2020-10-11 05:25:30 更新

概要

いつもに比べて、何か質が悪いなぁ…。


前書き

一番いいヤンデレ対策って何なんでしょうね。


優斗「どうしたもんかいな…」


白露「さ、さぁ…」


俺と茜は、部屋の中でどうすればいいのか考えていた。

こうなったきっかけは、さっききた電話が問題だ。

電話の相手は、祐樹だったのだが祐樹に問題が発生しているという事ではなく、亮太の鎮守府の方に問題が発生しているという事だった。

その問題の内容というのは、亮太の鎮守府にいる皐月と文月が暴走した、という事だ。


あそこの鎮守府にいる文月は、いわゆるヤンデレってヤツだ。

正直言って、亮太から引き離そうとしたら多分、俺らの命が危ない。

しかも、文月だけでなく皐月も暴走という点が余計に怖い。

暴走というのも、亮太関連か、それ以外か。そこさえも分からないのがもっと心配になる。


優斗「とりあえず、明日に亮太の鎮守府に向かうか。祐樹は来れないみたいだし」


白露「でも、ヤンデレ対策は?」


優斗「白露型全員で行く。以上」


白露「雑過ぎない!?」


優斗「いや、この鎮守府の平均練度が高いのが白露型だから」


白露「大丈夫かなぁ…」


優斗「一応、明石に頼んで麻酔銃とか用意してもらおうか…」


本来だったら、ゆっくりと2人で寝る予定だったのだが、不安で一杯になったまま眠ることになってしまった。

そして、翌日になった。



ーー執務室ーー

優斗「…てなわけで、亮太の鎮守府に今から向かう」


ここまでの経緯を白露型全員に話す。

全員、不安そうな表情を浮かべていたが、俺も不安だ。

だって、ヤンデレについて調べてみたけれども、なんだよ、アレ!?

好きな人のためなら人殺しだって余裕でやりかねないんだぞ!? そんな奴らがいるところに俺と茜で行ったら、死んでしまうわ!!


心音「ホントに大丈夫なの? お兄ちゃん」


優斗「まったく大丈夫ではございません」


心音「えぇ…」


一応、心音も連れてきた。練度は茜たちに比べると、まだ若干低いが、いざという時のためだ。


優斗「あ、見えてきた…。全員、準備しとけ」


亮太の鎮守府に近づく。茜たちは、海上を通って来ているのですぐに入れるが、俺は正門から入らなきゃならんので、一応何かが飛んできても大丈夫なようにしておく。


優斗「失礼しまーす…」


鎮守府の中は、異様な空気だった。

廊下とかには、艦娘たちが普通にいるのだが…。

執務室に近づくにつれ、更に嫌な感じになってきた。茜たちと合流し、執務室のドアをノックする。


優斗「入りまーす…」


亮太「…」


皐月「ねぇ、何回言ったら分かるんだよ? 司令官は、ボクのモノなんだよ!?」


文月「そんなわけないよぉ~。司令官は、私のモノだもんね~」


亮太「ふ、2人とも…。落ち着いて…」


優斗「お、おーい…」


亮太「あ、ど、どうも…」


部屋に入った瞬間、皐月と文月の鋭い目線が突き刺さる。

その目に、ハイライトは無くなってしまっていた。あかんやつやこれ。


亮太「2人とも、ちょっと話があるからちょっと退出してもらえるかな…」


皐月「なんで?」


文月「もしかして、逃げ出す気?」


亮太「い、いや、そんなわけないだろ!?」


皐月「そう。じゃあ、いいや」


文月「あ、今さっききた司令官さん」


優斗「ん?」


文月「私の司令官に何かしたら…。撃つよ?」


優斗「い、いや、何もしないからな!?」


皐月と文月が、俺にくぎを刺すように言ってから執務室から出ていった。

目が…。目が、あかん事になってますよ…。


亮太「すいません…。わざわざ来てもらって」


優斗「い、いや、別にいいけれども…」


亮太「本来だったら、僕からそっちに行きたかったんですけれども…」


優斗「皐月と文月があれだから、来れなかった、て感じか?」


亮太「はい…」


優斗「ま、まぁ、暴走したって聞いたからヤバいと思ってたけれども…。これぐらいならセーフ、みたいだな?」


亮太「いや…。これはまだ序の口なんです」


優斗「え?」


亮太が、これまで皐月と文月がしてきた事を話し始めた。

ヤンデレという、恐ろしい奴らの話を。



(1ヶ月前)

亮太「よし、これで作業終了っと…。さて、飯食いに行くか」


出来上がった資料を片付け、食堂の方に向かおうとする。すると、ドアがノックもされずに開けられた。


亮太「な、なんだぁ!?」


文月「しれ~か~ん、ご飯一緒に行こ~?」


亮太「え? お前ら、もう飯食ったはずじゃあ…」


文月「えへへ…。司令官がお仕事終わるまで待ってたんだよ?」


亮太「お、おう…」


亮太(睦月たちが遠征から帰って来てから、3時間以上経ってるはずなんだけれども…)



(半月前)

亮太「仕事、終了!! よし、飯!!」


食堂に今日も向かう。が、ドアがいつも通り開いた。


文月「司令官、ご飯?」


亮太「ふ、文月…。また、待ってたのか…?」


文月「そうだけれども…。今日は夕ご飯を頑張って作ってきちゃいました~」


亮太「…え?」


文月が持っているのは、カレーだった。しかも、ご丁寧に2人分作ってある。


文月「食べるよね? ね!?」


亮太「は、はい…」


もはや、脅しだった。

食べないなんか言ったら…。考えただけで恐ろしい。

ちなみに、カレーは甘口だった。野菜は少なめだった。人参どこ行った?



(1週間前)

亮太「…」


文月「~♪」


亮太「なぁ、文月」


文月「ん~? 何~?」


亮太「どうして執務室にいるんだ?」


文月「だって、どこかに行っちゃったら困るから~」


亮太(どこにも行く予定なんかないぞ…)


皐月「司令官~。入るよ~」


皐月がいつも通り部屋に入ってくる。

でも、今日はいつもとは違って文月が部屋にいる。


そのせいで、皐月のトリガーを引くことになってしまった。


皐月が、部屋にいる文月を見て呟く。


皐月「邪魔だなぁ…」


文月「ん~? 何か言った?」


皐月「いや? 何でもないよ?」


文月「え? でも…」


文月が、皐月を睨みつけながら言う。


文月「じゃまって言ったよね?」


皐月「…」


亮太「ちょ、お、おい…」


皐月「だってさ、ホントじゃん」


皐月が言い返す。しかも、文月を煽るかのように。


皐月「ボクが先に司令官に『好き』って言ったのに、後から奪おうとしてさぁ…」


文月「司令官は、皐月ちゃんだけのモノじゃないよね~? ね、司令官」


亮太「ま、まぁ、そうっちゃそうなんだけれどもさぁ…」


亮太が困惑しながら言う。

それを見た皐月は、少しイラつきながら言い返す。


皐月「でも、付き合ってはいるんだけれどもね?」


文月「ヘ~?」


亮太(アカン)


皐月と文月が互いに睨みつけながら、火花を散らしている。

けれども、目からハイライトが無くなってしまっているのは、分かった。


皐月「ねぇ、邪魔なモノは片付けないといけないよね?」


文月「そういえば、そうだね…」


皐月「海に沈められるのと、ここでボコボコにされるのどっちがいい?」


文月「そんな事される前に、後ろから撃っちゃってもいいよね?」


皐月「あぁ、でもそんな事したら司令官困っちゃうだろうなぁ~」


文月「皐月ちゃんが言ってる事も同じだと思うけれどもねぇ~?」


皐月「じゃあ、ここで消しちゃおうかな」


文月「皐月ちゃん、あったまいいねぇ~」


皐月・文月「じゃあ」


皐月「死ね」


文月「くたばれ」


目の前で、2人がガチの殴り合いになり始めてしまった。

止めようとするが、今入ってしまったら多分、大怪我どころじゃすまされない。


亮太「ちょ、お、おい!?」


呼びかけてみるけれども、まったくというほど聞く耳を持たない。

互いに互いを葬り去ろうとしている。


亮太「クッソ…。こうなったら、誰かを呼ぶしかねぇ!」


放送用のマイクを握り、大声で叫んだ。


亮太「誰でもいいから執務室に来てくれー!!」


耳が痛くなるぐらい、声が響いた。

それを聞いた艦娘たちが急いで執務室に向かって来る。

皐月と文月は、こんなにも響いているのにも関わらず聞こえてないようだった。


亮太「ヤバい、このままじゃあ…」


吹雪「どうかしたんですか、司令官!?」


叢雲「何か凄い大声出してたけれども、何かあったの!?」


最初に、この2人が部屋に入ってきた。

何も言わず、皐月たちの方を指さす。


吹雪「ちょっ…。何やってるの、皐月ちゃんも文月ちゃんも!!」


叢雲「やめなさい!!」


吹雪たちが止めようとする。

しかし、止めようとした2人は腹部に一撃を見舞われた。


吹雪「いっ…」


叢雲「げほっ…」


皐月・文月「邪魔しないでよ!!」


亮太「吹雪! 叢雲!」


2人は、気を失ってしまっていた。

艦娘と言っても、艤装をつけていない時はただの人間の女の子だ。

それでも、この威力なのでヤバいとか言ってる場合じゃない。


亮太「こうなったら、睡眠ガスでもぶちまけるしかねぇ…」


廊下にいた艦娘に明石の所にいって、どうにかできそうなモノを用意してもらえるようにしてくれと頼む。

亮太は、部屋の中で殴り合う2人をどうにかして止めさせないといけないと考えてはいるが、吹雪と叢雲の惨状を見た瞬間、どうにもならない事を知った。


亮太「このままじゃ、マジでどっちかが死んじまう…」


金剛「それなら、私たちに任せるデース!」


部屋のドアを思いっきり開けながら、金剛たちが入ってきた。


榛名「提督さんは、吹雪ちゃんたちを連れていってあげてください。ここは私たちがどうにかしてみせます」


亮太「…悪い」


金剛たちにこの場を任せて、2人を連れていく。


元居た部屋の中では、様々な声が聞こえてくる。

叫ぶ声。説得するような、優しい声。誰かを呼ぶような、声。


今は、そんな声には耳を傾ける暇はなかった。



ーーーーーーーーーー

亮太「まぁ、こんな感じです」


優斗「いや、最後ヤバくね?」


亮太「まぁ…。はい」


優斗「ちなみに、あの2人はその後どうしたんだ?」


亮太「その後は、暫くの間は別部屋に分けて過ごさせていたんですけれども、朝になるたびに僕の部屋に来てるんですよね…」


優斗「じゃあ、毎朝ヤバいんじゃ…」


亮太「一応、次暴れたらもう会えなくなるって、警告しておいたので大丈夫になりました…」


優斗「ま、まぁ、そう言うしかないわな…」


亮太「けれども、やっぱり皐月と文月は我慢の限界が来てしまったみたいで…」


優斗「また何かやらかしたのか?」


亮太「はい…。それが昨日、電話した件です」


優斗「暴走ってのは…?」


亮太「それは…」


亮太が話そうとした瞬間、ズドンという音が響いた。

音からして、考えられるのは艤装関連だ。


優斗「なんだ、今の音!?」


部屋から飛び出る。そこには、とんでもない光景が広がっていた。


海上に向かって、主砲をぶっ放している皐月と文月がいた。

主砲の向いた先には、茜たちがいた。

皐月と文月は、茜たちを狙って攻撃していた。


優斗「なっ…!?」


亮太「お、おい!! 何やってんだ!!」


皐月「だってさ、あの人たちってボクたちよりもカワイイよね? だから、司令官が目移りしないように始末しておこうって」


文月「邪魔者は全部消しちゃおう~」


亮太「お、お前ら…」


亮太は、肩を震わせていた。怒りで。


亮太「なんてことをしているんだ!! あの人たちは、優斗さんの所の艦娘だぞ!!」


亮太が、怒鳴り散らした後、優斗に頭を下げる。


亮太「すいません、優斗さんの所の艦娘に…」


優斗「お、おう…」


優斗(これ、相当ヤバいんじゃ…)


優斗は、皐月・文月が好きな人を手に入れるためには、邪魔者と思ったモノを排除しようとするという行動を見た瞬間、暴走と言っていた事がこれを指している事を理解した。


よくよく考えてみたら、廊下などに艦娘がいても寮の方に艦娘がいない事は可笑しいはずだ。

非番な艦娘は、大体は寮の中で過ごしているはずだ。けれども、寮には誰もいなかった。


その理由は、皐月と文月が「邪魔者」を排除しようとしたからだろう。

だから、寮ではなく別のところに避難させた。

なのに、廊下などに艦娘がいた理由は、皐月と文月は亮太が執務室にいる限りは執務室にいるからだろう。

亮太が執務室にいない時は、皐月と文月は寮の中に「邪魔者」を探しに行っている。


…これ、ヤバいのレベル超えてね?


こんな感じに勝手に脳内で仮設を組み立てながら、その場に優斗は立っていた。


(次回に続く)


後書き

優斗「時間予告担当は俺か…。次回予告する気分になれないぜ」

??「じゃあ、ボクがしてあげるよ!」

優斗「え?」

皐月「次回は、「みーんな敵。」に続くよ!」

文月「さぁ~て、お邪魔なモノを消さないとねえ~」

優斗「な、何でお前らが次回予告のところにいるんだよ!?」

皐月・文月「それ以上騒ぐと…。アナタも消すよ?」

優斗「ヒエッ…」


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2020-10-11 14:43:14

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