2022-10-02 06:55:31 更新

概要

”傭兵「ここは」”の続編です!

頑張って書いていきます!
ある映画のパロディです。


前書き

続編です!
前作から12年後の世界です。
(本編で言うところの”新兵器実験中に…”の2年後の世界です)

出会った艦娘達;出会った順(阿賀野型、山城、時雨、山雲、満潮、朝潮、白露、伊勢型、扶桑、川内、村雨、春雨、潮、朧、曙、一航戦、二航戦、五航戦、神通、吹雪、霞、叢雲、初春、若葉、初霜、暁、響、雷、電、天龍、木曾、大淀、明石、鳳翔、大和、金剛、榛名、球磨、龍田、漣)

主人公:島 龍輝(39歳)
陸上自衛隊 普通科連隊

フランス外人部隊

民間軍事企業

児童養護施設職員

艦娘達の世界から帰ってきた島
現在は、養護施設の職員として子供達と共に平和に暮らしていた

そんな島の前に自衛隊の幹部が訪れる…


プロローグ

-長崎県 大野原演習場-


普段は静かな演習場に自衛隊の戦車、装甲車、ヘリコプターが集結していた

この大野原演習場にて、ある実験が始まろうとしていた


尾形「…」


実験部隊の指揮を執る尾形貴志(おがたたかし)一等陸佐はその様子を眺めていた


”第6独立実験隊”


尾形一佐が指揮を執るこの部隊には、様々な車両、兵器等が持ち込まれ、弾薬は全て実弾を装填していた

普段は東部方面隊に配備されている彼らが九州の演習場で訓練するのも実験隊という名前がつけられているから呼び出されたのだろう

これから行われる実験は、一度東富士で行われており、その追加調査というのが名目だった

この実験には、自衛官の他に実験経過を記録する人員も配置されていた


隊員「こんな実験意味あるのか?」


隊員2「知らねぇよ こんなこと終わらせて早く家に帰りてぇ」


部下達の小言を聞き流しつつ、指揮車両である96式装輪装甲車に乗り込んだ尾形は実験開始を待った


『状況開始 シールド展開』


アナウンスと共に実験隊の周りの空気が変わった


『緊急事態です! 磁場シールドの耐久予測値が越えます!』


無線から緊急事態を知らせる声が響いた

周りが中止を訴える中、冷静な声が本部の無線に入った


『続けろ』


この無線の直後、強烈な閃光が演習場内に走った

目を開けた自衛官や研究員の前に第6独立実験隊の姿はなかった


1章 加入


-2年後-


島「…」カキカキ


職員「島先生 この書類も良いですか?」


島「あ、了解です」


島は書類を受け取り机に置いた

元自衛官、元外人部隊という異色の経歴を持った島は日本に帰国後、様々な資格を取得し現在は児童養護施設の職員として勤務していた


島「ふぅ…」


一息ついた島の目の前には艦船の模型が置いてあった


”軽巡洋艦 矢矧”


台座に掛けられているネームプレートに矢矧の名前があった


島「…」


あれから10年以上経った

彼女達の事は忘れたことは無い 彼女達の事を思い出す時、真っ先に思い付くのが彼女だった

艶のある綺麗な黒髪 荒れの無い綺麗な肌 そして、あの唇の感触


職員「あ、島先生 また艦見てにやけてますね」


島「あれ、にやけてた?」


職員「えぇ」


同僚に指摘され苦笑いを浮かべた


職員「本当にその艦好きですね 何かあるんですか?」


島「この艦か?」


職員「えぇ」


島「…俺にとっては特別な艦なんだ」


そう言うと島は矢矧の模型を眺めた


-一時間後-


施設長「…それでは、連絡は以上です」


施設長の話を聞き終え、周りの同僚達が片付けをしている時にインターホンがなった

同僚の一人が対応しに向かい、数分後だった


職員「島先生」


島「ん?」


職員の後ろには、スーツ姿の男性二人がいた


男性「島龍輝さんですね?」


島「はい… 職員の島です」


男性「貴方にお話があって来ました」


島「はぁ…」


島は施設長から応接室に行くように言われ、応接室に行った


島「用件はなんですか?」


男性「島龍輝元三等陸曹だな?」


島が陸自時代に呼ばれていた階級だった


小栗「陸上自衛隊東部方面隊 小栗三佐だ」


三浦「陸自研究本部 三浦二尉です」


二人は胸ポケットから自衛官の証明書を出した


島「確かに公務員だ それで?」


小栗「尾形一佐を覚えているか?」


島「…」ピクッ


その名前を聞いた時、島の眉が動いた

尾形一佐 彼は、島が自衛官だった頃の上官である


小栗「彼は二年前、演習中の事故で亡くなった」


島「…もうニ年も前の話だ お別れの式でもやるって言うんですか? それなら自分はパスします」


島「あの人はそんなの嫌う人だ むしろ、地獄で罪人やテロリストを集めて一個師団作っていそうな人だからな」


島「それかなんですか? あの世から攻撃してくるとでも言うんですか?」


島は皮肉とウケを込めて話したが、目の前の二人は絵に描いたような仏頂面だった


三浦「いいえ 異世界からの攻撃です」


島「……は?」


唖然としている島をよそに三浦がパソコンを取り出し島の方に向けた


島「これは?」


映像には、自衛隊車輌が丸い枠に収まるように配置されており、車輌群を囲うように実験用車輌が配置されていた


三浦「太陽の異常活動から電子機器を守るための新兵器実験を我々は行っていました」


三浦「この実験に尾形一佐率いる第6独立実験隊が参加していました」


三浦は映像を再生させた

数十秒後、車輌群を取り巻くように竜巻が発生し映像が乱れた 数秒後、映像が回復した時には第6独立実験隊の姿はなかった


島「おい、なんだこれ!?」


島はあまりの光景に驚きの声が漏れた


小栗「見ての通りだ だが、尾形一佐達は死んではいない 生きている」


島「どういう事です?」


小栗「…彼らは…飛ばされた」


島「…飛ばされた?」


島は小栗の言葉に疑問しか浮かばなかった


三浦「地質調査の結果 この土や植物は我々の世界の物と非常に似ていますが全く異なる物でした」


島「どういう事です?」


島の疑問に三浦は再び映像を再生させた

再び竜巻が起こり、映像が乱れ数秒後に回復した


三浦「発生から二週間後の映像です」


そこには、生えていた長い草等が消え元の演習場の地面戻った


島「戻ったんですか?」


三浦「よく見てください」


島が再び映像を見ると、映像の真ん中あたりに誰かいた


島「誰だこれ?」


映像の中の人間はそのまま倒れた


三浦「その後の調査で彼は別の世界の日本から来たとわかりました」


三浦がそう言うと、資料を見せた


島「…これは」


資料を見た島は驚愕した


『佐世保鎮守府 憲兵隊 伍長』


身分証明と見られる物には明らかにこの世界には存在しない場所が書かれていた


小栗「彼はこの三日後、銃創による破傷風にかかり亡くなった」


小栗「尾形一佐達第6独立実験隊は演習地ごと異世界と入れ替わった 恐らく、あの兵士が生きていた日本に」


島「…」


島は愕然とした 自分が行ったあの世界と現実世界が繋がっていた事に言葉が失った


島「異世界からの攻撃って言いましたよね? 何をされているです?」


島の質問に三浦は再び資料を取り出した


島「これは…」


写真には巨大な黒い渦が写っていた 光景からして、安蘇山と富士山だった


三浦「我々は”ホール”と呼んでいます」


三浦「発見された時は卓球ボール位でしたが、今では…」


小栗「全て尾形一佐達が消えてから起こり始めた 偶然しては出来すぎている」


小栗「ホールは日本各地に出現している このままホールが成長し続ければこの国は滅ぶだろう」


島「嘘だろ…」


島は資料を見て言葉を失った


小栗「我々はこれを食い止めるべく、救出作戦 つまり彼らを連れ戻すことを決断した」


島「連れ戻す?」


三浦「数日前、あの時と同じ太陽の異常活動が観測されました それを利用して、あの時と同じ状況を作ります」


三浦「理論的には我々も彼と同じ世界に行くことが出来るはずです」


小栗「君にはオブザーバーとして作戦に参加してほしい 尾形一佐の部下であった君なら彼らの所在を掴むには君の力が必要なんだ」


島「…なんで俺が」


三浦「尾形一佐が創設した特別部隊”Αユニット” 貴方はかなりの優秀な成績を誇り、尾形一佐から幹部に飛び級を打診された程だと聞きました」


"Αユニット" それは、島がかつて所属した自衛隊の非正規の特殊部隊である

レンジャー課程を合格した後、当時三等陸佐だった尾形に勧誘され入った


島「貴殿方が思う程、俺は優秀じゃない」


小栗「それでも君の力が必要なんだ」


三浦「お願いします」


二人は頭を下げた


島「…」


島は悩んだ せっかく手に入れた平和な日常 それを崩したく無い自分

だが、彼らが行った世界はかつて自分がいた世界 何が起きているのかを確かめたい自分もいた


(※安価を取ります)


決断は?>>>4


島「…わかりました」


島は二人の方を見て答えた


島「しかし、PMCを辞めて十年以上のブランクがあります そこは、配慮してください」


小栗「…わかった」


そう言うと、三人は日程の打ち合わせを行った


-数日後 長崎県 大野原演習場-


大野原演習場に多数の車輌と自衛官達が集結していた

本部となる建物には、救出部隊の最終打ち合わせが行われていた

今回の作戦に参加する自衛官は陸曹以上の階級に加え、全員がレンジャーの資格を持った精鋭50名

指揮官は小栗三佐 これに三浦二尉と島の二人のオブザーバーがついた

装備は、82式指揮通信車一両、87式偵察警戒車一両、96式装輪装甲車一両、軽装甲機動車二両、73式大型トラック四両が入った

航空部隊は、UH-60一機、OH-1一機だった


小栗「今回の目的は第6独立実験隊の救出並びに装備の回収だ タイムリミットは75時間」


小栗「これから行く世界は何が起こるかわからない 一つ言えるのは、この世界によく似ているということだ」


小栗「”現地人との無用な接触は禁ずる”」


小栗「弾薬は、衝撃弾を使用する 薬莢は自然分解されるように細工してある 我々の存在を極力押さえるためだ」


小栗「確認は以上 最後に、この作戦にオブザーバーとして参加する島龍輝元三等陸曹だ」


小栗に呼ばれ十数年振りに陸自の迷彩服に袖を通した島が自衛官達の前に立った


島「島です 小栗三佐 質問です」


小栗「なんだ?」


島「実弾は?」


実戦経験のある島は小栗に質問した


小栗「装備はする ただし、使用するのは”非常時のみ”だ」


島「非常時のみですか?」


島の疑問に自衛官達が島を見る


小栗「何か問題でも?」


島「…いいえ」


小栗「君はオブザーバーだ 発言には気を付けてくれ」


島「…」


島は噛みつくことを辞め元の場所に戻った


『総員 速やかに乗車せよ』


実験機器が稼働準備に入ったところアナウンスが流れ自衛官達が参加車輌に次々と乗車していく


自衛官「整備班退避」


島達が乗った82式指揮通信車の中でモニターを見ていた自衛官がそう告げた


小栗『全隊 準備完了』


小栗が無線で本部に報告を入れた


島「…」


車内で待機する島は胸ポケットから写真を取り出した

出発前に施設長に頼み施設の職員と子供達全員で集合写真を撮り、持ち込んでいた


島「必ず帰るからな」


島はそう呟くと、元の場所に戻した


三浦「霧上の渦が発生」


モニターには、見せてもらった映像と同じ竜巻が起こり始めた次の瞬間


ピカー!


車内に閃光が走った


2章 再会


辺りは霧に包まれていたが、徐々に晴れ始め指揮車両内は無線の声が響いていた


小栗「状況は?」


自衛官「無線以外の全ての電子機器が停止しています 他の車輌も同様です」


報告を聞いた小栗は再び無線を持った


小栗『時刻規制1300 現在1259 5…4…3…2…1 今! 1300』


小栗『残り時間75時間 各班は装備確認 準備が完了次第一班二班は周囲を警戒 三班は指揮所を設置 四班はランドマーカーを設置』


小栗が無線で指示を出していき、周りの自衛官達は次々と動き出していく

流石は鍛えられたレンジャー隊員だけあって動きに全く無駄がなかった


ガチャッ


移転地点を見失わないようにマーカーが設置されていった

島も設置を手伝うためにその作業を行った


三村「早いところ終わらせて戻りましょう」


声をかけてきた三村陸曹長が島に言った


島「了解」


島は短い返事をした


島「ん?」


設置を終えた島が周囲を見たところ遠くで何かが動いた


三村「島さん?」


島「何か動いた」


三村ともう一人の自衛官は島の目線の先を見た


島「ちょっと見てきます」


三村「ちょっと、危ないですよ」


島「ちょっと見てくるだけです 直ぐに戻ります」


島はそう言うと、その地点に向かって歩き始めた


-十数分後-


島「この辺りだったけどな…」


島は周囲を見たが特に異常はなかった


島「…足跡か?」


島が足跡を見つけ、近くで見ようとした時


島(っ殺気!?)


島が殺気を感じ振り向くと鞭のような鋭い蹴りが島を襲った


島「くっ!?」


咄嗟にガードをして直撃は免れたが、実戦から遠退き鈍った身体には結構堪えた


?「…」


刺客はナイフを取り出した


島が臨戦態勢に入ると同時に突撃してきた


シュッ! シュッ! シュッ!


無駄の無い動きに加え、太刀筋も非常に早かった


島(無駄がない だが…)


島は刺客の手首を掴み動きを止めた

そして、刺客と目があった


刺客「っ!?」


島「っ…」


刺客も島も動きが止まった


島「くっ」


島は刺客を突き飛ばし距離を取った


島(なんで…)


それは、明らかに島が見たことのある艦娘だった


(※安価を取ります)


艦娘は?>>>6

(前書きにある艦娘からお願いします)


天龍「…」


角みたいな頭の飾りに左目に眼帯をし、白シャツの上にジャケットを羽織った不良の高校生を思わせる艦娘

初めて会った時は怪我をした雷を背負いながら移動をする等、見た目に反して面倒見が良かった彼女は話してみると男友達のように絡めた

そんな彼女がなぜ鎮守府ではなくこんなところにいるのかが疑問だった


島「天…」


島は名前を呼ぼうとしたが、脳裏にある言葉がよぎった


”現地人との無用な接触は禁ずる”


島は現在雇われではあるが自衛官の一員だった

自衛官としてルールに従わなければならなかった


天龍「おい、お前もしかして…」


天龍も何か気づいたのか島を呼ぼうとしていた


島「…すまん」


島はこの場から去ることにした


(※安価を取ります)


どうなる?>>>8

1,成功

2,失敗

3,アクシデント


島は来た道を引き返し去っていった

後ろの方で天龍が何か言っていた気がするが振り返らなかった


三村「島さん」


マーカーを設置していた所に着くと三村陸曹長はマーカーの機器を設定していた


自衛官「何かあったんですか?」


島「あ、いいえ 見間違いでした…」


島は天龍の事を言わないことにした


三村「では、戻りましょう」


島「了解」


そう言って三人は指揮所に戻ろうとした


隊員「…三村陸曹長 あれ」


隊員が何かを見つけ指を指し、三村と島はその方向を見た


?「…」


そこには、怪我をした艦娘を背負い歩いている複数の艦娘達だった


隊員「女性…ですよね?」


三村「なんでこんなところに?」


島「…」


明らかに島が見たことのある艦娘達だった

ルールがあるとしても放っておけなかった


三村「…」


三村も同じ気持ちだったらしく三村と島はその艦娘達の方へ走り出した


隊員「まずいですよ! 現地人との接触は!」


隊員が大声で止めようとしたが、二人はシカトした


三村「おい、大丈夫か?」


艦娘達 ビクッ!


艦娘達は突然やってきた二人組の迷彩服の二人を見て驚いていた


島「…」


複数の艦娘達とこんなところで再会するとは思わなかった


(※安価を取ります)


艦娘達は?>>>10

(複数お願いします 怪我をしている艦娘も書いてください 都合により、一人は矢矧にさせていただきます)


扶桑「なんですか一体…」


黒髪のロングヘアーに巫女のような着物を来た女性が三村と島を睨み付けた

背には、同じ格好をしたショートカットの女性がいた


響「何しに来たんだい? 私達を捕まえても何も意味はないよ」


暁「雷達は渡さないんだから!」


響は敵意の眼差しを向け、暁は身を盾にするかのように出ていた


矢矧「…」


その様子を矢矧は一歩下がって見ていた

背には、時雨を背負っていた


島「…」


気のせいだろうか

島は矢矧の視線に気付き鉄帽で目元を隠した


三村「大丈夫だから なにもしない な?」


ベテランの自衛官である三村は彼女達の警戒心を少しでも和らげるために口調を柔らかくしていた


艦娘達「…」


艦娘達は渋々了承してくれた


----


岡村「…大丈夫だ 四人とも直に意識は戻ります 怪我の方も軽い打撲位なので命に別状ありません」


救護車代わりになっている96式装輪装甲車の中で医療班長である岡村一曹がそう告げた

命令違反と知りつつも彼女達を放っておけないと志願してくれた


三村「…」ホッ


それを聞いて三村は安堵の表情を浮かべた


三浦「誰が許可したんだ? 現地人との接触は禁止のはずだぞ」


事情を聴いたのか、三浦がやって来て問いかけてきた


三村「自分が…」


三村が責を負う言葉を言いかけた時


島「彼女達は怪我していたんだ 放っておけないだろ」


島はその責を自分にかけた

驚いた顔をしている三村を横目に三浦は島の方を向き


三浦「島さん ここは我々の世界ではないんです」


島「じゃあ、あんたなら見殺しにするんですか?」


三浦「島さん 貴方も元自衛官なら命令には従ってください 勝手な行動は辞めてくれ」


島「…どうもすいませんでした」


そう言うと、島はその場から立ち去った


島「元自衛官ねぇ…」


島はどこかで腰を下ろそうと歩いていた


矢矧「…」


歩いている先に矢矧が立っていた


島「…」


島はその横を通りすぎようとした


(※安価を取ります)


どうする?>>>13

1,引き留められる

2,通りすがる


ガシッ


すれ違いざまに右腕を掴まれた


矢矧「…どこ行くのよ」


島「…」


矢矧は逃がさんとばかりに掴んでいる腕に力をかけてきた


島「…俺を覚えてるのか?」


矢矧「…忘れるわけ無いでしょ…バカ」


そう言うと、矢矧は後ろから島を抱き締めた


矢矧「…ずっと待ってた」


矢矧は島の背中越し伝えた


島「…すまなかったな矢矧 約束守れなかったな」


矢矧「なに言ってるの? 帰ってきたじゃない」


果たして約束を守ったと言えるかわからないが彼女がそう言うなら反論するのは無駄だと感じた


島「すまないが矢矧離れてくれないか? …周りの目が」


周りの自衛官達は島達を怪訝そうな顔をして通りすぎていった


矢矧「あっ…ごめんなさい」


矢矧もそれに気付き離れた


島「なぁ、みんなはどうした? なんであんなところにいたんだ?」


ここは彼女達がいる海辺の鎮守府とは真逆の陸地だった

そんなところになぜ怪我をした艦娘達がいるのか島にとっては疑問だった


矢矧「それは…」


矢矧が答えようとした時だった


パラパラパラ…


島達の上空をOH-1が通り過ぎていった


島「ちょっとごめんな」


矢矧「あっ」


島は矢矧をその場において走っていってしまった


島「どうしてヘリを…」


島は指揮所にいる小栗に聞いた


小栗「周辺の状況把握だ 電子機器も復帰し始めている」


小栗は地図を見ながら淡々と答えた


島「それはわかりますけど、今飛ばすのは危険では…」


小栗「我々は作戦通り行動している 判断するのは私だ」


島「…」


島はそれ以上なにも言えなかった


小栗「オルガの現在地は?」


小栗はヘリの現在地を無線員に聞いた


自衛官「オルガの現在地320」


島達が地図を確認していると


機長『こちらオルガ1 高度1500を維持』


小栗『オルガ1 周辺の状況を確認してくれ』


機長『了解』


OH-1は命令通りヘリを進めた


機長『一時方向 距離3500に何かあります』


無線を聞き定規を持った三村が地図と照らし合わせた


三村「佐世保港ですね」


三村「我々の世界の地図と照らし合わせると…海自の佐世保基地と同じ場所です」


照らし合わせたところ佐世保方面の海辺を指していた


小栗「そこに何があるんだ?」


小栗が疑問を浮かべていると


?「鎮守府…」


指揮所の入口に艦娘がいた


(※安価を取ります)


艦娘は?>>>15

(扶桑型、矢矧、第六駆逐隊、時雨からお願いします)


暁「私達の鎮守府よ」


そこには、暁と響に目を覚ました雷と電 扶桑が立っていた


岡村「おい まだ寝てなさい」


岡村が怪我をしていた雷と電に戻るように促したが


雷「これくらい平気よ」


電「助けてくれてありがとう…なのです」


二人は離れる気はなさそうだった


三村「鎮守府? そんなの聞いたこと無いぞ」


三村達はそう言いながら地図を見返した


扶桑「貴殿方はあの人達の仲間じゃないのですか?」


扶桑が気になることを聞いてきた


小栗「一体何の話しだ?」


小栗が近づいて聞いてきた


艦娘達「」ビクッ!


艦娘達は何故か怯えた


島「待って…俺達と同じ連中を見たのか?」


島は三浦を引き留めると、代わりに聞いた


暁「み、見たわ」


響「彼らは…人の皮を被った悪魔だよ」


島「どういう事だ?」


小栗は再び無線を持った


小栗『オルガ1 接近できるか?』


機長『こちらオルガ1 接近する』


OH-1は高度を変えず鎮守府に接近した


機長「なんだあれ?」


鎮守府からは工場から出る煙のようなものが立ち上っていた


電「近づいちゃダメなのです!」


突然電が大声で警告した


小栗「なに?」


小栗が驚いた顔をした直後だった


ビビビッ!!


副機長『誘導弾です! 急速接近!』


OH-1のレーダーが対空誘導弾を探知し、すぐさま回避運動をとった


島「誘導弾?」


艦娘達の艤装は大戦時の兵装のため、対空兵装は高角砲や機銃位である

だが、飛んできたのは自衛隊等が使っている現代兵器である

艦娘からの攻撃ではないことは明らかだった


小栗『オルガ1 直ちに現場空域を離脱しろ』


機長『了解 直ちに帰投します』


島「なぜなんだ…」


島の呟いた直後だった


ビビビッ!!


副機長『第2波接近!!』


離脱途中のOH-1の背後から二発目の対空誘導弾が接近していた


(※安価を取ります)


どうなる?>>>17

1,撃墜

2,離脱成功


ドーン!


指揮所に炸裂音が響くと同時にOH-1の反応がレーダーから消滅した


自衛官「オルガ1 レーダーから消滅!」


小栗『オルガ1応答せよ! 応答せよ!!』


この世界に来て初めての犠牲が出てしまった


-指揮所周囲-


”死の影”は周囲を警戒している自衛官達にも忍び寄っていた


幹部「異常はないか?」


隊員「ありません」


幹部自衛官が10名程の隊員達をまとめ連絡をしようとした時だった


ヒューン ザシュ


音もなく発射された矢が隊員の頭に命中し、それを皮切りに矢が放たれ幹部を含めた10名の命が奪われた


隊員「…」スタスタ


別の哨戒隊員にも死が迫っていた


バッ!


隊員「うっ!?」


背後から草に擬態した何者かが隊員の口を塞ぎ喉を掻ききった


隊員2「止めろ! 撃つぞ!」


それを見ていたもう一人の隊員が威嚇射撃のため発砲したところ同じく草に擬態していた複数名により、殺害された


『第一地区からの連絡が途絶えました!』『第四地区複数の侵入者!』『こちら航空 ヘリが襲撃…ぐがぁぁ!』


指揮所に隊員達の断末魔が響いた

外では銃撃音が響き始めた


小栗「どうなってる!?」


指揮所内も混乱し始めた


島「小栗三佐 みんなを車輌に!」


島は直ちにここから離れた方がいいと判断し、小栗に進言した


小栗「…総員 車輌に乗れ! 指揮所も撤収!」


小栗の号令の元、隊員達は指揮所を飛び出し車輌に急いだ


田村「ほら、行くよ!」


田村は怪我をしている雷と電を抱え込み走り出した


暁「ちょっと、置いていかないで!」


暁達もそれに続いて行った


バンバンバン!


近くまで来ていた敵からの銃撃が隊員達に降り注がれ、たちまち数名の隊員達が犠牲になった


島「っ?」


82式指揮通信車に乗ろうとしていた島の目の前で87式偵察警戒車の操縦士が負傷した


島「くそっ」


島は直ぐにその操縦士に駆け寄り、担ぐと指揮車に乗っけた


三浦「島さん 早く乗って!」


三浦が催促して来たが


島「車輌を放っておけるか!」


島はそう言うと、島は87式偵察警戒車に向かって走り出した

後ろからは小栗やらが引き留める声が聞こえたが気にも止めなかった


島「はぁ…はぁ…」


島は銃撃の中を掻い潜り87式偵察警戒車に辿り着き操縦席に入ろうとした時だった


カチャ


島の目線の先に敵の姿があり島に向けて銃口を向けていた


島「ヤバい…」


撃たれる覚悟をしたその時


ザシュ


銃口を向けていた敵は前のめりに倒れた

視線を移すと右手を前に出した矢矧の姿があった


矢矧「助けは必要かしら?」


どうやら、投げナイフ一撃で敵を倒したのである


島「一つ貸しだな」


島はそう言いながらも矢矧の手を引き、彼女を車内に押し込み、エンジンを掛けた


矢矧「ちょっと、強引すぎない?」


島「少し我慢してくれ」


そう言うと、島は被っていた鉄帽を矢矧に被せ運転に専念した

島は日本に帰国して、資格勉強の傍ら大型、大型特殊の免許を取得していた


グォォン!


重く唸るエンジン音が響いた


『嬉野方面に向かうぞ』


車長「嬉野方面に向かう」


島「了解」


車長が無線で受け取った指示を操縦席の島に伝えた


矢矧「ダメ! そこは、敵だらけよ!」


それを聞いた矢矧はその指示に反対した


島「矢矧 この辺りもわかるのか?」


矢矧「着任してからずっとこの地域にいるのよ この辺りの事も分かるわ」


矢矧「私が案内する 少なくともここより安全なところに」


島は迷った 自衛隊や軍では上官の命令は聞かなければならなかった

しかし、矢矧も嘘を言っているようにはとても見えなかった この付近が危ないと知っているせいだろう


(※安価を取ります)


選ぶのは?>>>19

1,小栗の指示

2,矢矧の助言


島「信じていいんだな?」


矢矧「私が嘘ついたことある?」


島は矢矧の目を合わせた後


島『小栗三佐 嬉野方面は危険です! 自分が先導します 続いてください』


小栗『何を言ってる! 勝手な…』


矢矧『そのまま行ったらここにいる皆死ぬのよ! それでもいいの!?』


島から無線を奪い取った矢矧が怒号を上げた

無線を盗られた島はもちろん、車長や射手の隊員も唖然としていた


島「お前なぁ…」


矢矧「うじうじしてるのが嫌いなだけ」


自衛官達とは違い矢矧達は本物の戦場で戦っている

判断が遅いと何が起きるのか何て直ぐにわかるのだろう


島「行くぞ!」


島がアクセルを踏むと六輪のコンバットタイヤが回転を始めた

重量約15tの警戒車は浴びせられる小銃の弾丸の雨をもろともせずに矢矧が示す道に向けて驀進していった


小栗『各車輌 速力を上げ! 敵を振り切る!』


無線から小栗が速度を上げるように促された

車長が無線を返しており、少なくとも指揮車、96式、ライトアーマー一両、トラック一両から無線が返ってきた


『囲まれた! 救援…』


他の車輌の隊員の声が聞こえたと思ったら、次の瞬間鈍い音がし、以降連絡が来ることはなかった


-十数分後-


しばらく車輌を動かしていたが、車内はお通夜のような空気だった

矢矧が道を示し、島がそれに反応する このやり取り以外何もなかった


矢矧「…ここよ」


矢矧が案内した場所に着いた

そこは、キャンプ場みたいな広い場所に所々にテントが張られており、中から艦娘達が出てきた

島が鎮守府を去る時にいた艦娘もいれば、見覚えの無い艦娘もいた

そして、島は再び艦娘達の前に降り立った


3章 佐世保鎮守府


{第一日目 20:00 残り時間 68時間}


三村「残存隊員は負傷者を含めて24名 軽装甲機動車一両 輸送トラック三両 観測ヘリ、UH-60を喪いました」


三村「センサーの設置は完了しています」


小栗「わかった」


三村が状況の報告を行った それを小栗は淡々とした態度で返した


三村「遺体を…伴ってやることが出来ませんでした」


そう言うと、三村はその場を離れた

あの状況ではどうにも出来なかった だが、その一言で片付けてしまうのはあまりにも酷だった


島「小栗三佐…実弾を使いましょう」


島はオブザーバーとして小栗に意見具申した


小栗「現地の人間を殺傷してはならない それが本部の命令だ」


その言葉に島はイラつきを覚えた


島「何人やられたと思っているんです! このままでは…」


小栗「実弾の使用が認められているのは、第六独立実験隊の”殲滅”のみだ!!」


小栗が島の顔を見てはっきり言った


島「…殲滅?」


殲滅という単語を聞いて自衛官達が顔を上げ、小栗はしまったといわんばかりの顔をした


島「知らないのは俺だけですか? 非常時ってそう言うことですか?」


島「小栗三佐…まさか最初から…」


島は小栗を問い詰めた


小栗「…仮説に過ぎなかった 第六独立実験隊が意図的に世界を壊そうとしているなんて…」


小栗「しかし、だからと言って現地人を殺傷して良いことにはならない」


小栗の言い分も最もだった しかし、これだけの被害を出しておいて納得がいくわけがなかった


島「このままだと…自分達が全滅するんです! こちらからも攻める事を…」


小栗「そんなに人が殺したいのかあんたは!?」


小栗の怒号に駆逐艦娘達はビクついていた


小栗「それに、これだけの現地人を巻き込んでどう責任を取るつもりなんだ!」


小栗が艦娘達を指差しながら聞いてきた

艦娘達も最初は敵意を向けているような気がしたが、矢矧達の説得と島が帰ってきたと聞き、匿ってくれたのである


島「彼女達が匿ってくれなかったら、もっとひどい目に遭ってました! そこのところも考えてくれ!」


小栗「…」


小栗「…とにかく指揮官は私だ 命令には従ってくれ」


そう言うと、小栗は島の前から去った


島「…」


島にはもどかしさが残った


自衛官達「……」


自衛官達は束の間の休息を取った

各自が食事にありついているが、その顔には疲労の表情が見えた

過酷な訓練を乗り越え、未来の自衛隊を背負っていく筈だった若き自衛官の半数が先程の戦闘で散っていった


?「隣良い?」


食事を取ろうとしていた島に一人の艦娘がやってきた


(※安価を取ります)


来た艦娘は?>>>21


球磨「座るクマ」


座ってきたのは、栗毛色の髪とバネのようなアホ毛に、白と水色のセーラー服のような服に赤いリボンに丈の短いインナーを着ていた


島「なんか用か?」


球磨「話があるクマ」


島「…」


そう言うと、球磨と島は戦闘糧食を食べ始めた


球磨「なかなかイケるクマ」


そう言いながら球磨は戦闘糧食を頬張っていた


島「用ってなんだ?」


島は球磨に唐突に聞いた


球磨「…」


球磨は食べるのを止め島の方を見た


球磨「…改めてお礼を言うクマ 妹の木曾を助けてくれてありがとうクマ」


球磨はそう言いながら頭を下げた

彼女の事も覚えていた 天龍と同じ様に近寄りがたい雰囲気を持っていたが、島の持っていたナイフを見て目を輝かせたり等気が合う部分があった


島「礼を言われるようなことはやってない だから気にするな」


球磨「皆、あんたに会いたがってるクマ 明日の朝、来て欲しいクマ」


島「…」


島「悪いがそれはパスだ 明日のことがあるからな」


本音を言えば島はあまり艦娘達の前に出たくなかった

あの日 必ず帰ると約束し鎮守府の機能を回復させるために出動した

しかし、結果はどうだっただろうか

金剛の妹である榛名を救助し、鎮守府の電力も回復させたが、自身は満身創痍で制御室で気を失い元の世界に戻ってしまい、約束を果たせなかった


球磨「少しだけでもいいクマ」


島「…」


そう言われても島は首を横に振った


島「今更…どの面下げて皆の前に行けっていうんだ?」


球磨「…」


三浦「島さん」


そんなことをしていると三浦が島を呼んだ


島「ごめん」


島は三浦の方へ行った


小栗、三村「…」


そこに行くと小栗と三村がいた

先程の戦闘で航空隊以外の幹部自衛官が戦死し、事実上小栗に次ぐ階級が三村だった


小栗「島さん 確認を取りたい」


島「なにか?」


小栗「彼女達は敵か?それとも味方か?」


小栗はおそらく艦娘達の事を言っているのだろう


島「…少なくとも今は味方です」


小栗「…そうか」


小栗はそう頷いた


三村「島さん 彼女達と親しいように見えるが彼女達を知ってるんですか?」


三人の視線が島に向けられた


島「…正直に言います 自分はこの世界に来たのはこれで二度目です」


三浦「どういう事です?」


島は十数年前の出来事を話した


三村「…信じられない」


三浦「そんなことが…」


小栗「…」


三人とも呆気に取られた様子だった


島「ところで用ってなんですか?」


島は唐突に聞いた


三浦「あー、それは…」


小栗「”バロム”を知っているか?」


小栗は三浦の声を遮って聞いた


島「バロム? なんです?」


小栗「米軍の新型兵器 通称”バロム”」


島「それがなんだって言うんです? 米軍の新型兵器何て今関係ないでしょ?」


小栗「その兵器を第六独立実験隊が持ってるとしたらどうする?」


島「…どういう事です?」


小栗は一息をつきながら答えた


小栗「なんで我々がこんなに慌ててるかわかるか?」


島「いえ…」


小栗「バロムは通常の兵器とは違う 我々が最も恐れる物だ」


島「なんですか?」


小栗「バロムの正体は”戦術核兵器”だ」


島「…嘘だろ」


その事実に島は驚愕した


三浦「バロムの威力は広島、長崎に落とされた原子爆弾の約200〜300倍の威力を誇ります」


島「…」


三浦「二年前 あの実験が行われる数日前 アメリカでバロムを輸送中に襲撃を受け、二発のバロムが強奪されました」


三浦「バロムに設置してあったGPSもジャミングのせいで作動せず、行方不明になりました」


三浦「しかし、一瞬だけGPSが復帰し、示した場所が実験当日の第六独立実験隊のいた演習場だったんです」


三浦が事の始まりを話した


島「でもなんでそんなものが日本に?」


小栗「誰かが手招きしたとしたらどうする?」


その一言に島は直ぐに誰かわかった


島「尾形さんが…」


小栗「恐らくそうだろう 加えて、実験経過を記録する人員も何人か加えられている その経過員が強奪を行った実行犯だろう」


三浦「その経過員も尾形一佐が独断で参加を許したそうです」


三村「そこまでして…」


この事実はほとんど知られてないだろう もし世間に公開したら日本中が混乱する そのために迅速に回収したいのだろう


小栗「明日 佐世保方面に向かう」


島「危険すぎる」


小栗「佐世保に何かある それを確かめに行く これは決定だ」


そう言うと、小栗はその場を去ってしまった


島「…」


島は底知れぬ嫌な予感がした


-翌日-


目を覚ました島は装備を整えていた

正直に言えばよく眠れなかった為起きてしまったのである


島「…」ファー


眠気のせいか欠伸が出てしまった

この迷彩服を着て欠伸をしていたら、現職の時だったらぶん殴られていただろう


?「…」


そんなことを考えていたら、数人の艦娘達がやって来た


(※安価を取ります)


来た艦娘は?>>>24

(3~4人程お願いします)


曙「久しぶりね」


潮「ご、ご無沙汰してます」


朧「久しぶりだね」


そこには、見覚えのある三人と見覚えのない娘が一人いた


漣「えぇっと…漣です ボノたんが言ってた…」


その娘は三人と同じようなセーラー服にピンク色の髪の毛が特徴的な娘だった


島「そんな緊張しなくていい 素でいてくれてもいい」


漣「おぉ! 思った以上に良い人 キタコレ!」


急にテンションが上がったがスルーした


島「朝から何のようだ?」


潮「あの…皆さんが待ってます」


朧「だから、迎えに来たの」


昨日球磨が言っていた件だろうか彼女達が迎えに来たらしい


島「悪いが、皆に会う気はない 会わせる顔もない」


曙「はぁー? そんなの関係ないわ ほら」


そう言って曙が手を出してきた


島「いやだから…」


曙「もぉ、じれったいわね!」


そう言うと曙は島の手首を握りそのまま連れ出し始めた


-数分後-


7駆の娘達に引っ張られ、島は艦娘達の居住地に行った


島「…」


島は驚いた

十年以上経っていたにも関わらず艦娘達は容姿は全く変わっておらずまるで時が止まっていたかのようだった


酒匂「司令!」


そう言ってやって来たのは、矢矧の妹である酒匂だった

それを皮切りに顔見知りの艦娘達も来た


赤城「お久しぶりです」


加賀「元気そうね 安心したわ」


瑞鶴「提督さん 老けたね」


翔鶴「ちょっと瑞鶴…」


この他にも色んな娘達から言葉を貰った


島「十年以上経っているのに皆は変わらないな」


そう言った時、彼女達は不思議そうな顔をした


阿賀野「提督さん…何言ってるの?」


蒼龍「一年半しか経ってないよ」


島「へ? 一年半?」


飛龍「そうだよ 十年ってなんのこと?」


どうやら、この世界と現実世界では時間の進みが違うようだった そう考えれば、彼女達が変わっていないのも納得できた

そもそも艦娘達は歳を取るのだろうか そんな疑問が浮かんだが考えないことにした


島「皆…一言言わせてほしい」


島は艦娘達を離すと艦娘達を見た

島は鉄帽と銃とベストを地面に置くと頭を下げた


島「皆…すまなかった」


島「必ず戻ってくると約束したのに、十二年…いや、一年半帰ってこなかった」


島「許してくれとは言わない ただ一言謝らせてくれ」


艦娘達「…」


艦娘達が無言で島を見ているのがわかった

おそらく、あの時の提督もこんな心境だったのだろう

別に殴られても構わない そのために身を護る装備を置いたのだから


(※安価を取ります)


反応は?>>>26

(対応する艦娘も一人選んでください 島を知っている艦娘でお願いします)


矢矧「顔を上げて」


駆け寄った来た音が聞こえると同時に矢矧の声が聞こえた


島「…」


島はなにか言われるか前提督のように叩かれるかのどっちかを覚悟して顔を上げた


ギュッ


顔を上げた直後柔らかい感触と鼻腔を擽る香りが来た


矢矧「貴方を叩くなんてできるわけないじゃない」


矢矧「貴方のお陰で私達皆救われたのよ だから…」


そう言うと、矢矧は島の胸に顔を埋めさっきより抱きしめる力を強めた

涙声になっていたためそれを隠すためだろう


矢矧「ごめんなさい しばらくこのままでいさせて…」


島「えぇ…」


予想もしていなかった展開に島は戸惑い、他の艦娘達に視線を向けた


艦娘達「…」


艦娘達の反応は様々だった

笑みを浮かべている娘、気を使って見ていないふりをしている娘、顔を真っ赤にしている娘だった

阿賀野型に至っては、ニコニコ笑っているが変なことをしたら彼女達が襲撃しに来るだろう


島「…」


だが、島も満更でもない むしろ、彼女達から受け入れてもらったことに感謝した

島は矢矧を抱きしめ返した 島からしたら十二年、艦娘達からしたら一年半ぶりの再会だった


{第二日目 06:30 残り時間57時間30分}


島「言わなきゃいけないことがあった」


しばらく経ち、島は艦娘達の前にいた


島「俺がこの世界に居られるのはあと、57時間だ」


天龍「どういうことだ?」


島「俺の今回の目的はこの世界に来た自衛官達を見つけて救出 時間内に元の場所に戻ることだ」


龍田「元場所?」


先程、天龍に何も言わず去った事を謝罪した 天龍は別に気にしている様子はなかった その際、自身の妹を紹介した

あの時は、前提督の命令で他の艦娘達と共に鎮守府を離れており島とは会わなかった

天龍とは違い、育ちのいいお嬢様のような雰囲気を醸し出す美女だが何故か怖さを感じた


島「俺のいる世界とこの世界を繋ぐ道だ もし、タイムリミットに間に合わなかったら、俺達はこの世界で彷徨うことになる」


朝潮「三日後の1600までにその人達を見つけなければならないんですか?」


朝潮が腕時計を見ながら言った

その腕時計はあの時、島が朝潮に預けたものだった

大事に使っていることに感謝した


酒匂「司令 なら酒匂達と一緒にいよう それなら…」


酒匂の提案に島は首を振った


春雨「どうしてですか?」


島は胸ポケットから写真を取り出した


島「今俺な養護施設の職員やってるんだ この子達は俺と同じように親がいないだ」


島「傭兵辞めて日本に帰った時に世話になった養護施設の先生に言われたんだ」


〘親がいない子供の気持ちは同じ親がいなかった人にしかわからない この子達の希望になってあげて〙


島「だから、みんなには本当に申し訳無いが俺はこの子達のためにも絶対に帰らなきゃいけないだ」


そう島は締めくくった


金剛「ウ~ン そう言われたら、引き止めづらいデス」


榛名「…」


榛名はそれを聞いて俯いてしまった

さっきも金剛達に挨拶した時、榛名に抱きつかれ再会したことを喜んでいた

後ろの方で矢矧が睨みつけていたそうだが、聞かなかったことにしといた


島「それで、最大の疑問なんだが…」


島「こんなところで何やってるんだ? 鎮守府はどうしたんだ? 前より酷くなってないか?」


それを聞いたとき、艦娘達から元気がなくなったのがわかった


大淀「貴方がいなくなって数日後でした」


艦娘達に変わり大淀が話し始めた


大淀「新しい提督は新米の方でした 修復し終わった鎮守府前に皆でもう一度頑張っていこうとそう皆で決意しました」


島「いい決意表明だな」


能代「それでも苦労しましたよ 編成間違えたり、遠征がうまくいかなかったりで…」


満潮「何回怒鳴りつけたこともあるわ」


島「それは、苦労したな」


新人の提督にとってこんな個性豊かな彼女達の指揮を取るなんてさぞ難しかっだろう


島「それで、その提督はどうした?」


島はその提督について聞いた


霞「…死んだわ」


島「…は?」


伊勢「殺されたんだよ "陸楼衆"に」


島「陸楼衆?」


日向「突然、現れた謎の武装勢力だ 噂じゃ、陸軍も陸戦隊も敵わなかったらしい」


山雲「本当かどうかわからないけど… 200人の兵士が5人しか帰ってこなかったらしいわ〜」


島「軍隊を蹴散らしたのか?」


矢矧「それだけじゃない 奴らに私達の鎮守府を奪われたの」


艦娘達はその集団によって鎮守府から追放されここに流れ着いたのである


島「それで、俺達もその連中の仲間だと思ったのか?」


川内「うん だって似てるもん」


島「似てるねぇ…」


そう島が呟いた時だった


島「…?」


風にのって何か音が聞こえた


島「…」


島が地面に耳を当てた


矢矧「どうしたの?」


島「…」


矢矧の問いに島は無言だった


島「…なんだ?」


島は嫌な予感がして、直ぐに外していた装備を装着し始めた


阿賀野「ちょっと、どうしたの?」


島「いいか? 隠れてろ ついてくるなよ!」


島は鉄帽と被り、小銃を持つと自衛官達がいるところに走り出した


酒匂「あ、司令! これ!」


島は忘れたのか、故意に置いていったのか防弾ベストを置いていったのである


{第二日目 07:30 残り56時間30分}


島が駆けつけた頃には、謎の勢力が自衛官達の前に姿を見せていた

小栗の号令の元、自衛官達は直ちに臨戦態勢に入った


小栗「どうやってセンサーを…」


設置したはずのセンサーには何も反応がなかったらしく体制が整うのが遅れた


三村「報告します! センサーが全て壊されていました」


小栗「なに…」


何者かによってセンサーが破壊されていた


武装勢力と自衛隊が睨み合う中、一台のバイクが間に入った

バイクに跨る者の背中には、自衛隊正式小銃である20式小銃があった


?「我々は陸楼衆! 速やかに武装解除しろ!」


島「陸楼衆…」


艦娘達が言っていた勢力が目の前に現れた

バイクに乗っている男はつけていたバラクラバを外した


島「…須田!?」


バラクラバを外し、素顔を見た島は驚愕した

それは、かつて島と共にÀユニットに所属した仲間だったのである


須田「島…お前がいたのか」


須田は別に驚くことなく無表情で島を見た

それと共にヘリのローター音が響いた


三浦「…そんな」


ローター音と共に現れたのは、第6独立実験隊所属の"AH-1コブラ"である

まるで空の王者の如く、我が物顔で自衛隊の上空を通り過ぎていった


三村「嘘だろ…」


その直後地面を揺るがす地鳴りを響かせながら現れたのは、同じく第6独立実験隊所属の"10式戦車""90式戦車""89式装甲戦闘車"である

これはつまり、島達に勝ち目はないことを意味した


須田「全員武器を捨てろ!! 命までは取らん!」


須田は高々と言い放った


島「おい須田!! 一体どういうことだ!?」


三浦「須田さん! 我々は救出に来たんです!」


それに対して須田は何も答えなかった


島「…」


ふと横に目をやると、来るなと言った筈の艦娘達がいた


矢矧「…」


矢矧は島から貰ったシュマグで口元を隠し、ナイフに手を伸ばしていた

矢矧だけでなく、天龍や木曾を始めとした刀を持つ艦娘達も今まさに切り込もうとしており、空母艦娘達も矢を構えようとしていた


島「…」


島は首を横に振り、出てくるなと手で合図を送った

そうしている間に須田が目の前にやってきた


島「こんな形で再会したくなかったな」


須田「さっさと銃を置け」


戦友であり、親友でもあった須田は島の言葉を無視し銃を取り上げた


島「久しぶりの再会なんだから優しくしてくれよ」


須田「…」


ドゴッ!


島「うぐっ!?」


須田は島に向かって思いっきり腹パンした


矢矧「っ!!」


阿賀野「矢矧ダメ!」


能代「落ち着いて!」


酒匂「今出たら殺されちゃう!」


島が殴られたのを見て矢矧が飛び出そうとしたが阿賀野達が暴れる矢矧をなんとか取り押さえた


島「ゲホッ…ゲホッ…」


須田「…優しくしてやったぞ」


島「手荒い歓迎だな…」ハハハッ


須田「…」


島は顔を歪めながらも苦笑いを浮かべたが、そんな島を須田はゴミを見るような目で見下した


須田「…連れて行け」


そう言うと、陸楼衆達は自衛官全員の武装解除を行うと連行し始めた


須田「…」


須田が艦娘達のいる茂みの方を見た


須田「…」スッ


須田が右手を後ろの方へ伸ばすと部下が9mm機関拳銃を差し出した


ババババッ!


須田はそれを片手で乱射した


須田「…」


一弾倉撃ち切ると9mm機関拳銃を部下に返した

そうして、何事もなく去っていった


(※安価を取ります)


艦娘達の被害は?≫≫28

1.無傷

2.負傷(誰が負傷したか)


伊勢「間一髪セーフだね…」


大和「反応が遅かったら死んでましたね」


戦艦艦娘達が一部の艤装を展開し、銃撃を防ぎ艦娘達は無傷で済んだ

だが、数名の艦娘は腸が煮えくり返る思いをしていた

特に


矢矧「…」


能代「ね、ねぇ矢矧…落ち着きましょう…ね?」


矢矧「能代姉? 私はいつも通りよ?」


そう言っている矢矧だが、その表情からかなりの怒りが見えた


瑞鶴「ねぇ、どこに連れて行かれたの?」


加賀「そんなの決まっているでしょ」


日向「鎮守府だ あいつに会わせる気だ」


艦娘達は島たちが連れ去られた道を方を見た


ーーーーー


{第二日目 09:00 残り 55時間}


陸楼衆に連行された自衛隊は佐世保鎮守府に連行された


島「…なんだ…これ」


島は鎮守府を見て絶句した

入口には、両端に櫓が建てられ一方には小銃を構えた兵士 もう一方にはM2重機関銃を向けている兵士がいた


三村「こいつは…」


鎮守府内に入ると、高機動車に引かれて120mm重迫撃砲が移動していたり、155mm榴弾砲FH70が展開していた


島「何だあれ?」


島の目線の先には毒々しい煙を吐いている物があった


三浦「原油精製所…ですかね?」


小栗「燃料補給も完璧か…」


島「あれは…」


島達の前にSSM-1とSSM-2が通った


三浦「あれは、単体では発射できません ここにあっても…」


島「いや…見ろ」


島が指を指す方向にレーダーサイトがあった


島「あれで、対艦、対空を強化している だから、対空誘導弾を撃てたんだ」


三村「まさに要塞だ 島さんこれはあんたが…」


島「違う 俺がいた時これとは程遠い」


島がいた時は、建造物がほとんど倒壊しており艦娘達と一緒に修復した

修復したと言っても、瓦礫を運んだり、板を貼り付けて雨風を防いだりした程度だ


島「…」


体の小さい駆逐艦娘達がみんなと協力して瓦礫を運んだ道を87式自走高射機関砲が通り、艦娘達と雑談していた場所には迫撃砲を整備する兵士がいた

もはや、島の知っている鎮守府はそこにはなかった


ーーーーー


提督室に小栗、三浦、島の三人が呼ばれた

通されてしばらくした後、護衛に囲まれこの鎮守府を統括している人間が来た


?「待っていたぞ 島…お前がいたのか」


島「っ!!」


その顔を見た瞬間、島は飛びかかろうとしたが護衛に捕まり取り押さえられた


?「来るなら…お前だと思った」


島「どうして…どうしてなんだ尾形さん!!」


島たちの目の前に現れたのはあろうことか第6独立実験隊指揮官の尾形一佐だった

尾形は、不敵な笑みを浮かべると提督の席についた


小栗「尾形一佐 我々は救出しに来たんです なのにこれはどういうことだ!」


三浦「…」


3人の目線が尾形に集中する中、尾形は何があったのかを話し始めた


尾形「数ヶ月前…俺達は戦場真っ只中にいた」


ー数ヶ月前ー


隊員「何だよ一体!?」


輸送トラックから出てきた隊員がその一声を発した瞬間


バーン!


乾いた音が響いたと思ったら、隊員が1名血を流して倒れた

それを皮切りに銃弾が降り注ぎ隊員達が次々と犠牲になっていった


『隊長! 応戦許可を!!』


96式装輪装甲車に乗る尾形の元に部下からの無線が響いた


尾形『攻撃は禁ずる! 総員退避だ!』


尾形の命令にも関わらず、戦車隊は前進し応戦を開始した

上空でも、コブラが機銃掃射を始め混乱は極めた


ー現在ー


尾形「部下は次々と殺られていった」


尾形「そんな状況に俺は精神が蝕まれていった」


尾形程のベテランの自衛官を持ってしてもこの世界の情勢に病んでいたのである


尾形「全ての装備を破壊して自決するまで考えた」


尾形「だが、俺達が死んでどうする? 俺達はこの世界に死ぬために飛ばされたのか?」


尾形「…違う!!」


尾形は手に何かを持っていた

それは、数珠のように纏められた亡くなった部下達のドッグタグだった 皆、島にとって見覚えのあるドッグタグだった


尾形「俺は自衛官であることを辞めた そして、この世界の武装勢力に宣戦布告した」


そこからの尾形達は凄まじかった

ゲリラ戦を展開しようとしていた勢力は、コブラの機銃掃射で木々共々ミンチにされ、空中戦を挑もうとした武装勢力のヘリコプターもコブラの前では空飛ぶ鴨だった 隠れている者や逃げようとしている者達には、戦車隊と榴弾砲の砲撃の雨にさらされた

瞬く間に佐世保周辺の武装勢力は壊滅した


尾形「この世界には、大本営が存在していた 大本営から送るれて来た部隊も我々の前では敵ではなかった」


三人「…」


三人は愕然とした

尾形達はこの世界の軍隊ですら敵わない程の力を持っていたのである


尾形「大本営は俺達を受け入れることで和睦した そして、この鎮守府に駐屯することになった」


尾形「そこで俺達はこの世界の異常さを見た まるで船のように水上を進み、軍艦を思わせる武装を身に纏った存在 艦娘だ」


尾形「俺達は彼女達を人の皮を被った兵器として認証し、部下達には馴れ合う事を一切禁止した 兵器と分かり合う必要はないとな」


島「…」


島は拳を握りしめた 自分を馬鹿にしたり、見下したりするのは構わない だが、彼女達を侮辱するのが許せなかった


尾形「だが、彼女達は俺達では想像出来ない技術を持っていた 俺達はそれを利用することにした」


三浦「利用?」


尾形「…斎藤、中西 見せてやれ」


斎藤「了解」


護衛の一人が返事をして動いた


島「斎藤さん、中西!」


彼らも島と同じΑユニットのメンバーであり、幹部であった

優しい性格で部下達からの信頼も厚かった

だが、目の前の彼はあの時のような優しい目をしておらず、むしろギラギラした目つきをしていた


もう一人は、島と共にΑユニットに入った中西である

同期入隊と同じ階級だったため親友のような存在だった


斎藤「…」


彼らが持っていたのは2つの円柱の長いケースだった


尾形「これがなにかわかるよな?」


小栗「バロム…」


斎藤「プロテクト解除に時間がかかったがいつでも動くことができる」


尾形「…これをSSM-1の弾頭部に入れ、阿蘇山と富士山に撃ち込み噴火を誘発し阿蘇山と富士山を崩落させる

宝永の大噴火、雲仙普賢岳噴火の数十倍の爆発が起こる それと共に広島、長崎の原爆の200倍の威力を誇るバロムの力を使えば、九州、関東一帯は全滅する」


尾形「そしてそこに、新しい国を築く」


三浦「待ってください SSM-1の射程は200kmが限界です そんなに届くわけがない!」

(※佐世保から阿蘇山までは約214km 富士山までなら約1103kmあります)


三浦がそう言ったところ尾形と斎藤は不敵に笑った


斎藤「確かに我々の技術では不可能です」


島「…まさか」


尾形「明石と言ったか? 彼女を利用させてもらった」


尾形「ここの提督に敵を倒すための技術を貰うために誘導弾本体を預けた そして、引き渡しと同時に武装蜂起してこの鎮守府を乗っ取った」


島「彼女達を…騙したのか?」


尾形「俺は利用できるものを利用しただけだ この鎮守府の司令官である提督も利用される側だったということだ」


島「…」


尾形「島 お前も来るか?」


尾形は島の方を向いた


尾形「俺達…Αユニットの仲間と共にこの世界を作り直さないか?」


尾形は島を迎え入れようとしていた


(※安価を取ります)


答えは?≫≫30

1.拒否

2.容認


島「…あんたの言うとおり この国を滅ぼしちまったら、あっちの世界の一億人も消えちまうんだぞ」


尾形「代わりに新しい一億が生まれ、新しい国が生まれる」


島「だったら…あっちの世界の一億人を守るのは誰なんだ? この国を滅ぼしたあと、この国を守るのは誰なんだ?」


島「尾形さん 教えてくれよ… こんなのただの殺戮だ!」


島は断固として協力を拒否した もし、この世界がなくなったら島達の世界も滅び、島が守る子供達の未来も消えてしまう


尾形「変わらないなお前は!」


尾形はそう言うと、P320を島に突きつけた


島「…」


尾形「…一日待ってやる 明日の1200にもう一度答えを聞こう」


そう言うと、尾形は拳銃をしまい去っていった


斎藤「島 悪いことは言わん、俺達に従え お前の返答次第では誰も生きては帰れんぞ」


中西「お前は頭がいい この状況を見れば答えはわかるよな?」


須田「いい返事を待っている」


そう言うと、三人も去ろうとした


島「斎藤さん! 中西! 須田!」


島は三人を呼び止めた


島「目を覚ませよ! これが尾形さんの元で描いていた未来かよ! こんなの間違ってる!!」


三人「…」


島の訴えに三人は何も言わなかった

むしろ、そんな島をゴミを見るような目で見つめやがて提督室から去っていった


ーキャンプ地ー


島達が去ったキャンプ地では艦娘達が集まっていた


大和「皆さんどうしますか?」


矢矧「私は行くわ」


阿賀野「矢矧が行くなら私達も」


飛龍「でも、鎮守府がどうなってるかわからないんだよ」


加賀「私達が出した索敵機も鎮守府に到達する前に行方不明になってます」


艦娘達は島に救って貰った恩を忘れていなかった

だが、佐世保鎮守府の中でも練度の高い空母艦娘達が放った索敵機が次々と撃墜されていた


大淀「鎮守府周辺の地形はある程度把握してますけど…」


扶桑「ここから結構離れてるし、とてもじゃないですけど難しいですね…」


矢矧「…」


赤城「ですけど、このままじっとしているわけにはいきません」


赤城「行くか、行かないかはっきりしましょう」


大淀「多数決で決めましょう ですが挙げたからには後悔しないでください」


そうして艦娘達による多数決が取られた


(※安価を取ります)


結果は?≫≫33

1.行く(誰が行くか3〜4人程)

2.様子見


多数決の結果全員が救出に賛同した

勿論、怖いと思う艦娘達がいたのは言うまでもない

しかし、このままにしておくのが嫌だった


矢矧「鎮守府には私が…」


阿賀野「矢矧 一人で行こうとしてるの?」


能代「私達も行くわ」


酒匂「酒匂も行くよ」


矢矧「阿賀野姉、能代姉、酒匂…」


阿賀野「私達が一番提督さんと一緒にいたんだよ 私達が行かないと」


矢矧「…うん」


こうして鎮守府に向かうのは、阿賀野型の四人になった


鳳翔「皆さん気をつけて」


大淀「何かあったらすぐに無線で」


矢矧「わかったわ」


阿賀野「ねぇ、酒匂 それ脱いだら?」


酒匂は、島が着ていた防弾ベストを着ているままだった


酒匂「これ、暖かいから良い」


酒匂は脱ぐのは嫌がった

(※元自衛官の方曰く、冬場になると防弾ベストを着たがる自衛官が数多く、ホッカイロ等を仕込み口を揃えて防寒ベストと呼んだそうです)


矢矧「さぁ、行くわ」


そうして阿賀野達は鎮守府の方面へと歩みを進めた


4章 奪還


{第三日目 1200 残り時間 28時間}


島を含めた自衛官達は鎮守府の中庭に集められた

見渡せば、小銃を構えた憲兵隊や兵士 そして、第6独立実験隊の生存者達がいた

見覚えのある顔ぶれもいたが修羅場を掻い潜ってきた元仲間達は誰一人島と目を合わせなかった

そして、提督服に身を包んだ尾形がやってきた


尾形「これが最後の忠告だ 島! お前の返事を聞こう」


案の定、尾形は島に対して昨日の返事の答えを求めてきた


島「…」


全員が島に視線を集中させた


(※安価を取ります)


答えは?≫≫35

1.断固拒否

2.容認


島「…あんたの作る世界なんて…クソ食らえだ」


島は前日と変わらない態度を見せた


尾形「…それがお前の答えか 斎藤!」


斎藤「はっ」


尾形に呼ばれた斎藤が島の前に行き、鞘に入った89式用多用途銃剣を置いた 訓練で使っていたダミーナイフではなく本物だった


尾形「お前が勝てば全員元の世界に戻してやる」


尾形「須田!」


尾形が須田を呼びつけた

それと同時に迷彩服に身を包んだ須田が現れた


尾形「Αユニットでやっていたナイフファイトだ ルールは覚えているな?」


ルールなんて単純だった

急所である喉、胸に有効打を与えたら勝ちであり、有効打を取るためなら投げたり、蹴りを入れたり、殴打も良かった

だが、あの時は訓練であったため加減を考えるようにと言われていた

しかし、今の状況は実物のナイフであるため

"有効打=死"である

おまけに島が負ければ、ここにいる自衛官全員が蜂の巣にされて終わりである


須田「さっさと手に取れ」


須田は既に銃剣を抜き臨戦態勢だった


島「…」


島は銃剣を手に取るとゆっくりと鞘から引き抜いた


須田「懐かしいな お前とよく組んでいたからな」


須田の言うとおり島はΑユニットにいた時は、須田とバディーを組んでおりこの訓練もよく須田と行った


島「須田…」


須田「本気で殺しに行くぞ」


須田は銃剣を回しながら殺意のこもった視線を向けてきたと同時に銃剣を構えた


島「…」


島もナイフを構えた


尾形「始め!!」


こうして、島にとっては理不尽極まりない戦いが始まった


ー佐世保鎮守府近郊ー


佐世保鎮守府の近くまで阿賀野達は来ていた しかし


能代「見張りが増えてきたわね」


鎮守府に近づくにつれ、見張りが増えてきたのである

不幸中の幸い、第6独立実験隊にも救出部隊と同じセンサーがあったが鎮守府の外までには設置しておらず、ここまで接近できた


阿賀野「そろそろ隠れるところが…」


今までは茂みや木等を利用してうまくやり過ごすことができたが、道が拓けてきてそれも限界が来ていた


矢矧「どうやって切り抜ける?」


阿賀野「じゃあ、よく映画でやってる敵に変装して…」


能代「阿賀野姉… 私達にできると思うの?」


変装して潜り込むのはよくあるが、彼女達は男性にはない体つきをしており、それを隠しきるなど不可能だった


阿賀野「それもそうね… できるのは酒匂…」


酒匂「…」ブスー


酒匂の名前が出た時、酒匂が膨れっ面を浮かべ言うのをやめた


矢矧「でも、本当にどうしましょう…」


四人は隠れたまま頭を抱えた


(※安価を取ります)


どうやって切り抜ける?≫≫37

(変装、誰か来るは無しにします)


酒匂「…ねぇ、あれ何?」


酒匂がなにかに気づき指を指した


能代「何かしら?」


物を見てみると、これから回収されるであろうドラム缶や食糧品などが詰められているダンボールだった


阿賀野「鎮守府に行く荷物…だよね?」


能代「そうね…」


矢矧「…」


酒匂「矢矧ちゃん?」


矢矧はドラム缶をまじまじと見ていた


能代「矢矧何やってるの?」


流石に阿賀野達も怪訝そうに見てきた


矢矧「ねぇ これ使えないかしら?」


阿賀野「どうやって?」


矢矧「このドラム缶…体を上手く縮こませれば私達入れるんじゃない?」


能代「…え?」


阿賀野「…嘘でしょ?」


酒匂「ぴゃあ…」


唐突すぎる提案に三人は唖然とした


阿賀野「ねぇ矢矧…冗談でしょ?」


能代「正気なの?」


矢矧「勿論よ このドラム缶一見役に立ちそうにないけど、うまく考えて工夫すれば絶対に役に立つわ」


酒匂「でも…」


矢矧「目的の達成するためなら、固定観念も捨てる あの人もそう言ってたでしょ?」


矢矧は島から教わった事と同じ事を言った


能代「…わかったわ 矢矧を信じるわ」


阿賀野「気が引けるけど…わかった」


阿賀野達はなんとか賛成したが


酒匂「でも、矢矧ちゃん ドラム缶3つしかないよ?」


ドラム缶ほ3つしかなく一人は違うものにすることになった


阿賀野「酒匂はこれでいいんじゃない?」


阿賀野が持ったのはダンボールだった


能代「あ、阿賀野姉 これは流石に…」


阿賀野「こうやって被せれば…ハイ完璧!」


酒匂はうまい具合にダンボールの中に収まった


能代「流石に…」


そう言った時、トラックの音が聞こえてきた


矢矧「隠れて!」


矢矧達はドラム缶の中に隠れた

しばらくすると、トラックがドラム缶の近くに停止した


兵士「めんどくせぇな…」


兵士達が降りてくると、阿賀野達が入ったドラム缶を含めた荷物をトラックの荷台に載せていった


ガン! ガン! ガン!


ドラム缶を強めに置くため中にいる三人はたまったもんじゃなかった


阿賀野(お尻痛い…)グスッ


能代(丁寧に扱ってよ…)


矢矧(覚えてなさい)


余談だが、ダンボールに入っていた酒匂だけは普通に置かれて被害は無かった


運び終わると、トラックが動き出した


矢矧「…」


ドラム缶の中から耳を澄ませると兵士達が何かを話していた


(※安価を取ります)


話の内容は?≫≫39

(情報でも世間話でもいいですが、内容まで書いてくれたら嬉しいです)


兵士「最近暇になってきたな」


兵士2「そりゃそうだろ 陸楼衆が佐世保に現れてから反政府組織を屈服させていったんだからな」


兵士「前までいた深海教も教祖がいなくなってから弱体化していって、三ヶ月前に陸楼衆に滅ぼされたからな」


兵士達は世間話をして移動時間を過ごしていた


兵士「そういえば、この荷物はどこに運ぶんだっけ?」


兵士3「食糧庫だ もう忘れたのかよ…」


兵士4「でも、あそこネズミ被害がやばいらしいぜ」


兵士2「だから、ダクトの一部を開放してるらしいぞ 意味あるか知らねぇけど」


兵士「あ、そういえば俺今日見回りじゃん パスワード何だっけ?」


兵士2「お前さぁ、いい加減覚えろよ」


兵士「日替わりで変わるから覚えづらいんだよ」


兵士2「全く…今日のパスワードは"アイリス"だ」


兵士「あぁ、ありがとうな」


矢矧「…」


矢矧はドラム缶の中で兵士達の会話を聞いていたが、それと同時にメモも取っていた

僅かな光と暗さに慣れた目でメモを書くのは難しかった

だが、これも島の教えの一つだった 戦場では、メモ帳は必須アイテムの一つだった

目的の確認の他に、現地人とのコミュニケーションのためにも使われている

矢矧も島に教わってからメモ帳を持ち歩くようになり、出撃や遠征で気付いたことや海域の情報なども細かくまとめていた

ちなみに、ボールペンは自身で用意したがメモ帳は島が置いていったプレートキャリアの中にあった物を使用していた


幹部「よし 荷物を下ろせ」


トラックが止まったと思ったら、兵士達がドラム缶などを次々と降ろしていった


阿賀野「あー、腰とお尻が痛い…」


兵士達が出ていったあと、阿賀野達はドラム缶から出始めた


能代「本当に中には入れちゃったけど…」


酒匂「これからどうするの?」


潜入することはできたが、肝心の島達がどこにいるかわからなかった


矢矧「…」


酒匂「矢矧ちゃん?」


矢矧「…あった」


矢矧がダクトの入り口を見つけた 大きさからして人手不足か入れるくらいの大型ダクトだった


阿賀野「ダクトの入り口がどうしたの?」


矢矧「ネズミ被害を抑えるためにダクトの一部を開放してるらしいの これを辿れば見つからずに移動できるわ」


能代「うーん いい考えだけど…」


酒匂「どこにつながってるかわからないんだよ?」


阿賀野達は少し躊躇していた


矢矧「でも、このままじゃ何も変わらないわ」


この間にも島達は何処かで助けを待ってるかもしれない そう考えた


能代「…わかったわ とりあえず、どこに通じてるか確かめましょう」


阿賀野達も腹を括り動くことにした


矢矧「先に行くわ」


矢矧が先頭に出て、進んでいった


阿賀野「なんか臭いし…狭いし…」


ヒュー


阿賀野「ひゃあぁ!?」


能代「阿賀野姉! 静かにして!」


阿賀野「だって…」


酒匂「ねぇ、早く進んでよ」


人一人が通れるダクトの中は暗く狭いため少しの事でも不安がよぎってきた


矢矧「ここ…開くわね」


先頭にいた矢矧が鉄格子を開けた


矢矧「出れるわ」


矢矧は辺りを警戒してゆっくりとダクトから出た


阿賀野「ここどこ?」


阿賀野達は辺りを見た


(※安価を取ります)


着いた場所は?≫≫41

1.車輌基地

2.武器庫


そこは、島達が乗ってきた自衛隊車輌を始め、第6独立実験隊の車輌やここに駐屯している陸戦隊の車輌等があった

第6独立実験隊の主力である戦車隊はいないものの、MINIMI軽機関銃を装備した73式小型トラックや高機動車があった


能代「乗り物の…置き場みたいね」


能代がそう呟いた直後、誰かが入ってくるのが聞こえた


矢矧「隠れて!」


矢矧達は車輌の影に隠れた


兵士「異常無しだな」


兵士2「そうだな」


見回り兵士が見に来たが、大雑把に見た程度だった


兵士「そういえば聞いたか? 中庭で新たに来た陸楼衆の一人が須田三尉と殺りやってるらしいぜ」


兵士2「あー、聞いた聞いた どうやら、須田三尉の元仲間だったらしいな」


兵士「そうそう 名前は確か…」


兵士2「島って言ってたぞ」


矢矧「っ!!」


島の名前が出た瞬間矢矧が反応した


兵士「尾形一佐が創設した部隊の初期メンバーの一人だったらしいぞ」


兵士2「マジかよ 陸楼衆の世界にはあんな連中ウジャウジャいるのかよ」


兵士「お前はどっちが勝つと思う?」


兵士2「そりゃ、須田三尉だよ お前は?」


兵士「俺もそうだ だけど、どっちが勝とうが新しく来た陸楼衆は無事ではすまないだろうな」


兵士2「そりゃそうだな」


二人はそう話しながら、車輌基地から出ていった


酒匂「ねぇどうしよう 司令殺されちゃう…」


能代「勝負に勝ったとしても還す気ないなんて…」


阿賀野「助けに行かなきゃだけど…」


助けに行かなければいけないのはわかっていた

しかし、ここから島達がいる中庭まで少し離れていた 隠れながら慎重に動いていたら、間に合わないだろう


矢矧「大丈夫 間に合うわ」


能代「矢矧? でもどうやって?」


矢矧は車輌を見渡した

この中から強そうな車輌を見つけるのにそんなにかからなかった


ー中庭ー


鎮守府の中庭では、かつてのバディ同士の対決が繰り広げられていた


須田「ふん!」


島「くっ」


須田の攻撃を島は紙一重で避けていたが、それもそろそろ限界だった

所々、傷が浅い切り傷が出来ていたが、痛みで集中力が減ってきた


須田「島どうした? 動きが鈍いぞ」


島「運動不足でね 少しは加減してくれねぇか?」


須田「ほざけ!」


須田は加減どころか容赦なくかかってきた

しかし、大振りでナイフを振り回すのではなくまるで蛇のように地面を這うように突っ込んできた

ナイフ戦において大振りはNG行為であることは二人は勿論、この場にいる自衛官達は肝に銘じていた


島「はぁ…はぁ…」


須田「…」


島は息切れを始めていたのに対し須田はそんなに息が上がっていなかった

PMCを辞めて事務職ばかりの人間に対し、幾多の修羅場を掻い潜ってきた人間との差は歴然だった


須田「なぁ、島」


島「あぁ?」


須田「お前はあの国をなんで守りたいんだ?」


島「何だその質問?」


須田「おかしくないか? 俺達は専守防衛の要として日々訓練に励んできた

だが、肝心の国や国民はどうだ? 国としての有り様を忘れ、語るべき未来も語れなない国を守って何の意味がある?」


島「…」


須田「俺達は自分の身すら守ることを忘れた現代の人間達の為に殉ずるつもりはない!

それでも、お前は元の世界に戻りたいか?」


尾形「…」


尾形を始め、第6独立実験隊のメンバーは何も言わず二人を見ていた


島「…」


島は考えてしまった

言われてみれば、元の世界は理不尽なことばかりだ

親がいないというだけで虐げられる子供達 それを見ている傍観者

国がどうなろうが全く無関心な国民 無意味な事で対立する政府

自分はどの立場なのか考えてしまった


須田「ほら、そういうところだ!」


島はすぐに我に返ったが、須田は目の前まで来ていた


カキン!


島「しまった!」


須田を攻撃を防御した拍子にナイフを離してしまった


尾形「終わったな…」


無防備になった島の足を蹴り転ばせ、須田は馬乗りになった


須田「終わりだ島」


須田はそう言うと、ナイフを振り下ろした


小栗「やめろー!!」


小栗を始めとした自衛官達の絶叫の直後だった


ドーン!!


突然爆音が鳴り響いた


須田「何だ!?」


須田は振り下ろしたナイフを止めた


尾形を始めとした第6独立実験隊のメンバーや陸戦隊、憲兵隊も動揺していたため想定外の事がわかる


ー数分前ー


矢矧「あった!」


矢矧は探していた車輌を見つけた


(※安価を取ります)


見つけた車輌は?≫≫47

1.87式偵察警戒車

2.96式装輪装甲車

3.82式指揮通信車


矢矧の目の前にある車輌は、M2重機関銃を装備した自衛隊の指揮車輌である"82式指揮通信車"である


能代「これがどうしたの?」


能代が問いかけてきたが、矢矧は躊躇なく車輌を登り始めた


阿賀野「矢矧何やってるの?」


矢矧「ここから出るのよ…これに乗って」


矢矧は82式指揮通信車を使って鎮守府から出る考えだった


阿賀野「えー…」


酒匂「矢矧ちゃん これ動かせるの?」


矢矧「…わからないわ」


能代「それじゃあ…」


矢矧「でも…彼が運転している姿…近くで見てた」


82式指揮通信車と島が操縦した87式偵察警戒車は車体の形が似ていた

それもその筈、87式偵察警戒車の車体は82式指揮通信車をベースにしており、操作の仕方も同じMT(マニュアル)だった


能代「ここから入るの?」


阿賀野達もこのままだと目立つため、車内に避難した

車内は島達から押収した小銃等の武器が積められていた


阿賀野「中ってこうなってるんだね…」


酒匂「ちょっと狭い…」


阿賀野達も自衛隊車輌を初めて見たわけではないが、車内までは見たことがなかった

むしろ、尾形の命令で陸楼衆が馴れ合う事を禁止していたため近づく事も出来なかった

過去に駆逐艦娘達が興味本位で車輌に近づいたところ、陸楼衆に追い返され話を聞いた提督と口論になったらしい


矢矧「えぇっと…どうやって動かすんだっけ?」


いざ、操縦席に座った矢矧だったが様々な機器に囲まれておりどれから動かせばいいかわからなかった


矢矧「これを回すんだっけ?」


矢矧が手にかけたのはカギだった

普通なら、抜き取ってどこかに保管するのだが何故か挿しっぱなしという杜撰な管理だった

だが、矢矧にとっては好都合だった

(元自衛官の方曰く、自衛隊車輌の鍵管理は厳しく もし、鍵を挿しっぱなしかバレた場合、懲戒の対象になるそうです)


グーン グーン


しかし、何回回してもエンジンが掛からなかった


矢矧「お願い 動いて…動いて」


矢矧は祈る思いで鍵を回した

だが、矢矧の思いとは裏腹にエンジンは唸り声を上げなかった


酒匂「や、矢矧ちゃん…」


酒匂が指を指す方向を見ると、さっき出ていった見張りが戻ってきたのである


阿賀野「ちょっと矢矧、早く!」


矢矧「やってるわ!」


ここで見つかれば、全てが水の泡になる

矢矧は鍵を回し続けた


(※安価を取ります)


ここで起きるハプニングは?>>>49

(このハプニングが爆発音に繋がります)


ブーン!


矢矧「やった!」


矢矧の願いが通じたのか82式指揮通信車がついに目を覚ました


矢矧「えぇっと…確か」


矢矧は記憶を辿った

島がギアを操作する時、左足が動いているのを思い出し左足にあるペダルを踏んだ


矢矧「これで…」


ギアを入れたと同時に右足にあるペダルを思いっきり踏んだ


ブォーン!!


アクセルをふまれた82式指揮通信車は勢いよく急発進した


阿賀野「きゃあ!?」


能代「きゃっ!?」


酒匂「ぴゃあ!?」


車内では立っていた阿賀野と能代は後ろに倒れ、座っていた矢矧と酒匂にも衝撃がかかり後頭部を打った

矢矧は何故、島が被っていた鉄帽を自分に被せたのかようやくわかった


バババッ!


動き始めた82式指揮通信車に見張りの兵士達が銃撃を加え始めた

しかし、それを諸共せず矢矧が操縦する82式指揮通信車は見張り兵士目掛けて突進してきた


兵士2「マズい、逃げろ!!」


兵士二人はそれぞれ左右に飛び、轢かれずに済んだが


バババッ!


兵士「あっ…」


一人の兵士が指にトリガーを掛けたまま飛んでしまい、銃が暴発したかのように乱射された


カーン!


その内の一発が燃料の入ったドラム缶に命中し


ドーン!!


たちまち爆発を起こし、すぐ隣に置いてあった重量2.6tの高機動車を吹き飛ばし、陸戦隊のバイクをも巻き込み大爆発を起こした


阿賀野「なんか後ろから凄い音したけど!?」


能代「阿賀野姉 喋らないほうがいいわよ!」


車の奪取に成功したが、お世辞にも乗り心地はいいとは言えなかった

島の運転を見様見真似でやっているせいかギアをチェンジしたり、段差などのせいで振動が来て尻や腰が痛くなるし、何かに掴まってないと倒れそうになる

まるで暴風雨の中を航行しているようだった

(元自衛官方曰く、自衛隊車輌で最も乗り心地が悪かったのは3t半だったそうです

荷台の簡易的な椅子は悪路になると腰や尻に非常に悪く、痛みを緩和するためにクッションを持参する隊員が多かったそうです

荷台にいる間は自分達は貨物と言われたそうです)


矢矧「舵が重たい…」


矢矧が必死にハンドル操作をするが、その甲斐虚しく木々やフェンスを次々と破壊していった

まるで猛牛が暴れているようだった


酒匂「矢矧ちゃん! 前、前!」


矢矧が操作に気がいってる時、助手席に座っている酒匂が慌てたように指を指した

それは、島達のいる中庭のそばにある鉄製の柵だった


能代「ぶつかるわよ!?」


阿賀野「矢矧避けて!」


矢矧「…」


矢矧はすぐにどうするか答えが出た


(※安価を取ります)


答えは?≫≫51

1.直進

2.迂回


矢矧「こんなの…前進あるのみよ!」


矢矧はそう言うと、アクセルを思いっきり踏みつけた


阿賀野「ちょっと矢矧、嘘でしょ!?」


能代「何かに掴まって!!」


矢矧以外の三人は掴まれそうなところに掴み衝撃に備えた


矢矧「っ!!」


矢矧もぶつかる寸前に目を瞑った


ー中庭ー


爆発音がした数分後、須田からの拘束を振りほどいた島は何かが近づいてくる音が聞こえその方向を見た


ドォーン!!


そこには鉄柵をぶち破り前進する82式指揮通信車が現れた

自衛官達を囲んでいた兵士達も突然現れた82式指揮通信車に驚き、自衛官達から目を離した


三村「シキツウ?」


小栗「誰が動かしているんだ!?」


言うまでもないが、島達自衛官側の操縦士はここいる

現場は騒然となった


バババッ!!


前進を防ぐためかジープに搭載されているLMGが82式指揮通信車に向けて発砲した

しかし、5.56mmを跳ね返す程の装甲板に守られた車輌に全く効果を成さなかった


兵士「う、うわぁぁ!」


LMGを撃っていた兵士も迫ってくる装甲車に恐怖を覚え慌てて逃げ出した


ドーン!


13.6tという装甲車に体当りされたジープは跳ね飛ばされ空中で一回転すると上下逆さまに落下し、漏れ出した燃料と弾薬に引火し大爆発を起こした

そして、体当たりをした82式指揮通信車はようやく停止した


カパッ


ハッチを開けた矢矧が顔を出した


島「矢矧…」


矢矧「はっ…」


矢矧はようやく探していた島を見つけ笑みを浮かべた


尾形「…」


だが、喜びもつかの間だった

尾形が拳銃を引き抜き矢矧に向けて発砲したのである


カーン!


放たれた弾丸はハッチに命中し、矢矧には当たらなかった


尾形「…」


矢矧「…」ギッ


矢矧は提督服に見を包んだ尾形を睨み付けると車内に戻った


小栗「武器を取れ! 退却だ!!」


小栗が号令を出すと、見張りに立つ兵士と格闘し武器を奪取するもの、82式指揮通信車の側面ドアから小銃を取り出す者もいた


島「須田!」


島も須田にタックルを食らわせると、倒された須田からナイフを奪取し、首元にたてた


島「…」


須田「ぐっ」


殺せという視線を送る須田を島は無言で見た


シュン!


島は持っていたナイフを銃を向けようとしていた兵士に投げた


兵士「かふっ」


ナイフは首に刺さり、銃を落とした所に島が駆けつけ小銃を奪取した


須田「待て、島!!」


須田は起き上がると太腿にあるホルスターから拳銃を引き抜き島に向けて発砲した

しかし、島には命中せず島は通信車の影に隠れた


小栗「三村! 他の車輌も奪還しろ! 急げ!」


三村「了解!」


三村と数人は阿賀野達が乗る通信車に乗り込んだ

すぐに通信車がバックし始めた おそらく、矢矧に替わり操縦士がハンドル操作をしていた


バン!


隊員の一人が敵兵士と格闘していたが、その兵士が発砲し隊員が犠牲になったのだ


バン!


そして、その兵士を小栗が拳銃で射殺した

いつの間にか実弾が込められていることに小栗が驚いていた


島「小栗三佐 指示を」


小栗「…実弾の使用を許可する! 生き残るんだ!」


隊員達「はい!」


遂に、主目標が第6独立実験隊の救出から殲滅に変わったのである


斎藤「急げ!」


陸楼衆の指示の下、盾を装備した憲兵隊、小銃で武装した陸戦隊が通路から群がってきた


ガチャッ!


実弾を込めた自衛官達の小銃が一斉に火を吹いた


バババッ!


狭い所にいた憲兵隊達はたちまち的になった

だが、憲兵隊達が盾を持って小銃弾を防いだ

(元自衛官の方曰く、相手が狭い場所にいる場合はフルオート射撃による制圧射撃が有効だそうです)


ダダダッ!


盾を構えた憲兵隊に82式指揮通信車に取り付けてあるM2重機関銃が火を吹いた

盾よりも硬い装甲やコンクリートを撃ち抜く程の威力を誇るM2重機関銃により、敵は死体の山を築いた


小栗「急げ!」


矢矧が操縦してぶち抜いた鉄柵から脱出する中、島と小栗が隊の最後尾にいた


バンバンバン!


島は距離が開いたことにより、セミオートに切り替え追手に射撃を加えた


小栗「あんたも尾形も馬鹿だ! 俺達は自衛官だぞ!」


島は小栗の怒号をリロードしながら聞いた


小栗「俺が殿を務める 行け」


島「小栗三佐…」


小栗「行け!」


小栗は自分を犠牲にして責任を取るつもりだろう

彼の目には覚悟が見えた


島「…」


それを見た島は止める気にはならなかった


タタタッ


音がして振り向くと、負傷した数人の自衛官達がいた


小栗「お前達何をやってる?」


隊員「自分達は怪我人です」


隊員2「ついていっても足手まといです」


隊員3「三佐 お付き合いします」


隊員達も覚悟を決めて戻ってきたのだろう


小栗「…すまない」


小栗は絞り出す声で感謝を述べた


小栗「行ってくれ このミッションを成功させてくれ」


島「…」


島は頷くと通信車の後を追った


ー通信車ー


後方からの追手が来ていないためか火力を前に集中できたため包囲を突破しつつあった

自衛官達は倒された敵兵士から弾薬を回収し戦闘を続けた


操縦士「三村曹長 どこに向かいますか?」


三村は頭を悩ませた

車内にいた阿賀野達から、鎮守府内の地図を貰い行き先を考えた

いかなければならない場所は3つあった

1つ目は、車輌基地だ

鹵獲された車輌を奪還し、少しでも戦力を確保しなければならなかった

2つ目は武器庫だ

武器がなければ話にならなかった そろそろ回収し続けた弾薬も切れる所だ

3つ目はヘリポートだ

おそらく、自分達の装備であるUH-60はここに運び出されていると考えた ヘリがあれば今後とも使えるのに間違いはなかった


三村「…よし」


(※安価を取ります)


最初に行く場所は?≫≫54

1.車輌基地

2.武器庫

3.ヘリポート

(行く順番もお願いします)


三村「まずは、武器装備を奪取する! 装備が整い次第、航空隊はヘリを奪還 残りは車輌を奪取だ!」


三村は全員の装備を整えた後、二手に別れてヘリと車輌を奪取することを決め実行に移した


三村「急げ急げ! 積み込むぞ!」


三村達は敵兵の妨害を受けながらも武器庫に辿り着き、小銃を始めとした武器、弾薬を回収し始めた

パスワードを入力しなければならなかったが、矢矧がメモを残していたため難なく解除できた


阿賀野「重い…」


阿賀野達も自分達の艤装の弾薬を補充し、他の艦娘達の弾薬も持てそうな分を持つと自衛官達の荷物運びを手伝った

自分たちに比べて華奢な体をしているのにも関わらず、MINIMI軽機関銃や84mm無反動砲を運んでいる姿に自衛官達は呆気にとられた


酒匂「ねぇ、そういえば司令は?」


酒匂がふと言い出した


矢矧「えっ!?」


矢矧が当たりを見渡したら、確かに島の姿はなかった


三村「彼はどこ行った!?」


隊員「小栗三佐と最後尾にいるのを見ましたけど…」


三村「はぐれたのか!?」


いくら、元自衛官と言ってもこの包囲を一人で突破するのは無理がある


矢矧「…」ダッ


三村「待って!」


矢矧が駆け出そうとした時に、三村は直ぐに腕を掴んだ


矢矧「離して!」


三村「君が行ってどうにかなる問題じゃない! それに、戻るなんて危険すぎる!」


矢矧「そんなの覚悟の上よ!」


能代「矢矧無理よ!」


阿賀野「落ち着こうよ…」


矢矧「…」


姉二人に宥められ、矢矧は静かになった


三村「態勢を立て直したら、迎えに行く 心配しないでくれ」


三村はそう言うと、部下達に指示を出しに行った


矢矧「…」


矢矧は通ってきた道を見た

立ち昇る煙 倒れている兵士 前に見たような光景だった


ウー!!


突然、鎮守府内にサイレンが鳴り響いた


ー島ー


仲間たちとはぐれた島は敵からの執拗な追撃から逃れようとしていた


兵士「いたぞ!!」


発見されては襲撃を受け、反撃のために引き金を引いての繰り返しだった


島「くそっ どこだここ!」


通信車のタイヤ痕を辿って追いつこうとしたが、いつの間にか見失い鎮守府内を彷徨っていた

鎮守府内はわかっていたはずだったが、尾形達が改装等を行ったせいで立地が変わっていたのも迷った要因だった


島「こっちか」


島は敵がいなさそうなところを走り抜けようとした時だった


?「ねぇ、ちょっと助けて!」


どこからか女性の声が聞こえた


島「何だよ…」


島は声のした方を向いた

そこには、鉄ポールに手錠で繋がれて動けなくなっている艦娘がいた


(※安価を取ります)


いた艦娘.助けるorスルー?≫≫56

(未登場艦でお願いします一人or二人 佐世保の艦娘ではありません)


江風「おいこれ外してくれ!」


一人は、鮮やかな長い赤紅の髪に白いカチューシャを着け、犬耳みたいな広がった毛先に加え後ろで二房の三つ編みでまとめていた


大鳳「お願いします!」


もう一人は、もみあげの長い茶髪じみた黒髪ショートボブにヘッドギアのようなものをつけており、見た目はもう一人と比べると大人っぽく感じた


島「…しょうがねぇな」


島は辺りを警戒しつつ、手錠の解除を始めた

時間がかかったが解除に成功した


大鳳「あ、ありがとうございます」


江風「サンキューな」


島「佐世保の艦娘か? 見ない顔だな」


江風「佐世保? いや、江風達は鹿屋の艦娘だ」


島「鹿屋? ここから400kmも離れてるじゃねぇか」


大鳳「佐世保鎮守府と連絡が取れないから、様子を見てくるように提督に言われて訪れました」


江風「それで来てみたらこのザマだよ 何だよ一体」


どうやら、彼女達は佐世保とはほぼ関係のない艦娘だった こんなところに置いていく等出来なかった


江風「ところでよ、あんたは何なんだ? 見たことねぇ服着てるけどよぉ」


島「話したいけど、ここから動いたほうがいい」


ドーン!


島「少なくとも、ここよりマシなところにいたほうがいおだろう」


大鳳「賛成です…」


江風「そうだな…」


島達は移動を始めようとした時だった


ウー!!


突然サイレン音が響いた


島「何だ?」


江風「おい、あれ!」


江風が指を指す方を見ると、空の彼方から何か飛んできていた


大鳳「あれ…艦載機です! こちらに向かってきます!」


艦娘達の視力がいいのか 飛んできたのは、佐世保の艦娘達の艦載機だった


ヒューン!!


その艦載機群に向けて、短SAMが発射されていった


島「行こう! やばいことになってきた」


島は二人を引き連れて脱出を再開した


ー鎮守府敷地内ー


自衛隊が車輌等を奪還に成功し、あちらこちらで銃撃音が響いていた


小栗「…」


そんな中、小栗は満身創痍の体を引きずって歩いていた

島達を逃がすため、部下と共に殿をかって出ていた

だが、部下達は全員戦死し小栗は退避した


小栗「…ハハッ」


壁を背にして座り込んだ小栗は苦笑いを浮かべた

学生時代から必死に努力して防衛大学校に入学した だが、現実は非情だった

どんなに頑張ってもどんなに努力しても天才肌の同期にすぐに追い抜かれてしまった

そんな状況でも、必死にもがき続けた


小栗「…うまくいかないものだな」


同期の中で実戦を経験したのはおそらくいないだろう

ましてや、ここはイラクでもハイチでもない異世界だ

ここに来て、同期の誰も経験をしたことがないことを経験して、ようやく一等賞になれたわけだ


小栗「…」


自分は幹部自衛官として適性があったのだろうか

むしろ、島のようにやや強引なやり方をしたほうが犠牲を減らせたかもしれなかった

そういう点だったら、島の方が幹部自衛官に向いていた


バッ!


小栗「はっ!?」


何かが現れ、咄嗟に拳銃を構えた


兵士「あっ…あっ…」


そこには、陸戦隊の戦闘服に身を包んだ青年の兵士がいた

自分の息子とさして歳が変わらない見た目だった

青年兵士はパニックを起こしたのか、敵前で武器を落としてしまい死を覚悟していた


小栗「…」


小栗は拳銃を自分の頭に向けた


小栗「…一つ…現地の人間を殺傷してはならない…だったな…」


小栗は引き金を引いた

小栗はようやく幹部自衛官としての重責から開放されたのだった

その死に顔はどこか満足そうだった


兵士「…」


青年兵士は装備を剥ぎ取る行為は一切せず、異世界からやってきた軍人に敬意と追悼を込めそっと手を合わせた


ーーーーー


バババッ!


島達3人は敵からの追撃から逃れていた


江風「あいつらどこまで追いかけてくるんだよ!」


島「追いかけているんじゃなくて、包囲し始めてるんだよ」


大鳳「囲まれたら、終わりですよ」


島たちは逃げ道を見つけては、走り続けたが徐々に数の力に押され始めていった


ドカーン!


上空では、87式自走高射機関砲やSAMにより撃墜された艦載機が火の玉となって落ちていった

艦載機も発見した時に比べ、壊滅に近い状態だった


"マリアナの七面鳥撃ち"


資格勉強の息抜き時に見ていた海軍特集雑誌にこの言葉が生まれた海戦について書かれてあった

だが、島の目の前で同じ事が起きていた

25mm機関銃より強力な35mm機関砲の前に次々と撃墜される艦載機

兵士達が持つ91式携帯地対空誘導弾や高機動車やトラックに搭載されている11式短距離地対空誘導弾により、攻撃する前から撃墜される艦載機

一方的すぎる戦いだった


大鳳「こんなのって…」


大鳳と江風もあまりにも凄惨な光景に呆然としていた


島「…行こう」


だが、悪いことばかりではない

誘導弾を構えている兵士は空しか見ていないため、隙を見て通ることが出来た


島(このまま…)


行けると思ったが、現実は甘くない


ダダダッ!!


高所に設置してあるM2重機関銃が三人に向けて発砲し始めた


大鳳「きゃあっ!?」


江風「うおっ!?」


小銃の銃声を遥かに上回る銃撃音が響いた


島「走れ!!」


島は二人を先に行かせるとM2の銃座に向けて射撃を行った


バン!バン!バン!


島の放った銃弾は機銃員には、命中しなかったが射撃は停止した

その隙に島も二人の元に走って合流した


江風「おい、まずいぞ」


目の前には、一個小隊程の部隊が集結していた

前衛には、盾を持った憲兵隊がおりジワジワと距離を詰めようとしていた


島「マズい…弾がない」


大鳳「えっ!?」


江風「こんな時にかよ!」


節約するためにセミオートで射撃し続けたが、それでも弾切れを起こしてしまった


尾形「…」


島達の目の前に防弾ベストを装備した尾形を始めとした陸楼衆もやって来た


島「っ…」


島は二人の艦娘の盾になるために二人の前に出た


バババッ!


突如、尾形達の上から銃弾が降り注いだ


尾形「くっそ…」


島達が視線を向けると、部隊所属のUH-60が飛んできた

奪還に成功し、厳重な対空網を掻い潜り危険を承知で島達を助けに来たのである

機上隊員はMINIMI軽機関銃で、M2重機関銃についていた機銃員を制圧し、高度を少し落とすと縄梯子を落とした


隊員「急げ!」


梯子を下ろした隊員が島達を呼んでいた


斎藤「対空班は何をやってる!」


兵士「艦載機が妨害してここまで来れません!」


誘導弾を装備している部隊は艦載機の撃墜に行っているため、ここまで到達できていなかった


バババッ!


別の兵士が薬莢袋をつけた小銃で高所からヘリに発砲していたが、ジャムを起こし銃撃が止んだ

(※元自衛官の方曰く、よく自衛隊の訓練映像に見られる薬莢袋ですが、空薬莢を拾わなくてもいいという利点がありますが、弾詰まりを起こした時、薬莢袋を外して詰まりを解消させ再び装着しなければならなかったため、非常に面倒くさかったそうです)


島「行くぞ!」


島達は梯子まで走り、梯子にしがみついた


島「しっかり掴まってろ!」


島達が梯子を掴んだのを確認するとヘリが上昇し始めた

そして、攻撃合いながらもヘリは戦線を離脱した

それと同時に艦載機も撤退していった


斎藤「隊長! 追撃隊を編成しますか?」


尾形「…」


斎藤「隊長?」


尾形「いや、いい 鎮守府の修繕に回せ」


尾形「主力部隊をこの鎮守府に集めろ あいつらにはもう最後の手段しか残っていない」


斎藤「了解!」


尾形はそう言うと、戦場となった鎮守府を見た


尾形「須田 島は戻ってくると思うか?」


須田「必ず」


尾形「…そうだな」


尾形は微笑を浮かべた


5章 Αユニット


鎮守府から撤退してきた島達は自衛官達だけの集まりができていた

鎮守府から脱出出来たのは、島達を含めて16人と82式指揮通信車、87式偵察警戒車、96式装輪装甲車、軽装甲機動車、UH-60だけだった

艦娘達のいたところまで帰還し、阿賀野達に御礼をした


三村「時の揺り戻しまであと21時間だ」


三村「ここにはもう…俺より階級の上の者はいない」


指揮官である小栗が戦死した今、部隊を束ねられるのは陸曹長の三村しかいなかった

三村より上の階級の人間はいる

三浦二等陸尉と航空隊の加藤一等陸尉である

しかし、三浦二尉は陸自研究本部の人間のため部隊の指揮は難しかった

加藤一尉は、経験はあるものの航空隊の指揮官兼UH-60の機長のため陸上の事を指示することができなかった


三村「部隊指揮権を委ねられた者として正直言う 現存する戦力は当初の半分以下だ

この数では…任務の遂行は不可能だ」


三村「現代に戻って戦力を立て直すべきだが…

その前に俺達の世界は消滅してしまうだろう」


疲れ果てた隊員達はその視線を三村に向けていた


三村「我々には、3つの選択肢がある

・この世界で身を潜めて生き延びるか

・元の世界に戻り残された時間を家族と過ごすか

あるいは…」


島「もう一度鎮守府に仕掛ける」


三村が話す前に島が答えた


島「俺は行く あそこは艦娘達が帰る場所だ

その帰る場所を奪っちまったのは俺達の世界の人間だ

俺達は償いをしなくちゃいけない 俺は一人でも行く」


島は覚悟を決めていた

あの鎮守府の復興に尽力した人間からして艦娘達を苦しめた尾形達に一矢報いるつもりだった


三村「…例え一%の確率であっても俺は任務を遂行したい

誰か付いてくる者はいるか?」


三村は自衛官たちに問いただした


ー数分後ー


三浦「三村陸曹長 全員参加します」


三村「本当ですか?」


三浦「彼らだってレンジャーです 最後まで諦めません」


三浦の後ろにいる自衛官達も覚悟を決めていた


三村「わかった 各自持ち場に戻り装備の点検を! 作戦は追って知らせる 行くぞ!」


隊員達「はい!」


自衛官達は車輌や銃の点検のために各個に散った


三浦「皆…守りたいものがあるんですよ」


三村「そうですね…」


島「…」


だが問題は山積みだった


三浦「しかし、どうしますか? あそこを攻めるなんて相当難しいです」


三村「確かに…今の戦力じゃ勝ち目はないですね」


島「なんとかしないと取り返しがつかなくなる」


三人は頭を悩ませた

たった十六人で何ができる?

こっちはもう燃料も弾薬も少なく、まともに戦う力などなかった

対して尾形達は警戒をさらに強め、援軍を揃えて難攻不落の城と化した佐世保鎮守府を更に防備を固くし、軽く見積もっても戦力は一個大隊に及ぶはずだ


隊員「ちょっと君達…」


頭を悩ませている三人の耳に隊員の声が響いた

声がした方を見ると艦娘達が勢ぞろいしていた


島「皆何やっているんだ ここから離れろって言っただろう」


島は矢矧達にここから離れるように伝えていた


矢矧「何も説明して貰わないで離れろっていうのはおかしいんじゃないの?」


矢矧の発言は反論できなかった


時雨「何が起きてるの?」


瑞鶴「何も聞かないでここから離れろっていうのはどういうこと?」


翔鶴「ここは私達が着任してからずっと護り続けた場所です そこを何も聞かずに離れろなんて納得できません」


叢雲「私達が納得する説明をしなさい」


霞「じゃないと、ここから離れるつもりはないわ」


神通「説明してくださらないなら、無理矢理にでも話してもらいます」


艦娘達も一歩も引く気はなさそうだった


(※安価を取ります)


どうする?≫≫59

1.話す

2.話さない


島「…」


島は三浦と三村の方を見た

二人共頷いていた もう隠しようがないと諦めてしまったようだ

それに、彼女達は隠し事が大嫌いだった そのせいで自分達が死にかけたからである


島「…場所を変えよう」


そう言うと、島は昨日艦娘達と会った場所に向かった


島「…」


艦娘達「…」


腰を下ろした島と艦娘達は向かい合ったまま無言だった


島「さて…どこから話せばいいかな?」


島はそう呟いた


日向「じゃあ、聞かせてくれ 貴様と陸楼衆…どういう関係なんだ?」


木曾「やり取りとか見てたが、無関係だとは思えないぞ」


艦娘達の中には頷く者もいた


島「…陸楼衆に所属している大半は俺の元仲間だ」


赤城「仲間…だったんですか?」


加賀「ということは正体も知っているのね?」


島「あぁ あいつらは陸自に存在した影の特殊部隊"Αユニット"だ」


天龍「Αユニット? 何だそれ?」


島「簡単に言うと、存在を認められなかった部隊だ」


雷「でもおかしくない? 所属していたんだよね?」


響「認められなかったというのはどういうことなんだい?」


島「自衛隊のルールを軽く逸脱していたからだ」


朧「逸脱?」


初霜「というと?」


島「自衛隊はあくまで自衛の軍隊だ だから、戦争を仕掛けるということはしない つまり、先制攻撃をやらないということだ」


島「だが、Αユニットはその概念を捨てたんだ つまり、場合によっては先制攻撃をやさない戦闘や諜報に特化した特殊部隊だ」


島は自身が所属したΑユニットを要約しながら伝えた


大淀「だから、他の勢力が敵わなかったんですね」


島「生半可な勢力じゃ返り討ちにされるだけだからな」


艦娘達の中には、疑問が浮かんでいるものもいたが本題はここからだった


矢矧「ねぇ…鎮守府に何があるの?」


矢矧は唐突に聞いてきた


島「簡単に言えば爆弾だ」


能代「爆弾…ですか?」


島「ただの爆弾なら俺達はこんなに慌てない とんでもないものだからだ」


朝潮「とんでもない…物?」


島「…米軍が開発した新型爆弾 通称バロム」


島「早い話…核兵器だ」


それを出したところ数人の艦娘が表情を曇らせた 過去の記憶があるからだろう


島「威力は広島、長崎に落ちた原爆の200〜300倍の威力がある 街一つ消し飛ばす威力だ」


山城「なんでそんなものがこんなところにあるのよ」


島「米国本土で輸送中に強奪されたらしい」


伊勢「聞きたくないんだけど、それ使ってどうするつもりなの?」


島「バロムを搭載した対艦誘導弾を阿蘇山と富士山に撃ち込んで噴火を誘発させる そうなれば、地表は放射能に汚染され火山灰の影響で国の機能が停止する」


扶桑「そうなれば私達も…」


島「艦娘だって無事じゃすまないだろうな」


島「それに、もしそれが実現したら俺達の世界の日本も消えてなくなっちまう」


阿賀野「どういうこと?」


島「…昨日話したよな? 俺はあと、20時間以内にこの世界に到着した場所に戻らないといけないって」


飛龍「2つ世界がつながっているってこと?」


島「そうだ この世界の日本が消えちまえば、俺達の世界の日本も消えちまうんだ」


蒼龍「そんな…」


あまりにも唐突な話に唖然とした


島「もうわかるだろ? もう皆が手に負える状況じゃない 一刻も早くここから離れろ」


島「これ以上…俺達の世界の人間同士の戦いに巻き込まれる必要はない」


そうして、島は再度艦娘達に離れるように促した


(※安価を取ります)


返答は?>>>61

1.承認

2.拒否


矢矧「…わかった」


矢矧の返事に島はわかってくれたと安堵した

…筈だった


矢矧「私達はここから離れないわ」


島「………はっ!?」


大和「私も…いえ、ここにいる全員同じ事を考えています」


そう言われ艦娘達を改めて見ると、全員同じ目つきをしていた

島は再度同じ様に説得したが、徒労に終わった というより


矢矧「酒匂がどんな最後を迎えたかわかるわよね? 二度も同じ悲劇を繰り返すつもりなの? そんなの私が絶対に許さない!」


これを言っている矢矧は島の説得など聞く耳を持たずだった

遂に島が折れた


ーーーーー


島「…ということで説得に失敗しました」


三村「…そうですか」


三浦「…」


艦娘達が味方してくれるのは嬉しいが問題は解決していなかった

どうやってあの鎮守府を攻略するかで頭を悩ませていた


江風「なぁ、大鳳さん 江風達帰れるかなぁ」


大鳳「えぇ… この事を早く提督にお知らせしないと…」


不意に鎮守府で助けた二人の会話が耳に入ってきた


島(鹿屋…鹿屋?)


島はなにかに引っ掛かり二人のもとに行った


島「なぁ、二人は鹿屋から来たんだよな?」


江風「はぁ? もう何回も言っただろう 鹿屋から来たってよ」


島「じゃあ、鹿屋の司令官はこの佐世保の現状はまだ知らないよな?」


大鳳「え? えぇ、知らないです」


島「鹿屋の司令官が知らないなら、他の鎮守府の司令官達も…」


大鳳「はい、他の鎮守府の提督や大本営も知らないと思います」


江風「元々、江風さん達の提督が大本営からの命令を受けてやってきたんだからな」


これを聞いて島の中で一つのピースが当てはまった


島「ありがとう 二人は俺達が責任を持って鹿屋に送り届ける もう少し待っててくれ」


大鳳「え…えぇ」


島は二人に背を向けると艦娘達の方へ向かった


(※安価を取ります)


話を聞く艦娘は?≫≫64


島「なぁ、聞いてもいいか?」


榛名「はい、なんですか?」


島は近くにいた榛名に話しかけた

榛名は島が前回この世界に来た際、島と共に教祖と対決していた


島「前も同じ事聞いた気がするが、皆は陸上でも戦えるんだよな?」


榛名「えぇ でも、前に見せたようにほとんど動けなくなりますけど…」


島「でも、砲撃とかはできるよな?」


榛名「出来ますけど、海と違いますから距離が離れてると…」


話を聞いて島はついに思いついた


島「…そうか」


島「もしかしたら俺達勝てるかもしれない」


三浦「どういうことです?」


島「この世界の切り札は俺達が持ってる」


島「尾形さん達が持っている艦娘達のイメージを変えちまえばいいんだ」


そうして島達は佐世保鎮守府攻略方を話し始めた


ー佐世保鎮守府ー


佐世保鎮守府では、施設の復旧作業が進められていた

島達が脱出した際に一部の施設や車輌が壊されていた

優勢だった対空戦でも対空砲火を掻い潜った艦載機が爆弾を投下し、一部のレーダー等が壊され廃棄された


尾形「…」


陸楼衆指導の下施設や設備の復旧が進む中、尾形は執務室から様子を窺っていた


憲兵長「あれだけの人員を導入して脱出を許すなんて…情けない」


尾形の隣りにいる憲兵長は悔しそうに顔を歪ませた

前任の憲兵長が違う鎮守府に異動となり、新しく入ってきたが現在は尾形達陸楼衆に縋っている


尾形「奴らも素人じゃない あまり侮るな」


憲兵長「…」


憲兵長は何も言わずに執務室から去っていった


斎藤「失礼します」


その直後に斎藤がやって来た


尾形「状況は?」


斎藤「一部のレーダーや探知機は修理不可能のため廃棄しました 探査範囲が狭まりました」


尾形達は脱出していった島達を見つけられずにいた


尾形「コブラの整備状況は?」


斎藤「早朝以降は飛ぶことはできます」


尾形「…そうか」


尾形はバロムを眺めた


尾形「誘導弾の整備状況は?」


斎藤「明日の午前中に発射台に設置されます 発射台に設置されましたら、これをセットすれば終わりです」


斎藤は淡々と説明した


斎藤「それと、隊長」


尾形「…なんだ?」


斎藤「憲兵隊と陸戦隊はどうしますか? 脱出には…」


尾形「ほっとけ 奴らに興味などない」


尾形は非情にも憲兵や陸戦隊を切り捨てることを伝えた


斎藤「…了解しました 引き続き復旧を急ぎます」


尾形「…」


斎藤が出ていったあと、尾形は再び外の景色を見た


ーキャンプ地ー


辺りが暗くなった頃、UH-60は飛び立つ準備をしていた

隊員達は暗視装置を装備し、夜間飛行をするつもりだった