2022-03-07 16:41:03 更新

概要

某サイトから転載です。途中から俺になってたり敬語になっていますが気にしないでください。


前書き

これは僕が人生で初めてのフランス旅行に行った時の話。
その日、僕はシャルル・ドゴール空港からパリ市内に降り立って、駅へと向かうバスに揺られていたのだが……そこでちょっとした事件に巻き込まれてしまったのだ。
「あれ? ひょっとしてあなた日本人?」
と、その時である。隣に座っていた女性に声をかけられたのは。
「はい、そうですけど」
突然の出来事に驚きつつ答える僕。すると彼女はニッコリ笑ってこう言った。
「Comme c'est gentil!(いいね!)」
これが彼女の第一声だった。発音も完璧だし、なにより驚いたことにこのフランス語には聞き覚えがあった。そう、それはつい最近まで見ていたアニメの主人公が喋っていた言葉と同じものだったからだ。
「えっと、あの………」
僕の困惑をよそに、女性は楽しそうな笑みを浮かべたままペラペラとまくしたてる。嬉しそうに語る彼女だったが、僕はいまいち状況についていけなかった。とりあえず少し落ち着かせようと、僕は彼女を宥めることにする。
「あ、あのすいません。おっしゃっている意味がよく分からないのですけれど…………」
「ああごめんなさい、いきなりこんなこと言われても信じられないわよね」
すると彼女は申し訳なさそうに手を合わせて謝ってきた。
「自己紹介がまだでした。私はユーリア。突然だけど…」

「私と結婚して下さい」

「はいぃ!?」
……どうやら彼女の方も、色々と混乱していたらしい。

数分後―――。
ようやく落ち着いて話を聞くことができた僕らはお互いの身の上を話すことにした。と言っても彼女が話してくれた内容は簡単なもので、彼女は現在パリに住んでいる日本人の女の子なのだそうだ。そしてその趣味は漫画を描くことで、「日本の少女漫画に憧れているんです!」という事だったので、おそらく僕の読んでいた『君の名は』を読んでくれていた人だろうと思ったりしたわけだ。まぁでも考えてみれば確かに、僕自身もフランスの漫画家さんの漫画を読みながら、自分もいつかこんな漫画描いてみたいなと思っていたりするからなー……。だからこうして出会えたのは嬉しいかも? ただ……困ったことに、彼女は結婚相手を探していたのだという事がわかったのだ。しかもただのパートナーじゃない。所謂フィアンセ(婚約者)探しってことらしい。
というのも彼女、家のしきたりで16になったら結婚する必要があるそうだ。いや親の人、相手決めてくれよとは思う。ただまあ…めっちゃかわいい。何ならここで決めないと一生結婚できない気がする。

「分かった…結婚するよ」
「本当ですか!? やった~!!」
思わずそんな言葉を呟く僕に対して喜ぶ彼女を見て、ふと考える。
(……うぅん?)
というか待てよ?……じゃあその前に何歳なんだろ? 16っていうのはつまり、未成年…?いや16ならギリ大丈夫だ。しかし相手が外国人となると……果たして許されるのか?…………。
……いやまぁ別にいいじゃないか! 可愛い女の子が僕と結婚してくれると言っているんだし!! よし決まりだ。あとは何年待つことになるのか知らないけれど待ち続けるのみだ!!……と決意を固めたその時だった。ブーッ!!……突然バスの中に鳴り響くアラーム音。それに続いてスピーカーからは慌ただしく喋る男性の声が聞こえてきた。
《えー、乗客の皆様!もうすぐパリ北駅に到着しますので降りる準備をして下さい》 ……どうやら目的地に到着したようだ。ちなみにこのバスはパリのメトロ路線図でいうD線にあたる路線で走って来たものなので北駅まではまだ数駅あるはずだ。ということは……えぇっと、このバスが北駅に着く時間は大体30分くらい。そこから乗り換えて今度は東の方に向かうから……だいたい2時間ちょいか……まあなんとか行けるかな……? ともあれここで降りなくては大変なことになりそうな予感があった僕は、慌ててカバンを持って立ち上がる。隣では彼女にも荷物をまとめてもらいながら二人でバスの出口へと向かった。
パリ・ノール駅にて――。
バスから電車へと乗り換えた僕らは一路目的の街へと向かうため、フランス国鉄に乗り込んだ。時刻は既に午後6時前になっていたものの、相変わらずの人の多さだ。
そんな中を進みながら、俺達はユーリアの家に行った。
「広っ…」
彼女の家は300年続く財閥の本家らしい。土地だけで東京ドーム位ありそうだ。
「別荘なんですけどね」
そう言って彼女は笑ったが、僕にとっては十分豪邸だと思うけどな……。それにしても彼女のお父さん凄い。娘にここまで広い家を与えるなんて。まあ日本でも昔は、自分の嫁入り道具を持たせる為に娘の家を改造させたとか聞くし、きっとそういう事なんだろう。「あーそういえばそうね。うちも同じことをしてるかしら?」うん知ってたけどね!「そういえばさっき連絡した時に『明日そっちに行くから宜しく』と伝えといたのだけれど」ああそう。……まぁいっか。
そうそう話を戻そう。彼女のお父様(一応社長らしい)は多忙な人で、今日もこれからどこか他の場所で会議があるという。だから僕は彼女の部屋に行って泊まることにしようと思ったのだが、彼女はそれを断ってこう言った。
「私も貴方について行きますわ」――
「という訳でこれからどうすれば良いと思う??」
僕の目の前には今、一人の女性が座っていた。それは金髪碧眼の女性……先程知り合ったユーリアだ。彼女は僕の方を向きつつ、手に持ったノートを開いてペンを走らせている。どうやら漫画を描いているらしく、絵も上手い。
「何それ?」
「父に見せたくて」
「そっか」
「ていうかこんな簡単に高級ホテルって借りられるんだね」
「私の家が所有しているので」彼女は僕に向かって自慢気に答える。
――という訳で話は少し戻るが、結局僕達は二人共ついて来る事に決めたのだ。ただ彼女は漫画を描くのに集中したいとの事で、今回は別々に行動する事になるらしい。だからこうして僕の部屋にいるというわけである。……いや僕としては美少女が自分の部屋にいて嬉しいようなそうでないような微妙な気持ちだけど……。
「で、何の話だったっけ」「まず最初にやる事ですわ」……そうだよねー……、分かってるんだけどちょっと考えちゃうのよ……。まあ取り敢えずはお金かな。
「まず…あなたには婿になってもらうけど」
「まあ俺には兄がいるからそこは問題ないよ」
「それから…結婚したら金は全てあなたと私に引き継がれるわ」
「ええ…」なんだそれ。金持ちこえーよ……。でも結婚ってそういうものだから仕方無いか。しかしそんな僕を見てか彼女が口を開く。
「もちろんちゃんと理由があってよ。あなたのお爺さんのお墓、どこにあるか知っているかしら?」…………あ。
僕は思わず黙り込む。しかしそれもそのはず。何故なら僕達家族は皆同じ先祖代々の墓に入っているからだ。つまりもし彼女と婚約するとなれば当然、そこに入ることになる…………あれ……?待てよ……これってもしかするといい事じゃない?
「良いの?」
「良いよ…どうせ俺、逃げて来たようなもんだし」
というのも俺は子どもの頃から親に暴力を受けていた。フランスに来たのも両親から逃れるためみたいなものだ。今更あんな親と同じ墓に入るか。まあそんな事情を知ってか否か、ユーリアは小さく微笑んで、「決まりだね」と言った。
ちなみにこの後で分かったことだが、彼女の父は僕と似たような立場の人物らしい。ただし彼とは違い、彼女は母と共に日本に留学していた為あまり日本に思い入れは無いのだという。また彼女は、日本で出来た友人達にこの事を知られないようにするためにわざわざフランスに帰らず、このまま父の所で暮らすつもりなのだと言う。しかし、やはり心配なので定期的にこちらに戻って様子を見に来るとのことだ。まあ僕からしてみれば彼女も十分凄いと思わなくも無いけれど、やっぱり財閥の娘となると違うのだろうか。……話が脱線してしまったな。僕は再び彼女の言葉を聞き直す。そういえばさっきから彼女がずっと手を動かしているなぁと思っていたけれど、どうやらノートではなく日記帳らしい。


彼女の話を纏めるとこういうことだ。

1,ユーリアは俺と結婚する。

2,結婚にあたって俺は彼女の婿になる。

3,そして5年以内に子どもを作る。

…まじ?

俺、この人と子作りするの?

ユーリアに妊娠させるの?

「あの、ごめん。もう1回言ってもらっても良いかな」

「だから私と結婚して、夫婦になればあなたは私の夫になれるって事よ」

うん。確かに聞いた通りだね。まあそうだよな。……ん? ちょっと待った。

「そもそもさ、なんでいきなりそうなるんだよ」

「父からの命令なの。それにあなたにとっても悪い話ではないでしょう?」

「いやまぁそうだけど……」

なんだろう、何かが引っかかるような気が……。まあいいか。とりあえずは彼女の話を聞こう。

「実は私、貴方の事前から気になっていたのですわ」

「は? どういう事?」

「貴方、今まで私が会った男の中で一番素敵だからですわ」

「……は?」

今なんて言った? 聞き間違いじゃなければ俺を褒めた? え? マジで!?嘘だろおい! こんな可愛い子にそんなこと言われる日が来るとは夢にも思ってなかったぜ!!

「という訳だから宜しくね」

「あ、はい。分かりました」

思わず敬語になってしまった。しかし彼女は特に気にした様子も無く続ける。

「ああそれと、私の家、ここじゃなくて日本なんだよね」

「あ、ああそう…」

「安心して。私の家、あなたのお父様が勤めてらっしゃる会社の親会社なの」

「えっ…?」

「だから多分大丈夫だよ」

何が大丈夫なのかよく分からない。ていうか何で僕の父親が働いてるところ知ってるんだろう……。まあ取り敢えずはいいや。

「あともう一つあるんだけど」「何ですか」

「一応、貴方のお兄さんとも仲良くなっておきたいのよね」

「……はい」

「だから私、日本に行くんだけど…あなたも来ますか?」

「分かりました…」

「私達結婚するのですよ?敬語なんて不要です」

「はぁ…」


「ねえ?…旦那様」


ぐふっ!な、何だ今の言葉…可愛すぎるぞ……。しかも上目遣い……やばい。これはやば過ぎる。僕は思わず顔を逸らしつつ答える。

「分かったよ……ユーリア」

「はい」彼女は満足げに微笑むと、日記帳を開いてペンを走らせ始めたのだった。僕達は飛行機に乗り、日本へとやって来た。


「……本当に来たんですか」

空港に着くなり俺の兄がいた。

「実の弟に対して随分失礼じゃないですか」

「ユーリア…良いから」

兄さんは呆れたように溜息をつく。俺だって好きでここにいるわけじゃないんだよ。

「それで、これからどうするんだ?」

「取り敢えずは私の家で暮らしてもらうわ」

「え? 一緒に暮らすのか?」

「当たり前じゃない。夫婦になるのだから当然でしょう?」

「まあそうか…」

「ちょっと待て。お前今この子と結婚するって」

「そうだけど?この事を兄さんにとやかく言われるつもりはないから」

「……はぁ」

俺は兄の言葉を遮るように言うと、彼は大きくため息をついた。それから俺達3人はタクシーに乗り込み、ユーリアの家へと向かった。ちなみに彼女の家は都内にある超が付くほどの豪邸らしい。

「着いたわよ」

「えげつないな…」

パリの別荘より大きい。というか学校に行く途中にやたら大きい家があるなぁとか思ってたけど、まさかここに住む事になるとは……

「それでは行きましょう」

そう言って中に入っていく彼女について行く形で家の中に足を踏み入れる。するとそこにはメイド服を着た女性が数人待ち構えていた。

「おかえりなさいませ!お嬢様」

「ただいま戻りました」

「そちらの方々は?」

「私の旦那様とそのお兄様です」

「そうでしたか」

「何でこんな違和感ないのかな」

「そりゃあこの家の人達全員日本人だからです」

「え?そうなの?」

「知らなかったのかよ!」

「まあまあ落ち着いてくださいまし」

ユーリアが苦笑しながら宥める。


「申し遅れました。私の本名は桜坂結璃愛と申します。ユーリアというのは偽名です」


「桜坂…!?」

兄さんが驚くのも分かる。桜坂、つまり大財閥の「桜坂グループ」の娘だったのだ。俺の親が働く会社の親グループであり、総資算は数十兆円とも言われているのだ。

「お二人共どうかしました?」

「いえ、何でもありません」

「ああ、気にしないでくれ」

「それより、荷物を部屋に運び込んで頂戴」

「かしこまりました」

「あの、俺はどこで寝れば……」

「貴方の部屋なら用意してあります」

広っ……何この部屋。

「では…始めましょうか」

「何を?」

「子作りです」

「はいぃ?」

いきなり過ぎませんかね?ていうかもう夜だし……。

「早くしてくださいね」

そう言って彼女はベッドに潜り込んだ。僕は仕方なく彼女に近づき、キスをする。そしてそのまま押し倒した。ん?何かおかしいような気がするぞ……?

「ちょっ!ストップ!ストーップ!!」

「どうされました?」

「いやその……あれだろ?普通は逆だよね?」

「そんなことございませんでしたよ?」

「いやいやいやいや!絶対違うだろ!」

「旦那様は攻めたいのですか?」

「えっ、えっそういう訳じゃ…」

「……えっちなお方ですね」

(ビクンッ!)

一歩間違えれば襲ってしまいそうだが、何とか理性を保つ。

「おやすみ、結璃愛さん」

「おやすみ旦那様」


「おはようございます」

「うーん……あと5分だけぇ……」

「起きないとイタズラしますよ?」

「へ?」

「えい♡」ちゅっ

「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「おねぼうな旦那様ぁ…そんな所も好きですよ」

「ゆ、ユーリア……?一体どうしたんだ?」

「昨日言ったじゃないですか。子作りするって」

「え?でも……」

「私達夫婦になったんですよ?それに、私はあなたの妻なんですから、遠慮する必要なんて無いのです」

「でも!俺はもっと、そういうのは段階を踏んでからするべきだと思っています!」

「そ、それもそうですね…」

「だからその…で、デートとか、行きません?」

「はい!喜んで♪」…………。

「兄さん、これどういう状況だと思う?」

「さあな。取り敢えずお前ら2人にはしばらく帰って来ないで欲しいと伝えておく」

「了解」

「それと、避妊具はちゃんとしておけよ」

「俺は!そういうことへの進め方が分からないので!多分大丈夫!」

「……」

「……」

「何かごめん」

「そんなんだから今まで彼女いなかったんだろうなって思うわ」

「今の彼女は超美人ですが?」

「…行って来いよ」

「分かった」

「俺はもう帰るわ」

「そうして」

兄さんは帰って行った。


「結璃愛さんはまだ来てないかな」

「旦那様」

「あっ可愛い」

もはや反射的に言っていた。

「ありがとうございます」

「今日は何したい?」

「そうですねぇ……映画見に行きましょう」

「いいね」

僕らは映画館へと向かった。

「何見る?」

「恋愛ものでお願い致します」

「分かった」

僕達はチケットを買い、劇場内へと入った。

「楽しみですね〜」

「うん。ところで何で恋愛ものなんだ?」

「それは、私が旦那様に恋をしているからです」

「え?」

「冗談ですよ。ただ単に、こういうのが好きなので」

「ああ、なるほどね」

「始まるみたいだよ」

「手、握っても良いですか?」

「別に良いけど…」

(キュッ)

「あったか…」

「旦那様の手は冷たいですね」

「冷え性なんです」

「…旦那様の手、大きい……」

「何か言った?」

「いえ何も」

「そう…あ、始まるよ」

「はい」

こうして僕らの映画が始まった。

「面白かったね」

「ええ、とても良かったです」

「次何処行こうか?」

「旦那様に任せます」

「じゃあ服屋行かない?」

「良いですね」


「どんなのが似合うかな?」

「旦那様のセンスなら何でも着こなせますよ」

「褒めても何も出ないよ?」

「本心ですよ?」

「ありがと」

「こちらこそ」

「何か買う?」

「いえ、私は特に…そうだ!旦那様、私の服を選んで下さいよ!」

「え?俺が選ぶの?まあいいけど……」

僕は彼女の服を選び始めた。

「これなんかどう?」

「これはちょっと派手すぎませんかね?」

「そんな事無いと思うよ?試しに着てみてよ」

「分かりました」

数分後、

(シャーッ)

「どうですか?」

「うん絶対可愛い」

「そうですか?私としてはそれ程…」

「いや素材が良いから何着ても似合うよ」

「嬉しいです」

「他にも色々あるから選んでみる?」

「はい!」

その後も色々な服を着せてみた。

「このワンピースとか凄く可愛い」

「そうですか?私には少し可愛すぎる気が……」

「何を着ても似合うんだから」

「旦那様は私を過大評価している気が」

「いや正当評価だよ」

「そうでしょうか?」

「うん」

「では、これにします」

買いすぎなのは分かる。しかも全て彼女の金だからちょっと申し訳なく思って来た。

「旦那様が好きって言って下さるだけで私は嬉しいのです」

「そっか…」

「次はどこ行きたい?」

「そうですねぇ……あ!ゲームセンター行きましょう!」

「あ!良いねそれ」

僕達はゲームセンターに向かった。

「旦那様!あれやりません?」

彼女が指差したのはプリクラだった。

「プリクラなんてやった事ないかも」

「そうなのですか?」

「まあ俺…付き合った事ないので」

「じゃあ私が初めてってことですか?」

「そう…ですね」

「嬉しいです」

「どういうこと?」

「…内緒です」

「えぇー教えてくれてもいいじゃん」

「ダメです」

「ケチだなぁ」

「知りたかったら、またデートして下さいね」

「分かったよ」

「じゃあやりましょう」

僕達は中に入った。

(こういうのってどこら辺まで近付くものなんだろうか…。よし!)

(グイッ)

「えっ…旦那さ」

(パシャッ)

「…ごめん」

「どういうつもりで?」

「……結璃愛さんと…近付きたかったです」

「……そうですか」

「嫌でしたよね……すみませんでした」

「いえ、別に大丈夫ですよ」

「じゃあもう1回撮りますよ」

「はい」

その後、2人で撮った写真を見て、お互い笑いあった。

「楽しかったですね〜」

「…結璃愛さんって良い娘ですよね」

「どういう意味ですか?」

「結婚したい位だよ」

「これからするじゃないですか」

「そうだったね」

「旦那様、今日はありがとうございます」

「こちらこそ」

「最後に、お願いがあるんですけど」

「何?」

「キス……してくれませんか?」

「え?」

「……やっぱり無理ですよね」

「違うよ。ただ驚いただけ」

「え?」

「いいよ」

(チュッ)

「ん……」

(ギュッ)

「これで良いかな?」

「はい。とても幸せです」

「良かったよ」

「では帰りましょうか」

「そうだね」

「お腹空いたな……」

「それでしたらこの辺で良い店を知っています」

「あ、そうなんだ」

「すぐ近くですし、今日はそこで食べましょう」

「そうですね」


「何これ…」

「父の知り合いが経営している寿司屋です」

「時価…」

俺の人生で行った事ないです。時価の店。

「どうぞ」

「いただきます」

「美味しい……」

「それは良かったです」

「こんなに美味い寿司食った事無いかも」

「大袈裟ですよ」

「俺の知ってる寿司屋って100円の回るやつなのでこんな美味い寿司知らないんですよ」

「でもス○ローは美味しいですよ?」

「段違いだよ」

「そんなに褒められると照れちゃうじゃないですか……」

「本当だよ?今まで食べた中で1番美味いかもしれない」

「そこまで言われると嬉しいです」

「結璃愛さんのお父さんに感謝しないといけませんね」

「そうですね」

すると寿司屋の店主が話しかけて来た。

「あれ!よく見たら結璃愛さんじゃないですか」

「父がお世話になっています」

「こちらこそですよ!あなたのお父さんがいなければウチは続いてませんから」

「そうでしたっけ」

「10年前にこの辺が再開発された時、この店も立ち退かれそうになったのですよ。そんな時にあなたのお父様が必死になって説得されたおかげで今この店は続いているのですから」

「そんな事があったのですか…」

「だから本当に感謝しています」

「父も喜んでいますよ」

(やっぱ凄い人だな…結璃愛さんの父さん)

「結璃愛さんのお父様に会ってみたいですね」

「父は忙しくて滅多に帰って来れないので難しいかもしれませんね」

「そうですか…ところで、そちらの方は?」

「…私の恋人です」

何か紹介されたわ。

「どうも」

「へえ~!あなた、めちゃくちゃ当たり物件引いたね!この娘凄い良い娘だよ!」

「ですよね!本当良い人ですよ!正直俺なんか選ぶ理由ないでしょう?とか思ったりしますよ!」

「それはまあ彼女なりに理由があるんだと思いますけど、それにしても彼女、良い娘だよね」

「めちゃくちゃ可愛いし、性格良いし、俺のこと凄く愛してくれるし!」

「…横見てみ」

「ん?…あっ」

彼女は赤面していた。その時、俺は自分が非常に恥ずかしい事を言ったと思った。

「君に免じて今日のお代は無料で良いよ」

「あ、ありがとうございます…」

「じゃあそろそろ帰りますね」

「はい。また来て下さいね」

「もちろんですよ」

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

(ガチャ)

「旦那様……」

「ごめんなさい」

「いえ……嬉しかったです。私のことそんな風に思っていてくれたなんて」

「そうですか…」

「一つお願いがあるのです」

「何ですか?」

「…さっきの言葉をもう一度、今度は私の目を見て言って下さいませんか?」

「え?」

「お願いします」

「分かりました。言いますよ」

「はい……」

「俺には勿体ないくらいの良い女だよお前は。俺の事を愛してくれるし、俺の為に色々頑張ってくれてるし、俺の自慢の彼女だよ」

「……」

「それにとっても可愛いし、優しいし、正直俺にはもったいない位だよ」


「あ、あの……」

「ん?」

「もう大丈夫です……」

「分かった」

「では行きましょう」

「そうだね」

「今日は一緒に寝たいです」

「いいですよ」

「では早速ベッドに行きましょう」

「はい」

「あ……」

「どうかしましたか?」

「いや、何でも無いですよ」

「そうですか」

「はい」

「お休みなさい」

「お休みなさい」

(チュッ)

「おやすみのちゅーですよ♡」

「おやすみちゅーですね」

「ふふっ」

「ははっ」

(チュンチュン)

「おはようございます」

「おはよう」

「朝ごはん出来ていますよ」

「いつもありがとね」

「いえいえ、好きでやってる事なので気にしないでください」

「いただきます」

「どうですか?」

「美味しい!いつもそうだけど、本当に料理上手いよね」

「そ、そうですか?」

「うん。本当凄いと思う」

「嬉しいです!もっと食べてくださいね!」

「はい。いただきます」

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした」

「洗い物するから食器貸して」

「えっ、それなら私が…」

「良いよ。それ位させてよ。いつも料理食べてばっかりで何か申し訳ないし」

「じゃあお願い」

「任せてよ」

「はい。終わりましたよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ」

「じゃあ歯磨きしたら出かける準備しますね」

「了解」

「行ってきまーす」

「行ってらっしゃいませっ!」


「今日はどこ行こうか?」

「私、行きたい場所があるのです」

「じゃあそこにしようか」


「プラネタリウムか…何年ぶりだろう」

「私、星とか好きなんです」

「何か分かるなぁ」

「旦那様はどんな星座が好きなんですか?」

「う〜ん……オリオン座かな」

「どうしてですか?」

「なんかカッコイイじゃん」

「確かにそうですね」

「結璃愛さんは何座なの?」

「私は乙女座です」

「なんか可愛い感じだよね」

「そうですか?」

「うん。可愛いって言うより綺麗系だよね」

「ありがとうございます」

「そろそろ始まるみたいだね」

「楽しみです」

「本日はご来場ありがとうございます。これより皆様を星の世界へご案内します」

「良い席取れて良かったね」

「私は旦那さまの隣ならどこでも良いです」

「そ、そういうものなんだ…」

「はい……」

「それでは上映開始致します」

「わぁ……綺麗……」

「そうだね……」

「……」

(何か言うべきかな…「君の方が綺麗だよ」とかそんなロマンチックな言葉とか…そんなこと、絶対言える気はしないけど)

何となく気まずかった。

「あっという間でしたね」

「そうだね」

「また来たいです」

「そうだね」

「次はどこに行きましょうか?」

「服でも見に行かない?」

「…またですか?」

「あ、それもそうか…」

「…っ!なるほど!今度は旦那様の服を私が選ぶということですね!」

「え、あ、違うけど…まあ良いか」

「やったー!」

(可愛いなこの人)

「じゃあ行くか」

「はい!」

「これなんてどうでしょうか?」

「ちょっと派手じゃない?」

「いえいえ、似合っていますよ」

「本当に?じゃあ買おうかな」

「旦那様は素直ですね」

「他人に似合うとか言われた事ないから」

「そうなんですか?」

「うん。自分でも分かってたし、別に気にしてなかったんだけどね」

「これからは私が言いますから大丈夫ですよ!」

「それはそれで恥ずかしいな……」

「そうですか?」

「うん」

「では次はこれを着てみてください」

「えぇ……」

「早く着てください」

「はいはい」

「どうかな?」

「良いと思いますよ!とてもお似合いです!」

「そっか。じゃあこれにするよ」

「はいっ!じゃあレジに行きましょう!」

「え、俺が払うよ」

「ダメです!」

「なんで?」

「これは私のわがままなのです!」

「分かったよ」

「ふぅ……疲れました……」

「結璃愛さんがあんなにはしゃぐとは思わなかった」

「だって楽しかったんですよ!」

「そんなものかなぁ…」

「旦那様だって、私の服選んでいる時は随分楽しそうでしたよ」

「そうでした…」

「じゃあそろそろ帰りましょうか」

「そうだね」

「今日はありがとうございました」

「こちらこそありがとう」

「また行きたいです」

「そうだね」

「じゃあおやすみなさい」

「お休み」


「…んあぁ……おはようございます」

「ああ、おはよ」

「今何時ですか?」

「7時半くらいだけど」

「えっ…もうこんな時間ですか!?」

「朝ごはん食べる?」

「食べます!」

「分かったよ」

(あー可愛っ)

「はい、出来たよ」

「ありがとうございます」

「いただきます」

「美味しいです!」

「良かった…不味かったらどうしようかと」

「いえいえ、非常に美味しいですよ!」

「なら良かったよ」

「でも悪いです…作ってもらってしまい」

「いや普段ずっと作ってもらってるんだから、たまにはこれ位させてよ」

「分かりました……でもいつかちゃんとお返ししますね」

「期待せずに待っとくよ」

「酷いです……」

(可愛いなぁ)

「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様でした」

「洗い物はやっておきますね」

「良いよ、それ位自分でやるし」

「そう、ですか…」

「どうしたの?」

「いえ……何でもありません」

(何かあったのだろうか?)

「あらそう?」

「はい……じゃあ私は学校に行ってきます」

「行ってらっしゃい」

(何か変だな……)

「ただいま〜」

「おかえりなさい」

「あれ?結璃愛さん?」

「はい?」

「学校は?」

「そういえば…私、卒業していました」

「…ん?」

「私、飛び級で高校出てるんですよね」

(何で頭まで良いのさ)

「ただその癖が残っていて、たまに行ってしまうことがあるのですよね」

「へぇ〜そうなんだ」

「まあでも、旦那様と一緒に居られる時間が長くなるので嬉しいです!」

「そっか……」

(可愛いなぁ)

「じゃあ俺は部屋に戻るよ」

「はい!ではしばらく」

「それじゃ」

(何か悩んでる気がするんだよな…何だろう?)

「結璃愛さん」

「はい?」

「悩み事でもあるんですか?」

「え?」

「なんか元気ないように見えたから」

「いえ、そんな事はありませんよ?」

「そう?」

「はい!ではお風呂に入って来ますね!」

「うん」

「ふぅ……」

「旦那様」

「ん?」

「少しだけお話いいでしょうか?」

「別に良いけど」

「実はですね……」

「うん」

「旦那様に隠し事をしていたんです」

「隠し事?」

「はい。それは……」

「それは?」

「私が人造人間だということです」

「……え?」

「驚かれるのも無理はありません。ですが本当なのです」

「なんでそれを俺に言うの?」

「それは……旦那様が私の全てだからです」

「ふーん…」

「とは言ってもいわゆるサイボーグとか、そういう部類の者ではないですよ」

「そうなんですか?」

「私の両親は夫婦仲は非常に良いのですが体の相性が悪く、3年経っても子どもができずに体外受精を行い、その結果産まれたのが私です」

「それで…何か問題でもあるの?」

「そんな両親の違伝子をある意味異常な方法で受け継いだため……」

「ん?」

「……子どもは望めないかもしれません」

「そっかぁ…」

「私は旦那様との子どもを産むことができないのですよ?それにしては…落ち着きすぎでは?」

「いや、だって……ねぇ?」

「どういうことですか?」

「結璃愛の両親って仲が良いんですよね?」

「はい」

「なら大丈夫だと思います」

「どうしてですか?」

「きっと結璃愛の両親が願ったことは、自分の子どもの幸せだと思うから」

「そう……なのですか?」

「多分ね」

「そうですか……」

「でも、もし子どもができなくても俺は気にしません」

「何故ですか?」

「そりゃあもちろん、結璃愛とずっと一緒に居たいから」

「そうですか……」

「どうかした?」

「旦那様は優しい人です」

「そうかなぁ」

「はい!私はそんな旦那様が好きです!」

「ありがとう」

(本当にこの人は……)

「じゃあそろそろ寝ようか」

「そうですね」

(今日はいつもより長く起きていた気がします)

(やっぱり何かあったのだろうか?)


(…やっぱり何か引っかかるな。寝れない)

「…旦那さま」

「結璃愛さん?」

「起こしてしまいました?」

「いや、俺も寝れなかったし」

「そうでしたか……」

「どうしたの?眠れないの?」

「いえ、その……」

(言いにくいのだろうなぁ)

「ゆっくりでいいよ」

「はい……」

「……私が人造人間だと知ってどう思いましたか?」

「特に何も」

「えっ?」

「それで結璃愛さんが何か変わったりします?」

「しませんが…」

「俺は君が何であっても、どういう存在だったとしても俺は結璃愛さんが好きです」

「そう…何故ですか?」

「好きだから」

「それだけですか?」

「うん」

「そうですか……」

「逆に聞くけど、結璃愛さんは俺の事嫌いになりました?」

「なりません!」

「じゃあ同じことだと思います」

「はい!」

「じゃあもう寝ましょうか」

「そうですね。おやすみなさい…旦那様」

「お休みなさい」

「旦那様」

「ん?」

「大好きです!」

「俺もだよ」

「ふふっ♪」


(ああ…結璃愛さんが隣で寝ている…何か別の意味で寝れなくなったよ。どうするべきなの?抱きしめたりしても良いの?キスとかするべきなの?)

「旦那様」

「何?」

「私を抱きしめて下さい」

「え?」

「ダメでしょうか?」

「良いですけど……」

ギュッ

「暖かいです……」

「そっか……」

「旦那様……」

チュッ

「!?︎」

(な、何今の…ていうか結璃愛さんの唇柔かっ…)

「これは……私の気持ちです」

「そうなんだ……」

「嫌……でしたか?」

「いや、全然」

「良かったです」

「結璃愛さん」

「はい」

「好き」

「私も好きです」

「これからもよろしくね」

「こちらこそお願いします」

「それじゃあお休み」

「お休みなさい旦那様」

(結局寝れたの朝方になってからだよ。まあ、結璃愛さんと一緒だから別にいいんだけどさ……)

「旦那様」

「……(寝ている)」

「旦那様〜」

「ん〜?おはよう結璃愛さん……」

「おはようございます旦那様」

「今何時?」

「朝の8時半です」

「そっか……起きるよ」

「はい」

「ん?結璃愛さん?」

「どうかしました?」

「…もしかして、今起きた?」

「あっ…朝ご飯どうしましょう!」

「まあ外で食べようよ」

「そうですね」


「とは言ったものの…どこで食べよう?」

「私あれ食べたいです!ハンバーグ!」

「あ、朝から!?重くない?」

「そう、ですか…?じゃあ他のに」

「いや!ハンバーグ食べよう!」

「本当ですか?」

「うん」

「ありがとうございます旦那様」

「いやいや、俺の方こそありがとう」

「どうしてですか?」

「いや、何でもないよ」

「変な旦那様」

「そうだね」

「自分で言わないで下さいよ!」

「いや俺だいぶ変だよ」

「自覚あったんですね……」

「そりゃあるよ。結璃愛さんには嫌われたくないし」

「私はどんな旦那様でも嫌いになったりしませんよ」

「それは嬉しいなぁ」

「そうですか?」

「うん」

「それより早く行きませんか?」

「そうだね」


「美味しかったですね!」

「だね」

「また来ましょうね!」

「うん」

「次はどこに行こうかなぁ」

「結璃愛さんはどこか行きたい所とか無い?」

「え~っと…遊園地、とか行きたいです」

「そっか」


「ダメ……でしょうか?」

「ううん。良いと思うよ。それに俺も行ってみたかったから」

「本当ですか?」

「うん。嘘じゃないよ」

「じゃあ次のデートは遊園地にしましょう!」

「分かった。楽しみにしてるよ」

(とは女の子と遊園地に行く時って何乗れば良いのよ?俺は絶叫系行けるから良いけど、結璃愛さんって絶叫系乗れるのかな…)


「旦那様」

「ん?」

「手繋ぎませんか?」

「え?」

「ダメ……でしょうか?」

(そんな上目遣いされたら断れないじゃん……)

「ダメじゃないけど……」

「やった♪」

ギュッ

「旦那様の手大きいですね」

「結璃愛さんのが小さいだけだと思うよ」

「そうかもしれませんね」

(結璃愛さんの小さい手が可愛い。そして柔らかい。ずっと握っていたくなる。結璃愛さんも握り返してくれてるし。幸せすぎる。もう死んでも良いかも。いや死んじゃダメだけど。何だろうねこの感覚は。あー、全部可愛いっ)

「旦那様?どうかしましたか?」

「いや、何でもないよ」

「そうですか?何か顔が赤いような気がします」

「気のせいでしょ」

「なら良いのですが……」

「それよりも次どこ行く?」

「旦那様に任せます」

「えっじゃあ…ジェットコースターとか乗れる?」

「良いですね!」

「よし!じゃあ行こっか」

「はい!」


「結構並んでますね」

「まあ、人気だから仕方ないよね」

「そうですね」

「こういう時って、結璃愛さんは何してます?」

「私は絵を描いたりしてます」

「俺はそういうの苦手だなぁ」

「まあ今はできませんね」

「何でよ?」

「……」

「ん?」

「……手、繋いでるから」

「あっ!ごめんなさい!」

「いや大丈夫だよ」

「はい……」

「あと少しで俺達の番だね」

「そうですね」

「楽しみだな〜」

「私もです」

「俺達が乗るのは……」

「あれですか?」

目の前にはレールの坂があった。多分50mはあると思う。そして前の客は悲鳴をあげていた。

「…並ぶやつ、間違えたかもしれませんね」

「そうですね…」

「でもせっかく来たんだから乗りましょう!」

「そうだね」

「では並びましょう!」

「はい……」

「旦那様、怖いんですか?」

「そりゃ怖いよ。だってあんなに高いんだよ?怖くない方がおかしいよ」

「…私も怖いです」

「じゃあ何でこんな平気なの?」

「旦那様が隣にいるからです」

「そ、そうなの?」

「はい」

(結璃愛さん、俺の事信頼してくれてるのは嬉しいけどさ……)

「旦那様、手震えてますよ?」

「え?ああ、これは違います。ただ単に寒いだけだから」

「本当ですか?」

「あっはい」

「じゃあ私が温めてあげますね♪」

ギュッ

「ちょっ!?︎」

(結璃愛さんの手めっちゃ温かい……)

「どうですか?」

「ありがとうございます……」

「いえいえ」


(うわ高っ…65mは凄いな)

「景色綺麗ですね」

「…結璃愛さんの方が綺麗ですよ」

「……それって」

「えっ、いやそれはぁぁぁぁっ!?」

(ジェットコースターが下る)

「きゃあぁぁぁぁっ!」

「ああああああっ!?」


「楽しかったですね!」

「そう、だね……うっぷ」

「旦那様?どうかしましたか?」

「いや、ちょっと酔っただけだよ」

「大丈夫ですか?」

「うん…それより次はどこに行こうか?」

「いやちょっと休みましょうよ…」

「全然大丈ぶ…結璃愛さんに…楽しんで…もらいたいから…」(バタッ)

「ちょっと?大丈夫ですか!?」


「……ん?」

あれ、ここどこだ…?っ!結璃愛さん?ってことは俺が寝ている下に結璃愛さんの膝が…!?

「起きましたか?」

「…はい。すみません」

「いえ、こちらこそご迷惑をおかけして申し訳ありません」

「そんな事ないです」

「そう言ってもらえると助かります」

「それでここは?」

「救護室みたいな所ですね」

「そう…申し訳ないですよ。膝枕なんて」

「良いんですよ。それに……」

「ん?」

「旦那様にならいつでも良いので……」

「えっと、どういう意味?」

「何でも無いです!」

「そう?」

「はい!」

「ところで今何時?」

「もうすぐで6時ですね」

「結構時間経ってますね」

「そうですね」

「そろそろ帰りませんか」

「そうしましょう」

「今日は本当にありがとうございました」

「いえいえ、私も楽しめたので」

「そう言ってくれて嬉しいです」

「また行きましょうね」

「そうだね。今度は遊園地以外も行ってみません?」

「例えば何処に行きたいんですか?」

「水族館とか動物園、ですかね」

「分かりました。ではその時を楽しみにしておきますね」

「うん」

「では帰りましょうか」

「そうだね」

「旦那様」

「何?」

チュッ

「えっ?」

「お礼です」

「そ、そうなんだ」

「では帰りましょう!」

「う、うん」

(結璃愛さん、不意打ちは卑怯だよ……)

「ただいま〜」

「おかえりなさいませ」

「あら?結璃愛ちゃん、顔赤いけど何かあったの?」

「お母さん?帰ってたの!?」

「あ~言ってなかった?で、何かあったの?」

「な、何も無かったですよ!?︎」

「ふ〜ん」

「お母さん、変な勘繰りしないでください!」

「はいはい、で、その人が彼氏君?」

「あっ、申し遅れました!私結璃愛さんとお付き合いさせてもらっています…」

「良いのよそんなかしこまらなくて」

「わ、わかりました」

「じゃあ自己紹介ね。私は結璃愛の母、美鈴よ。よろしくね」

「どうも…」


「さあさあ上がって上がって」

「えっ?でも……」

「遠慮しなくてもいいのよ?」

「はい……」

(なんか圧が凄いな……)

「じゃあお邪魔します」

「いらっしゃい♪」

(よく考えれば親の了承も得ずに勝手に住んでた俺が悪くない?)

「何か勝手に住んでたみたいで…申し訳ないです」

「いやいや、私達の家族になるのでしょう?そんな小さなこと気にしなくても良いのよ」

(小さなこと…かなぁ)


「そうですか……」

「まあまあ、とりあえずリビングに行こう?」

「そうですね」

「そういえばお父さんは?」

「仕事に行ったわよ」

「そうなんですね」

「それより早くご飯食べよう?」

「そうね。今日は私が作ったのよ」

「いただきます」

「どうぞ~」

「…美味しいです!なるほど、娘さんの料理上手はお母さんに似たんですね」

「ありがとうございます」

「そういえば結璃愛さんって部活入ってるの?」

「いえ、特にやってませんでした」

「そっか」

「旦那様こそ部活に入ってないじゃないですか」

「俺は帰宅部だったので」

「そうだったんですね」

(この人飛び級なんだしそりゃそうか…)

「ご馳走さまでした」

「お粗末様でした」

「それでは失礼しますね」

「失礼しますって、ここに住んでるんでしょう?他の部屋に行くだけじゃないの~」

「それもそうですね」

「じゃあまた明日ね」

「はい。お休みなさい」

「お休み〜」

「お休みなさい」

「おはようございます。旦那様」

「おはよう。結璃愛さん」

「昨日はよく眠れましたか?」

「うん。結璃愛さんは?」

「私もよく寝れましたよ」

「それは良かった」

「今日は何をするんですか?」

「今日は結璃愛さんと出かけたいと思ってるんだけどどうかな?」

「もちろん行きます!」

「良かった」


「それじゃあお母さん、行ってきます」

「は~い行ってらっしゃい」

「では行ってきます」

「は~い…あ、それと」

「はい?」

「あんまりハメ外しすぎないようにね」

「ばっ、そんなことしませんよ!」

「ふふふ。じゃあいってらっしゃい」

「いってきます」


「水族館なんて久々だな〜」

「私もですよ」

「結璃愛さんは水族館好きなの?」

「はい。魚を見るのが好きですから」

「へぇ〜」

「お嫌いですか?」

「そんなことないですよ!」

(旦那様、どこか遠慮しているような…)

「そうですか……」

(気を遣わせてしまったでしょうか……)

「結璃愛さんはどの魚好きとかあるの?」

「よく分からないんですよね…魚は疎くて」

「そっか」

(何とか話題を作っているけど、やっぱ女の子と話すのって難しいなぁ)

「…魚、食べるのは好きなんですよね」

「結璃愛さんも水族館来ると魚食べたくなるタイプなんですか?」

「あ、旦那様もですか?」

「分かります!」

「そうですよね」

「あ、イルカショー始まるみたいだよ」

「本当ですね」

「見に行こうか」

「はい」

「凄かったですね」

「そうだね」

「次はどこに行きましょうか?」

「うーん……」

「旦那様?どうしました?」

「結璃愛さんってさ、何か欲しいものとかないんですか?」

「急にどうされたんですか?」

「いや、結璃愛さんっていつも俺の世話してくれてるじゃん?だから何かプレゼントしたいなって思ってさ」

「私は別に大丈夫ですよ?」

「でもさ、やっぱりこういうことはちゃんとしておきたいんです」

「そうですか……では、お言葉に甘えて」

「何がいいかな〜?」

「そうですねぇ……あ、これなんかどうですか?」

「これは……キーケース?」

「はい。今使ってるものが古くなってきたので新しいのが欲しかったんです」

「そういうことですか」

「はい」

「じゃあそれにしましょう」

「ありがとうございます」

「喜んでくれてよかった」

「大切に使わせてもらいますね」

「俺も同じの買おうかな」

「お揃いってやつですね!」

「そ、そんなに嬉しい?」

「はい!…だって、私と旦那様の一生残る思い出になるじゃないですか!」

「まあ俺は結璃愛さんとの毎日がずっと思い出なんだよね」

「……」

「あ、な、何か変なこと言ったかな?」

「…私もです」

「え?」

「わ、私も、旦那様と過ごした日々は、私の大切な宝物なんです!」

「結璃愛さん……!」

「あ、あの、旦那様!?︎」

「結璃愛さん、大好き!」

「はぅ……!」

「結璃愛さん?」

「はっ!だ、旦那様!」

「どうかした?」

「いえ、何でもありませんよ。それより早く帰りませんか?」

「そうだね。帰ろうか」

「はい!」


「ただいま〜」

「おかえり~…結璃愛、何か言われたでしょ」

「な、何も!」

「あんた顔に出るからね~」

「ううっ…」

「何かすみません…」

「良いのよ~。ウチの娘、可愛いでしょ?」

「もちろんですよ!」

「ふふ。ありがと」

「やっぱお母さんに似たんですね」

「……」

「どうしました?」

「…結璃愛があなたを選んだ理由が何となく分かった気がするわ」

「そうですか?」

「そうよ」

「それで、今日はどこに行って来たのかしら?」

「水族館行ってきました」

「あら、そうなの?」

「はい」

「楽しめたようで良かったわ」

「はい!とても楽しめました」

「それは良かったわ」

「はい!」

「そう言えば今日は何をしてきたの?」

「キーケースを買ってもらいました」

「あら、良いわね」

「はい!」

「良い物を選んでもらったわね」

「お母さんもそう思う?」

「素敵な人ね」

「結璃愛、その人とは結婚しないの?」

「え?」

「だって、こんなに優しい人なら結璃愛のこと幸せにしてくれると思うのだけど……」

「……」

「結璃愛?」

「……私は、まだ結婚とか考えられないかな……」

「どうして?」

「……」

「……」

(どうしよう……)

「な、何か変な話しちゃったわね!」

「何も変じゃないですよ」

「えっ?」

「俺は結璃愛さんと結婚したいと思っています」

「はぁ!?︎」

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「何ですか?」

「いきなり過ぎますよ!」

「そうですか?でも、俺の気持ちは変わりませんよ」

「そ、そうですか……」

「はい」

「……」

「……」

「……分かりました。私も覚悟を決めます」

「本当ですか!」

「はい。私も旦那様と結婚したいです!」

「ありがとうございます!」

「こちらこそありがとうございます!」

「結璃愛、頑張ってね」

「うん!」

ひとまずこういうことになったけど、結婚はもう少し後にすることにした。

「旦那様、もう夜も遅いし寝ましょう」

「そうだね」

「2人ともまだ子作りには早いからね」

「し、しませんよ!」

「結璃愛さん、一緒に寝ようか」

「はい!……って、えぇ!?︎」

「さすがに同じベッドでは寝ないよ」

「当たり前ですよ!」

「結璃愛さん、おやすみなさい」

「はい!おやすみなさい!」


「結璃愛さん、おはよう」

「ん〜、おはよ〜」

「朝ごはんできてるよ」

「ありがと〜」

「結璃愛さん、今日は何したい?」

「うーん、特に無いかな〜」

「たまには家にいるのも良いかもね」

「じゃあ皆でトランプでもしない?」

「お母さん…」

「良いですね!」

「旦那様まで…」

「まあ良いじゃん。やろ?」

「分かったわよ……」

「やった!」

「ババ抜きで良い?」

「良いですよ」

「私も大丈夫ですよ」


「それじゃあ配り終わったら始めよっか」

「そうですね」

「はい」

「ありがと」

※ここから先は誤記回避のため結璃愛さんの台詞は『』表記とさせていただきます。


「しかしトランプなんて久しぶりね~」

「そうですね」

『旦那様はトランプ得意なんですか?』

「どうだろ…あんまトランプしないからなぁ」

「私は結構するわね~」

「そうなんだ」

「はい」

「結璃愛は?」

『それは分かってるでしょう?』

「だって私そんな家にいないじゃないの」

『それもそっか』



「結璃愛さんはどれくらいやるの?」

『私は結構やりますよ』

「へぇ、意外だな」

『そうですか?』

「うん」

「結璃愛は昔から負けず嫌いだからね」

「そうだったんですか?」

『お母さん…』

「昔はよくお父さんと勝負してたわよね。それでいつも勝ってたのは父さんの方だったかな」

『お母さん、その話は良いから!』

「そう?ごめんね」

『もう早く始めましょう!』

「そんなに怒らなくても…」

「そうだよ」

『怒ってません!』

「はい……」

「それじゃあ始めるよ」

「はい!」

『負けませんよ!』


『最初は私からだね』

「結璃愛さん、ジョーカーはどっちにあると思う?」

『えっ…さ、さあどっちでしょう…』

「ヒント出しても良いよ」

『そういうのは嫌いです』

「そっか……」

『……右です』

「正解!」

「何か楽しそうね」


(しばらく経過)

『次は私の番ですね』

「結璃愛さん、ジョーカーはどっちだと思う?」

『えっと……左です』

「残念、違います」

『あっ……』

「そ、そんなへこまなくても」

『やっぱり負けると悔しいです』

「分かるよ」

「次、結璃愛の番よ」

『はい』

「結璃愛さん、ジョーカーはどっちにあると思う?」

『うーん……真ん中ですかね?』

「惜しい!」

『うぅ……』

「次はあなたの番よ」

「あ、はい」


『どーっちだ』

「どっちかなぁ…」

(右のカードに触れる)

『えっ…』

(左のカードに触れる)

『ふふっ』

「こっちだね」

(右のカードを取る)

『ああっ…私まだビリだぁ』

「結璃愛さんって顔に出ますね」

『そうですかぁ…?』

「分かりやすいよ」

『むぅ……』

「結璃愛、トランプは楽しい?」

『うん!とっても!』

「良かったわ」

「結璃愛さん、トランプは好きですか?」

『はい!大好きですよ!』

「そっか…俺も好きだよ」

『旦那様ったら』

「旦那様らしいですね」

「お母さんまで…」

『旦那様はどんなトランプゲームが好きですか?』

「俺は大富豪とかかな」

『大富豪?』

「まず最初に親を決めて、そしてその人が1から13までのカードを山札から引いて、それを場に出す。次に皆で手札から同じ数字を4枚出し合って、最後に一番強い人が一番弱い人からカードを奪うんです」

『面白そうですね!』

「やってみる?」

『良いんですか!?』

「もちろんですよ」

「結璃愛がこんな笑うの久しぶりかも」

『そう?』


「それじゃあ始めますね」

「よろしくお願いします」

『よろしくお願いしまーす!』

(最初は俺か…さて何出すか)


「2」

『3』

「5」

『7』

「8」

『9』

「10」

『11』

「12」

『13』

「これで上がりです」

「早いなぁ……」

『凄いです!』

「俺意外に得意なんだよね」

『そうなんですか』

「次は結璃愛さんの番ですよ」

『はいっ!』

「結璃愛さん、ジョーカーはどっちにあると思う?」

『えっと……右です』

「正解!」

『やったぁ!』

「結璃愛さんってやっぱり顔に出ますね」

『そうですか?』

「まあそういう所が可愛いんですよね」

『…っ』

「あれ、どうかしました?」

「…ああそういうことね」

「ん?」


『たまにはトランプも楽しいです』

「良かったわ~」

「またしましょう」

『はい!』

「それじゃあ片付けますね」

『ありがとうございます』

「いえいえ」

(ぐぅ~っ)

「あ…」

『もうそんな時間…ご飯作りますね』

「私が作るから座ってなさい」

『良いよお母さん』

「良いのよ、私も良いもの見れたし」

「…?」(数分後)

『お待たせしました』

「美味しそうだね」

『今日はハンバーグです』

「いただきます」

『どうぞ』

「ん……美味しい!」

『本当ですか?嬉しいです』

「結璃愛さんって可愛いし料理もできるし本当に凄いですよ!」

『……そうですか?』

「今日のコーヒーは随分甘いわねぇ」

「砂糖入れすぎたかな……」

「そういう事じゃないわよ」

「……?」


『旦那様、あーん』

「え、ええっ!?」

『…嫌ですか?』

「そんなことないよ!めちゃくちゃ嬉しいよ!」

『それじゃあ…あーん』

「あ、あーん……うん、甘くて美味しいよ」

『良かったです』

「じゃあ結璃愛さん、あーん」

『あーん……うん、美味しいです』

「それは良かったです」

『ふふっ』

「?」

『幸せだなって思って』

「俺もだよ」

『私もです』

「結璃愛さん」

『はい?』

「好きです」

『私も大好きですよ』



「……っ」

『旦那様』

「ん?」

『キスして下さい』

「……喜んで」

(ちゅっ)

『ん……』

「……ぷはぁ」

『もっと……』

「……っ」

『……んっ』

「はぁ…はぁ…とっても気持ち良い……」

『私もですよ…旦那様ぁ……』

「…大好き」

『愛しています』

「俺も…」

『……もう一回』

「うん…」

(ちゅっ)

「結璃愛さん」

『はい?』

「結婚してください」

『……』

「駄目……かな?」

『……良いですよ』

「え?」

『結婚、しましょう』

「……ありがとう」

『こちらこそありがとうございます』

「…やっぱもう一度キスしても良いですか?」

『私も同じ気持ちです』

(ちゅっ……)



「ん……」

『ん……』

「はぁ……はぁ……」

『……っ』

「…何回キスしたっけ」

『覚えていませんよ』

「そっか」

『でも……』

「?」

『これからずっと一緒ですね』

「そうだね」

『私、今とても幸せです』

「俺もだよ」

『だから……』

「?」

『もっと幸せになりましょうね』

「もちろん」


「結璃愛さん、おはようございます」

『おはようございます』

「今日も可愛いですね」

『ありがとうございます』

「今日は何しますか?」

『そうですね……』

「結璃愛さん」

『はい?』

「好きですよ」

「あ、そうそう結璃愛」

『ん?どうしたのお母さん』

「今日お父さん帰って来るって」

『本当に!?』

「空港まで迎えに行って来てよ」

『分かった!』

「それから君も行ってよね」

「俺もですか?」

「当たり前でしょ」

「まあ良いですけど」

『それじゃあ準備して行きますね』

「お願いね〜」

「結璃愛さん」

『はい?』

「好きです」

『私もです』

「……っ」


「お父さんはどこら辺にいるんですか?」

『第3到着口に13時に着く予定です』

「…まだ11時だね」

「そうですね」

『それまでにお昼ご飯食べておきたいですね』

「そうだね」

『何か食べたい物ありますか?』

「うーん……結璃愛さんの料理なら何でも美味しいからなぁ……」

『ふふっ、嬉しいですけどここ空港ですよ?何かそれらしいもの食べません?』

「それもそうですね…」

『料理はいつでも作りますよ』

「楽しみにしてるね」

『はいっ』

「結璃愛さん」

『はい?』

「好きです」

『私も大好きですよ』

「……っ」

『旦那様』

「ん?」

『キスして下さい』

「喜んで」

(ちゅっ)

なお、ここは空港である。

当然、多くの人に見られてました。


「ここ…?」

『私天ぷらも好きなんですよ』

絶対高そうな天ぷら屋…そば屋か。

『入りましょうか』

「うん」

ガララララ……

「いらっしゃいませっ!」

「2名様ですか?」

『はい』

「ではこちらへどうぞ」

「ご注文がお決まりになりましたらそちらのベルを鳴らしてください」

「分かりました」

『何食べますか?』

「いやうん…」

(以下メニューの一部)

・天ぷらそば 1500円

・上天ぷらそば 2300円

・特上天ぷらそば 3000円


(高っ…この700円の盛りそばで良いや)

『すみませーん』

「はーい」

『特上天ぷらそば2つ』

「はぁぁぁっ!?」

『どうかしました?』

「そんな金あるの…?」

『私の家いくら金あると思っているのです?』

「了解しましたー」

(凄いなこの人…てかこの家)

「あのさ」

『はい?』

「この金って…」

『私の父のもの…ですかね』

「凄いね…」


「お待たせ致しました〜特上天ぷらそばでございます〜」

『ありがとうございます』

「いえいえ〜」

「凄っ…」

そこに乗っているのは海老2本、鯛、肉厚なしいたけ、その他にも非常に良い食材ばかりだ。

「いただきます」

ズゾッ

「美味しっ」

『良かったです』

「結璃愛さん」

『何でしょう?』

「…食べる?」

『同じものですよ』

「そっ!そうだったよね!ごめんごめん」

『でも嬉しいです』

「じゃあ、あーん…」

『あーん』

ぱくっ

『美味しいです!』

「そっか」

(何でこの子はナス食べてるだけでこんなに可愛いんだろうね)

『旦那様』

「ん?」

『あーん』

「えっ!?」

『早く』

「あーん……」

ぱくっ

「美味しいね」

『そうですね』

「結璃愛さんは何天が好きですか?」

『それこそナスとかです』

「俺はレンコンですね」

『じゃあ交換しましょうか』

「そうですね」

(しばらく食べる)

「とても美味しかったですね」

『そうですね』

「『ごちそうさまでした』」


「12時50分…お父さん来るのは」

『13時の便です』

「うう…緊張してきました」

『そんなに緊張しなくても、私の父は優しい人なので、きっと良いようにしてくれますよ』

「…ちょっとトイレ行って来る」

『分かりました』


(そんなに緊張するものでしょうか…)

「ん?ねぇ君、可愛いね」

『は、はぁ…』

「今から俺とデートしようや」

『い、いや私…』

「良いじゃねーか!俺楽しい場所知ってるぜ?」

『私、待っている人がいて…』

「良いだろ?俺と楽しいことしようや」

「はぁ~すっきりした~っ…ん?」

『ちょっ、止めて下さいよ!』

「早く来いよ!」

「何してるんですか!」

俺は結璃愛さんに付きまとっていた男の手を彼女から振りはらった。

「ああん?何だてめぇ!」

「彼女に触らないで下さいよ!」

「んだと!」(殴る)

「!痛っ…」

『旦那様っ!』

「結璃愛さん!逃げて下さい!」

『えっ、でも…』

「良いから!」

『わ、分かりました…』(走り出す)


「てめぇのせいで彼女とデートできなかったんだぞ!クソが!」

「クソはあなたで……っ!?…親父?」

「ん?お前誰だ?」

「俺だよ。お前の次男だよ!」

「…ああ、思い出したよ。浮気者の息子だったな」

「母さんは浮気なんてしていない!」

「黙れ!」(殴る)

「ぐふっ……」

「お前は俺から女を一人奪っただけじゃない。俺の地位まで奪った」

「血液型違うだけだろう…」

「黙れ!A型の俺とB型の女からO型のお前が産まれる訳がないだろう!」

「何だそれ…」

「とにかく彼女は俺の女にする。じゃあな」

(足を掴む)

「何?」

「結璃愛さんに手を出すなよ……」

「…そうか。あの娘はお前の彼女か」

「そうだよ」

「…趣味の悪い女だ」

「は?」

「お前のような何の取り得もない男を選んで俺を選ばない、みじめな女だ」

「お前なぁ」

「何だ?口答えでもする気か?」

「…俺のことはいくらでも悪く言って良いよ。でもなぁ…母さんと結璃愛さんの事は悪く言うな!」

「何だと!?」(殴り続ける)


(あぁ、俺は何発殴られただろうか…フラフラするよ…それにしても結璃愛さんにあんな啖呵切っときながらこれか…格好悪いな)

「お前は俺の知ってる中で最も不出来な者だ」

(足を掴む)

「ゆ…結璃愛さんに近付くな……」

「チッ…失せろ」

(拳を振り下ろす)

(終わった…ごめん結璃愛さん、弱い彼氏で)

パシッ

「……ん?」

「彼が何かしましたか?」

「何だとお前……っ!か、会長!?」

「か、会長…?」

「どんな理由であれ殴るのはいけないことです」

「あ、ああ……すみませんでした!」

「何だ、この人は…」

「クソッ、覚えてろよ!」(逃げる)


「ありがとうございました」

「いえいえ」

「何かお礼させて下さい」

「そうですね…実はこの辺で娘に会う予定だったのですが、どうやら迷ってしまったようです」

「じゃあ一緒に探しましょう」

「ありがとうございます」


「私は仕事が忙しくてね。よく海外を飛び回っててなかなか娘と一緒にいられなくて、だから娘には寂しい思いをさせていると思うよ」

「でも良いお父さんじゃないですか」

「そうですかねぇ」

「仕事が忙しい中でも娘さんの事を思っているなんて、普通の…少なくても俺の親とは違います」

「君は親御さんとは仲が悪いのかい?」

「はい。まぁ色々ありまして……」

「そうなんだね。私も君と同じ立場なら同じことをしていたかもしれない。でもやっぱり親として子供は心配なんだよね。特に女の子はね」

「そうですよね……」

「娘は優しい子でね。私の妻に似て料理が上手いんだよ」

「……何だか俺の彼女に似ていますね」

「そうですか」

「優しくて、可愛くて、俺の事を一番に思ってくれて、その上料理も上手くて、よく笑ってくれて、それから食べる時も可愛くて、俺の話を親身になって聞いてくれて、後は……」

「もう大丈夫ですよ。君の気持ちはよく分かりましたから」

「え?」

「その娘の事が好きなんでしょう?」

「はい」

「じゃあ早く迎えに行ってあげなさい」

「こんな顔でですか?」

「それもそうですね」

(何気に酷いなこの人……)


「…ああそうだ。娘のお土産を買い忘れていました。少し見ても良いですか?」

「良いですよ」

最近の空港はケーキ屋とかあるんだな……

「娘は甘い物が好きでね。毎回ケーキを買うのですが、いかんせん何度も買うと飽きるみたいで」

「確かにそれはありますね……」

「これはどうかな?最近人気のお店らしいんだけど、美味しいか分からないけど」

「なるほど…ん?」

そこにあったのはチーズタルトだった。

「これとかどうですか?」

「良いと思いますよ」

「ありがとうございます…ん?」

チーズタルト1ホール 2000円

(えっ…高っ!嘘だろ!?)

「カードで」

(買ったわ…値段見てないよこの人……)


「すみません…2000円もする物買わせてしまい」

「娘の為ならこの位どうってことないよ」

「それで娘さんの特徴って…」

「まず髪は…あ、いました」

「ああ良かっ…た……」

そこにいたのは俺のよく知る人だった。

「結璃愛…さん?」

えっ…?俺彼女の父親と彼女のお土産選んでたの?

そういえばこの人…どこか似ていると思ったわ。

『旦那様っ!』

彼女は真っ先に俺に抱き付いた。嬉しい反面、横の人にちょっと申し訳ないと思ってしまった。

「久しぶりだね。元気にしてたか?」

『はい!』

「あの…」

『何ですか?』

「お父さんって、この人…?」

『そうですよ』


「申し遅れました。結璃愛の父の桜坂結理です」

「あ、あの…俺、娘さんと付き合っています」

「君だったんだね。娘から聞いているよ」

「報告が遅れて申し訳ありません」

「良いよ。それに結璃愛の彼氏が君で良かった」

「えっ…?」

「君は良い人だからね」

「どういうことでしょうか?」

『それより旦那様、何ですかその傷は!』

「ああこれ?さっきの人とね」

『早く帰って手当しましょう!』

「良いですよそんな事しなくても」

『駄目ですよ!もし旦那様に何かあったら』

「お父さんとは良いんですか?」

『今はあなたの看病が優先ですよ!』

「はぁ……」

「では私はこれで失礼します」

「はい。今日は本当にありがとうございました」

「いえいえ。それじゃあまた」

「ええ」

『いやお父さんも来るんだよ?』

「ですよね」

(親子共々ノリが軽いな……)


「あなた、お帰りなさい!」

「ただいま」

「あら?残りの2人は?」

「もう少し空港を楽しむらしいよ」

「じゃあ今夜は2人で楽しめそうね!」

「そうだね」

(一方、空港)

「お父さん、先に帰して良いんですか?」

『夫婦水入らずって知っていますか?』

「そういう事でしたか」

『私達はどうしましょうか…』

「何か食べませんか?」

『そうですね…ステーキとかどうです?』

(何でこの人は昼天そば食べてるのに夜ステーキ食べれるんだろうね…)

『行きましょう!』

「はい」

(数時間後)

『ただいま帰りました』

「お帰り」

『お父さん、ただいま』

「こちらこそ」

『ふぅ……疲れたー』

「お風呂沸いてるけど入る?」

『入ります!』

「分かった。着替えは用意しておくから入っておいで」

『はい!』

「…ちょっと2人で話さないか?」

「お父さん?」


「さて……」

「どうしました?」

「いや、君に聞きたい事があって」

「なんでしょう?」

「結璃愛をどう思っているのかなって」

「どうって言われても……」

「好きかい?」

「ええ、好きです。大好きですよ」

「そっか……」

「どうしたんですか?」

「…結璃愛の体について何だけど」

「……子どもの話、ですか?」


「うん。結璃愛の体はね、もう子どもを産む事が出来ないんだ」

「……知ってます」

「もう聞いていたか」

「ええ」

「結璃愛の両親はね、結璃愛の事を産んですぐに亡くなってしまったんだ。それで結璃愛は親戚の家に引き取られたんだけど、そこで酷い扱いを受けてね。そこで私が引き取ったんだ」

「本当に血の繋がりがないんですね」

「ああ。でも結璃愛の両親には感謝しているよ。結璃愛を引き取らせてくれたおかげで結璃愛と出会えたからね」

「確かにそうかもしれませんね」

「結璃愛の事は任せても良いかな?」

「……やっと分かりました」

「ん?」

「…俺、あなたから娘さんを奪ったんですね」

「はっ?」

「その上娘さんからは自由も時間も、親子の時間まで奪っていたんですね…」

「……」

「帰ります」

「ああ、それじゃあまた明日」

「……多分2度と会わないと思います」

「ん?」

「あなたの娘さんは…明らかに俺よりもっと良い人と結婚するべきなんですよ。それなのに俺なんかの為に何もかも犠牲にして…」

「あ、いや」

「彼女には何も言わないで下さい」

「これからどうする気なんだ?」

「……兄の所に帰ります。そして親父の捌け口になるんですよ。俺みたいな人はこんな良い所にいるべきじゃないんです」

「そんな事ないと思うけど…」

「俺…分かったんです。俺があの人に何をしたのかを。俺、彼女から自由も、時間も、挙げくの果てには愛情まで……」

「……」

「それじゃあ彼女には適当に誤魔化して下さい。さよなら」


『旦那様ぁっ!』


「結璃愛さ…」

(ギュッ)

「ちょっ、何してるんですか!」

『旦那様は何も奪ってません!』

「離してください!」

『離れません!』

「……良いんですか?」

『何がですか?』

「自分の旦那様がこんな人で」

『あなただから良いんです』

「はあ……」

『一緒にいて楽しいし、安心するし、とっても優しいし、何より私の事を愛してくれます』

「そんな風に思ってたんですか…」

『どこにも行かないで下さい』

「……好きです」

『えっ?』

「結璃愛さんが大好きです…愛してます!」

『私もですよっ!』

「愛してます…ずっと」

『愛してます…私の旦那様』

ちゅっ……


翌日

『おはようございます』

「おはよー」

『お父さんが呼んでました』

「そう?」

(ガチャ)

「お邪魔します」

「おー、来たか」

「はい」

「まあ座れ」

「失礼します」

「さて、早速だが本題に入ろうか」

「……何でしょうか」

「昨日の事で謝罪したいんだ」

「えっ?」

「私は嘘をついていたよ」

「…?」

「結璃愛の父親は私だよ」

「引き取ったって…」

「それは事実だよ」

「ん?」

「そして娘が体外授精で出来たのも」

「つまりどういう…」

「娘は元々子どもができにくい体質でね。それを知って私は弟の家に渡してしまったんだよ。その結果酷い事をされて、本当に子どもができない体になったんだ。その後私は結璃愛を引き取ったんだよ。娘が5才の頃だよ」

「……そうだったんですね」

「すまなかった」

「いえ、もう過ぎた事なので気にしないでください」

「そう言ってもらえるとありがたいよ」

「それで俺はどうなるんですかね?」

「……君は結璃愛の夫になるんだろう?」

「そうなれると良いですね」

「…なって欲しい」

「えっ?」

「君になら娘を任せられるよ」

「ありがとうございます!」

「それから今後はずっとここに住んで良いし、今後は私の事を父親だと思ってくれて良いよ」

「良いんですか?」

「もちろんだよ」

「それじゃあこれからよろしくお願いします!お父さん!」

「ああ、こちらこそ」

「ところで結璃愛とはいつ結婚するんだい?」

「えっと…半年後、くらいですかね」

「そうか…結婚式には是非とも呼んでほしいな」

「はい、必ず呼びます」

「楽しみにしているよ。それと結璃愛を幸せにしてあげてくれ」

「任せてください。絶対に幸せにしてみせますから」

「頼むよ」


『せっかく皆揃った事ですし、旅行にでも行きませんか?』

「良いね。私も数日休みが取れたし」

「家族旅行なんて久しぶりね~」

「それじゃあ俺、留守番してますね」

「えっ?あなたも来るでしょう?」

「いや、貴重な家族の時間を邪魔する訳には行きませんよ」

「君ももう家族だろう?」

『私、旦那様と行きたいです』

「じ、じゃあ俺も行きますよ」

『どこに行きたいですか?』

「私、横浜行きたいわ!中華街!みなとみらい!横浜ガンダム!」

『お母さんは黙っててよ~』

「良いですね!横浜」

『旦那様が行きたいなら…』

「大好きねぇ~」

『お母さん…』

「それじゃあ決まりだね」

「はいっ!」

こうして俺たちは横浜に行く事になった。


「着いたわよー!」

「おおー!」

『綺麗!』

「凄いな……」

「さて、まずはどこに行きましょうかねぇ〜」

『お父さん!』

「ん?」

『あれ乗りたいです!』

「観覧車かい?」

『うんっ!』

「良し、行こうか」

「行ってらっしゃ~い」

「行ってくるよ」

「母さん…俺達も乗るかい?」

「あなた…良いわねそれ!」

「結璃愛〜、こっちおいで〜」

「あっ、結璃愛が行っちゃった」

「仕方ない、追いかけよう」

「そうだね」

(タッタッ)

「結璃愛、待って」

『えへへ〜』

「ちょっ、早っ、速くないですか!?」

『旦那様ぁっ!早くして下さいよ!』

「…本当に笑う事増えたわよね~」

「良い人に出会ったな…結璃愛」


「結璃愛、そろそろ降りなさい」

『えぇっ、嫌ですよぉ〜』

「結璃愛……」

『うぅっ、分かりましたよぉ〜』

「ふぅ……」

「結璃愛、楽しかったかい?」

『はいっ!』

(この会話が自然だと思ってる人へ。これ観覧車です。4分の1位で言ってます。)

「次はどこ行くのかな?」

『お腹空きました……』

「確かにもう昼時だしな」

「どこか食べに行きましょうかね」

「何が良い?」

『ラーメン!』

「却下」

「なんでよ!美味しいじゃない!」

「太ったんだよ!ここ2年で5kg!」

『女の子ですか……』

(女の子に女の子扱いされる父親、凄い……)

「まあまあ、落ち着いてください」

「そうだよ、結璃愛。今日くらいは良いじゃないか」

『むぅ……分かったよぉ……』

「じゃあ何処にする?」

「私は何でも良いわよ」

『私もです』

「じゃあ俺肉まん食いたい!」

『そっちの方が太りそうですよ…』

「私も!せっかく横浜に来たんだから!」

『お母さんまで……』

「俺は別に構いませんけど……」

「じゃあ決定ね!」

『はいはい……』


「すいませーん」

「はい、ご注文は?」

「肉まん6つとあんまん3つで!」

「かしこまりました。少々お待ち下さい」

『頼みすぎ!』

(結璃愛さんがよく食べるの、違伝なんだ……)

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

「いただきます!」

『いただきます』

パクッ

「うまぁっ!」

『美味しぃ……』

「やっぱり中華街と言えば肉まんですよねぇ〜」

「本当だね」

『お父さん、太りたくないんじゃないの』

「肉まんは小さいから大丈夫!」

『3個も食べたら太るよ…』

「大体、結璃愛だって沢山食べてるだろう?」

『私、そんなに食べてないもん!』

「嘘つけ!」

『嘘じゃないもん!』

「ほら、喧嘩しない」

「『でも……』」

「仲良いわねぇ〜」

(俺、やっぱ邪魔じゃない?)

『あ、旦那様!』

「ん?」

『半分食べて下さい!』

「え?良いの?」

『はい!』

「ありがたく貰おうかな……」

『はいっ!』

「ありがとう、結璃愛さん」

『いえいえ〜』

「結璃愛ちゃん、私の分あげるわよ」

『お母さん?』

「私あんま食べないからね」

『何でよ』

「夜いっぱい食べたいのよ」

『それもそっか』

「納得するのかよ……」

(この親子怖い……)

「さぁ、次行きましょうか!」

「次はどこに行くんですか?」

「う〜ん、そうねぇ……」

「結璃愛は何したい?」

『えっと……』

「そうだわ!まだ横浜ガンダム行ってないじゃないの!私、あれ見なきゃ帰れないわ!」

「ここ横浜じゃん!よし行くぞ母さん!」

『あっ…待ってよ!』

(やっぱ俺邪魔だと思う)


「着いた!」

「結構並んでるわね……」

「まあ、しょうがないですね」

「何でこんなに並ぶのよぉ〜」

「そりゃあ人気だからだよ」

「はいはい、文句言わずに並びましょうね」

『せっかくならニ人で見たかったなぁ』

「何か言いました?」

『……何も』

「お待たせしました。こちらへどうぞ」

「やっと入れるわね!」

「楽しみだね、結璃愛」

『うん……』

「どうかしたかい?」

『何でも無いです』

「そうかい?」

『はい』

「それじゃあ行きましょう~!」

(元気な親だな……)

『今年で45なんだけどね』

「ごめん30代に見えてました」

「あら嬉しい事言ってくれるわね!」

「ありがとうございます」

『お父さんはもうすぐ50だけどね』

「それは言うなって言ったろ!?︎」

「ふふっ」

「どうしたんだい?」

「いや、仲が良いんだなと思って」

「君と結璃愛もこんなもんだよ」

「本当ですか!?嬉しいです!」

「ほら動くわよ!」

「はいはい、分かったよ」

『お父さん、ファイト!』

「頑張れ〜」

「結璃愛まで!?︎」


「お疲れ様でした。またのお越しをお待ちしております」

「楽しかったわねぇ〜」

「仲良いですね」

「今年で結婚して20年になるのよ」

「羨ましいです」

「あらそう?」

「俺と結璃愛さんもおニ人みたいにずっと仲の良い関係になりたいです」

「もうなってるわよ」

「そうですか?」

(そういうタイプね)


「やり残した事とかあります?」

『もう一度観覧車に乗りたいです』

「相当気に入ったんですね」

「それじゃあ乗りましょう!」

「俺もあれもう一回乗りたいしな」

『あの……』

「何ですか?」

『今度は旦那様とニ人きりで乗りたいです』

「「「えっ!?」」」


(結璃愛さんとニ人で観覧車に乗ってしまった…何話せば良いんだろう…ち、近い)

「旦那様……」

「ひゃいっ!?︎」

『そんな驚かなくても……』

「す、すみません」

(可愛いなぁ〜)

「今日は本当にありがとうございました」

『いえいえ』

「俺、良い人に出会ったなって」

『私も同じ気持ちです。こんなわがままに付き合ってくれて』

「俺は全然大丈夫ですよ」

『これからもよろしくお願いします』

「こちらこそ」

(そろそろ終わりか……)

「あっという間だったな……」

『そうですね……』

「結璃愛さん」

『はい?』

「やっぱり俺、結璃愛さんの事好きです」

『…言いすぎですよ』

「だとしても言いますよ。大好きです」

「だから、俺と結婚してください」

『…….』

「ダメ……かな?」

『ずるいですよ……そんな言い方されたら断れないじゃないですか……』

「返事聞かせてくれないか?」

『はい……喜んで……』

「良かったぁ〜」

ちゅっ

「んっ!?」

『観覧車に乗った時にこういう事やってみたかったんですよね』

「…はあ」

『今度はあなたからお願いします』

「分かりました」

ちゅっ…

その後多分5回はキスした。


「終わったみたいね~」

『……///』

「あら~?何かしたみたいね」

「『な、何も!』」

「そろそろ夜にしようか」

『中華街行きたいです』

「そうね!横浜といえば中華街よね~!」

(本当よく食べるなこの親子…)

「美味しいかい?」

『はい!』

「それは良かった」

「結璃愛ちゃん、こっち向いて〜」

パシャッ

「良い写真が撮れたわ!」

「後で送ってください」

「良いわよ〜」

『旦那様、あーんっ』

「んっ…美味しいです!」

『良かったぁ』

「結璃愛さん!これも美味しいですよ!ほら!」

『あーんっ!とても美味しいですっ!』


「そろそろ閉園時間だし出ましょうか」

「そうね、最後に海の方へ行きたいわ」

「いいですね」

「賛成!」

『良いと思います!』

「それじゃあ行こうか」


「綺麗ねぇ〜」

『凄く綺麗です』

「結璃愛さんの方が綺麗ですよ」

『もうっ……』

「水着持って来れば良かったのに」

『き、着ないよ!』

「えぇ〜勿体無い」

『恥ずかしいし……』

(可愛いなぁ〜)

『か、帰るよ!』

「明日は湯泉でも行きたいわね~」

「そうですね」

「混浴風呂ある所探してあげようか?」

「い、良いですよそんなの!」

「何を期待してるのかな~?」

「ええ…」

「ちなみに結璃愛は意外に大きいわよ」

「っ!?」

『お、お母さん!?』

「ふふっ、さすがに冗談よ」

「心臓止まるかと思いましたよ……」

「ごめんなさいね」

「まあ、楽しみにしておきます」

「そうしときなさい」

「そろそろ帰りましょうか」

「そうだな」

「楽しかったわ〜」

『私もです!』

「またみんなで来たいな」

「そうですね」

「今度は家族旅行かしら?」

「それも悪くないですね」

「結璃愛はどう思う?」

『私はいつでも』

「帰りましょうか」

『……手、繋いで下さい』

「もちろんですよ」

翌日

「おはようございます」

『おはようございます』

「今日はどこに行くんですか?」

『湯泉に行きたいです』

「湯泉……」

昨日の話を思い出した。水着…混浴……

「ちゃ~んと予約してあるわよ」

「それでどこだっけ、予約したの」

「もう~あなた、箱根でしょう?」

『お父さんは自由すぎるよ…』

「温泉は最高だよ〜」

「そうね、早く行きましょう」

「運転よろしくお願いします」

『お願いします』

「任せてくれ〜」


『到着したよ!ここだよ』

「な、何て場所だ…」

『広っ…』

「結璃愛もここは初めてだっけ?ここはお父さんと私が新婚旅行で泊まった場所なのよ~」

『知らなかった…』

「早速入りましょう!」

「そうだなぁ」

「そうしましょう!」

「あ、入る前に写真撮っときましょうよ~!」

「結璃愛さん、こっち向いてください」

『はい』

パシャッ

「良い写真が撮れたわ~!」

「後で送ってください」

「もちろんよ~」

「次は4人で撮りません?」

「あら良いの?」

「もちろんですよ」

「それじゃ俺がセルフィー設置するよ」

『毎回ありがとうね、お父さん』

「娘に言われると気分が良いなぁ」

「あなた~!早く来て~!」

「おう分かった」

パシャッ

『良い写真が撮れたね』

「それじゃあ入りましょう」

「チェックインには早い気もするわねぇ」

「荷物を運びたいんだよ」

『それもそうだね』

「結璃愛ちゃん、先に着替えてきなさい」

『分かりました!』

「結璃愛の水着姿楽しみだな〜」

『…えっ?』

「えって何よ」

『本当に持って来たの…?』

「もちろんよ~」

『着ないからね!』

「良いじゃな~い!減るもんでもないし!それに彼氏君も楽しみにしてるっぽいわよ」

「い、いやそんな事」

「素直になりなよ~」

『茶化さないでよぉ……』

「で?どうなのよ本当の所は」

「…見たいですよ」

『えっ?』

「見たいですよ!結璃愛さんの水着っ!」

『あっ…』

「決まりね!それじゃあ結璃愛、着がえて来るとしましょうか!」

『ちょっお母さん!?ちょっ…』

「……お前も男だな」

「そりゃ見たいですよ……」

「まあ、頑張れよ」

「はい……」

(数分後)

(遅いな…やっぱり女の子って着がえるの時間かかるんだな…あれ?)

『あ、あの』

彼女はそのままの衣装で来た。

「…やっぱり恥ずかしいですよね」

『そうではなくて……』

「…?」

『さ、サイズが…合わなくて』

「えっ…?」

「ごめ~ん!最後に水着買ったの2年以上前で、結璃愛が成長期な事忘れてたわ~」

『お母さん…』

「はいこれ」

何か20000円渡された。

「これで水着買って来なさい」

「何で俺に…」

「あなたが選んでって事よ」

「結璃愛さんの水着を、ですか!?」

「そういうこと」

『お、お母さん!』

「どうなのよ~?本当は選んで欲しいんでしょ」

『そうだけど……』

「じゃあ2人で行ってらっしゃい」

「はーい」

『うぅ……』

「大丈夫ですよ、似合うと思いますよ」

『本当かなぁ……』

「とりあえず行きますよ」

『はい……』


(とはいえ女の子の水着なんて選んだことないよ…どんなのが良いかな…何着ても似合うと思うけど)

「結璃愛さんは何色が好きなんですかね?」

『色?』

「例えば青とかピンクとか」

『……水色とかですかね』

「じゃあその色にしましょうか」

『はい』

(というか結璃愛さんって何サイズの水着を着るんだろう?いやいや、こんな事想像するな俺!少しでも邪な心を抱くな!理性を…)

シャーッ

『……ど、どうですか?』

「……」

『えっと……その……変じゃないですか?』

「……綺麗」

『ふぇっ!?』

「あっ……いや、その……凄く可愛いですよ」

『そ、そうですか……良かったぁ……』

「…こっちも着て下さい」

『そんな何着も要らないですよ』

「……似合うと思ったので」

『それじゃあ着てみますね!』

(いかんいかん、つい口に出してしまった……でも本当に綺麗だったな……)

『どうしたんですか?』

「何でもないですよ!」

『そうですか』

「もちろんです!」

シャーッ

『な、何かこれ…露出多くないですか?』

「あ…あれ?」

(想像と違う!こんなに露出するのか…!絶対気を悪くしたよね…というか結璃愛さん、こんなに胸大きかったの!?これが着痩せってやつか……)

「すみません……」

『いえ、別に謝る事では……』

「ちょっと待っててください」

『えっ?』

「すぐ戻ってきますから」

(確かこの辺にあったはず……あった!)

「結璃愛さん、これを羽織っていてください」

『これ…旦那様の上着』

「誰にも見られたくないんです」

『……旦那様の匂いがする』

「ん?何か言った?」

『いえ!何も』

「次の選んでくるね」

『はい!』

(さっきの水着はダメだな、別のにしよう。色は白で良いとして形はビキニタイプが良いかな。後はサイズが合えばいいんだけど……)

「結璃愛さん、サイズはどうですか?」

『えっと…もう1つ大きいのが』

(俺の想像より大きいか…)

「じゃあこっちの水色ので」

シャーッ

『これ良いですね!私こういうの好きです』

「……」

『どうかしましたか?旦那様ー』

「…可愛い」

『えっ』

「一番可愛い…」

『……じゃあこれにしますね』

「うん」

『ありがとうございます!』

(ヤバい……可愛すぎる……)

『じゃあ次は私の番ですね』

「ん?」

『旦那様だけ選ぶなんて不公平です』

「いやいや、俺は自分で選びますよ」

『せっかくですし選ばせて下さい』

「そこまで言うなら……」

「じゃあお願いします」

『任せてください!』

(まぁ俺が選ぶよりはマシだろう)

シャーッ

「何か違う気もするけど……」

『とても似合っていますよ』

「ありがとうございます」

『はい!』

「じゃあこれにするか……」

『もっと他のも着て下さい!』

「というより結璃愛さんの水着買ったらもうお金なくなるんですよね」

『もしかして全部買う気ですか?』

「……」

「だって可愛いんですもの!」

『そ、そんな事言われても困ります…』

「ごめんなさい……」

『……今日はこのくらいにしておきましょう』

「はい…」


(結局ほとんど買ってしまった……)

『それにしても結構買い込みましたね』

「そうですね」

『この後プール入る時間あるんですか?』

「まだ20分しか経ってないんですよね」

『不思議です』

「本当ですよ」

『でも楽しかったです』

「それは良かったです」

『また来たいですね』

「……そうですね」

『今度は2人で行きましょうね?』

「はい!」

『約束ですよ?』

「もちろん!」

『まあ多分この水着使い続けるんでしょうけど』

「あはは……」


「あっ!もう遅いわよ~」

『ごめんお母さん』

「たくさん買ったわね~」

「結璃愛さんがどうしてもって聞かなくて」

『旦那様が選んだんですから当然です』

「あらそうなの?まあその為にお金たくさんあげたものね」

『知ってたの!?』

「結璃愛、相手は男の子よ?」

『ううっ……』

(多分この人には一生勝てないと思う)


(男子更衣室)

「お前1着しか買ってないのか?」

「いや俺は持って来たやつで良かったんですけど何か結璃愛さんが選びたかったらしくて…」

「まあ良いじゃないか。恋人らしいよ」

「そうですかね……」

(女子更衣室)

「結璃愛~、何着買ったのよ~」

『……3』

「たくさん試着したんだね」

『うん…』

「これとか露出凄いわねぇ~!やっぱりあの子も男の子なのよねぇ」

『それは着ないから!』

「そうよねぇ~こういうのは2人きりの時に着るんだもんねぇ~」

『き、着ないから!』

「じゃあな~んで買ったのかな?」

『それは……と、とにかく!今はこっち着るから』

「皆の前に出るならそれの方が良いか」

(数分後)

「お待たせ~!どうあなた、似合ってる?」

「とても似合うよ。流石は母さんだよ」

「でしょ~?あなたも似合ってるわよ」

「どうも」

(結璃愛さん遅いな…どれ着るんだろう…あ、来た)

『……どうですか?』

彼女が着て来たのは最後に選んだ水着だった。彼女も一番気に入っているし、当然だと思った。

あれ着て欲しいとは思ったけど、あんな露出多いの他人に絶対見せなくないので。

「似合ってますよ!」

『ありがとうございます!』

「じゃあ行くわよ!」

『待って!』

「ん?どうかしましたか?」

『その前に…写真撮りたいです』

「えぇー……」

『お願いします!』

「仕方ないわねぇ……」

「とか言いつつ本当は?」

「もちろんノリノリよ~!」

パシャ


「それじゃあ泳ぐわよ~!」

『……何してるのですか?』

「準備体操です。足つったら笑えないので」

「それもそうか」

『私もしときますね』

(しばしストレッチ)

『それじゃあ準備体操も一通り終わったのでプールに入りましょうか』

「寒いの嫌だなあ」

「大丈夫よ~温水だから」

「そうだったな」

(仲の良い夫婦だな)


「まずは何する?」

「私は浮き輪使うからパスね」

「俺もいらないかな」

『では私が教えながら泳ぎませんか?』

「良いですね!」

「賛成!」

『じゃあ行きましょう!』

「はい!」

「おう!」

(とは言ったものの…泳げますよ俺は)

「浮かないぞ」

『じゃあバタ足をやってみたらどうでしょう?』

「そうだな」

「こうやって、ああやって」

『出来てるじゃないですか』

「そりゃ出来るよ」

『むう……』

「何であんなに泳げてるか分かる?」

「いや分からないです」

「娘に良い所見せたくてここ1年位暇を見つけてはこっそり連習してたのよ」

「そうなんですね」

「アメリカのプライべートビーチでね」

「ひえっ……」

(やっぱ金持ってんだな……)

「でも結璃愛さんは知ってたんですか?」

「知ってるわけ無いじゃない。あの子の前ではカッコつけてたもの」

「なるほど」

「多分知らないんじゃないかしら。あの子、時々結構鈍い所あるからね~」

「それは分かる気もします」

「あなたも相当鈍いわよ?」

「そうですか?」

「自覚無いよね」

『お二人とも!早く来てください!』

「はいはい」

「今行くよ」


『スライダーもあるのですね』

「そうですね」

『旦那様、滑って下さい』

「結璃愛さんが滑れば良いじゃないですか」

『ではお先に失礼しますね』

(スライダーはなぁ……登ってる時にふと下見ると死ぬ程怖いからなぁ)

『だ、旦那様…』

「ん?」

『あの、怖くなって来たのでその…い、一緒に来てもらえませんか?』

「分かったよ」

(怖がる姿まで可愛いの、ずるくない?)

「上まで来ると高いですね」

『では私から失礼します』

「楽しんで」

『きゃー!』

(楽しそう)

バシャーン

『とても楽しかったです!』

「良かったですね」

『次はあなたですよ?』

「はいはい」

『ほら、早く来て下さい!』

「分かりました」

『下で待っていますね!』

「はいはい」

「うわああああっ!?」

バシャーン

(速っ……そして着水痛っ)

『楽しそうでしたね』

「結璃愛さんの方が楽しそうでしたよ」

『もう一回滑って来ますね!』

「相当気に入ったんですね」

「そうみたいね」

(俺ももうちょっと遊ぼうかな)

「結璃愛さーん!」

『何でしょうか?』

「俺も滑りたいので一緒に行きませんか?」

『良いですね!では行きましょう!』

(よし、とはいっても1人ずつ何だけどね)

『すみません、これ2人で滑れますか?』

「可能ですよ」

『じゃあ旦那様、私の後ろに来て下さい』

「はーい」

(とはいえこれはくっつきすぎでは?まあこっちで良かったよ…逆だと胸直当てだからね)

「それでは行ってらっしゃいませ〜」

『お願いしま〜す』

「おおっ」

『きゃーっ!』

「ああああっ!?」

『楽しいですね〜』

「そう…ですね…」

『今度はあれに乗りませんか?』

「良いですね」

『では早速行きましょう!』

「はいはい」


『意外に怖かったです…』

「結璃愛さん、大丈夫ですか?」

『はい、何とか』

「なら良かったです」

「そろそろ帰りましょうか」

『そうですね。結構遊びましたもんね』

「また来ようか」

『是非!』

「次はやっぱり温泉かしら?」

「そうしますか」

『温泉巡りとかしたいです!』

「良いですね!」

※ここは箱根です。


「こことかどう?」

「良いですね」

「ここは混浴ないわね~」

「『入りませんよ!?』」

「まあ旅館には個室風呂あるけどね」

『だとしても!』

「こ、個室……」

「結璃愛」

『何よお母さん』

「旦那様の方は入りたそうよ」

『…もう!とりあえずここ入るよ!』


「女湯はこっちよ~」

『うん』

「あ、覗かないでよ~」

「覗きませんよ!」

「あなたが覗いたら私が許さないからね」

「分かってますって」

(でも結璃愛の裸見れるのは役得かもな)

「何考えてるんです?」

「ごめんって!」

(この父親たまに危ないな……)


(男湯)

「お背中お流ししますね」

「ありがとう」

「いえ、これ位させて下さい。普段本当にお世話になっていますから」

「そんな事無いですよ」

「いいえ、ありますよ」

「じゃあお言葉に甘えて」

「はい」

(なんか凄い嬉しそうだな…娘さんとなかなか一緒に入れてないんだろうな)

「気持ちよかったです」

「それは良かったです」

(結璃愛もこんな感じで背中を流してくれた時があったなぁ…今はもうそんな事はないが)

「結璃愛さんも喜んでくれるといいですね」

「はい」


(女湯)

「いや~!温泉はやっぱ気持ちが良いわね~!日頃の疲れがリセットされる感じね~!」

『そうだね~』

「何か疲れでもあるの?あ、ひょっとして」

『多分違うから』

「そうよね」

(まあ確かに最近忙しかったものね)

「今日はゆっくり休みなさい」

『ありがと』

「でも楽しみたいよね~こんな旅館に来ると」

『そうだね~卓球とかカラオケとか食事とか』

「そうじゃなくて~」

『ん?』

「彼氏君との(自主規制)よ!」

『そんな事する訳ないじゃないっ!』

「え~本当?」

『旦那様はそんな事しないからっ!』

「でもあんな水着選んだんだよ~?」

『うう…』

「それにいつかはするんだから」

『そうだけどぉ…』

「まあ頑張りなさい」

『うん』

「さて、そろそろ上がりましょうか」

『私露天風呂行ってないよ』

「それもそうね~」


(風呂から上がり旅館に戻って)

『ただいま〜…ってあれ?お父さん達は?』

「今出ていきましたよ」

『そうなんだ』

「……2人ですね」

『そう、ですね…』

「卓球室行きます?」

『そう…しましょうか』

「では行きましょう」


『負けませんよ!』

「俺だって」

『はいっ!』

「ちょっ!」

『えいっ』

「あっ」

『私の勝ちです!』

「くっ……」

『ふふん♪』

「もう一回!」

『良いですよ!』

「結璃愛さん、ちょっと良いですか?」

『何ですか?』

「その浴衣、凄く似合ってます」

『えっ……』

「……」

『あっ、打たないんですね』

「ズルはしたくないので」


「結璃愛さん、少し散歩に行きませんか?」

『良いですよ』

「ありがとうございます。ではこちらへ」

(どこ行くのかな?)

「ここって」

『綺麗……』

「夜景がとても綺麗なんですよ」

『こんな穴場知っていたんですね』

「旅館の人に聞いたんです」

『とっても綺麗です』

「結璃愛さんの方が綺麗ですよ」

『いちいち言わなくても良いです……』

「それでも言い続けます。綺麗だよって」

『良い人ですね』

「結璃愛さん」

『何ですか?』

「好きです」

『……私もです』

「へっくし!」

『…寒くなって来ましたね』

「帰りましょうか」

『手を繋げば温かいですよ』

「そうですね」

この季節でも夜6時とかになると暗いからね。


部屋に戻るとしばらくして夕飯が運ばれてきた。

「凄っ……」

『何これ……』

「豪華過ぎませんかね」

「私達が新婚旅行で食べた物と同じね~」

「あ、あの…」

「どうかした?」

「この旅館って、いくら位するんですか…?」

「えっと…あれいくらだっけ?」

「もうあなた~、1人13万円でしょう?」

「『13万円!?』」

「そうよ」

『ええ……』

(13万って気軽に言える金額じゃない……)

「まあまあ、折角来たんだから食べようよ」

「そうよ~」

『まあそうだよね』

「凄いなこの一家……」

「いただきます」

『いただきます』

ぱくっ

「美味しい!」

『本当ですね!』

「良かったわ〜」


「ご馳走様でした」

『お腹いっぱい〜』

「さて、そろそろ寝る?」

「まだ夜の7時ですよ?」

「それもそうね~」

「俺トイレ行って来ます」

「連れションするか?」

「友達じゃないんですから…」

「私は向こうの部屋見て来るわ」


『あれ、これ何だろう……』

ゴクッ

「あれ?ここに置いた俺の酒飲んだ?」

「私は知らないわよ?」

「俺も…はっ!つ、つまり」

「可能性は一つだわ…!」

「とりあえず酒の場所変えよう…」

「俺、ちょっと見て来ます!」


「結璃愛さん?結璃愛さん!?」

(洗面所か!)

ガラッ

「結璃愛さん!?はっ!」

『な~んだぁ~旦那様じゃないですか~』

「結璃愛さん…ちょっ!?」

ガバッ

「ちょっ強っ、強くないですか?」

『ん〜♪』

「酔ってますね……」

『ねぇ~キスして下さいよぉ』

「いやそれはちょっと……」

『なんれぇ?』

「うぐっ……」

『いいじゃないですか〜』

「いやちょっ、落ち着きましょうよ……」

『むぅ……』

「結璃愛さん、一旦離れてくれませんか?」

『いやれすよ~』

「お願いします!この姿勢辛いんですよ」

『え~っ?じゃあ~…チュー、してくれたら離れてあげますよぉ』

「…わ、分かりましたよ!」

『ちゅー♡』

「これで良いですか?」

『もういっかいしましょうよ~♡』

「え、ええ…?」

『ちゅーっ♡』

数分もしたら彼女の酔いは覚めた。


「すいませんでした……」

『いえ、私が悪いんです……』

(恥ずかし過ぎる……)

『あの…私、何かしませんでしたか』

「いや何も!」

『私…凄く恥ずかしい事をした気がするんです』

「何もしてませんでしたよ!」

『お母さん…私何かした?』

「えっとね~、旦那様を押し倒したり~、キスをせがんだり~後は何したっけ?」

「ちょっ!いやまあ事実ではありますけど」

『ひええっ…わ、私そんな事を…』

「結璃愛さんは悪くないですから!」

『で、でも私……』

「過ぎた事気にしても仕方無いですよ」

『……じゃあせめて何かお詫びさせて下さい』

「お詫びって…あっ」

『…もう寝ます』

「まだ7時半よ?」

「そうですね…」

(さっき部屋見たけど…やっぱり個室あった)

『確かにこの旅館の風呂入ってませんね』

「それもそうね~個室もあるし」

「そ、そうですね……」

「入らないの?」

『大浴場あるよね?』

「まあ、そうなんだけど……」

「入りたいなら入れば良いじゃん」

『入らないよ!?』

「……」

『旦那様?』

「あ、あのさ…」

『ん?』

「この旅館、個室風呂あるんですよね?」

『うん…』

「……入りませんか?」

『4人だと狭いですよ?』

「……2人で」

『えっ』

「嫌なら良いですよ!1人で入るので」

『……良いですよ』

「えっ?」

『ただ…着がえの瞬間は恥ずかしいので、先に入ってて下さい』

「分かりました…」


(やばい…本当に一緒に入る事になってしまった…水着とは訳が違うんだよ?裸だよ?結璃愛さん全裸だよ?どうするの!?どうすれば良いの!?)

『…良いですか?』

「ど、どうぞ」

『ありがとうございます』

(うぅ……緊張してきた……)

ガララッ

『広い!』

「確かに広いですね」

チャプンッ……

『…気持ちいい』

「そうですか?俺は少し寒いです」

「結璃愛さん」

『はい?』

「好きって言っても良いですか?」

『良いですよ』

「好きですよ」

『私も大好きですよ』

彼女の方をチラッと見る。やっぱり裸だ。謎の光もない。素っ裸だ。それにしても彼女、着痩せするタイプだ。脱ぐと2~3カップ上がる。どこがとは言わないが。…見るな俺!何も見ていないです!

『……見ても良いですよ』

「良いんですか…?」

『旦那様になら私は…何をされても良いです』

「じゃあ……」

チラッ

(やっぱ大きいなぁ……)

『…触っても大丈夫ですよ?』

「いや!それはちょっと」

『えっ?』

「いやだって……」

『私……もう全部見られてるので』

「そういう問題じゃないんですよ!」

『それでも…』

「しませんから!」

結局何もなかった。ただ凄くのぼせた。

『ごめんなさい……』

「いえ、俺が悪いんで」

『……旦那様は優しいですね』

「そんな事ないですよ」

『私のお母さんも、お父さんも優しくないですから』

「えっ?」

『私、両親に虐待を受けてたんです』

「……聞いてます」

『でも今の両親に出会って良かったと思っています。そして旦那様に』

「俺?」

『はい、だから……その、これからもよろしくお願いしますね』

「こちらこそ」

『ふふっ』

「何笑ってるんですか?」

『何でもありませんよ』


その後お母さんの提案でカラオケをする事になり、俺達は部屋を変えた。

「結璃愛って旦那様の事好きなの?」

『うん、好きだよ?』

「どこが?」

『どこが…?』

(それは確かに気になる…顔とかだったら嫌だなぁ)

「例えばどんな所が好きなのかしら?」

『えっと…まず優しい所でしょ?あと料理上手な所かな?』

「他には?」

『後は……一緒に居てくれるところかな?』

「それだけ?」

『うん』

「そう……ちなみに旦那様の何処が一番好きなのかしら?」

「えっ!?」

『んー……内緒』

「教えてくれないのね……」

『うん』

(言えない……言えるわけがない)

「結璃愛ちゃんは旦那さんの事が大好きなのね」

『うん!大好き!』

「あら、今日は随分素直ね~」

(あーもう大好きこの人…てか今突然思い出したけどもしや俺からキスした事ない?全部結璃愛さんから来てない?そうと決まれば…!)

「ゆ、結璃愛さん」

『はい?』

「こっちに来てもらえますか?」

『何でしょう?』

チュッ

『!?』

「ちょっ!?」

「旦那様!?」

「キスした!?やったわよ!」

『……///』

(うわぁ……恥ずかしい……)

「結璃愛さん!?」

『こんなの…ずるいですよぉ』

「俺からした事ない気がして……」

『…じゃあ』

ちゅっ

「!?」

『これでおあいこです』

「そ、そうですね」

『……』

「……あの」

『なんですか?』

「もう一回だけ良いですか?」

『良いですよ』

「ありがとうございます」

チュッ

『〜♪』

「もう当たり前のようにキスしてますね」

『じゃあ少し変えてみましょうか』

「えっ?」

ちゅっ

(変えるってどういう)


れろっ……


「っ!?」

(舌が…舌が当たってる!これがベロチューってやつか?やつなんだ!?な、何か温かいな…)

『ぷはっ……どうでしたか?』

「凄かったです……」

『なら良かったです』

「結璃愛ってば、意外に大胆ねぇ」

『お母さんもしてたりするの?』

「う~ん…どっちでしょう?」

『お母さん……』

「冗談よ」

「お母さんも結構大胆なんですね」

「そうかしら?」

「そうですよ」

「それより次は旦那様の番よ」

「ああもうお母さんもそれで呼ぶんですね」

「ほら早く」

「えっ?」

「頑張りなさいね」

「頑張るって何を?」

「さぁ?」

「えぇ……」

「ほら早く」

(まさか俺もベロチューしろって事?良いの?)

「結璃愛さん?」

『何でしょう?』

「俺も…あれやって良いですか?」

『…お願いします』

「じゃあ失礼します」

『はい』

(ええいままよ!)

チュッ

『……』

「……終わりました」

「ええと……感想は?」

「なんか温かかったです」

「それだけ?」

「それだけです」

「気持ち良さは?」

「何かもうそんな領域じゃなかったので」

「そう……」

「結璃愛はどうかしら?」

『……』

「結璃愛?」

『……とっても気持ち良かったです』

「あら~、ハマっちゃった?」

『……またします?』

「は、はい」

「もう~、仲良いんだから~」

「でも旦那様はもっと結璃愛を満足させてあげないとダメね」

「はい?」

「だってまだキスしかしてないじゃない」

「それはまあ確かに」

「だから今度は旦那様からしてみるといいんじゃない?」

「俺から?」

「そうね~、女の子が喜ぶ行動とか」

「服装ほめたり好きって言ったりはしてるんですけどね」

「…たま~に凄く鈍くなるわね」

「……?」

「もう夜も遅いし寝ましょうか」

「じゃあ布団しくの手伝って~」

「はい!」

『じゃあ旦那様、そっち持って下さい』

「わかりました」


「本当に同じ布団で寝るんですか…?」

「そうだけど?」

「大丈夫かな……」

「心配しないで、ちゃんと避妊具は用意してあるから」

「そういう問題では……」

「それとも旦那様は私達とは嫌なのかしら?」

「……できれば2人の方が…」

「……まあそうよね。ごめんなさいね、本当はこんな旅館2人で来たかったわよね」

「いえ、むしろ嬉しいです。こんな良い家族旅行なんて初めてですから」

「ふふっ、ありがとう」

「結璃愛はどう思う?」

『私はどちらでも良いですよ』

「じゃあ決まりね」

「はい」

「電気消すわよ〜」

パチッ

「おやすみ~」

「おやすみなさい」


(とはいえ今俺の隣には彼女しかいない。布団の中で2人きり…さてどうしたものか)

隣を見ると彼女は寝ていた。疲れたんだろう。

「結璃愛さん……」

『んっ……』

「起きてる?」

『……はい』

「今日は楽しかった?」

『とても楽しかったですよ』

「俺もだよ」

『良かったです』

「結璃愛さん……」

『何ですか?』

「好きだよ」

『!』

ギュッ

「ちょ!?」

『私も大好きです』

「うん」

『ずっと一緒に居たいくらい好きです』

「俺もだよ」

『これからもよろしくお願いしますね』

「はい」

『……もう寝ましょうか』

「一つ聞いても良いですか?」

『何でしょう?』

「結璃愛さんって、結局俺のどこが一番好きなんですか?」

『えっと……全部ですね』

「ちょっ、結璃愛さん?」

『……zzZ』

「嘘だろおい」

『……』

(可愛いなぁ)


「結璃愛さん、朝ですよ」

『んあ……おはようございます』

「おはよう」

『昨日は良く眠れました?』

「バッチリです」

『それは良かったです』

「朝食まで時間あるんで、温泉入りに行きません?」

『良いですね〜』

「じゃあ準備して行きましょうか」

『はーい』


「朝風呂って何か新鮮です」

『そうですか?』

「2回目となるともう緊張しませんね」

『……こっち見て言って下さいよ』

「いや、恥ずかしくて」

『じゃあ見ないで下さい』

「無理です」

『即答ですか』

「だって可愛いんですもの」

『……///』

「照れてる顔も可愛いですよ」

『……何ですかそれ』

「…本当スタイル良いですね」

『見てるだけで良いんですか?』

「えっ?」

『……触らないんですか?』

「そんな事しませんよ!?」

『肩こってるので』

「あ、ああ!じゃあ後ろ向いて下さい」

『はい』

「うわっ、凄く凝ってますね……」

『マッサージしてくれても構いませんよ?』

「良いんですか?」

『はい』

「では失礼します」

モミモミ

『あっ♡そこ気持ち良いです♡』

「それは勘違いされそうなので止めて下さい…」

『ふぅ〜スッキリスッキリ♪』

「それは良かったです」

『本当に肩だけで良いんですか?』

「もちろんですよ!」

『遠慮しないで良いんですよ?ほらっ』

グイッ

「ちょっ!?」

『どうしたんですか?』

「胸が……」

『揉みたいんじゃなかったんですか?』

「そ、そりゃあ……でもダメです。我慢しないと」

『私達は恋人です。隠し事はなしですよ』

「結璃愛さん……」

(そうだよな。俺達付き合ってんだもんな)

「……分かりました。お言葉に甘えて」

ムニュッ

『んんっ♡』

「柔らかい……」

『もっと強くしても大丈夫ですよ?』

「はい……」

「結璃愛さん……」

『はい』

チュッ

『んむっ!?』

「ぷはぁっ」

『……いきなりキスするなんてずるいですよ』

「ご、ごめんなさい」

『良いですけどね』

「結璃愛さん」

『何でしょう?』

「好きですよ」

『私も大好きです』


「結璃愛さん、今日は何します?」

『そうですね……』

(今日はデートしたいな)

「結璃愛さん、湯巡りしません?」

『良いですね!』

「じゃあ行きましょうか」

『はいっ!』

〜移動中〜

「ここの旅館は露天風呂が多いですね」

『そうですね〜』

「じゃあ早速入りましょう」

チャプッ

「あ"あ"〜」

『何ですかその声……ふふっ』

「いやぁ、つい」

『気持ちいいですよね〜』

「そういえば、昨日は結局どこ行ったんですかね?」

『さぁ?』

「まあ、良いですよ。どこへ行こうが」

『旦那様って独占欲ないですよね』

「その方が結璃愛さんも良いと思うので」

『私は独占してくれて良いですよ』

「それはまた今度でお願いします」

『楽しみにしておきますね』

「はい」

『それより、この温泉は乳白色なんですね』

「確かに」

『お肌に良さそうですね』

「元々肌綺麗ですよ?」

『……そういう所です』

「…?」

「あー気持ちよかった」

『満足です♪』

「じゃあ部屋に戻りますか」

『はい』

ガチャッ

「お返り~、朝ご飯来てるわよ」

「朝……?」

『旅館の朝ご飯って量多いですよね』

「本当だ」

『食べれます?』

「この位余裕ですよ」

『流石です♪』

パクパクモグモグ

「美味しい」

『ん…ちょっと私はきついです』

「じゃあ俺が食べますよ」

『ありがとうございます。じゃあはい、あーん』

「えっ!?」

『早くして下さい』

「あ、あーん……」

モグモグ

「うん!こっちの方が美味しいです!」

『それは良かったです』

(なんか恥ずかしかった……)

「ごちそうさまでした」

「そろそろチェックアウトするか」

『そうだねお父さん』

「次どこ行きたい?」

『箱根だから……』

「芦ノ湖辺り行ってみる?」

『良いかも知れませんね』

「じゃあ行くか」

『はい』

「じゃあ車拾うか」

「運転手さん、芦ノ湖に向かってくれませんか?」

(ナチュラルにタクシー使う辺り金持ちだな…)

「了解致しました」

「結璃愛さん、何かしたい事あります?」

『うーん……あっ!』

「どうしたんですか?」

『せっかくなので、ロープウェイ乗りたいです』

「良いですね!行きましょうか」

『はいっ!』


「着いたぞ〜」

『結構混んでますね〜』

「じゃあ並ぼうか」

(やっぱりカップルが多いな)

『私達も周りから見ればカップルに見えるのでしょうか?』

(そりゃあ見えるだろう)

「多分見えてると思いますよ」

『そもそも恋人でしたね』

「そうですよ!俺達は恋人ですから」

「ほら、順番来ましたよ」

『楽しみですね〜』

「そうですね〜」


『ロープウェーって怖くないですか?』

「何か分かります」

『下見えたりしてるので』

「それは確かに……うわっ!」

ぐらっ

『きゃっ』

「危ないっ!」

ガシッ

「大丈夫ですか?」

『は、はい///』

「気をつけて下さいね?」

『……しばらくこのままで良いですか?』

「まあ…その位なら」

『』

「ロープウェーって意外に狭いですね」

『そうですね』

「あの…いつまでそうしてるんですか?」

『できればずっと』

「はあ…」


「ここが頂上ですね」

『綺麗です……』

「そうですね……」

「結璃愛さん」

『何でしょう?』

「俺…結璃愛さんに出会えて良かったです」

『私もですよ』

「これからもよろしくお願いします」

チュッ♡

『こちらこそよろしくお願いします』


「帰りますか」

『そうしましょう♪』

「今日は楽しかったです」

『私もですよ』

「またいつか行きましょう」

『はい♪』

「は~い、お疲れ」

「次はどこ行く?」

『どうしよう……箱根って他に何かあったっけ』

「うーん……小田原城とか?」

『それも良いけど……海に行きたいかな』

「海か……良いな。じゃあ江ノ島でも行くか」

『うん!』

「じゃあ準備しろ〜」

『はーい』

「あの水着着れるわね~」

『着ないよ!?』

「旦那様は多分結璃愛に着て欲しいからあれ選んだんだと思うわよ~?そうよね?」

「お、俺に振らないで下さいよ!」

「で?どうなのよ?」

「…そ、そりゃ着て欲しいですけど」

『ええっ…?』

「だって可愛いじゃないですか」

『うぅ……』

「じゃあ決まりね。更衣室行くわよ」

『うん……』

「よし、準備できたな。行くぞ〜」

『はーい』


「着いたぞ〜」

「結構人居るな」

『そうだね〜』

(やっぱ結璃愛さんの水着姿見たいなぁ)

「結璃愛さん、着替え終わったら教えて下さい」

『分かりました』

「じゃあ俺はここで待ってるからな」

『はい!』

数分後

「…終わったかな?」

『あ、あの』

「終わりました?…っ!」

『や、やっぱこれ、露出凄くないですか?』

(思い出した…!俺選んだのマイクロビキニが入ってたんだ!や、やばい…目のやり場に困る)

「だ、大丈夫ですよ。似合ってます」

『本当ですか?』

「はい!」

『ありがとうございます……ただできればこっち見て言って欲しいです』

「分かりました…」

チラ

(やっぱ裸にはない…魅力があるな…水着って)

「ふうっ…とても似合っています」

『ありがとうございます♪』


「さっきより人が居ませんね」

『そうですね〜』

「結璃愛さん、手繋ぎましょう」

『はいっ♪』ギュッ

「暑いな……」

『そうですね〜……あっ!』

「どうしました?」

『かき氷食べません?』

「良いですね。買いましょう」

『はい♪』

〜移動中〜

「美味しいです」

『良かったです♪』

「結璃愛さんも一口どうぞ」

『いただきます♪』

「はい、あーん」

『あむっ……おいひぃれす♡』

「それは良かったです」

『旦那様も一口いかがです?』

「では遠慮なく」

パクッ

『ど、どうですか?』

「美味しいですよ」

『良かったです!好みに合うか心配でした』

「結璃愛さんももう一口どうぞ」

『はい♪』

「あーん」

『あーん』

パクッ

「美味しいですか?」

『はい!』

「じゃあ次は結璃愛さんの番ですよ」

『そういう物ですか?』

「はい」

『分かりました。あ、あーん』

「はい、あーん」

『あ、あーん……』

パクッ

「どうですか?」

『美味しいです……///』

「顔赤いですよ」

『かき氷は冷たいですよ?ほら』

「はいはい」


「そろそろ海入りますか?」

『そうですね』

「じゃあ行きましょう」

『はい♪』

「気持ちいいな〜」

『そうですね〜』

「あれ?結璃愛さん泳がないんですか?」

『あっ…泳ぎますよ!』

「……浮き輪使います?」

『お願いします』

「はい、わかりました」

ブクブクブクブク

『ぷはっ……楽しいです♪』

「ですね〜」

『旦那様も一緒に遊びませんか?』

「何します?」

「水かけ合いとかどうですか?」

『良いですね♪やりましょ!』

「じゃあやりますか」

『いきますよ〜それっ』バシャァ

「うわぁ!?︎やったなぁ!」

『ちょっ!強いですよ!』

「まだまだ!」

『きゃあっ!』

ザッパーン

「あっ…すいません!」

『強いですよぉ』

「海入りましょう!」

『はいっ!』

ザッパーン

「……海綺麗ですね」

『そうですね』

「結璃愛さん、こっち向いて下さい」

『なんですか?』

パシャッ

『えへへ♪』

「可愛いですよ」

『ありがとうございます♪』

(やっぱり水着姿の結璃愛さんは最高だな)

「結璃愛さん、キスしても良いですか?」

『良いですよ♪』

チュッ

「んっ……」

『んぅ……ちゅっ……んふぅ……』

「ぷはっ……はぁ……はぁ……」

『もっとしてください……』

「はい……」

チュッ

『んっ……んぅ……んっ……』

「はぁ……はぁ……」

『ぷはっ……はぁ……はぁ……』

「結璃愛さん、好きですよ」

『私も大好きです♡』


「ふぅ〜楽しかったですね」

『そうですね♪』

「もうすぐ日が落ちますね」

『そうですね……』

「最後に花火しません?」

『良いですね♪』

「じゃあ買ってきますね」

『お願いします』

30分後

「お待たせしました」

『いえいえ♪』

「じゃあ始めましょうか」

『はい♪』

「線香花火だけじゃ何となく寂しいから手持ち花火と打ち上げ花火も買いましたよ」

『そんなに沢山あるんですか?』

「結構いっぱいありました」


「じゃあ火つけますよ」

ボォー

『綺麗ですね♪』

「そうですね〜」

『来年もまた来たいです♪』

「俺も同じ事考えてました」

『嬉しいです♪』

「また来ましょう」

『はい♪』

「これとか綺麗ですよ!」

『そうですね』

「結璃愛さんの」

『方が綺麗、以外でお願いします』

「えっ…じゃあ……」

「世界で一番あなたが綺麗です」

「…これでどうですか?」

『……///』

「あれ?照れてるんですか?」

『照れますよ……だって……その……』

「その?」

『一番好きな人に言われたら……嬉しくないわけ無いじゃないですか……』

「結璃愛さん……」

『だから……責任取ってくださいね?』

「もちろんです」

『良かった……』

「結璃愛さん、好きです」

『私も大好きですよ♡』

「そろそろ帰りましょうか」

『そうですね』


「いや~楽しかったわね~!」

「そうだな…結璃愛は相当楽しかったみたいだな」

「そうみたいね」

「『すぅ…すぅ……』」

「寝ちゃったわね」

「疲れたんだろうな」

「私がこんなに楽しかったもの」

「当然だな」


翌日、両親は再び海外に行った。また2人きりになった。

「今日は何します?」

『う〜ん……あっ!プール行きませんか?』

「良いなそれ」

『じゃあ準備して行きましょう♪』

「そうですね」


『着替えてきますね〜』

「はい」

〜数分後〜

『お待たせしました♪』

「俺も今来た所ですよ」

『じゃあ行きましょう♪』

「ちょっ早いですよ!」

『ここのプール久しぶりですね』

「そうなんですか?」

『私が小さい頃両親とよく行っていたんです』

『まずはウォータースライダーに行きましょうか』

「良いですね」

『じゃあ早く乗りましょう♪』

「ちょっと待って下さいよ〜」


『きゃぁ〜!』

「楽しかったですね」

『そうですね♪』

「結璃愛さんが楽しそうにしてると俺まで楽しくなって来るんです」

『嬉しいです』

「次はどこ行きます?」

『じゃあ流れるプールで遊びましょう♪』

「了解です」

『気持ちいいですね♪』

「そうですね」

『あのさっきから気になってたんですけど……』

「何ですか?」

「どうしてずっと手を握っているんですか?」

『ダメですか?』

「全然大丈夫ですよ」

『ありがとうございます♪』

「結璃愛さん、好きですよ」

『私も大好きです♡』

数時間後

「そろそろ帰りましょうか」

『そうですね』

「お昼どうします?」

『もう1時ですね』

「どこか食べに行きますか?」

『私はどこでも良いですよ?』

「じゃあファミレスでも行きますか」

『賛成です♪』

「最近結璃愛さん何か表情豊かになりましたね」

『そうですか?』

「笑う事が増えました」

『旦那様のおかげです!』

「なら嬉しいです」


「着きましたね」

『混んでますね』

「まぁしょうがないですよ」

『席空いてるといいですね』

「そうですね」

『あっ!あそこの席が空きましたよ♪』

「本当だ、ラッキーですね」

『旦那様って運良いですね』

「結璃愛さんに出会えた時点で使い切ってそうです」

『すぐそういう事言うの、ずるいです』

「……?」

「ご注文はお決まりでしょうか?」

『ハンバーグ定食で』

「オムライスで」

(本当よく食べるなこの人……)

「以上でよろしいでしょうか?」

『はい』

「では少々お待ちくださいませ」

『楽しみですね♪』

「そうですね」


『いただきます』

「いただきます」

『美味しいです!』

「それは良かったです」

『少なくないですか?足ります?』

「結璃愛さんがよく食べるだけですよ」

『心配です』

「そうですかね」

『私のハンバーグあげます。あーん』

「あーん……美味しいです!」

『良かったです』

「俺のもどうぞ」

『あーん…とても美味しいです!』

「良かったです」

『デザート頼みませんか?』

「良いですね」

『私はパフェにします♪』

「俺はアイスコーヒーだけで良いかな」

『もっと食べたらどうです?』

「元々そんな食べないんですよ俺」

『そうですか…』

「いや結璃愛さんが作ればいっぱい食べますよ!美味しいですし、何より俺の為に作ってくれるのが嬉しいです」

『……嬉しいです!私もっと作りますね!』


「お待たせ致しました」

『わぁ〜♪』

(でかっ…本当にその量食べるの?なのに何で細いの?)

「美味しそうですね」

『はい♪』

「…それ、本当に一人で食べるんですか?」

『旦那様は食べないんですか?』

「まあ少しなら……」

『じゃあはい、あーん♪』

「あーん…甘っ!」

『じゃあ私も…甘いです!』

「これ絶対二人で食べる量じゃないですよ」

『でも美味しいから良いと思います♪』

「まあ確かに美味しいですね」

『また来たいですね♪』

「そうですね」


「今日は楽しかったです♪」

『私もとっても楽しかったです♪』

「これからもよろしくお願いしますね」

『こちらこそよろしくお願いします♡』

「じゃあお休みなさい」

『お休みなさい♡』

(……結璃愛さん、温かいな)

『…zzz』

「寝顔も可愛い」

『えっ…?』

「あ、起きてました?」

『…はい』

「すみませんね」

『嬉しいので許します』

(可愛いかよ)


「おはようございます」

『おはようございます』

「朝ごはん出来てるので一緒に食べましょう」

『はい♪』

「今日は……雨ですね」

『じゃあゲームしません?』

「良いですね」

『負けませんよ!』

「俺だって負けませんよ」


「wiiパーティーとか数年振りにしますね」

『私は両親と結構しますよ』

「どっちのリモコン使います?」

『左で!』

「了解です」

『とりあえず相性チェックしましょう!』

「やりましょう」

「『あ』」

『同時だったみたいですね』

「そうですね」

『もう一回!』

「いいですよ」

『やった!』

「『あ』」

『また一緒ですね♪』

「そうですね」

『もう1回!』

「そういうゲームですから」

『相性出ましたよ』

「100%なんて初めて見ましたよ!」

『私もです』

「結璃愛さんは俺の事大好きなんですね」

『当たり前じゃないですか』

「俺も結璃愛さんの事大好きなんですよ」

『知ってます』

「結璃愛さんは俺のどこが好きなんですか?」

『全部好きですよ?』

「そうですか?」

『逆に旦那様は私のどこが好きですか?』

「えっと…まず見た目が可愛い所でしょう?あとは優しい所とか、俺の事を一番に思ってくれる所、あ、料理が上手い所もありますね。そしてよく食べる所や、何を着てもよく似合う所も好きです。あとは好きって言ってくれる所とか、唇の柔らかさ、仕草一つ取っても凄く可愛い所、それから行儀の良さも好きですし、後はどこ行っても楽しんでくれる所とか、それから……」

『もう良いです!』

「えっ?まだあと10個はあるんですけど」

『……それだけ言ってくれれば十分です』

「そう、ですか…」

『はい』

「だから俺は結璃愛の事が大好きです」

『私も旦那様の事が大好きです♡』

「ありがとうございます」

『いえいえ♪』

「これからもずっと一緒に居てください」

『もちろんです、私の旦那様』

「…マリカーしますか」

『そうですね』

「じゃあやりましょう」

『負けませんよ!』

「俺だって負けませんよ」


『あっ!負けた〜』

「ふっ、まだまだですね」

『むぅ〜……』

「次はマリオカートにしましょうか」

『同じ物ですよ』

「そうでした!」

『たまに抜けてる所も好きです』

「なら良いですけど」

『じゃあ次はこれしましょう』

「良いですよ」

『これ楽しいですね♪』

「そうですね」

『あ、そろそろお昼の時間ですね』

「じゃあ作りましょうか」

『はい♪』

「今日は何が良いですか?」

『うどんとかですかね?』

「分かりました」『楽しみにしてますね♡』

「任せてください」

『美味しいです♡』

「良かったです」

『毎日食べたいくらいです』

「それはプロポーズですか?」

『違いますよ!』

「残念です」

『もうしてるじゃないですか』

「そうでしたね」

『忘れないでください!』

「すみません」

『まぁ良いですけど……///』

「結璃愛さんは可愛いですね」

『そんな事ありません!』

「可愛いですよ」

『うぅ……///』

「照れてるところも可愛いです」

『もう知りません!』

「拗ねちゃいましたか?」

『拗ねてません!』

「ごめんなさい」

『許さないです!』

「どうしたら許してくれますか?」

『キスしてくれたら許します』

「わかりました」

チュッ

『んっ……』

「これで許してもらえますか?」

『はい……///』

「結璃愛さんは本当に可愛いですね」

『また言いました!』

「本当の事ですよ」

『…ずるい人です』

「ゲームしましょう?」

『そうしましょう』

「何やります?」

『スプラトゥーン2でもしますか?』

「良いですね」

『じゃあやりましょう』

「負けませんよ」

『私も負けませんよ』

「俺の勝ちですね」

『悔しいです……』

「そんなに悔しいものですかね?」

『旦那様は悔しくないですか?』

「特に……」

「結璃愛さんと一緒なら何でも楽しいですから」

『嬉しいですけど……』

「何か不満でもあるんですか?」

『私だけ勝ってばかりなので……』

「別に気にしなくていいんですよ」

『私が嫌なんです!』

「よく分かりませんね…」

『さっきは負けましたが基本私が勝ってしまうのでその…』

「…つまらないって事ですか?」

『いえ!そういう事ではなく…旦那様ってもしかして子どもの頃、あまりゲームとかしなかったのかなって』

「まあ親父がアレですから」

『旦那様って辛い過去持ってる割に明るいですよね』

「こんな良い人と出会えた時点で俺は幸せ者ですから…それに結璃愛さんよりは」

『私は今の両親に救われました。旦那様は』

「結璃愛さんに救われたんです」

「だから俺にとって結璃愛さんは恩人みたいなものですよ」

『そんな大袈裟なものじゃないと思いますけど……』

「そんな事はありませんよ」

『ありがとうございます……』

「こちらこそ」

『あの……』

「なんですか?」

『旦那様はどうして私の結婚しようって一言をあっさり受け入れたんですか?』

「運命だと感じたからです」

「初めて会った時からずっと惹かれていました」

『一目惚れだったんですね』

「そうかもしれませんね」

『私も一目惚れでした』

「やっぱりそうなんですか?」

『はい♪』

「お互い一目惚れ同士だったなんて凄い偶然ですね」

『そういうものです』

「そういうものですね」

『それから気になってたんですけど旦那様って何で徐々に敬語になっていたんですか?』

「さ、さあ…タメ口の方が良いですか?」

『いえ、このままで良いです』

「結璃愛さんはいつから敬語にしていたんですか?」

『最初からです』