エイラ「おいクルピンスキー、女の子にモテるにはどうしたらいいんダ?」
エイラ「おいクルピンスキー、女の子にモテるにはどうしたらいいんダ?」
クルピンスキー「ん?そうだなあ。色々あるけど、エイラ君に教えていいものなのかどうか・・・」
エイラ「教えてくれよナー、頼ム」
クルピンスキー「教えてあげてもいいけど、タダじゃなあ」
エイラ「ヨシ、ロマーニャから持ってきた、この『せくしーかれんだー』とかいうえっちい写真集をあげちゃうんダナ」
クルピンスキー「やったあ、ありがとう」
クルピンスキー「それじゃあ、エイラ君にモテ道を教えてあげるから、早速街へ繰り出そうか」
エイラ「街へ何しに行くんダ?」
クルピンスキー「ナンパだよ」
エイラ「私は別にナンパの仕方なんて求めてないゾ」
クルピンスキー「ふふん、甘いね。ナンパにこそモテ道の基本が詰まってるんだよ」
エイラ「なるほど。じゃあ色々と学ばせてもらうゾ」
クルピンスキー「では出発~」
*
エイラ「というわけで街に来たゾ」
エイラ「ところで、ナンパって知らない人に突然声をかけるんだロ?うまく成功するもんなのか?」
クルピンスキー「僕だって一発でうまくいくことは少ないよ」
クルピンスキー「大切なのは諦めないことだね」
エイラ「ふぅん」
クルピンスキー「さてと、じゃあ誰に声をかけようかな」
エイラ「誰に声をかけようかって、どうやって決めるんダ?」
クルピンスキー「そこは単純に、自分の好きなタイプの人にアタックしてみればいいのさ」
クルピンスキー「エイラ君の好きなタイプは?」
エイラ「そうダナ・・・サーニャみたいな人・・・」
クルピンスキー「はっはっは、君は本当にサーニャちゃんのことが好きなんだなあ」
クルピンスキー「でもこの機会だからさ、サーニャちゃんとは違うタイプの子と遊んでみるのもいいんじゃない?」
エイラ「あ、う、うん・・・」
エイラ「じゃあ・・・あのリベリオン人ぽいのと扶桑人ぽいのの二人組はどうだ?」
ジェニファー「そろそろどこかで夕御飯でも食べません?」
黒田「こういう時の食事代って経費になるんでしたっけ?」
クルピンスキー「ああ、いいねえ」
エイラ「よ、よし、ターゲットは決まったナ。そ、それで、どうやって声をかけたらいいんだ?お時間ありませんか?よかったら私と・・・ってやるのか?」
クルピンスキー「そういう風に直球でいくのも悪くはないけど、ここはひと工夫しよう」
クルピンスキー「これを使うのさ」ヒョイ
エイラ「なんだコレ。じゃがりこ?」
エイラ「1940年代にじゃがりこがあるのかどうかは別として、こんなものをどう使うんだ?」
クルピンスキー「まあ見ててよ」
クルピンスキー「ちょっと、そこのお二人。これ落としましたよ」
黒田「え?」
ジェニファー「うそ」
クルピンスキー「これです」ジャガリコ
黒田「・・・・・・」
ジェニファー「・・・・・・」
エイラ(お?スベったか?)
黒田「ぷはは」
黒田「なんですかそれー」
クルピンスキー「はは、冗談ですよ」
クルピンスキー「ところで、今お時間ありますか?どこか一緒に食事にでも行きません?」
黒田「えー、もしかしてナンパー?」
ジェニファー「あの・・・そういうのはちょっと・・・」
クルピンスキー「勿論、僕のおごりですよ」
黒田「おごり?」
黒田($$$)
黒田「ねぇ、面白そうな人だし、ちょっと遊ぶつもりで誘われてみない?」
ジェニファー「えぇ・・・」
黒田「じゃあ、よろしくお願いしまーす」
クルピンスキー「よしきた」
エイラ(おー成功だ。流石ダナ)
*
サーニャ(エイラが基地にいない・・・)
サーニャ(今日はエイラと一緒にご飯を食べるって約束だったのに)
サーニャ(一体どこ行っちゃったんだろう)
*
クルピンスキー「ここ、僕のお気に入りの店なんだけど、どうかな?」
クルピンスキー「いいぶどうジュースも沢山置いてあるんだ」
黒田「わあ、お洒落な感じで素敵です。」
クルピンスキー「はは、それはよかった」
クルピンスキー「そういえば、自己紹介がまだだったね。僕はヴァルトルート・クルピンスキー。みんなからは伯爵と呼ばれているよ」
黒田「伯爵!?」
クルピンスキー「はは、そういう渾名ってだけだけどね」
ジェニファー「なあんだ。そんなこと言ったら、黒田中尉は扶桑の華z・・・」黒田「あっ、私は黒田那佳っていいます!こっちはジェニファー。よろしく」
ジェニファー「ちょっと、なんで遮るんです?」ヒソヒソ
黒田「こっちの方がお金持ちってことになったら、おごってくれなくなるかもしれないじゃないですか!」ヒソヒソ
黒田「だから私が華族であることもウィッチであることも隠しといて下さい」ヒソヒソ
ジェニファー「了解・・・」
エイラ「わ、私はエイラ・イルマタル・ユーティライネンだゾ・・・」
黒田「ユーティ・・・何さんですか?」
クルピンスキー「おいエイラ君、おどおどせずに、もっと堂々としろよ」ヒソヒソ
エイラ「自信がないんだよ・・・」ヒソヒソ
クルピンスキー「堂々としてれば、自信はあとからついてくるものさ。ほら、もっと大きい声でもう一回自己紹介して」ヒソヒソ
エイラ「分かったゾ・・・」
エイラ「私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン。気軽にエイラって呼んでクレ。イッルでもいいゾ」
黒田「エイラさん、よろしくお願いします!」
クルピンスキー「じゃあ早速注文決めようか。僕はぶどうジュースにするけど、みんなはどうする?」
*
サーニャ「あ、サーニャさん。あの」
サーシャ「あらサーニャさん。なんです?」
サーニャ「エイラを見かけませんでした?」
サーシャ「ああ。エイラさんなら、さっきクルピンスキーさんと出掛けていきましたよ」
サーニャ「そうですか・・・」
サーニャ(クルピンスキーさんと、二人で・・・?)
サーニャ(エイラ・・・一体ナニしてるの・・・?)
*
クルピンスキー「そこでブリタニアの子は撃墜されてしまったのさ」
クルピンスキー「あわやネウロイのビームがその子に当たる!という時に、僕は敢然とネウロイに立ち向かい、脚を負傷しつつもなんとかそのネウロイを撃破したのさ」
クルピンスキー「やっぱり、女の子を守ってこその伯爵だからね」
黒田「へーえ、凄いです!」
ジェニファー「かっこいいですね」
クルピンスキー「はは、ありがとう」
クルピンスキー「さ、次は君の番だよ、エイラ君」
エイラ「え、私は・・・」
黒田「わあ、エイラさんのお話も聞きたいです!」
ジェニファー「そうですね」
エイラ「えー・・・うーん・・・」
エイラ「あっ、そうだ!私は占いが出来るんだ」
黒田「占い・・・ですか?」
エイラ「結構当たるんだゾ」
エイラ「試しにみんなのことも占ってみるよ」
クルピンスキー(エイラ君、なかなかいいネタを持ってるじゃないか)
エイラ「よし、じゃあ黒田さんの運勢を占ってみるゾ」
エイラ「一番上にあるカードを引いて・・・」
『タワー』
ジェニファー「これはどういう意味なんですか?」
エイラ「えーと、これは不吉なカードで・・・」
クルピンスキー(おい)チラ
クルピンスキー(場を盛り下げるなよ?)
エイラ(あっ・・・)
エイラ「・・・じゃなくて、すっごくラッキーなカードなんダナ!きっと黒田さんはもうすぐ運命の人と出逢えるんダナ!」
黒田「きゃー!運命の人だって!」
クルピンスキー「実はもう既に出逢ってたりして」
黒田「え~なにそれ~」
エイラ「ふう・・・」
ジェニファー「占いって結構面白いですね」
エイラ「そう?ありがとう」
クルピンスキー「そうだエイラ君、ジェニファーちゃんに占いのやり方とか教えてあげたら?簡単に出来る占いとかないの?」
エイラ「あるゾ」
ジェニファー「じゃあ是非教えてください」
エイラ「分かったゾ」
エイラ「まずタロットカードをシャッフルして、こうやって並べて・・・」
黒田「わー、カード並べるのはやーい」
黒田「エイラさんってすっごい器用なんですね」
エイラ「そ、そうかな」
ジェニファー「それに手も白くて綺麗です」
エイラ「そんな風に言われるのは初めてなんダナ」
エイラ(あっはっは!女の子にチヤホヤされて楽しいんダナ!最高なんダナ!)
*
黒田「ご飯おごってくれてありがとうございました」
クルピンスキー「なんの。こっちこそ、急なことに付き合ってくれてありがとう」
クルピンスキー「それじゃ、気を付けて帰ってね」
ジェニファー「はい」
黒田「さようなら~」
エイラ「さようなら」
クルピンスキー「またどこかで」
エイラ「もうお別れしてよかったのカ?」
クルピンスキー「はは、1回目はこんなもんだよ」
クルピンスキー「ま、連絡先を教え合ったからね。縁があればまた会うこともあるだろう」
エイラ「そうダナ」
クルピンスキー「君の占いはなかなか面白いな。会話に困ったら占いをするといいよ」
エイラ「そ、そうか」
クルピンスキー「どう?今日は勉強になった?」
エイラ「なったなった」
エイラ「学んだことを活かして、帰ったら早速サーニャに・・・あ」
クルピンスキー「ん?どうしたんだい?」
エイラ(サーニャと約束してたこと、すっかり忘れてた!)
*
サーニャの部屋の前
エイラ(どうしよう、サーニャ絶対怒ってるよナ~)
エイラ(そうだ、今こそクルピンスキーから習ったことを応用すべき)
エイラ(今の私なら、サーニャの機嫌をとることだって出来るはずだ!)
エイラ(まずは声のかけ方にひと工夫。じゃがりこ作戦を使うゾ)
エイラ(じゃがりこ・・・は無いから代わりにサルミアッキを使おう)
エイラ「さ、サーニャ、入っていいか?」
サーニャ「勝手に入れば?」
エイラ「失礼しま~す・・・」ガチャリ
エイラ「サーニャ、これ落とさなかったカ?」サルミアッキ
サーニャ「・・・・・・」
サーニャ「なにこれ」
エイラ「まあこれは私のなんだがナ」パク
サーニャ「ふざけてるの?」
サーニャ「エイラなんか知らない」
エイラ「さ、サーニャぁ・・・」
エイラ「約束を忘れてたのはついうっかりというか・・・本当に申し訳なく思ってるというか・・・」
クルピンスキー(回想)『もっと堂々としろよ』
クルピンスキー(回想)『自信はあとからついてくるものさ』
エイラ(そ、そうだ。もっと堂々と・・・)
エイラ「約束を破ったのは悪いと思ってる」キリッ
エイラ「だけど人間誰しも、ついものを忘れてしまうことはあるダロ?だから許してくれないカ?」
サーニャ「・・・なんでそんなに偉そうなの?開き直り?」
エイラ「えっ」
サーニャ「エイラなんて・・・」
エイラ「ちょ、ちょっとまってくれよサーニャぁ。機嫌直してくれヨー」
クルピンスキー(回想)『会話に困ったら占いをするといいよ』
エイラ「そうだ、サーニャの好きな占いをやるゾ」
サーニャ「別に好きじゃ・・・」
エイラ「カードを並べて・・・えい!」
『タワー』
エイラ「おっ、これはとってもラッキーな・・・」
サーニャ「不吉なカードでしょ?知ってるわよ」
エイラ「うーん・・・そうなんダナ・・・きっともうすぐ悪いことが起こるんダナ・・・」
サーニャ「ま、もう既に起こってるけどね。誰かさんのせいで」
サーニャ「それじゃ、夜間哨戒に行ってくるから。おやすみエイラ」退出
エイラ「う・・・」
エイラ「うわああああああサーニャに完ッ全に嫌われたああああああああ」
エイラ「モテるどころか逆効果じゃないか!いい加減なこと言いやがってあの偽伯爵ッ・・・クソッ・・・!」バンバン
*
クルピンスキーの部屋
クルピンスキー「うーん、エイラ君から貰ったこのせくしーかれんだー、どこに飾ったらいいか迷うな~」
クルピンスキー「目立つところに飾っておいて直ちゃんやひかりちゃんが目撃したら困るしなー・・・」
ロスマン「伯爵様?」
クルピンスキー「あっおっ先生、い、いたの?」
ロスマン「あら、いいもの持ってるわね。没収です」
クルピンスキー「そ、そんな~」
ロスマン「ところで、こんな夜遅くまでどこに行ってたの?」
クルピンスキー「それは・・・」
ラル「おっ、クルピンスキーじゃないか。街に繰り出してだいぶお楽しみだったようじゃないか」
クルピンスキー「えっ隊長、なんで知ってるんですか?」
ラル「506のグリュンネ少佐から苦情が入ってね。うちの隊員がナンパってされたって」
ロスマン「はあ・・・まったく」
クルピンスキー「ああ、あの子ウィッチだったのか」
ラル「知らなかったのか?」
ラル「ちなみに、黒田中尉の家は侯爵だぞ?お前みたいな偽伯爵とは違ってな」
クルピンスキー「え」
クルピンスキー「うそ・・・まさか・・・」
ロスマン「あはは、偽伯爵にふさわしい無様な話ね」
クルピンスキー「・・・ちょっと飲み直してきます」
終
このSSへのコメント