提督「化け物の誕生」 叫喚地獄 (4)
*この作品は"提督「化け物の誕生」衆合地獄(3)"の続編となっております。まだお読みでない方は、是非そちらからお楽しみください。
また前作に引き続き、艦娘を暴力的に書いている箇所がございます。耐性のない方や、推しに対するイメージを崩したくない方は、十分ご注意ください。
[着任半年後]
天龍たちと戦って三日後。
私は気づけば医務室で寝ていた。聞いた話では、まるまる二日眠り続けていたという話だった。
私には、長門との会話を最後に記憶がない。だから鹿島になにがあったのか聞くことにした。
私は目を覚ましたその時から意識がはっきりしていたが、あばらは当然数本折れていたし、足の打撲や掌の傷もまだ色濃く残っていた。
そんな私を気遣ってか、医務室には鹿島や暁、時雨たちが駆けつけてくれていた。ちなみに応急処置は明石がしてくれたらしい。人間の治療には相当苦労したようだが、私としては申し分ない処置であると思う。
『それで…………私は、負けたのか?』
『…………』
『…………』
『…………』
『…………そうか、負けたのだな』
みなバツが悪そうに黙り込むだけであった。負けたという事実はすんなり受け入れることはできたが、無意味に彼女らの心を傷つけてしまったことについては、心苦しく思った。
『ごめんね………僕たちはあの時、明石さんに頼まれて工廠の手伝いをしていたんだ。これから出撃が行われるだろうから、兵装を用意しておこうって………。それがこんなことになるなんて…………』
『いやいいんだ!おかげで、形はどうであれ艦娘との交流はなんとかできた。それに、これで向こうも私を認知したわけだから、これからどうにかなるだろうさ』
『でも…………でも、司令官はこんなにボロボロじゃない!ここまでされてどうしてそんなことが言えるの!?』
『そ、それは………』
『大体、司令官は暴行を受けたこと自体そろそろおかしいと思うべきなのです!もっと別のやり方を考えるべきなのです!』
『そうよ!そんな体を張ったやり方じゃ、いつか死んでしまうわ!』
『お、お前たち…………』
『司令官、僕たちは恩人をみすみす死なせるわけにはいかないんだ。もう少し、自分の身が自分一人だけのものではないことを自覚してほしい』
『…………』
そう涙目で訴えかけてくる艦娘たちを頭ごなしに否定することはできなかった。
それから一ヶ月は治療に当て、ようやく復活したのは着任からすでに二ヶ月が経とうとしていた頃であった。
『それで鹿島、私が長門に負けたということは………』
『はい。艦隊指揮権は長門さんが牛耳っており、時折遠征や出撃を行なっているようです』
『そうか………。今更提督ヅラをしても誰もついてくるとは思えんからな……』
『はい。しかもここのところ、また近海での深海棲艦の動きが活発になっておりまして、先週は空母ヲ級との接敵も確認できました』
『雑魚ばかりかと思ったがもうそこまで来ていたか…………。艦娘の損失は?』
『今はまだ大丈夫ですが、今後さらに激化するとしたら………』
『今は長門が統率しているからまだいい。しかし艦娘である長門だけでは絶対に指揮系統にひずみがおき、いずれ大変なことになる。それに、長い間まともな出撃を行なっていない彼女らでは、突然の事態に対応できるとは思えん』
『では、どうすれば………』
『……………鹿島、頼みがある』
『な、なんでしょう』
『まず、艦娘たちが出撃や遠征をした時に消費した資材を、数字だけでもいいから逐一私に報告してくれ。それから、現在の戦線の状況も把握しておきたい』
『わ、わかりました』
『あと、入渠やバケツの状態も知りたいな…………。暁たちや時雨たちは今出撃中か?』
『いえ、多分寮にいると思いますが……』
『なら彼女らにも協力してもらって、状況をある程度わかったら報告してくれ』
『わかりました』
私が真っ先に行ったのはつまり、資材管理である。
艦娘は見た目は人間だが立派な艦船であり、燃料を飲み鋼材を喰らい弾薬を飲み込む。通常の食事も勿論、基本的エネルギー補給が必須である。
通常、鎮守府の運勢においてもっとも気をつけなければならないのは資材とドックの管理である。これがずさんだといざという時に艦娘が出撃できない、あるいは艦娘を治せないと言った事態になりうる。提督としての技量は、艦隊の指揮ではなくこれで判断されると言っても過言ではない。
佐藤中将もそこだけは理解していたらしく、艦娘を酷使することで手に入れた余剰資材をほかの鎮守府に横流ししていたらしい。勿論これは違法だ。軍内部での癒着と上下関係の軋轢を避けるため、無断での資材の受け渡しや艦娘の交換などの一切は認められていない。
『(とにかくまずは艦娘たちの生命線を充実させるべきだな…)』
『それで、提督はどうされますか?』
『私はお前からの報告を次第書類をまとめなくてはならない。それと………、そうだ、明石は今工廠にいるのか?』
『明石さんですか?はい、多分いると思いますが……』
『わかった。では鹿島、お前は仕事に取り掛かってくれ。私も私の使命を果たす』
『了解です』
〈工廠〉
『明石、お前に頼みがある』
『なんでしょう?』
『お前には一つ、小型の船を作って欲しい』
『ふ、船ですか?艦娘でも兵装でもなく?』
『船だ。人が一人か二人入れるスペースがあればいい。一人用クルーザーみたいな船を作ってくれないか』
『構いませんが…………一体誰が使うんですか?』
『私だ』
『な、なぜ?』
『理由は話せば長くなるが……………とにかく、これは君たち艦娘のためなんだ。どうだ、頼まれてくれるか?』
『………………わかりました。一週間時間をください。かならず期待に応えてみせます』
『ありがとう』
その一週間後、明石は一人乗りの小型艇を作ってくれた。そこそこスピードも出て、バッテリー式で充電してあれば最大4時間、全速力で走らせることができるものだ。
それなりに苦労したようだが、プロ顔負けのすばらしい船だった。明石は最後まで理由を知りたがっていたようだが、きっと反対するだろうからとにかく言わないでおいた。
〈鎮守府沖 鎮守府からの距離15km〉
「12時の報告に敵影あり………あれは駆逐艦だな。ん、重巡もいるのか?少し多いが、空母や姫レベルの連中はいないらしいな…」
夜の太平洋は寒い。それは季節問わず言えることで、たとえ風がない今日のような日でも、薄着で海に出るのは難しい。
「そろそろ戻ろう。充電もなくなりそうだし」
明石にもらった小型艇は、海域の偵察に使わせてもらっていた。無論私が使用している。
まず、なぜこんなことをしているのかという疑問についてだ。それは無論、ろくな作戦も考えず、せいぜい偵察機でぐるっと周囲を見渡す程度にしか敵を警戒しない今の彼女らの危険を排除するためである。あらかじめこうして海の様子を知っておけば、彼女らが傷つくリスクも減る。
次になぜ夜なのかという点だ。これはこの時間帯に彼女たちが寝ているからだ。昼間行動すれば必ず彼女らに知られてしまう。人間である私に支えられているなど知ったらそれこそ私の身が危ない。
そして最後は、なぜ私がやっているのか、という点だ。これは少し厄介な疑問だが、わかりやすく言うなら、書類仕事だけだと暇だから、だ。
提督の仕事は書類の整理及び提出・艦隊の指揮・資材管理の三つである。このうち艦隊の指揮はすでに長門のものであり私は手出しできない。資材管理は、出撃が稀な彼女らにとってはそこまで切り詰めたスケジュールを立てる必要がないからだ。となると残るは書類仕事。しかしデスクワークなんて、響きは嫌な感じだが、実際は鹿島が協力してくれるおかげで恐ろしいスピードで終わってしまう。具体的に言うと、朝からやれば昼には終わる。
しかしそれでは判子を押すだけの機械同然である。そこで私が考えたのがこれだ。
「まあ実際、未だ鹿島たちには反対されているが………。これがないと彼女らが危ないからな。前は姫レベルがいた時もあったしな」
そう一人でぼやきながら、私はエンジンのスイッチを入れた。
〈鎮守府内 執務室〉
明かりが全て消され、月明かりだけが頼りの暗い鎮守府内を進み、唯一電気がついている執務室に入る。
「ただいま…………って誰もいないか」
「いますよ、提督」
「うわぁっ!?って青葉か……」
「はい!鎮守府の情報屋、青葉です!」
私の夜間偵察のことを知るのは鹿島と明石の他に、この青葉がいる。
私が夜中にこっそり抜け出していたのを、私のスクープを狙って尾行ないしストーキングしていた青葉に発見され、バレてしまったのである。
「よくこんな時間まで起きていられるな」
「私は基本出撃しないので。それにっ、こういうの、スパイみたいで割と楽しいですよ!」
「はいはい………これ、今日の海の様子」
「どうもですっ!ふむふむ…………じゃあこれ、記事に載せちゃいますね〜」
バレた後で知ったのは、まず、青葉が数少ない提督保守派の艦娘であったということだ。
『だって提督は救世主なわけですよね。じゃあむしろ快く受け入れるべきなんですよ!私たちは人間がトラウマになっているだけで、提督は全然悪い人じゃないはずなんです!』
確かそんなことを言っていた。
初めて青葉がこのことを知った時、青葉は私に関するスクープを狙っていたわけで、これもまた記事になるには足ることではあった。
しかし私はこのことを知られたくなかった。彼女たちに知られると色々と面倒だからだ。だから私は取引をすることにした。
『なあ青葉』
『なんですか?』
『お前は記事が欲しいのか?記事になるようなネタが』
『はいっ!なんといっても、私の武器は情報ですから!』
『そうか…………なら、どうだろう。私が手に入れた海域情報をお前に譲るというのは』
『ええっ!?いいんですか!?』
『ただし、私が提供したというのはオフレコで頼む』
『それくらいの条件なら飲みますよ。でも、本当にいいんですか?』
『下手にお前に記事にされても困るし、なによりせっかく手に入れた海域情報を、いちいち鹿島から伝言ゲームで艦娘たちに伝えていくのは大変だから』
『………わかりました。この青葉にお任せください!』
この鎮守府には青葉が週に一度くらいのペースで刊行する、「鎮守府新聞」というものがある。
これは青葉が手に入れたニュースやアクシデントの情報をまとめたもので、なくなった下着の捜索願いから海軍内の噂まで、どこで手に入れたか分からない情報を艦娘たちに提供していた。
佐藤中将のときも、頻度は低いが刊行していたらしく、時には佐藤中将にとって都合の悪いことを掲載したために、危ない目にあった時もあるという。
私は真実を伝える分には一向に構わないと思っているので、今のところ青葉の新聞に口出しするようなことはない。
「………はいはい、わかりました。どうも、今回もありがとうございます!」
「どういたしまして、というか、お前が新聞を出してくれないとこの情報も無駄になるからな。礼を言いたいのはこっちだ」
「そんなそんな滅相も無い!…………でも提督、どうしてご自身からお伝えにならないのですか?伝言が無理なら、館内放送でもなんでも使えばいいのでは?」
「…………この鎮守府の艦娘がみんな、私の言うことを素直に聞いてくれればな」
「あっ」
「じゃ、よろしくな。私はもう寝る」
「は、はーい。おやすみなさーい……」
青葉は地雷を踏んだとばかりに苦笑いをして、そさくさと寮に戻っていった。
[明朝]
〈執務室〉
なんだかんだ言って、全員がわたしを敵視しているわけではなかったことが唯一の救いであった。
「提督、こちらの書類、終わらせておきました」
「おお、ありがとう。鹿島は仕事が早くて助かるよ。本来なら私がやるべきなのに」
「いえいえ、これも秘書艦の務めです。それに………」
「なんだ?」
「提督、目の下にクマができてますよ?」
「………」ギクッ
「夜中に何をしているか知りませんけど、ほどほどにしてくださいね」
「ああ………。すまないな」
夜間偵察のことは青葉以外の誰にも言っていない。秘書艦の鹿島も当然知らない。鹿島はしっかり者だが、少し心配性なところもある。余計な負担をかけるわけにもいかないし、反対されるに決まっている。
「では、私はまた戦績を聞いてきますね。提督、書類方は」
「ああ分かってるよ。居眠りなんてしないから安心しろ」
「了解です」
早いものでこの鎮守府に来て半年が過ぎた。そうち一ヶ月は医務室に世話になっていたし、そこから今の生活にするまでまた一ヶ月ほどかかったが、私は今の仕事を受け入れ始めていた。
朝起きて、飯を食い、書類を整理して、夜になったら海に行く。普通の提督なら絶対にあり得ないスケジュールだが、これもこれでいいと思う。
鹿島や明石、暁や時雨たちも優秀だ。言われたことはすぐにこなしてくれるし、何より互いを思いやる優しさがある。本当にいい子達である。
しかし、依然として大多数の艦娘は私をよく思っていない。
コンコン
「入れ」
「ちっーす、邪魔するぜ〜」
ほら来た。
「天龍か………。それに、摩耶も」
「今日も机とにらめっこか?提督ってのは随分気楽だよな、戦わなくていいんだからよ」
「違うぜ天龍、人間は腰抜けだから、戦う気がないんだろうよ」
「違えねぇ。はははは!」
「………」
「……………なんだぁ、その目は」
「………」
摩耶は私に近づくと、机を挟んで私の胸ぐらを掴んだ。
「しっかし、いつまでも気に入らねぇ奴だな。なあ、お前いつまでここにいるつもりだよ?」
「………異動願いが来たらかな」
ドガッ!!
「ぶぐっふぅ!?」
「いきなり頭突きかよ。摩耶も容赦ねぇな」
「いいだろ別に。…………おいおい、たった一発でへばったわけじゃあねぇだろうな」
「ぶっ、ふぅ……っはぁ」
「鼻血ダラダラだな。おい、摩耶パス」
「はいよ」
摩耶はそのまま力任せに私を放り投げた。そこに合わせるように、天龍が蹴り上げる。
腹部にめり込んだつま先が、意識を飛ばしかけるほどの痛みと呼吸困難を引き起こす。
「がぁぁぁぁっ!?ごふっ、あがっ」
「はははっ!いいねぇその反応!もっと鳴いてみろよ、ホラッ!」
「〜〜〜〜ッッ!!!」
「天龍ばっかりずるいぜ。私も混ぜろ、よっ!」
「がっはぁっ!!」
天龍の摩耶は思いのままに私を蹴り続ける。
彼女らは決して顔や指先は蹴らない。外傷がはっきり見えてしまうからだ。側から見ればなんともないように、腹や胸を重点的に蹴る。
彼女らは蹴りながら笑う。嗤う。わらう。
「………よし、朝の運動終わりっと」
「おーい、提督生きてるかー?」
「はぁ、はぁ……」
「よせよ。呼吸を整えるので精一杯だ。つーか飯行こうぜー」
「おう、そうだな。じゃ提督、また遊んでくれよ」
10分くらい休みなく蹴り続けたあと、清々しい顔をして二人は帰っていく。
これもいつものことだ。
「いててて………。くっそっ、本当にあの二人は容赦がない………」
鼻血を手でぬぐいながら、意味もなく悪態をついた。
今日は腹を重点的にやられた。飯前だから吐くことはなかったが、士官学時代ですら体験しなかった痛みが未だに残っている。
二人が来る前と同じような静寂の中で、ぼんやりと時計をみた。
「9:00か………。もう少ししたら、食堂に行こう………」
[0945]
〈食堂〉
私の朝食の時間は、この半年でとうとうここまで遅くなった。
0800。起きてすぐに食堂に行った着任当初ではあったが、私の怪我が治ってからは、食堂でも暴行やいやがらせを受けることがあり、今では皆が食べ終えるこの頃に食堂に行くようにしている。
もし時雨や暁たちが一緒なら、朝早く食べに行っても問題ないかもしれないが、駆逐艦といっても少女に守られて飯を食うというのはいい笑い物だし、艦娘同士の不仲は避けたいところだ。
食堂に行くと、テーブルには誰も座っていなかった。厨房の方では、間宮が忙しそうに食器を洗っている。
「おはよう……間宮」
「……………………」
「あー、間宮」
「……………………」
鎮守府の料理長、間宮も、私を、というか人間を敵視する艦娘の一人である。もうずっと、まともに会話してくれていない。
「なあ、間宮」
がちゃん!
「…………」
「…………これでも食べてください。今私は忙しいので」
「……………ああ、わかった」
出されたのは、おそらく朝食に出されたのであろう、サラダと味噌汁と生姜焼きとご飯………を、すべてぐちゃぐちゃに混ぜて一つの器に盛ったものであった。
平たく言えば残飯である。
「いただきます………」
「………………………」カチャカチャ
適当な椅子に座り、残飯を口に入れた。
不味い。しかし文句を言ってどうにかなるわけもなく、その分他の連中からの暴行が増えるかもしれない。今の私にとって、黙って食べることが最善策だった。
「………いい気味」
「!!」
間宮がぼそりと呟き嗤ったのを、私は不幸にも聞いてしまった。
器を叩きつけてやりたいほど惨めに思ったが、結局私は自身の味覚の悲鳴を無視して、全て平らげた。
[1400]
〈廊下〉
艦娘からの暴行は食堂や執務室に限らない。廊下だって危険だ。
例えば工廠に移動するとき。執務室のある管理棟はほとんど艦娘が出入りしないが、工廠とそこまでの通路には艦娘がいることがある。無論出撃や遠征を行う彼女らがいてもなんら疑問はない。
むしろ彼女らにとっては、人間こそ異物。
「それでね潮、さっき………」
「うん…………あっ、」
「……………」
「……………」
楽しそうに話しながら話す、曙と朧と潮。しかし私が見えた途端に口を閉じる。
私は一人。当然口を開くことはない。
「………」
「………」
「………」
「………」
目を合わせることもなく、普通に通り過ぎる…………わけもない。
ドガッ
「ッ!!?」
「「「…………」」」
突然、腰のあたりに鋭い痛みが走った。無防備だった私はそのまま前に突っぷす形で転倒する。
胸を強く打ち、一瞬間呼吸ができなくなる。咳き込みながらもなんとか呼吸を整えて後ろを振り返ると、彼女らは振り返りもせずに歩いて行った。
潮と朧が、少し申し訳なさそうな顔でほんの一瞬こちらを一瞥に、そしてそのまま視線を曙へと移した。
「(蹴ったのは曙か………やれやれ)」
駆逐艦は見た目は少女。しかし重い艤装を身につけて戦う彼女のパワーは人間を遥かに超える。
あんな中学生程度の見た目だろうとも、蹴られればたとえ鍛えている体でも相当のダメージとなる。
私は腰をさすりながら、また何も言わずに工廠へと向かった。
[1300]
〈執務室〉
「ああっ…………一体誰が……!」
工廠での仕事を終え、執務室に帰ると、そこには嘆く鹿島の姿があった。
「…………」
「ん…?あっ、提督!そのっ、これは……」
午前中に仕上げたはずの書類がズタズタに破られ、おまけに引き出しの中身がひっくり返されてぶちまけられている机に、最近取り付けた、唯一と言ってもいい執務室の窓が破られているという、明らかに"荒された"惨状であった。
どうやら鹿島も今来たところらしく、荒らされた机の上に、真新しい書類が置いてあった。おそらく資材に関する報告書と戦績についての書類だろう。
鹿島は怯えたような表情で私を見た。やったのが自分でないとはいえ、私が怒り狂って艦娘たちを叩き斬りにいくものだと思ったのかもしれない。
「………鹿島、お前が謝る必要はないからな。来るタイミングが悪かった。困らせてしまったな」
「そ、そんな………。…………て、提督は誰か、心当たりがありますか?」
「……………ないな」
「そうですか………」
鹿島はそのあとしばらく黙り込み、そして私の横を通り過ぎて執務室を出ようとした。
「どこへ行く」
「艦娘寮へ………」
「待て」
咄嗟に鹿島の肩を掴み進行を止める。鹿島は振り返らず、しばらく黙った後、震え声で話し始めた。
「…………どうして、止めるのですか」
「嫌な予感がする。身の危険というより、なんというか、今お前が考えていることはきっとやめておいたほうがいい」
「……離してください」
「何をしに行くつもりだった?艦娘寮に戻ってどうするつもりだった」
「離してください」
「鹿島、お前がこれを見てどう思ったかは知らん。しかし何を思ったにせよ、やっていいことと悪いことが、」
「離してください!!!」
とうとう鹿島は、今までで一番大きな声で、悲鳴のように叫んだ。
掴んだ手を通じて、鹿島の肩が震えているのがわかる。
「どうして提督は何もしないのですか!?ここまでされて、あんな仕打ちを受けて、提督が何をしたっていうんですか!!」
「鹿島………」
「あなたは私たちを救ってくださいました。そのうえ提督として私たちの元に来てくださいました。そしてそこから半年間、今の今までずっと、私たち艦娘のために、己が身が傷ついてもなお、尽力してくださいました」
「…………」
「なのに………なのに!!どうして提督ばかりこんな目に遭われるのですか!!どうして誰も提督を受け入れないのですか!!どうして…………どうして誰も、提督を…………ッ!?」
涙を必死にこらえて、震えた声で怒りを吐き出していく鹿島を、私は無意識に背後から抱きしめた。
突然のことに鹿島は声を詰まらせ、先ほどとは打って変わって大人しくなり、恐る恐る私に問いかける。
「て、提督…………?」
「鹿島よ、よく聞け」
「は、はい」
「彼女らが私にしていることを、お前がどれだけ知っているかは知らん。それに対するお前の怒りがどれほどかも、私にはわからん」
「………」
「しかしお前が怒ってくれるのは、私は嬉しい。思えば私はお前に背負わせすぎていた」
「!そっ、そんなことは……」
「着任したときからずっと、お前はわたしを支えてくれた。勿論、明石や暁たちもだが、人間に少なからず憎しみを持つお前が、こうして私のために怒ってくれるのは、とても嬉しいし、頼もしく思う」
「………」
「だがお前は頑張りすぎているんだ。お前がわたしの代わりに怒ってくれる必要はない」
「………………しかし、わたしは許せません!提督が苦しむのを黙って見過ごせと言っているんですか!?」
「そうだ」
「どうして!?」
「彼女たちは悪くないからだ、鹿島」
「え……………?」
「佐藤中将を殺したとき、確かにわたしはお前たちを救った気でいたのだと思う。でも今思えば無責任もいいところだ。今までずっとあの男の暴虐に気づかないでいたのに、いざそれを知ったらまるで厄介者のようにお前たちを扱い始めた」
「………」
「みなここがブラック鎮守府だと知っていた。知っていて助けなかった。それが公になって初めて、お前たちに優しくしても、お前たちは納得しないはずだ。彼女らは悪くない。悪いのは全部人間だ」
「あ……ああ………」
「最近わかるようになった。わたしが負うべき責任は、理不尽から解放されたお前たち艦娘の未来よりむしろ、我々人間の無責任だと」
「ああ…………」
「だから彼女らを責めないでやってくれ」
恨むなら私を恨んでくれ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
鹿島は途端に大声で泣きだした。正面から抱きしめてやると、私よりもっと強い力で抱き返してきた。いつもはスマートに仕事をこなす彼女が、今だけは乱暴に感情を暴露した。
私のためにここまで思ってくれる鹿島を見ると、本当に、腹の底から感謝しかない。そしていつまでも不甲斐ない自分に腹が立った。
「ありがとうな、鹿島。大丈夫だ。いつかきっと、彼女らとも分かり合えるさ」
[2300]
〈鎮守府近海〉
「………………」
満天の星空。月明かりが海の表面を照らし、水平線では空と海が混じり合って、まるで360度のプラネタリウムのような、そんな幻想的な暗黒の中に、私は船を浮かべていた。
小型艇に、海図とペンと双眼鏡とコンパス、そして意味もなく軍刀を詰め込んでここまでやってきた。いつもの日課のために、今日も海を観察する。
最近はかなり深海棲艦が多くなってきた。夜間の数から大体どれくらい戦線が後退しているのかはわかるが、どうやらここらの海域は相当連中に奪取されてしまっているようだ。
思えば、最近暁たちや時雨たちが忙しそうだったのも、出撃した際消費した資材確保のための遠征に駆り出されていたらしいし、長門などの艦娘たちの中枢を担う者たちも忙しそうだ。相変わらず嫌がらせは時折あるが、向こうも向こうで艦娘としての職務を全うしているようだ。
「…………」
走らせていたペンを止め、ふと思う。
人間とはなんだ。
深海棲艦との戦いが始まり幾年すぎたかは分からないが、未だ互いに勝敗を決することができていない。戦いは膠着状態に陥り、優勢劣勢の区別もつかないほどにただ戦という生き物を延命させているだけであった。
我々人間が作り出した艦娘。見た目は完全に人だがれっきとした兵器である彼女らは、兵器であると同時に兵器たる使命を果たしている。
主砲を構え、副砲を携え、魚雷を放ち、艦載機を飛ばす。彼女らは紛うことなく兵器であり、それに疑いの余地はない。
しかし我々人類はかの大戦以前より、自分たちより優れたものを発明してきた。それはダイナマイトや蒸気機関、かたや核弾頭にいたるまで様々である。我々は我々を殺すために、我々には手に負えない兵器を生み出した。
そして今日、我々は深海棲艦を倒すためにまた新たな兵器、艦娘を生み出した。そしてこれも例外なく、人間には手に負えない。
砲身を支えるその腕は下手なボクサーよりずっと強く、艤装を支える脚で蹴られたならばサッカーの試合のファールどころではすまない。また到底人間では使えない兵装を見れば、艦娘が人間に従っていることがおかしく見えてしまうくらい、その力は強大である。
我々人間は我々を超えるものをまた生み出した。我々のために。
しかし当然、この矛盾に満ちた均衡が崩壊するときは来るはずだったのだ。艦娘が人間を社会的、または地位的に超える時が。まさに今、この鎮守府がそれだ。
佐藤中将がいなくなったことによる人間への反乱、ないしストライキが起こったのはある程度考えればわかっていたはずだ。人間のために生み出されたとはいえ、自分より弱い者を守る、自分より弱い者に平伏するのは、あの男の元にいれば少なからず疑問に思うはず。そして奴が死んだ時、突然舞い降りた自由を彼女らが見逃すはずもない。
そして彼女らは自由を手にした。その強大な力をもって、もう2度と平伏する側にはならないと誓い、私と、私以前の新任提督をことごとく拒絶した。
元を辿れば人間が生み出した者たち。しかし今では、少なくともこの鎮守府では私という人間はまるで害虫扱いである。上下関係、力関係は完全に反転した。
我々人類がは、ひょっとすると深海棲艦にではなく、我々が作った艦娘に滅ぼされるのかもしれない。
「……………」
笑えない冗談だ。
人間は弱い。あまりにも。自分たちが作った兵器にすら、傷つけられる。
私が守ったのは、あの時人を殺してまで守ったのは、人間を守ってくれる、海原を駆ける少女たちではなく、近い将来人間を滅ぼす可能性だったのでは?
「………………くそッ」ガタッ
考えなければよかった。
責任を負うと言っておきながら、彼女らを疑ってしまった。これはまずい。鹿島にあんな風に言っておきながら、しっかり彼女らを恨み始めている自分がいる。そしてそんなことを思うようになってしまったことに、そうさせた過去の自分に腹がたつ。
助ければよかった?いやそれはない。たしかにあの男はクズだった。しかし艦娘たちはどうだ?なぜ私は今彼女たちに…………。
「…………………やめだやめ。考えると頭がおかしくなりそうだ。海図も描き終わった。帰ろう」
乱暴に筆記用具と紙と双眼鏡をしまい、船のエンジンをかける。
早く帰って何も考えずに寝たい。
「ん……………?」
ちょうどその時、ほんの僅かだが、飛行機、というか艦載機の音がした。
上を見上げると、趣味の悪い、というか君の悪い異形の艦載機が遥か遠くでこちらに向かっているのがわかった。
「(深海棲艦の艦載機か!?肉眼で見えるってことは、かなり近いぞ!早く鎮守府に戻らなくては…………)」
エンジンがかかったのを確認し、私は急旋回して鎮守府に真っ直ぐ戻った。
[それから数日後]
〈鎮守府 艦娘寮 大広間〉
艦娘寮はいくつもの部屋があるが、大体は同じ広さである。
姉妹ごとに分かれていたり、仲が良い者同士に分かれていたりして、一部屋大体4、5人は入れる広さだ。しかしこの大広間は、ゆうに数十人は入る広さであった。
それもそのはず、この部屋は一階の三つの部屋の壁を壊して一つにつなげた大部屋なのだから。
どこから入手したかもわからない長テーブルとソファに艦娘たちは各々座り、いつしかここは艦娘たちの会議室兼憩いの場となっていた。
「しっかし………あいつ、よくまだ辞めねぇよな」
「全くクマ。どういうつもりなのかな?」
金剛が出した紅茶を飲みながら、気だるそうに話し出したのは軽巡の天龍と球磨であった。
「でも天龍ちゃん、あれはちょっとやりすぎにゃ。暴力なんて、いつか自分が痛い目に見ても知らないにゃ」
「多摩さんよ、別にいいだろそんなこと。それにあんたらも、一度だってあいつと会話してねぇよな?避けてんのか?」
「厄介ごとには首を突っ込まないだけクマ。向こうは何回か話しかけてきたけど、無視してるだけクマ」
「俺とやってること、あんま違いねぇじゃねぇか。…………なぁ、金剛さんはどうなんだ?なんかあいつにしてんのか?」
「NO。人間なんて関わりなくもないネ。比叡たちも同じように思ってるみたい」
「だろうな。まあ、何人かは提督に懐いてるみたいだが……」
「……………それは僕のことかな、天龍さん」
悪態をつく天龍たちに、噛みついたのは時雨である。
「ああ?いやぁ、別に、誰なんて言った覚えはねぇが………、おいおいそんな睨むなよ」
「天龍さん、僕たちが見ていないところで何をしているかは大体見当がつくよ。ただ証拠がないってだけでね。提督にも聞いたけど、何もないの一点張りだよ」
「そりゃそうだ。俺は何もしてねぇよ。なぁ?摩耶」
「そうだな。ふふふ」
「……………下衆が」
「あ?」
普段は温厚な時雨が、はっきり聞こえるような小声で言った暴言に、いつも短気な天龍は早速喰らい付く。
「おいおい………よせ天龍」
「ちょっと、時雨……」
「引っ込んでろ木曾」
「夕立、すぐ終わらせるよ」
離れて座っていた二人はそう言いながら立ち上がり、互いに細い目で睨みながらゆっくり距離を縮める。
紅茶の香りが漂い、談笑を楽しむ艦娘たちの憩いの場が、急に緊迫した雰囲気になってきた。
「やるか、時雨」
「来なよ、僕は負けるつもりはない」
二人は勿論艤装を外している。ならば必然、戦いは五体のみを用いた肉弾戦。
互いの距離はとうとうテーブルを挟んだ分だけのなった。戦場でも見せたことのない二人の闘気、ないし殺気に、艦娘たちはいよいよ、笑い事ではないと二人を心配そうに見つめた。
「やめろ!二人とも!」
「「!!」」
今にも取っ組み合いを始めんとする二人を、鶴の一声で制したのは、艦娘統率者の長門であった。
「…………けっ、わかったよ」
「…………」
「全く、下らんことで騒ぐな。出撃と遠征を終えて、休んでいる艦娘もいるというのに」
「そんなの少ししかいねぇだろ………」
「何か言ったか?」
「いや別に」
「まあまあ長門、そうカッカしないの」
「陸奥か。私は冷静だ」
「元が怖いんだから、もっと優しくしなさいよ」
「なっ………」
統率者としての威厳を撒き散らす長門を、陸奥は軽くからかって場を和ませる。幾人の艦娘が、『陸奥さんグッジョブ!』と思ったことだろう。
「つーか長門さんよぉ、俺前から聞きたかったんだけど、一つ質問いいか?」
「なんだ、天龍。金剛、紅茶ありがとう」
「your welcome♪」
「なぁ………、長門さんは、どっちなんだよ。提督を追い出すか否か」
ピタリ、と一瞬間空気が止まった。そしてまた急速に動き出し、先ほどと同様の緊迫感が漂う。
現在艦娘は、提督保守派と提督排斥派で二分している。大半は排斥派だが、その中には実は、提督をそこまで憎んでいないものもいるはずだ。
しかし長門がどちらかは誰も把握していなかった。長門は常に艦娘全体の利益と幸福のために尽力しているが、対人間の考えを誰も知らなかった。しかしここでそれが教えられるというのはつまり、艦娘のリーダーがどちらに属するか、というのがわかるのを意味した。
つまり、艦娘全体がどちらに進むのかが決まるわけであった。
「………どちら、か」
「ああ。俺はまどろっこしいことは嫌いだ。こういう事は誰も聞きはしないけどよ、はっきりさせたいんだよ、俺は。あんたの言う下らない争いってのがなくなるためには、必要な事だと思わねぇか?」
「………」
「ちょっと天龍ちゃん、そんなこと……」
「いや構わん龍田。いい機会だ。話そうじゃないか」
「そうこなくちゃな」
ティーカップを置き、少し考えたあと、長門は口を開く。周りの艦娘たちの視線は一斉に長門に向けられる。
「私は…………あの男は、人間としては受け入れることはできる。それに、悪い人間ではないと思っている」
「ほう?」
「………」
「長門…」
「あの男、今までの連中よりは根性も正義感もあるようだ。信頼に足る人間であると思う。嫌いではないし、追い出すつもりもない。こちらに害がない限りはな」
「長門さん………」
「……けっ」
「しかし、提督としては話は別だ」
「「「「!!」」」」
「まあもっとも、どんな奴が提督になろうとも、私は認めるつもりはない。我々は我々だけで十分うまくやっている。人間に従う理由もない。あの男は技量はあるらしいが、それでも必要不可欠というわけではないからな。天龍」
「な、なんだ?」
「どちらかと問われれば、私は保守派よりだ。しかしそれは害がない間だけの話で、こちらにとって損になるならさっさと追い出すつもりだ」
「……………そーかい。わざわざ答えてくれてありがとうごぜーます」
「皆も聞いてくれ。お前たちが今提督にしていることをとやかくいうつもりはない。だが私はあくまで保守派だ。それだけは理解しておいてくれ」
「「「「………」」」」
「な、長門さん、ありがとう」
「勘違いするなよ、時雨。私はあくまで保守派側であるだけで、あいつがおかしな行動をとったらすぐき追い出す。わかったな?」
「うん………ありがとう」
艦娘のリーダー、長門の保守派宣言により、多くの艦娘は複雑な面持ちになったが、時雨以下保守派の艦娘はほっと安堵した表情であった。
少ないが、長門考えに不満の艦娘はいるようだ。じっと長門を睨みつけ、しかしすぐ元の真顔に戻った。
「(でも、これで少しは提督も傷つかなくて済むよね………。よかった……)」
時雨は静かに安堵していた。元を辿れば自分がここに招いたわけであり、少なからず責任を感じていたこともあり、この結末はまさに時雨が望む形であった。
「(ちっ、面白くもねぇな……)」
提督排斥派の天龍は内心悪態をついていた。佐藤中将以来、人間を一切信頼していない天龍にとっては、長門の意見は当然理解できないものであった。艦娘にとって、敵は深海棲艦と人間の両者だと思い、それを疑わなかった。
各々思うところがあるようで、艦娘たちは口には出さずとも悶々とした気持ちを抱いて、ある者は悩み、ある者は戸惑い、ある者は喜びまたある者は落胆した。
しかしこれから提督に対する扱いが、少なくともほんの少しは改善されるのはおおよそ間違いは無いように思われた。
「みっ、皆さん大変です!!!」
そんな艦娘の会議ないし談議を止めたのは、大慌てで顔を真っ青にして飛び込んできた青葉であった。
「どうした青葉、そんなに慌てて」
「今、那智さんから報告があって、遠征に出向いていた艦娘が深海棲艦の大軍と接敵したとの情報が…………」
「「「「何っ!?」」」」
[同時刻]
〈鎮守府近海〉
「ナァ……、コッチデ合ッテルノカ?」
「コノ雑魚ドモガイルトイウコトハ、間違イナイハズヨ」
「早クコイツラヲ潰シテ行キマショウ………
ネェ、北方?」
「ソウナノッ!早クイクノッ!」
「フフフ、ソウネ………」
ほらぁ!!バレンタインプレゼントだぞ受け取れぇぇ!!
チョコだと思ったか!?残念SSでした!!
はい、すみません。
二月も中盤、寒さはいよいよ増してきて、都心でも雪の心配がされるこの時期、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
私はといいますと、私のところもとうとう雪が降りまして、しばらくは凍結して大変でした。今もところどころ雪が残り、外に出るのも億劫に思います。
さて、今回はいよいよ艦娘の暴力描写を書きましたが、読者の中には艦娘のイメージが下がったと思われた方もいるかもしれません。ですが次からはそれはなくなります。いよいよ彼の化け物としての人生が始まります。
個人的には、さっさと艦娘たちを病ませてドロドロ修羅場鎮守府を書きたいと思っているのですが、まずはこの悪夢を書き進めたいと思っています。多分その内、読者の皆様に誰を病ませたいからコメントで案を募集するかも知れません。
どちらにせよ、次回作にご期待ください。
では皆様、体調管理にはくれぐれも気をつけて。
待ってました!
今回も面白かったです!
次の更新もゆっくり待ってまーす