バレンタイン〜日向side〜
バレンタイン特別短編です
自分の中での日向と伊勢のイメージで書いてるので解釈違いがあったらすみません
それは何気ない日常会話から始まった
「ばれん…たいん?」
そう聞くと伊勢はイタズラを思いついたかのような表情を一瞬してこういった
伊勢「日向知らないの?バレンタインは好きな男性にチョコを渡して告白する日なんだよ」
「へぇ…そんな行事があったとは」
伊勢「日向って気になる人いるの?」
「私?私は瑞雲がいれば…」
伊勢「瑞雲は人じゃないでしょ。」
「そうだなぁ…と言っても正直ピンと来ないな…恋とか愛とか…」
伊勢「そうなんだ…つまんないの。まぁいいや風呂行ってくるね。日向も秘書艦業務で疲れてるでしょうし早く入りなよ〜」
そう言って伊勢は部屋から出ていった。
ふぅ…
先程伊勢には気になる人はいないと言ったな
あれは嘘だ。『ウワァァァァァァァ』
ん?どこかで悲鳴が聞こえたような…気のせいかな
話を続けよう
私には気になっている男性がいる…
しかし一歩踏み出すことを恐れていた。
艦娘が、兵器が人間に恋心を抱いて良いものなのか。
彼は私の事を果たして恋愛対象として見てくれるのだろうか。
その迷いから私は踏み出せずにいた。
しかしそろそろ踏み出すべきかもしれない。
立ち止まってても何も変わらないなら自分から動くしかない。
バレンタインとやらは絶好の機会だ。
ここで踏み出さないと何も進まない。
私は動くことにした。
バレンタインまでの1週間でチョコを作る練習、ラッピングの練習、渡す練習を幾度となく繰り返した。
そしてバレンタイン当日を迎えた。
〜執務室前〜
ふぅ〜…
コンコン
提督「どうぞ〜」
ガチャ
提督「おお日向か。どうしたんだ」
…その光景を見て私は驚いた
提督の執務机の上には大量のチョコが積まれていた。
提督「あぁこれ?(義理)チョコ沢山貰っちゃってさ。この鎮守府に男性は俺一人だからといってこんなに貰えるとはな」
「そ、そうか…」
提督「で、何の用かなって…あれ?日向?」
…こんなにチョコを貰っているから私のは要らないか…
そう思って私は執務室から出た
〜日向と伊勢の部屋〜
伊勢「はい」
「これは…チョコレート?伊勢…もしかして私のことが…」
伊勢「違う、そうじゃない」
なぜか伊勢が変なポーズをとって否定している…
伊勢「これは友チョコっていって友達にあげるチョコだよ。私と日向の関係は果たして友達なのかってのはあるけどそのあたりは考えないことにした」
「でも伊勢…今日は好きな男性にチョコを渡して告白する日だと…」
伊勢「あ〜…あれ実は日向をちょっとからかっただけで…」
「…なるほど?」
伊勢「今日は友達や上司、家族…まぁ誰にでもチョコを渡して日頃の感謝を伝える日なんだよね…。勿論チョコを渡して告白する日でもあるんだけど。そう言えば提督、義理チョコ沢山貰ってたなぁ…おこぼれに預かれないかな?」
「義理チョコ?」
伊勢「まぁいわゆる恋愛感情はないけど日頃お世話になってるから提督にチョコあげようって娘が沢山いたってこと…って日向?」
「…用事を思い出した」
なるほどそうだったのか…
私はもう一度執務室に向かうことにした
〜執務室〜
コンコン
提督「どうぞ〜って日向か。さっきはどうしたんだ?
…まぁいいか。何の用かな?」
「これを渡そうと思って…。」
提督「おおチョコだ!ありがとう!義理でも嬉しいよ」
「…義理じゃない本命だ。」
提督「へぇ…本命ね……って本命!?本当に!?」
提督がテンパっているようだ
「あぁ本当に本命だ。私は君のことが好きだ。大好きだ。私のような兵器にこんなこと言われても嬉しくないとはおもうが…」
そう言って立ち去ろうとしたら提督が回り込んできた。
意図せずか顔がかなり近い位置にある
提督「いやいやいやいや!めっちゃ嬉しいよ!」
「…本当に?」
提督「うん。本当はこっちから言うべきだったのかもしれないけど…俺も日向が好きだ。ずっと気になってたけどどうしても言えなくて…ヘタレな提督でゴメンな」
「ううん…」
私は胸が熱くなった。そうか…これが愛と言うものか…
私は提督と唇を重ねた
「!?!?」
提督は困惑しているようだ。
その様子がなんだか可愛らしく、舌も入れてみた。
「!?!?!?!?」
困惑しつつも舌を絡めてくる
あぁ…なんて愛しいのだろう
そして唇を離した
提督「日向…」
「これが好きな人とすることと聞いたが…なにか間違ってたか?」
提督「いやそうじゃないけど…ほらやっぱこういうものは男からというか…まぁいいか」
そう言って次は提督から唇を求めてきた。
再び深く口づけをする
数分の後、唇を離した
そして見つめ合う
提督「…まぁなんだ。頼りない提督かもしれないが…これからは…艦娘日向だけでなく、恋人として一緒にいてくれるか?」
その時私がなんて答えたか…まぁ察しはつくと思うので詳しくは触れないでおこう。
あれから数年…
私達は結婚して退役することとなった
〜???〜
伊勢「あんたが先に退役しちゃうとはねぇ」
「きっかけを作ったのは伊勢じゃないか。あのとき、私をけしかけたんだろ?」
伊勢「バレてたか。」
伊勢は軽く笑った
伊勢「姉として、かわいい妹の悩みは見過ごせないからね。」
「しかしなんで私が恋をしていると…」
伊勢「勘…かな」
「勘なのか…」
伊勢「まぁまぁ。当たってたからいいじゃない。あんたは幸せになるのよ。」
ふと涙が出てきた
「伊勢…私はこのまま退役していいのだろうか…」
伊勢「な〜にいってんの。あなたは幸せを掴んだ。それは誰にも奪うことはできない。これからは私達が皆の…あなた達の幸せを守ってあげる。あっ提督が迎えに来たみたいよ。あっ元提督か。…じゃあね日向」
「伊勢…またな」
そう言って私達は鎮守府を出た。
end…?
お読みいただきありがとうございました
感想、評価などよろしくおねがいします
このSSへのコメント