海ノ下-紡ぐ物語-
「貴方ニハ生キテモラウゾ…」
そこには涙を流す深海棲艦【空母ヲ級】の姿があった。
「世界を平和にしたい!例えこの身が朽ちようと!」
そこには汗を流す提督の姿があった。
ある日、深海棲艦となった提督は人類ではなし得ない戦争の終結を目指す、その物語。
うーん、戦闘シーン脳内妄想で書いているがいいのかね?
たまにお色気しーんとかグロ描写がありますが基本普通に書いてます。
「美しい…可愛いよ…ヲ級…」
「ソ、ソンナコト…」
ベッドの白のシーツに沈む灰色と黒色の体は、何故か見るものを離さない。
いや、衣服と戦闘装備(頭の部分を含める)を脱いだおかげに見える女性の部分は灰色と紅色の混色と言うべきか。そんなことを思い彼女…深海棲艦の空母ヲ級の体に触れる。
「ン…!」
「…あ!ご、ごめん。驚かせちゃったか?」
「ダ、大丈夫…悪イ気ハシナイカラ…」
ドクン、ドクンと心臓の音が彼女の声を邪魔をする。
浜辺に横たわる彼女を助けて半年。まだまだ周りの艦娘とのなれ合いに壁は生じているものの、私との関係に仕切るものは何もなかった。いつも会話しているおかげか、徐々に人の言葉に慣れてきていて、出会ったころよりかは彼女の声が聞き取りやすくなったと今に感じている。
これが感動を一層に引き立たせる。
「っく!」
「ド、ドウシタノ!?」
ドクン、ドクンと心臓の音が彼女の声を邪魔をする。息をするのを意識しなければ息ができない。
右手に力が入らなくなり、体勢を崩してしまう。
ドン、という音とともに景色に靄がかかりながら反転、彼女を見えていた景色から天井へと変わる。
体がベッドから床に落ちたのはそれを認識した直後で、衝撃がそのあとに加わる。
「提督!提督ッ!」
「ヲ…ヲ級!」
「シャ、喋ラナイデ!提督!…提督!」
そう、私は病気か、それとも腹上死の前兆か。体がそう警告させた。
応急処置を知らない彼女はただただ私の名前を呼んだ。とてもいとおしかった。死ぬ前にこんなに愛されて死ぬなんて。
「ご、めん…」
「提督!提督!!」
意識が朦朧としてきた。そうか、息をするのを忘れて…
ハァ、ハァ、息…
「ショウガナィ…貴方ニハ生キテモラウゾ…」
水分。
ん…ヲ級?ないているのか?頬が暖かい。とてもいとおしい。
生キテモラウ…ん?
ドスン!
「くはっ!」
意識は胸…心臓部の痛みに戻される!
. . . . .
急いで胸をみるとそこには彼女が噛みついていた。
「提督、お休みなさい」
彼女の声が妙にはっきりと聞こえた。何故…?いや、こんなことはもう、どうでも、良い…
今はもう、彼女の声が、ただ、ただ。聴けてよかった。
私は…死ぬのか。瞼が…重い。鼓動が…聞こえ…ない………
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熱い、胸が、熱い。
ここは夢か…景色がなく真っ黒の空間に浮いているような感覚。
鼓動はなかった。胸にあるのは炎のような熱さだけ。
熱い、熱い。
胸の熱さは徐々に体に広がっていった。
熱い!熱い!
「うわああああああ!!!ああああ…はぁ、はぁ…」
「起きたか、提督。大丈夫か?」
「ヲ級か…あぁ、なんとか大丈夫だ」
「そうか、それは良かった」
上半身を起き上がらせた体は全裸に薄い布団一枚の恰好だった。
夢のせいか頬を伝うほどに汗をかいていた。
右の椅子に座っているのが空母ヲ級。太陽の光を後ろとしているのでわかりずらいがたしかにそうだ。
普段は戦闘用の装備をはずしていて体の色以外は少しあどけなさが残る普通の女子高校生と同じ程度だと思う。腰につくかつかないかという髪はスラリとした体のラインを強調して、昨日の姿が自然と頭に浮かぶ。
「くっ!」
「「同調」を行ったばかりなんだ、しかも人間と我らとの。しばらくは安静にしていたほうが良い」
「同調っていうのは…昨日のことか。詳しく説明してくれないか?」
「だろうね。一言でいうとそれは命を上書き…というべきかな。完全に上書きではなく、対象者の命に私の命を上書き…いや、コピーする」
「そのために噛みついたのか?」
「いや、それの発動は最も命の純度の高く適応性のある体液、つまり血液を対象者に注入すること。これにより同調が始まる。…っていっても、お互いの力がなかったり失敗するとどっちも死ぬのだけれど…成功して良かった」
笑いながらそう言われても素直に喜べないな。
「えぇーとつまり、ヲ級が死んだら俺も死ぬってことだな」
「そういうこと」
胸をみるとそこには青い炎が宿っていた。ということは…過去の深海棲艦と照らし合わせると
「同調の証がこの炎だとすると、一部の深海棲艦は同調を誰かと行っているのか?」
過去のデータにある戦闘能力の高い深海棲艦は何色かの炎を宿していたと記憶にはあった。
「当然。最も、誰と誰が行っているのかは私には把握できているはずはないけど」
「そりゃあそうだ」
「それと、俺が死んでもヲ級は無事なのか?」
「…同調の最中の死であれば問題は…ないよ。同調の解除という意味では完全に無事とは言えないけど、命に関わるようなことでもないかな?」
「それはよかった」
俺の命は俺の命ですむってことか。今回はヲ級に感謝だな…
「とりあえずヲ級、やっぱり俺は深海棲艦となったのか?」
「深海棲艦であり深海棲艦でない…いわば人間と深海棲艦の混種、ハーフってことかね。前例を聞いたことがない…というか本来であれば敵同士だから考えもしないだろうけど」
「なるほどね、だから声がこんな素敵に聞こえるわけだ」
「す、素敵って」
ヲ級が照れる。やはり可愛いな。だから…
「そんで悪いんだけどヲ級。ちょっと肩を貸してくれるか?」
「休んでいたほうが…」
「おれは大丈夫だって、話しはできるんだから…っと」
女の肩をかりる…恰好悪いが仕方がない。
「何をする気?」
「これを隠し通すよりも艦娘に話すんだよ」
「え、それでは艦娘の士気はおろか提督の信頼性にも影響が…」
「んー、たしかに信頼してくれている艦娘には失礼かもしれないがー…まぁ一つの賭けってことよ。よし、それじゃあありがとう。放送するから大人しくしててなー」
館内放送の電源をいれる。
『えーあー、提督だ。至急私について話しておきたいことがあるので艦娘寮の校庭に集合すること』
さーて、どうなるかね…
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「我、先代の意思を継ぐ者なり、故に方法は厭わん!貴様らは何に従う!?富か、名誉か、はたはた憎悪か!我は拒むことはせず!決して怯むことなり、愚かになることなかれ!」
俺のスピーチは騒然という中で行われていた。
-つい少し前----
ケッコンカッコカリは行っていないもののレベルをMAXまで振った艦娘達は私がついたころにはもう全員(80艦くらいだが)そろっていて行、列ともに一糸乱れぬようにならんでいた。
流石は長年育成したこともある。私語は一切聞こえないし砂利をする音さえ聞こえない。
俺がよく校長が話したりする銀の土台に上がると、艦娘達はまるで一つの音のような敬礼をした。つまり音が出るようになんの違和感もなく、なんの乱れもなく。
といっても音のように乱れは後から生じた。皆が手を下すと同時にカメラのシャッター音が聞こえた。…また青葉か。こんなことならレベルMAXになったときにカメラなんて買うんじゃなかった。
まぁ、これもいつも通りだからいいけど。さて、演説というかスピーチを。
「そこまで肩に力入れてなくてもいいよ、艦娘達」
しかしなにも起こらなかった。
「…まぁ、今回ここに呼び出したのは天気が良いからっていうのもあるけど、一つ重要なことを話すために。ちょっと驚くかもしれないけど逃げ出したりしないでねー」
驚くかも…と言ったときに何かがおかしい、と思い反応した艦娘はいたものの、日々繰り返される戦争のなかで育成された「なれ」のせいかリアクションはそんなにもなかった。
「私は、深海棲艦へと平和協定を結ぶために深海に行ってきます!」
「…………ざわざわ」
ふふ、シャッター音と私語が生まれた…。という変な達成感とともに説明が艦娘達の目により求められた。
「艦娘達もご存じの通りここの鎮守府には空母ヲ級ちゃんがいますが…まぁそれが原因というか要因というか。説明しても信じてもらえないと思うから結末だけ。私は深海棲艦と人間のハーフになりました!!!」
「…………」
一瞬の沈黙。
「………カシャカシャカシャ」
カメラ。
「……お、お姉さま!しっかりしてください!!お姉さま、金剛お姉さまぁぁぁ!!」
by比叡
と、比叡の声がスタートの合図となったのか。私語がまるで脳内に入ってくるような音をたてて生まれる。
概要は説明できたしあとは手こずることはないだろう。ここをどう黙らせるか。
しかたない、少し嫌なのだが
俺は先代を頭に思い描きながら声を発する。
「我、先代の意思を継ぐ者なり、故に方法は厭わん!貴様らは何に従う!?富か、名誉か、はたはた憎悪か!我は拒むことはせず!決して怯むことなり、愚かになることなかれ!」
「「「わ、我々は国のために戦い提督の手となり足となることを宣言し、自らの要求として戦いを生み進める艦娘なり!!」」」
先代の意思、それは絶対勝利。手段は選ばずに実行することから私が提督として着任するまえからもう、新聞で記事になっていたほどだ。
さて、と。私語がなくなったので話すか。
「さて、と。まずはこれを見てほしい」
ボタンをはずしてっと。胸の炎みてくれれば証拠にでもなるだろう。
「これは言わなくても分かると思うが深海棲艦がよく携えている?っていうのかな、とりあえず炎なんだけど。おれが死にそうになったときにヲ級が助けてくれた時に生まれたんだ」
艦娘は炎を凝視するもの、俺の裸をみて頬を赤らめているもの、姉を心配してるもの、カメラのシャッターを押すか迷っているものなど様々だ。
「記憶便りだけど全員深海棲姫とは戦ったと思う。そのときに敵が再生していたろ、それと同じような性能がこれだ。誰か証明するか?」
目を背けるもの、目を閉じるもの。断り方はそれぞれだがそうするものはいなかった。
「というわけでまだ実践していないのだが深海にもいけるからだになったとは思う。だから俺が前々から考えていた戦争の終結の形、平和という形でこれを行いたいと思う」
なるほど、といったような顔でこちらを見ている艦娘がいるなかで、反発するためか顔をしかめるような艦娘もいた。
「なので現在まで行っていた作戦は全て中止。以後の作戦はいつも通りの遠征と演習、あと鎮守府の警護くらいになると思うが了承してほしい」
納得をするもの、つまんなくなるな、といいたげなものなど様々だ。
「だが、今から新たな作戦を実行するとしよう。それは俺の護衛だ。流石にこれは自己申告制で作戦に出るか出ないかを決める。拒否するものは解体、ということはないので安心して心のうちを晒すこと。いいね」
納得いかない艦娘はもちろんいるがここは仕方がない。
「最後に質問がある場合は直接私の司令室までくるように。…と忘れてた忘れてた」
決定的な証拠をみせないとダメかな…
「ちょっと見ていて欲しい。俺もこんなことをするのは初めてだけど怖がらないでね」
俺はあらかじめヲ級に小刀を持ってくるように伝えておいた。その時がきた。
ヲ級にそれをもってくるように手で合図をおくる。と、ヲ級が両手でそれをもって歩いてきた。
「ご苦労さん」と言うとヲ級は下を向いてこの場を去っていった。
怖い…凄く怖い。
鞘を外すと日光を反射し切れ味を主張する小刀が現れる。
右手を艦娘達のほうへと向ける。左手で小刀を握る。鉄を持っているせいか緊張と不安のせいか。妙に左手が重い。体が警告しているのか?
失敗したら、死。そんなことを考えていたがこれは作戦の第一歩である。ならば方法は厭わない。
体制をかえて右手の方向はそのままに、体の向きを変える。イメージとしては骨折した人の右手を少し前にだした感じだ。
そして左手を頭の横に添えた。
一応、死んだときに悔いにないように艦娘達を見るか…
音は己の息のせいかはたまた艦娘達が喋っていないせいか聞こえない。彼女らの視線は興味がある・ないに関わらず全て右手に向けられていた。
視界がぼやけた。と同時に右手を見る。今気が付いたが汗をすごくかいていた。さて、いよいよだ。
ふぅー…っと!
重力を携えた小刀は半円を描いたあとに真っ直ぐと右手にむかったことだろう。
音は小刀が足元の鉄にあたった時のみ生じた。
そのくらいか、そのときくらいに異常はおきた。
右手は支える棒を失って落ちていき、刀にあたって台座にあたり、やがて地面へと落下した。
棒と化した腕から血は噴出さなかった。心臓が止まっていて流はないからである。
ただ、右手を失ったときに腕があるはずの重さを求めて上にあがり、遠心力のためか数滴顔に血が付着した。
血は洞窟の出口のような光をもとめたのだろう。腕からはじょうろからでる液のように、手からはコップから溢れる液を一方向から指定したように流れ出る。
瞬間
人は人を襲う。
「うわあああああぁぁぁぁぁあぁああぁあ!!!!があああぁっぁあああぁあ!あああああぁあ!」
いまだかつてない感覚に襲われた。まるでそれは白く、鋭く、残酷な光のような。襲う。
反射的に声がでた。反射的にたおれてしまった。襲う。
体はそれを逃がすために腕を横に振った。血は宙を舞いながら行き場を失い戻ってくる。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い苦しい苦しい消えたい
腕を三往復したくらいか。かつてない痛みは引いて激しい痛みへと変わった。
振っている腕をみると右手がついていたのである。
このくらいの痛みなら、まだ耐えられないことはない。
いや、たぶん痛みは引いている。さっきの感覚が残っているだけだ。
切断面を見ようとしたが血のせいでよく見えなかった。
ならば触るか。少し抵抗はあるが触る。…と、そこにはいつもの腕と手がある。
その後に右腕を包むように左手で輪をつくって何回かピストン運動をして拭う。すると、血を求めて離さない毛は除くが続く線が二本のいつもの腕が現れた。
痛みはなくならないが腕を支えて起き上ってから艦娘達に見せよう。…としたが途中で恐怖と体力の消耗のせいかうまく立ち上がれない。
「ご、ごめん、こここ、こんなかんじ。悪い、けど、すぐ医務室」
といった瞬間に振り回した際に血が付着していた艦娘と急いできてくれる彼女らに感謝しながら運ばれていった。
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目がさめると木の天井を囲む白の布…あぁ、ここは医務室か。そこに俺はいた。
「痛みは生じる…か。なんで痛覚は人間のままなんだよ…」
「深海棲艦でも痛覚はあるよ…?」
独り言に返事がかえってくる。
「そうか…すまないな」
「…?どういうこと」
「いや…なんか人と深海棲艦を差別したような気がして…」
「…大丈夫。私はそんな提督が好きだけど」
「なんだよ急に。…と、体は動かせるな」
俺が起き上がろうとするとヲ級は支えようとして座っていたらしい椅子から立ち上がり手を伸ばした。
俺は「大丈夫だ、ありがとう」と言うとヲ級は心配しながら手を下げた。
「なんかごめんな、ありがとう」
「提督が言うなら仕方ない」
「そうか」
「して何をする?」
「いや、質問ある艦娘は司令室にくるように命じたからね。提督が居なければ意味がないだろ?」
「…決して無理はしては駄目だよ」
「あいあい」
少し気持ち悪いが同調と先の出来事の負担は休んでいたせいか軽い運動できるくらいに回復していた。
深海棲艦の回復力をもっても完全治癒とはいかない。いや、肉体的治癒はできるが情状的治癒は行えない。その事を学んだこともあり今回の集会は失敗とも言えなかった。
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「さてと、次に考えるのは編成で…まぁ、艦娘の意見によって変える必要があるが…さて、どうするか…」
椅子に座りながら考える。予想とは裏腹にここに到着しても艦娘は一人も見なかった。
もしかしておびえて逃げてしまったのか?と考えもしたが俺にすることはもうなかった。
とりあえずは理想的な編成を考えるか…。
今回の作戦では敵本拠地の制圧や敵撃破が目的ではないものの、敵本拠地の近くまではいくので十分な戦力で編成をする必要がある。
「加えて俺がいるし…」
…となるとできるだけ付き合いが長い艦娘との相性が良い。また、いかなる敵に鉢合わせても対応ができるようにはしたい。
つまりはバランスをとれればいいんだろ…と、たしかここに能力を数値化した表があったな。
右の下から二番目の引き出しっと。腕はもう治っていて違和感はなかった。
「なりよりも索敵で戦闘を回避したいな…となるとやはり正規空母か…。搭載数も視野にいれると翔鶴改二と瑞鶴改二が適正かな、ちょっと火力は心配だけど仕方がない。装備は…艦娘がきまってから決めようか。」
また、翔鶴型は能力値がのきなみ高くバランスも良い。また運もあるので自分の中では空母は決定した。
「次に火力・対空・対潜。雷装か。対潜は俺が潜る…とは敵方は考えないからそこまでつまなくてもいいとして…となると戦艦を次に決めるか。」
となると長門型・武蔵型…か。いや、まてよ
「俺が深海に戻った後にスムーズに離脱ができるように速力はあったほうがいいか…な。となると高速戦艦になるな。それらは金剛型だが…誰を選ぶか」
火力は霧島改二次に金剛改二と比叡改二。対空は榛名改二次に金剛改二。バランスのとれている金剛は入れたいところだ。となると霧島か榛名か…。
「どうするかなー…あ、過去の演習の結果をみてみるか」
同じ引出し…っと、これだ
「どれどれー…霧島と金剛で挑んだ結果は…敵を大破させはしたがこちらの被害も大きいな…。大して榛名と金剛のデータは…大破数隻に後は中破…か。今回の作戦を考えると撃破が目的ではなく敵の足止めと対空が最優先になるから榛名と金剛かな」
火力は撃破…そう考えると自然と答えに納得がいった。
「最後は雷装かな。一応対潜も決めておきたいから前者と後者一隻ずつ…となると北上改二とバランスの良いべっぷ(Верный)かな…だけどちょっと心配だな…」
うん…主に大井さんが黙ってない…。どうしよう…ここは玉砕覚悟で二人に話してダメだったらバランスの良い木曾改二かな…。
さてと、とりあえずは仮編成完了か。ちょっと手つかずになっちゃったけど。
次に編成だけど…正直予想ができないっていう未来も想定しなきゃだから艦隊運動もしやすい単縦陣が妥当かな。となると編成は
1.金剛改二 2.北上改二 3.Верный 4.翔鶴改二 5.瑞鶴改二 6.榛名改二
で、後方に敵が目視でいなかった場合に榛名が一番前にくる感じでいいかね。
「…まぁ、声かけてみてそれからだな。来てくれるといいけど…あ、そういえばいつ作戦の詳細を出そうか…質問がある艦娘もいると思うし明日の昼過ぎくらいでいいかな…」
ちなみに作戦は自己申告制といったが声をかけないとはいっていない。
「ふぅーっと。作戦もないから仕事少ないしどうするか…」
伸びをした後に一人考える。
すると
コンコンコン、とドアを誰かが叩く音がした。
「どうぞ」
一言声を上げると「失礼するっす」という声とともに扉は開かれた。その瞬間にだれが入ってくるかはわかったが。
「青葉か…。その、まずはすまんな、あんなことをしてしまって」
「いえ、提督の意思なんで青葉は何も言いませんが、その…」
青葉は普段気になったことを躊躇なくいうのでこのような時は珍しいな。
まぁ、俺が突然深海棲艦になったりあんな集会をしたので気持ちは十分に理解できるが。
「本当に…いいんですか?」
「俺はこの作戦をやめる気はないよ。というか何がだ」
「いえ…もしかしたら…提督が怪我するではないかと…」
「集会で見たろ、俺は大丈夫だ」
青葉は何かを言いたそうな顔をした後に右下を向いて言うのをやめた。きっと気をつかっているのか、それとも俺のすることに文句をつけることになるからか。多分そうだろう。
…といっても、青葉の考えていることは分かってしまう。なんせあの集会だ。俺はその考えを確かめる。
「その…青葉の言いたいことはつまり精神的な怪我ってことだよな」
「はい…すみません…」
「いや、俺もあの時は取り乱してしまったのもあって不安にさせたのは事実だ。仕方がないことなのだが…そうだな…」
「どうしました?」
「艦娘を不安にさせないために取材をしてくれないか?」
「…はい!青葉、取材させていただきますっす!」
青葉が普段の顔に少しもどった気がする。
何故俺がこの申し出をしたか。それは号外で作戦や考えを載せる意味もあるが、普段はカメラを向けてくるはずの青葉が向けてこなかったからだ。
つまり青葉は普段の青葉でなかった。それが嫌で仕方がなかったからだ。
後日、号外がちょうど朝食時に配布されたのはまた別のお話。
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青葉の取材が終わり、彼女は急いで部屋をでていった。
また一人の司令室。もしかしたら別れとなるここを見渡す。
腰あたりまで木でつくられた和式と洋式が混合されたようなつくりだ。その上は肌色の壁紙で部屋が明るいような印象をうける。
窓は後ろ、ちょうど日光がさす位置に一定間隔で並べられていた。大きさはでかくはない。
俺が座る椅子は皮でつくられていて体を包み込む感覚に陥る。
机は仕事に困らないように右上にライトが設置されていて、紙やペンなど必要な道具が並べられている。
机の奥は向い合せに並べられた二、三人が座れそうな皮のソファが二つあり真ん中にガラスの机が用意されている。
それぞれのソファ後方に本棚があり主に作戦の資料が並べられていた。実をいうとエロ本があるが…ここでは説明を省こう。
真正面にはドアが一つ。なんの変哲もない木で造られた、ドアノブが金色のドアだ。昔はあのドアが妙に大きく感じたのを覚えている。
と、そのドアからノックが三回、聞きなれた音がした。
「どうぞ」
と言うと、何の言葉もなく扉は開かれる。そのせいか姿を目撃するまでは誰だと分からなかった。
いや、今となっては一言もなしに入ってくる艦娘はいない、から確証はないが薄々勘づいてはいたが。
「失礼、提督」
「おう、歓迎するよ」
慣れていないのでとりあえず丁重にもてなす感じかな
「まぁ、座れよ」
そういいながら俺は椅子から立ち上がり、俺からみて左側にあるソファに腰掛けるように促す。
「うん、失礼する」
ヲ級が腰かけた後に向かい側のソファに腰掛ける。
「んで、どうしたよ」
「あの、その…出撃についてなのだが」
「うん、どうした」
「その、私も一緒に行っては駄目か?」
「…なるほどな…」
顎に手を当て考える。
もしヲ級が一緒にいたら?
メリットは深海棲艦との会話に断然有利だろう。きっと同調したっていってもトリックかと思われるだけだとは思う。
あとは戦力の確保。敵からは味方の船としか見られないはずだし、交戦状態になったときに奇襲としてヲ級の艦載機は優秀すぎるほどだ。
それに深海に進めるのは現在俺とヲ級のみ、心強い味方だ。
そしてデメリット。
もし、ヲ級が裏切りかなんかで敵から狙われたとしたら?
そう考えると一緒に出撃するわけにはいかなかった。たとえいかなる危険が俺に迫ろうと、ヲ級をどんな細かい危険にも晒してはいけない。
だが、ヲ級にも考えがあるかもしれない。一応それは聞いておこう。
「…一応ヲ級の意見を聞かせてもらえるか?」
「うん…私にはどうしても行かなくてはならない理由がある、私の生き方を示すために」
「…その言い方だとそっちの事情もあるのか…どうしたものか…」
きっとヲ級は俺の考えに少しくらいは気が付いているだろう。特にデメリット。
いや、海に出たときに狙われるのは当然だから考えることもないか…いや、待てよ
ヲ級はどうして倒れていたのか?
当然導き出される答えは艦娘による攻撃…もし、もし仮に俺の艦隊が彼女を攻撃していたら?
今から二つのパターンで整理しながら考えよう、同時に考えると作業量が多くなるし整理がおいつかなる。
まず一つ、ヲ級をここに置いて出撃した時だ。
戦闘時に身に危険が及ぶことは決してないだろう。
しかし、ヲ級一人でここにおいて、仮にヲ級を恨む艦娘がいるとしたら?
その考えに至った理由は、ヲ級がここに来てから俺が遠くにいったことがないから、だ。俺はヲ級の観察者としての仕事もあったからだ。
そう考えてしまうと末恐ろしい。ヲ級が傷つくのはもちろんのこと、同調のからくりについて説明していないので、ヲ級が命を落とす=俺の死とは艦娘はしらない。つまり常時俺の身に危険が及ぶ、という可能性がある。
もう一つのパターン、ヲ級を作戦に入れるか。
戦闘時に身に危険が及ぶのはもちろんだ。
いや…もしかしたらその可能性は限りなく低いのかもしれない。
理由は彼女にとっては味方と敵、どちらも味方だからだ。
あとはさっき言ったからいいや。
また、ヲ級をどこかに潜入というか、岩場の影に隠すことも可能だが…他の鎮守府の艦娘に鉢合わせたらまずいのでダメだ。
と、なると
「分かった、ヲ級には俺が乗る」
「…え?」
「あ、間違えた。俺を持って作戦を実行しよう」
「…というと?」
「俺を抱いて戦場にいくぞ」
「……理由は?」
「もし仮に敵が俺らを見たら人間を実験のために確保した、と思われるはずだ。味方から見ればなんだあいつと思われるかもしれないが、ヲ級を叩こうとする艦娘が仮にいるかもしれない。その時に俺が一緒にいたら打てないだろう?」
「…まぁ、一理ある」
「ということで出撃する場合はそうなるがいいか?」
「も…もちろん///」
ヲ級、照れているのは分かるぞ。だって俺も恥ずかしいもん。
ということで一件落着、ヲ級の希望を叶えながら守ることもできたと思う。
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「ふぁ、疲れた」
集会といい説明といい、身に負担がかかっているのは明らかだった。
やはり、こういう時には風呂に限る。
「風呂入ってくるねー、っと」
気が付いたときには時刻は20:00だった。飯は風呂を食べてからでいいか。
ちなみに風呂は大浴場と司令室のみ配備された風呂がある。後者は完全に独占できるが狭い。それだと体が伸ばせないので今回は大浴場に行くことにした。
「よいしょっと、…あ、張り紙しておこう。ただいま入浴中、と」
紙に文字を書いてテープを取り出す。
ドアをでて目線の高さに設置して、と完了。
「それじゃ、いってきまーす」
独り言を言いながらむかった。
「青葉、みちゃいました!」
悪魔のささやきが発せられたは知らずに。
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「あれ…男湯って右側じゃなかったけ…まぁ、いいか」
右手に女湯、左手に男湯とかいてあった。ちなみに女湯のほうは高速修復剤を少量まぜているので誤って入ってしまうと夜眠れなくなり滋養強壮がやばくなる。
「きっと勘違いだろう…さて、風呂だ風呂」
布を手で押して中にはいった。
「提督は、まだしかけに気づいてないよ」
と、悪魔は女湯と男湯の布を変えていたのである。
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「ふあぁ~~~~やっぱり風呂は~~いいな~~~~」
ふあぁ~~~湯が体に染み渡る~~~みたいにあたたかい。
「今日は一段と皮膚がひりひりするな…深海棲艦になったら温水に敏感になるのか?」
理由はわからない…が人間と同じかんじか?しかし棲む場所が違うから敏感になってる感じか…な。
「今は風呂だ~~そんな細かいこと気にするな~~~風呂なんだ~~~」
歌いたくなってきた…よしここは欲望にまかせて歌おうかな…。
「と~どけ~、と~とげ…お~もい~よと~どけ~~」
某アニメのEDである。
と、歌っているときに
ガラガラガラガラ…と先ほど聞いた音…着替える所のドアか…。
聞きなれているが聞きなれていない音…つまりこの鎮守府には男はいない。
そこで風呂につかっているときにこの音はふつう聞こえないはずだ。
だが、聞きなれている音ということで後ろをみることはなかった。
しかし、突然ありえない声がきこえたので後ろを振り向いた。
「提督…?」
「お…ヲ級か…まぁ入れって…」
足首をゆっくり伸ばしながら美しい曲線美のヒラメ筋、しっかりとした肉付きに魅力がある太もも。
さらに女性器と排泄部分・骨と、大事な部分を痛みをなく守るために柔らかくついた肉付きが男性を惑わす尻。
抱くためにあると言わんばかりに細くなったウエスト。
そのウエストのせいか大きく感じ、男性を獣へとさせる不思議な魅力をもつ胸。いや、実際そこそこはあるか。
それらが湯につかり、透明感のある緑色の湯が彼女を隠そうとするが、薄々見えてしまい男性の欲をさらに促してしまう。
肩までつかり彼女、ヲ級は「ふぅ~…」と今日の疲れを吐き出すように、ゆっくりと息を吐き出した。
と、視線に気が付いたのかこちらを見る。湯のせいか薄ら頬の色が変わっている気がする。
「ちょ、ちょっとまてヲ級。ななな、なんでここにいるんだ!?」
「…それはこっちのセリフなんだが…」
「いや、だってここ男湯…」
「え?ここ女湯って布には…」
「「…」」
静寂。
しかし、それは長くは続かない…やばいやばいやばいやばい
だって艦娘の声が聞こえてるんだもん!?やばいって!提督がこんなところにいたら名誉が!!
「ちょ、ちょヲ級!!助けて!!まじて頼むから!なんでもするから!?」
「ん、いまなんでもするって?」
「俺ができることならするから!たのむからこっち、いわばの方に来てくれる!?」
「ん…いいだろう」
ヲ級のセリフを確認した瞬間に、手を広げ回したようにできた円の浴槽の外壁の…あそこ!円を突る岩が設置されている場所へと泳ぐ。
「ふふ…提督面白いな…」
「笑うなって!覗くんだったらもっと安全なやり方を選ぶよ!!」
「たしかに…というと提督は嘘をついてないんだね…」
「嘘も何も俺が入る時には男湯だったよ!!いやまて…男湯「だった」…」
「あ…まぁ…そういうこと…」
誰だ。男湯と女湯の布を入れ替えた奴は…ってそんな場合じゃない!
「ヲ級!俺の前に座ってくれ!」
「は…はずかs」
「なんでもするから!早く!」
「しょうがないな…」
うぉううぉううぉううぉう!近い!肉肉しい!エロい!!特にうなじがエロい!なんだろう、背中中心が少しへこんでいるのもエロい!
あぁ、ヲ級ってこんな香りなんだ…まるで故郷のように…嗅いでいて落ち着く…
「提督、流石にどくよ?」
「す、すみません!しませんのでどかないでください!!」
「いや…少しはしていていい…かな」
「…おぉふ…では遠慮なく!」
「っと、来たね…」 (お色気しーんいらないようなので少し急ぎます)
ヲ級が背中を俺の体に押し付けてくる。興奮しているのはお察しのことであろう。
艦娘はどんどん増えていって、ヲ級の影から前をみるとざっと見10人程いた。やばい。
と、艦娘が以外な形でヲ級に話しかけてきた。
「HEY,ヲ級。一体提督に何したネ?」
「何が…とは?」
「今になって隠すんデスカ?夜の営みしたんデスネ?」
「ぶふっ」
あ、やばい、ちょっと吹いた。
「ン?なんだが今提督の声g」
「き、気のせいだ」
「…?ソ、そうデスカ…」
ナイスヲ級。
「それで、提督ぅとはどうなのデスカ?」
「うん…正直、ベッドまではいったのだが…」
「Bed in!!?Oh,sit!」
「いや…その。する前に提督が調子を崩してしまってね…」
「…そうなのデスカ…提督は大丈夫だったデスカ?」
「…結果的には、大丈夫だったな」
「…?なら良かったデス…まだmeにもチャンスはあるネ!」
と言いながら金剛は去っていった。俺は小声でヲ級に話しかける。
「意外と話しかけてくれるのか?艦娘達は」
「一部、だけど」
「そうか…」
金剛が離れたあと、艦娘がまた増えた。ざっと2倍というところだろう。
話していることが聞こえるくらいの距離にまで近づいていた。このままでは気が付かれてしまうのも時間の問題だった。
「提督、実験だ」
「実験って…むご!むぐぐぐ」
ヲ級の声が聞こえてないようを聴こうとした瞬間に、ヲ級が俺の頭の上に乗っかってきた。
体を小さくして支えるものがなかった俺は自然的に風呂の湯の中におぼれる。
「むぐ、むぐぐぐ!」
10秒ほどヲ級に踏まれることも悪くないと思ったが、ヲ級がどくことをしないので、どくように水のなかで叫ぶ。
と、提督が顔を湯の中に入れて声を発した。
「大丈夫、提督はもう深海棲艦の一人なんだから。水を水と思わないで。いつも空気をすっているように、肺のなかに水をいれて」
そ、んな、こと…できるはずはない…酸素が…少ない…。
…するしか道はなかった。
口の中に水をいれて吐き出す。いや、こうではない。
ここは、いつものところ。俺達が棲む場所。
ゴフッ!…あ、あれ
「大丈夫か?提督」
「あ、あぁ…不思議な感覚だな」
まるで初めてタバコをすったときの感覚の後に、それを受け入れると、水は俺を溺れさせることはなくに酸素を供給してくれた。
そう、深呼吸をしている空気に質量をもった感じ。
「…?そ、そうか」
しばらくはこの呼吸法を意識するか。そのうち自然にできそうだ。
「とりあえず艦娘がいなくなるまでここにいるから」
「了解」
溺れるよりものぼせないか?と思ってしまう提督なのであった。
---------------------------
「号がーい!号外だよ!」
青葉が紙を撒きながら廊下を走っているのがみえる。
今から俺は朝食をとるために食堂に行く途中だ。
ちなみに、朝・昼・晩の飯は食堂でとることを昔からしている。コミュニケーションをとるのを目的としているからである。
っと、食堂か…。
「本日はどうなされますか…?」
エプロンをつけたお姉さんがメニューをきいてくる。
「んー、じゃあおまかせで」
「なら…カレーでいいですかね?」
「もちろん」
「では、左側でお待ちください」
「はいー」
少しまったらカレーがでてきた。
いくつものスパイスが混ざり合った香り。駆逐艦でも食べることができるように甘口にしてあり、甘口でしか味わえないコクが味わえると評判だ。
「っと、席を探さないとな」
一応席は85席、全艦娘分以上の席はあるがまとまりがそれである。間に一つの席があったら入ることは困難となる。
「歩いて探すか…」
一見空いてるように見えない席。いや、所々空いているが入ることができなさそうなので探すことにした。
「…ん?金剛、何をみているんだ」
「テテテテ、提督ゥ!?ナナ、何デモ無いデスヨ??」
「嘘をつけぇい、背中に隠してある紙をよこせぇい」
「あぁ…提督ぅ…」
半強制的に奪う。
「どれどれ…「提督特集!!提督が女湯に出没!!」…ううぅぅぅ!!?」
え、え。ちょっとまてええ。
「はっ…!」
周りを見る。
「「「「「チラッ…プイッ」」」」」
艦娘と目があった瞬間にそれが逸らされていく。
「ちょ、ちょっとまって!?これには理由が…!」
「提督ぅ、ちゃんと書いてあるデス、読むデス」
「ふぇ」
と、見出しの後には「企画:青葉」と書いてある。
「提督ぅ、だとしても…ダメだと思うデス」
「おっしゃる通りでございます…青葉め」
心の底から青葉を恨んだ。
「ところで提督ぅ、そんなところで立ってないで一緒にbreak fastを食べませんカ?」
「そうだな、失礼する」
よいしょっと。
「まぁまぁ、そこまで青葉を恨むこと無かれ、デス」
「恨む以外に何がある!?この記事には!?いやまぁ、貴重な経験だけど…」
「…そういうことは被害者の前で言わないで欲しいデス」
「あ、すまんすまん。つい本音が」
金剛がこっちを睨む。すみませんもうしません。
「まぁ、青葉もいいことを書くときもあるんデスネ」
「んあ、この記事がか?」
「その下デス」
「ここか」
その下には昨日受けたインタビューの取材のやりとりと青葉の考え…いわば記事が書かれていた。
「Q.「この作戦を実施した理由はなんですか?」
A.「俺は、深海棲艦の力を得た。無限に復活できる力といっても過言ではない。理論上では俺一人でも世界を相手に戦うことができる。
しかし、俺はその力を「侵略」のためではなく、「制圧」のために使いたい。この力を利用して、人類が成し遂げることができない一つの可能性
「平和」を創造するために力を使いたい」
と、提督は答えた。何故提督がこのような作戦を考えているか。これは私の意見なのだが、私たちのためにやっているのではないか、と推測する。
「侵略」とは憎悪の繰り返し。しかし「平和」は感謝の繰り返し。どちらが私たちのためになる?
どちらが敵…いや、未来の仲間となる深海棲艦のためになる?
もちろん、一部の深海棲艦は手遅れなのかもしれない。不安定な要素は限りなくあるかもしれない。
しかし、それは今を続けることよりも早く、多くの命が納得する作戦だと、私は信じる 青葉」
ほう。
「て、提督ぅ!何カレーを貪り食っているデスカ!?」
「今日の昼食後、スピーチを行う!そこで作戦に出撃するかどうかの投票も行う!その時の演説の内容を急いで考える!」
「…が、がんばれ!応援しているデス!」
「ごぉふ!!ゲフン!」
「提督ぅ!水、水デス!!」
「ゴクゴク…すまん…」
「きっと、信じてくれている艦娘もいるデス!いや、私はもう提督を信じているデス!」
「そうか…ありがとう」
金剛の頭を撫でる。
「あぁう…」
「よし、いってくる」
「いってらっしゃいデウ!…デス!」
そこで噛むなよ…。
だが俺は、背中に感じる数多の目線がどのような意味を持つのか、分からなかった。
いや、例えどのような意味を持とうが、俺にすることはたった一つ。
俺は、世界を平和にしたい。その想いを、話すのみ。
-------------------------------------
「ふぅ…」
紙にとりあえず言いたいことを書いた。これを添削する作業…か。
コンコンコン、ドアから音がした。
「どうぞ」
と、何の声もなく扉は開かれようとしていた。ヲ級かな。
「失礼」
「ヲ級か。どうした?」
「いや、大丈夫かな、と思って」
「あー」
あの後、放送で今日の13:00から投票を行うことを連絡したのだ。
たぶんそれをヲ級も聞いて、心配になったのだろう。
「まー、緊張してないといえばウソになるけど…することは同じだからね」
「そう、よかった」
ヲ級は落ち着いた顔と同時に感謝をしたような顔をした。
「それじゃ、失礼するよ」
「ではまた後で。ヲ級も投票しろよ」
「…そう?了解した」
というと、ヲ級は出て行った。
ヲ級が出て行って大体の演説の内容が決まったあとくらいか。にノック音がまた来た。
「どうぞ」
「失礼するっす!提督、一言どぞ!」
「そりゃまた突然に…いやまぁ、俺は俺のするべきことをするまでだよ」
「ほぉう!その意気込みは!」
「…それ一言じゃなくない?」
「まぁまぁ…」
と青葉に絡まれてなんだかんだで昼食。
食堂は相変わらずがやがやしており、今日も平和だな、となんとなく思う。
「Hey!提督ぅー!」
カレーを頼んで席を探していると、金剛がこちらに向かって声をだし手を振り立ち上がり、アピールしていた。
「こら、食事中だろ」
「そんな事きにするなんて小さいデース」
「常識を教えるのが提督…親の役目だ!」
ふっ、決まった
「女湯に入った変態が何をいうデスカ?」
「うっ、すみません」
…その過去といつおさらばできるのだろうか…トホホ
「そして提督、そろそろ演説だけど調子はどうデスカ?」
「うーん、緊張はしているけど不安はないかな…」
「自信ありありネー」
「いやまぁ、自信がないと提督失敗だろ?」
「それもそうデス」
まぁ、怖いと言えばウソになる。
…あ、一つやり忘れていたことが一つあった…。やばい
「提督ぅ、顔真っ青ですがどうしたデス?」
「や、ばい。一つやり残したことがあって…」
「ほぉう?」
そう、仮編成した時の艦娘に声をかけるのを忘れていた。
いや、逆に公平ということでこの場を抑えることができるのでは?
…それに万が一金剛とヲ級以外反対した時の精神的なショックをうけるよりか…そうだな。こうなったら声をかけない方がいいかも。
「あ、顔色戻ったデス」
「な、なんでもないよ、金剛」
「…?それならいいデスけど」
頭に「?」を浮かべた金剛がスプーンを加えながら横目に見てくる。可愛い。
「よし、先に校庭いってるわ」
「Got it! Fightデス!!」
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そして演説の時。
前回のような演説があっても艦娘は動作をほぼ乱さずに敬礼、静聴していた。
演説台の前には投票の箱を3箱。その台の横には板に区切られた長い机と投票用紙、ペンを配置した。
右側のポケットに年のため下書きの用紙を入れておいた。準備は万端だろう。
「えぇ、と、まず来てくれてありがとう。感謝するよ」
いくら砕けた口調でも砕けない艦娘の意思。流石だな…
「すこしは反応してくれてもいいだけどな?まぁ、いいや。詳しいことは言えないけど意気込みを発表っていう形で演説をしたいと思う」
艦娘達はほとんどこちらを向いていた。何かを訴えようとしているものもいたが、深くは考えないようにしよう。
「正直なところ、青葉が号外だしてくれたおかげでネタがほとんどないから被る内容もあるから我慢してね」
…苦笑いされた。いや、それほど理由は単純なんだって。
「あ、そうそう。一つだけ新聞で訂正。「制圧」のために力を使いたいっていったけど語弊があるので訂正。「平和」のために力をつかって新しい世界をつくりたいってことで許してね。制圧っていろいろな形があるけど、そこまで一方的じゃないからね」
正直あきれられているかもな。今頃訂正だなんて。けど新聞でよんでて気になってしまったんだ。
「さて、本題に行こうか。まずは作戦の内容をもう一度説明する。作戦は深海棲艦との対談による戦争解消を目標とする。あなたたちに頼みたいのは深海、敵の大将に会うまでの護衛。もちろん戦闘は極力避けるが何が起こるかわからないからね」
ここは丁寧にいこう。
「今回の投票はその作戦に参加するか否かという内容である。また、拒んだといっても鎮守府の護衛や演習などは行うので安心してほしい」
一応頷いてくれている。
「作戦の意味の最終目標は戦争の終結である。また、全ての無理では平和協定をした海域からの進行は格段に下がるので実行するべきだと俺は思う」
まー、戦うのが好きな艦娘は嫌だろうけど。
「昨日の騒動と同時に水の中で生きていけることが判明した。あの時は本当にすみません、俺の注意不足っす」
…目が怖いけどここは置いておこう。
「このくらいか、作戦の内容については。投票に移りたいが、一つだけ質問して、というか考えて欲しい」
「深海棲艦は本当に敵か。それを投票用紙に書いてくれると助かる。以上だ」
そもそも深海棲艦とは何か?それを考慮した上に、自らの未来を決める答えといっても過言ではないが、今後の作戦の糧となるかもしれないのでこういう方法をとらせてもらおう。
もし、半数以上がまだそう考えているのであれば、作戦を中止にしよう。
台を下りると、一定の時間をおいて少しづつ艦娘とヲ級が投票して部屋へ帰っていった。
不安と期待。どちらかというと期待のほうが大きかった。
--------開封-----------
さて、突然だが結果から発表しよう。なんせこの結果を早くいいたい。この艦娘達を自慢したい。
「理想的な艦隊の娘達は全員作戦に賛成。他の艦娘も半々くらいで参加・不参加わかれたかな」
この状況はつまり、考えていた最高の状況で作戦に望めるということであった。
ちなみに理想的な艦隊は「1.金剛改二 2.北上改二 3.Верный 4.翔鶴改二 5.瑞鶴改二 6.榛名改二」である。北上の枠は大井さんによっては木曾へとなるが。
「だが、質問の答えについては曖昧だな…」
そう、味方と考えてくれている艦娘もいるが、大半は敵でもあり味方でもあるということだった。
正直、この考えが一番正しいとは思うが、作戦を実行するに当たっては一番ダメなことなのはわかっていた。
そう。敵の大将と会談しても、指揮外の深海棲艦が攻撃してきた場合はこちらも応戦する、といったら納得できるだろうか?という問題である。もちろん結果は明白だった。
まぁ、襲われて応答せずだったら好き放題になってしまうので忠告という形でそこは通す予定だが。
「さてと、深海棲艦についての考えをまとめておくか…」
詳細の内容について。
1.分かり合えれば仲間となりうる存在であると認識している。
2.下級の深海棲艦は意思疎通が困難なため、そちらは完全に敵と判断する。しかしヲ級以上ともなればそうではない。
3.仲間だと思いたい。しかし過去を考えると納得はできない。
4.敵である。なので作戦は自体するが、仲間となったあかつきには仲間として接したい。
5.絶対に許さない。仲間を殺した敵を仲間とするなんて言語道断だ。
え?5番怖い。よくストライキ起こさないな。
6.皆仲間なのです!
あ、可愛い。
さてと、一部以外は作戦には賛同している、か。
「しかし…恨ませちゃった艦娘もいるようだし…そこはどうしよう…」
多数決でいえばこの作戦の実行は問題ない。
「ヲ級と話し合いさせて誰か突き止めるか?…しかし、そうすると不満が高まってしまうし…どうしよう…」
それにピンポイントで作戦のために意思を矯正させるのは自己中心的な考えか…。
「こればかりは無視するしかないか…結果がでたら納得してくれるかな…」
安楽的な考えだがこの場合は仕方ない、か。
「さて、次は作戦に向けての訓練や実施日時などをぼちぼち決めていくか…」
訓練期間は基礎的な能力があるから各艦に動きを指示すればいいか。となるとあまり必要ないか。
後はこの鎮守府を離れるから仮の提督を雇うか他の艦娘に任せるか、それとも提督不在…はまずいな。多分長門にお願いする感じになるだろうからそっちの方にも仕事内容を伝えて任せるか。
となると艦娘を回ればいいから準備とかも含めて作戦実行は一週間後くらいかな。
それを目安にどのように伝えるか決めていこう…。
-------------------------
後日。
まずは朝礼で作戦の実施と概ねの意思を伝えておくか。
「えぇー、と朝からごめんね。さっそくですが作戦は実施することとする」
特に艦娘変化なし、か。提督に意見は否定する気はない、かな。
「作戦名は「陸海平和協定作戦」とする。また、今からこの作戦の第一艦隊を発表する」
「1.金剛改二 2.北上改二 3.Верный 4.翔鶴改二 5.瑞鶴改二 6.榛名改二。これらの艦娘と大井、木曾は朝食を終えたら私の部屋にくるように。以上」
私が下りると艦娘も食堂に向かった。
この頃カレーライスしか食べてない気はするが、それを頼み端の席へと座る。
相変わらずうまいな、なんでカレーって飽きないんだろう。
「提督、ちょっといいか」
「ヲ級か。なんでこんなところに?…まぁ、座れよ」
ゴゴ、と椅子を引く音の後にヲ級が座った。
「朝礼中に私のことを説明しなかったのは何故?」
「あぁ、ちょっと事情があってな」
…ここで馬鹿正直にヲ級を敵として見ているやつがいる、といったら不安にさせてしまうか…。
「事情?それは…」
「いやまぁ、大したことじゃないよ。いつもヲ級が作戦に参加してないから、突然ヲ級が加わる、といったら混乱するかなって」
「ま、まぁ言っていることはあっているが…」
うん、作戦に参加するのに呼ばれないのは常識的におかしいのは自分で理解はできている。
「まぁ、それならそれでいいが…」
「ごめんな、注意してくれてありがと」
「あぁ、それでは私は戻るとする。では」
「おう」
そういえば、深海棲艦は飯食べなくてもいいのかな?
ヲ級が食わないんだったらそれでいいけど。
カレーも半分くらいになったころ、艦娘が食堂を埋め尽くそうとしていた。
「Hey!提督!Good morning!デス!」
「おはよう金剛。それに比叡に霧島、榛名」
「「「おはようございます」」」
「それと金剛、最後に無理やりデスをつけなくてもいいと思うが」
「そんなこと意識してないデスよ」
「そ、そうか。まぁ座れよ」
彼女らが座る。メニューはばらばらだな。
「提督、今回の作戦で私と榛名なのは何故デスカ?」
「そうですよ提督!私の姉さまを」
「まぁ、落ち着けよ比叡。今回の作戦はバランスを重視したからな。他の艦娘から対空を重視して編成した。それと過去のデータも参考にしてな」
「そ、そうですカ」
「でも提督…」
うぅ、比叡が悲しんでやがる。しょうがないんだ、これは
「俺も結構悩んだんだ。結局は運で決めたんだけどな」
「ヒエー」
「すまん、比叡。他の艦娘もそうだが出番も作戦をやっているうちはあるし、鎮守府の警護もいろいろある。霧島は今回の鎮守府防衛の小隊の指揮を頼むと思う。その時はよろしく」
「はい」
まぁ、比叡の気持ちは分からなくもないんだがな。仕方がないんだ。
「それじゃあ俺は戻るぞ」
「Got it! See you!」
他は頭を下げて礼をした手を振って私の部屋へと向かう。
-------------
「さて、そろそろ来ることだろう」
えっと、今回話ことは作戦の詳細とヲ級がいることと、北上の枠か。
あとは作戦外の艦娘の作戦を教え、それでいいか確認もとらないとな。多分大丈夫だけど。
「提督、呼んだ?」
「おう、ヲ級か。今後の作戦にお前も入るかなら。朝礼では名前あげなくてごめんな」
「ああ、もう気にしてないさ」
ヲ級はあの飯を食い終ったあとにここに来るように伝えておいた。
「ま、中に入れよ」
「うん、失礼」
「そろそろみんな来るころだと思う、ちょっと待っててな」
「了解」
それから5分くらいたったか、作戦の舞台と大井、木曾が集まった。
それぞれヲ級がいることを疑問に持っているそうだ。まぁ、だろうな。
「えっと、まずはじめに。作戦の参加ありがとう」
艦娘の返事はないが目線からヲ級の説明を促された。
「まぁ、ここにヲ級がいることで察しがつくと思うけど、ヲ級もこの作戦に参加します」
「…」
ふむ、翔鶴と瑞鶴が少し驚いているかな。
「翔鶴、瑞鶴、どうした」
戦力不足か、と言われるかと思うが一応聞いてみた。
「提督!私と翔鶴姉だけじゃ索敵とかもろもろ不安っていうの!?」
まぁ、予想してた展開だ。
「不安、だな。敵の本拠地に行くんだからできるだけ小隊でステータスを上げておきたい」
「提督、その言い方はちょっと」
「おう、そうだな。すまん、言いすぎた。こちらもヲ級の事情があってな、それが一番原因だったりする」
「その原因というもの、説明するんだろうな?」
おう、べっぷ(Верный)か。
「それはヲ級次第だな。ヲ級、どうする?この状況だと説明した方がいいと思うが」
「…だな。では失礼して…」
ヲ級が説明してくれなかった事情。少しきになる。
「私がここに来た理由はその事情によるものだ。その事情とは深海棲艦との戦闘。それも並大抵の相手ではなかった」
あぁ、だからぼろぼろだったのね。
「え、艦娘との戦闘じゃなかったの」
「ああ。その深海棲艦について詳しく言えないが、私の生き方を見せるために、海にいきたい」
なるほど。
「その言い方だと、深海棲艦でも人間と共存できる派とできない派がいるのか?」
「私みたいに行動するやつはいないが、そう思っているやつもいると思う」
なるほど、この作戦に反対しなかったのはこのせいか。
「えぇーと、これくらいでいいかな。ついでに俺からも一言失礼」
艦娘とヲ級がこちらを見る。
「ちょっと言いづらいが、ヲ級の反対派もいる、と言えば分かるかな」
「まぁ、予想はしてた」
ヲ級が一言。艦娘も同じ感じ、かな。この様子でいくとこの部隊の中には反対派はいないか?
「一応質問しておく、ヲ級がこの作戦に参加するにおいて質問したい艦娘はいるか」
瑞鶴が手をあげた。
「ヲ級、あなたも空母よね」
「そうだが」
「なら、私と勝負しなさい!」
なるほど、ヲ級の実力をみていて損はないだろう。
「俺からも頼む。一回データをとっておきたい」
「わかった。では行こう」
「臨むところよ!!」
-------準備中-----
-------完了--------
「空母瑞鶴、抜錨します!」
「冷徹沈着の雨を。空母ヲ級、出撃する」
「ついに始まったな。初めてのヲ級の実力、見せてもらうぞ」
「始まるデス!」
「北上さん、どちらが勝つと思います?」
「うーん、そうだね。ヲ級は分からないけど、瑞鶴のデータは回避、対空、運が五航戦、一航戦ともにトップだし、耐久と索敵、搭載も2番目に行く実力。空母の中でもかなりのハイスペックだから、並大抵の実力じゃあ勝てないと思うなぁ」
「き、北上さんが解説を」
「いいじゃんか、大井」
「はい…」
たしかにそうだ。まだ勝負ははじまっていないが瑞鶴は一人で戦えるだけの戦力はあると俺も思う。
「たしかに…北上の言う通りデス…」
「姉の鼻が高いなー♪」
「提督、少しいいですか」
「なんだ、榛名」
「何故今回は実弾での演習なのですか?」
そう、今回は実弾での演習だ。理由は
「バケツ(高速修復剤)を作戦によって必要数が減ると考えたのと、やはり緊張感をもってほしいからかな」
「だからといって…」
「ああ、痛みは伴うはずだ。だからでもある。だから瑞鶴とヲ級に一発でも被弾すれば決着とした」
「…はい」
納得はいっていないがとりあえずは分かってくれたようだ。
「ではそろそろ開始する!両者構え!!」
10キロほど離れさせて姿は見えないので無線で指示を送る。
「了解!」「了解」
「大丈夫か…それでは、戦闘開始!!」
言った後、瑞鶴が先手を取った。瑞鶴は俺から見て左である。無線も繋いでいるので声も聞こえる。
「零式水上観測機、烈風、お願い!」
弓を放つ動作で観測機と烈風が展開される。
数が多いな。流石空母戦といったところか。
「金剛、詳細数は」
「観測機は10程度、烈風は10、20、25デスね。短期決戦で責めるのデスかね?」
「かもしれないな。ヲ級は基本データで短距離じゃないと戦闘できないからな」
「さっさとやってやるわ!彗星一二型甲、烈風より高高度より爆撃、よろしく!」
「数は」
「ざっと10デスね。高高度なのは奇襲デスかね」
雲の少し下、か。賭けたな。
「流星改、烈風の後からいっちゃって!」
「数は40デスね。これが本隊デス」
ふむ
「たしか瑞鶴の搭載数は84。もう80くらい出したか?」
「いや、全部デス」
「…大丈夫か?」
まぁ、それほど本気なのだろう。そして己の戦い方に自信があると。
「おかしい…見当たらない…」
「ん…?どういうことだ?」
「…偵察機が機能していないデス…か?いや、瑞鶴の索敵能力であればそれは考えられないデス…」
たしかに。瑞鶴がだめなら他の艦娘もダメってわけだし。
観測機はヲ級が最初いたであろう場所まで索敵をしていた。
「どこ…どこなの…」
なるほど。少し意地悪すぎないか?ヲ級。
「まさか…はっ!」
「遅い。私は、空母であるがそれ以前に深海棲艦だ」
ヲ級が瑞鶴の背後にたっていた。瑞鶴は背後に杖を突きつけられて動けなかった。
「そこまで!!」
「ヲ級、艦載機何機飛ばした?」
「0だが」
「なっ!あなたそれでも空母なの!?」
「一応な」
「最後にみんなにお願いだが、この作戦結果とヲ級の性能は極秘でよろしく。意味は分かっているな」
「「「はい!」」」
そう、他の艦娘にばれるとヲ級の反対派が増えるのは目に見えていた。
-------
さて、昼食の時間だ。なお、ここは受付。俺から順に金剛、榛名、翔鶴、瑞鶴、べっぷ、北上、大井、木曾、ヲ級だ。
「じゃあカレーをよろしく」
「私もデース!」
「榛名もお姉さまのと同じものをお願いします」
「んん…瑞鶴、何にする?」
「翔鶴姉が決めなよ?」
「なら…ためしにカレーでお願いします」
「私もそれで!」
「カレー、甘口を頼むよ」
「うーん、カレーでいいかなー」
「北上さんがそういうなら私もそれで!」
「…なんかみんなカレーだから俺もカレーで」
「では私も頼む」
…今回の昼食はスパイスがありそうだ。
「えっと、なかなか見ない光景で…」
「デ…スね」
10人のカレーが前後左右に並ぶ。
「まぁ、頂きます」
「「「いただきます(デース)」」」
一気にカレーを運ぶ。みんなうまそうだな…ってあれ
「どうした?べっぷ?」
「し、司令官…こ、これ…」
「あれー、なんか私のカレー甘いなー」
「北上さんのカレーが!?どれどれ…甘い!さっきの受け付けの奴…間違えやがったな!!」
あ、そういうこと。
「北上、べっぷとカレーを交換してくれないか?それと大井は落ち着け」
「うん、わかってるー。ほーい」
「すまない、北上さん」
「あの糞受付嬢が…」
「「まーまー、落ち着け(よー)」」
「き、北上さんが言うなら…」
俺は無視られる。
さて、先程話し忘れてたことを言うか。
「えっと、北上、大井、木曾」
「なにー?」
「なんですか!?(ギロッ」
「ん?なんだ?」
大井さん、落ち着けって
「今回の作戦投入にあたって、お前たちから一人選ぶけど…まず北上と大井は無理か?」
「くそ…おれだけ」
木曾には申し訳ないが…性能の差だ、許せ。
「うーん、私たちは一人だと戦えないからねー」
「ですよね!北上さん!」
やっぱり。
「と言うことで木曾、頼むよ」
「あ、あぁ…」
なんともやりきれない気持ちで、木曾が頷く。
まぁ、木曾には後で謝っておこう。
「それで提督ぅー」
「ん?どうした?」
「この後はどうするデスか~?」
あ、そうか。説明してなかったな。
「うーん、みんなで買い物でもいくか?」
「「「…え?」」」
視線が集まる。
「いやー、まずは絆ってやつ?」
「そ、そうデスか…私は構いませんが…流石に不味くないですか?」
「あー、他の艦娘にか…となると半分くらいこの後は休暇にするか」
「突然休暇は良くないと思うデス。後で放送で伝えて3日後くらいがいいと思うデス」
「…そうだな。となるとこの後は作戦会議だな」
やっぱり、といったみんなの表情。
正直なところあまり決めていなかったんだ、今後の詳細。だから休暇にしようと思ったがそうもいかなかった。
いや、みんなで相談してどの海域に行くか決めるのもありか。
「一応全員に集まってもらうがいいな?」
「「「はっ!」」」
---作戦室--
「さて、全員集まったな…」
見渡す北上、大井、ヲ級を含めた艦隊、
1.金剛改二 2。木曾改二 3.Верный 4.翔鶴改二 5.瑞鶴改二 6.榛名改二が集まっている。
「作戦、最初の海域だが」
ゴクッ。多分みんな覚悟しただろう
「決めて…ないです!ごめんなさい!」
正直に話そう。
「…デース」
?どういう意味だ?
「さっき、突然休暇とかなんとかいって仕事がたまっているのは察しがついてたデス」
「え?そうなの?と、とりあえずみんなごめんな」
みんな大丈夫ですよ、って感じか?
…大井こっちみてないし。北上じゃなくて俺を見ろ俺を。といえずに俺が大井をみる。
「何?文句あんの?」
「あ、いえいえ、なんでもないですごめんなさい」
目を逸らす。
「えーと、さて。今から作戦会議なのだが、どういう海域から平和協定を結ぶか考えよう。5分弱考えてからそれぞれの艦娘に聞くから、相談とかもしていいから考えてください?」
「「「…はい」」」
歯切れの悪い質問だがみんな考えてくれたらしい。
「あ、特に海域の指定はない。けどこの艦隊の強さも考えてから考えてね」
注意事項。まぁ、行ける海域を行く。そんで俺が深海に行く。その海域を選ぶ。以上だ
---
「えーと、まず俺から」
全員こちらを見る。
「えーと、戦艦タ級のところが良いと思う。なので場所は4-3でリランカ島空襲を考えている」
ここで注意なのだが、俺は相手の領土を制圧するのが嫌いなので1-4以降攻略していない。なので他の鎮守府と索敵の結果から推測した結果である。
俺の艦隊でどこまで攻略可能かはわからないが、たぶん大丈夫だろう。
「そういえば、提督は全然出撃してくれないデスよね。毎日演習とか練習ばっかりで良くここまで成長できたデス」
うん、同感。
血の気の多い艦娘のために他の鎮守府に追加で演習してもらうように頼み込むなんていつものことだからな。
「強さで言えば索敵の結果から大丈夫だとは思う。タ級も俺からの協定を受けてくれるかは不安が見た目とかから決めた。みんな何かいいたいことはあるか?批判とかでもいいが」
見渡す。
だが特に疑問をもっていないようだ。
「…俺からは以上だな。次、金剛。よろしく」
「Got it!えーと、私は」
「戦艦レ級を攻略しようと考えているデス!」
…え?ちょっとまて?
「まてまて、金剛。戦艦レ級って」
「5-5デース!!」
…他の艦娘もざわざわしてる。
「えーと、なんでそこ行こうとした?」
「もちろん、なんとなくデース!!」
「「「……」」」
「え、えっと。批評に移りたいんだが俺から一ついいか?」
「何デスか?」
「却下したい」
「…ななな、なんでデスか!?」
「いやいや、ろくに海域を制圧したことのない、いえば演習でしか経験していない編成でやり込み要素満載のところは流石にまずいだろ!?それに他の鎮守府からもあそこはブラックホールだ、って言われてるんだぞ!?」
「そ…そうデスけど…」
失敗で帰ってくるのは一番まずい。士気にも影響がでるしもしかしたら他の鎮守府で噂になるかもしれない。
あ、今度集会開いて正式に作戦を実行することとここの鎮守府の極秘事項であることを説明しないと。
「…他の艦娘はどう思う?えっとまず…賛成の艦娘」
見渡す。しかし手をあげるものはいなかった。
「どういうことだ金剛。お前の勘はたまにすごいが今回ばかりは無謀だ。この作戦の最期の方に行こうな?」
「は、はーいデス」
えっと、次はべっぷでいいか。
「次はべっぷ、よろしく」
「了解した」
駆逐艦代表のべっぷであるので期待。こいつは冷静だから金剛みたいな無茶はしないだろう。
「私は戦艦棲姫のところを提案する。場所は2015の冬イベの迎撃!トラック泊地強襲だ」
「ほう、難易度は丙でいいんだよな?」
情報によれば難易度によって3体出てくるとか聞いたことがある。
「もちろんだ。どうだろうか?」
「うーん、やっぱり難易度が不安かなー…他の艦娘はどう思う?」
「うーん、提督の意見に賛成デス」
…さっきまであんなだった金剛は反省したのかな?
うん…みんなそうかな。
「えっと、ちょっとみんないいか?」
こちらを全員みている。
「俺より難易度低いところを選んだやつはいるか?」
難易度を低いところから攻略?したいと俺は考えた。
一歩一歩。少しの成果もないよりかはあった方がいいだろう。
「…いないのか…。えっと、自分の案に自信があるやつはいるか?」
…みんな黙る。
えっと、あれか。出撃をろくにしてないから感覚が鈍ったか。
その分俺は他の鎮守府との情報交換…といってもこちらが聞くだけだから情報諜報というべきだが聞いていたからこうなったのかな?
「えっと…海域甘くみないほうがいいと思うぞ…」
「…デス」
うん、黙ってしまったな…。
行く海域はほぼ決まった感じかな。
「ということで!俺が押し付けてる感じが惜しめないがリランカ島空襲で行こうと思う。いいな!?」
「「「はっ!」」」
「えっと、ヲ級。あえて意見を聞かなかったがこれでまとまりがついた。どう思う?」
ヲ級に意見を聞かなかったのはこちらの意向を示すためだ。そのために聞いていてもらった。
「大丈夫だと思う。ただ一つ不安なのは戦艦タ級は話せないということ。いいな?」
「あぁ、その点はやってみて考慮する。一応こちらの声は聞こえるだろう?」
「あぁ、イベント海域の護衛艦として指示を受けていた時もあったから大丈夫だと思う」
「おk、ならいい」
「今回はここらへんで完了かな。みんなお疲れさま」
そういって部屋から出る。
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休暇もとって、作戦の内容も固めて
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もう、作戦の前日となっていた。
明日は、4-3でリランカ島空襲である。
そして、今は月が銀色に輝く夜で、隣にはヲ級がいる。
ここは、崖の上である。銀色の光が差し、草が揺れる。
「ヲ級…まぁ、飲めよ」
「おう、すまない」
日本酒の蓋をあけてそのまま飲む。
「なぁ、ヲ級」
「ん?なんだ?」
銀色の月に問うように、なんとなく気になった。
「こんな俺で…大丈夫かな?」
俺の、存在価値。
「なんで?」
「いや…とても不安なんだ」
「そうか」
日本酒が喉を通る。
「駄目だったら、駄目だったんだよ」
「…え?」
「やる前からごちゃごちゃ考えても仕方ないさ」
「まー…な…」
考えることを考えていれば良い。それは分かっているんだが…
そうじゃない、ヲ級の意見をただ聞きたかった。
「提督は、覚えているか?」
「何をだ?」
「この同調を説明するとき」
「…んー…」
えっと、同調のことしか…
「私は、同調は互いの力が弱かったり、といったが、片方でも力が劣っていたら失敗するシステムなんだよ」
「ん?俺強くないぞ」
ヲ級のあの戦いを思い出す。
「決して、強さとは戦闘能力の高さではない」
「意思の強さもそうだ。みんなを守る強さは、戦闘能力だけで決定するわけでもない」
「た、たしかにそうだな…」
しかし、不安要素は…
「まぁ、ゴクッゴクッ…不安なのは私も同じだ」
「…え?」
あの、あんな強さを持つヲ級が?
「一度祖国を裏切った身だからな。今頃戻って何をされるかもわからない」
「あ、あぁ…」
たしかに相手が大量なら対抗できないからな。
「まぁ」
ヲ級が立ち上げる。
綺麗だな。月明かりが、ヲ級を照らす。
「私は、お前を信じている。いつか、戦争の無い世界をつくる、お前を」
「ヲ級…はははっ!ありがとう」
笑うヲ級は、不安を取り除いた。
いつか、全てを敵に回しても
いつか、何もかも失いそうでも
ヲ級だけは、絶対に守る。
-----------作戦当日------
まだまだ続くよ!(書く気があれば
アドバイスどんどん下さい。初めて戦闘シーンかいたから全然わからん
面白いです!問題への僕の解答は、噛まれて深海凄艦の仲間?のような存在になり、いままでのカタコトがはっきり聞こえるようになったです。「いとおしい」の方は分かりません…
更新期待してます‼頑張って下さい❗
↑万屋頼です!(ID違くてすみません。)
万屋頼さん>コメントありがとうございます
ほぼ正解です、私としては噛まれた際に「血」を注入したということで仲間になりました
いとおしいは愛おしいと(いと)惜しいをかけています。つまり死ぬのが惜しい、怖いんです。だからヲ級ちゃんは生かしてくれたのですかね?
とまーこんな感じです。面倒だけど考える作品つくっていきたいのでその時はおねしゃすw
新作でしたか!
気がつきませんでした笑。続きが気になる内容で面白いです!
更新待ってます( ´ ▽ ` )ノ
アテナさん>コメントありがとです、おひさしぶりです(すみません
なんか突然案がうかんで衝動的にかいてしまいましたw
なかなか普段ない視線を意識して書きたいと思います、どうぞご期待ぐだしあ!
凄くいいです更新頑張って!
どうも!またまた万屋頼です!
う~ん、難しい問題ですね...僕の考えは、ここの提督を辞め、大本営から離れて仕事をするからだと思います。そこで、自分についていくかどうかを聞いた
というものです。いろいろと変でしょうか?答えが楽しみです!
matuさん>おぉwありがとうございます
ご期待に沿えるようにがんばっていきたいっす!
万屋頼さん>コメントありがとですー
んー、ヒントは前書きと1000字いないにかいてありますよー
提督ちゃんの今後について話すのはあってますw
もちろん ヲ級も艦娘だっただから でもあれ?
沈んでいるからあれ・・・わかんない?
matuさん>コメントありがとです
過去問の答えはヲ級と艦娘の壁をなくすことです
300文字程度に↓
まだまだ周りの艦娘とのなれ合いに壁は生じているものの、
と書いてあるのがヒントっす
また、平和協定を結ぶ第一歩という意味でこのような答えになります
どんどん考えていって下さいな!
追記
もしかしたら問題はヲ級の言葉についてかもしれなかったので
こちらの正解は提督の深海棲艦化が進行していたためです。
期待せずにはいられない
乙! 心待ちにしています!!
270sZxpA>コメントありがとうございます!
嬉しい一言です!がんばります!
面白いです! シリアスとコメディがいい感じに混ざっていて、続きがとても気になります! 青葉・・・・いたずら好きなところもあるんですね!
万屋頼さん>コメントありがとうございます
こういう展開もあって損はないかなー、ということで深い意味はなく書こうとおもいましてry
ネタをつくるため…ですかね?w
風呂食ってる場合じゃねぇ!
ぐれーぷふるーつぱいさん>コメントさんくすっす
風呂…食ってはないですが本編戻った方がよろし?w