2023-01-15 03:05:31 更新

概要

「とある提督の鎮守府復興記」#3です
前作を見ていない方はそちらからどうぞ


では#3始まります


前書き

初期艦の学力の低さに絶望を抱いた提督。本当に大丈夫か?


登場人物

・提督(光信):20代半ば 男 妖精が見えるまでは地元で自営業を営んでいた
深海棲艦のクォーター。艦娘と遜色ない戦闘能力を持つ。水に浮くことができる

・吹雪:提督に初期艦に任命された艦娘

・曙:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り。執務室前で動けないところを提督に助けてもらい復活
提督love

・満潮:霞と部屋に隠れていた。提督が来たことにより安心するも恐怖心から提督に甘える
提督love

・霞:満潮と部屋に隠れていた。提督に主砲を撃つも躱され最終的には気絶させられる。
夜中に1度目が覚め提督の温もりを感じ主砲を撃ったことを後悔。その後甘えるようになる
提督love

・青葉:何かと写真を撮り記事にしたがるパパラッチ重巡。曙と同じく佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
襲撃時のトラウマがあるようで1人では寝れないらしい。提督love


大淀:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り。主に大本営との連絡役

明石:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
襲撃前は資材を勝手に使い発明していたが襲撃後は発明をしなくなり真面目に工作艦として働く

川内:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
天井裏で気配を消していたつもりが隠せておらず提督に見つかる
『気配の消し方が下手くそ』とダメ出しを食らう

鳳翔:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
普段は間宮と食堂を任されている
前線に出ると性格が変わるらしい

龍飛:鳳翔のもう一つの顔。普段のお淑やかな雰囲気とはうってかわり好戦的になる。なお鳳翔と龍飛は性格は変わるがお互いの記憶は共有している
※龍飛(たっぴ):大日本帝国海軍が「鳳翔」に改名する前の艦名。
起工時には「鳳翔」だったが、1919年10月の改名までは「龍飛」として起工する予定だった(wiki参照)

間宮:佐世保鎮守府襲撃時の生き残り
鳳翔とともに食堂を任される傍ら『甘味処間宮』も営んでいる

不知火:佐世保鎮守府所属。佐世保襲撃時、前提督から半年の長期休暇を強制的に取らされ鎮守府を留守にしていた。意外とビビり。青葉から鎮守府の現状を聞き酷く落ち込むが提督の優しさに心を開き甘え出す。提督Love

時雨:佐世保鎮守府所属。襲撃時は連休でプチ旅行に行っていた。夕立からの緊急連絡で引き返すも時すでに遅し。誰にも見つからないよう裏山で過ごしていた。隠れ提督love

瑞鶴:大本営所属艦娘。佐世保鎮守府近海の哨戒のために派遣された。一航戦の加賀とは仲がいい

加賀:大本営所属艦娘。意外と怖がり
五航戦の瑞鶴とは仲がいい

大和:大本営所属艦娘。戦闘中は凛々しいがそれ以外はだらしなかったりする。意外と甘えん坊

古鷹:大本営所属艦娘。青葉とは面識がある
たまにドジを踏む。甘えん坊な一面も

睦月:大本営所属艦娘。なんか知らんけど語尾が特徴的。寂しがり屋

暁:大本営所属艦娘。電がちゃんとやれているか心配で元帥にお願いして派遣された
他の鎮守府のように背伸びをするかと思いきや割としっかりしている


※大本営から派遣された艦娘は後に佐世保鎮守府所属となります

~大本営~

元帥:お調子者。公人や他鎮守府の提督がいる時は真面目なフリをしているが、よく長門にシバかれている。今は霧島が〆ている

長門:大本営所属艦娘。元帥の秘書艦であり提督と幼馴染でもある。尚、あえて言わないが他鎮守府のように危険な存在ではない。提督には弱い
意外と提督のことが好き?
提督と2人きりになると甘え癖が出る
佐世保所属になった

憲兵長:憲兵団のトップ。元佐世保鎮守府の提督。
佐世保に未練はあるものの当時の嫁艦である朝潮と幸せに暮らしている。元帥から佐世保勤務を言い渡される

朝潮:元佐世保鎮守府所属の艦娘。襲撃後奇跡的に生き残るが記憶を失っていた。元提督が現れたことにより記憶が戻るも佐世保には戻れないと解体を希望。憲兵長の妻である。面影は残っている。
佐世保に転属となった憲兵長と共に佐世保鎮守府の一室で暮らしている

陸奥:長門の妹で提督とは幼馴染。提督からは『むっちゃん』と呼ばれ可愛がられていた。人間時代に提督に恋をしていたが艦娘となり離ればなれに。今でも提督のことを好きでいる
佐世保所属になった

衣笠:大本営から深海棲艦本部特定のために佐世保に派遣された。青葉には劣るが情報収集能力は青葉も認めるほどの実力

夕張:工作大好き軽巡。大本営の明石が不調の時は代わりに改修を行うなど実力はホンモノ。明石のお墨付きである。たまに気まぐれで変なものを作ったりする

明石:変なものしか開発しない。だが改装、改修のように戦力に関わる部分は真面目。夕張より自由すぎるのが玉に瑕

〜深海〜

戦艦棲姫:佐世保襲撃時は非戦闘員。襲撃に反対していた1人。深海側の代表として話があると佐世保まで来た

駆逐棲姫(わるさめ):戦艦棲姫と同じく佐世保襲撃時は非戦闘員。襲撃反対派の1人。意外と甘えん坊

深海提督:鎮守府襲撃計画は何も知らなかった。半年前の鎮守府襲撃の償いをどうするか考えすぎてしまい少し禿げた
深海提督『誰がハゲだ!』

その他にも色々登場します


〜10章 今後の方針〜



〜0700 提督私室〜


光信「・・・なんで?」


曙「スースー」全裸


霞「クークー」全裸


満潮「スゥスゥ」全裸


光信「なんでこいつら素っ裸なの・・・」


不知火「おはようございます司令」寝間着姿


光信「あぁおはよう・・・不知火・・・」アタマカカエ


不知火「・・・?」


光信「不知火、この光景を見て何か疑問に思うことはないか?」


不知火「司令を囲むように曙、霞、満潮が寝ているように見えますが・・・」


光信「・・・質問が悪かった。この3人の格好を見て違和感はないか」


不知火「3人とも全裸ですね・・・何か問題でも・・・?」


光信「問題しかねーわアホ。憲兵連行案件だわこんちくしょう」


元提督(憲兵長)「どうかしましたか?提督殿」


光信「憲兵長、俺をしょっぴいてくれ」トイウカイツノマニ


元提督「はて・・・何故でしょう・・・」


光信「この光景見て何も思わんか?」


元提督「曙達が全裸ですね・・・それ以外は何も・・・」


光信「その全裸が問題なんだろうが」


元提督「私は一向に構いませんよ?この子達の好きにさせてあげてください」


光信「えぇ・・・」


元提督「それにあなたを連れていくなとその子たちからのお願いですから」


光信「・・・そう」


元提督「では私は行きますね」アサシオーアサゲイクゾー ハーイ


光信「あぁ・・・」


元提督「失礼します」ガチャ パタン


光信「お前たち起きろー」ユサユサ


曙「おはよ〜てーとく〜」


霞「おはよ〜」


満潮「おはよ〜ふあぁ〜」


光信「・・・お前たち今の格好について説明してもらおうか?」


曙「今の格好・・・?服を着てないこと?」


霞「それとも下着を身につけてないこと?」


満潮「何か変かしら?」


光信「あのなぁ・・・艦娘同士ならいいかもしれんが男がいる部屋でその格好はどうなんだ」


曙「・・・?」


霞「・・・?」


満潮「・・・?」


光信「首傾げんな」


曙「ダメなの?」


光信「問題しかねーわ。憲兵連行案件だわコラ」


霞「私たちは司令官に手を出されてもいいと思ってるわよ?」


光信「それが問題なんだっつの」


満潮「憲兵には連行されないようにお願いしてるわよ?」


光信「それはさっき聞いた・・・」


曙「なら問題ないじゃない」


光信「・・・というかあと一人俺の布団の中にいるんだが・・・」


青葉「zzz」全裸


光信「お前もか」


霞「諦めなさいよ」


満潮「むしろ私たちは司令官に手を出して欲しいって思ってるわよ?」


光信「そんな希望抱くなよ・・・つか青葉起きろ」ユサユサ


青葉「おはようございます〜司令官〜」


光信「服さっさと着ろパパラッチ重巡が」


青葉「その言い方酷くないですか!?」ガビーン


光信「お前たちもだ!」


曙・霞・満潮「はーい」プクー


光信「拗ねんなチビ共」


〜1000 食堂〜


光信「・・・」


吹雪「し、司令官、大丈夫ですか・・・?」


光信「・・・俺のことはいい、お前は自分の心配しようや・・・吹雪」


吹雪「へ?」


長門「光信、全員揃ったぞ」


光信「ん、わかった。ならお前たちも元の位置に戻れ」


長門・吹雪「了解(です)」


光信「深海棲艦もいるな?」


戦艦棲姫「あぁ」


光信「集まってもらって悪いが本日以降の方針がガラリと変わる」


艦娘「・・・」


光信「まず初期艦達の演習だが延期とする」


五月雨「訓練はどうするんです?」


光信「訓練もなし。お前たち5人は当分座学な?」


初期艦's「ええぇぇえ〜!」


光信「昨日急遽実施した小テスト覚えてるよな?」


漣「あんなの漣にかかれば余裕ですよ!」


光信「と、余裕そうな顔しているがお前がいちばん点数低いからな?」


漣「」


光信「初期艦達は1300に執務室に集合」


光信「そして座学担当の加賀だが本日から訓練だ。加賀の代わりに曙、霞、満潮が座学を行う」


大和「提督、よろしいですか?」


光信「なんだ?」


大和「加賀さんを座学担当から外す理由を聞いても・・・」


光信「確かに加賀は成績優秀だが」


大和「昨日の演習・・・ですか」


光信「あぁ、瑞鶴が制空確保できるまで訓練についてもらうことにした。まぁ加賀があっさり取られたなら2人まとめて俺がみっちり鍛えてやるしかないが」


光信「それと戦艦棲姫、お前たちには申し訳ないがまた演習の相手をお願いしたい」


戦艦棲姫「わかった」


光信「では解散」


艦娘・深海「了解」


ゾロゾロ


光信「・・・はぁ」


鳳翔「大きな溜息ついてどうしたんですか?提督」


光信「鳳翔か・・・いや、昨日の初期艦達のテスト結果と言い今朝の曙達の格好といい・・・頭抱えることが多くてな・・・」


鳳翔「聞かせていただけますか?」


光信「実はな・・・」


〜提督説明中〜


光信「・・・と言うわけだ」


鳳翔「なんと言うべきか・・・」


光信「労いはいらん。場合によっては鳳翔を座学に回すかもしれんがいいか?」


鳳翔「分かりました。ですが食堂の準備もありますので午前中は厳しいかと・・・」


光信「必要に応じて相談に来い」


鳳翔「かしこまりました」


光信「それと食堂のメニューについて変更したい時も遠慮なく言ってくれ」


鳳翔「分かりました」


光信「それじゃ執務室に戻るわ」


鳳翔「はい」


〜執務室〜


光信「・・・」


時雨「提督?だいぶ浮かない顔してるけど・・・」


光信「時雨か・・・いや、なんでもない・・・」フゥ


時雨「絶対嘘。本当になんでもない人が目をそらすことなんてないからね」


光信「・・・参ったな」


時雨「話してくれないかな」


光信「・・・わかった」


〜説明中〜←本日2回目


光信「・・・と言うことだ」


時雨「うん・・・それは・・・確かに頭抱えるね・・・」


光信「少し休む・・・時雨はどうする」


時雨「僕もやることないから提督と一緒に休んでもいいかい?」


光信「わかった。演習は午後からだからそれまでゆっくりするといい」


時雨「ありがとう提督」


〜提督私室〜


光信「・・・俺は少し寝る。好きにくつろいでてくれ」


時雨「じゃあ僕も一緒に寝ようかな・・・提督の横で」


光信「・・・変なことすんなよ?」


時雨「もしすると言ったら?」


光信「廊下に放り出す」


時雨「・・・わかったよ」


〜1130〜


光信「zzz」


時雨「zzz」ギュ


光信「ん・・・1130か・・・」


時雨「zzz」下着姿


光信「」


時雨「ん・・・提督、起きたのかい?」


光信「服着ろ時雨」


時雨「どうして?」


光信「お前その姿で恥ずかしくないのか」


時雨「ん〜別に提督ならいいかなぁ〜」


光信「意味がわからん」


時雨「ねぇ提督」


光信「ん?」


時雨「提督は艦娘は好きかい?」


光信「どういう意味だ」


時雨「そのまんまの意味だよ。提督さ、ここの艦娘にかなり好かれてるよね」


光信「何人かは恥じらい持ってねぇがな」


時雨「それにほら」ユビサシ


不知火「zzz」


光信「ん?・・・不知火?なんで?」


時雨「彼女も例に漏れず・・・と言ったところかな」


光信「まぁ、こいつが帰ってきた日の翌日何故か俺の布団にいたがな・・・」


時雨「提督はここの生き残りの心の拠り所ということは覚えておいた方がいいよ」


光信「・・・あぁ」


時雨「不知火、そろそろ起きたらどうだい」ユサユサ


不知火「んぅ・・・司令、時雨、おはようございます・・・」全裸


光信「・・・服着ろチビ共」


不知火「不知火に落ち度でも?」


光信「落ち度しかねーよバカ」


〜1200 食堂〜


光信「・・・」モグモグ


暁「あら司令官1人で昼餉?」


光信「まぁそんなとこだ」


暁「隣いいかしら」


光信「いいぞ」


暁「それじゃ失礼するわね」ストン


光信「・・・暁はここの生活に慣れたか?」


暁「そうね、とても楽しいし深海棲艦と話せる機会があるんだもの。慣れたと言うよりは楽しいという方が正しいかしら」


光信「それなら良かった」


暁「・・・司令官、なにか隠してない?」


光信「なぜそう思う」


暁「顔色悪いわよ?」ジー


光信「どうして艦娘はこう勘が鋭いかねぇ・・・」


暁「言いたくないなら別にいいんだけど・・・説明してもらえるかしら?」


光信「・・・実はだな」


〜説明中〜←3回目


暁「妹の電がごめんなさい・・・」


光信「いや、大丈夫だ・・・1300には初期艦たちに現実を叩きつけるつもりだ・・・」


暁「・・・わかったわ。それにしても・・・」


光信「なんだ?」


暁「司令官愛されてるのね」


光信「暁でさえそう思うのか」


暁「まぁその話とあの人達の様子さえ見てれば意外と気づくものよ」


光信「そっか」


暁「私はもう行くわね?演習の準備しないといけないし」


光信「ん、わかった。後で顔は出す」


暁「瑞鶴さん達に伝えておくわね」


光信「あぁ」


〜1300 執務室〜


光信「・・・」


吹雪「・・・」


叢雲「・・・」


五月雨「・・・」


漣「・・・」


電「・・・」


光信「全員揃ったな」


初期艦's「・・・はい」


光信「昨日実施した小テストだが・・・」


初期艦's「」ゴクリ


光信「電以外全員赤点・・・どういうことだ?」


電「」ホッ


光信「電、お前一安心したような顔してるが赤点ギリギリだからな?」


電「」


光信「点数を言っていく。まずは吹雪」


吹雪「はい」


光信「・・・18点だ」


吹雪「・・・はい」ガクッ


光信「叢雲」


叢雲「・・・」


光信「21点」


叢雲「嘘でしょ・・・」


光信「事実だ。次に五月雨」


五月雨「・・・はい」


光信「5点」


五月雨「うぅ・・・」


漣「〜っ」プルプル


光信「漣、お前笑ってる余裕ねぇからな?」


漣「え?」


光信「0点・・・」


漣「」マッシロ


光信「自信満々に『昇龍拳』なんて書きやがって・・・そんな問題どこにもねーだろ」


光信「最後に電」


電「はいなのです」


光信「32点。ギリギリ赤点回避だがこれじゃ心配だ」


電「・・・はい」


光信「お前たちには曙、霞、満潮が付きっきりで座学を教える。漣、五月雨には曙。吹雪、叢雲には霞。電には満潮がつく」


光信「本日より2ヶ月後に再度小テストを行う。その時に全員赤点回避したら訓練を行う。それまでは座学だ。」


吹雪「司令官・・・ひとつ聞いてもいいですか?」


光信「言ってみろ」


吹雪「赤点の基準は一体何点なんですか?」


光信「今回の場合は30点未満が赤点だが、次回の小テストの赤点基準は65点未満とする」


電「基準が高いのです・・・」


光信「あのな電・・・基準が高いとは言うが最低でもそのくらいの基礎知識がなければこの戦争が終わったあとの世界で生きていけないからな?」


叢雲「なるほどね・・・わかったわ」


五月雨「叢雲ちゃん・・・いいの?」


叢雲「当たり前よ。座学もだけどこの戦争を終わらせるのが私たちの役目でしょ?」


漣「それもそうだね〜。余裕ないけど・・・」


光信「言っておくが曙たちを甘く見るなよ?」


吹雪「どういうことですか・・・?」


光信「古鷹はまだ優しいからお前たちにとって救いかもしれんが・・・あの3人は容赦しないからな?」マァヨウシャスルナトハイッタケド


初期艦's「」


光信「2ヶ月間みっちり教えてもらえよ?」


初期艦's「ひゃ、ひゃい・・・」


光信「曙」


曙「どうしたの?」


光信「忙しくなるが頼んだぞ?」


曙「わかったわ。特に漣、あんた覚えてなさいよ」


漣「」チーン


光信「それじゃ解散な?俺は演習場に顔を出してくる」


曙「了解よ」


〜1330 演習場〜


ドーン ドーン

ブーーン

ドカーン


光信「お、やってんな」コツコツ


霞「あら、司令官。意外と早かったわね」


光信「おう、霞。それで?どんな状態だ?」


霞「とりあえず今は深海棲艦達に相手してもらってるわ。艦隊は艦娘側が旗艦大和、随伴艦として古鷹、加賀、瑞鶴、暁、睦月よ」


光信「とりあえず大本営派遣組を編成に組んだのか」


霞「そういうこと。そして深海側が旗艦わるさめ。随伴艦に戦艦レ級、駆逐イ級が2隻、空母ヲ級1隻、軽巡リ級1隻よ」


光信「戦艦棲姫はどうした」


霞「あそこよ」ユビサシ


光信「ん?」


戦艦棲姫「・・・」メモメモ


霞「自分たち深海が大本営の艦娘にどこまで対抗できるか気になったらしいわ」


光信「なるほどな。この演習が終われば全員集めてくれ」


霞「わかったわ」


〜数分後〜


光信「ふむ・・・大本営がA勝利・・・か・・・」


霞「司令官、全員揃ったわよ」


光信「ん、そうか」


大和「提督、全員集めてどうしたんですか?」


光信「いや、見てて思ったんだが派遣されたお前ら対空苦手だろ?」


大本営組「」ギクッ


光信「やはりか・・・」


わるさめ「あの・・・提督さん・・・」


光信「ん?どうした?」


わるさめ「1度提督さん、鳳翔さん、そしてこちらのヲ級で対空の訓練してみるのはいかがでしょうか・・・」


光信「なるほどな・・・それはそれで面白いかもな」


わるさめ「それに提督さんの深海の力の解放する訓練もできるかなと・・・」


艦娘「」ガタガタ


光信「やるか。ヲ級、鳳翔、準備を頼む」


鳳翔・ヲ級「了解」


光信「訓練対象艦は大本営の6隻、佐世保から時雨、不知火、青葉、川内、霞、満潮だ」


霞「2回に分けるのね?」


光信「いや?まとめてだが?」


満潮「は?12隻一気に相手するつもりなの!?」


光信「鳳翔、ヲ級。異論はあるか?」


鳳翔・ヲ級「ありません」


光信「だそうだ」


満潮「・・・まあいいわ。やるからには全力なんでしょうね」


光信「模擬弾だから沈むことはねぇが・・・こちらとしては殺すつもりで行くからな」


満潮「わかったわ。その方が訓練と言えど実戦に近いしね」


光信「お前らもいいな?」


大本営組「」チーン


佐世保組「」チーン


光信「・・・満潮、前途多難そうだぞ」


満潮「そうみたいね・・・はぁ・・・」アタマカカエ


光信「さ、配置に付け!」


艦娘「了解!」


ゾロゾロ


鳳翔「提督」


光信「ん?」


鳳翔「艦載機使われますか?」


光信「いや、今回はいい。ヲ級から借りる」


鳳翔「分かりました。久々に全力を出せそうです」


ヲ級「提督さん、これ・・・」


光信「ん、サンキュ。飛ばし方とかあるか?」


ヲ級「特には・・・」


光信「わかった」


龍飛「提督、私も準備整いました」


光信「鳳翔・・・いや、龍飛(たっぴ)か」


龍飛「えぇ。ただ鳳翔の時の言葉遣いはできないがな」


光信「楽しみだ。さて、俺達も準備を済ませよう」


ヲ級「はい」


龍飛「あぁ」


〜艦娘側〜


加賀「鳳翔・・・さん・・・?」


瑞鶴「いつもと雰囲気が違うような・・・」


青葉「鳳翔さん・・・本気になっちゃってますね・・・」


川内「あの状態の鳳翔さん強いからなぁ・・・演習したことあったけど死にかけたし」


霞「龍飛・・・」


大和「たっ・・・ぴ・・・?」


古鷹「それが今の状態の鳳翔さんの名前・・・なんですか?」


不知火「軍艦時代は龍飛の名で起工予定だったみたいですが」


時雨「1919年10月に鳳翔の名で起工・進水することになったんだよ」


満潮「ただ、改名前の鳳翔さんを知るのはひと握りしかいないわよ」


暁・睦月「」チーン


光信『こっちは準備できたがお前たちはどうだ?』


霞「鳳翔さんの変わりように暁と睦月が気絶したわ」


光信『叩き起こせ』


霞「・・・了解よ」


〜数分後 提督サイド〜


光信「大丈夫かあいつら・・・」


龍飛「戦場に出て真っ先死ぬやつだなあれ」


ヲ級「そろそろ始めたい・・・」ウズウズ


光信「落ち着けヲ級」


ヲ級「・・・はい」


霞『司令官待たせたわね。暁と睦月復活したわよ』


光信「わかった。判定は長門、陸奥にしてもらうからそのつもりでな」


霞『了解よ』


光信「長門!陸奥!いつでもいいぞ!」


長門「わかった。では始め!」



〜空母組〜


光信「さて、試してみるか・・・ヲ級、艦載機貸してくれ」


ヲ級「どうぞ」スッ


光信「龍飛、やれるな?」


龍飛「当然だ。お前ら行ってこい」バシュ


光信「お前たちモ頑張ってコイ」ブン←投げた


ヲ級「やることはいつも通り・・・」ガコンガコン


龍飛「にしてもそのオーラ、空母棲姫並じゃないか?」


ヲ級「少なくとも私たちのflagship級やelite級をはるかに超えてますね」


光信「ソンナモンカ?マァ自我ヲ失ワナイコトガ今回ノ目的ダケドナ」


〜艦娘side〜


加賀「・・・瑞鶴やるわよ」


瑞鶴「えぇ、最低でも拮抗はとるわよ」


瑞鶴・加賀「艦載機発艦!」バシュ バシュ


霞「私たちは艦載機撃ち落とすわよ!」


駆逐艦「了解!」ダダダダダダダ


ーー制空劣勢ーー


瑞鶴「そんな・・・どうして・・・」


加賀「瑞鶴!切り替えて!」


大和「砲撃は任せてください!全砲門 てーっ!」ドォン


古鷹「青葉!私達もやるよ!」ドォン


青葉「砲撃も雷撃も青葉におまかせ!」ドォン


川内「夜戦だけじゃないってこと見せてあげるよ!」ドォン


時雨「今のうちに魚雷発射しておけば・・・」


霞「勝機はあるかもね」


不知火「不知火、時雨、霞の3人で先に魚雷発射しましょう。残りは雷撃戦に撃ってもらいましょう」


霞「聞こえたわね!お願いよ!」


暁・睦月・満潮「了解!」



〜空母組〜


光信「制空優勢。まぁ確保されてないだけマシか」


龍飛「だがまだまだだな・・・最低でも拮抗まで持ってきてもらわないとな」


ヲ級「佐世保提督、砲撃が来ました。そして魚雷もこちらに向かってます」


光信「各自回避行動を取れ。攻撃機の発艦も忘れずにな」


龍飛・ヲ級「了解」


光信「・・・狙いが甘いな・・・そんなんだから負けるんだ」


龍飛「第2次攻撃隊行ってこい!」バシュ


ヲ級「全員沈めておいで」ガコン


光信「龍飛!俺は砲撃に移る。空は任せたぞ」


龍飛「任せな!」


光信「46cm三連装砲・・・狙いは大和だ・・・てーっ!」ドォン



〜艦娘side〜


大和「え?きゃああ!」大破


古鷹「大和さん!?」


加賀「ちっ・・・とりあえず提督をやらないとまずいわね」バシュ


暁「大和さんは後ろに隠れてて!」



〜演習終了〜

艦娘側 D敗北

空母組 A勝利


光信「ボロボロだなお前ら・・・それとMVPは加賀と満潮か」無傷


加賀「やりました」中破


満潮「ほんと手加減なかったわね・・・」大破


大和「提督私の事嫌いなんですか・・・?」大破(轟沈)


瑞鶴「真っ先に大和さん狙われてたわね・・・」大破


暁「守りきれなかったわ・・・」大破


睦月「にゃしぃ・・・」大破(轟沈)


古鷹「提督、総評お願いします・・・」小破


光信「その前に全員入渠してこい。総評は執務室で行う」


艦娘「了解」


光信「ヲ級、艦載機ありがとな」スッ


ヲ級「こちらこそ・・・それにしてもあのオーラ・・・」


光信「elite級やflagship級をはるかに超えると言ってたか?」


戦艦棲姫「正直あの圧には私も気圧されたが」


光信「そうなんか?」


鳳翔「えぇ・・・隣にいた私でも正直驚きました」


光信「自覚ないんだが・・・記憶はあるのに」


わるさめ「」


深海「」


光信「戦艦棲姫、こいつら気絶してんのか?」


戦艦棲姫「まぁ・・・佐世保提督の威圧に耐えられなかったみたいだな・・・」


光信「ヲ級、鳳翔、スマンがこいつらを運ぶの手伝ってくれ」


鳳翔・ヲ級「了解」


〜1500 執務室〜


光信「・・・」


大本営組「・・・」


佐世保組「・・・」


光信「総評だったな・・・まずは制空確保されずに済んだことはお前たちの実力だろうが拮抗に持って行けるように日々の訓練は怠るな」


艦娘「!!」


光信「ただ、加賀と瑞鶴は明日から弓道場に向かうこと」


瑞鶴「それは日々の鍛錬ということ?」


光信「そういうことだ。お前たちの指導に鳳翔がつく。手加減はしないと意気込んでいたからな」


加賀「・・・」ガタガタ


大和「提督・・・ひとついいですか」


光信「言ってみろ」


大和「私のことお嫌いですか?」


光信「はて・・・なぜそう思う」


大和「いつも演習で私を狙ってきますしすぐ大破しますし・・・」


光信「普通に考えて戦艦は警戒するだろ・・・あの火力を受けようものなら俺たちはひとたまりもない」


大和「つまり、この大和の火力が脅威となるために先に攻撃したということですね」


光信「そういうことだ。それを周りが庇うように動くからこそなかなかお前には当たりにくいと言うだけだが」


大和「分かりました・・・」


光信「別に大和が嫌いだからなんて私情はないからな?勘違いすんなよ?」


光信「暁は大和を庇う動きを見せたのはいいことだ。ただ、沈むようなことはしないでくれよ?」


暁「わかったわ。まぁ司令官や大和さんたちを置いて沈むつもりはないけど」


光信「そうか。大本営組はこの後は休暇とする。ヲ級、加賀、瑞鶴は艦載機を飛ばし哨戒を行うこと」


大本営組・ヲ級「了解!」


光信「後は佐世保組だけだな・・・大本営組は退室してくれて構わん」


ゾロゾロ ガチャ パタン


光信「さて、お前たち」


佐世保組「」ビシッ


光信「感覚は取り戻せたか?」


佐世保組「・・・へ?」


光信「・・・?変なこと言ったか?」


霞「言ってはいないけど・・・」


光信「この演習、お前たちの感覚を取り戻すためでもあったんだが・・・」


時雨「僕はもう少しかな・・・」


不知火「不知火ももう少しです」


青葉「青葉は普段から動いてましたのでだいぶ戻りました」


川内「私はいつでも大丈夫だよ」


霞「そうね・・・私はまだ不安かしら」


満潮「私も・・・まだ不安が残るわ」


光信「そうか・・・だが今回の演習でそこまで悪い動きはなかったぞ?これなら少し予定を早めて出撃させてもありだな」


コンコン


光信「ん?誰だ」


『曙よ。提督今いいかしら』


光信「スマンが私室で待っててくれ。後で呼びに行く」


『わかったわ』


光信「話がそれたな。明日お前たち6人で感覚を取り戻すため1-1に出撃する。編成はその際伝える」


佐世保組「了解!」


光信「解散」


ゾロゾロ


光信「・・・曙呼びに行くか」


〜提督私室〜


光信「曙いるか?」ガチャ


曙「提督、待ってたわ」


光信「それでどうした?」


曙「・・・」


光信「曙?」


曙「・・・」ギュッ


光信「・・・何かあったのか」


曙「・・・」フルフル


光信「・・・」ナデナデ


曙「寂しかった・・・執務室は誰もいないし・・・」


光信「ごめんな?演習行ってたから」


曙「このままいさせて・・・」


光信「わかった」


〜30分後〜


光信「・・・」


曙「zzz」


光信「安心した顔して寝ちまったか・・・」ナデナデ


曙「ん・・・」


光信「?」


曙「ふあぁ・・・あっ!」


光信「起きたか」


曙「う、うん・・・」


光信「そろそろ夕餉の時間だ。一緒に行くか?」


曙「うん」コク


光信「それじゃ顔洗ってきな」


曙「はーい」トテトテ


〜1600 食堂〜


光信「間宮」


間宮「はーい、ってあら?提督と曙ちゃんじゃないですか」


光信「鳳翔は来てるか?」


間宮「いえ・・・お昼演習があるからと出ていかれたまま・・・」


光信「曙、少し手伝うか?」


曙「私も同じこと考えてたわ」


光信「と、いうことだ。微力だが手伝わせてもらおう」


間宮「い、いえそういう訳には・・・」


光信「1時間もしないうちに夕餉だ。それに間に合うか?」


間宮「う・・・」


曙「間宮さんも知ってるでしょ。提督の料理の手際の良さと味」


間宮「えぇ・・・まぁ・・・」


曙「間宮さんもまだ本調子じゃないんだから言葉に甘えたら?」


間宮「分かりました・・・ではお願いします」


光信「おう」


曙「間宮さん遠慮なく指示出してね」


間宮「はい!」


〜15分後〜


鳳翔「ごめんなさい間宮s・・・あら?」


間宮「あら鳳翔さん」グテー


鳳翔「え、えっと・・・何が・・・」


間宮「いや、提督と曙ちゃんが手伝ってくれるんですが・・・あまりにも提督の手際が良すぎて・・・」


光信「間宮、終わったぞ?」


間宮「ありがとうございます・・・ではここからは私が・・・」


曙「本当に大丈夫?途中ぼーっとしてたけど・・・」


間宮「大丈夫です・・・ただ提督の手際の良さに驚いてしまっただけで・・・」


光信「そうか?ん?鳳翔、もう大丈夫なのか?」


鳳翔「え、えぇ・・・久しぶりの演習で疲れただけですから・・・」


光信「とりあえず今は間宮と一緒に休め」


間宮・鳳翔「・・・え?」


光信「無理させて怪我でもされたら困る。今は休むことだ。間宮は次何をすればいいか教えてくれ」


間宮「は、はい・・・次は・・・」


光信「鳳翔」


鳳翔「・・・はい」


光信「演習ご苦労だった。休むことも仕事のひとつだ」


鳳翔「・・・ではお言葉に甘えさせていただきますね」


光信「あぁ」


曙「提督ー、次やるわよー」


光信「おう、今行く」


間宮「頼りになりますね提督」


鳳翔「えぇ、本当にそうですね」


〜1700〜


吹雪「私あそこまで馬鹿だったっけ・・・」


叢雲「私もよ・・・あそこまでできないなんて・・・」


漣「ボノたん鬼だったし・・・」


五月雨「2ヶ月後・・・大丈夫かなぁ・・・」


電「この生活が2ヶ月も続くのです・・・」


光信「おう初期艦共。えらくやつれてんな」


吹雪「し、司令官!」ビシッ


4人「!!」ビシッ


光信「そんなに厳しかったか?」


電「古鷹さん、加賀さんとは比べ物にならないくらい厳しかったのです・・・」


光信「ま、今は厳しくともお前たちのためだ。お前たちの頑張り次第で訓練が早く始められるかもな」


叢雲「その言葉本当なんでしょうね」


光信「お前たち次第だ。頑張れよ」


初期艦's「はい!」ビシッ


電「ところで司令官さん、どうして厨房から出てきたのです?」


光信「あぁ、間宮はまだ本調子じゃないということと鳳翔は演習で疲れてたから今回は休ませてる」


電「ということは司令官さんの料理なのですか?」


光信「あぁ、俺と曙のな」


電「・・・変なもの入ってないですよね」


吹雪「電ちゃん、そこは大丈夫だよ。司令官の料理とても美味しかったから」


漣「え!?そうなの!?」


吹雪「曙ちゃん達に聞いたらわかると思うよ?」


曙「提督ー、配膳の準備やっちゃっていい?」


光信「おういいぞー」


漣「あ、ボノたん!」


曙「ボノたん言うな!」ゴチン


漣「痛い!」


曙「それでなんなのよ」


漣「ボノたんってご主人様の料理食べたことあるってホント?」


曙「えぇ、あるわよ?お粥だったけど・・・」


五月雨「え?お粥だったんですか?」


曙「久しぶりに食べるから胃に負担はかけられないって言って作ってくれたわよ」


叢雲「味はどうだったのよ」


曙「とても美味しかったわよ?」


プラズマ「言わされたとかではなく?」


光信「おいプラズマ。お前飯抜きにすんぞ」


電「ご、ごめんなさいー!」ピュー


光信「はぁ・・・お前ら早く座れ。配膳の準備進まんだろ」


4人「はーい」


〜数分後〜


光信「全員揃ったな。それじゃあ」


全員「いただきます!」


ン?イツモトアジガチガウ?

ソレテイトクトワタシデツクッタノヨ

ワタシノヨリモオイシイ・・・


光信「」モグモグ


時雨「提督」


光信「ん?」


時雨「提督って料理出来たんだね・・・」


光信「不満か?」


時雨「そういう訳じゃないんだ。ただ大和さんや鳳翔さん、間宮さんの反応見てね・・・」


光信「あぁ、そういうことか。いや提督業に着く前は自炊してたからその影響だろうな」


時雨「そうだったんだ・・・それならこの美味しさも納得だよ」


光信「お気に召したか?」


時雨「うん。ありがとう提督」


光信「あぁ」


〜1800 艦娘寮 深海棲艦の部屋〜


コンコン


戦艦棲姫「ここに来るやつがいるとは・・・」


わるさめ「私出てきます」


戦艦棲姫「すまない」


わるさめ「どちら様・・・って提督さん!?」ガチャ


光信「すまんなお前ら」


戦艦棲姫「どうしたんだ?ここに来るのは珍しいじゃないか」


光信「いや、お前らと話したいことがあってな」


戦艦棲姫「話したいこと?」


光信「今日の演習のことでな」


戦艦棲姫「なるほどな・・・立ち話もなんだ。入ったらどうだ?」


光信「お言葉に甘えるとしよう」


わるさめ「それで演習のことでなにか・・・」


光信「戦艦棲姫、お前演習のときメモしてたよな」


戦艦棲姫「あぁ、これのことか?」ピラ


光信「そうだ。何か気づいたことはあるか?」


戦艦棲姫「そうだな・・・我々もそうだが大本営組の艦娘も対空戦にかなり弱いな」


光信「・・・やはりか」


戦艦棲姫「ヲ級と鳳翔、提督の対空訓練、12隻で劣勢はさすがにどうかと思うが」


光信「まぁあれに関しては鳳翔が本気出したってのもあるが」


ヲ級「私じゃ力及ばずでした・・・」


光信「いや、そういう訳じゃない。ヲ級もなかなかいい動きしてたぞ」


ヲ級「ありがとうございます」


戦艦棲姫「少なくとも今の状態では深海本部は叩けないな」


光信「そうなれば訓練積むだけだがな・・・」


戦艦棲姫「その時は我々も協力する。明日出撃すると言ってたが」


光信「あぁ。生き残り組は感覚を取り戻すため。大本営組は別の海域に出撃してもらうつもりだ」


戦艦棲姫「なるほどな・・・我々の基地の好戦的な奴らは沈めてもらって構わんが、それ以外は・・・」


光信「大破で基地に返そう」


戦艦棲姫「ありがとう」


光信「それと戦艦棲姫とヲ級を除く深海たち、演習場で気絶してたな?運ぶの大変だったんだぞ?」


深海「申し訳ありません!」


光信「今のままだと本部叩くために出撃はさせられんなぁ」


わるさめ「空母棲姫でもそこまで威圧することはないですし・・・」


ル級「正直好戦的な性格じゃなくて良かったと思ってます・・・」


光信「まぁ何はともあれ戦艦棲姫を筆頭に訓練を続けてくれ。深海本部を叩く時までにな」


深海「了解!」


光信「邪魔したな」


戦艦棲姫「いや、大丈夫だ。駆逐棲姫、見送りを」


わるさめ「はい」


光信「それじゃあな」


わるさめ「提督、こちらです」


光信「おう」


ガチャ パタン


戦艦棲姫「お前なら艦娘に戻れるだろうな・・・駆逐棲姫・・・いや、『春雨』」


〜2000 執務室〜


光信「・・・」カリカリ


コンコン


光信「・・・」カリカリ


『提督いないの?』


光信「・・・」カリカリ


『いないの?』ガチャ


光信「・・・」カリカリ


曙「・・・いるなら返事してよ」袖キュッ


光信「・・・?曙?」


曙「・・・提督、返事くらいしてよ・・・」


光信「すまん、気づかなかった。どうかしたのか?」


曙「用があるのは私じゃないの」


光信「ん?」


戦艦棲姫「私だ」


光信「どうしたんだ?」


戦艦棲姫「駆逐棲姫の事だ」


光信「・・・長くなるか?」


戦艦棲姫「・・・多少は」


光信「曙、掛札を変えてくれないか。それとお前も一緒に聞いていけ」


曙「わかった」


掛札 『入室禁止』


光信「・・・まぁ立ってるのもあれだな。腰掛けるといい」


戦艦棲姫「失礼する」ポスッ


曙「・・・ます」チョコン


光信「・・・俺の膝に座る必要あったか?曙」


曙「ここが落ち着くの」


光信「・・・まあいいや。それで駆逐棲姫のことだったな?」


戦艦棲姫「あぁ。あの子から聞いたんだろう。深海棲艦は艦娘の生まれ変わりだと」


光信「まぁな。元艦娘であったかのような発言は少し見受けられたが」


戦艦棲姫「・・・提督の言う通り、あの子は元艦娘だ。ただ佐世保所属ではなかったみたいだが」


光信「・・・」


曙「・・・」


戦艦棲姫「折り入ってお願いがある」


光信「お願い?」


戦艦棲姫「駆逐棲姫を艦娘に戻してほしいのだ」


曙「本気!?」


戦艦棲姫「あぁ。本人にその意思は確認はしていないが」


曙「仮に艦娘に戻っても今までの記憶は無いかもしれないしあんた達の戦力が減るのよ!?」


戦艦棲姫「わかってる!」


曙「!」ビクッ


戦艦棲姫「ただ、ここに来て思ったんだ。あの子は何かしら懐かしむことが増えた」


光信「・・・」


戦艦棲姫「あの子がもし望むなら戻してくれないか・・・頼む」ドゲザ


光信「・・・曙、わるさめ呼んできてくれ」


曙「・・・わかったわ」


ガチャ パタン


光信「戦艦棲姫、頭を上げろ」


戦艦棲姫「・・・」


光信「しかしなんでまた」


戦艦棲姫「あいつの寝言をたまたま聞いてしまってな・・・」


光信「寝言?」


戦艦棲姫「あぁ『艦娘に戻りたい』と」


光信「なるほど、それで願いが叶うならと俺に打診か」


戦艦棲姫「・・・」


光信「・・・なぁひとつ聞いていいか」


戦艦棲姫「なんだ?」


光信「お前も元艦娘だろ?」


戦艦棲姫「あぁ・・・」


光信「お前は戻りたくないのか?」


戦艦棲姫「戻れるのなら戻りたいが・・・深海棲艦に生まれ変わってもう長い・・・」


光信「・・・元の名はなんだ」


戦艦棲姫「口調は変わってしまってるが元は『戦艦 扶桑』だ」


コンコン


『曙よ。わるさめ連れてきたわ』


光信「入れ」


ガチャ


わるさめ「失礼します・・・」


光信「すまんな呼び出して」


わるさめ「い、いえ大丈夫です」


光信「単刀直入に聞くがわるさめ、お前艦娘に戻りたいか?」


わるさめ「!!」


光信「・・・」


わるさめ「・・・正直に言っていいんですか?」


光信「あぁ」


わるさめ「本当は戻りたいです・・・戦艦棲姫と共に」


光信「わかった。明日大本営の明石とこっちの明石、元帥と話をしてみよう」


わるさめ「ありがとうございます!」


光信「2人とも部屋に戻るといい。元帥と話をしてくる」


戦艦棲姫「わかった。それとありがとう」


光信「あぁ」


戦艦棲姫「失礼する」


わるさめ「失礼しました」


ガチャ パタン


光信「曙」


曙「どうしたの?」


光信「続けてですまんが明石を呼んできてくれないか」


曙「わかったわ。それくらい気にしなくてもいいのに」


光信「すまんな」


曙「いいわよ。ちょっと待っててちょうだい」


光信「あぁ」


〜明石の部屋〜


明石「〜♪」


コンコン


明石「ん?はーい。あら?曙ちゃんじゃないどうしたの?」ガチャ


曙「提督が用があるから来て欲しいそうよ」


明石「提督が?」


曙「」コク


明石「りょーかい。すぐ行くって伝えて貰えるかしら?」


曙「わかったわ」


〜5分後 執務室〜


ガチャ


曙「提督」


光信「ん?」


曙「すぐ来るから待っててって伝言よ」


光信「わかった」


曙「・・・」トテトテ


光信「ん?」


曙「」ギュッ


光信「ふっ」ナデナデ


コンコン


『明石です』


光信「入れ」


明石「失礼します。あら?」ガチャ


曙「〜♪」ギュー


光信「そこに腰かけといてくれ」


明石「はーい」ボスッ


光信「すまんな急に呼び出して」ボスッ


曙「♪♪」ヒザノウエ


明石「いえいえ。それにしても曙ちゃん懐いてますね〜」


光信「懐くって言い方はやめろ。動物じゃあるまいし」


明石「ごめんなさい♪それで提督、用があるって聞いてきたんですが」


光信「あぁ、実はな、わるさめと戦艦棲姫のことなんだが・・・」


〜説明中〜


明石「なるほど・・・出来ないことはありませんが・・・」


光信「確率的に・・・か」


曙「zzz」←膝の上


明石「はい・・・」


光信「大本営と協力してもか?」


明石「向こうの私と夕張が手を組めば少しは確率が上がります・・・あとはこちらの妖精さんと向こうの妖精さんがどう出るか・・・」


妖精「私は一向に構わないよ」ピョコ


明石「ひゃああっ!」


光信「工廠妖精じゃないか。構わんと言ったが本当にいいのか?」


妖精「もちろん。ここにいる深海棲艦は遊んでくれるし優しいし」


光信「・・・そうか」


妖精「手が必要なら全然貸すさ。ほかの妖精たちもね」


光信「明日元帥に連絡してみる」


明石「分かりました。また教えてください」


光信「あぁ、すまんな呼び出して」


明石「このくらいなんてことありませんよ〜♪」


光信「もう消灯時刻だそろそろ寝ないとな」


明石「失礼しました」


妖精「それじゃあまたね提督さん」


光信「おう」


ガチャ パタン


光信「・・・」


曙「zzz」


光信「・・・動けねぇ」ナデナデ


曙「ふふっ♪」


光信「とりあえず俺の部屋行こ・・・」スクッ


曙「zzz」オヒメサマダッコ


〜提督私室〜


光信「よっと・・・」


曙「zzz」ギュー


光信「・・・このまま寝るか・・・おやすみ曙」ナデナデ


曙「〜♪zzz」




〜11章 佐世保鎮守府本格始動〜




〜0600〜



光信「・・・苦しい」


曙「zzz」


光信「曙はまだ分かるんだがなぜこいつらがいる・・・」


加賀「zzz」


瑞鶴「zzz」


古鷹「zzz」


大和「zzz」ホテルジャアリマセン


暁「zzz」レディ


睦月「zzz」ニャシィ


光信「・・・‪」ブチッ


曙「・・・おはよ・・・ていと・・・く!?」


光信「おう、少し耳塞いで離れておいてくれんか」ゴゴゴゴゴ


曙「え、えぇ・・・」ススス ミミフサギ


光信「起きんかこのバカ共がァ!」ドカーーン!!


大本営「!?!?」


曙「〜っ」ミミキーン


光信「はぁ・・・はぁ・・・」


大本営「おはようございます!提督(司令官)!!」


光信「おはようじゃねえわ!何布団に入ってんだお前らはァ!」


曙「(絶対怒らせないようにしなきゃ)」ガタガタ


〜5分後 執務室〜


光信「・・・」イライラ


大本営組「・・・」セイザ


光信「で?」


大本営組「」ビクッ


光信「何してんだお前ら」


曙「(怖い・・・)」ギュッ


光信「曙後で呼びに来るから私室で待ってなさい」ナデナデ


曙「わかったわ」チュ


光信「・・・油断も隙もねぇな」


曙「えへへ」トテトテ ガチャ パタン


光信「・・・」ギロ


暁「あの、司令官・・・」


光信「・・・」


暁「ごめんなさい・・・暁が言い出したことなの・・・」


睦月「睦月もです・・・」


光信「で?重巡以上のお前らは何してんだ?」


古鷹「えっと・・・長門さんと陸奥さんに『人肌恋しければ提督と一緒に寝るといい』って言われて」


光信「説教対象が増えたな・・・」


マイクON


光信『長門!陸奥!今すぐ執務室に出頭しやがれ!』キーン


マイクOFF


光信「あのなぁ、贔屓してるわけじゃねーが曙たちは襲撃時のトラウマ抱えてんだ。あいつらは特例として黙認してる。憲兵長も何も言わん」


大本営組「・・・」


コンコン


光信「入れ」


ガチャ


長門「戦艦長門。呼び出しに応じ参りました」


陸奥「同じく陸奥よ」


光信「おう、そこに正座しろ」


長門・陸奥「・・・」セイザ


光信「お前らに聞きたい。こいつらに俺と寝るといいと言ったのか?」


長門「・・・言った」


陸奥「・・・」コク


光信「何してんのお前ら。襲撃された時の生き残りである川内や鳳翔ですらここには来てないぞ」


長門「し、しかし憲兵長は連れて行かないと言っていたはずだ」


光信「それとこれとは話が別だって言ってんだ!」


陸奥「子供の頃一緒に・・・」


光信「それは子供の時の記憶だろ!?今関係ある!?」


長門・陸奥「・・・」


光信「・・・頭痛い・・・」


8人「ごめんなさい・・・」


光信「予定変更。大本営組は4-4周回して翔鶴探してこい。幸いここの元提督は5-2まで解放してるらしいからな」


大本営組「了解しました・・・」ズーン


光信「長門、陸奥は龍飛にお願いして対空訓練」


長門・陸奥「・・・了解」


光信「解散」


8人「失礼しました」 ガチャ パタン


光信「元帥に電話するか・・・」


〜大本営 元帥の部屋〜


prrrrrr ピッ


元帥「おはよう佐世保提督。朝早くにどうした」


光信『おはようございます元帥。相談というか依頼ありまして』


元帥「ふむ」


光信『任務受注を一日前倒しして本日より行います』


元帥「艦娘の状態は良くなったということか?」


光信『いえ、大本営派遣組がバカやらかしたので罰として出撃させます』


元帥「・・・一応聞こうか」


光信『佐世保生き残り組、特に駆逐艦はトラウマにより同室で寝ていることに関して黙認していましたが・・・』


元帥「・・・」


光信『大本営派遣組。暁と睦月だけなら分かりますが瑞鶴、加賀、大和、古鷹も寝ていまして・・・』


元帥「特に問題はないようだが」


光信『曙と私入れて私室に8人で寝ると狭いの分かるでしょうに・・・元帥の部屋もたいして広くないだろ・・・』


元帥「睡眠妨害を受けたと・・・確かに俺の部屋は寝るだけにしてるから4.5畳だが・・・」


光信『お陰様で疲れが取れてませんよ・・・』


元帥「・・・わかった。任務受注の件は了解した。それとこちらから送った書類の通りこちらから派遣した艦娘6人に関しては正式に佐世保所属とする。新たに書面を送る」


光信『本気だったのかよ・・・まあいい、次が重要な話ですよ』


元帥「?」


光信『急で申し訳ないんですがそちらの明石と夕張を入れて話がしたいんです』


元帥「何か開発で不安なことがあるのか?」


光信『いえ、こちらの駆逐棲姫と戦艦棲姫です』


元帥「・・・艦娘に戻すつもりというわけだな」


光信『御明答。ただこちらの明石だけでは戻る確率が低いと言うことで。そちらの明石、夕張の協力を得たいと』


元帥「わかった。至急明石と夕張、建造に関わる妖精を数人送ろう」


光信『いいのですか?今決めて』


元帥「お前の言うことだ。予想はしていたさ。既に本人たちには話を通してある」


光信『・・・ありがとうございます』


元帥「話は以上かな?」


光信『1つ確認をお願いしたいんです』


元帥「なんだ」


光信『戦艦扶桑、駆逐艦春雨の轟沈記録を教えて欲しいのです』


元帥「明石と夕張に持たせる。それでいいか」


光信『えぇ。お願いします』


コンコン


元帥「すまんちょっと待ってくれんか」


光信『はい』


元帥「誰だ」


大淀(本)『大淀です。以前依頼されていた深海棲艦の本部の場所が特定できました』ドア越し


元帥「本当か?」


大淀(本)『はい。詳しい話は執務室で宜しいでしょうか』


元帥「わかった」


光信『?』


元帥「すまんな。以前言ってあった深海棲艦の本部の場所が特定できたようだ」


光信『!!』


元帥「そっちに衣笠がいたはずだ。衣笠に詳細を聞いてくれんか」


光信『わかりました』


元帥「ではな」ピッ


〜佐世保鎮守府〜


光信「やっと見つかったか・・・っと曙〜」


曙「終わったの?」ガチャ パタン


光信「あぁ。長門陸奥は龍飛の対空訓練」


曙「鳳翔さんの対空訓練・・・」ガタガタ


光信「その反応から見ればかなり鍛えられたな」


曙「そうね・・・当時居た駆逐艦はほとんど泣いてたわ」


光信「そりゃあ・・・ご愁傷さまだな・・・」


曙「提督の対空訓練も怖かったらしいじゃない」


光信「ん?霞たちから聞いたのか?」


曙「まぁね。あまりの気迫に暁と睦月が気を失ったとか」


光信「それ言われるとなぁ・・・」


コンコン


光信「ん?誰だ?」


『青葉型重巡2番艦 衣笠です』


光信「入っていいぞ」


衣笠「失礼します」ガチャ


光信「元帥からの指示か」


衣笠「深海棲艦の本部の位置です。探すの大変でしたよ〜」


光信「ん、ご苦労さま。それと言っておくが、基本は敬語じゃなくていいぞ?」


衣笠「そうなの?」


光信「あぁ、公人が来ている時以外は普段通りで構わん」


衣笠「わかった。それで提督、深海本部の位置なんだけど・・・」


光信「深海提督の話だと小笠原諸島の沖合にあるとは聞いているが・・・」


衣笠「確かに小笠原諸島の近くじゃあるんだけど・・・」


光信「なにか問題でも起きたのか?」


衣笠「防衛のためか深海の本部を中心に半径50kmに数万に及ぶ深海棲艦を確認。一筋縄じゃいかないと思うよ?」


光信「数万・・・か・・・」


曙「提督、なにか手はあるの?」


光信「全国にある鎮守府と基地次第にはなるが・・・数万となると長期戦は間違いないな」


衣笠「とりあえず伝えることは伝えたから私は部屋に戻るよ〜」


光信「あぁ、すまんな」


ガチャ パタン


光信「曙、大本営組も含めて全員集めてくれ」


曙「場所は?」


光信「・・・食堂だ」


曙「・・・時間は」


光信「0900だ」


曙「了解よ」


〜0730 食堂〜


曙「鳳翔さんいる?」ヒョコ


鳳翔「はーいって曙ちゃんおはよう」


曙「あ、お、おはよう・・・」


鳳翔「あら?提督は・・・」


曙「もうすぐ来ると思うわよ」


鳳翔「分かりました。朝餉食べていきますか?」


曙「そうするわ」


〜10分後〜


ガヤガヤ


光信「遅くなったなぁ・・・」


鳳翔「提督、おはようございます」


光信「すまんな遅くなった」


鳳翔「いえ、大丈夫ですよ」


光信「そうか。さて、俺も朝餉にしようかな」


鳳翔「分かりました。準備してきますのであちらでお待ちください」曙のいる方を指さし


光信「ん、わかった」


コツコツコツコツ


光信「ふぅ・・・」


霞「やっと来たわね司令官」


曙「やっと来たって言っても霞も今来たばっかりじゃない」


霞「うぐ・・・」


光信「すまんな。ところで満潮は?」


霞「満潮なら時雨と一緒にいるわよ?西村艦隊で一緒だったから話したいことでもあったんじゃないかしら」


光信「そうか、満潮も西村艦隊だったな・・・」


霞「そんなことより早く座りなさいな」


光信「そうなんだが・・・お前らなぜ対面なんだ?」


曙「それは・・・」


霞「司令官がどっちに座るかかけてたのよ」


曙「ちょっと!」


光信「・・・理由聞こうか」


霞「司令官も気付いてると思うけど私たち何人かは司令官のこと好きなのは知ってるわよね」


光信「あぁ、時雨にも同じこと言われた」


霞「それで私と曙ならどっちに座るかって話になって」


光信「これまた選びにくい選択肢だこと・・・」


曙「こっちに座ってくれるよね・・・?」


霞「こっちでしょ?」


光信「どっちってのはないから2人一緒に座りなさい」


2人「はーい」プクー


光信「だから拗ねんなよ・・・誰か一人選べなんて俺には出来へん・・・」


鳳翔「提督、朝餉お持ちしました」


光信「わざわざ持ってこなても・・・でもありがとな」


鳳翔「いえそういう訳には・・・では、私はこれで」


光信「あぁ。よし、お前ら全員揃ったな」


艦娘・深海「はーい」


光信「それじゃあ、せーの」


全員「いただきまーす!」


〜食事シーンカット〜


光信「相変わらず鳳翔と間宮の飯は美味いな」


満潮「ほんとよね」


光信「ん?満潮?時雨のところはもういいのか?」


満潮「えぇ、大丈夫よ」


光信「そっか。二度とスリガオ海峡のような悲劇は生まないよう頑張るさ」


満潮「期待してるわね」


光信「あぁ。さて、俺は一度執務室に戻る。曙、あとは任せていいか?」


曙「えぇ、大丈夫よ」


光信「すまんが任せた」


コツコツコツコツ


曙「・・・ほんと人の心配ばかりしちゃって」


霞「曙もホント性格変わったわね」


曙「霞にだけは言われたくないわよ」


霞「なんですって!?」


満潮「ハイハイ怒らない」ゴチン


霞「いっ・・・」


満潮「そこだけは変わってないのよね・・・」


曙「現在時刻0815か・・・今全員いるかしら?」


艦娘・深海「・・・」


曙「提督からの指示よ。0900に再度この食堂に集まるように」


艦娘・深海「了解!」


〜ほぼ同時刻 執務室〜


光信「衣笠、青葉、場所は絞り込めそうか」


青葉「何度か試してるんですけどぉ・・・」


衣笠「妨害電波の影響かさっきの情報以外絞り込めそうにないね〜」


光信「やはり厳しいか・・・」


3人「うーん・・・」


コンコン


光信「ん?誰だ?」


『大本営より参りました軽巡夕張です』


光信「相変わらず早い到着だこと・・・入ってくれ」


夕張「失礼します」ガチャ


光信「相変わらず大本営組の到着早いねぇ・・・」


夕張「ご迷惑でした?」


光信「いや、むしろ好都合だ。それと廊下に大本営所属の明石がいるな?」


明石(本)「気配隠してたのになんでバレるんですか・・・」ガチャ


光信「気配ダダ漏れだっつの。青葉、すまんが明石呼んできてくれんか?」


青葉「分かりました〜」ピュー


光信「衣笠は一度休憩挟め。0900には全員集合だ」


衣笠「はーい」コツコツ ガチャ パタン


光信「遠路はるばるご苦労さま。佐世保鎮守府提督の光信だ」ケイレイ


夕張「改めまして、兵装実験軽巡夕張です」ケイレイ


明石(本)「大本営所属、明石です」ケイレイ


光信「さて、こっちの明石が来るまで椅子に腰掛けててくれ。お茶を出そう」


夕張「いえ、お気遣いなく」


光信「そういう訳にもいかん」コツコツ


コンコン


光信「青葉か?」


青葉『明石さん呼んできました〜』


光信「明石は入ってくれ。青葉は休息を取れ。0900に食堂だ」


青葉『了解ですっ!』


明石「提督、私を呼んだということはもう来られたと?」ガチャ


光信「あぁ、お前も腰掛けなさい」コポコポコポ...


明石「ではお言葉に甘えて」ポスッ


光信「では改めて大本営の明石及び夕張にお願いと言うより協力して欲しいことがある」コト


夕張「深海棲艦の2人を艦娘に戻す・・・でしたね」アリガトウゴザイマス


明石(本)「でも戻すことなら本来なら私1人でもできるんですが・・・」アリガトウゴザイマス


光信「一応ここも復旧してもらったが大本営ほど設備は良くない」ホラアカシモ


明石「まだ稼働したばかりですからねこの鎮守府は」アリガトウゴザイマス


夕張「・・・でもそれなら私いりませんよね」ア、コノオチャオイシイ


光信「艤装、深海棲艦のものをつける訳にもいかんだろ」


夕張「・・・つまり開発と」


光信「それもあるが、深海棲艦の艤装が使えるかどうかも見てほしいんだ」


夕張「可能ならば再利用、もしくは分解して組み替えると」


光信「無理なら無理でそのまま放置してくれ。深海提督に返す」


夕張「やれるだけやって見ますよ」


光信「よろしく頼む」


夕張「お任せ下さい!」


光信「さて、ここからは明石もだが夕張にも手伝って欲しい本題だが・・・」


明石(本)「忘れる前にこれお渡しします」スッ


光信「ん?」ウケトリ


明石(本)「元帥より預かりました轟沈艦のリストです。コピーですがね」


光信「!!」


明石(本)「読みます?」


光信「いや、あとからにしよう。この後全体で会議がある。その後に読むとしよう」


明石(本)「深海本部を叩く作戦ですか」


光信「その通りだが、まだこの鎮守府は艦娘も多くはいない。それに再稼働したばかりだ。この作戦に向けての方針を決める会議だ」


明石(本)「なるほど・・・」


光信「ところで大本営から来た妖精はどうした?」


明石「さっきすれ違いましたよ?工廠の方に向かってました」


光信「わかった。俺には出来ることがあまりない。明石(佐)を中心に何とかやってくれないか」


明石(本)・夕張「分かりました!」


光信「すまないな。明石、任せたぞ」


明石「了解しました!」


光信「そろそろ会議の時間だな・・・この話の続きは工廠でするか?」


明石「私の部屋でやります」


光信「わかった。会議への出席は免除する。その時間を使い方法を見出してくれ」


3人「了解!」



〜12章 作戦会議!〜



〜0900 食堂〜


光信「全員揃ってるか?」コツコツ


曙「点呼も終わってるわ。あら?明石は?」


光信「別件で席を外す」


曙「わかったわ」トテトテ


光信「今朝、衣笠より深海本部の大体の位置がわかったと連絡を受けた。それに関して衣笠から説明してもらう」


衣笠「では、佐世保提督に変わりまして・・・大本営所属衣笠が説明します」


全員「・・・」シーン


衣笠「深海棲艦の本部と思われる場所は小笠原諸島、姉島より西に100kmを中心とした半径50kmの範囲内に数万から十数万と思われる深海棲艦が防衛の為に展開してあると思われます」


電「数万というのは何かの間違いではないのですか?」


衣笠「電ちゃん、何度も確認したけど間違いないわ」


吹雪「司令官!この数を相手に戦うんですか!?」


光信「長期戦になるのは覚悟の上だ」


吹雪「そういうことじゃないんです!勝ち目あるんですか!?」


光信「俺がいつ勝ち負けの話をした」ジロ


吹雪「っ・・・」


プラズマ「数なんてどうでもいい。勝てばいいんだよ(´●ヮ●`)」


光信「プラズマ、黙ってろ」


電「はい・・・」


光信「衣笠、続けてくれ」


衣笠「分かりました。一応深海本部壊滅作戦(仮)に関して大本営、佐世保以外の鎮守府及び基地にも協力要請を行いましたが・・・」


加賀「その様子だとあまり上手くいってなさそうね」


衣笠「その通りです。この作戦に賛同・協力をして貰えたのは」


全員「・・・」ゴクリ


光信「・・・」


衣笠「舞鶴鎮守府、大湊警備府、横須賀鎮守府、呉鎮守府、岩川基地、柱島基地、トラック泊地、そしてこの作戦の発案である佐世保鎮守府、大本営、深海基地、計10ヶ所です」


光信「それだけあれば十分だ」


衣笠「え?」


光信「確かにここは艦娘在籍数が少ない。だが、今直ぐに決行という訳ではない」


衣笠「・・・???」


光信「衣笠が混乱したようだ。代わりに俺が話そう」


衣笠「すみません・・・」


光信「今さっき言った通り長期戦になるのは間違いない。だが準備期間が1年あればどうだ?」


戦艦棲姫「1年もあれば十分に準備はできそうだ・・・だが・・・」


光信「深海基地に関しては説得が大変だろう。そこはお前たちの提督の腕の見せ所だ」


戦艦棲姫「・・・そうだな」


光信「この作戦については今後元帥と協力を申し出てくれた各基地及び鎮守府の提督を入れて会議をするつもりだ」


瑞鶴「でも提督さん。仮に作戦決行したとして鎮守府の警備はどうするの?」


光信「もちろん何人か残すさ。それも含めて会議で話をしてくる」


古鷹「・・・あの」


光信「なんだ?」


古鷹「ちょっと思い出したんですけど・・・私たちはどこ所属になるんでしょうか・・・」


大本営組「!?」ガタガタッ


光信「このタイミングでそれ言っちゃうかぁ・・・」


古鷹「うぅ・・・すみません・・・」シュン


光信「どちらにせよ話すつもりだったからまあいいんだが・・・」


大本営組「・・・」


光信「瑞鶴、加賀、大和、古鷹、暁、睦月。以上6名大本営より佐世保派遣組、本日をもって佐世保鎮守府所属となる」


大本営組「!」ケイレイ


光信「なお、今大本営から来ている衣笠、明石(本)、夕張は大本営所属のままだ」


衣笠「私は転属願出してないからね〜どっかの戦艦さんと違って急に転属お願いなんて厚かましいことしないから」


陸奥「」グサッ


光信「それとわるさめ、戦艦棲姫はこの会議が終わったあと執務室に来ること。」


2人「了解(しました)」


光信「さて、話しを戻そう。この作戦については会議で話がまとまり次第全体に通達する」


全員「了解!!」


光信「憲兵長、朝潮もすまないがこの会議後執務室に来てくれないか」


2人「了解しました」


光信「吹雪はこの後残れ。では解散!」


ゾロゾロ


光信「・・・吹雪」


吹雪「・・・はい」


光信「俺がいつ勝ち負けの話をした。いずれやらねばならん相手なのはお前も知ってるだろ」


吹雪「ですが、あの数に全艦娘をぶつけても・・・」


光信「長期戦なのは避けられない。それに全員を一斉に出すわけじゃない。気が遠のくかもしれんが地道に数を減らせればどうだ?」


吹雪「・・・ごめんなさい」グス


光信「部屋に戻ってな。俺はまだやることがある」


吹雪「・・・失礼します」スタスタ


〜執務室〜


光信「すまんな遅くなった」


戦艦棲姫「いや、大丈夫だ」


わるさめ「それで提督さん、私たちを呼び出した理由教えて貰えますか?」


光信「ここに戦艦棲姫とわるさめ・・・もとい『戦艦扶桑』、『駆逐艦春雨』の轟沈艦リストのコピーがある」


戦艦棲姫「つまりそれを見れば我々が元いた鎮守府が分かると」


光信「そういうことだ。内容はこれから目を通すが・・・どっちから先に聞きたい」


戦艦棲姫「・・・」チラ


わるさめ「・・・」チラ


戦艦棲姫「・・・私から頼む」


光信「わかった。」


リスト『戦艦扶桑。轟沈日2017/5/27。呉鎮守府所属。提督〇〇』


光信「・・・呉鎮守府所属だったようだ。当時の提督は・・・処刑か」


戦艦棲姫「・・・」


光信「わるさめ。大丈夫か?」


わるさめ「だ、大丈夫です」


光信「ふむ・・・」


リスト『駆逐艦春雨。轟沈日2021/8/15。舞鶴鎮守府所属。提督△△』


光信「わるさめは舞鶴所属。当時の提督は・・・ん?艦娘による反乱・・・?」


戦艦棲姫「・・・」


わるさめ「・・・」


光信「部屋に戻るか?」


戦艦棲姫「いや、大丈夫だ・・・」


わるさめ「大丈夫です・・・」


光信「やはり艦娘の時の記憶か」


戦艦棲姫「あぁ。だが、何故当時の提督の死因まで分かるんだ?」


光信「簡単なことよ。ここに資料があるからな」スッ


戦艦棲姫「・・・」


光信「とりあえず今日はもう部屋に戻るといい。そしてじっくり考えてまた答えをきかせてくれ」


戦艦棲姫「わかった」


光信「わるさめもな」


わるさめ「分かりました・・・」


ガチャ パタン


光信「憲兵長、朝潮、待たせてすまなかった」


前提督「いえ、大丈夫です。それで要件を伺っても・・・?」


光信「単刀直入に聞こう。今回の作戦どう見る」


前提督「・・・難しいですね」


朝潮「・・・仮にこの作戦を行うとした場合、どこかに泊地や補給場所が必要になると思います」


光信「補給地、泊地の候補はある。姉島の近くに母島があるがそこは深海棲艦本部に近すぎる」


朝潮「・・・ということは北にある父島もしくは兄島・・・ということですか」


光信「そういうことだ。弟島は近くに国立公園があるためなし。父島なら港がある。今は島民も避難して本土にいるようだが」


朝潮「・・・確かに泊地、補給地にしては向いているようですが」


前提督「しかしそうなると勝手に上陸するのも何かと問題があるのでは・・・」


光信「元帥がどうやら父島の島民と話す機会があったらしい」


前提督「元帥・・・やることはやるのに普段があんなんだから違和感しか感じない・・・」


光信「そう言ってやるな。話を戻すが元帥からは『この戦争を終わらせてくれるのなら父島は使ってくれて構わん』らしいぞ」


前提督「一体誰が・・・」


光信「村長らしい」


朝潮「・・・」


前提督「・・・」


光信「そしてその村長がここに来るらしい。1500頃に」


2人「はい?」


光信「まぁ、そうなるな」


〜大本営 伊勢型の部屋〜


日向「クシュン・・・やはり私の噂を誰かがしているのか?」


伊勢「それは絶対にないから!」


〜佐世保鎮守府〜


光信「その時にはお前たちにも同席してもらう。いいか?」


2人「了解しました!!」ビシッ


光信「それともうひとつ。今回の作戦時、お前たちにはここの警備をお願いしたい」


前提督「我々だけではないんですよね・・・?」


光信「あぁ。1年あるからその頃には初期艦たちも練度は上がってるだろうし新しい艦娘も着任しているだろう。作戦前に全艦娘の実力を見た上で振分けるつもりだ」


朝潮「現役の艦娘がつくなら心強いです」


光信「お前たちだけに警備させても疲れるだけだからな。守備の要はお前たちになるだろうな。その時は憲兵長、君が指揮を執ってくれ。元提督なら造作もないだろう?」


前提督「ふふっ。そこまで言われたならやるしかないですね。いいでしょう。守りきってみせますよ」


光信「猶予は1年。朝潮も久しぶりに訓練してみるか?」


朝潮「艤装が扱えるなら・・・ですね・・・」


光信「大本営から明石、夕張が来ている。相談してみるといいだろうな」


朝潮「分かりました」


光信「憲兵長。反対はしないのか?」


前提督「反対しても朝潮は自分がやるべきだと思ったことは貫きますから言っても聞きませんよ」クス


朝潮「そんなことないです!」プンスカ


光信「夫婦喧嘩はよそでやってくれ全く・・・まあいい、明石達は工廠にいるだろうから向かってくれ。明石には話を通しておこう」


2人「了解しました」


光信「すぐに向かうか?」


朝潮「可能であれば」


光信「わかった。では向かってくれ」


2人「失礼しました」ガチャ パタン


光信「・・・」prrrrr


明石『提督どうかしました?』


光信「朝潮が可能なら訓練を受けたいらしい。今は艤装が扱えない為に艦娘を引退したみたいだが・・・」


明石『訓練に参加出来るように艤装の開発・調整ということですね』


光信「頼めるか」


明石『分かりました。ちょうど妖精さんもいますし話し合ってみます』


光信「頼む」


明石『了解ですっ』


光信「」ツーツーツーツー


コンコン


光信「ん?」


霞『霞よ』


光信「入って構わんぞ」


霞「司令官、今日はどうしたらいいのかしら」ガチャ


光信「そういえば指示出してなかったな・・・今から言うことを伝えてきてくれるか?」


霞「そのくらいお易い御用よ」


光信「大本営組は1300に執務室。間宮はいつも通り。曙、霞、満潮は初期艦たちの座学。青葉、川内、時雨、不知火は・・・今が0945だから・・・1030に執務室に来るよう伝えてくれ」


霞「わかったわ。深海たちはどうするの?」


光信「戦艦棲姫のみ1030に執務室。それ以外はoffだ。そもそも指揮権は俺にないからな」


霞「それもそうね。ところで初期艦たちの座学は厳しくいっていいのよね?」


光信「あぁ。1300から始めてくれ。2ヶ月後再度テストを行い65点以上取れるようにしておいてくれ」


霞「了解。それじゃあ伝えてくるわね」


光信「すまんな」


霞「このくらい大丈夫よ♪」


光信「そうか。なら任せた」


霞「はーい」


ガチャ パタン


光信「・・・大本営での会議の日程考えねば」


〜1030〜


コンコン


光信「入れ」


ガチャ


青葉「お呼びでしょうか司令官」


光信「あぁ、出撃の件でな」


川内「海域は?」


光信「まずはお前たちの感覚を取り戻すことを優先に鎮守府正面海域だ。それと深海の好戦的な奴らは沈めてこい。それ以外は大破で基地に送り返せ。戦艦棲姫を一緒に付ける」


不知火「戦艦棲姫側の深海を見分けるため・・・ということですか」


光信「そういうことだ」


時雨「だから戦艦棲姫も一緒に来たんだね」


戦艦棲姫「呼ばれたメンツを聞いて何となく察しは付いたが」


光信「すまんな」


戦艦棲姫「いや、構わん」


光信「お前たちは1300に出撃だ。感覚を取り戻してこい」


4人「了解!」


光信「出撃までは自由にしてくれ」


4人「失礼しました」ガチャ パタン


光信「・・・食堂に顔出すか」


〜1100 食堂〜


光信「鳳翔いるか?」


鳳翔「はーい、あら?提督?」


光信「鳳翔、すまないが1300から訓練に入ってくれ」


鳳翔「え、えぇそれはいいんですが・・・」


光信「間宮が心配か?」


鳳翔「・・・そう・・・ですね」


光信「代わりに俺が入る。それでいいか?」


鳳翔「・・・分かりました」


光信「1315に演習場に来てくれ」


鳳翔「了解しました」


光信「すまないな」


鳳翔「」ペコ


光信「ではまた後ほど」


〜艦娘寮 長門型の部屋〜


光信『長門、陸奥いるか』


長門「あぁ、いるぞ」


陸奥「入っていいわよー」


ガチャ


光信「よう問題児姉妹」


長門「その言い方なんなんだ・・・問題起こしたことないぞ」


光信「じゃあ甘えん坊姉妹」


陸奥「否定できないからやめてくれるかしら・・・」


光信「お前たち1315に演習場に来い」


長門「対空訓練・・・」


光信「今朝の罰として行うからな。死ぬ気で行かねえとお前ら沈むぞ?」


陸奥「・・・」


長門「怖いこと言わないでくれ・・・」


光信「逃げることは許さん。定刻に演習場に顔を出せ」


2人「・・・はい」


光信「じゃあな」


ガチャ パタン


長門「・・・陸奥」


陸奥「・・・何?」


長門「光信があそこまで怒ったことあったか・・・?」


陸奥「・・・ないと思う」


2人「・・・はぁ」


〜執務室〜


光信「・・・」カリカリ


霞「・・・」ブルブル


満潮「・・・」ブルブル


曙「・・・」グス ブルブル


光信「・・・こいつの手入れしなきゃな」スッ←日本刀取り出し


3人「!!」ガタガタ


光信「・・・」手入れ中


満潮「司令官かなり機嫌悪くない・・・?」


霞「近寄り難いわね・・・」


曙「・・・」


光信「・・・こんなもんか」パチン


3人「っ」ビクッ


光信「1145・・・食堂に行くか」スッ コツコツコツ


ガチャ パタン


霞「・・・曙、朝から何があったの」


曙「・・・提督はさ私たちが一緒に寝ても何も言わないじゃない?」


満潮「そうね。でもそれとなにか関係するの?」


曙「朝から大本営のメンバーが寝てたのよ・・・」


霞「あの私室に?」


曙「そう。あの部屋は広くはないじゃない?私たちや暁、睦月が一緒に寝ても狭くはならないんだけど・・・」


満潮「そこに古鷹、大和、加賀、瑞鶴も一緒に寝てたってこと?」


霞「それだけなら何も問題ないみたいだけど・・・」


曙「寝るスペースが狭かったら疲れ取れる?」


満潮「あぁ・・・」


曙「それに提督と一緒に寝るといいって言い出したのが長門型の2人らしいのよ・・・」


満潮「司令官の幼なじみ2人?」


曙「そうみたい。その話を聞いた大本営組が提督と一緒に寝る。そのおかげで寝るスペースが狭くなる」


霞「狭くなったことによって寝苦しくなり熟睡出来なかった・・・」


満潮「熟睡出来なかったことにより睡魔が襲ってイライラしているように見えてるってこと?」


曙「予想だけどね」


満潮「こうなったら意地でも司令官寝せるわよ」


霞「そうしたいんだけど、私たちは座学。大本営組と青葉たちは出撃、鳳翔さんと長門さん陸奥さんは訓練、間宮さんは食堂運営、明石たちは開発で忙しいだろうし・・・」


曙「大淀は大本営との通信もあるし深海組は軟禁状態だから無理だし・・・衣笠は大本営に戻らないといけないだろうし・・・」


3人「うーん・・・」


満潮「夕餉まで待ちましょ」


曙「それしかなさそうね・・・はぁ・・・」


霞「そろそろお昼ね・・・行きましょうか」


〜食堂〜


光信「・・・」コク...コク...


曙「眠そうね提督」


光信「ん、まぁな・・・」


曙「そんな状態で指揮取れるの?」


光信「どうだろうな・・・4-4に関しては加賀に一任させるが」


曙「しっかりしてよね・・・」


光信「・・・善処しよう」


曙「まったく・・・」


満潮「大本営組と長門型の2人来たからちょっと説教垂れてくるわ」


霞「私も行ってくる」


曙「わかったわ」


〜数分後〜


大本営組「・・・」ズーン


長門型「・・・」ズーン


満潮「どういうつもり!?これで指揮取れずに大破轟沈でもしたらどうするのよ!!」


霞「暁や睦月ならまだ駆逐艦だからって司令官は許してくれるけど!あの部屋に8人も寝ると狭いってわかったはずよね!?」


8人「ごめんなさい・・・」


満潮「まぁ司令官から罰を与えられるらしいけど、頭を冷やしてくる事ね」


8人「・・・」


霞「ただでさえ寝不足で機嫌悪くしてるんだから。これ以上司令官を怒らせないで。怖いんだから」


8人「・・・はい」


光信「霞、満潮、もういいぞ」


霞・満潮「でも・・・」


光信「昼餉食べないと座学に影響出るぞ?この後のことはいいから」ナデナデ


霞・満潮「はーい」ギュッ


光信「先に席座ってなさい」


霞・満潮「うん!」パタパタ


光信「改めて言うが・・・瑞鶴、加賀、大和、古鷹、暁、睦月は1300に執務室に来ること」


大本営組「はい」


光信「長門、陸奥は演習場に1315」


長門・陸奥「ひゃい・・・」


光信「遅れるなよ」クルッ スタスタ


8人「(二度と怒らせないようにしよう・・・)」



光信「お、もう来てるのか」


鳳翔「ちょうど今お持ちしたところです」


光信「ありがとう鳳翔。いただくとするよ」


鳳翔「はいっ」


曙「提督一緒に食べよ?」


光信「あぁ。霞と満潮もか?」


霞「いいかしら?」


光信「ダメと言うとでも?」


満潮「言わないわね」


光信「それじゃお前らも座りなさい」


3人「はーい」


光信「いただきます」


3人「いただきまーす」


青葉「いつか青葉も司令官と食べたい・・・」遠くの席から


時雨「満潮たちに相談してみないと分からないね」同上


川内「なんだかんだ言って私たち提督とご飯一緒に食べたことないよね」同上


不知火「今日の出撃が終わったら打診してみましょう」同上


〜1300 執務室〜


光信「揃ったな」


艦娘「はい!」


光信「まずは4-4 カスガダマ方面に旗艦加賀、随伴に瑞鶴、大和、古鷹、暁、睦月。艦隊指揮権は加賀に一任する。誰か一人でも中破になれば即刻帰還せよ」


6人「了解!」


光信「そして生き残り組は旗艦青葉、随伴に川内、時雨、不知火。お前たち4人は実戦の感覚を取り戻すために出撃だ。」


4人「了解!」


光信「戦艦棲姫、青葉達について行き非戦闘派と好戦派の見分けを頼む」


戦艦棲姫「任された」


光信「では出撃せよ!」


11人「了解!」


〜1310 演習場〜


光信「鳳翔、急遽すまないな」


鳳翔「いえ、しかしなぜ急に訓練を・・・?」


光信「あの二人がいらん事吹き込んだせいでな・・・おかげで疲れが抜けてない・・・」


鳳翔「あの二人というのは・・・あの方たちですか・・・?」


光信「ん?あぁ、そうだ」


長門「・・・ほぼ定刻通り・・・か?」ズーン


陸奥「1310だからほぼ定刻通りね・・・」ズーン


鳳翔「食堂でもそうでしたけど一体何したんですか・・・」


光信「まぁ・・・なんというか・・・」


〜説明中〜


鳳翔「それで目付きが異常に悪かったんですね・・・」


光信「曙達を怖がらせてしまったがな・・・」


鳳翔「そろそろ演習開始時刻・・・ですね・・・」


光信「本気で頼む。龍飛」


龍飛「了解」


光信「演習が終わったら執務室に来てくれ。そこにいる」


龍飛「・・・わかった」


光信「任せた」スタスタ


龍飛「さてお前ら覚悟は出来てんだろうな」


長門「ほ、鳳翔・・・」


陸奥「覚悟って・・・」


龍飛「提督からの指示だ。本気で行かせてもらうぞ。さっさと準備しろやァ!」


長門・陸奥「は、はいいぃぃぃぃ!」ピュー


龍飛「久しぶりだねぇこの感覚。上手いこと行けば実戦復帰できるかな」フフフ


長門・陸奥「(怖い・・・)」


〜執務室〜


大淀「提督、青葉さんから入電です」


光信「繋げ」


青葉『司令官!指定海域到着しました!』


光信「羅針盤お前に持たせてるよな」


青葉『はい!』


光信「羅針盤の指す方向に向かって進撃してくれ。あくまでも今回はお前たちの感覚を取り戻すことが最優先事項である」


川内「夜戦は基本無し?」


光信「お前らの実力なら夜戦までいかんだろ。深海組の好戦的なやつは問答無用で沈めてこい。非戦闘派は中破もしくは大破で基地に送り返せ」


4人『了解!』


光信「戦艦棲姫、あとは任せた。もしうちの艦娘沈めようものならお前らの基地を潰しに行くからそのつもりでいろよ」


戦艦棲姫『わかった』


光信「青葉、川内、時雨、不知火。健闘を祈る」


時雨『もちろんだよ』


不知火『司令のいる鎮守府に』


川内『みんなのいる鎮守府に』


青葉『必ず帰投します!』


戦艦棲姫『何かあれば私が対処しよう』


光信「わかった」


プツン


光信「・・・」バタッ


大淀「提督?」クルッ


光信「」


大淀「提督!?」ドタバタ


霞「何事!?」バーン


大淀「霞ちゃん・・・提督が・・・」オロオロ


霞「司令官が・・・っ!?司令官!?」


大淀「ど、どうしよう・・・」


霞「医務室に運ぶわよ!」


大淀「は、はいっ」


〜医務室〜


霞「明石!いる!?」バーン


明石「はーいどうした・・・って提督!?」


霞「ベッド貸して!今すぐ!」


明石「そこ使って!一体何があったの・・・」


夕張「どうしたんです?」


大淀「青葉さん達との通信が終わったあと倒れてしまって・・・」


夕張「・・・恐らく過労によるものかと思いますが・・・」


霞「過労って・・・夜は私たちと一緒に寝てて睡眠もしっかり取れてたはずよ!?」


夕張「最近、激しい動きしませんでした?」


霞「激しい動き・・・まさかっ!?」


夕張「心当たりあるんですね?」


霞「・・・えぇ」


夕張「その話詳しく聞いても?」


霞「・・・わかった」


明石「とりあえず大淀は執務室に戻ってください。加賀さん達からの打電があるといけないので」


大淀「・・・分かりました」ガチャ パタン


明石「霞ちゃん、詳しく聞かせてもらえる?」


霞「・・・司令官が深海棲艦とのクォーターだってのは知ってるわよね」


夕張「えぇ、あの時は大本営にいたけど中継映像は見てたから・・・正直びっくりしたわ」


霞「昨日、司令官と鳳翔さん、ヲ級を相手に私たち艦娘12隻で演習したんだけど・・・」


明石「・・・続けて」カキカキ


霞「深海の力を解放・制御する訓練も兼ねてたの」


夕張「・・・その時に異変は?」


霞「その時は何も・・・」


明石「・・・他には?」


霞「曙から聞いた話になるんだけど・・・今朝方司令官と曙以外に大和たちが司令官の私室で寝ていたらしいの」


明石「・・・」


夕張「・・・」


霞「その時から疲れが抜けていないようだったし、朝から大和たち、長門型の8人に大声で説教していたって・・・」


明石「・・・なんとなくだけど」


夕張「結論出ちゃったわね・・・」


霞「・・・え?」


明石「あくまでも予測の範囲内だけどね?昨日の演習で深海の力を解放しすぎてその後夕餉作ってたでしょ?」


霞「・・・うん」


明石「おそらくその時点でかなり無理してたと思うの」


霞「そんな素振りは1度も・・・」


夕張「あなた達に心配かける訳にはいかないからって無理してたんだと思う。でも彼は艦娘と違って普通の人間・・・ただ深海の血も混ざってる特殊な人間なんだけどね・・・」


霞「人間は私たち艦娘のように丈夫じゃない・・・」


夕張「基本的には人間と同じ生活を送ってるんだもの。無理をしてしまえばその反動は大きい」


霞「つまり私たちに心配かけないように無理をして倒れたってこと?」


明石「おまけに熱まで出ちゃってる・・・」


霞「そんな・・・」


夕張「今日からしばらくは部屋で安静にさせるしかないわね」


霞「・・・間宮さん達に伝えてくる」


明石「提督は私たちが部屋まで運んでおくからお願いね?」


霞「・・・はい」


ガチャ パタン


夕張「・・・」


明石「・・・」


夕張「私は開発に戻ります。提督をお願いしますね?」


明石「分かりました」


〜教室〜


霞「・・・」ガラガラ


曙「・・・霞、どうしたの?」


霞「・・・・・・た」ボソ


曙「・・・え?」


霞「司令官が倒れた・・・」ウル


曙「え、嘘でしょ・・・」


霞「・・・ホントよ」


曙「・・・満潮」


満潮「なに?」


曙「予定変えてこの後全員自習。と言っても課題終わらせるまで教室から出さないけど」


満潮「・・・何があったのよ」


曙「提督が倒れたらしいのよ」


満潮「はぁ!?」


霞「ホントよ・・・明石と夕張に診てもらったら過労だろうって・・・」


満潮「なんで夕張・・・あぁ大本営から来てたわね・・・」


曙「みんなごめんけどこの後全員自習ね」


吹雪「いきなりどうしたんですか?」


曙「ちょっと予断を許さない状況になったの。あなた達にはこの課題を渡すから全部終わらせるまで部屋から出てはダメよ」


五月雨「課題って・・・これ何枚あるんですか・・・」


曙「1人2000枚よ」


叢雲「聞き間違いじゃないか確認するわ・・・今2000枚って言った?」


曙「えぇ、言ったわね」


電「鬼畜なのです!」


漣「これ一日で終わる気しない・・・」


曙「もちろん全部空欄で提出したらやり直しさせるからね?全部解答欄は埋めること」


吹雪「今日終わらなかったら・・・」


曙「明日に持ち越してもいいけど食事やお手洗い以外はこの部屋から出ることは許さないわ」


電「期限は何日あるのです?」


曙「そうねぇ・・・私たちなら2日で終わるけどあなた達バカだから4日間ね」


初期艦's「ひえー」


曙「特に漣、わかったわね」


漣「イェスマム」ビシッ


スタスタ スタスタ スタスタ


電「早く終わらせるのです」フンス


〜鎮守府廊下〜


霞「司令官は恐らく私室にいると思う。私は間宮さんにこのこと伝えてくるわ」


満潮「わかった」


曙「私と満潮は先に行ってるわね」


霞「わかったわ」


〜食堂〜


霞「間宮さんいる?」


間宮「はーい。あら、霞ちゃんどうかしたの?」


霞「司令官この後ここに来る予定だったわよね」


間宮「そうねぇ・・・鳳翔さんの話ではもう来ててもおかしくない時間なんだけど・・・」


霞「司令官過労で倒れちゃったから来れないのよ・・・」


間宮「・・・え?」


霞「・・・」


間宮「それは本当なの?」


霞「・・・」コク


間宮「だったら消化にいいもの作って持っていくわね」


霞「ありがとう・・・」


間宮「提督の私室でいいのかしら?」


霞「えぇ」


間宮「分かりました。後で持っていくから提督のそばにいてくれる?」


霞「よろしくね、間宮さん」


間宮「ふふっ、任されました♪」


霞「・・・っ」クルッ タッタッタッ


〜一方執務室では〜


前提督「提督殿が倒れた?」


曙「そうよ。明石や夕張が言うには過労じゃないかって」


前提督「どうするんだろう・・・この後会談があるというのに・・・」


曙「クソ提督の出番じゃないの?」


前提督「そう言われてもなぁ・・・」


ジリリリリリリ


前提督「・・・いいか?」


曙「えぇ」


前提督「佐世保鎮守府です」


元帥『提督!・・・じゃないなその声は憲兵長か?』


前提督「えぇ、現在提督殿は過労により倒れてしまい私が代理で指揮を執ってます」


元帥『なんだと?』


前提督「事情は詳しく話せませんがしばらくは安静にしないといけないようです」


元帥『そうなのか』


前提督「ところで元帥殿、ここに電話を掛けてきたということは何か要件があると?」


元帥『1500から予定していた小笠原村の村長との会議だがこちらが交通トラブルに見舞われてな』


前提督「時間がズレると?」


元帥『日程が1週間ずれる』


前提督「・・・提督殿にはそのように伝えておきます」


元帥『頼めるか』


前提督「このくらいなんとも。それと恐らく提督殿は深海本部を叩く為に協力を申し出てくれた鎮守府の提督を集め会議をするつもりだと思います」


元帥『わかった。それについてはそっちの提督が回復してから話し合うとしよう』


前提督「お願いします」


元帥『提督の事頼んだぞ』


前提督「はっ」


チン


曙「私は隣いるからね何かあったら大淀を頼りなさいよクソ提督」


前提督「あぁ」


〜提督私室〜


曙「提督の様子は?」ガチャ


霞「・・・」フルフル


満潮「・・・」フルフル


曙「・・・そう」


霞「私室に誰も近づく事がないように大淀に伝えてくるわ」


満潮「わかったわ」


〜執務室〜


大淀「・・・」


コンコン


霞『霞よ。大淀いるわよね』


大淀「はい」


ガチャ


霞「・・・わかりやすいくらいに凹んでるわね」


大淀「えぇ・・・まぁ・・・」


霞「・・・全艦娘に伝えて欲しいの。司令官の私室には誰も近づかないように」


大淀「・・・分かりました。元帥に報告しますか?」


霞「念の為にしておいた方が良さそうね」


前提督「大本営にはもう通達済みだ」


霞「意外と仕事早いのね」


前提督「ほんとその性格変わんないな霞」


霞「あんただけよ。今の司令官は別だもの」


前提督「ははは、こりゃ手厳しいな。だが彼のこと頼むぞ」


霞「言われなくても」クルッ スタスタ


ガチャ パタン


前提督「・・・大淀、加賀達を帰還させろ」


大淀「・・・了解しました」


〜4-4 カスガダマ〜


加賀「こちら加賀」


大淀『加賀さん。大淀です』


加賀「どうかしたのかしら」


大淀『緊急連絡です。今すぐ鎮守府に帰還せよ』


加賀「・・・どうして?」


大淀『今は言えません。ですが帰還をお願いします』


瑞鶴「いいんじゃない?」


加賀「瑞鶴・・・」


古鷹「少なくとも提督の指示通り翔鶴さん見つけましたしこの海域に留まることはないと思います」


加賀「わかったわ。大淀、加賀以下6名帰還します」


大淀『お気をつけて』


加賀「えぇ」


プツン


暁「・・・何か嫌な予感がするわね」


睦月「それに大淀さんの話し方何か焦ってるようにも感じたにゃ〜」


加賀「全員全速で鎮守府に帰還するわよ」


大和「ちょっと!私低速なんですよ!」


5人「あ・・・忘れてた・・・」


大和「・・・私の全速に合わせて貰えます?」


5人「・・・」


大和「せめて何か言ってください・・・」


暁「加賀さん、私いいこと思いついたわ」


加賀「奇遇ね、私もよ」


睦月「あれしかないにゃし」


古鷹「全員準備はいいですよね?」


瑞鶴「当たり前じゃない」


翔鶴「皆さん一体何を・・・」


瑞鶴「翔鶴姉、これを体に縛り付けてちょうだい」っロープ


翔鶴「瑞鶴、まさか」


加賀「そのまさかよ。みんな準備はいいかしら」


4人「はい!」


大和「え、これなんなんですか!?」


古鷹「私たち6人全速力で大和さんを引っ張ります」


大和「・・・」ダラダラ


加賀「それじゃ行くわよ。全艦全速力!」ピュー


5人「おー!(にゃし!)」ピュー


大和「きゃああああああああああああああぁぁぁ」


〜1600 提督私室〜


曙「・・・」


霞「・・・」


満潮「・・・」


曙「執務室に顔出してくるわ」


霞「私も行くわ」


曙「霞と満潮は提督を見ててちょうだい。もしかしたら目を覚ますかもしれないから」


霞「だったら私は間宮さんの所に夕餉取りに行くわ」


満潮「人手いるでしょ?」


霞「大丈夫よ。配膳用の台車があったはずだから」


曙「決まりね。夕餉は頼んだわよ」


霞「任せなさい」


満潮「私は看病ね」


曙「えぇ、任せたわ」


満潮「うん」


ガチャ パタン


満潮「タオル変えなきゃ」パタパタ


〜食堂〜


霞「間宮さん」


間宮「はーい」


霞「時間には早いんだけど司令官と曙、満潮、私の分の夕餉準備して貰えないかしら」


間宮「提督のお部屋まで?」


霞「そのつもりよ」


間宮「分かりました。少し待っててください」


霞「お願いします。私は配膳台持ってくるわ」


間宮「はーい」


・・・・・・


間宮「霞ちゃん出来たわよ」


霞「ありがとう」


間宮「提督早く良くなるといいわね・・・」


霞「私たち3人で看病するつもりよ。心配だとは思うけど私たちに任せてちょうだい」


間宮「よろしくお願いしますね」


霞「えぇ」


〜ほぼ同時刻 執務室〜


曙「大淀、いるかしら」ガチャ


大淀「あら曙さん」


曙「執務はどこまで終わってるの?」


大淀「憲兵長と朝潮さんが代わりにやってくれましたよ」


曙「そう。あのクソ提督なら大丈夫そうね」


大淀「はい。そろそろ青葉さん達第一艦隊と加賀さん達第二艦隊がまもなく帰投予定です」


コンコン


『第一艦隊ただいま帰投致しました!』


『第二艦隊帰投しました』


曙「入ってちょうだい」


ガチャ


青葉「第一艦隊旗艦青葉以下4名無事に帰投しました!」


加賀「第二艦隊旗艦加賀以下6名全員帰投しました」


曙「お疲れ様。損害は?」


青葉「曙さん・・・司令官は・・・」


曙「・・・気になるわよね」


加賀「提督になにかあったの?」


曙「昨日提督と訓練受けた人ならわかってると思うけど、提督は昨日の訓練で無理してたみたいで過労で倒れたわ」


大和「だから大淀さんの通信がちょっと慌ただしかったんですね・・・」


青葉「私たちと通信した時はなんの問題もなかったはずですけど・・・」


大淀「青葉さん達と通信を終えたあとに糸が切れたように倒れてしまわれて・・・」


時雨「そんなことが・・・」


曙「とりあえず全員入居して食堂に向かってちょうだい。もうすぐ夕餉の時刻よ。それと提督の私室には近付かないように」


艦娘「了解!」


曙「それと新しい艦はいるかしら?」


翔鶴「わ、私です・・・」


曙「あなたは残ってくれる?書類あるから」


翔鶴「は、はい」


曙「青葉と加賀さんは報告書お願いね」


青葉・加賀「了解」


ゾロゾロ ガチャ パタン


曙「ごめんなさい。本来なら提督が迎えるはずなのに」ペコ


翔鶴「い、いえ、大丈夫です」


曙「書類と言っても簡単なものだからすぐ終わるわよ」


翔鶴「一体何を・・・」


曙「鎮守府に所属することになるんだから登録のための書類を大本営に送らなきゃいけないの」


翔鶴「もし出さなかった場合は・・・」


曙「出撃できないわ。演習もそう。最悪解体ね」


翔鶴「分かりました・・・」


曙「ここに名前と艦種を書くだけよ。あとは提督の印鑑さえあれば書類としては終わりだから」


翔鶴「は、はい」カキカキ


翔鶴「これでよろしいでしょうか」スッ


曙「・・・正規空母 翔鶴・・・瑞鶴のお姉さんね」ウケトリ


翔鶴「はい」


曙「確かに受け取ったわ。大淀?鎮守府の案内しつつ食堂に向かって」


大淀「かしこまりました」


曙「提督に代わって、正規空母翔鶴。あなたの活躍を期待するわ」


翔鶴「よろしくお願いします!」


大淀「では翔鶴さん付いてきてください」


ガチャ パタン


曙「・・・慣れないことするのは疲れるわ」


〜提督私室〜


曙「遅くなったわ」ガチャ


霞「おかえりなさい」


満潮「・・・」


光信「」


曙「まだ起きないのね・・・」


満潮「うん・・・」


霞「とりあえず4人分運んでは来たんだけど・・・」


曙「冷めちゃう前に私たちだけでも食べましょ。どうせ提督の看病があるんだから」


満潮「そうね。目を覚ましたらその時に対処すればいいものね」


霞「なら、さっさと準備しちゃいましょ」


〜ツンデレ3姉妹準備中〜


曙「・・・いい?」


霞・満潮「」コク


3人「いただきます」


曙「・・・」モグモグ


霞「・・・」モグモグ


満潮「・・・」モグモグ


3人「(空気が重い・・・)」


光信「・・・」


〜食堂〜


鳳翔「それでは提督は・・・」


間宮「霞ちゃんたちが看病してるはずよ?」


鳳翔「・・・」


長門「では光信はいつ目を覚ますか分からないということか?」モグモグ


明石「そうなりますね・・・」モグモグ


夕張「絶対安静ですから霞ちゃんたちに任せるしかないわね・・・」ココノリョウリオイシイ…


陸奥「でも光ちゃんの代わりに指揮は誰が執るの?」モグモグ


青葉「基本はここの前の司令官ですね。その補佐に大淀さんや曙さん達がと言った感じです」ズズズ


長門「・・・憲兵長が指揮を取ると?元帥にそれは伝えてあるのか?」


前提督「ご心配なく」ヌッ


長門「うおっ・・・急に出てこないでくれ」


前提督「これは失礼しました」


陸奥「それで?どうなるの?」


前提督「元帥には代理指揮を私が執ることを伝えてあります。秘書艦には妻の朝潮をつけます」


青葉「曙さん達はどうするんです?」


前提督「曙、霞、満潮の3人は提督殿の看病ということで提督殿の横にいてもらいます」


長門「・・・わかった。明石と夕張は今まで通り」


青葉「私たち生き残り組は・・・」


長門「明日は訓練だな。まだ感覚は完全に戻ってきていないだろ?」


青葉「まぁそうですね・・・」


ガラガラ


大淀「あらみなさんもうお揃いですか?」


長門「大淀。ん?隣にいるのは・・・」


翔鶴「正規空母翔鶴です。瑞鶴の姉になります」ペコ


長門「戦艦長門だ。よろしく頼む」


翔鶴「こちらこそ」


大淀「私は他の方にも翔鶴さんを紹介してきます」


長門「わかった」


青葉「あ、報告書の提出があるので部屋に先に戻りますね」トタトタトタ


長門「あ、あぁ・・・」


陸奥「吹雪ちゃん達はどうするの?」


長門「吹雪たちは曙達から課題渡されてるみたいだな・・・それが終わるまでは教室を出るなってことらしい」


前提督「あの子たちは優秀でしたからね・・・襲撃前は座学を担当してましたから・・・」


陸奥「それじゃああのスパルタさは当時から変わってないの?」


前提督「・・・当時よりもスパルタ度合いは上がってますね・・・そこまで酷かったのかと疑いたくなるレベルで・・・」


長門「・・・だからあんなに落ち込んでるように見えるわけか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


吹雪「あの量終わる気がしない・・・」ズーン


叢雲「ホントにあんたの姉なのよね・・・」ズーン


漣「あんなスパルタなボノ知りませんよ」グデー


時雨「どうしたんだい?かなり空気が暗いけど・・・」


五月雨「時雨・・・」ズーン


電「ひとつ聞きたいのです」


時雨「何かな」


電「曙さん達は以前からあんなに厳しいのですか?」


時雨「うーん、僕達の時よりは数段厳しいんじゃないかな・・・」


吹雪「つまり、私たちの基礎学力が低いが故にあれだけ厳しいと・・・?」


時雨「そうなるかな・・・でもまぁ曙達は相手が軽巡だろうが戦艦だろうが容赦はなかったね・・・学力はあの3人より上に立つものはいなかったし」


初期艦's「そんなぁ・・・」ズーン


時雨「頑張ってくれとしか言えないね・・・僕も彼女達には適わないから・・・」


初期艦's「・・・はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前提督「・・・あの子たちの成長を見守りましょうか」


長門「あぁ・・・」


陸奥「・・・そうね」


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