優斗「なんでこうなった…」 (第5章,1話)
まーた、大変な事になったみたいですよ…。
もはや書く事がない。
優斗「なんでこんな事やらなきゃいけないんだよ…」
白露「こればかりは仕方ないよ…」
クソ暑い9月も終わり、涼しくなってきている10月のとある日。優斗と白露型10人は片付けと掃除を行っていた。
本来はしなくてもいいはずだが。
なんでこんな事になったのかは1時間前まで遡る。
(1時間前の工廠にて)
明石「どうしよう…。作ったものがもう工廠に入りきらない…」
明石は、大量に作ってきた山積みの発明品を見て呟く。けども、呟いたところで減るわけもない。ただ、山積みの発明品があるだけだ。
明石「あ、そうだ。倉庫にまだ空きがあったはず…」
明石は近くの空き倉庫にこれらの発明品を運ぼうとした。
しかし、工廠の床一面に広がっている発明品を見ると一気にやる気が失せていった。
明石「この量を1人で運ぶのはなぁ…。あ、そうだ…。誰かに手伝ってもらえばいいんだ!」
(5分後)
優斗「ウィーっす。呼ばれたから来た…。って、なんじゃこりゃ!?」
明石「あ、提督。実はお願いがあって…」
優斗「まさか、片付けるの手伝えってわけじゃねぇよな…」
明石「その、まさかです…」
優斗「絶対に俺はやらんぞ!! 俺は関係ねぇからな!!」
明石「そこをなんとか…」
優斗「ヤダと言ったらヤダ!!」
明石「そうですか…。じゃあ、この発明品はこの工廠ごと爆破するしかないですね…」
優斗「いや待てなんでそうなる」
明石「だって、しょうがないじゃないですか。邪魔ですから」
優斗「片付けろよ」
明石「じゃあ、爆破しまーす、3、2…」
優斗「ストーップ!! ホントに爆破する気か!?」
明石「はい、そうですけど?」
優斗「分かったよ、手伝えばいいんだろ、手伝えば!!」
明石「ありがとうございます、提督!」
優斗「こんにゃろー…」
そういうわけで、優斗と明石は片付けを始めたのだが…。
(30分前)
優斗「終わる気がしねぇ!!」
明石「いやー、私もこんなに作ってたとは思いもしませんでした…」
優斗「仕方ねぇ、援軍呼ぶぞ!!」
明石「援軍?」
(更に5分後)
白露「呼ばれたから来たけども…」
時雨「なんで僕たちなんだよ!?」
優斗「暇そうだから」
村雨「理由が酷すぎない…?」
夕立「けども、暇なのは間違ってないっぽい」
春雨「まぁ、いつも艤装を明石さんに見てもらってるから、その恩返しってことに…」
優斗「じゃあ、作業開始ー」
白露型「はーい…」
そして、今に至るわけである。明石の所為で優斗が巻き込まれ、優斗の所為で白露型が巻き込まれたというわけだ。
(作業開始から3時間後…)
優斗「やっと終わった…」
白露「身体が重い…」
時雨「疲れた…」
明石「すいません、私のせいでこんなことになってしまって…」
優斗「次からはちゃんと片付けろよ…」
五月雨「あのー、まだコレ運び終わってないんですけども…」
優斗「え、マジ? じゃあ、俺が…」
白露「あー、提督はそこで待っててよ。私たちであれは運ぶから」
優斗「いや、俺も手伝うよ。あんな大きいものを運ぶなら、人手がいるだろ?」
白露「大丈夫だって! みんなー、最後の1個頑張って運ぶよー!!」
白露型「はーい…」
時雨たちは疲れているせいか、あまり元気のない声で反応した。まあ、全員で作業したとしても量が量である。そりゃ、疲れるに決まっている。
白露型は全員で協力して最後に残っている一番デカい機械を運び出していった。
優斗「ホントに大丈夫なのかねぇ…。ヤな予感しかしねぇんだけども…」
その予感は的中してしまった。言った数分後に。
(移動しながら)
白露「お、重い…。やっぱり、ゆーくんに手伝ってもらえばよかったかも…」
時雨「今さら言わないでよ…」
村雨「まぁ、もうちょっとで倉庫に着くから、頑張りましょ…」
なんとか白露型の全員で機械を倉庫まで運び込めた。白露たちは運び終えてからすぐに、床に座り込んだ。
白露「あー、疲れたぁ…」
時雨「10人でもこんなにキツイって…」
夕立「もしかして、結構ヤバいモノっぽい?」
江風「それはねぇだろ…」
山風「さすがの明石さんでもそんなモノは作んない…はず」
村雨「なんで『はず』の部分だけ遅らせたの…」
涼風「まぁ、変なモノ作ってそうだけどもなぁ…」
海風「それは…。否定したいけども…否定できない…」
白露「確かに…」
五月雨「あのー、そろそろ優斗さんたちのとこに戻った方がいいんじゃないですか?」
白露「確かにそうだね。じゃあ、みんな戻ろ」
白露がそう言ったあと、時雨たちも立ち上がって戻ろうとした。五月雨も一生に戻ろうとした。
が。何でもない所でつまづいてしまった。ここまでならいつも通りの光景だ。だが、今、ここは明石の作品が大量にしまってある倉庫だ。
五月雨の手がついた場所は、ここまで運んできた機械のボタンの上だった。
ボタンを押すと同時に機械から変な音が鳴り始める。
五月雨「え、えぇぇ…?」
白露「えぇ…じゃないよ! とりあえず、逃げるよ!」
時雨「え、これって逃げていいの!?」
白露「知らないよ、そんな事! 今は逃げるよ!!」
逃げようとした、その瞬間。機械から光が放たれた。
白露「へ?」
時雨「あ…」
ドーーーン!!! という大きな音と同時に一気に光に包まれた。
白露型「うわぁぁぁぁぁ!!!」
ーー工廠にてーー
機械の爆発音が聞こえてくる数分前。優斗と明石は白露たちが戻ってくるのを待っていた。
明石「すいません、今日は手伝わせてしまって。あ、お茶でも飲みます?」
優斗「ああ。ただし、冷たいやつでー」
明石「了解でーす」
明石がぐちゃぐちゃになっていた工廠の中では唯一、綺麗だった冷蔵庫にお茶を取りに行った後だった。
ドーーーン!!!
優斗「ウェ!?」
明石「何ですか、今の音!?」
優斗「知らん! …まさか、ね…」
明石「まさかかもしれません! というか、まさかじゃないです!!」
優斗「急ぐぞ!!」
優斗と明石は倉庫の方へと全力で向かう。
優斗(まさか…。まさかね…。大丈夫だよな、茜!!)
全力で走りながら、茜たちのことを心配し続ける。息が切れそうになる。けども、今はそんな事はどうでもいい。アイツらが。茜の無事をただ祈るだけだった。
優斗「着いた…。って、何も起きてない…? でも、爆発音はどう考えてもここから聞こえたはずなのに…。どういう事だ…?」
明石「まさか、別の所ですかね? ちょっと見てきます!」
優斗「頼んだ。俺は、白露たちは大丈夫かどうか調べねぇと…」
明石「じゃあ、行ってきます」
明石が他の所に行くのを見てから、倉庫の中へと向かう。爆発したなら、火が上がってたりするはずだが…。
優斗「なんも起きてねぇな…。音爆弾でも使ったのか? っていうか、そんぐらいで収まってくれればいいんだけどな…」
倉庫の奥に向かう。奥に向かうほど、よくわからない機械が増えていく。けども、茜たちはどこにいるんだ…?
すると、一か所だけ妙に明るい場所があった。そこに向かうと、茜たち10人が倒れていた。
優斗「茜!!」
急いで茜たちの方へと走り寄る。みんなに声をかける。
けども、おかしな事が起きた。
優斗「お前らしっかりしろ!! 大丈夫か!!」
村雨?「…アレ? ゆーくん?」
優斗「…? どうした、由衣。なんでお前がその呼び方?」
村雨?「え? 私は茜だけど…? ってアレ…? なんで由衣の身体になってるの!?」
優斗「え…? ちょい待って。状況が飲み込めん」
村雨?「じゃ、じゃあ…」
白露?「痛てて…。思いっきり尻餅ついちまったよ…。まったく、何が起きたンだよ…」
時雨?「あー、びっくりしたよ…。急に何が起きたんだ…」
夕立?「爆発したかと思ったけども…。僕たちは無事…。じゃない!?」
春雨?「な、なんで春香の身体になってるの、私!?」
五月雨?「私なんか、愛海になってるっぽい!!」
海風?「ど、どうしてこんな事になっちゃったんですかぁ…?」
山風?「も、もしかして、私があの時押しちゃったボタンのせいで…」
江風?「もしかたら、そうかもしれませんね…」
涼風?「私、鈴奈になってる…」
優斗「おーい、俺を置いて勝手に話を進めんなー!!」
白露型「あ、ごめんなさい…」
優斗「とりあえず、こっから出るぞ。話はその後だ」
村雨?「そ、そうだね…」
優斗と白露型全員は倉庫の中から出る。由衣(?)と話していると、あの爆発音の正体があの機械の暴走が原因かもしれないという結論に収まった。
ーー執務室にてーー
優斗「さて…。とりあえず、由衣(?)から自分の名前言っていってくれる?」
村雨(白露)「えっと、私は茜だよ。今は由衣の身体になってるけども…」
夕立(時雨)「僕は、優香だけども…。今は咲になっちゃってるみたいだね…」
春雨(村雨)「で、私は由衣だけど…。今は春香になってるみたいね」
五月雨(夕立)「私は咲っぽい! けども、愛海になってるっぽい!!」
海風(春雨)「えっと、春香です…。って、由衣お姉ちゃん、私の身体あっちこっち触んないでください!!」
山風(五月雨)「愛海ですけども…。多分、私のせいでこんな事に…。みんなごめんなさい…」
江風(海風)「愛海お姉ちゃん、謝らないでください…。あ、私は七海です」
涼風(山風)「里奈だよ…。あ、愛海お姉ちゃん、怪我しないでよ…」
白露(江風)「愛香だけど…。この身体、動きにくいンだよな…」
時雨(涼風)「あたいは鈴奈だけども。確かに、動きにくいな。この身体…」
優斗「…」
優斗「ホントにどうしてこうなったんだ…」
(次回へ続く)
優斗「さて、次回予告したいんだけども…。色々ぐちゃぐちゃになってるから、俺1人で頑張るか」
村雨「一応来たよー」
優斗「えっと…。目の前にいるのは由衣だけども…。中は、茜…。どうすりゃいいのやら…」
村雨「いっちばーんとか言わなきゃいいのかな…? でも、言いたい…」
優斗「頼むから言わないで…。混乱する…」
村雨「じゃあ、今の状態を簡単にまとめようかな…」
白露→まろーん。
確かに髪色は栗色っぽいけども…。
時雨→江戸っ子
わけがわからないよ。
村雨→いっちばーん!
いや、胸部装甲はどっちも…。
夕立→ボクっ子
どういうこっちゃ。
春雨→はいはーい♪
だからわけがわからないよ。
五月雨→ぽいぽい
ぽいぽい言う天使って何?
海風→ピンク髪は淫ら…。
ピンク髪じゃねぇ!!
山風→ドジっ子
変わっても大惨事を起こすことは変わりません。
江風→真面目。
…真面目な江風って何?
涼風→恥ずかしがり屋。
ホントにどうしてこうなった。
優斗&村雨「うん」
優斗&村雨「カオスだこれ!!」
(次回予告 優斗「えらいこっちゃ…」)
うん。いつも通り通常運転です。
※1
優斗「通常通りって何?」
安心・安定・胃は大惨事な激甘ストーリー
※3
これでいいのか、悪いのか…。
このssを読んで、砂糖を吐きそうになる前に、羨ましいと呟く回数が増えた。
※5
優斗「すいませんでしたぁ!!」