2022-12-03 22:54:27 更新

概要

日陰の想いを継ぎ、決意を新たにする訓練島の面々。今、全ての元凶が姿を顕す・・・。


前書き

メインストーリー三笠編も佳境となりまして、愈々黒幕が姿を現す運びと相成りました。嗚呼、やっと漣の伏線を回収できる・・・。三笠編とか言ってたけど、次の話、何にも考えてないな。蒼龍の件とかどうしよ・・・。ま、未来の自分がどうにかするか。では、本編ですよっ。


雨が、降ってきたな。


黒霧 「原初に帰せ。」スッ


サァァ・・・


紫苑茜「今度は"崩壊"を使うのね・・・火葬ではなくて。」


黒霧 「日陰にはもう還すべき魂さえ残っていないから。」


神命 「・・・。」


・・・ハァ


黒霧 「はい、辛気臭いのはここま・・・」


黒霧幻「へぶちっ。」クシュ


氷雨 「姉さん、風邪?」ハイ ティッシュ


黒霧幻「わかんない。」ズビッ


黒霧 「・・・ふふっ。だとしたら君が氷の雨を降らせたりするからだよ、氷雨。」


氷雨 「!?」ピシャーン


黒霧 「少しベッドで横になろうか。おいで、幻。一緒に休もう。」


黒霧幻「うん。」トテテ


氷雨 「僕も行く!」タッ


黒霧 「神命もおいで。」


神命 「・・・うん。」


ガラッ ピシャ



残して逝く無念か、残され生く苦悩か。


五月雨「何というか。重いですね~。いつもの元気は何処へいったのやら。」ヤレヤレ


蓮華 「流石の神命も親友の死は堪えたということだろう。父上も言っていたが、奴は黒霧で唯一、人並みの感情を持つ娘だからな。」


五月雨「いやいや、もう唯一ではないですよ?氷雨くんが居ますし。何なら幻ちゃんだって・・・。」


蓮華 「母親の葬儀中にくしゃみをするような奴がか?始めこそ号泣していたが・・・。見たか?つい今し方の奴の表情を。」


五月雨「・・・普通でしたね。」


蓮華 「そうだ。あれは母を亡くした絶望から心を閉ざし感情を封印したとかそういうものではない。」


蓮華 「ただただ平静を保っていた。まるで、自分に母親など始めから居なかったかのように・・・。」


蓮華 「私は鳥肌が立ったぞ。あれが純然たる黒霧の娘か・・・とな。」


五月雨「はあ・・・。ま、私達も黒霧の父を持つ娘ではありますけど、その血を継いでいるわけではありませんからね。」


蓮華 「まったく恐ろしいものだな。神すらも暗殺してみせる一族というものは・・・。」



病だと忘れてしまえたなら。


ヘブチッ


黒霧幻「ずび・・・。」ビヨーン


氷雨 「姉さん・・・はい。」グイ


黒霧幻「ん・・・。」チー


クシクシ


黒霧幻「ばしゅっ。」ブフッ


氷雨 「あ・・・。」ベットリ


黒霧幻「ごめん。」ズビッ


氷雨 「いや・・・。」フキフキ


黒霧 「幻、おでこ出して。」


黒霧幻「あい。」


ピト


黒霧 「んー。ちょっと熱い・・・かな。昼寝の心算だったけど、今日はもう休みなさい。」ポム


黒霧幻「お父ちゃんもいっしょ?」


黒霧 「幻が眠るまではね。」


黒霧幻「じゃあ寝ない。」


黒霧 「体長を崩してるときまで無理をしない。明日元気になれば、もっと一緒に居られるから。」コラ


黒霧幻「わかった。」ムフー



理由を考える前に動けよ、鈍間共。


黒霧幻「Zzz」スカピー


氷雨 「横になってまだ3秒くらいしか経ってないのに・・・。」エェ


黒霧 「それだけ疲れてたってことだよ。心の疲労は、自分が一番鈍感になりがちだから。」フフ


氷雨 「・・・。」


黒霧 「氷雨は寝ないでいいの?」


氷雨 「いい。寝るためについてきたわけじゃない。」


黒霧 「そう。」


氷雨 「・・・。」ムー


黒霧 「不満げだね。」


氷雨 「不満。そう。父さんが居るから。僕は姉さんの拠所となるために生まれたのに。父さん、邪魔。」


黒霧 「ふふっ。辛辣だねぇ。ま、わかっててやってるんだけど。」ニィ


氷雨 「このままじゃ、姉さんは自立できない。」ムゥ


黒霧 「そうかな。幻は良くも悪くも日陰によく似ている。多少の依存癖はあったとしても、気づけば自立しているさ。」


氷雨 「僕の生まれた意味・・・。」


黒霧 「生きる意味に固執すると陸なことにならないよ。理由なんて後付けするくらいで丁度いい。」



他人を蹴落としたところで自分の実力が上がるわけじゃない。


黒霧 「で、君の言う生まれた意味が果たされた後はどうする心算なのかな?」


氷雨 「姉さんが自立した後・・・。」


黒霧 「そう。幻はこの世界の生まれじゃない。だから連れて帰る。でも君は違う。確かにこの世界で生まれた、この世界の住人だ。」


氷雨 「・・・。」


黒霧 「さぁ、どうする?世界の歴史に名前を残さない君なら、必ずしも此処に残らないといけないわけでもないけれど。」


氷雨 「ついていこうとは、考えて・・・ない。今は。」


氷雨 「父さんの仕事は正しく導くことだから。定められた道を歩み続けるだけ。それは、僕のやりたいことじゃない。」


黒霧 「わかりやすい反抗期だね。」


氷雨 「違う。自分で決めたいだけ。何処を目指すのか、どう辿り着くのか。」


黒霧 「充分反抗期だよ。」フフッ


黒霧 「でもまぁ、好いことかな。父は息子の自主性を尊重するよ。」ポム


氷雨 「なら、暗殺術を教えてよ。僕は世界を変える力が欲しい。」


黒霧 「奪うことに何かを変える力は無いよ。悪辣な権力者を排除したからといって、必ずしも状況が好転するわけじゃない。」


黒霧 「何しろ、もっと悪辣な輩が台頭しないとも限らないからね。だから・・・。」


黒霧 「世界を変えたいなら創り出すことを覚えたほうがいい。それは僕に教えられることじゃないけどね。」クスッ


氷雨 「・・・。」ジトー


黒霧 「父をそんな瞳で見ない。」コラコラ



油断したとき、やってくる。


神命 「ふむぅ・・・。」ユラユラ


黒霧幻「Zzz」クー ッ


ヘバシュッ ウワワッ


神命 「あー、吃驚したぁ。眠ったまま嚔をするなんて・・・。」


黒霧幻「Zzz」ズビ


神命 「鼻水が・・・んもう。」フキフキ


ン・・・


黒霧幻「へっ・・・!」


神命 「」ビクッ


黒霧幻「Zzz」クー


神命 「ふぅ。」ホッ


バフシュ! アンギャアアア!!


黒霧 「何をやっているのやら。氷雨、よろしく。」ヤレヤレ


氷雨 「わかった。神命おばさん、どいて。」グイ


神命 「おばっ!?というか、私の服のほうが大惨事なんですけど!」


氷雨 「服なら脱いで洗えばいい。鼻水で窒息したら大変。姉さんが優先。」


神命 「おうこら、餓鬼んちょ。今此処で大人の色気魅せつけてやんぞ、こら。」オウオウ


黒霧 「やめなさい、恥ずかしい。大したスタイルでもないんだから。」


神命 「そうですか。私の肉体は見せるのも恥ずかしい肉体ですか、そうですか。」ズーン



色香にも色々あるのよ。


黒霧 「だいたい、神命の魅力は目に見えるものじゃないでしょ?」


神命 「・・・具体的には?」


黒霧 「天然縦巻ロールの白髪。」


神命 「視覚美!ちょっと癖っ毛なだけだもん!」


黒霧 「から香る血の匂い。」


神命 「え、うそ。最近は返り血なんて浴びて・・・たか。じゃなくて!そこはもっと別の・・・花の、香りとか。」イジイジ


神命 「私だって、一応、女の娘なんだし・・・?」


黒霧 「一応って。しかも疑問形・・・!」プフッ


神命 「なっ、何が可笑しいのさぁ!」ムー!


黒霧 「自信を持ちなよ。君は可愛いんだから。」


神命 「か・・・わいい。///」エヘヘ


黒霧 「そもそも、僕達にとって香りのするものは御法度だろうに。黒霧の匂いは空気の香りであるべきだ。基本でしょ?」


神命 「うぇへへへ。///」クネクネ


キイテナイナ


黒霧 「まったく。君の魅力は、どんな巫山戯た話題にも乗り切って魅せる愛嬌だと伝えたかったのに・・・。」ハァ


氷雨 「神命おばさん、気色悪い。」


神命 「んなはっ!?」グサッ


黒霧 「あーあ、二重にダメージが。」ヤレヤレ



腐ってるんだよ、魔力が。


神命 「お姉さんは酷く傷つきました。」シクシク


黒霧 「はいはい、おいで。」


神命 「やたっ。」ヒシッ


ヨシヨシ ムフフー


氷雨 「お姉さん・・・。」ヘッ


神命 「こら、そこぉ。今、鼻で嗤ったなぁ?」


氷雨 「だって、魂の枷が外れかけてる。年寄りの証拠だよ。」


神命 「氷雨くーん、女性に年齢の話をしちゃいけないんだぞー?」ピキッ


氷雨 「事実は受け入れるべき。いい歳なんだから。」


神命 「痛い目を見ないとわかんないかー。じゃあ仕方ないなぁ!!」バッ


黒霧 「子供相手に本気にならないの。」グイ


神命 「ふぐっ!?く、くびっ!兄様!首、締まってる!」ペシペシ


ゲホッ エホッ


神命 「あー、死ぬかと思った。」


氷雨 「自業自得。」


神命 「まだ言うか、この餓鬼。」キッ


黒霧 「君達、本当に相性が悪いね。」



時は止まれど永遠に非ず。


氷雨 「父さん達には、時の概念が無い。だから、時間の経過が原因で老いることはない。でも、摩耗はしていく。使った分だけ。」


黒霧 「そうだね。」フフッ


氷雨 「特に、魔力。魂から放たれる波動には、顕著に年齢が出る。」


氷雨 「肉体が未成熟なうちは、一度に使用できる魔力量を抑えるための枷が強く働く。だから子供は強力な魔術が使えない。普通は。」


氷雨 「肉体が魔力の反動に耐えるくらいに成長すれば、枷はその役割を変える。流れを止める堰から、調整する弁に。」


氷雨 「でも、何度も開いたり閉じたりしているうちに弁は緩んでいく。必要以上の魔力が溢れ出るようになる。それが、"老い"。」


神命 「小難しい話を長々と・・・。パルちゃんの要素は何処へと思ってたけど、こんなところに顕れてるなんて・・・。」クッ


黒霧 「パオラも勉強ができるほうではないけど、流石は元妖精族。魔力に関する知識は人一倍に豊富だ。」


黒霧 「ま、要するに、時間経過に起因しない変化は僕達にも生じるってことだね。魂の枷が外れかけているのも、そのひとつ。」


黒霧 「魔力を使えば使うほど一度に放出できる魔力量は増えるけれど、それは成長でなく老いだとする考え方がある。」


黒霧 「だからこそ晩年の魔術師が大魔法を大成させたりするわけだけど。肉体の許容値を超えた魔力の放出は寿命を縮める。」


黒霧 「老体には死をもたらしかねない。」


氷雨 「母さんのように・・・。」



聖母と同じ名をした魔女でした。


神命 「それに関して気になることがあるんだけど・・・。」


神命 「日陰って、何にそんな魔力を使ってたのかな。」


黒霧 「さあ?少なくとも、氷雨を無事に誕生させるために相当の魔力を費やしたことは確かだね。」ポム


氷雨 「だから母さんの意志は僕が継ぐ。父さんは引っ込んでていい。」フ


黒霧 「中々言うじゃないか。」ウリウリ


氷雨 「任せろ。」フフフ


神命 「あー、うん。なんか、こう微妙に噛み合ってない感じ日陰にそっくりだわ。」ウン


デモサ


神命 「疑問はそれだけじゃなくて。幻ちゃんって、日陰の"浄化"を受けて正気に戻ったんだよね。」


黒霧 「そうだね。」


神命 「じゃあさ。なんで昔の記憶があるの?"浄化"は完全に記憶を消し去る荒業なのに。」


黒霧 「・・・。」


神命 「・・・兄様?」


黒霧 「これは僕の勝手な想像だけど・・・。」



自分で決めたことならば。


神命 「魂の記憶を無理矢理繋げた・・・?」


黒霧 「うん。」


神命 「いや、でもそれって・・・」


黒霧 「できないはずだよ、本来なら。日陰の能力は今に干渉するものだからね。過去を保管して現在に繋げることはできない。」


黒霧 「直接は・・・ね。」


黒霧 「例えば・・・そう。一度、幻に憑依して記憶を覗き、間接的に自分の記憶として取り込んだものを植え付け直す・・・とか。」


黒霧 「これなら日陰の能力の範疇で記憶を補完することができる。」


黒霧 「ただ、母娘とはいえ他人に記憶を植え付けるんだ。それが自分の記憶と錯覚させるために、相当気合を入れただろうね。」


神命 「しかも氷雨くんに魔力を分け与えている状態で・・・か。日陰って、そんな子煩悩だったっけ。」ハァ


神命 「無茶しすぎなんだよ、莫迦日陰・・・。」



かもめの魂は何処へ往く。


ヘップチョイ!


黒霧幻「んん・・・。」パチクリ


神命 「あらら。起きちゃった。」


黒霧 「嚔が酷いね。無理に魂を入れ込まれた拒絶反応でも出てるのかな。」


神命 「母娘なのに?いや、そもそも本当に日陰の娘なの?」


黒霧 「どうだろう。まぁ、今となっては確かめようのないことだから。日陰の言葉を信じるしかないさ。」ナデナデ


黒霧幻「んん~。」Zzz


黒霧 「それよりも・・・今は、これからのことを考えよう。」



好きよ好きよも嫌のうち。


神州丸「・・・。」


ア イタイタ


パオラ「神州丸~。」ブンブン


シュバッ ヘッ?


神州丸「パオラっ!」トウッ


ズドム


パオラ「おはぁっ!」


ドテッ


神州丸「見つけた。やっと見つけた!パオラパオラパオラぁ~!」スリスリ


パオラ「そ・・・そう。よかった、わね・・・。」プルプル


天龍 「何やってんだ、お前ら。こんな所で抱き合って。」


龍田 「あたしにはパオラちゃんが襲われているようにしか見えないのだけど~。お姉ちゃんにとっての抱き合うはこれなのね。」ウフフ


チゲェヨ


神州丸「やっと、見つけたのぉ!!」クワッ


パオラ「わ、わかった。わかったからっ。一旦、降りてちょうだい。息ができないわ。」コヒュー


神州丸「パオラぁ!!死んじゃいやあぁ!!」ユサユサ


パオラ「だ・・・から、おり・・・。」カクカク


天龍 「降りろよ!お前が重い所為で息ができないって言ってんだよ!」ガシ


神州丸「私が重い女だってことくらい知ってる。」ジト


天龍 「そうじゃねぇよ!?」


パオラ(あ、これ・・・結構ヤバいかも・・・。)ガクッ


チーン パオラ!?


神州丸「じ、人工呼吸!」グイ


天龍 「莫迦!気道確保が先だ!」ドケ!


神州丸「いや!パオラは私が救う!」キッ


天龍 「追いこんでるのもお前だけどな!?」


ギャー ギャー


龍田 「こういうときは時雨さんを頼るのが一番かしら。」ウーン


ヨシ


龍田 「ちょっといってくるわね~。」ルンタッタ♪



そんなにも人を好きになれるあなたが羨ましい。


コンコン


龍田 「お邪魔しま~す~。」チラ


黒霧幻「Zzz」


神命 「Zzz」


氷雨 「Zzz」


黒霧 「」クー


龍田 「あら、あらあらあらあらぁ。」ウフフフ


龍田 「仲良く抱き合って・・・はないわね。よく見ると。」


龍田 「時雨さんに背中から抱きつく神命ちゃんと、向き合って胸にしがみつく幻ちゃん・・・の隣の・・・。」エット


ダレカシラ


龍田 「それにしても・・・時雨さんの寝顔、きゃわわ~。///」ウフッ


龍田 「何でも見透かすような瞳がちょっと恐いけど。瞼って偉大ね。閉じるだけでこんなにも印象が変わるんだもの。」


龍田 「・・・。」ウズッ


龍田 「ちょっとだけなら・・・。」ソワソワ


ソーット


龍田 「ん・・・。」チュ


黒霧 「」スー


龍田 「むふ。むふふふぅ。」ンフッ


龍田 「しちゃった、しちゃった、やっちゃったぁ~。」キャー


龍田 「自分からした初めてのキス・・・ほっぺにだけど。」


ハァ


龍田 「キスっていいものね~。」ウットリ



さて、誰が誰の本名を知ってるんだっけな。


サテト


龍田 「最後に写真撮っちゃお。こんな機会、滅多にないし。あたしの初めて記念だもんね。」ウフフッ


龍田 「こんなこともあろうかと明石ちゃんにスマホ風カメラを融通してもらってたのよね~。」フンフーン♪


龍田 「えっと、確かこれをこうして・・・。」ンー?


ア デキタ


龍田 「はい、ち~」


黒霧s「いぇい。」ピース


龍田 「ず・・・。」


パシャ


龍田 「あの・・・いつから・・・。」


神命 「部屋の前に着くちょっと前。」


氷雨 「お姉さんが入ってきたとき。」


黒霧 「僕はそもそも寝てなかった。」


黒霧幻「くしゅっ。」Zzz


黒霧 「幻はぐっすりみたいだね。」フフッ


龍田 「あぅ・・・。///」シュー


黒霧 「それにしても、花。君って案外、肉食系なんだね。」ニッコリ


龍田 「それ以上は言わないでぇ。///」ウゥゥ



良い意味で一発屋!by 鬼灯


龍田 「嗚呼、最悪よぉ。人知れずこっそり楽しむ予定だったのにぃ。///」ウゥ


黒霧 「こっそりって。好意は相手に届けてこそ芽吹くものだろうに。」


龍田 「いいの、知られなくて。あなたの知らない大胆な関係って、燃えるじゃない。」ムフー


黒霧 「君も大概歪んでるね。」アハハ


龍田 「はぁ・・・いいのよ、本当に。時雨さんのことは好きだけど、そういう関係になりたいわけではないし。」


龍田 「そもそも今のあたしに恋愛は無理。男の人と目を合わせるの怖いもの。」キッパリ


黒霧 「慣れてから恋しますって?花はもう29でしょ。幾つになってから恋を始める心算なのさ。」


龍田 「い・・・今は17歳だもん。」メソラシ


黒霧 「そこからの12年、あっと言う間だったんじゃない?」


龍田 「ぐ・・・。」ウッ


黒霧 「飛び込んでいかないと慣れるものも慣れないよ。あ・・・だから密かに大胆に・・・。」ナルホド


龍田 「」フイ


黒霧 「僕を練習台にするとは、君も中々、恐いものを知らないね。」フフフ


龍田 「仕方ないじゃない身近な男性は時雨さんしか居ないしそりゃバレたら恐いのは知ってたけどでも外でなんて・・・」ブツブツ


黒霧 「あー。ごめん、花。練習ならいくらでも付き合うから、戻っておいで~。」


龍田 「・・・デート。」ボソ


黒霧 「一日しっかりと半日あっさり、どっちにしようか。」


龍田 「え?えっと・・・。ど、どうしよっかな。こんなにすんなりオッケー貰えるとは思ってなかったから。迷っちゃうなぁ。」エヘヘヘ


黒霧 「さ、パオラを救出にいこうか。心が決まったら誘いにおいで。」タッ


エ?


龍田 「誘う・・・?あたしが!?ま、待って!それは流石にハードルがぁ!!」


黒霧 「これも練習のうちだよ~。」スタコラー


オニィィィィ!!



非効率の中にこそ。


神州丸「いぃやあぁ!私がするのぉ!!」


天龍 「漫画でしか人工呼吸を知らねぇ奴が駄々捏ねてんじゃねぇ!てめぇ、口窄めてただろ!キスとは違うんだぞ!」


神州丸「やあぁあぁ!」


天龍 「こいつっ!本当にパオラが大事なら、正しい知識を持った奴に任せやがれ!命が掛かってんだぞ!」ギラッ


神州丸「ぐっ・・・ぅうぅうううう!!」ギリッ


ポタッ ポタ・・・


天龍 「血が・・・。」コイツ


ハァ


天龍 「お前が本気なのはよくわかった。だから後は任せろ。パオラは必ず俺が・・・」


ヨーセッ


黒霧 「ふんっ。」ドッ


パオラ「がっはっ!」ゲホッ


ゴホッ アッハ


パオラ「はぁはぁ・・・。一瞬死んでた、あたし。」フゥ


天龍 「俺が・・・。」


黒霧 「おかえり、パオラ。」


パオラ「ええ、ただいま。というか、もっと他に起こし方なかったわけ?女に掌底打ち込むとか、どんな鬼畜よ。」


黒霧 「拳じゃ痣をつくるだけで内に衝撃を伝えられないから。効率的でしょ?」


パオラ「いや、そうじゃなくてね・・・?どうしてこう男って気持ちより効率を優先させるのかしら。」ハァ


天龍 「おれが・・・。」プルプル


龍田 「かっこよかったわよ、お姉ちゃん。」ヨシヨシ



聞く気が無いときもあるわけで。


神州丸「パオラぁ~!」トウッ


黒霧 「おっと。」グイ


アゥ


神州丸「うー。ぱおらぁ。」プラーン


黒霧 「死の淵から帰ってきたばかりの人に飛びついたりしないの。優しく、そっと・・・ね?」ニコリ


神州丸「・・・あい。」ウゥ


パオラ「へぇ。まさか時雨の口から"優しく"なんて言葉が出てくるとは・・・。あんたも丸くなったわね~。」シミジミ


黒霧 「僕は昔からこんなだけど。君は今まで僕の何を見てきたの?」ストーカーノクセニ


パオラ「あっは。ごめぇん、お姉さん最後のほうよく聞き取れなかったぁ。もう一度言ってもらえるかしらぁ~。」ニッコー


黒霧 「前々から疑問だったんだけど、パオラ自身は何の心算で付きまとってたの?」


パオラ「言い方・・・。そういうとこ本当そっくりね、あんた達。」マッタク


パオラ「あたしとしては、見て盗んでただけ。強いて言うなら・・・憧れを抱いた少女A?」


黒霧 「それなのに姉面してたんだ。」


パオラ「なに・・・不満だったの?」


黒霧 「まさか。ただ、よくもまぁ気持ちの整理がついたものだなって思っただけだよ。」


パオラ「不満だったんじゃない。」


黒霧 「ないって。」


パオラ「不満だったんでしょお。」ムゥ


黒霧 「だからないってば。」


パオラ「不満だったくせに。」ムー


黒霧 「しつこい・・・。」


パオラ「ふーんだ。」ツーン


黒霧 「そういうとこだけ17歳を演じなくていいから。」


パオラ「だからあたしの依代になった娘はって、この肉体に憑依させたのあんたでしょ!?」


黒霧 「いや、違うけど。」


エ ウソ・・・ チガウヨ?



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2022-11-20 19:10:25

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SS好きの名無しさんから
2022-11-14 22:42:39

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