俺、着任。(新章、第1話)
どうも、作者です。今回から新章開幕です。
今作では、睦月型の娘がメインになるかもしれません。
(1ヶ月前)
??「ここか…。俺の着任する鎮守府は…」
俺、五十嵐亮太は今日、この鎮守府に着任する事になった。
軍学校の同級生には、天才とか何とか言われてるけれども、俺はそう言われたくはない。
なんで、15歳で着任しただけでそんなあだ名をつけられるんだよ。まぁ、史上最年少らしいんだけどもさ。
それにしても…。ここまで来るのに色々あったな…。
説明会終わった後に、何かヤバい人に絡まれて説明会でも話をしてくれた西本さんに暴行を強制されたし…。
その後は西本さんが、ちゃんと事情を分かってくれてたみたいで許してもらえたけれども…。もう1人の人は、罪悪感にやられて着任する前に辞めちゃったもんな…。
今は、頑張っていくしかないか。さて、行こうかな…。
こうして、俺の鎮守府での生活が始まったのだが…。着任した後にこの鎮守府にいる艦娘を見た瞬間、目を疑った。
亮太「なんで、駆逐艦しかいないんだ!?」
そう、俺が着任した鎮守府は駆逐艦しかいなかった。なんでこうなった。
その後、建造とかもやってはみたがまったく駆逐艦以外が出てくれなかった。まぁ、ちゃんと出てくれたんだけどもね。
ただし、出てきてくれる前までは執務室が駆逐艦の娘の遊び部屋と化していた。
亮太「はぁ…」
駆逐艦勢「ねぇ、遊んでよ司令官~」
亮太「仕事中です。後にしてください」
こんなやり取りが、駆逐艦以外の娘が来るまでずっと続いていた。そして、今に至る。
(現在)
亮太「さて、仕事仕事っと…」
いつも通りに、書類に目を通す。計画通りに作業を行っていく。今日も、こんな1日で終わるんだろうなと思っていた。
けども、そうはいかないのがこの鎮守府だ。ドアが勢い良く開く。
亮太「なんですか。急にドアを開けるなといつも言ってるはずですよ」
睦月「も~。司令官は硬すぎるにゃしい」
如月「まぁ、司令官らしいっちゃ、らしいなのよね」
弥生「司令官、いつもこんな感じ…」
卯月「司令官は面白くないっぴょん」
亮太「面白さなんか必要ないです。こっちは仕事中ですから、外で遊んで来てください」
睦月「たまには、司令官とも遊んでほしいのね」
亮太「仕事の方が大事です。貴方たちも、暇なら艤装のチェックでも行ったらどうですか?」
卯月「司令官、相変わらずっぴょん…」
睦月たちが、残念そうな表情を顔に浮かべて執務室から出ていった。こっちは遊んでる場合じゃないんだ。
どんな人からにも必要とされるようになるためには、仕事をちゃんと終えられるような人にならなくちゃならないんだから。
再び、書類作業を再開する。そのまま作業に没頭していたらいつの間にか、お昼になっていた。
亮太「もうお昼か…。まぁ、昼飯は別にいっか。さて、作業再開するか…」
食堂に行くことも考えた。けども、艦娘に絡まれて時間を奪われるだけだ。そんな事になったら、予定通りに仕事ができなくなる。
亮太「腹減ったらなんか後で食えばいいか」
再び書類に目を通す。が、またも妨害が入る。まぁ、誰が来るのかはなんとなく予想がついてるけども。
??「しれいか~ん!! 今日もご飯食べに来ないの~!?」
亮太「いつもいつもしつこいなぁ…」
??「入るよ~!」
いつもの娘が、腰より下まで伸びた髪の毛を揺らしながら部屋に入ってくる。
皐月「まったく…。今日もお昼食べずに作業する気?」
亮太「ちゃんと食べてます」
皐月「ホントぉ~?」
亮太「本当です。作業中なので、ご飯食べに行くんなら早く行って下さい」
皐月「まったく…。たまには、ボクたちとご飯食べてもいいんじゃない?」
亮太「別に大丈夫です」
皐月「ちぇっ…」
皐月が部屋から出る。何故か、ちょっとだけ寂しそうな顔をしていたが気の所為だろう。
ーー廊下ーー
皐月「はぁ…。今日も司令官とご飯食べれなかったなぁ…」
この鎮守府は、ボクと同じ歳ぐらいの娘が多く在籍してる。司令官は、この鎮守府に来てからまだ1ヶ月しか経ってないけれども…。
皆からは、ボクたち駆逐艦の間では「厳しすぎる」って言われてる。
まぁ、そうだよね…。前の司令官は、ボクたちに対してルールとかを課してきてもいなかったけども、今の司令官はボクたちに対して様々なルールを課した。例えば、就寝時間を決めたりとか。
主に挙げるとしたら、こんな感じかな。
○就寝時間の設定
○制服を着る事を強制化
○外出する際は、書類を提出する
これ以外にも色々あるんだけどもね。まぁ、これだけでも厳しさが分かると思うよ。
なんでこんなに厳しくしたのかってのは、ここに着任した時にあまりにもだらけすぎていたからだってさ。
だらけてたってのは否定しないけれども。けども、司令官は卯月が言ってたみたいに頭がダイヤモンドみたいに硬いんだよね。
だから、なんとかしてみんなと交流する機会を増やして、少しでも司令官のイメージを良くしていこうって睦月型の中で決まったんだけども…。
皐月「今日も、こうなっちゃうのか…」
司令官と、もっと話したりしたいんだけどもなぁ…。
トボトボと歩きながら、食堂に向かう。食堂では、いつも通りみんなが待っていた。
皐月「ただいま~」
睦月「おかえり~。今日もダメだったみたい?」
皐月「うん…」
如月「司令官は、いつもこうよねぇ…」
弥生「もしかして、私たち嫌われてるのかな…」
卯月「うーちゃん、まだ何もやってないぴょん…」
皐月「いや、そもそもイタズラしちゃダメだからね!?」
水無月「それにしても、司令官よく壊れないよね」
文月「しれ~かん、頑張りすぎだよぉ~」
長月「まぁ、確かにそうだな。いつも書類を持っている気がするぞ」
菊月「もう、司令官は働かないと死ぬんじゃないか?」
三日月「司令官さん…」
望月「どうかしてるよね~」
三日月「あなたは、もう少し司令官を見習って下さい」
望月「え~。めんどくさ~」
睦月型が、「今日も」グダグダと話している。まぁ、亮太があんなんなので、仕方ないのかもしれないのだが。
どうやら、睦月型のお昼頃兼、睦月型会議はまだ続くみたいだ。
ーー執務室ーー
亮太は、いつものように書類を整理し終わったあと、「いつも通り」カップ麺を食べていた。
亮太「ふう…。食い終わったし、明日の予定は…。って、明日はオフか…」
カレンダーの予定欄は空欄だった。特に何もない証拠だ。
亮太「明日は、他の鎮守府に見学しに行こうかな…。他の鎮守府を見学したら何か得られるかもしれないし」
連絡用のファイルを取り出し、電話番号を調べる。そして、電話をかけようとした時にドアが開いた。
亮太「なんだよ…。急に開けるなって何回言えば…」
ドアの近くには、いつもの奴らがいた。
亮太「何回言わせるんですか?」
卯月「何回言っても、直せないものは直せないぴょん」
亮太「はぁ…」
亮太がため息をつく。その間に、睦月型の一部がカレンダーの方に移った。そして、カレンダーの空欄部分を見つける。
睦月「およ? 明日って、司令官はお休みなのかにゃ?」
亮太「確かに、明日はオフですが、他の鎮守府を見学しに行く予定にしています。なので、遊ぶ事はできませんよ」
睦月「およ…」
如月「すでに先手を打たれてたわね…」
皐月「あのさぁ、司令官!!」
睦月ら「!?」
急に、皐月が大きな声を出したせいか睦月たちは驚いていた。皐月が、そのまま続ける。
皐月「司令官は、ボクたちの事嫌いなの!?」
亮太「嫌いなわけないですよ。そもそも、嫌いならここにはいませんよ」
皐月「じゃあ、なんでボクたちと遊んだりしてくれないの!?」
亮太「遊んでいる暇は、自分にはないからです。遊んだ分、自分を成長させる為の時間が削られるとなると…」
皐月「…っ!! もういいよ!!」
皐月が、怒って執務室から出ていってしまった。睦月たちが、それを追いかけるように執務室を後にした。
亮太「…なんで怒られたんだよ。非合理的って説明しようとしたのに」
亮太は、なぜ怒られたのか理解できないまま他の鎮守府に連絡を取る準備を始めた。一方、廊下では…。
ーー廊下ーー
睦月「ちょ、ちょっと、皐月ちゃん!? 急にどうしたの!?」
如月「あんなに怒るなんて、滅多にないのに…」
皐月「司令官は、ボクたちの事より仕事の方が大好きなんだろうね!! ボクたちなんか、どうだっていいんだよ!!」
卯月「皐月…」
弥生「でも、そんな事分かってたのにどうしてそんなに怒ったの…?」
皐月「だってさ、暇な時に行ったら艤装がうんたらかんたらって言って部屋から追い出されるし、完全フリーな日に行ってもこの有様だよ!? 司令官と遊びたいだけなのにさ…」
皐月のいう事は、皐月以外のほとんどの娘に当てはまる。駆逐艦の娘以外の時では、なんやかんやで少しは談笑したりしているが、駆逐艦の時はコレだ。そりゃ、怒っても仕方ないのかもしれない。
文月「確かに、司令官はあんまり私たちと絡んでくれないよね~。うん…。ちょっと、寂しい…」
睦月たちの間に、重い空気がどんよりと漂う。どうしようもないので、そのまま部屋まで戻るのであった。
ーー執務室ーー
亮太「あ、はい…。じゃあ、お願いします」
電話を切った後、一呼吸つく。なんせ、相手がまさかの元帥だからだ。
見学を認めてくれる鎮守府がなかなかないので、もしかしたら見学させてもらえるかと一か八かで電話をしたのだが、まさかのすんなりOKをもらえたので、見た感じだと落ち着いているが脳内は大混乱だ。
亮太「まさかの、元帥のところで見学できるなんて…。私服でもいいとか言ってたけども…。目上の人だから、私服はNGだな」
翌日の見学に向けて準備を始める。
しかし、同時刻。睦月型の部屋では…。
ーー睦月型の部屋ーー
睦月「…」
如月「…」
弥生「…」
卯月「…」
皐月「…」
水無月「…」
文月「うぅ…」
長月「…」
菊月「…」
三日月「…」
望月「…」
重い空気がひたすらに漂っていた。
もしかしたら、自分たちは司令官に嫌われているのかもしれないという考えが、頭から離れないせいなのだろうか。
いつもテンションが高い卯月がこの状態なので、よっぽど深刻だ。
そして、翌日。
亮太が元帥の元へと向かった。一方、睦月型はこの重い空気が漂ったままだ。
いったい、どうなってしまうのだろうか…。
次回に続く。
さて、新章開幕ですが…。1話から重すぎますね、これは…。
次回は、元帥のアイツが登場です。もしかしたら、嫁艦も出るかも?
ん?暴行?まさか前回の…?
※1
なんやかんやで、繋がってます。
次回に期待してます頑張ってくださいo(・`д・´。)ヵ゛ンハ゛レ !
※3
あざっす!