提督「俺の鎮守府はイケメンだらけ」
前に書いたイケメン艦娘作品の再構成版です。前作との関連はありませんので、ご了承下さい
またネタが込み上げてきたので書きました、よろしければお付き合い願います。
俺の名前は『英(はなぶさ)』、職業は提督、『乙子前(おとこまえ)』鎮守府の提督だ。
突然だが、俺には最近ある悩みがある。それは…
---早朝、鎮守府グラウンド
「キャー!木曾さーん!ステキー!」
「松風くーん!こっち向いてー!」
「あ!今、天龍お姉様が私に手をふってくれた!」
「ふざけんな!私にふってくれたんだよ!」
「武蔵さまー!今日もお美しいです!」
「那智お姉さまー!頑張ってー!
」
ワーワー!ギャーギャー!
朝の全体訓練時、施設外の金網越しにかけられる黄色い声援
「金網を押さないで!」
「訓練中なので、お静かに願います!」
その黄色い声援を制御しようとする、所属の憲兵達
そして…
提督「ハア、ハア、ハア、ハア…」(ランニング中)
木曾「やれやれ、朝っぱらから近所迷惑な奴らだ」(提督と並走)
松風「おやおや、モテモテじゃないですか木曾さん?天龍さんみたいにファンサービスぐらいしてあげたらどうです?」(同上)
天龍「お前が言うか、松風…でもあの娘達、毎朝毎朝早いのに良く体がもつなあ~。化粧もバッチリだぜ!」(同上)
武蔵「フッ、だが慕われるのは悪くないな」(同上)
那智「それには同意するが、騒がれて迷惑な事は無視できないぞ」(同上)
提督「と、ところで皆、俺に合わせて走らないで自分のペースで走ってくれていいんだからね?」
松風「心配ないさ、むしろこのペースが僕にはちょうどいいのさ」
木曾「俺はお前の護衛だからな、お前の傍にいるのが当然だ」
武蔵「この武蔵も同じくだ」
那智「1人より集団で守った方が何かと便利ではあるからな」
天龍「いざって時はまかせろ!必ず守ってやるからな!」
(いや、離れてくれないと声援を送ってる皆さんの嫉妬の視線が突き刺さるんですけど!?)
<●><●><●><●><●><●>(あの男…邪魔だなぁ…)
提督(ああ…視線が怖いよお…)
ザッザッザッザッ……
俺の鎮守府での悩み、それは彼女達を含めた、いわゆる『イケメン枠』と呼ばれる艦娘達だ。
俺の鎮守府は戦闘はもちろんあるけど、どちらかと言えば、最近は海軍の広報が仕事の事が多く、各地で艦娘達のPR活動をする事がメインになりつつある。
テレビ出演やポスターのモデル、内地のイベントのゲスト等に参加し、その為か、どの鎮守府よりも知名度が高く、取材慣れした艦娘が多く所属していて、最近はアイドル事務所みたいな扱いになっている。
それだけならまだいい、問題は…
---執務室、夜
提督「ふぅ…今日はここまでだな」
松風「やっと終わりかい?ああ~、疲れたなあ~!」
提督「ソファーに寝っ転がって『のらくろ』読破してた奴が言えるセリフじゃないだろ」
松風「なんか小腹が減ったね、何か軽く食べておこう、司令官」
提督「人の話聞いてねーよ、コイツ…」
松風「そうだ、お腹減ったから、何か作ってよ、司令官」
提督「自由人だなお前は。ハア…しょーがねーな、ちょっと待ってろ」
松風「やった♪だから司令官って大好きさ!」
提督「へーへー、ありがとうございやす」
---
提督「お待たせ。アイスティーとサンドイッチだけだが、文句は言うなよ?」
松風「流石に僕でも作ってもらって文句言うほどアホじゃないよ」
モグモグ…
松風「うん、美味しいよ♪司令官」
提督「賛辞は受けとるが、サンドイッチなんてよほど変な具材つかわなきゃ不味くならないよ」
松風「いや、このサンドイッチだけを見ても、薄切りの食パンを軽く焼いてあるけどオーブンじゃなくて、両面グリルで短時間かつ高温で焼いているから食感がすごく良い」
松風「ハムはもちろんレタスやトマトに至るまで、嫌にならない位に拭いたり種とその周りを取って水気を抑えてあるからぐちゃぐちゃにならずにすんでいる」
松風「さらに塗られているバターもたっぷりで、ポテトサラダも抜群だ。軽くと言いながらこれだけの手間をかけてくれたんだ、美味しくないはずがないよ」
松風「それにアイスティーもダージリンのファーストフラッシュ、これは水出しだろう?時間をかけてゆっくりと淹れてあるからダージリンらしい繊細な味わいが堪能できるよ」
提督(何でそんな事までわかるんだよコイツは!)
提督「サンドイッチは熊野に作り方を教わって、アイスティーは金剛からもらった茶葉を使ったんだ。気に入ってくれたら幸いだよ」
松風「ふーん…金剛さん、ねぇ…」
提督「さっさと食べて寝ちまおう、明日も早いんだからな」
松風「なら、添い寝は必要かい?」
提督「ブフッ!ゴホッ!ゴホッ!な、何いきなり馬鹿な事言ってるんだ!嫁入り前の娘が…」
松風「僕は構わないよ」
提督「俺が構うわ!」
松風「じゃあその代わり…夜食のラストに…」
提督「お、おい、何で俺の前に立つんだ?」
松風「後は…」
提督「おい、腕を掴むな!顔を近づけるな!」
松風「甘ぁあい、『デザート』が欲しいな」
提督「ちょ///待っ///馬鹿!やめろ!俺はそんなつもりで///」
松風「フフフ…もう皆寝静まっているんだ、大きな声を出しちゃ迷惑だよ。それに…」
松風「こんな『美味しそうなデザート』を残して眠るなんてできないよ」
提督「あ///や、松、松風///」
松風「司令官…眼を閉じて…」
提督「え!ちょ!待って!」
松風「フフフ…いただき」
ガチャ!
木曾「おい、消灯時間はとっくに過ぎて…なにやってるんだ!」
提督「き、ききききき!木曾!」
松風(チッ!後一歩のところで!)
木曾「大丈夫か!?何かされたのか!?」
提督「え?あ、いや、その…」
木曾<●>「答えに窮するような事をされたのか?おい松風!」
松風「何を勘違いしてるんですか?木曾さん。僕は司令官の顔に汚れがついていたから取ってあげただけですよ?」
木曾「ふざけるな!そんなくだらない言い訳が通用すると…」
提督「(このままじゃ流血沙汰になりかねん!止めなきゃ!)ま、待ってくれ、木曾!本当なんだ!」
木曾<●>「何?嘘じゃないだろうな?」
提督「あ、ああ!もちろんだ。急にされたもんで、び、びっくりしただけだから…(な、何とかこれで)」
木曾「………ならいいが、あまりベタベタしすぎるな、いらん誤解を招く事になるぞ」
松風「おやおや、木曾さんは司令官の事を信じていないのかい?」
木曾<●>「何だと!」
提督「落ち着け、木曾!松風も煽るんじゃない!」
松風「それとも…」
ギュッ!
提督「ちょ!いきなり抱きつくな!」
松風「木曾さんもこんな風に司令官とスキンシップをしてみたいのかな?」
木曾<●>「…そこに正座だ、松風。介錯してやる」
松風「木曾さんもしたい?僕の逆が空いてるよ?」
提督(松風ー!それ逆効果ー!)
木曾「…フン、やめだやめだ。こんなガキの挑発に乗ってたら疲れるだけだし、これ以上騒ぐと迷惑だからな」
松風「…僕がガキかどうか、試してみるかい?」
木曾「……上等だ、明日の演習で見せてもらおうか」
松風「決まりだね。じゃあ司令官、僕は帰るよ。あ、抱き枕が欲しいなら言ってくれればすぐに…」
木曾「さっさと帰れ!」
松風「アハハハハ!じゃあね!おやすみなさーい!」
バタババタバタ…
木曾「廊下を走るな!」
提督(ウチの松風はかなりのイタズラ好きで、時たまこういう事態を引き起こす。俺だけに害があるだけならいいが、他を巻き込まないで欲しい…)
木曾<●>(そろそろあの生意気な鼻っ柱をへし折ってやらないとな…)
執務中…
カリカリ…
ガチャ!
木曾「哨戒から帰ったぞ」
提督「ああ、お帰り。海の様子はどうだった?」
木曾「至って平穏だ。あまりに平穏で魚雷が錆び付きそうな位だ」
提督「アハハハハ!まぁそう言うな、軍人の出番が無いのは平和な証拠さ」
木曾「笑い事じゃないぜ」
提督「まぁ、それもこれもお前達が頑張ってくれてるおかげだ。感謝してもしきれないよ」
木曾「感謝されるのは悪い気はしないが、俺達は戦うのが役目だ。それに…」
提督「それに?」
木曾「俺はお前に最高の勝利を与えてやると誓った、その為に生きているんだ」
提督「大げさだな」
木曾「大げさじゃない。それと…」
提督「ど、どうした?俺の近くに来て?」
木曾「椅子から立つなよ?」
提督「え?ちょ!」
ギシッ!
提督(き、木曾が執務椅子を回して自分の方に!しかも背もたれを抑えて!に、逃げられない!壁ドンならぬ椅子ドン!?)
木曾「いつか聞きたかったんだが…俺がお前に最高の勝利を与える代わりに…お前は俺に何をくれる?」
ググググ…
提督「(顔が近づいてきた!)き、木曾!?俺は…」
木曾「クスクス…お前が答えないなら、俺は勝手にいただくぞ?いいのか?」
提督「木曾!ちょっと待って!」
木曾「フフフフ…」
ギュッ!
提督(き、木曾に抱きしめられてる!)
木曾「……すまない、少しだけこのままにしてくれ。こんなの、いつもの俺らしくない」
提督「木曾…」
木曾「松風の奴に影響されたのか解らないが、お前の気持ちを無視してこんな事を…許してくれ」
提督「………」
木曾「……よし、もう大丈夫だ。すまなかったな」
提督「い、いや、大丈夫だ」
木曾「……だが、あの質問だけは、いつか必ず答えてもらう」
木曾「お前が俺に何をくれるのか、楽しみにしてるぜ」
提督「あ、ああ///必ず答える、よ///」
木曾「それでこそだ。じゃあ、報告書を置いとくから後は頼むぜ」
提督「ご、ご苦労様…」
ガチャ!バタン
提督「び、びっくりしたー!」
提督(木曾は普段から真面目な奴でイケメン枠では比較的大人しい部類に入るが、たまにというか、松風が何かした後は必ずといっていいほど張り合う。それさえなければ文句ないんだけどなあ…)
提督(唐突だが、俺は背が低い。どのくらいかと言えば、電と同じくらいだと言えば想像がつくだろう)
提督(そのせいか、俺より背が高い艦娘からはナメられているような気がする。特に…)
朝、食堂
提督「やれやれ、席を探すのも一苦労だな」
天龍「ん?提督、どうした?」
提督「おっ、天龍!相席いいか?」
天龍「後から龍田が来るから向かいに座れよ」
提督「はいよ」
天龍「ちゃんと牛乳は持ってきたのか?背が伸びねーぞ!アハハハハ!」
提督(^ω^#)「成人してんだから今さら伸びねーよ!っつーかガキ扱いすんな!一応俺、お前の上官なんだからな!敬えとは言わんが、せめて敬語ぐらいはつけろよ!」
天龍「今さらだろう?何年の付き合いだと思ってるんだよ」
提督「全く…」
---食事中
モグモグ
天龍「ん?シャケ食わねーのか?ならくれよ」
提督(^ω^)「お琴割りします」
天龍「そう言うなよ、卵焼きやるからさ!」
提督(・ω・)「嫌どすえ」
天龍「……スキあり!」
パクッ!モグモグ
提督「あっ!」
ゴックン!
天龍「フフフ、油断大敵だぜ」
提督(´;ω;)「俺のシャケ…食べられちゃった…」
天龍「もう一きれあるんだからいいじゃねーかよ」
提督(´;ω;)「俺の…シャケ…」
天龍「解った解った、悪かったよ。ほら、卵焼きやるからよ」
提督「ハア…仕方ない」
天龍「ほれ、口をあけろ」
提督「何でだよ!皿に置いときゃいいだろ!」
天龍「ほれ、男が泣いて喜ぶっていう美少女からの『あーん』だぞ?」
提督「美少女は否定しねーが、時と場合と相手によるわ!」
龍田<●><●>「あらぁ~、天龍ちゃん相手じゃあ嫌だって言うのかしら~?」
提督「あ、あーん///(チキショー!俺弱え~!)」
パクッ!モグモグ…
提督「…ん?なんかいつもと違うな、この卵焼き」
天龍「どうだ?味は?」
提督「うん、旨いよ。甘さが控え目でちょうどいい塩梅だ」
天龍「そうかそうか!」
龍田「あらあら~良かったわね~、天龍ちゃん♪」
提督「?」
天龍「今日はこの天龍様が卵焼きを作ったんだぜ!」
提督「え!?そうなの?てっきり全自動卵焼き器(瑞鳳のアダ名)が作ったもんだとばかり…」
天龍「アイツは昨日から任務で出かけてるからな、今日は俺が作ったんだ!どうだ!参ったか!」
龍田(瑞鳳ちゃんのアダ名についてはスルーなのね、天龍ちゃん…)
提督「え?ああ、このまま料理のレパートリー増やしていきゃ、安心してお婿さんにいけるな」
天龍「なんでお婿さんだよ!そこはお嫁さんだろうが!」
提督( ´3`)σ「え?お前嫁に行けるの?(プークスクス!)」
ガシッ!
提督「おい?何で俺の頭を掴む…」
ギリギリギリギリギリギリギリギリ…
提督(|| ゜Д゜)「んだああああああああ痛た井田だ駄々だだ駄々だだ!止め!頭!頭が割れる!」
天龍<●>「その梅干し大の脳ミソでしっかり覚えろ、俺は女だ嫁に行く方だ」
提督「だああああ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!許してえああああ!」
龍田<●><●>「あらあら~、朝から見せつけてくれますね~?」
提督「何でもいいから早く止めてえええええええ!」
天龍「フン!反省したか?」
提督「しましたしました!ごめんなさいごめんなさい!」
パッ!
提督「フゥ、痛かった…」
天龍「これからは俺の事を馬鹿にするなよ、解ったか?」
提督「ヘイヘイ、わかりやしたよ」
天龍「解りゃいいんだよ」
提督「フゥ…」
天龍「……痛かったか?悪い、やり過ぎたな」
ナデナデ
提督「ちょ!天龍、大丈夫だから!」
天龍「う~ん、第六のチビどもとタッパが同じだから撫でやすいな」
提督「俺は駆逐じゃないぞ!」
ナデナデ
天龍「アハハハハ!遠慮すんな!」
提督「うう~は、恥ずかしい///」
ナデナデ
天龍(何だか気持ちいいな。まるで犬を撫でてるみたいな気分だ)
龍田「あら~、天龍ちゃんたらご機嫌ね~♪」
提督(天龍はいつも俺を子ども扱いしてくる。それを見て他の娘も真似してくるから参ってしまう。だがそのおかげか、同時に皆とは比較的フレンドリーな関係を構築できている…何とも言いがたい感情になる)
---夜、鎮守府・食堂兼酒場
ワイワイガヤガヤ!
オビールサマ!オビールサマ!
エダマメ!ヤッコ!ポテサラ!
ゴキュッ!ゴキュッ!ゴキュッ!
提督「プハアッ!ハアー!たまらん!仕事後のビールとフライドポテトは格別だな!」
鳳翔「ウフフ、喜んでもらえて嬉しいです♪」
提督「酒は旨いし、ツマミも鳳翔さん特製とくれば外で飲んでるヒマも理由もないですよ」
鳳翔「あら、嬉しい事をおっしゃって下さいますね♪でも値引きはしませんよ?」
提督「アハハハハ!参ったな~」
鳳翔「ウフフ…」
那智「失礼する、未成年が飲酒をしていると通報が…」
提督「未成年じゃないっつってんだろーが!しかも何回目だよ!そのネタ!」
那智「そうふて腐れるな、私なりの愛情表現という奴だ」
提督「程があらあ!」
那智「まぁ気にするな、木曾じゃないが、私と貴様の仲じゃないか」
提督「全く…んで、何飲むんだ?」
那智「あれを頼む」
鳳翔「はい、『響』の30年ですね♪」
提督「それ確か一本30万円以上するウィスキーだよな!?(リアルで存在します)ゑ!?あるの!?聞いてないんだけど!?」
那智「戦・戦で給金を使うヒマが無いんだ、この位は良いだろ?」
提督「ウグッ!それを言われると弱い…だが、将来に向けて貯蓄はしているんだろうな?」
那智「勿論、してない」
提督「いや、しろよ!」
那智「冗談だ」
鳳翔「提督、那智さんは普段はサントリー・オールドですし、これはファンの方からのプレゼントですから心配しなくても大丈夫ですよ」
提督「ハア!?全く…心臓に悪いぜ」
那智「ならば心臓の動きを良くする為に…一杯付き合ってくれないか?」
提督「(正直ウィスキーは苦手だが、お誘いを断るのは失礼だからな)じゃ、じゃあ一杯だけ…」
トクトク…
那智「では…」
提督「艦隊の繁栄を祈って…」
『乾杯♪』
---
提督「ヴ~…」(悪酔い中)
那智「大丈夫か?全く…無理なら無理で言ってくれれば…」
提督「ばあかやろう!男が…差し出されたグラスを突き返すマネが…できるかってんだ…」
鳳翔「提督?今日はこのへんにしておいた方が…」
提督「ハア…ハア…しょうだな。部屋に戻るろ。」
那智「ならば私が部屋に送ろう」
提督「ら、らいじょうぶら…」
那智「もう、かなりろれつも回ってないわ、千鳥足だわで心配しかない。鳳翔さん、片付けを頼みます」
鳳翔「はい、お気をつけて」
鳳翔「ふぅ…一段落ですね」
---提督の部屋
提督「ううう…
那智「大丈夫か?今水を持って来てやるから、そのままベッドに寝ていろ」
提督「うう…ごめん、ごめんよ…那智…」
那智「ん?何がだ?」
提督「こんな弱い…情けない奴が提督で…」
提督「特に那智には執務から何から頼りっぱなしで…」
那智「…確かに運営の初期はそうだったな。ミスをした貴様に厳しく接したのも一度や二度じゃなかった」
那智「だが、それを乗り越えて、今や我が艦隊は古参クラスの鎮守府に迫る活躍ができるようになった」
那智「それは自ら先頭に立って動く事を厭わず、時には下げたくもない頭を下げてまで私達の為に奔走してくれた貴様がいてこそだ」
那智「貴様が走り続けて、その背中を見せ続けてくれたから、私達もまたそれに恥ずかしくない働きをしたくて頑張れた」
那智「貴様が居てくれたから、私は…ん?」
提督「スー…スー…」
那智「寝てしまったのか。制服のままではシワになるな。仕方ない」
パサパサ!シュル!
那智(……ワイシャツを脱がして…)
提督「スー…スー…ん、んん…」
那智「……可愛いな」
那智「こちらの気持ちも知らずにスヤスヤと…自分が置かれている状況を理解してたら、こんな無防備に寝てなどいられんぞ」
那智「特に足柄か武蔵にこんな姿をさらしたら、あっという間に食べられてしまうぞ?」
プニプニ
那智「フフフ…柔らかい頬だな」
那智「…おやすみ」
那智「…いつか貴様の隣で眠れるように励まなければな」
カチャ、バタン
提督「スー…スー…」
提督(ウチの鎮守府はファンが多い。イケメン枠はもとより所属の娘達もかなり人気があり、毎日ファンレターやプレゼントが届く。それを皆に渡す前に憲兵や、手が足りない時には俺も参加して不審物や過激な内容の手紙がないかチェックするのも俺の仕事だ)
鎮守府・郵便物保管室
提督「さて、今日は…また一段と多いなこりゃ」
憲兵(♀)「それだけ艦隊の皆さんの活躍が目覚ましいという事でありますな」
提督(この憲兵(♀)は元あきつ丸で、今は艦娘宛ての荷物や手紙の検閲を担当している。ちなみに憲兵隊の隊長(♂)と良い仲らしいが、仕事に差し支えなければ構わないと思っている)
提督「そうだな、じゃあさっさとやるか」
---検閲中
提督「しかし、皆に届く前に確認するのは2つの意味であまり良い気分はしないな」
憲兵(♀)「艦娘の皆さんの安全の為でありますから、その辺は仕方ないかと…ん?2つの意味で?」
提督「1つは当然だが、プライバシーに関わる事だからって事と…」
提督「ウゲッ!」
憲兵(♀)「どうしたのでありますか?」
提督「この箱の中身、男ものの使用済み下着がギッチリ詰まってる…クッセー!ゲホッ!ゲホッ!一体いつから洗ってねーんだこれ!?」
憲兵(♀)「手紙が同封されていますな。なになに?『あなたを思って貯めました、大切にして下さい❤️』ってうわ~…セーラー服着てハゲ散らかしたおっさんの写真が。恐らくこの下着の主でありますな」
提督「ウオエエエエエエエ!」
憲兵(♀)「しかもこれ提督どの宛てであります」
提督「今すぐコイツの素性突き止めて、何かあったら警察に突き出せ!多少金がかかっても構わんから徹底的に洗い出せ!」
憲兵(♀)「了解であります!」
提督「全く…ハズレ引いちまったぜ。こういうのが嫌だから見たくねーんだよな~」
憲兵(♀)「以前は来たものは手当たり次第見ていましたが、差出人不明のものは焼却処分している事を公にして、大分ヤバいものは減りましたが…まだこんな強者がいたとは」
提督「もしかしてこれ、俺に対する嫌がらせなんじゃないか?って最近思うようになってきた」
憲兵(♀)「だとしたらこれほど効果的なものはありませんな」
提督(こんなものを艦娘の皆に見せられん!)
---まだ検閲作業中
提督「ああ~、ちょっと休憩しようぜ。ラブレターやら不幸の手紙やら婚姻届やら口に出せないお下劣まみれなモンばっかりで精神的につらい」
憲兵(♀)「了解であります!お茶と羊羮でよろしいでしょうか?」
提督「昼前だから軽くでいいぞ」
憲兵(♀)「了解であります、ではしばしお待ちを…」
ガチャ!
武蔵「ん?こんな所にいたのか、相棒」
提督「む、武蔵。ど、どど、どうした?」
武蔵「Amazonで注文した品が来たと連絡をもらったから、受け取りに来たんだ」
憲兵(♀)「で、では自分は用意を致しますので」
提督「あ、ああ。解った」
武蔵「憲兵さん」
憲兵(♀)「ん?」
武蔵<●><●>「焦らずに、ゆっくり用意してくれ」
憲兵(♀)「わ、わかりましたで、あ、あります…では」
ガチャ!バタン
武蔵「さて、私の頼んでたモノはあるか?」
提督「ちょっと待ってろ、ええーとAmazon、Amazonっと…」
提督(早く荷物見つけて渡さないと!正直に言って、この武蔵が一番扱いに困る。何故なら…)
ギュッ
提督「ちょ!?む、武蔵!?何をいきなり後ろから抱きついて!?」
武蔵「フフフ…相変わらず良い抱き心地だな、相棒」
提督(そう、松風が可愛く見える位の肉食系艦娘、それがウチの武蔵の正体だ)
ムニュン❤️
提督「あ、あの///あ、当たってるんですけど///」
武蔵「フフフ、当ててるんだ♪」
提督(ヤバい!ウチの武蔵はまだ改二になってない!つまり衣装がサラシのままだから直に近い感触が!)
ムニュン❤️グニュン❤️
提督「ちょ///動かないでくれよ///」
武蔵「ん?なんだ?私の胸が気になるのか?可愛い奴だ」
提督「む、むむ///、武蔵位の美人に抱きつかれて気にならない///訳ないだろ!」
武蔵「…全く…」
提督「む、武蔵?」
ギュウウウウウウ!
提督「ちょ!武蔵!力強い!痛いから!止め…」
武蔵「悪いが止めない。相棒が悪いんだ、こんなにも私を誘惑しておきながらいつまでもおあずけを喰わせる相棒が悪いんだ、この小悪魔め」
提督「こ、小悪魔!?」
ガシッ!
提督「ちょ!いきなり抱き上げるな!」
武蔵「さて、今日こそ小悪魔の征伐といこうか。なあに、天井のシミを数えていればすぐに終わる」
武蔵<●><●>「そうしたら、この武蔵から一生離れられなくさせてやろう」
提督「ヒイッ!」
ガチャ!
憲兵隊長「おーい憲兵、仕事は…って何やってるんだ!貴様!」
武蔵「ん?決まっているだろう?相棒の世話だ」
憲兵隊長「介護でもないのに抱き上げる必要があるか!さっさと降ろせ!」
武蔵「やれやれ、憲兵ならまだしも隊長じゃ分が悪い。ここは退くとするか」
提督「(た、助かった)やれやれ…」
武蔵「だが」
提督「ん?」
チュッ❤️
提督(え?頬にキスされた!?)
武蔵「いつかこの先を楽しませてくれ、では」
スタスタ…ガチャ!
憲兵隊長「こ、コラー!武蔵ー!」
提督(…正直いつ襲われるか不安でしょうがない)
提督(忙しい生活の中にもたまの休みはあるものだ。しかし、俺の場合は…)
ドドドドドドドドド…
ガングート「同志提督、我がロシアのサイドカー『ウラル』の乗り心地はどうだ?」
提督(運転中)「昔のオートバイだからあまり良くないかと思ったが、悪くないな。だが、舟側にハンドルが取られるな」
グビグビ!
ガングート(舟側で飲酒中)「プハア!それがサイドカーの特徴だ。だが、頑丈さと踏破性は抜群だぞ!」
提督(休みの日は艦娘の誰かからお誘いが来る為、休みが休みでなくなってしまう。今日はガングートのお誘いでドライブだ)
ガングート「それより同志提督、何故ヘルメットを被らなければならないんだ?」
提督「安全の為と、ウラルはパートタイム2WDだから今みたいにパートタイム2WDをオフにして、一輪で走行してる時はオートバイと同じようにヘルメット着用が義務づけられてるんだよ」
ガングート「なら2WDにすればいいだろ?」
提督「馬鹿言うな!今ですらキツイのに出来るか!荒れ地でちょっとした難所で使う位しか出来ねーよ!」
提督「それより良かったのか?目的地も決めないでブラブラしてて」
ガングート「同志提督と一緒にいる事が重要であって、それ以外は旨い酒と飯があれば文句はない」
ガングート「だが、せっかくの春日よりだ、綺麗な風景でも見たい」
提督「なら少し行ったところに桜の綺麗な場所があるから行ってみようか?」
ガングート「任せる、旨いものがあればなおいいが」
提督「解った」
ドドドドドドドドド…
―――
ガングート「おお!桜がたくさん咲いているな!」
提督「ここは桜だけじゃなくて菜の花も一緒に植えてあるから桜オンリーより全体的に彩りがいいからな。ただ…」
ワイワイガヤガヤ!
提督「まさかイベントとカチあって、こんなに混雑してるとは思わなかったな…」
グビグビ!
ガングート「ブハア!なあに、騒がしさも楽しみの一つだ、同志提督」
ガングート「しかし…何となく懐かしさが込み上げるな。不思議な気分だ」
提督(そう言って、桜を見上げるガングートは、非常に絵になる…んだが)
提督「ところでガングートさんや、今らっぱ飲みしてるその骸骨のボトルは何?」
ガングート「ん?ああ、クリスタル・ヘッド・ウォッカ(実在するウォッカ、40度)だ」
提督「絵面的にあまりお子さま向けじゃないから、鎮守府で飲んでくれるかな?」
ガングート「そうか、ならば仕方ない。酒とつまみを買ってくるか」
提督「あ、俺が行ってくるよ、待っててくれ」
ガングート「ならば頼む。あ、唐揚げとビールを忘れるな」
提督「へいへい、わかりやしたよ」
―――
提督「やれやれ、ちょっと買い込みすぎたかな。まぁ、たまにだからいいか。さて、ガングートは待ちくたびれてないかな?」
ワイワイ!ガヤガヤ!
提督「ん?」
ガングート「しつこい奴らだな」
酔っぱらい①「あんだと~!この俺様の言う事が聞けねえってか!ヒック!」
酔っぱらい②「ヒック!生意気だぞ~!このアマ!」
ガングート「何が悲しくて見ず知らずの貴様らに酌などしなければならない?」
酔っぱらい②「なあんだと~!こちらにおわす方を誰だと思っているんだ無礼者!」
ガングート「どこからどう見ても完全なバーコードハゲの丸々太った中年の酔っぱらいオヤジにしか見えないが?」
酔っぱらい①「クッ~~~こおのクソアマあああ!」
提督「いかん!」
ダダダダダ!ガシッ!
提督は中年オヤジを後ろから抱きついて制止しようとした。
提督「ちょっと!事情は解りませんが、落ち着いて下さい!」
酔っぱらい①「何すんだこのクソガキ!」
酔っぱらいは提督を振りほどくと
酔っぱらい①「ガキのくせに大人の世界にしゃしゃり出てくんな!」
バキッ!
提督「グッ!」
酔っぱらいの大振りの右ストレートが提督の顔面にヒットした。
提督(ヤバい!いいとこに当たっ…)
そのまま提督の意識は途切れた。
提督(ん…あ、れ?何で寝て…確か…)
ガバッ!
提督「ハッ!マズイ!ガングートは!?」
バキッ!ドカッ!
酔っぱらい①「アグッ!あう!」
酔っぱらい②「ひ、ヒイイイ!」
ゴチッ!ガツッ!ドカッ!
ガングート「なんだ、随分気合いの入っていないサンドバッグだな」
提督(目が覚めたらガングートが酔っぱらいを縄で吊るしてフルボッコにしてたでゴザル)
提督「ハッ!待て!待て!止めろ!それ以上やったら死んじまう!」
ガングート「なあに、タチの悪い酔っぱらいにはこれが一番だ。銃殺刑に処すまでもない」
提督「さらっと恐ろしい事言うなー!」
ガングート「?私の大事な同志を傷つけたんだ、半殺しは当たり前だろ?それに他の連中だったとしても同じ事をしただろう」
提督「いいからやめてー!」
―――提督(その後、警察と救急が来る前に何とか脱出して事なきを得たが…帰り道にガングートが『瓶でも突っ込んでやればよかった』と言っていたが…どこに突っ込むつもりだったんだろう。考えるだけで冷や汗が出る)
執務室、休憩時間中
ペラ、ペラ…
提督(読書中)「えーと、今年はと…」
ガチャ
初月「提督、おやつの時間だぞ。今日は金平糖だ」
提督「おっ、サンキュー」
初月「お茶は少し濃いめにしてある。金平糖の甘さが引き立つからな」
提督「よく解ってるじゃないか初月」
初月「お前との付き合いも古参程ではないけど長いからな。ところで何を読んでいるんだ?報告書ではないようだが?」
提督「ああ、ファッション雑誌さ」
初月「ファッション雑誌?」
提督「そろそろ春物欲しくてな、今年の流行りをチェックしてたんだ」
初月「意外だな。御用達のお店が『しまむら』のお前が」
提督「雑誌でチェックしてしまむらで似たようなやつを探して誤魔化しゃいいさ」
初月「そういうものなのか?僕はあまり気にしないが…」
提督「いやいや、むしろお前はちゃんと気を使えよ。人に見られる仕事でもあるんだからさ」
初月「なら今度の休みに買い物に付き合ってくれ。お前が見立ててくれたなら文句はない」
提督「それこそ秋月達と行って来いよ、男のセンスと女の子のセンスは別物だからな」
初月「嫌だ、今回はお前と行きたい」
提督「ワガママだなぁ…解ったよ」
初月「フッ、それでこそ僕の提督だ。後…」
バサッ!
提督「お、おい!何すんだ、俺の雑誌返せよ!」
初月「悪いが駄目だ」
提督「何でだよ」
初月「決まっているだろ」
スタスタ…
提督「お、おい、何で近づいて…」
初月「動くな」
顎クイッ!
提督「ふえっ///は、初///月///」
初月「お前が着飾って他の女に魅力がバレて欲しくないからだ」
提督「な///何を馬鹿なことを///」
初月「よく覚えておけ」
提督(か///顔が目の前に///)
初月「……お前の魅力を知ってていいのは…僕だけだ」
キュン❤️
提督(え!?///)
初月「フフフ。さて、休んだら執務再開だ。その前に書類が来てるから取りに行ってくる」
スタスタ…バタン!
提督「…びっくりした」
―――
スタスタ…
初月(そうだ、僕だけが解っていれば…いいのに…)
初月「古参組だけでも手を焼くのに、外にライバルを増やされたらたまらないからな。僕は良い判断をした、また提督を守る事ができた」
初月「提督…お前は必ず僕が守るからな」
提督(前に言った通り、俺は電並みに背が低い。それはまだいいんだが…他にもまだ身体的な悩みの種がある)
提督(背が低いのに加えて、顔立ちが中性的な上に、声を出せばアニメチックな高い声の為に、初対面にはまず、男に見られる事がない事だ。ただし、ウチの艦娘達のおっかけ達にはすぐ男とバレた。おっかけってすげえ)
提督(だがその見た目のせいで…)
提督(あれは俺が『有名鎮守府の提督』としてTV番組にゲスト出演した時の事だ…)
―――執務室
ガチャ!
提督「ただいま。ハア…疲れた…」
初月「お疲れ様、提督」
提督「全く…冗談じゃないぜ、未提出の報告書が山積みなのに『海軍の広報の為、生放送のTV番組に出演しろ』なんて、急に言われたから大変だったよ」
初月「TV出演はともかく、未提出の報告書はためていたお前が悪いだろ?」
提督「ごもっともだがよ、やろうとしてた時に水をさされると気が滅入るぜ」
初月「宿題に対する小学生みたいな態度だな…」
提督「さあて、さっさと残りを片付けちまうか!」
初月「その意気だ」
ガチャ
松風「入るよ」
提督「せめてこちらの返答を聞いてから入ってこいよ」
松風「おやおや~?何か僕に見せられない事でもしてたのかい?」
提督「んな訳無いだろ…で、何の用だ?報告書か?」
松風「今日の生放送の事で…」
ガチャ
木曾「おい、帰ったのか提督、って松風も来てたのか」
天龍「オッス!提督」
天龍(°▽°)「いやあ~生放送見たぜ!コチコチになってたのまるわかりだったぞ!アハハハハハ!」
提督「悪かったな!どうせお前らみたいにTV慣れしてないよ!」
木曾「気にするな、誰でも最初は緊張するもんだ。トチらずやれただけでも合格もんだ」
提督「き、木曾///優しいなぁ~お前は」
木曾「なあに、俺とお前の仲だ、途中で用意されてた飲み物飲みつくしてお前と司会者がちょっとあわててた事位は見逃してやるさ」
提督「チキショー!」
松風「まぁそれはいいとしてさ…」
提督(*´・д・)「良くねーよ!」
松風「実は生放送の時、PCでコメント付きで見てたんだけど…実際見てもらった方がいいかな」
提督「?」
松風「PC借りるよ。えっと…これだ。始めるよ、コメントに注目してて」
―――視聴中
以下コメント
( ・◇・)?『え?この提督って男?女?』
( ・∇・)『地味顔だけど顔の各パーツとバランスは悪くない』
(; ̄Д ̄)?『しかもフルネームが「英一美(はなぶさ・かずみ)だからますます性別が行方不明だ』
(´・д・)『しかも字幕のプロフィールにも性別書いてねー、どっちだ?』
( ゜Д゜)『いやいや、どう見ても男だろJK』
(`・ω・)キリッ!『女の子やぞ』
『俺アイツの同期生だけど、アイツ一度も俺らと風呂入った事ねーぞ』
!!( ; ロ)゚ ゚『mjk!』
(-.-)y-~『お前ら落ち着け、声を聞けばわかるだろ』
司会者「どうもはじめまして、今日はようこそおいで下さいました」
提督(Cv.大久保瑠○)「は、はじめまして、こんにちは。本日はよろしくお願いいたします」
(ー_ー;)『…?ますますわからん?』
(゜∀゜)『この提督が女の子なら…ありだな!』
(///∇///)ハアハア!『男でもおK、むしろ男でおながいしまつ』
――――以下同様のコメが乱発
提督「……何これ?」
松風「しかも本放送中から『乙子前提督性別議論スレ』が乱立して白熱してたよ」
提督「白熱するなそんなもん!て言うかコメントにあった同期生で風呂入った事無いやつって、同期生の人数多かったからそんな奴、普通に居るわ!ますます混乱させてんじゃねーよ!そして男で頼むって!恐怖しか感じないんですけど!?」
松風「その後も議論が続いて、いつの間にか『性別不明の提督にして欲しいコスプレとシチュエーション討論スレ』に移行してたよ…」
提督「もうやだ…何なのこの国のスレ住人…」
松風「ちなみに一番人気は『アストルフ○コスで「マスター、僕の剣を使って!」っておねだりしてもらう』だってさ」
提督「何その変なおねだり!?」
初月(チッ!やはり無理やりにでもTV出演は止めさせるべきだったな。対策を講じないと…)
提督(その後、俺宛てに大量のコスプレ衣装が届く事態が発生した、勘弁して下さい!)
――視聴室
(…………提督のコスプレ、胸が熱くなるな!見たいぞ!)
―――焼き鳥屋『金ちゃん』
ワイワイ、ガヤガヤ!
提督&加古「「カンパーイ!」」
ガチャン!グビグビ…
加古「プアー!たまんないねえ!」
提督「いやぁ、久しぶりに外で飲むけど、ウチ(鳳翔さんの店)とはまた違っていいな」
提督「それにしても…『改二になった祝いに外で呑みたい』ってのはいいんだが…こんな赤提灯の店で良かったのか?」
店長(# ゜Д゜)(こんな店で悪かったな!)
加古「いいっていいって!こういう店の方が私にゃ向いてんのさ!」
店長(゜∀゜)(今度この人だけ来たら割引してあげよう!)
提督「そうか。まぁ加古がいいならいいけど…」
提督「それにしても」
加古「?」
提督「改二になって随分と凛々しくなったなあ~!男から見てもカッコいいぜ!」
加古「へへッ、サンキュー!提督」
提督「今まで随分頑張ったもんなあ~!俺も感慨深いよ」
提督(古株の加古は重巡の中で俺との付き合いが一番長く、俺にとって戦友であり、また親友としてちょくちょく遊びに行く仲だ。それだけに…)
提督「…今まで…待たせてすまなかったな、加古」
加古「ん?何が?」
提督「資材の問題やら何やら諸々の事情があったとはいえ、お前の改二が後回しになっちまって…」
加古「提督…」
提督「せめてもう少し…俺に力があったら…もっと早くお前を改二に…」
加古「提督、そのつくね一口ちょーだい」
提督「人が真面目に話して…」
加古「早い遅いなんて関係ないよ。提督は私を改二にしてくれた、それ以上に何が必要だい?」
提督「加古…」
加古「それに『提督は必ず私を改二にしてくれる!』って信じてたからさ!別にどうって事ないさ!」
提督「加古。俺は良い部下を持った、幸せ者だな」
モグモグ
加古「あー!つくねちょーだいって言ったのに!」
提督「え?自分のあるだろ?」
加古「むーっ…」
提督「また頼めよ」
加古「やだ!」
グイッ!
提督「おい、俺の手を握っ…」
パクッ!
提督「ちょ!いきなりかぶりつくな!あぶねーだろ!」
加古「へへーん、この加古さんは、串でケガなんかしないよ!」
加古「ん?指にタレがついてる」
提督「え?あ、そうだ」
ペロッ❤️
提督(; ゜Д゜)「んにゃあああ///!」
ペロッ❤️ペロッ❤️
加古「ん…ンチュ…よし!」
提督「よよよよよよよよ!よし!じゃねーよ!な///ななななな///何いきなり人の指を///」
加古「ん?ああ、人のもらって食べてるとたまに自分の指と間違えて舐めちゃうんだよな~!アハハハハハ!」
提督(ウチの加古はこういうところで若干天然さんだ。異性の指を舐めた事に恥じらいを持って欲しい!)
店長(リア充爆発しろ!)
執務中――――
カリカリカリカリ
提督「うーん、この収録誰にしようかな」
コンコン、ガチャ!
古鷹「失礼します、提督。すみませんが加古を見ませんでしたか?訓練が終わってから見かけないんですけど?」
提督「ん?ああ、加古なら隣の仮眠室で寝てるよ」
古鷹「え!?あれ!?か、仮眠室って確か提督専用じゃありませんでしたか!?」
提督「そうなんだけどね~、加古の奴『たまには古鷹に起こされずにゆっくり寝た~い!』って言うもんだからつい」
古鷹「ついじゃありませんよ!それに報告書も書いてないのに」
提督「報告書は空いてる机で書かせたよ。仮眠室で寝るための条件にしたからそれは心配しなくていいよ」
古鷹(加古ったら…ズルい、私も提督のお布団で寝たいのに!)
古鷹「そうですか、わかりました。加古がご迷惑をおかけしてすみませんでした」
提督「いやいや、君らには戦闘以外にも芸能活動までやらせて、本来自由なはずの時間を奪っているんだ。加古のワガママ位なら許容範囲さ」
古鷹「それでも加古のワガママは許されません!皆さんだって提督とお話したりスキンシップしたりしたいのを我慢しているのに…」
提督「わかったわかった、今度古鷹のお願いも聞いてあげるからさ、今日のところは許してくれよ」
古鷹「でも…」
提督「お願い!この通り!」
古鷹「んもぅ~!提督は加古に甘々です!たまにはビシッと言って下さいね!」
提督「わかったよ。さて、そろそろおやつの時間だ。今日は久しぶりに間宮に行こうと思ってるんだが…来るか?あんみつ位なら奢るぞ」
古鷹「え♪よろしいんですか!」
提督「加古も一緒にな、さあ!あの寝坊助を起こさないとな。ちょっと待っててくれ」
古鷹「はい♪」
―――仮眠室
提督「おーい、加古!そろそろお目覚めの時間だぞ!」
加古「んんん~。後、五時間…」
提督「いつまで寝てるんだよ、起きろよ、間宮行くぞ」
ガバッ!
加古「おっしゃ!眼が冴えてきた!力がみなぎって来たぞー!」
提督「現金な奴だな…」
加古「早く行こうぜ!」
ふらっ…
加古「ありゃ!?」
提督「危ない!」
ガシッ!
加古「ちょ!スカートを掴むな…」
ズルッ!スッポーン!
提督(;゜0゜)!「あっ!」
加古「き///キャアアアアアアアアアアアア!何すんだこの変態野郎!」
バキッ!
提督「ぶべら!」
古鷹「加古!何を…て、提督ー!」
提督「い、いいパンチだ…世界を狙える…ぜ…」
ドサッ!
加古「やっば!つい全力で殴っちゃった!」
古鷹「何やってるの!このバ加古ー!」
―――その後提督の介抱と説明の為に時間が潰れ、間宮はお預けになった。
古鷹「ベッドを使うだけならまだしもいきなり殴るなんて何考えてるのよ!」
ガミガミ!
加古「ご、ごめんよ~!古鷹~!」
古鷹「私じゃなくて提督に謝るべきでしょ!これで提督が重巡を怖がってしまったらどう責任取るの!後、普段から…」
ガミガミ!クドクド…
提督(ベッドで介抱中)(加古でも、キャーって言うんだなぁ~)
加古「て、提督~!助けて~!」
古鷹「まだ話は終わってないわよ!」
加古「ひ~ん…グスッ!許して~!」
提督(芸能活動をしていると、自然と発生するのが所謂『人気ランキング』というもので、ウチの場合は『仲間の連携を乱す恐れ』があるため、公式上ではランキングはつけていない。しかし、非公式のファンクラブ等では結構盛んに行われている。その中でも…)
TV局
司会者「という訳で本日のゲストは長門さんでしたー!」
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
(*≧∀≦*)♪長門さ~ん!
(///∇///)長門さまー!
長門「ありがとう、皆さん!」
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
―――収録後、控え室
長門「フゥ、やっと終わったな」
提督「お疲れ様、長門」
長門「提督こそお疲れ様。こんな時間まで待っててもらって悪かった」
提督「なあに、海軍の会議とお前の収録が重なってたんだ。迎えに来る位、わけないさ」
長門「しかし、こうやって収録に出てみると、改めて艦娘の人気というのは凄まじいものがある事をヒシヒシと感じるな」
提督「そうだな、特に長門は老若男女を問わずに人気があるからな」
長門「ん?そうなのか?私より大和や武蔵、赤城や加賀の方があるんじゃないか?」
提督「今言った娘たちは結構人気の層がバラバラでね、総合的な人気で言えば長門がトップだよ」
長門「そうか、それは有難いものだな」
提督(この事には嘘は無い。何年か前に出演した吹雪が主役のドラマ(アニメ)でもその存在感は場を引き締めてくれていた。強く、優しく、美しく、そしてカッコいいと天が二物どころか三・四物与えたような艦娘が長門だ)
長門「だが…」
提督「ん?どうした?」
長門「どれだけ人気を得ても…それは私の…いや、『他の私』の功績であって、私の力はそこまでじゃない」
提督「そんな事はない!お前だってちゃんと戦って戦果を挙げてるんだから、お前も含めて『全ての長門』の功績だ!」
長門「提督…」
提督「いいか、もし次に自分を卑下してみろ!俺はお前を誉めまくってやるからな!自信をつけさせまくってやるからな!わかったか!」
長門「わ、わかった。すまない、提督」
提督「わかってくれればいいさ」
長門「提督」
提督「何だ?」
ガシッ!
提督「え!ちょ!何いきなり真正面から抱きしめてるんだ!離せ!」
長門「もう1つ、私には思う事があるんだ」
提督「な///なんだよ///って言うか離してくれよ!」
長門「どれだけ周りにキャーキャー騒がれても…声援や好意をよせられても…」
提督「な、長門?どうした?眼が据わってるぞ?」
長門<●><●>「一番欲しい人からもらえない、これほど辛いものはないんだ」
提督「ちょ!おま!いい加減に!ってか力つえー!」
長門<●><●>「これは私に与えられたチャンスだ。提督…」
提督「な///長門///顔が近い!近いから///」
長門<●><●>「さぁ!これを着てもらおうか!」
セーラー服『機関銃は?いる?』
提督(;゜∀゜)「え?」
長門<●><●>「前からこれを着て欲しかったんだ!さあ!着替えてくれ!」
提督(|| ゜Д゜)「ちょ!待てい!何でいきなりそうなる!そしてそのセーラー服はどうした!?」
長門<●><●>「暁が前に使っていたのを拝借した!これなら提督のサイズにぴったりだ!」
提督(|| ゜Д゜)「ふざけるな!何で俺がそんなコスプレ…じゃない、女装しなきゃならないんだよ!」
長門<●><●>「たまには私にご褒美をくれてもいいだろう?だから今だ!さあ!ロングヘアーのカツラも用意したからこれを着て上目遣いで『な///長門お姉さま///』って言ってくれ!そうしたら」
提督「そ、そうしたら?」
長門<●><●>「私の理性は一気に崩壊する!」
提督(# ゜Д゜)「ぜってーやらねーよ!」
長門<●><●>「フフフ、逃がさないぞ。それとも無理やり着替えさせられるのが好みか?それはそれで、胸が熱くなるな!」
提督(|| ゜Д゜)「イヤアアア!」
――――その後、TV局のスタッフがタクシーが来た事を告げに来た為、提督は難を逃れた。
長門<●><●>(チッ!後少しのところで)
提督(コイツとは二度と二人きりにはならないようにしよう!)
提督(先に述べたように、長門は老若男女を問わず高い人気を誇り、グッズ販売も常にトップ10に入る)
提督(しかし、性別や年齢によってばらつきはあるものの、各層においては長門に迫る人気を誇る娘もいる、例えば…)
―――執務室
提督「という訳で今度は時雨を主人公に据えたドラマの第二期に出演が決まったぞ、最上」
最上「えっ、僕?」
提督「ドラマの監督さん直々のご指名だ。しかも一番先にスケジュールを聞いてきて、空いてたからすごく喜んでたよ。良かったじゃないか」
最上「僕が一番なの?ふーん、そう。でも素直に嬉しいな♪」
提督「だが、それだけに責任は重大だぞ?時雨は初主演なんだから、前のドラマや他の舞台での出演経験が豊富なお前がしっかりサポートしてやるんだぞ」
最上「わかってるさ、提督は心配性だなあ~!」
提督(*´・д・)「実際心配だよ、ウチにいる時みたいにあちこちに衝突してセット壊すんじゃないぞ」
最上「あー!ひどーい!僕だって現場ではちゃんとしてるよ!そんな事言うなんて、いくら提督でも、僕ちょっと怒っちゃうぞ!」
提督「あははは!悪かった悪かった!」
最上「もう!知らない!」
(最上はウチでは中堅クラスだが、確かな演技力が評価されてあちこちの現場に呼ばれ、さらに長女という事もあってか、気遣いが出来るのでスタッフ受けもよい)
提督「ごめんよ、最上。許してくれよ」
最上「許して欲しい?」
提督「是非!」
最上「じゃあ…」
―――
最上(ソファーで寝転び中)「ふふーん♪良い気持ちだなあ~♪」
提督(最上を膝枕中)「な、なぁ最上さんや」
最上「ん?何?」
提督「俺の太もも固くないか?大丈夫か?」
最上「大丈夫だよ、むしろちょうどいい固さで眠くなりそうだよ」
提督「ならいいんだけどさ」
最上「…ねぇ、提督」
提督「どうした?」
最上「僕…最近外に出ると女の子達に囲まれて困ってるんだ…」
提督「ああ、それか…」
提督(そう、ウチの最上は同性人気だけなら長門に迫る人気をほこるのだ)
提督(特に体育会系の女子には絶対の人気があり、秋雲がコミケの販売物として作った『艦娘スポーツウェア・カレンダー』で、最上はバスケットを担当したのだが、他のスポーツ競技者のファンから『なんで他のにしてくれなかったんだ!』と苦情が殺到したり、バスケットファンからは「なんで一般販売しないんだ!」と怒られた)
提督「まぁ人気者の宿命、とは言うものの、たまの休みにまで付きまとわれちゃたまらないよな」
提督「まぁ今度はちゃんと変装して、誰かについてきてもらえよ。そうすりゃ多少は楽に」
最上「じゃあ提督がいい」
提督「ワガママ言うなよ。俺だって仕事あるんだからさ」
最上(・ε・` )「ふーん、初月のお願いは聞いてあげるのに、僕は駄目なんだ~?」
提督(; ゚ ロ゚)「ちょ!誰からそれを!」
最上「初月が嬉しそうに『今度の休日に提督とお出かけするんだ!』って皆に言ってたよ」
提督(|| ゜Д゜)(あのバカー!)
最上「提督、僕はドラマの撮影が始まると、なかなか帰って来れないんだよ?」
提督「うっ!」
最上(/ω・\)チラッ、チラッ「寂しいなあ~、僕寂しがりやだから、寂しくてドラマの仕事できなくなっちゃうなあ~」
提督「いい根性してるなお前…わかったよ、初月が先約だからその次な」
最上(*≧∇≦)ノ「やったー!」
最上「よし!調子出てきたからアイス食べに行こう!」
ガバッ!
ゴッチイイイン☆
最上「あいた!」
提督(|| ゜Д゜)「アグッ!痛って~!お前急に起き上がるなよ!お前のデコに俺のデコが!いてー!」
最上「ごごごごごごご、ごめん!」
最上「…提督」
提督「いてー…何だよ?」
モゾモゾ
提督「おい、何で俺の太ももにまたがる」
最上「本当にごめん。あと…いつもありがとう、大好きだよ」
チュッ❤️
提督「え?ちょ!(お、おでこにキスされた!)」
最上「さ、早く間宮行こう!」
タタタタタタ、ガチャ!バタン!
提督「………好き、か…」
ゾクッ!
提督「ん?何か鋭い視線が窓から…」
チラッ!
三隈<●><●>ジーーーーッ
提督(テラスから三隈が覗いていたー!)
ハーッ、ハーッ、
提督(ま、窓に息をかけて…)
キュッ、キュッ
提督(ゆ、指で文字を…)
『モガミンに手を出したら…わかってますね?』
提督(俺は生き残れるのか?)
―――鎮守府、レッスンルーム
パン!パン!パン!パン!
舞風「ワン、トゥ、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト!」
提督「クッ!フッ!ハッ!」
野分「フッ!フッ!フッ!フッ!」
パン!パン!パン!パン!
舞風「まだまだペースあげられるよ!ファイトー!」
木曾「ハア、ハア、ハア、ハア」
天龍「ダアッ!トオッ!フン!ハア!」
松風「ハア…ハア…ハア…」
舞風「あれー?元気ないぞー松っちゃーん!ペース落ちてるよ!もっといけるいける!」
松風「ま…ハア…ハア…松っちゃんて…ハアハア!言わないで、ハア…ハア…くれるかな?」
舞風「しゃべる余裕があるなら大丈夫大丈夫だね!!はい、そこでジャンプ&ターン!」
松風(君は鬼かい!?)
提督(芸能活動をする以上、それに見合ったレッスンもしなければならない。このレッスンルームは訓練室の三階部分全てをダンスと演技レッスンに充てる為に作られた場所だ。ウチの艦娘達は訓練の一環としてダンスや演技のレッスンの他に音楽室でのボイトレもやっている。因みにダンスレッスンの指導者は舞風が、ボイトレは那珂ちゃんが担当している)
提督「ハア、ハア、ハア、ハア」
舞風「提督ー!大丈夫~?艦娘と違って提督は普通の人なんだから無理しないでね?」
提督「ハア、ハア、甘く…見るなよハア…ハア…この位、平気だ…」
提督(今日は、『たまにはレッスンを体験してみたら?』と誘われ、久しぶりに朝からダンスレッスンに参加してみた…が、かなりキツい!今にも倒れそうだが)
チラッ
野分「フッ!フッ!フッ!フッ!」
提督(野分ってすげー体力あるなあ…最初から息が全然変わってないぞ)
舞風「はーい、一旦休けーい!バナナとスポーツドリンク飲んでね!」
提督「ハア!ハア!ハア!…野分…お前すごいな~!」
野分「フフフ、第四駆逐隊の実力、わかってもらえたかしら?」
提督「息が…ハア…ハア…全然乱れてないぞ?」
野分「?マリアナやレイテに比べれば、全然楽でしょう?」
提督(化けものか!?いや、いつも舞風のダンスレッスンに付き合ってるから余裕なのかな?)
提督(しかし…)
天龍&木曾&松風&その他(; ゜Д゜)「ハア!ハア!ハア!ハア!」
提督(他の連中もちょっとキツそうだな。普段の業務に加えてレッスンじゃあろくろく疲れがとれないよな。早急にスケジュールを見直して、他所にやってもらえそうなのはやってもらおう)
野分「はい司令、バナナとスポーツドリンクよ。食べたらレッスン再開だからしっかり食べましょう」
提督「何でハア…ハア…朝からダンスレッスンの時はハア…ハア…朝食抜きでやるのかわかった、朝食入れたら吐いちゃうわ、これ」
バナナモグモグ!
天龍「ハア…ハア…プロレスの練習に…ハア…近いぞこれ…」
スポドリグビグビ!
木曾「ハア…徹底的に体を苛めぬいて粘りのある筋肉にするってやつか?」
提督「ハア…ハア…やっと落ち着いてきた。マジつれー…」
ぐったり…
松風「ああ…うう…」
舞風「松っちゃんは基礎体力の育成が急務だね!」
提督「いや、昨日神風に『早めに休め』って言われたのに初雪やら望月に付き合ってFPSやってるからそうなるんだよ。気にしないでやってくれ」
松風「な!何で知ってるのさ!?」
提督「後ろ見ろ、同じくアホ2人がへたばってるだろーが」
松風「え?」
チラッ!
初雪&望月 m(__)m m(__)mチーン…
松風(;´゚д゚`)「ものの見事に前のめりで倒れてるー!」
野分「それにしても司令はすごいですね、私達のペースについてこれるんだもの」
提督「いや、ギリギリだよ。こりゃ明日は筋肉痛かな?」
木曾「なら後で俺がマッサージしてやろう」
天龍「いや、俺に任せろ!クラゲみたいにぐにゃぐにゃになる位ほぐしてやるぜ!」
木曾<●>「あ?」
天龍<●>「お?」
ゴゴゴゴゴゴ…
木曾<●>「天龍…お前の力加減を知らない腕じゃ提督の柔らかい身体は耐えられない、ここは手かげんのできるこの俺が最適だ」
天龍<●>「寝言はそこのアホ3人みてーに寝て言え、俺のマッサージは龍田のお墨付きだぞ?」
松風(さらっと僕を混ぜないでくれるかな!?)
木曾<●>「お前と俺じゃ年期も経験も違うんだよ。姉4人を満足させる俺のテクにお前が叶うと?笑わせるな」
ゴゴゴゴゴゴ…
野分「どうしましょうか?あの二人?」
提督「ほっとけ、その内飽きるから」
舞風「じゃあレッスン再開ね!そこのへたばってる3人と喧嘩しそうな2人は真面目にやらないと、メニュー追加にするよ!」
天龍&木曾「「さあやろう!」」
松風&初雪&望月「「「すぐやろう!」」」
舞風「じゃあ提督は野分と組んでダンスの練習してて。私は他の皆をみるから!」
提督「わかった、じゃあ野分、よろしく頼むよ」
野分「了解!さあ!行くわよ!」
提督「お、お手柔らか、に。タハハ」
しばらく後
提督「ハア!ハア!ハア!」
野分「まだまだ!行けますよ司令!」
提督「おう!提督さんの底力、見せてやるぜ!」
野分「いいわ!魅せてちょうだい!貴方の全力を!」
ブオン!ブオン!ブオン!
提督(クッ!社交ダンスのはずなのにこんなペース早いんだ!?)
野分<●><●>「まだまだ!できるできる!絶対いけるから!気持ちの問題だから!今日から貴方は富士山よ!!」
提督(いつから貴女は松岡修造になったの!?)
ズルッ!
提督「しまっ!」
グギッ!
提督「グアッ!」
ドサッ!
野分「ハッ!司令!大丈夫ですか!?」
提督「あ、うう…」
野分「司令!失礼します!」
ガバッ!
提督(お///、お姫様///抱っこ!?)
野分「すぐに保健室へ連れていきます!ちょっと揺れますが我慢して下さい!」
提督「ちょ!」
ダダダダダダダダダ!
舞風「…あんな深刻な顔した野分、初めて見た…」
―――保健室
野分「先生、司令は大丈夫なんですか?」
先生♀(元・電24歳)「うーん、倒れた拍子に内側に捻ったのでしょう、しばらくはテーピングの固定は必要なのです」
提督「そうですか…」
野分「申し訳ありません!司令!
提督「え?」
野分「私が司令のお身体の限界を考えずに振り回したから、こんな事に」
提督「気、気にするな!怪我なんて誰でもするもんさ。今回はたまたまこの時だったってだけさ!」
野分「いいえ!私の責任です!」
ギュッ!
提督(手を握られた!)
野分「貴方を守るはずの艦娘が…貴方を傷つけてしまうなんて…」
提督「いや、不可抗力だからね?」
野分「決めました!司令が治るまでは、私が司令のお世話を致します!」
提督(;´゚д゚`)「え?」
野分「いいですよね?」
提督(;´゚д゚`)「あ、ええと…」
野分<●><●>「いいですよね?」
提督(|| ゜Д゜)「は、はひ!よろしくお願いします!」
提督(野分はいい子なんだけど、一度決めたらテコでも動かない頑固さがある。特に俺と舞風関連においては多分銃口を向けられても変えないだろう)
野分「では、今夜は身体を回復させるためにステーキにしましょう!」
提督(;´゚д゚`)(誰か何とかしてくれー!)
先生♀(いちゃラブは他所でやって欲しいのデス!)
―――鎮守府会議室
ガチャ!
提督「すまない、やっと執務が終わったんで来たぞ」
那珂「お疲れ様です!」
プロデューサー(以後P表記)「お疲れ様です、提督(Cv.武内○輔)」
提督「ご苦労様、Pさん。会議の進み具合はどうなってる?」
P「ちょうど一段落ついたところでして」
秋雲「次の企画も決まったよ!」
提督「おお!そうか!頼もしいねぇ-!」
P「恐縮です」
提督(ウチの艦娘達の芸能に関する事は必ず俺と、大手芸能事務所から出向しているプロデューサーと、艦娘代表兼アドバイザーとして秋雲と那珂が参加する企画会議をして大まかな骨組みを作り、俺が許可を出してから艦娘とPさん、その他のスタッフによる肉付けをしていく形を取っている。例え面倒くさくても、ウチの娘達に変な仕事をさせない為には仕方ない)
提督「で、次は何をするんだ?」
秋雲「PSVRを使ったシチュエーションものをやってみよう!って事になったよ」
P「具体的な事はこれから煮詰めますが、例えば二人でデートや食事、さらには添い寝などのシチュエーションを撮影して、リアルな体験ができるというものをやってみようかと」
提督「いいね!じゃあサンプル作ってそれからまた話し合いしてみよう」
P「こんな事を言うのはなんですが、提督は発案された企画に対してコール&レスポンスですね」
提督「ん?途中でヤバかったら止めりゃいいし、何より皆を信じているからできるのさ。もちろんPさんも含めてだからな」
P「提督…」
提督「これからも皆を頼むよ、Pさん」
P「はい、おまかせ下さい提督」
秋雲(業種は違えど、熱い男同士の友情…たぎるねえ~♪)
P「提督、その…」
提督「?どうしたんだ?」
P「実は相談が」
――――
提督&那珂&秋雲「「「ホテルのブライダルフェアのモデル?」」」
P「はい、企画自体は少し前に持ち込まれたのですが、ウチの事務所の娘達の都合がなかなかつかない上に、スケジュール的にすぐにでも撮影しないと間に合わない状態でして」
提督「何でそんな事に、ってウチがPさん囲って使いっぱなしだったから本来の事務所の仕事の方がキツキツって奴か?」
P「非常に言いにくいのですが…」
秋雲「そっか、だとしたら悪い事しちゃったよね私ら」
那珂「那珂ちゃん達、Pさんに頼りっぱなしだったからね。提督、ここはお詫びもかねてこっちでやろうよ!」
提督「おっ、そうだな」
秋雲「んじゃあ、さっそくモデルを決めないと」
那珂「ドラマでドレス着た事があるから吹雪ちゃんは?」
提督「あいつは今、別の仕事でいっぱいだから無理だ」
秋雲「意外性を狙って最上さんと三隈さんのカップルは?」
提督「誰が最上を説得すんだよ、俺は嫌だぞ」
那珂「舞風ちゃんと野分ちゃんは?」
提督「あれ?同性婚のモデル頼まれたんだっけ?」
P「いえ、今回は普通の男女のモデルをお願いします」
提督「うーん。え?男女のモデル?」
秋雲「だとしたらやっぱり提督と誰か?って事になるよね?」
提督(;´゚д゚`)「じょ、冗談は吉本興業だぜ!何で俺が!?」
那珂「だって、ウチの娘達が納得できる男性って言ったら提督しか居ないよ?」
秋雲「それに時間も無いから今から男性モデル探してる時間もないから…仕方ないね」
提督(;´゚д゚`)「救いは無いんですか!」
バアーン!
扉『静かに開けろよ…』
初月「話は(仕掛けておいた盗聴器で)聞かせてもらった!」
提督「は、初月!?」
初月「司令、ここは僕が引き受けよう。僕なら吹雪と背格好も似てるし、こうやって」
シュルシュル、パサッ
「ハチマキと前髪を落とせばそれなりに吹雪に見えるだろう?」
提督「ま、まぁ、そりゃそうだけど(目付きと、どことは言わないが、体つきにかなりの差があるような)」
バアーン!
扉『だから静かに開けろっつってんだろーが!』
武蔵「水くさいじゃないか相棒、私に声をかけてくれればいいのに」
木曾(タキシード装備)「待たせたな、提督。さぁ、行こうか」
提督「お前それどこから持ってきたんだ!?」
松風「司令、ここは僕が…」
ワーワー!ギャーギャー!
提督「…どうしよう」
―――その後、話し合いの結果、憲兵隊長と元あきつ丸がモデルをやる事になった。
カメラマン「憲兵♀さん、いい表情ですねー!隊長さんはもうちょい笑顔をお願いします!」
カシャカシャ!カシャッ!
憲兵♀(こ、これはかなり嬉しいであります!)
憲兵隊長(…なんで俺が?)
提督(付き添い)「隊長…すまない」
―――午後3時、執務室
ネルソン「では始めるがよい、admiral」
提督「畏まりました」
カチャカチャ…
提督(基本的に俺はコーヒーより紅茶派で、今日はネルソンとアークロイヤルと一緒にアフタヌーンティーを楽しむ事になり、先の作戦でMVPを取ったネルソンに『何か褒美が欲しいか?』と聞いたら『貴様の淹れた紅茶を所望する』と言われた為、今日はホスト役として、2人の世話をしている。ちなみにウォースパイトとジャーヴィスは街へお出かけしている)
提督「お待たせ致しました」
ネルソン「うむ」
カチャ…
提督(ソーサ-をテーブルに置いたままではなく、キチンと手に持っている。日本人はカップだけ持って飲む人が多いから英国式は綺麗に見えるな)
カチャ…
ネルソン「ふむ…admiral」
提督「はい、何でしょうか?」
ネルソン「水は?軟水か?硬水か?」
提督「汲みたての軟水を」
ネルソン「沸騰の基準は?」
提督「5円玉位の泡が出るまで」
ネルソン「茶葉は?」
提督「アーマッドティー社のダージリン・セカンドフラッシュを」
ネルソン「茶葉を蒸らす時間は?」
提督「ストップウォッチできっかり3分」
ネルソン「ベストドロップは?」
提督「MVPの貴女様に」
ネルソン「パーフェクトだ、admiral」
提督「感謝の極み」
ネルソン「しかし、日本人のadmiralがここまでできるとは思わなかったな」
アークロイヤル「茶葉もさる事ながら、ケーキスタンドはマホガニー製の3段式、カップやポットはウェッジウッドの一級品ばかり。眼でも楽しませてくれるとは…これはadmiralの私物なのか?」
提督「お恥ずかしい話、昔金剛にせがまれてアフタヌーンティーをやってみたら自分がのめり込んでしまってね」
ネルソン「ミイラ取りが、という奴か。だが恥ずかしがる事はないぞadmiral。こういう物やそれを使う知識は無くて困る物ではない」
提督「そう言ってもらえると嬉しいよ」
ネルソン「これなら戦争が終わってadmiralを連れて本国に行く時も安心だな」
提督(;・∀・)?「え?俺が?英国に?旅行か何かの時にか?」
ネルソン「?何を言っている?貴様は余の執事兼婚約者として連れて帰るぞ?」
提督( ; ゜Д゜)「ハア!?」
アークロイヤル「連日の激務で疲れているのかネルソン?admiralはこのアークロイヤルのものだ。寝言は夢の中で言うものだぞ」
ネルソン「貴様は寄宿舎生活からやり直した方がいいな、Ark。余はすでに本国に『彼を連れて帰る』と報告してある」
提督(;´゚д゚`)「何勝手に報告してんのさ!」
ネルソン「何だ?今からホームシックを心配しているのか?」
ガタッ、スタスタ
ネルソン「案ずるな、貴様にはこのビッグセブンたるネルソンがついている」
提督「え?何で近づいて」
ネルソン「貴様は心安らかにしているがよい。そうすれば」
抱きしめからの顎クイッ!
提督「っちょ///ネルソン///離して////」
ネルソン「このネルソンが生涯をかけて守ってやろう」
アークロイヤル<●><●>「………」
提督( ; ゜Д゜)(イヤー!アークさんのハイライトさんが居なーい!?誰か何とかして-!)
―――その後しばらくにらみ合いが続いたが、ジャーヴィスとウォースパイトが帰ってきて何とか事なきを得た提督であった。
―――夜、提督の自室
提督「ふぅ、今日は危なかった。まさかネルソンが本気で俺を英国に連れて行く気だったとは。ウォースパイトに頼んで、英国に『そのような事実はない』と報告してもらわなかったら、アイツ冗談ぬきで俺を英国に連れて行っただろうな」
提督「何か今日は精神的に疲れたな。一杯ひっかけてから寝るか」
ガチャ!
アークロイヤル「入るぞ、admiral!あははははは!」
提督「!?アーク!?一体どうし…って酒くせー!」
アークロイヤル「何だ?辛気臭い顔をして。このアークロイヤルがラム酒を携えて遊びに来たんだ。もっと喜んでくれ!」
提督「シラフだったらもうちょい喜んだよ!っつーか何の用だよ!?」
アークロイヤル「admiral!お前に一言、物申ーす!」
提督「駄目だ、完全に酔っぱらってら」
アークロイヤル「まずadmiralも飲め!話はそれからだ!」
―――
アークロイヤル「だからswordfishはだな…」
クドクド…
提督「うん、そうだね、素晴らしい飛行機だね」
アークロイヤル「admiralもわかってくれるか!やはりswordfishは英国の誇りだ!」
提督(酔っぱらってる分、瑞雲語りの日向よりタチが悪いな。ここでスピットファイアの名前出したら更にこの酔っぱらいの話が長引くんだろうな~)
アークロイヤル「更に複葉機はだな…聞いてるのか!admiral!」
提督「ああ、聞いてる聞いてる。心配すんな」
アークロイヤル「大体admiralはスキが多すぎる!今日の事だってネルソンに抱きつかれてニヤニヤと…あれで私が居なかったらどうなっていたと思っているんだ!」
提督「ニヤニヤはしてないよ!」
アークロイヤル「そんなに胸が重要か!?重要なのか!私だって、私だってネルソンには負けるが形は良いのが」
提督「ハイハイ、ストップストップ!女騎士さんがしちゃいけないトークになってるぞ!」
アークロイヤル「それに別の界隈では私の名を冠した者が幼女好きだからってだけでアークロリコンなんてあだ名をつけられて…私は駆逐に欲情した覚えはなーい!」
提督「そうだな、お前は普通だな。さ、ギネスビールでも飲んで帰りなさい」
アークロイヤル「嫌だ!admiralともっと飲む!」
提督「そのしつこさはビスマルクにだけに発動してくれよ…ハア」
―――深夜
アークロイヤル「スー…スー…」
提督「飲むだけ飲んで寝ちまったよ、このくっ殺さんは全く…」
提督「でもそれだけ普段からストレスがたまってたのかな?だとしたらもうちょいスキンシップは必要かな?」
ムクッ
提督「起きたか。水飲むか?」
アークロイヤル「admiral…」
提督「ん?」
アークロイヤル「私はウォースパイトのような優美さや、ジャーヴィスのような可愛らしさもない、ましてやネルソンのような胸もない」
提督(いや、それ言ったらウチのフラットさん達の立場が無くなるんだが)
アークロイヤル「だが…admiralに対する気持ちは…気持ちだけは…絶対に負けない。これは女王陛下に誓ってもいい」
提督「男として冥利に尽きる告白だが、立場上誰かをひいき贔屓するわけにゃいかん。それはわかってくれ」
アークロイヤル「admiral…」
提督「アーク…」
アークロイヤル「すまん、げんか」
ガチャ!
ネルソン「おい、Arkを見なか…」
――――その瞬間、執務室に噴水が現れた(比喩表現)
提督&ネルソン( Ⅲ ゜Д゜)「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」
結局アークと提督、ネルソンの三人で夜を徹しての清掃作業になった(笑)
アークロイヤル「す、すまない、admiral…ネルソン…」
提督「今度酔っぱらいが部屋に来たら叩き返してやるー!」
ネルソン「何故、余まで巻き込まれてるんだ…」
鎮守府から少し離れた喫茶店
モブA「ねえB、本当にいるの?」
モブB「絶対いるって!ちゃんとネットで調べたんだから!この店に乙子前鎮守府の艦娘がちょくちょく来るって!」
モブA「本当に来る…」
カランカラン!イラッシャイマセー!
モブA「あれ?今入って来た子ってアンタの推しの」
モブB<❤️><❤️>「き、木曾く~ん!」
モブA「ちょ!静かにしなよ!他のお客さんもいるんだから!」
モブB<❤️><❤️>「何言ってんのよ、隣に居るのアンタの推しの天龍さんじゃない」
モブA<❤️><❤️>「て、天さん!(天龍のファンの間での呼び名)」
モブA「ど、どうしよう!テンションがヤバい!」
モブB「あ、カウンターに座った」
モブA「しかも店長さんと親しげに話してる。やっぱりここの常連なんだ」
モブB「A、壁見てみなよ」
モブA「うわ!艦娘さん達のサインとか店長さんと一緒に撮った写真がいっぱいだ!」
モブB「来て良かった♪」
モブA「そうだね♪でも、天さんと木曾くん、何か真剣に話してるね」
モブB「きっとカッコいい会話に違いないわ!」
モブA「カッコいい会話って何よ…でも、そんな雰囲気はわかるわ」
モブA・B「ハア…素敵❤️」
――んで、当の本人達はというと
天龍「この間提督とここに来た時にコーヒー頼んだんだけどさ、アイツ飲めねーのに『男ならコーヒーはブラックだ!』って言ったはいいが、一口飲んでちっちゃい声で『…苦い』って言って涙目になってた」
木曾「なにそれ可愛い」
天龍「仕方ねーから俺が頼んだチーズケーキやったら、もんのすごいニコニコ顔でケーキ頬張ってた」
木曾「なにそれ超見たかった」
天龍「お前は?」
木曾「昨日提督が初雪と望月と3人でマリカーやってたんだが、アイツマリカー弱い癖に『手加減無用!』って言ったらボっコボコにやられてすっげえショボーンってしてた」
天龍「なにそれ可愛い」
木曾「んで、俺が二人に『ちょっとは加減しろよ』って言ったら『二人は悪くない、マリカーが弱い俺が悪い』って言って後で1人残って悔しそうな顔して練習してた」
天龍「やべえ、後ろから優しく抱きしめてやりてえ」
木曾「バレないように隠れて見てたからその衝動を抑えるのが大変だった」
天龍&木曾「「ハア…全くアイツときたら、どんだけ可愛いんだよ」」
――『自分が目撃した提督の可愛い所自慢』し合っていた。
店長(こんな会話してるなんて夢にも思ってねーんだろうな。ファンの子達)
店長(俺は喫茶店『アンカー』の店長だ)
店長(ウチの店は艦娘が常連の店として近隣じゃ有名だが、それは俺と乙子前鎮守府の提督が幼なじみで、よく所属してる艦娘達を連れて遊びに来てくれるからだ)
店長(艦娘達も『提督の知り合いがやっている店』という事で艦娘達だけでも気楽に来て贔屓にしてもらっている。それはいいんだが…)
―――カウンター
松風「ねえ店長さん、司令官のマル秘エピソードを教えてよ」
店長「聞いてどうするんだ?」
松風「ちょっと欲しいブランドのバッグがあって」
店長「ぜってー教えねー」
木曾「提督って好きな人はいたのか?」
店長「好きな人?俺は知らんが、中学時代はよく年上の先輩に告白されてたな」
天龍「提督のうなじがセクシー過ぎて辛いんだけど、どうしたら…」
店長「お願いだからマジで手ぇ出すなよ、アイツの姉ちゃん重度のブラコンだからな」
初月「お義姉さんか、その内挨拶に行かないとな」
店長「んな事せんでもアイツの姉ちゃんも提督だからその内演習に来るだろ…」
長門「全く…店長からも武蔵に言ってやってくれ、提督にはロングヘア-にセーラー服が似合うと!」
武蔵「やれやれ、ロングは同意するが、衣装についてはわかってないな、相棒にやらせるなら巫女服に決まってるだろ?」
那智「は?何を言ってるんだ貴様らは?ロングスカートのメイド服が至高に決まってるだろ?」
長門&武蔵&那智「「「は?」」」
店長(このような人に聞かれた場合ヤバい類いの話をするのはやめて欲しいんだが…)
長門「ここまで言ってわからないとは…」
武蔵「宜しい、ならば戦争だ」
那智「望むところだ」
店長「お願いマジやめて!?」
―――鎮守府武道館
シーン…
日向「イヤア!」
カシュッ!
ザクッ!ザクッ!ザクッ!
ビュン!
提督「お見事!」
提督(今日は日向の居合いの練習に付き合っている。一応軍人なので、武道関連には興味があるが…)
提督「しかし、抜き打ちからの空蝉とは凄いなー」
※抜き打ち…鞘から刀を抜きながらそのまま斬りつける。
※空蝉(うつせみ)…下から上に向かって二回斬りあげ、さらにその2ヶ所の上を水平に斬るという高等技
日向「なに、君も修練すればこの位できるようになる」
提督「そうかなあ?」
日向「刀での斬り方自体は難しいものじゃない。要は刀の重さを利用して、腰を使って全身で斬ればいい。そうすれば最低限の力で竹すら斬れる」
提督「やっぱり練習あるのみか。だが日向」
日向「ん?」
提督「お前は何故そんなに鍛えるんだ?」
日向「ふふ、かつて私が君に『何故戦っているのか?』と聞いた事への意趣返しかな?」
提督「そんなんじゃないよ、ただ純粋に聞いてみたかったんだ」
日向「そうか。まぁ私が鍛えるのが好きだというのもあるが、一番の理由は君を守る為だ」
提督「え?お///俺を?」
日向「そうだ、他の誰でもない、君を守る為だ」
提督「ちょ///急に何言って///」
日向「私は本気だ」
提督「あの日向さん、何故近寄って」
日向「提督…」
提督「ま、待って///日向///」
日向「フフフ…」
パサッ!パサッ!
提督「え?」
日向「髪に埃がついているぞ?提督」
提督「あ、ああ、あ///ありがとう///」
日向「今はまだ…届かないが…いつか君を側で守れるようになる。それまで待っててくれ」
提督「あ、ああ、期待しているよ」
日向「ありがとう。じゃあ」
オデコにチュッ❤️
日向「先約の証だ、忘れないでくれ」
提督「ひ、日向!?」
日向「さて、そろそろ時間だ。片付けて引き上げよう」
スタスタ…
提督(かつての日向は素っ気ない場合が多かったが、今はそれが嘘のように変わった。嬉しいには嬉しいんだけど、いきなりああいう事はやめて欲しい…)
日向(君が私のものになるなら…伊勢だろうと誰だろうと負けはしないさ)
―――乙子前駅
ザーーーー…
提督「やれやれ、とうとう降って来ちまったか」
提督(雨が降る前に鎮守府に戻りたかったのに、あのバーコードハゲの元帥の長話のせいで間に合わなかった!)
提督「どうするかな…止むまで待つか、傘買って帰るか…」
木曾「おい、提督」
提督「え?木曾!?何でここに!?」
木曾「非番でコンビニに買い出しに行っててな、今帰るところだったんだが、提督は?」
提督「会議の帰りさ、ハゲの長話がなきゃもっと早かったんだがな」
木曾「そいつは災難だったな。ん?傘は?」
提督「忘れて来た。仕方ねえから飯でも食って止むの待つかと思ってたんだ」
木曾「そうか、なら俺の傘に入れ。一緒に帰ろう」
提督「え?いいよ、コンビニでビニール傘買ってくるから」
木曾「提督…たかが傘一本だが、無駄遣いはすべきじゃない。お前がそんなんじゃ新入りや、駆逐の連中に示しがつかなくなるぞ?いいのか?」
提督「それを言われると弱い…けど木曾の傘小さいじゃん?」
木曾「心配ない、こうやって…」
グイッ!
提督「うおっ///い///、いきなりひっつくな!」
木曾「こうやってくっつけば荷物だって濡れないし、金も節約できる。さあ、行こうか」
スタスタ…
提督「な、なあ、木曾」
木曾「どうした?寒いのか?ならもっとくっつけよ。多少はマシだ」
ムニュ❤️
提督「あ///いや///その…なんと言うか…胸が当たって…るんで///」
木曾「ん?ああ、くっついてるんだ、気にするな」
提督「いや、気にするなと言われても…」
木曾「何だ?俺に女を感じてくれてるのか?なら嬉しくはありこそするが、嫌な気分になんかならないさ」
提督「き//木曾///」
木曾「なんなら…」
グイッ!
提督(腰に手をまわされて、俺の顔の横に木曾の顔が!)
木曾「ここから先を…してみたいか?」
提督「いや、駄目、待って///」
木曾「俺はいい…」
??「なにやってるんだい?お二人さん?」
提督「まま、松風!?どうしてここに!?」
松風「朝、司令官が傘を持っていかなかったのを見ていてね、気になったんで迎えにきたのさ、はい、傘」
提督「あ、ああ、ありがとう松風」
松風「フフフ、どういたしまして」
木曾<●>「………」
松風(フフ、前のお返しだよ、木曾さん?)
ブルブル!
提督(; ゚д゚)「な、何だか寒気が…」
松風「なら、風をひかないうちに早く戻ろう」
木曾「…そうだな」
木曾<●>(……この借りは必ず返すぞ、松風…)
パート1完、パート2に続く
ここまでご覧いただきありがとうございました!
文章保存が怪しくなってきた為、パート2に移行致します。よろしければまたお付き合いください!
あれ?ここの提督って長髪サラサラヘアーでファッションモデルばりの女性なのになんで観客は男と認識したんだろう?違う鎮守府ですかね?(ぐるぐる目
何はともあれ楽しませてもらってます!
1氏、ご覧いただきありがとうございます!
あれ?提督の性別ってどっちだったっけ?(混乱)
イケメン艦娘は大好物なのでこういう作品を待ってました!
続きを楽しみにしています!
クサガメ氏、ご覧いただきありがとうございます!
頑張っていきますので、喜んでいただければ幸いです!
ハーッ!ハーッ!
キュッ、キュッ
『続き楽しみにしてますから…ね?』
ハーッ!ハーッ!
くまりんこもデレていいの……よ?
5氏、6氏、ご覧いただきありがとうございます!
ハーッ、ハーッ
キュッ、キュッ
『頑張ります♪』
実にイケ(ナイ)メン(ツの)鎮守府ですなぁ・・・
8氏、ご覧いただきありがとうございます。
イケメンとはなんだろう?(哲学的疑問)
師匠は流石師匠ですね……
投稿頑張ってください!
クサガメ氏、ちんぐりまん氏、ご覧いただきありがとうございます!
クサガメ氏
師匠が瑞雲だけじゃないって皆にわかって欲しい(切実な願い)
ちんぐりまん氏
頑張ります!