なんだアレ?(交流編、第3話)
愛って何なんだろうかね。(文章力はいつも通りです)
焼肉食べに行きたいと思いながら書きました。
優斗「…」
財布が、軽くなる。今から。
白露「焼肉だぁー!!」
時雨「美味しいモノを食べれば、嫌な事だって忘れられるからいいよね」
村雨「食べ過ぎだけは気を付けないとね」
夕立「お肉食べまくるっぽい!!」
春雨「野菜も忘れないでくださいね、咲お姉ちゃん」
五月雨「今度はやらかさないようにしないと…」
海風「そういえば、前に行った時は愛海姉さんは網を黒焦げにしてましたね…」
山風「あの時は、大変な事になっちゃったもんね…」
江風「そんな事話す暇あったら、早く行こーぜ!」
涼風「焼きまくるぜぇ!!」
心音「お肉…」ジュルリ…。
優斗「…オワタ」
全員、食べる気満々だ。
これって、食べ放題コースだけでも足りないのでは?
値段表を2、3回見直す。けれども、見るたびに絶望感が大変な事になっていく。
飯を食う前から胃が痛いってどーゆー事ですか?
白露「どうかしたの? ゆーくん」
優斗「なんでもない…」
白露「もしかして、財布の事?」
優斗「イエス」
白露「でもさぁ、1人で焼肉食べに行こうとするゆーくんも悪いと思うよ?」
優斗「茜が見つけなければ良かったんだけれどもなぁ!?」
白露「まぁ、そうだけれどもね」
優斗「あーあ、財布の中身の8割程が吹っ飛んでゆくー」
もう財布の中身の事を考えるだけで嫌になる。
一旦忘れよう、うん。考えたら飯が食えなくなっちまう。
優斗「今は飯の事だけを考えるんだ、俺…」
白露「網の上でジュージュー音を立てながら焼けていくお肉…」
時雨「そして、そのお肉をタレにつけて…」
村雨「ご飯と一緒にパクっと…」
優斗「ノリノリで言うんじゃない!! 腹が減るわ!!」
白露「だって、ゆーくんがご飯の事だけ考えるって言ったじゃん」
優斗「そうだけれども、今は言わんでいいわ!! あー、もっと腹が減ってきた…」
こんなのを聞いてたら、空腹の状態が更に悪化しそうだ。
ただでさえ、腹ペコなのにこんな事をずっと言われ続けたら店に辿り着く前にぶっ倒れるわ。
白露「あ、お店が見えてきた!」
茜が指さした少し先に、予約を入れた店が見えた。
まぁ、予約を入れたと言っても入れられたの間違いでもある気がするんだけれども。
夕立「あ、このお肉美味しそうっぽい!」
時雨「お肉だけじゃなくて、野菜も食べなよ、咲…」
店内に入ってからは、4つのグループに分かれてテーブルに座った。
夕立「焼肉屋さんに来たんだから、お肉を食べるのは当然っぽい!」
時雨「いや、その理論はおかしい」
村雨「このスープも美味しそうだけれども…。こっちも美味しそうだし…」
春雨「辛いのは苦手です…」
村雨「じゃあ、こっちの方が良さそうかな…。じゃあ、こっちのスープにしときましょうか」
春雨「早く食べたいです、はい!」
時雨「じゃあ、注文しようか」
村雨・夕立・春雨「お願いしまーす」
五月雨「ドリンクバーはつける?」
涼風「つけた方がいいんじゃねぇか? どうせ、炭酸とか飲むだろ」
心音「タレはどれにしようかな…」
五月雨「じゃあ、私はこのタレで」
涼風「ソレ、辛いヤツじゃねぇか?」
五月雨「あ、ホントだ…。でも、もう入れちゃった…」
心音「じゃあ、私が貰います。愛海さんはこっちの甘辛タレ使ってください」
五月雨「ありがとう、心音ちゃん…」
涼風「良かったな、姉貴。食べた瞬間に「辛い」なんて言われて口から火吐かれても困るからな…」
心音「じゃあ、頼みますねー」
五月雨・涼風「お願いしまーす」
海風「お肉もいいですけれども、お魚もいいですね」
山風「こっちもいいけれども…。こっちも捨てがたいし…」
江風「どっちも頼めばいいンじゃねぇか?」
山風「確かに…」
海風「じゃあ、このセットとこっちのセットで…」
江風「あ、ライスは大盛で」
海風「里奈はご飯は少なめでいい?」
山風「うん、お願い…」
江風「じゃあ、頼むぜー。すンませーン」
海風・山風「ボタン押さないと、店員さん来ないよ?」
江風「あ、そうだった」ポチッ。
優斗「あいつら…。セット以外のヤツまで頼んでいやがる…」
白露「ドンマイ、ゆーくん」
優斗「まぁ、給料日前に全額無くなるわけではないけれども…」
白露「そんな事よりも、早くお肉焼こうよ」
優斗「そうだな。あ、ライス頼むの忘れてた」
白露「何やってるの…」
優斗「焼肉にライスは欠かせないのに…。こんなミスをしでかすとは」
白露「まぁ、そういうミスは誰にだってあるよ。とりあえず、ご飯がくるまでお肉焼いておこうよ」
優斗「せやな」
ギャー!! オニクガコゲター!!
マックロニナッテルッポイ!!
優斗「騒がしいなぁ…」
白露「うん。そうだね」
優斗「慣れてんなぁ、茜は」
白露「まぁ、あれだけ聞いてたらね」
ライスオマタセシマシター。
優斗「あ、米が来た」
白露「これでお肉をいっちばん美味しく食べれるね!」
優斗「じゃあ、食べますか」
2人は、ゆっくりと話しながら食べ進めていった。
しかし、問題が起きたのはこの後だった。
優斗「ちょっと、ドリンク取って来るわ」
白露「行ってらっしゃーい。あ、お肉焼いとくねー」
優斗「頼むわー」
ドリンクバーの所まで茜と俺のコップを持って移動する。
あ。俺はウーロン茶でいいけれども、茜は何にすればいいのかを聞き忘れた。
まぁ、適当にコーラかソーダでも入れときゃいいか。
優斗「えっと、ここにコップ置いてっと…」
機械にコップを置いた後に、ボタンを押す。
押し続けないと出続けないタイプの事を忘れていて、コップを置いてから5分ぐらい待っていた。
気づいたのが遅すぎる自分が馬鹿馬鹿しい。
優斗「何やってんだ、俺は…」
自分の馬鹿さに失笑する。
コップを再び持って、テーブルへと戻る。
戻る最中に、何かと騒がしいグループがいるので避けて通ろうとした。
ところが、そのグループがどっかで見たことのある奴らだった。
優斗「…え」
コップを持ったまま、呆然となっていた。
目の前にいる騒がしいグループというのは、今さっきまで演習していた奴らだっただからだ。
提督「それにしても、みんな本当に頑張ったよ。ホントに…」
時雨「そりゃあ、頑張った分、提督が褒めてくれるからね」
提督「いや、いつも褒めてるはずだぞ!?」
村雨「でも、外に出たら厳しくなるじゃない」
提督「いや、アレはその、まぁ、色々とあってだな…」
その光景を見た後、優斗は無言で茜がいるテーブルへと戻った。
テーブルに戻った時、真顔過ぎたみたいで、茜に心配された。
白露「ど、どうかしたの、ゆーくん!?」
優斗「い、いや、なんでもない…」
白露「それにしては、顔がおかしいよ!?」
優斗「何か、凄いモノを見てしまった気がするぞ…」
白露「え? 何か変なモノでも見ちゃったの?」
優斗「変と言ったら、おかしいけれどもなぁ…」
白露「ま、まぁ、美味しいモノ食べて忘れなよ! はい、これ焼いといたお肉!」
茜が、お皿に焼いたばっかしのお肉を載せてこっちに渡してくる。
受け取った後、無言のままタレにつけて食べていく。
美味しいけれども…。今さっきのアレって…。
(1時間後)
優斗「ふぅ…。めちゃくちゃ食った気がするぜ…」
白露「久しぶりにこんな所来たしね…」
優斗「じゃあ、デザートでも取りに行くか」
白露「え!? デザートがあるの!?」
優斗「お、おう…」
デザートと言った瞬間、茜の目がキラキラ輝き始めた気がした。
そんなにデザートがいいのか…? まぁ、デザートは別腹とも言うし。
白露「ほら、早く行こうよ!!」
優斗「わ、分かったから腕を引っ張るんじゃねぇ!」
腕を引っこ抜く気か、おい。
こっちがちんたらしている内に、茜は先にデザートコーナーに行ってしまった。
早すぎませんかね、茜さん。
デザートコーナーに移動すると、茜が今さっきの俺と似た感じで呆然と立っていた。
何かあったのかと思って茜の近くに行くと、どうしてこうなったのかが分かった。
白露(茜)「…」
優斗「あ…」
提督「…」
白露「…」
白露(茜)「え、ええ?」
白露「…」
提督「あ、あはは…。ど、どうも…」
優斗「あ、はい…。うん、どうも…」
恐らく、茜はあっちの鎮守府にいる白露と提督がデザートを一緒に選んでいる所を目撃したのだろう。
しかし、気まずい。
白露「あ、あっちに行きましょう。提督…」
提督「そ、そうだな…」
白露(茜)「…」
優斗「…」
2人が去った後、茜は無言のままこっちを向いて苦笑いした。
俺も、どうしようもないのでこっちも苦笑いで返した。
その後は、とりあえず食べたいデザートを取るだけ取って、テーブルに戻った。
白露(茜)「ねぇ、ゆーくん」
優斗「…なんだ」
白露(茜)「ゆーくんがジュース持って帰って来た時から、こんな表情だったのって…」
優斗「…まぁ、そういう事です」
白露(茜)「まぁ、あんなにも違う光景を見たらこうなるよね…」
優斗「コレは…。色々と忘れられない気がするな。うん」
その後は、何も話す事なくデザートを食べた。
けれども、これだけでは終わらなかった。今度は、会計の時だった。
優斗「…」
白露(茜)「…」
時雨(優香)「どうかしたの、お姉ちゃんも優斗も…」
優斗「なんか、その…」
白露(茜)「色々とあったから…」
優斗「さて、会計だ会計」
その後は、無言のままレジに向かった。
が、いた。しかも、全員集合で。
白露「提督ー、ホントに奢ってもらっていいの?」
提督「当たり前だろ! みんな今日は頑張ったんだから」
夕立「提督さん、太っ腹っぽい」
提督「腹は出てないけれどもな!」
春雨「美味しかったです、はい!」
五月雨「色んなモノ食べれたよねぇー」
海風「提督さん、ご馳走様です」
山風「お肉、美味しかった…!」
江風「また皆で来れればいいな」
涼風「ホントだよなぁ…」
提督「また演習とかで頑張ったら、連れて来てもいいぞー」
夕立「ホントっぽい!?」
提督「そりゃあ、頑張ってる奴にはそれなりの対価がいるからな」
江風「じゃあ、次もやってやるぜ!!」
提督「その前に、江風はもうちょっと落ち着こうな」
江風「なンだとぉ…」
提督「お、落ち着けって! 冗談だって…」
優斗「Oh...」
白露(茜)「あはは…」
時雨(優香)「え、何あれ…」
村雨(由衣)「あれって…。今日演習した相手の…」
夕立(咲)「それにしても、性格が演習中と間反対っぽい」
春雨(春香)「違和感がアリアリです…」
五月雨(愛海)「けれども、気づいてないんでしょうか…」
海風(七海)「皆さん、楽しそうですけれども…」
山風(里奈)「戦ってる時と、全然違う…」
江風(愛香)「なンなンだ、アレ…」
涼風(鈴奈)「いや、聞かれても…。分からねぇよ…」
心音「なんだろうね、ホントに…」
優斗・茜ら「さぁ?」
心音「ハモリ過ぎじゃない?」
こっちがこっちで呆然となっていると、会計待ちをしていた相手側が、ようやくこっちに気がついた。
提督「あ…」
白露型「あ」
優斗「…」
茜ら「…」
そのまま、気まずい雰囲気が漂い始めた。
もう、どうにもこうにもならないので、そのまま放っておく事にした。
たぶん、今から何かアクションを起こしてもどうにもならないだろうし。
その後は、お互い何も話さずにレジで会計を済ませた。
それにしても…。愛だのなんだの言っていたアイツでも、色々とやってるじゃねぇーか…。
なんなんだ、ホントに…。
夜空を眺めながら、店からの帰り道を歩く。
愛って、結局何なんだろうな…。まぁ、19歳の俺にとっては何にも分からんが。
いや、結婚してるから分かってる、のか?
うん、考えたらもっと訳が分からん。
しばらく、この事は忘れておこう。今日はさっさと帰ろう。うん。
こうして、俺らは帰宅するのであった。
(…艦?)
優斗「アレ? 今日でこの章終わり?」
シーン…。
優斗「しかも、俺だけですか!? 次回予告担当は」
優斗「まぁ、いいや。来週は、クリスマス編と特別編の2本の予定だってさ」
優斗「それにしても、外ホントに寒いなぁ…」
優斗「んじゃ、この辺でサヨナラー。次回もよろしくー」
愛とは、躊躇わない事だそうです。
とあるヒーローソングから。
※1
愛は、考えれば考えるほど分からなくなるなぁ…。
ちなみに。
若さとは振り向かない事だそうです。
※3
振り返りまくっている俺はもう若くないのか…。