然何が起こるか解んねぇんだ。此処も含めて此度の鎮守府襲撃なんて良い例さ。」


那智 「確かに……すまない、少し軽率だった。それで?また建造で仲間を増やすとして……何か考えはあるのだろうな?初対面のあの頃からかなりの日数が経過しているんだ。少しは成長していてほしいところなのだが?」


提督 「バッカ野郎、おめぇ!ちゃんと考えてるに決まってんだろ!」


那智 「…………資材全部投入とかいうふざけた考えだった場合、たとえ相手が司令官であっても私は容赦なく殴るぞ?」


提督 「違う!違うって!……向こうで実際に艦隊の指揮を執っていたとき、痛感したんだよ。『 やっぱり制空権って大事だなぁ 』って……千歳や山城、グラーフの役割の重要性ってやつをな。」


那智 「確かに、彼女達が放つ艦載機のおかげで有利な状況に持ち込めた海域も幾つかあったからな……では、空母を建造するのか?」


提督 「あぁ。空母と……資材に余裕があるようなら、以前から試したかった大型建造ってヤツを……まずは最低値で試してみたいと思う。」


那智 「……まぁ、今は戦力増強を優先すべきだからな。大型建造に関しては目を瞑っていてやろう。」



鎮守府 ・ 工廠


提督 「さてと……工廠に来てはみたものの……妖精さんは居るのかな?」


妖精さん 「およびです?」


那智 「お前は……パラオ泊地に居たりしなかったか?」


妖精さん 「はて、なんのことやら?」


提督 「まぁいいや。居てくれて助かった……早速なんだが、妖精さん。建造をお願いできるかな?報酬は甘い物で。」


妖精さん 「よっしゃ!まかせろなのです。それで?しざいはいくつつかうです?」


提督 「1つは燃料 300、弾薬 300、鋼材 600、ボーキサイト 600。 それともう1つは燃料 1500、弾薬 1500、鋼材 2000、ボーキサイト 1000 で頼む。」


妖精さん 「おまかせあれ~!」



建造時間 : 02:40:00


建造時間 : 01:00:00



提督 「……俺が建造する軽巡って、1時間しか出てなくない?」


那智 「そうは言われても、あっちに居た軽巡は天龍だけだったろ?」


提督 「……( 思い出し中 )……そういえばそうだったな。重巡と空母、駆逐艦が多かったような気が…………」


那智 「それでどうする?1時間、此処で待機するか?」


提督 「ん~……それじゃあ、俺は此処に残ってるから、那智は設備の……そうだな、執務室と食堂……あとは入居ドッグの場所を確認してきてくれるか?今後、お世話になること必須の場所だからな。」


那智 「承知した。では、また後程に。」



~ 1時間後 ~



那智 「司令官、ただいま戻ったぞ。」


提督 「おう、ご苦労さん。飯の時にでもまた詳しく場所を教えてくれ。」


那智 「わかった。それで……こちらも無事に終わったようだな。」


提督 「空母の方はまだ1時間40分待たなきゃいけねぇけどな。それじゃあ、妖精さん。」


妖精さん 「はいはぁ~い!ごたいめ~ん!」


「軽巡 矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張っていきましょう!」


提督 「おう!こちらこそ。……とはいえ、俺はまだまだ若輩者だからな。此処に居る那智と共に俺を支えてくれると助かる。」


那智 「重巡洋艦那智型……じゃない、妙高型2番艦の那智だ。よろしく頼む。」


矢矧 「えぇ。一緒に頑張りましょう!ところで……他の艦娘は?もう1人建造しているみたいではあるけれど……」


提督 「あ~……すまん。ちょっと訳ありでな。此処には俺と那智……あとはそこの妖精さんと矢矧の4人……今、建造している子を含めて5人しか居ねえんだ。」


那智 「その辺りの話はそちらの艦娘の建造が終わった後、改めて説明させてもらう。とりあえず今は、少数しか居ないということだけ理解してもらいたい。」


矢矧 「解ったわ。それじゃあ……残りの時間、何して過ごす?那智と演習でもすればいいのかしら?」


提督 「う~ん……すまんな。建造で資材を多めに消費しちまって、今そんなに余裕が無いんだ。とりあえず……お茶でもしばくか?」


那智 「普通の提督ではありえない言動なのかもしれんが、こいつの場合はこれが通常だ。矢矧も深く考えずに早く慣れた方が良いぞ。」


矢矧 「え……えぇ、そうね。できるだけ頑張ってみるわ。」



~ 1時間 40分後 ~



提督 「おっ!建造が終わったみたいだな。」


矢矧 「確か空母を建造していたのよね?どんな人が来るのかしら……」


「軽空母、祥鳳です。はい、ちょっと小柄ですけど、ぜひ提督の機動部隊に加えてくださいね!」


提督 「……小柄?」


那智 「おい、司令官……どこを見ている?」


矢矧 「提督のスケベ。」


提督 「コホン……いや、すまんかった。けど、気にすることはないぞ、祥鳳。俺の見立てでは、おそらく那智の方が胸が小sゴフゥッ!」


那智 「すまんな。手が滑った。」


祥鳳 「えっ!?あの……良いのですか?提督の顔の中心がその……めり込んでしまっているのですが……」


提督 「前が見えねぇ。 ( ; ゚*゚) 」


矢矧 「今のは提督が悪いわよ。ごめんなさい、着任早々騒がしくって。あっ……私は軽巡の矢矧、よろしく。」


祥鳳 「あっ、はい。よろしくお願いします。」


提督 「それじゃあ、建造も無事に終わったことだし……さっき矢矧に説明してなかったことを話そうか。 ( ゚*゚) 」


矢矧 「え?ちょっと、その状況のまま話を進めるつもりなの!?」


提督 「慣れてるからな。( ゚*゚) とりあえず…………」



~ 提督事情説明中 ~



提督 「…………ってなわけで、此処に来る前に、実は既に提督業をやってました。」


祥鳳 「なるほど……私達が着任する以前にそのようなことが……」


矢矧 「艦隊が殆ど機能していないこの状況で、那智だけ練度が異様に高いのはそういう理由だったのね。」


那智 「異様にって……まだ改二にすらなっていないのだが……」


提督 「まぁ、件の連中は海軍の上層部やら、俺より実力のある提督が何とかしてくれるらしいからな……ウチはウチでできること、ウチでしかできないことをやりながら平和のために貢献していこうと思う。異議があるなら言ってくれて構わないぞ。」


那智 「私は貴様の考えを重々承知しているので今更言うことなど無いが……2人はどうだ?」


矢矧 「そうね……話を聞いた感じだと無理を強いるような提督では無さそうで安心したわ。えぇ、私も異議無しよ。」


祥鳳 「私もです。あなたは信頼に足る提督だと思いました。改めて、宜しくお願いします。」


提督 「よし!それじゃあ……明日、那智を旗艦に3人で鎮守府正面海域の警邏を頼む。今日はとりあえず自由行動で。」


3人 「「「了解!」」」



†††††



翌日


鎮守府 ・ 執務室


提督 「……………ふむ。」


矢矧 「何を読んでいるの?提督。」


提督 「ん?あぁ、皆無事に戻ったか。」


那智 「あぁ。祥鳳の索敵に加え、矢矧も頑張ってくれたのでな。特に苦戦することなく……司令官が懸念していた、此処を襲撃した深海棲艦の大群の陰、その他残党の姿は無かったぞ。」


提督 「そうか。もう次の目的地へ移動したか……1番良いのは、無事に他の艦隊の手で沈められていることなんだけどな。」


祥鳳 「そうですね……それで、提督。矢矧さんも気にされていたのですが、何を読んでいるのですか?」


提督 「前の鎮守府から持って来た、各地の鎮守府で行われた大型建造の結果の報告書……という大層な名目ではあるが、まぁ……見てみろ。」



提督A 『 大型建造のやりすぎで大量に資材を消費した結果、艦娘達が口を利いてくれなくなりました。どうすればよろしいでしょうか? 』


提督B 『 大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来い大鳳来いたいほ……あきつ丸ー! il||li ○| ̄|_ 』


提督C 『 D( どうせ )M( みんな )M( 陸奥になる ) (^ p ^) 』



矢矧 「これは……そこはかとなく、建造の闇が垣間見えるのだけれど……」


祥鳳 「報告書の字体からも、提督さん達の鬱憤が相当溜まっていることが容易に想像できますね……」


那智 「1度の消費量が多いからな……積み重なると当然こういうことも起きるわけか。」


提督 「個人的に提督Cの処が心配なんだよなぁ……戦艦の陸奥さんがダブってるみたいでその……第三砲塔的な意味でな。」


那智 「まぁ、人のふり見て我がふり直せというわけではないが、彼等の報告書を見て司令官も少しは自重してくれれば良いのだがな。」


提督 「善処はしてみる。」


矢矧 「そういう人に限って善処しないのよね……」


祥鳳 「もしかして提督……既に大型建造を?」


提督 「してない!今日はまだ何もしてない!……前の鎮守府で着任して早々やらかした前科があるからな……」


矢矧 「何をやらかしたの?」


那智 「私が出撃中に資材を殆ど費やして建造していてな……私が出撃から戻ってきたら資材が枯渇状態で、しばらく補給も入渠もできなかった。」


祥鳳 「それは……提督が悪いですよ。後のこともちゃんと考えて実行しないと……」


提督 「だから反省してるって!けど、戦力を増強したい気持ちはあるんだよなぁ……まぁ、とりあえず改めて出撃ご苦労様。各自補給や入渠をして次に備えておいてくれ。」



◇◇◇◇◇



3日後


鎮守府 ・ 執務室


提督 「先生……建造が……したいです……。」


矢矧 「先生って誰よ?」


那智 「貴様のそれはもはや中毒の域だな……」


祥鳳 「しかし、戦力の増強は必須事項でもあります。節度を守ってであればよろしいのでは?」


提督 「だよな?よしっ!祥鳳から許可をもらったことだし、ちょっくら工廠に行ってくるわ!」


那智 「え?あっ……司令官?こらっ!待て!」



鎮守府 ・ 工廠


妖精さん 「いらっしゃ~……なんで、ていとくさん……なわでグルグルにまかれてるです?」


提督 「いや、まぁ……気にしないでくれ。新しい世界に目覚めたりなんてしてねぇから。それより、また建造を頼みたいんだけど。」


妖精さん 「けんぞうですか?りょうかいです!それでこんかいのしざいは?」


提督 「そうだな……1つは燃料 400、弾薬 100、鋼材 600、ボーキサイト 30。もう1つは燃料 4000、弾薬 6000、鋼材 6000、ボーキサイト 2000で頼む。」


那智 「…………ん?おい、ちょっと待て!2つ目の消費量は大型建造のものでは!?」


妖精さん 「かしこまりっ!(。`・ω・)ゝ” 」



建造時間 : 04:20:00


建造時間 : 05:00:00



那智 「どちらもかなり時間が掛かるな……司令官、1度執務室に戻らないか?」


提督 「そうだな……妖精さん、4時間の方の建造が終わったら執務室に呼びに来てくれないか?」


妖精さん 「まかせろなのです!」



~ 数時間後 ~



提督 「ふぅ……書類仕事終わっちまったぜ……」


那智 「これで後は建造の完了を待つばかりか。」


矢矧 「お疲れ様。お茶でも飲む?」


提督 「ん?あぁ~……じゃあ、水筒に入れてくれ。後で工廠で頂くから。」


矢矧 「わかったわ。」


祥鳳 「そういえば建造をされていたのでしたね。随分と時間が掛かっているようですが……」


提督 「まぁ、4時間とか5時間とか表示されたからなぁ……終わったら妖精さんが呼びに…………」


妖精さん 「みなさーん!けんぞう、ぶじにおわりましたですよー!」


提督 「噂をすればだな……よしっ!工廠に行くか。祥鳳、酒保で何かお菓子買って来てくれ。金は後で払う。」


祥鳳 「え?あっ、はい!わかりました。」


◇◇◇◇◇


鎮守府 ・ 工廠


提督 「それじゃあ、先に4時間の方の子と御対面と行きますか。いろいろ話しているうちに5時間の方も終わるだろう。それじゃあ、妖精さん……お願いします。」


妖精さん 「オーキードーキー!」


「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城ともども、よろしくお願いいたします。」


提督 「そうか、あなたが……話は山城からよく聞いていたよ。」


扶桑 「まぁ、山城が……『 聞いていた 』 というのはどういう……?」


提督 「扶桑が何を思っているのか、大体察するけど……違うからな?その辺の話はもう1人の建造が終わった時、ちゃんと説明するから。」


祥鳳 「提督。お茶菓子を買ってきました~。」


矢矧 「そちらが新しく着任した人?」


提督 「あぁ。超弩級戦艦の扶桑だ。」


那智 「扶桑?そうか、山城の…………」


提督 「まぁ、さっき本人にも言ったんだけど、その話は後でするとして……もう1人の建造が終わるまで、小休憩にしようぜ。ほら、扶桑もこっちに来い。」


扶桑 「え?あっ……はい、失礼します。」



~ 数十分後 ~



妖精さん 「もぐもぐ……ふぁっ!ふぇいふぉふ、ふぇんふぉうふぁふぉふぁっふぁふぃふぁいふぁふぉふぇふ。」


提督 「ごめん、妖精さん。何言ってんのか解んねえよ……お菓子飲み込んでから話してくれ。」


那智 「おそらく建造が終わったと伝えたかったのではないか?扶桑が着任して……もうそろそろだろ?」


提督 「あぁ、そうか。それじゃあ妖精さん、頼む。」


妖精さん 「(。`・ω・)ゝ”」


「私が、戦艦長門だ。よろしく頼むぞ。敵戦艦との殴り合いなら任せておけ。」


提督 「お……おぉぉ!よく来てくれた!こちらこそ、よろしく頼む!そちらに居る我が艦隊メンバーと共に、俺を支えてほしい。」


矢矧 「超弩級戦艦に世界のビッグ7が相次いで着任って……もしかして、提督ってかなりの強運の持ち主?」


那智 「いや……司令官の場合、投入資材はレシピなどを参考にしているが、その後建造される艦娘は特に誰かを狙ってたりするわけじゃないからな。ある意味、無欲の勝利というものなのかもしれない。」


提督 「さてと、扶桑と約束していたからな……長門もいきなりで悪いんだが、ちょっと俺の話を聞いてくれないか?」


長門 「? 承知した。」



~ 提督 事情説明中 ~



長門 「なるほど……そのようなことがあったのだな。」


扶桑 「提督、山城がお世話に……また、配慮していただき、ありがとうございます。」


提督 「また機会があれば会いに行こうと思ってるから、その時は同伴してくれるといいよ。」


扶桑 「はい。その時は是非。」


那智 「これでこの鎮守府の艦娘は全員で5名。充分艦隊としては機能するが……可能であるなら後1人、ちゃんと迎え入れたいな。」


祥鳳 「そうですね。この鎮守府が賑やかになることは良いことですが……その……できれば、建造以外の方法で御招きしたいですね。」


提督 「うん、わかってる……しばらくは建造を控えるつもりだ。けどまぁ今は……4人の着任を祝して何か食べに行くか。矢矧と祥鳳の着任祝いもまだだったしな。もちろん、俺の奢りだ!」


長門 「良いのか?何か悪い気もするのだが……」


那智 「気にすることは無い。前に居た鎮守府でも、新しい艦娘が着任する度にしていたことだ。下戸な司令官の頑張りを無下にしないのも私達の務めだろ?」


長門 「……ふっ、そうだな。ではお言葉と御厚意に甘えるとするか。」



*****



翌日


鎮守府 ・ 執務室


矢矧 「…………そういえば、提督。前に居た鎮守府に青葉が居たのよね?」


提督 「ん?あぁ、居たけど……あいつに何か用か?」


矢矧 「青葉本人に……というより、彼女が作った新聞に興味があるの。提督の口頭だけでなく、あなた達がどんな活動をしていたのかを詳しく知りたくて。」


提督 「なるほど。確か青葉は友人の方に行ってたな……わかった。後で連絡を取って、可能であれば送ってもらうよう頼んでみるよ。」


矢矧 「えぇ。お願いするわね。」


祥鳳 「………! 提督、出撃中の那智さんから通信です。繋ぎますね。」


提督 「ん。ありがと。…………もしもし、那智?どうした?確か今日は扶桑と長門と一緒に南西諸島沖まで行ってるんだよな?」


那智 『あぁ。流石は戦艦といったところだな。2人共、初陣とは思えない程活躍してくれたよ。ただ、報告が2点ある。』


提督 「何だ?」


那智 『まず1点、敵の攻撃が扶桑に集中してしまってな……扶桑が中破してしまった。長門も私も無傷なのだが……それはもう身代わり地蔵のように……』


提督 「そっ……そうか、了解した。場所が変わってもウチの中破撤退の方針を変えるつもりは無い。無事に全員で戻って来てくれ。」


那智 『承知した。それともう1点。この海域で所属無しの艦娘を長門が保護してくれた。このままウチに招こうと思うのだが、構わないか?』


提督 「もちろんだ。それじゃあ、鎮守府で皆の帰りを待っているぞ。」


那智 『あぁ。では、また後程。』


提督 「……聞いての通りだ。矢矧、入居ドックの用意を頼む!」


矢矧 「えぇ、解ったわ!」


提督 「祥鳳は俺と一緒に軍港に来てくれ。艦載機を発艦して、皆の現在地の確認と制空権の確保を頼む!」


祥鳳 「はい!了解しました!」



~ 数十分後 ~



鎮守府 ・ 軍港


祥鳳 「……! 皆さんの姿を確認しました!帰路の途中で交戦も無かったようですし、もうすぐ此処へ戻って来られます。」


提督 「そうか……おっ、あれだな。」


長門 「提督、艦隊ただいま帰投したぞ!」


提督 「おう!それで、扶桑は……おっ、おぉ……これはまたなかなか際どい……」


那智 「厭らしい目で扶桑を見るな。」つ目つぶし


提督 「目が!あぁぁ……目があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


矢矧 「何馬鹿な事してるのよ、提督!さぁ、扶桑さん。ドッグへ行きましょう。」


扶桑 「え……えぇ……」/////


提督 「はぁ……はぁ……いやぁ、扶桑型の中破姿は目のやり場に困るな……えっと、それで……那智と長門の後ろに居るその子が海域で見つけたっていう……」


「駆逐艦、朝潮です。勝負ならいつでも受けて立つ覚悟です。」


提督 「(おっ……おぉう!朝潮型はガチというのは報告書で呼んだだけではよく解らんかったが、実際に目の前にして実感したわ。そりゃこんな子に手ェ出したら憲兵さんだって黙っちゃいねぇわな。俺も間違いを犯すつもりはないけれど、これ……一緒に居るだけで問題になったりしないよな?しない……ですよね?資料で読んだ他の提督の声はだいたい二者択一、『 1 』 か 『 0 』 か、『 Yes 』 か 『 No 』 か、 『 男 』 か 『 女 』 だったはず。男か女だったら、やっぱり女を選びたい…… )」


朝潮 「司令官、どうされました!?何やら顔色が優れないようですが……」


那智 「司令官……貴様が何を考えているのか、大体察するが……今は朝潮を歓迎してやることが最優先事項ではないか?」


提督 「……っ!そうだな。よく来てくれた、朝潮。これから我が艦隊の1員として頑張ってくれ。」


朝潮 「はい!精一杯頑張ります!」


提督 「それじゃあ、長門。朝潮にこの鎮守府の案内をしてやってくれ。」


長門 「……! 良いのか?では、その大役、この長門が責任を持って遂行させてもらおう。行くぞ、朝潮。」


朝潮 「はい!よろしくお願いします、長門さん。」


提督 「何だろう?長門から凄いやる気を感じられたんだけど……」


那智 「良いことではないか。長門も朝潮も実直な性格のようだからな。放っておいても意気投合したと思うぞ。」


提督 「そういうもんなのかな?まぁ、その辺のことは野郎の俺じゃ解らんこともあるし、女の子同士で頼む。さてと……祥鳳もご苦労様。」


那智 「艦載機を飛ばしてくれたのだな。おかげで深海棲艦からの追撃も受けず、制空権も取られることなく安全に撤退できた。感謝する。」


祥鳳 「そんな……皆さんが無事に戻って来てくれて嬉しいです。扶桑さんは無事……とはやや言い難い状況でしたけど……」


提督 「今回は不運が重なったようだが……これがもし度重なるようなら、ちょっと改善できる方法を検討してみようと思う。大事な仲間を不運なんてくだらねぇ理由で失いたくないからな。」


那智 「あぁ。頼りにしているぞ、司令官。」



異動を命じられ、那智と共にこの名も無い鎮守府に来たときは今後のことを少し悩んだが……別段、何事もなく無事に第1艦隊が完成した。


うん……大丈夫。やることも特に変わらんし、この新しいメンバーとだって、きっと上手くやっていけるだろう。


前の鎮守府の皆と同じように


後書き

拝啓。大型建造で大和や武蔵、大鳳を狙って頑張っている提督の皆様、いかがお過ごしですか?
俺は長門がようやく着任してくださり、次は矢矧を狙うために目下、時間任せ資材集めの最中でございます。

いやぁ……長門着任までに扶桑さんが2人、矢矧狙いの最低値1500 / 1500 / 2000 / 1000 の振り分けで山城が5人も来てくれるとは思ってもいなかったです。

これはあれか…… 今回、外した山城の呪いか?

ともあれ、リアルでの新たな艦娘の着任に伴い、半ば強引な構成にしてしまった今回。

『天龍外すな、バカヤロー!』 とか 『 秋月とグラーフがもったいない! 』等、様々な怒りの声が飛び交うでしょうが……ご安心ください。

前のメンバーも頻度は低くなり、1つの作品に全員というわけにはいきませんが必ず再登場させます。
使い捨てになんてするものですか!

長くなりましたが、またネタが思いつき次第、提督と 『 辺境の黒髪艦隊 』の話を作っていこうと思います。

今後ともまたよろしくお願いします。


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1: SS好きの名無しさん 2018-04-04 17:25:30 ID: 3P38Ukwp

自分は矢矧狙いで約10回建造したとき全部金剛型でした

2: 柔時雨 2018-04-04 19:44:16 ID: BB0jxutF

お……おう……

やはり、それくらいの覚悟はしておかないといけないんですね。

阿賀野と能代は来てくれたのに……


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