2021-10-05 18:15:42 更新

概要

 地球へのアクシズ落下を阻止した男アムロ。地球へアクシズを落下させようとした男シャア。サイコフレームの奇跡により地球は救われ、二人は消息不明となっていたが…。


前書き

 完全な思いつき。UCで死亡したとされていましたが、あの二人には生きていて欲しかった一心で書いたものです。



        U.C.93年 地球圏


 1年戦争ではジオン軍から“白い悪魔”と恐れられたガンダムを操り、戦況を覆したNTパイロットのアムロ・レイ。


 連邦軍から“赤い彗星”の異名で恐れられ、数々の戦場でその力を見せつけたもう一人のNTパイロットであるシャア・アズナブル。


 この二人の13年に渡る因縁に、終止符が打たれようとしていた。

小惑星アクシズの破壊に成功したロンド・ベルであったが、赤い彗星の執念が乗り移ったかのように、その破片は未だ地球に向かっていた。

 破片となっても尚、地球に致命的な打撃を与えるには十分過ぎる質量を残して…。









シャア「アクシズの落下は始まっているんだぞ!」



アムロ「うるさい!黙って見てろ!」



アムロ「たかが石ころ一つ、ガンダムで押し返してやる!」



アムロ「νガンダムは伊達じゃない!!」



ジェガン隊「「「「「アムロ大尉に続け!」」」」」



アムロ「何だ…?どういうんだ?」



ジェガン1「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ。」



アムロ「しかし、爆装している機体だってある!」



ギラ・ドーガ隊「「「「「俺達も行くぞ!」」」」」



アムロ「ギラ・ドーガまで…!」



アムロ「無理だよ!皆さがれ!」



ギラ・ドーガ1「地球が駄目になるか、ならないかなんだ!」



ギラ・ドーガ1「やってみる価値ありますぜ!」





 格闘戦でシャアの乗機であるサザビーを破壊し、コクピットごと脱出したシャアを捕らえたアムロ。ブライト艦長達によって破壊されたアクシズが地球に落ちることを確信し、νガンダムでそれを押し返し、落下を阻止しようと決意する。

 シャアのコクピットをアクシズに押し込み、自身はアクシズを止める為にバーニアを吹かす。


 しかし、アクシズは止まらない。アムロ一人では足りない。


 そこへ、ジェガン隊だけでなくギラ・ドーガ隊までもアムロに続き、アクシズを押し返そうと行動を起こすも−−−





ギラ・ドーガ2「うわぁあああっ!!」ドガァアアッ!!



アムロ「もういいんだ!みんなやめろ!」



ジェガン2「ちくしょおぉぉぉ…!」ドガァアアッ!!






 アクシズの質量と大気の摩擦に耐えきれず、1機、また1機と宇宙-そら-に散っていく。






シャア「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって、地球を押し潰すのだ。」



ギラ・ドーガ3「ダメだ…もう…機体が…」グラッ



ユウ・カジマ「…!」ガシッ



シャア「ならば人類は、自分の手で自分を裁いて…」



ギラ・ドーガ3「」



ユウ・カジマ「…」



シャア「自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん。」



シャア「アムロ、何でこれがわからん…!」ナミダメ






 人類が繰り返す過ちに、その身勝手さに心の底から絶望するシャア。同じNTならば分かるはずだと、涙ながらにアムロに訴えかける。






アムロ「離れろ!ガンダムの力は!」キィィィィン



ジェガン隊「「「「「な、何だぁ!?」」」」」



シャア「こ、これは……サイコフレームの共振?」



ギラ・ドーガ隊「「「「「機体が、言う事を…!?」」」」」






 その時。νガンダムが光り輝き、その光が力の奔流となってアクシズを包みこんだ。張り付いていたジェガンやギラ・ドーガはそれに弾き飛ばされ、訳が分からぬままやむなく安全圏に移動する。






シャア「人の意思が集中しすぎて、オーバーロードしているのか…?」



シャア「な、なのに…恐怖は感じない。」



シャア「むしろ、あたたかくて…安心を感じるとは…!」



シャア「………そうか。」



シャア「しかし、このあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。」



シャア「それをわかるんだよ、アムロ!」






 一人事態を把握し、驚きながらも何かに納得するシャア。それでも人類に対する絶望を口にし、半ば自分に言い聞かせるように、強い口調でアムロに語りかける。


 それに対し、アムロは叫ぶ。






アムロ「わかってるよ!」



アムロ「だから、世界に人の心の光を見せなきゃならないんだろう!?」






 νガンダムが放つ力の奔流が一際強く輝き、2つに別れたアクシズをつなぐ。






ロンド・ベル兵「アクシズ、進路変更確実!」



ロンド・ベル兵「地球から離れます!」



ブライト「何だ?何が起きているんだ…?」






 眩い光に包まれたアクシズが、地球から離れていく。絶望的な状況が、謎の現象によって好転していくのだ。ブライト艦長とその部下であるロンド・ベル兵達は、戸惑いながらも目の前の光景に釘付けになっていた。


 これが、後の世に語られる“サイコフレームの奇跡”である。



















しかし









その光の中心にいた









アムロ・レイとシャア・アズナブル









同じ場所で同じ光景を目の当たりにした二人であったが










最後まで分かり合うことのないまま










現在も消息不明となっている





























































      西暦20XX年 横須賀鎮守府


ドタドタドタ



夕張「明石!」ドアバーン!



扉「アメリアァァァァア!」小破



明石「どうしたの〜?」カーンカーンカーン



夕張「ちょっと一緒に来て!」



提督「どうしたんだそんなに慌てて?」カーンカーンカーン



夕張「提督もいるのね!二人共ちょっと来て!」



明石「今那珂ちゃんの解体中なんだけど〜」カーンカーンカーン



提督「急ぎの用事なのか〜?」カーンカーンカーン



夕張「急ぎも急ぎ!緊急事態よ!!」



明石「那珂ちゃんの解体より大事?」カーンカーンカーン



夕張「そんなの後にして!」



提督「まさか敵襲か!?」カーンカーンカーン



夕張「敵襲ではないけど!那珂ちゃんよりも間違いなく大事!」



明督「「メンドイから三行でまとめて」」カーンカーンカーン×2



夕張「散歩してたら空が光った

   鎮守府前に謎の巨大ロボ

   艦娘全員戦闘態勢」



明督「「大変だぁぁあああ!!」」ε≡ヘ( ´Д`)ノ×2



夕張「置いてかないでぇ〜!!(泣)」ドアバーン!



扉「ハマーンサマァアア!」中破



那珂「…助かった?」



那珂「( ゚д゚)ハッ!」



那珂「那珂ちゃん、現場入りまーす!」ドアバーン!



扉「イタイイタイイタイィィ!」大破



妖精's「「「「「ボクタチモイコウ!」」」」」ドアバーン!!!!



扉「ヤッパオレッテ…フカノウヲカノウニ…」轟沈









 横須賀鎮守府前には、所属艦娘達が艤装を装備した状態で集合していた。夕張が休憩中に散歩をしていたところ、突然空が光り、武装した状態の巨大なロボットが現れたのだ。

彼女が提督と明石の居る工廠に走る間、所属していた艦娘達は各艦隊旗艦の指示で武装し、謎のロボットを包囲して臨戦態勢に入る。


 提督、明石、夕張、妖精さん、ついでに那珂ちゃんが到着したところで、旗艦達がロボットに砲口を向けたまま声を上げる。






長門「そこのロボット!お前は包囲されている!武器を捨てて投降しろ!」ジャキッ



赤城「抵抗しない方が身の為です!」ギリギリ



妙高「武器を捨ててください!」ジャキッ






 するとロボットはゆっくりと地面に武器を置き、膝をついた状態で応える。






??「こちらに敵意は無い。どうかそちらも武器をおろしてくれないか。」






 冷静な声がロボットから響く。声の様子から、乗っているのは男性のようだ。






神通「提督、どうしましょう?」チラッ



吹雪「司令官、攻撃の準備はできています。」ジャキッ



提督「うーむ…」



提督「どうやら言葉は通じるようだし、まずは俺が話してみよう。各艦、まだ武装は解除はするな。」






 そう言って提督は拡声器を持ち、前に出る。両脇には夕張と明石が控える。






提督「ロボットのパイロットに聞こう。そちらの目的は何だ?」



??「目的?」



提督「ここが海軍の施設と知って現れたのだろう?」



??「海軍?…ということは、ここは地球なのか?」






 提督の問いかけに対し、パイロットはふざけているとしか思えない回答をする。






長門「貴様、ふざけているのか?」ギロリ



??「至って真面目だ!ここが地球なら、アクシズの落下はどうなったんだ?」



提督「アクシズ?」



??「巨大な隕石だよ!宇宙から地球に落ちるところだっただろう?」



赤城「あまりふざけるようなら攻撃しますよ。」



提督「落ち着け赤城。ロボットのパイロットよ、まずはこちらの質問に答えてくれ。」



提督「何の目的があって、ここに来た?」






 提督は再度問う。






??「目的なんて無い。気がついたらこの場所に居ただけだ。」



??「こちらの質問にも答えてもらおう。」






 パイロットは答え、そして問う。






??「ここは何処で、今日は何月何日だ?」






 提督は何故そんな事を聞くのか疑問に思いながらも、その問いに答える。






提督「ここは日本国内の横須賀鎮守府。今日は西暦20XX年の10月5日だ。」






 それを聞いて、パイロットは更に戸惑う。






??「西暦だと?U.C.93年じゃないのか!?」



??「それに日本だって!?」



提督「それを聞いてどうする?そもそもU.C.?宇宙世紀だと?」



提督「やはりふざけているのか?」イライラ



長門「世迷言もいい加減にしろ。提督よ、顔も見せない相手にこれ以上話すことは無いぞ。」ジャキッ



赤城「そうです!まずは名乗りなさい!」ギリギリ



妙高「あなたの言っていることはまるで意味がわかりません。」ジャキッ



神通「撃ちますよ。」ジャコン



吹雪「撃ち方用意!」ジャコン






 パイロットの言動に、提督も艦娘も苛立ちを隠さなくなる。これには流石のパイロットも焦りを見せる。






??「待ってくれ!」



神通「今更何を!!」



??「君達の言う通りだ。戸惑っているのはお互い様なのに、自分の事ばかり考えてしまった。」



??「まずはここから出てそちらに降りよう。申し訳ないが、少しだけ機体から離れてくれないか。」






 艦娘達は警戒しながらも、パイロットの言葉に従いロボットから距離を取る。

 すると、ロボットの胴体部が小さく開いて中からパイロットが出てきた。身体にしっかりとフィットするよう宇宙服のようなものを着ており、ヘルメットを被っているため顔は見えない。


 その人物はロボットの手に乗り、その手を操作して地上に降り立ち、ヘルメットを脱いだ。






提督「…名前を聞かせてもらえるかな?」






 ロボットに乗っていた人物は名乗る。






??「自己紹介が遅れたな。」



??「僕はアムロ。」



アムロ「ロンド・ベル所属、MSパイロットのアムロ・レイ大尉だ。」






To be continued…


後書き

 今までで一番スムーズに書けた話になりました。アムロとシャアの関係って、見ていて熱くなると同時に悲しさも感じてしまいます。ファーストでは敵に、Zでは味方に、最後にはまた敵に…。
 そんな二人の、(無理やりな)延長戦をお楽しみに!

尚、冒頭シーンは真ガンダム無双及び作者の記憶内、そしてモブキャラ達がこんなことを言っていたらいいなという妄想から表現(再現)しているため、違和感があったら見て見ぬふりをしてください(笑)


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SS好きの名無しさんから
2021-11-22 17:21:55

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雪風響さんから
2022-06-08 00:24:53

SS好きの名無しさんから
2021-11-22 17:21:57

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