走れウララ
ウマ娘ssです。
キャラ崩壊あるかも
走れメロスをモチーフに、ハルウララ主人公で書いてみました。
原作寄りの描写が多めです
好評であれば続き書きます。
誤字等あれば指摘お願いします
ウララは怒った
必ず、かのじゃちぼーぎゃくの相手を除かなければならぬと決意した。
ハルウララには色恋も難しい言葉もわからぬ。
ハルウララは、ウマ娘である。
トレーニングをし、レースに出て暮らしてきた。
けれどもトレーナーに関することに対しては、人一倍に敏感であった。
ハルウララは無勝のウマ娘であった。
一生懸命トレーニングして、いつも全力でレースに挑んでいたが、それでも勝ったことはなかった。
今日未明ハルウララは実家を出発し、電車やバスを乗り継ぎ、遠く離れたトレセン学園へと戻ってきた。
歩いているうちにハルウララは、学園の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もうすでに日も落ちて、学園の暗いのは当たり前だが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでなく、学園全体が、やけに寂しい。
のんきなハルウララも、だんだん不安になってきた。
道で会った若いウマ娘を捕まえて、何があったの?お休み前は、夜でも皆が歌を歌って、学園はにぎやかだったけど、と質問した。
若いウマ娘は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いて高等部のウマ娘に会い、こんどはもっと、近づいて質問した。ウマ娘は答えなかった。ハルウララは目を合わせて質問を重ねた。
ウマ娘は、辺りをはばかる低声で、僅か答えた。
「理事長が代わったんだ。どうやら前の理事長が海外に行くということで、代わりに新しい理事長が来た」
「でもなんで理事長が代わるだけでふいんきが暗くなってるの?」
「新しい理事長がとても厳しいからだよ。勝てないウマ娘のトレーナーを変えたり、引退させたりしてるんだ。」
「ええっ?理事長はらんしんしたの?」
「いや、乱心じゃない。ウマ娘は結果が全て、と言ってる。この頃はそれがさらに厳しくなってる」
聞いて、ハルウララは怒った。「呆れた理事長だ。ウマ娘の気持ちがわかっていない。」
ハルウララは、愚直なウマ娘だった。
荷物を背負ったままで、のそのそ校舎へ入っていった。
たちまち彼女は、警報に引っかかり、警備員に捕まった。調べられて、ハルウララが無勝だとわかり、理事長の前に連れて行かれた。」
「まだ無勝だそうだな?」新理事長は静かに、けれども威厳をとって問いつめた。その新理事長の顔は蒼白で、眉間のしわは、刻み込まれたように深かった。
「そうだよ〜」とハルウララは悪びれずに答えた。
「お前もか?」新理事長は憫笑した。「しかたのないやつだ。結果を残せないウマ娘の選べる道は少ない」
「ええっ…それじゃあ…」
「トレーナーを変える。優秀なトレーナーを、勝てないウマ娘につけておくのはもったいないからな」
「それがトレーナーのためになるならそうする…ただ…」と言いかけてハルウララは足もとに視線を落とし瞬時ためらい、「ただ、私にもう一度チャンスを与えてくれるなら、三日後の有馬記念まで待ってくれない?そこで勝ったら、これからもトレーナーと一緒にいていいよね?」
「ばかな。」と新理事長は笑った。「とんでもないことを言うな君は。ダートの、しかも短距離とマイルのレースしか出たことのない君が有馬記念で勝つとでもいうのか。」
「そうだよ。勝つよ。」ハルウララは必死で言い張った。
「私は約束を守るよ。三日間だけ待って。トレーナーが、私の帰りを待ってるの。そんなに私が信じられないなら、いいよ、ここに私の大好物の人参がある」そう言ってハルウララは荷物から人参取り出した」
「この人参を人質としてここに置いていく。私が勝てなかったらこの人参を煮るなり焼くなりしてください。お願い、そうしてください。」
それを聞いて新理事長はなんとも言えない気持ちで苦笑した。生意気なことを言うな。どうせ勝てないに決まってる。まぁ三日くらいなら待ってやろう。これを前例として学園の改革も進められそうだしな。
「願いを、きいた。有馬記念まで待ってやろう。負けたら、トレーナーを変え、この人参を貰う。レースから逃げてもいいぞ。」
「なに、何を言うの?」
「はは。脚が大事なら脚質適正にあってないレースにはでない方がいいぞ。君のためだ。」ハルウララは悔しく、じたんだ踏んだ。床が抜けそうになった。
ハルウララのトレーナーは深夜、理事長室に呼び出された。新理事長の面前で、トレーナーとウマ娘は1ヶ月ぶりで相会うた。ハルウララは、トレーナーに一切の事情を語った。トレーナーは無言でうなずき、ハルウララをひしと抱き締めた。トレーナーとウマ娘の間は、それでよかった。二人はすぐにトレーニングに出発した。真冬、満天の星である。
このSSへのコメント