No21 提督 『 久しぶりに 増える、黒髪艦隊! 』
慰安旅行から戻り、通常業務をこなし続けていたある日、とある案件の報告のために本部へと赴いた提督の耳に、朗報……吉報?とにかく、何かしらそんな内容の話を聞くことになる。
どうも、御無沙汰しておりますです!
無双ゲームでイケメンキャラは純粋に格好良いなぁと思いつつ、関羽や上杉謙信さんのような渋い……ダンディな殿方に魅力を感じる柔時雨です。
俺には出せない、あの漢の雰囲気……
さて!前回から結構日が開いてしまいましたが、またこうして投稿させていただきました。
上記の通り、ちょっと違うゲームなんかに現を抜かしつつ、ちょっと何か面白そうなネタはないものかとネットの海に入ってたりしてました。
( 1つ、興味惹かれるものがありましたが、それはまた次の機会に……)
さて、20話目で、まさか50000文字費やしてしまった分、こう……日常回に戻った時の文字数の差の酷さに目がいくかもしれませんが
そこにはあまり触れずに、緩い気持ちでまた覘いていってやってください。
それでは、どうぞごゆっくり。
キス島沖
島風 「はう・・・この私がやられるなんて・・・」大破!
睦月 「島風ちゃん!!うぅ……今の私達の攻撃じゃ、戦艦の装甲は……吹雪ちゃん!ここは撤退を!」中破!
吹雪 「そうだね……此処で全員轟沈するくらいなら……殿は私が勤めます!皆は撤退の用意を!」小破!
白露 「そんな!吹雪だって怪我してるのに、無理はさせられないよ!殿なら私が……」
吹雪 「大丈夫です、白露さん。私は旗艦ですので、轟沈することはありません。それに……旗艦が真っ先に撤退するわけにはいきませんから!」
白露 「吹雪……」
陽炎 「吹雪の言う通りよ、白露!殿は吹雪に任せて、私達は撤退しましょう!」
Libeccio 「Yes!ブッキー!絶対、無事に……っ!?ブッキー、危ない!!」
吹雪 「え……?」
戦艦ル級elite 「」砲撃!
吹雪 「しまっ……!」
扶桑 「させません!」砲撃!
駆逐艦's 「「「「「「!?」」」」」」
那智 「輸送任務の帰路で、何やら声がすると思って来てみれば……お前達、よく頑張ったな。これより、我等 『 辺境の黒髪艦隊 』 が、友軍の撤退を援護する!扶桑、祥鳳、艦載機を!」
扶桑 ・ 祥鳳 「「お任せください!」」
那智 「磯風と初月は彼女達と並走して、安全な海域まで護衛してやってくれ!此処は私達3人で何とかする!」
磯風 ・ 初月 「「了解!!」」
吹雪 「あっ……あの!どこの艦隊の方かは知りませんが、ありがとうございます!!」
那智 「礼は良いから、早く撤退しろ!扶桑、私の援護を頼む!!」
扶桑 「はい!しっかり、那智さんを御守りします!ですから、安心して……敵の殲滅を優先してください!」
那智 「承知した!!」
*****
慰安旅行から帰宅し、普段の日常に戻り通常任務や、援軍要請に応じて出撃したり、枯渇した物資の救援要請に応じて輸送任務をしていたある日、俺は報告のために海軍本部に顔を出していた。
元帥 「以前、一時期君の下へ行き、トラブルが遭って再びこちらで引き取った早霜が……最近、此処の食堂の一角で、夜間の間だけじゃが、バーを始めた。」
提督 「マジで!?那智が聞いたら、喜びそうだ。」
元帥 「ちなみに、千歳はかなりの頻度で入り浸っておるようじゃのう。」
提督 「あぁ、やっぱり……まぁ、その話も気になるが、とりあえず置いておくとして……ん。これが今回の報告書。けど、あんたのことだ。ウチが助けた艦隊を指揮していた提督殿から、既に報告書を受け取ってるんだろうけどな。」
元帥 「うむ。じゃが、どちらかの報告書に偽りがあっては困るからのぅ。無論、儂は教え子じゃった君達も、その他の提督達のことも信じておる。じゃが……それでも、やはり居るのじゃよ。虚偽の報告をしてくる輩が。」
提督 「報告書の内容だけでは 『 甲 』 な成績を収める提督殿の鎮守府に、期待満々で視察に行ったら残念な結果でした……ってか?箱の中身は開けてみるまで判らねぇってのは、よく言ったもんだな。」
元帥 「まったくじゃ。」
提督 「まぁ……何か遭ったら、また言ってくれ。ウチは海域解放に全力を注いでいない分、割と自由に動けるからな。ブラ鎮摘発の人手不足とかに困った時の出動要請や、今回みたいにどっかの艦隊の援軍に向かってくれ!みたいな救援要請を受けたら、俺達は快く引き受けるぜ。」
元帥 「うむ、ありがとう。その際は是非、力を貸してくれ。」
168 「失礼するわよ、元帥。今回の出撃の報告書を……あら?司令官、久しぶり!この間は、お土産のお菓子、ありがとうね♪」
提督 「おう、168。久しぶりだな、元気にしてたか?」
168 「えぇ!見ての通りよ。元帥は優しいし、他の潜水艦の娘とも仲良くやってるわ。」
提督 「そっか。その報を聞けて良かったよ。」
168 「ただ、私は司令官の艦隊のことがちょっとだけ心配……私がこっちに来てから、誰も潜水艦の娘が着任してないんでしょ?」
提督 「ん?…………言われてみたら、そうだな。駆逐艦や空母の娘とは何かと縁があるんだけど、軽巡と潜水艦はサッパリだな、はっはっは。」
168 「ねぇ、私から潜水艦の皆に話して、誰かそっちに行ってもらいましょうか?」
提督 「いや……気持ちは嬉しいけど、それは168の一存じゃどうにもできねぇだろ?爺さんの許可も必要だろうし、何より……その娘本人の意思を尊重してやりたいからな。」
元帥 「そうじゃのう。儂も意見を具申してきてくれたら、可能な限りそれを聞き届けてやるつもりではいるが、やはりその娘の意思や気持ちを第1に考えてやりたいのぅ。」
168 「そっか……じゃあ、とりあえず話すだけ話してみるわね。」
提督 「おう。まぁ、良い返事を楽しみにして待たせてもらうよ。」
168 「えぇ!それじゃあね、司令官♪」
— 168 退室 —
提督 「すまねぇな、爺さん。168が無茶なことを……」
元帥 「ふぉっふぉ、構わんよ。しかし、意外じゃのう……168なら、自分が君の所へ戻りたいと申すかと思っておったのじゃが……」
提督 「168もこっちでやるべき仕事を見つけて、それに対しての責任も把握しているんだろう。後で確認すりゃ、あんたも解るけど……この報告書、よく纏められてるぜ。そんな中でも、ウチの人員のことを心配してくれるとはな……優しい奴だよ、あいつは。」
元帥 「ふむ……そうじゃ!異動で思い出した。実は舞鶴からも1人、君の鎮守府への異動を申し出ている娘が居るのじゃよ。」
提督 「リア友の所から?それは、俺の知ってる娘か?」
元帥 「うむ。既に承認という形で受理しているのでな。近いうちに、そちらへ戻って来るじゃろう。それが誰かは秘密じゃ。」
提督 「そっか……じゃあ、俺はそろそろお暇させてもらうよ。その娘が来た時に俺が不在ってのは極力避けたいからな。168……潜水艦の件で進展があったその時は、電話で教えてくれ。」
元帥 「承知した。今回はわざわざすまんかったのう。そちらも精進してくれたまえ。」
◇◇◇◇◇
翌日
鎮守府 ・ 執務室
提督 「—————………ってなわけで、リア友んトコに行った誰かが、戻って来るそうだ。」
那智 「ほう、そうか。ふふっ、それは楽しみだな。誰が戻って来るのか……」
祥鳳 「うふふ。少しずつですが、こうして親しみのある娘が戻って来てくれるのは、やっぱり嬉しいですね。」
提督 「そうだな。けど……何でまた、戻って来る気になったんだろう?舞鶴で人間関係が上手くいってねぇって話は、今のトコロ聞いてないんだけど……」
那智 「ふむ……それは確かに……」
扶桑 「失礼します。旦那様、舞鶴から御味方が到着されましたよ。」
提督 「おっ!来たか。誰だろう……早速、入ってもらってくれ。」
扶桑 「はい。さぁ、どうぞ。」
「失礼するわよ。皆、元気そうで安心したわ!」
提督 「!そうか、お前が戻って来てくれたのか、五十鈴。」
五十鈴 「えぇ。長良型 2番艦、五十鈴。今日からまた、皆と一緒に戦ったり、共同生活させてもらうわ、よろしくね。」ニコッ
那智 「久しぶりだな、五十鈴。よく戻って来てくれた。」
提督 「いや、本当に……正直、俺は何で五十鈴が戻って来てくれたのか、理由を全然聞かされていなくってな……悪いが、ちょっと教えてくれないか?」
五十鈴 「別に深い理由は無いの。ただ、この間の慰安旅行の時、提督が舞鶴鎮守府に車を停めていたでしょ?あの時、たまたま見かけて……今のココの人員がどうなっているのかを把握したのよ。そしたら……相変わらず、軽巡が少ない……っていうか、まったく居ないじゃない!」
提督 「まぁ、元々、天龍に矢矧、五十鈴の3人としか軽巡の娘と出会わなかったし、旅行の時は皆それぞれ本部か舞鶴に行ってたからな……」
五十鈴 「えぇ。それで、私と一緒に舞鶴でお世話になっていた矢矧と話して…………」
✝✝✝
舞鶴鎮守府
五十鈴 「矢矧、ちょっといいかしら?」
矢矧 「? どうしたの?五十鈴。」
五十鈴 「あのね、ついさっき外に提督と那智さん達が来ているのを見かけたのよ。」
矢矧 「あら。それじゃあ、挨拶しに行かなきゃ……」
五十鈴 「残念。今は車を駐車しに来ただけで、そのまま今日は何処かへ出かけるみたい。だから、挨拶はまた後日ということになるわね。」
矢矧 「そうだったの。」
五十鈴 「それで話を戻すけど……その時、一緒に居たのは那智さんに磯風、祥鳳さんに扶桑さんと……初めて見る娘、おそらく先日此処に来た涼月の妹だと思うわ。」
矢矧 「よく見てるわね……ん?那智に磯風、祥鳳さんに扶桑さん……軽巡が居ない?」
五十鈴 「そうなのよ!まったく、五十鈴達がこっちに来てから結構日が経つのに、提督ったら新しい軽巡の娘に出会えてないみたいなの!だから、このままじゃ何かといろんなトコロに支障をきたすかもしれないから、私かあなたのどちらかが戻って力を貸してあげようと…………」
矢矧 「じゃあ、五十鈴。その役目、貴方に任せるわ!」
五十鈴 「えぇっ!?ちょっ……何でよ!?ここはもっと、ちゃんと話し合って……」
矢矧 「私だって、提督や向こうの皆のことは心配してるわ。でも……」
酒匂 「ぴゃあ!矢矧ちゃん、此処に居た!大変だよ、阿賀野ちゃんが…………!」
矢矧 「はぁ……これだもの。あっちに行きたい気持ちは山々でも、とてもじゃないけど阿賀野姉をこのまま放置して行けないわ。」
五十鈴 「あぁ……」
酒匂 「矢矧ちゃん!早く!」
矢矧 「まったく!今度は一体、何をしでかしたのよ!?能代姉は何してたの!?そういうわけだから、提督のことは貴方に任せるわ!……あっ、ちゃんと長良には話しておくのよ?」
五十鈴 「解ってるわよ。ここはもういいから、早く行きなさいな。」
✝✝✝
五十鈴 「………ということがあって……」
提督 「矢矧も苦労してんなぁ……」
五十鈴 「それで長良姉と舞鶴提督にこの話をしたら、快く承諾して、『後のことは任せろ!』って言ってくれて……」
那智 「今に至るというわけか。」
五十鈴 「えぇ。それで、久しぶりに此処に戻ってきて……驚いたわ。知らないうちに、正門付近に何か建築されてるんですもの。」
扶桑 「あぁ、図書館のことですね。」
提督 「妖精さんの力作だ。五十鈴もどんどん活用してくれ……って話はとりあえず置いといて、改めて……五十鈴、これからまた俺達に力を貸してくれ。」
五十鈴 「もちろん!そのために来たんですもの。この五十鈴に任せておきなさい!」
提督 「よし!……さて、真面目な話は此処までとして……ちょっと見ないうちに立派になったな……まさか、改二になって戻って来てくれるとは……」
五十鈴 ( 改二 ) 「ふふん♪ どう?改二になってより強化されたのよ。対潜と対空は五十鈴にお任せ!」
提督 「うん。性能にも驚かされたけど、それ以上に……その……胸が……随分、立派に成長して……」/////
那智 「確かに……もしかしたら、ウチで1番、大きいんじゃないか?」
扶桑 「あらあら。競うほどのことではないけれど……確かに、最初出会った頃から大きいとは思っておりましたが……」
提督 「やっぱり、軽巡の2番艦はスケベボディっつう噂は、事実だったんだな……」
五十鈴 「ちょっと!此処の代表各の人達が揃いも揃って何の話してるのよ!?……ところで、さっきから祥鳳さんが静かなんだけど?」
提督 「え?……あっ。」
祥鳳 「いいなぁ……いいなぁ……五十鈴ちゃんも改二になれて、いいなぁ……それに、胸だってあんなに大きくなって……いいなぁ……」
那智 「まずい!祥鳳がまた、心ここに在らずの状態に!」
磯風 「失礼する。先程、五十鈴さんがこちらへ向かうのを見かけて、初月に紹介してやろうと連れて来たのだが…………お取込み中だったか?」
提督 「いや、全然そんなことないぞ。」
五十鈴 「久しぶりね、磯風。それで、そっちの娘が初月……涼月の妹ね。」
初月 「………………」
提督 「ん?どうした?初月。」
初月 「………………」チラッ
磯風 「?」ポヨン
那智 「?」ポヨン
祥鳳 「?」ポヨン
扶桑 「?」バイ~ン
五十鈴 「?」ドタプ~ン
初月 「…………」ペタペタ
無言のまま初月は全員の姿を見渡した後、自分の胸に触れ……
初月 「…………」ジワッ……
微かだが、目尻に涙を浮かべた。
全員 「「「「「「初月(ちゃん)!?Σ ( ゜ ロ ゜;) 」」」」」」
提督 「大丈夫!初月はまだある方だから、もっと自信を持て!な?」
那智 「そうだぞ!大きくしたいなら、今度旦那様に揉んでもらうといい!!」
五十鈴 「那智さん……もしかして、もうお酒入ってる?」
初月 「ごめん……ちょっと、取り乱した。初めまして、五十鈴さん。秋月型 駆逐艦、4番艦の初月です!これから、宜しくお願いします!」
五十鈴 「うふふ。えぇ、よろしく。」
祥鳳 「これでまた、久しぶりに6人で出撃できますね。」
提督 「…………あっ、そうだ。」
扶桑 「どうされました?旦那様。」
提督 「実は昨日、本部で168に会ってな。」
那智 「ほぅ、168に。元気そうだったか?」
提督 「あぁ、そこは特に問題無く。それで、その時にウチの艦隊には潜水艦が居ない……って、話になってな。」
磯風 「そういえばそうだな。あまり気にしてはいなかったが……」
提督 「そこで本部に居る潜水艦の誰かにこっちに来てもらうよう、お願いしてみる!……と、168は言っていたが、その潜水艦の娘が何て言うかは判らん。けど、快く引き受けてくれれば、こちらも受け入れるつもりでいるから……まぁ、 『 もしかしたら、あと1人増えるかも 』 程度に覚えておいてくれ。」
6人 「「「「「「了解! ( ゚ ∀ ゚ )ゞ 」」」」」」
*****
同日 一四〇〇
那智 「……ん?旦那様、本部の元帥殿から電話だ。」
提督 「ん、ありがと。……もしもし?」
元帥 『すまんな、執務中に。』
提督 「別に気にしてねぇよ。あっ……今日の午前中に、五十鈴が無事に到着したよ。」
元帥 『おぉ!そうか。それを聞いて、安心したわ。それで、本題の潜水艦の件なのじゃが……』
提督 「あぁ~……やっぱり、いきなりだったから無理だったでしょ?」
元帥 『いや、それがのう……そっちに行ってみたいという申し出があってな。先程、受理をして……もうこちらを出発したのだよ。』
提督 「マジで!? 168以外で?」
元帥 『うむ、168 以外で。そういうわけじゃから、その娘がそちらに着いたら、仲良くしてやってくれ。』
提督 「あぁ、わかった。それじゃあ……あっ、168にも改めて礼を言っておいてくれ。」
元帥 『了解した。では、またの。』
— 通話終了 —
提督 「……ってなわけで、潜水艦の娘が新しくこちらへ着任してくれるそうだ。先程本部を出て……陸路か海路かは判らんが、もし鎮守府の正門付近や母港辺りで見慣れない娘の姿を見かけたら、此処へ連れて来てくれ。」
那智 「承知した。全体放送で、他の皆にも今の案件を伝えておくとしよう。」
◇◇◇
数時間後 一八〇〇
この季節は日の入りも徐々に早まり、周囲が割と本格的に宵闇に包まれるようになった頃……
五十鈴 「失礼するわよ、提督。」
提督 「ん?どうした、五十鈴。何か遭ったのか?」
五十鈴 「さっき、母港の辺りを歩いてたら、見慣れない娘の姿を確認してね。那智さんの事前放送を聞いていたから、此処まで案内してきてあげたわよ。」
那智 「もう到着したのか?思ったより早かったな。」
提督 「俺ももう少し時間が掛かるかと思ってた。まぁ、時間指定はしてなかったし、何かトラブルに巻き込まれることを考えたら全然、問題無いからな。うん、了解。それじゃあ、入ってもらえるかな?」
俺の執務室入室許可の声が聞こえていたのだろう。
五十鈴の後方にあった扉が開き、水着姿の女の子が入って来た。
「晴嵐運用のために生まれた伊号潜水艦、伊14よ。いいよ、イヨって呼んで。提督、よろしくどうぞ!」
提督 「おぉ!よく来てくれた!歓迎する……が、すまん!結構長い事提督をやってるけど、実際の所、俺はまだ潜水艦の重要性は知りつつも、君達の希少価値?レア度?みたいなものは把握しきれてねぇんだ。そんな未熟者だが……これから俺達と共に海の平和のために尽力してくれないか?」
14 「固い!固いよ、提督!でも、提督の言いたいことは解った……うん!任せてよ!これからよろしくね、提督。先に此処に居る皆と同じように、大切に運用してよね?」ニコッ
提督 「あぁ!もちろんだ!」
那智 「では、提督。私は先に食堂の方へ行っているぞ。ふふ……秘蔵の達磨も持って行くか。今夜ばかりは飲ませてもらうぞ!」
14 「!」
提督 「お前、普段から御構い無しに飲んでんじゃねぇか。たまには休肝日っつうのを作れって……いや、すまん。まぁ、その……細やかながら、五十鈴と14の歓迎会みたいなのを準備してるからさ。今日はとりあえず、楽しんでくれ。」
五十鈴 「あら?私もいいの?」
提督 「当たり前だろ。これまでの経緯はどうあれ、こうしてまたウチに着任してくれたんだから。扶桑や祥鳳、初月の時もちゃんとやったんだぜ?」
五十鈴 「そうなの?じゃあ、遠慮なく楽しませてもらうわ。」
提督 「14も。たぶん、まだ会ってない艦娘も居るんじゃないか?元々大所帯ではないけれど……この機に自己紹介と、他の皆の顔と名前は憶えてくれ。」
14 「は~い!」
*****
一九〇〇
鎮守府 ・ 食堂
提督 「え~……では、各々方……新しい仲間の着任を祝して、乾杯!」
艦娘's 「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
14 「那智さん、那智さん。」
那智 「ごく……ん?どうした?14。」
14 「さっき、執務室を出る時に言っていた秘蔵の達磨……もし、迷惑じゃなければ、イヨにもちょっとだけ分けてくれないかな?」
那智 「ん?何だ?お前、酒がイケる口か?ふふっ、いいだろう!司令官は下戸だし、他の皆もあまり飲まんからな。ちょっとと言わず、遠慮せずに好きなだけ飲んでいくといい!」
14 「本当!?んっふふ~、ありがとう!いやぁ、まさか姉貴のことを気にしないで飲める日が来るなんて思わなかったよ!」
提督 「……………」
磯風 「ん?どうした、司令?」
提督 「ん?あぁ、いや……14って、おそらく体はウチで1番小さいのに、那智と互角に杯を交わしてるのを見てな……純粋にスゲェと思ってたんだよ。」
磯風 「ふむ……なるほど。」
提督 「五十鈴は初月意外とは面識があったから、特に心配はしてなかったけど……14もあの調子なら大丈夫だな。元々の明るい性格に加えて、那智を通して皆と仲良くなっていくだろう。」
磯風 「ふふっ、そうだな。五十鈴さんに14に……心強い仲間が増えて、私も嬉しいよ。」
提督 「そうだな。俺もまったく同意見だ。けどまぁ、とりあえず……14、明日は初出撃してもらうつもりでいるから、あんまり飲みすぎるなよ。」
14 「え?あぁ、うん……大丈夫、大丈夫~。」
提督 「そりゃ大丈夫じゃねぇ奴の常套句だ。」
まぁ、見た感じ……思ってたより、すんなり打ち解けたみたいだし、特に問題はなさそうだ。
***
翌朝 一〇〇〇
鎮守府 ・ 執務室
提督 「…………」カリカリ
初月 「…………」ペラ……
提督 「なぁ、初月。」
初月 「何だい?提督。」
提督 「今日、お前が非番なのは重々承知してる……んだけど、何でわざわざ執務室で読書を?」
初月 「読書の秋だね。」
提督 「あぁ、そうだな。質問の答えになってねぇけどな。いや、初月が邪魔とか言いたいんじゃなくて、その……目の前で、そういうことされると、俺もサボりたくなるっていうか……」
初月 「…………提督も一緒に読もう。」つ三国志演技
提督 「何で、その結論に至った!?誘ってくれる気持ちは嬉しいけど!」
初月 「遠慮するな。元々、提督の本じゃないか。」
提督 「遠慮なんてした覚えは微塵も無いんだけど……ん?那智から通信だ。はい、もしもし?」
那智 『あぁ、旦那様。先程、無事に戦闘を終えることができた。誰も被弾していない、完勝だ。』
提督 「そうか、良かった……それで、どうだった?五十鈴と14を加えて、それぞれの艦種を組み込んだ編成にしてみたんだが……」
那智 『ふふっ……そうだな。五十鈴は言わずもがな、14もしっかり頑張ってくれた。敵空母や戦艦の動きを牽制してくれた働きが大きかったよ。』
提督 「そっか。じゃあ、今後も試行錯誤するつもりだけど、基本となる艦隊編成はそのメンバーで良さそうかな?」
那智 『ふむ……それは私だけでなく、今回出撃した皆の意見も聞いた後に決めるべきだろう。とりあえず今は……』
提督 「あ……あぁ、すまん。まぁ、完勝だったみたいだから、誰も怪我してねぇんだろうが……気を抜かず、全員無事に戻って来るように。」
那智 『あぁ。重々承知している。では、また後程。』
— 通話終了 —
提督 「……改二になって戻って来た五十鈴が、強すぎるようでござる。」
初月 「良い事じゃないか。」
提督 「そうだな。14も問題無く皆に馴染んで頑張ってくれたようだし……間宮券を用意しておかねぇとな。」
初月 「食欲の秋?」
提督 「いや、そういうわけじゃねぇんだけど……初月も何か食べてくるか?」
初月 「…………皆が戻って来てからでいい。」
提督 「ははっ、そうか。」
◇◇◇
数時間後
鎮守府 ・ 母港
14 「帰投しました!無事でなにより、だよね!」
扶桑 「うふふ。そうですね。」
提督 「お~!ちゃんと皆無事に戻って来たな。」
那智 「ふふっ、当たり前だ。帰路も特に問題も無く、第1艦隊……全員、無事に帰投した。」敬礼
提督 「うん、御苦労!さてと、さっきの那智との通信で大まかな内容は聞いていたが……五十鈴、14の頑張りが凄かったみたいだな。」
14 「えぇっ!?そんなことないよ。私から言わせてもらえば、敵に正面から突っ込んでいった那智さんや磯風ちゃん、五十鈴さんの方が凄いよ。」
五十鈴 「確かに五十鈴も那智さんや磯風と一緒に前線に出たけど、それも祥鳳さんや扶桑さん、14のサポートがあってこそよ。頼れる味方が後方や傍に居てくれるだけで、とても心強いわ。」ニコッ
祥鳳 「後方から援護する立場の私から言わせてもらえれば、前衛の皆さんが頼もしいと、こちらも安心して艦載機を放つことができます。14ちゃんのおかげで、敵の空母の牽制ができたのも大きいです。」
磯風 「早い話、特に問題も無く……むしろ、互いを補い合えて、皆が満足する結果を得ることができた。」
提督 「みたいだな。その喜びを今度は初月にも体験させてやってくれ。とりあえず、改めて……皆、お疲れ様。間宮券を渡しておくから、補給が終わったら楽しむといい。あっ……那智は甘味を楽しんでからでいいから、詳しい報告だけ頼む。」
那智 「承知した。」
✝✝✝
二二〇〇
鎮守府 ・ 執務室
提督 「ふぅ……今日も1日、御苦労さんでしたっと。」
那智 「初月が本日非番というのは、前もって知っていたので何もいうつもりはないが……それでも、やはり全員が出回り、残る1人が非番という今日みたいな状況だと、旦那様の執務にも支障が出たりするのではないか?」
提督 「だからって、非番の娘に休日返上で俺を手伝ってくれ!……って、言うのも可哀想だろ?ただでさえ、お前等は危険な戦場で命懸けて戦ってんだ。それに比べりゃ、俺の仕事なんて命の危険を感じないだけでも楽なもんさ。」
那智 「そうか?だが、まぁ……根を詰めすぎて、倒れる前に手伝いが必要なら言ってくれ。」
提督 「おう。その時は頼む。ところで那智さんや……施設内の増築で、温水プールを作りたいって言ったら、流石に怒るか?」
那智 「え?いや、怒りはしないし、妖精さんの技術があれば可能なのだろうが……予算面で難しいな。しかし、何でまた急に……」
提督 「いや、大したことじゃねぇんだ。ただ、14が仲間入りしてくれたからな。潜水艦の彼女がちょっとでも楽しめる場所を用意してやりたいな……って、おもっただけさ。」
那智 「なるほどな。まぁ、確かに……今日、ドック……もとい、風呂でいきなり飛び込んで、お湯の中を短時間だが潜水し始めた時は、流石に少し焦ったが……」
提督 「えぇ……そっか、そんなことがあったのか。んじゃ、まぁ……今は実現不可だけど、いずれそのうち……金銭面に余裕ができた時に、改めて考える方向性で。」
那智 「あぁ、その方向性で。まぁ、お湯を沸かす前なら、大きなプールの様なのだがな。」
提督 「それだ!……しかしまぁ、皆仲良くやってくれてるみたいで安心したよ。五十鈴と初月も昨日が初対面だったし……14なんて、今まで接点すら無かったからな。どうなることやら……とは思ってたんだけど、特に問題無かったな。元帥や168にも安心して報告できるよ。」
那智 「ん?まだ、報告していなかったのか?」
提督 「あぁ。さっきも言ったけど、14は皆との接点が無かったからな。此処に着任して、同じ時間を過ごして、一緒に出撃して……その辺を見極めたり、お前達の意見を聞いてから報告するつもりだった……んだけど……」
那智 「なら、艦隊を代表して私から報告しよう。14はよくやってくれた。他の皆とも仲良くしている……特に何も問題無いぞ。」
提督 「みたいだな。それじゃあ、明日そんな感じで爺さんに報告しよう。」
14という新しい仲間が増え、五十鈴も舞鶴から戻って来て……俺のせいで何やかんやあった艦隊に、笑顔や活気が戻りつつあることは、素直に喜ばしいことである。
風紀やら何やらに関しては固いことをいうつもりは無いので省略するとして……うん。この調子なら今後、何か遭っても大丈夫だろう。
現状維持っていうのも、素晴らしい言葉だしな。
本文を読んでくださった方々、ありがとうございました!此処から先は何てことない雑談になりますので、興味の無い方は遠慮いりません、お疲れ様でした。
さて……まぁ、読んでいただいた通りです。五十鈴が復帰し、新規で伊14がメンバー入りしました!
正直な話、14の存在は全然知りませんでした。それで、某ようつべの方だったかな……何かの艦これの動画で14の存在を知り
艦これのwikiで調べてみれば……まぁ、飲むキャラだったと……これは那智と絡ませんといかんやろと……そんな過程を経て『 こちら 』で艦隊入りしてもらいました。
(ゲーム?そっちは聞かんといてください……)
あと、14のお姉さん……伊13。彼女、何て読むんでしょう?いみ?
そして、前作から読んで頂いてる方々には久しぶり……五十鈴が戻って来ました。
実際、作中でも書いた通り、矢矧とどちらにしようか迷ったのですが……阿賀野ネタが使える矢矧には舞鶴に留まってもらおうという独断で
五十鈴をこちらに復帰させていただきました。oppaipuru-nnpurunn!
これも艦これwikiでの話になるのですが、黒髪艦隊のメンバーを選ぶとき、彼女達のカード(?)を見て選んだりしているのですが
個人的には川内も出してやりたかったんです。ニンジャ、いいです。
ただ、実際……改になる前の絵を見て
「(あれ?川内の髪……これは、茶髪か?神通は……ギリいける?那珂ちゃんは完全に茶だな。)」
とか思いつつ、改二の絵を見ると
「(んぁ!?川内改二の髪って黒じゃね?染め直したんか?くっそ、これなら作中に出しても……あぁ!でも五十鈴と14でまとまったしなぁ……)」
みたいな結果に。
あれは結局、焦げ茶色だったのか……?そんな自分の視力の悪さが自分で心配になる、今日この頃です。
さて!長々と此処までお付き合いいただき、ありがとうございました!
次に書きたい内容はちょっと決めているので、書く量が少し多い事と……俺のゲームしたい欲求を踏まえつつも
また、投稿できると思います。……『 近いうちに 』とか言いませんよ?確証のできない約束はしない主義なのです。
それでも、上記で述べたとおり、投稿は致しますので名前が上がってるのを見つけた時は
『あぁ、こいつ、また投稿してんなぁ』程度に、生暖かい目で覘きに来てやってください。
それでは、皆さんお疲れ様でした!また次話で御会いしましょうです。
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伊13の読み方は『ヒトミ』ですね。オドオドしてるけど芯の強い娘です。
今後も執筆頑張って下さいね、応援してます!
どうもです。
とりあえず、お帰りなさい五十鈴。
同時に14も加わったことで、
今後の更なる活躍に期待ですね。
そう言えば、少し前のSM本って....。
どちらかと言うことなのかな....。
矢矧はなんと言うか、
うん、お疲れ様です。
自分はゲームと言えば、
ごく稀にポケモンしたりしてますね。
英語版で挑戦したことがありますが、
正直会話とかは問題ないのですが、
名前の方が分からず、断念しましたね....。
ところで今更知り合ったのですが、
bw2のルリって娘、可愛すぎません?
次回のお話も楽しみにしてます!
失礼しました。
潜水艦で黒髪だから、てっきりまるゆさんが着任だと思っていた俺・・・。
>>2 SS好きの名無しさん
そっか、あれでヒトミと読むんですね。
潜水艦の娘達で、何の説明も無しに最初から名前を呼べるのって、8や58くらいかなぁ……と
( 168でイムヤ、19でイク……あぁ、数字そのまま読むんじゃないのか、みたいな衝撃に、当初は襲われました。)
ありがとうございます!牛歩の歩みのようなペースですが、ちょいちょい更新だせていただきますね。
黄鼬狐さん
コメントありがとうございます!
消去法で軽巡の五十鈴が帰って参りました。
いや、まぁ……天龍も矢矧も好きなキャラなんですけどね!一番、状況的に動かしやすかったのが五十鈴ちゃんだったでございますです。
14は結構前から気にはなっていた娘で、那智と絡ませてやりたかったが、どのタイミングで……と思っていたところ
前作……慰安旅行の回のコメントに、『キャラ増やして』的なことを仰ってくださった方がいらしたので
この機に出すか!ということで参戦してもらいました。
英語版のポケモンは確か、NNを12文字使えるそうで……
そんで、ルリさんの画像見てきました。確かに可愛いです……が……あれれ?
俺、この子に会ったことねぇなぁ……
それはともかく、ありがとうございます。また何か思いついたら、投稿させていただきますね。
㈱提督製造所さん
コメントありがとうございます!そして、ごめんなさい。
そっかぁ……まるゆの選択肢もあったか。14の存在を知ってから、呑兵衛キャラということも知り
那智と絡ませたい思いから、彼女を登場させました。
俺の作品に出してあげられなかった分、世のまるゆに幸あらんことを