第1巻 第120話 ライホウ
小咲 「へぇ〜、御柳君って、色んなお菓子屋さんを食べ歩いて、味を研究してるんだ!」
御柳 「ああ、いいお菓子を作るには、
年上の菓子職人(パティシエ)や和菓子職人の人が作った味を参考にするのが、努力の1つだからね。」
春 「それで御柳さん、菓子職人(パティシエ)志望なのに、ウチみたいな和菓子屋の味まで食べ歩いて、研究してるんだよ!
今まではお姉ちゃんが店番の日に偶然にも来なかっただけで、ウチにも何回も来てて、私も何回も会ってるんだよ!」
小咲 「へぇ〜、凄いね。
御柳君、今までどんなお菓子屋さんのお菓子が一番美味しかったの?」
御柳 「うーん、一番はね………」
カランコロン
春 「あ、いらっしゃいませ〜〜〜。」
? 「へぇ〜、この和菓子屋娘の姉の方が、星の光の素養に目覚めてると聞いたけど、
まさかその他にももう1人、いたとはナ!」
御柳 「!」
和菓子屋おのでらに入って来た客は、金髪でサングラスを掛けた、派手な風貌の男だった。
御柳 「あんた………この気配………!」
? 「オット、気づいた様だねボーイ。
まあ、そりゃそうか。
キミは素養のあるだけの一般人じゃ無くて、
既に星神に覚醒してるみたいだしネ!」
御柳 「くっ!………」
春 「?どうしたんですか、御柳さん?
このお客さんと、知り合いなんですか?」
? 「オット、お嬢さん、ワタシは客は客でも、和菓子を買いに来た訳じゃナイヨ。
私が貰いに来たのは………」
スッ
男はポケットから、シカの紋章が描かれた
黄色い星匣を出した。
? 「金星雷鹿 (きんせいらいか) ボルト!」
シュンッ
男が召喚の言霊を唱えると、黄色い星の光を纏った契約星神、金星シカのボルトが現れた。
小咲 「え!?アレって、滋賀県の琵琶湖に旅行に行った時や、千棘ちゃんの誕生日で見た………」
春 「え?え?何ですか、あの黄色いシカ!?」
小咲 「え!?春、あれが見えるの!?」
ボルト 「呼びましたか、ユスフ党首。」
ユスフ 「今日のターゲットは、あの姉妹の姉の方だ。
星の光の素養があるみたいだ。
星の光のエネルギーを、奪ってしまえ!」
店にやって来た男は、パピヨンコクーンの星神、ユスフ・エレキテルだった。
ボルト 「了解です。」
御柳 「……………」
ボルト 「さあ、ボーイ。キミも自分の契約星獣を出したらドウダイ?
このままじゃあ、キミのガールフレンドが星の光を奪われるよ!?」
小咲 「え!?」
第120話 完
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