2021-02-17 23:45:19 更新

概要

とある新設基地に於ける日常です。
教官として派遣された問題艦娘達が、立派な教官となるまでの基地稼働前一ヶ月をえがいていきます。
裏設定多めですが、読みやすいように配慮しているつもりです。
彼女らの奮闘劇をお楽しみください。


前書き

艦これについてはSSでしか触れたことがありません。キャラ崩壊を意図的に入れていくと思いますので、御了承下さい。


旅立ち


「お疲れさまです。貴方が新たに着任される教官殿ですね。」


「お待ちしておりました。さぁ、船へどうぞ。」


「目的地はナビに設定済みですので、エンジンを掛けて、自動操縦に切り換えて下さい。」


「では、良い旅を。」



出会い


「教官!お待ちしておりました!」


「五月雨、初期艦として着任済みです!」ビシッ


「そんなに畏まる必要はないよ。」


「僕は時雨、黒霧時雨だ。よろしくね。」


「はい!よろしくお願いしますです!教官!」


「教官はよしてくれ。時雨でいいよ。」フフッ


「そんなっ!教官に対して礼を欠くようなことはできません!」


「ぜひ、教官と呼ばせてください!」


「そんなことで失礼になるわけないじゃないか。」


「君は、僕と同じく教官として此処に着任しているのだから。」


「はい!・・・はい?」



基地稼働前の一ヶ月


五月雨「ちょっと待ってください。私そんな話聞いてないですよ、教官!」


黒霧 「そうなのかい?てっきり僕は周知のことかと。」


五月雨「艦娘の、しかも駆逐艦である私が教官だなんて荷が重すぎます!どうか、ご再考ください。」ジッ


黒霧 「教える立場になることに艦種は関係ないさ。それに第壱期訓練生は皆、駆逐艦の予定だよ。」フフッ


五月雨「ですが!やはり日頃からドジばかりの私には、相応しくない・・・かと。」


黒霧 「それは言い訳だよ。」ズイッ


五月雨「」ビクッ


黒霧 「君の記録は見させてもらった。確かに大事なところでドジをして、周りに迷惑を掛けることも少なくなかったようだね。」


黒霧 「それも戦闘中に。」


五月雨「」ウッ


黒霧 「はっきり言って、君は教官に相応しくない。艦娘としてもどうかと思うくらいだ。」


五月雨「それは、流石に、言いすぎ・・・です。」グスッ


黒霧 「でも、それは飽くまで"今は"相応しくないというだけなんだ。」


五月雨「・・・どういうことですか?」


黒霧 「君の全ては、僕が責任を取るということさ。」ニコリ


五月雨「それって。///」カァ


黒霧 「壱期生の娘達が着任するまでの一ヶ月で、君を立派な教官に育て上げてみせる!」グッ


五月雨「え・・・?えぇぇぇぇ!」



さぁ、特訓だよ。


五月雨「・・・なんてこともありましたねぇ。」グデーン


黒霧 「ほら、いつまでも寝てないで早く起きる。」


五月雨「・・・はい。」


黒霧 「特訓はまだ始まったばかりだよ、五月雨。」ニコリ


五月雨「・・・そうですね。」


着任2日目である。



ドジは天性の才能だと思う。


教官は私のドジを直すため、あれこれ苦心している。


運動能力テストをしたり、平衡感覚の検査をしたり・・・。


とにかく、色んなことをしました。


結果、私のドジの原因は・・・。



黒霧 「注意散漫だね。」フム


五月雨「」エェ


黒霧 「君はあるひとつのことにしか注意を向けられないみたいだ。要するに、視野が狭い。」


五月雨「あの、私はいったいどうすれば?」


黒霧 「」ニッコリ


五月雨(あっ。)



死ぬ気でやればできる!きっと!


黒霧 「視野が狭いといっても、別に見えていないわけじゃない。」


黒霧 「ただ、君が視界に捉えたものを上手く認識できていないだけなんだ。」


五月雨「はぁ・・・。」


黒霧 「だったら、無理矢理認識させてやればいい。」


五月雨「それは、いったいどうやって?」


黒霧 「全周囲型回避機能向上訓練さ。」ニッコリ


五月雨(嫌な予感が。)


黒霧 「四方八方から砲弾が飛んでくるから、全力で避けてね。」フフッ


五月雨「」オゥ


黒霧 「使うのは準実弾だから・・・この先は言わなくてもわかるよね?」


五月雨(今日が命日か・・・。)トオイメ



終わらないエンドレスワルツなんですよ。


五月雨「」チーン


黒霧 「15分か。意外に耐えたね。やればできるじゃないか。」


五月雨(避けなきゃ死にますからね。)


黒霧 「じゃあ、二回戦逝こうか。」ニタァ


五月雨(神様ッ。)



お風呂で寝られる=赤疲労のサイン


五月雨「海の底って、意外と温かいですね。」シミジミ


黒霧 「此処はドックだよ?」


五月雨「知ってます。というか、なんで居るんですか?」


黒霧 「うちは急設の基地だからね。施設の建設が間に合ってないの。」


五月雨「つまり?」


黒霧 「入浴施設はドックしかありません。序でに、寝室も一部屋しかありません。」


五月雨「因みに、ベッドは?」


黒霧 「」ニコニコ


五月雨「そうですか。」トオイメ



秋ですか。そうですか。


黒霧 「君、ものの数時間で随分と性格変わったね。」


五月雨「貴方の所為ですよ、時雨さん。」ニコー


黒霧 「やっと名前で呼んでくれたね。」


五月雨「本気で殺しにくる悪魔に払う敬意はありませんから。」ハッ


黒霧 「そう・・・。でも、僕は今の五月雨のほうが好きだよ。」


五月雨「///」


黒霧 「顔、紅いよ?」


五月雨「のぼせたんです。」プイッ


黒霧 「」フフッ


五月雨「」ムー


五月雨「ところで、どうしてドラム缶風呂なんですか?」


黒霧 「察しておくれ。」


五月雨「」ハァ



無人島で生き抜ける気がしない。


五月雨「ふと思ったんですが。」キガエチウ


黒霧 「何かな?」


五月雨「食堂ってあるんですか?」


黒霧 「着任2日目に訊くことではないね。」


五月雨(電気の通っていない無人島に置き去りにされて、それどころではなかったですからね。)


黒霧 「まぁ、結論から言えば無いよ。」


五月雨「だったら、食事はどうするんですか?私は燃料だけでも大丈夫ですけど。」


黒霧 「自炊するさ。」


五月雨「誰が?」


黒霧 「僕が。」


五月雨「」フーン


黒霧 「何か言いたいことでも?」


五月雨「いえ、その程度の常識はあるのかと感心しまして。」


黒霧 「出会ったばかりの君は何処へ行ったんだい?」


五月雨「数時間前に逝ってしまったのです。」トオイメ



設定?知らない子ですね。


五月雨「クロさんや。」


黒霧 「何かな、ミーさん。」


五月雨「なんですか、ミーさんて。」


黒霧 「始めたのは君だよ?」


五月雨「いや・・・教官のこと、何と呼べばいいかなと。」


五月雨「いずれは私も教官になるわけですし、"教官"と呼ぶのは変ですよね。」


五月雨「名前だと時雨姉さんと被りますし、苗字は初期艦としてのプライドがですね。」ムー


黒霧 「クロさんが妥当なところじゃないかな。」フフッ


五月雨「そうですよね!」パァ


五月雨「クロさん。うん、クロさんですよ!」~♪


黒霧 「随分と楽しそうだね。」


五月雨「昼には殺されかけるんですから、夜くらいはこんなキャラでもなければやってられませんよ。」ケッ


黒霧 「夜には訓練がないだなんて、誰が言ったのかな?」ニコリ


五月雨「いっそひと思いにやってくれぇ!!」クワッ


訓練開始初日の夜である。



海抜数cmでも島は島。


ザッパーン


五月雨「・・・。」ボー


黒霧 「入水でもするのかな?」


五月雨「しませんよ。私は太宰でもサカキでもありません。」


黒霧 「深刻そうな顔をしていたから、心配したよ。」


五月雨「率先して沈めに掛かる貴方には言われたくないですね。」ハッ


黒霧 「本心なんだけどね。」アハハ


五月雨「一応、ありがとうございます。」


黒霧 「上官として当然のことさ。それで、どうしたのかな?」


五月雨「この島・・・狭すぎません?」


黒霧 「何せ、急設なもので。」


五月雨「人工島かよ。」



六波羅探題!名前だけの知識。


五月雨「全く目的が見えてこないのですが、結局のところどうなんですか?」


黒霧 「此処は艦娘の訓練施設だよ。」


五月雨「知ってます。で、本当は?」


黒霧 「深海棲艦に占拠された実験施設の監視基地。」


五月雨「そんなことだろうとは思ってました。」ヤッパリ


黒霧 「へぇ、察しが良いね。」


五月雨「明らかに異常ですから。こんな沖合に態々島を造ってまで基地を新設するなんて。」


五月雨「それで、私は何をすればいいんですか?」ソワソワ


黒霧 「教官として新人の面倒を見ること。」


五月雨「え?それって建前じゃないんですか?」


黒霧 「君の本務は教官だよ。監視は僕の役目さ。」


五月雨「ということは、今日の訓練も単に教官として一人前になるための・・・。」


黒霧 「最初にそう言ったよね?」ニコリ


五月雨「過剰訓練だよ!鬼!悪魔ッ!」



先生呼びされると名前を覚えてくれてるか不安になる。


五月雨「クロさんは海軍の所属ですよね?」


黒霧 「五月雨は自分の上司が陸軍の所属だと思うのかい?」


五月雨「だから訊いてるんですよ。練習巡洋艦は知っていますが、人間の教官なんて聞いたことがありません。」


黒霧 「・・・海軍の所属で、間違いはないよ。」


五月雨「含みのある言い方ですね。」


五月雨「まだ隠してることがあるんですか?まったく、秘密の多い人ですね。」ヤレヤレ


黒霧 「信用できないとでも?」


五月雨「そうですね。信用はしてません。」


黒霧 「信用は、ね。」


五月雨「はい。"信用は"してません。」ニパッ



立場が同じでも上下関係はあるのです。


五月雨「しかし、クロさんが海軍所属なら階級は何になるんですか?」


黒霧 「階級?そんなものは無いよ。」


五月雨「なるほど。口にできないくらいに低いと。」ウンウン


黒霧 「これまで僕が嘘を吐いたことがあったかな?」


五月雨「高々、一日くらいでは証明に足りませんよ。」


黒霧 「確かにそうだね。」


五月雨「でも、クロさんがそう言うならそうなんでしょうね。」


黒霧 「そうだとも。強いて言うなら、教官かな。」


五月雨「それは役職であって地位ではないですよ?」


黒霧 「海軍に教官が何人居ると思う?」


五月雨「なるほど。人数が少なければ役職がそのまま地位になると。」ナットク


黒霧 「佐官扱いだってさ。」


五月雨(どの佐官ですか。)


黒霧 「で、いつまでこんな波打ち際に居るつもりかな?」ザッパーン


五月雨「だって、この島電気通ってないですもん。」ヘヤノナカクライ


黒霧 「蝋燭があるじゃないか。」フロハイリナオスカ


五月雨「今、西暦何年でしたっけ?」ゴイッショシテモ?



最近、死んだように寝てしまう。


五月雨「本当にひとつしかベッドが無いんですね・・・。」


黒霧 「昨日は何処で寝たのさ。」


五月雨「執務室の机で横になってました。」シレッ


黒霧 「君、実は元からガサツなのでは?」


五月雨「それ以上は、メッですよ。時雨さん。」キャピッ


黒霧 「」ヤサシイマナザシ


五月雨「やめてくださいよ。同情は時として凶器になり得るんですから。」


黒霧 「大丈夫。疲れているだけさ。」ニコニコ


五月雨「泣いてもいいですか?」


黒霧 「おいで。」フトンヒロゲ


五月雨「はい。」


モゾモゾ


黒霧 「素直でよろしい。」ナデナデ


五月雨「明日は優しくしてください。」ギュッ


黒霧 「それとこれとは別問題。」


チッ シタウチシナイ



深夜は要らんことばかり話してしまう。


五月雨「私って教官になるんですよね。」


黒霧 「そうだね。」


五月雨「ということは、私も佐官の仲間入りですか。」エリートデスネ


黒霧 「艦娘の教官を務める香取や鹿島は佐官だったかな?」


五月雨「ですよね。」シッテマス


黒霧 「艦娘に対する教官に地位は与えられないのさ。」


五月雨「そうなんですね。って、あれ?」


五月雨「クロさんも艦娘の教官として着任してるんですよね。」


黒霧 「そうだよ。」


五月雨「なら、どうして佐官扱いされてるんですか?」


黒霧 「・・・。」


五月雨「おかしいですねぇ。どうしてなんですかねぇ。」ニヤニヤ


五月雨「さぁ、白状しましょうか。本当は何の教官なんですか?」ジッ


黒霧 「」Zzz


五月雨「寝るなぁ!」クワッ


黒霧 「」グイッ ガシッ


五月雨「く、首が!」


五月雨「し、絞まるぅ。」グギギ


ガクッ



アラームの音に文句言いにきた人の気配で起きるタイプ。


五月雨「・・・朝か。」パチクリ


五月雨「今、何時だろう?」キョロキョロ


五月雨「時計が・・・無い!?」ガーン


五月雨「そんな莫迦なぁぁぁぁ!」ズガーン


五月雨「・・・クロさんはいずこ。」ハァ


ガチャ パタン



もう2年以上、従姉妹に会ってません。


五月雨「」ポケー


???「ん?なんだ、もう起きたのか。」


五月雨「・・・誰ですか?」ミガマエ


???「そう警戒してくれるな。私は別に怪しい者ではない。」


五月雨「性犯罪者は皆、そう言うんです。」アトズサリ


???「何故、逃げようとするのだ?」


五月雨「いえいえ、滅相もございません。」ジリジリ


???「色々と間違っているぞ。」マッタク


???「奴ならまだ寝ている。」


五月雨「」ピタッ


五月雨「奴・・・とは?」


???「時雨のことに決まっているだろう?」


五月雨「どうして貴女が知っているんですか。黒霧教官は何処に居るんですか。」キッ


???「そう語気を強めるな。」フッ


???「温和しく部屋で待っているといい。そのうち帰ってくるだろう。」


五月雨「待てません。今すぐに教官の安否を確認しなくてはなりませんので。」


???「強情だな。いや、真面目と言うべきか、それとも惚れたか?」ニヤリ


五月雨「」キッ


???「時雨は無事だ。姉である私が保障しよう。」ハァ


五月雨「え・・・?お姉様で、いらっしゃる?」


黒霧茜「そうだ。黒霧茜、時雨の姉だ。」


五月雨「言われてみれば、何処となく似ているような・・・。」キレイナハクハツトカ


黒霧茜「双子だからな。似ているのは当然だ。」モットホカニアルダロウ



白髪の似合う人になりたかった。


五月雨「お姉様はどうしてこんな絶海の孤島へ?」


黒霧茜「此処は千葉近海だぞ。横須賀も大本営も近いではないか。」ナニヲイッテイル


五月雨「なるほど。お姉様は冗談を真に受ける方なんですね。」


黒霧茜「巫山戯た話し方は好かん。それから、お姉様はやめろ。」ナマエデヨベ


五月雨「そんなところまで似ているとは・・・。」サスガフタゴ


黒霧茜「姉と呼んでいいのは我が弟だけだ!」クワッ


五月雨(そっちだったかー。)アチャー



たかが一日、されど一日。


黒霧茜「ところで、時雨を探していたのではないのか?」


五月雨「そうでした!茜さん!あのいけ好かないクールサディストは何処ですか!」


黒霧茜「ほう。私の弟について話があるなら聞くぞ?」ゴゴゴ


五月雨「あのS気質はどうにかなりませんか!?」クワッ


黒霧茜「・・・。」


黒霧姉「貴様、中々肝が据わっているな。」ココハヒクトコロダロウ


五月茜「三途の川を眺めるのが日課になる予定なので。」ナレマシタ



朝ご飯 逃し続けて 一ヶ月


黒霧茜「そろそろか。」フム


五月雨「何がですか?」


黒霧茜「食堂に行ってみろ。時雨が朝支度をしているはずだ。」


五月雨「なんと!本当に料理できたんですね!」


五月雨「これは見逃せません。ではっ!」バビューン


黒霧茜「元気が良いな。幼き者は早朝からこれだ。」ヤレヤレ


黒霧茜「お前もそうは思わんか、時雨よ。」


五月雨「茜さん!」


黒霧茜「」ビクゥッ


黒霧茜「なんだ。食堂へ行ったのではなかったのか?」


五月雨「よく考えたら此処に食堂はありませんでした!」クロサンハイズコ!


黒霧茜「そうか。それは災難だったな。」


五月雨「はいっ!」クロサンハイズコ!


黒霧茜「昨日、お前達が食事をした場所ではないのか?」


五月雨「わかりました。ドックですね!行ってきます!」バビューン


黒霧茜「何をしとるんだ、お前は・・・。」ハァ


???「・・・。」



煙草一本 火事の元


五月雨「クロさん!」バァン


五月雨「・・・居ませんね。」


五月雨「まったく、何処へ行ったのやら。」ヤレヤレ


黒霧 「何がだい?」


五月雨「うひゃあ!」ビクゥッ


五月雨「い、いきなり後ろから現れないでくださいよ!」ドキドキ


黒霧 「ごめんよ。」フフッ


黒霧 「でも、この様子だと気配を感じとる訓練もしたほうがいいかもね。」フム


五月雨(死んだ。)タラー



真実のみで人を欺く愉悦。


五月雨「今まで何処に行ってたんですか?」シンパイシマシタ


黒霧 「港だよ。今日は物資の搬入があるからね。」


五月雨「港ですか?」


五月雨(おかしいですね。茜さんと話していた場所は港の近くだったのですが。)ウーン


五月雨「あの、茜さんとはお会いになりましたか?」


黒霧 「姉さんと?いや、会ってはいないけど・・・どうしたの?」


五月雨「いえ、なんでもないです。」


五月雨(入れ違いだったのかな?)



つを使いたかっただけ。


黒霧 「そろそろ朝支度をしようか。」


五月雨「はい!もうお腹ぺこぺこです。」グゥー


黒霧 「少し待っててね。」フフッ


五月雨「」ジー


黒霧 「」テキパキ


五月雨「」ジー


黒霧 「」フランベチウ


五月雨「薪でフランベとは、器用ですね。」ハヘー


黒霧 「さぁ、出来たよ。」


五月雨「おおっ。早いですね。」サスガデス


黒霧 「朝から手の込んだものを作ってもね。」


黒霧 「どうぞ、召し上がれ。」つ味噌汁


五月雨「ん?フランベ要素は何処に?」


黒霧 「消し炭になった。」ニコリ


五月雨「さてはポンコツですね?クロさん。」



3日目なのよ。


黒霧 「さぁ、始めようか。」


五月雨「」ハチマキ キュッ


黒霧 「どうしたの?」


五月雨「決戦仕様です。」フンスッ


黒霧 「そう。やる気に溢れているようで何よりだよ。」


五月雨「やる気なんてありませんよ。」シレッ


黒霧 「おや。」


五月雨「私はただ、明日を生きていたいだけなんです!」ドーン


黒霧 「なら、訓練は厳しくしないとね。」ニィ


五月雨「かかってこいやぁぁぁぁ!」ヤケクソ



天然はココロを救う。


ゼェ ゼェ オェッ


黒霧 「30分か。かなり伸ばしたね。」スゴイスゴイ


五月雨「昨日とは、覚悟が違いますから。」


黒霧 「じゃあ、二回戦・・・。」


五月雨「待ってください。」


黒霧 「何かな?」


五月雨「私にこんな訓練をさせるのは、生徒に求めることを教官ができなくてどうする的な意味ですよね?」


黒霧 「まぁ、そういう側面もあるかな。」


五月雨「クロさんはどうなんですか?」


黒霧 「・・・。」


五月雨「お手本、見せてくださいよ。」ニンマリ


黒霧 「いいとも。」フッ


五月雨(あれぇ?)ヨテイトチガウ



最強主人公は仲間との別れが少ないから好き。


五月雨「」ポカーン


黒霧 「こんなところかな。」フゥ


五月雨「クロさん。」


黒霧 「なんだい?」


五月雨「深海棲艦に襲われたときは、ぜひ私をお姫様抱っこして逃げ回ってください。」キラキラ


黒霧 「自分の足で逃げておくれよ。」アハハ


五月雨「綺麗でした。」


黒霧 「ありがとう。」フフッ


五月雨「私とは大違いです。」ハァ


五月雨「あの流れるようなゆったりとした動き。まるで舞を踊っているかのような体捌き。感動です。」ウットリ


黒霧 「あれは君の未来の姿だよ。」


五月雨「え?」


黒霧 「五月雨も、これからそうなるのさ。」ポム


五月雨「本当ですか!?」パァ


五月雨「なんだか、やる気が溢れてきました!」ムフー



彼女が平凡だと思った?まずはその巫山戯た幻想をぶち壊す!


黒霧 「とはいっても、君はもう殆どできているんだけどね。」


五月雨「そうなんですか?」ナント


黒霧 「うん。君はとても頭が良いからね。」


五月雨「座学の成績は中の上でしたが。」ワルクハナイデスケド


黒霧 「そういう頭の良さじゃなくて。」


五月雨「どういうことですか?」ウン?


黒霧 「観察力・分析力・把握力・判断力、そして決断力。」


黒霧 「そういった、行動に関する頭の力が君はずば抜けて高い。」


五月雨「はへぇ~。」ソウナンデスネ


黒霧 「君、奇襲を受けたときとか、撤退に専念しているときに被弾したことないでしょ。」ジカクナイノネ


五月雨「言われてみれば、確かに。」


黒霧 「歴戦の猛者が命を落とすのは、奇襲を受けての撤退戦や多勢に無勢の殲滅戦による場合が多い。」


黒霧 「君はその両方を満たす作戦に於いて、艦隊の皆が大破する中、ただひとり無傷で生還した艦だ。」


五月雨「そんなこともありましたねぇ。」シミジミ


五月雨「みんなが反撃して包囲に穴を空けようとする中、ひとり逃げ回ってましたよ。」ハズカシイカギリデス


黒霧 「それは回避に専念していたということだよ。」


黒霧 「君が本気で回避行動を取れば、的の分散する戦場での被弾はありえない。」


黒霧 「君が目指すべきは、ひとりで数の暴力を凌ぎきることさ。」



考えるな、感じろ!


五月雨「んな無茶な。」エェ


黒霧 「無茶ではないさ。今の状態でも、30分間は凌げているでしょ?」


五月雨「必死に避けてるだけですよ。」


五月雨「あれでは反撃ができません。体力が尽きて終わりです。」ジエンドデス


黒霧 「反撃するだけの余裕を作ればいいのさ。」


五月雨「どうやってですか?」


黒霧 「五月雨、君と僕の違いはわかるかな?」


五月雨「何もかもです。」ムシロオナジトコロガナイ


黒霧 「さっきの訓練の話だよ。」ワザトデショ


五月雨「目、ですね。」トウゼンデス


黒霧 「流石は五月雨だ。よく気づいたね。」


五月雨「私が目で砲弾の位置と速度を確認してから、弾道と着弾までの時間を予測しているのに対して・・・。」


黒霧 「僕は砲弾を目で追っていない。」


五月雨「にも拘わらず、死角からの砲撃を最小限の動きで躱す。」バケモノメ


黒霧 「どうしてだと思う?」キミモタイガイダヨ


五月雨「気配、ですか?」


黒霧 「そのとおり。」


黒霧 「君は頭に頼りすぎる。優秀であるが故にね。」


黒霧 「考えずとも体は動かせる。もう少し感覚に頼ってもいいと思うよ。」



眼が悪いと別の感覚が鋭くなる気がする。


五月雨「いきなり感覚に頼れと言われましても。」ドウスレバ


黒霧 「人の感覚で最も情報量が多いのは何処だと思う?」


五月雨「目、じゃないですか?」ニカイメデスネ


五月雨「一番敏感ですし。」センサイトモイイマス


黒霧 「どうしてそうなったのかな?」


五月雨「・・・わかりません。」サァ


黒霧 「光が一番速いからだよ。」


五月雨「単純ですね。」


黒霧 「周囲の環境を把握するための五感は危機察知能力の根幹だ。」


黒霧 「情報の伝達が早いに越したことはないからね。人の目は鋭敏なのさ。」


五月雨「確かにそうですね。でも、だからどうだって言うんですか?」


黒霧 「次は目隠しをして訓練を行う。」


五月雨(これはあかん・・・。)タラー


黒霧 「今回は砲撃しないよ。」フフッ


五月雨「本当ですか!?」イキルキボウガ!


黒霧 「僕が直々に斬り捨てるからさ。」ニコリ


五月雨(私の制服は白装束だったのか・・・。)オゥ



危機察知能力=恐怖心。つまりビビりは命を救う。


五月雨「私は何処でしょう。」メカクシチウ


黒霧 「海の上だよ。」


五月雨「クロさんはいずこ~。」フラフラ


黒霧 「ん~。君の目の前、かな?」


五月雨「」ペタペタ


五月雨「わ~い。クロさんだ~。」フルエゴエ


黒霧 「いらっしゃい。此処が地獄の入り口だよ。」スラッ


五月雨「いやぁぁぁぁ!!」ダット


黒霧 「鬼ごっこなのかな~。」マテマテー



気功療法曰く、気合いでなんとかなる。


五月雨「オタスケー」プラーン


黒霧 「流石に最初から斬ったりはしないよ。」サイショハネ


五月雨「そうですか。」アシタガタノシミデスネ


黒霧 「まずは殺気がどんなものなのか、体で覚えてもらわないとね。」


五月雨「それ、目隠しする必要ありました?」


黒霧 「外したいなら構わないけど・・・死ぬよ?」


五月雨「何それ怖い。」ゼッタイハズシマセン


黒霧 「情報量が一番多いのは・・・。」


五月雨「目だからですね!」シッテマス!


黒霧 「よくできました。」エライヨ


五月雨「ふふん。」モットホメロ


黒霧 「調子に乗らない。」ギソウハズシ


五月雨「」ガボボボ


五月雨(クロさんを精神病院に連れていこう。そうしよう。)



大雨の日、雨が折りたたみ傘を貫通してきた。


五月雨「」ビッショリ


黒霧 「それじゃあ、本物の殺気を感じてみようか。」


五月雨「ばっちこーい。」


黒霧 「いくよ。」フー


黒霧 「」ザワッ


五月雨「」ドクンッ


五月雨(い、息がっ。)カハッ


黒霧 「はい、此処まで。」フッ


五月雨「なんですか、今のは・・・。」ゼェ ハァ


五月雨「あんなの、姫級と殺り合ったとき以上です。」


五月雨「一瞬、心臓止まりましたよ。」ソウマトウガミエマシタ


黒霧 「昔、武士崩れの剣客に習ったのさ。」


黒霧 「今ので気絶しなかったのなら上々だよ。」フフッ


黒霧 「砲弾にも殺気は籠る。今の感覚を忘れないうちに訓練再開だ。」


五月雨(いったい貴方は何者なんですか、クロさん。)



か~ごめ か~ごめ


五月雨「」メカクシチウデス


黒霧 「その状態で僕が居るほうに顔を向けてみて。」


五月雨「こっちです。」クルッ


黒霧 「正解だね。」


黒霧 「それじゃあ、僕の動きを追ってみようか。」スッ


五月雨「了解です。」


黒霧 「」スィー


五月雨「」クルー


黒霧 「」ビューン


五月雨「!」グルッ ゴキッ ゴハッ


黒霧 「・・・大丈夫?」アタマダケマワスカラ


五月雨「涼風が手を振っています。」アッ ミナモニウツッタワタシデシタ


黒霧 「重傷だね。」アタマガ



なんということでしょう。幼気な少女が・・・。


黒霧 「全周囲型回避機能向上訓練。四面楚歌、味方はなし、開始~。」ピー


五月雨(ふふん。 クロさんの殺気を完璧に把握した私に死角はありません!)


五月雨「砲弾ごとき、悉く躱してみせっ。」チュドーン


五月雨「なんだとーう!!」チョクゲキ


黒霧 「自動制御式の砲撃に殺気が籠るはずないでしょ。」オバカ


五月雨「さっきまでの訓練は何だったんですかぁ!?」ボロッ



風が私を呼んでいる。


黒霧 「意志を持たない機械や敵意のないものに殺気は籠らない。」


黒霧 「この訓練装置が良い例だね。」


五月雨「じゃあ、どうやって躱せばいいんですか。音ですか。勘ですか。」ムスッ


黒霧 「信用できるのは経験による勘と気配だけだよ。」


黒霧 「感覚はいくらでも狂わせることができる。特に耳はね。」


五月雨「そんなに駄目なんですか?暗闇で気配を感じる一番の要素は音だと思いますけど。」


黒霧 「戦場は単なる暗闇と違うからね。とりわけ海上戦は砲撃が主だから、遠くからの飛来物により早く気づく必要がある。」


五月雨「砲撃の音は遠くからでもよく聞こえますよ?」


黒霧 「音の速さは知ってるかい?」


五月雨「いいえ、知りません。」


黒霧 「秒速340mくらいだよ。」


五月雨「充分じゃないですか。何が不満なんですか?」


黒霧 「戦闘機より遅いからさ。」


五月雨「語るべき時代が違いやしませんか?」プロペラキハ ソンナニハヤクトベナイ



気配は波紋で表現するイメージがある。


五月雨「結局、どうやって砲撃を躱すんですか?」


黒霧 「空気の流れを感じるのさ。」


五月雨「空気を伝わるのが音なのでは?」


黒霧 「それは振動であって、流れではないよ。」


黒霧 「空気は川の流れのように絶えず動いている。」


黒霧 「その流れに異物が混じると乱れが生じる。その乱れを感じるのさ。」


五月雨「なるほど。わからないことがわかりました。」ムズカシイ


黒霧 「かなり上手く説明したつもりなんだけどな。」オカシイナ


五月雨「理屈じゃないんですよ。」


五月雨「そもそも、感覚的なことを理屈で説明しようとするのが変なんです。」


黒霧 「へぇ。まさか君に諭されるとは思わなかったよ。」ヤルネ


五月雨「みんな違って、みんな良いんです!」ムフー


黒霧 「じゃあ、頭でわからないミーさんは体で理解しようか。」フフッ


五月雨「あっ!なんかわかっちゃったな~。波ですよね~。」ウンウン


黒霧 「それは音だよ。」イクヨー


五月雨「どうあっても私を虐める気か!ていうか、ミーさん久し振りですね!」


五月雨「そこのところもう少し話をしまっ。」ボカーン


五月雨「あぁぁぁぁ!」



無意識の状態が一番強いのではなかろうか。それはもう身勝手の以下略。


五月雨(もう、駄目です・・・。あと一発で確実に沈みます・・・。)フラフラ


ボカーン


五月雨(あっ。これ、躱せない・・・。)フッ


五月雨「」スカッ


黒霧 「おや。」


五月雨「」ユラユラ


五月雨「」フラッ スカッ フラッ スカッ


黒霧 「まさか、たった2日の訓練であの領域に辿りつくなんて・・・。」


黒霧 「大概君も化物だよ、五月雨。」フフッ


五月雨「」ユラユラ



気づいていたか。これがまだ着任3日目であることに。


黒霧 「お疲れ、五月雨。意識はあるかい?」スィー


五月雨「・・・。」


黒霧 「流石に意識は保てないか。」


五月雨「うぉぉぉぉ!」


黒霧 「・・・。」


五月雨「なんですか、これ!体が勝手に動きましたよ!」キラキラ


黒霧 「」フッ


黒霧 「やっぱり君も、大概化物だよ。」ニコリ


五月雨「ひどい!」ガーン



自分のイメージと文章の表現が一致しているか不安。


黒霧 「さぁ、これで今日の訓練は最後だ。気張っていくよ。」


五月雨「どんとこーい!」ゴゼンデオワリダー


黒霧 「それじゃあ、要望に応えて。」ポチッ


ボカーン< 砲弾の壁


五月雨「ホワァァァァイ!?」ザバン


黒霧 「へぇ。艤装を捨てて潜るとは、考えたね。」


五月雨「」プハッ


黒霧 「流石はさみ・・・。」


五月雨「殺す気か、貴様ぁ!!」クワッ


黒霧 「折角褒めてあげようと思ったのに、残念だな。」ニコニコ


五月雨「いや・・・あの。」サー


黒霧 「仮にも上官に向かって、貴様はないんじゃない?」スラッ


五月雨「あっ、上官らしくない自覚はあったんですね。」イガイデス


黒霧 「艤装も無しに、いつまで逃げ果せるかな。」フフフ


五月雨「南無三!」ザバン


黒霧 「・・・潜ったか。」カチンッ



もしもし、私メリー。あのあなたは何処に・・・お前の後ろだぁ!


五月雨(ふふん。さしものクロさんも水中までは追ってこられないでしょう。)


五月雨(あんな格好ですし。)


五月雨(私はセーラー服ですからね。これは元々、貴婦人方の水着です。)


五月雨(そういえば、クロさんの軍服は少し変わってるんですよね。)


五月雨(どうして外套みたいなデザインなんでしょう?)マックロデスシ


五月雨(今度、訊いてみましょう。)


黒霧 (君に明日は来ないよ。)ガシッ


五月雨(!!??)ガボボボ



初めての人工呼吸は自動車学校の人形相手でした。


五月雨「」チーン


黒霧 「」ハァ


黒霧 「仕方ないな、もう。」スッ


・・・


五月雨「」ゲホッ ガホッ


五月雨「あれ・・・?生きてる?」


黒霧 「ずっと、目を覚まさなければよかったのに。」


五月雨「すみませんでした。調子に乗りました。」ドゲザー


黒霧 「いっそのこと、力ずくで・・・。」チャキッ


五月雨「思った以上に怒ってる!?」


黒霧 「冗談だよ。」スッ


五月雨「」ホッ


黒霧 「さぁ、お昼にしようか。」


五月雨「やった!クロさんの料理楽しみです!」ウキウキ


黒霧 「調子のいいことで。」マッタク


五月雨「えへへ。」ニコニコ



人は見掛けによらない。偶にまんまの人も居る。


五月雨「何やら港のほうから気配が。」ムムッ


黒霧 「もう自分のものにしてしまうとは、本当に君は優秀だよ。」フフッ


五月雨「そうでしょうそうでしょう。」エッヘン


五月雨「ところで、誰なんでしょうね。こんな絶海の孤島に態々来るなんて。」ヒマナンデスカネ


黒霧 「必要物資の補給だよ。発電設備も整うはずさ。」


五月雨「おおっ。これで蝋燭だけの暗い生活とはおさらばできますね!」ミライハ アカルイデスヨ!


黒霧 「いや、電灯を導入する予定はないかな。」


五月雨「なんでですか!」


黒霧 「IHとか空調設備に電力を回したいからさ。」


五月雨「LEDなら大して電力食いませんよ?」カガクノスイデス


黒霧 「明るいと落ち着かなくてね。」


五月雨「吸血鬼じゃないんですから。」


ハッ マサカホントニ! チガウヨ?



誰にだって苦手はあるさ。


???「あら、こんにちわ。貴方が教官だったのね。」ウフフ


黒霧 「まさか君が来るとはね・・・。」


五月雨「間宮さんじゃないですか。」オヒサシブリデス


間宮 「久し振りね、五月雨ちゃん。元気にしてた?」


五月雨「それはもう。伊達に三途の川を眺めてませんよ。」フフン


間宮 「」ピクッ


間宮 「ねぇ、時雨さん。これは、どういうことかしら?」ニコニコ


黒霧 「」メソラシ


間宮 「無茶はいけませんよ?」ハァ


黒霧 「弁えているつもりだよ。」


間宮 「貴方の言う"つもり"ほど、信用できないものはないですよ。」モウ


黒霧 「わかっているさ。」


間宮 「わかってません。」


ダイタイ アナタハ イツモ・・・


五月雨(間宮さんの前だとこんな感じなんですね。)アトデカラカッテヤロ



隠し事はカクシゴトです。


五月雨「ところで、おふたりは知り合いなんですか?」


間宮 「えっ?」


五月雨(あれ?)


間宮 「そ、そうね。知らない仲ではないわね。」アセアセ


五月雨「怪しい。」ボソッ


間宮 「ふぇっ!?」


五月雨「何をそんなに焦っているんですか?間宮さん。」


五月雨「おふたりに親交があるのは明白ですし、素直に知り合いと言えばいいではないですか。」


五月雨「それとも、他人に言えないような秘密でもあるんですか?」


間宮 「いえ、そんなことはないですよ?」アセアセ


五月雨「本当に?」ジトー


間宮 「うぅ。」チラッ


黒霧 「・・・。」


間宮 「」スクイヲモトメルマナザシ


五月雨「クロさん?」ジトー


黒霧 「婚約者だよ。」ハァ


間宮 「///」カァァ


五月雨「間宮さんって、Mなんですね。」


間宮 「・・・はい?」



色々あるのよ・・・。


五月雨「」チーン


間宮 「何も絞め落とさなくても・・・。」


黒霧 「五月雨は妙に勘が良いからね。」


黒霧 「下手にあしらうより、確実に気絶させておいたほうがいい。」


間宮 「そうですか・・・。これでも、心配してるんですよ?」


黒霧 「そうにしか見えないよ。」コレデモ?


間宮 「真面目な話です。」ジッ


黒霧 「・・・。」


間宮 「無理はしないでくださいね。そのための私達なんですから。」


黒霧 「だから僕は此処に居る。教官としてね。」


間宮 「屁理屈を言う貴方は嫌いです。」


黒霧 「お節介が過ぎる君は嫌いだよ。」


黒霧宮「ふふっ。」チュッ


間宮 「これを最後になんてさせませんから。」ニコリ


五月雨(大人の恋ですねぇ~。)ニヨニヨ



別れ際のタイミングは難しい。


間宮 「では、私はこれで。」


黒霧 「ああ。」


間宮 「勝手に居なくなったら、許しませんから。」


黒霧 「手紙くらいは遺しておくよ。」


間宮 「駄目です。貴方の最後は私の腕の中で、と決めてますから。」ウフフ


黒霧 「強情だね。」


間宮 「私は欲張りですから。約束、ですよ?」ジッ


黒霧 「それは約束ではなく決意というものだよ。」


間宮 「もう、いけず。」ムゥ


黒霧宮「」フフッ


五月雨(さよならを言ってからどれだけ話す気ですか、この人達は。)イライラ


五月雨(一度、別れという言葉の意味を調べさせたほうがいいですね。)



嘘だけは吐きません。


間宮 「」テヲフリ


黒霧 「」テヲフリ


テヲフリ・・・


五月雨(いつまでやってんだよ!もう間宮さん米粒サイズだよ!)


五月雨(間宮さんも、まだ振ってるんだろうなぁ。)チャントマエミヨウヨ アブナイヨ


黒霧 「寝たふりはもういいのかい?」


五月雨「!?」ギクッ


五月雨「いつから気づいてたんですか?」ムクリ


黒霧 「始めからさ。君が落ちたふりをしていることくらいわかるよ。」


五月雨「気づいててあんなことしてたんですか。そうですか。」


黒霧 「隠すようなことでもないからね。」


五月雨「間宮さんも気づいてたんでしょうね。」ハァ


黒霧 「気づいていないさ。」


五月雨「なんと。」


黒霧 「間宮は体の不調には聡いけど、こういったことは見抜けないからね。」


五月雨「最低ですね。」ウワァ



今夜はお楽しみですよ?


五月雨「まったく、こんな人の何処がいいんだか。」ヤレヤレ


黒霧 「間宮に訊いておくれ。」


五月雨「無理ですよ。絶対、卒倒します。」


黒霧 「そうだね。」フフッ


五月雨「わかってて言ってますよね?」ジトッ


黒霧 「勿論。」


五月雨「クロさんの歪んだ性格は、高すぎる洞察力の所為ですかね。」


五月雨「私の演技だって、一瞥もくれずに看破してましたし。」


黒霧 「一度本当に絞め落としたんだ。力加減くらい覚えるさ。」


五月雨「やっぱりあのとき起きてたんですね!さぁ、答えてもらいますよ。クロさんが本当は何の教官なのか!」ズビシッ


黒霧 「続きはベッドの中でね。」ニコリ


五月雨「いやぁぁぁぁ!!」マタ シメラレル!



まずは体を温めましょう。


五月雨「」ヘッキシ


黒霧 「風邪かい?」


五月雨「そういえば、私濡れてました。」ビッショリ


五月雨「クロさんもですよね・・・。あれ?」ヌレテナイ


黒霧 「お昼の前に温まっておいで。」ニコリ


五月雨「自分だけ着替えてたんですか!?」ズルイ!


チキショー オボエテロー ハヤクオフロイキナヨ



風呂が気持ちいいのは人生に疲れているから。


ガラガラ


五月雨「おお~。ちゃんとした湯船になってる。」イツノマニ


五月雨「では、さっそく。」チャポン


五月雨「」ハフゥ


五月雨「ああ~。生きかえるぅ~。」


???「まったくだ。」


五月雨「ん?」


???「この瞬間のために生きていると言っても過言ではないな。」フゥ


五月雨(・・・誰?)ワタシガキヅカナイナンテ



第一印象が強烈なひとを見たときの反応は世界共通。


五月雨「誰ですか、貴女。」


???「私か?私は瑞雲だ。」


五月雨(日向さんって、こんなに小さかったかな。)


日向ミニ「小さいからと甘く見るものではないぞ。」フッ


五月雨「心が読めるんですか!?」


日向ミニ「皆、そう言うのでな。」


五月雨「ああ、なるほど。」



何を考えてるかわからない人は、何も考えてないか想像力豊かの二択。


五月雨「ところで、日向さんも着任されるんですか?」


日向ミニ「まぁ、そうなるな。」


五月雨「嗚呼、これでクロさんに地獄を見せられる仲間ができるんですね。」


五月雨「日向さんは航空戦艦ですから、私より厳しそうですね。」ケントウヲイノリマス


日向ミニ「私は工作艦だが?」


五月雨「はい?」


日向ミニ「私は工作艦だ。」


五月雨「・・・はい?」



従姉妹に子供が産まれました。おめでとう!


黒霧 「で、それから押し問答が続いてのぼせたと。」


五月雨「」グッタリ


日向ミニ「うむ。中々信じてもらえなくてな。」


黒霧 「・・・世話の焼ける。」ハァ


日向ミニ「まったくだ。」ウンウン


黒霧 「君も、風呂より先にするべきことがあったんじゃないのかな?」


日向ミニ「そうだな。私が来てやったぞ、父上!」ムフー


五月雨「父上ぇ!?」ガバッ


アッ バタンキュー


日向ミニ「こいつは大丈夫なのか?」


黒霧 「平常運転さ。」モンダイナイ



出でよ。三種の神器!!


黒霧 「生姜焼き、食べるか?」


日向ミニ「無論だな。」


黒霧 「はい、召し上がれ。」コトッ


日向ミニ「いただきます。」


日向ミニ「」パクッ


日向ミニ「やはり、父上の料理は美味いな。」パァ


黒霧 「そうか。」フフ


五月雨「クロさ~ん、私には氷をお願いします。」アツイデス


黒霧 「氷は無理かな。」


五月雨「なんでですかぁ~。」グッタリ


黒霧 「うち、冷蔵庫まだなんだ。」


五月雨「死活問題じゃないですか。」エェ



ふとした時に会いたくなる。


五月雨「食材の保存はどうするんですか。」ヒモチシマセンヨ?


黒霧 「明日も間宮が届けてくれるそうだよ。」


五月雨「えぇ~。また来るんですか?」


黒霧 「嫌なの?」


五月雨「あの何ともいえない世界に取り残されるのはちょっと・・・。」


日向ミニ「案ずるな。私も居る。」モグモグ


五月雨「日向さんは平気なんですか?父親の情事を見せつけられるなんて、私はごめんです。」


日向ミニ「問題ない。瑞雲の発艦準備は既に整えてある。」マカセロ


五月雨「気が早すぎますよ。」モンダイシカネェ


テイウカ コウサクカンニツメマセンヨ? カイゾウズミダ ソウデスカ



もう既にキャラを維持できてない。


五月雨「ところで、クロさんはそっちの口調が素なんですか?」アッ ワタシモオヒルクダサイ


黒霧 「どれも素だよ。意識して変えてるわけじゃないから。」オアガリヨ


日向ミニ「父上は素っ気なさすぎる。」モットカマエ


黒霧 「日向は甘えん坊だね。」


日向ミニ「年相応だ。いずれこの立場は逆転する。」フフン


黒霧 「当分は心配なさそうだ。」フフッ


五月雨(家族に対しては甘々なんでしょうか?凄い懐き様です。)アッ ショウガヤキオイシイ



細やかな夢。そう作者の・・・。


ゴチソウサマデシタ オソマツ


日向ミニ「さて、寝るか。」キリッ


五月雨(何故、決め顔を・・・。)


日向ミニ「父上、いつものを頼む。」キリリッ


黒霧 「仕方ないな・・・おいで。」ポンポン


日向ミニ「わ~い。」トテトテ ポスッ Zzz


五月雨「子供かよ。」


黒霧 「子供だよ?」



口は災いの元


五月雨「ん~。訓練がないと暇ですね。」ダラダラ


黒霧 「何なら今からでも・・・。」


五月雨「結構です。」キッパリ


五月雨「というか、私に話があるんじゃないですか?」


黒霧 「・・・。」


五月雨「こうなることを見越して、午後は休みにしたんですよね?」


黒霧 「・・・。」


五月雨「あの、話を聴く準備は整っているんですが。」


黒霧 「訊かれてもいないことを話すつもりはないかな。」


五月雨「めんどくせぇ!!」


シー ヒュウガガオキル スミマセン



彼女は婚約者?


黒霧 「どうして間宮と結婚していないのかって?」


五月雨「そうです。冗談とはいえ、お互いを嫌いと言いつつイチャつくなんて普通じゃないです。」


五月雨「どうして結婚ではなく、婚約なんですか?」


黒霧 「この戦争が終わっ。」


五月雨「そういうのはいいですから、本音でお願いします。」


黒霧 「・・・。」


五月雨「そんなに言いづらいことなんですか?」


黒霧 「男女の仲とはそういうものだよ。特に僕の場合はね。」


五月雨「僕の、ですか。」


黒霧 「そう。これは僕の問題なのさ。」



ちょっとだけよ。


五月雨「何が問題なのかは知りません。でも、クロさんはひとりで抱えすぎだと思います。」


黒霧 「ひとりじゃないさ。間宮も、日向だって居る。」


五月雨「私は除け者ですか。そうですか。」ドヨーン


黒霧 「・・・離れていくからさ。」


五月雨「はい?誰がですか?」


黒霧 「僕が、離れていく。」


五月雨「婚約者も娘も置いてですか?」サイテイデスヨ?


黒霧 「いずれ、わかる時が来るよ。」


黒霧 「この世界に、僕の運命は無い。」トオイメ


五月雨(遂にイカレたか。)


キュウキュウシャ・・・ イヤ ドクターヘリカ


五月雨「はっ!この島、電話がねぇ!!」



ちっちゃい日向?


五月雨「なんでこのサイズなんですか?」


黒霧 「子供だからね。」


日向ミニ「」Zzz


五月雨「私達は艦娘ですよ?生まれてから沈むまで、ずっとこの姿です。」


五月雨「艦娘に子供も大人もありません。」シッテマスヨネ


黒霧 「改装で姿は変わるさ。艦種もまた然り。」


五月雨「小さくなる改装がありますか。誤魔化さないでください。」


黒霧 「僕は、嘘は吐かないよ。」


五月雨「誤魔化さないとも言ってませんね。」


黒霧 「・・・わかってきたようだね。」


五月雨「伊達に長く付き合ってませんから。」フフン


黒霧 「出会ってまだ2日だよ?」



日向の正体


黒霧 「それに改装しているのは事実だよ。」


五月雨「若返りの改装ですか?そんな改装聞いたことありませんが。」


黒霧 「表面的なものだからね。性能や艦種は変えずに姿だけを変えてる。」


五月雨「艦種を変えずにですか?彼女、工作艦ですよね?」


黒霧 「そうだね。」


五月雨「まさか・・・。」


日向ミニ「それ以上はいいだろう。今はまだ、その時ではない。」ムクリ


五月雨「起きてたんですか。」イツカラ


日向ミニ「まぁ、そうなるな。」ハジメカラダ


五月雨「狸寝入りかよ。」



人工島の海上建設についての動画を観た。


日向ミニ「さて、仕事の時間だ。」


五月雨「仕事ですか?まだ基地として稼働していないのに?」


黒霧 「だからこそさ。」


五月雨「どういうことですか?」


黒霧 「日向は、この基地建設の責任者なんだ。」


五月雨「は?」


日向ミニ「」ドヤッ


五月雨「」マジデスカ


日向ミニ「仕事の序でだ。基地の案内をしてやろう。」


五月雨「今更ですね。」


日向ミニ「行かないのか?」シュン


五月雨「・・・行きますよ。」


日向ミニ「そうか!」パァ


五月雨「子供ですね。」ヒソヒソ


黒霧 「子供だからね。」


五月雨「ちょっ!声が大きい!」シー


日向ミニ「私は父上の子供だが?」


五月雨「そういうことじゃねぇ!!」


日向ミニ「ならばどういうことなのだ?」


五月雨「・・・。」テヘッ



沈み続ける海上空港


五月雨「くそぅ。工作艦であの馬力は反則ですよ。」ボロッ


日向ミニ「他人を莫迦にするからだ。」フン


五月雨「この小さな体の何処にあんな力が・・・。」


日向ミニ「着いたぞ。此処が私の城だ。」


五月雨「これはまた・・・小さいですね。」コヤデスカ?


日向ミニ「工作艦の城だぞ?工廠に決まっているだろう。」ナニヲイッテイル


五月雨「わかってますよ。それにしたって、もう少し頑張りましょうよ。」


日向ミニ「致し方あるまい。これ以上は島の浮力で支えきれん。」


五月雨「ん?今なんて?」フリョク?


日向ミニ「この島は浮島だぞ?」シランノカ?


五月雨「」マジデスカ



大学では土木専攻でした。


五月雨「なんで浮島なんですか?普通、埋め立てるのでは?」


日向ミニ「それでは時間が掛かりすぎる。」


五月雨「土を入れて終わりじゃないんですか?」


日向ミニ「・・・。」(゚Д゚)


五月雨「なんですか?その目は。」ムッ


日向ミニ「駄目だ。私では手に負えん。」アトハマカセタ


五月雨「えっ。クロさんに説明できるんですか?」


黒霧 「土木系の学科に在籍していたことがあるからね。少しくらいは。」フフッ


五月雨(軍学校じゃないのか。)



知識自慢?いいえ、TVの受け売りです。


黒霧 「では、説明を始めよう。」


五月雨「お願いします!」


日向ミニ「終わったら呼んでくれ。」シゴトシテクル


黒霧 「まずは埋め立ての意義についてだけど。」


五月雨「はい!建物を建てる地面を作ることです!」


黒霧 「そのとおりだね。では、埋め立てにどれくらいの時間が掛かるかな?」


五月雨「一週間くらいですか?」


黒霧 「場所にもよるけど、年単位で時間が掛かるかな。」


五月雨「そんなに・・・。」ホエー


黒霧 「水を含んだ土は軟らかくなるからね。土自体の重さで沈下してしまうんだ。」


五月雨「なるほど。投入した土そのままで積み重なるわけではないんですね。」


黒霧 「そうだね。しかも海底には河川の運搬作用によって運ばれた粘土が堆積している。」


黒霧 「粘土はとても柔らかいから、その上に建物を建てると傾いてしまうんだ。」


五月雨「でも、そこにあるものはどうしようもなくないですか?」


黒霧 「そこは人類の技術力さ。パイプを打ち込んで、水を抜くんだ。水が抜ければ、粘土は強くなるからね。」


五月雨「パイプを打ち込むだけで水が抜けるんですか?」


黒霧 「粘土層は埋め立て用の土に押されているからね。自然と湧き上がってくるよ。」


五月雨「だったら、此処も浮島にする必要はなかったのでは?」


黒霧 「この基地は急設だよ。」


五月雨「そうでした。因みに、水抜きに掛かる時間は・・・?」


黒霧 「スウェーデンで開発された技術を最大限用いて、2年くらいかな。」(羽田空港の実例)


五月雨「意外と早いですね。」


黒霧 「表面上はね。この方法で解決できるのは、精々深度数十メートルの地盤まで・・・。」


黒霧 「粘土層は200mの深さまで存在しているんだ。」


五月雨「なんと。でも同じように水抜きしてしまえば・・・。」


黒霧 「無理だよ。」


五月雨「え?」


黒霧 「その領域は人間が手を出せない不可侵の領域。」


黒霧 「人間は地球の表面を弄っているに過ぎないのさ。」


五月雨「そんな。それではずっと沈み続けることに・・・。」


黒霧 「そのとおり。実際に今も沈み続けている場所がある。」(関西国際空港・羽田空港・神戸ポートアイランドなど)


黒霧 「この沈下は100年以上の時を掛けて進行するんだ。」


五月雨「そんなに・・・。なるほど、それで浮島ですか。」


黒霧 「島自体が浮いていれば、地盤の状態は関係ないからね。」


五月雨「でも、流されたりはしないんですか?」


黒霧 「本土に杭を打ってるから。」


五月雨「津波は・・・?」


黒霧 「どうしようね・・・。」アハハ


五月雨「」エェー


日向ミニ「」


五月雨「どうしたんですか?日向さん。」


日向ミニ「・・・しい。」ボソボソ


五月雨「何か言いましたか?」キコエナイ


日向ミニ「長い!私にもっと構え!寂しかったぞ!!」グスッ


ワルカッタヨ ユルサン ヒシッ


五月雨「やっぱり、こど・・・。」


ナニカイッタカ


五月雨「いえいえ、滅相もございません。」



趣味は機械弄り・・・と言いたい。


日向ミニ「此処からは私の時間だぞ、父上。」


黒霧 「ああ。わかっているよ。」フフ


五月雨「クロさん、艤装の整備なんてできるんですか?」


日向ミニ「父上を甘く見ないほうがいいぞ。」


五月雨「それは身を以て知っていますが、それとこれとは話が違うじゃないですか。」


日向ミニ「父上は艤装の設計から改造までこなせる。」


五月雨「なんでそんな人が軍人やってるんですか。」エェ



混沌の始まり


五月雨「大本営の整備士でもそんなことできませんよ。」


五月雨「精々、明石さんとか夕張さんくらいです。艤装を改造するだなんて。」


日向ミニ「父上、今日は何を造るのだ?」


五月雨「聞いちゃいねぇ。」


黒霧 「五月雨用に大鎌を造ろうかと思ってね。」


五月雨「・・・はい?」


黒霧 「五月雨は砲撃と回避を同時にできない頭だから、近接武器のほうが合ってると思うんだ。」


五月雨「何か莫迦にされてる気がするんですけど。」


日向ミニ「莫迦にされてるのだろう?」


五月雨「というか、接近するまでただの的じゃないですか。」ムゥ


黒霧 「そのための回避訓練じゃないか。」


五月雨「そうでした。」


日向ミニ「任せろ。深海の装甲など軽く斬り裂ける鎌を造ってやる。」フンス


五月雨「まるで死神ですね・・・。」



幼女と少女とそれから彼女。


日向ミニ「父上はひんやりして気持ちいいな。」モゾモゾ


黒霧 「なら、もう少しくっついてあげよう。」ギュッ


キャー クスグッタイゾチチウエ


五月雨「ちょっと、あまり動かないでくださいよ。私が落ちるじゃないですか。」ムゥ


日向ミニ「貴様には床がお似合いだ。」ハッ


五月雨「辛辣ぅ!!夜になると急に辛辣ぅ!!」


日向ミニ「五月蠅いぞ。父上が起きるだろう。」


五月雨「え?クロさん、もう寝たんですか?」


黒霧 「」Zzz


五月雨「」マジカヨ


黒霧茜「」Zzz


五月雨「・・・あれ?」



何も言うな・・・。


五月雨「」ムニムニ


黒霧茜「どうした?羨ましいのか?」


五月雨「本物・・・だと。」


黒霧茜「私は嘘が嫌いだと言ったはずだが?」


五月雨「そういうことではなくてですね。」


五月雨「・・・なんでクロさんが茜さんになってるんですか。」


黒霧茜「なんだ、そんなことか。私と時雨は同一人物だからな。」


五月雨「・・・はい?」


日向ミニ「おお、母上に会うのは久し振りだな。」


黒霧茜「そうか?私はつい最近に会ったような気がするが。」


五月雨「はいぃ!?」


ウルサイゾ シズカニセンカ スミマセン



双子の姉弟


五月雨「つまりクロさんが茜さんで、茜さんがクロさんということですか?」


黒霧茜「そういうことだ。」


五月雨「いや、どういうことですか。」


日向ミニ「」Zzz


黒霧茜「つまりだな。あれだ・・・。そう、あれだ。」キリッ


五月雨「チェンジでお願いします。」


黒霧茜「何処まで話してよいのか、難しいのだ。」ムゥ


五月雨「では、ひとつだけ。いいですか?」


黒霧茜「すまんな。気を遣わせた。」


五月雨「いつ、入れ換わるんですか?」


黒霧茜「まぁ、そのくらいであれば時雨も怒るまい。」ウム


五月雨(クロさんのほうが立場は上なんですね・・・。)


黒霧茜「時雨が眠ったときだ。」


五月雨「ということは、夜の間は茜さんになってるんですね。」


黒霧茜「必ずしもそうではないが、大体はそのとおりだ。」


五月雨「今朝も茜さんでしたね。」


黒霧茜「眠るのが夜だけとは限らないからな。」


五月雨「クロさんのときも、茜さんは意識がありますよね?」


黒霧茜「何故、そう思うのだ?」


五月雨「茜さんは私を知っていましたから。」


黒霧茜「失言であったか。また時雨に怒られる・・・。」シュン


五月雨(意外にポンコツなところもそっくりだなぁ。)ホンワカ



確認と質問は違うと認識している。


五月雨「それにしても不思議ですね。」


黒霧茜「ひとつの肉体に、ふたつの魂だからな。」


五月雨「いえ、多重人格くらいならそう珍しくもないですけど・・・。」


五月雨「身体まで女性になるってどういうことですか。」シカモオオキイ


黒霧茜「予想はついているのだろう?」


五月雨「まあ、なんとなくは。」


黒霧茜「下手な嘘はやめろ。殆ど確信しているだろうに。」


五月雨「貴女方姉弟はどうしてそう他人の心が読めるんですか。」コワイデス


黒霧茜「経験故に、な。」


五月雨「経験ですか。」


黒霧茜「因みに、その予想は外れだ。」


五月雨「そんな莫迦な・・・。」


ハナシハオワリダ ネルゾ アイ



ずっと書きたかった。


日向ミニ「父上!父上!母上が帰ってきたぞ!」


黒霧 「ああ、そうだね。」


日向母「すまない。随分と待たせてしまったな。」


日向ミニ「母上ぇ~。」ヒシッ


日向母「ははっ。大きくなったな、我が娘よ。」ダキカカエ


日向ミニ「」ムフー


黒霧 「余程、母が恋しかったらしい。」


日向母「お前も抱きしめてくれていいんだぞ?」


黒霧 「ふふっ。もう離さないからな。」ギュッ


日向母「んっ、苦しいぞ。少し加減しろ。日向が潰れている。」


日向ミニ「私は幸せだぞ、母上。」ムギュッ


日向母「そうか?ならばいいが。」


黒霧 「さぁ、帰ろう。我が家へ。」


日向母「ああ。だが、いいのか?あの娘は・・・。」チラリ


黒霧 「気にすることはないさ。僕が本当に愛しているのは君だけだ。」


日向母「おい、娘の前で・・・恥ずかしいだろ。///」カァ


日向ミニ「母上、照れてる。」カワイイ


日向母「母をからかうな。」コラッ


ワイワイ


間宮 「」マッシロ


・・・


五月雨「という夢を見まして。」


黒霧 「・・・その話、今じゃないと駄目だったのかな?」


五月雨「寧ろ今しかないと思いまして。」フフン


間宮 「」チーン


黒霧 「・・・どう責任を取るつもりなのかな?」


五月雨「責任は男が取るものですよ。此処はやはり王子様のキスで・・・。」ムフフ


チュッ


五月雨「あの・・・。言い終わる前に行動するの、やめてもらえませんか。」


五月雨「あっ、駄目です!そのままディープなほうにいくのは駄目です!!」


ヤメッ ヤメロォ


4日目の朝が来た。



鈍感でも耐性があるわけじゃない。


五月雨「くそぅ。下手に弄るんじゃなかった。」


日向ミニ「野暮はなしだぞ、五月雨。父上は間宮にぞっこんだからな。」


五月雨「そうですか?私には間宮さんのほうがぞっこんに見えますけど。」


日向ミニ「間宮を駄目にしたのは、父上の一途な愛だろう?」ドヤッ


五月雨「恥ずかしい台詞を堂々と・・・。というか、駄目ってはっきり言うんですね。」


日向ミニ「間宮には母上のような武士の気質が足りん。」マダマダミジュク


五月雨「母上ですか。茜さんも、ああ見えて可愛いところありますけど。」


五月雨(クロさんの姉ですからね。多分あの人も化物ですよね・・・。)ハァ


日向ミニ「///」カァ


五月雨「今更恥ずかしくなるんですか。随分と時間差ですね。」



フラグの概念が確立してから、オチが見えるようになってしまった。


五月雨「ところで、昨日の夜から不思議だったのですが・・・。」


日向ミニ「想像のとおりだ。」


五月雨「最後まで言わせてくれませんか。変なところでそっくりですね。」


日向ミニ「私の両親のことだろう?」


五月雨「それも気になりますけど、もう少し浅い内容ですよ。」


日向ミニ「ほう。聞かせてみろ。」


五月雨「クロさんと茜さんは、本当の親ではないですよね?」


日向ミニ「・・・そうだな。」


五月雨(いつものあれじゃないのか。)


五月雨「すみません。性分なもので、つい・・・。」


日向ミニ「構わん。いずれはお前も知る事になる話だ。」


日向ミニ「だが、今はそのときではない。それだけだ。」


五月雨「そうですか。」


日向ミニ「ああ。あの島を解放するまではな。」


五月雨(・・・殆ど答えなのでは?)



ちゃんと調整はしてるつもり。


間宮 「朝ご飯ですよ~。」


日向ミニ「わ~い。」トテテテ


五月雨「わからない人だなぁ。」


黒霧 「日向のこと?」


五月雨「はい。見た目は子供なのに思考は達観した大人のそれで。でも行動はほぼ子供・・・。」モウ ナニガナンダカ


黒霧 「日向は出生が特殊だからね。」


五月雨「生まれだけで人格は決まりませんよ。私達艦娘は例外ですが、人格形成は幼少期の経験に基づきます。」


黒霧 「日向も艦娘だよ?」


五月雨「・・・あっ。」ソウデシタ


黒霧 「さぁ、ご飯にしよう。今日は間宮のお手製だ。」


五月雨「本当ですか!?楽しみですね、間宮さんのご飯!」ウキウキ


マミヤサーン キョウノアサハナンデスカ? サバノミソニヨ♪ オォー



三莫迦此処に極まれり。


五月雨「さて、お腹も膨れましたし・・・やりますか!クロさん!」ムフー


黒霧 「どうしたの?急にやる気だね。」


五月雨「今日、私の人生が変わる。そんな気がするんです。」トオイメ


日向ミニ「・・・阿呆だな。」


間宮 「無茶は駄目ですよ?ふたりとも。」


五月雨「えっ?私も入ってるんですか?」ソンナバカナ


日向ミニ「当然だろう?あんな訓練を考える父上は言うまでもなく、それに付き合うお前も大概だ。」


黒霧 「訓練用の機材を造った日向はどうなんだい?」


日向ミニ「ふっ。イカレているな。」キリッ


間宮 「自分で言っちゃうのね・・・。」



要らぬ気遣い余計なお世話。


五月雨「今日のメニューは何ですか~?」


黒霧 「昨日までの成果確認と近接戦闘訓練かな。」


五月雨「もうちょっと声張ってくれませんか~。」キコエナイ


黒霧 「日向、弾速の調整は済んだかい?」


日向ミニ「当然だ。私の仕事は完璧だからな。」フンス


黒霧 「そうか。いつも助かってるよ。」ナデナデ


日向ミニ「」フフン


五月雨「あの!聞いてますかぁ!!」


黒霧 「」ポチッ


砲弾< 音速を超えるぜ!


五月雨「」エッ


チュドーン グワー!


黒霧 「日向・・・?」


日向ミニ「私なりの気遣いだ。」ムフー



これも信頼の形。


黒霧 「生きてるかい?」


五月雨「ナントカ」プカプカ


日向ミニ「あの状態からギリギリで躱すとは、やるな。」フッ


五月雨「衝撃波で吹き飛ばされましたけどね。」


五月雨「というか、掠っただけで腕もげますよ?あれ。」


日向ミニ「父上に鍛えられたお前なら、この程度できて当然だろう?」


五月雨「流石はクロさんの娘ですね。良い感じに狂ってます。」


日向ミニ「そんなに褒めるな。照れるだろう。」フフン


黒霧 「後で調整しとくから。」


五月雨「お願いします。」


黒霧 「それにしても、発射のタイミングを予測するなんて・・・成長したね。」


五月雨「クロさんのことは信じてますから。」


五月雨「絶対、あのタイミングで撃ってくると。」ニコッ


黒霧 「」フフッ


五月雨「」ニコニコ


間宮 (止めるべきかしら・・・。)



死神の始まり


黒霧 「それじゃあ、本題に入ろうか。」


日向ミニ「これの出番だな。」つ大鎌


五月雨「本当に造ったんですね。」ヒュウガサンヨリオオキイ


黒霧 「大鎌は特殊な戦闘スタイルになるから、早く慣れてね。」


五月雨「うへぇ。」


日向ミニ「ほれ。」スッ


五月雨「はい。って、重い!」ガシャン


日向ミニ「軟弱な奴め。鍛え方がなっとらん!」クワッ


五月雨「貴女が異常なだけです。」


日向ミニ「父上も持てるぞ?」


五月雨「クロさんを基準にしたら大変な事になりますよ。」


日向ミニ「間宮も・・・。」チラッ


五月雨「なんと!!」


間宮 「えっ?」カルガル


日向ミニ「なん・・・だと。」


五月雨「冗談のつもりが現実に・・・。」


ドウカシマシタカ? ナニモナイデース



愛、故に。


五月雨「間宮さん、大本営に戻らなくて大丈夫なんですか?」


間宮 「心配ないですよ。お爺さまの許可は取ってますから。」ウフフ


五月雨「流石は元帥閣下の孫娘。やりたい放題ですね。」


五月雨「私が本営勤務だった頃もよく出掛けてましたけど、まさか・・・。」


間宮 「はい。時雨さんに逢いに・・・。」ポッ


五月雨「泣きますよ?元帥閣下。」


間宮 「お爺さまの涙は見飽きてます。」ケサモ・・・


五月雨「クロさん?」ニコニコ


黒霧 「」メソラシ


日向ミニ「一途なあーいというやつだな。」



上司の家に挨拶なんて行きたくない。


五月雨「クロさん、元帥の孫娘によく手を出せましたね。」


五月雨「上司の娘なんて、悪い想像しかできません。」


黒霧 「別に手を出したわけではないさ。」


五月雨「告白したのが間宮さんだからとか、そんな言い訳は通用しませんよ?」マタマタァ


間宮 「私、告白なんてされても、してもないですよ?」


五月雨「はい?そんなのでどうやって婚約するんですか。」


間宮 「時雨さんとは、御父様の勧めでお見合いを・・・。」


五月雨「なるほど・・・。」


間宮 「一目惚れでした。」ポッ


五月雨「訊いてませんよ。」



それが宿命ならば抗おう、凄絶にな。


日向ミニ「父上はどうなのだ?」


黒霧 「そうだね。献身的なところに段々とって感じかな。」


日向ミニ「幸せか?父上。」


黒霧 「そうだね。」


日向ミニ「ならば、護らねばなるまい。」


黒霧 「ああ。」


日向ミニ「たとえ世界の理に逆らったとしても。」


黒霧 「それだと、みんなを危険に晒す事になってしまうよ。」


日向ミニ「致し方あるまい。幸せを護るためならばな。」フッ


黒霧 「・・・。」


日向ミニ「家族と共に在ることが、私にとって何よりの幸せだ。」


日向ミニ「この幸せを護りたくはないか?」


黒霧 「まさか娘に諭されるとはね・・・。」フフッ


日向ミニ「それが娘の役目だろう?」


黒霧 「そうかもね。」ナデナデ


日向ミニ「もっと褒めてもいいんだぞ?」ムフン


黒霧 「約束するよ。僕は、僕達の幸せを護る。」


日向ミニ「それでこそ父上だ。私も力を貸そう。」


黒親子「」フフッ


五月雨「・・・なんですか、あれ。」


間宮 「親子の絆ですね。」イイナァ


五月雨「」エェ



危うく忘れるところだった。


五月雨「というか、まだ訓練の途中ですよね。」


日向ミニ「そういえば、そんなこともしていたな。」


五月雨「此処、艦娘の訓練施設ですよね?最優先事項に"も"ですか。」


黒霧 「仕方ないさ。今のところ訓練が必要なのは、五月雨だけだからね。」


五月雨「えぇ~。」クロサンマデ


黒霧 「ともかく、まずはその大鎌を満足に扱えるようにならないとね。」


黒霧 「訓練以前の問題だよ。」


五月雨「だったら、もう少し軽く・・・。」


日向ミニ「甘えるな。お前の非力が悪い。」


五月雨「あなた達が怪力なだけですよ。」


間宮 「時雨さんも日向ちゃんも力持ちだから。」ウフフ


五月雨(間宮さんも"あなた達"に入ってるんですけどね。言葉にはしませんが。)コワイカラ



ダンベル何キロ持てる?


五月雨「鍛えろと簡単に言いますけど、ダンベルとかあるんですか?」


日向ミニ「無いなら作ればいいだろう。」


五月雨「暴論・・・。」


黒霧 「間違ってはいないけどね。今回は必要ないよ。」


五月雨「器具無しで鍛えるんですか?効率悪いですよ?」


黒霧 「器具ならあるじゃないか。」


五月雨「何処にですか?」


黒霧 「君の背中に。」


五月雨「まさか・・・。」


黒霧 「大鎌を扱えるようになるための訓練なんだ。実際に振り回すのが一番さ。」


五月雨「すっぽ抜けても知りませんからね。」


日向ミニ「それで怪我をするのはお前だけだ。」


間宮 「え?私は?」


五月雨「言い返せない。」クッ


日向ミニ「精々足掻くことだ。」フフン


イマニミテロヨ チキショーメ


間宮 「・・・私は?」


黒霧 「僕が護るさ。」


間宮 「時雨さん・・・。」ソッ


日向ミニ「五月雨、取り敢えずそれ貸せ。」ブンナゲル


五月雨「我が半身を容易く貸すことは出来ぬ。」


日向ミニ「ならば征け!瑞雲!」


五月雨「うちに艦載機があるとでも?」


日向ミニ「五月雨アタァック!!」グイッ


五月雨「ちょっ!私を投げっ!あぁぁぁぁ!!」


クロサーン ウケトメ ゴシャァッ



これが私達の日常。(最終回フラグではない)


五月雨「クロさんなら、受け止めてくれると信じてたのに・・・。」ゴフッ


黒霧 「僕が受け止めてあげられるのは一度にひとりまでだから。」


日向ミニ「そこに私も受け止めるくらいの甲斐性はあるだろう?」


黒霧 「勿論さ。」オイデ


日向ミニ「流石は父上だ。」ヒシッ


五月雨「私、日向さんとそんなに身長変わらないと思うんですけど・・・。」


日向ミニ「お前と私では"受け止める"意味が違うだろうが。」


五月雨「私も養子にしろぉ!!」


日向ミニ「ほぅ。"も"とはどういうことか、そこのところ詳しく聞こうじゃないか。」ユラァ


五月雨「走り込みしてきまーす。」ダッ


日向ミニ「逃がすかっ!」ダッ


マテコラー! ヒェェェ


間宮 「養子を迎えるなら、結婚しないとですね。」


黒霧 「式はいつにしようか?」


間宮 「えっ・・・?結婚、してくださるんですか?」


黒霧 「日向に叱られてね。いい加減、覚悟を決めたのさ。」


間宮 「時雨さん・・・。」ジッ


黒霧 「間宮・・・。」スッ


???「雰囲気ぶち壊しアタァック!!」


ドンガラガッシャーン


黒霧 「歓迎してくれるんじゃなかったの?日向。」


日向ミニ「それとこれとは別問題だ!」


ギャアギャア


五月雨「賑やかですねぇ~。」ズタボロ


間宮 「これが私達の日常ですよ。」ウフフ


五月雨「その発言は、もう本土に戻る気がないと受け取りますよ?」


間宮 「構いません。私も覚悟は出来ていますから。」


五月雨「そうですか。」


間宮 「あっ。でも結婚の挨拶をしに戻らなくちゃですね。」


五月雨(ショックで亡くならないといいけど。大丈夫かな、元帥。)



やっと常在メンバーが揃うのよ。


「あれですの?この私を配属させようなどという不遜な基地は。」


「そうだね。この辺りの基地っていったら、あそこくらいだろうし。」


「血の滾るような闘いは期待できそうにないですわね。」ハァ


「あはは。相変わらずだね。」


「行きますわよ。」


「あいさ~。」



新人歓迎は穏やかなものがいい。


五月雨「誰か来ますね。」ムッ


日向ミニ「奴らか?」


黒霧 「そうみたいだね。」


日向ミニ「随分と早いな。もう左遷されてきたのか。」チッ


五月雨「えっ。此処って左遷されてくるような場所なんですか?」


黒霧 「知らなかったの?」


五月雨「初耳ですよ!」


日向ミニ「哀れだな、壱号。」


五月雨「余計なお世話ですよ、弐号。」


日向ミニ「私は零号だ!」クワッ


五月雨「知ったこっちゃないですよ。」


???「何を騒いでいるんですの?」


五月雨「おっと、もうご到着ですか。」


???「へぇ、大きな鎌だね。ちょっと見せてよ。」キラキラ


五月雨「ど、どうぞ。」


???「あはぁ~。かっこいいなぁ~。」ウットリ


五月雨(どうしよう。また変態が増えた。)


???「ちょっと。武器マニアも大概にしてくださいまし。そんなものに興味を持って何になりますの?」


日向ミニ「ああ、お前は素手で充分だからな。この怪力熊が。」イラッ


???「なんですの?喧嘩なら買いますわよ、ちっこいの。」ピキッ


アァ? ナンデスノ? バチバチ


五月雨(ふたりの間に火花が・・・。)オゥ


???「えへへへ。」スリスリ


五月雨「私の鎌が!!」



最早定番の流れ。だがそれが良い。


間宮 「もう、ふたりとも。そのくらいで・・・。」


???「年増が出しゃばらないくださいます?」


間宮 「・・・はい?」ピシッ


日向ミニ「」ヤバイ


???「元帥の孫だか何だか知りませんけれど。私、権力に屈する気はありませんの。」


間宮 「へぇ。」ピクピク


???「それから貴方。」


黒霧 「僕のことかな?」


???「ええ、そうですわ。たとえ上官でも、貧弱な人間に従う気はありませんの。」


???「そこのところ、よく理解しておいてくださいまし。」フン


黒霧 「へぇ。なら、勝負しようか。」


???「勝負、ですの?」


黒霧 「そう。僕と間宮、君と最上のツーマンセルで、なんでもありの真剣勝負をね。」


???「面白いですわね。いいでしょう、受けて立ちますわ。」フッ


最上 「ボクも賛成だよ~。」


三隈 「三隈の力、思い知るがいいですの!」



どうしてこうなった?


五月雨「え~、それでは。くろみやVSもがみくま、真剣タッグマッチを開催致しま~す。」


五月雨「司会は私、五月雨と・・・。」


日向ミニ「私だ。」


五月雨「で、お送りしま~す。」


五月雨「日向さん。この勝負、どうなるでしょうか?」


日向ミニ「父上と間宮の圧勝だ。」


五月雨「その根拠は?」


日向ミニ「決まっている。私がそう望んでいるからだ!」クワッ


五月雨「こちらからは以上で~す。」


三隈 「なんですの?あれは。」


最上 「さぁ・・・。」


チチウエー! ニドトオモテヲアルケナクシテヤレェー!! ソレハサスガニ・・・ モウヒュウガチャンッタラ マカセテ エェー



地獄。それは戦闘描写が苦手なくせにこんな展開にした私の責任。


三隈 「いきますわよ!」ボカーン


五月雨「さぁ、三隈さんの砲撃によって闘いの火蓋は切って落とされました。」


間宮 「良い狙いをしていますね。ですが、この程度の砲撃で私は捉えられません。」スッ


五月雨「間宮さん、これを最小限の動きで躱します。あの人、本当に給糧艦ですか?」


日向ミニ「さぁな。」


最上 「こっちもいくよ~。」ジャキッ


五月雨「最上さんも三隈さんにつづ・・・。」


黒霧 「」ニタァ


最上 「へっ・・・?」


黒霧 「居合い抜刀・夜の帳。」ザンッ


最上 「」カハッ


三隈 「最上ぃ!!」


五月雨「まずいですよ、日向さん。クロさんが思った以上にキレてます!」ヒソヒソ


日向ミニ「問題ない。いいぞ!もっとやれ、父上ぇ!!」フハハ


五月雨(駄目だ。この親子、イカレてやがる。)


三隈 「・・・最上。」クッ


間宮 「他人の心配をしている場合ですか?」ユラァ


三隈 「」ヒッ


三隈 「こ、来ないでくださいまし!」ボカーン


間宮 「」フンッ ガキーン


三隈 「嘘・・・ですの。」


五月雨「今、砲弾を殴り飛ばしましたよね?」


日向ミニ「やるな。くっ、認めざるを得んのか!?」ギリッ


五月雨「こんなときに何の話ですか?」


日向ミニ「父上と間宮の結婚の話に決まっているだろう!」クワッ


五月雨「まだそのネタ引っ張る気ですか!」


日向ミニ「私は・・・私は認めんかりゃにゃあ!!」ボロボロ


五月雨「えぇ。ガチ泣き?」


ウアァァァ クロサーン オタスケー


間宮 「あらあら、これは勝負どころではないですね。」


黒霧 「間宮、最上を頼む。」


間宮 「ええ。早く行ってあげてください。」


黒霧 「ああ。」シュンッ


間宮 「さて・・・。」ギロリ


三隈 「」ビクッ


間宮 「どうしてくれましょうか。」ウフフ


三隈 「」ビクビク


最上 「」チーン



本当に怖いのは大体女性。


間宮 「貴女、前の鎮守府では相当やんちゃしていたようですね。」


三隈 「・・・はい。」ヒッ


間宮 「此処での勝手は、私が許しません。いいですね?」ニコニコ


三隈 「肝に銘じておきます!」ビシッ


最上 「んん・・・。あれ?生きてる。」パチクリ


間宮 「最上さんも起きたようですし、私はこれで失礼します。」


間宮 「先程の言葉。くれぐれもお忘れなきよう、お願いしますね。」ニコリ


三隈 「Yes ma'am!!」ビシッ


最上 「・・・。」ポケー


最上 「みっちゃん?」


三隈 「その呼び方はやめてくださいまし!」


最上 「じゃあ、くまりんこ。」


三隈 「みっちゃんでお願いしますわ。」



地雷から踏まれにくるスタイル。


日向ミニ「」ヒシッ


黒霧 「」ナデナデ


五月雨「いい加減、このくだりやめませんか?」


日向ミニ「五月雨い。」


五月雨「言葉に悪意を感じるのは気の所為ですよね~?」イラッ


黒霧 「好きなようにさせてあげておくれ。日向はまだ子供なんだ。」


五月雨「元凶が何を暢気なこと言ってるんですか。」


五月雨「クロさんがそうやって甘やかすのがいけないんですからね。」


日向ミニ「お前は私の何だ。」ジトッ


五月雨「家族ですけど?」


日向ミニ「・・・そうか。///」テレリ


五月雨(よかった。地雷は回避できたみたい・・・。)フゥ


間宮 「お待たせしました~。」


五月雨(世界は残酷だった。)オゥ



私、将来お父さんのお嫁さんになる!


日向ミニ「」ムッスー


間宮 「あの・・・。日向ちゃん?」


日向ミニ「・・・なんだ?」


間宮 「私、何かしたかしら?」オロオロ


日向ミニ「心当たりがないのなら、していないのではないか?」フンッ


間宮 「なら、どうして・・・。」


日向ミニ「・・・。」


黒霧 「日向、変えようとしなければ何も変わらないよ。それを教えてくれたのは日向じゃないか。」


日向ミニ「」ムー


日向ミニ「・・・からだ。」ボソボソ


間宮 「ごめんなさい。もう一度お願いできるかしら?」


日向ミニ「これからするからだ!」


五月雨「はぁ?」


間宮 「えっと、何をかしら?」


日向ミニ「結婚したらお前は、父上を独り占めする!」


間宮 「そんなことしないわ。だって時雨さんは日向ちゃんのパパでもあるんだから。」


日向ミニ「口ではどうとでも言える!」


日向ミニ「女というものは、一度手に入れた男はたとえ子供が相手でも手放したくなくなるものなんだ!」


五月雨「いやいや、それは言いすぎでしょう。」


日向ミニ「私がそうなんだ!間違いない!」クワッ


間宮 「えっ・・・?」ピシッ


五月雨「つまり日向さんは、父と呼ぶクロさんのことを男として意識していると。」ホホウ


日向ミニ「私は何を・・・何故こんな所に?」ハッ


五月雨「誤魔化せませんよ?」


日向ミニ「今のは無かったことにしてくれ。」


五月雨「間宮さんは気絶しちゃいましたし、クロさんがいいなら私はそれで。」チラリ


黒霧 「娘から愛されるのは良いことだと思うよ。」ニコニコ


日向ミニ「父上ぇ。」キラキラ


五月雨「駄目だこいつら、手に負えねぇ。」


・・・


三隈 「私達、とんでもない場所に来てしまったようですわね。」


最上 「そうかな?ボクは楽しそうな場所だと思うけど。さっき見てきた場所に比べたら。」キキタイ?


三隈 「この世もあの世も地獄ということですわね。」エンリョシマスワ



高校・大学デビューは慎重に。


黒霧 「自己紹介がまだだったね。僕は黒霧時雨。この基地の責任者だよ。」


五月雨「五月雨です。今は訓練生ですが、いずれはクロさんと同じく教官になる予定です。」ヨロシクデス


三隈 「クロさん?」


黒霧 「僕のことだよ。」


三隈 「上官を渾名で呼んでいますの?」


五月雨「駄目ですか?」


三隈 「いえ、駄目というわけでは・・・。」


最上 「いいじゃん。ボク達もそう呼べば。これからよろしくね、クロさん。」ニコッ


黒霧 「よろしく、最上。」ニコリ


三隈 「もう。貴女はまったく・・・。」


黒霧 「君は呼んでくれないのかな?」


三隈 「うぅ・・・。これからよろしくですの。クロさん。///」カァ


黒霧 「うん。よろしくね、みっちゃん。」フフッ


三隈 「聞いてましたの!?///」カァ


モウ ヤメテクダサイマシ


最上 (これから楽しくなりそう。)フフッ



一度決まった関係性を変えるのは難しい。


間宮 「改めて紹介することもないかとは思いますが、間宮と申します。貴女達と同じく元人間の艦娘です。」


三隈 「先程は、大変な無礼を・・・。申し訳なかったですの。」フカブカ


間宮 「いえ、いいんですよ?今後の身の振り方を考えていただければ・・・。」ニコニコ


三隈 「はい・・・ですの。」タラー


日向ミニ「私は日向だ。工廠担当だ。この基地の設備や艤装に関しては私に訊くといい。」


最上 「うん。よろしくね、日向ちゃん。」ニコッ


日向ミニ「」ジー


最上 「どうしたの?」


日向ミニ(身長のことに触れないとは、こいつは良い奴だな。)キラキラ


日向ミニ(あいつと違って・・・。)チラリ


三隈 「な、なんですの?」


日向ミニ「怪力熊が。」ボソッ


三隈 「本当になんですの!?」



このノリが楽しいのは当人だけ。(一部例外除く)


五月雨「この基地も大所帯になってきましたね。」


三隈 「他にも誰か居ますの?」


黒霧 「うちは僕と日向、五月雨、間宮、三隈、最上の6人だけだよ。」


三隈 「大所帯・・・?」


五月雨「この基地の全容を見ればわかりますよ。この言葉の意味が・・・。」


・・・


最上 「確かに、6人でも大所帯だね。」アハハ


三隈 「この基地、狭すぎですの!」クワッ


五月雨「所長。」


日向ミニ「なんだね、五月雨くん。」


五月雨「基地拡張の検討を・・・。」


日向ミニ「却下だ。」


五月雨「せめて最後まで言わせ・・・。」


日向ミニ「父上との距離が開いてしまうからな!」クワッ


五月雨「開き直ったな、ファザコンめ。」


日向ミニ「血の繋がりはないからファザコンではない!」


五月雨「それ前に私が言ったら怒りましたよねぇ!?」


ナンノコトカナ? コノキズヲワスレタトハイワセマセンヨ


三隈 「なんですの・・・この基地。」エェ


最上 (いいなぁ。ボクも交ざりたい。)キラキラ


間宮 (日向ちゃん、楽しそうね。)ニコニコ


黒霧 (夕飯の材料、足りるかな?)ウーン



これも一種の娯楽。


カポーン


最上 「ふぅ~。温まるぅ~。」ノビノビ


三隈 「ドックはちゃんとしてますのね。」チャポッ


五月雨「一日の疲れを癒やす場ですからね。当然です。」


間宮 「いえ、多分違うと思いますよ?」チラリ


日向ミニ「ん?ああ、私は風呂が好きだからな。」


五月雨「欲望に忠実すぎる・・・。」


最上 「まぁ、でもいいんじゃないかな?ボクも広いお風呂のほうが好きだし。」


三隈 「そうですわね。」


日向ミニ「もっと褒めろ。」フフン


黒霧茜「流石は日向だ。」ナデリコ


五月雨「なんで居るんですか・・・。」エェ


黒霧茜「時雨のほうがよかったか?」


五月雨「そういうことじゃねぇです。」


間宮 「時雨さんと混浴・・・。///」ボンッ


三隈 「誰ですの?」


最上 「あの人、何処かで・・・。」ウーン


日向ミニ「間宮が沈んでいく。」オォ


五月雨「エマージェンシィィィィ!!」



初めて会った気がしない彼女。スイミングスクールの同級生だった。


五月雨「大丈夫ですか?間宮さん。」


間宮 「ええ、なんとか・・・。」ボー


五月雨「これは駄目なやつですね。」


日向ミニ「そこに寝かせておけ。」


五月雨「これ、リゾートとかにあるやつじゃないですか。」ハジメテミタ


日向ミニ「ああ、作っておいた。」


五月雨「自分が使いたいからですか?」マサカ


日向ミニ「他にどんな理由があるのだ?」


五月雨「ですよねー。」アハハ


最上 「あぁー!!」


五月雨「」ビクゥッ


三隈 「なんですの。いきなり・・・。」ジトッ


最上 「思い出した!この人、佐世保の憲兵隊・隊長、黒白雪だ!」


五月雨「憲兵隊の隊長?茜さんが?」


三隈 「そんなはずありませんわ。黒白雪は佐世保襲撃の際に戦死していますのよ?」


最上 「間違いないって!実は生きてましたとか、よくあるじゃん!」


三隈 「そんな、映画じゃないんですから・・・。」


日向ミニ「いや、最上の言うことは間違っていないぞ。」


三隈 「え・・・?」


最上 「ほらぁ!」


日向ミニ「母上は確かに、佐世保の憲兵隊を束ね、黒白雪と海軍の連中に恐れられた憲兵だった。」


五月雨(茜さんが憲兵隊出身ということは、クロさんも・・・。冗談だったのに、本当に陸軍だったなんて・・・。)


黒霧茜「・・・時雨に叱られる。」グスッ


五月雨「私も一緒に叱られてあげますから。」ナカナイデクダサイ


日向ミニ「まったく、母上はドジっ娘だな。」ヤレヤレ


五月雨「黙れ、確信犯。」


日向ミニ「母上の泣き顔は、こう・・・クるものがあるな。」ハァハァ


五月雨「変態だぁぁぁぁ!!」ワカッテタケド!


三隈 「可愛らしい方ですわね。」


最上 「可哀想ともいうね。」


三隈 「意味が全然違いますの。」



一度ボロが出るともう止まらない。


三隈 「佐世保の黒白雪といえば、確か弟君が居ましたわね。」フム


五月雨「クロさんのことですか?」


三隈 「そうですけど、そうじゃありませんの。」ウーン


最上 「舞鶴の真宵烏?」


三隈 「それですわ!」ビシッ


五月雨「ああ、憲兵なのに海に出て姫級を沈めたとかいうあの・・・。クロさんなら納得ですね。」


三隈 「ですが、華々しい経歴を持つ彼らが何故こんなところに?」


五月雨「クロさん達が前線に出たほうが早く戦争が決着しそうだからとかじゃないですか?」


日向ミニ「聡いな、五月雨。」ミナオシタゾ


五月雨「あれ?合ってた?」


日向ミニ「それが全てではないが、大方そんなところだ。」


五月雨「でも、訓練基地だから出撃は皆無ですよ?」


日向ミニ「全てではないと言っただろう?」


五月雨「寧ろそっちが主な理由なのでは・・・。」


日向ミニ「いずれ、わかることだ。」


五月雨「・・・あれ?茜さんは?」


最上 「沈んでる。」ソコニ


五月雨「本日二度目のエマージェンシィィィィ!!」


黒霧茜(はぁ・・・憂鬱だ。)ブクブク



案ずるな彼らは丈夫だ。少なくとも身体は。


五月雨「何やってるんですか!茜さんひとりの身体じゃないんですから、気をつけてください!」プンスコ


黒霧茜「いや、すまん。少し考え事をしていてな。」


五月雨「それで溺れただなんて笑えませんよ!」


黒霧茜「問題ない。30分は潜水できるからな。」フフン


五月雨「・・・さい。」ボソッ


黒霧茜「ん?」


五月雨「そこに直りなさいと言ったんです。」ゴゴゴ


黒霧茜「・・・はい。」シュン


イイデスカ アカネサンノカラダハ・・・


最上 「五月雨ちゃんも中々やるね~。」


三隈 「ただのツッコミ担当ではなかったということですわ。」


日向ミニ「嗚呼、母上の心が大破していく。///」コウコツ


最上 「引き継ぎはみっちゃんに任せるよ。」スタコラー


三隈 「逃がすと思って?もがみん?」ガシッ


最上 「は・な・し・て~。」グググ


三隈 「放しませんわ。」ウフフ


ワーワー ギャーギャー


間宮 (・・・もう少し、気絶しておきましょうか。)


その後、耐えかねた茜によって叩き起こされた時雨が場を収めました。



艦これ漫画を見返して思い出した。


最上 「ねぇ、みっちゃん。」ヒソヒソ


三隈 「なんですの?」


最上 「五月雨ちゃんってさ、本当に五月雨なのかな?」


三隈 「・・・は?」(゚Д゚)


最上 「いや、そんな何言ってんのこいつ、みたいな顔してないでさ。」


最上 「おかしいと思わない?」


三隈 「別に何も・・・。」


最上 「あの五月雨がお風呂で転けなかったんだよ!?」


三隈 「貴女は彼女をなんだと思ってますの?」


最上 「さっきだって!五月雨ちゃんの足下に石鹸滑り込ませたら、普通に蹴り返してきたし!」


三隈 「呆れ果てましたの・・・。というか、何してくれてんですの!」


ギャアギャア・・・


日向ミニ「ドジっ娘じゃない五月雨は、五月雨でないらしいぞ。」フッ


五月雨「こちとら命懸けで直したってんですよ。」ケッ


日向ミニ「そこでものは相談なんだが・・・。」


五月雨「なんですか?」


ゴニョゴニョ ホホウ イイデスネ ダロウ?



鏡に映った自分が自分自身であることを信じたくない日もある。


最上 「みっちゃんは戦闘狂のくせに小心者過ぎるんだよ!」


三隈 「なっ!もがみんはマイペースが過ぎますの!少しは立場というものを・・・。」


???「おうおう!どうしたどうした、喧嘩かい?」


三隈 「・・・。」


最上 「・・・。」


???「なんでぇ、あたいの顔に何か付いてるかい?」


三隈 「もがみん・・・。私が間違ってましたの。」


最上 「・・・それだけ?」ジトッ


三隈 「申し訳なかったですの・・・。」ペコリ


最上 「うん、許す。」


???「おうおう、仲直りできたみてぇだなぁ。これにて一件落着ってか?」ニシシ


最上 「えへへ、涼風ちゃんの御蔭だよ。ありがとねっ。」ニコッ


涼風?「ん?あんだって?」ズイッ


最上 「涼風ちゃんの御蔭で仲直りできたよ。ありがとねっ。」ニコリ


涼風?「あぁんだってぇ~?」ズズイッ


三隈 「貴女、本当に涼風さんですの?」クビカシゲ


涼風?「とんでもねぇ~。あたしゃ、五月雨さんだ。」ムフン


三隈 「・・・最上。」


最上 「」ダラダラ


三隈 「私の謝罪を返してほしいですの。」ニコー


最上 「また今度ねっ。」ダッ


三隈 「最上ぃぃぃぃ!!」マチナサイ!!


ワーワー ドンガラガッシャーン! モガミィィィィ!!


日向ミニ「何も壊していないといいが・・・。」フアンダ


五月雨「それにしても、髪を結んで口調を変えたくらいで見抜けないものですかね。」チョットショックデス


黒霧 「五月雨も間違えたことあったよね?」


五月雨「ああ、初めて黄泉の川辺に行ったときですか。あれはノーカンですよ。」アハハ


三隈 「黄泉・・・死!?」


三隈 「嫌ですの!まだ死にたくありませんの!!」


最上 (嗚呼、川の向こうで鈴谷が手を振って・・・。)チーン



新入りよ、現実を受け止めろ。


最上 「酷い目に遭った・・・。」ハァ


三隈 「自業自得ですの。」フンッ


最上 「今日はもう疲れたよ。早くベッドで落ち着きたい。」フラフラ


三隈 「それには同意しますの。この基地は色々規格外過ぎて疲れましたの。」


最上 「それ自体は楽しいから良いんだけどね~。」アハハ


三隈 「全然良くありませんの・・・。」


ガチャリ


最上 「・・・。」


パタン


最上 「んん~?」クシクシ


三隈 「どうかしまして?」


最上 「いや、寝室って此処で合ってるよね?」


三隈 「ええ、間宮さんに訊きましたの。間違いありませんわ。」


・・・ダヨネ ナンデスノ?


最上 「ベッドがひとつしか無い・・・。」


三隈 「まさか、そんなはずありませんの。」ガチャッ


ベッド< シングルサイズやで。


三隈 「マジですの・・・。」


最上 「みっちゃんと添い寝か~。」アハハ


三隈 「断固拒否しますわ。」


ナンデサー アナタノネゾウサイアクデスノ!!


五月雨「なんで最上さんの寝相を知ってるんでしょうね~。」ニマニマ


日向ミニ「他人のことを言えた口か?」


五月雨「そうですよね~。私が寝た頃を見計らって日向さんがクロさんにキ・・・。」フガッ


日向ミニ「貴様・・・今夜はベッドで眠れると思うなよ。」ギラッ


五月雨「そっちこそ、バラされたくなければ温和しくしておくことですね。」フッ


クッ ワタシノマケダ フフン ショウリ♪


三隈 「・・・帰りたい。」


最上 「まだ一日も経ってないよ?」



思い出してみよう、この基地に寝室は・・・。


間宮 「こうやって、夜を過ごすのは初めてですね。」ヨリソイ


黒霧 「陸軍の憲兵と海軍の艦娘だったからね。こんなに近くで君を感じたことはないよ。」ヨリソワレ


五月雨(そらそうでしょうね・・・。)


間宮 「これからはずっと側に居ます。」ギュッ


黒霧 「あぁ・・・。」フフッ


日向ミニ「間宮よ。もっと寄ってくれ。落ちてしまいそうだ。」グイッ


五月雨(本当ですよ。)


間宮 「これ以上は・・・。その、唇が・・・。///」カァッ


日向ミニ「今更何を言うか。そのまま窒息してしまえ。」ムスッ


間宮 「時雨さんと、一晩中・・・!///」ボッ


五月雨「ちょっと、あまり間宮さんをからかわないでくださいよ。ただでさえ暑苦しいんですから。」タイオンガ


三隈 「シングルベッドに6人で寝ればそうもなりますわ。」ナンデコンナコトニ


最上 「」Zzz


三隈 「順応が早すぎますの・・・。」



このナンバリングもいつまで続くことやら。


5日目・・・。


五月雨「おはようございます。」ポヤポヤ


三隈 「おはようですの・・・。」フラフラ


最上 「」Zzz


五月雨「寝不足ですか?三隈さん。」


三隈 「ええ、あんな状態で眠れるはずありませんの。一部を除いて・・・。」チラリ


最上 「」スヤー


ドウシテクレマショウ・・・ マァマァ


三隈 「ところで、他の方々は何処へ行きましたの?」


五月雨「クロさんは港だと思います。うちには冷蔵庫が無いですから、物資搬入の準備をしているはずです。」


三隈 「そうですの・・・。ん?冷蔵庫が無い?」


五月雨「間宮さんは朝食の仕込みかな?日向さんは、クロさんと一緒なんじゃないですか?」タブン


三隈 「ちょっと待ってくださいまし。冷蔵庫が無いって、大丈夫ですの?」


五月雨「まぁ、なんとかなるんじゃないですか?」アハハ


三隈 「心配ですわ・・・。」


最上 「」グガー


三隈 「いい加減起きてくださいまし!」バチーン


イッタァ!! サッサトオキマスノ!


五月雨(今頃、輸送部隊が編成されてるんだろうな・・・。旗艦、誰だろ?)


・・・


???「急な異動が決まったかと思えば、すぐさま小間使いかいな・・・。ええ度胸しとるなぁ、大本営。」オボエトレヨ


ウゥ ベッドオモ・・・



ジェイソン・スゲーサム


日向ミニ「穏やかな海、爽やかな潮風。良い朝だな、父上。」


黒霧 「そうだね、日向。」


日向ミニ「こんな良い朝を迎える日には、何かが起こる気がしないか?父上よ。」


黒霧 「もう既に、色々起きてしまった後だけどね。」


日向ミニ「確かにそうだな。」フム


黒霧 「姉さんと僕が肉体を共有していること。」


日向ミニ「父上と母上が元憲兵隊であること。」


黒霧 「まだまだ隠していることはあるけれど・・・。」


日向ミニ「それを打ち明けるのは今ではない・・・か?」


黒霧 「そういうこと。」


日向ミニ「誰に、何処まで話すつもりなのだ?父上。」


黒霧 「そうだね。いずれ、この基地の常在メンバーには、この世界に関すること全てを・・・かな。」


ザーザー ピピッ


日向ミニ「・・・無線か?」


黒霧 「ああ、彼女達からだ・・・。」ナンダロ


???『サメ・・・デカイ・・・タスケロ。』


日向ミニ「行くのか?」


黒霧 「これを無視できるほど、冷酷ではないつもりだよ。」


日向ミニ「まぁ、そうなるな。」フフッ



行き先は事前にお伝えください。


最上 「・・・痛い。」ヒリヒリ


三隈 「今日から私達の訓練も始まりますの。もっと気を引き締めてくださいまし。」フンス


ミッチャン ソンナキャラダッケ? ダマリマスノ


間宮 「皆さ~ん。朝ご飯の用意ができましたよ~。」ヒョコッ


三隈 「」ビクゥッ


五月雨「は~い。今、行きま~す。」


三隈 「すぐに支度します、ですの!」ビシッ


最上 (ああ、間宮さんが怖いのか。)ナルホド


間宮 「そんなに堅くならなくても大丈夫ですよ。」ウフフ


間宮 「ところで、時雨さんと日向ちゃんを知りませんか?」


五月雨「港じゃないんですか?」


間宮 「そのはずなんですけど、姿が見当たらなくて・・・。」


ドコニイッタンデショウ? ・・・サァ?


・・・


日向ミニ「よかったのか?何も言わずに出てきて。」


黒霧 「まぁ、なんとかなるさ。」


日向ミニ「・・・このまま、何処かへ行ってしまうのもいいかもな。」


黒霧 「職務放棄は勘弁しておくれ。」アハハ


日向ミニ「冗談だ。」フフッ


黒霧 「何割くらい?」


日向ミニ「3割だな。」キリッ


黒霧 「そう・・・。」


日向ミニ「ああ、そうだとも。」フッ



道端で昔の知人とすれ違ってもわからない。女性は特に。


日向ミニ「ところで、方向が逆ではないか?父上。」


黒霧 「ちょっと用事があってね。」


日向ミニ「それは、この先に居る艦娘と関係があることか?」


黒霧 「まぁ、そういうことになるね。」フフッ


日向ミニ「そうか。」


・・・


???「あかん、限界や。こない重いもん、うちひとりで運べるわけないやろ・・・。」ゼェ ハァ


???「牽引限界を超えて積載過多やから、装備外して抱えていけとか・・・。」グヌヌ


???「艦娘舐めとんのか!!孫が居るんかなんや知らんけど、防犯グッズ多すぎやろ!鮫用の撃退銛?いつ使うねん!」


???「孫の安全を守る前に、まずうちの安全を守らんかい!!」ウガー


ハァ ハァ


???「・・・疲れた。」


???「もう、深海棲艦の襲撃に遭ったことにして帰ろかな・・・。」


???「ん?人影?あれは・・・。」ンー


???「!!」パァ


???「クロさんやぁ!!」キラキラ


オォーイ! クロサーン!! ・・・チチウエ ヨケルジュンビハイイカ? ヨウシャナイネ