No5 提督 『 実録!絶対に捕まってはいけない鎮守府 』
執務室での雑談から、提督のくだらない挑発に乗ってしまい、悪ふざけに付き合ってしまった那智。
朝潮を除くメンバー総動員したにも関わらず、悪ふざけに負けてしまったメンバーに
提督から悪夢のような罰ゲーム内容が言い渡される。
那智のレベルが90を越え、ケッコンカッコカリの未来が見えてきたにもかかわらず、未だ沖ノ島海域を突破できていない柔時雨です。
おのれ、羅針盤の妖精さん……
久しぶりの投稿になりますね。
今回、この内容で書かせていただこうと思ったのは、個人的にこの番組のこのコーナーが好きだということと
某動画投稿サイトでUPされている作品の中に、他の方が書かれた作品で本家様の『 笑ってはいけない 』シリーズがありまして
『 おぉ!俺もこういうのやってみようかな……』と思ったのが発端です。
二番煎じかもしれませんし、相変わらず拙い文章構成ですが、暖かい目で見ていただければ幸いです。
鎮守府 ・ 執務室
提督 「昨日……執務の後に自分の部屋で漫画を読んでたんだけどさ……」
那智 「うむ。」
提督 「そこでさ、何か小さい生き物が下着泥棒をしてたんだよ。それも上じゃなくて下の方……」
那智 「それを私に言われても……どう返答すればいいんだ?」
提督 「いや、まぁ……別に下着泥棒をしたいとかじゃなくて、ちょっと疑問に思ったことがあるんだ。」
那智 「疑問?」
提督 「その小動物がさ……女の子が立ったまま、その……女の子のパンツを盗んでるんだよ。それって……物理的に不可能なんじゃねぇのか?って。」
那智 「ふむ……いや、無理だろう。その……穿くときも脱ぐときも足を通さねばならんからな。その娘達が立った状態……しかも直立不動でいるというのであれば尚更、穿いている下着を奪い取るのは不可能だ。」
提督 「だよな……あいつ等はどうやって下着を盗んでいるんだろう?まぁ、それはともかく!話は変わるんだが……此処に那智、お前の下着がある。」
那智 「……っ!?貴様、どうして……どうやって手に入れた!?」/////
提督 「おっとぉ!俺は脱衣所に入ってまで盗んでねぇぜ。ちゃんと朝潮に頼んで持って来てもらったんだよ。」
~ 数分前 ~
提督 「朝潮、ちょっといいか?」
朝潮 「はい!何でしょう?司令官。」
提督 「実は今度、仕事で女性用下着メーカーの方と会うことになっちまってな……俺、そういうの全然知らなくて困ってんだよ。」
朝潮 「そうなのですか!?でしたら、この朝潮のを…………」パンツ脱ぎ
提督 「流石にそれは犯罪者になっちま……あぁ、いや……朝潮の気持ちは有り難いんだが、そのメーカーさんの商品ってのが、那智が使用している所の品物みてぇなんだよ。」
朝潮 「那智さんですか……わかりました!お部屋へ行ってお借りしてきます!」
提督 「いや、このことはできるだけ内密に頼む。あいつのことだ……酔って下着を脱衣所に脱ぎ捨ててあるだろうから、それを回収して来てくれ。」
朝潮 「わかりました!」
~ 回想終了 ~
提督 「……ってな感じだ。」
那智 「貴様……純粋な朝潮を騙して恥ずかしくないのか!?大体、私は下着をその……脱ぎ捨てたことなど……」/////
提督 「そもそも、今更パンツ見られたくらいで狼狽えるなよ。前の鎮守府で千歳やグラーフと飲み明かした後、誰が下着姿のお前を介抱したと思ってんだ?」
那智 「それは……記憶に無いな……って、あれは高雄か山城ではなかったのか!?……とにかく!それに関しては不問にしてやるから、今すぐそれを返せ!」/////
提督 「まぁ、待てよ。仕事も一段落したしさ……どうだ?俺と勝負しないか?」
那智 「勝負だと?」
提督 「おう。俺は今からお前の下着を持って全力で逃げる!そしてお前は制限時間……そうだな、30分以内に俺を捕まえることができれば、お前の勝ち。何かしら可能な範囲で言うことを聞いてやろう。ただし!俺が逃げ切ることができれば……罰ゲームを受けてもらうからな?」
那智 「ふん……馬鹿馬鹿しい。そんなことをせずとも、貴様が今!この場で!私の下着を返せば済む話だろうが!」
提督 「おやおや?俺の自慢の初期艦で秘書艦、最高練度を誇る重巡洋艦様は、艤装無しでは貧弱なクソ野郎に勝つことができねぇと?」
那智 「くっ……いいだろう。貴様のその安い挑発に乗ってやろうではないか。」
提督 「よぉし……それじゃあ、タイマーをセットして……俺がそこのドアから出たらスタートだ。ちなみに、俺は隙あらば隠れるつもりでいるからな……しっかり探せよ?」
那智 「心配せずとも、どこかに隠れる前に捕まえてやる!」
提督 「よっしゃ!それじゃあ……よぉい、どん!」
那智 「待てっ!司令官!」
~ 数分後 ~
那智 「はぁ……はぁ……見失った……ずっと執務室で書類仕事ばかりしていた提督のことだ。体力もそこそこ低下しているはずと思っていたのだが……」
矢矧 「あら?那智……息を荒げてどうしたの?」
那智 「実は……」
~ 那智、事情説明中 ~
那智 「…………というわけで、司令官を探しているわけなのだが……」
矢矧 「何をしているのよ、あなた達……いくら暇だからって……」
那智 「矢矧、どこかで司令官を見なかったか?」
矢矧 「ごめんなさい、見てないわ。……範囲はこの鎮守府内なんでしょ?私も探すのを手伝いましょうか?」
那智 「そういえば 『 味方を増やしてはいけない 』 というルールは無かったな……お願いできるだろうか?」
矢矧 「任せて!絶対に提督を捕まえてやるんだから!」
~ 30分後 ~
鎮守府 ・ 執務室
提督 「………………で?その後結局、長門と祥鳳、扶桑にまで応援を頼んだのに俺を見つけられなかった……と。」
那智 「まさか工廠に置いてあったドラム缶の中に隠れていたとは……」
長門 「工廠で提督の所持していたタイマーが鳴らなければ、おそらく明日使用するまで気付かんかっただろうな……」
祥鳳 「くっ!もっと厳重に索敵をするべきでした……」
矢矧 「そもそも、あんな処に隠れているなんて反則よ……」
提督 「まぁ、この下着は那智に返すとして……俺が勝ったんだから、罰ゲームはちゃんと受けてもらうからな?もちろん、那智に協力した4人もだ。」
那智以外 「「「「 !? 」」」」
扶桑 「罰ゲームがあったのですか?那智さんからその話は聞いていなかったのですが……」
那智 「あっ……すまない。司令官を捕まえることに没頭しすぎて、そのことをすっかり忘れていた……」
提督 「それじゃあ、罰ゲーム執行の日程やその他諸々が決まったら実行に移すから。それまでドキドキしながら日々を過ごすといい。」
矢矧 「うぅ……憂鬱でしかないわよ。」
長門 「今、この場で執行ではないことが、より不安……というか、不気味だな。」
那智 「くっ!……すまない、皆。」
◇◇◇◇◇
数日後
鎮守府 ・ 食堂
提督 「恐怖は忘れた頃にやってくる……本日、件の罰ゲームを執行するぞ!」
那智 「ついにこの日が………」
祥鳳 「ドキドキしながら過ごす日々は終わりましたが……今から違う意味でドキドキです。」
提督 「それじゃあ、俺と朝潮は鎮守府の正門で待ってるから。5人はこれに着替えてから来るように。」
朝潮 「皆さん、頑張ってくださいね!」
矢矧 「うぅ……あの時、甘味処でおやつを食べていた朝潮が羨ましい……こんなことなら一緒に提督を探してもらえばよかったわ。」
長門 「…………仕方ない。さっさと着替えて、罰ゲームもさっさと終わらせよう。」
扶桑 「そうですね。ずっと此処に居ても未来は変わりませんから……」
~ 数分後 ~
提督 「すまねえな。忙しいのに無理を言って……」
リアル友人提督 ( 以下 リア友提督 ) 「えぇって、えぇって!親友のバカ騒ぎに付き合うんも大事な務めやからなぁ。」
元帥 「事の発端を聞いた時はどうしてくれようかと思ったが……これはこれで他の艦娘達の刺激にもなるだろう。動画として映像を残し、今回来れなかった子達にも見せてやるとするか。」
カメラ担当の提督の方々 「「「「「 ( ゚ ∀ ゚ )ゞ 」」」」」ビシッ!
リア友提督 「これ、カメラ担当の提督さん達も大変やで……無理せん程度に頑張ってやぁ。」
朝潮 「あっ……!皆さん、来ましたよ。」
那智 ( 体操服 ) 「司令官……これはどういうことだ?何故、体操服……しかも赤いブルマまで……どこで入手したんだ?」/////
長門 ( 体操服 ) 「ご丁寧に胸のゼッケンに平仮名で名前まで書いて……」/////
提督 「どこで入手したかは言えないが……あえて言うなら、長良型リスペクト?」
矢矧 ( 体操服 ) 「それより……何で朝潮がガラスケースに入っているの?それと、あの黒い箱は何?」/////
提督 「その説明も兼ねて、今から罰ゲームの内容を発表するぞ。」
扶桑 ( 体操服 ) 「比較的易しい内容でお願いしますね……」/////
提督 「罰ゲームの内容は……鬼ごっこだ。」
祥鳳 ( 体操服 ) 「また鬼ごっこ……ですか?」/////
提督 「ただの鬼ごっこじゃねえぞ。某年末に放送される 『 絶対に笑ってはいけない番組 』 の中で実際に行われているコーナー……あれをしてもらう。」
那智 「あぁ……あれか。あれを……するのか……」
提督 「『 笑ってはいけない 』方は既に他所の提督さんが実行したという報告書を得ていたからな。それで、最近着任してくれた4人に説明をすると……今から皆には、この鎮守府内に隠された、朝潮が閉じ込められているケースの鍵を探し出してもらう。」
那智 「ただし、その黒い箱から登場する鬼役から逃げつつ……な。」
長門 「なるほど。あそこには鬼が待機しているのか……」
提督 「ちなみに鬼役は俺の親友である舞鶴提督が所有する艦娘と、俺と舞鶴提督の恩師である元帥が所有する艦娘、あとは俺と那智には馴染み深い元パラオ泊地の皆に協力してもらってます!」
矢矧 「なるほど……舞鶴提督さんや、元帥殿との予定日調整のために時間が掛かったのね。」
提督 「俺自身、まさか1週間以内に実行できるとは思ってなかった……あと、鬼が執行する 『 お仕置き 』 は本家様であった内容から、俺が何となく思いついたものもあるから……気を付けるように。」
祥鳳 「え?お仕置き?」
提督 「それじゃあ 制限時間は特に無し!よぉい……スタート!」
天龍 「よっしゃあ!切り込み隊長、天龍!出るぜ!」
那智 「天龍!久しぶりだな……って、ん?あいつの制服の胸の所に何か……」
祥鳳 「……『スリッパ』 と書かれた名札が付いていますね。」
矢矧 「何だかよく解んないけど、逃げた方が良いみたい……!」
長門 「あっ!矢矧……待てっ!」
扶桑 「あぁっ!逃げ遅れてしまいました……!ひっ……!?天龍さん……?」
天龍 「よぉし……捕まえたぜ。あんた、山城の姉さんなんだってな?特に恨みはねぇけど、ルールだから悪く思わねぇでくれよ。」つスリッパ
パッコーンッ!
扶桑 「…………っ!!?」
天龍 「それじゃっ!鍵探し、頑張ってくれ。」
那智 「最初の犠牲者は扶桑か……」
長門 「大丈夫か!?扶桑!」
扶桑 「驚きました……スリッパって思っていた以上に痛いのですね……」
矢矧 「普通の日常を過ごしていて、まず体験することのない出来事よね……スリッパで頭を叩かれるって……」
提督 「ちなみに、鬼は3分ごとに増えていくからなぁ。頑張れよ~。」
祥鳳 「これは急いだほうが良いみたいですね。手分けしましょう!私は母港の方を見てきます。」
長門 「では、私は工廠の方へ行こう!」
扶桑 「私は入居ドックと食堂の辺りを見てきますね。」
那智 「本館は広いからな……そこは私と矢矧で担当しよう。」
矢矧 「えぇ。皆、余裕があれば本館の方を手伝いに来てくれると助かるわ。」
祥鳳 「解りました。探索が済み次第、本館へ向かいます。」
提督 「3分経過~」
矢矧 「えっ!?もう?」
那智 「もしかして、天龍がお仕置き執行していた時間も含まれているのか!?」
長門 「マズい!皆、急げ!!」
黒潮 「陽炎型3番艦、黒潮や~。ほな、いっくでぇ~」
扶桑 「あの黒潮ちゃんの制服の胸のところ、『 ハリセン 』って書かれてます!」
祥鳳 「しかも黒潮ちゃんが所持されているハリセン、普通よりサイズが少し大きいと思われます!」
提督 「ちなみにそちらの黒潮さんは、リア友提督んトコの秘書艦さんだ。」
リア友提督 「黒潮~……程々になぁ~。」
黒潮 「了解~。やれるだけやってくるわぁ。」
長門 「おぉぉぉぉ!?ほんわかした口調と笑顔とは対照的に、凄い速さで迫ってくる!」
矢矧 「あっ……きゃあぁぁぁぁぁぁ!!捕まったぁぁぁ!」
祥鳳 「矢矧さん!!」
黒潮 「いやぁ~こんな形で他所様の艦娘さんと交流することになるなんて、思ってへんかったわぁ~。」つハリセン
矢矧 「お……お手柔らかに、お願いします……」
黒潮 「ん~……ごめんなぁ。軽巡の先輩の言うことでも、関西出身として……これだけは妥協できへんわぁ。」
スッパーンッ!!
矢矧 「んくぅぅぅぅぅぅ!!?」
黒潮 「ほな、皆さん。頑張ってなぁ~♪」
那智 「矢矧ぃぃぃぃぃ!!大丈夫か!?」
矢矧 「あ……あのね……あのね……あのハリセン、思っていたより厚紙で作られていて……凄く痛いの……!」涙目
扶桑 「凄く良い音が鳴っていましたものね……」
長門 「矢矧のことは心配だが、此処で足を止めていてはいけない……すぐにまた次の鬼が来るぞ。」
祥鳳 「そうですね。朝潮さんさえ助け出せれば、この罰ゲームはすぐに終わるんです。皆さん、頑張りましょう!」
提督 「3分経過~」
川内 「はいは~い!夜戦じゃないけど任務はしっかりやるよ~!」
長門 「今度は川内か……今は夜ではないが、やる気のようだな。」
祥鳳 「えっと……あれは、何でしょう?『 アメフト 』?」
矢矧 「ちょっと!元ネタを知ってると思われる那智が凄い勢いで逃げたんだけど!?えっ?そんなに怖いの?」
川内 「他の皆を置いて敵前逃亡かな?よぉし……それじゃあ、那智さんを捕まえるよぉ~!」
那智 「まさかの名指しで宣言だと!?」
提督 「ちなみにその川内さんは元帥の所有艦娘で、改二の上に最高練度だそうだ。」
那智 「それを先に言えぇぇ!」
川内 「はい!捕まえた。」
那智 「あぁぁぁぁ!?しまった!」
川内 「それじゃあ、那智さん。此処に四つん這いになって。」
那智 「くっ……この服でこの格好をさせられている時点で、かなり屈辱的なのだが……」
川内 「それじゃあ……お~い!準備できたよぉ!」
扶桑 「あら?川内さんがお仕置きするのではないのですか?」
響 「Урааааа 」つラグビーボール
祥鳳 「あれは……駆逐艦の響ちゃん?」
矢矧 「何か持ってるわね……」
響 「いくよ、雪風。」ボールパス
雪風 「はい!確かに受け取りました!これを此処に置いて……お願いします!」
Iowa 「Go!shoot!」キック!
ドゴォォォォォォッ!
那智 「~~~~~~~~~~っ!!?」悶絶
Iowa 「See You Again.」
長門 「那智ぃぃぃぃぃぃぃ!!大丈夫かぁぁぁ!?」
矢矧 「何か凄く良い角度で、那智さんのお尻にボールが刺さってたように見えたんだけど?」
那智 「まっ……待って……くうぅぅぅ……少し……時間をください……」涙目
祥鳳 「あぁ……いつも凛としている那智さんが乙女に……」
提督 「3分経過~」
那智 「まっ……待ってくれ!司令官!」涙目
提督 「どうした?那智。」
那智 「私も軍艦の端くれ……約束を違えたりはしない。罰ゲームは続行しよう。ただ……3分というのは考慮し直してくれ。逃げることも、鍵を探しにも行けない……」涙目
提督 「あっ……やっぱり?初の試み故に3分で設定してやってたけど、俺も見てて時間間隔が短いと思ってたんだ。わかった。とりあえず今から3分最後の鬼を放つが……次からは10分にしよう。その代わり、その時に出る鬼の数は少し増えるぞ?」
那智 「あぁ……それで構わない。再考してくれたこと、礼を言う……」涙目
祥鳳 「それで?その3分最後の鬼というのが……」
Гангут 「私に銃殺刑されたい奴はどこのどいつだ!?」
那智 「何者だ、あいつは!?最初から凄い殺意剥き出しなのだが!?」
提督 「元帥が所有する戦艦のガングートさんだ。さっきのアイオワさんといい、海外艦が多くて羨ましいです。」
元帥 「ガングート。これも一応演習じゃからな……全力でいきなさい。」
Гангут 「任せておけ……では、いくぞ!」
扶桑 「ガングートさん、動き出しました!罰ゲームの内容が掛かれた名札が風に煽られていて読めませんが、何やら長い文字が書かれています!」
矢矧 「内容が解らないというのは逆に恐怖ね……とにかく逃げましょう!」
Гангут 「ふん……この私から逃げられると思うな!」つ腕掴み
長門 「しまった!捕まった……!」
祥鳳 「長門さん!」
長門 「くっ……捕まってしまった以上、私も覚悟を決めよう。ところで?お前のお仕置きの内容は何なのだ?」
矢矧 「お仕置きの内容が見えたわ。えっと……『 パロスペシャル 』?何これ?」
Гангут 「ジジイが所持している漫画に描かれていた格闘技だ。同郷の超人が使用していたからという理由で私が抜擢された。流石にお前達相手にあのガキンチョでは荷が重いからな。」
長門 「詳細は解った。だが……それは本当に実現できる技なのだろうな!?実現不可能な架空の技とかでは……」
Гангут 「心配するな!今日までの間に数回練習してきたのでな、熟知している!では……いくぞ!」
長門 「あぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
矢矧 「あぁっ!長門さんの腕がちょっとありえない方向に……!」
長門 「ぐっ……くっ!だが、この長門……これしきでは屈さんぞ!すぐに振り解いてやる……!」
Гангут 「無理をするな、ビッグセブン。この技は相手が力任せに技を振り解こうとする力を吸収する関節技らしいぞ。」
長門 「なん……だと……?」
Гангут 「漫画に登場する技の中でも比較的簡単な技だそうでな。非力なガキンチョが見様見真似で使っても、そこそこ痛いらしい。さて……では、そろそろ終わらせてやろう。」
長門 「待て!体重をかけるな!倒れる……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
~ 試合終了! ~
Гангут 「まぁ、こんなもんだろう。では、引き続き頑張ってくれ!」
長門 「……………」チーン
提督 「まさか、パロスペシャル ジ・エンドまで見れるとは……大丈夫か?長門。」
長門 「世界のビッグセブンと謳われてはいたが……私は本当の世界とやらを知らなかったみたいだ。 ロシアという所は恐ろしいのだな……原住民の全員がこの技を使えるのかと思うと、正直……ゾッとする……」
那智 「いや……全員が使えるというわけではないだろうが……」
サイレン 『 ブーッ! ブーッ!』
祥鳳 「何ですか?今の音。」
提督 「あっ……何だかんだで20分経ってたのか。何が起こるかは朝潮の居るケースを見てくれると解る。」
朝潮 「え?あの……私も初耳なのですが!一体、何が起こるのですか!?」
潜水カ級flagship 「ゴポォ……」
朝潮 「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
那智 「なっ……深海棲艦だと!?」
提督 「海軍本部で捕虜……サンプルとして捕獲されていた深海棲艦の皆さんにも協力していただいております。20分が経過するごとに、朝潮の話し相手として、ああして現れます。」
元帥 「協力してくれたら本部内を自由に出歩ける許可をやろうと言ったら、快く引き受けてくれた。」
潜水カ級flagship 「ア……アサシオ……マイ、フレンド?」
朝潮 「初対面ですぅぅぅぅぅぅ!!」
祥鳳 「これは……あんまりゆっくりしていられませんね。朝潮ちゃんのためにも。」
長門 「……だな。では、先程決めた場所へ鍵を探しに行くとしよう。」
提督 「あっ!そうだ。各自、通信でのやり取りは自由だからな。必要な時に活用してくれ。」
扶桑 「はい、わかりました。では……急いで行ってきますね。」
~ 10分後 ~
提督 「10分経ったな……よし、鬼を追加しよう。」
電 「はわわわわ!精一杯、頑張るのです。」
高雄 「まさかこんな形で提督と那智さんに再会するとは思っていませんでした……何をしているのですか、あなた達は。」
提督 「まぁまぁ……えっと、祥鳳が母港、長門が工廠、扶桑が入居ドックか食堂、那智と矢矧が本館に居るから……見つけたら捕まえてくれ。」
高雄 「わかりました。では、行きましょうか。電ちゃん。」
電 「はいなのです!」
*****
鎮守府 ・ 母港
祥鳳 「母港は見通しが良くて良い場所なのですが……さすがに鍵は無さそうですね。」
電 「はわわわ!祥鳳さ~ん。」
祥鳳 「あら……あの子は確か、駆逐艦の電ちゃん?鬼役……なのかしら?でも、さっきの川内さんのことを考慮するに、駆逐艦の子が鬼役になるとは思えないし……あっ、でも黒潮ちゃんは駆逐艦か。でも、何か緊急の報告かもしれないし……とりあえず、どうしたの?」
電 「捕まえたのです!」つ腕掴み
祥鳳 「…………え?まさか本当に……嘘よね?冗談よね?」
龍驤 「残念やけど、電はホンマに鬼やでぇ。」
祥鳳 「龍驤さん!?いつからそこに……?」
黒潮 「さっきぶりです~。まぁ、今のうちは賑やかし担当やけど。」
祥鳳 「黒潮ちゃんまで!?それより、賑やかし!?えっ……本当に何を……どこへ連れて行くつもりなの!?」
鎮守府 ・ 食堂付近
扶桑 「えっと……いつの間にこのような物が……あら?あれは祥鳳さん?それに電ちゃんと龍驤さんに、黒潮ちゃん……黒潮ちゃん?彼女はハリセンだったのでは?とにかく皆さんに連絡しましょうか。」
~ 数分後 ~
那智 「扶桑から連絡を受けて来てみれば……いつの間にこのような物が作られていたんだ?」
長門 「それで、祥鳳を捕まえたのは黒潮ではなく、電なのだな。」
電 「そうなのです!」
矢矧 「それでお仕置きの内容が……『 真田丸 』?」
那智 「これは確か……」
電 「準備ができたみたいですね。では、電も行ってくるのです!」
祥鳳 「痛いっ!痛いっ!これ、ただの三角木馬じゃないですかぁ!!」涙目
扶桑 「え……祥鳳さん、三角木馬に乗せられているんですか?」/////
長門 「ちゃんと馬の頭まで付けて飾られ、周りに甲冑を着たり、六文銭を描いた旗を持っている艦娘達も居るが……うん、祥鳳が乗っているあの部分だけを見ると……三角木馬だな。」
那智 「そりゃ痛いだろう……古くから伝わる、ちゃんとした拷問器具なのだからな。」
矢矧 「しかもご丁寧に、祥鳳さんの手が後ろで縛られ、足に錘が巻かれているみたい……」
電 「それでは皆さん!行きますよぉ!」
賑やかしの艦娘達 「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」
祥鳳 「えっ!?ちょっ……待って!動かないで……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」涙目
長門 「軍勢が再び動き出したぞ。」
那智 「この工廠内に作られた道に沿って行軍するんだろうな……」
矢矧 「ジグザグの段差まで用意されている辺り、本当に容赦ないわね……」
扶桑 「あっ……終わるみたいですよ。」
電 「これで合戦は終わりなのです!勝鬨を上げるのですっ!」
賑やかしの艦娘達 「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」
長門 「合戦していたのか……」
那智 「…………大丈夫か?祥鳳。」
祥鳳 「うぅ……ぐすっ……本当に痛かったです……大事な処を中心に、綺麗に半分に裂けてしまうのではないかと思いました……。」涙目
扶桑 「歩けますか?」
祥鳳 「まだ少し痛いですが……何とか……」涙目
矢矧 「それじゃあ、鍵探しを再開しましょう。早くしないと、朝潮も大変なことに……あら?」
高雄 「皆さん、こちらに集まっていたのですね。」
那智 「高雄!お前も来ていたのか……って、おい。何で当たり前のように私の腕を掴んでいるのだ?」
高雄 「え?だって私も鬼役ですし……」
那智 「……!そうだった……10分経過したら鬼が増えた状態で投入されるんだった……」
矢矧 「それで?高雄さんには何て書かれた名札が……えっと……『 タイキック 』?」
那智 「なっ!?おい!それは笑ってはいけない方の恒例行事のはずだろ!?こっちでそれは……」
扶桑 「えっと……高雄さん?まさか、その制服でタイキックとやらをされるのですか?」
高雄 「いえ、さすがにそれは……代わりに実行される方が……あっ、来ましたね。」
提督 「唵吠室囉縛拏野莎賀!唵吠室囉縛拏野莎賀!」
長門 「ぷふっ!くっ……何をしているのだ、提督www!?」
矢矧 「わざわざ着替えて……何でそんなノリノリなのよwwwww」
提督 「吠室!吠室!」
扶桑 「さっきから仰っているのはどこの言葉ですかwww?」
高雄 「では、那智さん。壁に両手を付けて、お尻を突き出してください。」
那智 「おっ……おい!司令官!馬鹿な真似は止せ!こんなことをしても、誰も幸せにならないぞ!」
提督 「唵……唵……チェストォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
ドゴッ!!
那智 「あ"うっ!?~~~~~~~~~~~~~っ!!」悶絶
提督 「莎賀!」
祥鳳 「あっ……軽快な音楽と共に提督が戻っていきます。」
矢矧 「チェストォ!って……あれ、確か鹿児島の方言よね?何であそこだけ日本語だったのかしら?」
長門 「それにしてもキレの良いキックだったな……大丈夫か?那智。」
那智 「………うぅ!恨むぞ、司令官……」涙目
祥鳳 「とにかく……これでしばらく鬼役の方は来ないでしょうし、急いで鍵を探しましょうか。」
高雄 「それでは皆さん、頑張ってくださいね。あっ……そういえば、食堂の方で宝箱が置いてあるのを見ましたよ。」
扶桑 「本当ですか!ありがとうございます、早速行ってみますね。」
鎮守府 ・ 食堂
那智 「……あった!宝箱だ。」
長門 「朝潮の入っているガラスケースの鍵1つだけが入っているとは思えないくらい過剰梱包だな。」
矢矧 「別に良いじゃない。これでこの罰ゲームは終わりなんだから。」つ箱開き
金剛 「Oh……残念でしたネー!此処に鍵はNothingデース!」
山城 「金剛さん!?まさか、あなたも……」
金剛 「イエース!舞鶴の提督に頼まれて、此処で待機してたデース!ふっふっふ~……逃がしませんヨォ!」
矢矧 「え?あっ……腕掴まれてる!そんな……いやぁっ!」
那智 「金剛のお仕置きの内容は何と書かれているのだ?……『 ティータイム 』?」
榛名 「お姉さま。お茶の準備ができましたぁ。」
金剛 「了解デース!さぁ、矢矧!一緒にティータイムするネ!」
矢矧 「え……?え……??」
祥鳳 「あら?もしかして金剛さんって無害……なのかしら?」
那智 「心休まる一時のはずなのに、当の矢矧はかなり戸惑っているがな……」
長門 「あれではせっかくのお茶の味も解らんだろう……」
扶桑 「あら……?待ってください。よく見たら金剛さんの背中にも何か張り紙が……あれは……『 パイ投げ 』?」
那智 「……っ!?まさかの二段構えだと……」
祥鳳 「しかし、机の上にクッキーや小さなケーキが置かれている皿はありますが、パイなんてどこに……?」
比叡 「お姉さまー!特性のパイをお持ちしまし……っ!」転倒
5人 「「「「「 !? 」」」」」
比叡 「ヒエ~ッ!」転倒の勢いに任せてのパイ投げ
矢矧 「ぶふっ!?」ベチャッ!
那智 ・ 長門 「「矢矧ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
金剛 「Oh!sorryネー、矢矧。」
矢矧 「…………」
霧島 「本当にもう、比叡お姉さまはそそっかしいのですから……大丈夫ですか?矢矧さん……矢矧さん?」
矢矧 「…………」ピクッ……
祥鳳 「あの……もしかしてですけど、クリームの量が多すぎて呼吸困難になっているのでは……?」
那智 「!?大丈夫か!?しっかりしろ、矢矧!」
金剛 「榛名!とりあえず、綺麗なタオルを持って来てくだサーイ!」
榛名 「はいっ!すぐに!」
扶桑 「パイを退かして矢矧さんの鼻と口を見つけました!一応の呼吸は大丈夫かと!」
長門 「しかし、口や鼻の穴にクリームが詰まっているかもしれん!矢矧の上半身を屈ませ、背中を叩け!」
~ 数分後 ~
矢矧 「はぁ……はぁ……轟沈の危機以外で死ぬかと思ったのは、これが初めてよ……本当に、生きているって素晴らしいわね……」
比叡 「本当にごめんなさい……パイは間宮さん作なので、味に問題は無かったはずですが……」
矢矧 「えぇ。味は美味しかったわ。」
霧島 「申し訳ありません。お詫びと言っては何ですが、先程鍵を見かけた場所を御教えしますね。」
金剛 「Yes!朝潮を助けるための鍵は鎮守府本館で見かけたデース!but!舞鶴もそうなのですが、似たような部屋がたくさんあるので、どこにあったのかは覚えてないデース……sorryネー。」
那智 「いや、本館にあると解っただけでも収穫だ。礼を言う。」
金剛 「Oh!ナッチー!それに皆さんも。この後も頑張ってくださいネー!」
~ 10分経過 ~
提督 「おっ……10分経過。これで20分経過したな。」
朝潮 「もうですか?私、此処で待っているだけなので時間感覚がおかしくなる……かと思いましたが、意外とそうでもないですね。」
提督 「まぁ、20分毎に深海棲艦が会いに来てくれているからな。それじゃあ、2回目の御対面~」
空母ヲ級 「ヲ?」
朝潮 「ぴぃっ!あ……でも、先程の潜水艦の方に比べれば、意外と抵抗が……」
空母ヲ級 「ヲ?ヲ……ヲヲ!」
朝潮 「(言葉が通じない……皆さん、早く助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!)」
提督 「さてと、それじゃあ鬼を追加するとしましょうかね。」
168 「司令官!久しぶり、手伝いに来たわよ!」
涼風 「なっちー達に堂々と悪戯していいんだって?それなら、あたいに任せな!」
浜風 「やるからには責任を持ってやらせていただきます!」
提督 「頼んだぞ、皆。那智達は本館に向かったみたいだから、皆もそっちに向かってくれ。」
3人 「「「了解!」」」
*****
鎮守府 ・ 本館
那智 「結局本館か……何だかずっと遠回りしたせいか、どっと疲れたような気がする……」
矢矧 「でも、この本館内にあるみたいだし、きっともうすぐ終わりよ!……たぶん。」
祥鳳 「……そうですね。そう簡単には終わらせてくれないみたいです。」
涼風 「なっち~!遊びに来たぜぃ~!」
扶桑 「あら?あれは……白露型の涼風ちゃんだったかしら?」
矢矧 「なっちーって……もしかして……」
長門 「そして何かを察した那智が踵を返して走り出したぞ。」
涼風 「逃がしゃしないよ!とぅっ!」ダイブ
那智 「うぐっ!」
涼風 「えへへ。なっち~!久しぶりの再会なのに、逃げるってぇのは……ちょっと酷いんじゃない?」
那智 「こんな時でなければ逃げることなんてしなかったさ……くっ!嫌な予感しかしない……」
矢矧 「案の定、涼風の背中に何か書いてあるわね。えっと……『 刺激的絶命拳 』?何これ?」
涼風 「前に提督が持っていた格闘ゲームで見せてもらった、あるキャラクターが使っていた必殺技だよ!それじゃあ、なっち~!ちょっと着いて来て。」
祥鳳 「あら?此処で何かをするのではないのですね。」
長門 「ん?外に出るのか?」
鎮守府 ・ 外部
涼風 「はい!なっちー、此処に四つん這いになって。」
那智 「また四つん這い!?いや、ちょっと待ってくれ!私は今日だけでもう2度もお尻に被害を受けていてな……これ以上何かされると、本当に……」
雷 「あら、涼風。丁度いい所に!」
涼風 「おっ!雷じゃん、どうしたんだい?」
雷 「せっかくこっちに来たついでに、駆逐艦の皆でかくれんぼしてたんだけど……最後の1人が見当たらないのよ。」
涼風 「へぇ……誰が見つからないんだぃ?」
那智 「おい……涼風、私はいつまで四つん這いで居れば良いのだ?」
雷 「実はね、この子なんだけど……」
涼風 「……あぁ、何だ!簡単じゃん!あたいがすぐ見つけてやるよ!……今日は何の日!?」
子日 「子日だよ!」例のポーズで土の中からコンニチハ
ズドムッ!
那智 「かはっ!?」子日の腕の主砲 in
矢矧 「あぁ!那智さんがまたお尻に被害を受けてる!」
祥鳳 「子日ちゃんの主砲が那智さんのお尻に刺さってますね……」
長門 「3回共お尻に被害とは……今日は本当に散々だな、那智……」
扶桑 「那智さん!那智さん!しっかりしてください!大丈夫ですか!?」
那智 「私が散るのか……それもいいだろう……さらば……だ……」涙目
矢矧 「しっかりして、那智!轟沈するにはまだ早いわよ!」
涼風 「あっちゃ~……やりすぎたかな?」
長門 「いや、お前達は提督達からの任を全うに遂行しただけだ。子日なんて土の中で待機までして……よく頑張ったな。」
子日 「えっへへ~。長門さんに褒められちゃいました!」
雷 「それじゃあ、私達は司令官の所に戻るけど……朝潮のために頑張ってあげてね!」
那智 「…………」チーン
長門 「どうした?那智。まだ尻が痛むのか?」
那智 「それもあるが……少し考え事をしていた。」涙目
矢矧 「考え事?」
那智 「あぁ……司令官はこのゲームが始まる前、舞鶴鎮守府と海軍本部の艦娘、そして……以前司令官と私が居た鎮守府の皆に鬼役を頼んだと言っていた。」
扶桑 「そういえば、そのようなことを仰っていましたね。」
那智 「それで現在、天龍、高雄、涼風が確認できた……皆、気を付けろ。もし、司令官が本当に全員呼び寄せたのだとしたら……後8人は居ることになる。」
祥鳳 「8人……多いですね。」
長門 「那智。あとまだ来ていないメンバーを教えてくれないか?」
那智 「全員居るかは解らんがな……まだ来ていないのは千歳、山城、伊168、青葉、曙、秋月、グラーフ、それと……」
浜風 「この私、陽炎型13番艦、浜風です。」
那智 「浜風!?いつの間に……」
浜風 「お久しぶりです、那智さん。ですが……今の私は罰ゲームを遂行する鬼役。まずは先にその任を全うさせてもらいます。」
祥鳳 「え……?」腕掴まれ
扶桑 「あら……?」腕掴まれ
矢矧 「浜風の手がそれぞれ祥鳳さんと扶桑さんの腕を……これってどうなるのかしら?」
長門 「普通に考えれば、2人同時にお仕置き遂行……ではないのか?」
浜風 「そういうことです。では、御二方……場所を移しますので、同行願います。」
那智 「ところで浜風……お前のお仕置き内容……『 焼き芋 』と書かれているのだが……?」
浜風 「はい。焼き芋です……あっ、見えてきました。」
陸奥 「遅かったわね、浜風ちゃん。」
大鳳 「でも丁度良かった。はい、出来立てです!熱いので気を付けてくださいね。」
長門 「陸奥!?お前、こんな所で何を……って、艤装を着けたまま火元に近づくんじゃない!」
陸奥( 艤装有り ) 「あら。長門じゃない。何って……元帥に頼まれて此処で焼き芋をしているだけなのだけれど……」
大鳳 「まだほんのりと寒い日がありますからね。祥鳳さんも扶桑さんも御一つずつ、いかがですか?」
祥鳳 「そうですね……せっかくですし、頂きますね。」
那智 「これは……金剛と同じ安全圏……なのか?」
長門 「陸奥と大鳳の組み合わせで少々嫌な予感がしたのだが……杞憂で終わりそうだな。」
比叡 「あれ?陸奥さんと大鳳さん、それに浜風ちゃんも……こんな所で何をしているんですか?」
5人 「「「「「( また比叡(さん)だと(ですか) )!?」」」」」
扶桑 「どうしてでしょう……?比叡さんが来た瞬間、もの凄く不安になったのですが……」
浜風 「比叡さん!実は今、少し余っていたサツマイモを使って焼き芋をしていたんです。」
比叡 「焼き芋ですか!それはちょうどよかった。実は先程、矢矧さんへのお仕置きを終えた後、元帥から栗を貰ったんです。ついでにこれも一緒に焼いてしまいましょう!」
那智 ・ 長門 「「おい!馬鹿、やめろっ!」」
比叡 「え?」つ 栗、焚火にダイレクト投入
* 良い子は絶対に真似しないでね。提督お兄さんとのお約束だ!
祥鳳 「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ!栗が、栗が火の塊になって襲ってきますぅぅぅ!」
矢矧 「猿蟹合戦に出てくる栗の行動……あれって洒落にならないくらい危険だったのね。目の前で繰り広げられる惨状を見て理解したわ。」
陸奥 「あらあら。あっ……」焼き栗 → 第三砲塔
長門 「まずい!総員退避ぃぃぃぃぃぃ!!」
第三砲塔爆発により陸奥 大破! → 巻き添え誘爆により大鳳 大破! → 更なる巻き添え誘爆により扶桑 大破!
那智 「扶桑、祥鳳ぅぅぅぅぅ!!」
矢矧 「扶桑さんと祥鳳さんも心配だけど……大丈夫ですか!?陸奥さん、大鳳さん!」
長門 「陸奥、お前に1つ問いたい……なぜ、自分からトラウマを呼び起こすようなネタに走ったんだ?」
陸奥 「せっ……せっかくの機会だから……克服できると思って……大鳳ちゃんも同じ理由よ……」( 大破! )
大鳳 「はい……」( 大破! )
長門 「そ……そうか。その前向きな考えは褒めてやろう……」
矢矧 「浜風に選ばれていたら、至近距離であの大爆発に巻き込まれていたのよね……」
那智 「なんて恐ろしい焼き芋なんだ……」
祥鳳 「うぅ……少し逃げ遅れてしまいました……」( 小破! )
矢矧 「大丈夫?祥鳳さん。」
祥鳳 「えぇ……あの御三方に比べれば……」
浜風 「けほっ!えぇっと……ここで、栗を投入した比叡さんに元帥からアナウンスです。」
比叡 「え……?」
元帥 『比叡、ギルティ。』 デデーン
比叡 「えぇぇぇぇぇ!?そんなぁ!栗を持たせてくれたのは元帥じゃないですか!それにほら、天津甘栗ってありますよね?あれってこうやって作るんじゃないんですか!?」
那智 「いや……おそらく違うだろう。」
浜風 「あっ!お仕置き担当の方が来ましたね。」
提督 「namaḥ samanta-vajrānāṃ vajrātmako 'haṃ (あまねき諸金剛尊に帰命したてまつる。我は、金剛の我性を有す者なり。 ) 」
長門 「また来たのか、提督www!」
矢矧 「しかも、何で出て来る度、そんなノリノリなのよ!どこの国の言葉よ、それwww」
浜風 「さぁ、比叡さん。此処に四つん這いになってください。」
比叡 「えっ!?本当にやるんですか!?ちょっと、此処の提督さん!何もない所でキックの素振りするのやめてもらえませんか!?微妙に見えてるんですよ!」
提督 「hūṃ phaṭ ( 叱咤 )!チェリオォォォォォォォォォォォォォ!!」 タイキック下段
ドゴッ!
比叡 「ヒエーーーッ!~~~~~~っ!」涙目
提督 「svh (祝福あれ )!」退場
那智 「……終始どこの国の物か解らん言葉を発しながら、やることやって戻って行ったな。」
浜風 「先程提督に訊いたのですが、発せられていた謎の言葉とあのキックは学生時代、友人の方と悪ふざけしている時に習得したそうです。」
祥鳳 「それがまさかこんな形で活かされるとは、提督自身思っていなかったでしょうね。それより……扶桑さん、大丈夫ですか?」
扶桑 「えぇ……何とか……まだ続行できます。」
浜風 「では!私達の務めは終わりましたので失礼します!那智さん、それに皆さんも!引き続き頑張ってください!」
祥鳳 「……良い子ですね、浜風ちゃん。」
長門 「うむ。それに……あの栗のことを除いて、少し癒された。これでこの後も頑張れそうだ。」
168 「それじゃあ、次のお仕置きは長門さんが頑張ってみる?」腕掴み
長門 「え……?」
那智 「168!?お前、いつの間に……」
168 「うふふ。密かに近づいて、確実に沈めるの。」
那智 「沈めてやるな。此処での大事な仲間の1人だ。」
矢矧 「168ってさっき那智が言ってた……じゃあ、この子も鬼役なの?」
祥鳳 「そのようですね。制服の胸の部分に名札があります。えっと、内容は……え? 『 プリン 』?」
長門 「え……?プリン?」
提督 「お~い、お前等~!」
那智 「司令官……さすがに着替えたか。」
扶桑 「どうされたのですか?提督。」
提督 「いや、長丁場で小腹が減ってるんじゃねえかと思ってな。さっきの焼き芋も殆ど食えなかっただろうし……だから、ほら。市販の物で悪いんだが、プリンを買って来たぞ。」
長門 「市販の物なら何かを混入されている可能性が低くはなるが…………いいのか?」
祥鳳 「朝潮ちゃんが待っている以上、あまりのんびりもしていられないのですが……」
提督 「あぁ、大丈夫。朝潮にもちゃんと渡してきてるし、それを食べている間は鬼を出すつもりはないから安心して食ってくれ。それに……まだちょっと、鬼が動くのに時間が掛かるだろうからな。」
那智 「何か遭ったのか?」
提督 「…………口で説明するより見てもらった方が早いか。プリンを食う前に、朝潮の居るガラスケースの所まで来てくれるか?」
*****
鎮守府正門 ・ ゲームスタート地点
山城 「………………」
天龍 「…………」正座
比叡 「…………」正座
矢矧 「えっと………これは一体?」
那智 「まぁ、大体の内容は解る……ような気はするが……」
扶桑 「ちょっと、山城!あなた、何をしているの?」
山城 「あっ!扶桑姉さま!大丈夫でしたか!?この馬鹿2人のせいで痛い思いをしたと……」
天龍 「いや、けどよぉ……今回はそういう趣旨で集まったんじゃねぇかよ。」
山城 「ふん!まぁ、天龍はいいわ、許してあげる。スリッパによる1発の痛みなんて、さほど大したことないでしょうし……だけど、比叡!あなたは絶対に許さないわよ!姉さまだけじゃなく、陸奥にまで被害が及んでるのよ!」
大鳳 「あの……私も居ます。」( 大破! )
陸奥 「……………」( 大破! )チーン
長門 「陸奥……まだ回復できていないのか。」
168 「こんな言い方をしたら失礼かもしれないけど……事故とはいえ陸奥さんが爆心地だったそうだし、扶桑さんや大鳳さんよりもダメージが大きかったんだと思うわ。」
矢矧 「なるほど……確かにあの爆発の中心に居たら……ねぇ。」
比叡 「あの……山城さん……」
山城 「何よ!?」
比叡 「えっとですね……そろそろ正座を解いてもいいでしょうか?さっきから小石なんかが足に食い込んで痛いと言いますか……」
山城 「だから正座させてるのよ!痛くなければ罰にならないでしょうが!」比叡の膝踏み付け
< ヒエ~~~~ッ!
元帥 「あの気迫……ふむ。見所があるのぅ。」
リア友提督 「鬼の山城とはよぅ言ったもんですねぇ。」
黒潮 「関心しとらんと、早う助けたりぃや。ウチの艦隊のメンバーやろ。」
リア友提督 「嫌や。俺、まだ死にとぅないもん。」
提督 「………とまぁ、こんな調子でな。とりあえず、食堂でプリンでも食べて待っていてくれ。あっ、容器は後で回収しに行くからそのまま置いていてくれていいぞ。」
168 「再開できるようになったら、私が伝えに行くわね。もちろん、鬼役としてじゃなく……ね!」
那智 「頼むぞ、168。では、少し休憩しようか。」
祥鳳 「朝潮ちゃん、もうちょっと待っててね。」
朝潮 「はい!何やらそちらは大変そうですが……頑張ってくださいね!」
◇◇◇◇◇
鎮守府 ・ 食堂
祥鳳 「ん~♪ 美味しいです!」
矢矧 「それにしても……こんな緩い感じでいいのかしら?罰ゲーム中におやつって……」
那智 「緩いか?私はもう3回も尻に被害を受けているのだが?」
矢矧 「……ごめんなさい。」
長門 「とりあえず、これを食べ終わった者から各自鍵探しを再開しよう。鬼役が来る前にな……」
扶桑 「そうですね、此処に後程168さんが来るでしょうが……低速の私と長門さんは少し早く動き出しましょうか。」
祥鳳 「わかりました。168ちゃんが来たら、私の方から伝えておきますね。」
扶桑 「はい。お願いしますね。」
~ 数分後 ~
168 「お待たせ!司令官が罰ゲームを再開するって……あら?長門さんと扶桑さんは?」
祥鳳 「あの、申し訳ありません。長門さんと扶桑さんは少し前に食べ終わり、先に鍵の捜索を再開されました。」
168 「そうなの?まぁ、特に問題は無いから良いんだけどね。」
矢矧 「それじゃあ、私達も鬼から逃げつつ、ガラスケースの鍵を探しましょうか!」
那智 「168。再開ということは新たな鬼役が出たのだろ?誰が来た?」
168 「千歳さん、曙、青葉の3人よ。山城さんは……察して。」
那智 「わかった。」
祥鳳 「情報提供、ありがとうございます。168さん。」
168 「それじゃあ!私はさっきの場所に戻るけど……皆、頑張ってね!」
矢矧 「えぇ。ありがとう、168。」
*****
鎮守府 ・ 本館
長門 「では、私は執務室を見てくるから、扶桑は座学室の方を頼む。」
扶桑 「はい。何か見つけたら、すぐ通信で……」
??? 『 え~……鎮守府で鍵を捜索している5名の艦娘の皆さんに御連絡があります!』
那智 「館内放送?それに、この声……青葉か!」
青葉 『さすが、那智さんは気付きましたか。どうも!重巡洋艦青葉型1番艦、青葉です~!』
矢矧 「これ、館内放送よね?何で会話みたいになってるのよ?」
青葉 『それより皆さん!山城さんの件とは違うことでちょっと問題が発生したので、御手数ですがまたスタート地点まで来ていただいてもよろしいでしょうか?』
祥鳳 「何が遭ったのでしょう……とりあえず、行ってみますか?」
那智 「そうだな。長門と扶桑も今の放送を聞いているだろうし、あちらで合流しよう。」
鎮守府正門 ・ ゲームスタート地点
那智 「司令官!今度は何が遭ったんだ!?」
提督 「おぉ、お前等……いやぁ、すまん。さっき渡したプリンにちょっとした手違いがあってな。」
長門 「手違い……だと?」
元帥 ( 葉巻 + 黒いサングラス ) 「ガッデェェェェェェェェェェェェェェェェム!!誰じゃあぁぁぁぁぁ!?儂の可愛い暁が楽しみにしてたプリンを食べた奴わぁぁぁぁぁ!?」(# ゚Д゚) プンスコ!プンスコ!
暁 「うっ……ぐすっ……ひっく……」マジ泣き
5人 「「「「「…………」」」」」
提督 「いやぁ……お前達に渡したプリンの中に、あの暁ちゃんのプリンが混ざってたみたいでさぁ。」HA☆HA☆HA!
那智 「笑いごとではないだろ、司令官!」
矢矧 「どうするのよ、アレ!素直に謝っても許してもらえる雰囲気じゃないのだけれど!?」
祥鳳 「しかし、私達のうち誰が暁ちゃんのプリンを食べたのかしら?どこにも暁ちゃんの物だと示すようなものが……」
長門 「………………」冷や汗ダラダラ
扶桑 「な……長門さん?どうしたんですか、その冷や汗……まさか……」
長門 「あ……あぁ……実はな、プリンを全部食べ終わった時、容器の底に何か油性ペンで書かれていたのは知っていたんだ。プラスチック容器を通して反転して見えていたので気にせず読まなかったが……そうか、あれは平仮名で 『 あかつき 』 と書かれていたのか。」
矢矧 「長門さん……短い間だったけど、お世話になりました。」
長門 「待て!私の命運がここで尽きるのは確定なのか!?」
那智 「逆に訊くが、お前はあの元帥を相手に生き延びることができる自信があるのか?」
元帥 「コソコソせんと出てこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
長門 「……………無理だな。」
矢矧 「あっ……諦めたらそこで試合終了ですよ、長門さん。」
大淀 「元帥!」
元帥 「何じゃ?大淀。」
大淀 「暁ちゃんのプリンを食べたと思われる此処の艦娘の服を……持ってまいりました!」つ長門の服
長門 「…………」
扶桑 「行くの……ですか?」
長門 「物的証拠がある以上、言い逃れはできんだろう……」冷や汗+涙目
祥鳳 「待ってください!何か様子が……」
大淀 「確かに暁ちゃんのプリンを食べたのはこの方ですが、相手は艦娘……いくら元帥でも直に手を下すのはいかがなものかと。彼女達に何かあると、国そのものを敵に回すことになる可能性だってあるのです。」
那智 「ウチの司令官は容赦なく艦娘の尻にタイキックしてくるがな……」
祥鳳 「まぁまぁ……落ち着いてください、那智さん。気持ちは解りますが……」
元帥 「ぬうぅぅ……では、このまま諦めろと?」
大淀 「ここは確認不足で彼女達にプリンを配布したこちらの提督に責任を取ってもらう……というのはどうでしょう?」
提督 「……………Σ ( ゜ ロ ゜;)!?」ガビーン
那智 「ぷっ!くく……まさかの展開だな。」
矢矧 「我関せずって顔で立っていた提督の顔が、一瞬で青ざめたわね……」
提督 「那智、おまっ……笑ってんじゃねぇ!」
元帥 「うむ!そうじゃな。というわけで……提督、前に来い。」
提督 「…………はい……(((((( ; ゚ Д ゚ )))))ガクガクブルブル 」
扶桑 「あぁ……提督が生まれたての小鹿のような足取りで元帥殿の前へ……」
長門 「くっ……!すまない、提督……」
元帥 「提督……覚悟は良いか?」
提督 「おっ……おてやわらかにおねがいします……」
元帥 「気を付けぇぇぇぇぇ!目を食いしばれぇぇぇぇぇぇ!!」
提督 「はいっ……え?めっ、目!?」
元帥 「監督不行き届き!」愛の平手打ち
提督 「さもありなんっ!」
青葉 「重巡フラッシュ!いやぁ、決定的瞬間が撮れまし……た……え?」
那智 「司令かぁぁぁぁぁぁん!!」
矢矧 「元帥にビンタされた提督が錐揉みで吹っ飛んで……ステージ下に居た青葉さんの上に落ちた!?……って、大惨事じゃない!」
元帥 「指導……完了……って、ありゃ?やりすぎたかのぅ?」
暁 「もぅ!何やってるのよ!演技でドッキリって打ち合わせしたじゃない!」プンスコ!プンスコ!
朝潮 「あの!此処から位置的に見えないのですが……司令官に何か遭ったのですか!?」
扶桑 「えっ?あっ……えっと……だ、大丈夫ですよ~。ちょっと転んだだけです。」
朝潮 「そうなのですか?その割には那智さんが凄い声上げてましたが……?」
長門 「その……だな……提督が転んだ時に那智の胸を鷲掴みしてしまってな。驚いた那智が悲鳴を上げたんだ。」
朝潮 「そうだったのですか。それは司令官が悪いと思います!」
長門 「(すまん……!!許してくれ、提督……!)」
那智 「おいっ!しっかりしろ、司令官!」
提督 「ん……いやぁ、久しぶりに元帥のビンタ受けちまったぜ……って、青葉?お前……何で俺の下に?」
青葉 「いえ、まぁ……とりあえず、下りてもらってよろしいですか?」
提督 「あっ……すまん。」
扶桑 「しかし、提督……大丈夫なのですか?何やら派手に吹っ飛んでいましたが……」
提督 「大丈夫。少し冷やせば何とでもなる。それより、これ以上朝潮を待たせてやるのも可哀想だからな。お前達に鍵が入ってる宝箱のある場所を教えておく。執務室と座学室だ。」
長門 「2ヶ所にある……ということは……」
提督 「あぁ。1つが本物で1つが偽物だ。どっちに入ってるかは内緒だけどな……それと……青葉以外の鬼が今、全員鎮守府内に入って某鬼ごっこ番組のハンターよろしく、お前等を捕まえようと徘徊しているだろうから……まぁ、頑張ってな。」
那智 「青葉意外となると……曙と千歳か。」
提督 「いや、秋月にグラーフ、山城も既に待機してもらっている。」
祥鳳 「あっ……そういえば、先程まで比叡さんを説教していた山城さんの姿がありませんね。」
矢矧 「比叡さん……ようやく解放されたのね。」
長門 「ふむ……つまり、鬼に見つからずに最短で鍵を見つけて戻って来れば、お仕置きは0……逆に鬼役に捕まれば最大5回のお仕置きが待っているのか。」
那智 「とりあえず、目指す場所が決まったんだ。手分けしてさっさと鍵を入手しよう。」
◇◇◇◇◇
鎮守府内
那智 「では、私と長門で執務室に向かう。矢矧と祥鳳、扶桑は座学室を頼む。」
矢矧 「えぇ!解ったわ。」
曙 「まったく……窓から外の様子を見てたけど……何やってんのよ、あのクソ提督は!」
那智 「曙!?」
曙 「那智さんも他のアンタ達も……いつまでそんな恥ずかしい恰好をしているのよ。でもまぁいいわ。私は自分に任されたことを果たすだけだもの。というわけで……」腕掴み
扶桑 「え?私?」腕掴まれ
曙 「いいから来なさい!」
長門 「おい、曙が扶桑の腕を掴んで強引に引っ張って行ったぞ。」
祥鳳 「えっと……あっ、お仕置きの内容を見る前に部屋に入られてしまったわ。」
曙 「……………」
矢矧 「あっ……出て来た。」
那智 「曙……お前、一体扶桑に何を……」
『とぉぉぉぉ↑ぉぉぉぉう↓!』
『くまりんこ!』
扶桑 『え……?あっ……そんな、ちょっと待ってくださいぃぃぃぃぃぃ……』
那智 「本当に……中で一体何が?」
曙 「黙って待ってなさいよ。大丈夫、他のお仕置きがどんな内容だったのかは知らないけど、私のはマトモだから。」
長門 「そういえばお仕置き内容を確認できていなかったな。えっと……『 お色直し 』?」
曙 「ほら……扶桑さんって陸奥さんのアレに巻き込まれてたじゃない?祥鳳さんよりも至近距離で。それで、そのままの姿というのは流石に可哀想だ……って、クソ提督が珍しく気を利かせたのよ。」
矢矧 「なるほど。それで扶桑さんは今、着替え中ってわけなのね。」
曙 「ただ……これって、一応罰ゲームでしょ?さすがにちゃんとした服ってわけにはいかないってことは、あらかじめ理解しておきなさいよ。」
祥鳳 「それでもボロボロの姿よりは……あっ、終わったみたいですよ。」
扶桑 「……………」顔だけ出し
那智 「ん?どうしたんだ?着替え終わったんだろ、扶桑。」
扶桑 「はい。着替えは終わったのですが……えっと、出て行かなければ駄目……ですよね?」
長門 「それはまぁ……そんなに恥ずかしい恰好なのか?」
扶桑 「…………見てもらえれば解ります。」十二単
矢矧 「凄く似合ってます!扶桑さんって和服や浴衣が良く似合いますね!」
祥鳳 「確かに凄く似合ってますけど……動きにくそうですね。」
那智 「この十二単って確か、着物を幾つか重ね着しているものではなかったか?かなりの重量があると聞いたぞ。」
長門 「だが、普段からデンド〇ビウムのような艤装を展開している扶桑のことだ、その重量自体は特に問題ないのだろ?」
扶桑 「えぇ。重さ自体はさほど問題は無いのですが……階段を上るのに時間が掛かるかもですね。あの……私のことは気にせず、皆さんは先に執務室と座学室に向かってください。」
長門 「わかった。では、先程示し合わせたとおり、私と那智で執務室、矢矧と祥鳳は座学室を頼む。」
矢矧 「えぇ、任せて……って、あら?」
山城 「あら、まだ玄関に居たのね……って、扶桑姉さま!?何て見目麗しい姿に!」
扶桑 「山城?あのね、これは違うのよ?」
山城 「何が違うのですか!ちょっとあちらでゆっくりしましょう!」
扶桑 「山城?山城ぉぉぉぉぉぉぉ…………」
那智 「…………もしもし、司令官?」
提督 『ん?どうした?那智。』
那智 「曙に捕まって、お色直しを終えた扶桑を見つけた山城が、私達の目の前で扶桑を拉致して行ったのだが……あれはおそらく鬼の役目を忘れているぞ。」
提督 『……わかった。扶桑と役目を放棄した山城のことはこちらに任せて、お前達はそのまま続けてくれ。』
那智 「承知した。……というわけで、扶桑は司令官に任せて大丈夫のようだ。」
祥鳳 「え……えぇ……行きましょうか。」
****
鎮守府 ・ 座学室
矢矧 「あっ!本当に宝箱があったわ。」
祥鳳 「これで中に鍵が入っていれば、朝潮ちゃんを助けられるんですね。」
グラーフ 「だがその前に、仕置きを受けてもらおうか。」扉開け
矢矧 「え?えっと……どちら様?」
グラーフ 「む?こちらにナッチーは居なかったのか。では、初めましてだな。Graf Zeppelin級1番艦 正規空母のGraf Zeppelinだ。」
祥鳳 「あっ!空母の方なんですか!私も空母なんです。軽空母ですけど……」
グラーフ 「そうか!空母仲間に会えると嬉しいな。」握手
祥鳳 「はい。鎮守府は違いますけど、良い付き合いができるといいですね。」握手
矢矧 「ちょっと!祥鳳さん!」
祥鳳 「え?…………あぁっ!?」
グラーフ 「すまんな、ショーホー。だが、お仕置きを執行するのは私ではない。」
祥鳳 「そうなのですか?ところで……そのお仕置き内容というのは?」
矢矧 「えっと……『 黒ひげ危機一髪 』?これって……」
天龍 「グラーフ!例の物、持って来たぜ!」大き目の例の樽持参
グラーフ 「よし!では、ショーホー……どうぞ、中へ。」
祥鳳 「うぅ……入らないとダメ……ですよね。」樽の中入り
木曾 「よし。では、俺からいくぞ!」剣刺し
祥鳳 「……っ!」
龍田 「あらぁ~。セーフだったのね。それじゃあ、次は私がやるわね~。」槍刺し
祥鳳 「……っ!!」
叢雲 「あら。なかなか飛ばないものなのね。」
天龍 「まぁ、そんな簡単に飛んじまったら、つまんねぇけどな。」
叢雲 「それもそうね。それじゃあ、次は私が刺すわね。」槍刺し
祥鳳 「……っ!はぁ……はぁ……まだ、ですか?一思いに早く終わらせて欲しいのですけれど……」ドキドキ
木曾 「そんなこと言われても、こればっかりは運だからな……」
天龍 「そんじゃあ、御望み通り!この天龍様の1撃で終わらせてやるぜ!おらぁっ!」剣刺し
祥鳳 「…………っ!!……あら?」
龍田 「もぉ~……天龍ちゃん、真面目にやらなきゃ駄目よぉ?」
天龍 「真面目にやったっつうの!でもおかしいな……樽の設計を間違えたか?」
グラーフ 「テンリュー。私もやってみたいのだが。」
天龍 「ん?おう、いいぜ。それじゃあ、持って来た模造刀……これを使え。」
グラーフ 「Dank。では……Feuer!」剣刺し
祥鳳 「…………っ!……えぇ!?まだですか?」
グラーフ 「私でも飛ばせなかったか……ショーホーはなかなか運が良いのだな。」
叢雲 「そう……なのかしら?」
木曾 「此処に居る全員が1回ずつ刺しているんだ。次に矢矧が刺して祥鳳が飛ばなければ、生還ということでいいんじゃないか?」
天龍 「そうだな。それじゃあ、矢矧。ほら……これが最後の模造刀だ。」
矢矧 「最後の……」
祥鳳 「お願いします、矢矧さん!私を飛ばさないでください!」
矢矧 「そんなこと言われても……こればっかりは運任せだし…………よし。えぇい!」剣刺し カチッ!
祥鳳 「はぅんっ!」
天龍 ・ 木曾 「「カチッ?」」
祥鳳 「え?ま……まさか!? きゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!」樽から吹っ飛び
グラーフ 「まずい!急いで受け止める準備を!」
叢雲 「任せて!クッションの準備はできてるわ!」
祥鳳 「あぁぁぁぁぁ……うぷっ!」受け止められ
矢矧 「祥鳳さん!大丈夫!?」
祥鳳 「大丈夫ですけど……もう少し屋根の高い場所でやるべきだと思います……!」涙目
グラーフ 「すまなかった。だが、これで私達の役目は終了した。引き続き頑張ってくれ。」
矢矧 「えぇ。皆、お疲れ様。それじゃあ……宝箱を開けてみましょうか。」宝箱開け
宝箱 『 スカ 』
矢矧 「………………」イラッ
祥鳳 「どうでしたか?……って、えぇ!?スカって……ハズレってことですか?」
矢矧 「そうでしょうね。まぁ、これで執務室の方が本物だって解ったんだし……先に戻ってましょうか。」
†††††
鎮守府 ・ 執務室
那智 「……ん?」
長門 「どうした?那智。」
那智 「いや……今、何か悲鳴が聞こえたような気が……気のせいか。」
長門 「それより……あったな。宝箱。」
那智 「よし!それでは早速開けて中を確認してみるか。」
宝箱 『 オメデトウゴザイマス 』
長門 「これがあれば朝潮を助けてやれるのだな。すぐに戻って……」
千歳 「あら。もう鍵を見つけてしまったのですか……残念です。」
那智 「千歳か……一足遅かったな。朝潮を閉じ込めているガラスケースの鍵は貰ったぞ。」
千歳 「はぁ……仕方ないですね。まぁ、それはそれとして……無事に鍵を見つけた祝い酒といきましょう。那智さんの好きなお酒……ちゃんと用意してますよ。」
那智 「……そうか。では、せっかくだ。1杯いただくとしようか……」
長門 「おい、那智……」
那智 「すまん!長門、先に行ってくれ。私は千歳と久しぶりに杯を交わしてくる。」
長門 「お前……自分で千歳が鬼役かもしれないと言っていたのに……ん?そういえば千歳のお仕置き内容は……ふむ。一部始終を見ていくか。」
隼鷹 「ヒャッハー!あんたが那智か。話は千歳から聞いてるよぉ。」つお酒持参
Pola 「うぇへへ、酒飲み仲間が増えるのは良いことですぅ~。」つワイン持参
長門 「これは……このまま放置しても良いのだろうか……ん?」
鳳翔 「こらっ!あなた達!」
千歳 「あら。見つかっちゃったわ。」
隼鷹 「やばっ!お艦が来た!撤収!」
Pola 「ザラ姉さま程ではないですけど、怖いので撤退しますね~。」
鳳翔 「待ちなさい!」腕掴み
那智 「えっ!?私……!?」
鳳翔 「まったく……酒保から勝手にお酒を持ち出して……今日という今日は許しませんからね!」プンスカ!
那智 「知らないっ!私は今日はまだ1杯も飲んでないぞ!?」
鳳翔 「問答無用です!言い訳するような悪い子はお仕置きです!提督、お願いします。」
提督 「っしゃあ、おらぁ!またお前かぁぁぁぁぁ!」
那智 「なっ!?また司令官が来ただと!?もうタイキックは嫌なのだが!」
長門 「提督も大変だな……」
那智 「ちょっと待ってくれ、司令官!一体、何をするつもりなんだ!?」
提督 「ん?千歳の名札に内容が書いてあっただろ?見なかったのか?」
那智 「確認する前に、他の2人と共に撤退したからな……本当に何をされるか解らん。」
提督 「そっか……まぁ、心配するな。ちょいと 『 お尻100叩き 』 するだけだ。」那智抱きかかえ
那智 「またお尻!?司令官、本当に……本当に勘弁してくれ!今日だけで4回目なんだ!私ばっかりこんな……」涙目
提督 「なぁにぃ?聞こえんなぁ?」
那智 「聞こえてるだろ!この至近距離だぞ!」
提督 「さてと……青葉!」
青葉 「はいはい!」つ『 見せられないよ! 』プレート
長門 「ん?尻を叩くだけだろ?これがあっては……」
提督 「ただ叩くだけじゃねえからな……那智の尻を他の提督に見せてやるつもりは無い。」ブルマ+下着引っ張り上げ
那智 「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」/////
長門 「お……おぉ……那智のブルマとパンツが極限まで引っ張り上げられて、Tフロント状態に……」
那智 「説明するなぁ!青葉が隠してくれているのに、意味が無いだろうが!」/////
提督 「よぉし、そんじゃ始めるぞ~」平手打ち
パシーンッ!
那智 「ひゃぅん!」
青葉 「おぉ!那智さんらしからぬ、可愛らしい声が出ましたね!」
那智 「~~~~~っ!うるさい!」/////
提督 「あと99発。」
那智 「本当に99発叩くつもりか!?多くの武将が棒叩きの罰を受けていたそうだが、その殆どが指定回数を耐え切れずに意識を失っているのだぞ!?」
提督 「でも、お前はまだ気絶してないだろ?」
那智 「えっ?いや、そうだが……私の言いたいことはそうではなく……あっ、やめっ」
~ 数分後 ~
青葉 「うわぁ……絵に描いたように真っ赤ですねぇ。」
長門 「…………大丈夫か?那智。」
那智 「うっ……ぐすっ……これが大丈夫のように見えるか?司令官め……しっかり100叩きを実行するとは……」涙目
提督 「そう言うな。お前の尻を叩く俺の手と心も痛かったんだからな。まぁいい……とにかく、お前等は無事に鍵を見つけたんだ。それで早く朝潮を開放してやれ。それでこの罰ゲームは終わりだ。」
那智 「やっと……やっと終わるのか……長門。私はしばらく動けそうにない……代わりに朝潮を助け出してやってくれ。」
長門 「あ……あぁ、わかった。動けるようになるまでゆっくりしているといい。」
提督 「そうだ、長門に……まぁ、矢矧や祥鳳にも言えることなんだけど……最後に残っている秋月には気を付けるんだな。おそらく……1番過激な『 おしおき 』だろうからな。」
長門 「わかった。2人を見かけたら伝えておこう。」
◇◇◇◇◇
鎮守府本館 ・ 入口
矢矧 「あっ……長門さん!鍵は見つかりましたか?」
長門 「あぁ。ちゃんと手に入れて来たぞ。後は朝潮を助けるだけだ。」
祥鳳 「よかった………ところで、那智さんは?」
長門 「…………聞かないでやってくれ。」
矢矧 「(何か遭ったんだろうなぁ……)とにかく!急いでガラスケースへ向かいましょう。」
長門 「待て!その前に提督からの伝言だ。」
祥鳳 「提督?どうして提督が……まぁいいでしょう。それで、提督は何と?」
長門 「提督の呼んだ鬼のうち、秋月にだけは絶対に捕まるな……と。他の鬼役のお仕置きより厄介な物を持っているそうだ。」
祥鳳 「秋月さん……というのは、今、矢矧さんの後ろに居るそちらの方ですか?」
矢矧 「え?」
秋月 「………」ニコッ!
矢矧 「………えっと……秋月……さん?」
秋月 「はいっ!皆さんとは初めましてですね。乙型一等駆逐艦、秋月型駆逐艦一番艦 秋月です! 宜しくお願いします!」
長門 「何だろう……朝潮に近いものを感じる……」
祥鳳 「そして、当然のように矢矧さんの腕が掴まれているわけですが……」
矢矧 「え?えっと……」
秋月 「それでは行きましょうか。外で実行役の方が待っていますよ。」
3人 「「「実行役?」」」
長門 「それで、秋月のお仕置き内容というのは……えっと……『 ドライブ 』?」
祥鳳 「言葉だけ聞くと穏やかそうですが……そうではないのでしょうね。」
鎮守府 ・ 外部
夕張 「あら、やっと来たのね。待ってたわよ!」
矢矧 「えっと……夕張さんでしたっけ?その隣のタイヤが普通の倍くらい大きい車は……?」
夕張「え?あぁ、これ?いいでしょ?舞鶴提督の愛車なんだけど、よく借りるのよ。」 レクサス・LFA
矢矧 「は……はぁ……」
夕張 「それじゃあ……乗って。」
矢矧 「…………は?」
夕張 「乗って。」ニコッ
矢矧 「アッハイ」
長門 「笑顔とは本来、攻撃的な……とは、よく言ったもんだな。」
秋月 「司令や那智さんと別れ、舞鶴へ伺った数日後、私も乗せてもらったのですが……正直、その時のことは思い出したくないです。」
祥鳳 「そんな物騒な物に今から矢矧さんが乗るのですね……」
長門 「…………声は聞こえないが、窓ガラスを叩いて必死に訴えているな。」
秋月 「動き出したら喋っては駄目ですよ。舌を噛んでしまいます。」
祥鳳 「あ……動き出すみたいですよ。」
夕張 「それじゃあ、いっくわよ~!」
長門 「…………エンジン音が明らかに、普通の車とは違うな。」
祥鳳 「ギャンギャン唸って……まるで生き物のようですね。あぁいうものをモンスターエンジンとでもいうのでしょうか?」
秋月 「心なしか、矢矧さんの悲鳴が聞こえてくるようです。」
車内
夕張 「ぎゅんっぎゅんいくよぉ~!」
矢矧 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!止めて止めて止めてぇ!お願い、夕張さん!もう許してぇ!」
夕張 「まだまだこんなもんじゃないわよぉ!次は三連ドリフトとか決めちゃう?決めちゃう!?」
矢矧 「決めないで!下ろしてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
~ 数分後 ~
長門 「お……矢矧が下りて来たぞ。」
祥鳳 「……心此処にあらず状態ですが……えっと、大丈夫ですか?矢矧さん。」
矢矧 「うふふ……何とか漏らさずに生還したわよ……」涙目
夕張 「はぁーっ!楽しかった!また一緒に乗りましょうね。」
矢矧 「二度とごめんです!」
秋月 「とにかくお疲れ様でした!もう鬼役は出てきませんので、早く朝潮ちゃんを助けてあげてください。」
長門 「あぁ、そうさせてもらおう。」
◇◇◇◇◇
鎮守府正門 ・ スタート地点
北方棲鬼 「…………ゼロ、置イテク?」
朝潮 「私に訊かれましても……そもそも私、駆逐艦なので艦載機は搭載できないのですけど……」
北方棲鬼 「ザンネン……」
朝潮 「あっ!でも、私の御仲間に空母の方が居るんです。その方にあげたいので、やっぱりいただけますか?」
北方棲鬼 「ン。 ヤル。」
長門 「朝潮!鍵を見つけて来たぞ。」
朝潮 「あっ、皆さんお疲れ様です!……あの、人数が減っているように見えるのですが……」
祥鳳 「いろいろ遭ったんですよ……本当に、いろいろと……」
提督 「おっ!無事に朝潮を助けられたみてえだな。それじゃあ、これにて長かった罰ゲームを終了する!皆、風呂でゆっくり汗を流してくるといい。」
那智 「うぅ……今はあんまり入りたくない……」
提督 「まぁそう言うな。後で扶桑も向かわせる。入浴が済んだら……今夜は宴会だ。」
*****
〇〇一〇
鎮守府 ・ 母港
提督 「…………」つ玄米茶
那智 「鎮守府が変わっても、やはり貴様は此処に居るんだな。」つ日本酒+御猪口
提督 「ん……まぁ、好きな場所だからな。それより、抜けだして来ていいのか?他の鎮守府の艦娘達と宴会なんて滅多に無い機会なんだぜ?もっと楽しんで来いよ。」
那智 「充分楽しんできたさ。それに……貴様に少し訊きたいこともあったしな。」
提督 「俺が答えられることなんて、那智が殆ど知ってることだろう。」
那智 「そうでもないぞ。例えば……何で私の下着を握りしめて鬼ごっこを始めたのか……とか、わざわざ他所の鎮守府の艦娘達まで巻き込んで罰ゲームをしたのか……とかな。」
提督 「ん?………特に理由なんてねぇんだけどな。強いて言えば、俺の暇潰し?」
那智 「たかが暇潰しのために元帥殿や貴様の友人、更には天龍達……それも全員を巻き込んだのか?阿呆だろ、司令官。」
提督 「今更気付いたのか?俺は悪ふざけに関しては全力で取り組む人間なんだぜ。」
那智 「ふふっ、胸を張って言うようなことではないだろう。」
提督 「まぁな……けど、何だかんだ言って、お前も楽しかっただろ?」
那智 「…………まぁ、少しは……な。」
提督 「それに、走り回ることと痛みに耐えることで、良いトレーニングになっただろ?朝潮を助けるという1つの目標のために連帯感もより深まったんじゃないのか?」
那智 「そこだけ聞くと聞こえはいいが……最初の暇潰し発言の後だとなぁ……言葉に重みを感じられないぞ。」
提督 「提督として割とマトモなことを言ったつもりなんだけどな……」
那智 「だが……言動がふざけていようが、他の人間や艦娘が貴様をどう評価しようが……私達は信頼しているぞ。悪ふざけをしつつも、私達艦娘のことを最優先で考えてくれる貴様のことをな。」
提督 「ははっ、そいつはどうも。」
那智 「……さてと、また青葉に写真を撮られる前に戻るとするか。司令官も風邪をひく前に戻るようにな。」
提督 「おう。テキトーに戻るよ。」
◇◇◇◇◇
ここから後日談を手記で纏めておこうと思う。
今回の件を残した映像は、映像編集スペックに長けたリア友提督によってDVD化され、海軍本部 ・ 舞鶴鎮守府 ・ そしてウチに1枚ずつ残すことになった。
そして本部、舞鶴で今回来れなかった艦娘達のために放映したところ、様々な意見が飛び交い、興味を持った駆逐艦達が真似するようになった……なんて報も入ったが、お仕置きに熱が入りすぎて喧嘩にならないよう、監督はしっかりとやってもらいたい。
那智 「………あっ、そうだ。司令官に1つ訪ねたいことがあったんだ。」
提督 「ん?何だ?」
那智 「先日の罰ゲームの時、役目を放棄して扶桑を拉致した山城の件なのだが……あの後、どうなったのだ?」
長門 「それは私も気になっていたんだ。扶桑に尋ねても言葉を濁されてしまってな……」
提督 「ん?あぁ。なぁに、あんまり言いふらすほどのことでもないが……四つん這いにしたうえでパンツを摺り下ろし、元帥んトコの朝霜によるケツバットをお見舞いしてやっただけさ。」
那智 「うわぁ……」
長門 「相変わらず、えげつないことを……」
提督 「さぁて……次は何して日々を楽しむとするかな。」
大型建造で矢矧を狙い続けて数日……阿賀野の能代がよく着任してくれます。ん~……阿賀野型だけど、違う!そうじゃない!
はい!何とか無事に書き終えました。
今までの自分の作品を見返していると、だいたい文字数10000ちょっとだったのですが……30000。30000ですよ。
書き始めたときは 『 まぁ、すぐ終わるだろう 』なんて思ってたんですが……まぁ、その話は別にいいですかね。
『普段皆さんが映像で見ているものを文字で表現する』という自分では初の試みだったのですが、やっぱり難しいモンですね。
……いや、やる前から解ってましたよ。解ったうえでやってみたかったんです。
そして何とか纏め終わった今は後悔はなく、謎の達成感を味わってます。
この度は、この作を覗きに来てくださり、本当にありがとうございました!
また何か思いつき次第、自由気ままにSSを綴らせていただこうと思います。
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