春雨の成長記
練度が全くない春雨が秘書艦を通じて成長していく話です
勢いで書いてます。春雨がツッコミまくるので、そんなの春雨やない!ただの春雨スープや!って方は推奨しません。キャラ崩壊注意です。
とある鎮守府にて…
~執務室~
春雨「司令官!」バン
提督「…はい」
春雨「いつになったら私は出撃できるんですか!ここに着任してからもうかれこれ数ヶ月はいますけど、一度も出撃命令がありません!」
提督「いいだろ別に」
春雨「良くありません!村雨姉さん達なんかいつも必ず出撃してるんですよ!」スッ
村雨「あら…」
提督「お前が着任する前からいるからな。あと人に指を指すのはやめなさい」
村雨「春雨、そんなに無理して出撃することないのよ?危険な場所に行く必要もないんだし、いいじゃない」
春雨「そういう事じゃありません!」
村雨「あらあら…」
春雨「姉さん達はいつも出撃して、そのおかげで練度も上がって改二になっているじゃないですか!」
村雨「そういえば…そうね〜…」
春雨「他の方もみんな練度上がっているのに私だけ上がっていないのは理不尽です!」
村雨「う〜ん正論すぎて何も言えないわ…」
春雨「はっ!司令官、もしかして私に改二がないからですか?そうなんですね!?」
提督「まだなんも言ってねぇだろ」
春雨「じゃあどうしてなんですか〜…」
提督「そこまで言うなら少し考えといてやるよ」
春雨「ほ、本当ですか!?」
提督「あぁ」
村雨「ちょ、ちょっと提督…」
春雨「ふふん!春雨の実力、見せてあげます!」フンス
提督「でも次の出撃はお前入ってないからな」
春雨「ガーン!!」
提督「というより、練度が足りないからな」
春雨「それって…司令官が出撃させてくれないからじゃないですかー!バカー!」ダッ
提督「…バカは余計だろ」
村雨「あらら…あの子拗ねるわよ」
提督「これでいいんだよ」
村雨「提督も素直になれないの?ほんとは提督が出撃させたくないんでしょ?」
提督「…今言うなよ」
村雨「春雨を気に入るなんて、提督も中々目があるわね」
提督「…」
村雨「あの子を心配する気持ちも分かるけど、少しだけ前向きに考えてあげたら?」
提督「…そうだな」
春雨「…」
春雨「(司令官…私の為を思って…)」
春雨「(そうだ…さっきは言い過ぎました…何も分かってなかったのは春雨でした…司令官に謝らないと…)」
春雨「司令官!私…」ガチャッ
提督「ん?」
村雨「あ…春雨…」
春雨「司令官…?何をしているんですか?」
提督「いや、これはただ村雨にマッサージを頼んでただけ…」
春雨「…司令官のバカーーー!!」ブン
提督「!?飯釜をここで振り回すなー!」
\ドカーン/
提督「…全く、盗み聞きに勘違いで暴れるとはとんでもない奴だな」
春雨「本当に申し訳ありません…」
村雨「提督、紅茶です」
提督「ありがとう」
村雨「春雨も飲む?」
春雨「はい…」
村雨「まあ仕方ないわよ。女の子は誰だってヤキモチ妬いちゃうもんね」
春雨「そ、そういうことじゃ…!///」
提督「分かってるよ。別に今回の件は怒ってないし、責めるつもりもない」
春雨「ありがとうございます…」
村雨「それだったら、春雨しばらく秘書艦やってみる?」
春雨「わ、私がですか!?」
村雨「えぇ、あなたこういう仕事とか得意そうだし、何より提督の為になるからね♪」
提督「おい」
村雨「どう?やってみない?」
春雨「…やります!まだ司令官の事、色々と知っておきたいです!秘書艦、やらせてください!」
村雨「決まりね♪提督もそれで大丈夫よね?」
提督「一向に構わん」
春雨「春雨、きっと司令官のお役に立てます!お任せ下さい!」フンス
村雨「またそうやって張り切っちゃって〜」
提督「元気がある奴は嫌いじゃないぞ」
村雨「それじゃあ春雨、これが今日の秘書艦として初めての仕事ね」
春雨「はい!…え、なんですかこれは…」
村雨「秘書艦としての仕事よ?頑張ってね♪」
春雨「ま、待ってください!こんなにあるんですか!?」
村雨「そうよ?」
提督「まあ俺も手伝うから。普通は逆だけど」
春雨「…」
村雨「春雨?」
提督「春雨、どうした?」
春雨「ひいぃぃ〜ん…」
村雨「えぇ!?泣いちゃった!」
提督「なんだその泣き方は…ひ弱な馬の鳴き声みたいだぞ…」
春雨「秘書艦できる気がしませしぇぇん…」
村雨「大丈夫よ、提督が手伝ってくれるから…良かったら村雨も手伝うよ?」
提督「なんなら村雨なんか最初はずっともう無理ぃ〜って言ってたぞ」
春雨「村雨姉さんが…?」
村雨「ちょっと〜!やめてよその黒歴史!」
春雨「…ふふっ」
村雨「春雨、今笑ったよね?確実に笑ったよね?」
春雨「ごめんなさい、村雨姉さんにそんな過去があると思わなくて…でも、おかげで少しだけ元気が出ました」
村雨「まあ、春雨が元気を取り戻せたなら黒歴史くらいしょうがないわね…」
提督「それじゃあ他の事も…」
村雨「提督?もういいでしょ?」ジャラ
提督「分かった分かった、分かったからとりあえずその錨をしまいなさい」
村雨「口に出したら振り回すからね」
提督「おまっ、また執務室壊す気か。結構修理費かかるんだからな」
村雨「黒歴史を晒されるくらいなら執務室を壊した方がマシだわ」
提督「怖っ、金払うこっちの身にもなれよ」
春雨「(村雨姉さん、どれだけすごい過去を持ってるんだろう…)」
春雨「(秘書艦の仕事、大分慣れてきました。書類ばら撒いちゃったり、司令官にコーヒーかけちゃった事もありましたけど…でももうそんな心配もありません!)」
春雨「司令官!おはようございま…」ガチャッ
提督「んあ?」
村雨「あら春雨…おはよう…これはね…」
春雨「司令かーーーん!!」ブン
提督「ストーーップ春雨!ステイステイ…」
春雨「今度は村雨姉さんにマッサージですか!?あーそうなんですね!んもーーー!!」
提督「落ち着けって。血圧上がって頭痛になるぞ」
春雨「大体司令官は村雨姉さんとはどういう関係なんですか!?私は司令官の事が全然分かりません!」
提督「そうか、お前はまだそんなに俺の事知らないんだったな」
村雨「春雨が秘書艦だったのにそんなに会話してなかったの!?」
提督「春雨の行動が心配で会話する余裕がなかった」
春雨「うっ…」
提督「まあ、知らないままでいるのはこの先の事を考えても良くないからな。今から俺の事を少し話しておこう」
春雨「はい!ぜひともこと細く細部まで隅々に偽りなくお願いします」
提督「はい」
村雨「…」
提督「俺はとある友人から提督業を薦められて提督を始めた。その人はかなり有名で、大規模な作戦を成功に収めた提督だ」
春雨「えぇ!?そんな方から推薦を受けたんですか!?」
提督「うん。自慢じゃないけど君には才能があるって言われた」
春雨「ど、どうしてそう言われたんですか?」
提督「知らん」
春雨「」ガクッ
春雨「そこ1番大事なところですよ…」
村雨「し・か・も、向こうの鎮守府にももう1人の私達がいるみたいだよ!」
春雨「えぇ!?村雨姉さんそれって少し不味いのでは!?」
村雨「だいじょーぶ!向こうの鎮守府はラバウルって所にあるから多分会うことはないと思うよ」
春雨「そ、そうなんですね…」
提督「話は戻るけど、提督としての試験を受けたら見事に合格したと」
春雨「なんでそこざっくり省くんですか?もう少しkwsk教えてください」
提督「いいだろどうせ試験なんだから。大した事は起きてない。それに試験を合格したからここにいるんだ。何よりの証拠だろ」
春雨「確かにそうですね…」
提督「ちなみに初期艦は吹雪、白雪、綾波だ。その友人からの異動でうちに来た」
春雨「最初から3人いたんですね」
提督「そう、みんな前向きでいい子だった」
春雨「それで、今はどうしているんですか?」
提督「…今は…」
村雨「…」
春雨「(あっ…もしかして聞いちゃいけない事言っちゃった…?)」
春雨「あ、あの…」
提督「今あいつらは、部屋でぐうたら過ごしてやがる」
春雨「…」ガクッ
村雨「ほんとどうしましょうかあの子たち…」
提督「全く、艦娘が増えてから急に冷めやがって…ラバウルに返して鍛え直してやろうか」
春雨「ま、まあ…無事でよかったです…」
提督「はい?何が?」
春雨「い、いえ!何でも…」
提督「まあそこから何だかんだあって村雨とか白露とかが来た」
春雨「あー!また省いたー!その何だかんだが気になるんですよ!」
提督「また今度話してやるよ。ついでに村雨との関係はただずっと秘書艦だっただけだ。それ以上でもそれ以下でもない」
春雨「いやそれ以上ありますよね!?なかったらあんなお互いにマッサージなんてしませんから!」
村雨「春雨、提督の言う通りよ、別に特別な関係はないわ」
春雨「むう〜…」
提督「さ、あらかた話したし、仕事に戻るぞ」
春雨「あらかたって結構抜けてる部分ありましたけどね」
提督「これから知ればいいんだよ。これから」
春雨「(結局、どうして有名な司令官から推薦されたんでしょうか…私、気になります!)」
春雨「司令官!」バン
提督「はいはい」
春雨「はい!は、1回です!はい!」
提督「お前は俺の母ちゃんか先生か。てか村雨も言ってるだろ、はいはーいって」
春雨「村雨姉さんは特別なんです!」
提督「なんで村雨は特別扱いで俺は特別じゃないんだよ」
春雨「ダメです、司令官としてもっとしっかりしてください」
提督「はい。で、用件は?」
春雨「私、結構長いこと秘書艦やってますよね?」
提督「やってるね」
春雨「なのに未だに出撃してないです!」
提督「だから言っただろ。練度が足りないって」
春雨「練度ってどの練度なんですか!?」
提督「戦いの練度もそうだけど、そもそも艤装も初めて会って試しにつけた時からつけてないだろ」
春雨「それ全部司令官のせいですからね!?出撃したら艤装もつけられますから!」
提督「俺が言ってるのは出撃じゃない。お前にまず必要なのは演習だろ」
春雨「え、演習…?」
提督「そう、誰もがみんなすぐに出撃してる訳じゃない。必ずこの演習を踏んでからみんな出撃してるんだ」
春雨「じゃあ、その演習に参加させてください!」
提督「その前に1つ聞くけど、どうしてそこまで出撃したいの?」
春雨「それは、私も司令官の、みなさんの為に役に立とうっていう理由もありますけど…」
提督「けど?」
春雨「私…改装したいんです!はい!」キラキラ
提督「…」
春雨「改装したらきっと白露姉さんや村雨姉さんみたいな凛々しい姿に…」キラキラ
提督「(眩しっ)」
提督「…春雨」
春雨「いえ、時雨姉さんや夕立姉さんのようなカッコ良さにも…」
提督「おい春雨」
春雨「はははい!何でしょう!?」
提督「もしかして第二改装の事言ってるの?」
春雨「はい!あんなにカッコよくて凛々しい姿なんて憧れちゃうじゃないですか!」
提督「…」ハア
春雨「司令官もそう思いますよね!?」ズイ
提督「あ、はい…」
春雨「はあ〜楽しみです…春雨はどんな姿になるのでしょうか…」
提督「春雨、もういいか?」
春雨「はい!」
提督「妄想に浸るところ悪いんだけど…」
春雨「?」
提督「お前の第二改装、まだ実装されてないんだよ…」
春雨「…はい?」
提督「お前の第二改装、まだないよ」
春雨「すみません、よく聞こえなかったのでもう一度お願いします」
提督「まだないよ」
春雨「え?」
提督「ない」
春雨「…」
提督「…」
春雨「嘘ですよね?」
提督「真です」
春雨「…」
提督「…」
春雨「ひいぃぃぃ〜ん…」
提督「おまっ、またその泣き方…悪かったって、お前の改装がなくて悲しいのは俺も同情するよ…」
春雨「ぐすん…私の第二改装はいつ来るのでしょうか…?」
提督「いやあの、確証は持てないけど、いずれ必ず来ると思う」
春雨「本当ですか?」
提督「あぁ、本当だ。だから泣くんじゃない、お前の第二改装はきっと凛々しくてカッコイイ姿なはずだ!」
春雨「…そうですね!そう願ってます!」
提督「さあその為にも沢山の演習を積まないとな!さあ行くぞ春雨!」
春雨「はい!司令官!」
村雨「(あの二人…肩を組んで何してるのかしら…?)」コソッ
春雨「司令官、今日の報告書です」
提督「ありガッツ!」
春雨「何ですかその意味のわからないお礼は…」
提督「あれ、また吹雪達だけ記入してないじゃん」
春雨「司令官の言ってた通り、かなりのんびりと過ごしていました…」
提督「…ちょっと呼び出してきて」
春雨「は、はい!」クル
提督「ああいや待って」ガシ
春雨「はいぃ!?」
提督「前回アイツら呼び出したけど、来なかったから今回は俺が直接行く」
春雨「春雨も一緒に行きます!」
提督「行くの?アイツら説得すんの大変だぞ」
春雨「秘書艦として頑張ります!」
提督「何その意気秘書艦の鑑かよ、好き」
春雨「すっ…!///」
提督「ほら行くぞ」
春雨「あっ、はい!」
~吹雪達の部屋~
吹雪「ふわぁ〜…」
綾波「白雪ちゃん、そこのお菓子取ってくれませんか?」
白雪「え〜…自分で取ってくださいよ…」
ゴニョゴニョ
白雪「ん?ドアの方から話し声が…」
綾波「誰でしょうか?」
春雨「司令官…さすがにその開け方は少し強引だと思いま…」
提督「オラあぁん!」バァン
綾波「ひいぃ!」
春雨「あ〜やっぱりドア壊しちゃったじゃないですか〜…」
白雪「で、出たぁ…」
提督「幽霊じゃないぞ、お前達の偉大なる司令官様だ」
吹雪「…」
提督「だらけ代表の吹雪くん、そんな顔しないで少しくらい顔の表情変えて?真顔はさすがに悲しいから」
吹雪「何の用ですか〜…」ゴロッ
春雨「あ、あの!まだ報告書が提出されていないんです!提出お願いします!」
綾波「まだ何も書いてないですよ〜?」
白雪「吹雪さん、書いてください」
吹雪「やだよ〜、白雪ちゃんが書きなよ〜」
綾波「綾波は先に却下しときますね〜」
春雨「何ですかこの頼まれてもNOのエンドレスゲームは…」
提督「コイツらからYESが出た事は最初の時ぐらいだ」
春雨「お願いします!どうしても報告書が必要なんです!」
吹雪「んもぉ〜しょうがないな〜」ゴロゴロ
春雨「やっと動いてくれたって…吹雪さんパンツパンツ!」
提督「こらー!吹雪ちゃん!女の子がそんな転がり方しちゃいけません!」
吹雪「いいじゃないですか〜報告書は提出するんだから〜ほら、白雪ちゃんと綾波ちゃんも」
綾波「は〜い…」ゴロゴロ
白雪「今行きま〜す」ゴロゴロ
提督「こらこらこら!君達足あるでしょ!足!」
春雨「ダンゴムシみたいです…」
吹雪「はい、春雨ちゃん。報告書だよ」
春雨「あ、ありがとうございます…ってグチャグチャ!何書いてるんですか!?」
吹雪「上手く書けなかったの、ごめんね〜」
春雨「んも〜!しっかりしてください!艦娘にあるまじき姿ですよ!」
綾波「綾波、今はもう艦娘より普通の人間になりたいです〜」
白雪「ここから動きたくありません」
春雨「…司令か〜ん…」
提督「…もうみんな起きる気はないのね?」
吹雪「ないですよぉ〜」
提督「分かった。提督ちゃんもう怒っちゃう」
綾波「どうするんですか?解体ですか?」
提督「ラバウルに連れて帰ります」
3人「!?」
春雨「(みなさんの表情がいきなり変わりました…!?)」
吹雪「ままま待ってください!それだけは!」ガバッ
提督「ようやく足を使いよったか」
綾波「ごめんなさい!もうこんな姿晒しませんから!」
白雪「ラバウルだけは勘弁してください!」
提督「言ったね?じゃあこの誓約書にサインして。綺麗に」
吹雪「はい…」
春雨「(すごい…ラバウルの司令官って本当にどんな方なんでしょうか…)」
提督「はいありがとう。これからちゃんと出撃とか出るんだぞ」
3人「はい…」
~執務室~
春雨「すごいです、司令官、あれだけゴロゴロしていたのに一気に元に戻すなんて…」
提督「俺じゃなくて向こうが弱み握られてるだけなんだけどな」
春雨「でも春雨は何も役に立てませんでした…」
提督「そんなことない。春雨だってちゃんと言ってくれたじゃないか」
春雨「司令官…」
村雨「いい感じな所で悪いけど失礼するわね〜」ガチャッ
春雨「村雨姉さん!?」
村雨「提督、横須賀鎮守府の提督から出張して欲しいとのことですよ〜」
提督「今かよ」
春雨「え、出張って司令官ここから離れるんですか!?」
村雨「そうよ。もちろん秘書艦のあなたもよ」
春雨「ひゃえ!?私もですか!?」
提督「なんて驚き方してやがる」
村雨「2人とも頑張ってね〜♪」
提督「おい、2人ともってどういう…」
村雨「はい、いってらっしゃ〜い!」ドン
春雨「ひゃあ!」
提督「っ…」
春雨「えと、司令官…」
提督「あいつ帰ったらこちょこちょの刑だな」
春雨「何ですかその全然パッとしない刑は」
~別のとある鎮守府~
春雨「うわ〜…色んな艦娘が集まってますね…」
提督「別のお前と会えるかもな」
春雨「え!?」
提督「っていうのはない。ここに春雨は着任してないって言ってたからな」
春雨「なんか不安だったような少し期待してたような…」
提督「ほら執務室だぞ、身のこなしは大丈夫か?」
春雨「はっ!いけません…えーっと、髪の毛、服装、表情…」
提督「失礼するぞ〜」ガチャッ
春雨「まだ終わってないんですけど!?」
横須賀提督「おぉ、来たか。待ってたぞ」
提督「今日の秘書艦は一味違うやつだぞ、ほら」ポン
春雨「あぁはわ!は、初めまして!秘書艦の春雨です!」ペコペコ
横須賀提督「そんなに何回も頭下げなくて大丈夫だから…」
睦月「およ?新しい子?」ヒョコ
提督「睦月、どこにいたかと思ったら隠れてやがったか」
睦月「にしし♪提督を脅かそうと思ってたけど、新しい子が見えたから普通に出てきちゃったにゃしい」
提督「春雨だ、最近秘書艦として働いてくれている」
睦月「秘書艦の睦月だよ!春雨ちゃん、よろしくね!」
春雨「はははい!よよよよろしくお願いします!」
横須賀提督「緊張し過ぎでは?」
提督「それだけ真面目だという証拠だ。それで本題は?」
横須賀提督「あぁそうだったな」
春雨「(本題…きっとこの先の海域に関わる重要な話…)」
横須賀提督「艦娘貸して♡」
春雨「………?」
提督「帰るぞ」
春雨「!?」
睦月「にゃしいぃ!提督、だから言ったのに!」
横須賀提督「待て待て待て!頼む待ってくれ!」
春雨「そうですよ司令官!きっと理由が…」
提督「この話は今日が初めてじゃないから」
春雨「え、そんなに何回も頼まれてたんですか?えぇ…」
横須賀提督「あの海域突破できないの…助けて…」
提督「俺じゃなくてラバウルの提督がいるだろ。出撃してもらえば簡単に突破してくれるぞ」
横須賀提督「あの人はもはや別次元の人だから!それにあの人から推薦を受けた君ならと頼んでいるんだ!」
提督「…その話何人の提督から言われたことやら」
春雨「あ、この方以外からも頼まれてるんですね…」
睦月「でもうちの提督だけは他の人よりかなり頼み込んでるにゃしい」
春雨「そんなにですか…ここの鎮守府の艦娘を見る限り突破できそうな気がしますが…」
横須賀提督「頼むよ…この頼み事聞いてくれたらしばらくは頼まないから…」
春雨「既にまた頼む前提なんですか…」
提督「仕方ないな、じゃあうちの春雨持ってけ」ズイッ
春雨「はい!よろしくお願いしま…ふえっ!?」
横須賀提督「おぉ…ありがとう」
春雨「ま、ま、まま待ってください!私全然練度ないって言うより、出撃すらした事ないんですよ!?何言ってるんですか司令官!」
提督「分ーってるって、耳元で騒ぐな」
睦月「春雨ちゃん面白い子にゃしい、一緒に遊んだらきっと楽しいと思うなぁ」
春雨「面白いってそれ本気で言ってます!?」
提督「遊ぶ分でなら喜んで貸すぞ」
春雨「司令官はその場のノリに便乗するのやめてください」
睦月「楽しみにしてるにゃし♪」
横須賀提督「それで…結局貸してくれるのかい…?」
提督「…いいよ、明日迄に誰がいいか決めておいて」
横須賀提督「うおぉぉありがとおぉぉぉ!!圧倒的感謝!!」ドゲザァ
提督「崇めよ、讃えよ」
睦月「うちの提督が変な姿晒してるところ申し訳ないにゃしい…」
春雨「こちらも変な姿を見せてしまい申し訳ありません…」
提督「何言ってる、我提督ぞ」
横須賀提督「提督様、はは〜」
春雨「分かりました。分かりましたからその大仏様みたいなポーズするのやめてください。恥ずかしすぎます」
睦月「提督もその崇め方やめるにゃしい、人としてどうかしてるにゃし」
提督2人「はい」
春雨「それじゃあ、もう大丈夫ですか?」
提督「あぁ、もう帰ろう。あんまり長くなると村雨に怒られる」
春雨「村雨姉さんってそんなお母さんみたいな人でしたっけ?」
横須賀提督「あっ、村雨ちゃんによろしくね」
睦月「提督、また来てね♪」
提督「おう、言われなくても呼ばれる事は確定してるから」
春雨「お騒がせしました!失礼します!」
ガチャン
睦月「はあ〜、春雨ちゃんいい子にゃしい、いつかまた遊びに来てくれないかな〜」
横須賀提督「早く着任してくれるように頑張るか!」
睦月「新しい春雨ちゃんじゃなくて向こうの提督の春雨ちゃんのことにゃしい」
~執務室~
コンコン
春雨「司令官?入りますよ」ガチャッ
提督「もしも用があるなら今取り込み中だ」
春雨「何してるんですか…」
提督「エクササーイズ!」
春雨「えぇ…」
提督「村雨とマッサージとかやってたらお前飯釜振り回すだろ」
春雨「よく分かりましたね」
提督「お前がここ入る時だけいつも飯釜用意してる時点でお察しだっつーの」
春雨「もー司令官、いつもじゃないですよ?」
提督「そうだったな、訂正、最初に来た時と出撃申し出た時以外な」
春雨「よく見てますね」
提督「そりゃ、あんな派手なの持ち歩いてたら嫌でも目に入るだろ、あとついでに窓開けてくれない?」
春雨「はい!」ブンッ
パリーン
春雨「これでいいですか?」
提督「あっはい」
春雨「やはり飯釜持ってきて正解でした!」
提督「飯釜の使い方知ってる?てか、用は何?」
春雨「そうでした!ってその前にエクササイズ終わりません?」
提督「やりながらじゃダメなの?」
春雨「ダメです、人と話す時はちゃんと目を見て話してください」
提督「マジで俺の母ちゃんか何か?」
春雨「司令官の事であればお母さんでも鬼にでもなります」
提督「鬼はダメだろ。それで、結局なんなの?」
春雨「実は何か業務がないかと…最近特にこれといって秘書艦としての仕事もありませんから…」
提督「もう雑務くらいしか残ってないけど」
春雨「それでも大丈夫です!頑張ります!はい!」
提督「(やけに張り切ってると思ったらそういえば最近演習に出させてるんだった)」
春雨「こう見えて春雨、結構掃除とか得意なんです!」
提督「こう見えてって、どこ見るの?おっ〇い?」
春雨「エッチ!」バコッ
提督「(右頬に向けて春雨のストレートパンチ…ふっ、結構痛ぇな)」
春雨「私も、第二改装になったら大きくなるんですから!」
提督「大きさについては何も触れてねぇだろ」
春雨「ていうか、これでもまだ大きい方ですよ…」ボソッ
提督「春雨くん、先生に何か伝えたい事があるなら大きい声でハキハキと喋りなさい」
春雨「大きい声で言える事じゃありません!」バコッ
提督「(今度は左かよ、普通に痛いし)」
春雨「それじゃあ、もう掃除しますから…」
提督「…頑張って」ヒリヒリ
春雨「はい!」
~数十分後~
春雨「(結構片付きました。あとは…はっ!?)」
春雨「ししし司令官司令官!」
提督「何じゃい何じゃい、司令官は1人しかおらんぞ」
春雨「こ、この本は…い、一体…」
提督「…(それ村雨からもらったエッチ本なんだが。カバーで隠してるけど、このお決まりの展開がうちでもか)」
提督「中身見たの?」
春雨「見てないです…」
提督「じゃあ見ないで、大人しく司令官に渡しなさい」
春雨「どうしてですか?何か見てはいけないものでもあるんですか」
提督「あるから言ってんだよ、まだ春雨が見るのは早すぎるんだって」
春雨「早すぎるって…私だってももう大人です!第二改装はありませんけど立派な大人なんです!」
提督「そういうことじゃあない、大人の意味を踏み間違えてるって」
春雨「だったら…も、もう見ますから!」ドキドキ
提督「待ちなさい、ステイステイ、今なら怒らないからそのまま手放しなさい、しー」
春雨「なんですかその言い方!?私興奮してる動物じゃないですけど!?」
提督「こんな恒例すぎる展開には飽きたから抗おうと思って」
春雨「何の話ですかそれ」
提督「分かった、それ読んだら爆発するからやめとけ」
春雨「司令官、嘘つくの下手って言われません?」
提督「いやー正直者過ぎる俺の精一杯な嘘だったんだけどな〜」ハハハ
春雨「もう!司令官のおバカ!」ペラッ
提督「あっ」
春雨「…」
提督「春雨ちゃん、ちょっと刺激強すぎなんじゃないの?」
春雨「はわ…はわわわ…///」
提督「うわ、村雨も村雨でとんでもないもん選びやがったな。俺もちょっと引くレベルで」
春雨「ひゃああぁぁ!!」ブン
提督「バっ!なんで外投げてんの!投げるなら提督の顔に投げなさい!」
春雨「あわわ…すみません勢いで…」
提督「いや勢いにしても強く投げすぎだろ、もう見えないし」
春雨「…司令官があんなの隠すから悪いんですよ!?」
提督「人のせいしちゃダメよ、あんた最後自分の意思で開いたでしょ。俺の忠告無視して」
春雨「私だって…大人ですもん…」
提督「意地張ると子供に見えるぞ」
村雨「いい感じ?な所に失礼するわね〜」ガチャッ
春雨「村雨姉さん!」
提督「何用、あなたの物でこっちは今大騒ぎなんですけど」
村雨「あら?それってもしかしてこれのこと?」
春雨「あ!それ…」
村雨「外歩いてたらいきなり飛んできてビックリしたわ〜一体誰が投げたの?」ヒリヒリ
春雨「…(村雨姉さんに直撃したんですか…)」
提督「…(何だあの漫画で見るようなタンコブ…絶対怒ってる)」
村雨「どうして何も言わないの?どっちかが投げたって事?」
春雨「あ、あの…!村雨姉さん…実は…」
提督「私がやりました」スッ
春雨「ふぁっ!?」
村雨「へぇ〜提督、人から貰ったものを投げるんだぁ」
春雨「(あれ村雨姉さんがあげた本なのですか!?)」
提督「今日初めて見たんだけど、内容が激しすぎてつい投げ飛ばしちゃいました。ごめんちょ☆」
春雨「あわわ、司令官…」
村雨「そう、それじゃあそれが最後の言葉として受け取っていいのね?」ジャラ
提督「おほ〜今日はやけに錨が鋭く見える。気のせいかな」
村雨「気のせいじゃないと思うよ?今日はト・ク・ベ・ツよ♡」
提督「てか錨は人に向けて殴るものでも投げるものでもないから」
村雨「だったら反省しなさーい!」ブン
提督「脱出〜!」バッ
村雨「待ちなさーい!」バッ
春雨「えぇ!?司令官も村雨姉さんも何処から飛び出てるんですか!?ここ3階ですよ!?」
シーン…
春雨「…(取り残されちゃったけど、結局なんだかんだこうなったの全部春雨のせいじゃないですか…)」
春雨「司令官、ごめんなさい…春雨、まだ子供みたいです」
提督「そう思うならもっと成長しないとな」
春雨「え、早っ!!もう戻ってきたんですか!?」
提督「死にかけたけど、体は頑丈な提督ちゃんです」
春雨「司令官…」
春雨「って言いながら足が産まれたての小鹿みたいに震えてますけど」
提督「ふふ…全く、体は正直じゃないみたいだな…」ガクガク
春雨「正直じゃないのは司令官自身です」
提督「逃げきれたんだからいいだろ」
春雨「…って、ごめんなさい司令官!私のせいで司令官が海の藻屑になるところで…」
提督「いや言い方、本当に謝ってんのそれ」
春雨「あの…どうして庇ってくれたんですか…?」
提督「まあ、部下を庇うのも提督の仕事の一環だからね」
春雨「司令官…」
提督「これが大人な対応ってやつ?これを見習えば君も立派な大人!なんてね」
春雨「(司令官…今すごく輝いて見えます…)」
春雨「…司令官、私、司令官のような立派な大人になれるように頑張ります!」
提督「いや俺みたいになっちゃダメだよ?いつか死ぬよ?」
春雨「えっ!?死ぬんですか!?」
提督「そりゃあ俺はいつも死と隣り合わせで生きてるし…」
春雨「それどういう意味ですk…」
村雨「見つけたよ提督!」
提督「ほらね」
春雨「あっ、村雨姉さん…実は…」
時雨「全く、提督には失望したよ」
白露「覚悟しなさい提督!」
春雨「えぇ!?白露姉さんに時雨姉さん!?」
夕立「鬼ごっこっぽい?楽しそうっぽい!」
春雨「夕立姉さんまで…!?」
村雨「夕立!あのおバカを捕まえるのよ!」
夕立「ぽーい!」
提督「げぇ、めんどくさい連中まで引き連れてきやがって」
白露「今日はとことん縛り上げるからね!」
提督「また逆さ吊りか?あれ頭に血が上るから勘弁しちくり〜」
春雨「(さ、逆さ吊り!?司令官のこちょこちょの刑と天と地の差じゃないですか!)」
時雨「提督、今回の件はさすがに酷いから当然の仕打ちだよ」
村雨「自業自得よ、観念しなさい!」
提督「はいはい、それじゃあ最後まで抗わせてもらいますよってに」バッ
4人「待てー!」
春雨「…(また残されちゃいました…)」
春雨「でも私がやる事は分かりました!秘書艦としての仕事はきちんとこなせているし、最近は演習も入れてくれています。いつか出撃もして、第二改装もして、そしていずれ司令官のような立派な人を目指して頑張ります!」
春雨「大人になっていく姿、楽しみにしててください!司令官!」
春雨の成長はこれからも続く…
こんな勢いに任せた作品に楽しんでいただけたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。
ゆうても白露の改二は散々馬鹿にされてたから全然嬉しく
なかったんだよなって