2022-01-15 01:16:30 更新

概要

時雨と五月雨の活躍により、人間関係を整理させられた天龍達。新たな決意を胸に未来への一歩を踏み出した彼女達の前に、乗り越えるべき壁が姿を現す・・・。


前書き

さて、後半戦。
白くて黒い女の子の正体は、時雨と日陰の娘、"幻(まほろ)"だった。
而して、天龍の夫の仇である白髪・紅瞳の少女の正体は・・・?
さぁさ、放置していた伏線のような何かを回収しつつ、物語を進めていきますよっ。


上が駄目だと下が育つ。


チュンチュン


神命 「んぁ・・・。」パチッ


ムクリ クァ~ フゥ


神命 「寝た気がしない。」ズーン


比叡ミニ「Zzz」グガー


霧島ミニ「Zzz」スー


神命 「くっそ。金剛姉妹のお守りがこんなに大変だったなんて。榛名ちゃんが家出するわけだよ。」


金剛 「んー。ぐれ~ん。」ムフフ


神命 「この長女がもう少ししっかりしていればっ。」イラッ


金剛 「えへへ~。」ムニャムニャ


神命 「幸せそうな顔してぇ!」ムー!


モゾッ


神命 「あれ?なんか、不自然な膨らみが・・・。」


バサ


???「んみゅう?」


神命 「な・・・なんじゃこりゃあああ!!」



わからない 笑いのツボも 涙の鍵も


ダダダダ


南方戦「何、今の!?どうしたの!?」バァン


神命 「み、南ちゃん。あれ・・・。」フルフル


???「んちゃ。」ヨッ


南方戦「・・・。」クルリ


スー


南方戦「ぐれぇぇん!ちょっと神命の部屋まで来なさぁぁい!」


ゼー ハー


南方戦「取り敢えず、これでいいかしら。」フゥ


神命 「うん。でも、小さい娘の前で大声出すのはやめようね。泣き出しちゃうかもだから。」ミミフサギ


???「なぅ?」ミミフサガレ


南方戦「あ、ごめん。」



覚悟を決めた時、女は母となる。


鳳紅蓮「なんだよ、朝っぱらからうるせぇな。」ネミィ


南方戦「悪かったわね。でも、あれを見たら目、覚めるわよ。」クイ


鳳紅蓮「はぁ?見ただけで目が覚めるなら誰も朝陽を憎んだりしね・・・。」ピシッ


???「ぱぅぱ!」キャイキャイ


鳳紅蓮「ちっちゃい金剛・・・だとっ。」ズガーン


こんご「ぱぅぱ!こっこ!」アゥアゥ


神命 「ほら紅蓮。抱っこだってさ。」ホイ


鳳紅蓮「なんで赤ちゃん言葉がわかるんだよ、お前。」ヨット


神命 「だって私、黒霧では養育舎の手伝いをしてたから。」


鳳紅蓮「神命が世話上手とか・・・イメージねぇな。」ヘッ


神命 「うっさい。これでも経産婦じゃ。舐めんな、莫迦たれ。」



鍛えてるとわからないって聞くよね。


金剛 「ん~。何事ネー。」クシクシ


神命 「金剛ちゃん。何か変わったことない?下半身の一部が痛いとか。」ガシッ


金剛 「え?なんでそんな限定的なノ?」


神命 「いいから!」


金剛 「え、えっと・・・。」ハッ


金剛 「なンだか身体が軽くなった気がしマース。」ニコッ


神命 「ということは・・・。」


南方戦「寝てる間に出産?聞いたことないわよ、そんなアンビリバボーな話。」


Oh! フトンガビショビショネー!



子育てを手伝うと謂うべからず。


鳳紅蓮「ほれ、金剛。お前の娘だ。」


こんご「まんま!」アイ


金剛 「・・・。」


鳳紅蓮「どうした?抱いてやれ。」ホラ


金剛 「Yes.」ソッ


こんご「あ~ぅ。」スリスリ


金剛 「私にそっくりな very cute な女の子デース!」ウォォ


ワイワイ


南方戦「アンタ、やることやってたのね。」


鳳紅蓮「断りきれなかっただけだ。本気で泣きやがるから・・・。」


神命 「でも、できたからにはちゃんと面倒見なさいよ。"お前の"じゃなくて、"俺達の"娘なんだから。」バシッ


鳳紅蓮「だっ。てめぇ、一々叩くな。」


神命 「こうでもしないと理解しないでしょ?子育ては親の仕事であって、母親の仕事ではないからね。忘れんなよ、この野郎。」ギロッ


鳳紅蓮「お、おう・・・。」


南方戦(そういえばワタシ、あのひとに蓮華の世話任せっきりだったかも。今の神命、なんか怖いし、黙っとこ。)



きっとその言葉は使わない。


金剛 「は~い、ご飯ですヨ~。」ムフフ


こんご「あ~うっ。」ムグムグ


金剛 「おいちいでしゅか~?」


こんご「あ~い!」


金剛 「それはよかったデース!」ニヘラ


南方戦「あの離乳食作ったの、ワタシなんだけど。」ネェ


神命 「因みに作り方を教えたのは私。」


龍驤 「産まれたばっかの赤子に固形物食わすなや。」


神命 「・・・なんで龍驤ちゃんが居るの?」


龍驤 「しばくぞ、きさん。」アァ?



子孫の残し方は種それぞれ。


南方戦「ところで、あの娘の成長速度、ちょっと異常じゃない?」


神命 「そりゃ、紅蓮の娘だし?」


龍驤 「ちょい待ち。それ以前に金剛は建造組やろ。子供は産めんはずやで。」


神命 「それこそ紅蓮の娘だからだよ。鳳の一族は、生殖機能を持たない代わりに分裂して増殖する能力を備えてるの。」


南方戦「金剛の腹の中で増えたってこと?それって、なんか・・・。」ウワァ


龍驤 「まるで寄生虫やな。」



欠勤と代役の依頼はセットで。


カチャ


最上 「おはよ~。」


龍驤 「おはよう。最上にしては随分と早いお目覚めやな。」


最上 「・・・なんで居るの?」


龍驤 「お前もか。ちゅーか君の部屋に泊まったやろ。」


最上 「そうじゃなくてさ。龍驤が此処に居たら誰が今日分の食糧やら資材やらを運ぶのって話。」


龍驤 「寝るなってか・・・。ちゃんと代役頼んでるから安心し。」


タノモー


龍驤 「お。噂をすれば、やな。」


南方戦「はーい。」スタスタ


最上 「あ、今のなんか主婦っぽい。」


南方戦「主婦ですけど!」


龍驤 「はよ開けたりぃな。」



寝そうで寝ない。


金剛 「んふふふ。」ニヨニヨ


こんご「あぅ。」ウトウト


神命 「お腹いっぱいになったから、おねむかな。」


金剛 「眠気を我慢してる顔も可愛いデース。」フフ


最上 「え・・・。いつの間に産んだの?」


龍驤 「つい今朝方な。」


ギャアアア!


龍驤 「なんや、今の悲鳴。」アン?


最上 「女の子の声だったね。」


こんご「おぅ?」パッチリ


金剛 「・・・。」


神命 「あらら。目、覚めちゃったかな?」


金剛 「ちょっと絞めてきマース。」ゴゴゴ


神命 「娘ちゃん、預かっとこうか?」フゥ


オネガイシマース



時々忘れそうになる。


最上 「かなり怒ってたね、金剛ちゃん。」


龍驤 「素直な娘やからな、色んな意味で。」


アノー ン?


霧島ミニ「お姉様がもの凄い形相で出ていったのですが・・・。」


龍驤 「気にせんでええよ。ちょっと親莫迦な母になっただけやから。」


霧島ミニ「はぁ・・・。あ、それからもうひとつ。」


龍驤 「ん?」


霧島ミニ「南方棲戦鬼さんが大本営からの輸送部隊を出迎えにいかれたようですが、よろしかったのですか?」


龍驤 「・・・あ。」


最上 「深海棲艦の居る日常に慣れすぎて忘れてた。」ヤッベ



苺の成立ち。


「ちょっと!ちょっと!鬼級が出るだなんて聞いてないんだけど!?」


「私だって知らないよ!何とかしてよ!」


「何とかって何よ!機銃しか積んでない私にどうにかできるわけないでしょ!一応は砲を積めるあんたがどうにかしなさいよ!」


「今日は荷物が多かったから置いてきたの!」


「使えねぇ!!」


「あんただって!その荷物の半分は置き場が無いから処分しろって、まーくんに怒られた発明品だって知ってるからね!」


「何故それを!?」


「ちょっとその中身見せて!きっと碌でもないマッドな発明が・・・!」ゴソゴソ


「失礼な!どちらかというとマッド担当はあんたでしょうが!」


「五月蠅い!苺ミルク!」


「なんだと、このおっぱいメロン!」


「誰がメロンだ、こらぁ!!」


ギャーギャー


南方戦「ワタシはいったいどうすればいいのかしら。」



変わらないからこその定番。


???「連れが申し訳ありません。一応、説明はしていたのですが・・・。全く話を聞かないふたりで・・・。」ハァ


南方戦「別に気にしてないわよ。あのふたりの口論は聞いてて面白いし。」


???「その言葉を聞いて安心しました。では、改めまして。」コホン


加賀 「私は加賀と申します。大本営の筆頭秘書艦を務めております。そして、元帥の妻です。」キリッ


南方戦「そう。ワタシは南方棲戦鬼。南でいいわ。そして、伝説の憲兵の妻よ。」フフン


加賀 「存じております。向こうで騒いでいるふたりは"苺ミルク"と"メロン"で構いません。」


???「構いますけど!?」


南方戦「いきなり渾名で紹介されてもね。その由来がわからないことには覚えにくいんだけど?」


加賀 「それもそうですね。」フム


???「え?待って!夕張メロンはともかく私のはっ!」


夕張 「おぉい!自分だけ逃れようとか、それはないんじゃない!?明石はねぇ!おっぱいからぼ・・・。」


明石 「わー!あんたのと私のとじゃ受けるダメージの桁が違うの!わかるでしょ!?」


加賀 「明石さんは母乳が出る体質なんです。因みにそっちの経験はありません。」シレッ


明石 「身内にも鬼が居たぁ!」ウワーン


夕張 「はっ!ざまぁ、みそしれ!」ヘッ


加賀 「夕張さんは小学校低学年の頃から胸が成長し始め、当時は無自覚に上半身を曝していたそうです。」


夕張 「その話はやめて!今でも同窓会の度にイジられるんだから!」ハゥ!


加賀 「要するに、胸にコンプレックスのあるふたりです。まったく、堂々としていればいいものを。」フッ


南方戦「アンタ、いい性格してるわ・・・。」



結果論で片づけられるのは過去だけ。


明石 「あぁ、もう最悪。新しい職場では隠し通していくつもりだったのに・・・。」グスッ


夕張 「私だって、ただ大きいからってことにしようと思ってたのに・・・。」ズーン


明石 「でも、育ちきった今だと言うほど大きくないのよね。」


夕張 「言うなよ。昔は比較対象がまな板だったんだよ。」ハハッ


加賀 「まぁ、知られた相手が女性だっただけましではないですか。この基地唯一の男性は、丁度出張中ですから。」


夕明石「元凶が言うな。」オイ


ボカーン! ヒィッ!


金剛 「貴女ですか?私の可愛い娘の眠りを妨げたのは・・・。」オォォ


明石 「金剛ちゃんがちゃんと日本語喋ってるっ。」ガタガタ


夕張 「こわっ。ていうか、弾掠ったんだけど!?抉れてない?ねぇ、抉れてない!?」ガシッ


明石 「やめて。そんなグロい顔、近づけないで。」ヒキッ


夕張 「私、女の子なのにぃ~!」ウワーン


加賀 「落ち着きなさい。入渠すれば治ります。」


夕張 「治るならいいって話じゃないでしょ!」クワッ


金剛 「まだ、足りないようですね。」ゴゴゴ


南方戦「一瞬で母になったわね、あの娘。」


加賀 「すみません。金剛をお願いできますか?私はこっちをどうにかしますので。」


南方戦「ええ、わかったわ。」ヤレヤレ



見て学ぶ習慣は子供のうちにつけるもの。


金剛 「もう一発・・・。」ガション


夕明石「ひぃっ!」ダキッ


南方戦「やめなさい。」ゴス


アウッ


金剛 「んもう。何するデース!」サスサス


南方戦「何するじゃないわよ。アンタの今の姿、可愛い可愛い娘に見せられるわけ?」


金剛 「母には娘の知らない顔があるものデース。」フン


南方戦「あっそう。その科白、振り返ってもう一度言ってもらえるかしら。」


金剛 「何度でも言ってやるデース。母には娘の知らない顔が・・・。」クルッ


こんご「あいあ~い。」ンチャ


金剛 「」ピシィ


南方戦「親が子供を見守るように、子供も親を見ているものなのよ。いつ、どの場面を見られてもいいように、心掛けておくことね。」フフン


神命 「今回に限って言えば、南ちゃんが嵌めただけだけどね。」



考える力を持つ子は個性的。


神命 「はい、お母さんにパ~ス。」


こんご「ま~う!」


金剛 「い、いえーす。」フルフル


神命 「金剛ちゃん、気にしすぎだって。小さい頃の記憶なんて、どうせすぐに消えちゃうから。」


金剛 「そうですよネ!」パァ


神命 「人格形成には影響するかもだけど。」ボソッ


金剛 「」チーン


蓮華 「紅蓮の娘という時点で手遅れだろう。」ヌッ


金剛 「なっ!そんなことないデース!紅蓮は素敵な旦那様デース!」ムゥ!


こんご「あうあうあ~う!」


神命 「蓮華ちゃん、今まで何処に・・・。」


蓮華 「紅蓮のやつに子育てのいろはを教えてやっていたのだ。」ドヤァ


南方戦「何それ、すっごい不安。」


蓮華 「何を言う。全て父上の受け売りだぞ。」


南方戦「だからよ。あのひとの娘、碌なの居ないじゃない。」


蓮華 「・・・そうだな。」


神命 「認めちゃうんだ・・・。」アハハ



地球史上最大の災厄は人類の誕生かも知れない。


加賀 「久し振りですね、金剛。」


金剛 「加賀・・・居たんデスカ。」


加賀 「・・・ええ、このふたりを不要なガラクタと一緒に廃棄しに来たのですよ。」イラッ


チョット!?


明石 「私達の発明はガラクタなんかじゃないもん!」


夕張 「そうだそうだ!島ひとつ吹き飛ばすくらいわけないんだからね!」


加賀 「そんな危険物を実際の戦場でどう使えと言うのですか?諸共に吹き飛べとでも言うつもりですか?」ギラッ


夕明石「ゴメンナサイ」


コホン


加賀 「というわけで、この災厄を生み出す莫迦ふたりをお願いします。」


南方戦「そんな危険人物を寄越されても困るんだけど。」


蓮華 「何、心配は要らんさ。此処には好き勝手開発ができるような資源の余裕はないからな。」


南方戦「じゃあ、アンタが好き勝手開発に使ってる資源は何処から来てるのよ。」


蓮華 「大本営からだが?」


南方戦「やっぱり。アンタ、資源の無断使用してたのね。」ハァ


蓮華 「違うぞ、母上。大本営から送られてくる資源の殆どは元から私用のものだ。納品書にもそう書いてあるだろう?」


南方戦「あのひとはっ・・・。いや、それを許可した真宵も真宵か。」モウ


加賀 「ともかく、このふたりをお願いします。資源の遣り繰りを叩き込んでやってください。」


蓮華 「ああ、任された。」フフン



日常点検と偶の定期点検。


夕張 「ねぇ、私達あの娘の下で働くことになるの?」ヒソヒソ


明石 「そうなんじゃない?何処までできるのか知らないけどさっ。」


夕張 「へへっ。お手並み拝見といきま・・・。」


三隈 「ただいまですのー。」トッ


夕明石「へ・・・?」


蓮華 「なんだ、もう帰ってきたのか。もう暫くは向こうに居るものと思っていたぞ。」


三隈 「またすぐに戻りますの。ただ、蓮華さんが設計した動力部に関しては、クロさんでも修理ができないということでしたから・・・」


蓮華 「・・・壊したのか?」アァ?


三隈 「ち、違いますの!ちょっと調子が悪いだけですの!」アセアセ


蓮華 「私と父上の合作を僅か数ヶ月でぶっ壊すとはな。いい度胸だ。」ズゴゴ


三隈 「スミマセンデスノ」


明石 「あの娘には逆らっちゃ駄目だ。」オゥ


夕張 「やっべー。かっけー。」キラキラ


明石 「やっぱりあんたとは相容れないわ。」



英国では魔除けの儀式。


加賀 「ところで、貴女が抱いているその娘は・・・。」


金剛 「私の娘デース。羨ましいデスカ?」ニヤァ


加賀 「別に。」ケッ


金剛 「え~。本当に~?素直に羨ましいと言えば、抱かせてあげてもいいですよ~?」ニマニマ


ブチッ


加賀 「結構です。直にその娘より可愛い娘を産みますので。」ニコォ


金剛 「私の娘より可愛い?ありえないですね!そもそも、男の子だったらどうするんですかぁ?」ハッ


加賀 「女装させます。」


南神命「やめてあげて!?」


明石 「ていうか、金剛ちゃん。普通に喋れるじゃん。」


夕張 「いったいどっちが素なんだか。」ヤレヤレ



最初に覚えた漢字は"鑑"でした。


鳳紅蓮「あー。頭いてぇ。」フラフラ


神命 「久し振りに頭使ったからでしょ?この脳筋。」


鳳紅蓮「そりゃてめーだ。俺は別に勉強は苦手じゃねぇ。」


神命 「あぁ?じゃあ紅蓮は自分の名前、漢字で書けるの?」


鳳紅蓮「ほれ。」サッ


神命 「・・・。」


鳳紅蓮「何なら、てめーの名前も書いてやろうか?」ニィ


神命 「くっそ。」チッ


鳳紅蓮「どうせ自分の名前しか書けねぇんだろ、お前。」


神命 「言い返せないぃ。」グギギ


南方戦(蓮華にできなかった分、神命に勉強教えてあげようかしら。)フム



無理をしないのは逃げだが悪ではない。


鳳紅蓮「金剛、そいつ寄越せ。」


金剛 「んもう。自分の娘をそいつだなんて、言葉遣いが乱暴ですヨ?」


こんご「お~。」


鳳紅蓮「"紅華"、手ぇ握れ。」


こんご「あい。」ギュ


金剛 「"こうか"?」


鳳紅蓮「こいつの名前だ。適当に考えた。」


こんご「うぃ。」パー


神命 「適当って。娘の名前なんだからちゃんと真面目に・・・。」


金剛 「好い名前デス!」ムフー


エェ


鳳紅蓮「意味ならあるぜ。この紅い髪から連想して紅の華、紅華。」


こんご「あ~い!」ボコッ


神命 「安直・・・。てか、さっきから何してんの?紅華ちゃん、膨らんでない?」ダイジョウブ?


鳳紅蓮「蓮華の話を聞いて色々と考えた結果、俺に子育ては無理だと悟った。」


神命 「でしょうね。」


鳳紅蓮「だから、子育てをしないことにした。」


・・・ハ?


鳳紅蓮「紅華は俺の細胞が金剛の胎内で増殖して形作られた人型だ。なら、大地の魔力を吸って急成長した俺のように成長できるはず。」


こんご「う~。」ムクムク


鳳紅蓮「面倒を見てやる必要のない状態まで成長させてやれば、俺は子育てをしなくてもよくなる!」クワッ


神命 「その方法で成長するのは肉体だけでしょうが!中身のことを考えなさいよ!」


紅華 「その必要はないわ。私、貴女より賢いもの。」シュー


神命 「開口一発目がそれか。」オォン?



父娘と母の構図。


鳳紅蓮「紅華。お前、スルトの記憶はあるか?」


紅華 「ううん、あんまり。でも、父さんの記憶はあるわ。その・・・ルミナさんのこと、とか。」


鳳紅蓮「そうか。お前に勇者への怨みが無いならいい。飯を食ったら魔力操作の修行に付き合え。」ポム


紅華 「うん、わかった。」エヘヘ


金剛 「紅華は私にそっくりだったのに。もう髪の長い紅蓮じゃないですかっ。」ムスッ


紅華 「仕方ないわ、母さん。私は父さんの魔力を糧に成長したんだもの。父さん寄りの外見になるのは道理よ。」


金剛 「納得いきません。」フン


紅華 「困ったわ。どうしよう、父さん。」


鳳紅蓮「知らん。女の御機嫌取りは苦手だ。」


紅華 「そうね。時雨さんに丸投げしましょう。」


金剛 「こらー。それが嫁と母に対する態度かー。」



これも母娘の形。


南方戦「子育ての段階を飛ばすねぇ。」チラ


蓮華 「なんだ。私は急成長などしないぞ。」


南方戦「アンタはもう少し中身を退行させてちょうだい。」


蓮華 「そういう母上はもっと成長したほうがいいな。」フッ


南方戦「喧嘩なら買うわよ。」ゴキッ


蓮華 「そういうところだぞ、母上。幼い娘と同じ土俵で喧嘩をする親が何処に居る。あぁ、此処に居たな。」


南方戦「ぐっ。」


蓮華 「まぁ、私はそんな母上が好きなのだがな。母上が大人になってしまうのは寂しい。」フ


南方戦「・・・普通逆でしょ?その科白。」


蓮華 「私達の何処に普通があると言うのだ?」ニッ


南方戦「そうね。アンタもワタシも、普通じゃなかったわね。」フフ


蓮華 「一番の異常者である父上に毒されているからな。」フフン


南方戦「・・・。」


神命 「せめて何か言おうよ、南ちゃん。」ハァ



そんでもってこちらは。


ヲ級 「ここはもっとこうしたほうがいいと思うの。」カキカキ


黒霧 「それは構わないけど、操作がかなり複雑になるよ?」


ヲ級 「問題ないの。使いこなしてみせるの。」フンス


レ級 「父ちゃん、俺まだ眠い。」ポヤポヤ


黒霧 「僕の左膝、枕にする?日陰も肩で寝てるし。」


レ級 「おう・・・。」ポス


日陰 「Zzz」クー


近衛麗「・・・何これ。」


紫苑茜「いつものことでしょ?気にしない気にしない。」


黒霧 「ところで、五月雨と眠はどうしたの?」


レ級 「爆睡してる。徹夜したんだってよ。」クァ


黒霧 「そっか。ふたりには少し、負担を掛けすぎたかな・・・?」フム


鳳翔 「もう、駄目ですよ?成長期の娘達に無理をさせては。」メッ


黒霧 「ふたりを信じてるだけだよ。」フフ


鳳翔 「物は言いようですね。」マッタク


近衛麗「増えた・・・。」ズーン


紫苑茜「昨日、あんたに何があったのよ。」



ルールはそれを創った奴の為にある。by Kagami


漣  「そんで?こりがうちらの新しい艤装なのかにゃ?」


天龍 「みたいだな。」


龍田 「みたいね~。」ウフフ


漣  「ほ~ん。ま、それはいいとして。なんで艤装の説明ができる人が誰も居ないのかね。」


天龍 「知らねぇよ。直接あいつに訊けよ。」


朧  「撫子、いっきま~す。」テテテッ


曙  「待ちなさい。抜け駆けはなしよ。」ガシ


エー エー ジャナイ


潮  「でも、それだと艤装の使い方が・・・。」


龍田 「大丈夫よ~。手書きの説明書を預かってるから。」ピラッ


曙  「文字に起こす暇があるなら口で説明しろっての。」


天龍 「つーか、あいつ結構可愛い字書くんだな。」


マジデ!?


漣  「・・・あ。これ、蓮華たんの字だ。」


朧  「なんだ。つまらん。」ケッ



細いペンだと字の汚さが際立つ。


エート ナニナニ


漣  「父上へ。」


曙  「父さん宛てじゃないの!やっぱ父さんに説明させなきゃ駄目よ!」クワッ


漣  「前置きは飛ばして、艤装の説明は・・・うわ。これ読むの?」ウゲ


朧  「ちょー長いのねん。」オゥ


曙  「読まなきゃ仕方ないでしょ。使い方も何もわからないんだし。」


漣  「じゃあ、ばっさりごっそり端折りつつ・・・。」


マズ ナデシコ


朧  「おう!」


漣  「主兵装はマグネシウム合金を加工した篭手。なんか色々書いてっけど、要するに頑丈ってこったな。はい、おわり。」


朧  「おぅ!?」


漣  「んで、あかりんはぁ・・・衛星通信機。」


曙  「兵器ですらないじゃない!」


漣  「まぁまぁ。その真意は後でぱぱに訊こうぜ。」ドウドウ


潮  「あの、澪ちゃん。私は?」ソワソワ


漣  「姫姉のは・・・エネルギーシールド。」


曙  「やっぱり武器じゃないじゃない!何考えてんの、父さんは!」


漣  「いやいや、盾は立派な武器だぜ?使い方によっちゃ、剣よりも弓よりも槍よりも活躍できんだから。」


潮  「盾・・・。私が、みんなを護る・・・盾。」エヘヘ


朧  「姫姉、嬉しそう。」


龍田 「それで?肝心の貴女はどんな艤装になってるのかしら~。」


漣  「見てみそみ。」ホイ


龍田 「主兵装、仕込み刀と投擲用砲弾が数種・・・。」


コレダケ? オン


曙  「艤装ですらねぇ!」



もっと大切に。


天龍 「つーわけでだ。話、聞きにきてやったぜ。」


黒霧 「どういうわけかはわからないけど、よく来たねと言っておくよ。」


天龍 「阿呆言え。あんな奇天烈な艤装を寄越しといて、どうもこうもねぇだろうがよ。ちゃんと説明しろよ。」オラ


黒霧 「あぁ、七駆の・・・。なら、最終調整がてら話をしようか。」スック


ゴチッ ウッ


日陰 「いったぁ・・・。」サスサス


黒霧 「あ、ごめん。」


日陰 「ごめんじゃないよぉ。私のお腹には時雨くんの子供が居るんだから。もっと私に優しくして。」ムー


天龍 「子供?お前、嫁は深海棲艦なんじゃ・・・?」ハァ?


黒霧 「そうだけど?」


天龍 「なら、なんでこいつがお前の子供を身籠もってんだよ。」


黒霧 「もうそれが答えだよね。」


天龍 「やっぱりてめぇは危険だ!」クワッ



身体の距離は心の距離。


天龍 「いいか。この鎮守府の連中には手ぇ出すんじゃねぇぞ。特に、龍田にはな。」ズイ


黒霧 「君ってさ。純情初心な割に距離感が近いよね。レ級が君の胸に潰されてるんだけど。」


レ級 「Zzz」ムニュウ


天龍 「っ!///」バッ


黒霧 「いい加減に自覚しないと、襲ってしまうよ?」


天龍 「へっ。そんな冗談には乗らねぇよ。」ヒクッ


黒霧 「本当に、冗談だと思うの?」スン


天龍 「・・・。」タラー


黒霧 「期限は今日が終わるまで。それまでに自分の魅力を理解し、相応の振舞い方を身につけること。」


黒霧 「若し改善の兆しが見られないようなら、今夜襲うから。買い物序でに龍田から死ぬ気で学んできなさい。」


天龍 「はい、頑張ります・・・。」


黒霧 「じゃ、行こうか。おいで、ヲ級。」


ヲ級 「なの。」テテテッ



怒りの感情が湧かないのは関心が無いから。


ヲ級 「相も変わらずお父さんは鬼畜なの。」トテトテ


黒霧 「急にどうしたの?」


ヲ級 「さっきの宿題のことなの。合格にする気がないのが丸わかりなの。」フフーン


黒霧 「そんなことはないけどな。」


ヲ級 「そんなことあるの。喪女の龍田お姉ちゃんに天龍お姉ちゃんをどうこうできるわけがないの。」ヘッ


龍田 「本人の前で言うかしら、普通・・・。」


黒霧 「怒らないとは大人だね。」


龍田 「怒りを通り越して呆れてるだけ。それに、貴方の娘に手をあげたら後が恐いもの。」


黒霧 「大丈夫だよ。死んだほうがましって程度の苦痛を与えるだけで、殺しはしないからさ。」ニコリ


龍田 「ほら、恐い。」



よく寝れば今からでも伸びますか!?


漣  「おっす、ぱぱん。おはざーす。」ヨッ


朧  「ざーす。」


黒霧 「おはよう。」フフ


漣  「ヲーちゃんも、おはざー。」


ヲ級 「なの!」ニパッ


朧  「レーちゃんはおめざー。」ツンツン


レ級 「んがっ。」Zzz


曙  「ほんとよく寝るわね、この娘。」


漣  「姫姉みたいだな。」


潮  「私、そんなに寝てないよ!」


曙  「いつも昼寝してるじゃないの。」


漣  「だからおっぱいが育つんだよ。」ケッ


朧  「寝る娘はそだーつ。」オー


潮  「ふぇえ・・・。///」カァ


曙  「父さん、もうひとりくらいなら抱えられるわよね。」キリッ


漣  「あ、抜け駆けはなしだぜ、あかりん。俺もぱぱを枕にして寝る~。」


朧  「寧ろ私が枕になって寝るぅ。」ムフン


潮  「わ、私もっ。」


漣  「え~。姫姉、まだ育ち足りねーの?」


朧  「何処までも上を目指す。恐ろしい娘っ。」


潮  「そ、そんなのじゃないも~ん!」ンー!


黒霧 「」ヒョイ


ア・・・


黒霧 「さて、それじゃあ艤装の説明をしていこうと思うんだけど・・・。」シレッ


漣  「姫姉を膝に乗っけたまま普通に喋り始めたよ・・・。」エェ


朧  「一番恐ろしいのは、ぱぱなのねん。」


潮  「ぴゃ~。」エヘヘ


曙  「狡い。」ムゥ


龍田 「ここだけ切り取れば好い風景なのにね~。彼の本性が本性なだけあって、手放しに見とれてもいられないのよね。」フゥ



発破64


黒霧 「まずは撫子の篭手についてだね。」


朧  「さー。」スチャ


黒霧 「この篭手はマグネシウム合金で出来てるから、強度はそのままにかなりの軽量化を実現してる。」


朧  「我が神速の百裂拳を受けてみよ。」フッ


黒霧 「但し、マグネシウムは燃焼中に水気に触れると水蒸気爆発を起こすから注意してね。」


朧  「我が捨身の爆裂拳を・・・!」


曙  「黙って聞きなさい。」


アイ


龍田 「大丈夫なの?そんな危険物をこの危なっかしい娘に持たせても。」ツン


朧  「おぅ?」


黒霧 「だからこそだよ。危険物は常識の枠に囚われない者が使うから面白いのさ。」フフフ


龍田 「撫子ちゃん、この篭手を使うのはやめましょう。命が幾つあっても足りないわ。」


黒霧 「・・・冗談だよ?」


漣  「いや~、今のは瞳が本気だったべな。」


曙  「父さんは嘘や冗談を言ったりしないって母さんが言ってたわよ。」


漣  「母さん?」


曙  「お、お姉ちゃんがっ!」アセアセ


漣  「ほ~ん。別にいいんでないのぉ?せん姉、包容力あるし。ほれ、言ってみそ?茜ママ~って。」ニヤァ


曙  「莫迦澪の性格が最悪で助かったわ。」ハッ


漣  「どういう意味じゃ、こらぁ!」


ドウモコウモナイワ! アァ!?


黒霧 「マグネシウム合金は腐食に弱くてね。表面処理をしてるから、メンテナンスさえ怠らなければ間違っても爆発なんて・・・。」


龍田 「保護者ならまずはあっちの喧嘩を止めましょうね~。」ニコー



気にするな、ただの趣味だ。


黒霧 「で、次は灯だね。」


曙  「納得のいく説明を要求するわ。」フン


黒霧 「じゃあ遠慮なく言わせてもらうけど、僕は灯を戦力として全く期待していない。」


曙  「・・・え?」


黒霧 「体力は零、筋力もないし、特別指揮能力があるわけでもない。灯個人で見れば、戦力としての期待値は零どころかマイナス。」


黒霧 「皆の足を引っ張るだけのお荷物でしかない。」


曙  「そんな・・・。父さん、私・・・わたしっ。」ウッ ヒグッ


黒霧 「でも、七駆の中でなら、灯は輝ける。皆の帰るべき場所を示す灯火になれる。」ポム


曙  「うぅ・・・。」


黒霧 「灯、君は澪のこと、撫子のこと、姫百合のことをよく理解している。どんな性格で、どんな行動を取りたがるのか知っている。」


黒霧 「戦場に居て猶、周囲の状況を観察するだけの冷静さを持っている。そして何より、"時鏡の瞳"がある。」


曙  「うん。」


黒霧 「君はほんの少しだけなら、その瞳で未来を視ることができる。あまり先のことだと的中率は低くなってしまうけれど・・・。」


黒霧 「数秒先の未来なら問題ない。衛星からの俯瞰データを基に未来の配置を読み、七駆にとって最良の選択へと導く。」


黒霧 「それが灯の役割であり、灯にしかできないこと。更に言えば、七駆でしかできないことだ。」


黒霧 「君の存在価値は此処にある。大事にするんだよ?」フフ


曙  「言われなくたって、わかってるわよ・・・くそ親父。」クスッ


黒霧 「あ、でも最初に言ったことも事実だから、忘れちゃ駄目だよ。」ニッコリ


曙  「自覚してるわよ!それはこれから時間を掛けて解決していくから今は浸らせてよ!莫迦ぁ!」ワッ


ヲ級 「灯お姉ちゃんもかなりお父さんに毒されてきたの。」ヲー


龍田 「一度泣かせてから持ち上げて・・・。娘が相手でも自重する気なし・・・か。この人とだけは所帯を持ちたくないわね。」ヤレヤレ



それはフラグか?


黒霧 「そして、姫百合。」ポム


潮  「はい!」ニコニコ


漣  「っべー。姫姉の笑顔が眩しー。」


曙  「ていうか、そろそろ交代してほしいんだけど。」ムゥ


ヲ級 「ヲーちゃんが先なの。順番は守ってほしいの。」


朧  「レーちゃん、おめざー。私と代わってたもー。」ペシペシ


レ級 「ん~。」ウッ


黒霧 「・・・龍田、ちょっと隣りに座ってもらえるかな。」


龍田 「え?まぁ、そのくらいは別に構わないけれど・・・。変なことしない?」


黒霧 「そこまで信用が無いとは・・・。」ズーン


龍田 「あぁ、違うの!そういう意味で言ったんじゃなくて、その・・・。心臓に悪いことをしないでって、言いたくて・・・。」


龍田 「ほら!あたしってこう見えて、経験・・・ないし。」モジモジ


黒霧 「若しかして、昨日のあれは熊野に頼んだほうがよかった?」


龍田 「///」プシュー


黒霧 「ごめん、もう少し君のことをよく見ておくべきだった。」


龍田 「いいの。それはそれで、困るから。///」


ヲ級 「因みにヲーちゃんは龍田お姉ちゃんの本性を見抜いてたの。でも、面白そうだから見張り役に推薦しておいたの。」ムフゥ


漣  「黒幕はヲーちゃんかよ。」


朧  「恐ろしい娘っ。」ヒェァッ


潮  (私の艤装にはどんな機能がついているのでしょうか!)キラキラ


曙  「姫百合は周囲に気を配ることを覚えたほうがいいわね。」ハァ



肉付きが悪いと骨が中たって痛いのよ。


黒霧 「さ、龍田の膝を解禁したところで話を戻そうか。」


ヲ級 「ヲー!」チョコン


漣  「やだ、ちょーふかふかなんですけど。」オッホォ


龍田 「意外と重い・・・。」ウッ


曙  「あんたはなんて所に入り込んでんのよ。」チョット


朧  「股の間ですが、何か?」キリッ


龍田 「撫子ちゃん、其処動かないでね?じゃないと、下着が見えちゃうからっ。」プルプル


漣  「ほんとすっげー格好だよな。野外で大股開きなんて。」


龍田 「その言い方はやめてちょうだい!」


潮  (艤装の説明はまだでしょうか!)キラキラ


黒霧 「もう少し待っててね。」アハハ


龍田 「み、澪ちゃん。申し訳ないんだけど、一旦降りてもらえるかしら。脚が、攣りそうなのっ。」クゥッ


漣  「えー。もう?なんか俺が重いみたいじゃーん。」ブー


龍田 「事実、重いの!お願いだから早く退いて!限界なの!」クワッ


漣  「澪ちゃんのハートはばらばらに砕け散りました・・・。」ズーン


朧  「ちゃん澪、アロン〇ルフアがあるさ。」ポン


漣  「莫迦野郎、接着剤じゃ心は直せねぇよ。」


朧  「なら、心は何で直す言うか!」


漣  「他人の不幸だ!秘技・スカート捲り!」バサッ


フワッ


漣  「わ~お。すっけすけだー。」


朧  「アダルティなのね。」オー


龍田 「っ~!!///」カァァ


バッ


龍田 「み、見た・・・?///」チラ


黒霧 「灯に阻止された。」


曙  「いい仕事をするでしょ?」フフン


龍田 「そう・・・。」ホッ


黒霧 「でも、何となく想像はつくかな。」


龍田 「///」ボンッ


漣  「いや~、他人の不幸で飯が美味い。」ヘヘッ


朧  「ちゃん澪、悪党。」


曙  「こいつらはっ・・・!」


潮  「お話はまだですか!」キラッ


曙  「あんたも大概ね!七駆にまともな奴は居ないのかしら!」


漣  「それ、自分がまともじゃないって認めてるぜ?」


曙  「私はまともを装ってるだけよ!悪い!?」


イヤ・・・ ベツニ?



貰い物は扱いに困る。


龍田 「あの・・・勘違いしないでね?これは足柄ちゃんに貰ったから仕方なく穿いてるだけであって、あたしの趣味じゃないから。///」


龍田 「あたし、そんなはしたない女じゃないから。誘ってなんかないし。そういうことに興味なんてこれっぽっちも・・・。」モジモジ


足柄 「ねぇ。それってつまり、私がはしたないってこと・・・?」ユラァ


龍田 「あ、足柄ちゃん!?いつから其処に!?」ビクッ


足柄 「かなり前から居たわよ。たっちゃんがこいつの隣りに座ってるから、何事かと思って様子を見に来てあげたってのに・・・。」ジトォ


龍田 「ち、違うのよ?今のは、その、言葉の綾で・・・。」アハハ


足柄 「あぁ?」ゴゴゴ


龍田 「」


チラ


天龍 「本気でキレた足柄、半端ねぇな。龍田が押されてるとこなんて初めて見たぜ。」


天龍 「・・・もう少し様子見しとくか。これは決して足柄が恐いからではない。姉として妹の成長を見守っているのだ。」ウム



誰にも要らない物は出品しないでとのこと。


黒霧 「琴、龍田は君のくれた下着についてはしたないと言ったのであって、君自身を貶めたわけじゃないよ。」


黒霧 「それとも君は、龍田がはしたないと評する下着を好んで身に着けるようなはしたない女なのかな?」


足柄 「ちっがうわよ!あれは酔いの勢いで買っちゃって、後々ありえないわって思ってたっちゃんにあげてたやつよ!」


龍田 「・・・は?」ピク


漣  「うーわ。ただ要らない物をお下がりであげるならまだしも。」


曙  「使ってる人の気が知れないってレベルの物を押し付けるとか。」


漣・曙「ないわー。」ドンビキ


足柄 「ぐっ。だって、たっちゃん水着も結構際どいの平気で着てたし。そういうのが好きなんだと思って。」


龍田 「一応、あたしの好みを考えてくれてたことには礼を言うわ。でもね。一言確認してほしかったわ~。」フフフ


足柄 「・・・ごめん。」


龍田 「罰として、足柄ちゃんがどんな下着を着けてるのか見せてちょうだい。今、此処で。」


足柄 「え?い、今?此処で?こいつの目の前で?」


龍田 「何か、不都合でも?」ニコォ


足柄 「は、ははっ・・・。ない、です。」ウルッ


龍田 「よろしい。じゃ、脱いで?」フフッ


足柄 「はい・・・。」


ヌギヌギ


黒霧 「今回は目隠しをしないんだね、灯。」


曙  「だってこれは罰だもの。さっきは龍田さんの為にしただけ。こいつには不要よ。」フンッ


朧  「いんがおーほーなのね。」ヘッ



脳内補完でお願いします。


足柄 「ほ、ほら。これで、いいでしょ。」パサ


漣  「いや駄目だ。制服は半脱ぎが相場。全部脱いでどうする!」クワッ


足柄 「着けてる下着を確認したいんでしょ!?だったら全脱ぎしたほうが見やすいじゃない!変な拘りぶっ込むんじゃないわよ!」


龍田 「足柄ちゃ~ん。」


足柄 「はいっ!半脱ぎのほうがよろしいでしょうか!?」ビシッ


龍田 「自分だけ可愛い下着を着けて・・・狡い。」ムゥ


足柄 「・・・今度、一緒に買い物、行く?」


龍田 「今日行きましょう。」


足柄 「随分と急ね。明日じゃ・・・。」


龍田 「今日、行きましょう?」ニコッ


足柄 「わかったわよ。じゃあ、羽黒にも声掛けておいてよね。あの娘、意外にそういうの詳しいから。」ハァ


龍田 「羽黒ちゃんが一緒となると、妙高ちゃんもついてくるわね。折角だから、那智ちゃんも誘って6人で行きましょうか。」チラ


黒霧 「ん。天龍と龍田の分はもう用意してあるから、妙高型の外出許可証を追加で出しておくよ。」ジー


龍田 「ありがとう。」フフ


足柄 「///」プイ


曙  「父さん、見すぎよ。」テシッ


黒霧 「そりゃあね。大昔に僕がプレゼントしたものを今も着けてくれてるわけだし。目が離せなくなっても仕方がないってものだよ。」


足柄 「大昔とか言うな!」


漣  「つーか、女性に下着贈るとか。まじ半端ねぇぜ、ぱぱん。」


曙  「よくサイズわかったわね。」


黒霧 「あぁ、それは琴と一夜をともに・・・。」ムグッ


足柄 「子供の前で何を言ってるのかしら~!」


曙  「そもそも、なんで下着を贈ろうと思ったのよ。」


足柄 「あ、それは私も知らない。」パッ


黒霧 「ありえない組み合わせを平然と着てたから。」


一同 「あ~。」


足柄 「何、その瞳っ!ていうか、もっと早く言いなさいよ!」バカ!



最低限の関心は持ちましょう。


天龍 「なんだ。足柄も大して龍田と変わりないじゃねぇか。」


足柄 「そうなの?」


龍田 「やっと出てきたと思ったら、一言目がそれ?曝露話ならあたしも負けないわよ、お姉ちゃん。」キッ


天龍 「あー。ははっ。すみませんでした。」


漣・曙「よわっ。」


黒霧 「下着に関しては三人とも同列でしょ?天龍はトップレス、龍田はお下がりの色物だらけ、足柄は常に上下が揃ってない。」


天龍田「」ウッ


足柄 「今日は揃ってるわよ!」


黒霧 「今日"だけ"でしょ。」


足柄 「」ウッ


黒霧 「これを機に、各々意識改善に努めること。さもないと・・・。」


龍田 「と・・・?」


黒霧 「天龍が酷いことになります。」


天龍 「なんでだよ!それぞれにペナルティでいいだろうがよ!なんで俺が代表みたいになってんだよ!」


黒霧 「君が一番まずい状況に在るからだよ。君、男だったら今年で魔法使いになる歳らしいね。」


黒霧 「今踏みとどまっておかないと、もうこの先挽回する気力は起きないよ?」


天龍 「・・・実年齢の話はするなよ。」


黒霧 「四半世紀以上守り続けてきた純血、本当に奪うからね。頑張ってらっしゃい。」


足柄 「もういっそ一回抱かれたほうがいいんじゃないの?あんた達。」


龍田 「あたしを入れないで!?」


天龍 「俺の純血は散らされてもいいのかよ・・・。」ハハッ



まずはわかる人に教わること。


曙  「ったく。経験がないまま大人になると、ああも面倒くさい奴になるのね。」ハァ


漣  「お~お。当人達が居なくなった途端に言いますなぁ、あかりん。20年後にブーメランにならないといいね。」ニィ


朧  「寧ろそうならない未来が見えないのねん。」


曙  「やかましい。この中なら莫迦澪が一番そういうのに縁が無さそうだわ。」フン


漣  「なら勝負しようぜ。七駆の中で誰が一番に彼氏持ちになるか。ま、どうせ一番はこの撫子大先生だろうけどな。」ヘヘッ


朧  「おーとも・・・。」オゥ?


曙  「そこは自分だって息巻くところでしょうが。」


漣  「いや、でもさ・・・。勝てる気しねーべ?まずうちはそういう対象に見られるか怪しいし。あかりんは性格きついし。」


ア? ソウイウトコダッテ


漣  「姫姉はさ・・・。」チラ


潮  「Zzz」クー


漣  「告白されても全部断るだろ。今が一番幸せって、そういう顔してる。」


曙  「姫百合って、意外と人の話聞かないわよね。だから成績が伸びないんじゃ・・・。」


朧  「消去法で一番になるのは不本意なのね。」ムゥ


黒霧 「そろそろ艤装の説明に戻ってもいいかな?」



寝不足でない日が無い。


五月雨「おはようございま~す。」ポヤポヤ


時雨 「眠い・・・。」ウゥ


鳳翔 「おはようございます。随分と早かったですね。てっきり今日はお昼まで起きてこないものと。」アラ


五月雨「昼夜逆転すると、色々と支障が出るので。」クァ~


時雨 「頑張って、起きて・・・。」Zzz


陸奥 「姉のほうは駄目みたいね。」


五月雨「陸奥さん、おはようございます。昨晩は眠れなかったみたいですね。お父さん達の熱気に中てられでもしましたか?」


陸奥 「テンションを深夜から朝に調整してちょうだい。姉さんの鼾が五月蠅くて眠れなかっただけよ。」ゲッソリ


五月雨「はて。前の鎮守府でも同部屋だったのでは?」


陸奥 「別よ。艦娘同士の結託を抑止する目的でね。そういう所もあるの。」


五月雨「そうですか・・・。ところで、その長門さんは?」


陸奥 「まだおねんねしてるわよ。」


五月雨「そうですか・・・。」


時雨 「Zzz」


五月雨「・・・私も寝ようかな。」



何処までがコミュニケーションか。


カチャ


天龍 「お、なんだ。意外と揃ってるじゃねぇか。」


五月雨「居ない人のほうが多いですけどね。」オハヨウゴザイマス


龍田 「七駆の娘達と妹ちゃんは、お父さんと一緒に外に居るわよ~。」


時雨 「そと・・・?」ムクリ


陸奥 「あら、おはよう。」


時雨 「ボクも、そとで、ねる・・・。」フラフラ


五月雨「いってらっしゃーい。」


パタム


足柄 「大丈夫なの?あれ。」


五月雨「さあ?」


サアッテ・・・


五月雨「まぁ、時雨姉さんのことはいいとして。天龍さん、龍田さん。お父さんに何か言われませんでしたか?」


龍田 「言われたというか・・・。」


天龍 「俺の貞操が危機だな。」ハハッ


足柄 「私は一回ヤっておくべきだと思うのよね、たっちゃんも含めて。」


龍田 「だから、あたしを入れないでってば。」


天龍 「俺はいいのかよって。」


龍田 「本気で嫌がってるように見えないから、いい。」ビッ


天龍 「お前も大概だぞ?」


龍田 「はぁ・・・?」


足柄 「そうね。たっちゃんの場合、嫌がってるというよりはただ慣れてないだけって感じがするわ。」


龍田 「慣れてないから嫌なの。」


足柄 「誰だって始めは慣れないものよ。」


龍田 「・・・慣れる気がしないのよ。」


陸奥 「あー。それすっごいわかる。」


五月雨「此処の大人達はコミュニケーション能力が低すぎやしませんか?」


鳳翔 「そういう問題でしょうか・・・。」



凝りだすときりがない、何事も。


鈴谷 「んー。ここを、こう?」スッ


紫苑茜「そうそう。あんた、中々筋が良いじゃない。センスを感じるわ。」


鈴谷 「ほんと?いやいや照れるな~。」エヘヘ


熊野 「私も出来ましてよ。」フフン


鈴谷 「何、その超リアルなうさぎリンゴ。逆にキモい・・・。」ウワァ


熊野 「なっ!ここまで仕上げるのに私がどれだけ苦労したと・・・!」


紫苑茜「こういうのはデフォルトでいいの。あんまり凝りすぎると・・・ああなるわよ。」チラ


近衛麗「」モクモク


鈴谷 「シル〇ニアファミリーみたい・・・。」ワーオ


熊野 「飴細工まで・・・。いったい何処でそんな技術を・・・。」エェ


紫苑茜「姫ちゃんが食べてくれるだろうからいいけど、昨日のあんたに何があったのよ。本当に。」ハァ



私が泣いた作品はふたつだけ。


近衛麗「麗ちゃんは只今傷心中です。どうぞお構いなく。」イジイジ


紫苑茜「近衛の一族が一度振られたくらいで、みっともない。」ハッ


近衛麗「二度目ですぅ。というか、何回目かなんてことは問題じゃないの。脈があるかないかが問題なの。」フン


紫苑茜「そりゃあ、あれだけパパ、パパ言ってればある脈もなくなるでしょうよ。」


近衛麗「んな急に呼び方を変えられるわけないじゃない!一緒に暮らしたのがたった数年でも、私にとっては重みのある数年なの!」


紫苑茜「それはしーちゃんだって同じことよ。昨日のあれも、軽々にしたことじゃないでしょう?お互いに。」


近衛麗「・・・うん。」


紫苑茜「昔ね。何度か、あんたの話をしてくれたことがあったの。誰が訊いたわけでもないのに、あのしーちゃんが自分から。」


紫苑茜「そのときのしーちゃんの顔、はっきりと憶えてるわ。父親の顔をしてた。娘を愛し、心配する父親の顔をね。」


紫苑茜「この際だからはっきり言うけど、しーちゃんにとってあんたは"娘"よ。ひとりの"女"である前にね。だから・・・わかるでしょう?」


近衛麗「・・・わかってるわよ。昨日のあれで諦めろって、そういうことなんだってことくらい。」


近衛麗「でも、どうしようもないの!どうしようもないくらい・・・好きなの・・・!」


紫苑茜「その気持ちはわからなくもないけど・・・。」


近衛麗「初めてなのよ!この私が!誰かを、本気で好きになるなんてっ!本気で・・・恋をするなんて・・・!」


紫苑茜「・・・。」ウン?


近衛麗「ねぇ。私はこれからどうすればいいの?恋の終わらせ方なんて、わからないわよ・・・。」


紫苑茜「そうね。取り敢えず、相談する時間をちょうだい。直ぐに戻るから。」タッ


キー バタム


熊野 「え・・・?この状態で放置ですの?私達も一緒に?」


鈴谷 「うぅ・・・。つらい、だろうね。なんだか、鈴谷。泣けて・・・。」ズビッ


熊野 「前言撤回ですわ。私をこの場に放置しないでくださいまし!」ダット



どれだけ大事かは、時と人と場合に因る。


日陰 「ん~ふふっ。」ニヨニヨ


紫苑茜「お楽しみのところ失礼するわよ。」ヌ


日陰 「わっ。ちょっと、吃驚させないでよ。お腹の子に障ったらどうするの?」モウ


紫苑茜「黒霧のくせに気配に鈍いあんたが悪い。というか、お腹の子って・・・。」


日陰 「さ~て、誰の子で・・・。」


紫苑茜「そんなことは今はいいの。」


日陰 「そんなことって。これってかなり重大なことだよ?神命に知られたらどうなるか、想像しただけでおもしろ・・・気が重いのに。」


紫苑茜「いいから聞きなさい。しーちゃんが受け入れる女性の傾向についてよ。」


日陰 「受け入れるねぇ。陥れるの間違いだと思うけど。時雨くんって、餌を蒔かないうちから寄ってくる女には冷たかったりするし。」


紫苑茜「・・・なるほど。だから麗は駄目なのね。わかったわ。ありがとう。ところで、あんたのお腹の子についてなんだけど。」


日陰 「あ、やっぱり気になる?気になっちゃう?」ニマニマ


紫苑茜「その勝ち誇った顔。最高にむかつくわぁ。」ピキッ


日陰 「だってぇ、あの時雨くんが自分から行動を起こしてくれたんだよ?理由はともかくとしてさ。」


日陰 「神命が生涯を捧げてまで夢見たことなのに、横から私が攫っていくなんて・・・。ゾクゾクしちゃう。」アハァ


紫苑茜「この女はっ・・・!」ヒクッ


熊野 「・・・何処に居ても地獄ですわ。」



敵の傷に塩を塗り込む。


紫苑茜「戻ったわよ・・・。」キー


鈴谷 「おかえりー。」グスッ


紫苑茜「・・・なんであんたが泣いてるのよ。」


鈴谷 「いや、想いが受け入れられないのは哀しいなって・・・。あ、くまのん何処に行ったか知らない?」


紫苑茜「あの娘なら部屋に戻ったわよ。何処も地獄だって言って。」


鈴谷 「そっか。じゃあ、鈴谷が作ったうさぎリンゴ差し入れてくるね。」トテトテ


紫苑茜「ええ。いってらっしゃい。」


バタム


紫苑茜「・・・で、どうするかは決まったの?」


近衛麗「どうするって何よ。娘として傍に居続けるか、諦めて帰るかってこと?どっちもお断りよ。」ハッ


紫苑茜「・・・あんたは、どうしたいの。」


近衛麗「女として、大切にされたい。」


紫苑茜「それだけ?」


近衛麗「・・・愛されたい。ぱ・・・ううん。"時雨"の愛が欲しい。」


紫苑茜「そう・・・。それじゃあ、あんたはわたしの敵ね。完膚なきまでに叩きのめしてやるわ。」フンス


近衛麗「はぁ?この流れでそんなこと言う?」


紫苑茜「わたしだって、しーちゃんの愛が欲しいもの。注がれる愛は多いほうが良いに決まってるじゃない。だから、あんたは敵よ。」


近衛麗「ふーん。ぱ・・・時雨の愛を独り占めしようっての。そんなことはさせないわよ。この私が居る限りね。」


紫苑茜「あら、言うじゃない。女として受け入れられてないくせに。」フッ


近衛麗「それはあんたも同じでしょうが。」アァ?


紫苑茜「何度拒まれようと、わたしが諦めない限り終わりはないのよ。永遠の時を掛けてじっくりと攻略してみせるわ。」フフン


近衛麗「あっそう。」


紫苑茜「あんたは残り少ないその寿命でしーちゃんを振り向かせることができるかしら?」ニィ


近衛麗「やってやるわよ。永遠の時に胡坐をかいて眺めてなさい。私があんたより先に幸せを掴んでやるんだから。」グッ


・・・チラ


五月雨「お母さんも悪い人ですねぇ。敵になり得ないとわかった途端に喧嘩を売って励まして・・・。」


五月雨「お母さんの性根がもう少しマシだったなら、ヲーちゃんは完全な天使になれていたでしょうに。あ~あ、勿体ない勿体ない。」ヤレヤレ



悩め若人よ。


羽黒 「」ジー


カキカキ


妙高 「羽黒?さっきから何を描いて・・・。あら、貴女は写生も達者なのね。描いているものは気に入らないけれど。」フフ


羽黒 「ねぇ、お姉ちゃん。これを見て、どう思う?」スッ


妙高 「どうせなら私を描いてくれたらいいのにって思うわ。」ニコリ


羽黒 「お姉ちゃん・・・。」ジト


妙高 「そんな瞳をしないでちょうだい。貴女の絵のモデルが、よりにもよってあの人だってことが本当に頭にくるの。」ヒクッ


羽黒 「・・・那智お姉ちゃんはどう思う?」プイ


那智 「ん?そうだな。良い笑顔をしていると思うぞ。それほど優しい微笑みを向けられたことはないがな。」フッ


妙高 「あぁ、ごめんなさい。私も良い笑顔をしてると思うわ。お姉ちゃんが悪かったから、無視をしないでちょうだい!」アセアセ


羽黒 「やっぱり、そうだよね。子供達に囲まれて、優しい微笑みを浮かべる黒い人の表情は、とても偽りのものとは思えない。」ンー


羽黒 「でも、そんな黒い人の"好き"は"壊したい"。好きなのに・・・好きだから?好きって、何だろう。」トオイメ


那智 「また随分と難しいことを考えているな。出番だぞ、妙高。貴様の大好きな妹の悩みを解決してやれ。」


妙高 「これは、羽黒が私に振り向いてくれるチャンスなのでは!?」ピシャーン


那智 「今回も駄目そうだな。」フッ



他人に答えを求めるな。


足柄 「ねぇ、羽黒居る~?」カチャ


妙高 「好き好き好き好き好き好き好き・・・。」グルグル


足柄 「・・・。」キー


那智 「見なかったことにして逃げるのはやめろ。妙高がおかしいのはいつものことだろう。」


足柄 「それにしたって今回のは異常よ。精神病院で診てもらったほうがいいんじゃないの?」


妙高 「もう経験済みです。」


足柄 「知りたくなかったわ、そんな事実・・・。」


足柄 「あ、で、羽黒。今日暇でしょ?ちょっと買い物に付き合ってくれないかしら。」


羽黒 「この先ずっと人間観察で忙しいから無理。」


足柄 「・・・たっちゃんの頼みでも?」


羽黒 「行く。」


足柄 「相変わらず早い変わり身だこと。」イラッ


妙高 「羽黒が行くなら私も行きます。文句は言わせません。」


足柄 「だろうと思って、もう黒に話を通してあるわ。許可証が発行されたら直ぐに行くわよ。那智姉も。」


那智 「私もか?こういうときは留守番になるものとばかり思っていたぞ。」


足柄 「それは那智姉がナンパされまくるからでしょ。うちには初心な乙女が多いんだから、誘われなくもなるわよ。」


那智 「寄ってくるものは仕方がないだろう。しかし、どうして今回は私もなんだ?」


足柄 「私がついてきてほしかったの。色っぽい下着を買って、黒を驚かせてやるんだからっ。」フンス


那智 「そうか・・・。ならば、行かないわけにはいかないな。」フフッ


羽黒 「私が指名された理由はそれか・・・。ということは、龍田さんって実はそういうのに疎い・・・。」


羽黒 「強請るネタに使えるかも・・・。」フフフ



人を愛すということ。


鳳翔 「もうすぐ朝ご飯の用意ができるというのに・・・。」


陸奥 「ふあ~。眠い。」フゥ


日陰 「んふふ~。」~♪


鳳翔 「ふたりしか集まっていないだなんて。」ハァ


五月雨「私も居ますよ?」ヒョコ


鳳翔 「知っていますよ。料理を手伝ってくれてありがとうございます。」フフ


五月雨「いえいえ。私は調味料を手渡したりしていただけで、殆どお母さんと麗さんがやってしまいましたから。礼は不要です。」フフン


鳳翔 「おふたり共、本当に料理が上手で・・・。ちょっぴり、羨ましいです。」


五月雨「鳳翔さんだって、味付けの知識とか凄かったじゃないですか。お母さんが教えられているところなんて初めて見ました。」


鳳翔 「愛の賜物ですよ。」ウフフ


五月雨「それはお母さんも同じことです。麗さんも。」


鳳翔 「こんなにも人に愛されて、時雨さんは幸せ者ですね。」


五月雨「それは、この私に愛されて幸せにならない男なんて居ないってことですか?」


鳳翔 「ええ。私にとってはそれが"愛する"ということですから。」ニコリ


近衛麗「一番の敵は彼女かしら・・・。」ムー


紫苑茜「いや、あの娘は多分、一方的な愛で満足しちゃうタイプだから。大丈夫でしょ。」



優れた者を見て君は何を思う。


三隈 「只今帰りましたのー。」ウゥ


オカエリー


漣  「うわ。みっちゃん先生、よれよれじゃん。また蓮華たんに扱かれたんけ?」


朧  「そろそろ、それも快感になる頃よの。」ウム


三隈 「なりませんの。ところで、そんな重そうな鉄球を持って何をしていますの?」エェ


漣  「あー!みっちゃん、今ちょっとひいたべな!こちとら一所懸命、誠心誠意、訓練に励んでるってのにさ!」


朧  「うちは無関係です。」シレッ


オイコラァ!


三隈 「そしてこちらは・・・。」


曙  「また、負けた。」ズーン


ヲ級 「5連勝なの。」ムフー


レ級 「いい加減諦めようぜ?ヲーちゃんには勝てねぇって。」ナ?


曙  「もういっかい!」ンン!


ヲ級 「何度でも返り討ちにしてやるの。」ヘッ


レ級 「灯姉の負けず嫌いも大概だな。」ヤレヤレ


三隈 「どうしてオセロでそこまでムキになれるのやら・・・。」ストッ


黒霧 「さも当然のように僕の隣りに座るとは、君も成長したね。」


朧  「褒めて遣わすのである。」ムフン


三隈 「喧しいですの。三隈には構わず稽古を続けますの。」フン


潮  「Zzz」クー


三隈 「一番鍛える必要のある娘が・・・。」ハァ


黒霧 「姫百合は燃費が悪いんだよ。」ナデナデ


三隈 「まったく。膝の上とは羨ましいですのっ。」ムン



吃驚するぐらいはっきり言うときもある。


黒霧 「肩なら空いてるけど、使う?」


三隈 「・・・今はまだ、遠慮しておきますの。」モジモジ


時雨 「ん~。」モゾッ


三隈 「ああも無遠慮にはなれませんの。少なくとも、生徒達の前では。」マッタク


漣  「つーかさぁ。しぐしぐってぱぱんのこと嫌いだべ?その割にはいっつも傍に居るべな。」


朧  「素直になれないお年頃ぉ。」


黒霧 「眠はいつだって素直だよ。ただ心が複雑な所為で、そう見えないだけさ。」サラッ


時雨 「にぃに、その撫で方・・・駄目。」ンッ


三隈 「起きてましたの?」アラ


Zzz


三隈 「え?寝言ですの・・・?」


黒霧 「つまり骨抜きにする絶好の機会。」キラン


ワシャワシャ ハフゥ~


朧  「おぉうおぅおぅお~。」キラキラ


漣  「撫子もやってほしいってよ。」


潮  「ご飯!」ガバッ


ギューン


紫苑茜「あんた達~。朝ご飯の用意ができ・・・。」


シュバビーン タァ!?


紫苑茜「な、何事・・・?」


漣  「姫姉は飯が最優先だってよ。」


三隈 「ぶれませんわね。それが良いのか悪いのかは別として。」フゥ



妙高型姉妹の食卓


イタダキマース


足柄 「・・・美味しいわね。」ム


那智 「お前の腕では到底勝てそうにないな。」フッ


足柄 「今は、ね!練習すれば私だってこれくらい・・・。」ブツブツ


羽黒 「あれだけ練習して、普通に美味しい程度のカツしか揚げられないお姉ちゃんには無理だと思う。」


足柄 「なんですってどうもありがとう!」


羽黒 「どっち・・・。」エェ


妙高 「落ち着きなさい。」モウ



黒の食卓


ムグムグ


ヲ級 「次はお魚が食べたいのっ。」ンフー


黒霧 「ん。骨は取ってあげるからね。」


ヲ級 「なの!」ニパッ


レ級 「ん”!!ほ、骨が喉にっ!」ゲホッ


黒霧 「ああ、ほら。こっち向いて口開けて。」グイ


レ級 「うん。」グスッ


アー


黒霧 「何も見えない。」


ヲ級 「当たり前なの・・・。」


レ級 「いいから早く取ってくれよ、父ちゃ~ん。」ウゥ


五月雨「最近、お父さんがポンコツな件。」


時雨 「どうせ演技でしょ?全部。」アム



何でもできるわけではないからこそ、得意と言えるものがある。


天龍 「あいつのとこの連中は、みんな料理が上手いのな。」モグモグ


龍田 「うちだと熊野ちゃんくらいだものね。"ちゃんと"料理ができるの。」


陸奥 「あら。足柄ちゃんだって料理は上手よ?」


龍田 「品目が偏ってさえいなければね。」


陸奥 「まぁ、それは・・・。」ハハ


三隈 「昔から貴女は何でもできますの。羨ましいですの。」


鈴谷 「ほんとだよ。鈴谷もそんな才能が欲しい~。」


熊野 「器用貧乏が才能だなんて莫迦莫迦しい。何でもできることを、さも良いことのように言いますけれど、実際は違いますわ。」ハッ


鈴谷 「なんでさ。」


熊野 「言ってもわかりませんの。」


鈴谷 「なんて嫌味なっ。そんな風に育てた覚えはありません!」フン


熊野 「育てられた覚えもありませんわ・・・。」



自分では気づけないから嫌だわ。


ダダダダッ


長門 「大変だ!」バァン


陸奥 「何がよ。誰よりも遅いお目覚めのくせして騒々しい。」ジト


長門 「ヲ級が居なくなった!」


陸奥 「・・・はぁ?」


長門 「昨晩は一緒に寝ていたのだ。それが、起きたら居なくなっていた!」


陸奥 「姉さんの鼾にうんざりして避難したんじゃないの?」


長門 「私は鼾などかかん!」


陸奥 「あ?」ブチッ


天龍田「あー。」


陸奥 「誰の所為で私が寝不足になってると・・・。貴女にはこの目の下の隈が見えないのかしらぁ?」ユラァ


長門 「酷い隈だな。枕が合わなかったか?」ム


陸奥 「あんたの鼾の所為だって、言ってるでしょうがぁ!!」ギチッ


長門 「お、おい!陸奥!絞め技は私の装甲でも耐えられ・・・!」


ウラァァァァ! マテ!ハヤマルナ!


漣・朧「いいぞー!もっとやれー!」ヤイノヤイノ


曙  「阿呆らし。」ハッ


潮  「」モキュモキュ


レ級 「ヲーちゃんは平気だったのか?ながもんの鼾。」


ヲ級 「先に寝ちゃったから、鼾のこと自体知らなかったの。」


長門 「はっ!ヲ級が居る!」


陸奥 「今は私から安眠を奪ったことについて反省しなさぁい!」ググッ


長門 「待て!これ以上は本当にっ!」


ギャアア!


鳳翔 「鎮守府がこんなに賑やかなのは、いつ振りでしょうか。」ウフフ


五月雨「賑やかというよりは。」


時雨 「騒がしい。」モグモグ


五月雨「ですね。」


時雨 「うん。」ゴックン



水に流して仕舞え。


カチャカチャ


鳳翔 「人数が増えると、洗い物が大変ですね。」フゥ


紫苑茜「いいじゃない。それだけ幸せがあるってことよ。それに、子供達も手伝ってくれるわ。」


レ級 「食べ終わった後の食器を見てると、性格が見えてくるもんだな。」ワシワシ


ヲ級 「天龍お姉ちゃんは繊細な乙女なの。」ジャー


五月雨「それも今夜までですよ。お父さんに純血を散らされて、さてはてどう変わることやら。」キュッ


時雨 「試験に合格できないのは確定事項なんだ・・・。」フキフキ


紫苑茜「会話の内容はあれだけど。」


鳳翔 「どうしてこうなるまで放っておいたんですか・・・。」ハァ


紫苑茜「逆よ。しーちゃんの傍に居たからこうなってるの。」


鳳翔 「計り知れないですね、時雨さんの影響力は。」


五月雨「鳳翔さんはその身を以て知っていますからね~。」


時雨 「経験者は語るってね~。」


鳳翔 「言葉にされると・・・その、恥ずかしいです。///」シュー


近衛麗「可愛いわね、この娘。」ジー


レ級 「食べるなよ?」


鳳翔 「え・・・?」


ヲ級 「表現"だけ"は知ってるレーちゃんなの。」


レ級 「だけで充分だろ?まだ〇歳なんだから。」


鳳翔 「えぇ・・・。」



無駄は人間だけの特権。


コンコン


榛名ミニ「・・・。」モクモク


コンコン・・・


榛名ミニ「・・・。」ンー


黒霧 「返事くらいはしてほしいものだね。」ムニッ


ワヒャイ!


榛名ミニ「ひ、ひぐへしゃん!?」


黒霧 「朝ご飯まだでしょ?持ってきてあげたよ。」フフッ


榛名ミニ「あ、ありがとうございます・・・。」


ハイ アーン ウェエ!?


黒霧 「ほら、はやく。」


榛名ミニ「え、えぇ・・・。あ、あ~」


ンッ


黒霧 「美味しい?」


榛名ミニ「はい。美味しい、です。」ムグムグ


黒霧 「よかった。君の為に作り直したんだよ?」


榛名ミニ「そんなっ。態々気を遣っていただかなくとも、私は・・・。」


黒霧 「お腹が空かない?」


榛名ミニ「・・・はい。」


黒霧 「僕も同じさ。」


エ?


黒霧 「僕の身体は既に生命活動を停止している。原初の霧で創られた、魔力で動く肉体だからね。食事も、睡眠だって必要ない。」


黒霧 「だけど、一度身に染みた習慣は中々抜けないでしょ?必要ないとわかってはいても、何だか落ち着かない。」


榛名ミニ「はい・・・。だから私は絵を・・・。」


黒霧 「必要のないことでも、やっていけないわけじゃない。案外、無駄だと思ってることが一番楽しかったりするものだよ。」フフ


榛名ミニ「食事を無駄とは・・・凄いことを言いますね。」


黒霧 「今ならどんなに食べても太らないんだから、思いっきり食べてみたら?」


榛名ミニ「こんな小さな身体に収まる量なんて高が知れてます。満腹になっても量が伴わないなら満足には足りないかと。」


黒霧 「・・・元のサイズに戻ってみる?」


榛名ミニ「できるんですか!?」


黒霧 「元の大きさに戻るだけならね。君の身体の構造を解析して、大きさを調整するだけだから。勿論、無料ではないけど。」


榛名ミニ「何を、支払えばいいんですか・・・?」


黒霧 「君の唇。」スッ


榛名ミニ「唇・・・ですか。」


黒霧 「さぁ、どうする?」ニコリ


ハルナハ・・・



そして恐怖のカロリーに。


ウーン ハッ


長門 「あれからどれだけ時間が経った!?」ガバッ


黒霧 「さあ?30分くらいかな?」


長門 「そうか。陸奥は・・・。」


黒霧 「部屋に戻ったよ。今頃ぐっすり眠ってるんじゃないかな。」


長門 「私の鼾はそんなに五月蠅いのか・・・。」ズーン


黒霧 「僕は知らないけど、陸奥にとってはそうだったのかも知れないね。」


長門 「・・・提督、部屋替えを申し出たいのだが。」


黒霧 「却下。姉妹は同室がこの鎮守府の基本方針です。それから、僕は後任が決まるまでの代理だから"提督"はなし。"黒"と呼ぶように。」


長門 「しかしだな、黒よ。このままでは陸奥が睡眠不足で倒れるぞ。」


黒霧 「ヘッドホンと静かで優しい音楽でもプレゼントしてあげたら?そういうの、やったことないでしょ。」


黒霧 「きっと喜ぶよ。驚きのほうが大きいとは思うけど。」フフッ


長門 「そうか。そうだな!よし。そうと決まれば直ぐに行動だ。言い出したのは黒なのだから、付き合ってくれるな!」ムフー


黒霧 「それは構わないけど、ちゃんと自分が良いと思ったものを選ぶんだよ?」


長門 「わかっている。ところで・・・。」


???「」モッ モッ


長門 「先程から巨大なパフェを頬張っているあの娘は・・・。」


黒霧 「榛名だよ?」


榛名 「ん~!」パタパタ


黒霧 「体重を気にせず食べることができるって素敵だね。」ニッコリ


長門 「そう・・・なのか?」ウン?


榛名 「時雨さ~ん?後でちょっとお話があるのですが~。」ウフフ


黒霧 「さぁ、長門。陸奥へのプレゼントを買いに行こうか。」スタスタ


長門 「あ、ああ・・・。」


榛名 「まったくもう。乙女に対してデリカシーってものがないですね、あの人は。」ハム


ンー!


榛名 「でも、榛名は今とっても幸せです。」ニヘラ



実物を見て買いたいけれど。


足柄 「」チラ


羽黒 「」ホケー


妙高 「」イライラ


那智 「」ペラ


足柄 「・・・遅い。」


妙高 「絞めますか。」ゴキッ


羽黒 「返り討ちに遭うだけだからやめて。」


那智 「大方、服を買いに行く為の服が無いのだろう。どんな格好で妥協してくるか、期待して待っていればいいさ。」ペラ


足柄 「なるほど。なら、思いっきり笑ってやる準備をしておかないとね。」フフフ


羽黒 「お姉ちゃんの悪巧みは失敗の予感。」


那智 「さて、どっちに転ぶだろうな。」フッ



先輩のウザいは良い意味で。


オーイ


妙高 「やっと来ましたね。」


足柄 「さぁ。たっちゃん達はいったいどんな面白い格好を・・・。」エ?


天龍 「悪ぃ。遅れた。」キラーン


龍田 「ごめんなさい。むっちゃんの拘りが強くって・・・。」シャラーン


那智 「そうか。陸奥に借りたか。」フフッ


龍田 「私はね。天龍ちゃんのは、長門ちゃんに借りたわ。」ウフフ


羽黒 「」ポー


天龍 「・・・なんだよ。こういう洒落た服は似合わないってか?」


足柄 「もうそのまま黒のとこ行ってきなさいよ。」


天龍 「下着を買いに行くんだろ・・・?目的変わってるぞ。」オイ


羽黒 「序でに服も買いに行っていいですか?」ズイ


龍田 「ええ。それは構わないけれど、欲しい服でもあるの?」


羽黒 「龍田さんに服を選んであげたい。」キラキラ


龍田 「え?」


妙高 「それなら私にも!」


羽黒 「お姉ちゃんは少女味が無いから嫌。」バッサリ


妙高 「なんてこと・・・。」ズーン


那智 「ここは姉として妹の成長を喜ぶところだぞ、妙高。あの羽黒がやりたいことを見つけたのだからな。」


妙高 「そうね・・・。涙を飲んで、羽黒の成長を祝福するわっ。」ムン


羽黒 「愛情がウザい・・・。」ムゥ



モデルは文ストの中原中也。


足柄 「流石はむっちゃんと言うべきか。また綺麗に纏めたわねぇ。」マジマジ


天龍 「おい。あんまりじっくりと見るんじゃねぇよ。恥ずかしいだろ。」


那智 「黒のカッターに黒のパンツ。緩く絞めた黒のネクタイには白のラインが一本。あの方を意識したとしか思えない装いだな。」


天龍 「んなこと俺が知るかよ。選んだのは陸奥だぞ。」


足柄 「それにしてもよく釦を留められたわね。いくら長門の服ったって、貴女の胸囲は相当でしょ?」


天龍 「晒巻いてんだよ。言わせんな。」ッタク



対照的な美。


足柄 「それに対してこっちは・・・。」


龍田 「なぁに?別におかしくないでしょう?」


足柄 「おかしくはないけど・・・。正直、浮いてる。」


龍田 「なんで!?」ガーン


足柄 「だって、たっちゃん・・・。」


黒霧 「まるで水彩画の中から飛び出してきたみたいだ。」


ビクッ


黒霧 「淡い空色のワンピースに白のケープ。この世のものとは思えない美しさと儚さがある。綺麗だよ、龍田。」フフ


龍田 「あぅ・・・。///」シュー


天龍 「妹が褒められるのは、悪くないな。」ヘヘッ


黒霧 「君も魅力的だよ、天龍。どちらかと言うと僕は、男寄りの格好のほうが好きなんだ。」


天龍 「お、おう・・・。あんがとな。」テレッ


ン?


天龍 「いや、なんで俺がお前の好みに寄せたみたいになってんだよ!違うからな!これは陸奥のセンスだからな!」


黒霧 「わかってるよ。僕はただ、素直に感想を述べただけさ。」ニコッ


足柄 「はまってるわぁ。吃驚するくらい黒の趣味ど真ん中をぶち抜いてるわぁ。」


那智 「お前も素材は良いんだ。磨いて瞳を眩ませてやれ。」フッ


足柄 「見えてないじゃない・・・それ。」



正確な名称がわからんとです。


那智 「しかし、ふたりだけ感想を貰って私達には何もなしというのはいただけないな。」


足柄 「確かにそうね。私服姿を見せる機会なんて殆どないわけだし。何か言ってみなさいよ。」ホレホレ


ジャア エンリョナク


黒霧 「綾は流石の着こなしだね。デニムで上下を纏めつつ、所々に女性らしさを感じさせるポイントを作ってる。」


黒霧 「へそ出し然り、ペディキュア然り。如何にもモテる女性って感じがするよ。」


那智 「絶賛だな。」フフン


黒霧 「琴は、綾に影響されすぎかな。それも半端に真似してる所為で何とも言い難い仕上がりになってる。」ウーン


足柄 「姉妹なんだから似たような服装になるものでしょ!?」


黒霧 「そうではない実例が此処に。」


天龍田「ん?」


足柄 「このふたりは例外よ!」


天龍 「俺達を色物扱いしてんじゃねぇ。」オイコラ


ハイ ツギー ナガスナァ!


黒霧 「妙高は・・・なんで中世ヨーロッパの家庭教師みたいな格好をしてるの?」


妙高 「例えがわかりづらくて不愉快です。」ニコォ


黒霧 「ロングのタイトスカートにフリル付きのブラウス。胸許を彩るアメジストのブローチ。似合ってはいるけど・・・。」


妙高 「けど・・・何です?」ピキッ


黒霧 「髪型が普段と変わらないから雰囲気がきついままだ。」スッ


妙高 「私に触れ・・・!」


黒霧 「時よ。脆く崩れ去れ。」


ピタ


羽黒 「お姉ちゃん・・・?」


黒霧 「後ろで束ねるんじゃなくて、纏めて肩に垂らせば・・・。」セッ セッ


黒霧 「ほら。大人の色香を漂わせる艶やかな女性の出来上がり。」パチン


妙高 「るな!って、あら?」


羽黒 「お姉ちゃん。髪、下ろしたほうがいい。凄く色っぽい。」パー


妙高 「そ、そう?羽黒がそう言うなら、下ろしてみても・・・。もう下ろしてる?」ウン?


黒霧 「最後は羽黒だね。」


羽黒 「うん。」


黒霧 「羽黒は・・・無垢な少女を演出してるところがあざとい。」


羽黒 「そういうファッションだもん。風に揺らぐロングスカートに薄桃色のブラウス。袈裟懸けのポーチもポイントだよ?」フフ


足柄 「羽黒が誰かに笑いかけてるとこ、初めて見たかも・・・。」ヘェ


妙高 「っ!駄目ですよ、羽黒!他の誰でも駄目ですけど、この人は特に駄目です!」ガシ


羽黒 「痛い・・・。」ウッ


妙高 「ごめんなさい・・・でも、わかってちょうだい。お姉ちゃんは貴女のことが心配なの!!」ブワッ


羽黒 「私の気持ちを勝手に決めないで。お姉ちゃんのそういうとこ、嫌い。」プイ


妙高 「」ピシィ


那智 「羽黒も時を止める能力に目覚めたらしい。」ホウ


足柄 「姉さん限定でね。」



色恋にガヤは不要。


オーイ


那智 「なんだ。まだ他にも誘っていたのか?」


足柄 「いや、今回は6人だけのはずだけど・・・。」


天龍 「既に7人目が居るだろ?」


ソウイエバ・・・


長門 「すまん。待たせた。陸奥が中々解放してくれなくてな。」フゥ


ヲ級 「服選びにすっごく拘ってたの。」


長門 「まさか下着まで替えさせられるとは思わなかった。」


・・・ハ?


黒霧 「長門。君、陸奥に何て言ったの?」


長門 「私は何も言っていないぞ?ただ、何処に出掛けるのか訊かれたときにヲ級がだな。」


ヲ級 「デートって言ってやったの。」ムフー


長門 「それでこの有様だ。」フェミニーン


黒霧 「そう・・・。筋トレは程々にね・・・。」


長門 「陸奥にも同じことを言われた。」ウム


ジャ イコウカ ナノ!


天龍 「いや・・・え?」


那智 「尾行するか。」


足柄 「そうね。」


天龍 「えぇ・・・。」


龍田 「私達は買い物に行きましょうね。」


羽黒 「うん。楽しみ・・・。」クスッ



此処から先は常識の適用外だ。


長門 「しかし、こう三人で手を繋いで歩いていると、デートというより親子の休日みたいだな。」


ヲ級 「一日家族体験なの。」ンフフ


黒霧 「それは面白そうだ。ね?"母さん"。」フフ


長門 「かっ!?・・・そ、そうだな。父さん。」ボソボソ


ヲ級 「おかーさん。」ニパ


長門 「っ!はぁ・・・こんな可愛い娘ができるなら、本当に結婚してしまうのもいいかも知れないな。」フッ


ヲ級 「あんまり調子に乗るとヲーちゃんは容赦しないの。」パー


長門 「・・・スミマセンデシタ」


ヲ級 「ヲーちゃんのお母さんはお母さんだけなの。擬似体験で我慢するの。でも、肉体関係までなら目を瞑ってあげてもいいの。」ムフー


長門 「お前はどういう教育をしてるのだ。実の親でなくとも、私はこの娘の将来が心配だ。」


黒霧 「大丈夫。ヲ級は自分の責任で行動を選択できる娘だ。僕がどれ程の猛毒だったとしても、それさえ飲み干してみせるさ。」


ポム


黒霧 「ヲ級、僕は君がどれだけ歪んだ道を歩もうと、ずっと君の父親で在り続ける。だけど・・・。」


黒霧 「僕の本質が冷酷非情な"暗殺者"であることを、忘れてはいけないよ。」


ヲ級 「うん・・・。わかってるのっ。」ニヘッ


長門 「どういう意味かはわからんが、私が踏み入っていい話ではないようだ。」フゥ


足柄 「何の話をしてるのかしら・・・。」コソッ


那智 「さぁな。だが、長門が気圧されているようにも見える。」フム


天龍 「なんで俺まで。」ハァ



我ながら隠す気零だなと反省中?


長門 「ところでだな。黒の発言に気になる言葉が含まれていたのだが・・・"暗殺者"というのは何の冗談だ?」


黒霧 「君が冗談だと思うならそれでいいさ。ただ、徒にそれを吹聴してまわる心算なら、夜の闇に呑まれないようにね・・・。」フ


長門 「っ!?」ゾワッ


黒霧 「ま、これは隠し事をする気はないって、君達に或る種の誠意を示しているだけなんだけど・・・。」


黒霧 「あんまり広まるのも困るから、この真実は長門の胸の内に仕舞っておいてもらえると助かるかな。」フフ


長門 「・・・墓場まで持っていくと誓おう。」タラー


黒霧 「ありがとう。」ニコリ


長門 「だが、陸奥のやつに誠意を示すのは遠慮してやってくれ。」


長門 「あいつはあれで男性への免疫が低いからな。この喉元に突き付けられた刃には、きっと耐えられん。」


黒霧 「・・・。」ニコー


長門 「ヲ級よ。私はとても嫌な予感がするのだが、これは気の所為か?」


ヲ級 「んーん。近い未来、陸奥お姉ちゃんの涙腺が崩壊することが確定したの。」


長門 「そうか・・・。」トオイメ



勤勉は善きこと哉。


五月雨「さて、お父さんも居ないことですし。勝手に訓練でもやっちゃいますか!」


漣・朧「うぇ~い!」ヒャッハー


紫苑茜「危なくないものにしなさいよ~。大怪我しても今日のしーちゃんに治療するだけの余力は残ってないわよ~。」


五月雨「安全な訓練などありましぇん!怪我をしないからという慢心が思わぬ事故を誘発するのどぇす!」


漣・朧「どぇす!」ビシッ


曙  「その前に、父さんに余力が残ってないってどういうことよ。」


時雨 「能力を使っちゃったってことだよ。榛名さんを元の大きさに戻すためにね。」


紫苑茜「人体の生成は魔力の消耗が激しいの。今日これ以上しーちゃんに能力を使わせるのは危険だわ。」


曙  「でも、どうせまた気絶するだけでしょ?」


紫苑茜「気絶で済むなら、こんなこと言わないわよ・・・。」


エ・・・?


五月雨「とぅはいえ!訓練をしないわけにもいきません!死なない程度に扱いてやるから全員纏めて掛かってこいやぁ!」ウラァ!


漣  「いきなり模擬戦か~い!」


朧  「先生!ぽんぽんが痛いです!」


五月雨「時雨姉さんは入渠の準備をお願いします。」ムン


時雨 「あれ?ボクも参加するんじゃないの?」チャキ


五月雨「・・・すみません。訓練はしますけど、模擬戦ってのは冗談です。あと、せめて刃を落としたやつ使ってあげてください。」エェ


漣  「暗殺者って恐い・・・。」


朧  「当たり前なのねん。」



現場で覚えるほうが早い。


五月雨「まぁ、そんなわけですんで、ちゃっちゃと始めますか。一対一の真剣勝負。」ギラッ


漣  「お~し、やったったん・・・いや、今なんて?」ウン?


五月雨「だから、模擬戦ではなく真剣勝負をすると言ったんです。あ、勿論ハンデは差し上げますよ?その上で、真剣勝負です。」ニタァ


エェ・・・


五月雨「私は撫子ちゃんとです。ハンデとして、私は素手でお相手しましょう。」


朧  「お~ぅ。」


時雨 「ボクは澪ちゃんとだね~。ハンデは・・・要らないよねぇ?」ニィ


漣  「言ってることが違うじゃん!?さみちゃん、この人どうにかして!!」


五月雨「澪ちゃんのこと、お願いしますね。」ニパー


時雨 「任せてよ。」ニコー


漣  「駄目だ。この姉妹、いかれてやがる。」


朧  「今や私達も義理の姉妹なのよ。」



時を止められるはお前だけではないぞ。


五月雨「いつでもいいですよ?撫子ちゃんなりの闘い方を見せてください。」


アイサー


撫子 「うっほ うっほ」ドンドン


五月雨「ドラミングですか。自分でエネルギーを溜めるとは、また効率の悪いことを・・・。しかし、悪くはないですね。」フム


撫子 「はどーけん!」ソイ


ピシュン スカッ


五月雨「流石に衝撃波は速いですねぇ。ま、中たってなんてあげませんけど。」シュン


撫子 「いらっしゃ~い。」ニヒッ


五月雨「さぁ、殴り合いを始めましょうか。」グンッ


ラララララァ!!



それが名の重み。


曙  「前々から思ってたんだけど、なんで五月雨は音速超えの攻撃を躱せるのよ。」


紫苑茜「しーちゃんに鍛えられたからじゃないの?恩恵の効果だったり、元々の素質もあるだろうけどね。」


曙  「恩恵・・・。そういえば、私まだ恩恵を授かってない。」ム


紫苑茜「灯の存在そのものが恩恵よ。」


曙  「それは母さんにとってでしょ。撫子も姫百合も授かってるのに。莫迦澪より後だったら絶対に許さないからね。」ゴゴゴ


紫苑茜(父と娘のディープキス・・・。想像しただけで悪寒が走るわ。)ハァ


曙  「私だって恩恵を授かれば、もっとこう・・・役に立てるかも知れないのに。」ボソッ


近衛麗「それは無理だと思うわよ。」


曙  「・・・どういう意味よ。」


近衛麗「どうもこうも、貴女は"紫苑の一族"でしょ?戦闘音痴が戦闘で役に立つわけないじゃない。」


曙  「父さんと同じことを・・・!」クッ


曙  「でも、私は黒霧の血だって引いてるんだから!義理のあんたとは違ってね!」


近衛麗「へぇ。中々言うじゃない。小娘の分際で。」ピキッ


紫苑茜「ヤッバ」


近衛麗「そこまで言ったんだから、見せてくれるのよねぇ。私には無い、黒霧の血を引く証ってやつを・・・。」


曙  「や、やややってやろうじゃない。」ガタガタ


近衛麗「白兵戦に特化した近衛に生まれ、パパの許で修行した"義理の"娘の実力。思い知りなさい、"実の"娘さん。」ニィ


曙  「」ウルウル


チラッ


紫苑茜「ごめんなさい、灯。わたしに麗は止められないわ。それに黒霧の娘を名告るなら自分で売った喧嘩くらい自分で片をつけなさい。」



真剣勝負は一撃に決す。


イヤアアア!


漣  「殺されるぅ~!!」ヒェェ


時雨 「ほらほら。逃げてばかりじゃ、運命は覆せないよ!」ギラッ


漣  「ばっか!こちとら刃は包丁しか握ったことがないってんだ!それでどないせぇっちゅうねん!」クワッ


時雨 「見て学べ!見て倣え!盗んで自分のものにしてみせろ!」グンッ


漣  「あ~あ!暗殺者ってのはどいつもこいつも優しくないねぇ!・・・だから動きが読みやすい。」ニヤ


ポイ


時雨 (閃光弾!?)バッ


漣  「はっは~!ブラフでしたぁ!」ソリャッ


クルッ ピタリ


時雨 「最後の一撃を大振りせず、刺突に抑えた抑制力は評価するよ。でも、まだまだキレがない。目を閉じていても避けられる。」チャキ


漣  「すみません。調子に乗りました。どうか私めの喉許に突き付けた刃をお収めください、御姉様。」タラー


時雨 「仕込み刀は脆い。斬り合いを嫌う態度は良い。一撃を狙うタイミングも良い。後は、確実に仕留める技術を身につけるだけだ。」スッ


漣  「それが一番難しんじゃん。」ハァ


ツー ン?


漣  「ちょっと斬れてるぅ!!」ナンジャコリャー!



能力に溺れること勿れ。


五月雨「ららららぁ!」ドドド


朧  「そっくりそのまま返してやるのねん!」フライガエシ!


シュバァ オット


五月雨「今のは危なかったですね。」フゥ


朧  「全部紙一重で躱される。」ムゥ


五月雨「ダメージを受けないとわかっているが故の余裕。カウンターに注力されるとこうもやりづらくなりますか。」


五月雨「こんなのを相手に打撃一本で小破させたんですね、茜さんは。いやはや、真性の莫迦ですよ。まったく。」ヤレヤレ


朧  「さみちゃんに勝ち目は無いよの。さっさと降参するヨロシ。」フフン


五月雨「さぁ、それはどうでしょう。打撃だけが体術ではないですからね・・・。」ユラァ


シュンッ オゥ!?


五月雨「攻撃を受けること前提の構えが徒になりましたね。こうも簡単に首を極めることができたのは初めてです。」ガシ


朧  「こっ!」


ギチィ ゲェッ!


五月雨「あれ?今、何か言いましたか?」


朧  「こっ・・・。」カハッ


五月雨「ん~。気の所為みたいですね。」ニコッ


パンパンパン!


五月雨「おっと。降参ですか。」スッ


朧  「げほっ!ごほっ!」


五月雨「駄目ですよ?降参ならもっと早くに言わないと。」メッ


朧  (言わせてもらえなかったのね・・・。)ガタガタ


五月雨「まぁ、能力に溺れた者の末路は大体こんなものです。次は落としますから。そのつもりで構えてくださいね。」スン


朧  「」



食欲を差し置いても。


レ級 「五月雨姉も眠姉も容赦ないな。」パク


潮  「」モッ モッ


レ級 「これは俺も本腰入れて指導しねーとかなー。」チラ


潮  「むっふ~。」キラキラ


レ級 「先に麗姉の傷心デザート、片づけないとな。」アム


ムグムグ


レ級 「・・・灯姉、まだ生きてっかな。」トオイメ


潮  「レーちゃん。」


ウオッ


レ級 「ど、どうしたよ。急に声掛けるから吃驚したじゃねーか。」ドキドキ


潮  「レーちゃん、私のこと何て呼んでたっけ。」


レ級 「"姫"だろ?姫百合だし、澪も撫子も、そう呼んでるときあるし・・・。駄目か?」


潮  「ううん。嬉しい。でも、灯ちゃんのことは何て呼んでたっけ。」


レ級 「灯姉。」


潮  「なんで?」


エ・・・? ナンデ?



字の意味から覚えましょう。


レ級 「そんなに気になるか?呼び方なんて、みんな適当だろ?」


潮  「適当って、適切に当てはめるってことだよね。だったら、呼び方の違いには意味があるはずでしょ?」ジー


レ級 「お前、本当に姫百合か・・・?」


潮  「漢字だけは得意なの。」


レ級 「本当に"だけ"なところが虚しいな。」


潮  「そういうのはいいから。」


ア ハイ



繋がりを感じて。


潮  「で、なんでなの?」


レ級 「なんでって言われてもなー。姉ちゃんだからって以外に理由なんてないし。」ウーン


潮  「私もレーちゃんのお姉ちゃんだよ?」


レ級 「でも、"義理"だろ。」


潮  「それは灯ちゃんもおな・・・え?」


レ級 「灯姉は"ちゃんと"俺達の姉ちゃんだぜ。血は繋がってないかも知んねーけどな。」


エエエエエ!?


レ級 「なーんか、わかっちまうんだよなー。そういうの。」ニヒッ


ン?


レ級 「血が繋がってないならどっちにしろ義理なのか?でも、父ちゃんと母ちゃんは同じだし・・・。」ムー


レ級 「ま、いっか。」ペカー



素直は好かれる。而して正直は・・・。


曙  「どうしようどうしようどうしよう・・・。」グルグル


紫苑茜「ほら、灯~!考え事してる余裕なんて無いわよ~!相手の動きをよく観察しなさ~い!」


曙  「観察たって、光が海面に反射する所為であいつの姿なんて・・・。というか、なんで潜ってるのよ、あいつは!」


ザパッ


近衛麗「海の上に立てる能力が無いからよ。」ヒュゴッ


ドゴォ クゥッ!


曙  「このっ!飛沫よ、氷雨と成りて射貫け!」シュバッ


シュパパッ


紫苑茜「海中に向けて放っても無駄よ~。或る程度まで潜られたら、弾丸だって届かないんだから~。もう少し頭使いなさ~い。」


曙  「だ~!もう!考えるなの次は考えろ!?戦闘経験浅いくせに余計な口出さないでよ!混乱するじゃない!」キッ


紫苑茜「へぇ。折角"錬成"が上手く使えるようになったことを褒めてあげようと思ったのに・・・残念ね。」


曙  「ごめんなさい!でも事実でしょ!後で絶対褒めてよね!」


紫苑茜「素直と正直を履き違えてないかしら・・・あの娘。」



成功談よりも失敗談に学べ。


漣  「とぉぉおぅ!」ヤー


時雨 「頭で考えて声に出さない。」ベシッ


イダッ


漣  「った~。何も刀で殴ることないじゃんか!間違って顔に傷でも付いたらどうしてくれるのさ!」プンスコ


時雨 「ボクがそんなミスをするとでも?」


漣  「結果論で未来を語るとか、すっごい自信・・・。尊敬しちゃう。」エェ


時雨 「とてもそんな風には見えないけど。」


漣  「だって、しぐしぐってば全然教えてくんねぇじゃん。見て学べって言うけどさぁ。無茶が過ぎるぜぇ。」


漣  「しぐしぐがどう動いてるかはわかっても、どう身体を動かせばそうなるかまではわかんねぇって。」


時雨 「それを習得することも含めて訓練だから。失敗したら考える。成功するまで、その繰り返しだよ。」


時雨 「さ、考える時間は充分にあったね。次にいこうか。」チャキ


漣  「鬼め・・・。」クッ



空手家の私は七人の子。


ソイソイソイソイソーイ


朧  「上段突き!」


五月雨「的の小さい頭を狙うのは素人のすることですよ。」ヒョイ


朧  「中段突き!」


五月雨「踏み込みが甘いです。自分の腕の短さを自覚しましょう。」スッ


朧  「地獄突き!」


五月雨「死角から突き上げる攻撃は良し。ですが、やはり小さい的を狙うものではないですね。」サッ


朧  「さそり!」グンッ


五月雨「蠍蹴りですか。見様見真似で形にしてしまうところ、無駄に器用ですね。」シュパッ


朧  「下段・地獄突きぃ!」チェストォ


ウワッ!?


五月雨「女の子が何て攻撃してくれてんですか!はしたないですよ!もう!///」


朧  「あと少しで"タマ"が取れたのね。」チッ


五月雨「私にそんなものはついてません!!あんまり調子に乗ると蠍固めを極めますからね!」


朧  「サブミッションは勘弁なのよ。」オーウ



大口を叩く度胸も無いくせに。


ゲホッ オエッ


曙  「くっそ・・・。」ハァ ハァ


近衛麗「もう終わり?その程度で黒霧の名を語ろうだなんて、思い上がるのも大概にしなさいよ。」オォォ


曙  「るっさいわね。今の私にそんな資格が無いことくらい、私が一番よくわかってるわよ。この先、望み薄だってことも・・・!」


曙  「でも・・・自分の決意を口にすることまで恐れていたら、本当に何も掴めなくなるでしょうが!」キッ


曙  「私は諦めない!何度無駄な努力と誹られようが!何度身の程を知らない莫迦と嗤われようが!絶対に!」


曙  「私は私を超えていく。乗り越えられない壁なら、その壁を越えられるくらいに大きくなってやる。」


曙  「私は!私の可能性を諦めない・・・!」ビキッ


ビキ ビキッ


近衛麗「うそ・・・。なんで、あんたが・・・。痣の無いあんたが・・・なんで。」


近衛麗「なんで、"凶化"を使えるの・・・。」


曙  「はぁ?そんなの決まってるじゃない。私が、父さんの娘だからよ!」



君の瞳に映る花火を見ていた。


シャカシャカ♪


黒霧 「いい曲は見つかった?」


長門 「ん?すまん。もう一度言ってくれるか?よく聞こえなかった。」スッ


黒霧 「僕も一緒に聴かせて。」


長門 「一緒にって。イヤホンならまだしも、ヘッドホンでシェアは・・・。」オイオイ


黒霧 「耳のとこ外向きにできるから。」


長門 「なんと。これは凄いな。」オォー


黒霧 「半分、譲ってもらえるかな。」フフ


長門 「ああ。」


シャカシャカ♪


長門 「・・・肩が触れているのだが。」


黒霧 「君の肩のほうが硬いだなんて、何だか複雑な気分だよ。」


長門 「それは私の科白だ。もっと鍛えろ。」


黒霧 「君の性欲が強すぎるのが悪い。」


長門 「公共の場で言うのはやめてくれ。これでも乙女なのだぞ?」


黒霧 「知ってる。こういう可愛らしいものが好きなんでしょ?」シャラ


長門 「熊のストラップ・・・くれるのか?私に。」


黒霧 「勿論。」ハイ


長門 「・・・ありがとう。大切にする。」キュッ


黒霧 「さっきヲ級がくじで当ててね。」


長門 「お前にはがっかりだ。」ジト



失敗は一度で懲りておこう。


長門 「で、そのヲ級は何処に行ったのだ?」


黒霧 「ピアノの試し弾きしてくるって、向こうに。」ユビサシ


~♪ ガヤガヤ


長門 「もの凄い人集りが出来ているが・・・。まさか、あれか?」


黒霧 「みたいだね。」


長門 「多才だな、お前の娘は。」


黒霧 「今は君の娘でもあるけどね。」


長門 「まだ続いていたのか、その設定。ヲ級に怒られるのはもう御免だぞ。」



見せない所で趣味全開。


モウイイ? ウ ウン・・・


龍田 「ど、どうかしら?」シャッ


羽黒 「10点。」


妙高 「女として嫉妬します。」チッ


龍田 「それは褒めてくれてるの?何点中の10点なの?妙高ちゃんに女としての感情なんてあったの?」


妙高 「どういう意味ですか?それは・・・。」ゴゴゴ


羽黒 「お姉ちゃん、邪魔。」グイ


妙高 「じゃ!?」ガーン


羽黒 「龍田さん、肌綺麗だから布地少ないほうが映える。イメージ的に、フリルとか無しでシンプルなのがいいと思う。」


龍田 「そ、そう?折角だから普段着けてるのとは真逆のものを選んだんだけど・・・。やっぱり、過激なほうが似合うのかしら。」


羽黒 「過激、違う。龍田さんに似合うのはセクシー。紐とか、そういうちょっとした露出の増え方がいい。」


龍田 「わかったわ。その方向で選んでみるわね。ありがとう、羽黒ちゃん。」ウフフ


羽黒 「うん。きっと、黒い人も喜んでくれる。」


エ?


龍田 「待って。どうしてあの人に見せることになってるの?」


羽黒 「え?見せる用だから、本気で下着選びしてるんじゃないの?」


龍田 「違うから!普通に普段用だからっ!///」


羽黒 「そう、なんだ。じゃあ、他人の評価は気にせず、自分が好きなものを選べばいいと思う。」


龍田 「ええ、そうするわ。///」シャッ


羽黒 「なんだ。からかって遊ぼうと思ってたのに・・・つまんないの。」ボソッ


妙高 「」マッシロ


羽黒 「・・・お姉ちゃんを無理矢理くっつけるのと、私がくっついて精神的に追い詰めるのなら、どっちが面白いかな。」


龍田 (え・・・。何、この娘。恐い!)ゾワッ



吊橋効果の条件は恐怖と頼りがい。


黒霧 「さて、陸奥にプレゼントするものは決まったかな?」


長門 「ああ。これにしようと思う。ゲームの音楽らしいが、この没入感には凄まじいものがある。」


長門 「これならば陸奥も他の何を気にすることなく眠れるだろう。」フ


黒霧 「そう。じゃあ、それを買ったらヲ級を連れて入り口で待っていて。知合いを見つけたから少し話してくるよ。」ジャ


長門 「わかった。あまり待たせるなよ。」


黒霧 「大丈夫。直ぐに済むから。」フフ


スタスタ


足柄 「やっば。気づかれた。」ゲ


那智 「何を今更。」


天龍 「それがわかってるなら尾行なんてやめりゃいいのに・・・。」


黒霧 「でも、ついてきたのは君自身の意志でしょ?」ユラァ


天龍 「っ!?」ビクゥッ


那智 「流石だな。いつの間にか背後に回っている。」フッ


足柄 「心臓に悪いったら。」


天龍 「いやもうほんとにマジで勘弁してくれ・・・。」ドキドキ


黒霧 「吊橋効果って知ってる?」ニコニコ


天龍 「知ってるけど絶対今じゃねぇ!」



私が私らしく在る為に。


黒霧 「で、こんな所で油を売っていて大丈夫なのかな?期限は今日が終わるまでって言ったはずだけど。」


天龍 「わかってんよ。それについてお前に確認したいことがあったから嫌々ついてきたんだ。」


黒霧 「確認したいことって?」


天龍 「お前に出されたお題の答えは、俺が俺らしく在ることなんじゃないかってこった。」ビシッ


黒霧 「へぇ・・・。思ったより早く気づいたね。」


天龍 「やっぱりな!振舞い方を身につけろって言葉がずっと引っ掛かってたんだ。」ヘッ


天龍 「思うがままに行動すれば、自ずとそれが俺らしい振舞いになる。危うく騙されるところだったぜ。」フゥ


黒霧 「でも、残念。このままだと今晩、君の寝室にお邪魔しないといけなくなる。」


天龍 「え?俺の部屋に来るのか?ってことは、龍田に見られながらするってことか!?」


黒霧 「今はそういう話をしてるんじゃなくて・・・。天龍、僕が君に何て言ったか憶えてる?」


天龍 「自分の魅力を理解して相応の振舞い方を身につけろ、だろ?」


黒霧 「そう。君の魅力。君はまだそれを理解できていない。」


天龍 「でもよ。自然体で居ることが俺らしく在ることに繋がるなら、別に俺の魅力なんて俺自身が理解する必要ないんじゃないか?」


黒霧 「」キョトン


天龍 「なんだよ・・・。」


黒霧 「いや、天龍って意外と賢いんだなって。」


天龍 「あんまり莫迦にしてっとぶっとばすぞ、この野郎。」



理想と期待と現実の狭間


黒霧 「自然体で居ることが自分らしく在ることに繋がる。これは正しいと僕も思う。」


天龍 「だろ?」


黒霧 「ではここで問題です。」テーレン


天龍 「どうした、急に。」


黒霧 「自分らしさって、誰が決めるの?」


天龍 「は?そんなの、自分が決めるにきまって・・・。」


黒霧 「本当の私はそうじゃないんだけどなって、そう思ったことはない?」


天龍 「・・・。」アー


黒霧 「自分らしさを自分だけが決められるなら、誰もそんなことは思わない。周囲からの期待と現実の差に苦しむことはない。」


黒霧 「つまり何が言いたいかっていうと、他人が思う君の魅力と君自身が思う君の魅力、その両方を理解しろってこと。」


天龍 「他人の目に俺がどう映ってるかなんて、俺がいくら考えたってわかるわけねぇだろ。俺は俺なんだし。」


黒霧 「わからないなら訊けばいいでしょ?」


天龍 「俺の魅力って?」


黒霧 「僕がそれを話すのは夜になってからだよ。」ソレジャ


スタスタ


天龍 「なぁ、俺の魅力って?」


足柄 「無駄にデカい胸。」


那智 「※自主規制※」ドカーン


天龍 「駄目だ。こいつらじゃ話になんねぇ。龍田と合流しよ。」ピ ポ パ


タツタ? イマドコニ・・・ オネエチャン タスケテ!


天龍 「え・・・?」


ツー ツー


天龍 「・・・え?」



家族から男女の形へ


ソウカ ナノ!


黒霧 「ただいま。」


長門 「やっと戻ったか。待ちくたびれたぞ。」


ヲ級 「おっそ~い、なの。」ニヒー


黒霧 「とても草臥れているようには見えないけど・・・。帰ろうか。」スッ


ヲ級 「帰りはもんちゃんに譲ってあげるの。」グイ


長門 「は!?いや、待て!私はっ!」


黒霧 「ヲ級の厚意を無碍にすると罰を中てるよ。」ギュ


長門 (この握り方はぁ・・・!)モンモン


ヲ級 「そしてヲーちゃんは空いたほうの手を貰うの。」ムフン


黒霧 「絶対に我慢はしないヲ級なのでした。」


長門 「」ボー


黒霧 「いつまで向こうの世界に行ってるのさ。」ンッ


長門 「・・・はっ。今、何かしたか?」


黒霧 「別に何も?」フフッ


ヲ級 「期待通りのもんちゃんクオリティなの。」ヘッ


ホオガシメッテイル?



七駆の暴龍


レ級 「・・・。」


潮  「うんしょっと。」ガション


レ級 「俺が言うのもだけどよ・・・。なんだ?そのごっつい艤装。そんなの俺が運んできた中にあったか?」


潮  「私に言われても・・・。ぱぱがこれだって。」


レ級 「んー。でもなー。」ムー


イギャアアア!


レ級 「戦闘狂共め。無茶はさせるなって母ちゃんに言われ・・・。」アレ?


レ級 「澪と撫子、なんで脚部艤装しか着けてねぇんだ?」


潮  「そういう仕様にしたらしいよ?動力部を改造して脚部艤装に無理矢理詰め込んだんだって。」


レ級 「改造ってレベルの話じゃねぇぞ、それ。蓮華のやつ、またとんでもねぇことを・・・。」ッタク


レ級 「ん?でも俺、確かに四人分の艤装を運んできたぞ・・・。」


潮  「やっぱりちょっと重いなぁ。こんなに重くて大丈夫かな。沈んだりしない・・・よね。大丈夫だ。」ホッ


潮  「あ、起動したら軽くなった。」オー


レ級 「まさか、駆逐艦四隻分の艤装をひとつに・・・。」マジカ



暴竜と暴龍


レ級 「来い、タイラント。」ズオォ


潮  「障壁展開。安全装置、解除。」ガション


レ級 「いくぜ、姫。」ニィ


潮  「えっと。右膝を着いて、左足は気持ち前に。それから腋に抱えるように手を回して・・・。」モタモタ


レ級 「・・・シュガル、ちょっと雷落としてやれ。」クイ


ゴロゴロ ピシャーン バチィ


潮  「射撃補助装置を起動・・・。あ、これ凄い。弾道予測線が見える。」ワァ


レ級 「エネルギーシールドの全方位防御とか反則だろ。シュガルの雷が全然効いてないじゃねぇか。」クソガ


潮  「ターゲット捕捉、照準固定。射撃準備、良し。・・・撃て。」カチ


ドォーン


レ級 「受け止めろ、ニブル。氷壁!」ズアッ


バキィ


潮  「次弾装填。照準変更なし。射撃準備、良し。・・・撃て。」カチ


ドォーン ベキィ


レ級 「二発でニブルの氷を砕いた。つーことは並の重巡より少し上くらいの火力か。」ホーン


潮  「目標破壊。照準を戦艦レ級に変更、固定。射撃準備、良し。・・・撃て。」カチ


ドォーン


レ級 「一割解放、凶化。」ピキッ


フン! ガキンッ


潮  「え・・・殴った?」


レ級 「ま、重巡レベルならこんなもんか。」フゥ


潮  「レーちゃん、かっこいい。」キラキラ


レ級 (上手くいってよかったぁぁ!!ぶっつけでやったのバレたら怒られるかな。後で姫に口止めしとかねーと。)ホッ


チラリ ン?


日陰 「・・・。」ニヤッ


レ級 (おわったぁ・・・。)サー



おにあいはアナ。


曙  「もう無理。動けない。」ゼェ ハァ


近衛麗「情けないわね。始めてまだ5分でしょうが。」フー フー


曙  「あんただって、肩で息してるじゃないの。」


近衛麗「5分間全力で泳ぎ回ってたら息くらい切れるわ。」ハッ


曙  「凶化と錬成を同時に使うのも疲れるっての。というか、凶化の反動ってこんなに凄かったのね。脱力感が半端じゃないわ。」グッタリ


近衛麗「脱力感ねぇ。灯のそれは本当に凶化なのかしらね・・・。」ボソ


ナニ? ベツニナンデモ


曙  「嗚呼、もう!自力で起き上がれないじゃない!母さん、手伝って!」ウー


紫苑茜「わたしに灯を抱えられるような筋力があるとでも?」


曙  「母親としてどうなのよ、それ。少しは鍛えなさいよ。」エェ


ヒョイ


曙  「・・・何のつもりよ。」ジト


近衛麗「勘違いしないでよね。別に、身動きが取れない今のうちに色々と弄くって遊ぼうだなんて全然思ってないんだからね。」ニィ


曙  「このっ!」


近衛麗「さ~て、灯ちゃんの性感帯は何処かしら~。」コチョコチョ


曙  「ちょっ!小学生に対して何てこと!や、やめっ・・・。」ヒャッ


ア アハハハ!



いつかは虎となる日が来るのかな。


曙  「あとで、憶えてなさいよ・・・。」ピクピク


近衛麗「やれるものならやってみなさい。期待せずに待っててあげる。背中がよわ~い、灯ちゃん。」フフッ


曙  「父さんに言いつけてやるっ。」


近衛麗「虎の威を借るのはやめなさい。碌な大人にならないわよ。」


曙  「娘の躾けは父親の義務でしょうが!虎の威でも借りるほうも虎の子ですぅ!」イー


近衛麗「・・・私のこと、パパの娘だって認めてくれるのね。」


曙  「はぁ?認めるも何も、あんたは父さんの娘じゃない。そこに関しては私がどうこう言えないわよ。」


曙  「でも、お姉ちゃんとは呼んであげないから。」フン


近衛麗「可愛くない妹だこと。」クスッ


近衛麗「ほら、こっち来なさい。膝枕してあげるわ。」ポンポン


曙  「・・・。」ズリズリ


ポフッ


近衛麗「私自慢の膝枕はどうかしら。」ナデリコ


曙  「まあまあね。母さんのほうが心地好いわ。」


近衛麗「ま、私は引き締まってるから。」


紫苑茜「それはわたしが太ってるって言いたいの?」ハッタオスワヨ?



望み薄の努力は無駄でなくとも虚しいものさ。


紫苑茜「ねぇ、麗ちゃん。」


近衛麗「なによ。可愛い妹の寝顔を楽しんでいるんだから、邪魔しないでちょうだい。」ツンッ


曙  「ん・・・。」Zzz


紫苑茜「・・・あんたねぇ。今朝、自分が宣言したこと、忘れてないでしょうね。」ジト


近衛麗「あー、それ。なんかもうどーでもいいや。」


紫苑茜「こいつっ。」ヒクッ


近衛麗「勢いで言ったものの、妻としてパパの隣りに居る自分が想像できないのよね。パパの結婚観とかもよくわかんないし。」


近衛麗「別に諦めるわけじゃないけどさ。本気で落としに掛かるのは、もっと可能性が見えてからでもいいかなって。」


紫苑茜「あっそう。」


近衛麗「灯を弄るのも楽しいし。取り敢えずは、この娘に"お姉ちゃん"って呼ばせることを目標にしようかしら。」フフ


紫苑茜「直ぐに達成されそうね、その目標。」


近衛麗「だから良いんじゃない。私、じれったいのは苦手なの。」


紫苑茜「しーちゃんとの相性最悪じゃないの・・・。」


近衛麗「そうかもね。でも、関係ない。相性の悪さなんて吹き飛ばしてしまえるくらい、私はパパのことが好きだから。」


紫苑茜「何と言うか・・・眩しいわ、今の麗は。」


近衛麗「"は"って何よ。というか、"ちゃん"付けじゃなかったのかしら。」


紫苑茜「わたしは精神年齢で他人を計るの。今の貴女に"ちゃん"は不要よ。」


近衛麗「そう・・・。パパは"ちゃん"なのね。」


紫苑茜「ええ。良くも悪くも変わっていないもの。出会った頃から、ずっと・・・。」



何故か恐れられている人って居るよね。


天龍 「おーい、龍田~?たーつたー。」


龍田 「お姉ちゃん!」バッ


ウオッ!?


天龍 「どうしたんだよ。普段のお前なら他人の目がある所で抱きついたりなんてしないだろ。らしくねぇぞ?」


龍田 「」ジト


天龍 「な、なんだよ。」


龍田 「それが助けを求める妹に掛ける姉の言葉かっ。」フンッ


ゴチッ アダッ


天龍 「頭突きとか・・・乙女がしていい技じゃねぇぞ。」オアァ


龍田 「うっさい。あたしの中学時代知ってるでしょ。」


天龍 「裏の番長時代か。あの頃の龍田は本当に・・・。」ハァ


天龍 「それが今や、こんなに可愛らしい服をって陸奥のワンピースはどうした。なんだその服。」


龍田 「羽黒ちゃんに剥かれたの。少女味がどうのって着せ替え人形にされて・・・それで。」


天龍 「幼稚園児みたいな格好にされたのか。」


龍田 「幼稚園児とか言うな。」


天龍 「だってお前。上から下までふりふり尽くしじゃねぇか。小学生でもそんな格好しねぇぞ。」


龍田 「羽黒ちゃんの趣味なんだからしょうがないでしょ!好きでこんな格好しないわよ!」


天龍 「嫌なら着なきゃいいのに。なんで羽黒の言いなりになってんだよ。」


龍田 「うっ。それは・・・。」


羽黒 「は~な~ちゃ~ん?」ユラァ


ヒッ


羽黒 「次はこれ、着てください・・・ね?」ニコォ


龍田 「は・・・はい。」フルフル


天龍 「俺が居ない間に何が・・・。つーか久し振りに聞いたな、龍田の本名。」



帰る里と彩る花。


龍田 「つっかれた・・・。」ズーン


天龍 「ま、よかったじゃねぇか。最終的にはまともに可愛い服を選んでもらえて。」


龍田 「オーバーオールなんて初めて買ったわ。」


天龍 「そもそも服買うのだって初めてだろ。」


龍田 「どの口が言うか。というかお姉ちゃん、下着の調達は済んだの?」


天龍 「あー。」ハハッ


龍田 「まだなのね。念の為に訊いておくけど、抱かれる心算は無いのよね?いや、無いわよね?無いと言いなさい。」ズイ


天龍 「ねぇよ。店にサイズが無いから特注になるってだけだ。安心しろ。」チカイ


龍田 「そう・・・。」ハァ


龍田 「なんで三十路の姉の心配をしなくちゃいけないのかしら。」


天龍 「うっせ。来年は"花"の番だぞ。」


龍田 「それは今年中に結婚するってこと?」


天龍 「年齢の話だよ。結婚するにも相手が居ねぇっての。」


龍田 「あの人と随分打ち解けているように見えますけど~?」


天龍 「否定はしない。」


龍田 「"黒霧 里"で領収書切ってやる。」フン


天龍 「おいこら。何を買う気だ?あんまり高いのはやめろよ?つーか、その領収書使えねぇぞ。おい、花?おいって!」キケヨ!



名は体を表す。


羽黒 「ん~。」ノビー


フゥ


羽黒 「満足。」ムフー


足柄 「あのたっちゃんを相手によくもまぁ。結構図太いのね、あんた。」


羽黒 「たっちゃん、違う。花ちゃん。」


足柄 「初耳だっつの。」


那智 「天龍は確か、里・・・だったか。」


足柄 「古くさい名前だこと。」


羽黒 「琴も大差ない。」


足柄 「里よりはましよ。あ、そういえば私、羽黒の本名知らないんだけど。」


那智 「妙高の本名も聞いた憶えがないな。」フム


羽黒 「お姉ちゃんに名前の話はしちゃ駄目。私も駄目。」


足柄 「あっそ。ま、無理には訊かないけど。」


那智 「知られたくない過去か。益々興味が湧くな。」フッ


妙高 「後悔しますよ?那智。」ユラァ


那智 「・・・どういう意味だ。」


妙高 「そのままの意味です。改造組の多くは、様々な事情で艦娘にならざるを得なかった娘達ですから。」


妙高 「そう例えば、口減らしの捨子だったり戦争孤児だったり、"死刑囚"だったり・・・ね。」フフフ


那智 「ほう。」ニィ


足柄 「冗談きついわ・・・。」ハハッ


羽黒 「だから言ったのに。名前の話はしちゃ駄目って。」



生まれ持ったポテンシャルは変わらない。


カポーン


漣  「あ~。つっかれた~。」


朧  「ちーん。」プカー


曙  「口で言う奴、初めて見たわ。」


潮  「Zzz」クー


近衛麗「私より大きい・・・。」ムッ


レ級 「ちゃんと抱いててやれよ、麗姉。此処の風呂は深いからな。」スーイ


漣  「な~、レーちゃん。あの白露姉妹、どうにかなんねーの。あれじゃあ強くなる前に殺されちまうぜぇ。」


朧  「うちも全身の骨をへし折られかねないのね。」


レ級 「あれだけ手加減してもらっといて贅沢言うなよな。昔の五月雨姉はもっと・・・。」


五月雨「もっと、なんですか?」ニコォ


レ級 「やっぱり今でも怖い。」



最近のブームはスムージー。


五月雨「さーて、それではっ。総評ですよぉ!」ビシッ


グウゥ


五月雨「何の音ですか?」


近衛麗「姫ちゃんのお腹の音よ。」


潮  「Zzz」スヤァ


五月雨「寝てるのに・・・?」エェ


五月雨「ま、それはいいとして、澪ちゃん!」


漣  「あはん!」ビシ


五月雨「投擲の狙いが良すぎです。意図的に外せるように練習してください。小刀の扱いはお父さんに訊け、とのことです。」


アイサー!


五月雨「はい、撫子ちゃん!」


朧  「いやん!」ビシ


五月雨「籠手の意味を理解してもらえたようで何よりです。撫子ちゃんの弱点は斬撃。それをいなすための装備ですからね。」


朧  「関節技の指導もお願いします!」


イイデショウ!


五月雨「次は、灯ちゃん!」


漣・朧「じーとぉー。」ジー


曙  「う・・・うふん。」


漣・朧「声が小さい!もう一回!」


曙  「えっへん!」バーン


漣  「その逃げ道があったか・・・!」クッ


曙  「どんなもんよ。」ドヤァ



而して格好は。


五月雨「灯ちゃんに関しては麗さんからお願いします。」ドウゾ


近衛麗「そうねぇ。ま、頑張りなさい。」


曙  「雑っ!」