八幡「とりあえず『GGO』ってゲームやってみるか…」5
八幡「とりあえず『GGO』ってゲームやってみるか…」4の続き
比企谷八幡は妹の小町や従姉妹になった川崎沙希に喝を入れられ、更には高校時代からの友人である戸塚彩加から励まされ、更には背中を押してもらい、再び『GGO』内であの3人と会う事を決めた…
注意 文章や内容がめちゃくちゃかも知れませんまた皆さんが思っているキャラクター像と皆さんが思って居るキャラクター像がもしかしたら違うかも知れません。
それでも大丈夫でしたら暇つぶし程度に見て行って下さい
あったかも知れない世界
それは、『あの2つのプロム』を何としても
成功させ、雪ノ下に告白し上手く行き
あの関係が崩れずにいつまでも続いた世界
だが、現実というものはそう甘く無い。
俺は確かに『2つのプロム』を成功させた。
しかし、2人は俺に2人揃って告白しよう
と言う話を聞いてしまい俺は今の関係が
崩れると考えてしまい俺は2人から離れ、
そして後輩からも離れ、
1人で過ごして行く道を選んだ。
自分でも後悔している。
だけど、今更何をしても許されない…
だから逃げ続けていた。
きっと、意識しないうちにタバコや酒も
付き合いでやっていたが、
『あの3人』の事を忘れたくてやっていたの
かも知れない。
だけど、戸塚と呑んだあの日
俺は今まで誰にも相談出来なかった事を
初めて相談した。
戸塚から返ってきた回答は
とってもシンプルだった。
『自分に素直になる』
たったそれだけだった。
心の底では考えていた。
実行しなかった自分へ
背中を押してくれた様な言葉だった…
戸塚と呑みに行ってから数日後
今日は仕事が休みの日
数日振りにクローゼットの奥に締まっていた
VRゲーム機『アミュスフィア』を
取り出た。箱を取る際、手に眼をやると
小刻みに震えていた。
心の奥では『あの3人』に会うのが
怖いのかもしれない。
だが、今逃げたらもう2度逢えなくなり、
50年後でも後悔し続けるだろうと思い
起動させた。
可能性は低いがまた会えるかも知れない。
今は、『GGO』の世界でしか逢えないが
もし、話が上手くいきリアルで
逢えるかも知れない。
そうして『あの3人』に謝罪して
またあの頃の関係に戻れたなら…
そんな小さな希望…
いやこれは自分に都合の良い我儘だ。
だけど今は胸に抱きながら
電脳世界へと意識を向かわせた。
目を開けると、懐かしい世界が
広がっていた。
赤なのか黄色なのか分からない空が広がり
周りにはゴツい体をした男性プレイヤーが
そこら中に居る。
数日振りだが、何処か懐かしさを
感じていた。
そんな感情に浸っていると
ある男が話しかけてきた
???「久々だね、兄ちゃん!」
その男は、俺がこの世界に初めて声を掛けて
来た男だった
ヒッキー「あ、あぁ…久しぶりだな」
???「最近、兄ちゃん見てねぇからもしかしたらやめたんじゃ無いかって思っていたところさ。んで、久々に見たって事はそのアカウント売ってくれるのい?」
ヒッキー「いや、まだ、アカウントは売る気は無い。ちょっとやらなくちゃいけない事があるからな」
男は少し、残念そうな顔を見せたが
普段通りの顔に戻した
???「そうかい、んじゃ俺は常にここに居るからいつでも、声を掛けてくれよな!」
ヒッキー「その時が来ればアンタに売るさ」
その場を後にし『あの3人』が居そうな場所
を探した。
最初は『パプリックスペース』を探したが
見当たらなかった。
もしかしたらと思って酒場を見たが
姿は無かった。
途方に暮れていた。
当然の結果か…俺は2度も逃げたんだ…
そんな時、足元に違和感を感じた。
何かにぶつかったかの様な感じだった。
???「痛てっ」
ぶつかった物は、声からしてフードを
深く被った女性プレイヤーの様だった。
ヒッキー「す、すいません…だ、大丈夫ですか?」
すぐに謝った。その際、フードに隠れた顔が
見えた。見覚えのある顔だった。
この人は…
レン「ああ!『ヒッキー』さんでしたよね
お久しぶりです!」
以前、一度だけ会った事のある
最近『GGO』内でちょっとした有名人の
『ピンクの悪魔』こと『レン』さんだった。
ヒッキー「れ、『レン』さん…お久しぶりですね…今日は1人ですか?」
そう、確か彼女にはパーティー仲間がいたが
今日は1人だった。
レン「……実は、次に向けての買い物を…」
『レン』さんが言った、次、とはきっと
『第四回スクワッド・ジャム』だろうと
安易に予測できた。
レン「そうだ、『ヒッキー』さんも今日は1人なんですね」
ヒッキー「え、えぇ…少しの間ログインして無くて今日振りに開いてみた限りなんですよ…」
事情は兎も角ある程度の事を
掻い摘んで話した
レン「だからなんですね」
『レン』さんが何かを思い出したかの様に
声を上げた
ヒッキー「何がですか?」
レン「いえ、先程『ヒッキー』さんのお友達がフィールドに向かっていたのを見たので…」
ヒッキー「それはどこでですか⁉︎」
『レン』さんが皆まで言う前に
俺は聞いてしまった。つい焦りも混じり
強い口調で言ってしまった。
レン「え、えっと…確か…〇〇だった様な…」
ヒッキー「ありがとう!愛してる!」
急いでポータルに向かい彼女らの
向かっていっただろうとフィールドに
向かった。
ヒッキーから愛の告白をされた
ピンクのおチビさんはと言うと…
レン「はぁぁぁぁ…愛しているかぁ…」
ヒッキーに言われた言葉に引っかかりを
覚えていた。
普段なら言葉の誤りや
その時の気分が変だったんだろうなどと
軽い気持ちで気にしないはずのだが
ピンクのおチビさんのリアルは
今はそれどころでは無かったのだ。
たった一夜会ったボンボンに告白され、
断った。
だが、諦めずに彼が『GGO』内に現れ
『次のSJで僕が優勝したら結婚してくれ』
などと言われ、今の彼女は次のSJには
どうしても勝たなくてはならないのだ。
しかし、この闘いはピンクのおチビさんに
とって散々な結果に終わるのは
まだ知らない。
急ぎ、砂漠のフィールドへと自身を転送した
急いでフィールドに来たためか装備が
十分では無かった。
いつもの『LVOA-C』に
『ショートスコープ』
『アングフォアグリップ』
『60発入り拡張マガジン』
とそのマガジンが3本ベストに
刺さっているだけだった。
グレネード類は全て身に付けてもおらず
ストレージにも無かった。
服装も『紺のジーパン』に
『黒のポロシャツ』『プレートキャリア』
以下にも『PMC』という装備だった。
正直、『あの3人』に会える希望は
薄かった。ここは『オープンワールド』の
特定の誰かを探すなんて…
増してや日本サーバー上で探すなんて
何百分の1の確率だ。
だが、諦めない…
こんなチャンスもう来ないかもしれない…
もう一度遭って言わなくちゃいけない
言葉を伝えなければならない。
その思いを持ちこの広いフィールドを
捜索していった
あれから1時間ほど経った…
やはり見つからなかった…
道中『全日本マシンガンバラーズ』
や全身黒ずくめで宝塚にいそうな容姿の
アバターで『AR-57』持ち、緑がかった髪に
『ブレイザーR93タクティカル2』持ちに
出会い『3人』の情報は無いかを
尋ねてみた。またすると似た様な3人を
見かけたと聞き、探したが
見つからなかった。同時に
今はイベント中らしく
高レベルのモンスターが突如現れるという
今の自分に無意味な情報も聞いた。
やはり、無理だったのか…
諦めかけた時だった。
地鳴りが鳴り、背後から轟音が聞こえたと
同時に唸り声が聞こえた。
振り向けば、自分の後方に
巨大モンスターが現れた。
自分の見てる景色に一つの通知が届いた。
『高難易度のモンスターが出現!!』
との通知を見た瞬間、走った。
今の装備では、勝てないと判断したからだ。
この世界では、戦闘中は転送できない。
それがモンスターと遭遇しただけでも。
自分の真後ろに出現していた為
武器も構えられず、少しでもダメージを
与え距離を取る事が出来ずにいた。
あぁ…これはバチが当たったかな…
いつまでもうじうじして『あの3人』に
謝らなかったから…
陽乃さんに指摘され自分からも逃げたから…
今思い返せば後悔しかして無いな…
そう言えば、最後にリタイアになったのは
いつぶりだろう…
そうだ…始めたばかりの時以来か…
ここでの痛みは足ツボを押された
ぐらいだったな
そんな、懺悔の念を唱えていた。
???「一色さんっ!!」
???「はい!!!」
ヅガガガガガッッ
???「みんなぁ今がチャンスだよ〜!!!」
???「お前らぁぁぁ!!ヤツに向かって撃ちまくれッッ!!」
???「速射!連射!掃射!高射!乱射!」
???「報酬はマシンガンが出たら俺たちのもんだぁぁぁ!!!」
???「撃ち続けろッッ!銃身が焼尽きるまでなッッ!!!」
???「そいつはパクリか?」
???「ついでに私達もッ」
???「了解…」
崖を見上げると10人程度のプレイヤーが
モンスターに向けて射撃をしていた。
そのまま走り続けていき、崖が緩やかな場所
まで来るとデザート迷彩に身を包んだ
女性プレイヤーがいた。
???「比企谷くん、こっちよ!」
そこには俺が謝らなければならない人の1人
『雪ノ下雪乃』
この世界ではスノーが待っていた
スノー「行くわよ、比企谷くん」
スノーは俺に手を差し伸べて来た。
俺は昔、この手を払い除け逃げた。
だが、今は違う。
しっかりとこの手を掴んだ
ヒッキー「ありがとう、スノー…いや、雪ノ下…」
10年ぶりだろうか、雪ノ下と認識して
会話をしたのは
スノー「今は、スノーよ。早く私達の手伝いをしなさい。由比ヶ浜さん達が頑張ってくれてるのよ」
ヒッキー「ああ、行こう」
雪ノ下に連れられ由比ヶ浜達がいる方向に
向かい
ガハマ「ヒッキー遅いよ!!」
イロハス「もう、助けたんですからちょっとは働いて下さいね、先輩」
このやりとり、いつぶりだろうか…
たわいの無い会話…確かに今までは俺は
正体を知らずに今まで通りの
会話をしていた。
だが、こうやってあの時の様に会話する事が
出来たと思うとそれだけで嬉しかった。
ヒッキー「悪い…助かったよ…あ、ありがとな」
ヒューイ「お熱い所、悪いがそろそろリロードに入るぜッ」
ヒッキー「あぁ、援護するよ」
そう言い、残弾が少ない順のプレイヤーから
マシンガンのリロードを始めていった。
イロハスは兎も角
『全日本マシンガンバラーズ』のメンバーは
手慣れた手つきでマシンガンを
リロードしていきすぐさま射撃を始めた。
次に『AR57』使いのクラレンスが
腰に幾つか付けていたグレネードを
モンスター目掛けて投げ
地面につくなりすぐに爆発し、
モンスターにダメージを与えていた。
クラレンス「っく〜やっぱり強いねぇ〜」
シャーリー「投げるならそう言え…」
クラレンス「ごめん、ごめん」
SJ3で敵同士だったはずの
クラレンスとシャーリーが
少し奥で連携しながら此方を
援護してくれていた。
だが、未だこのモンスターには決定打になる
ダメージが与えられていない。
徐々に予備弾薬が少なくなり
これ以上戦いが続ければリタイアも
視野に入れなくてはならない。
だが、俺はもうすでにここで
目的は達成している。
それでも良いが、まだ、多くのプレイヤーが
諦めていない。
それに見習って俺も諦めるわけにいかない。
その時だった
ポンッ、ポンッ、ポンッ
可愛らしい音が微かに聞こえて来た
と思ったらモンスターの体や周辺から
爆発が起きた
ガハマ「え⁉︎何、何⁉︎」
イロハス「ば、爆発⁉︎」
ヒューイ「この音と爆発…」
マックス「まさか…」
シノハラ「アイツか?」
クラレンス「これって?」
シャーリー「間違いない…アイツらだ…」
砂が爆風によって巻き上げられ、
数秒間視界が妨げられ、
やがて視界がクリアになると
反対側に子供の様な身長を持つプレイヤーが
2人いた
???「っうし!命中!!いや〜私もまだまだ腕は衰えてないって訳だねっ!」
???「それはバレットラインがあるからでしょ…」
???「それでも、モンスターにクリーンショット決めて凄いでしょ?」
???「はぁ〜とっても凄いですよ〜」
ヒッキー「レンさん?それにあの人って…」
クラレンス「確かフカ次郎ちゃん!」
ヒューイ「おっピンクのチビにグレポン使いのチビだ」
そこには街で出会ったばっかりのレンさんと
SJではレンさんの相棒にあたるフカ次郎さん
が助けに来てくれた
レン「皆さ〜ん少し下がって下さ〜い」
そう、レンさんが言うと隣にいる
フカ次郎さんがグレネードランチャーの
『MGL140』に弾込めをしているのが見えた
ヒッキー「ガハマ、イロハス、スノー下がるぞ」
ヒューイ「まさか、あれを撃つ気か?よし、お前ら下がるぞっ!」
クラレンス「シャーリーちゃん?」
シャーリー「分かっている…」
レンさんの指示に従い全員下がり、
それを確認したのかフカ次郎さんに指示に
出したかの様な素振りをみせ、
『MGL140』は火を吹いた
可愛らしい音が聞こえ、数秒後、
幾つもの巨大な青白い爆発がモンスターを
襲い、青白い爆発が収まるとモンスターは
横たわり赤いポリゴンがチラホラ出ていた。
ヒッキー「た、倒したみたいだな」
ヒューイ「けっ、いいとこ取りかよ。ま、助かったから許してやるか」
クラレンス「ヒュー、あれが、前回の…今が大会中じゃ無くて良かったぁ」
シャーリー「厄介だな…」
ガハマ「見てッ!アイテムが落ちたよ!」
ガハマの言葉で全員が崖の下を覗き込む。
そこには…
『H&K G28』『FNG』『AK-12』
の三挺がドロップしていた。
どれもGGO内では高レアリティに
当たるのだが…
ヒューイ「なんだ、マシンガンじゃねぇのか」
シノハラ「ったくがっかりだぜ」
クラレンス「はぁ〜興味な〜し」
シャーリー「ハズレか…クソッ」
フカ次郎「レンよ、其方は回収しなくて良いのかな?」
レン「私にはピーちゃんさえ居れば充分だからね」
フカ次郎「そっか、あたしも右子と左子がいれば良いしね。ねぇ右子?あれ?左子だっけ」
各々、目当てのアイテムが出なかったのか
興味をなくしていきその場を後にしていった
スノー、ガハマ、イロハス、ヒッキーを
残して…
早く、言わなくちゃ、早く言わないと
また逃げる…もう逃げないと決めたんだ。
ちゃんと向き合うって決めたんだ。
そう覚悟していたがいざ対面すると
VRの中でも分かるぐらい汗をかき
動悸が速くなるのが分かった。
このままではまずい。
早く終わらせないと、落ち着かせないと
『アミュンスフィア』の保護プログラムが
働き強制ログアウトされる。
それだけは避けなければならなかった。
ガハマ「ヒッキー…」
スノー「比企谷くん…」
イロハス「先輩…」
俺が勇気を振り絞れないのを見兼ねてか
はたまた俺に勇気を与える為かは
分からないが3人が俺の名前を呼ぶ。
その声を聞いた時決心がついた。
俺はちゃんと向き合わないとと…
ヒッキー「由比ヶ浜…雪ノ下…一色…また逢えて嬉しいよ…でもここじゃなんだ…何時になるか分からないが……また…あの場所で合わないか…」
そう言われた3人はすぐに『あの場所』
というのが分かったのは静かに頷き
ログアウトして行った
自分もリアルに戻るとすぐにベッドから
飛び起きそれなりの格好へと着替え、
マンションを飛び出した。
懐かしの母校へと…
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いよいよこのシリーズが終わりに近づいてきました。長い様な短い様な…次ぐらいで終わる様でしたらしっかりと終わらせます。また私も3人とも好きなキャラなので余力が有れば3人の分岐ルートを作ろうと思います。どうか最後までお付き合いください。また何か不備等が有ればコメントをください。すぐに修正いたします。
なんだかんだ2年くらい待ってた気がする...