僕と 彼女たち?(最終章、第5話)
就活だったり色々で、投稿が遅れました!! 待って頂いた方、申し訳ありません!!
茜は、どんどん追い込まれていく。優斗に、想いは届くのか。
1か月が過ぎた。僕が記憶を失なってから。
白露さんが色々な所に連れて行ってくれた。僕が住んでいた家の事。親代わりにここまで育てくれた、白露さんの両親の事も教えてくれた。
他には、僕たちがまだ子供の頃によく遊んだ所だったり。
けれども、何にも思い出せない。
気のせいかもしれない。けれど、白露さんが最近、元気がなさそうにも見える。やっぱり、僕の所為だろう。
…自分が無力すぎて、辛くなってきた。こんな苦痛をこれ以上味合わせたくはない。けども…。
ーー駆逐艦寮ーー
白露「…」
時雨「お姉ちゃん、最近目の下のクマが凄いけれど…。ちゃんと寝てる?」
白露「ちょっと、最近は…。寝不足気味かな。まぁ、ゆーくんの記憶に残ってそうなモノを探すのにも時間がかかるからね…」
時雨「でも、ちゃんと寝ないとお姉ちゃんが壊れちゃうよ…?」
白露「だいじょ~ぶ。私は姉妹の中でいっちばん身体が丈夫だからね!」
時雨「そ、そうだけれども…」
白露「さて、久しぶりに執務室に行ってこようかな~」
時雨「そういえば、最近は外に出てばかりで執務室には行ってないからね」
白露「じゃ、行って来る~」
時雨「い、行ってらっしゃ~い」
お姉ちゃんが、執務室の方に小走りに向かっていった。けれども…。
時雨「お姉ちゃん、大丈夫かな…」
ーー執務室前ーー
白露「着いたぁ~! って、アレ? 中から声がする…」
ドアに耳をあてて聞いてみる。
優斗『…。あと、1か月ですか』
祐樹『ま、そうだな…。あれからなんか思い出させたか?』
優斗『白露さんがよく色々な所に連れて行ってくれているんですが…。中々、思い出させないんです』
祐樹『そうか…』
優斗『あと1か月で思い出させなかったら…』
祐樹『ソレばかりは回避したいけれども、な。お前がここからいなくなったら、悲しむ奴がいるからな…』
白露「あと、1か月で思い出せなかったらサヨナラ…?」
嘘でしょ? そんなの…嫌だ!! けども…。もう、行ける場所は…。
私たちの1番の思い出の場所しかないよ…。
どうすればいいの? 他の事を考える? それとも、同じ所にもう一度行ってみる?
ダメだ…。何にも思いつかない…。もう、あの場所に行ってみるしかないのかな…。
いつの間にか、私は部屋に戻ってきていた。
白露「ただいま…」
時雨「おかえり…。って、どうしたの!? そんなに落ち込んで!?」
白露「実は…」
私は、優香に今さっき聞いた事を伝えた。優香は…。驚いてた。
そりゃ…。そうだよね。来月には、もうここにはゆーくんがいないかもしれないんだから。
白露「由衣たちには言わないようにね…」
時雨「…それはもう手遅れだと思うけどもね」
白露「ふえ?」
時雨「外、見てみなよ」
言われてみる通りに、ドアを開けてみると由衣たちがみんな勢揃いしていた。
白露「あれ…? みんな、どうして…?」
村雨「どうしても何も…。あんな落ち込んだ表情のまま帰って来たら、誰だって心配するわよ…」
白露「そんなに顔に出てた…?」
夕立「お姉ちゃんは思いっきり顔に出るタイプっぽい」
白露「マジかぁ~。あはは…」
春雨「それで、優斗さんと何かあったんですか?」
白露「何かあったって訳じゃないけれどもね。ただ…」
由衣たちにもう、さっき聞いた事を伝える。由衣たちは、何とも言えない表情で聞いていた。
白露「まぁ、そういうわけだから…。明日は、私たちの中でも一番思い出の場所に行ってみようと思うんだ」
江風「でも、それでダメだったら…」
白露「…その時はその時で、どうにかするしかないよ」
江風「でも…」
白露「はいはい、重苦しい話はここでお終い! さて、明日こそ思い出してもらうぞ~!!」
江風「お、おい…」
海風「愛香」
江風「な、なンだよ? 姉貴」
海風「今は…。あんまり言及しない方がいいと思う」
山風「茜お姉ちゃん、今さっき、無理やり笑顔作ってた…」
涼風「1か月も経ってるからな…。前は10日ぐらいで済んだけども、今回はいつ元に戻るかも分かんないからな」
時雨「今はただ、黙ってみる事しかないよ。なんだかんだやって、足を引きずるような事はしたくないし」
夕立「…」
五月雨「どうしたんですか? 咲お姉ちゃん」
夕立「なんでもないっぽい」
五月雨「?」
妹たちは、廊下を歩いていく茜の後ろ姿をただ見るだけしか出来なかった。
ーー鎮守府の空き部屋ーー
白露「…。明日、記憶が戻らなかったらどうしようかな」
空き部屋にこもって、1人で呟いていた。可能性が僅かでもあるんだったら、それにかけてみるしか、もう手はない。
って、なんでこんな事考えちゃってんだろう。
こんな事考えてる場合じゃないのに。
白露「その時はその時で、何とかするしか…ないよね。うん」
頭の中で浮かぶ悪い考えを、消す。今は、ネガティブになってる場合じゃないからね。
白露「さて、明日の準備しないと…」
空き部屋から出ると、早歩きで自室まで戻った。優香たちは、自分の部屋に戻っているのか誰もいなかった。
時雨「…おかえり」
白露「たっだいま~! じゃ、もう寝るね~!」
時雨「へ!?」
白露「明日は早いからね! もう寝るよ~!」
時雨「えぇ~…」
茜は、ベッドに入ると相当眠たかったのかすぐに寝息を立て始めた。優香も、そんな姉を見て少し呆れながらベッドに入った。
(翌日)
白露「朝だぁ~!」
時雨「朝からテンション高いよね。お姉ちゃんは」
白露「まぁ、これぐらいテンション高くないとやってけないからね!」
時雨「まぁ、テンションの低いお姉ちゃんは違和感感じるからね」
白露「さ~て、朝ごはん食べたら出発だぁ~!!」
いつも通りの高いテンションのまま、食堂に茜は向かっていった。後ろから優香たちもついてきているが。
江風「姉貴、ホントに大丈夫なのか?」
山風「茜お姉ちゃんは、アレぐらいじゃないと何か変…」
江風「いや、分かるけどもさ…」
食堂で全員一緒に朝食を採ったあと、執務室前に移動する。そして、いつも通り茜がドアを思いっきり開ける。
優斗「急にドアを開けるから、誰かと思ったら…。やっぱり、いつも通りでしたね」
白露「まぁね~」
優斗「でも、そろそろドアを開ける時にノックはしてくださいよ?」
白露「あ、はい」
記憶を失った後から続く、優斗との一連の動きを終えると茜は本題に話を移した。
白露「それで、今日は私たち全員の記憶にいっちばん残ってそうな所に連れて行くから!」
優斗「それはいいですけれども…。遠くないですよね?」
白露「こっからちょっと歩くぐらいだよ?」
優斗「じゃあ、大丈夫ですね。じゃ、移動しましょうか」
白露「りょ~かい!」
そのまま、白露型と優斗は移動を始めた。みんなの一番思い出に残っている場所へ。
(移動中)
優斗「近いと言ってましたけども…。割と歩くんですね」
白露「あはは…。とは言っても、15分ぐらい歩いたら着くとこだからね」
優斗「そうですか…」
そんな事を言ってるものも、もう鎮守府から出て20分経っているのだが。
白露「あ、見えてきた! アレアレ!!」
優斗「あれは…? 公園?」
白露「まぁ、それに近いかな」
時雨「正しく言うと、広場って言った方がいい気がするけれどもね」
村雨「まぁ、微妙なラインよね。私たちが小さかった時は、まだ何にもないただの広場だったし」
夕立「今と昔を比べてもあんま意味はないっぽい」
優斗「はぁ…」
白露「じゃ、ここでしばらく過ごそうか。お弁当も持ってきてるから大丈夫だよ。じゃ、とりあえず…解散!!」
夕立「とんでもない程雑っぽい」
白露「それは言わないお約束!!」
夕立「分かったっぽ~い。じゃ、優斗は私についてくるっぽい」
優斗「え?」
涼風「何かしらの遊具を触ったりしたら、何かの記憶が戻るかもしんないだろ?」
江風「とりあえず、いっくぜ~!!」
優斗「ちょ、ちょっと!?」
夕立「ほ~ら、早く行くっぽ~い!!」
そのまま、優斗は白露型の中でも元気がある方な3人に連れて行ってしまった。
村雨「あれ、いいの?」
白露「まぁ、遊んだら何かしら思い出すかもしれないから…ね」
時雨「遊具で遊んでも、意味ないと思うんだけれども」
白露「なんで?」
時雨「僕たちが子供の頃には、遊具はほぼ無かったじゃん」
白露「あ」
完全に忘れてた。これでは、ただ遊んでるだけだ。
白露「まぁ、ストレス解消にはなるし?」
村雨(逃げたな)
そのまま、優斗は元気な3人に連れまわされていた。
連れまわされたあとは、由衣や愛海、七海たちと昼食を取りながら思い出話を聞いていた。
海風「確か、あの時は私たちがまだここに来てから1週間ぐらいでしたっけ…」
山風「そ、その話はやめて…。七海お姉ちゃん…」
白露「ああ、あの話ね…」
優斗「え、僕何か山風さんにしでかしたんですか!?」
村雨「その話は、話したら里奈が怒るから…」
優斗「ええ…?」
昼食を採った後、再び優斗は連れまわされた。しかし、今度は10人全員相手だが。
子供の頃にやった、鬼ごっこやフリスビーなどをした。優斗が記憶を思い出せるように。
そして、夕方になった。
海風「そろそろ…。帰った方が良さそうですね」
春雨「でも、あの2人だけは残してあげましょう。色々、2人は思い出の場所だから…」
五月雨「そういえば、ここって…」
時雨「2人が恋人になった場所。確かそうだったはず」
村雨「ここは、そっと引いておくのが正しいわね」
優斗と茜を残して、優香たちは鎮守府へと戻っていった。
優斗「…あれ? 優香さんたちがいない。先に帰っちゃったのかな」
白露「そうみたい、だね」
優斗「何かあったんですかね?」
白露「さぁ、ね。それで、優斗。急な話になるけれども…。私はここで、私はあなたと大事な約束を2つ、したの」
優斗「…約束?」
白露「うん。私にとっていっちばん大切な約束。そして、あなたにとってもいっちばん大切な約束。言うけれども…。いい?」
優斗「何を言われても…。覚悟はできてます」
白露「じゃあ、言うよ…」
白露「私は、ここで小学1年生の時にとある約束をした。5年生になるまで、互いに好きって事を覚えていたら恋人になるって」
白露「5年生になった時。私もあなたも覚えていた。だから、私たちは恋人になった」
白露「そして、私たちは新しい約束をした」
白露「大人になったら…結婚するって」
大事な事が一気に頭の中に入って来る。僕は、そんな約束をしていたのか。頭の中で何かが駆け巡る。
…けれども。なんでだ。なんでなんだ?
大事な何かがすっぽりと抜け落ちている。思い…出せない。
優斗「…」
白露「何か、思い出せた?」
優斗「…ゴメン、なさい…」
白露「…そう」
優斗「思いだそうとしても…。何故か…」
その後も、言葉を続けようとするが茜がそれを妨げた。
優斗「…え?」
白露「いいよ。別に、無理やり言わなくても。私は…大丈夫だから」
優斗「でも…。白露さん…」
白露「さぁ、早く帰るよ~!!」
優斗「っ…」
白露さんの顔を見れなかった。白露さんの足元に、涙が落ちた跡があったから。
そして、この日を最後に。
…白露さんは僕の部屋に来る事は無くなった。
就活が新型コロナの所為で大変な事になっています。
なので、これからもペースがめちゃくちゃになると思われます。その際は、ご了承ください。
皆さんも、体調には気をつけてください!!
また、臨時休校になっている人はちゃんと課題などをやりましょう。そうじゃないと、後々大変な目にあいますよ?
・提督さんの記憶を治して白露さん達に救いを与えるエンドを。
・または、白露さん達が病んで、提督さんの記憶が戻るまで監禁してしまうエンドをください。
※1
下のやつが完全にバットエンドなんですがそれは。
白露さん達にとっては永遠に一緒になれるのである意味ハッピーエンド?ですね!
※3
優斗にとっては、最悪なんですが。
我々は求め続ける!!(ハッピーエンドを
)
※5
ハッピーエンド、ねぇ…。