提督と○○11
提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です
注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです、そう言うのがダメな人は気をつけて下さい
艦娘達は提督の見てるアニメやら何やらに影響されて妙な事をやりだすかもしれません
今回は戦闘シーンあり
提督が海上で普通に立って歩いてたりもします
SSにしては長いかもです、お忙しい方はご注意を
11回めになりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね
設定とか少し
提督:髪長い・軍服の上から着物羽織ってる
土地神様・まあ色々できる:主兵装:刀
皐月:提督LOVE★x10
秘書艦:主兵装12・7cm連装砲B型改2・4連装酸素魚雷・33号水上電探・etc
睦月:提督LOVE★x7
遠征要員:主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・ドラム缶・etc
如月:提督LOVE★x10
遠征要員:主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・ドラム缶・etc
弥生:提督LOVE★x5
対潜艦:主兵装:三式水中探信儀・九三式水中聴音機・三式爆雷・二二号水上電探改・etc
卯月:提督LOVE★x6
防空艦:主兵装:10cm高角砲+高射装置・12cm30連装噴進砲・13号対空電探改・etc
文月:提督LOVE★x6
いーじす艦(かり・主兵装:33号水上電探・13号対空電探改・三式水中探信儀・九三式水中聴音機・etc
長月:提督LOVE★x7
重雷装駆逐艦・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・五連装(酸素)魚雷・33号水上電探・etc
菊月:提督LOVE★6
砲戦型・主兵装:12・7cm連装砲★10・33号水上電探・etc
三日月:提督LOVE★x9
夜戦要員・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・探照灯・照明弾・etc
望月:提督LOVE★x10
夜戦要員・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・探照灯・照明弾・etc
金剛:提督LOVE★x9
高速戦艦・主兵装:46cm三連装砲・46cm三連装砲・徹甲弾・3式弾・32号水上電探・etc
球磨:提督LOVE★x10
火力馬鹿・主兵装::20.3cm(3号)砲・15.5cm三連装副砲・4連装酸素魚雷・32号水上電探・水上観測機・etc
多摩:提督LOVE★x5
防空巡洋艦(元・主兵装:15.2cm連装砲・8cm高角砲・3連装酸素魚雷・14号対空電探・水上観測機・etc
木曾:提督LOVE★x7
重雷装艦(汎用・主兵装:15.5cm三連装副砲・五連装(酸素)魚雷・甲標的・etc
北上:提督LOVE★x8
重雷装艦(ガン積み・主兵装:五連装(酸素)魚雷・艦首(酸素)魚雷・甲標的・etc
大井:提督LOVE★x7
重雷装艦(ガン積み・主兵装:五連装(酸素)魚雷・艦首(酸素)魚雷・甲標的・etc
夕張:提督LOVE★x5
でっかい駆逐艦・主兵装:3式探信儀・3式爆雷・25mm三連装機銃・14号対空電探・etc
瑞鳳:提督LOVE★x6
軽空母・主兵装:彗星12型・流星改・烈風・彩雲・etc
それではこの番組は
睦月「睦月の出番だしっ」(きらーん
卯月「自分の回なのに良いとこ無かった娘もいるぴょん」(うぷぷぷぷ
瑞鳳「誰のことかなぁ…」
弥生「落ち着いて、瑞鳳さん…まだ誰とは言ってないから」
北上「大丈夫っあざとさに関しては一番だった」(ぐっ
大井「それ、だめじゃないの…」
球磨「練度低いのにいきなり大活躍でもそれはそれで不味いクマ」
多摩「問題は…提督がさり気なく瑞鳳のノー戦果状態が気に入ってるってこと にゃ」
文月「やったね木曾さん仲間が増えるよっ」
木曾「おいやめろっ」
如月「そうは言うけど、木曾さんもやられ役よね、今」
長月「言ってやるなよ…」
菊月「ここから大逆転するのがカッコイイんだろう?」
金剛「Fightデス、キッソー」
皐月「映ってないだけで、木曾さんだってちゃんと強いんだから、ね?」
望月「皐月は誰に言い訳してるのか」
三日月「あはははは…」
夕張「…(良かった、演習とは言え球磨さんとタイマン出来て)」
睦月「もーっ、睦月の話するしーっ!」
提督「そいじゃ、始まりまーす」
↑後「提督と卯月」
ー朝ー執務室ー
睦月「ねー、提督もう朝だよー?」
東から昇ったお日様がいい感じに垂直に向かっていく
巳が牛に変われば昼と言っても差し支えない頃
睦月が提督を起こそうと頑張って体を揺すっては見たものの一向に起きる気配なんて無かった
提督「…睦月、うるさい」
睦月「ひどいっ」
それどころか罵倒される始末
睦月「朝になったら起こせって言ったの提督だよーねーねーねーっ」
提督「あのなぁ…朝っていうのは窓からお日様が見える頃のことを…」
睦月「それは違うしっ」
注※執務室の窓は西側です
提督「ちがわない」
睦月「ちがうしっ」
なんて、しばらく違うだとか違わないだとかリピートアフターミーを繰り返す
提督「ちがう」
睦月「ちがわないしっ…あ」
提督「認めたな」
さっきから「違わない」と否定の言葉を返していた提督が、「違う」と肯定の言葉を差し込んでみれば
テンポに流された睦月の口から否定の言葉が流れでた
それを確認するや否や布団をかぶり直し再び睡眠モードに移行する提督
睦月「もーもーもーもーっ」
自棄になった睦月が提督の布団を引剥がそうと試みる
提督「ぁぁぁぁ、もぅ…ふんっ」
睦月「ほへっ」
睦月が引っ張っている布団を引き返して見れば
綱引きなんて事が起こる前に、睦月の軽い体が提督の方に引き寄せられる
バランスを崩して睦月が提督の方へ倒れこむ、傍から見れば提督に抱きついたようにも見えたろうか
睦月「むぅぅぅ!」
提督「はぁ、少しは静かになった…おやすみ…」
ちょうど提督の胸の辺りに乗っかった睦月の頭を抱きまくら宜しく提督が抱きしめる
睦月「ぅぅぅぅぅっ」
提督「zzzzz」
布団と提督の腕に顔が挟まれて上手く声が出せない
逃れようにも寝てるくせにガッチリと抱きしめられて動けない
最後の抵抗とばかりに足をバタつかせて見るも、直ぐに提督の足が絡まってどうしようもなくなる
とくん…
睦月の耳に鼓動の音が届く
静かな執務室に提督と2人
諦めて抵抗をやめてみれば布団越しからでもはっきりと聞こえてきた
とくん…
睦月「…(あったかい)」
一定のリズムで刻み続ける提督の鼓動、規則正しい寝息
春先とはいえまだ肌寒さが残る朝の空気は提督の体温を殊更に実感させる
とくん…
瞼が重い、眼を開けているのも面倒になる…
視界が霞む、まどろんでいく…
気がつけば寝息は2つに増えていた
ー同刻ー三日月と望月の部屋ー
三日月「さむ…」
カーテンが締め切られて薄暗い部屋の中
肌寒さに縮こまった体に意識が呼び戻される
三日月「…望月」
明朝、寝る前には確かに被っていた布団が無かった
別に泥棒に入られたとか三日月の寝相が悪い、なんてことは無く
答えはすぐ隣、一緒に寝ていたはずの望月だった
三日月の分の布団まで引き込み気持ちよさそうに丸まっている
三日月「…もぅ」
横になったまま望月の顔をぼーっと眺める三日月
あんまり幸せそうな寝顔に起こる気も何処かに行ってしまった
三日月「風邪引いたらどうするの…」
ちょんっと望月のほっぺを突いてみるも、起きる気配はなかった
ふと、時計を見る。時刻はだいたい巳が這いまわり出しそうな時間だった
起きるのにはまだ早い感じもする…
布団は取られたまま…
取り返しても良いんだけれど…
三日月「…ん、おじゃましまーす」
望月の布団の中に入り込む、ほんとは自分のなんだけど
布団の中は望月の体温で程よい温度になっていた
ー望月の匂いがするー
なんてこっ恥ずかしい台詞も浮かびはしたけれど、それも次第に微睡みに溶けていった
ー同刻ー食堂ー
皐月「はぁ…どうしよっかなぁ」
お茶を飲みながら皐月がサンドイッチを摘んでいる皐月
如月「「睦月に秘書艦取られて皐月さびしー」見たいな?」
からかうように猫なで声を出す如月
皐月「別にそんな事…」
如月「0では無いでしょう?」
皐月「…それは、まあ」
実際のところ急に手が空いて手持ち無沙汰なのは確かだった
皐月「そういう如月はどうなのさ?」
如月「私?私は、そうねぇ…」
如月が手元のコーヒーを飲む
如月「朝起きて、あの人にお早うって言って。夜寝る前にあの人にお休みなさいって言うの…
それが出来るだけでも幸せよ?」
後は戦いなんて終って2人で静かな海でも眺めて入れればもっと素敵なんだけれど
そこまでは口に出さずに笑顔を皐月に向けた
皐月「むぅ…如月よくそういうこと言えるよね」
何故か皐月の方が赤くなっていた
如月「それはだって…」
球磨「提督のことを愛しますから、クマ?」
如月「あら、取られちゃった」
如月の言葉を遮って球磨が割り込んだ
オレンジジュースにストローを突っ込んで ブクブクと息を吹き込んで遊んでた
如月「ちなみに球磨はどうなのかしら?」
球磨「クマ?」
コップを賑わせていた泡が止まる
球磨「別に、どうとも思わぬクマ」
皐月「さ、さめてるね…(もう少し仲が良いのかと思ってたけど)」
球磨「ただ…」
言葉を繋げる前にオレンジジュースを一気に吸い込む
球磨「あんなんでも身内クマ。何処で何してようが構わんけど
死んでもらっては困るクマ、死なせるつもりもないクマ」
だから球磨が護ってやるって、ようはそういう事らしい
皐月「二人とも…かなり筋金入ってる?」
身内って下手をすれば恋人なんかより好意判定上なんじゃなかろうかと
如月「皐月も、いちいち照れてたらまた、からかわれるわよ?司令官に」
球磨「クマ。あれは、好きなこのスカートを捲って喜ぶタイプ クマ」
如月「あ、やっぱり球磨さんもそう思うのね」
球磨「当然クマ。まったく球磨の回りは子供ばかりで手がかかるクマ」
如月「頼りにしてるわよ?球磨姉さん?」
球磨「仕方ないクマ、まかせるクマ」
球磨に微笑みかける如月と
飲み干したオレンジジュースに残っていた氷をバリバリ食べ始める球磨だった
ーお昼ー鎮守府廊下ー
提督「睦月よー…」
睦月「睦月のせいにしないで欲しいしっ」
提督「私より後に起きたくせに」
睦月「うぐっ…アレは提督が…」
提督「提督のせいにしないで欲しいし」
睦月「まねするなーっ」
あれから提督が目を覚ましたのが丁度お昼前
気がつけば睦月が人の胸の上でぐーぐー眠っていた
提督「…(夜這いにでも来たのかこいつは)」
なんて考えたけれど。意識がはっきりするにつれ、自分が羽交い締めにしてたの思い出す
その後、健康的で生理的な空腹に気付き、睦月を起こして食堂に向かってるのが今
金剛「お、提督デース♪」
文月「金剛さんすとーっぷ」
廊下の先を歩いている提督を発見し駆け出そうする金剛
それを文月が服のすそを ちょんっと引いて引き止めた
金剛「Why?何故デース?」
文月「今はやめた方が良いかなーって?」
金剛「??」
何かを察した文月と
合点の行かない金剛さん
長月「ああ、あの日か」
文月「うん、たぶん」
金剛「???」
長月「ちょうどいいのが来た。金剛、ちょっと見てろ…」
長月達の視線の先…提督と睦月…そして
卯月「しれぇいかぁんにぃ~、突撃!」
提督「はぁ…睦月」
睦月「まかせるしっ」
卯月が提督に飛び込む
卯月の指先が提督に届くその一つ前に睦月が割り込んだ
睦月「笑止!」
卯月「へ?」
くるりんっと卯月の視界が反転する
提督の姿は消え、背中から全身に走った衝撃が抜ける頃になってやっと自分が天井を向いてるのだと理解した
長月「な?」
ああやっぱりって顔の長月と文月
金剛「あ、あの技は…」
驚きの表情で金剛がみていた
長月「…知っているのか、金剛?」
金剛「Yes.あれは、睦月型にのみ伝わると言われる伝説のCQC…その名も…」
文月「…」(←初めて聞いた顔
そこまで口にして金剛の動きが止まる
勿体ぶってるのかと思いきや、それにしては長すぎる間だった
気になって長月が金剛の顔を見上げてみれば…なんか固まっていた
長月「金剛…ボケるなら最後までやりきれ…」
金剛「sorry.完全に見切り発車デース…」
しゅん…と反省の色を見せる金剛さん
不意に、その服の裾が引っ張られる
菊月「金剛、金剛…」(きらきらきら
金剛「菊月?」
長月「ぁぁぁぁ…」
文月「あははは、ちょーちゃんがんばっ」
長月「その呼び方やめろ」
菊月が輝いていた
長月がしんなり していた
文月が笑っていた
菊月「その、CQCは私にも使えるのだろうかっ」
金剛「え、えーと…それはその」
菊月「ダメ、なのか…」
ものすんごい期待の眼差しを向けられ
冗談とはいえずに言い淀んでいれば
途端しゅん…とし始める菊月
金剛「の、のーぷれぶれーむ。元ぐりーんべれーの金剛にまかせるでーす…」(←やっちまったって顔
菊月「おおっ、じゃーじゃー私はっ」(←尊敬と期待の眼差し
金剛「手始めに菊月にはレッドキャップをさし上げるデース」
どこから取り出したのか、金剛が緑と赤い帽子を手にしていた
そして、緑の帽子を自分の頭に、菊月には赤いぼうしを被せてあげる
その帽子の角度を直し長月に振り返る菊月
菊月「どうだっ」(きらんっ
長月「…かっこいいな…すてきだな…」
菊月「そうかっ」(←満足そう
もう、何処からつっこんでいいか分からなくなってる長月だった
文月「じゃあねぇ、私は…」
ごそごそと文月が ぽっけから何かを取り出す
取り出したそれを広げて見れば黄色の帽子
文月「いえろーは。と。って事で★ミ」
金剛「oh.文月、VeryCuteネー」
面白がってる文月だった
緑・黄・赤…3人並んでみれば何か信号機みたいだった
長月「…帽子屋、とか名乗る気かお前らは…」(←眉間に指を当ててる
金剛「Hatter?」
文月「アリスかな?」
菊月「まっどはったーか…悪くないな」
金剛「OK。それでは今日の警備はこのメンバーで行くデース♪」
文・菊「はーい(おー」
2人が手を上げてそれに応えた
金剛「長月、提督に申請よろしくデース」
長月「あ、ぁぁ…もう、好きにしてくれ」
2人の手を引いて歩いて行く金剛の背中を見送る長月
長月「私がおかしいのか…そんなこと、ないよな?」
独り言が長い廊下に溶けていく
ー
提督「ん、睦月よくやった」
提督が睦月の頭をわしわしと撫でる
睦月「にひひひ、もっと褒めてもいいんだよ?」
提督「はいはい」
適当に睦月の頭を撫で回してみれば 睦月が嬉しそうにしていた
提督「さて、気分はどうかな卯月?」
卯月「最悪、ぴょん。背中痛いぴょん」
しゃがみ込み、卯月の顔を上から覗きこむ提督
下からは恨みがましい視線が返って来た
提督「そうか、しかし私は楽しいぞ?これからのことを考えれば…」
卯月「な、何をする気ぴょん」
卯月の問には答えずに
ニヤリと笑みを浮かべた提督の手が卯月のスカートに伸びる
そして、ぴらりと捲られた
卯月「きゃーっ!?何するぴょんっ!」
提督「何って、ねぇ?」(←ぴらぴら
卯月「めくってんじゃねーぴょんっ!?」
羞恥に駆られて卯月がジタバタと暴れだす
位置的には提督の視線から中までは見えはしないだろうけど
だからといえ、人前でスカート捲くられて平気なほど羞恥心はかなぐり捨てられてはいなかったらしい
ただいくら暴れても睦月にガッチリ抑えられて起き上がれないでいた
弥生「司令官…おはようございます」
提督「ああ、おはよう弥生」
お昼過ぎてきてるってのにお早うございますとは
生態がバレてるのかと思わなくもない提督だった
提督「ねーねーやよやよ?」
弥生「?」
提督「何色?」
弥生「…」
ピラリと捲られるスカート
一瞬、考えこむ素振りを見せる弥生だったが、覗きこむように腰を下ろす
弥生「薄いピンク、かな?レースとかついてかわいい感じ、うん素敵」
特に聞いてもない造形まで教えてくれた、感想付きで
卯月「やーよーいーっ!何を答えてるぴょんっ!いいから助けるぴょんっ!」
弥生「どうせ、卯月が余計なことしたんでしょ?」
卯月「まだしてないぴょん、未遂ぴょん」
弥生「…はぁ」
ない胸を張って答える卯月
弥生の口からため息がもれた
弥生「睦月、後は引き取るから…」
睦月「提督?」
「いいの?」って言いたげに睦月が見上げてきたので頷いて返す提督
弥生「それじゃあ、失礼しました。行くよ、卯月」
卯月「ねーやよやよ、うーちゃん、ふつうにあるけるぴょん?ねー…ねー?」
ぺこりと頭を下げ卯月の両足を抱えて引きずっていく弥生
提督「懲りねぇなぁ…」
睦月「にしししし…」
苦笑いの2人が廊下の角に消えていく弥生達を見送っていた
ー食堂ー
瑞鳳「あ、提督。お早うございます」
提督「ああ、おはよ瑞鳳」
提督は昼まで寝てるのは常識なのかと、問いたくなる
瑞鳳「今からお昼?」
提督「まあねぇ」
瑞鳳の手には大きめの皿。そしてその上には黄金色に輝く玉子焼きがいい匂いを漂わせていた
瑞鳳「よかったら、たべる?」
提督「お、今日は噛まなかったな」
瑞鳳「忘れなさいよっ!」
瑞鳳が玉子焼きを摘んで提督の口に押し込んだ
提督「むぐぅ…ん、うまいうまい」(もぐもぐ
睦月「あー…」
瑞鳳「む、睦月?」
なんか睦月が変な声を出していた
提督「瑞鳳…もう一個貰える?」
瑞鳳「ん?良いけれど…」
提督「睦月睦月」
提督が指先を玉子焼きを示してみれば
睦月の顔に笑顔が咲いた
睦月が玉子焼きを一つ摘むと提督の口元に手を伸ばす
提督「…」(にやにや
睦月「…」(むぅ
が、届かない。というより提督が体を引き地味にして位置調整をしていた
押し込もうと頑張ってはみるものの唇の先に玉子焼きの先端が引っかかるかどうかと言った具合だった
睦月「ていとくぅ…」
提督「ほら、がんばって、もうちょっとだから…」
言いながら睦月の頭に手を伸ばし撫でてみる、と見せかけて軽く抑えこんでいた
瑞鳳「…(子供か、こいつは)」
素直な感想だった
瑞鳳「食べ物で遊ぶなってのっ」
見かねた瑞鳳が提督の頭を はたく
その衝撃で、玉子焼きと提督との距離が0からーになり口の中に押し込まれた
もぐもぐ…ごっくん
提督「痛いよ、瑞鳳」
瑞鳳「うるさい、バカ」
ー
夕張「なに、あれ?」
食事中だった夕張の手が止まり睦月達の寸劇を見ていた
北上「睦月は寂しくなるとついやっちゃうんだ」(←豚のしょうが焼き(大井作
夕張「なに、それ?」(←焼さば定食
大井「ま、睦月の日ってやつよ」(←豚のしょうが焼き(大井作
いつもの事となれた風の2人
大井「明日には落ち着いてるからほっときなさいな」
夕張「え、えぇ…」
北上「提督が毎日ちゃんと構ってあげないからねぇ…」
多摩「提督にそんな甲斐性を期待するほうが間違ってるにゃ」(←親子丼
しみじみしてる北上さん
食べ終わった丼を端によっけて、お茶を飲みながら多摩が寛いでた
木曾「期待できねーから、ああやってアピールしてるんだろ?可愛いもんじゃねーか」(←オムライス
大井「そういう木曾さんは、柄にも無くオムライスなんて可愛さアピールでも狙ってるのかしら?」
木曾「けっ。そういうお前は女子力言う割に生姜焼きかよ、随分とワイルドじゃないか?」
大井「ちがっ、これは北上さんが食べたいって言うからっ」
木曾「ははっ。そう言う割に随分と肉が多いな?ああん?」
大井「…えいっ」
一瞬だった
大井が机の上のケッチャプのボトルを掴み、木曾のオムライスにハートの海域が描かれていた
蒸着だって完了しそうなほどの早業だった
大井「あら、可愛らしいこと」(おほほほ
木曾「…てめぇがやったんだろうがっ」(がおー
大井「しりませんわ、いつ?どこで?なんじなんふんかしら?」
木曾「上等だぁこらぁ、表出やがれっ」
大井「表なんて言わず今ここでしてあげてもいいのよ?」
卯月と喧嘩が出来るくらいには程度が低い2人だった
夕張「あ、球磨さん」
大井・木曾「!?」
2人の肩がビクンっ!と跳ねたかと思いきや
一瞬で居住まいを正し静かに食事を再開する…ふりをする
多摩「夕張、ナイスにゃ」
多摩のサムズアップ
北上「馴れたねぇ」
夕張「まぁねぇ…」
毎度の事だった
~回想~
~執務室~
睦月「睦月型一番艦、睦月です。よろしくお願いします、司令官…どの?」
敬礼をしてる睦月。その目の前には机に座ってる皐月と隣に如月
皐月「久しぶり、睦月」
睦月「うんっ、久しぶりだね皐月、如月も」
如月「ええ、おかえりなさい。睦月」
睦月「ふぉぉぉ…おかえりなさい、か。何かいい感じ、かも」
久々の再会に笑みを交わす3人
睦月「あの、それで…司令官殿は?」
きょろきょろと辺りを見回す睦月
皐月「あーそれね…」
如月「ふっふふ…」
呆れ顔の皐月と笑いを噛み殺してる如月
そして、笑いを堪えながら如月が指先を睦月の後ろに向ける
睦月「後ろ?」
振り返ってみれば自分が開けた扉。そこから伸びる廊下…
扉…一つだけ死角があった。開いた扉のその後ろは確かにまだ確認してはいないけれど
睦月「まさか…」
皐月たちに視線をおくってみれば
皐月が肩をすくめて返してくる
おそるおそる、開かれた扉に近づく…
ゆっくりと手を伸ばし扉を閉める
ぎぃぃっと普段では気にもならないような音が耳に付く
出口が狭まる
死角が開いていく
そして…逃げ道が塞がった
提督「…ばぁ」
睦月「ひっ…!?」
息を呑んだ、予想してたとは言え、なんでそんな所にいるのか意味が分からなかった
皐月「司令官さぁ…普通に顔合わせくらい出来ないの?」
如月「照れてるのよ、察して上げなさいな」
皐月「えー…」
睦月「し、しれいかんどのにおかれましてわごきげんうるわしゅう…」
如月「睦月は取り敢えず落ち着きましょうねぇ」
如月が睦月の側により 背中を撫でる
皐月「もぅ…。それじゃあ睦月には最初の仕事だよ」
睦月「あ、うん」
皐月「司令官と仲良くなって?」
睦月「へ?」
如月「私達はこれからちょっと出撃だから…」
提督・睦月「私を(睦月を)1人にするっていうのっ!?」
皐月…如月「…仲いいね(わねぇ」
完璧にハモっていた
球磨「二人ともーそろそろ行くクマー」
扉が開き球磨が顔をだす
その途端出口発見とばかりに提督が隙間に体を滑りこませた
球磨「どこいくクマ?」
がっちりと肩を掴まれる
提督「えと、お花摘み?」
球磨「花なら目の前に咲いてるクマ。戦場の華クマ、存分に愛でると良いクマ」
球磨に掴まれた肩が悲鳴をあげるように痛みだす
逆らえずにずるずる引きずられるとソファーに叩きこまれた
球磨「それじゃ、二人共さっさと行くクマ」
皐月・如月「はーい」
扉が閉まる出口が遠のく…
4+1-1-2
最後の残ったのは提督と睦月
睦月「そ、それじゃー、はりきってまいりましょー…」
空元気なりに睦月が気合をいれてみる
提督「がるるるるる…」
睦月「…(むりーっ)」
めっちゃ警戒されてた
~夜~鎮守府の屋根の上~
夜・草木も眠る少し前
三日月の弱々しい光が波間をわずかに照らす
ともすればどこまでも引きこまれて行きそうなほど深く広がる海
水平線には空と海の区切りなんて無く一面海に覆われてるとさえも錯覚出来そうだった
そんな中、時折光る点がちらほらと浮かんでは消える
遅れて小さくなってはいるが砲撃音が耳に届いていた
提督「…頑張るねぇ」
鎮守府の屋根の上に提督が座っていた
球磨「少しは馴れたクマ?」
提督「まったく、提督と艦娘を密室に押し込めるなんて、間違いが起きたらどーするのさ?」
執務室側の窓から球磨が身を乗り出し よっこいっせっと登ってきた
そして提督の隣に立つ
球磨「間違ってるのは提督のメンタル クマ」
提督「拭けば飛ぶ程度って自負はあるよ」
球磨「そんな自負さっさと捨てるクマ」
提督「なははは、自沈するぞこのやろう」
球磨「けっ、頼りにならん提督クマ」
提督「だからお前が…お前らがいるんだろう」
球磨「ふん…ものは言いようクマ」
口は悪いものの、これと言って嫌がってる風でもない感じだった
提督「で、どうよ?」
球磨「沸きつぶし位なら…って所クマ」
提督はなんか自力で、球磨はひっそりと飛ばしていた夜禎さんでもって戦況を観察していた
提督「沸き潰しねぇ」
球磨「「頑張って司令官殿に褒めてもらうにゃし」クマ」
提督「なに?変な声だして」
球磨「睦月がそう言ってたクマ」
提督「ふーん…褒めるってもなぁ…」
人から褒められたことなんて無い手前
どーしたら良いのやらと言った具合だった
球磨「…気の利いた言葉が浮かばないなら、頭でも撫でてやると良いクマ」
提督「そんなんでいいの?」
球磨「そんなんが良いクマ」
提督「球磨…」
提督が立ち上がり球磨に手を伸ばす
なでなでなで…
球磨「何やってるクマ…」
提督「撫でてる」
球磨「…ぬいぐるみじゃねークマ」
提督「その辺のぬいぐるみよりは可愛いと思う」
球磨「…」
ぱしんっと球磨が提督の手を弾く
が、それもすぐに球磨の頭に舞い戻った
球磨「…」
提督「…」
再度。しかし結果は同じ
球磨「クマ。クマクマ、クマクマクマクマァァァァ」
提督「うりゃ。うりゃうりゃ、うりゃりゃりゃりゃぁぁ」
弾いては撫でる、撫でては弾かれる
繰り返される度に加速していくやり取りは無意味な程ヒートアップしていった
如月「はいはい、二人共お茶が入ったわよー」
如月が窓から身を乗り出して、2人に声をかける
提督・球磨「今忙しい(クマ」
如月「あらあら、困ったわぁ」
ガチャリと、金属質な音を立て如月が主砲を握る
そして主砲を上に向け一発
2人が立っていた屋根。その淵の部分が弾け飛んだ
提督・球磨「おぅっ(クマっ」
2人の動きが止まる
如月「司令官、球磨。ハウス」
提督・球磨「はい…(クマ」
しつけられた犬にでも言うように戻れとのご命令だった
~鎮守府近海~
それからちょっとして
提督が睦月にも馴れてきてようやっと面と向かえる用になった頃
睦月「ねぇ、司令官殿。…勝手に出撃したらやっぱりマズくない?」
皐月たちが出撃した後こっそりと海に出てる2人
自分で動く気はさらさら無いのか、提督は睦月の肩に手を回し引きずられる様に曳航されていた
提督「バレなきゃ犯罪じゃないんだよ…」
睦月「犯罪って自覚はあるんだ…」
提督「デートだと思ってくれも良いのよ?」
睦月「そのドキドキはきっと背徳感だし…」
提督「なははは…じゃあ、このドキドキはどうかな」
睦月「むむっ」
急に提督の声音が真面目なものになる
遅れて何かに気付いた睦月が足を止めた
33号さん「ご両人デートは中断っすな」
睦月「デートじゃないしっ」
33号さん「はいはい、良い訳はあいつらをどうにかするか。逃げ切ってからな」
電探に感あり。2時方向に艦影
提督「軽巡と駆逐2,かな?」
睦月「…なんで見えてるし…」
提督「提督だからね、仕方ないね」
睦月「そんな、変人の代名詞みたいに言わなくても」
提督「それで?」
睦月「それでって…」
提督「逃げても良いし、もちろん戦ってもいい…」
どうする?と暗に聞いていた
睦月「司令官殿…」
提督「OK」
提督が睦月から離れる。だからって沈むことはなくその辺に ふよふよ浮いていた
33号さん「あたしゃぁ、アンタの体がどうなってるのかすんげーきになるよ」
提督「なはは、提督だからね。仕方ないね」
33号さん「まともな提督にあやまれ」
ー
提督「さて、勝てるかねぇ…」
飛び出していった睦月の背中を見送る
提督「勝率は…良くて5分か。皐月達は…ま、この分なら…戦闘が始まれば多分バレるだろうな」
言ってるそばから戦火が交わされていた
睦月「てぇえええ~い!!」
睦月が主砲を、突出して来た駆逐艦2隻に向ける
初弾は至近弾に留まるも、回避しようと2隻が横左右に別れた所に
逃げ道を塞ぐように魚雷を放つ
魚雷を避けようと再び舵を切ってみれば
隣の駆逐艦に接触し動きが止まった
後方の軽巡からも壁となり気持ちのいいほどに狙い時になる
睦月「主砲も魚雷もあるんだよっ!」
主砲を撃てるだけ撃ち込み同時に魚雷を発射する
敵駆逐の装甲が抉れては削れていく
何かがひしゃげる様な金属音が響き一隻の体が傾いていく
そこへ、到達した魚雷が炸裂し駆逐艦2隻を纏めて海の藻屑へと変えていった
睦月「およ?勝った?」
ー
提督「…(ま、近海の敵じゃこんなもんか)」
後は気を抜かなきゃ…なんて思ってた時期が提督にもありました
ー
33号さん「勝ってないっ!」
睦月「ふぁっ!?」
電探妖精さんが怒鳴りつけるも間に合わず
燃え落ちていく駆逐艦から吐出される煙に紛れて横にずれてきていた
軽巡の砲撃が直撃した
睦月「ちょ、睦月 装甲紙なんだけど…」
直ぐに状況を確認する
足はまだ動くし、幸い主砲も無事、魚雷発射管が片方やられてはいるけれど
その程度なら問題なく戦えそうではある…あと、一発直撃したら不味い気もするけど
睦月「私とした事が…」
回避運動を取りながら主砲で反撃を始める
あれだけ皐月に付き合ってもらったのにこの様では情けないったら
お互い牽制の様な砲撃を打ち合い
良くて至近弾な状況が2・3合交わされる
そこへ痺れを切らしたのか敵軽巡が進路を変えて睦月に接近してきた
睦月「そこっ」
進路が変わる瞬間、回避運動が甘くなったその一点を狙って睦月が主砲を放つ
吸い込まれるように砲弾が軽巡に直撃した
煙が上がり船体が傾いでいく…
睦月「この勝負睦月がもらったのです!」
残った魚雷をすべて叩き込んだ…
上がる水柱の中に軽巡が消えていく
睦月「はぁはぁ…勝った?」
33号さん「おぅ」
電探妖精さんのお墨付きだった
睦月「司令官殿!睦月かっ…へ?」
勝利を報告しようと睦月が振り返ろうとしたその一瞬
視界の端に雷跡が見える
振り返ろうとした体が固まりバランスが崩れる
その間にも雷跡が距離を詰め…
軽巡より遅れて10秒ほど再び水柱が上がった
ー
提督「…」
魚雷の爆発も収まり水煙が晴れる頃そこに提督が立っていた
提督「生きてるかぁー」
その胸元には睦月がすっぽり収まっている
睦月「へ、あ…うん」
どうやら状況を上手く飲み込めてないご様子
睦月「睦月…生きてる?」
提督「この状況で死んでるなら私と2人で天国だな」
魚雷が炸裂する直前。提督が睦月を引き寄せていたらしい
33号さん「あんた…何処から湧いた?」
提督「提督だからな」
33号さん「そうかい、まあ助かった」
提督「どういたしました」
電探妖精さんと他愛もない言葉をかわす
睦月「ふぇっ…ひぐっ…」
提督「ん、睦月?」
ふと胸元からすすり泣くような声が聞こえ視線を下げてみれば
睦月「うわぁぁぁんっ!」
睦月が堰を切ったかの様に一気に泣き出した
提督に抱きつき胸元に顔を埋めてひたすらに泣いていた
提督「お、おぅ…」
どうしたものかと分からずに
ただただ泣いている睦月の頭を撫でてるくらいしか出来なかった
皐月「司令官!こーの馬鹿!」
聞き慣れた声が聞こえて振り向いてみれば
黒い服を着た女の子、その長い金髪が陽の光をキラキラ照り返し輝いてさえ見えた
ついでに飛び蹴りの体勢だった
球磨「やめるクマ」
皐月「ぐえぇっ」
ざぼーんっと盛大に海に落ちる皐月
飛び出した瞬間に球磨に襟を引かれた結果だった
皐月「ちょっ、何すんのさぁ」
球磨「今突っ込んだら睦月まで巻き込むクマ」
皐月「あ、そっか」
提督「まるで私1人なら良かったような言い草な」
球磨「は?」
球磨ちゃんが怖かった
助けを求めるように隣にいた如月に視線を向けてみれば
如月「えー司令官。あなたには黙秘権と弁護士を呼ぶ権利が…」
球磨「そんなもんねークマ」
如月「だって、残念ね」
ニコっと向けられる笑顔。絶対笑ってない
なんてやってると、泣き疲れたのか睦月が寝息を立てていた…
球磨「ま、無事みたいだから良いクマ」
ただし、と球磨が付け加える
球磨「帰ったら殴るクマ」
如月「今日はおやつ抜きね、司令官は」
皐月「バカバカバカバカ」
睦月をお姫様抱っこしながら帰る道中
皐月にひたすら蹴られた、地味に痛いのが嫌になる
~回想終わり~
ー鎮守府近海ー
睦月が提督を曳航しながら海上を進んでいた
睦月「2人で出撃しちゃって良かったのかにゃ…」
提督「大丈夫怒られるときは一緒」
睦月「駄目だしっ」
しかしまあ、と
提督「こうやって2人で海を進んでると…」
睦月「デート見たい?」
提督「ま、それも良いけど。なんか昔の事思い出すねぇって」
睦月「何時のことかにゃー…」
なんか素知らぬふりをしはじめる睦月
提督「そりゃ、睦月がお兄様お兄様 言って私の後をついて回って…」
睦月「ほんとに何時だしっ!?」
提督「なははは、相変わらず良い反応だな」
くしゃくしゃと睦月の頭を撫でる提督
本当にいつだったか。お兄様では無いにしろ提督なんて呼び出したのは
33号さん「ご両人デートは中断っすよ」
電探妖精さんに声を掛けられて意識を戻す
提督「おやおや…」
睦月「よーし、それじゃー。睦月、張り切ってまいりまーす」
聞くまでもなく今回は気合十分らしい
提督「数は…」
睦月「軽巡と駆逐2だね」
提督「正解…じゃあ、頑張って?」
睦月「任せるしっ!」
勢い良く睦月が飛び出す
次第に小さくなっていくその背中を見送った
提督「頼もしくなったもので…」
睦月「ていとくー!ちゃんと勝てたら睦月のお願い聞いてねー!」
くるりと振り返った睦月が後ろ向きで器用に進みながら
大声で手を振っていた
提督「はいはい」
ー
深海側は駆逐艦を盾にする趣味でもあるのかと
突出して来た駆逐2隻を見て思う
睦月「睦月、砲雷撃戦始めるよっ」
睦月が右側の駆逐に主砲を撃ちこむ
至近弾…駆逐2隻が回避運動を取り2隻の間が開いていく
その奥の軽巡と一瞬目が合ったような気がした
今思えばこれ、駆逐2隻で挟み込んでどうこうする気だったのかと
33号さん「おいおい嬢ちゃんどこまで行くんだい?」
睦月「どこまでもっ!」
電探妖精さんに止められるのを無視して2隻の開いた間に突っ込んでいく
射線の開いた軽巡からの砲撃が飛んでくるも構わずに前進する
睦月「みえるっ睦月にも敵がみえるにゃしぃっ!」
すべて至近弾で交わし最短コースを最速で踏破する
敵駆逐の中間点、先ほど至近弾を当てた駆逐に至近距離から主砲を撃ちこむ
そのまま止まらずに中間点を抜けて軽巡に迫る
駆逐の横を走り抜けたその瞬間敵の砲撃が背後を過ぎる…遅れて爆発音
後ろ目で確認してみれば同士撃ちしたらしい
睦月「情けないったら…」
速度を落とさず後ろ向き、味方の砲撃で中破くらいはいっちゃってる駆逐に主砲を発射
1発2発…ついには大破炎上し動きが止まった
残った駆逐からさらに砲撃が飛んでくる
それに合わせる様に軽巡からの砲撃も激しさを増していく
33号さん「嬢ちゃん無茶しすぎって」
睦月「大丈夫あと少し!」
言うやいなや駆逐からの砲撃が止む
その射線の上には軽巡が重なっていた
睦月「この勝負、睦月がもらったのです!」
急停止…その反動を利用して左足を軸に急旋回
睦月「1・2・3!」
足を振り上げる…回し蹴り要領で振り抜き魚雷を発射した
遠心力も手伝ってか、もの凄い勢いで射出される魚雷群
睦月「砲雷撃戦といったし、睦月は…」
飛翔したままの魚雷が軽巡に直撃し爆発した
軽巡の体が海に沈みながら傾いていく…
その向こうに、残った駆逐を捉える
睦月「作戦完了のお知らせなのです…」
主砲を構え、ありったけの砲弾を叩き込んだ
ー
睦月「ていとく~♪」
完全勝利した睦月が提督の胸に飛び込んできた
睦月「睦月ね睦月ねっ!とってもとっても頑張ったんだよっ!」
だから褒めてと、聞かなくても分かるくらいの勢いだった
提督「おぅ、頑張ったな。大したものだ…」
グリグリと睦月の頭を提督が撫で回す
睦月「むふふふ~しれいかんどのぉぉ…」
嬉しそうな声を上げて提督に頬ずりする睦月
提督「なんか、久しぶりに司令官殿って呼ばれた気がする」
睦月「およ?そうだっけ?」
提督「ま、いいんだけど…ほいっできた」
睦月「なにを?」
33号さん「嬢ちゃん、あたまあたま」
睦月「およ?」
睦月が自分の頭に手を伸ばす
睦月「ボサボサだしっ!」
提督「あははははは」
33号さん「子供かあんたは…」
散々撫で散らかされた睦月の髪の毛は なんかすんごいボッサボサになっていた
皐月「司令官のー…」
やはりというべきかの既視感
聞き慣れた声に振り向いて見れば皐月が飛び蹴りの体勢に入っていた
一つ違っていたのは
睦月「おっとそこまでだよ、皐月ちゃん」
すっと睦月が間に入って皐月の動きを止めていた事くらい
皐月「むっ…」
如月「お見事」
球磨「ま、今回は無事に勝ったみたいクマ」
睦月「当然だしっ。もっと睦月を褒めるが良いぞ!にひひひ」
満面の笑みを浮かべた睦月が無い胸を張っていた
ー
その帰り道、なんか皐月に小突かれ続けていた
提督「なによ?さっきから…」
皐月「べつにーなんとなくー」
そんなに跳び蹴りがしたかったのかと思いもしたがきっと多分原因は…
提督にお姫様だっこされてる睦月だろうと
睦月「およ?皐月ってば焼き餅?」
皐月「っ!そ、そんなじゃないしっ」
誰が見ても動揺していた
睦月「かわいいねっ♪」
皐月「むぅぅぅぅっ」
分り易いほどの皐月のふくれっ面だった
睦月「ねえ、提督」
睦月がこっそりと提督に耳打ちする
睦月「睦月のお願い聞いてくれるって覚えてる?」
提督「これじゃないの?」
抱っこーって抱きつかれてお姫様状態なわけですが
睦月「これはご褒美だしっ」
欲深い娘だった
提督「ま、いいけど。それで?」
睦月「にひひひ、睦月のお願いはねー…」
明日一日、秘書艦がやりたい
はい、というわけで最後まで読んでくれた方。本当にありがとうございました
貴重な時間が少しでも楽しい物になっていれば幸いです
それではこの番組は
金剛「Hey,菊月。まずはこの教科書を読むデース」(すごいぞ!ぼくら○うち○うC.Q.C
菊月「おお、これで私もCQCとやらが使えるのか」
文月「どれどれー」
北上「ねー夕張っち。あの本さー」
夕張「…うん、他人の同意を得られるとは限らない奴ね」
大井「なんなのよ、それ…」
多摩「いったもん勝ちにゃ、勝てば官軍にゃ」
長月「また、菊月が変な事おぼえて…」
望月「ほら、女の子って成長はやいって言うじゃん?」
三日月「あの方向性はまちがってるとおもう、かなぁ…」
如月「長月は気にし過ぎよ」
卯月「私もそう思ってる時期があったぴょん」
弥生「卯月は、変なコト言わないの…」
瑞鳳「…」(←ちょっと混ざりたいとか思ってる
球磨「球磨の宇宙C○C。身の毛もよだつ様な大鑑巨砲」(しゃっきーん
提督「私の宇宙C○C。吐き気をもよおす程凄惨な刃」(きらりーん
皐月「あ、こちら手遅れの方達です」
睦月「え、私が予告するの?」
以上のメンバーでお送りしました
睦月「あー、ちょっと待っ
ガシャンっ
♪教えて皐月ちゃんのコーナー♪
皐月「いや、今度は僕が教えて欲しいんだけど」
提督「なによ?唐突に…」
皐月「今回の設定項目 提督LOVE★ってなに?」
提督「自分の胸に聞いてみな?」
皐月「てい」(叩いた
提督「痛いな」(叩かれた
皐月「そういうのいいから」
提督「照れちゃって…まあ、口で言うよりゲージにした方が分かりやすいかなーってだけ」
皐月「ふーん…とりあえず、★x5ってどのくらい?」
提督「友達とか親友とかそういう加減くらい」
皐月「ふーん、じゃあー7,8辺りが…」
提督「友達以上恋人未満じゃない?」
皐月「三日月の★9ってのは?」
提督「照れが邪魔して一線超えられない系」
皐月「あー…すきだよね、司令官そういうの…」
提督「あのぐらいの時が一番 からかいやすいからね」
皐月「からかうことが前提なのが納得いかない」
提督「でもそんな司令官が大好きなの」
皐月「ぜったいっ、言わないからねそんな事」
提督「ちぇっ、つまんねーの」
皐月「司令官のばーか。…そういえば、金剛さんも★9なんだね」
提督「あれは…照れ隠しにはしゃいでるだけだぞ、あいつ」
皐月「あー…そういう。後は★10だけど、球磨さんにもついてるんだね」
提督「あれの★10は本編で言ってたとおりだよ」
皐月「家族的な意味で?」
提督「そういう事」
皐月「ちなみにさ…★1とかってどんなレベル」
提督「出撃させても常時赤疲労を覚悟しなきゃいけないレベル」
皐月「うわぁ…嫌われてるっていうか、もう」
提督「終ってるな。ついでに、★3・4辺で無難に上司と部下とビジネスライクはできるね」
皐月「★2でもまだダメなんだね」
提督「それでもまだ、オレンジ疲労は覚悟しろだな」
皐月「まあ、こんな所かな」
提督「大分ざっくりしてるけどな…まとめるとー」
★1-2:関係最悪。艦隊運営どころじゃない。コンディションは赤とか橙とかが常
★3-4:普通。ビジネスライク。個人の好みはさておき艦隊運営に影響はない
★5-6:気の合う仲間。お友達。バレンタインに義理でもチョコもらえたり。あだ名で呼んでも平気なレベル
★7-8:親友。幼馴染。友達以上恋人未満。デートに付き合ってもらえたり
★9 :最後の一線
★10 :友情や恋情を越えて愛情の領域。愛情表現は人による、身内扱いだったり、ぞっこんLOVEだったり
皐月「今さらだけど…この表通りだと。ボク、ぞっこんLOVEって事に…」
提督「違うの?」
皐月「え、いや…まあ、ちがくない…けどさ」
提督「…(にやにや」
皐月「あーもうっ。しらないっ」(退室
提督「あーあ、行っちゃった。
まあ、ここまで付き合ってくれてありがとう。よかったら、またな」
相変わらず皆可愛いです
睦月型は天使(至言)
球磨がイケメン過ぎて辛い
素晴らしい時間をありがとうございます
次回も期待して待ってます