2023-02-11 04:11:47 更新

概要

SS初投稿です
駄文、誤字、脱字あるかと思いますか暖かい目で見ていってください


前書き

自営業を営んでいた男がいきなり大本営に呼び出され元帥から伝えられたのは
「提督となり世界を平和に導いて欲しい」

登場人物

・提督(光信):20代半ば 男 妖精が見えるまでは地元で自営業を営んでいた

・吹雪:提督に初期艦に任命された艦娘

・曙:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り。執務室前で動けないところを提督に助けてもらい復活
提督love

・満潮:霞と部屋に隠れていた。提督が来たことにより安心するも恐怖心から提督に甘える
提督love

・霞:満潮と部屋に隠れていた。提督に主砲を撃つも躱され最終的には気絶させられる。
夜中に1度目が覚め提督の温もりを感じ主砲を撃ったことを後悔。その後甘えるようになる
提督love

・青葉:何かと写真を撮り記事にしたがるパパラッチ重巡。曙と同じく佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
襲撃時のトラウマがあるようで1人では寝れないらしい。隠れ提督love


大淀:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り。主に大本営との連絡役

明石:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
襲撃前は資材を勝手に使い発明していたが襲撃後は発明をしなくなり真面目に工作艦として働く

川内:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
天井裏で気配を消していたつもりが隠せておらず提督に見つかる
『気配の消し方が下手くそ』とダメ出しを食らう

鳳翔:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
普段は間宮と食堂を任されている

間宮:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
鳳翔とともに食堂を任される傍ら『甘味処間宮』も営んでいる

不知火:佐世保鎮守府所属。佐世保襲撃時、前提督から半年の長期休暇を強制的に取らされ鎮守府を留守にしていた。意外とビビり。青葉から鎮守府の現状を聞き酷く落ち込むが提督の優しさに心を開き甘え出す。提督Love

時雨:佐世保鎮守府所属。襲撃時は連休でプチ旅行に行っていた。夕立からの緊急連絡で引き返すも時すでに遅し。誰にも見つからないよう裏山で過ごしていた

瑞鶴:大本営所属艦娘。佐世保鎮守府近海の哨戒のために派遣された。一航戦の加賀とは仲がいい

加賀:大本営所属艦娘。意外と怖がり
五航戦の瑞鶴とは仲がいい

大和:大本営所属艦娘。戦闘中は凛々しいがそれ以外はだらしなかったりする

古鷹:大本営所属艦娘。青葉とは面識がある
たまにドジを踏む

睦月:大本営所属艦娘。なんか知らんけど語尾が特徴的

暁:大本営所属艦娘。電がちゃんとやれているか心配で元帥にお願いして派遣された
他の鎮守府のように背伸びをするかと思いきや割としっかりしている


※大本営から派遣された艦娘は後に佐世保鎮守府所属となります

~大本営~

元帥:お調子者。公人や他鎮守府の提督がいる時は真面目なフリをしているが、よく長門にシバかれている

長門:大本営所属艦娘。元帥の秘書艦であり提督と幼馴染でもある。尚、あえて言わないが他鎮守府のように危険な存在ではない。提督には弱い
意外と提督のことが好き?

憲兵長:憲兵団のトップ。元佐世保鎮守府の提督。
佐世保に未練はあるものの当時の嫁艦である朝潮と幸せに暮らしている。

朝潮:元佐世保鎮守府所属の艦娘。襲撃後奇跡的に生き残るが記憶を失っていた。元提督が現れたことにより記憶が戻るも佐世保には戻れないと解体を希望。憲兵長の妻である。面影は残っている


ーーー1章 我、佐世保鎮守府ニ着任スーーー



2022年2月某日

~1000 大本営〜


俺は今日、大本営に呼び出されていた

小人が見えるから精神科を受診したら何故か海軍大本営に連絡されてしまったためである


「来たか」


「はい」


「呼び出された理由は分かるかね?」


「いえ・・・。失礼ですが御名前を伺ってもよろしいですか?」


元帥「む、これは失礼したな。私は元帥という者だ」


「元帥殿でしたか。大変失礼いたしました」


元帥「さて、本題に入ろう。まず呼び出した理由だが、君は妖精が見えているのだろう?」


「ええ、つい最近小人らしきものが私の周りを飛んでいましたので気になっていました」


元帥「やはり君には素質があるようだな」


「素質とは?」


元帥「単刀直入に言おう。君には本日より提督となり艦娘を率いて深海棲艦に奪われている海域を解放して欲しい」


提督「・・・はい?今、なんと・・・?」


元帥「提督となり深海棲艦を倒し世界の平和及び海域解放の任務に当たってほしい」


提督「何故・・・というのは愚問でしょうね。妖精が見えるものは提督になる素質がある・・・でしたか」


元帥「その通りだ」


提督「お言葉ですが元帥殿。私は戦術や海戦、それこそ戦闘には疎い人間ですよ?」


それもそうだ

俺はは地元九州で自営業を営んでいたからだ

当然の事ながら経営の知識はあれど、戦闘、海戦、陣形などわかるわけが無い


元帥「その点に関しては心配は無用だ。今から紹介する駆逐艦5人の中から“初期艦兼秘書艦”を選んで欲しい」


提督「駆逐艦・・・ですか・・・(なぜ駆逐艦・・・)」


元帥「心配するな。各鎮守府に着任している提督達もみな初期艦を選んで海域解放の任務に当たっている」


提督「そうですか・・・」


元帥「長話もなんだ。お前たち入ってこい」


ガチャ ゾロゾロ


元帥「揃ったようだな。新任提督に各自自己紹介を」


吹雪「吹雪型駆逐艦一番艦 吹雪です」ビシッ


叢雲「吹雪型駆逐艦五番艦 叢雲よ」ビシッ


漣「綾波型駆逐艦八番艦 漣です」ビシッ


五月雨「白露型駆逐艦六番艦 五月雨です」ビシッ


電「暁型駆逐艦四番艦 電なのです」ビシッ


元帥「以上5人の中から1人選んでくれ」


叢雲「心配しなくても大丈夫よ。選ばれなくてもそのうち会えるから」


提督「そうなのか?」


元帥「叢雲の言う通り、遅かれ早かれ選ばれなかった駆逐艦とも会える」


提督(とは言っても・・・誰を選ぶか・・・)


元帥「あまり時間はかけるなよ?話はまだあるんだからな」


提督「分かりました・・・では、駆逐艦吹雪 君を初期艦兼秘書艦として任命する」


吹雪「はいっ!よろしくお願いします!司令官!」


元帥「決まったようだな。では提督と吹雪以外の皆は退出してくれ」


4人「了解しました」ガチャ パタン


元帥「では、これからの話をしよう。椅子にかけてくれ」


提・吹「失礼します」


元帥「それじゃ、これからの話をする前に・・・君には『佐世保鎮守府』に着任してもらう」


提督「分かりました(佐世保か・・・実家からは少し遠いな)」


それから俺は元帥から艦隊運営のやり方、佐世保鎮守府には大淀と明石という艦娘が既に着任していることなど説明を受けた


〜1500~


元帥「私からは以上だが、質問はあるかね?」


提督「いえ、ありません」


元帥「そうか。ん?もう1500か・・・長くなってすまないな」


提督「とんでもないです」


元帥「しばし休息としよう。1700にまたここに来てくれ。それまでは自由にしてくれて構わん」


提督「ありがとうございます」


元帥「では吹雪、頑張りたまえ」


吹雪「はいっ!」ケイレイ



〜大本営 廊下〜


提督「疲れたな・・・」ノビー


吹雪「あ、あははは・・・」


提督「改めて吹雪、これからよろしくな」


吹雪「よろしくお願いします!」ビシッ


提督「元気があるのはいいが空回りはするなよ」


吹雪「分かりました。ところで司令官」


提督「ん?」


吹雪「司令官は妖精さんが見えるまで何をしていたんですか?」


〜提督説明中〜(便利だねこれ)


吹雪「そうだったんですね・・・(お父様は・・・)」


提督「言っておくが親父はまだ健在だぞ?」


吹雪「えっ?」


提督「顔に出てる」


吹雪「あぅ...///」


提督「(わかりやすいな)」



~1645~


コンコン


元帥「入れ」


『失礼します』ガチャ


元帥「時間にはまだ早いが」


提督「私の中で15分前行動が基本となっているのでその癖かと」


元帥「見事な心掛けだが無理はするなよ」


提督「御忠告ありがとうございます」


吹雪「zzz」提督の背中で寝ている


元帥「もうすぐ迎えが来るかその前に佐世保鎮守府についてひとつ伝えておくことがある」


提督「その前にすみません」


元帥「?」


提督「お前はいつまで寝てんだコノヤロウ・・・元帥殿の前だぞ」グニー 吹雪の頬をつねる


吹雪「いはいいはい!いはいでふひへいはん!(痛い痛い!痛いです司令官!)」


元帥「特に気にしていなかったんだが・・・」


提督「すみません、元帥殿が気にしていなくとも礼儀というものがありますので」


元帥「そうか」


吹雪「うぅ・・・酷いですよ司令官・・・」


提督「時間になっても起きないお前が悪い。元帥殿の前だというのに・・・」


吹雪「へ・・・?げっ、元帥殿大変失礼いたしましたぁ!」土下座


元帥「構わん。顔を上げろ」


吹雪「はい・・・」


提督「ところで元帥殿、佐世保鎮守府に関する話とは」


吹雪「?」


元帥「あそこは1度深海棲艦に潰されている」


提督「そこに所属していた艦娘と前任は」


元帥「ほとんど死んだ」


吹雪「えっ・・・」


提督「ほとんどということは何人か生き残りが?」


元帥「あぁ、軽巡洋艦大淀と工作艦明石・・・」


吹雪「2人だけ・・・なんですか?」


元帥「いや他にもいる・・・綾波型駆逐艦 曙、青葉型重巡洋艦 青葉だ」


提督「なるほど、分かりました」


吹雪「(生き残りいるなら私はいらないんじゃ・・・)」


元帥「ただ、問題はここからだ」


提督「と言いますと?」


元帥「鎮守府そのものは復旧しているが生き残った4人は酷く疲弊していてな・・・入渠ドックもまともに動いていないせいかほとんど動けていない状態だ」


提督「なんとなくやることは分かりました」


元帥「とても苛酷な環境になるが・・・」


提督「百も承知です。すぐにでも向かいましょう」


元帥「その心意気に感謝する」


提督「吹雪、行くぞ」ガチャ


吹雪「はいっ!」ガチャ


元帥「・・・頼むぞ」



〜2100 佐世保鎮守府〜


提督「着いたな」


吹雪「確かに復旧は終わってるみたいですけど・・・」


「あなたは・・・」


提督「ん?君は?」


青葉「あ、青葉型重巡洋艦 青葉・・・です」ガタガタ


吹雪「どうしたんですか?」


青葉「いっ、いえ、なんでもありません」ガタガタ


提督「全く・・・」ギュウ


青葉「ひっ」


提督「怖かったな青葉」


青葉「うっ・・・うぅ・・・グスッ」ナミダメ


提督「今は沢山泣け。話はそれからだ」ナデナデ


青葉「うあああああぁぁぁ・・・」


吹雪「(・・・羨ましいな)」


提督「(何考えてんだお前)」


吹雪「(司令官!?脳内に直接!?)」



〜5分後〜


青葉「うぅ・・・///すみません・・・落ち着きました」


提督「大本営でここの事情は聞いてきた。まともに動けない中でよくここまで来たな」


青葉「はっ、曙さんが執務室の前で!」取り乱す


提督「落ち着け青葉。ここで取り乱したら必要な情報が拾えなくなる。曙がなんだって?」


青葉「う・・・失礼しました・・・曙さんが動けない状態で無理をして執務室に向かったようで・・・」


提督「(まずいな・・・)吹雪!」


吹雪「はいっ」


提督「鎮守府の中の入渠ドックの様子を見てきてくれ」


吹雪「分かりましたっ!」ダッ


青葉「え、えっと・・・その・・・新しい司令官・・・ですか?」


提督「あぁそうだ。青葉が取り乱したから名乗る暇なかったな」


青葉「うっ・・・」


提督「それより執務室前に行こう。話し方からするに非常にまずい状態だ」


青葉「私が案内します!」ダッ


提督「頼む!」ダッ


青葉「司令官足速いです!」タッタッタッ


提督「知るかんなもん!」ビューン



〜執務室前〜


青葉「曙さん!曙さん!」ユサユサ


提督「青葉、無理に起こすな」


青葉「あっ、すみません・・・」


曙「」気を失っている


提督「脈も安定、呼吸もある。気を失っているだけか」


吹雪「司令官!入渠ドックの様子見てきました」


提督「状態は」


吹雪「復旧したとはいえ長いこと使われていなかったせいかまともに機能していません」


提督「吹雪、大本営に至急連絡。入渠ドックを直してもらうよう依頼しろ」


吹雪「はいっ!」


青葉「ふ、吹雪さん!」


吹雪「はい?」


青葉「執務室に大淀さんがいます。大淀さんにお願いして通信を繋げてもらってください」


吹雪「分かりましたっ!」



〜執務室〜


吹雪「大淀さんどこですか?」


大淀「ん・・・誰ですか・・・?」


吹雪「本日付で着任しました駆逐艦吹雪です!」


大淀「あぁ、あなたが・・・ということは提督も・・・?」


吹雪「そうです!大淀さんにお願いがあります!」


大淀「私に・・・?」


吹雪「至急大本営と連絡を取るよう司令官から支持を受けました」ガチャ


提督「大淀、頼めるか」


大淀「は、はい・・・繋がりました」


元帥『どうした』


提督「15分ほど前に鎮守府に到着しましたが入渠ドックが使えないようです」


元帥『わかった。今すぐ資材と修理できる者をそっちに送ろう』


提督「ありがとうございます」


元帥『今が2115か・・・2200にはそちらに到着するだろう』


提督「分かりました」


元帥『0000には完全に復旧を終わらせる』


提督「了解しました。私は食堂へ行き生き残っている艦娘と吹雪の分の飯を作ってきます。経過報告は吹雪を介して行います」


元帥『わかった。頼むぞ』


提督「はっ」ガチャン


吹雪「では、ここは私が引き受けます」


大淀「では私もここに」


提督「いや、大淀は曙、明石と共に休んでてくれ」


大淀「了解しました」


提督「青葉は俺を食堂へ案内してくれ。その後明石を大淀たちの元へ向かわせ休ませろ」


青葉「分かりましたっ」



〜食堂〜


提督「電気は・・・よし点いた・・・ん?」


「っ!」ビクッ


提督「君は?」


鳳翔「軽空母鳳翔・・・です」


間宮「給糧艦間宮です」


提督「ここで何を?」


鳳翔・間宮「・・・」


提督「・・・」


鳳翔「失礼ですがどなたでしょうか・・・」


提督「本日付で着任した提督だ」


鳳翔「っ!」ケイレイ


間宮「っ!」ケイレイ


提督「・・・そこに一人いるな」苦無投げ


「おっと・・・バレてたんだね」


提督「気配の消し方下手くそか」


「言い方酷っ!」


提督「で、お前は?」


川内「川内型軽巡洋艦 川内だよ」


提督「大本営の話ではお前ら3人は居ないと聞いてたんだが」


間宮「大本営の人達や憲兵さんが私たちの隠れているところを見つけられなかったからだと思います」


提督「隠れていた?」


鳳翔「はい・・・」


川内「私は天井裏に」


鳳翔「間宮さんと私はバックヤードの床下に・・・」


提督「なるほどな・・・」


鳳翔「提督はなぜこちらに?」


提督「いや、曙や青葉たちが酷く疲弊していてな、入渠ドックも使えないからせめて食事でもして安心させてやろうかと」


間宮「そういうことなら私が・・・っ」フラッ


鳳翔「間宮さん!」ウケトメ


提督「川内」


川内「何?」


提督「間宮と鳳翔を連れて執務室に行け」


川内「それはいいけど・・・どうして?」


提督「ここにいるメンバー以外そこにいるからだ」


川内「了解」


間宮「すみません提督・・・」


鳳翔「すみません・・・」


提督「早く行け。ここは俺が何とかする」



提督「さて、米は・・・新鮮だな、調味料も・・・うん問題なさそうだ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜執務室〜


提督「全員揃ったか?」


吹雪「はい!」


「提督、ありがとうございます」


提督「何もしてないが?」


「いえ、着任していただいただけでも嬉しいです」


提督「そういうもんか・・・ところで名前は?」


明石「工作艦明石です」


提督「ふむ」


曙「ん・・・んぅ・・・はっ」ガバッ


提督「まだ寝てろ」


曙「誰よ」


提督「今日付で着任した提督だ」


曙「そ、そう」


提督「なんだ」


曙「いい匂いがすると思って」


提督「ああ、お前ら生き残りにお粥だ」


吹雪「お粥?なんでですか?」


提督「まともに飯食えてなかったやつに味の濃いものや消化に悪いもの食べさせたら胃が反応して吐きかねんぞ」


鳳翔「確かにここ数ヶ月まともに食事取れていませんでしたね」


提督「そういうことだ。さ、準備は出来たからそれぞれのペースで食べてくれ」


艦娘「いただきます」


ジリリリリリリ


提督「電話? はい、佐世保鎮守府 提督です」


元帥『すまんな。吹雪からこちらで把握していない艦娘が3人見つかったと聞いてな』


提督「えぇ、鳳翔、間宮、川内の3人です」


元帥『一体どこにいたと言うんだ・・・憲兵やこっちから送った艦娘は見つけられなかったと言うのに・・・』


提督「推測の範囲になりますが、深海棲艦の上陸と同様に大人数で捜索に来たことにより本人達は深海棲艦がまた来たと考えたのでしょう」テイトクサーン


元帥『それは申し訳ないことをしたな』シレイカンハデンワチュウデスヨ


提督「元帥殿が気に病む必要は無いかと」ア、フブキサン ドックノフッキュウオワッタヨー


元帥『ところで7人の容態は』ハイイマイキマスネ ガチャ パタン


提督「曙も目を覚まし、ほかの6人も今は私が作ったお粥を食べてますよ。吹雪は今入渠ドックの復旧が終わったとのことでたった今出ていきました」


元帥『そうか・・・』


提督「元帥殿、電話をかけた目的は別にありますよね」


元帥『君はエスパーか何かかね?まぁたしかに別件でかけた訳だが』


提督「それで用件は」


元帥『君に選ばれなかった初期艦4人だが、本人たちからの希望でそちらに着任することになった。もうすぐ着く頃だろう』


提督「えぇ・・・」


元帥『それと、大淀から報告を受けたが資材がほとんど底をついていたようでな、こちらから各資材1万ずつ支給することにした』


提督「ありがとうございます」


元帥『よろしく頼む』


提督「了解しました」 ガチャン



大淀「提督、ごちそうさまでした」


艦娘「ごちそうさまでした」


提督「ん、食えたな」


大淀「・・・聞かないんですか」


提督「事情は把握しているが無理に聞いても言い難いだろ?話せる時に話してくれればいい」


大淀「お気遣いありがとうございます」


吹雪「司令官、ただいま戻りました」ガチャ


提督「ん、お疲れ」


吹雪「入渠ドック復旧完了の確認終わりました」


提督「わかった。吹雪以外は皆入渠してこい」


曙「入渠・・・?ここの設備は傷んでて使えないはずよ」


青葉「鎮守府そのものの復旧は終わってますが入渠ドックや工廠はそのままですよ?」


提督「心配するな。元帥に連絡して復旧している」


妖精「提督さーん」


提督「ん?どうした?」


妖精「工廠の復旧も終わったよー」


提督「頼んでもいないのに助かる。今日はゆっくり休んでくれ」


妖精「はーい」トテテテテ


艦娘「」


提督「どうした?」


明石「提督、妖精と話せるんですか・・・?」


提督「ん?あぁ、まぁな・・・そんなことより早く入渠してこい。吹雪はここに残ってくれ」


艦娘「了解しました」ガチャ パタン



吹雪「それで何かあったんですか?司令官」


提督「お前が入渠ドックと工廠の復旧確認に行っている間に元帥から電話があってな」


吹雪「元帥からですか?」


提督「もうまもなく叢雲、漣、五月雨、電がここに到着するらしい」


吹雪「みんなが?」


コンコン


提督「噂をすればなんとやら・・・入れ」


ガチャ


提督「長旅ご苦労様」


叢雲「ほんと長かったわ・・・元帥から各資材1万ずつ持たされたんだもの・・・」


電「疲れたのです」ヘナッ


提督「ん、もう0100か・・・お前たち今日はゆっくり休んでくれ。しばらくは出撃や遠征はないからな」


漣「休みなのはいいんですが、何をするつもりなんです?ご主人様」


提督「それは入渠している全員が揃ってからだ」


五月雨「分かりました。ところで部屋はあるんですか?」


提督「残念だがお前たちの部屋は復旧は終わってても内装がまだ酷い状態だ。隣の俺の私室に全員寝てくれ」


吹雪「司令官はどこで寝るんです?」


提督「俺はまだやることがあるからここ(執務室)で寝る」


曙「それは認めないわよ!」バァン


叢・電・漣・五「ヒィッ」


提督「ドアはゆっくり開けてくれ曙・・・それで?なぜ認めないのだ?」


曙「そ、それは・・・」


青葉「それは私がお話します」



〜遡ること数十分前 入渠ドック〜


青葉「司令官、優しい人でしたね」


曙「そうね・・・ただ、寝る時の部屋割りはどうするのかしら」


大淀「私達の寮は外装は終わってても内部は手付かずのままですしね・・・(艦娘の死〇もまだ残ってますし)」


川内「全員提督私室で寝てくれなんて言いそうだね」


曙「それで提督は『俺は執務室で寝る』って言いそうね」


明石「有り得ますね・・・っと皆さん時間になりましたね」


〜執務室前〜


提督『俺にはまだやることがあるからここで寝る』


曙「(予想通りね・・・)それは認めないわよ!」バァン



〜現在 執務室〜


青葉「ということでして・・・」


曙「それに怖いし・・・」ボソ


提督「(まあ無理もないか)わかった」


曙「(あんた地獄耳なの?)」


提督「(さぁな)」


吹雪「脳内で会話するのやめてもらっていいですか?」


提督「とりあえずお前たちは私室に行ってくれ。俺はもう少しこの鎮守府内を見て回る」


青葉「でしたら護衛を・・・」


提督「いや、いらん。何かあればこいつがある」日本刀と薙刀を取り出す


青葉「案内は・・・」


提督「青葉と曙、2人が来てくれ」


青葉「了解しました司令官」


曙「わかったわ」


間宮「お気をつけて・・・」


提督「あぁ」ガチャ



〜駆逐艦寮〜


提督「死〇まだ転がってるのか・・・」


青・曙「」ガタガタ


提督「・・・お前たち部屋に戻ってろ」


曙「だ、だだ大丈夫よ!こ、怖くなんて無いんだから!」ガタガタ


青葉「そ、そうですよ!大丈夫です!」ガタガタ


提督「産まれたての子鹿並に足震えてるのにか?」


曙「そ、それは・・・」


青葉「否定できないですね・・・」


提督「・・・はぁ」ガタッ


曙「ぎゃあああああああああああああぁぁぁ!!」


青葉「・・・」チーン


提督「誰だ」アトアケボノウルセェ


「あんたこそ誰よ!」シカタナイデショ!


提督「曙、青葉とそこにいろ」


曙「え・・・何するつもりなの?」ドォン


提督「見てればわかる・・・フッ」砲弾を切る


曙「えぇ・・・ って満潮!霞!無事だったの!?」


満潮「えぇ・・・何とかね・・・」


霞「これ以上近づいたら殺すわよ」


提督「殺せるのならな」ダッ


霞「・・・っ!」ドォン ドォン


提督「ぬるいな」霞の背後を取る


霞・満・曙「え?」


提督「軸ブレブレで殺せると思うな」手刀


霞「がっ・・・」気絶


提督「それで?お前たちは?」気絶した霞を抱え


満潮「朝潮型駆逐艦 3番艦 満潮よ。そこで伸びてるバカが同じ朝潮型駆逐艦 10番艦の霞」


提督「まぁ撃ってきたことに関してはあとから聞くとして・・・ここで何してたんだ?」


満潮「私たちの部屋で隠れてたわ・・・さすがの深海棲艦も部屋に入るってことはしなかったみたいだけど・・・」


曙「朝潮たちはどうしたのよ」


満潮「朝潮たちは深海棲艦に対抗して少しでも被害を減らすと言って部屋から出たまま帰ってきてないわよ」


曙「そう」


提督「とりあえずお前ら執務室に戻るぞ」青葉抱え


満潮「重くないの?」


提督「全然?」


満潮「そ、そう・・・」



~執務室〜


提督「そこに座っててくれ。この2人を寝かせてくる」


満潮「え、えぇ」


提督「曙、お粥まだ残ってるから満潮に食べさせておけ。霞の分残しとけよ」


曙「わかったわ」


満潮「・・・新しい司令官・・・なのよね」


曙「その通りよ」


満潮「曙、傷治ってるけど・・・どうして?」


曙「あの提督が大本営に連絡して入渠ドック直してもらったみたいよ」


満潮「嘘でしょ・・・資材もなかったのに・・・」ガチャ


提督「元帥に報告したら支給して貰えたんだ」


満潮「そんなことが・・・ありがとう、司令官」


提督「気にするな。お粥食べたら休むこと。いいな」


満潮「わかったわ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜次の日 0800〜


提督「」書類整理中


コンコン


提督「入れ」


『駆逐艦満潮 失礼します』ガチャ


提督「どうした」


満潮「」


提督「満潮?」


満潮「司令官、隣に行ってもいいかしら」


提督「構わんが・・・」


満潮「」スタスタ ギュウ


提督「・・・」ナデナデ


満潮「」グスッ


提督「安心したか怖かったかと言ったところか?」


満潮「」コク


提督「少し離してくれ」


満潮「」フルフル


提督「参ったな・・・ん?」ペンを置く


満潮「?」


提督「霞、そこにいるんだろ」


霞「いつから気付いてたのよ」


提督「満潮が入ってきた時からだ」


霞「・・・」ダッ


提督「霞?」


霞「・・・っ」ギュウ


提督「やれやれ・・・場所を変えようか」


満潮「嫌・・・」


提督「嫌って・・・霞もか?」


霞「」コク


提督「全く・・・」ナデナデ


〜20分後〜


提督「どうしてこうなった・・・」


大淀「私に聞かないでください」


10分以上撫でていると満潮と霞だけでなく曙まで抱きついて甘えてくるようになってしまった


提督「執務できないんだが・・・」


大淀「こうなってしまったのは提督が原因ですよ」


提督「そうは言ってもだな・・・」


大淀「提督ってロr・・・「断じて違う」アッハイ」


提督「ところで大淀」


大淀「なんでしょう」


提督「軽巡、重巡、空母、戦艦、潜水艦、それぞれの寮の確認をお願いしていたが」


大淀「・・・正直に申し上げます」


提督「・・・あぁ」


大淀「昨日提督私室で寝ていた艦娘以外の生存は確認出来ませんでした」


提督「そうか・・・死体の処理はどうだ」


大淀「全くと言っていいほど手付かずです」


提督「・・・大淀、元帥に繋いでくれ」


大淀「了解しました」ハナレテクレナイカオマエタチ


提督「頼む」ソレハデキナイソウダンネ


大淀「繋がりました」マジカヨ


元帥『どうした朝早くに』


提督「朝早くという時間でもないでしょうに元帥殿」


元帥『はいはい・・・それでどうしたんだ』


提督「艦娘寮及び鎮守府内の艦娘の死体処理をお願いしたいのです」


元帥『数は』


提督「ざっと100は超えてるかと」


元帥『憲兵に連絡し処理をさせる』


提督「ありがとうございます。あぁ、そうだ元帥殿」


元帥『なんだ』


提督「昨夜駆逐艦寮を捜索したところ朝潮型の満潮と霞の生存が確認できました。書類は後ほど発送します」


元帥『了解した。苦労ばかりかけてすまないな』


提督「お気になさらず。では」


元帥『あぁ』ガチャン


大淀「提督、本日はどうされるのですか?」


提督「艦娘全員集めてくれ」


大淀「了解しました」


『全艦娘に告ぐ 本日1000に執務室に集合せよ』


提督「疲れてきた・・・」


霞「」ギュウ 右腕に抱きついておる


満潮「」ギュウ 左腕に抱きついている


曙「」ギュウ 正面から抱きついている


大淀「1000までそうしていてください」


提督「えぇ・・・」


大淀「書類はほとんど終わってますので心配いりませんよ」


提督「いつ終わらせたのさ」


大淀「終わらせるも何も本日分の書類はありませんよ・・・提督がしていたのは来週分のものです」


提督「マジか」



〜同日 1000 執務室〜


吹雪「司令官、全員揃いました」


提督「集まってもらったのは全員の練度の確認と明日以降の方針を決める」


大淀「明日以降の方針・・・ですか?」


提督「あぁ、まだここは完全な復旧が終わっていない」


大淀「確かにそうですが」


提督「それまでお前たちには休息を与える」


大淀「いいのですか?」


提督「急いだところでいい結果はついてこないだろ。明石、お前はこの意味わかるな」


明石「はい。装備を急いで仕上げてみましたがことごとく不調が出て使えなくなった経験があります・・・」


提督「そういうこった。さて練度の確認と行こうか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜艦娘名(練度)〜


吹雪(1)

叢雲(1)

漣(1)

五月雨(1)

電(1)

曙(68)

満潮(65)

霞(72)

川内(25)

青葉(59)

鳳翔(32)


練度なし

大淀、明石、間宮


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


提督「ふむ」


大淀「?」


提督「海域攻略は7日後から開始する。吹雪たち初期艦の練度上げも兼ねて行うからそのつもりでいてくれ。」


初期艦's「はい!」


提督「鳳翔、間宮は食堂を頼む。艦隊士気に関わる大事な場所だ」


鳳翔・間宮「はい!」


提督「大淀は今まで通り大本営、艦隊との通信を頼む。任務は7日後から引き受けると連絡してくれ」


大淀「了解しました」


提督「明石も引き続き工廠を任せる。艤装の整備から何まで任せることになるが、妖精たちと協力して進めてくれ」


明石「分かりました!」


提督「川内、青葉は鎮守府内の地図を協力して作ってくれ。ここに置いてある地図は血と焼けたあとで見えんからな」


川内、青葉「はい!」


提督「今日中には死んでいった艦娘の死〇処理も終わるだろう。2000にまたここに来てくれ」


艦娘「了解!!」


ガチャ パタン


提督「ふぅ・・・」


満潮「司令官、私たちは何をすればいいの」


提督「満潮たちは秘書艦として俺の補佐をして欲しい」


曙「3人で?」


提督「トラウマを抱えてるお前たち3人はしばらくここで一緒にいた方がいいだろ」


霞「そうね、それぞれバラバラに行動して1人になるよりはよっぽどマシね」


提督「そういうことだ。と言っても大淀が今日やる執務や書類終わらせてるからな・・・」


満潮「じゃあ何するのよ」


提督「食堂に行こうか」


満潮「食堂?食堂には鳳翔さん間宮さんがいるじゃない」


提督「確かにいるがそういうことじゃない」


霞「じゃあどういうことよ」


提督「それはだな・・・ん?」


曙「どうしたのよ」


提督「そこで何をしている、青葉」苦無投げ


青葉「ひっ・・・」顔の真横に苦無が飛んでいく


曙「!?」


提督「盗み聞きとは感心しないな青葉。何か用でもあるのか?」


青葉「いっいえ!なんでもありません!(盗聴器取りに来たなんて言えない・・・)」


提督「お前が探しているのはこれか?(粉々になった盗聴器)」


青葉「!!」


提督「そんなことだろうと思ったよ・・・部屋の隅に違和感があったからな調べさせてもらったぞ」


青葉「すみませんでした!」


提督「こんな事しなくとも艦娘個人との時間は取る」


青葉「すみません司令官・・・」


提督「他の艦娘から信用が欲しければこんな真似はするんじゃないぞ」


青葉「わかりました・・・」


霞「ね、ねぇ司令官って・・・」


満潮「何気にすごいわよね・・・」


曙「人外・・・なのかな・・・」


提督「聞こえてんぞお前ら・・・提督が人外なのは他者様作品ではよくあるだろ」


曙・霞・満潮「メタ発言すんな!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~食堂〜


提督「鳳翔、間宮」


鳳翔「なんでしょうか提督」


提督「少し耳を貸してくれ」


鳳翔・間宮「?」


提督「曙たちには話しているが・・・佐世保鎮守府復活祝いとして宴会を開くつもりだ。そのための料理をお願いしたい」ボソボソ


間宮「それは大丈夫なんですが」ボソボソ


鳳翔「食材が足りなくて・・・」ボソボソ


提督「心配はいらん。もう時期にここに届く」


鳳翔・間宮「え?」


スミマセーン


提督「ほらな」


鳳翔・間宮「( ゚д゚)ポカーン」 ハーイ コッチニハコンデクダサイ


提督「よし、頼んだぞ」ワカリマシター マイドアリ!


鳳翔・間宮「はいっ!」


提督「曙〜霞〜満潮〜取り掛かるぞー」


「はーい」


鳳翔「提督がいてくれて良かった・・・」


間宮「そうですね・・・さ、私達も取り掛かりましょう」


鳳翔「ですね♪」


〜2000 執務室〜


吹雪「全員集合しました」


提督「よしでは今から食堂に行こうか」


艦娘「へ?」


提督「へ?じゃない。とりあえず食堂に集合」


艦娘「りょ、了解しました」



〜食堂〜


漣「ご、ご主人様・・・これはいったい・・・」


提督「佐世保鎮守府復活祝の宴会だ。人数は少ないがないよりはいいだろう」


電「た、確かにあった方が嬉しいのです」


五月雨「それにしてもこの飾り付けは・・・」


提督「それは曙達がやってくれた」


川内「朝、霞たちの名前を言わなかったのは・・・」


提督「秘書艦として着いてもらうだけだ。この飾り付けに関しては霞たちだけで考えたぞ」


青葉「司令官・・・」ウルウル


提督「さ、料理が冷めちまう前に食べるぞ!」


艦娘「いただきまーす!」


その後宴会は日付が変わるまで続いた



~0030 食堂〜


提督「どんちゃん騒ぎだったな・・・まぁここで寝てるやつはいないからそろそろ俺も執務室に戻るか・・・」片付け終わり


「・・・」


提督「ん?」


曙「・・・」


提督「どうした曙、部屋に戻ったんじゃなかったのか?」


曙「」ギュウ


提督「曙?」ナデナデ


曙「ごめん・・・少しこのままでいさせて・・・」


提督「・・・いいぞ」近くの椅子に腰掛ける


曙「」ギュッ


提督「悪夢でも見たのか?」


曙「うん・・・あの日の惨劇が蘇っちゃって・・・」


提督「無理に話さなくていいぞ」


曙「ううん、話すわ」


提督「そうか」



〜遡ること半年前〜


前任「なぜ姫クラスの深海棲艦が鎮守府近海にきてるんだ!大淀!大本営と連絡はつかないのか!」


大淀「ダメです!大本営どころか他の鎮守府にも繋がりません!」


前任「ちっ・・・大淀!全体放送だ!」


大淀「了解しました!」


前任『全艦娘に告ぐ!鎮守府近海に姫クラスの深海棲艦が10隻確認された!この町と日本を守るべく全艦隊出撃せy・・・ぎゃあああああ!』ブツっ


曙「深海棲艦の上陸!?聞いてないわよ!」


綾波「敷波!曙!行く・・・」ドサッ


曙「分かって・・・る・・・」サァー


敷波「曙!逃げて!」ドォン!


曙「い、い、いやああああああああああああぁぁぁ!」ガチャ バタン!


深海棲艦「逃ゲタカ・・・マアイイ、次ニイクカ」


曙「綾波・・・敷波・・・」気絶


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


提督「そうか・・・姉2人が目の前で・・・」


曙「あの深海棲艦は手刀で綾波の首を切り落として、敷波はゼロ距離で主砲を受けて・・・」ガタガタ


提督「もう喋るな・・・今は俺がいる」


曙「うあああ・・・ああああああ」


~10分後〜


曙「グスッ・・・グス」


提督「落ち着いたか?」


曙「うん・・・」


提督「曙」ナデナデ


曙「・・・///」


満潮・霞「・・・」


曙「満潮と霞も来てたのね・・・」


満潮「ごめん曙・・・」


霞「私も悪夢で目が覚めちゃって・・・」


提督「おいで2人とも」


満潮「」ウルッ ダッ


霞「」ウルッ ダッ


提督「っとと・・・」


満潮「グス」ギュウ


霞「グスッ」ギュウ


提督「甘えんぼだなお前たち」ナデナデ


曙「こうさせたのはあんたのせいでしょ」


満潮「ほんとよ・・・」


霞「責任取ってもらうわよ」


提督「どうやって取れと・・・」


曙・満潮・霞「ケッコンカッコカリよ!」


提督「お前ら練度99になってねぇだろ」


霞「うっ・・・確かにそうだけど・・・」


曙「99になったらしてくれるわよね」


提督「考えておく・・・」


満潮「待ってるからね」


提督「にしてもお前ら寝なくていいのか?」


曙「提督と一緒に寝るの!」


提督「アッハイ」


その後提督を含めた4人は執務室で寝たのである



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~翌日 0800 執務室~


提督「眠い・・・」


それもそのはず

提督は悪夢を見て起きてきた曙、霞、満潮を慰め寝かせるまでに時間がかかり提督が眠りについたのは0500。そして起きたのは0700の為、わずか2時間しか寝ていないのである


提督「(やはりトラウマは簡単には消えないか…)」


霞「すぅすぅ・・・」zzz


満潮「すーすー」zzz


曙「ん・・・んぅ・・・」ボヤ~


提督「」カリカリ


曙「ふわぁ~・・・提督、おはよ」


提督「ん?曙おはよう。まだ眠いだろ?」


曙「眠いけど・・・今日も執務あるんでしょ」


提督「んや、今日はないぞ。ほとんど俺が確認して印鑑押すだけだからな」


曙「そうなの?」


提督「あぁ、だからもう少し寝ててもいいぞ」ナデナデ


曙「そう・・・それにしても提督の手安心するわね」


提督「そうなのか?」


曙「霞や満潮も同じこと思ってるんじゃないかしらね」


提督「そうだといいな。はははは」


霞「ん~・・・おはよう曙、司令官」


提督「ん、おはよう霞。まだ眠くないか?」


霞「心配いらないわ。あなたがいるから」


提督「そっか」ナデナデ


霞「・・・落ち着くわ」


曙「ほら、言った通りでしょ?」


提督「ほんとだな」


満潮「んーー・・・おはよう 曙、霞、しへいはん・・・」ファァ


提督「おはよう満潮、朝から大きなあくびだな」クス


満潮「司令官になら見られても平気よ」


提督「なんだそりゃ」ナデナデ


満潮「んへへぇ」トローン


曙・霞・提督「(満潮が見せては行けない顔になってる!)」


曙「(それにしても・・・)」


霞「(満潮の今の顔・・・)」


提督「(最高に・・・)」


曙・霞・提督「(可愛い!)」


満潮「?どうしたの?」


曙・霞・提督「可愛い」


満潮「・・・っ///」カオマッカ


満潮「〜〜〜〜っ///」ギュー


提督「」ナデナデ


曙・霞「」ムスッ


提督「やれやれ・・・おいで2人とも」


曙・霞「」ギュッ


提督「」ギュウ


満潮・曙・霞「んふふふ」ご満悦


〜30分後〜


大淀「・・・提督、朝から何してるんですか?」


提督「」シーッ


大淀「??」


提督「霞たちが寝てるから今はそっとしててくれないか?書類は終わってるから」


大淀「了解しました。本日も全員休暇でよろしかったですね」


提督「あぁ」


大淀「その子たちのことよろしくお願いしますね」


提督「任された」


大淀「失礼します」ガチャ パタン


提督「青葉、そこにいるんだろ?」


青葉「いつから気づいていたんですか」


提督「俺が起きた時には気付いたよ」


青葉「ほんと、司令官には敵いませんね・・・」


提督「お前たちの命を預かる身だ。多少の気配は感じるさ」


青葉「それが出来るのは司令官くらいですよ・・・」


提督「それで?何か用があったんだろ」


青葉「え、えぇ、まぁそうですけど・・・」


提督「ん?えらく歯切れが悪いな。2人きりじゃないと話せないことか?」


青葉「そう・・・ですね」


提督「そうか・・・それじゃ1200にまた来てくれ」


青葉「了解しました」ガチャ パタン


提督「・・・ケッコンカッコカリ・・・ねぇ」


ジリリリリリリ


提督「ん?電話か・・・はい、佐世保鎮守府 提督です」ガチャ


元帥『おはよう。すまんな何度も』


提督「おはようございます、元帥殿。」


元帥『たった今霞、満潮の生存確認及び佐世保鎮守府所属の書類を受理した。』


提督「ありがとうございます」


元帥『確認だが、任務は6日後から行うで間違いないな?』


提督「えぇ、そのつもりです」


元帥『わかった。それまでの鎮守府近海の哨戒はこちらから派遣した。もう時期に着くと思うがな』


提督「何から何までありがとうございます」


元帥『艦娘たちのメンタルケアで大変だろう。このくらい気にするな』


提督「・・・そうですね特に大きなトラウマを抱えているのは曙、満潮、霞、そして青葉ですね」


元帥『・・・なるほどな、4人のメンタルケアのために1週間というわけか』


提督「その通りです」


元帥『わかった。特に今は大きな作戦も無い。ゆっくり建て直してくれ』


提督「了解しました」


元帥『うむ。それでは失礼した』ガチャン


提督「元帥殿は一体どこまでお見通しなのやら・・・」



コンコン


提督「入れ」


『失礼します』ガチャ


瑞鶴「元帥の命により大本営から参りました翔鶴型2番艦 瑞鶴です」


提督「佐世保鎮守府を任されている提督だ。よろしく頼むぞ瑞鶴」


瑞鶴「よろしくお願いします」ケイレイ


提督「公人がいる時以外は砕けた話し方で構わんぞ」


瑞鶴「そう?」


提督「あぁ・・・ん?」


瑞鶴「提督さん?」


提督「・・・ふん!」カカカカカッ


瑞鶴「提督さん!?何してんの!?」


提督「扉の外に5人・・・空母1、戦艦1、重巡1、駆逐2・・・と言ったところか?正規空母加賀」


加賀『え、えぇその通りよ・・・(苦無が目の前に・・・)』


提督「入ってこい」


瑞鶴「(提督さん一体何者なの・・・それぞれの艦娘の顔の高さに苦無を正確に・・・って扉を貫通する強さっておかしいわよ・・・)」


提督「(瑞鶴、俺は普通の人間だが?)」


瑞鶴「(!?脳内に直接)」


提督「・・・瑞鶴、加賀、大和、古鷹、睦月、暁」


「は、はい!」


提督「元帥殿から話は聞いている。短い間だがよろしく頼む」


「よろしくお願いします」ケイレイ


提督「青葉!」


青葉「ここに」シュタッ


古鷹「青葉!?(いつの間に背後に・・・)」


提督「大本営から派遣された艦娘だ。この鎮守府を案内してやれ」


青葉「了解しました」


提督「案内が終われば食堂で昼餉を取るように。鳳翔、間宮には伝えておく」


青葉「はい。では皆さんこちらです」


ゾロゾロ ガチャ パタン


提督「そろそろ起きろおまえら」ユサユサ



~鎮守府廊下~


青葉「では改めまして 佐世保鎮守府所属青葉ですぅ!よろしくお願いします!」


古鷹「青葉、無事だったのね」


青葉「はい・・・あと数日司令官が遅く着いていたらみんな後遺症が残ってたかもしれないです・・・」


瑞鶴「ははーん・・・」


青葉「なんですかその含みのある言い方・・・」


加賀「瑞鶴、あなたの言おうとしていること何となくわかったわ」


暁「暁もわかったわ」


睦月「睦月もわかったにゃし!」


大和「私も・・・分かってしまいました・・・」


古鷹「私もわかっちゃった・・・かな・・・」


青葉「え、え?み、皆さん・・・?」


6人「青葉(さん)って・・・提督(司令官)のこと好きだよね?」


青葉「・・・~~っ///」ボンッ


6人「(あぁ、やっぱり)」


青葉「さ、さぁ気を取り直して鎮守府の案内をしますね」カオマッカ


6人「よろしくお願いします(照れてる青葉可愛い)」


〜入渠ドック~


青葉「入渠ドックになります」


古鷹「ねぇ青葉、随分新しいように見えるけど・・・」


青葉「司令官が着任してすぐに大本営に掛け合ってくれて・・・」


加賀「だからあの日大本営が夜にもかかわらず慌ただしかったのね」


青葉「ここの復旧が終わるまでは入渠ドックとは名ばかりでしたから・・・」


~工廠~


青葉「さて、こちらが工廠になります」


暁「ここもかなり綺麗ね」アカシサーン イマスカー


睦月「大本営の工廠はまだちらかってるから・・・」ハーイ


明石「あら?あなた達は・・・」


青葉「今日からここに派遣された・・・」


瑞鶴「大本営所属 翔鶴型2番艦 瑞鶴です」


加賀「同じく大本営所属 加賀型1番艦 加賀よ」


古鷹「同じく大本営所属 古鷹型1番艦 古鷹です」


暁「大本営所属 特3型駆逐艦1番艦 暁よ」


睦月「大本営所属 睦月型1番艦 睦月にゃし!」


大和「大本営所属 大和型1番艦 大和です」


明石「ホテル?」


大和「ホテルじゃありません!」


明石「それで皆さんは・・・鎮守府の案内を青葉から受けてる・・・と」


青葉「先程入渠ドックは先程案内終わりまして次は工廠にと」


明石「なるほど」


大和「ところでここもかなり綺麗ですけど・・・」


明石「ここも襲撃時でかなり崩れてしまって・・・提督が大本営に掛け合って復旧してもらったんです」


古鷹「ここもってことは・・・」


明石「恐らく想像していることかと・・・」


暁「」バタッ


睦月「暁ちゃんが気絶しちゃったにゃしぃ・・・」


大和「私がおぶっていきます」


明石「もし必要な装備があったら言ってください」


加賀「ええ、その時はお願いするわね」


明石「はーい」


〜艦娘寮前~


青葉「次は・・・はぁ・・・」


古鷹「あ、青葉・・・?」


青葉「皆さん、ひとつ忠告しておきます」


瑞鶴「何よ」


青葉「ここから先は覚悟してください」


加賀「どういうことかしら」


青葉「見れば分かりますよ・・・」


〜遡ること数時間前 提督私室~


提督『青葉いるか?』


青葉『はい、ここに』


提督『今元帥殿から連絡があってな』


青葉『元帥からですか?』


提督『艦娘寮に派遣される〇体処理班が交通トラブルで間に合わないらしい』


青葉『え・・・』


提督『曙、霞、満潮は基本執務室にいるから俺から伝えるが・・・』


青葉『皆さんには私から伝えておきます』


提督『すまないな』


青葉『それで、処理班の到着予定時刻は・・・』


提督『・・・2日後だ』


青葉『・・・了解しました』


提督『青葉、こっちに来なさい』


青葉『?』


提督『すまん。これで許してくれ』ナデナデ


青葉『ありがとう・・・ございます・・・グス』ギュッ


提督『落ち着くまでこうしていなさい』


青葉『いえ、もう大丈夫です・・・』


提督『・・・そうか』


青葉『また、甘えてもいいですか?』


提督『あぁ』


青葉『へへへ・・・ありがとうございます』


~現在 艦娘寮前~


古鷹「見れば分かるって・・・」


青葉「」ガチャ


~艦娘寮 駆逐艦寮~


瑞鶴「こ、これって・・・」ガタガタ


加賀「」(白目)


大和「駆逐艦の皆さんが・・・」ガタガタ


古鷹「青葉、これって・・・」ガタガタ


睦月「どういうことにゃし・・・」ガタガタ


暁「」気絶中


青葉「数ヶ月前の佐世保鎮守府襲撃事件・・・大本営でも聞かされてますよね」


瑞鶴「え、えぇ・・・」加賀おんぶ


大和「まさか・・・」


青葉「そのまさかですよ大和さん・・・」


古鷹「これ全部駆逐艦の子達・・・なの?」


睦月「!!如月ちゃんや弥生ちゃんまで・・・」


青葉「まだここはマシな方です・・・軽巡寮以上は・・・」


大和「後で当時の状況を教えてください」


青葉「・・・それはできません」


大和「なんでですか!」


青葉「大和さん、あなた、みんなのトラウマを思い出させてまで話を聞くつもりですか」ギロ


大和「!!」


古鷹「青葉・・・」ウルッ


睦月「ねぇ、せめて手を合わせるだけでもしていいよね・・・同じ艦娘の仲間だったんだから・・・」ポロポロ


青葉「それは構いませんよ。ですが、ここより奥はさらに酷いので進まないでください」


瑞鶴「加賀さん、起きて」ペチペチ


大和「・・・」


暁「うぅ・・・」


加賀「あれ・・・私はいったい・・・」


青葉「おふたりとも起きたようなので次に行きましょう」


~軽巡・重巡寮~


青葉「・・・」ポロポロ


古鷹「・・・」


大和「・・・」


青葉「・・・衣笠・・・」


古鷹「加古!!」


青葉達が見たものは上陸した深海棲艦に対抗するために決死に戦った艦娘たちの〇体の山だった


首から上を吹き飛ばされ顔の識別がつかない艦娘

顔は残っているもののぐちゃぐちゃになってしまった艦娘

上半身と下半身を引き裂かれた艦娘など見るに堪えない光景が広がっていた


暁「・・・これと似た光景が駆逐艦寮でも広がっていたのよね」


青葉「・・・はい。ただ暁さんは目を覚まさなくてよかったと思いますよ」


暁「どうしてよ」


青葉「姉妹艦の〇体を見て冷静に対処できますか?」


暁「・・・無理ね・・・ごめんなさい」


青葉「いえ、大丈夫です」


瑞鶴「青葉・・・この佐世保で生き残った艦娘に会わせて貰える?」


青葉「それは出来ますが、事件に関しての質問は禁じます」


瑞鶴「わかったわ」


〜1130 食堂~


青葉「こちらが食堂になります」


間宮「あら青葉さん」


青葉「間宮さん!お疲れ様です!」


間宮「提督から話は聞いてるわよ。大本営所属の皆さん長旅お疲れ様でした」


鳳翔「間宮さん・・・あら?」


間宮「大本営から派遣された方たちです」


鳳翔「なるほど・・・では、私は昼餉の準備に入りますね」


間宮「分かりました」


青葉「すみません間宮さん。私は司令官に呼ばれていますので席を外しますね」スタスタ


間宮「分かりました。では大本営所属の皆さんはお昼にしますので席にお願いしますね」


「はーい」


~1200 執務室~


コンコン


提督「青葉か」


青葉『はい。時間になりましたので参りました』


提督「入っていいぞ」


青葉「失礼します」ガチャ


提督「それで、話ってなんだ?」


青葉「えーと・・・」


提督「曙たちなら食堂に向かったぞ。ここには俺と青葉の2人だけだ」


青葉「では・・・司令官にお話というのはですね、以前発行していた『日刊青葉』の発行を許可していただきたいのです」


提督「あぁ、これのことか?」スッ←過去の日刊青葉


青葉「はい」


提督「まぁ構わんが・・・内容を盛りすぎるなよ」


青葉「もうそんなことはしませんよ・・・あの日が来るまでは少し遊びすぎたと反省してます」


提督「そうか。発行は許可する。ただ、艦娘寮の死〇処理が終わってからだ」


青葉「ありがとうございます」


提督「話は終わりか?」


青葉「・・・」


提督「何かまだあるんだろ?」


青葉「こんなお願いを司令官にするのは不躾だと重々承知なんですが・・・」


提督「言ってみろ」


青葉「今夜、一緒に寝てもよろしいですか?」


提督「・・・まだ思い出すんだな」


青葉「はい・・・」


提督「・・・わかった。2200に執務室に来てくれ」


青葉「ありがとうございます・・・」ウルウル


提督「・・・」スクッ スタスタ


青葉「しれい・・・かん・・・?」


提督「全く・・・我慢しやがって・・・」ギュ ナデナデ


青葉「うぅ・・・グスッ」ギュー


~30分後~


提督「どうしてこうなった・・・」


青葉「んふふ・・・zzz」


提督「大淀」


大淀「はい?」


提督「これどうしようか」青葉を膝枕中


青葉「zzz」膝枕されてる


大淀「・・・」


提督「せめてなんか言ってんくんない?」


大淀「どうにも出来ませんよ・・・ここまで幸せそうな顔をしてる青葉さんなんて初めて見ましたよ」


提督「・・・まぁやることも無いからな」


大淀「そうですね。あ、そうだ提督」


提督「ん?」


大淀「大本営からの書類です」


提督「大本営から?」


大淀「はい。今日派遣されてきた6人に関係するものです」スッ


提督「ふむ・・・」ウケトリ


大淀「では、私はこれで」


提督「待て」


大淀「はい?」


提督「1500に瑞鶴たち6人を執務室に集めてくれ」


大淀「了解しました」


提督「引き止めてすまないな」


大淀「いえ、大丈夫です。ではこれで」


提督「あぁ」


ガチャ パタン


提督「大本営に電話してみるか・・・」


~大本営~


ジリリリリリリ


長門「こちら大本営執務室。秘書艦長門だ」


提督『あぁ、長門さんか。佐世保鎮守府の提督だ』


長門「なんだ光信か。どうした?」

※以降『提督→光信』となります


光信『元帥殿は?』


長門「元帥は今席を外しているが・・・」


光信『なら後でかけ直そうか?」


長門「いや、今御手洗いに行ってるだけだ。すぐに戻ってくるさ」


光信『そうなん?』


長門「あぁ。それと光信、私は呼び捨てで構わんぞ。旧知の中だろ」


光信『いいのか?』ガチャ ナガトスマンナ


長門「もちろんだ。む?元帥が帰ってきたな。すぐ変わるから待ってろ」


光信『わかった』


長門「元帥、佐世保の提督から電話来てるぞ」


元帥「提督からか?」


長門「あぁ。開口一番に元帥はと問われたのでな」


元帥「わかった。元帥だ。どうした提督」


光信『今先ほどそちらから派遣された艦娘6人についての書類を確認したんですが』


元帥「何かあったか?」


光信『こちらの任務開始と同時に佐世保鎮守府所属になるって聞いてませんよ』


元帥「あぁ、電話では言ってなかったな」


光信『瑞鶴たちはこのことを知っているんですか?』


元帥「・・・いや?」


光信『おいコラ』


元帥「いや、その方が面白いじゃん?」


光信『真面目なのかふざけてんのかどっちなんですか』


元帥「両方」


光信『ダメだこりゃ』いかりや長介風←知ってる人いるかな


元帥「まぁ、どちらにせよそっちの艦娘は少ない上に半数近くは初期艦だからな」


光信『いや、まぁそうですけど』


元帥「任務攻略に支障が出てはいかんだろう」


光信『そういう理由ですか』


元帥「建前はな」


光信『・・・本音は?』


元帥「どんな反応するか気になった」


光信『長門秘書艦に変わってください』


元帥「あぁ・・・長門」


長門「なんだ?」


元帥「提督が変わってくれと」


長門「わかった。どうした?私に変わってほしいって」


光信『長門、元帥って普段どんな感じなんだ?』


長門「基本お調子者みたいな感じだな・・・光信が来た時は真面目な振りをしているみたいだが・・・」


光信『マジか・・・なぁ長門』


長門「なんだ?」


光信『大本営から瑞鶴、加賀、古鷹、大和、暁、睦月が派遣されたのは知ってるよな』


長門「あぁ、そっちの任務開始が1週間と聞いて哨戒のために派遣したと聞いているが」


光信『その艦娘6人がこっちが任務を受けると同時に佐世保鎮守府所属になるって話は?』


長門「・・・は?」


光信『その反応からするに聞いていないみたいだな』


長門「あ、あぁ・・・もう一度聞くが『派遣された艦娘が佐世保鎮守府所属になる』だったか?」


光信『そうだ。大本営しかもご丁寧に元帥の印まで押されてるぜこれ』


長門「・・・少し待ってくれないか?」


光信『構わんぞ』


長門「元帥」


元帥「なんだ?」


長門「明日からしばらくお休み頂けますか」


元帥「構わんが・・・」


長門「ありがとうございます」


元帥「一応聞くが・・・理由は?」


長門「光信」無視


元帥「(スルーされた・・・)」


光信『ん?』


長門「明日からしばらくそっちに行く」


光信『元帥の許可は?』


長門「今とった」


光信『早くね?』


長門「まぁそういうことだ。明日からしばらく世話になるぞ」


光信『わかった。ついでに元帥〆(しめ)といて』


長門「わかった」


光信『そんじゃな』


長門「あぁ、また」ガチャン


元帥「佐世保に行くのか?」


長門「そのつもりです。が、元帥?」


元帥「なんだ?」


長門「ここから派遣した艦娘が佐世保鎮守府所属になるという話は聞いていませんが?」ゴゴゴゴゴ


元帥「そりゃあ誰にも言ってないからな」


長門「そういう話は本人たちにもしてないと?」


元帥「もっちろん」グッ


長門「そういう大事な話は私と該当者にきちんと話せぇぇえええ!!」グーパン


元帥「ぐふっ」


長門「全く・・・」


元帥「大変失礼致しました・・・」土下座


長門「もう今日の分の執務も終わっている。今夜出立させてもらう」


元帥「代理秘書艦はどうするんだ」


長門「陸奥に言っておく」


元帥「わかった」



~1400 佐世保鎮守府 執務室~


光信「ふぅ・・・青葉」


青葉「はい?」起きた


光信「明日大本営から長門が来る」


青葉「え?」


光信「長門が来ると言った」


青葉「寮使えませんよね・・・」


光信「いや、一部使えるように復旧してもらったぞ」


妖精「と言っても被害が比較的少なかった駆逐艦寮の入口側だけなんだけどねぇ」


青葉「妖精さんいつの間に・・・」


光信「いや、青葉が気持ちよく寝てる時に終わったと報告に来てな」


青葉「・・・」


光信「青葉」


青葉「はい?」


光信「日刊青葉の発行を本日より認める」


青葉「いいんですか!?」


光信「書きたくてうずうずしてたくせに・・・」


青葉「バレてました?」


光信「バレバレもええとこや」


青葉「でも今は発行しません」


光信「そうか。まぁ好きにしな」


青葉「はい!」


〜1500 執務室~


瑞鶴「瑞鶴以下6名揃いました」


光信「すまないな急に呼び出して」


瑞鶴「大丈夫よ提督さん」


加賀「それで、呼び出した理由とは」


光信「その前に近海の哨戒はどうだ?」


大和「特に深海棲艦らしきものは見られませんでした」


古鷹「今は加賀さんと瑞鶴さんが哨戒機を飛ばしてます」


光信「わかった」


暁「それで司令官、本題はなんなの?」


光信「お前たち、ここにはなんと説明受けて来ている」


睦月「それは、ここが任務を受けるまでの間哨戒をするように言われてきたにゃし」


光信「他もその通りだな?」


5人「はい(えぇ)」コク


光信「・・・」


瑞鶴「提督さん?」


光信「残念なお知らせなのかそれとも吉報なのか分からんが・・・」


瑞鶴「どういうこと?」


光信「お前たち6人は、ここ『佐世保鎮守府』が任務開始と同時に佐世保鎮守府所属になる」


暁「え・・・」


6人「ええええぇぇええええ!」


光信「(そりゃこういう反応になるわな)」


加賀「待ってください提督、それは何かの間違いなのでは?」


光信「1230頃に書類を確認したらそう書いてあってな・・・その後元帥殿に確認した」


古鷹「そ、それで元帥は・・・」


光信「佐世保鎮守府所属になるのは元帥決定らしい」


大和「そ、そんな話無効です!第一私たちそんな話聞かされていないんですよ!?」


光信「俺も嘘だと思いたいがこればっかりはな・・・」


瑞鶴「提督さん、何か言いたそうだね」


光信「明日大本営から長門が来る」


暁「な、長門さんが・・・」バタッ


睦月「明日来る・・・」バタッ


光信「なんで倒れたんだこの2人は」


加賀「あの人の訓練は地獄のように厳しいのよ・・・」ガタガタ


大和「駆逐艦の子にも容赦ありませんしね」ガタガタ


光信「あの長門がねぇ・・・」


古鷹「提督、長門さんのこと知ってるんですか?」


光信「幼馴染だが?」


暁「え?幼馴染?」起きた


睦月「ほんとにゃし?」起きた


光信「何かおかしいか?」


瑞鶴「あの!」


加賀「長門秘書艦が!」


古鷹「提督と!」


大和「幼馴染!」


暁「って!」


睦月「ほんとにゃし!?」


光信「あぁ、本当だが?」


6人+青葉「ええええぇぇええええ!!」


光信「青葉、お前これネタにするつもりだろ」


青葉「げっ、バレてる」


光信「まぁ止めはせんが話を少しでも盛ったらすぐ破るからな」


青葉「はっはいぃぃぃぃ!」ピュー


光信「逃げ足の早いやつ・・・」


瑞鶴「・・・まぁ、長門さんが明日来るのはわかったわ」


光信「あぁ」


瑞鶴「それで私達の部屋は?」


光信「駆逐艦寮の一部はもう復旧してある。ただ、バリケードがしてあるからそれより先には行くなよ」


加賀「分かりました」


光信「正式に佐世保鎮守府所属になった時にはまた連絡する。その時はまた6人揃ってくれ」


6人「了解しました」


光信「大淀」


大淀「お呼びですか?」


光信「この6人を復旧が終わった部屋に連れて行ってくれ」


大淀「了解しました」


光信「丁重にな」


大淀「はい。それでは皆さんご案内しますね」


6人「お願いします」ガチャ ゾロゾロ パタン


コンコン


「吹雪です。よろしいでしょうか」


光信「あぁ」


ガチャ


吹雪「先程瑞鶴さんたちがここから出ていきましたけど・・・」


光信「それに関しては夕餉の際に食堂で話すからまっててれ」


吹雪「了解しました」


光信「なぁ吹雪」


吹雪「なんですか?」


光信「艦娘寮見てきたか?」


吹雪「・・・正直見るに堪えます」


光信「だよな」


吹雪「はい・・・」


光信「だが、この鎮守府は動き出したばかりだ」


吹雪「私たちでこの国と海域を守ります!」


光信「これからもよろしく頼むぞ吹雪」


吹雪「はいっ!」



~1800 食堂~


光信「みんな集まったかな」


大淀「はい、全員揃ってます」


光信「よしみんな聞いてくれ。今日からここに派遣された艦娘がいる。何人か会っていると思うが改めて自己紹介をしてもらう」


ゾロゾロ


瑞鶴「大本営所属。装甲空母瑞鶴です」


加賀「同じく大本営所属。正規空母加賀です」


大和「同じく大本営所属。戦艦大和です」


古鷹「同じく大本営所属。重巡洋艦古鷹です」


暁「同じく大本営所属。駆逐艦暁です」


睦月「同じく大本営所属。駆逐艦睦月にゃし」


光信「以上6人がこの佐世保鎮守府に派遣された。我々が正式に任務を受けるまで近海の哨戒及び警戒をしてくれることになった」


佐世保艦娘「よろしくお願いします」


大本営艦娘「こちらこそよろしくお願いします」


光信「さて、全員揃ったことだし夕餉にするぞ~」


「はーい」


~1830~


ワイワイ ガヤガヤ


大淀「提督」


光信「ん?」


大淀「憲兵がいらしてます」


光信「憲兵が?」


大淀「はい」


光信「わかった。俺は席を外すからみんなの様子を見ててくれ」


大淀「了解しました」


〜鎮守府正門前~


光信「勤務ご苦労憲兵殿」ケイレイ


憲兵「提督殿、お疲れ様です」ケイレイ


光信「大淀から憲兵が呼んでいると聞いてな」


憲兵「長門さんが到着しました」


光信「早くないか?」


憲兵「1400には大本営を出たようでして・・・」


光信「そこから航空機を使って長崎に降りた後来たと」


憲兵「その通りです」


光信「わかった」


憲兵「長門さん。提督がお見えです」


長門『む、そうか』ガチャ


憲兵「それでは提督殿、私はこれで」


光信「長旅ご苦労。気をつけてな」


憲兵「お気遣い感謝致します」ブロロロ…


光信「さて長門、着くには早いんじゃないか?」


長門「仕方ないだろ・・・久しぶりに光信の顔が見れるんだ。早く着きたくもなるだろ」


光信「やれやれ・・・」


長門「それで、その書類はどこにある」


光信「執務室だ。そのまま行くか?」


長門「いや、ここにいる艦娘の顔を見たい」


光信「なら食堂だな」


長門「なんだ、夕餉を取っていたのか」


光信「まぁな」


長門「ということは全員集まっているというわけだな」


光信「その通りだ。案内するから着いてきてくれ」


長門「あぁ」


~1845 食堂~


光信「食事中すまないな。みんなは手を止めてくれ」


シーン


光信「大本営から元帥の秘書艦、そして俺の幼馴染である長門が来た」


長門「大本営から来た長門だ。しばらくここにいさせてもらう」


光信「しばらくって何日か決めてないのか?」


長門「元帥が呼び戻すまではいるつもりだ」


「ええええぇぇええええ!!」


光信「・・・」耳塞ぎ


長門「」キーン


光信「驚くのもわかるが目的は大本営から送られてきた書類の確認だからそのつもりでいてくれ」


曙「提督、それはいいんだけど。寝るところは?私室はもう入らないし」


光信「駆逐艦寮の一部を使えるように妖精が復旧してくれた。そこに大本営から来た娘たちはそこに寝泊まりしてもらう」


霞「わかったわ」


光信「俺は長門と執務室にいる。鳳翔!」


鳳翔「なんでしょう」


光信「執務室に長門の分の食事を持ってきてくれ」


鳳翔「了解しました。準備が終わり次第お持ちします」


光信「よろしく頼む。長門、行くぞ」


長門「あぁ」


~執務室~


光信「ほんでこれが元帥から送られてきた書類だ」スッ


長門「どれどれ・・・」ウケトリ


光信「目を疑ったわ・・・」


長門「この筆跡と印鑑・・・間違いない。あのバカの物だ」


光信「偽造かとも思ったがやっぱりかぁ・・・」


長門「何度も見返したが偽造ではないのは確かだ・・・はぁ・・・」


光信「すまんな長門」


長門「いや、謝るのはこちらの方だ」


光信「にしてもあの時の泣き虫がここまで凛々しくなるとはねぇ」


長門「なっ・・・いつの話をしてるんだ!」


光信「ん?5年前お前が艦娘になるって決まった時だな」


長門「なんでそうピンポイントなんだ・・・」


光信「あの時の長門面白かったなぁ・・・『嫌だ!離れたくない!助けて!』って言ってたのに」ククク


長門「よせ!あの時は思い出すな!」


光信「まぁいいだろ。ここには俺とお前しかいないんだ」


長門「誰かが聞いていたら恥ずかしくて死んでしまう・・・」


光信「相変わらずメンタル弱いよなぁ・・・」


長門「・・・うるさい」


光信「はいはい」


長門「ところで光信」


光信「ん?」


長門「私はどこで寝ればいいんだ?」


光信「あぁ、駆逐艦寮の一室だ」


長門「わかった」


光信「バリケードしてある先には足を踏み入れるなよ」


長門「踏み入れたら?」


光信「・・・保証しない」


長門「わかった」


コンコン


鳳翔『鳳翔です。長門さんの夕餉お持ちしました』


光信「あぁ、入ってくれ」


ガチャ


光信「すまんな鳳翔」


鳳翔「いえ、これくらいなんともありませんよ」


光信「食器類はこっちから持っていく」


鳳翔「了解しました」


ガチャ パタン


光信「長門、夕餉食べて明日に備えてくれ」


長門「あぁ」


~2200 執務室~


コンコン


光信「入れ」


『失礼します』


ガチャ パタン


光信「来たか青葉」


青葉「・・・はい」


光信「(目が赤いな・・・泣き腫らしたか、それとも古鷹が来たからか・・・)」


青葉「・・・」


光信「そこのソファーに腰かけなさい。ココアでも入れよう」


青葉「ありがとうございます・・・」


光信「艦娘のケアをするのも提督の務めだ」


青葉「優しいんですね・・・司令官・・・」


光信「そらどういう意味だ?」


青葉「ここ佐世保以外の一部基地、鎮守府では艦娘を『一人間』ではなく『ただの兵器』としか見ていないところもあるんです」


光信「・・・」


青葉「“建造”すれば替えはいくらでもできる・・・そういう理屈なんです」


光信「ブラック鎮守府と呼ばれるやつか」


青葉「はい」


光信「安心しろ。そんな扱いするつもりは毛頭ない」


青葉「ありがとう・・・ございます・・・」グスッ


光信「・・・あの日の惨劇を思い出してしまう・・・だったか」


青葉「・・・はい」


光信「話しにくいんじゃないか?ほれ、ココア」


青葉「ありがとうございます・・・」ズズッ


光信「・・・」


青葉「聞かないんですか?」


光信「俺がここに配属になった時にも大淀に言ったが、俺から聞くことはしない」


青葉「それは私たちが思い出したくないことを思い出させてしまうから・・・ですか」ゴクゴク


光信「・・・その通りだ」


青葉「・・・いつか話します」マグカップを置く


光信「構わん」


青葉「うっ・・・うぅ・・・」


光信「青葉」


青葉「?」ウルウル


光信「よっと・・・」お姫様抱っこ


青葉「ひゃっ!し、司令官!?」


光信「今はゆっくり休め、青葉」布団に下ろし


青葉「うぅ・・・恥ずかしかった・・・///」


光信「一緒に寝たいつったの誰だよ」


青葉「・・・青葉です・・・」


光信「・・・寝るぞ」


青葉「・・・はいっ」ニコッ


光信「お休み青葉」


青葉「お休みなさい。司令官」ギュッ


カチッ


~ほぼ同時刻 駆逐艦寮~


長門「瑞鶴、加賀」


瑞鶴「なぁに?」


加賀「」zzz


長門「・・・加賀寝るの早くないか」


加賀「寝ていません」


瑞鶴「あはは・・・」


長門「まぁいいか・・・」


瑞鶴「それで?どうしたの?」


長門「ここの近海哨戒してみて何かあったか」


瑞鶴「ん~、特に異変は見られなかったわよ?」


加賀「そうね。これといって異変はなかったわ」


長門「そうか・・・」


瑞鶴「何か心配事?」


長門「いや・・・」


加賀「心配いらないわ。今も哨戒機飛ばしてるわよ」


長門「そうなのか?」


瑞鶴「現状動ける空母陣は私と加賀さんだけだからね」


長門「そうか・・・」


加賀「なにか異変があれば哨戒機から連絡があるわ」


長門「わかった。それまではお前たちも休め」


瑞鶴「ねぇ長門さん」


長門「なんだ?」


瑞鶴「提督さんとどんな関係だったの?」


長門「」ブーッ


瑞鶴「わっ汚い!」


長門「な、何を言い出すんだ急に!」


大和「私も気になるわ長門」


古鷹「私も気になります」


長門「言えるわけないだろ!」


暁「長門さん、私も気になるわ」


睦月「睦月もにゃし」


長門「加賀もなんとか言ってくれ」


加賀「ごめんなさいね。私もすごく興味があるわ」


長門「話せるわけないだろーーー!」


こうして大本営から来た艦娘たちの夜は更けていくのだった


長門「なんか雑過ぎないか!?作者!」


作者『長門だって言わないじゃん』


長門「当たり前だ!」


作者『てなわけでこれ以上書くことないから視点変えるね~』


長門「ちょっと待t・・・」パチン


~0000 執務室~


青葉「ん・・・んぅ・・・」パチ


光信「zzz」


青葉「司令官・・・」


光信「・・・青葉?」


青葉「司令官・・・いますよね・・・」


光信「青葉、俺はここにいるぞ」


青葉「よかった・・・」


光信「トラウマってのは簡単には消えるわけじゃない。不安になるのも仕方ないことだ」


青葉「はい・・・」


光信「誰一人として沈めはしない。安心しろ」


青葉「・・・はい・・・グスッ」


光信「明日も朝は早い。早く寝な」


青葉「あの・・・司令官・・・」


光信「ん・・・むっ!?」


青葉「ん・・・」チュ


光信「・・・あおは・・・?」


青葉「・・・しばらくこうさせてください・・・」ギュ



~0700 執務室~


青葉「」zzz


光信「・・・」カリカリ


コンコン


光信「入れ」


『駆逐艦曙 失礼します』


ガチャ


光信「おはよう曙。どうした?朝早くに」


曙「・・・」ムスッ


光信「えぇ・・・」


曙「・・・」スタスタ


光信「曙?」


曙「・・・んっ」チュ


光信「!?」


曙「・・・青葉としたんでしょ?」


光信「キスはされたが・・・」


曙「提督からはしてないんだ」


光信「俺からしてみろ・・・最悪憲兵行きだぞ・・・」


曙「え?」


光信「憲兵に俺が捕まってもいいのか?」


曙「それは・・・嫌・・・」


光信「だったら・・・」


曙「いい考えが思いついたわ」


光信「考え?」


曙「満潮と霞とそこで寝てる青葉で話すわ」


光信「・・・まぁ何かしら規制することはないからな・・・最低限のモラルさえ持ってれば」


曙「大丈夫よ」


光信「何が大丈夫なんだか・・・まぁいい。変な方向に走らなければ・・・な」


曙「ありがと」


光信「青葉~起きろ~」ユサユサ


青葉「ん・・・んん~おはようございます司令官・・・」


曙「青葉」


青葉「ひゃいっ!あ、曙さん!?」ビクゥッ


曙「ちょっと着いてきて」


青葉「ひゃ、ひゃい・・・」ズルズル


光信「なんだったんだ・・・あ、書類終わっちまった・・・」



ーーー2章 提督Love勢の会合ーーー


~0730 曙・霞・満潮の部屋~


曙「戻ったわよ」ガチャ


青葉「んー!んー!」ガムテープ貼られてる


霞「あらおかえりなさい」


満潮「大変じゃなかった?」


曙「この程度なんてことないわよ。それで、お約束通り連れてきたけど」ビリッ←ガムテープ剥がし


青葉「ああああああああぁぁぁ!」


曙「うっさい!」


霞「いや、今のはあんたが悪いわよ・・・」


満潮「そんなに勢いよく剥いだら誰だって大声出すわよ・・・」


曙「悪かったわよ・・・ごめん青葉」


青葉「酷いですよ曙さん・・・」


霞「先が思いやられるわ・・・」


青葉「それで・・・なんで青葉はここに連れてこられたんですか?」


満潮「青葉って、司令官の事好きでしょ?」


青葉「え・・・え?」


曙「いや、『え?』じゃなくて・・・」


霞「昨日ねあなたが司令官にキスしてるのを私が見ちゃったのよ」


青葉「~っ///」


満潮「どうなの?」


青葉「・・・です・・・」ボソ


霞「え?」


青葉「司令官のこと大好きです!」


満潮「・・・やっぱりね」


曙「安心して青葉」


青葉「この状況でどう安心しろっていうんですか・・・」


霞「私、曙、満潮も司令官のこと好きなのよ」


青葉「・・・え?そうなんですか?」


満潮「そうね・・・あの時司令官が駆逐艦寮に来なかったら私と霞は今頃餓死してたでしょうね・・・」


曙「私も執務室前で意識失っちゃったところを提督に助けてもらったしね」


青葉「私は鎮守府の門前で泣きそうなのを気づかれて抱きしめられました・・・」


霞「・・・」


満潮「霞は・・・最初から主砲撃ってたわね」


霞「・・・」コク


青葉「え?そうなんですか?」


曙「あ、そっか・・・あの時青葉気絶してたものね・・・」


満潮「でもまぁ、ひとつ言えるのは」


霞「あの反射神経は」


曙「人間のする動きじゃないわね」


青葉「どんな動きなんですか・・・」


霞「私の12cm連装砲を刀で切るし、避けて私の背後を取ったわね・・・」


※12cm単装砲の初速は825m/s

12.7cm連装砲は910m/s


青葉「えぇ・・・」


満潮「そしてその後霞は手刀を受けて気絶したわね」


霞「・・・あの時の自分を殴り飛ばしたいわ・・・」


青葉「霞さんはいつから司令官のことを?」


霞「・・・分からないわ」


青葉「え?」


霞「でも・・・司令官に抱き締めてもらって安心したのは間違いないわ」


曙「前任も悪い人じゃなかったのは確かなんだけど・・・」


満潮「何も言わずに抱き締めてくれたのは・・・なんか来るものはあったわね・・・」


青葉「!!」ピコーン


曙「青葉、何か変なこと考えてないでしょうね」


青葉「いや、今の話を聞いてですね・・・日刊青葉のタイトルが思い浮かびまして・・・」


霞「日刊青葉再開するんだ・・・」


青葉「司令官には『話を盛らないように』と釘を刺されましたし、もう話を盛るつもりはありませんよ」


満潮「まあいいわ。曙、そろそろ本題に入りましょ」


曙「そうね」


青葉「へ?本題?」


霞「青葉も知ってるでしょ。司令官という立場が艦娘と関係を持つと憲兵に連行されて解任されるって話」


青葉「そうですね・・・他所では艦娘に手を出してしょっぴかれたって話聞きますし・・・」


曙「そこで私たち3人で話し合ったのよ」


霞「司令官が憲兵に連れていかれるくらいなら」


満潮「先に私たちで先手を打ってしまおうって」


青葉「先手?」


曙「先に憲兵に報告しておくのよ」


青葉「は?」


霞「そうすれば憲兵も黙ってるだろうって算段よ」


青葉「憲兵を止めるにしても大本営から言わないと意味ありませんよ?」


満潮「昨日長門さん来たの知ってるわよね?」


青葉「まさか・・・」


満潮「そのまさかよ」


曙「長門さんを介して元帥に相談。そして元帥に持って行ってもらう」


青葉「あの長門さんが頷くとは思えませんけど・・・」


霞「そう言うと思ってここに連れてきたわよ」


長門「んー!んー!」ズルズル


青葉「駆逐艦が戦艦を引きずってる・・・」


曙「まぁ騒がれると面倒だからガムテープ貼ったけど」ビリビリ


青葉「誘拐犯の思考ですよそれ・・・」


長門「はぁ・・・はぁ・・・苦しかったぞ霞・・・」


霞「騒がれると面倒だったからね」


長門「連れて行かなくとも用があるならそう言ってくれれば良かったんだが・・・」


青葉「長門さん駆逐艦に近づけるなみたいな感じで他所の鎮守府からは報告来てますよ?」


長門「安心しろ。他所の鎮守府のような性癖は持ち合わせていない。他所の提督からもお墨付きをいただいている」


満潮「そうなんだ」


長門「それで、私をここに連れて来た理由はなんだ?」


青葉「長門さん、提督が艦娘と関係を持つと憲兵に連行されるって話はご存知ですよね?」


長門「あぁ、何人か連れてこられたのを見ているが・・・それとなにか関係があるのか?」


青葉「実はですね・・・ここにいる青葉を含めた4人全員、司令官のことが好きなんです」


長門「まぁ大体の雰囲気から分かってはいたが・・・」


曙「提督からはないと思うけど私たちから提督にキスをしたとすれば」


長門「提督から手を出したと憲兵が勘違いして連れていかれるかもしれないということか?」


霞「その通りよ。私たちは前任のことが嫌いだったわけじゃないけど・・・」


満潮「あの司令官からは実の娘や妹のように接してもらえて嬉しい反面・・・」


青葉「司令官を1人の男性・・・もとい異性として見てしまってるんです・・・」


長門「話の流れからするに・・・提督がこの鎮守府から連行されないように憲兵長と元帥に口利きをしてくれと・・・そういうことだな?」


4人「」コク


長門「・・・元帥に相談してみよう」


4人「!!」パァァ


長門「」ピッピッピッ prrrrrr


~大本営 執務室~


~♪(着メロ:加賀岬)


元帥「ん?長門?」ピッ


元帥「長門、どうした?私用の電話にかけてくるとは」


長門『すまない元帥。佐世保の艦娘4人からお願いを聞いてな』


元帥「お願い?」


長門『元帥も知っているだろう。提督が艦娘に手を出せば憲兵に連行されると』


元帥「あぁ、そうだな。中には冤罪で開放された奴もいるが・・・」


長門『実はその4人がここの提督のことを1人の異性として見ているようでな・・・』


元帥「なんだと?」


長門『艦娘から提督にアプローチする際に憲兵が誤って連行されないようにここの提督の事は見逃してくれないかということだ』


元帥「・・・まぁいいんじゃね?実質憲兵を動かせるのは私だからな・・・憲兵長には伝えておこう」


長門『いいんじゃねって相変わらず真面目なのかバカなのかわからん・・・』


元帥「酷くないか?」


長門『まぁいい。このことに関しては伝えておく。失礼した』


元帥「あぁわかった」ツーツーツーツー


元帥「憲兵長」


憲兵長「お呼びでしょうか」ガチャ


元帥「話は聞いていたな?」


憲兵長「はい。佐世保鎮守府のことですね」


元帥「あそこは深海棲艦に侵攻されてから生き残った艦娘の精神面が大きく不安定なのも知っているな?」


憲兵長「もちろんでございます」


元帥「佐世保鎮守府の艦娘から不満が出ることがないように提督の連行は基本禁止とする。良いな」


憲兵長「了解しました」


憲兵長『佐世保鎮守府担当憲兵に告ぐ。佐世保鎮守府の提督の連行は禁止とする。破ったものは処刑する』←無線


元帥「すまないな。前提督」


憲兵長(前提督)「あいつのことです。艦娘を幸せにしたいが故の対応をとった結果だと思います。」


元帥「では頼むぞ」


前提督「了解しました。では、失礼します」ガチャ パタン


~大本営 廊下~


前提督「俺にはできなかったことをあいつはやってる。よろしく頼むぞ佐世保鎮守府新提督」


朝潮「お疲れ様あなた。その様子だと佐世保鎮守府のことみたいね」


前提督「あぁ。だが話を聞く限りお前の妹である霞と満潮は元気にやってるみたいだぞ」


朝潮「そう・・・でもあそこには戻れないわね・・・」


前提督「いや、いつか向かうことになる」


朝潮「それは亡くなった艦娘たちの弔いのため?」


前提督「それもあるが、現提督の顔も見ておきたい」


朝潮「わかったわ。日程が決まったら教えてちょうだいね」スタスタ


前提督「あぁ」


~10分ほど前 佐世保鎮守府~


長門「」ツーツーツーツー


ガチャ


曙「どうだったの?」


長門「口利きをしてくれるみたいだ」


霞「ほんと!?」


長門「あぁ、憲兵長もここの事情は知っているからな。多少なりとも大目には見てくれるだろう」


4人「」ホッ


長門「私は提督にこのことを報告してくる」


4人「え?」


長門「?」


4人「・・・」


長門「もういいか?」


4人「ハイ・・・」


長門「失礼した」ガチャ パタン


曙「・・・何とか連行されることは避けられたようね・・・」


青葉「さすがにこれは新聞のネタにできません・・・」


霞「そういえばネタができたって言ってたけど」


満潮「そういえば言ってたわね・・・」


青葉「あ、そういえば言いましたね・・・」


満潮「で?何書くつもりなのよ」


青葉「私たち艦娘から見た提督の印象を再開記念の第1号にと・・・」


曙「青葉にしては悪くないわね」


霞「鎮守府に貼り出す前に私たちが添削するから持ってきてよね」


青葉「・・・わかりました・・・まぁ少しでも話を盛ったら破かれるのでしませんけど・・・」


曙「決まりね」


青葉「まぁ・・・新聞のネタができたので早速インタビューしてもいいですか?」


3人「・・・いいわよ」


青葉「ありがとうございますっ!」



日刊青葉発行まであと12時間



~0800 執務室~


コンコン


光信「入れ」


『失礼する』ガチャ


光信「なんや長門かい」


長門「なんやって言うなよ・・・」


光信「ほんで?」


長門「光信、提督という立場の者が艦娘に手を出せば憲兵に連行される話は聞いているだろ?」


光信「あぁ。元帥から説明は受けているが」


長門「この鎮守府だけ特別に大目に見てもらえるそうだ」


光信「は?」


長門「まぁそうなるよな・・・」


光信「しかしなんでまた・・・」


長門「曙、満潮、霞、青葉の4人からお願いされてな・・・」


光信「・・・曙たち3人なら分かるが・・・なぜ青葉?」


長門「さぁな・・・」


光信「・・・まぁいい。そういえば先程元帥から連絡があってな」


長門「元帥から?」


光信「憲兵長が今日の1200に来るらしい」


長門「・・・急すぎないか?」


光信「それについては問い詰めたんだが・・・」


長門「?」


光信「元帥はな・・・『ごめんごめん連絡すんの忘れてたわwガハハハハ』だとさ」


長門「・・・あの馬鹿が」


光信「それより長門」


長門「なんだ」


光信「お前、憲兵長とその妻の正体知ってるだろ」


長門「・・・大きな声で言えんが知っている」


光信「・・・あいつらに言うべきか?」


長門「・・・わからん・・・憲兵長から連絡は来たのか?」


光信「いや・・・まだだが・・・」~♪(着メロ:西村艦隊の戦い)


長門「なんで着メロがそれなんだ」


光信「気まぐれ」ピッ


『突然の電話申し訳ありません』


光信「いや構わん。どうした憲兵長」


前提督『本日1200にそちらに伺う話は元帥殿から聞いておられますか?』


光信「あぁ、ついでに憲兵長の正体も教えてもらった」


前提督『私と朝潮がそちらに向かうことは生き残った艦娘たちには黙ってて欲しいのです』


光信「・・・なぜ?」


前提督『ちょっとしたサプライズです』


光信「・・・わかった」


前提督『すみませんよろしくお願いします』ツーツーツーツー


光信「・・・」


長門「光信?」


光信「黙ってて欲しいんだとよ」


長門「わかった」



~3章 憲兵長視察?佐世保鎮守府の艦娘帰還?~



~1200 執務室~


コンコン


『大淀です。憲兵長がお見えになりました』


光信「あぁ」


ガチャ


前提督「突然の訪問申し訳ありません提督殿」


光信「遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。どうぞお掛けください」


前提督「では、お言葉に甘えて失礼します」


光信「大淀、掛看板を“会議中”に替えておいてくれ」


大淀「了解しました」


光信「憲兵長が来ていることは他の艦娘には内緒にしていてくれ」


大淀「了解しました。私は昼餉を取ってきます」


光信「わかった」


ガチャ パタン


光信「すみませんね憲兵長・・・いや、前提督殿」


前提督「寂しくなりましたね・・・」


光信「私が着任した当初はまだ悲惨でしたからね・・・その時の様子はご存知で?」


前提督「いえ・・・全く・・・」


光信「朝潮・・・は記憶がなかったんでしたっけ」


朝潮「はい・・・」


光信「・・・お聞きになりますか?」


前提督「・・・」


朝潮「・・・お願いします」


前提督「!」


光信「いいんですね?」


朝潮「はい」


前提督「・・・お願いします」


光信「・・・わかりました。ですが前提督、朝潮・・・マスクとりませんか?暑いでしょう?」


前提督「そうですね・・・」マスク脱ぎ


朝潮「そうします・・・」マスク外し


光信「・・・私が着任した時は・・・」


~説明中~


前提督「そんなことに・・・」


朝潮「」ポロポロ


光信「お墓行きますか?」


前提督「お願いします」


光信「では、こちらに」


~廊下~


霞「あ、司令官」トタタタ


満潮「ほんとだ」トタタタ


『司令官~』


光信「ん?」


霞・満潮「ん~♪」ギュー


光信「霞に満潮・・・どうした?」


霞「遠くで司令官が見えたから」


満潮「走って来たのよ」


光信「それは嬉しいが・・・廊下は走るなよ?誰かとぶつかったりでもしたら大変だ」


霞「はーい・・・ん!?」


朝潮「!!」


霞「あ、朝潮・・・」


満潮「え?」


朝潮「霞・・・満潮・・・」


霞「無事だったんだ・・・」


満潮「艤装はどうしたのよ・・・」


朝潮「・・・」


前提督「朝潮、どうした?」


朝潮「あ、あなた・・・」


光信「朝潮、この子達と話すことあるんじゃないか?」


朝潮「・・・お時間いただけますか?」


光信「わかった」


前提督「私もこの子達と話す時間をください」


光信「話が終わりましたら執務室に。私はそこにいますので」


前提督「ありがとうございます」


光信「霞、満潮」


霞「何?司令官」


光信「曙、青葉、川内を呼んできてくれ」


満潮「わかったわ」


光信「場所は1部屋綺麗な会議室がある。そこに行きなさい」


霞「わかった。朝潮、クズ司令官付いてきて」


朝潮「!?!?」混乱


~会議室~


コンコン


霞「いいわよ」


ガチャ


曙「川内さんと青葉連れてきたわよ」


川内「提督・・・?」


青葉「朝潮さんも・・・?」


前提督「久しいな青葉、川内」


青葉「お久しぶりです司令官」


前提督「俺はもう司令官じゃない。今は憲兵長をやっている」


川内「そうだったんだ・・・」


曙「鳳翔さんと間宮さんにも提督たちが来ていることは伝えたわよ」


前提督「わかった」


朝潮「・・・」


霞「それで、朝潮、艤装はどうしたの?」


朝潮「私艦娘を辞めたの」


5人「!!」


満潮「理由を聞いてもいいのよね」


朝潮「・・・」


前提督「それは俺が話そう」


朝潮「・・・」


前提督「あの日、ここが襲撃された日執務室に攻撃が集中したのは知ってるな?」


曙「えぇ」


霞「なぜあの集中砲撃から生き延びられてるのかが不思議なくらいね」


前提督「確かに集中砲撃を受けて執務室は崩れ俺も瓦礫の下に閉じ込められた」


川内「・・・奇跡的に下敷きにならずにすんたってわけか」


前提督「あぁ。そして幸運なことに自力で這い出せる隙間が空いていてな、そこから俺は脱出できた」


青葉「朝潮さんはいつ・・・?」


朝潮「私は襲撃の際上陸した深海棲艦に対抗するためにまだ練度の低かった霞と満潮を部屋に残して出ていったわ」


霞・満潮「・・・」


朝潮「その後戦艦タ級と交戦したんだけど・・・駆逐艦と戦艦じゃ火力も耐久も戦艦の方が上・・・」


霞「そして?」


朝潮「その後戦術的撤退を試みたけど艤装に砲撃を受けて・・・その後は覚えてないわ・・・」


満潮「・・・」


前提督「深海棲艦上陸から1週間たった頃鎮守府近くの佐世保港に朝潮が浮いているのを見つけてな・・・そこを救出した形になる」


霞「なんですぐ戻ってこなかったのよ」


前提督「鎮守府に戻ってはみたがその前に憲兵と遭遇してな・・・俺と朝潮が行方不明という形にして大本営に行かせてくれとお願いしたんだ」


満潮「その理由は?」


前提督「佐世保港で朝潮を救出したはいいが・・・記憶を失っててな」


朝潮「今は記憶も戻ってるけど・・・」


前提督「万が一フラッシュバックでもしたらと朝潮のことを考えた上での方法だった」


霞「そういう事ね・・・まぁそんなことだろうと思ったわよ」


前提督「すまなかった・・・」


満潮「別に責めているわけじゃないわよ」


朝潮「どうして?」


霞「そりゃそうでしょ・・・むしろクズ司令官の足りない頭でよく思いついたと褒めてあげたいわね」


前提督「・・・」グサッ


曙「そうね、クソ提督の割にはまともな判断よね」


前提督「・・・」グサグサッ


川内「でも朝潮が解体を選んだ理由にはなってないよね」


朝潮「何も言わずに大本営に行ってしまってみんなに合わせる顔がなかったのも一つの理由だし」


霞「もう1つは?」


朝潮「艤装が扱えなくなってしまったの・・・訓練を積んでも艤装を思うように動かせなくて」


満潮「それで解体ってわけね・・・」


朝潮「・・・」コク


青葉「・・・」prrrrrr


曙「青葉?」


光信『ん?青葉どうした』


青葉「会議室に来ていただいても・・・」


光信『あぁわかった』ピッ


前提督「青葉?」


ガチャ


光信「青葉、呼び出してどうしたんだ」


青葉「司令官、前司令官と朝潮さんをこの鎮守府に着任していただけるように元帥にお願いできませんか?」


朝潮「あ、青葉さん!?」


前提督「何を言って・・・」


光信「理由を聞こうか」


青葉「・・・前司令官と朝潮さんの話を聞いてて思ったんですが・・・少なからずここに未練があるように思えます」


光信「・・・」


青葉「確かに当時居た仲間の大半は死んでしまいましたけど・・・それでも少しでも思い入れのあるここで過ごしてもらった方が楽しいのではと思いまして・・・」


光信「・・・こう言ってますが?」


前提督「・・・提督という立場に着けなくともここでの思い出はあります」


朝潮「私も艦娘として出撃はできませんけど、ここ佐世保の行く末を見てみたいです・・・」


光信「・・・時間をくれ」


ガチャ パタン


霞「・・・未練タラタラね」


朝潮「」グサッ


曙「ま、提督なら何とかしてくれるわよ」


青葉「今は司令官の答えを待ちましょう・・・」



~大本営~


ジリリリリリリ


ガチャ


元帥「どうしたんだ 提督」


光信『憲兵長とその妻である朝潮のことです』


元帥「・・・佐世保に着任させろという話か?」


光信『・・・気付いていたんですか』


元帥「・・・ほかの憲兵たちから転属願いが提出されてな受理したところだ」


光信『・・・やはり佐世保に未練があるのは周りも気づいていたようですね』


元帥「ここに置いておくのももったいない人材でな・・・思い入れのある佐世保で頑張ってもらいたいと思ったまでだ」


光信『了解しました』


元帥「よろしくな」


光信『はい』ツーツーツーツー


元帥「なれないことはするもんじゃねぇなぁ・・・なぁ陸奥」


陸奥「そんなことはいいから早く執務終わらせてちょうだい」


元帥「・・・はい」


〜佐世保鎮守府 会議室~


コンコン


曙「いいわよ」


光信「失礼する」


朝潮・前提督「!!」ガタッ ケイレイ


光信「敬礼はよせ。今は1客人として迎え入れているんだ」


青葉「司令官、このお二方の話は・・・」


光信「憲兵長及び朝潮」


2人「はっ」


光信「本日付で貴官らを佐世保鎮守府所属とする」


2人「!?」


前提督「ちょっと待ってください!元帥殿はなんと!?」


光信「憲兵長、良き部下良き仲間を持ったな」


前提督「それはどういう・・・」


光信「部下や同僚、上官が佐世保鎮守府に未練があるなら行かせてあげようと判断したらしいぞ」


前提督「・・・しかし」


光信「決定事項だ。憲兵長には佐世保鎮守府の憲兵として勤務してもらう」


前提督「ありがとう・・・ございます・・・」


朝潮「私からもありがとうございます!!」


光信「部屋割は後で通達する。それまでは自由にしてくれ」


7人「了解!!」


~1330 執務室~


コンコン


光信「入れ」


『失礼します』


「陽炎型二番艦 不知火 遠征より帰還致しました・・・どちら様ですか」ギロ(戦艦の如き眼光)


光信「初対面の人間にする目つきじゃねぇなぁ」ギロッ(戦艦を超える眼光)


不知火「!」ビクッ


光信「遠征に行かせた記憶はないが?」


不知火「し、不知火に何か落ち度でも・・・」ジワァ


光信「何故そこで泣く・・・」ハァ


不知火「・・・」ウルウル


光信「半年も遠征はないだろ?恐らく働きすぎて長期休暇を前提督が出した・・・といったところか」


不知火「」コク


光信「不知火と言ったか・・・お前、ここがどういう状況になっていたか知ってるか?」


不知火「い、いえ・・・」


光信「・・・青葉」


青葉「お呼びでしょうか司令官・・・って不知火さん!?」シュタ


不知火「!!」ビクゥ


光信「大声出すなアホ・・・」


青葉「なっ!その言い方は酷いですよ!」


光信「まぁそんなことはどうでもいい」


青葉「ちょ・・・」


光信「不知火」


不知火「は、はい」


光信「青葉にここの現状を教えて貰え」


不知火「了解しました・・・」


光信「青葉、頼んだぞ」


青葉「了解しましたぁ~。さ、不知火さん行きますよ」


不知火「え、えぇ・・・」


ガチャ パタン


光信「・・・憲兵長」


前提督「なんでしょう」


光信「不知火1人だけか?休暇を与えたのは」


前提督「えぇ。ローテーションを組んでいたんですが非番の時でも執務室に来ては執務を手伝う癖があって・・・気持ちは嬉しいんですが無理されても・・・」


光信「・・・憲兵長、お前もなかなかいい性格してるな」


前提督「それをあなたが言いますか」


光信「・・・バレてたか」


前提督「任務開始を1週間ずらすなんてよその鎮守府では普通ありまえませんよ」


光信「だが、ここの鎮守府は襲撃を受けて生き残った艦娘も少ない。それに精神面もあまり良くない」


前提督「・・・艦娘を思ってここまでできるのは元帥殿とあなたくらいですよ・・・」


光信「・・・なぁ憲兵長」


前提督「はい」


光信「今夜飲みに付き合ってくれるか」


前提督「私でよければ」


光信「2200、海岸でな。朝潮も連れて来るといい」


前提督「ありがとうございます。朝潮には伝えておきます」


光信「さて、引き継ぎも終わった事だしな・・・もうゆっくりして大丈夫だぞ。朝潮も待ってるだろ」


前提督「お気遣い感謝致します。何かありましたらご連絡ください」


光信「あぁ」


前提督「失礼します」


ガチャ パタン


光信「・・・建造もまだ先でいいな・・・」



~鎮守府 廊下~


青葉「しかし久しぶりですね不知火さん。半年ぶりですか?」


不知火「そうね。ところで青葉、あの人は何者なの」


青葉「新しい司令官です」


不知火「・・・え?」


青葉「なぜ新しい司令官が着任しているかは後で分かりますよ」


不知火「???」


~工廠~


青葉「明石さーん」


明石「はーい・・・って不知火ちゃん!?」


不知火「お久しぶりです」


明石「ほんとだね~」


不知火「」キョロキョロ


明石「どうしたの?」


不知火「工廠新しくなってませんか?」


明石「え、えぇ・・・」


不知火「何故ですか?」


明石「青葉!まだ言ってないの?」


青葉「これから話すつもりですよ。しかしまずは建物内部の再確認も兼ねて連れてきたんですよ」


明石「なるほどね」


不知火「あの、不知火に話してないこととは・・・」


青葉「・・・不知火さん」


不知火「なんでしょうか」


青葉「鎮守府に帰ってきて違和感はありませんでしたか?」


不知火「違和感・・・?言われてみれば・・・」


青葉「・・・」


不知火「鎮守府にいつもの賑やかさがありませんね」


青葉「その理由も司令官が変わった理由に関わる話です」


不知火「・・・聞かせてください」


明石「ここで立ち話もあれだから・・・私の部屋に行きましょうか」


~明石の部屋~


明石「はいお茶」コト


不知火「いただきます」ズズ


青葉「・・・どこから話しましょうか」


明石「・・・ここで起こったこと全てがいいんじゃない?」


不知火「私が留守の間に何かあったんですか」


青葉「はい・・・不知火さんが鎮守府を留守にして2週間後のことです・・・」


~青葉説明中~


不知火「では陽炎たちは・・・」


明石「申し訳ないんだけど陽炎型の生存が確認できたのはあなただけよ」


不知火「不知火があの時留守にしていなければ・・・」ジワァ


コンコン


『明石いるか?』


明石「は、はい。提督?」ガチャ


光信「工廠に明石の姿がなかったからな来てみたんだが・・・取り込み中だったか?」


明石「い、いえ・・・」


青葉「」オロオロ


不知火「」グスッ


光信「・・・不知火」


不知火「お呼び・・・でしょうか・・・」


光信「1700執務室に来なさい」


不知火「不知火に、何か落ち度でも・・・」


光信「そうじゃない。定刻通り来てくれればそれでいい」


不知火「わかりました」


ガチャ パタン


青葉「司令官・・・また私たちのライバル増やすつもりですか・・・」


明石「ライバル?」


青葉「こっちの話です。あまり気にしないでください」


明石「は、はぁ・・・」


不知火「」ズーン


青葉・明石「(分かりやすく落ち込んでる・・・)」


明石「不知火ちゃん、落ち着くまでここで寝ていく?」


不知火「お言葉に甘えさせていただきます・・・」


青葉「では私はここで失礼しますね」


明石「はーい」


ガチャ パタン



〜1300 艦娘寮 憲兵長・朝潮の部屋~


前提督「ただいま~」


朝潮「おかえりなさいあなた」


前提督「朝潮、今夜2200時間空けておいてくれないか?」


朝潮「2200?いいですけど・・・どうして?」


前提督「提督殿からのお誘いだ。朝潮も一緒にどうだと言われてな」


朝潮「・・・じゃあお言葉に甘えさせてもらいましょうか」


前提督「わかった」


~1400 執務室~


光信「長門」


長門「なんだ?」


光信「2200予定あるか?」


長門「2200か・・・いや、特に何も無いが・・・」


光信「ん、ならここから見える海岸に来てくれ」


長門「わかった」


光信「・・・長門伏せろ」ボソ


長門「?あ、あぁ・・・」伏せる


光信「・・・フンッ」カカッ


『ひゃああ!』


光信「何してんだ睦月、大和」


大和「心臓止まるかと思いました・・・」


睦月「怖いにゃし・・・」


光信「聞き耳立ててるのは誰だったかなぁ・・・」ギロ


2人「ぴぃっ!」


光信「長門?」


長門「~っ」プシュー


光信「顔真っ赤じゃねーか」ペシ


長門「あいたっ!」


大和「え、えっと・・・その・・・ごめんなさい・・・」ペコリ


睦月「睦月もごめんなさいっ」ペコリ


長門「ふ、ふふ、ふふふふ・・・そうかそうか・・・聞き耳を立てていたのか・・・」ハイライトoff


光信「やれやれまーた始まったよ」


大和「あ、あの長門?話せばわかると思うの・・・」


睦月「そ、そうにゃし・・・話せば分かるにゃし・・・」


光信「長門」


長門「なんだ?光信」


光信「演習場解放してっから存分に暴れて来い」ニヤ


長門「あぁ、感謝する」ニヤ


2人「お、お助けええええええええええええ!」ズルズル


ガチャ パタン


光信「1700まで仮眠とるか」


ガチャ パタン


~提督私室~


妖精「」チョコン


光信「ん?どうした?」


妖精「あ、提督さん」


光信「妖精がここに居るとは・・・待たせてすまないな」


妖精「大丈夫だよ。勝手に待ってただけだから」


光信「そうか・・・だが待たせたお詫びだ ほれ」間宮券


妖精「ありがとう提督さん!」


光信「ほんで、ここに来たってことは艦娘寮の改築終わったのか?」


妖精「その通りだよ~」


光信「すまんな苦労かけた」


妖精「このくらいお安い御用だよ」


光信「しばらく君たちには休暇を与えるから疲れを取って任務開始に備えてくれ」


妖精「建造はいつするの?」


光信「任務開始と同時だ」


妖精「はーい」


トテテテ ガチャ パタン


光信「よし、一眠りしよう」



~1700 提督私室~


コンコン


『不知火です』


光信「あぁ、いいぞ」


ガチャ パタン


不知火「なんの御用でしょうか司令」


光信「ま、そこに座りなさい」


不知火「は、はぁ・・・」ポスッ


光信「青葉から聞いたんだろ?鎮守府を離れていた半年間で起きたこと」


不知火「・・・はい」


光信「まぁ信じられないわな。いきなり言われても」


不知火「・・・」


光信「そんな不知火に朗報と言っていいのかわからんが・・・前提督とその秘書艦だった朝潮のことだが生きてるぞ」


不知火「そ、それは本当ですか!」


光信「あぁ。ただ、彼は提督から憲兵になりわずか数ヶ月で憲兵長だ」


不知火「え・・・」


光信「朝潮も今は艦娘はやっていない。本人の意思で解体したんだそうだ」


不知火「不知火があの時残っていれば未来は変わっていたんでしょうか・・・」


光信「・・・正直に言うぞ?」


不知火「はい」


光信「たとえ不知火が残っていたとしても『未来は何一つ変わってねぇ』というのが本音だ」


不知火「それは不知火に落ち度があると・・・」


光信「いや、そうじゃない。姫クラスの深海棲艦が10隻同時に攻めてきて対処出来るか?」


不知火「・・・」


光信「不知火がどんなに練度が高く強くても結果はお前も死んでいくか数少ない生き残りになるかの2択しかない」


不知火「そんな・・・」


光信「過去を振り返るのも大事な事だが・・・それをいつまでも悔やんだところで前には進めん」


不知火「・・・」


光信「不知火、今何をすべきか考えてみろ」


不知火「今すべきこと・・・」


光信「答えは今すぐ出す必要は無い。自分なりの答えが出た時にまた教えてくれ」


不知火「いえ、今言えます」


光信「・・・聞こうか」


不知火「不知火が今すべきことは・・・かつての仲間たちの死を無駄にしない・・・」


光信「・・・ふっ」


不知火「?」


光信「期待しているぞ。不知火」


不知火「はい。これからよろしくお願いします司令」


光信「あぁ」ナデナデ


不知火「・・・」


光信「?不知火?」


不知火「」ジワァ


光信「ちょ、今泣く場面だったか!?」


不知火「いえ、その・・・」


光信「??」


不知火「」バッ


光信「・・・へ?」


不知火「」ギュゥ


光信「・・・(え、何この状況)」ギュー


不知火「・・・ふふっ」


光信「何かおかしかったか?」


不知火「いえ、そういう訳では・・・ですが何故か安心します」


光信「曙も霞も満潮も青葉も同じこと言うよなぁ」


不知火「もう少しこのままいさせてください」


~1時間後~


光信「どうして毎回こうなるかね・・・」


不知火「ふふふっ」ギュー


曙「ん~」スリスリ


満潮「~♪」ギュー


霞「えへへ・・・」ギュー


青葉「やっぱり落ち着きます・・・」ギュー


明石「知りませんよ・・・」


光信「1815・・・夕餉の時間なのに動けん・・・」


明石「もうそのまま居てください・・・」


光信「助ける気は?」


明石「ありません」


光信「・・・大淀と似た台詞吐くなよ・・・」


明石「では私は食堂に行ってきますね~」ガチャ パタン


光信「えぇ・・・」


コンコン


『憲兵です。提督殿はいらっしゃいますか?』


光信「あぁ、入ってくれ」


前提督「失礼します・・・ってなんですかこの状況」


光信「俺が聞きたい」


朝潮「夕餉の準備が整いましたのでお呼びにまいりました・・・」


光信「朝潮もすまんな・・・見てのとおり動けんのだ・・・」


朝潮「あ、あはは・・・」


前提督「まぁ仕方ないと思いますけどね・・・」


光信「えぇ・・・」


前提督「私がいなくなってこの子達の心を支えてるのはあなたじゃないですか提督殿」


光信「そうなる・・・のか?」


朝潮「間違いないと思います。霞と満潮を救ってくれてありがとうございます」ペコリ


光信「何もしてないがな・・・まぁ霞は初対面で主砲撃ってきたけどさ」


前提督・朝潮「え?」


霞「それは悪かったわよ・・・」ジワァ


光信「怒ってないから泣くな」ナデナデ


朝潮「主砲撃ってきたってどうして無傷なんです?」


光信「あぁ、そこに日本刀あるだろ?薙刀も」


朝潮「は、はい・・・」


光信「そいつで切った」


前提督「え?切った?」


光信「おかしいか?」


前提督・朝潮「当たり前です!」


光信「そんな大きな声出さなくとも・・・」


朝潮「どんな反射神経してるんですか・・・」


光信「ところで2人とも夕餉はいいのか?」


前提督「そうでした。鳳翔さんと間宮さんから夕餉の時間になったので呼んできて欲しいと言われまして・・・」


光信「ん、そうか。先に言っててくれないか?こいつら連れていくから」


前提督「了解しました。では私はこれで」


朝潮「私も失礼します」


光信「あぁ」


ガチャ パタン


光信「お前ら、夕餉の準備が出来たみたいだから行くぞ~」


5人「はーい」


ガチャ ゾロゾロ パタン


~4章 提督と幼なじみと憲兵長と妻と深海棲艦?~


~2140 提督私室~


コンコン


光信「ん?いいぞ」


長門「よ、光信」


光信「長門か」


長門「20分前だからな」


光信「もうそんな時間か」


長門「ところで光信、ここでの生活はどうだ?」


光信「どうだ?って言われてもなぁ・・・まぁ、みんないい子たちだし何とかやって行けるとは思うけど」


長門「そうか、それなら良かった」


光信「長門のくせに心配してたのか?w」


長門「いや、ここ以外の鎮守府だと曙や霞、満潮はあんな性格じゃないぞ・・・」


光信「・・・みたいだな」


長門「そんなことよりそろそろ行かなくていいのか?」


光信「む、お前に急かされる時が来るとはな」


長門「さっきから何故私をいじるのだ」


光信「昔のお前を知ってるからな」


長門「やめてくれ・・・」


光信「まぁそろそろ時間だし行くか」


長門「あぁ」


~2200 鎮守府近くの海岸~


前提督「遅くなりすみません」


光信「いや、ちょうど2200だ。気にするな」


朝潮「私までお呼びいただきありがとうございます」


光信「気にするな。俺が勝手に呼んだだけの事。朝潮はそれに応じただけだ」


長門「なぁ光信、酒は何持ってきたんだ?」


光信「白岳と二階堂だな」


長門「ザ・地酒だな」


光信「いいだろたまにはよ」


前提督「焼酎・・・ですか」


光信「あぁ、飲めるか?」


前提督「えぇ、問題ありません」


光信「朝潮は?」


朝潮「私も問題ありません」


長門「全員ロックでいいか?」


前提督「大丈夫です」


朝潮「同じく」


光信「じゃあ頼む」


長門「わかった」


光信「それじゃあ」


4人「乾杯」カラン


前提督「ところで提督殿、我々を及びした理由を伺っても?」


光信「特に意味は無い。ただ、お前たち2人が着任していた時よりだいぶ変わってしまっただろ」


朝潮「そうですね・・・半年前までは賑やかな声が鎮守府のあちこちから聞こえていました」


前提督「あの襲撃さえなければ私もまだ提督を続けられていたと思うと・・・」


光信「姫クラス10隻相手じゃあな・・・」


長門「あの日大淀から緊急の連絡があって私も出撃はしたが着いた頃にはもうあの光景だった」


前提督「・・・」


朝潮「・・・」


光信「あの頃のように戻したいか?」


前提督「記憶が引き継がれることはありませんが・・・あの賑やかな日常を取り戻してみたいです」


朝潮「私も同意見です」


光信「そうか」


長門「その前にやりたいことあるんだろ?光信」


光信「まぁな」


前提督「やりたいこと・・・?」


光信「深海棲艦の親玉を潰す」


朝潮「そんな無茶な・・・」


長門「・・・そんなことだろうと思ったよ」


前提督「いくら霞の砲弾に反応して切れたとしても・・・あなたは生身の人間・・・」


光信「無闇に突っ込むことは無い」


前提督「いや、私が心配しているのは・・・」


光信「生身の人間が突っ込めば死にに行くと同じ・・・ということだろ?」


前提督「その通りです」


長門「そのことに関しては心配はいらん」


朝潮「なぜです?」


長門「大本営に姫や鬼クラスが何隻か捕縛してある」


前提督「あの部屋ですね・・・」


長門「その姫や鬼クラス相手に光信は睨んだだけでほとんどが気絶したからな」


前提督「へ?」


朝潮「え?」


光信「その話するのかよ・・・」


前提督「睨んだだけ・・・」


光信「まぁ信じられんだろうな」


朝潮「戦艦でもできませんからね普通」


光信「だろうよ・・・長門」


長門「あぁ。そこに1艦隊来てるな」


朝潮「何がです?」


光信「深海棲艦だ。オマケに戦艦棲姫と駆逐棲姫まで来てるみてぇだな」


前提督「!!」


朝潮「」プルプル


長門「光信、お前用の艤装預かってきた」


光信「すまんな」ウケトリ


長門「戦艦長門、出撃する!」


光信「2度もここを潰されてたまるか・・・抜錨!」


前提督・朝潮「」ポカーン


光信「まぁそこで見てな」


前提督・朝潮「は、はい」


光信「行くぞ長門」


長門「了解した」


ザザァーーー


朝潮「なんであの人水上を普通に移動してんですか・・・おまけに艤装まで・・・」


前提督「・・・わからん」



〜近海〜


光信「大淀、聞こえるか」


大淀『はい。何かありましたか・・・って敵艦ですか!?』


光信「今から言う艦娘を俺のところまで送ってくれ」


大淀『は、はい!』


光信「吹雪、叢雲、漣、五月雨、電、川内。以上6人だ」


大淀『了解しました「川内、吹雪、叢雲、漣、五月雨、電。以上6名は緊急出撃」』


〜10分後〜


光信「来たか」


吹雪「は、はい・・・ただ・・・」


光信「ん?」


吹雪「司令官・・・なんで浮いてるんです?しかも艤装まで・・・」


光信「それは後で説明する」


吹雪「は、はぁ・・・」


光信「川内」


川内「なに?」


光信「体鈍ってないよな」


川内「当たり前じゃん」


光信「んじゃこいつら初期艦5人にお前の実戦見せてやれ」


川内「了解!」


光信「お前たち5人は出撃と言えど訓練もまともにしていないからな。まずは見て学べ」


叢雲「それはいいけど、流れ弾飛んで来たらどうするのよ」


光信「その心配はいらん。明石がお前たちのために作った『明石特製砲弾無効化バリア』なるものが既に展開してある」


叢雲「それ・・・信用していいんでしょうね」


光信「あぁ、テスト済みだ気にすんな」


叢雲「わかったわ」


光信「さて、長門、川内行くぞ!」


長門・川内「了解!」


〜鎮守府近海 沖〜


光信「よう深海棲艦」


戦艦棲姫「オマエ、艦娘ジャナイナ」


光信「あぁ、人間だからな。それで?ここに何の用だ?」


戦艦棲姫「鎮守府ヲ消シニ来タ」


光信「ほう・・・やれるもんならな」スッ 日本刀を構え


戦艦棲姫「ト言イタイトコロダガ、コレヲミテホシイ」


長門・川内「??」


光信「これは?」


戦艦棲姫「前ニココヲセメタ空母棲姫ト軽巡棲鬼、重巡棲姫、ソシテ戦艦棲姫の首ダ」


長門・川内「ヒイッ!」


光信「・・・目的は」


駆逐棲姫「ソノ目的ヲ話スタメニココニ来マシタ」


光信「信じていいんだろうな」


戦艦棲姫「信ジロト言ッテモ無理ダロウ」


光信「まぁな。しかしここじゃ話もできんお前達を捕虜として鎮守府の牢に入れる。問題ないな」


戦艦棲姫「仕方アルマイ。妥当ナ扱イダロウ」


光信「長門、川内」


長門「なんだ?(なんてもん持ってきてんだ戦艦棲姫・・・)」


川内「何〜?(気持ち悪い・・・)」


光信「この2人に手錠をかけろ。ところで後ろにいる駆逐イ級、空母ヲ級達はどうすんだ?」


戦艦棲姫「アノ娘タチハ我々ノ護衛トシテツイテキタ」


光信「・・・ただ数が多くないか?」


戦艦棲姫「大丈夫ダ。ワタシガ合図ヲスレバ帰ルゾ」スッ 手を挙げる


深海棲艦 「」ススス ボコボコボコ...


光信「とりあえずお前達ふたりからは重要なことが聞けそうだ。着いてきてもらうぞ」パチン 刀をしまう


駆逐棲姫「ハイ」


戦艦棲姫「ワカッタ」


〜数分後〜


光信「よしお前ら任務終了だ。引き上げていいぞ」


漣「ちょっと待ってくださいご主人様。人増えてません?」


光信「あぁ、駆逐棲姫と戦艦棲姫だ」


初期艦's「へ?」


光信「捕虜として同行してもらうだけだ」


電「ところで司令官さん、その手に持ってる箱はなんなのです?」


光信「・・・」


五月雨「あの・・・黙ってしまわれると困るんですけど・・・」


光信「・・・お前たちが見るには早すぎる」


叢雲「ちょっと!どういうことよ!」


光信「あ"?」ギロ


叢雲「!!」ビクゥ


光信「詮索はするな」


叢雲「わ、わかった・・・」


吹雪「叢雲ちゃん・・・大丈夫・・・?」


光信「帰るぞー」


長門「光信」


光信「ん?」


川内「この2人は牢屋に入れてていいんだよね?」


光信「ああ。それに関してはその2人も同意している。戦闘意思のないやつを殺すほど俺もサイコパスではない」


川内「ん、了解」


光信「ただ、丁重にな?」


長門「わかった」


光信「んじゃ、お前ら鎮守府に着いたら解散な」


初期艦's・長門・川内「了解!」ビシッ


〜鎮守府 海岸〜


前提督「もう終わったのですか?提督殿」


光信「あぁ、どうやら話があるみたいだな」


朝潮「話?」


光信「戦闘意思が全く持ってなかったな」


前提督「ではあの深海棲艦達は・・・」


光信「ただの護衛だったようだな」


朝潮「では鎮守府にいるのは・・・」


光信「戦艦棲姫と駆逐棲姫だ」


前提督「捕虜として・・・?」


光信「あぁ」


朝潮「そ、そうですか・・・あら?」


光信「どうした」


朝潮「その箱は・・・」


光信「・・・気になるのか?」


朝潮「・・・はい」


光信「前提督は?」


前提督「・・・気になります」


光信「後悔するなよ」パカ


朝潮・前提督「!!」


朝潮「こ、これって・・・」


前提督「深海棲艦・・・」


光信「ただの深海棲艦じゃない。空母棲姫、軽巡棲鬼、重巡棲姫、戦艦棲姫の首を手土産として持ってきたぞあいつら」


朝潮「あの深海棲艦・・・が・・・仲間の首を・・・」


前提督「・・・何が目的なんだ」


光信「それは明日から聞く」


前提督「同席しても・・・?」


光信「構わん」


朝潮「私も同席させてください」


光信「わかった」


前提督・朝潮「ありがとうございます」


光信「それと長門と大和も同席させる。異論はあるか?」


前提督「いえ、ありません」


朝潮「同じく」


光信「明日1000に執務室だ」


前提督・朝潮「了解しました」


光信「まともに飲めてなかったな・・・最後墓まで行くか?」


前提督「そういえば行けてませんでしたね」


朝潮「今すぐにでも手を合わせたいです」


光信「こっちだ・・・というか酒はいつ片付けた?」


前提督「提督殿が深海棲艦の元に向かったあとすぐに片付けましたよ」


朝潮「その後満潮達が提督の私室に持っていきましたよ」


光信「そうか」


〜鎮守府 艦娘寮裏〜


光信「着いたぞ」


前提督「・・・あの頃が懐かしい」


朝潮「そうですね」


光信「」スッ 合掌


2人「」合掌


光信「(・・・二度とこの地を奪われてたまるものか)」


前提督「(守れなくてすまなかった)」


朝潮「(いつかまた会えることを祈ってます)」


光信「・・・」


前提督「ありがとうございました」


光信「なぁ前提督よ」


前提督「なんでしょうか」


光信「この簪、誰のか分かるか?」スッ


前提督「この簪は・・・」


朝潮「時雨だと思います」


光信「白露型二番艦、西村艦隊幸運の駆逐艦か」


前提督「はい・・・」


光信「違和感がないか?」


朝潮「違和感・・・?」


光信「ここが襲撃を受けたのは約半年前、その割に綺麗すぎないか?」


前提督「言われてみれば・・・」


光信「川内」


川内「どしたのー?」隠れ身の術を解く


朝潮「きゃあっ」


光信「時雨のk」


川内「もう捕まえてるよ」


時雨「ん〜」ジタバタ


光信「仕事が早いな」


朝潮「時雨!」


時雨「何すんのさ・・・って朝潮!提督!」


前提督「俺はもう提督じゃない」


時雨「・・・どういうこと?」


朝潮「私も艦娘はやってないの」


時雨「え?」


光信「そのことについては俺から説明する。執務室に来て貰えるか?」


時雨「わかったよ」


〜2300 執務室〜


光信「まぁ座ってくれ」


時雨「」ポスッ


光信「まぁ聞きたいことはあるだろうが・・・」


時雨「そうだね・・・」


光信「襲撃を受けてから半年間何をしていた?」


時雨「僕はその日はオフで天神に行ってたよ。久しぶりに連休だったから泊まりで旅行の途中だったさ」


時雨「でもその後夕立から連絡があって・・・」


光信「ここに戻った時には蹂躙し尽くされていた・・・と」


時雨「・・・うん」


光信「・・・時雨」


時雨「なんだい?」


光信「お前、今自分が幸運艦であることを呪っただろ」


時雨「なんでそれを・・・」


光信「やっぱりか・・・」


時雨「話の続きだったね」


光信「天神から引き返したあとここの惨状を見てからの半年間、何をしていた」


時雨「・・・裏山の洞窟で過ごしてた」


光信「・・・そして久々にここに降りてきたら簪を落とし、探しているところを川内に見つかったか」


時雨「そう」


光信「・・・ドジだな」


時雨「なっ!」


光信「憲兵長」


前提督「はっ」


光信「時雨と話したいこともあるだろ。今日は時雨を連れて部屋に戻れ」


前提督「・・・了解しました」


光信「朝潮もいいな?」


『はい、問題ありません(なんで扉の裏にいるって気付いたのあの人・・・)』


光信「明日1000、遅れないように」


前提督「失礼します」ガチャ パタン


光信「・・・寝るか」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


#2に続く


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


後書き

転載、YouTubeに投稿など行う際は一言連絡をお願いします
まぁ、誰もいないと思いますが念の為

2022/6/19 1:07 :タイトル一部変更しました

2022/2/11 4:10 :誤字等の修正


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2022-06-30 03:51:40

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このSSへのコメント

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1: Feb_102 2022-06-07 22:04:01 ID: S:OkLIC_

また面白そうなssが投稿された。

とっても嬉しい!

2: RED STAR 2022-06-07 22:20:17 ID: S:W1FIEk

ありがとうございます
SS系の投稿はこれが人生初なので正直不安な部分が大きいです

3: SS好きの名無しさん 2022-06-15 10:27:50 ID: S:GhkbL_

ツンデレ四天王の3人がもうデレになってるよwww、次の更新待ってますね(*^^*)

4: RED STAR 2022-06-15 12:15:59 ID: S:Lj7dKa

ツンデレのツンを消した3人がデレデレになる世界線もありだなと思いますしこの作品のメインヒロインは曙・霞・満潮・青葉の予定ですw
更新頑張りますw

5: 魔王鎮守府のトレーナー 2022-06-18 05:36:29 ID: S:txOMzR

大本営メンツは、あの光景を見た後で飯が喉を通るのか?

6: RED STAR 2022-06-18 19:05:34 ID: S:gZ4IBi

番外編で食堂での様子を書きますね
しばしお待ちください


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