松風「よくプリン一つで腹を立てるなんて話を聞くけどさ」
姉貴朝風
駆逐艦の練度は99です
松風「一体どうしてプリンなんだろうね」
朝風「そうね」
松風「そもそもプリンなんて今や珍しくもないし、自分で作ろうと思えば作れるじゃないか」
朝風「そうね」
松風「だからプリン一つで腹立てるなんてことはナンセンスなのさ」
朝風「そうかもしれないわね」
松風「つまりさ姉貴、そんな怖い顔をしなくたって別にいいんじゃなかってことさ」
朝風「あら、私は別にそんな怖い顔はしてないわよ」
「松風が勝手に私の今の表情を怖いって言ってるだけよ」
松風「今の姉貴の顔を見たら誰だって怖いと思うね」
朝風「わかったわ、今は私の顔が怖いということにしておきましょう」
「仮に怖い顔になっているとして、松風にはその理由に心当たりがあるんじゃないかしら」
松風「そりゃ姉貴のプリンを食べてしまったことかな」
朝風「あーもー、わかってんじゃない!」
松風「他に心当たりがないからな」
朝風「なんでちょっと得意気なのよ!遠征から帰ってきたら食べようと思ってたのに!」
松風「僕も遠征から帰ってきてちょっと小腹が空いてしまって」
朝風「あんたは私と入れ替わりの予定だったからまだ遠征に行ってないじゃない!」
松風「遠征に行ってないけど小腹が空いてしまって」
朝風「言い直さなくていいわよ!」
「あー、もうプリンなんていいわよ、あんたとやり合うの疲れちゃった」
松風「姉貴さあ、このプリンが姉貴のプリンじゃないってことは思わなかったの?」
朝風「思わないわよ、遠征行く前には一つしかなかったしあんた普段甘いものの買い置きなんてしないじゃない」
松風「そう言うと思ってたよ、姉貴、これを見てくれ」
朝風「なによ…ってこれプリン?私の?」
松風「そうだよ、姉貴のプリンだ。さっき僕が食べたのは僕が買ってきたプリンだ」
朝風「???」
「ちょっと待って、意味が分からないんだけど」
松風「つまり僕が食べたプリンは僕のプリンで全部姉貴の早とちりだったってわけさ」
朝風「そうじゃなくて、なんでこんなことをしたかってことよ」
松風「ああ、そっちか、姉貴がどんな反応をするのかちょっと見たくてね」
朝風「なんでそんな悪趣味なことをしたのよ?大方予想通りだったんでしょ」
松風「なんていうかな、最近遠征に行くこともめっきり減って少し退屈だったんだ。姉貴と一緒の編成になることも全然ないし」
朝風「だからといってこういうのははっきり言って不愉快だわ」
松風「すまない」
朝風「『ごめんなさい』よ」
松風「ごめんなさい」
朝風「あーあ、なんかもうプリンって気分じゃなくなっちゃったから間宮に行ってこようかしら」
「だからさ松風、あんたも付き合いなさい」
クリーム白玉あんみつ
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