女性提督と愉快な仲間たち。
女性提督モノが書けたらいいな。
前作?一旦忘れろ。
前作読んでおくと作風わかって良いかもよ(宣伝
執務室への道のりを力強く歩く少女が一人、
歩くたび桃色の髪を上下に揺らし日光を艶やかに反射させている。
名は不知火、陽炎型の二番艦で、つい先日艦娘の育成学校の全過程を終了し、晴れて実践の地鎮守府へと配属になった。
不知火「…ちょっと早く着きすぎたかしら…」
チラリと時計へ目をやる。予定の時刻よりも15分早く執務室に着いてしまった不知火は入るべきか否かで葛藤の最中であった。
不知火(遅いよりは、早いほうがいいわよね?でも指定された時間に来られないって言われても嫌だし…)
不知火はその場で足を止め考えこんでしまう。
不知火(いやっ!駆逐艦は度胸よ!そう教わったじゃない!)
不知火「よし。」
不知火は意を決して執務室のとびらを開く。
不知火「しっ失礼します!」
ドアを開け中に入ると中に何人か人がいた。不知火はとっさに頭を下げ挨拶を始める。
不知火「陽炎型駆逐艦二番艦の不知火です、ご指導ご鞭撻、よろしくです。」
緊張のあまりすぐお辞儀をしたので誰がどこに何人いるかも把握していなかった。
???「よろしくね〜」
気の抜けた柔らかな声に不知火も気が緩む、不知火が顔を上げる。
不知火「えっ…」
そこには海軍二種軍装を着た女性が椅子に腰掛け、そのそばに不知火と同じくらいの身長の女性が立っていた。
???「ごめんね?いきなり提督が女なんてびっくりしちゃうよね。」
不知火「いえそんなことは…すみません失礼な真似を…」
不知火(綺麗な人だなぁ…)
提督「別にせめてるわけじゃないよ〜」
提督「改めまして!私がこの鎮守府の提督です。よろしく、どうぞ。」
不知火「はい、よろしくお願いします。」
提督「で、こっちの子が叢雲ちゃんね、同じ駆逐艦だけど叢雲ちゃんのほうが先輩なんだからね?」
叢雲「…よろしく…」
不知火(怖そうな感じだな…)
不知火「よろしくお願いします。」
不知火は落ち着きを取り戻し辺りを見回した。部屋の中は木を基調とした壁紙で、暖かそうな雰囲気を讃えている。
提督は黒髪で髪はロング、身長は駆逐艦より大きいが重巡と同じくらいで空母、戦艦よりは小さいといった感じ、胸はそれなり、特に目立つのがにこやかな表情でいつもニコニコして目が狐目になっているところ。
提督「不知火ちゃんはこの鎮守府の子たちに挨拶周りにいって来てくれる?」
不知火「はい、では地図かなにか…」
叢雲「私が連れていきます。」
提督「叢雲ちゃんありがと〜」
不知火「それではお願いします。」
叢雲「じゃいきましょ。」
不知火「はい。」
バタンとドアを閉め二人は執務室を出て行った。
提督「……」
提督はポケットから煙草とジッポを取り出す。
<カキン、シュボッ
煙草に火をつけて一服する。
提督「フゥーー」
提督「……」
<ガチャ
提督「お?!っぶ!あっつ!」
提督は驚いて勢いよく煙草を握り潰す。
???「また煙草ですか?部屋に匂いがつくから外で吸って下さいよ…」
提督「だってめんどくさいもん…」
???「だってじゃありません!部屋に匂いがつくでしょう!」
提督「ヒィ!わかったわかったよ!」
提督「それより今新任の艦娘に挨拶回りさせてるから会っておいで。」
???「新顔ですか?艦種は?」
提督「デストロイヤー」
???「なるほど駆逐艦ですか…」
???「それでは失礼します。」
提督「はいよー」
提督「…相変わらず嵐のような子だな…」
<カキン、シュボッ
<ガチャ
???「外で吸って下さい!」
提督「お?!っぶ!あっつ!」
その日提督の手のひらに二つ根性焼きができた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
不知火「ところでどのくらいこの鎮守府にはいるんですか?」
叢雲「正確な人数はわからないわ…」
不知火「えっ?それってどういう…?」
叢雲「割とこの鎮守府って人員が流動的なのよ、すぐいなくなったり、あなたみたいな新顔が来たり。」
不知火「へぇ…」
叢雲「正確な人数はわからない…けどだいたいの面子なら…」
不知火「教えてもらえます?」
叢雲「赤城と長門と私と神通ぐらいかしらね?」
不知火(すごい…一航戦の赤城さんとビックセブンの長門さん、それに二水戦の神通さん…)
不知火「凄いですね!光栄です!」
叢雲「光栄…ね?」
不知火「なにかおかしいですか?」
叢雲ちゃん「…まあそう遠くない内に分かるわよ。」
叢雲「着いたわよ、ここが赤城の部屋よ。」
不知火「失礼します!」
<ガチャ
窓には暗幕が引かれ中は暗く物がごちゃごちゃして足の踏み場もないぐらいのゴミの山ができていた。
不知火「きっ今日付けで着任になりました不知火です!」
不知火は部屋の中の見えない相手に向かって敬礼をした。
赤城「うぁ〜?朝?ごはん?出撃〜?」
モゾモゾと布の塊が動いて来る
不知火「えっ?」
布の塊が不知火の足元まで来ると中から赤城が起き上がってきた。
不知火を見下ろす形で赤城は突っ立った。
不知火「っ?!」
不知火は思わず出しそうになった声を押し殺す、なぜなら不知火の聞いていた「赤城」と全く違うからだ、長い黒髪は傷んでボサボサの寝癖が付き、目の下には濃いくまができ、特徴の服は部屋の隅に投げられて下着姿であったからだ。
赤城「誰ですか〜?」
叢雲「新顔よ。」
赤城「あっそ。」
不知火「よっよろしくおね
赤城「あ〜そういうダルイ挨拶いらないから、はいよろしく。」
不知火「は、はぁ…」
赤城「それだけ〜?」
叢雲「そうよ。」
赤城「じゃ寝る〜」
赤城がその場にバタリと倒れ込み布団を手繰り寄せ寝てしまった。
不知火「えっ…」
叢雲「『光栄』な赤城に挨拶できた?次行くわよ。」
不知火「はい…」
不知火(大丈夫なの…?この鎮守府…)
叢雲「次は…長門の部屋が一番近いかしら…」
不知火(長門さんっ?!お会いできるなんて…失礼の無いようにしなくちゃ…)
叢雲「長門?入るわよー」
<ガチャ
不知火「失礼します!」
不知火は部屋を見回す、先程の赤城の部屋と違いきちんと整頓された部屋だ。
不知火「いないんですかね?」
叢雲「そうみたいね。」
長門「わらひになにか用かぁ?」
叢雲「どこいってたのよ?今日は新顔の挨拶回りがあるって提督が言ってたでしょ?」
長門「えぇ〜?そうだっけ〜?」
不知火「しッ不知火です!」
長門「ん〜?よろしくねぇ〜。」
不知火(酒くさっ!)
長門の顔は真っ赤で千鳥足のまま部屋のイスに座る。
叢雲「また飲んだの?」
長門「うへへぇ〜ヒック!」
叢雲「あきれた…」
不知火「えっ…飲んだってやっぱりお酒ですか?」
長門「そうだぞぉ〜!」
不知火「えぇ…」
長門「……」
長門「…ハッ!」
長門は急にイスを立ち上がる。顔の赤さは一気に引き、目は鋭く先程までの間抜けさは嘘のように厳粛な態度になった。
叢雲「?!」
不知火「どうしたのですか?!」
長門「不知火!叢雲!出て行け!」
不知火「は?」
長門「早く!急げ!」
不知火「敵襲ですか?!」
叢雲「とりあえず部屋を出るわよ!」
<バタン
不知火「なんだったんでしょう?」
叢雲「そうとう切迫してたわ…
たぶんあr
長門「オロロロロオェェェェ!ゲェェオェ!」
長門「あ゛〜飲みすぎた…」
不知火「……」
叢雲「……」
不知火(駄目だこの鎮守府でやっていける気がしない…)
叢雲「…次行くわよ…」
不知火「…はっ…はい」
叢雲「神通の部屋はちょっと遠いわよ。」
不知火「そうですか…」
叢雲「…まぁそう気を落とさないで、所詮余り物、外れ物、とかの厄介払いが集まった鎮守府がここなんだから…」
不知火「…えっ?」
叢雲「あんたは何のドジ踏んだの?」
不知火「ドジって…不知火は何の失敗もしていません!」
不知火「失礼どころか不知火は訓練学校の首席ですよ!」
叢雲「へぇ?じゃなんでこんなところに…?」
不知火「不知火が聞きたいぐらいです!」
不知火(道理でだらしない人が多いわけです…)
不知火「叢雲さんは何をしたんですか?」
叢雲「私?私は……あっ!ほら神通いたわよ。」
叢雲「神通〜!」
神通「なに叢雲?あら?その子が新顔の?」
叢雲「そうよ。」
不知火「不知火です!よろしくお願いします!」
神通「こちらこそよろしくね。」
神通「クセのあるメンツだから挨拶回り大変だったでしょう?」
不知火「はぁ…まぁ…」
神通「ごめんなさい、みんな根は良い人だから…あまり気にしないでね?」
不知火「はいわかりました。」
不知火(やっとまともな人とあえた…)
提督「神通〜」
神通「ん?ていとkッ?!」
提督は後ろから神通を羽交い締めをする。
神通「提督?!何やってるんですか!」
提督「いや〜神通ちゃん可愛いなぁと提督は思ったわけです!」
神通「わけがわかりませんよ!あと胸触らないでくださいよ!」
提督「ちょっとならいいじゃん?先っちょだけだから、ね?ね?」
神通「あっちょっと提督?!アッ、ダメッ、そんなところ!」
提督「ほらほら神通ちゃん、もっと素直に…」
神通「ほんとッ?!てっ提督!いい加減にしないとンッ?!」
提督「そんなこと言ってこっt…グハッ!」
神通の肘が提督の腹部にめり込む。
神通「いい加減に!」
提督は痛みのあまり手を放す、神通はすかさず回し蹴りを提督に食らわす。
神通「しろゴルァ!」
<ベキャ
神通の踵は見事提督の顔面を捉えた。提督は勢いのまま壁に突っ込む。
提督「いいキックだ…あとナイスパンチラ…グハ…」
不知火(今「ゴルァ」って言ったし…えぇ…)
叢雲「殺さないでよ?」
神通「わかっています、提督がこんなことしなければ…」
叢雲「提督?大丈夫?」
提督「んあ?大丈夫だよ。」
提督は何事もなかったかのような表情で起き上がる。
提督「今日も調子がいいね神通ちゃん。」
神通「はぁ〜…そうですね…」
不知火(だっ駄目だ…この鎮守府ではやっていけない…無理だ…)
提督「不知火ちゃん?」
不知火「はい?」
提督「クセの多いメンツだけど慣れると面白いからそれまでの我慢よ。」
提督はいつもと同じくニコニコとした表情で言う。
不知火「わかりました。」
不知火(このひとはいつも笑ってるな…)
提督はいつも目を細めているので目の色がわからない、不知火は少しながら疑問に思っていた。
不知火(とりあえずもう少しだけがんばるか…)
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〜不知火自室〜
新着任の準備が終わり部屋に帰る頃には10時を過ぎていた。
不知火は机に向かって手紙を書いていた、宛先には『陽炎』と添えられている。
不知火(陽炎も今頃は鎮守府に配属されたんだろうな…)
不知火と陽炎は同じ訓練学校の仲間で卒業と同時に別々の鎮守府に配属先された。
不知火「何書こうかな…」
不知火はペンを進める。
『陽炎へ、そっちでの生活が楽しいことを祈ってるわ、こっちの鎮守府はハズレくじよ、艦娘が私を含めても5人しかいないし…』
不知火はここまで書いて腕を止めた。
『そっちはどう?こっちの鎮守府はとっても楽しいよ、周りの先輩のレベルは高く初日から驚かされることばかりだよ…頼りがいのある提督の元で仕事ができるのは訓練学校時代からの夢だったからとても嬉しいな。そっちもがんばってね。』
不知火「なにやってんだろ…」
不知火(こんなはずじゃなかった…こんな鎮守府に来るために厳しい訓練に耐えたんじゃないのに…)
不知火はやるせない気持ちでいっぱいになった、この不満や不安を相談する先輩も愚痴をこぼす友もいない。
不知火は悔し涙を流した、布団に顔をうずめベットを殴りつけ静に泣いた。
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陽炎「あたしさ、家族をあいつらに殺されたんだ…」
不知火「えっ…?」
陽炎「うん、深海棲艦に…」
不知火「それで艦娘に?」
陽炎「うん。」
陽炎「だからいっぱい勉強していっぱい訓練して強くなる。」
陽炎「強くなって前線の鎮守府に配属されてそこで多くの敵を殺す!」
陽炎「これ以上あたしの家族みたいな犠牲が出ないように…」
不知火「…不知火も」
陽炎「?」
不知火「不知火も強くなる。強くなって鎮守府に配属される。」
陽炎「じゃあ一緒にがんばろ!」
不知火「うん!」
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<パン
不知火「痛った…」
不知火は頬の痛みで目を覚ました。
不知火(さっきのは…夢か…懐かしい…)
不知火は身体を起こす。
不知火「なんです、こんな夜中に…?」
叢雲「仕事よ、先言ってるから早く来なさい。」
不知火は寝ぼけ眼をこすりながら服を着替え自室の扉を開け放った。
眩いばかりの光が不知火を照らす、
不知火「んっ、眩しい…」
不知火「叢雲さん仕事って…えっ?」
不知火は目の前の光景に唖然とした。
赤城、長門、叢雲、神通、提督、全員がいたのだ。それだけではない。全員吸い込まれるような漆黒のスーツに血のような紅のネクタイをしていた。
赤城「不知火さん遅いですよイヒヒッ!」
不知火「すみません。」
ボサボサの髪は相変わらずだがスーツ姿がすごく似合っている。しかし様子がおかしい、ずっとニヤニヤして気味の悪い笑いをしている。
長門「いちばんしたっぱのくせにぃ〜おそいぞぉ〜」
不知火「お酒飲んでます?」
長門「馬鹿を言うなよぉ〜飲まなきゃやってられないよぉ〜」
片手に日本酒の瓶を握ってなければ完璧なスーツ姿だったのにと悔やまれる。
神通「……ろる…す…る…らす…ね…ね……」
同じくスーツ姿の神通はずっと俯いてブツブツ何かを言っている。
不知火「あっあの…神通…さん?」
神通「……」ギロ
不知火「アッ…」ゾク
神通の睨みは異常だった。仲間に向けるモノではなかった軽蔑と殺意の入り混じった、『敵を見る目』そのものだった。
叢雲「いまはやめときなさい殺されるわよ?」
不知火「えっ?あっ叢雲さん、なんなんですか?仕事って?神通さんは?この格好は?」
叢雲「落ち着け。」
提督「まぁ…待たせても悪いから移動しながら話すよ不知火ちゃん。」
不知火(一体何が…もうわかんない…)
提督「じゃ行こうか。」
漆黒のスーツを身にまとった6人は鎮守府を出て、深夜の闇に消えていった。
六人を乗せた車は大きな建物の前で止まった。
不知火「ここって…鎮守府じゃないですか?」
女提督「そうだよ、これからここに用事はあるの。」
叢雲「それじゃ、先に…」
女提督「ん、よろしくね。」
叢雲は大きなスーツケースを抱え先に車をおりていってしまった。
女提督「それじゃ私たちも行きましょ〜。」
赤城「新米ちゃんにやらせて大丈夫なんですかねぇ…ヘヘッ…」
女提督「今回はみてるだけだから…大丈夫でしょ。」
不知火「何をするんですか?」
女提督「まぁついてくればわかるよ。」
不知火(こんな夜中に…なんなんだろう…)
女提督「お邪魔しますね。」
女提督は鎮守府の扉を開け中に入る、
警備「誰だ?こんな時間に訪問の予定は無いはずだが?」
女提督「当たり前じゃない、アポなしだもの。」
警備「なんだそれは?とりあえず出て行け、お前らの相手をしてる間は無いんだ。」
警備の男はそういうと女提督を引き返させようと腕を掴んだ。
女提督「いきなり触るなんて無粋じゃなくって?」
門番「えっ?」
ボトリと門番の腕が落ちる、
刹那噴水のような血が吹き出す。
神通「提督に汚い手で触るな…」
神通の手には血染めの脇差が一振り握られていた。
門番「い゛っ゛?!」
神通「うるさい。」
神通は門番の首を叩き落とす。
不知火「えっ?!」
首は宿主を離れ、門番はぐしゃりと地に伏す。
女提督「じゃ皆チャチャっとやって帰ろ。」
不知火「なにやってるんですか?!」
女提督「殺し。」
不知火「なんで?!」
長門「さきにいってるぞぉ〜ヒック!」
赤城「私も…」
神通「それじゃあ…」
赤城、長門、神通はそれぞれ別の方向へと向かった。
女提督「なんでって今にわかるさ…」
<パンパンパン
赤城たちが向かった部屋から銃声が聞こえてくる。
不知火「まずい?!また殺した?!」
不知火は走って部屋に向かう。
不知火(酷い…)
不知火が目にしたのは血の海だった、脳みそは飛び散り内蔵や肉片が壁にこべりつき、辺りの配色を紅へと変貌させていた。
不知火「どうしてこんなに酷い…」
赤城「ごめん2匹逃がした。」
長門「私も1匹逃げられた、顔バッチリみられたぁ〜まずい〜」
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叢雲「まったくこんな夜中に…めんどくさいわね…」
叢雲は不知火達のいる建物からだいぶ距離のある高台に登っていた。
叢雲「あれって…」
叢雲は胸元のポケットから古びれた双眼鏡を取り出す。
叢雲「3人も逃げてるじゃない…」
叢雲は大きくため息を着くと脇に置いた大きなスーツケースを開く。
ガチャガチャと金属音を鳴らし大きな一つの狙撃銃を完成させる。
叢雲はスコープを覗き込む、
叢雲「足速いわね〜」
<ドンドンドン
叢雲は狙撃銃を唸らせスコープ越しの男三人の頭に花が咲いたのを確認する。
叢雲「お疲れ〜」
叢雲は狙撃銃を抱きかかえそのまま眠りに入る準備をした。
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女提督「さてっと着いたよ。」
不知火「ここって…」
不知火達は『執務室』と書かれた部屋の前に立っていた。
赤城「鍵かかってますよ〜」
女提督「神通マスターキーは?」
神通「すみません…今日は持って来てないです…」
女提督「うーん…めんどくさいけどピッキングするしかないかな?」
長門がフラフラと扉の前へと出る。
腰を深く落とし長く息をつく。
拳を握り扉に向かって思いきり全体重を叩きつける。
<ガキィン
扉は吹き飛んだ。
女提督「あはは…ピッキングいらなかったね…」
長門「さっさと終わらせるぞ。晩酌が待ってる。」
いきなり中から銀髪をゆらし全裸の少女が飛び出してくる。
手にはAKが握られており狙いを女提督に合わせていた。
女提督「マズッ?!」
少女のAKの引き金より早く赤城が反応しAKの銃口を蹴り上げる、次の瞬間AKは唸りを上げる。が赤城の長髪を少々散らしたに過ぎなかった。
天井にいくつも風穴を開けたAKは長門が没収した。
長門「ったくこんな玩具ガキが使うものではないだろうが。」
長門はAKを素手でへし折る。
全裸少女は武器を失い大きくバックステップをとろうとしたが努力の甲斐無く赤城の腕に捕まった。
赤城「暴れないでね〜」
赤城はごく普通のように少女の細い腕をへし折る。
少女「あ゛っ?!」
少女の辞世の句代わりの断末魔は赤城が少女の首を180度回転させることであえなく中断となった。
女提督は執務室の中に入る。
???「なっ?!なんだお前達!」
第一種海軍の制服をきた提督と思わしき人物は慌ててズボンは上げていた。
女提督「これで全裸少女のワケがわかったわけだ。」
男はズボンを上げ終わり失墜しきった威厳を保つように高圧的に質問の雨を女提督にぶつけた。
提督「誰だ!何が目的だ!貴様こんなことが許されると思っているのか!」
女提督「お〜うるせ…」
女提督は胸元から拳銃を取り出し男の足を撃つ。
男「ぎゃっ!」
男「お!おまっ?!」
<パン
女提督はもう一発撃ち込む。
提督「ダッアア?!」
女提督「うるさいぞ、少し黙れそうすれば寿命がのびるぞ?」
提督「ヒッ…」
女提督「良い子だ」
女提督「『地下室』ってどこにあるの?」
提督「地下室?この鎮守府に地下なんて…」
女提督が再び銃口を男に向ける。
提督「わかった!わかったから撃つな!」
女提督「最初からそうしなさいよね?」
提督「本棚の裏だ…」
赤城「そいつの言ってること本当みたいっすよ〜」
赤城が本棚をすでに動かしていた。
女提督「はいよー、じゃあ提督さん協力ご苦労。」
提督「…だがあんた…どっかで…」
<パン
男は最後まで言わずして死んだ。
長門「…珍しいな殺すのは」
女提督「いいじゃないたまには…」
不知火「殺すって!あなた達!」
女提督「黙って着いてき」
不知火以外の全員は本棚の奥に通じる通路を歩いて行った。不知火も急いで着いて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
女提督「うーん…鬼畜の所業だね…」
女提督は地下の惨劇を見てそう言い放った。
神通「不知火さんは赤城と長門に外で押さえつけておくように言っておきました。」
女提督「ありがとう、流石に初っ端からこれはキツイからなぁ…」
不知火「どうして私だけ仲間ハズレなんですか!酷いじゃないですか!」
怒りで息を上げながら不知火が部屋に入ってくる。
女提督「…神通?」
神通「ヤク中とアル中じゃ食い止められなかったみたいですね…」
不知火「こんな非道な行いの大義をそろそろ教えてもらいますよ!提督!」
神通「不知火さんそこから前には来ないほうが…」
不知火「そんなクラシックな手法には引っかかりませ…」
不知火は『何か』に足をひっかけ尻餅を付く。
不知火「痛っ?!」
不知火「なにこ…れ…」
女提督「見てのとおり死体でしょうね、多分艦娘の…」
不知火「ウッ?!オロロ!ウェェ!」
不知火は思い切り嘔吐する。
神通「だから来るなと…」
女提督「だがここの提督は部位欠損とかダルマに酷く心酔してたみたいだな…」
女提督「まぁこんなとこ長くいても精神衛生上よくないから帰りましょ。」
不知火「なんで?こんな…酷い…」
女提督「悲しいけどよくあることだよ、私が見たなかじゃまだいい方に入る部類よ。」
不知火「そんな…私たち艦娘の…」
ガサリという音で不知火の抗議はかき消される。
不知火「ヒェ…」
不知火は白目を向いて気絶する。
音の主は屈んだ状態で女提督の元に駆け寄る。
神通「…」
神通は無言で抜刀する。
女提督は目で神通を止める。
女提督「危害を加える気じゃないっぽいよ?」
音の主は女提督の足元まで来ると女提督の腰に手を回した。
神業のような速さでベルトを外しパンツに手をかけた。
女提督「あらあら」
神通「…チッ」
女提督「神通ちゃんちょい待ち。」
女提督の黒の薔薇刺繍の入ったパンツに手を添える。
???「えっ?」
女提督「大丈夫?残念ながら私は女。あなたの提督じゃないわよ?」
???「じゃあ…提督は?」
女提督「ごめん殺しちゃった。」
???「…グスッ」
女提督「泣かせちゃった?ごめなさいね?あなたの名前は?」
???「私は…加…賀と申し…ヒッ…ます…」
女提督「へぇ…一行戦がどうしてこんなとこに…」
加賀「提督が『お前は俺をバカにしてるだろ、一生ここで十分だ』って…それからは提督がここにきたらすぐにご奉仕するよう躾られて…」
女提督(道理で来るなりズボンをおろしたわけね…)
女提督「で?なんで泣いてるの?」
加賀「…やっとこの地獄から解放されると思うと…つい…」
女提督「そっか…」
加賀「あの…お手数おかけしますが介錯をお願いできませんか?」
女提督「えっ?死んじゃうんだ?まぁ介錯ぐらいならいいけど。」
加賀「すみません出会ったばかりなのに…ありがとうございます。」
女提督「いやいやいいよいいよ気にしないで、銃と刃どっちで逝きたい?」
加賀「銃をお貸しいただけますか?」
女提督「ん、いいよ〜。」
銃を手渡す。
加賀「それでは見苦しいので一人にさせてはもらえませんか?」
女提督「おkおk」
加賀は頭に銃口を向ける。
女提督「あっ!それはやめたほうがいいかも!」
加賀「と言うと?」
女提督「頭蓋骨が割と硬いから苦しんで死ぬって聞いたことがあるような…」
加賀「苦しんで…は嫌ですね…」
女提督「口に咥えてが良いかと」
加賀「なるほど、最期までモノ咥えるとは…アハハ命をはった皮肉ですね…」
女提督「なんとも…」
加賀「それではまた機会がありましたら宜しくお願いします。」
女提督「こちらこそ。」
女提督は後ろを向き加賀に別れを言った。
加賀は大きく息をすいこみ口に銃口を咥える引き金を引いた
<ガキン
加賀「…」
女提督「…」
女提督「ジャムった…」
女提督「…うちくる?」
加賀「よろしいので?」
女提督「うんいいよいいよ。」
加賀「…死ぬ気も失せました…お邪魔させて頂きます。」
女提督「いいよ〜。」
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ーーー
加賀「…ってことがありました。でいまここにいます。」
不知火「私が気絶している間にそんなことが…」
加賀「これから宜しくお願いします。不知火先輩。」
不知火「えっ?!先輩なんてやめてくださいよ!普通に不知火で結構ですよ。」
加賀「いえ、先輩と呼ばせて頂きます。」
加賀は落ち着いた口調でしっかりと不知火の眼球を覗き込みそう言った。
不知火「わ…わかりました…」
加賀「やった!」
加賀は嬉しそうにピョンと上下に跳ねる。
加賀「それでは私はみなさんに挨拶回りがありますので失礼します。」
加賀は軽く会釈をすると駆け足で不知火の視界からいなくなった。
不知火(先輩か…)
ーーーーーーーーーーーーーーー
<コンコン
女提督「どうぞ。」
不知火「失礼します。」
女提督「長くなるから座っていいよ。」
不知火「はぁ…わかりました。」
女提督「着任そうそう酷い仕事だったね?申し訳なく思ってるよ。」
不知火「『仕事』…?あれがですか?」
女提督「そうだ、人殺しが我々の仕事の一部だ。」
不知火「よくもまあ平然と…」
女提督「まぁ落ち着いて。…うーん何から話そうか…」
女提督「まず第一にこの鎮守府は海軍軍属ではない。」
女提督はさらりとそう言った。
不知火「えっ?」
不知火「海軍軍属じゃないって…どう…」
女提督「簡潔に言うとだね不知火クン、限りなく陸軍に近い民間の軍事企業ってところかな?」
不知火「陸軍?民間?私は艦娘になるために訓練してここに来たのに…」
女提督「ここにいるのは皆歴とした艦娘だよ?」
女提督「だがここはね普通の鎮守府じゃないんだ。」
女提督「重度の障害を持った艦娘の更生施設なんだよ…」
不知火「障害?更生?どういう?」
不知火はたじろぐ。
女提督「まぁ落ち着いて。基本的には他の鎮守府と差異のない業務内容だけど、主任務は重度の障害や戦線復帰不能者を再び前線へ戻すことが主任務なんだよ…」
不知火「じゃあ…ここにいるのは…」
女提督「そうだ、みな等しく障害持ちだ、赤城はヤク中だ、長門はアル中、神通は厄介払い兼精神疾患だ、叢雲は反逆罪だ。」
不知火「ますます私がここにいるわけがわかりません!」
女提督「…」
提督は煙草を吸って大きく息をつく。
女提督は一枚の封筒を取り出す。
不知火「これは?」
女提督「開けてみ。」
不知火「…ッ?!どうして提督がこれを?!」
それは不知火が陽炎に向けて書いた手紙であった。
不知火「…読みました?」
女提督「ええ。」
不知火は顔から火が出そうになった。日々のどうでもいいようなことから、鎮守府や女提督への愚痴などが書いてあったからだ。
不知火「どうして…」
女提督「その手紙はね、返却されたものだ…」
不知火「…?どうして?しっかりと切手だって…」
提督は煙草を灰皿に押し付ける、
女提督は大きく息をつく。
女提督「陽炎ちゃん?だっけ?」
不知火「はい?私と同じ学校の同期ですが?」
女提督は次のタバコを吸う。白煙混じりの溜め息をつく。
女提督「存在しないんだよ…」
不知火「えっ?」
女提督「…陽炎型駆逐艦一番艦の陽炎なんて娘はもうこの世に存在しないんだ。それどころか君の言っている艦娘の育成学校なんてモノも存在しない。」
不知火「……」
女提督「全て君の幻想だ。」
不知火は勢いよく部屋を飛び出た。
不知火「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
そんなはずがあるわけがない、そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほどどんどんと不安は大きくなってゆく。
不知火「そんな…嘘だ…だって…陽炎は…」
思い出そうとすればするほど記憶が曖昧になってゆく。どんな声だっけ?どんな髪だっけ?どんな性格だっけ?…陽炎ってだれだっけ?
不知火「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
不知火はがむしゃらに走っていった。
不知火「……ッ?!」
不知火「…夢か…」
不知火(陽炎が死ぬ夢…それも腕を無くして、私がとどめを…?私が陽炎を殺した?血まみれで…?なんでこんな夢…)
不知火は体を起こそうとする。
不知火「?!冷たい!」
不知火「…いつのまに海に来てたの…?」
不知火の足には偽装がつけられていた、よほどの速度を出したのだろうか、不知火の身体のいたるとこに打撲があった。
不知火「不知火はどこまで来てしまったのでしょう?」
不知火(どこを見ても水平線ばかり…まいりました…)
不知火「ん?あれは?」
不知火の視界の先には黒い点が一つあった。
不知火「おーい!ここです〜!もしもし〜!」
不知火「…返事がない…」
不知火「おー…」
不知火の視界がぼやける、足元がふらつき艤装は推力を失いズブズブと足が水に沈んでゆく。
不知火(…え?…体が…何が…倒れ…)
<ドシャ
不知火の視界が紅に染まる、少し遅れて腹部と頭部に刺すような痛みが襲う。
不知火(痛い……撃たれた?誰に…)
不知火の周りがジワジワと朱混じりの海水になっていく。
大きな音を立てて原因の主が現れる。
不知火(…黒い…艤装…深海棲艦…か…)
不知火(逃げなきゃ…でも…体が…力が入らない…)
徐々に音は大きくなってゆく。
不知火(ダメ…か…陽炎いま…逝くよ…)
<グチャ
ーーーーーーーーーーーーーーー
〜執務室〜
女提督「……」
女提督は執務室の椅子に座りタバコを吸って資料に目を通している。
執務室の真ん中には棺桶が一つ置かれている。
神通「今回の件は…」
女提督「…言うな…仕方がない…」
赤城「……」
<ガチャ
長門「おい!提督!不知火は!」
長門が息を上げて大声で提督に問う。
女提督は黙って首を横に振る。
長門「クソッ!クソッ!仲間一人守れなくて何がビックセブンだ!クソオオオオ!」
長門は悔しそうに壁を叩く。
叢雲「……」
赤城「珍しいですね…お酒飲んでないんですね…長門さん…ヒヒッ」
長門「…なんだと?貴様?まさかお前こんな時でもヤクを?」
長門が赤城の胸ぐらを思い切りつかむそのまま壁に叩き付ける。
赤城「ガッ?!」
長門「こんな時に飲めるか馬鹿者!この屑野郎!」
叢雲「やめなさいよ馬鹿らしい…」
女提督「叢雲の言う通りよやめなさい二人とも…」
長門「チッ!」
赤城「ゲッホ!ゲホゲホ!オエ!」
女提督「…すまない不知火…本当にすまない…」
女提督はタバコを握り潰し涙を流す。
皆の視線が棺桶に集まる執務室が恐ろしい程に静まる。
<ガチャ
不知火「なんですかこれ?」
叢雲「……ブッ!ンハハ!アハハハ!」
神通「……む、叢雲さん笑っては…クスクス…」
赤城「ヒヒッ!ハハハハ!もう無理!笑うなってのが無理!はぁ〜お腹痛い!」
長門「ダハハ!」
女提督「名付けて『不知火が死んじゃった』ゴッコだ!」
不知火「悪趣味ですよ…」
身体中に包帯を巻いた不知火はそういう。
不知火「迷惑かけたのは謝ります。まぁ助けていただいてありがとうございます。」
不知火「それであの後どうなったんですか?誰が私を助けてくれたんで?」
一同「…」
女提督「さて仕事しろ、不知火は寝ろ、寝て直せ。以上解散。」
不知火「えっ?」
不知火「結局誰が助けてくれたんですか?!教えてくださいよ!」
長門「出てくぞー」
長門は不知火を担いで執務室の外へ運ぶ。
赤城「私じゃないですよ?海外輸入の新物試してたんで。」
神通「私は買い物へ…」
長門「私はトレーニングを」
叢雲「ゴミ掃除を。」
不知火「え?嘘言わないで下さいよ!」
長門「嘘言ってどうすんだよ…」
不知火「…じゃあ…誰が?」
叢雲「提督じゃない?」
不知火「そんな!辺り一面水平線しかないぐらいの場所だったんですよ?!普通の人間じゃ無理ですよ!」
神通「普通の人間ね…フフフ…」
不知火「えっ?」
叢雲「ホラ準備して!遠征なり買い物なり武器の手入れなり忙しいんだからもうその話は終わり!」
叢雲がいい終えると同時に放送が流れる。
≪明日は新人が来るから準備しといてねー≫
赤城「また新人ですか…」
長門「ここ最近多いな…」
神通「不知火さんといい…そうですね。」
叢雲「また忙しくなるわね…」
不知火「ちょっと!意地悪しないでおしえてくださいよ!」
叢雲「無理すると怪我の治りが遅くなるわよ?」
不知火「ちょ?!歩くの早いですよ!待って下さい!」
五人は長い廊下を談笑しながら歩いていった。
二人の男が車を運転している、
「…こいつ危険じゃ無いのか?」
「危険は危険だが物理的な危険では無いと聞いているが?」
「物理的なって…他の部分で危険があるには変わり無いじゃないか!」
「おいおい、私に怒鳴ってどうするんだ?私にはどうしようもないじゃあないか、それともなんだ?一輸送兵である私にこの『積荷』をどうにかしろと?」
「…それは…ん?あれは?」
「見えたな、到着だ。よかったなやっと『積荷』が下ろせるぞ。」
「ふぅー…長かった…俺はもうこんな仕事やらんぞ!」
「私も同感だ。」
男たちは車から積荷を下ろす準備に入る。
今日もどこかで確実に命が失われている、それが艦娘か深海棲艦の違いだけであるが。
太平洋に面した日本のどこかにレンガ造りの鎮守府らしきものがある。
正確にはここは鎮守府ではない、限りなく鎮守府の形を模した民間の軍事企業である。
主な仕事は戦闘などによる肉体的及び心的障害を受けた艦娘を、再び前線に戻す手助けをすることである。しかしある程度の艦娘が所属しているため独断での作戦行動もある程度認可されている。
女提督「って言うのが建前ね。」
不知火「はい?建前ってどう言う…?」
女提督「そうだね…」
女提督は腕を組み考え込む、パチンと指を鳴らすと多少前のめりになり
女提督「陸と海が仲が悪いのは知ってるよね?」
不知火「軍の話ですよね?ええまぁ…」
女提督「それは結構、陸さんは海さんと仲が悪い、でも陸さんは海さんの新兵器『艦娘』がどーしても!どーしても気になっちゃたの。」
女提督「でも海さんに教えてくださいと言えないの、クソみたいなプライドがあるからね。じゃ「新兵器」を調べるためにはどうしようか?」
不知火「やっぱり素直に教えて貰うべきですよ、同じ国なんですし…」
女提督「不正解」
赤城「海軍から資料を盗みましょう。」
女提督「不正解、晩飯抜き」
赤城(ふざけるんじゃなかった…)
長門「ハハ!馬鹿者め!共に酒を飲み語り合えば解り合えるに違いないだろうが!」
叢雲「馬鹿はあんたよアル中脳筋馬鹿。」
女提督「酒一週間禁止ね。」
長門「なっ?!」
神通「脅して聴き出しましょう。」
女提督「ふざけると提督は神通ちゃんのこと嫌いになっちゃうぞ?」
神通「oh…それは嫌ですね…」
不知火(脅すって…神通さん…怖すぎる…)
加賀「普通にスパイでも送り込めばいいのではないでしょうか?国内でスパイって滑稽ですけど。」
女提督「加賀くんせいかーい!」
加賀「まぁでしょうね。」
不知火「加賀さん正解なんて、凄いですね!」
加賀「いやぁ////やめてくださいい先輩〜////恥ずかしいです////」
叢雲(凄い豹変ぶりだこと…)
不知火「でもなんでそんな話?」
女提督は椅子から立ち上りそのままゆっくりと不知火たちの周りを歩いて周る。
女提督「この鎮守府もどきって実は陸軍軍属なんだよね。要は海軍に送り込まれた陸軍のスパイが私って訳ね。」
女提督がそう言い放つと執務室には重苦しい空気が流れる。
女提督「ちなみに先日の鎮守府を襲撃したのは陸軍上層部からの命令だよ。」
加賀「ちなみにどんな命令だったんですか?」
女提督「艦娘の個人的な使用及び殺害を行う提督の抹殺だったかな?」
女提督「この鎮守府の説明はこのぐらいで十分かな?」
不知火「はぁ…まぁ…」
不知火の曖昧な返事は電話の音で掻き消される。
女提督「はいもしもし?いつもの?わかった、いつ?…もういる?!そういう大事なことは先言ってよね…?わかった今向かうから。」
赤城「誰です?」
女提督「新顔よ。」
赤城「どんな子ですかね?」
女提督「それを見にいくのでしょうて赤城さん?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
?「ちょっとまだ待たせるの?せめて手錠ぐらい外してくれてもいんじゃない?」
「うるさいぞ!黙って待ってろ!」
?「こっわーい、そんなに怒らなくてもいいじゃーん?」
「そうだぞ熱くなり過ぎだ、少し落ち着け。」
?「おっ?そっちのキミはなかなかわかってるっぽいじゃん?」
「それはどうも。」
?「釣れないねぇ…」
女提督「お待たせ〜。」
「遅いですよ!」
女提督「ごめんごめん、話し込んじゃって…」
「まぁいい、『積荷』の引き渡しを行う。」
?「やっと出られたよ〜狭い車だったねー、手錠も痛かったなぁ〜…」
女提督「随分かわいい積荷だこと。」
?「あんたが今度の提督?女なの〜?」
女提督「御不満かな鈴谷ちゃん?」
鈴谷「鈴谷オンナにはきょーみないんで〜。」
神通「提督に舐めた口聞いてんじゃねーよ…」ボソッ
鈴谷「は?なにその態度気に入らないねぇ〜鈴谷あんたの嫌いかも。」
神通「気が合いますね。私もです。」
女提督「仲が良くて結構、話はとりあえず中にはいってからにしましょ。」
「それじゃ我々はこれで。」
女提督「お疲れ。」
女提督「ほら鎮守府案内するからついておいで〜鈴谷ちゃん。」
鈴谷「ちゃんってキモいからやめてくれる?」
女提督「えー!ショックだな〜。」
神通「あ゛?…提督私も案内に付き合いますよ。」
女提督「よろしくね〜」
不知火「凄い方が来ましたね。」
赤城「神通に喧嘩売る奴なんて珍しいですね…」
長門「まぁ元気があっていいのじゃないか?」
叢雲「…そう、なにもなければそれが一番なのだけれどねぇ…」
加賀「高圧的な態度は頭にきますね…」
女提督「仕事しろー仕事!」
叢雲「解散するわよー」
皆は気だるそうに返事を返す、別々の作業を始めるべく行動を始める。
不知火(鈴谷…また凄い方が…大変そうだなぁ…)
不知火は大きくため息をつく。
登場艦娘リクエスト募集
※お気に入りの子が酷い扱いを受ける場合が非常に高い確率であります、キャラ崩壊もひどいですそれでもおkなら。
評価、応援ありがとうございます。
コメントがあるとモチベーション上がって投稿ペースも上がります。よろしかったらコメントオナシャス!
ドーモ=林田です。今回もまた一悶着ありそうな鎮守府で楽しみです!続きも頑張ってくださいww
これは何が起こるのか楽しみです。
頑張ってください!
頑張って続きを書いてください。
ワァオ、まさかの不知火が妄想癖だったなんて...
あ、登場艦娘は鈴谷でお願いします♪
私の嫁艦です♪
天龍と龍田のペアをお願いします。
何か戦闘狂みたいな感じがいいです。
続き、待ってます。
不知火ってサプレッサー付きSMGとか使いそう(錯乱)
中二病乙って感じ。アニメの影響を受けすぎた中学生が書いているのかな?必要の無いグロ描写とかキャラのぶっ壊れ具合が何とも中二病過ぎて香ばしい。もっと書きようがあると思うよ。
でも嫌いじゃない。