孤島のブラックじゃない鎮守府〜第12話 トラウマ、そして別れ〜
初心者なので色々変な所があります
リクエストお待ちしております!
※中々にグロデスクな表現が出てきます
鎮守府全体の雰囲気が良くなった最中、悲劇が訪れる…
【執務室】
提督「」カリカリカリ
五月雨「」カリカリカリ
提督「」ハンコポンポン
五月雨「」ファイリング
提督「………ふぅ」
五月雨「お疲れ様です。もうそろそろ皆さん帰ってきますよ」
提督「もうそんな時間か…じゃあ行くか」ヨッコイショ
五月雨「はい♪」
【港】
提督「………」
五月雨「………」
…イ……オーイ…
提督「」ホッ
五月雨「」ニコニコ
由良「……戦果は以上となります」
提督「そうか…お疲れ様」ニコッ
夕立「提督さん、夕立頑張ったっぽい!」
提督「ちゃんと由良の言うことを聞いてたか?」
由良「大丈夫ですよ、今日は良い子でしたよ♪」
提督「そうか…お疲れ様」ナデナデ
夕立「ぽーい」キャッキャッ
時雨「ほら夕立、もう少し頑張ろう」
夕立「はーい…」シュン
提督「終わったらまたしてやるから」
夕立「ホント?」
提督「ああ、今日は頑張ってたからな」
夕立「分かった、じゃあ行ってくるっぽい!」ピュー
時雨「あ、待って夕立!」タッタッタッ
鈴谷「元気だねー」ニガワライ
青葉「ムードメーカー的な存在だからねー」スタスタ
鳳翔「ふふっ」スタスタ
由良「私達も行きましょうか」スタスタ
五月雨「そうですね」スタスタ
提督「………」
提督「(よかった…みんな良くなってる…これならこの先の海域も大丈夫そうだな…)」
???「ナカナカニギヤカナトコロダナ」
???「クックック、ゲンキニシテタカ?」
提督「」ゾクツ
クルリ
ル級「レ級、タブンアイツハオボエテナイゾ」
レ級「クックック、ソレモソウカ」
提督「なっ…」
全く気が付かなかった
いつからいたんだ…アイツらがいない時でよかったが…
提督「…何しに来た」
ル級「イヤナニ、ゲンキニシテルカトオモッテナ」
レ級「ワザワザアイニキテヤッタンダ」
提督「…俺は深海棲艦と友達になった記憶はないぞ」
ル級「ソレモソウダロウナ」
レ級「タダ、コレヲミレバワカルダロ」ドサッ
提督「なんだこれ……は……」キョウガク
2人が持っていたのは…
俺の家族の頭だった
どうやって長い年月綺麗なまま保っていたのかは分からないが…
提督「お前らか…何しに来た!」
ル級「マアソウアワテルナ。キョウハオマエニホウコクシニキタンダ」
提督「…報告だと?」キッ
レ級「トテモビックリスルトオモウゾ。クックック」
ル級「コレヲミテクレレバワカルハズダ」ドサッ
提督「………」ガクゼン
なんで…親父の頭を持ってるんだ
実家は海からはだいぶ離れているはず…狙われることはまずないのに…
いや…そもそも何故誰も気が付かなかった
何故そこまで侵入を許したのだ
何故………親父なんだ
ル級「ジツハワレワレノスパイヲオクッテテナ、ソノモノニイライヲタノンダンダ」
レ級「ムカシノシニゾコナイヲシマツシロッテナ」クックック
提督「てめぇ…」ギリッ
ル級「マアオチツケ。ハナシハマダオワッテナイ」
提督「…お前らと話すことなど何も無い」キッ
レ級「マアキケ。ワレワレノモクテキヲシッテイルカ」
提督「…地球侵略か」
ル級「ソノトオリダ。タダ、アノ艦娘トヤラガジャマデナ」
レ級「ソコデ、ココノシマヲワレワレノキョテントシテイクトイウハナシニナッテナ。ソコノ提督トヤラトキョウリョクシロトイワレテナ」
ル級「タダ、ワレワレトキョウリョクシタラホウシュウハシッカリダシテヤロウ」
提督「………」
レ級「ワルイハナシデハナイダロウ。サア、ドウスル?」
提督「………俺の心は決まってるよ」
ル級「オオ、ソウカ!ワレワラニキョウリョクシー」
提督「お前らを殺す」バァン←発砲
ル級「オオ、アブナイアブナイ。アタッタラドウスルンダ」
提督「知ったことか」
レ級「フン、マアイイ。ソレヨリ…コウカイシテモシランゾ?」クックック
提督「なんとでも言っとけ。お前らにつくほど俺は弱くねぇ」キッ
ル級「ホゥ…」
提督「それに…人間を甘く見るなよ」チャキ
レ級「ナンダソレハ?」
提督「これか?これはな…」
スパン
提督「刀って言ってな…昔は人を切るのに使ったんだ」
ボトッ←ル級とレ級の手が落ちる音
ル級「グアァァッ」
レ級「グウゥゥ」
提督「まだやるか?相手になるぞ…」ゴゴゴゴゴ
提督「一つ忠告だ。どんなに窮地になろうとも…お前らの元につくつもりはねぇ!」
ル級「クッ…」ギリッ
レ級「コノガキ…」ギロッ
提督「それにな…ここの島の住民や鎮守府のみんなは、お前らに負ける程弱くはねえ!」
ル級「…フン、マアイイ」
レ級「ツギニアウトキハ…オマエノサイゴノトキダ!」←爆弾投下
ドゥン
提督「くっ…おい!待て!」
しかし、もうそこに2人の姿はなかった…
五月雨「提督!凄い音がしましたけど大丈夫ですか!?」
由良「提督さん、大丈夫で………すか…」
提督「………」フーフー
アイツら…次会った時は必ず仕留める…
五月雨「提督!」
由良「大丈夫ですか!?」
提督「っ…ああ、お前らか」
五月雨「何があったんですか?」
提督「………ル級とレ級が来た」
由良「えっ!?提督、怪我はないですか!?」
提督「大丈夫だよ。心配してくれてありがとな」ナデナデ
由良「んっ…えへへー♪」ニコニコ
提督「よし、じゃあ行こ………う」チラッ
その時、俺は見てしまった…
家族の頭だけが残っているのを
俺が守れなかった4人の頭を
提督「………」ブルブル
五月雨「提督?」キョトン
提督「………」ガクガク
由良「提督さん?」
提督「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
五月雨「提督!提督!!」
由良「提督さん!しっかり!!」
摩耶「どうした!何事だ!」
鳳翔「とりあえず医務室に運びましょう!」
五月雨「提督ーーー!!!」
そこで意識が途切れた
【医務室】
提督「………ハッ!」ガバッ
提督「………」ボーッ
提督「(そうか…あの後倒れたのか)」
提督「(みんなに悪いことしたなー)」
「体調は大丈夫ですか?」
提督「まあ…大丈夫かな」
瑞鳳「もう…ビックリしたよ」ハァ
龍驤「それにしても…何があったん?どったんばったんしとったけど」
提督「まあ…色々あってな…」
龍驤「ふーん…まあ今日はウチと瑞鳳が面倒みるから安心してな」
瑞鳳「そうだねー。それより、提督?」
提督「ん?」
瑞鳳「私…提督のために卵焼き作ったんだけど…食べりゅ?」クビカシゲ
提督「………ああ、頂くよ」ニコッ
瑞鳳「ホント?よかった」ニコッ
瑞鳳なりにきをつかってくれたのだろう
俺はありがたく頂くことにした
提督「………美味いな」
瑞鳳「よかった…提督一応病人だから薄味にしたんだよ」
提督「なるほど…食べやすいなって思った訳だ」
瑞鳳「おかわりあるからねー♪」
提督「ふぅ…ご馳走様」
瑞鳳「お粗末様♪どうだった」
提督「また食べたいなー、瑞鳳が良ければまたお願いしていいかい?」
瑞鳳「うん♪どんどん作ってあげる♪」ニコニコ
龍驤「さてさて、デザートやでー」ガチャ
提督「おお、ありが……と……う」
龍驤「沢山食べてやー♪」コトッ
提督「………何これ?」
龍驤「何って…たこ焼きパフェやで♪ウチの自信作なんや」ニコニコ
提督「そ、そうか…じゃあ、頂きます」
龍驤「」ニコニコ
提督「………結構美味いな…」
龍驤「せやろせやろ♪見た目はあんまりやけど結構美味しいねん」
提督「そうだな…だけどもう少し改善する必要はあるかもな。たこ焼き以外の材料をもう少したこ焼きに合うやつにした方がいいな」
龍驤「なるほどなー、なら付き合ってや♪」
提督「やるなら完璧を求めるからな、厳しく行くぞ」ニヤッ
龍驤「ええで!ガンガン頼むわ♪」
瑞鳳「あ!ズルい!私との約束も忘れずにね!」ズイッ
提督「ああ、忘れてないよ」ナデナデ
瑞鳳「んぅ…もぅ///」テレテレ
龍驤「……なんやこの空気」
提督「ん?龍驤も後でやるから待ってて」ナデナデ
龍驤「いや別にやって欲しい訳ちゃうねん」ニガワライ
提督「我慢しなくていいんだぞ」ナデナデ
龍驤「だだだだから違う言うとるやろ!」
提督「ならやめる?」ナデナデ
龍驤「………もう少し続けてや」
提督「はいはい」ニコッ
瑞鳳「」クスクス
龍驤「///」ウー
提督「もういいかい?」ニコッ
龍驤「充分すぎるわ…///」カァァ
瑞鳳「提督も大丈夫?」
提督「何がだ?」
龍驤「確かになー。元々キミのメンタルが心配でお見舞いに来たんや」
提督「あっ…」
瑞鳳「すっかり忘れてるね」ニガワライ
提督「なんか2人といるのが楽しくて」
瑞鳳「もう…///」
龍驤「キミ、ホンマに女たらしやな」ハァ
提督「?」
龍驤「まあええわ。それじゃ、今日はゆっくり休んでなー」ノシ
瑞鳳「寂しくなったらいつでも呼んでねー」ノシ
パタン
提督「………」
提督「………」フゥ
ガチャ
春雨「」ヒョコ
提督「おお、春雨か。どうした?」
春雨「」オロオロ
提督「もう大丈夫だよ。ありがとな」
春雨「」ニコッ
提督「ちょっと寂しいから話し相手になってくれないか?」
春雨「」パァァ
チョコチョコ ストン
春雨「♪〜」←提督の上に座ってる
提督「………なぁ春雨」
春雨「」クビカシゲ
提督「……座りにくくないか?」
春雨「」フルフル
提督「そうか…ならいいが…」
春雨「」ニコニコ
実は病院にいる時から春雨はよく俺の膝の上に乗ってくるのだ、それも二人きりのときだけ
春雨曰く、高級ソファーよりも俺の膝の上の方がいいんだとか
それにお互い似たような境遇だったから気を使わなくていいんだとか
提督「…」ナデナデ
春雨「」ニコニコ
ガチャ
春雨「」ビクッ
扶桑「武さん、大丈夫ですか?…って、あらあら…」ホホエマー
山城「生きてますか?…って、おやおや」ニヤニヤ
春雨「」アウアウ
扶桑「大丈夫よ。前々から知ってたから」
山城「私たちの前では気を使わなくていいのよ」ニタニタ
春雨「///」プシュー
扶桑「ちなみに…武さんは春雨ちゃん以外乗せたことがあるんですか?」
提督「そうだなー…動物なら何匹か」
春雨「」ピクッ
扶桑「…ちなみにどのような動物を?」
提督「えーと…猫とかウサギとかの小動物だな」
山城「ほう?」
提督「しかも自分から膝に乗ってくるからこれがまた可愛いんだよー」ニヨニヨ
春雨「」ムー
提督「平和になったらみんなで行こうぜ!絶対癒されるから」
春雨「」ズイッ
提督「ど、どうした春雨?」
春雨「」ズイズイッ
提督「…はいはい」ナデナデ
扶桑「(動物相手に嫉妬するなんて…春雨ちゃん可愛い)」フフッ
山城「(春雨ちゃんも大変ねー)」シミジミ
扶桑「それじゃあ、私達はもう行きますねー」ニコッ
山城「いつでも甘えてくださいね」ニヤニヤ
春雨「」ニコニコ
提督「ああ、ありがとう。いつかお願いするよ」
パタン
提督「今日は来客が多いなー」シミジミ
コンコンコン
提督「はいよー」
鈴谷「ちーっす。提督、生きてる?」
摩耶「さすがに死んではいないだろ」
最上「提督、気分はどう?」
青葉「失礼しまーす」
提督「何とかな、みんなが来てくれてるから楽だよ」
最上「それなら安心したよ」
摩耶「お茶いるか?用意しとくぞ?」
鈴谷「なら鈴谷は果物用意するね♪」
青葉「それなら青葉はお喋りしてます」
提督「すまないな、みんなに気を使わせて」
摩耶「何言ってんだよ」
最上「僕達は提督にお礼をしたいんだよ」
鈴谷「確かに言われっぱなしで癪ではあったけどねー」
青葉「青葉達を本気にしてくましたからね〜」
提督「………そうか」
摩耶「だから提督がアタシ達にしてくれたように」
最上「僕達も提督の力になりたいんだよ」
青葉「なんだかんだ司令官がいないとこの鎮守府全体の士気は上がりませんからねー」
鈴谷「みんな主人の帰りを待つ子犬の顔してるんだよねー」ニッシッシ
提督「それなら早急に戻らなければ」バッ
摩耶「だー!休んでろ病人!」
最上「提督はもう少し自分の身体を大事にしなよ」ニガワライ
青葉「ただでさえ何回も死にかけてますからね」
鈴谷「提督は1週間くらいベットで寝てなって。はい、果物」スッ
摩耶「これ以上アタシ達に迷惑かけんなよ?ほら、お茶」スッ
提督「ありがとう。ただ、1人だと寂しいからみんなでお茶会しないか?」
最上「僕達でいいなら付き合うよ」ニコッ
青葉「それでは色々なことを取材させてください!」バッ
青葉「本日はありがとうございました!」
最上「安静にしててねー」
鈴谷「寂しかったら鈴谷に会いに来てもいいんだよ?」ニッシッシ
摩耶「じゃあな、提督。執務室で待ってるからな」
パタン
提督「………」
提督「………信頼…されてるのかな?」
コンコンコン
提督「どうぞー」
五月雨「失礼しまーす」ペコッ
時雨「提督…調子はどうだい?」ヒョコ
夕立「提督さん、大丈夫っぽい?」ヒョコ
鳳翔「お見舞いをしにまいりました」ペコッ
提督「おー、いらっしゃい」
提督「まさかこんなに来てくれるとはな…」
時雨「そりゃあ提督だもの」
五月雨「来ない人はいないと思いますよ」
夕立「提督さん、撫でて撫でてー」ズイッ
鳳翔「全く…夕立ちゃんがすみません」ニガワライ
提督「大丈夫だよ。むしろこんだけ明るい方が気持ちも楽になるし」ナデナデ
夕立「ぽいー♪」グリグリ
提督「ほら、五月雨も時雨もおいで」テマネキ
五月雨「…」スッ
提督「俺がいない間の執務、ありがとな」ナデナデ
五月雨「えへへー♪」ニコニコ
時雨「…」ズイッ
提督「おっと……時雨も、いつも夕立の面倒見てくれてありがとう」ナデナデ
時雨「………ふふっ♪」ニコッ
鳳翔「………」
提督「鳳翔さんもこちらへどうぞ」
鳳翔「い、いえ!私は大丈夫ですよ」
夕立「鳳翔さん、我慢しちゃダメっぽい」
時雨「そうだね、こういう時くらいおねだりしてもいいんじゃないかな?」
鳳翔「……そうですね。では…」スッ
提督「…」アタマポンッ
鳳翔「んっ…」
提督「いつもみんなの料理や駆逐艦の世話などご苦労様です。鳳翔さんがいて良かったです」ナデナデ
鳳翔「ありがとう…ございます///」カァァ
夕立「むー…提督さん!はやく夕立も撫でてー」ズイッ
提督「分かった分かった。そんなにくっ付くなって」
鳳翔「それでは失礼します」ペコッ
五月雨「提督もはやく元気になってくださいね♪」
時雨「僕達はいつまでも待ってるからね」ニコッ
夕立「それじゃ、また明日っぽい!」ノシ
提督「………」
提督「(…いつまでもくよくよしていられないな)」
ー次の日ー
【港】
提督「………」
提督「………」ストン←家族の目の前に座る
提督「………ゴメン、親父を守れなかったよ」
提督「戦争が終わるまで親父と生きるって決めてなのにな…」
提督「なあ、親父。最後まで親父に迷惑を掛けてきた俺だけど…最後まで見守ってくれないか?」
提督「前に連れてった五月雨って子…元気にしてたよ。もう一度親父に合わせてやりたかったけどな…」グズッ
「何をしてるのですか?」
提督「?」クルリ
由良「もうここにいても大丈夫なのですか?」
提督「ちょっとな…家族に最後の別れを言おうと思ってな」
由良「これが提督さんの家族ですか?皆さん優しそうな顔してますね」
提督「そうだな…」
由良「ちなみにどのようなお方だったのですか?」
提督「まず親父は物静かだがいつも核心を突くようなことばっかり言ってたな…」
父『武、筋肉をつけることばかり気にしすぎで体幹が疎かになってるぞ』
父『お疲れ様。ただ、ここで満足するなよ。常に上を目指せ』
父『武…五月雨ちゃん…気を付けてな…』
提督「お袋は超が付くくらいの心配性でな。1日に3回は心配してくれたよ」
母『武!アンタもっと食べないと終盤でスタミナ切れするわよ』
母『武!道具の整理はしてる?掃除道具がないなら買ってあげるから、何がいいか教えなさい!』
母『たまには休みなさい。オンとオフの切り替えも大切よ』
提督「兄ちゃんは…家族の中で1番長く一緒にいてくれて、よくトレーニングとかもしてたな。それに勉強もよく教えてくれたし」
兄『武、お前は体幹が弱いから今日はバランスボールで相撲だ!』
兄『武は飲み込みが早いんだから勉強も継続して続けてみたらどうだ?』
兄『やったな武!リラックス出来てて、最高の出来だったぞ』
提督「姉ちゃんは親父と同じ感じだが、なんだかんだスポーツ以外のことをよく教えてくれてたな」
姉『料理を教えて欲しいって…分かったわ。その代わり最初は簡単なやつから作ってくから』
姉『アンタ最近寝てないでしょ。睡眠をしっかり取らないと本番コンディション悪い状態になるわよ』
姉『アンタは出来る子なんだから、しっかり周りを見てやれば大丈夫よ』
提督「…という感じかな」
由良「そう…だったんですか……あ」
ポツ…ポツポツ……ザー……
提督「………雨か…」
由良「…戻りましょう…」
提督「………」
由良「………」バサッ←傘を差す
提督「………ありがとう」
由良「どういたしまして……それと」
提督「?」
由良「提督さんに届けもの」
提督「ありがとう。一体なんな…ん……だ」
由良「贈り主いわく…俺の意志を継いで欲しいと」
提督「………」ポロ
由良「それと、もう1つ…」
提督「……」ポロポロ
由良(父)「『こんな俺を…愛してくれてありがとう』」
提督「っ……うっ……ぐずっ…」ポロポロ
由良「………」ギュッ
提督「う…うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
由良「よく頑張ったね、提督さん」ナデナデ
俺は泣いた
年頃の女の子の前で泣くのは恥ずかしいが、涙が止まらなかった
俺が泣いてる間、由良は優しく抱きしめてくれた。それはまるで、あの日の母のようだった…
提督「すまないな、由良」グズッ
由良「大丈夫ですよ。提督さんこそ大丈夫ですか?」
提督「俺はもう大丈夫だよ。今の涙で全て断ち切れたからな」
由良「そうですか…」
提督「……少し…手伝ってくれないか?」
由良「はい」
【自室】
提督「よっと…助かったよ」
由良「いえ、大丈夫ですよ。それより…そちらの使い心地はどうですか?」
提督「んー…まだ少しなれないかな?」ギギッ
由良「そうですか…」
提督「でもすぐに慣れると思うよ。この人の思いも全て背負ってるからな」ニッ
由良「…提督さんは強いですね…由良はそこまで強気でいられませんよ」
提督「…由良がいてくれたからだよ」
由良「っ…」
提督「由良があそこで優しく抱きしめてくれたから…俺も立ち直れたんだ。ありがとな」ニコッ
由良「いえいえ♪それで、何をすれば?」
提督「ああ、これを作ろうと思ってな」
由良「わかりました。」
提督「…よしっ、出来た」
由良「お疲れ様です」ニコッ
提督「ああ、ありがとう」
俺達が作ったのは少し小さめの墓だ
スケールは小さいから1時間ほどで全て完成した
提督「今度時間が空いたら、実家にも作ろうかなって思ってるんだ」
由良「その時は由良も手伝いますね、ね♪」
提督「…ありがとう」ナデナデ
由良「ひゃっ…えへへ///」ニコニコ
【弓道場】
提督「失礼します」
鳳翔「あら?提督、どうされました?」
提督「ええ、少しリハビリを」
龍驤「リハビリったって…片手じゃ出来ないのは流石に分かってるやろ」
提督「それくらいは分かってるよ」
瑞鳳「ならどうするんですか?」
提督「…見てればわかるよ」ニヤッ
鳳翔「?」
提督「…よし、それじゃ」キリリ
瑞鳳「………えっ?」
提督「………」キリキリ
提督「………」ギロッ
パシュッ ターン
龍驤「………はい?」
提督「んー…やっぱりまだスムーズには動かないな…」
鳳翔「え?提督?」
提督「はい?なんでしょう?」
瑞鳳「右手…どうして…?」
提督「………俺への贈り物だと」ギギッ
龍驤「なあ…キミ、弓道の経験は?」
提督「んー…テレビで見たのと、1回家族でやったくらいかな?」スポッ
瑞鳳「それでどうして真ん中に1発で当たるのよ!?」
鳳翔「やはり…目、でしょうか?」
提督「実は俺もよく分かってないんですよ」
龍驤「なんやそれ超能力かいな」
提督「みたいなもんだな」
瑞鳳「まあ…提督運動神経いいから…納得は出来るけど」
提督「まだまだ形はおかしいからな。今度来た時に教えて貰ってもいいか?」
鳳翔「私達で良ければ教えますよ♪」
瑞鳳「こうなったら徹底的にやりましょ♪」
龍驤「ウチらは容赦はないからな」ニッシッシ
提督「むしろその方が助かるよ。それじゃ、失礼しました」ペコッ
鳳翔「………ねぇ、龍ちゃん」
龍驤「?なんや鳳ちゃん」
鳳翔「あの目…」
龍驤「ああ、ウチも見たことあるわ」
瑞鳳「提督の目がどうしたの?」
龍驤「ええか。あの目はな…」
龍驤「………獲物を殺す時の目や」ゾクゾク
提督「………」
由良「あ、提督さん。どうでした?」
提督「なんとも言えないな…微調整が難しくてね」
由良「まあ接続方法が簡単でしたからね」
提督「妖精さんにでも頼んでみるか」
由良「そうですね…それよりも、もうそろそろ朝食の時間ですよ♪」
提督「もうそんな時間か…なら行こうか、由良」
由良「はい♪」
由良と仲良く食堂へ向かいながら一つの決意を胸に秘めた
ー今度こそみんなをこの腕で守ってみせる、と
ル級「クソ、ユダンシテタナ」
レ級「マアイイヨ、ツギハカナラズアイツヲコロスカラ」
ル級「ソウダナ、デスノデモウスコシオマチクダサイ」
ル級「………岬提督」ニヤッ
ということで第12話でした!
1日に2本あげるのは初めてなのですが
中々しんどいので今後はめったにやらないと思います
これまで通り1、2日に1話あげるという形でやっていきます!
春雨、由良、五月雨の出番が多いのですが
実は瑞鳳推しなんです
誰か瑞鳳推しの方いたら嬉しいです
提督の右腕が戻り、今まで以上の活気が溢れる鎮守府
しかし、ル級レ級と手を組んでる岬提督…
果たして彼の野望とは…
次回〜番外編第3話 提督って何者? ガールズトークその3〜
つまり提督の腕、●ビルメイクライのネロみたいな状態って事かあ。
1の方コメントありがとうございます!
そんな所ですかねー。だんだん提督が超人になってく感じがなんとも…
もう少ししたらサイボーグになったりして