おもちゃばこ 18 「まほうしょうじょ…」
注意事項
エロ本よ
この物語は18禁です
この物語はフィクションです
実在の氏名、団体、あとなんやかんやとは一切合切関係がありません
また、すべてのエロい人達の為に理想と現実の区別は付けてくださいね
まぁ、現実なんてしょーもないものだけど一応ね
清潔感を四角く切り取ったような部屋
病室でなければ、保健室といった風体の
部屋の隅に置かれた机、そこに腰掛けているのは一人の女
纏っている白衣から、ここの主であるのが容易に想像できた
「はい、こんばんは…。今日はどうしたの?」
あなたに気付いた女が、腰掛けてた椅子を回して立ち上がる
白衣に浮かび上がるような黒く長い髪
白い肌に、赤い唇が弧を描き優しそうに微笑んでいる
「そうよね、日常なんて退屈だもの…」
それじゃあ、と間を置いて、赤い瞳があなたを覗き込んでくる
それから少しして、何か思いついた様に口を開いた
「今回はそう、何処かで見かけた魔法少女の話をしましょう」
正義と愛と、清くて正しいけれど、それも勝てればの話よね
「はぁ…」
気怠げに付いた溜息
倦怠感に身を任せ、怠惰と怠慢に身を委ねていた
アンニュイと、口にするのも不誠実だ
暇なら何かすればいい、退屈ならどうにかすればいい
それも面倒だと時間を垂れ流すのなら、きっと私は忙しいのだろう
夜の建物、学校の屋上、校舎の一番高い嶺
そこには女が立っていた
それは少女のような女性で、曖昧でいて明瞭で不鮮明
墨を流したような長い黒髪を夜の闇に張り付けながら
薄い唇から吐息を零し、憐憫と落ちる視線は何処をとも見てはいなかった
一つ、夜の街に光が浮かぶ
ネオンの明かり、路地の街灯、整然と走る車のランプ
そんな人工的な光とは程遠い、力強い魔力の囀りは、世間を賑わせる事もなく
2度3度と明滅しては、そのうちに何もなかったようになりを潜めていた
「へぇ…」
ぞわり…
曖昧だった影が形を持つ
白い肌に、極彩色の紅衣を纏い、赤い瞳を瞬かせながら、薄い唇が弧を描く
魔女…いや、魔法少女という方が聞こえは良いか
何時だって、魔法なんて不条理を扱うのは女性が主だ
それは、男社会への反感なのか、命を孕む神秘性を買われたのかは知らないけれど
何のことはない
「人を惑わすのは、何時だって女性なものよ」
女は笑い、少女の様に微笑んだ
神話の時代にまでさかのぼり、現代に至ってまで、揉め事の大半は色恋沙汰に他はない
ならばこそ
魔性と呼ぶべきは女性であり、少女たちが魔を孕むのも当然とも言えた
霧が立ち込める
つまらない明かりが立ち並ぶ街を見下ろしながら、それでも女は微笑んでいた
ー
朝起きて、カーテンを開けて、空を見れば曇ってた
いや、正確に言えば陰ってた。煙いと言うか、やけに濃い朝霧に覆われている
顔を覗かせた太陽も何処か遠くにあるようで、霧の向こうの私にまで温もりを届けている余裕はなさそうだった
だからって、学校が休みになりはしない
制服に着替えて部屋を出る
リビングに降りると、お母さんが用意してくれたトーストに齧りついた
適当に付けたテレビには、朝のニュースが流れている
程よく天気予報が始まり、そこに浮かんだ晴れのマークに私は首を傾げていた
「お母さん、天気予報間違ってるよ」
意味のない呟き
ふと湧いた もやもやを誰かと共有したくて、近くにいたお母さんを相手に選んだだけだった
「へん、ね…。一応傘持ってきなさいね?」
「はーい」
お母さんも同じ様に首を傾げながら窓の外に目をやっていた
それともそのうち晴れるだろうか?
「それじゃあ、いってきま~す」
「はい、気をつけてね」
「うん」
なんでも無い朝のやり取り、空模様の不自然さに目を瞑ればいつもどおりの朝だった
「おはよう かなちゃん」
「おはよう ありさちゃん」
通学路の曲がり角
出会い頭に顔を合わせ、おんなじように微笑んだ
清水 ありさちゃん
黒くて長い髪と、優しげな雰囲気の…ううん、実際に優しいし、可愛い女の子だった
苗字が同じだったのがきっかけか、それとも後ろの席になれたおかげなのか
気づけば仲良くなっていて、今では一番のお友達
こんな風に
待ち合わせをするでもなく、なんとなくで家を出ればそこの路地で顔を合わせるような
仲が良いを通り越して、自分でさえ運命を感じてしまいそうな気分になる
「なんか、霧…凄いね?」
話題としては当然そこに落ち着いた
快晴のはずの天気予報はやっぱり嘘つきで、学校に近づくにつれ、すぐ先でさえ見通せなくなっていた
「うわ…帰りたい」
「ダメだよサボっちゃ?」
肩を落とす私に、優しく微笑みかけてくる ありさちゃん
ふと、指が触れ合うと手を握られる
「うん。迷子になったら大変だから?」
「そんな、子供じゃないんだよ? もう中学生なんだから…」
「まだ、中学生でしょう? こないだだって かなちゃんまた…」
「わーわーわーっ! 知らない知らないっ、私そんなこと知らないもんっ」
「もう…」
危うく路上でこっ恥ずかしい秘密を暴露されてしまう所だった
こうも深い霧の中、その向こうに誰が居るかも分かりやしないのに
くわばら、くわばら…
「いこ?」
「あ、うんっ」
ありさちゃんに 促されて歩き出す
繋いだ手は暖かくって、こんな霧の中でも二人ならって、そんな風にも思っていた
思い通り、というほどに願っていた訳もない
こんな霧だもの、学校が休みになったら良いなって
それから、体調不良を訴える生徒が多くなっていった
いや、生徒だけじゃない。大人も子供もみんな
この街の、霧の届く範囲の全てから、じわじわと、湿気る様に広がっていく被害
被害と言って良いのかもわからない
そもそも、この霧との因果関係が証明出来ていない
酸性雨だの、光化学スモッグだの、何も知らない識者たちがテレビを賑わせるばっかりで
何一つ解決をしないまま、異常気象の異常性だけを騒ぎ立てていた
数えて一週間
増え続けるばかりだった病院の人口が初めて減った、減り続けた
快方になんて向かわない、悪化した体調はそのままに眠るように息を引き取る
大人も子供も関係なく。ただただ、体力の無い老人から赤子まで、上から下から端から押しつぶすように死んでいった
朝の朝礼で校長先生が注意喚起をしていた
マスクの仕様の徹底とか、不要な外出は控えるようにとか、明日から学校がお休みになるだとか
ただただ、そんなつまらない話を、そんなやつれた声でされても誰も聞いてはいなかった
増える患者は例外なく生徒の数を減らしていき、体育館に立っている生徒の数も目に見えて減っている
結果として、耐えきれなかった一人が倒れたのを皮切りに
ばたばたと、弱った生徒たちから倒れ始め、午前中までだった授業は朝礼を持って切り上げられてしまった
学校からの帰り道
私は、苦しそうな ありさちゃんを家まで送っていた
呼吸は荒く、歩くのも億劫そうで、息が詰まるような咳を繰り返している
「ありさちゃん…」
大丈夫? そう声をかけようとして、口をつむぐ
そんなの、どう見たって大丈夫そうじゃない
なんだったら今すぐにだって倒れそうで、彼女を支える手に思わず力が入ってしまう
「大丈夫だよ…」
気取られたのか、安心させるように笑顔を浮かべ
自分で歩けるからと、支えている私の手から離れていく
「それより、かなちゃんのお家向こうでしょう?」
「でも…」
いつもの分かれ道、それを過ぎて大回りで帰ることも珍しくはなかったが
今はそれが最後の曲がり角、これ以上進めば完全に往復になってしまう
「また明日ね? あ、でも、明日は学校お休みか…あははっ…」
しんどいだろうに、それでも私に会えないのが寂しいと力なく笑っていた
「私が行くよっ、毎日さっ」
「ダメだよ、ちゃんとおうちにいないと。かなちゃんも倒れちゃうよ?」
「じゃあ、電話するからっ」
「あぁ、そっか…電話なら、良いかな…待ってるね?」
ばいばい
力なく振られる手に、元気よく応え、元気が届くように振り返し続けて
見送った背中が霧の向こうに隠れるまで、私はバカみたいに立ち尽くしていた
ー
なんで気づけなかったんだろう?
家につくなり、後悔に埋もれるようにベッドに飛び込んだ
ただの霧じゃないのは見れば分かるのに、ただの霧だと自分を納得させてたような違和感
街の人たちはもっと顕著で
学校こそ休みになったものの、その程度でしかなかった
朝になればお店はひらくし、会社勤めの人たちがバスや電車に揺られていく
何より酷いのが、この不思議な霧を見物に町の外からも人が集まり始めている事だった
被害が増える、増え続けていく
もはや、路上で誰が倒れていても誰も気にしないよう有様だった
「認識阻害と吸精の魔法か…こんな大規模に、こんな強力に」
ぬいぐるみが喋っていた…
いや、動いてるのだからぬいぐるみではないのだろう
ユニコーン…といえば良いのか、いや、翼があるならペガサスなのか?
とにかく、そんな感じのものを可愛らしいパペットにまで落とし込んだ何かが神妙な声で唸っていた
名前はユニコ
私、清水 かな が魔法少女になった時に、その力を与えてくれた子だ
「犯人、何処に居るかわかる?」
「分かる…というか、分かりやすすぎて…ちょっと」
霧の中心地、私には馴染み深い学校がそうだという
ただ、ここまでの事が出来る輩が、自分の居場所を晒し続けている理由が分からないと
「罠ってこと?」
「罠って言って良いのものか。誘われているのは確かなんだろうけど」
あまりにもおっ広げ過ぎていて、だからといって無視も出来ない
行くだけでも危険なのに、そこにいる奴はきっとロクでもない何かだろうと予想は付く
「正直、このままやり過ごしても良いんじゃないかって思うよ、ボクはね…」
冷たいんじゃない
ユニコだって悔しいけど、そこにいる危険に私を巻き込みたくないと、私を心配してくれているだけ
それは分かる、分かるけど…
「でも、それじゃあ…」
誰も救えない、誰も救われない
下手をすれば、私以外の誰もが居なくなってからじゃないと終わらないかもしれない
イヤ…
頭を過るのは、お母さんの、お父さんの、友達の、親友の…ありさちゃんの…
「君が魔力を分けていれば、何人かは救えるだろうけど…」
「それは…だめだよ…そんなの…」
「分かってる。けど、決めるのは今だよ」
こうしている間にも敵は力を増していく
幸い、吸精の力自体はそれなりで、魔力への耐性が多少あれば効きが落ちる程度のものだけど
手近な人たちを守るために、こっちが力を使えばそれだけ相手との差が広がるだけ
「行こう」
立ち上がって、ユニコを見据えた
正直、怖いし、逃げ出したいけど
逃げ出した後には、もっと怖い現実が見えている
戦わなきゃ
私の大事なものを守るために
「待っててね、ありさちゃん」
放り投げていたスマホに視線を落とす
入ってきて通知は、ありさちゃんからのもので、まだ無事なのだと教えてくれていた
ー
「何処なのっ!」
学校に付くなり大声で叫んでいた
一足飛びで校門を飛び越え、広々とした運動場に立って周囲に視線を走らせる
返事はない
暗々とした闇が鬱蒼と広がり、霧の奥まで続いている
「かなちゃんっ」
ユニコに急かされ、慌てて顔を跳ね上げた
月だ、満月だった…
太陽の光でさえ陰っていたのに、それ以上の輝きで煌々とそこに鎮座している
「いらっしゃい。意外と遅かったわね?」
そして、そいつはそこにいた
月を背に、校舎の屋上に腰を掛け、怜悧な視線を向けられている
髪は黒、肌は白、極彩色をまとったような赤い和装が冗談の様に浮かび上がっていた
「っ…」
やばい…
語彙不足とかじゃなくって、それ以上を考えるのを頭が拒否していた
多分、考えてたら私はもう立ってはいない、座り込んで泣きじゃくってるんじゃなかって思う
笑っている、ただ微笑んでいるだけの女が、どうしても恐怖の塊にしか見えなかった
「震えてるの? 可愛いこと…」
嘲る様な笑みに、彼女の薄い唇が持ち上がる
「今すぐこの霧を止めてっ!!」
力いっぱいだ、目いっぱいだ
浮かんでくる恐怖を、喚き散らしてでも払うように声を張って威嚇する
「はいそうですか。それで済むなら暴力はいらないわね」
女が降りてくる
全く音も立てず、土埃の一つも上げずに、私の立つ運動場に降り立った
なんだろう?
そこにいるはずなのに、まったく現実感がない
きっと、触れれば触れる、殴れば倒せると思うのに、押し付けられるような違和感が肌に纏わりついていた
「そんなに、きょろきょろしなくても私は此処よ?」
視線を読まれたのか
罠など何もないと微笑む女は、指を一つ立てて自身の胸元に向けてみせた
「ユニコっ!」
限界だ
喧嘩っ早い、そんな風に言われた覚えは無いけれど
そう、言ってしまえば怖かったのだ
相手と言葉を交わすだけで意識が削られていくようで、その余裕に飲み込まれてしまいそうで
ともすれば、私は勝てないんじゃないかって、負けるところを想像してしまいそうで
恐怖心に吠え立てられて駆け出していた
ユニコの角が光り輝くと、同時に私の背中に翼が生える
大きく広がった翼が私の体を包み込み、光の繭へと変わっていく
優しくて、綺麗で、愛おしい
そんな温かい光に、私の体は包まれていった
着ていた制服は、光の粒子となって解けていき
代わりに、フリルで飾られたドレスを身に纏う
きゅっと、締め付けられる感覚
少し苦しくなった胸元に吐息を漏らし、足を覆うブーツがカチリと音を立てる
細い指先を手袋を引き締めて、流れる髪を外に払うと大きなリボンで纏められた
繭が解ける
翼が広がり、光の羽が舞い落ちる
その中心に立つ私は魔法少女と呼ばれる存在へと変わっていた
「天を駆ける白き翼っ! 魔法少女・プリズム・ウィング! 此処に参上!」
勇気が湧いてくる、心が暖かくなる、恐怖心が萎んでいく
私は何処までも飛べそうで、私は何処にでも行ける
それが根拠のない自信だとしても、その想像が力になると ユニコは教えてくれた
だったら…
私はこいつ倒せるって、信じても良いって事だよね
「プリズム・アロー! いっけぇぇぇぇっ!!」
手に魔法の矢を携えて、思いっきりに撃ち込んだ
空を裂き、風を巻き込んだ矢は勢いを増し、その女に向かって突っ込んでいく
人の形が砕ける瞬間は余り気持ちの良いものではなかった
女の肩から先がなくなり、胸元を抉って脇腹にまでが捩じ切れている
血のような赤黒い何かが傷口から溢れ出し、綺羅びやかでもあった着物は無残に千切れていた
「ふふふふっ。大したものね…人の身でどうやってって思っていたけれど」
抉れた体のまま微笑む女、その視線が射抜くように私の後ろに居たユニコに向けられる
動いた後に、それが悪手だったことに思い至った
ユニコを庇うように位置を取った私は、彼女の疑問の答えに頷いたのと変わりはしない
「相手は私でしょっ」
「どっちでも良いわよ。あなた自身が強いとかだったら面倒くさそうだと思っただけだし…」
月明かりが差し込む
抉れていた彼女の体から煙が立ち込めると、みるみると傷が塞がっていき
顕になった胸を覆い隠すように、赤い着物でさえも元通りになってしまった
「うそ…」
回復とかそういうレベルじゃない、治ったと言うより元通りといった方がしっくり来る
「復元能力…」ユニコが後ろで呟いている。ちょっと前に授業だといって、ユニコの口から聞いた覚えがあった
その能力は皇位の魔族だとか、一部のアンデットの力だとか言ってたけど
でも、その能力は私の光の矢の前では無力化出来るとも…
「一つ、良い事を教えてあげましょう」
楽しそうに微笑む彼女、その指先が空にある月に向けられる
「あの月、この街の人間の生気で塗り固めたのよ」
綺麗でしょう? そう言って微笑む彼女は間違いなく悪魔の笑顔だった
「卑怯者…」
悪態を付いたとて変わらない
悔しさに奥歯を噛み締め、握りしめた弓が堪らず音を鳴らしている
単に彼女はこう言いたいのだ
私を殺せば殺すほど、この街の人間の生気が失くなっていくと
あの月を散らせば街に光が戻るだろう
けれど、そのためには彼女を倒すしか無い。でも、それをするにはあの月を消耗させないといけない
単純な人質だ
ただし、誰かとか可愛いものじゃなくて街一つ全ての命
もっと言えば、両親の友達の…親友の命の欠片が、あの月には詰まっていることになる
「まあ、貴女が私を倒すために街の人間全部を犠牲にできるなら、簡単に倒されてしまうんでしょうけど?」
彼女が笑っている、勝利を確信した笑みだ
だけど…
「間違ってるよ?」
私はまだ負けてない
悪いやつが人質を取るなんて当たり前の事を考えないわけじゃない
「プリズム・フラッシュっ!」
翼を広げる
度を越した光量が彼女に注がれると、その光の前にたたらを踏んだ
一瞬で良かった。その一瞬の隙きがあれば十分で
「ユニコっ!」
「分かったっ」
等身大へと存在感を増すユニコ
元の輝かしい一角の獣の姿へと立ち戻ると、その頼もしい背中に跨り空へと駆け上がる
見た目は流鏑馬かな
男の子にはジェネレータに直結したとか言う方が分かりやすいかもしれない
ユニコから送られてくる魔法の力を直接受け止めて、私の中で増幅し
もう一回
「ハイパーっプリズムーっランチャー!!」
違えた矢の軌跡、その道筋に幾重の光輪が重なり、その中心を矢が穿つ
一つの輪を潜る度に光が弾け、繰り返すごとに輝きが増していく矢は魔性の月に届く頃には、その明かりでさえ霞むほどになっていた
月が砕ける
同時に光の粒へと解けていき、それは街全体へと広がっていった
「やった!」
もしかしたらこの月も幻なんじゃないかと思ってたけど、意外とあっさりと砕けたことに喜びを隠せない
「油断しないでまだあいつが」
「分かってる。でも、今度は通るでしょーっ!!」
再び矢を向けた先、すでに女は居なくなっていた
ー
それをあっさりと、言って良いとは思わない
けど…
あの夜が明けてからは、体調不良を訴えていた人たちも居なくなり
まるでそんな事なんて無かったかのように日常を送っていた
もちろん…
流れた涙も、失くなった命も戻りはしないんだけど
ただ、思い出される事が無いのなら、結果的にそれはそれで良いんじゃないかとは思っていた
いつもの通学路
いつもの曲がり角
何となくそんな気がして、やっぱりばったり、ありさちゃんと顔を合わせた
「おはよう かなちゃん」
「おはよう ありさちゃん」
なんでもない挨拶が心地良い
頑張ったかいはあったと、素直に自分を褒められた瞬間だった
どくんっ…
なんだろう?
胸を締め付けられるような違和感
ううん。それに気づいたのはもっと後の事で
「かなちゃん?」
「え?」
ありさちゃんに顔を覗き込まれていた
気遣うような視線が私に向けられている
どくんっ…どくんっ…
見つめていた 見つめ合っていた
ありさちゃんが私を見ているんじゃなくて、私が彼女から視線を外せないでいる
「ううん、なんでも無いよ? 早く行こ?」
そう言って、いつものように二人で手を繋いで…
どくんっ…どくんっ…どくんっ…
柔らかくて温かい、女の子の手の感触
触れ合った指先が、握りあった手のひらが、しっとりとくっついて、じっとりと離れなくなる
離したくない、もっと触れていたい、抱きしめたい
「か、かなちゃん? ちょっと…痛いよ?」
「ご、ごめんっ」
慌てて手を離す、温もりが逃げていく
「あ…」
思わず声が出て、聞かれてしまった
ありさちゃんが不思議そうな顔をしている
「どうしたの?」今にも問いただされそうで、身構えていると
「へいき。早く行こう?」
「え、あ、うん…」
ありさちゃんの手に包まれる、優しい笑顔に引かれて歩く
離れたくない、触れられたくて、抱きしめられたい
今までに無い欲望は渦を巻き
気を抜けば、突き動かされそうな程の衝動を、なんとか抑えながら教室までの幸せな時間を歩いていった
その違和感が形になったのは授業中の事だった
先生に当てられて、前の席に座っていた ありさちゃんが立ち上がると、すらすらと教科書を読み始める
次は私なのかな?
いつもなら、アンニュイとそんな気分に浸っている所なのだが
匂いがした
香りと言っても良い
甘い匂い、女の子の匂い、彼女の匂い、ありさちゃんの匂い
揺れる髪から、広がるスカートの隙間から
立ち上がった拍子に混ぜっ返された空気から、蒸し返すみたいに私の鼻にまで漂ってくる
おかしい…
朝からだ、ありさちゃんに会ってからだ
頭がぼーっとする、胸がどきどきする、体が熱くなって、お腹がもやもやする
「ありさちゃん…」
気づけば名前呼んでいた
それに気づいた彼女が、座り際に小さく手を振ってくれる
見てられない、その笑顔が辛い、目に焼き付いて離れない
手を伸ばしたかった、背中から抱きしめたくなった
出来るわけもない…
人前で、授業中に、そんな事…
机に顔を押し付けて、両手で頭を隠す
先生からしたら、居眠りのポーズにしか見えないだろうけど、そんな事を考えている余裕はなかった
目の前が真っ暗になった
それでも必死に目を閉じる、落ち着こうと、忘れようと、先生の声を頼りにして耳を傾ける
煩いくらいの心臓の音を無視して、浮かんでくる ありさちゃんの笑顔に顔をそむけ続けていた
「なに…?」
その違和感が形になったようだった
恐る恐る机の下を覗き見ると、お腹のもやもやを集めて押し付けたような
そんなモノが私のスカートを持ち上げていた
不自然な膨らみ
太ももの間に落ちるだけのスカートの布が、真ん中で辺りで持ち上がりテントの様になっている
下着が苦しい
たまらず身じろぎをすると、何かが擦れて、腰の周りが痺れてくる
「ん…ぁっ…」
痛くはない
ただ、痒い所に手が届いたように、妙な心地よささが体中に広がっていく
腰を揺する、太ももを擦り合わせる
違和感が大きくなるにつれて、心地よさも大きくなっていく
夢中になっていた、気づいてもいなかった
今が授業中で、人前で
そのままスカートを捲りあげなかったのは、最後に残った羞恥心からだったのか、たまたまだったのか
こっそりと、知らず知らずに手が動き、指先が自分の太ももをなで上げる
「ぁぅ…」
ぞわりとした…
背筋を登っていく震えは体を揺らし、危うく音を立てそうになった机にしがみつく
ゆっくりと、ゆっくりと…
指先が太ももをなぞっていく、まるで自分の手じゃないみたい
やめようと、ぼんやり考えながら、指先の行方が気になってしょうがない
このままスカートの中に指を忍ばせて、下着の上から それ を撫でる瞬間を想像する
ゆっくりと…ゆっくりと…
閉じられた太ももの間を、擦り合わされた太ももの隙間を押し開けて
羞恥心できつくなる太ももの隙間を、それでも好奇心が食い込んで
きーんこーんかーんこーん…
ー
鐘がなり、授業が終わり、立ち去る先生を追い越して教室を抜け出した
天啓だったかもしれない
あのままチャイムがならずにいたら、そう考えてゾッとする
その反面で、途中で止められたことに、焦りにも似た感情を抱えていた
ようやくと辿り着いたトイレの前で足を止め、ここじゃダメだと校舎の奥へ進んでいく
休憩時間の間、教室の近くでは人の出入りが激しすぎる
また邪魔をされる、邪魔をされたくないの一心で教室から一番遠いトイレを目指していた
そうは言っても、歩いて2・3分の距離だ
そのはずだった
それだけの距離が異様に長く感じてしまう
擦れるんだ
歩くたびに、太ももでそうしてた時みたいか それ以上に
そうして、擦れるほど早く早くと急かされているみたいに足を動かす
廊下の途中、階段の裏側、倉庫みたいな空き教室
物陰を見つけるたびに、潜り込みたくなるのを我慢して、ようやくと校舎の奥へ、一番奥のトイレへと座り込んだ
どくん…どくん…
波打っていた、さっきよりも大きくなっている
スカートの布がずり落ちて、大きく持ち上がった自分の下着を見つけてしまう
「これ…なに?」
白い布地、それを押し上げる棒状の何か、その先端は露と濡れそぼり、下着に張り付いている
「おちん、ちん…なの?」
覚えがあるとすればそのくらいだ
お父さんと一緒にお風呂に入った時だったり、プールの授業で男の子達がふざけていたりだとか
あとはせいぜい、保険の授業で キャーキャー言ってた事を思い出す程度
だとしても、自分の股間に生えているコレは何なのだろう?
昨日まではなかった、お風呂に入った時には、寝る時までは
あるとすれば…
今朝、ありさちゃんと顔を合わせた時、思えばそこから おかしくなっていたように思う
「ありさちゃん…」
忘れていた、思い出してしまった
そもそも自分がどうして伏せっていたのか
そして、思い出すと同時に、待ちかねた様に おちんちんが脈打った
「ぼっき…だよね…」
えっちな事を考えている時に、女の子とえっちをする時にこうなるって…
「うそ…」
それじゃあ私は、大事な友達をえっちな目で見てたの? ありさちゃんと えっちがしたいって思ってたの?
そもそも女の子同士なのに、まるで自分が変態になったみたいで
「いやだよ…そんなの…」
涙が溢れる
一体何が嫌だったのか?
友達でえっちな事を考えてしまった自分になのか
ああ、ちがう…ちがうんだ…
ありさちゃんと えっちが出来ないことが悲しいだなんて、少しだって考えてもいないはずなんだ
スカートをたくし上げ、腰を浮かせて下着をずらす
「うわ…」
間近でみたそれは、やっぱり おちんちんの形にそっくりで、おしっこをする穴から直接生えてきたようだった
どうしてこんな事になったんだろう? 昨夜の悪魔に呪いでもかけられたのか?
そんな風に考えても良かったはずなのに、一度くらい目を向けるべきだったのに
初めての興味は、初めての情動に流されていた
触れた感触は、熱くて、固くて、そのくせ先端の部分は妙な弾力があった
先の穴から溢れる透明な液体
ぬるぬるとしたそれを指先で掬い上げ、目の前でつまんでは広げて見る
指の間で糸を引き、だらりとこぼれ、ぷつりと切れる
精液とはまた違うものらしいけど、それを実感するのはもう少し先の事だった
濡れた指先で、おちんちんを撫で始める
最初は突つくようにして、次第になぞる様に溢れてくる液体を指先で塗り拡げていく
きゅっと、お腹が熱くなった
下腹部に溜まった熱が、おちんちんを揺さぶり、その先端から次から次ぎに液体を溢していく
一本では足りずに二本に、二本でも物足りずに三本に…
気づけば、指だけでは足りなくなって、手のひらで おちんちんを包み込み、上へ下へと扱いていた
にゅるにゅるとした感触、くちゅくちゅと重なる音
下から上に擦り上げる度に、先端から液体が溢れて、おちんちんと手のひらの隙間に落ちていく
それがまた滑りを良くしていき、手の動きが早くなっていくのに気づかずにいる
「はぁっ…はぁはぁ…ああぅっ…あっ…!」
だんだん息が荒くなっていく
たまらず出そうになった声に慌てて口元を抑えるけれど、おちんちんを扱く手の動きは止められなかった
お腹が熱い、腰が痺れる、熱に浮かされたみたいに体が火照り、心地よさに体が溶けていきそう
頭の中がぼぅっとする、白いもやに包まれているみたいで何も考えられない
ううん、考えてはいるんだ
考えようとして、心地よさの前にはどうでも良くなって、心地よくなる事だけに無心している
「ぁぁ…ぁぁぁ…」
いやらしい
多分きっと、私はそんな顔をしている
恥ずかしいと口元に手を当てているくせに、溢れる声も、垂れてくるよだれにもまるで気を払っていない
むしろ、それですら、心地よさを煽るためにわざとやっているんじゃないかって
そう、私は夢中になっていた
「かなちゃん? いるの?」
名前を呼ばれて手が止まる、頭が真っ白になったみたいだった
ああ、ちがう…
頭はもうとっくに真っ白で、唐突に現れた友達の ありさちゃんの声に華やいだくらいだった
どくんっ…
思い出してしまう
どくんっ…どくんっ…
今朝から今までのこと
どくんっ…どくんっ…どくんっ…
一体誰を思って、こんな風になって こんな事をしているのだと
どくんっ…どくんっ…どくどくどく…
彼女と繋いだ手の感触、あの時感じた彼女の匂い
その全部がまざまざと思い起こされ、おちんちんに掛かる刺激が膨れ上がったみたいだった
同時に、我慢も限界を迎える
痛いくらいに おちんちんを握りしめ、知らずに腰を揺すって動きを合わせ始めていた
頭の中は ありさちゃんの事でいっぱいだった
彼女の温もりを思い出し、それを自分の指先に思い浮かべて おちんちんに押し付ける
彼女の小さな唇を想像して、口元を抑えていた指に必死に吸い付いてしまう
ありさちゃん…ありさちゃん…ありさちゃん…
「ありさちゃ…ん、あっ…あっ、ありさちゃんっぅぅ…ああああっ…!?」
声なんかどうでも良かった
むしろ出せば出すほど心地が良い
彼女の名前を呼んで、想像して、抱きしめて押し付ける
それだけで、それだけのことがたまらなく心地良い
腰が跳ねる
その勢いに、握っていた指先が緩むと、お腹の奥の方に溜まっていた何かが、泥の様に吹き出していた
「なに…これ…」
気づけば、トイレの扉が開いていた
私のおちんちん から飛び出した精液は、扉を開けた ありさちゃんめがけて勢いのままに降りかかっている
「あ…あぁぁ…あっ、あっ…や、やだぁ…だめ、みちゃ…」
止まらない、止められない、止めたくない
扉が開いても、ありさちゃんに見られても、射精は止まらず
むしろ、最後に一つ勢いを増すと、私の手の中から飛び出していた
白く、粘ついた精液が ありさちゃんの顔を汚している
黒い髪を白く汚し、口元に胸元に、そして制服にまで染みを作っていた
心地が良かった
射精した時の開放感、射精できた時の幸せ、見られたことへの羞恥心
そんな全部が私の体を包んで、私は心地よさの中で気を失っていた
「かなちゃん…かなちゃん…」
優しい声が聞こえる、いつもの ありさちゃんの声
夢だったのかな?
そんな風にも考えて、あんな夢を見るほどに ありさちゃんの事で胸が一杯になっていた
体を揺すられる
起きたくない。もう少しだけでも、この心地よさに浸っていたい
「かなちゃんってば…」
けれど、遠慮がちにでも少しずつ大きくなっていく声に、いい加減に起きざるを得なくなってしまった
「ありさ…ちゃん?」
目に入ったのは、ありさちゃんの笑顔
部屋の薄暗さのせいか、表情に影は見えるけど、ほっと、安心したように息を吐いて微笑んでいる
寝ぼけ眼をこするように周りを見た
薄暗い部屋
いや、部屋と言うにはあまりにも狭く、すぐ隣の壁に手が届くほどの狭さで四方が区切られている
それからその匂い
漂白剤を濁らせたような、あまり気持ちの良いとは言えない匂い…
けどどこか、頭が濁るみたいで、もう少し嗅いでいたくなる匂い…
けど何より、お腹の辺りがむず痒い
冷たくって、くすぐったい。すきま風に直に撫でられているような気分になる
「あ…」
声がでる
それに気づいたのか、ありさちゃんも表情を曇らせて視線を外している
目についたのは私のおちんちん…
手についた精液、下腹部を汚す白濁色
そして、ありさちゃんを汚した私の欲望
丸まったトイレットペーパーが、座った便座の下に浮いている
手も、お腹も、多少は拭き取られてはいたけれど、湿った残り香は拭いきれてはいなかった
夢じゃなかった
でも、夢であってほしかったのかは分からない
少なくても、あの瞬間、私は夢見心地ではあった
そうして目覚めた後は、底冷えするような空気にさらされている
「その…私一人じゃ運べなくて…」
ありさちゃんが、恐る恐る声をかけてくれる
その気遣いでさえ、今の私には突き刺さる
射精の瞬間、あれだけあった熱も、何もかもがどうでも良くなってたくせに
いざ事が済んで見れば、後悔ばかりが頭を埋め尽くしている
「ごめん…」
自虐のような謝罪だった
一体誰に謝っているのか分からない
「あの…」
きーんこーんかーんこーん…
ありさちゃんが何か言おうとする前に、チャイムの音が邪魔をする
「私…後で戻るから、先に戻ってて…遅刻しちゃうよ?」
顔を上げられなかった
一人にして欲しかった、放っておいても欲しかった
俯いたままに そう伝えて、目の前の おちんちんから目を背けるように両手で顔を覆ってしまう
5…4…3…2…1…
時間が過ぎていく、息を飲む音が聞こえる
何かをためらって、それごと飲み込んでしまったかのような
がちゃり…
鍵を掛ける音
トイレの個室、部屋とも言えない狭い空間の中に二人っきりになる
それなりに人の気配がしていた廊下も、授業の始まりを境にして静まり返っていた
どくん…どくん…どくん…
時計の様に刻まれる心臓の音
どくん…どくん…どくん…
薄れていく精液の匂い
どくん…どくん…どくん…
代わりに、ありさちゃんの匂いが部屋の中に満ちていった
「これで…良い?」
「ひゃっ!?」
素っ頓狂な声を出して、慌てて顔を上げると
恥ずかしそうな顔をした 彼女が私の顔を見上げていた
「し、しずかにいて…あんまり声だしたら誰か来るかも…」
それっきり、何も言えなくなった
反論が無いわけじゃない、早く教室に戻ってとか、何をしているの、だとか
でも、私の おちんちんに触れたその感触は、他の何よりも優先されてしまって
どくんっ…
射精の後、衰え始めていた おちんちんはその固さを取り戻し始めていた
「痛くない?」
彼女の指が触れている、彼女の綺麗な指が、私のおちんちんを撫でさすっている
大事そうに、愛おしそうに、おっかなびっくり、こわごわと…
お互い、知識なんてあるわけもない
ただ、私がそうしていたみたいに、大きくなった おちんちんを指で触って包み込み
溢れてきた精液の残りを絡めながら上下に扱いていく
「や…まって、ありさちゃん…だめっ…」
それだけ。たったそれだけの拙い ごっこ遊びのような行為は
それでも、始めての私たちの熱を高めるには十分だった
「ダメって…かなちゃん、私の事呼んでたよね…」
「それは…」
「いやじゃなかったよ…。ただ、ちょっと、びっくりしただけで…」
言ってる意味が分からない
考えることが億劫になってくる
頭が白くなる代わりに、おちんちんから白い残り香が 溢れ出してくる
「こ…う?」
「ふあぁっ…!?」
おちんちんの張った部分を指で引っ掻かれ、堪らず腰が跳ね上がる
それに味をしめたのか、何度も何度も、痛くないように優しく、指の腹でなぞられると
お腹の奥、おちんちんの根本が疼き出す
「かなちゃん…こえ…」
「じゃあ、もう…やめ…」
そんな事思っていなかった
ただ、自分の体裁を保つためにそれっぽいことを口走っただけで
「ごめんね…いじわるだったかな…」
指先が離れていく、ありさちゃんが離れていく
「まだ授業も始まったばかりかな?」
ありさちゃんが、個室の鍵に指をかける
赤から青へ…
悪夢のような甘い一時が終わってしまう、中途半端に願いを残したまんまに
その時、何を言ったのか覚えてはいなかった
「待って」とか「ダメ」とか、そんなダダを捏ねて、彼女の手を掴んでいた
おちんちんが優しく包まれる
好きな女の子の指先が、愛おしそうに 私のおちんちんに触れている
指先で作った輪っかに、おちんちんが入っていき、根本から絞られると精液の混じった液体が先端から溢れていく
くすぐるように突かれて、互い違いに撫でられて、欲しがるように腰を揺すって、何度言われても声が止まらなくなっていた
「ありさ…ちゃんっ、あっあっ、ありさちゃんっ…!!」
「もう…かなちゃんってば…」
子供をあやすように、呆れて困ったように笑うと
ひらめいたと声を出し、精液で汚れたスカートの端を口に咥えさせられる
「うん、ちょっと邪魔だったし丁度いいかな…」
せまいトイレの個室の中
女の子が二人っきり
一人は足を開いて便座に座り、自らのスカートを咥えて今にも泣きそうな顔をしていた
そんな女の子の頭を愛おしそうに撫でると、もう一人の女の子が開かれた足の間にしゃがみ込む
異様、といえば、そこに生えている 肉棒も異様ではあったが
それに躊躇なく指を伸ばし、笑顔で愛撫を始める女の子もまた異様ではあった
性的な倒錯、常軌を逸した興奮は二人の正気を焼き焦がしていく
「ふぅぅ…んん~!!」
声が出ない、猫撫声のように喉鳴らすのが精一杯
けど、おかげで どんなにあえいでも ありさちゃんに怒られなくて、目一杯声を出すだけで心地良い
噛み締めたスカートの端から自分の精液が滲んでくる
味なんてわかんない、なにか粘っこくて生臭い
鼻に付く青臭い匂いでむせ返るけど、不思議とその匂いに惹きつけられる
大きく息を吸って くらくらと、短く息を吐いて ぐらぐらと
呼吸は興奮をあおり、興奮は思考を奪っていく
何も考えられなくなった頭の中に、粘ついた射精感ばかりが明確になっていき
何も考えられないくせに、早く射精したいとそればっかりに おちんちんを震わせる
吐息が掛かる
ありさちゃんの熱の籠もった吐息が、荒くなった鼻息が、おちんちんを撫でていく
ただの興味、ほんの好奇心だったとしても
そこまで顔を近づけて、精液の匂いに浮かされて
触れた唇は柔らかくて、包み込まれた口の中はとても熱く
恐る恐ると、おちんちんを舐め上げた舌触りに、我慢の限界を迎えていた
「んんっっ!?」
じわり…
口に広がる精液の味
同時に、おちんちんから精液が飛び出して射精が始まる
どくどく…と、射精を続けるおちんちんに、もっと奥へと腰が跳ねる
やり場のない両手が掴みどころを求めて彼女の頭を掻き抱くと
そのままぎゅっと、射精の心地良さに縋り付く
ありさちゃんの口の中、喉の奥に精液がばら撒かれる
奥にと押し込んだ おちんちんが中で暴れて、顎の裏に頬の奥に歯の先を掠めて、それがまた別の心地よさを作り出していた
「けほっ…」
射精が終わり、私の体から力が抜けると
ようやく開放された ありさちゃんの口から精液が溢れだす
口の端から胸元まで、だらりと白く汚れた様は、心の中の昏い部分を疼かせていた
ー
商店街をメイド姿の少女が歩いていた
コスプレというには瀟洒な出で立ちで
長い金糸の髪も、白い肌に浮かぶ碧い瞳も、美人という一つの完成形のようであった
そして、その隣には だぼだぼの黒いパーカーを、頭から被った女の子が手を引かれて歩いている
いや、実際には指の先までパーカーで覆われているのだから、ほとんど袖を掴んで歩いているようなものだった
少女と女の子、どちらも目立つ恰好なはずなのに、不思議と町中の風景に溶け込んでいる
「はい、みけちゃん」
八百屋の前を通りかかると、店のおばちゃんに声を掛けられる
その手には赤いリンゴ。売り物としては少々不格好ではあったが、そのまま食べる分には問題なさそうだった
「…」
黒いパーカーを被った、みけと呼ばれた女の子の目が止まる
不思議そうに赤いリンゴを眺め、ふと、許可でも取るようにメイドの少女へと顔を向けていた
「いつもすみません…」
少女が代わり頭を下げると、りんごは みけの手の中に収まった
「かや ちゃんも食べるかい?」
「いただきます」
交換条件と言えば聞こえは悪いが、素直にその好意は受け取るべきだと カヤ自身は考えている
とはいえ、貰ってばかりでは礼は返せないのは事実で、決めあぐねていた今日の夕飯の一部を此処で買っていくことにした
「さつまいも と 栗と…」
季節柄の食材を拾い上げていく
日持ちもする上、熱を通せば美味しいのは素直に助かる
「あとりんご も…」
あと一つと、最後にりんごをカゴの中に乗せた
「気に入ったかい?」
「はい、とても美味しいです」
「そうかそうか。みけちゃん、も一個食べるかい?」
「いえ、そんな…」
遠慮しようとした矢先、差し出されたりんごに みけが齧りついていた
「あははは。たんとお食べな」
豪快に笑う おばちゃんに礼を言って、お店を後にする
正直、気疲れはする
可愛い子に おやつを上げたい
その気持ちは分かるし、それを勘ぐりもせず受け取っていた時期もあったのだ
だが、それを素直に受け取れなくなってからは、なかなかにしんどい時もある
美人の特権でしょ?
楓様は、自分の主はそうは言うが、それはそれで人を騙しているみたいで気が引けた
「美味しい?」
気晴らしに、落ち込んでいく思考を紛らわすために、みけちゃんに声を掛ける
「…」
けれど無言
では あったが、小さく頷きながら しゃくしゃくと無遠慮にリンゴを齧る姿は小動物めいていて可愛らしい
やがて、リンゴが芯まで失くなったのを見届けると、その口をほっぺの周りをハンカチで拭っていく
柔らかいほっぺた、綺麗な碧い瞳、パーカーの奥に窮屈そうにしまわれた栗色の髪の毛
目深に被ったパーカーの帽子に紛れてはいるが、人を魅了するほどには可愛い女の子が隠れていた
「みけちゃん?」
後片付けも終わり、先へと歩くと、手をひかれた
いや、正確には首輪の紐が伸びた感じだ。ただ、立ち止まった みけちゃんと私の間でパーカーの袖が無駄に伸びていただけで
「お、かやちゃん達か、どうだい? 今日は良い魚入ってるよっ」
威勢の良い声
気づけば魚屋さんの前だったようだ
流石に生魚を子供に投げるような真似はしないでも、一つ買えば、二つ三つとおまけが増えそうな予感はした
ー
「はぁ…」
予感はその通りに、気疲れは溜息に
大事そうに魚の入った袋を抱えた みけちゃんは 可愛らしくもあったが
後でその生臭くなった服を洗濯する手間を考えると、可愛いばかりも言ってられない
「良いけど…ね」
一人ごちて、誤魔化すことにした
今日の食事を「何でも」と、言われるよりは、こっちのほうが楽ではあると
別の方向に気をやって、とりあえずの面倒事に目をつぶることにする
「…かや」
「ん?」
今度は袖を引かれた
そして、たださえ少ない口数の一部を使って私の名前を呼ぶと、あらぬ所へ視線を投げている
ぱたり…
パーカーの飾りのような猫の耳が揺れている
経験上、明らかにそこには見えない何かが居ると理解した
逃げるかどうか…
問題はそこ
私は元より、みけちゃんもそれ以上に動くことはなく、明確なほどの敵意がある感じでは無いけれど
敵意がなくても人を害せるような類は珍しくもないもので、下手な安心までは出来なかった
「誰、ですか…?」
周りを見る
商店街の端っこ、公園の入り口から遊歩道に入ったあたりか
にしては、まだ人が居なくなる時間でもないのに辺りは静まり返っていた
ただの人払いなら良いけど、結界に閉じ込められたとかなら嫌だなと、漠然とした不安を抱えこむ
「バレたか…まあいいさ」
通路の端。木陰が揺れると、好青年が顔を覗かせた
いや、違うかな、多分に人ではないだろう、だからって悪魔という訳もなく、むしろ逆な気がした
「悪魔狩りですか?」
「正解だけど、少し違うな」
観念したように、その青年は肩をすくめると
優しい光の中で、角の生えた馬…ユニコーンとも言えるような姿へと変わっていた
「みけちゃん…」
「…」
今にも飛びかかろうとする彼女の両肩に手を回し胸の中に収める
とはいえ、これは気休めでしかない
その程度、本気を出さなくても振り切れられる程度には力の差はある
ただ、そんな場合でもないとは言え、精神的にでも自身が楔になってるのは少しばかり嬉しく思っていた
「狙いは君たちではないよ。多分、ご主人さま…かな? 君も囚われているのだろう?」
なんなら みけちゃんの方には一瞥もくれなかった
言うならば譲歩なんだろう
このまま静かに暮らすなら、見なかったことには出来るという程度の
この方の、このユニコーンの言い分自体は正しい
私は囚われていて、囚人で、奴隷なのかもしれないけれど
「だとして、契約は契約です。それを破れば彼ら以下になってしまう」
「生きづらいものだね、それは」
「お気遣いどうも」
そんな、社交辞令的な挨拶の後、私としても言うことがなくもなかった
「理由は問いません。楓様に用があるのでしたら、案内もしましょう」
「…どういうつもりだい?」
ユニコーンの目がすっと細くなる
値踏みするようなその視線は正しく警戒の意図を示している
「敵を呼び込むつもりも無いですが。客人を案内するなとは言われてませんので」
「なるほど。それが君の譲歩か…。その子猫を使って、僕を排除だってできるだろう?」
「あなたがそのつもりなら、私もこの手を離しましょう」
しばらくの無言は、同時に牽制でもあった
なんなら、この場で滅ぼし合っても、一向に構わない立場どうしである以上自然な沈黙ではある
「分かった。黙って案内されようか」
最低限の警戒は解いたのだろう
その証としてか、ユニコーンの姿から、さっきの青年の姿に化け直している
「では、こちらへ」
青年の前に立って先を歩く
足の間に みけ を抱えながらでは、歩きづらいったら無いが、目を離した隙きに飛びかかられるよりは良いだろう
やがて
見かねたのか、青年に買い物袋を持ってもらったのを心苦しく思いながらも、その内に屋敷の前に立っていた
「警告、ではないのですが」
彼が門を潜る前に、無駄とは思いながらも進言を一つ
「アレは、関わってはいけない類の魔性です…」
「だろうね。だから余計ほっては置けないんだよ、彼女のためにも」
何も言うことなんて無い
危険と分かって声をかけ、無駄な消耗を避けるために交渉までしてるんだ
ユニコーンと言えば相当な幻獣ではあるけれど…余り、明るい未来は想像出来なかった
ー
それを、悲鳴と言うには容易い
さりとて、慟哭や嗚咽ともまた遠い
単純な、ありふれて、あふれでる恐怖に、理性や知性なんてものは余りにも無力だった
残った野生は逃避を望む
少しでも恐怖から遠ざかろうと、声を上げ、脇目も振らずに体を暴れさせるだけ…
どんっ…と、壁だか床だかを叩きつける音がする
それっきりで、それまでで
絶叫が悲鳴が、ただ漏れ出るだけのか細い吐息に変わる頃、音もなく彼女が現れた
霧里 楓…
かつて、私を貶めた悪魔で、今現在も私を縛っている悪魔だった
霧の麗人と、そう呼び習わせるだけあって、その容姿は人外の美しさであった
少女の様で女性的な違和感を纏い、白く通る肌に、墨を流したように黒い髪が目を引く
紅を引いた薄い唇が弧を描くと、控えていた私に鈴なりの様な声で語りかけてきた
「あれに懇願して逃げる手もあったでしょうに?」
それは、あのユニコーンにも言われた事だ
だからこそ、私は同じ答えを彼女に返す
「契約は契約ですから…貴女以下にはなれませんよ」
「ふふふふっ…」
何がおかしいのか
この無礼とも取れる答えに、何を満足したのか、あてつけのように笑顔を浮かべる彼女は最後に
「生きづらいこと…」
やはりか、同じ結論を私に返すのだった
「かーえーでーちゃーんっ」
一際幼い声を弾ませて、その白い女の子が彼女に飛びついていた
白い、白くて、白々しい…
彼女の黒髪の前に並ぶと、その白さが際立った
髪も、肌も、埋もれるようにサイズの合わない白いドレスも、その全部が白い
唯一の色は、瞳に浮かぶ赤い色程度なもので、それがまた不気味にも思えるのだった
「もう大丈夫だよっ」
嬉しそうに女の子は、彼女に頬ずりをしている
今にも褒めてと言い出しそうな勢いで、やっぱり褒めてと繰り返していた
「あれ? でもこわれちゃったら大丈夫じゃないのかな?」
それは、余りに無邪気に過ぎた
幻獣の一つを壊しておいて、子供が蟻を潰すような気安さで、残酷なんて言葉を分かりもせずに
「いいえ、大丈夫よ。そのつもりだったもの、ありがとう マムル」
「えへへへへ~♪ ほめられて、ほめられた、マムルも嬉しいとリムルも嬉しい」
そして、それをわかった上でけしかけた彼女も笑っている
それのどこが無邪気かと、憤る人もいるだろうが
無邪気なのだ。子供が玩具を壊すのと同じに、そこに悪意はないのだから
ー
きーんこーんかーんこーん…
昼休みのチャイムがなる
弁当に飛びついたり、購買に走ったり
それぞれではあるけれど、授業の緊張からの開放感に、みんな胸を踊らせているみたいだった
私だって例外じゃない
つい最近、ここ最近の私にとっては特に楽しみな時間になっていた
校舎裏の、さらに木陰の奥に入ってしまえば、学校といえどまずひと目にはつかないような場所
生い茂る葉に、立ち並ぶ木々に、視界も音も遠ざかり、どこか二人だけの世界が出来上がる
「かなちゃん…」
「うん…」
呼びかけられ、促されて、木立の一つに背中を預けた
そうして、自分からスカートを持ち上げて口に加えると
すでに固くなっていた おちんちんが息苦しそうに、私の下着を持ち上げている
「かなちゃん、どんどん えっちになってくね…」
言われて顔が熱くなる
だけど、それ以上に早く触れて欲しい。朝からその事で頭がいっぱいだった
授業の内容なんてうろ覚えで、一分一秒と均等に動くはずの針がやけに重くに感じられて
机の下に何度も手を伸ばしかける度に、ありさちゃんに止められるを繰り返す
そそり立った おちんちんは、その先端だと分かるように下着を濡らしていた
ゆっくりと降ろされる下着の感触がもどかしい
ようやくと顔を出した おちんちんが待ちかねたように飛び出すと、勢いのままに先走りの液体を ありさちゃんの手に振りかけていた
ぺろ…
躊躇なく、ありさちゃんがそれを舐めとっている
美味しいものではないと、そう言ってはいたはずなのに
それでも、どこか恍惚した表情に、私は目を離せなくなっていた
「んんぅ…」
たまらず喉を鳴らす、ねだってしまう
想像するほどに吐きそうになる
あの細い指が、薄い唇が、柔らかい舌の感触と、熱いくらいの口の中
そこに自分の おちんちんを突き込んで
好きにして、好きにされて、最後に射精をする気持ちよさに抗えるわけもなく、抗うつもりもなくなってて
なんでこんなものと、嘆いた夜がもう遠い
調べに行ったユニコの事だって忘れてしまっている
ううん…
むしろ、もうこの時の私は、戻ってこなければいいのにとさえ考えるほどに溺れていたのかもしれない
「っ…」
咥えたスカートの奥で喉を鳴らす
おちんちんの先端に触れた唇から、得も言われぬ刺激が背筋を昇ってくる
出したい、出したい、出したい…
そればっかりをせっついて、よだれの様に溢れる先走りが ありさちゃんの唇を汚していった
おちんちんへの口づけは何度も繰り返されていく
上から下に側面に、優しく触れるだけを繰り返しては、私の我慢が吸われていくようだった
先走った液体を舌で受け止め、裏筋に塗り拡げられる
ありさちゃんの よだれと一緒になってどろどろにされてもまだ口の中には入れてもらえない
「ふぅ…ふぅ…」
興奮で鼻息が荒くなる
今すぐにでも咥えたスカートを離して「早く」と泣きつきたい
どろどろになったおちんちんに、指が添えられた
人差し指でくすぐられ、爪の先で先端を引っ掻かれる度に腰を跳ねさせては、先走りを溢れさせる私
そんな私をからかうように見上げている ありさちゃん
「しょうがない かなちゃん…ふふっ」
そう言って微笑むと、その両手に おちんちんを包み込まれた
「んぅぅ…っ!?」
どくんっ…
おちんちんが脈を打つ。射精をしたののかと間違うほどの刺激に頭の中が真っ白にもなるけど、刺激はそれでは終わらなかった
かすかな水音
柔肌に包まれた おちんちんが上下に扱かれる
乾いてくるよだれの代わりに、自分で溢れさせた先走りが ありさちゃんの手を汚す
もう立ってはいられなかった
震える足では体を支えられずに、木の幹に体を預けると、ずるずると 座り込みそうになる
「だめだよ? ちゃんと立ってて?」
ありさちゃんは 意地悪だった
首を振って もう無理だとアピールしても「やめちゃうよ?」と言われては、ただ従うしかない
おちんちんから伝わる刺激に押し流されそうになるのを必死に堪えていた
咥えたスカートを噛み締めて、震える足で体を木に押し付ける
嫌がる様に背中を押し返されると、不意に加わった力に おちんちんが 指の間を通り抜けていく感覚が堪らなかった
それに気づいてからは、わざとらしく何度も、木に揺られ続けていた
焦げ付くような焦燥感が、おちんちんの根本に集まってくる
もう出してしまおうか…
「出すなら口の中にしてね?」
服が汚れたら大変だからと、最初の頃に交わした小さな約束も霞んで見える
それなら早く口の中に挿れてくれれば良いのに
そんな風に意地悪をする ありさちゃんが悪いのだと、言い訳ばかりが頭を埋めていく
ふぅっ…
悪戯に吹きかけられた吐息が快感をさそう
達してしまいそうな私を見上げながら、悪戯に微笑む ありさちゃん
ぐつぐつ と、訳の分からない憤りが下腹部に集まり始めていた
おちんちんが包み込まれたのは そんな時
散々焦らしていたのが嘘みたいに、あっさりと口に咥えられる
「ああっ!?」
堪らなかった、耐えられなかった
咥えていたスカートを放してまで、喉を突き上げた快感が抑えられない
思わず跳ね上がる腰が、ありさちゃんの喉の奥まで おちんちんが送り届けると
そのまま…
なんの前戯を楽しむこともなく射精を始めてしまった
「んんぅぅ…っ…ぅ…」
くぐもった声がスカート奥から聞こえてくる
私はといえば、おちんちんが脈打つに合わせて声にもならない声を漏らすばっかり
びくびく と体を震わせて、溜まりに溜まった精液を吐き出しては恍惚に頭を濁らせる
気づいた時には木の根元に座り込み、何度目かの射精を終えた おちんちんは少しずつ固さをなくしていった
「満足した?」
スカートの中から顔を上げた ありさちゃんが笑顔で聞いてくる
その顔は綺麗なもので、あれだけ吐き出した精液も一滴すら零してはいなかった
ごくん…
最後に動いた彼女の喉は、口の中に残った精液を集めて飲み下す
嬉しかった幸せだった、私のモノ飲み込んでくれた事に満足だった
だけど…もの足りない
おちんちん を咥えられて 彼女の口の中を味わう暇もなく射精させられる
体の疼きこそ、多少は落ち着いてはいたけれど、もっと根っこの部分は余計に燻るだけだった
ー
ごくり…
私は喉を鳴らしていた
何度も何度も喉を鳴らし、嗚咽みたいに押し込んで、かなちゃん の吐き出す欲望を喉の奥へと流し込む
もちろん、最初は上手くできなかった
どろどろ で 粘ついてて、変に口の中に残る精液は飲み込む前に口の端から溢れて 服を汚す
それでも、何度か数を重ねるうちに要領を得ていた
口じゃなくて、直接喉の奥に吐き出してもらえれば
こぼさずに済むと、射精の前には自分から奥に奥にと咥えていった
固くなった おちんちんに何度も喉奥を突かれるのは、苦しくはあったけど
「満足した…?」
スカートの中から顔を上げる
木漏れ日に目を細めながらも、私は微笑んでいた
ごくん…
最後に口の中に残った精液を飲み込む
ほぅ…と息を吐くと、お腹の奥から漂う精液の匂いが鼻から抜けていき、その匂いに頭を曇らせる
けれど、楽しい時間は長くは続かない
いつも聞いてる予鈴の音がやけに耳障りだった、私たちの邪魔をするみたいに聞こえてしまう
「…いこっか?」
立ち上がり、膝やらスカートやらについた埃を払うと校舎に向かって歩き出す
きっと、下校の時もするんだろう
家じゃお母さん達に見つかるからって
また此処に来たり、帰り道の公園、酷い時はお店のトイレに連れ立った事もあった
だんだん頻度は上がっている
私も、かなちゃんも、我慢は効いていないし、それが悪いことだとも思えない
だって、その時の事を思い浮かべるだけで、お腹の奥が疼いてしまう自分がいた
今だって、たまらず すり合わせた太ももが、汗じゃない何かに濡れている
そんな…
不安定な体勢だったからだろうか
不意に掴まれた手に「だめ」って呼びかけられたのにも気づかずに
バランスを崩した体は地面に転がってしまっていた
「もう…かなちゃん、いきなり引っ張ったら危ないよ」
暢気、だったんだと思う
そこまではしないだろうと、何処かで思っていて
勝手に安心をして、物足りなさは自分で慰める日々
不健全で、不安定で、不可解な体の関係
何処か歪で歪んでいて、だからこそ噛合いはしなだろうって見ないふりをして
気付いた時には押し倒されていた
ころんだ拍子になんかじゃなくて、倒れた私の両肩を かなちゃんの両手が押さえつけている
痛いとか、怖いとか、思っても良かったんだと思う
けれどなぜか…
そんな感想よりも、押し付けられた地面の冷たさが冷や汗みたいに滲んで来るのが気になっていた
「かなちゃん…」
恐る恐るに声を掛ける
顔は赤い、呼吸も荒い、焦点も定まってないように見える
さっきまでの名残かとも思ったけど、それ以上に興奮してるのが震える手から伝わって来ていた
気づいてはいた、想像してもいる
思わず縮こまった体は、守るみたいに太ももを閉じさせていた
「ありさちゃん…わたし、まだ…」
「うん。でも授業始まっちゃうし…」
泣きそうな かなちゃんを少しでも落ち着けようと、頬に手を伸ばす
「ほら…帰りにさ、またね?」
こぼれてきた涙を指拭って、優しく声を掛けた
首を振られた、そうじゃないと、もう我慢できないと言ってるみたいだった
体が軽くなる
私を押さえつけていた右手が離れ、それはスカートの中に伸びてきた
「あ、だめ…っ」
慌てて、その右手を抑えようするが遅かった
捉えた手首、その指先は私の下着に届き、濡れた股間に触れている
「ぁっ…」
声が出てしまった
どんなにか抑え込もうとしても、毎晩想像していた感触は、我慢が聞くものでもなかった
「ほら…ありさちゃんも…」
違うとは言えなかった
むしろ降って湧いた幸運にすがって良いとさえ思っている
体の興奮はもうとっくに限界を超えていて
あとは学生の日常とかそういう積み重ねが、辛うじて線を引いていただけで
かなちゃんの指が、下着越しに沈んでいく
その感触が奥に向かうほどに、きつく閉じていた太ももから力が抜けていく
かなちゃんのせいにして、かなちゃんのためだと言い訳をして、私は自分の快楽に寄りかかり始めていた
此処までくれば、子どもの性知識でも分かることがある
えっちな気分になれば、男の子でも女の子でも関係なく 股間が濡れるって
そして、多分、女の子の方がより多く…
濡れて張り付いた下着の上を かなちゃんの指が弄り始めていた
探るように探すように指を泳がせて、やがて見つけた割れ目に沿って指が動き出す
痺れるような刺激が、割れ目からお腹の奥を滲ませる
ひりつくような感覚
快感を煽られているのに決定的に届いてない。それがもどかしくて、自分でそうしていた様に腰を浮かせて指を誘う
なんの抵抗もなく滑る かなちゃんの指先
それが、割れ目の先、少し膨らんだそれに触れた途端に
「ああっ!?」
思いの外大きな声で、自分でも驚いたけど
「ここがいいんだ?」
通じた意図は私の願いを叶えてくれた
下着越しに何度も 膨らみを撫でられて、その度に かなちゃんの おちんちんみたいにして固くなってく
その刺激に腰を引き、なのにもっとして欲しくって腰を浮かせては、かなちゃんの動きに合わせて 体をくねらせる
「いや」とか「だめ」とか口で言っているだけで、両足はすっかり解れて、かなちゃんの指を受け入れてしまっていた
「あっ、あっ…あぁぁぁっ…!!」
体が縮こまる
いつものあの感覚がやってくる
お腹の奥に溜まった熱が体全部に広がって、もう訳がわからなくなる
閉じた足はかなちゃんの 腕にしがみついているみたいで、私は私で、たまらずに彼女に抱きついてしまっていた
「はぁ…はぁ…ぁぁ…」
股間から熱が逃げていく、湿り気が下着に広がっていき、どうしようもなく溢れてしまったことを思い知る
ひやりとした感覚
遅れて下着がずらされたことに気づいてからはもう遅かった
足を閉じようとしても、その間に かなちゃんが入り込んでいて閉じるに閉じられない
スカートは捲くりあげられていて、濡れそぼった私の割れ目が彼女の前に晒されている
「だめだよ…かなちゃん…」
流石に…怖いと思う
性行、セックス…言うならば子作りで
子供ができてしまったら、ただの火遊びも冗談ではすまなくなってしまう
「だめじゃないもん…わたし、ずっとこうしたくって…ありさちゃん…」
言ってる間にも、かなちゃんの腰が落ちてくる
そそり立った おちんちんは、私が舐めていたときよりも大きくなっているようにみえた
好き…好き…大好き…
そんな事を言ってたように思うけど、それを聞いている余裕は私にはなかった
きーんこーんかーんこーん…
鐘がなる、授業が始まる、騒がしかった校舎が静まりかえる
きーんこーんかーんこーん…
おちんちんが、割れ目を開いて入り込む
先端で割り開き、雁の部分で広げながら私の奥を目指している
きーんこーんかーんこーん…
泣いていたのか、叫んでいたのか分からない
ただ、ぷつりと、何かが切れたような気がした時には、根本まで入った おちんちんにお腹を奥を押し上げられていた
私の中で、かなちゃんの おちんちんが動いている
熱くて、固くて、いやらしくって
それは、想像していたよりも生々しい
痛かったり、苦しかったり、それでも時折訪れる 浮遊感を掘り進めるみたいに 私の中が掻き回される
「ありさちゃんっ、ありさちゃんっ…!」
それだけに必死だった
私を押し倒し、割れ目に、膣におちんちんを挿れて悶絶する
腰を振り、体を震えさせながら、押し寄せる射精感に懸命に耐えているようだった
「ふわぁぁ…っ」
なんでだろう?
乱暴に動いてた おちんちんが、膣の天井をひっかくと それだけで頭が痺れた
それを見つけた かなちゃんが、おちんちんをそこに擦りつけ始めると、たまらず私も腰を振り始めた
気持ちがいい?
これをそういうのならそうなんだろう
ただ、やめられないでいる
気づけば、ささやかでも抵抗をしていた自分を見失う
友達に、親友に押し倒されて、レイプにも近い扱いをうけてなお、私は彼女を憎めていない
どころか、愛おしさが増していき、もっと彼女の好きにさせて上げたくなっていた
くちゅくちゅ…と、水音を立てながら かなちゃんが腰を振っている
奥まで届いた おちんちんの刺激に体を震わせながら、私が声を上げている
どちらからでもなく唇を押し付け合い
苦しくなって息を吐き出すと、すぐにまた口を塞がれる
頭が濁ってきた
呼吸がままならないせいもあっただろうけど、それもやめられない
腰を押し付けられたまま、それでも もっとと おちんちんを突き込まれる
それを受けてか、私の中でおちんちんが さらに大きくなっていく
膣の天井を舐めあげて、お腹の奥を突き上げた
「ああああっ…」
上がる声も、かなちゃんに唇を奪われて塞がれる
実際にこうでもされてないと、他の誰かに聞かれそうなほどに私は 叫んでいたのかもしれない
お腹の奥が解れていく
突かれては、震える下腹部に、いやでも自分の子宮の位置を教え込まされる
押し付けられたおちんちんが、押し付けるままに押し込まれ
もっと、子宮の入り口を開こうとでもしているみたいに、腰を揺すられる
たまらず逃げようとした私の腰は捕まって
密着する股間同士が、その熱に一つに溶け合ってしまうような
ううん…
抱きしめられた彼女の温もりに、制服の布の一枚でも邪魔に感じて
辛うじて、直接触れ合っている太ももをより強く重ねていく
好き…好き…大好き
そんな事を聞いた気がする
好き…好き…大好き
そんな事を言った気がする
お腹の奥が熱くなる
おちんちんの先端から精液が一気に吐き出される
満たされる、満たされる…
かなちゃんの精液で私の中がいっぱいになる
気持ちいい、気持ちがいい…
喜びに体中が支配される
もう何でも良かった、かなちゃんにこうしてもらえるなら、子供ができたって何でもいい
好き…好き…大好き…
「かなちゃんっ、かなちゃんっ…!!」
泣きながら彼女を抱きしめて、もっと奥に欲しいと縋り付く
「ありさちゃんっ、ありさちゃんっ…!!」
壊れるくらいに抱きしめ返されて
遠慮なく吐き出される精液に、私の頭の中は恍惚として、朦朧としていった
お腹が熱い…気持ちがいい…何も考えられなくなって、気持ちがいい
おちんちんに掻き回されて、おちんちんに突き上げられて、気持ちがいい
射精をされて子宮が満たされて、心が満たされる
自分が女の子で良かったと、彼女に愛されて、幸せだった
ー
次の日
ありさちゃん は学校に来なかった
思い当たるフシなんてあり過ぎて
誰のせいにもできなくて、誰かのせいには出来なくて
私は一人、曲がり角を曲がる
いつも2人で歩いていた通学路に背を向けて、ありさちゃんの家へと足を向けていた
さぼり…って言われてもしょうがない
今から ありさちゃんの家によっていたら確実に遅刻する
それはいい、それ自体はどうだって
彼女のいない学校は、私にとっては廃墟も同然だ
ただ…
分からなかったのは、私は彼女にあってどうしたいのかってこと
謝りたい?
でも、あの時の感情を嘘には出来ない
求めるままに彼女を抱いた あの衝動を今でも私は欲しがってる
こうして、考えるだけでも、あの時の光景が過り、その感触に肌が擽られる
ぼんやりと、大きくなってきた おちんちんが、歩く度に下着と擦れて、じんわりと心地よさが襲ってきていた
不思議と静かだった
ぴりぴりとした甘い刺激から逃げるように歩いていると、どうしても腰が引けてしまう
そんな変な歩き方に、誰かの視線を感じて顔を上げると、思った以上にそこには誰もいなかった
学校からしてみれば、通学路の端っこで、そろそろ登校時間も終わる頃
学生だけならまだしも、仕事に向かう大人も、道すがらに見かける おじいちゃん達も
いわんや、道路を過ぎ去っていく車の影さえそこにはなかった
静か過ぎた
そして、その静けさを私は知っていた
あの霧の続いた日
街の人達が倒れ伏していった悪夢の様な悪霧が漂ってた毎日
そしてその中心は、ありさちゃんの家だった
ー
「ありさちゃんっ!」
家につくなり玄関に飛びつき、靴を脱ぐのも忘れて転がり込む
家の中は静かだった
重く、沈んで、淀んでいた
耳が痛くなるような静けさの中、自分の心臓がやかましい
誰もいない
そんな中、上の方から、もっといえば 彼女の部屋の辺りにだけ、薄っすらと何かの気配が漂っている
ゆっくりと階段を昇っていく
その気配に気付かれないようにしているつもりで、私は耳をそばだてる
「あっ…んんぅっ…かな…ちゃん…ぁぁ…っ」
喘ぎ声だった、嬌声だった
名前を呼ばれたことに心臓が跳ね上がり、その声音に胸を踊らせた
衣擦れの音、粘つく水音、そのどれもを私は知っている
上がった廊下の上、薄暗い通路、開いた扉の隙間から薄っすらと漏れる光と声
一歩、一歩と近づく度。大きく聞こえる声に誘われて、私は部屋の中を覗き込む
助けなきゃ…
思えば思うほどに体は動かなかった
早鐘を打つ心臓は、それでも体に力を運ぶ代わりに 私のおちんちんを固く大きく変えていく
ありさちゃんの部屋の中、裸の彼女のがベッドの上に横たわっていた
押し倒されてる、そう言って良いかは分からない
けど、彼女の上に何かが伸し掛かっているの確かだった
不定形で不安定で不鮮明、漠然としていて曖昧な黒い影
人影にも見えるそれは、抱きつくように絡みつき、ありさちゃんも必死になって抱き返しているように見えた
「かな、ちゃん…」
恍惚とした表情、惚けたような声
それが何かは分からないが、彼女にとっては私に見えているみたいだった
もぞり…もぞり…
ざわめくように、波打つように人影がうごめく
それに合わせて、ありさちゃんの腰が揺れ、びくり と体が震える度に粘液質な水音が増していった
影の奥に、うっすらと浮かぶ白い肌。舐め回されるような跡が這いずり周り
小さな胸の膨らみでさえ、弄ばれるように形を変えていく
すでに固くなっていた乳首が弾かれると、それが良かったのか、一段と声が大きくなった
求めるように開いた小さな唇に重なる影
口づけを抱擁を、そして口内にまで入り込むと、舌を絡め取り、あふれた唾液が彼女の頬を汚していく
空気を求めて開いた隙間にも影が入り込み、鼻息がばかりが荒くなる
喉が鳴る、鼻が鳴る、上ずったように音階が上がっていく
高まっていく快感に涙を流しながら、どうしようもなく体を仰け反らせた
一度二度、二度三度…
大きく打ち震える人影に、ありさちゃんの腰が押し上げられる
繰り返し脈を打ち、波打ちながら、彼女の奥の方へと何かを流し込んでいる様だった
すとん…
終わりは呆気なく、ありさちゃんの体から力が抜けていく
女の子の、ありさちゃんの匂いが充満する中
ふと、鼻をついたのは 精液の、あの漂白剤の濁ったような すえた匂い
指先に感じる生臭さが、ぽたり、ぽたり、床に溢れて白く濁っていた
ー
「最初はね、嫌だ嫌だって泣いてたのよ」
その声に咄嗟に反応する事が出来なかった
背中を押され、たたらを踏み、部屋の境界を越えた途端に
がちゃり…
無機質に、鍵の落ちる音に頭を叩かれて ようやく顔を上げられた
振り返れば、女が立っている、彼女が立っていた
どこまでも曖昧で、朦朧としていて朧気な姿
少女とも女性ともつかない容姿はそれでもって一つの美しさとして際立っている
墨をぶち撒けたような昏い髪を流し、極彩色の紅い着物を漂わせながら
薄く、紅の刺す口元を歪ませて、それでも女は綺麗に微笑んでいた
「何回目だったかしらね? 中に出してあげてたら、そのうち黙っちゃって」
女がぺらぺらと何かを口にしている
とても、とても綺麗な声なのに、どうしても耳障りに聞こえて仕方ない
「試しに、貴女の幻覚を見せてあげたらさぁ…みてよ?」
柳眉な眉を動かして、視線を ありさちゃんの方へ向ける彼女
その動き一つ一つが嫋やかでいて、淑やかで、どこまでも嘘くさい
「あんな訳も分からない物に侵されて良がってるのよ?」
とはいえ と、首を振る彼女
それも残念そうにしながら軽薄に、飽きてきたと子供が玩具を捨てるような気安さで興味を失くしていく
私はどうしたんだろうか?
何かを叫んでいたような気もするけれど
気づけば魔法の弓を握りめていて、ありったけの力を込めて引き絞る
「プリズム…アローっっ!!」
自分の中がすっからかんになるほどの全部
それは、彼女を巻き込み、捻りきってもまだ止まず、家の壁を天井をも抉りながら空に消えていった
文字通り開いた風穴から霧が流れていく
薄れていく魔の気配
周囲の確認もそこそこに、ありさちゃんに駆け寄った私は その綺麗な声に縫い付けられる
「それで、一つ聞いておきたいのだけど?」
動けなかった
「犯されている友達を 餌に自慰をするのは、どういう気分だったのかしら?」
そんな力も残ってなかったし、そんな訳の分からない相手に振り返る勇気なんて湧いては来なかった
「わ、わたしは…」
ぬるり…
生暖かい感触が指先を染めていく
倒れ込んだベッドに上、最後に見たのは白いシーツを染め上げる赤い色だった
ー
目が覚めた時には知らない部屋の中だった
座敷牢…とでも言えばいいんだろうか
格子に閉ざされた部屋は薄暗く、ささくれ立った畳の上も寝心地の良いものとは言えなかった
寝起きのせいか、それ以上に頭がはっきりしない
最後の記憶は ありさちゃんの部屋で…
「ぃっ…」
徐にさすったお腹の上、傷口こそ塞がってはいるようだったけど
貫かれたのが幻ではないと言うように、痛みが疼き出す
「あんまり動かないほうがいいよ、かなちゃん」
「ゆにこ…」
随分と久しぶりに思えた
そういえばと、あの女の事を、私に生えた おちんちんの事を調べてくると言ったきり
そうして、私が ごたごたしている間に、彼のことなどすっかり忘れてしまっていた
理由は分からない
けれど、生きて無事で、一緒の部屋にいるならやることは一つだった
「結構な怪我だったんだ。傷口はなんとか塞げたけど…」
「ううん、平気。ありさちゃん、助けないと…」
歯を食いしばって立ち上がる
お腹はちょっと痛いけど、変身さえしてしまえばこんな程度なんてことなんてないのだから
「お願い ゆにこ、力を貸して?」
「…分かったよ」
部屋の隅に座っていた ゆにこが立ち上がる
青年の姿から、元のユニコーンの姿へと戻っていく
白い馬、額にある大きな一本角がトレードマークの
私を魔法少女にしてくれて、今日まで支えてくれた頼りになる相棒の姿
久しぶりにみた彼の姿は私を安心させてくれるのには十分だった
きっと、今回だって大丈夫
色々ピンチだけど、正義の魔法少女は負けたりなんかしないって訳もない勇気が溢れてくる
ゆにこ の角が光り輝いた
その光を受けて、私の背中に小さな翼が生える
輝きが増していく
翼が広がり、私の体が包み込まれる、心に光が差し込んで 私の中の可能性が華やいだ
光の中、着ていた制服が光の粒子となって解けていく
純白の心に、純真な体が繋がって…
唐突に、糸が千切れた
指先を、つま先から、編まれかけたグローブとブーツが、ばらばらに崩れ落ちていく
「え…」
訪れた不安を、不思議に思う暇もなかった
私を包んでいた翼が枯れ落ちると、裸のまんまに畳の上に投げ出された
「やっぱり、ダメだったか…」
気落ちするような彼の声は、それでも残念そうには聞こえなかった
初めから分かっていたと、そう言って、倒れ伏す私の方へと歩いて来る
なんとか体を起こそうするが、体から力が抜けてまるで動けない
ちょうどあの時、彼女に全力で矢を打ち込んだ時以上に
魔力どころの話じゃない、体を動かすための全部が尽きかけている
「僕もね、無事だった訳じゃないんだ…」
ユニコの鼻息が私の体に吹き掛かる
心なしか熱を持った吐息は、肌に粘りつくようだった
「え、なに…?」
煤けたグローブとブーツが、焼け残ったみたいに手首に嵌められている
事実、それはその通りに、天井から伸びてきた黒い靄に繋がれて私の体が吊るし上げられていく
「安心して、キミと もう一度つながる方法はちゃんとあるから…」
安心してと言われるほどに不安が差し込んでくる
いつもとはまるで違っている ゆにこの声、無事じゃないと言いながら、何をされたのか話してくれない
ただ、譫言のように大丈夫と、安心してを繰り返しながら
次第に荒くなっていく鼻息に あの時の、ありさちゃんを押し倒した自分の姿が重なって見えた
「ひぅっ…」
生暖かくて暑苦しい、溶けた舌の感触は私の肌に焼き付いた
「なに? なんで?」
背中に押し付けられる太い舌の感触
人間のそれとはまるで違う、舐めるというより撫でるように、前に捕まった触手の様な感触にも似ていた
手首を吊るされて、足も縛られてろくに動けない私の背中を ゆにこの舌が這いずっている
うなじを、浮き出た肩甲骨の裏側を、背筋をなぞりまた這い上がっていく
「キミは…あんな事になっても、まだ清純でいるんだね…」
「ゆに…こ?」
身じろぎをする、身震いをする
抵抗とも言えないそれを続けることで、なんとか自分を保っていた
背中を流れる唾液の感触が嫌に熱い、流れる程に体が火照っていくようで、次第にもっと舐め回して欲しくなってきていた
「その、おちんちんで ありさちゃんを犯したのだろう?」
「それは…」
言われて、その行為の熱がぶり返す
唐突に おちんちんに集まってくる熱にたまらず太ももをすり合わせてしまう
「大丈夫、安心して、まずはそれから、失くしてしまおう…」
蹄の跡を畳に残しながら、ゆにこ が私の前へと回ってくる
しかし、その様子は私の知っている彼とはまるで違っていた
血走った眼に、白かったはずの体は斑の様に黒ずんでいる
輝かしい鬣も、今は溶けるように揺らめいていて、どこか彼女の雰囲気にも似ていた
「あ、だめ…っ」
舌が伸びてくる
思わず目をつぶる
次の瞬間に、乳首から伝わる初めての感触に、私は声を上げてしまった
「あっ、うぅっ、あっ…!?」
大きな舌先で乳首を押しつぶされる
膨らみ初めた胸と一緒に舐めあげられる度
ぴりぴりとした痛みと、もやもやとした何とも言えない熱っぽさが体に広がっていた
手慣れたみたいに舌の動きが激しさを増していく
小さな胸の輪郭なぞり、舐め上げ、わざとらしく乳首に引っ掛ける
唇で乳首を吸い上げられると、一瞬頭の中が真っ白になってしまう
ついばまれた乳首の先をすぼめられ、大きな舌で擦られて、どうしようもなく声がでる
切ないと言えばいいのか、しかしもどかしい
ありさちゃんを犯していた感覚と同じ気もするけれど、あと一歩に届いていない
じわり…じわり…
舐め続けられていると、胸が乳首が、だんだんと熱くなっているようだった
慣れていく、そんな気がした
舐められていくことに慣れて、次第に受け入れてしまっている
だって…
頭の中で諦めが声を上げ始める
抵抗なんか出来ないんだから、我慢したってしょうがないと
「だめっ…だめっ…」
頭を振って、声を払う
だからって、ゆにこが動きを止めてくれる訳もなく
だんだんと酷くなっていくもどかしさに、呼吸ばかりが荒くなっていった
「もう大丈夫だね…」
「へ…」
ゆにこ の視線は私の下半身に、おちんちんに向けられていた
そそり立った私の おちんちん
まだ一週間程度の付き合いなのに、それが何をもとめているか分かるほどに私この感覚に溺れそうになっていた
「今からそれを取り除いて、キミをちゃんとした女の子にもどそう」
「でき…るの?」
「もちろん。大丈夫だから、安心して…」
嬉しい
それができるならと、素直に喜ぶ反面、何処か残念に思っている自分がいた
ありさちゃん…
思い出した情景は、さらに私の おちんちんを高ぶらせた
あの割れ目の感触を私はまだ手放したくないって、もっと彼女とエッチなことを…
「おねがい…」
でも…
そんな気持ちを飲み込んで、私は ゆにこに頼み込む
たとえ彼がおかしくなっていることに気づいても、たとえ ありさちゃんともう えっちが出来ないとしても
今の私には、こうするしかなくって、ありさちゃんを助けるためには我慢するしかなくって
「ふぁぁっぁあぁっ!?」
突然だった、唐突だった
固くなっていた 私の おちんちんを ゆにこが吸い上げている
「あっあっあっ!?」
ついばむとか、そういう可愛いものじゃなく、吸い込む、その言葉どおりだった
このままもぎ取られるんじゃないか?
そんな不安も、その強引な感触に流されていってしまう
射精を促すばっかりの ただ強い刺激
おちんちんを奥まで飲み込み、精液を吸い上げるような勢いで吸い付かれる
長い舌が伸び、おちんちんの先から側面に絡みつき、更には 根本までも擽られ続けると
次第に、腰が痺れ始め、下腹部が、お腹の奥が熱くなってくるのがわかる
腰が引ける
おちんちんがもぎ取れると、そんな恐怖も確かにあったが
余りにも強い刺激に逃げたい一心がそれに勝つ
だけど、そもそも体が動かない
中途半端に腰を引き、その度に吸い戻されて、自分から腰を振っているみたいで変になりそうだった
もっと奥へと
ゆにこが口を開いて おちんちんを飲み込んでいく
根本までも唇に埋まり、それでも突き上げられると
自由の効かない体はされるがままに押し上げられ、時折つま先が畳から浮き上がる
「ああっ!? ゆにこっ、だめっ、もっと、やさしく…」
聞こえてない、聞いてくれない
まるで、お乳を欲しがる子牛の様に、私は おちんちんごと体を突き上げられている
下腹部に当たる荒い吐息、唾液なのか先走りなのかも分からない液体が
私の下腹部を濡らしては、畳を汚していく
「あっ…なんで、ゆにこっ」
どうしてだか、私は自分で腰を振っていた
あれだけやめてと、ゆっくりと叫んでいたのに、実際にそうされると我慢が効かなかった
おちんちんを咥えたまま、ゆにこが動きを止めている
ただし、その舌は私の それを包み込み、根本までガッチリと締め上げ、射精の瞬間を遠ざけていた
「だしたいかい? さっきまであんなに嫌がっていたのに」
「だって、こんなの…むりだよぉ…」
もう泣き言を言うしかない
生殺与奪はゆにこ に握られている
不器用にどんなに腰を動かしたところで、 ゆにこの舌は外れないし
もどかしい射精感は、体の奥から広がって 私の頭はそれ以外に考えられなくなっていく
「もう、彼女とえっちできなくなるよ?」
「それ、は…」
一瞬のためらい
だけど助けるって決めたから、だけど早く出してしまいたいから
ゆにこの口の中をいっぱいにして、さっきみたいに強く吸い上げられたきっと、きっと…
「もう、いいから…ださせてっ…おねがい…」
だめだった、どうしようもなかった
舌が緩んでいく事に歓喜を覚え、吸い上げられた刺激に打ち震える
背筋をそらし、張り詰めた つま先は伸び切って、ゆにこに 突き上げられるまま、その口の中いっぱいに射精した
「はぁ…はぁ…はぁ…」
快感が、波の様に繰り返して、それでもゆっくりと沈んでいく
気持ちよかった、幸せだった、いっぱい射精できて、もうそれ以外が分からない
ぼんやりと、自分のおちんちんを 眺めていた
先端から精液の残りを零しながら、ゆっくりと萎んでいく
最後に、それと分からなくなるほどに小さく、消えてなくなると、あとには女の子の私だけが残っていた
「おつかれさま、かなちゃん。安心して、もう大丈夫だよ…」
ゆにこの熱い舌が、私の頬を撫でる
まるで刷り込まれるように何度も撫でられ、その度に安心してと、もう大丈夫だと繰り返されると
不思議と、さっきまでの不安や恐怖が遠のいて、心が安らいで行くようだった
ゆにこに任せておけば大丈夫、もう安心
おかしくなった彼の事など忘れて、いままでそうしてもらってきた様に私は彼に身を預ける
「これで…変身、できるの?」
朧気におもいだした決意
ありさちゃんを助けたいって思いは、ふと口からこぼれていた
「ううん。まだ邪魔な枷を、彼女の呪いを外しただけだから…」
そう言うと ゆにこは私の後ろに回って歩く
「これから、もう一度、キミとボクとを繋がないと…」
その意味は分からなかった
けれど、ゆにこが言うなら大丈夫だろうと、妙な安心を覚えて、しばらく待っていると
「うぐっ…」
重い
本当に、そんな言葉を背中に置かれてみたいだった
吊り上げられた両手が軋み、足を踏ん張って不器用に体を支えてもままならない
「ゆにこ?」
振り返れば彼の顔
どうにも、彼が私の上に伸し掛かり。たまらずに、落ちた私の視線は見てしまった
私の両足の間、そこに映る 大きな肉の棒
見覚えはある
それはさっきまで私に生えていたもので、それにしたって一回り以上に大きいものが脈を打ちそそり立っている
「え、なに? なんで?」
訳も分からず ゆにこに問いかける
けれど、定まらない焦点はすでに私なんて見てなくて
そそり立った肉棒の先端が私の割れ目を開き始める
「や、やだっ、やめてよっ、ゆにこ…」
逃げようと腰を振ってもどうしようもない
そもそも立っているのがやっとで、ぶら下がっているのが精一杯
しっかりと、その前足の間に押さえつけられ、逃げ場のなくなった私の股間を目掛けて 大きな肉棒は迫ってくる
そうして、ゆっくりと、少女の割れ目に埋もれていった
「んっ、んんんんぅぅぅぅ…!?」
声にもならない叫び
ゆっくりとお腹の中に入ってくる熱い塊に身を捩る
だめって、やめてって、何度も言っても止まらなくて
それでも嫌がらせの様に ゆっくりと入ってくる肉棒は嫌でも自分の中が犯されていくことを自覚する
抵抗なんてなかった
せいぜい口から出任せの様に叫ぶばっかりで
散々の行為で高まっていた私の体は あの日の ありさちゃんの様に肉棒を受け入れていく
それでも大きい、それにしたって大きい
きっと、ありさちゃんも…
そんな風に後悔を重ねても、それ以上の刺激に思考がぼやける
時折襲ってくる痛みに唇を わななかせ、奥まで突き上げられ、なお余っている肉棒を前に体が強ばる
「あっ、あっ、あっ…はぁ…はぁぁぁ…はぁ…」
上手く呼吸ができなかった
断続的に呼吸を繰り返し、ようやくと深呼吸ができるようになった頃
それまでが、ゆにこに残っていた最後の優しさなんじゃないかって思う
「ああぁああぁっ!?」
叫ぶしか、声を上げるしか、自分を守る手段がなかった
突き上げられ、押し上げられたお腹からそのまま音が出ている
喉を通る空気が形をつくることもなく、ただただ突き上げられる衝撃に弄ばれていた
それでも、不思議と体は、嫌でも、快感を覚えていった
多分そう、ゆにこの唾液の効果なんだろう
突き上げられながら、興奮と一緒にたれてくるよだれ
それが背中に落ちる度に、お腹の奥がうずくような刺激が走る
戯れに舌で弄ばれ、背中に唾液を塗り拡げられると、それはより一層と私の体を壊していく
舌を伸ばし、顔を寄せ、持ち上げられた両手の、脇の下を舐められる
普段はくすぐったいと笑うばかりの部分でさえ、どうしてか気持ち良さが勝っていた
長い舌はそのまま、私の胸をせっつき始めていた
小さな胸をすくい上げ、吸い付かないでも
固くなった乳首に巻き付き押しつぶされる感覚は、私の熱を高めるのに十分だった
割れ目の、その奥に感じる初めての刺激
それを理解する前に、塗り込められた唾液から、舐め回される胸から、気持ちよさが流れてくる
肉棒で割れ目の奥を突かれながら高ぶってくる私の体
やがて、おちんちんが射精する時にもにた感覚が、お腹の奥で渦を巻き始める
背筋が反り返り、太ももが閉じる
訳も分からず声を上げ、お腹に溜まった熱が一気に体中を駆け巡った
「ふぁぁぁぅっぁっあぁぅっ…!?」
どうしようもない体の痺れ
頭の中まで真っ白になって、それが幸せでたまらない
お腹の奥が渦を巻き、自分勝手にうごめいて入ってきた肉棒に抱きついている
まるでその先を求めるように、まるで射精を促すように
「あぁぁっ!?」
たまらないのは ゆにこも同じ様だった
一際強く突き上げられると、鼻息を荒げながら、さらに動きが激しさを増していく
私にそうしてくれたように、私は割れ目の奥で 彼の肉棒を締め上げてしまう
痛いとか苦しいとか、そういうのも分からなくなり始めるのに時間はいらなかった
ただ、突き上げられるお腹の奥が、生まれた熱が、感情が…
朦朧と、漠然と、それでも必死に求めてしまっている
「ひぃっ」
悲鳴、それにも似た短かい声
大きくなった彼の肉棒から一気に吹き出す熱い物
割れ目を、お腹の奥を満たしていく
ぶるぶると、何度も震えて、何度も吐き出され、次第に意識は遠のいていく
お腹が熱くって、気持ちがいい、射精されるのが気持ちがいい
ああ、いいなぁ、ありさちゃん…
自分がそうであるように、やっぱりあの時のありさちゃんも気持ちよかったんじゃないかって、そんな風に考えてしまう
「え、ゆにこ…?」
それに気づいたのは、お尻に違和感を感じた時
中だしされて、惚けていた頭が、もっとして欲しいとぼんやりと転がって意識は、それで目が覚める
肉棒の感覚、今もなお、私の中を満たしているそれは抜かれることなく
もう一つ、同じ様に生えてきて私のお尻の穴を広げ始めていた
「うそ…」
振り返った彼の姿
シンボルだった一角は、その先端から2つに割れ広がり、捻り狂ったような2本角になっていた
バイコーン
前にゆにこ がそんな事を言ってた気がする
自分たちとは似て違うもの、彼らが魔法処女の純血、純情を求める代わりにそれは、不純に染める魔物なんだと
「あ、あぁぁぁ…」
それで理解する
涙? 泣き声? 多分そんなのはもうとっくに乾ききっていた
様子のおかしかった ゆにこ
無事ではなかったと言った彼
何があったと思えば、すでにバイコーンに変えられていて
そんな彼の肉棒を受け入れて、あまつさえ射精されてしまった私は
心が折れた気がした
何処かに残っていた魔法の力が急速になくなっていくような感覚
いや、違う
その受け皿に穴が空いたように、割れた砂時計からこぼれ出るように
「ひぅぅっ…」
ついにはもう一つの肉棒が、お尻の奥に埋まり切る
いきり立った2本の肉棒に同時に突き上げられると、今まで以上の快感がお腹に中に溢れてきた
抵抗できない、逆らえない
力が入らないとか、そういう事じゃなくて、もう心が折れていた
折れた心は、なくした何かを埋めるように手近な気持ちよさを快楽を求めて口を開く
ありえない感覚
トイレのあとに感じていた、ちょっとした開放感が何度も繰り返される
それに、割れ目の奥の心地よさが加わって、全身をめぐる快楽が重なって
恥ずかしさも、嫌悪感ですら巻き込んで、頭がおかしくなりそうだった
いや、もうおかしくなっていた
たまらずお尻に力が入ったのは、出して欲しかったからだ
お尻にも射精してほしい、それはきっと気持ちがいいって
そんな気がして、好奇心を言い訳にして体をよじる
同時に突き上げてくる2本の太い肉棒
それぞれが別の生き物のように中で暴れ、中と中で擦り上げられると たまらない快楽に喉を鳴らす
太く固くなる肉棒に射精の瞬間を期待して、熱くなったお腹で受け止めるように腰を下ろす
熱い、吐き出される熱さ、精液を受け止めて恍惚に心が潰れていく
割れ目の奥でも子宮でもない、ただ出すだけだったお尻に出されてよがる
不謹慎で、不道徳で、それでも、その独特の快楽には逆らえない
「ふぁぁぁぁっ!?」
お尻からの快楽に浸っている暇もなく、彼が腰を突き上げた
割れ目に埋まっていた肉棒が奥まで埋まり、心を埋めつくような快楽が頭を焼いていく
また射精される
ピストンを繰り返され、割れ目の奥になすりつけるようにして何度も吐き出されると、お腹が溶けていくような錯覚を覚える
薄暗い部屋の中に響く嬌声と嘶き
裸の少女が馬に伸し掛かられている
いきり立った肉棒に、2つの穴を塞がれている
乾いた涙に笑顔を貼り付けて、快楽に逃げるように鳴く少女
そんな少女の事などお構いなしに、快楽を植え付ける黒い馬
ありえない、あってはいけない光景は
それでも漂ってくる性交の匂いに爛れて、不思議と焼け付くようだった
バイコーンの舌が伸びる
その舌先でさえ2つに別れ、少女の体を舐め回すと、膨らみ始めた胸に愛撫を加えていく
それがいい、もっと欲しいと懇願する少女に
気を良くしたのか、獣は的確に愛撫を重ねていった
唾液に塗れる少女の体
子供ながらに固くなった乳首の先から、その雫が1つ、2つと落ちていく
1つ2つと落ちていき、その度に少女は快楽に声を上げる
押しつぶされた乳首が小さな胸に沈んでいく
舌先が離れると、ぴんっと顔を出し、それがまた舌先に押し込められていく
何度も、何度も、繰り返される悪戯
割れ目にも、お尻にも、同じ様にピストンが加えられ
てんでばらばらの動きはやがて、一体感を増して少女を苛んでいった
絶頂…したのだろう
乳首が押し込まれると同時に、背筋が反り返り喉が鳴る
反り返った胸から乳首が顔を出すと、射精でもしたようにへばりついた唾液が飛び散った
断続的な嬌声に、ままならない呼吸
けれど、獣は勢いを緩めずに少女を貪っていった
繰り返される射精は、ついにはお尻から、割れ目からも溢れ出し、少女の太ももを伝って流れ落ちていく
射精されることへの恐怖はすでになく、身ごもることへの絶望も感じられない
ただこの瞬間の快楽だけが少女を虜にして、受け取った精液をただ幸せに変えていく
「だいじょうぶ…だいじょうぶ…ゆにこがいっしょ…だもん…あんしんして、もっと、きもちよく…」
繰り返される譫言に酔いしれる少女
言葉のとおりに身を委ね、絶頂を繰り返す度に幸福に落ちていく
激しくなっていく獣の動きに、ついには少女を縛っていた靄が切れる
床に投げ出される体を追いかけて、更に獣が体重をかけていく
もう、おもちゃの様だった
長い舌で少女を持ち上げ、その先端で胸を乳首を愛撫する
2つの穴に肉棒を押し付けては、強引な突き上げに少女の体が浮き上がる
それでも彼女は幸せそうだった
やがて訪れる絶頂に期待して、乱暴に扱われることに興奮を増していく
激しく突かれる2つの穴の…そのどちらが先だっただろう
少女は絶頂していた
一際大きな声をあげ、枯れたはずの涙を流して泣いている
獣の肉棒が打ち震え、その嘶きが部屋を揺らす
何度も、何度も脈動を繰り返し、最後の一滴までもと少女の中に精液を送り込む
少女の体が崩れ落ちる
舌の束縛からも開放されて、支えのなくなった体は荒れた畳の上に転がっていた
ずる…
最後に少女を支えていた肉棒も抜け出ると、残った精液が跳ね跳んで少女の肌を白く汚してく
嘘のように静かになる部屋の中
恍惚としたため息と幸せそうな少女の姿
全身を唾液と精液とにまみれ、その小さな割れ目から、お尻から、白濁とした液体が流れ染みを広げていた
ー
「…」
見ていられるものじゃなかった
部屋の奥から聞こえる泣き声も、胸を裂いて久しい
それが泣き止んだことに安堵を覚え、どうしようもない無力感に唇を噛みしめる
残ったのはなんだ
汚された少女の体か、壊れた獣か
「…彼女は?」
祈るように、自分の主に問いかける
これ以上の何かはしないで欲しいと、つまらない遊びに飽きたと、好きにしろと言って欲しかった
「もう止めて、そう言いたそうね、かや?」
「…私に、意見できることなど…」
そう、私は所詮その程度の立場でしかなかった
ならせめて、遠回しに懇願して、主の機嫌を損ねないように持ち上げて
壊れた獣はどうしようもないでも、汚された少女の肌を拭ってやることくらいはしてあげたかった
「…好きにすればいいわ」
彼女は笑っていた、満足そうに笑っていた
獣とのありえない情事でさえ、鼻を鳴らす程度だったものを、私に対しては笑顔を向けている
「あなたのその苦悩に免じて上げる。持ち帰って手心を加えるでも、もっと壊すでも、みけの餌にするでも好きにすればいい」
「…ありがとう、ございます」
苦々しいと、その苦悩を絞り出して声に出す
だが、それをこそ、見たかったと彼女は微笑んだままだった
ー
「だめよ…」
敷いた布団の上、少女を二人寝かせていた
起きないように魔法をかけて、丁寧に体を拭ったあとは、こうして着替えの準備をしていた
ちょっかいを出す猫
昔、教会に住み着いていたそれを思い出す
戯れに手をのばす みけを抑えながらの作業はなかなかに捗らない
事実、私が気を抜けば、なんなら彼女がGOと言えば 少女達を食べるくらいは平気でするのだろう
みけちゃん だけはと拠り所にしていながら、悪魔を飼っている矛盾
それでも、言うことを聞いてくれるだけマシとは言えるのか
設えた制服を二人にかぶせ、魔法で記憶の処理を施していく
こんなことばかりが上手くなってしまった
完璧なわけじゃない、覚えたての聞きかじった程度の技術
きっと、ふとした瞬間に蓋が外れる日がくるだろうけど、その日を少しでも先延ばしにするために記憶に蓋を縫い付ける
少女を二人も抱えるのは難しかった
「だめだから」とキツめに言って、あとで おやつを上げるからと餌でつり
なんとか みけに手伝ってもらって、二人を元の家に運び込む
途中、庭先で見つけた獣…
覚えのある白い体は黒く染まり、二本に割れた角が痛々しい
「ごめんなさい…」
忠告も、警告もした
気後れはするが、これを野放しにする事もできない。放逐すれば人を襲うし、私が飼うのは手が余る
「みけちゃん…いいよ」
少女たちを見送り、帰ってきた私は
そう…
口にするしかなかった
ーおしまいー
実は曲がり角で顔を合わせてるんじゃなくて
かなちゃんが、曲がり角で待ち伏せてるだけって事実
さぁ、今日は此処までよ。右手はまだ元気かしら?出すものは出した?
少しでも興奮してくれたのなら、これ幸いね
それじゃあ、また次の夜にでも ちゃぉ~♪
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