孤島のブラックじゃない鎮守府〜第13話 決断〜
初心者なので色々変です
リクエストお待ちしております!
なんとかトラウマから抜け出した提督…
しかし休む暇もなく試練は続く…
〜9月初め〜
【弓道場】
提督「………」キリキリ
龍驤「………」←提督に指導中
提督「………」キリキリ……シュッ
ターン
提督「………」フゥ
龍驤「ええんとちゃう?最初に比べたら型もマシになってきたし、集中力も上がっとる」
提督「そうか?龍驤達に比べるとまだまだだが…」
龍驤「あのな…ウチらよりキミの方が上手なったら相当凹むで?ウチらにも空母のプライドがあんねん」ハァ
提督「それもそうか…」
龍驤「まあ、キミならもしかしたらそうなるかもしれんけどな…ってことで今日はもう終わりや」
提督「ああ、ありがとう」ペコッ
龍驤「ええって。それよりも…その右腕の調子はどうや?」
提督「だいぶマシにはなったが…まだ動きは鈍いな。今度妖精達にお願いして改良してもらおうかな」
龍驤「辞めといた方がええで。あの子達は機械系になると余計な改造とかするからな。多分ミサイルとか打てるようになるんちゃう?」
提督「それは嫌だな…それなら商店街にそういう系の店舗がないか探してみるか」
龍驤「あ、それならウチらも連れてってや。まだ行ったことないねん」
提督「構わないが…前日までに伝えてくれよ」
龍驤「りょーかい♪」
【執務室】
提督「………」カリカリカリ
「司令官。司令官宛にお手紙が来ています」
提督「ん?…おお、ありがとうな、長良」
長良「どういたしまして。それより、少し休憩しませんか?」エヘヘ
提督「もうそんな時間か。そうだな、そしたらお茶菓子持ってくるから」
「いや、司令官は座っててくれ。私が持ってくる」
提督「そうか?すまないな、菊月」
菊月「礼はいらぬ…司令官はもう少し休むべきだ」
提督「耳が痛いな」
「まったく、提督はなんのためにこのやり方に変えたのか分かっておるのかのう」
提督「利根…そう思うならもう少し手伝ってくれ。お前が1番遅いんだから」
利根「そんな事言われてものう…吾輩は書類仕事は苦手なのじゃ」
提督「ならなんでやりたいなんて言ったんだよ…」
利根「鳳翔殿の言うことには逆らえないからのう…仕方の無いことなのじゃ」
何故執務室に3人もいるのかと言うと…
鳳翔さんの提案だからだ
鳳翔さん曰く、俺とこの娘達との関わりが少ないと指摘されてしまったからだ
そこで、比較的最近着任した娘をそれぞれの艦種毎に1人ずつ選んで一日秘書官をして貰う、という内容だ
長良「そうだ、提督」オチャデス
提督「なんだ?」アリガトウ
長良「秘書官のことを由良に聞こうとしたら死にそうな顔してたんだけどなんで?」
提督「まあ…色々あったんだよ…」ズズー
※番外編第3話参照
長良「ふーん…あっそうだ!今度訓練に付き合ってよ!」
提督「俺は構わないが…本当にいいのか?」
長良「やっぱ1人だと効率が悪くてねー。1番ストイックな人誰かなーって思ったら提督だったからね」
提督「そうか…分かった。その日はよろしく頼む」
長良「もちろん!」
菊月「そういえば、手紙の内容はなんだったのだ」ズズー
提督「ああ、明日大本営で会議があるから来てくれと」
菊月「そうなのか。となると今日は早めに寝た方がいいのではないか?」モグモグ
提督「まあ、そうだな。でももうすぐ今日の分も終わるから問題ないよ」
利根「ちなみに誰を連れていくんじゃ?」
提督「んー…五月雨と………鳳翔さんかな?由良は明日書類仕事をお願いするつもりだから」
利根「となると吾輩達は暇になるのう」ボリボリ
提督「………トレーニングするか?」ニヤッ
利根「いや、遠慮しておくぞ」ガタガタ
提督「それじゃあ、あと少しやっちゃいますか」ヨイショ
長良「はーい」
菊月「了解した」
利根「分かったぞい」
〜翌日〜
【船内】
提督「ゴメンな、五月雨。また大本営に連れてきて」
五月雨「いえ、大丈夫ですよ」ニコッ
提督「鳳翔さんもすみません。色々やることあったと思うのに」
鳳翔「気にしないでください。私も大本営には1度行きたいと思ったので」ニコッ
提督「そうですか。それなら良かったです」
五月雨「ちなみに大本営からの手紙にはなんて書いてあったんですか?」
提督「大したことは書いてないよ。ただ、『定期会議に参加しろ』としか」
提督「ただ、その後にまた元帥室で話そうってさ」
鳳翔「え!?あの元帥とですか!?」
提督「もうそろそろ顔を見せてくれだとさ。まあ、大本営には旧友もいるからいいんだけど」
五月雨「(ますます提督が凄い人に思えてきた)」
鳳翔「(大本営でも人気なんでしょうね…)」
【大本営 会議室前】
提督「それじゃあ、2人は隣の控え室で待っててくれ。」
五月雨「わかりました」
鳳翔「はい」
提督「………」フゥ
ガチャ
提督「失礼致します!」ケイレイ
「久しぶりだなー、武」
提督「おお、光。元気にしてたか!」
光「相変わらずだよ。それにしても、お前とここで会うとは思わなかったよ」
こいつは中山 光。俺の小学校からの幼馴染で俺が大本営に行ってからもよく連絡をとっていた
お互い提督になるのが目標だっただけにこうして会えたのはとても嬉しい
提督「光は今どこの提督なんだ?」
光「俺は西ノ宮鎮守府だよ」
『西ノ宮鎮守府』
伝統がある訳では無いが、最近メキメキと実力を付けている鎮守府だ
ちなみに南雲鎮守府からは2,3時間で着く
光「武は南雲だっけか?うちから意外と近いんだよな」
提督「そうだな。お、そうだ。今度演習しないか?久々に話したいし」
光「お、いいなそれ!ならお前の鎮守府に行っていいか?」
提督「ああ、いいぞ。料理作って待ってるからな!」
光「ヨッシャ!楽しみにしてるからな」
提督「よいひょっと」ストン
「あら、武。あなた提督になってたのね?」
提督「?…おお、凛。お前も提督だったのか」クルリ
凛「まさかこんな所で再開するとは思わなかったわ」
こいつは本山 凛。俺と光との旧友。よく3人で登下校して遊んでた仲だ
提督「凛はどこの提督なんだ?」
凛「私は舞鶴鎮守府よ」
提督「マジで!?あの舞鶴!?めっちゃすげぇじゃん!」
凛「ち、ちょっと!声大きいって…」シー
提督「あ…わ、悪い。にしても凛が舞鶴かー」
凛「な、何よ」
提督「俺らの中では1番優秀だったとはいえ…こんなに差が開くなんて…」トホホ
『舞鶴鎮守府』
言わずと知れた日本4大鎮守府である。その4つの鎮守府の中でも舞鶴は「若手提督の育成」を中心に活動している。そのため、舞鶴にはリーダーの提督を含め、8人の提督がいる
ちなみに…
提督「凛はどの艦種の提督なんだ?」
凛「そりゃもちろん空母よ!空母以外は絶対ヤダって言ったら空母担当にしてもらったの!」キラキラ
そう、彼女は小さな時から空母が好きだったのだ。だから、空母のことで分からないことは全て彼女に聞けば解決できる程だ
提督「凛は本当に空母が好きだな」
凛「そりゃそうよ!あの美しさに勝るものはないわ!」クワッ
提督「おお…そんなにか…」
凛「ええそうよ!あんな凛とした佇まいもそうだし発艦した時のあの隊列の綺麗さ!いくら戦艦の火力や駆逐艦の可愛さでさえも空母の綺麗さには絶対適うことは無いわ!」
提督「な…なあ、凛」タジッ
凛「何!?もう私を止めることは出来ないわよ!こうなったら何時間も話にー」
「それは私でも無理かね?」
凛「?」クルリ
元帥「楽しそうな所申し訳ないが…会議を始めても宜しいかね?」
凛「も、申し訳ございません!」ガタッ
元帥「はっはっは!構わん構わん、元気なのはいい事だ」
凛「うう…///」カァァ
元帥「さてと…それでは会議を始めるか」
〜1時間後〜
元帥「………ということで、今日の会議は以上だ。また、小山くん。この後秘書官と一緒に私の部屋に来るように。それでは、解散!」
提督「ふぅ…終わった」
光「お疲れ、武」
凛「意外と早く終わったわね」
提督「2人ともお疲れ様。初めてだったから緊張したよ」
光「まあ武は提督になりたてだからなー。無理もないよ」
凛「それにこの後元帥から呼ばれてるんでしょ?行かなくていいの?」
提督「そうだった。あいつらも待たせてるしな」
光「あ、そうだ!武の用事が終わったらみんなで食べに行かね?」
凛「あら、いいわね。私この辺りでいいお店知ってるの」
光「お、それは楽しみだ。武も行けるよな?」
提督「うーん…大丈夫だけど由良達にも連絡入れないといけないから結構遅れるぞ?」
凛「問題ないわよ。予約取っておくわ」
提督「サンキュー。それじゃ、後で」タッタッタ
【秘書官待機室】
提督「五月雨、鳳翔さん。お待たせ」
五月雨「お疲れ様です、提督」
鳳翔「お疲れ様です。この後はどうなさるのですか?」
提督「元帥の所に行ったあと昔の友達とご飯に行く感じだな」
五月雨「ほへー、大変ですねー」
提督「何言ってるんだ?お前達も行くんだぞ?」
鳳翔「え?宜しいのですか?」キョトン
提督「もちろん。特に鳳翔さんに会いたがってる人もいますから」
鳳翔「ありがとうございます」ペコッ
提督「それじゃ、行こうか」
五月雨「はい!」キラキラ
鳳翔「はい」ニコッ
【元帥室】
提督「失礼致します」ケイレイ
五月雨「失礼します」ペコッ
鳳翔「失礼致します」ペコッ
元帥「おお!よく来てくれた!」
大淀「お久しぶりです、武さん」ニコッ
提督「それで元帥。お話とは」
元帥「安心したまえ。前回みたいなことではないから。ただ…君のことが心配でね」
提督「私のことですか?」
元帥「そうだ。なんでも………深海棲艦と接触したそうだな」
提督「何故それを………いや、おおかた彼女に聞いたのでしょう」
元帥「ほう…話が早いな」
提督「こんなことを知ってるのは南雲の娘以外ならせいぜい天井裏にいる奴くらいしか知りませんね」チラッ
「ちぇっ、気付いてたんだ。バレてないと思ったのに」
提督「気配が独特すぎてすぐ分かるよ、川内」
川内「えー、武以外にバレたことないのに?」
提督「川内の気配は殺気がまだ出てるよ。俺を殺すんじゃあるまいし」
川内「大丈夫、武を殺す時はおやっさんに命令された時だけだから」
元帥「まあ、そんなことは君が深海棲艦にでもならない限りせんがな」ハッハッハ
提督「殺される前に自害しますよ」ニガワライ
五月雨「…」ポカーン
鳳翔「…」ポカーン
提督「ああ、二人共知らないのか。こいつは川内。山城達と同じでここで知り合ったんだ」
川内「どうも。武が迷惑をかけてない?」
提督「お前は俺の親か」
鳳翔「迷惑なら沢山かけられてますよ」ニガワライ
川内「相変わらずなんだね」ハァ
提督「面目ない…」
元帥「…話を戻していいかの?」
提督「ああ、ゴメン。どうぞ」
元帥「それで…やはりあいつらと接触したのか?」
提督「ええ。みんなが居ない時に二人来ました」
元帥「そうか…向こうはなんと?」
提督「世界征服に協力しろと。地上の所有権は全部やるって。流石に断りましたけど」
元帥「そうなると奴らが黙っちゃいないが?」
提督「敵さんもですけどまずは味方じゃないですか?」
元帥「………というと?」
提督「ご存知のはずです。岬と鶴の現状です。現に3人送られてきたじゃないですか」
元帥「そいつらだけじゃないがな。まだ他にも10は少なくともあるぞ」
提督「そいつらはどうするのですか?」
元帥「決定的な証拠が見つかるまではなんとも言えん…一刻も早く現状の改善はしたいのだが…」
提督「それなら…これはどうでしょうか。川内もちょっと」チョイチョイ
川内「?」
カクカクシカジカズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
提督「…ということですが」
元帥「私は一向に構わんが…許可が出るのか」フム
川内「私も大丈夫だけど…」
提督「それに最悪…俺も出ます」
元帥「っ!何を言ってるんだ!」クワッ
提督「俺は本気です。それに誰かはやらなければいけないんです」
川内「流石に武はまずいよ!生きて帰る保証はないんだし」
提督「大丈夫だ。最近はこれにも慣れてきたし」ヌギッ
元帥「な…」
川内「え…」
大淀「ほぇ?」
提督「これは…親父の形見です。つい最近深海棲艦に殺された…親父の形見です。」ギシッギシッ
元帥「………」
提督「元帥。もう一度言います。……俺は…本気です」
元帥「………分かった。こちらもできる限りの補助はする」
川内「ちょ!おやっさん!本気なの?」
元帥「流石に気は進まんが…今は武が1番の頼みじゃ」
川内「っ!それなら私も行く!流石に武独りだと不安だし」
提督「そうか。そうしてくれると助かるよ」
元帥「………なら、それで頼む。必要なものは後日送る」
提督「ありがとうございます。では、これでー」
元帥「武。最後に一言」
提督「?」
元帥「………頼んだぞ」
提督「………お任せ下さい」ペコッ
五月雨「」ペコッ
鳳翔「」ペコッ
元帥「………」フゥ
元帥「………私は………こんなにも無力だ…」
ということで、第13話でした!
まずは、更新が遅れて申し訳ございません!
進学準備、一人暮らしの準備など色々多忙でございまして…
提督、元帥、川内は何を話したのか。そして、それを知らされた時、南雲の艦娘の運命は…
次回〜第14話 告白〜
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