弱虫男の提督記
弱虫で自堕落な生活を送っていた添田日和、しかしある時その日常は!?
ドタバタ…ドタバタ…。
艦娘…と言うものを聞いた事があるだろうか?
艦娘とは基本は人間と変わらないが、違う点が二つある。
一つは艤装と言う武器を取り付けられる事、そして人間よりもはるかに頑丈な事だ
話に聞くと、何でも大昔の戦争の時活躍した時の生まれ変わりだとか、知らんけどさ。
何故艦娘が生まれたか、それにはこの世界の状況を説明しなくてはならない。
この世界には、深海棲艦と言うおっかない敵がいる…目的は一貫して人類への攻撃。
その対抗手段が艦娘と言うわけだ。
まぁぶっちゃけ、僕には関係ない。
というか怖いから関わりたくないので、目も向けず自堕落に生きてきた…の…はずだったのに…
ーーーーーー
ーーーー
ーー
大淀「単刀直入に言います、貴方は妖精が見えるので提督として艦娘の指揮を取ってください。」
「⁇⁇⁇⁇⁇⁇⁇⁇」
浮かぶのは率直な疑問符。は?いきなり何言ってんのこの人。
大淀「面食らった顔してるとこ申し訳ないですが、これは強制です。」
「はぁぁぁぁぁ!?」
瞬間、家中に響き渡る声。
現在、僕こと添田日和は状況が掴めずにいた。
は?提督になれ?てか妖精が見えるってなに?そんなんで人類かけた戦いたい指揮官に一般人えらぶん?
なんなん?まじなんなん?この人なに言ってんの?
狭いアパートの一室、海軍から来た艦娘だと言う大淀さんが机を挟んで座っている。
表情何一つ変えないし本当に状況が掴めない。
日和「ちょっと状況を整理しましょう。」
大淀「はい。」
やっぱり表情を変えずにそんな事を言う大淀さん、まじなんなのこの人。
日和「まず、貴方が軍からのお使いできた。」
大淀「はい。」
日和「それでその小さくて飛び回る子を見せてきた。」
大淀「はい。」
日和「そして次の言葉は提督になれときた。ここまでは良いですね?」
大淀「はい、ではご了承頂いたということd…」
常識と言うものを知っているんだろうか、素直にそんな疑問が浮かんでしまう。
大淀「仕方ないですね、元帥をお呼びしましょう。」
ため息をつきながらそんな事を言う大淀さん。
大淀「元帥、お願いします。」
大淀さんが玄関に向けて叫ぶ。
すると…勢いよく扉が開かれ、なんだか大柄で偉そうな軍服を着たおっさんがズケズケと部屋に入ってきた。
元帥「ふむ、君が新しい提督くんか。」
おっさんは顎に手をやりながらそう言うと、僕の隣に座った。
誰だよこのおっさん。
泥団子でもぶつけてやるべきだろうか、いやしないけど。
日和「あの…まだやるとは一言もいってない…」
バン!
日和「ッ!?」
いきなり背中を叩かれる。
元帥「うむ!問題ない!貴殿活躍に期待しているぞ!」
初めて感じた、成程これが殺意という奴なのだろう。
なんなんだよこのおっさん。
大淀「という事で、話はつきましたね。」
ガシっと、僕の手を掴みながら大淀さんがそんな事をいう。
日和「待ってください、提督になるって方は深海棲艦との戦いの指揮をとるんですよね?」
大淀「そりゃ、当たり前ですが…」
なんて事だ…そんなの嫌だ…確かに、指揮をとる側だからそこまで危険ではないだろう。
だが、鎮守府が襲撃される可能性はゼロじゃない、つまり僕の身の危険もゼロじゃないのだ。
嫌だ、少しでも危険なことはしたくない…だって僕は、生粋の…
弱虫男なのだ!
もう恥は捨てよう、覚なる上は…!
日和「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、!!」
大淀「ちょっ!?」
日和「いやだい!嫌だい!折角自堕落に暮らしてたのに、そんな危なそうな事したくないやい!」
じたばた…じたばた…じたばた…
大淀「みっともないと思わないんですか…」
日和「そんなのよりも今の自堕落な生活の方が大事です…!」
大淀「元帥…どうしましょう…」
元帥「ふむ、日和君。勝手にしたが、書類手続きは一通り済んでおる。断ったら逮捕だぞ。」
やばいって、このおっさんまじやばいって…
逮捕は…されたくないな…
日和「分かりました…行きます…」
元帥「よし!それで良い!」
あぁ、最悪だ…本当に最悪だ…さようなら、僕の自堕落で最高な日常…
そんな事を思いながら、僕は連れて行かれるのだった…
ーーーーーー
ーーーー
ーー
大淀「貴方が配属される鎮守府の説明は以上になります。」
大淀「それでは最後に、初期艦を選んで頂きます。」
そんなこんなで、僕は色々と説明を受けていた。
因みに、今望む事は、初期艦に穏やかな子がいる事である。
キツい性格の子は勘弁である。まぁ流石に1人くらい優しそうな子はいるだろう。
さっき候補の子写真を見た感じも良さそうだったし。
大淀「あぁそれと、特別な事情があって、叢雲さん以外は初期艦の候補は違う子なので。」
などと、少しフラグっぽい事を言う大淀さん。
まぁ流石に、そんな簡単には…
…
叢雲「叢雲よ、ぐずぐずする奴なら酸素魚雷食らわせるわよ!」
…
霞「霞よ、私を選ぶならガンガン行くから足引っ張らないでよね!このグズ!」
…
曙「曙よ、あんまりジロジロ見るな!このクソ提督!」
…
満潮「満潮よ、なんでこんな提督の元に配属されたのかしら。」
…
うん、なんかそんな気がしたもん。
フラグは無事に回収されてしまった…
いやまじで皆んな性格キツい子じゃん…僕の苦手なタイプとはこの事である。弱虫な僕と相性が悪すぎる…!
面談が終わり、応接室で僕が頭を抱えていると…
元帥「初期艦は決まりそうかな?」
おっさ…元帥が背後から話しかけてきた。
日和「どこから出てきたんですか…」
元帥「ふむ…迷ってるようだし…よし、貴殿は少し気が弱くて心配だからな、わたしから大サービスだ!。」
元帥「あの子達を全員君の元に付けるとしよう!」
終わった…僕の提督生活はきっと辛いものになる…
元帥「さて、これで安心、安心。貴殿の活躍を祈るぞ!では!」ガハハ
笑いながら部屋を出ていった元帥…僕は1人取り残された部屋で
日和「あのクソ元帥がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
思わずそう叫ぶのだった…
いかがでしたでしょうか?ネタっぽい作品を書いてみたかったんです。
読んでくださりありがとうございました。
すこ(迫真)。
ありがとうございます、ギャグパートの勉強の一環で顔文字入れたり、突っ込みのところで文字大きくしたりとか色々挑戦しました。
前々から作者様の作品は読ませてもらいましたがこんなギャグチックな作品があるとは知りませんでした。
普段の儚い雰囲気とは違い、コメディで明るい色の作品もとてもいいですね!
コメントありがとうございます!大分前に書いた物の誤字修正版になります。
見てくれてありがとうございます!