鎮守府大騒動(新章、最終話)
なんだこの最終回…。
文月のキャラが崩壊しかしてない…。
亮太「俺の鎮守府が…」
目の前に広がるのは、あちらこちらが壊れている部屋だった。しかも、1部屋だけでなく数部屋がこの有様だった。
亮太「どうしてこうなった…」
事の発端は、数時間前まで遡る。
(数時間前)
祐樹の鎮守府から、2人は一緒に歩きながら帰っていた。
皐月「~♪」
亮太「おいおい…。浮かれ過ぎだぞ」
皐月「だってさ~。司令官と付き合えるなんて…。夢みたいだよ~…」
亮太「はいはい…。とりあえず、鎮守府内ではあんまり言わないようにしろよ」
皐月「え? なんで?」
亮太「なんか、嫌な予感がするんだよ。だってさ、鎮守府内って俺以外ってみんな女の子だろ? これだけで察してくれ」
皐月「あ、うん…」
もしも、この皐月との関係が万が一でも他の娘のとこに漏洩でもしたら、皐月が大変な事になってしまうかもしれない。
そればかりは回避しなくてはならない。というか、鎮守府内での争いが起きてるって事だけで大問題だけども。
どっかの鎮守府では、最初にケッコンカッコカリした艦娘が他の提督が好きだった艦娘全員から嫌がらせ行為などをされる事案が発生した事があったらしい。しかも、駆逐艦しかいない鎮守府で。
こんな事が、もしも俺の鎮守府なんかで起きたら…。考えただけで背筋がゾッとする。
まぁ、皐月の事だから流石に言う事は無いだろうけども…。いや、やっぱり心配だわ。
皐月「司令官? 今さっきからブツブツ呟いているけどもどうかしたの?」
亮太「けども、あれは…。いや…」
皐月「し~れ~い~か~ん!!」
亮太「うわっ、ビックリした…。急に耳元で大声を出すなよ…。耳が壊れるわ」
皐月「だって、今さっきまでずっとブツブツ呟いてて聞いてなかったみたいだったから…」
亮太「そ、そうか…。悪い」
皐月「あ、そろそろ鎮守府に着くみたいだよ」
皐月が、指を指した先に鎮守府が見えた。鎮守府の外では、睦月型全員が2人を待っていた。
皐月「あ…。お~い!!」
皐月がそう叫ぶと、睦月たちが手を振り返していた。俺は、皐月との関係が分からないようにする為に、少しだけ皐月と距離を取った。
今さっきまでは、皐月が真横にいたからだ。もしも、真横に並んだまま鎮守府に戻ってきたりでもしたら、なんとなく気づかれてしまうかもしれない。
幸いにも、鎮守府に戻ってきた時はまだ大丈夫だった。
…今に至るまでには。
(3日後)
亮太「さて、買い物でも行ってくるか…」
いつも使っているペンのインクが切れたので、買い物に亮太が出かけた。
そんな時に、起きてしまった。睦月型の部屋の中で。
皐月「~♪」
如月「皐月ちゃん、最近元気みたいね」
睦月「元気がいいのはいい事にゃしい」
弥生「でも、なんで急に元気になったんだろう…」
卯月「よく考えたら、司令官と出かけた時以来、ずっとあの調子ぴょん」
水無月「何かあったのかなぁ~」
文月「皐月ちゃ~ん」
皐月「ん? どうかしたの、文月」
文月「皐月ちゃん、最近ずっと元気みたいだけども…。何かあったの?」
皐月「え? い、いや、ボクはいつも通りだよ!?」
文月「でも~。司令官とどこかに行った時からずっとこんな感じだよねぇ~」
皐月(これは…ヤバいよね。うん)
文月が、じわりじわりと皐月に迫っていく。そして、皐月は部屋の端まで追い詰められてしまった。
文月「皐月ちゃん、もしかして…。司令官と何かあったの?」
皐月「い、いや、何にも無かったよ!? ただ、久しぶりに外に遊びに行けたから…」
ドンッ!!
皐月「!?」
文月「ウソ、ついてるよね…」
文月が、皐月の顔の横に両手を思いっきりついた。まるで、逃がさないと言わんかばかりに。
皐月「いや、ウソはついてないってば!! 急にどうしたんだよ、文月!!」
文月「だってさぁ~。嘘つきは泥棒の始まりって言うよねぇ~」
皐月「だから…!!」
睦月「スト~ップ!! 2人ともストップ!!」
2人が喧嘩しかけそうになったところを、睦月がなんとか止める。
このまま放置していたら、大惨事になってしまっただろう。
しかし、睦月が止めているのにもの関わらず、文月は止まらない。
睦月「文月、止まるにゃしい!!」
文月「嫌だ。皐月ちゃんが真実を話すまで、ずっとこうする」
皐月「ヒッ…」
文月「もう一回聞くけども…。司令官と何かあったの?」
皐月(ど、どうしよう…。このままだと、ボク、どうにかされちゃうよ…。も、もう本当の言うことしか…)
皐月「えっと、実は…」
睦月ら「実は?」
皐月「実は…。その…。告白、したんだ。司令官に」
睦月ら「え?」
文月「それで、司令官はなんて答えたの?」
皐月「…」
文月「答えてよ」
皐月「オッケーって…」
文月「…そう」
文月はそう言うと、皐月の元から離れた。そして、部屋から出ていった。
皐月「た、助かったのかなぁ…」
睦月「そ、それにしても…。まさか、そんな事になってたなんて…」
弥生「そんな事があったら、普通はそうなるよね…」
卯月「でも、抜け駆けはズルいぴょん!!」
如月「文月、大丈夫かしら…」
水無月「なんか嫌な予感が…」
長月「やめろ。フラグが立つ」
菊月「もう立った気がするぞ」
三日月「一応、逃げる準備をしておいた方がいいですね」
望月「まぁ、文月の事だから…。私も逃げよっと」
皐月「え、みんな気づいてたの?」
睦月ら「うん」
皐月「よし。逃げよう」
睦月ら「うん」
睦月たちが、部屋から脱出しようとした。が。
ドカーン!!
その音で、全員は気づいた。あ、これあかんヤツだ、と。
文月「ねぇ、皐月…。殺っちゃっていい~?」
睦月「皐月、逃げるにゃしい!!」
皐月「う、うん!!」
文月「待てぇ~」
声は、いつもの声だった。だが、その声とは裏腹に…。殺意がこもっていた。
皐月「ウソでしょ…。文月がヤンデレになりかけているのは分かってたけども…。ここまでとは聞いてないよぉ~!?」
皐月は、全速力で走る。すぐ後ろでは、暴走する文月を止めようとする睦月たちがボロボロになっていた。
睦月「これぐらい、別に痛くないにゃしい…」
文月「邪魔だって…。どいてよ!!」
文月が、暴走し続ける。部屋がどんどん破壊されていく。しまいには、別の部屋まで破壊されていった。
(別の部屋では…)
「わぁ~!? 急に壁に穴がぁ~!?」
「私の大事にしてた時計が…」
「ゲームが…。粉々に…」\(^o^)/オワタ
皐月「…。みんな…。マジでごめん…」
色々な部屋の被害状況を見ながら、逃げていく。もう、鎮守府はえらいことになっていた。
艤装を準備する艦娘もいれば、粉々になった宝物を見て意気消沈する艦娘もいれば、ボーゼンとする艦娘もいた。
一方、鎮守府の外では…。
ーー鎮守府の外ーー
亮太「えぇ…。ナニコレ…。ここって、俺の鎮守府だよな?」
あちこちがボロボロになっている鎮守府を見て、亮太は唖然としていた。
そして、今に至る。
亮太「どうしたこうなってんだ…? 俺が買い物に行ってた時に、何があった…?」
あちこちがボロボロになった鎮守府を見ながら、再び唖然とした。
亮太「てか、艦娘たちは大丈夫なのか!?」
寮に全速力で向かう。向かう途中に、1人の娘にとすれ違った。
その娘は、俺を見た瞬間に涙目でこっちに走ってきた。
皐月「し、司令官…。た、助けて…」
亮太「皐月!? 何があった!?」
皐月「あ、あれ…。見て…」
皐月が指を指した方には、元凶と思われる艦娘がいた。
文月「えへへ~。皐月ちゃん、な~にしてるの~? まさか、かくれんぼしてるの~?」
亮太「おう…。なんでああなってんだ…」
皐月「実は…」
皐月が、これまであった事を説明した。聞いた瞬間、亮太は青ざめた。
亮太「まぁ、そこまで追い詰められたら誰だって言っちまうわな…」
皐月「ごめん…」
亮太「しゃーない。さて、どうするか…」
2人が、廊下の端で考えて始めた時。後ろに足音が聞こえた。
文月「み~つけたぁ~…」
皐月「ヒッ!?」
亮太「落ち着け、文月!!」
文月「あれ…? 司令官?」
亮太「なんで、皐月にこんな事をするんだよ!? しかも、鎮守府こんなにボロボロにして!!」
文月「だって…。皐月ちゃんが悪いんだよ?」
亮太「…どういう事だよ!?」
文月「だってさ…。私の司令官を奪うなんて…。ユルサナイヨ?」
亮太「いや、俺は誰のものでもないぞ!?」
皐月「え?」
亮太「いや、え、その…」
今さっきの発言で、更にヤバい展開にしてしまった気がする。冷や汗が止まらない。
皐月「もしかして、司令官…。嘘だったの?」
亮太「いや、違うって!?」
文月「じゃあ、皐月ちゃんと付き合ってるって事?」
亮太「いや、まあ。そうなんだけども」
文月「じゃあ、やっぱり、私の司令官を…」
亮太「ストーップ!! 落ち着け、文月!!」
文月「じゃあ、ここで皐月ちゃんを倒せば…」
皐月「そっちがその気なら、こっちもその気だよ?」
亮太「皐月!?」
皐月「文月がその気なら…。こっちもやるしかないよね」
亮太「ストーーップ!!! やめなさーい!!」
皐月「じゃあ、どうするのさ」
亮太「いや、えっと…」
文月「返答次第なら…」
亮太「やめろ。姉妹同士で殺り合いなんか話にならないって…。どうすりゃいいのよ…」
皐月と文月がずっと火花を散らしている。今の俺は、爆発寸前の爆弾を抱えている状況だ。
文月「しれいかん。私は、皐月ちゃんの何っ倍も司令官が好きだよ?」
皐月「ボクだって、文月の何百倍も司令官が好きだからね!?」
亮太「お、おう…」
皐月&文月「司令官は、どっちがいいの!?」
亮太「もう勘弁してくれよぉ~…」
こうして、鎮守府の騒動はどうにかして収まった(?)。この後も、2人の戦いは終わることは無い。
いつまでも。
終わり?
ーー同時刻、祐樹の鎮守府にてーー
優斗「んで、俺をここに呼んだ本当の理由があんだろ?」
祐樹「まぁ、な」
優斗「そうじゃなきゃ、俺と茜をここに呼ぶ理由がない」
祐樹「実は、俺の親父がこんなものを送ってきたんだ」
祐樹が、封筒を優斗たちの前に出す。そこには、【白露型2番艦以降の家族情報】と書かれていた。
優斗「んなっ…。なんだこれ…」
白露「これって…。まさか、優香たちの…」
祐樹「ああ。俺の親父が、元帥を辞めた後に調べたヤツだ。信頼性は高いっちゃ高い。んで、どうするか? この資料を見るのかどうか」
優斗「俺たちが知らない、優香たちの秘密がここに…」
白露「でも、これって見ていいのかなぁ…」
祐樹「見たくないなら、厳密に保管しておくけども」
優斗「でも、優香たちの過去、か…」
白露「みんな、過去を語りたがらないよね…。むしろ…」
白露「無理矢理、忘れようとしてる感じ…」
祐樹「…だろうな。だって、ここに載っているのは全て、苦しい話でしかないから」
優斗「だから、優香たちは…」
祐樹「あと、これだけ言い忘れてたんだけども」
祐樹「その資料、お前にも関係するぞ。優斗」
優斗&白露「え…?」
その一言を聞いた瞬間、2人はその資料を見る事を決めた。
優香たちの、地獄と。
優斗の親が味わった悲劇。
次回。新章突入。
「ボクのあの日」に続く。
どうも、作者です。
次回から、新章突入です。ただし、就活関連で来週は投稿出来ません。すいません。
ただし、完全作者の妄想劇なので、そういうのが嫌いな方はしばらく閲覧はおすすめできないです。
では、次回にまた。(6月中には投稿します)
文月、ちょっと前まで癒し系主人公枠で漫画の主人公やっとったのに
こんなにやさぐれて…。そろそろ皐月や白露も主役やんないかな
※1
白露が主人公のやつがあったら、速攻で買うな。うん。
こんにちは。完結おつです!まさかの文月がヤンデレとは・・・
※3
大天使文月なんてここにはいない。
世に文月のあらんことを
※5
夜に文月にあかんことを
※6 憲兵さんこの人です
※7
憲兵さんに捕まっちまったぜ。