2022-06-08 13:01:40 更新

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20○○年○月○日

午前8時

東京第1連邦基地 中央広場の噴水

連邦祭が始まって今日で3日目。今日の俺の予定は、午前中に神通と午後からは椿とデートする事になっている。そのため、俺は待ち合わせの時間の30分前からこの噴水前で待っていた。すると、

神通「司令官。」

とまるで大正時代にいそうな御令嬢の服を服を着た神通がやって来た。

司令官「おお、おはよう。」

神通「おはようございます。司令官。遅れてすみません。」

司令官「いや、時間もちょうどだから大丈夫だよ。それじゃあ、どこから周る。」

神通「それが、ちょっと寄りたい所がありまして。」

司令官「あぁ、構わないよ。」

神通「すいません。わざわざ。」

司令官「気にするな。」

そう言うと、俺たちはその場所まで向かった。


8時28分

イベント会場のステージ裏

司令官「あぁ、寄りたいところって那珂のことだったのか。」

神通「すいません。妹の事がどうしても気になって。」

司令官「確か、昨日は2回ライブを行ったんだよな。」

神通「はい。それで、今日は閉館までずっとライブを行うことになって。」

司令官「あぁ、それにしてもすごいな。この客の数は。」

俺は、舞台裏から少し顔を出してみると、そこには沢山の客が那珂のライブを見ようと押しかけて来ていた。

司令官(これ、艦娘やめて、アイドルとしてやったやった方がいいんじゃね?)

と思っていると、

那珂「司令官!!神通ちゃん!!」

とアイドル衣装をした那珂がやってくる。

那珂「わざわざありがとね神通ちゃん。来てくれて。司令官も。」

神通「姉として、当然の事をしてるだけよ。」

司令官「それにしても、凄いな、この数。」

那珂「でしょ。」

と話していると、

スタッフ「本番、1分前です。」

とスタッフが知らせてくれる。

神通「那珂ちゃん。本番の時間よ。」

司令官「頑張ってこいよ。」

那珂「うん。那珂ちゃん。本気で行くよー!!」

言うと、ライブのスタンバイをする。

そして、

午前8時30分

ライブ開始の時間だ。それと同時に那珂は、走って舞台の中央へ向かう。すると、那珂が舞台に出てきた瞬間、

観客「うおおおおおおおおおおー!!」

と歓喜の声が響き渡る。

そして、

那珂「みんなー。今日は来てくれてありがとう!!艦隊のアイドル!!那珂ちゃんで〜す!!」

歓喜「那珂ちゃん!!」

那珂「今日は、みんなのために、思う存分歌ちゃいまーす。それでは、1曲目いくよ~!!」

こうして、那珂のライブは始まった。那珂は、笑顔で必死に踊りながら歌っている。俺はそれを見て、那珂が成長した事を感じた。半年前、木下の奴隷にされて、苦しい思いし、それを乗り越えて、笑顔で踊る那珂を見て俺もここまでこの部隊の指揮官として頑張ってこれてよかったと思った。

そして、隣にいる神通も姉としてとても嬉しそうだった。

司令官「那珂は、すごいなぁ。」

神通「えっ。」

司令官「俺と違って、アイツは人を笑顔にする力を持っている。この半年間の間にアイツは強くなったよ。自分の夢のためにここまでやれる奴ってそんなにいなんだよ。」

神通「司令官。」

司令官「俺と違って、お前や川内、那珂のみんな。凄い奴だよ。俺は、ただ復讐に取り憑かれて多くの命を奪ってきた。ほんと、最悪の人間だよ。俺は。」

神通「・・・・・・提督。少し、よろしいですか。」

と神通が聞いてくる。

司令官「あぁ、いいけど。」

神通「それでは、少し場所を変えましょう。」

こうして、俺と神通は舞台をあとにした。


午前9時

基地の屋上

あれから、俺は神通と共に基地の屋上に来ていた。ここは、景色が良く東京湾を一望できる場所だ。そんな場所で神通と俺は2人だけでいた。ただ、神通はとても真面目な顔で、

神通「司令官。正直に答えてください。何か、悩んでるじゃないんですか。」

と突然聞いてくる。

司令官「そんなわけないだろ。なんで俺がこんな呑気にゆっくりできる祭ごとのどこに悩む必要があるんだよ。」

と誤魔化すが、

神通「誤魔化しても無駄です。私には、分かります。ここ最近の司令官は何か苦しんでいるような感じがするんです。確かに、司令官はいつも通りにみんなに対して接していますが、それでも分かるです。司令官が何かに苦しんでいる事に。」

司令官「・・・・・・。」

神通が言っていることは間違いない。ここ最近の俺は正直、悩んでいた。4年前の中国戦線での事で。だが、あまり俺はこの事に関して仲間を巻き込みたくなかった。そう、遠くない2度目の中国で起きる戦いに。また、4年前の二の舞になると考えると、言いたくなかったのだ。だから、俺は

司令官「・・・・・確かに、悩んでたよ。でも、神通。お前には関係ない事だ。言うつもりはない。」

と言う。

神通「どうしてですか!?どうして、自分で抱え込もうとするですか!?」

司令官「神通。これは、俺の問題だ。お前が知る必要はない。」

神通「司令官。私は、あの時に決めたんです。司令官が私を救い出してくれたあの時に、どんな事があろうと司令官を支え続けると。だから、教えてください。司令官を苦しめる原因を。」

司令官「神通。さっきも言ったが、俺は最悪の人間なんだよ。本来、俺は今生きてていい人間じゃないんだ。俺は、多くの命を奪ってきた。」

神通「そんなの、兵士なら当たり前じゃないですか。今は、戦争中なんです。相手を殺さなければ自分が死ぬ。それが、戦争なんじゃないですか。そんな事、今考えなくたって・・・・。」

その言葉を聞いた瞬間、俺は言ってしまった。

司令官「お前に何が分かる!!」

神通「!!」

司令官「そんな事って・・・・俺のことを何も知らないお前が知ったような事を言うな!!俺がどれほどの命を奪ってきたと思ってる!!どれほどの仲間を犠牲にしたと思ってる!!俺がどれほどの犠牲の上でこの立場に立っている思ってる!!何も知らないお前がいちいち俺の問題に関わってくな!!目障りなんだよ!!」

神通「・・・・・。」

司令官「!!」

この時、やっと俺は我に戻った。俺は神通の顔を急いで見ると、神通は涙を流していた。当然だ。神通はただ俺の事を思って言ってくれたのに俺は、それに気づかなかった。そして、

神通「・・・・司令官のバカ。」

と言うと神通は走って屋上から去ってしまった。

司令官「・・・・・・ああ、バカだよ。俺は。」

と言いながら俺はただ1人で屋上の光景を見ていた。


午後12時30分

基地の噴水前

神通と別れてから、早くも3時間以上が経った。あれからも、俺は神通には謝りにも行かずずっと屋上で考えていた。そして、この時間からは、椿とのデートの予定だった。なので、俺は1人で椿が来るのを待っていた。すると、

椿「勇人君。お待たせ。」

と白いワンピースを来た椿がやって来る。

司令官「・・・・・あぁ。」

と先程の神通との件を引きずってるからか、あまり声が出なかった。すると、

椿「もしかして、神通ちゃんと何かあった?」

司令官「・・・・・まぁ、少し酷いことを言ってしまってな。」

椿「やっぱり。で、話を聞くからちょっと付き合ってくれる。」

と椿が言ってくる。

司令官「あぁ、悪いな。」

と言うと、

つは「まぁ、勇人君は女の子に対して少し不器用だからある程度は分かってたけど。」

そうして、俺と神通はある場所へと向かった。


午後1時

執務室

あれから俺と神通は途中で金剛たちが出している店でお菓子と紅茶を買って、執務室で話す事にした。そして、

椿「で、何があったの。」

と椿が聞いてくる。

司令官「実はな、ここ最近、俺少し悩んでることがあってな。それに気づいた神通が相談にのってくれようしてたんだ。その際に少し俺がカッとなって・・・・。」

椿「酷いことを言ってしまったでしょ。」

司令官「あぁ。」

椿「勇人君。私もね。勇人君が悩んでる事には気づいてた。」

司令官「えっ。」

椿「勇人君が悩んでる事って4年前の事でしょ。」

司令官「・・・・・・。」

椿「あれは、勇人君せいじゃないよ。あれは、私がやった事。勇人君の判断は正しかったよ。」

司令官「それでも、俺は全員を死なせて俺は生き残った。もっと俺が早く撤退していればあんな事には。俺がアイツらを犬死させたんだ。」

椿「勇人君。このアザのことを覚えてる。」

そう言うと、椿は首元のアザを見せてくる。それは、4年前俺が病院で椿の首を絞めた時に残ったアザだった。あの時、俺が余りにも強く絞めたせいで椿の首元にできたアザは医者から判断によると永遠に消えないと言い渡された。それを見た俺は、

司令官「あの時は、本当にごめん。」

椿「いいのよ。あぁ、されても仕方がなかった。私のせいだよ。勇人君が今も4年前の事で苦しんでるのは・・・・・・私が勇人君の人生を狂わした。私が勇人君の大切な仲間の命を奪った。ごめんなさい。」

司令官「・・・・椿。」

と椿は泣きながら謝ってきた。それからは、俺と椿は何も話さず別れた。そして、椿が執務室を出た後、俺は明後日に行われる演習に向けて準備するのであった。


20○○年○月○日

午前8時50分

東京第1連邦基地 大規模演習場

ついに、実弾演習の日をむかえた。この祭りのメインと言えても過言ではないほどのイベントだ。今日1日にかけて陸海空全て演習が行われる。そのため、今日は多くの人がこれを観るためにここに集まっていた。そんな中、俺はゲストに対して演習においての解説をする為に特別観覧的で連邦軍の制服を着て、待機していた。

司令官「もうすぐだな。」

そう言うと、俺は腕時計で時間を確認する。すると、

浅野「おお、大杉君。おはよう。」

と制服を着た浅野元帥がやってくる。その後ろには、ぞろぞろと沢山の人がいた。

司令官(多分、ゲストの方々だろう。)

そう思いいつ、俺は

司令官「浅野元帥。おはようございます。」

と敬礼しつつ挨拶する。だがこの時、俺はある事に気づいた。後ろにいるゲスト達がとんでもない方々だったからだ。そこにいたのは、日本の児玉総理とアメリカのケリー大統領、イギリスのウィストン首相、亡命フランス政府のジュール首相、ドイツ亡命政府のアルバン首相、スペイン亡命政府のアレホ首相。どっからどう見ても国のトップである人達が俺の目の視線にいるのだ。俺はすぐに

司令官「浅野元帥。なぜ、後ろに国のトップである方々がいるのですか。」

と聞く。

浅野「言ったではないか。ゲストを連れてくると。」

司令官「国のトップを連れてくるのは聞いてません!!なんで、よりによって首相の方々を連れてくるんですか!!少しは、俺の事を考えて動いてください!!」

と言う。すると、

児玉「大杉大佐だね。浅野元帥からよく話は聞いてるよ。」

と児玉総理前が出てきて手を出してくる。すぐに俺は切り替え児玉総理の手を握り、握手する。

司令官「いえ、自分は当然の事をしただけです。今日は我々の演習を存分に見ていって下さい。」

児玉「あぁ、よろしく頼むよ。」

と挨拶を終えると、

ケリー「Hello.Mr.Osugi.I'm hearing about you from Asano. I'm looking forward to today's exercise.(どうも、大杉大佐。君のことは浅野元帥から聞いているよ。今日の演習には期待しているよ。)」

司令官「It's an honour to meet you. Presidents Kelly.Rest assured. Today's exercise will show you all of our achievements so far.(お会いできて光栄です。ケリー大統領。ご安心ください。今日の演習では我々の今まで成果を全てお見せします。)」

と英語で挨拶し、握手する。その後も、今日来てくださった首相達に全てそれぞれの言語で挨拶した。この時俺は、

司令官(言語ちゃんと勉強してて良かった。)

と単純に思った。そして、演習の解説においては俺が全て日本語で解説し、総理以外の各首相の共にいる護衛と通訳をかねた人が1人ついてもらう事にした。そして、ついに


午前9時30分

『これより、実弾演習を開催します。まず、最初に偵察及び敵陣地に対する砲撃支援を行います。』

と演習が始まりの合図が出た。そして、それと同時にキリトのRu 251を先頭に次々にドイツ、イタリア、日本の軽戦車が演習場に入ってくる。そして、その後方からはラインハルトのフンメルを主力とした機甲砲撃中隊とアメリカ、イギリス、ソ連の火砲が次々に入場してくる。そして、俺はその兵器が入ってくる度に部隊や戦車などの解説を行った。そして、キリト達の軽戦車と偵察隊が互い協力し、敵の陣地を砲撃部隊に知らせる。そして、

ダァーン

ダァーン

ダァーン

と次々に砲撃を開始する。そして、

ズドーン

ズドーン

ズドーン

と敵陣地を想定した場所に次々に砲弾が着弾し、大きな土煙をあげる。

それを見た首相達は、拍手していた。しかし、その時俺は妙な感じがしたため周囲を確認する。すると、4機のワイルドキャットが上空からこちらに向かってくるのが見えた。すると、児玉総理がワイルドキャットに気付き、

児玉「おお、次は航空支援か。」

と言う。だが、この時間では航空支援かねた演習の予定はなかった。そんな中、俺は無線をとり、大淀に確認を取ろうした瞬間、

タタタタタタタタタタ

タタタタタタタタタタ

とこちらに向かってきていたワイルドキャットが演習場に向けて機銃掃射してきたのだ。

司令官「伏せろ!!」

と俺は大声で叫ぶ。そして、

浅野「総理!!伏せて下さい!!」

浅野元帥が児玉総理の頭を押さえてる。また、他の首相達もすぐに通訳をかねた護衛が首相達を守ろうと彼らの頭を下げさせる。そして、ワイルドキャットは地面ギリギリまで機銃掃射を行い、一気に高度を上げ再び旋回しつつ攻撃体制に入る。そして、

タタタタタタタタタタ

タタタタタタタタタタ

ワイルドキャットはラインハルト部隊の砲撃部隊に対して攻撃を行う。それを見た俺は、無線をすぐに一村に繋ぎ、

司令官「急いで、対空戦車を出せ!!」

一村『了解です!!すぐに出撃させます。』

と指示出す。すると、すぐに

キュルキュルキュル

と対空戦車ヴィルベルヴィント とオストヴィントが数量演習場に出てきて対空射撃を行う。それに続くように続々と対空車両も演習に入ってくる。

ズドン、ズドン、ズドン、ズドン

ドドドドドドドドドド

と4機のワイルドキャットに向かって対空戦車と対空車両が撃ちまくる。そのおかげか遂に敵機も

ヴィーーーーーン

とワイルドキャットは堕ちていく。そんな中、1機のワイルドキャットから脱出したパイロットがパラシュートを使って演習場に降りてくるのを確認する。俺はすぐに、

司令官「そいつを捕らえろ!!」

命令する。そして、パイロットが降りてくる場所を包囲するように兵士達が集まる。そして、パイロットが地面につくと同時に、

一村「動くな!!」

と一村が前に出て、パイロットにKar98を向ける。すると、パイロットは黙って持っていたP36を地面に置き、両手をあげる。その後、パイロットは捕虜として尋問受けるため連れて行かれた。そして、

司令官「総理、大統領ご無事ですか。」

俺は、すぐに総理や首相達に撃たれてないか確認する。

浅野「大丈夫だ。どうやら、敵は客席は狙わなかったらしい。」

浅野元帥は客席を見渡すと、来客していた人々はパニックなって演習場から出て行く人々でいっぱいになっていた。すると、

林「隊長!!」

清岡「隊長!!無事ですか!?」

と走って林と清岡がやってくる。すると、2人は総理や大統領に気づいたのか驚いた様子で、

清岡「なんで!!総理やアメリカの大統領が!?」

と聞いてくる。

司令官「話は後だ。清岡。お前は、市民の誘導を頼む。このままでは、怪我人が出る。林。浅野元帥共に総理や大統領達を地下の作戦本部室に案内しろ。それと、地下に入ったらお前の部隊で一時地下を封鎖しろ。俺が無線の指示するまでは誰一人地下に入れるな。たとえ、俺でもだ!!」

と2人に指示を出す。

林・清岡「了解!!」

そう言うと、2人はそれぞれ言われた通りに動き出す。そして、林は、

林「総理。大統領。他の首相の方々も私についてきて下さい。浅野元帥。共に護衛をお願いします。」

浅野「分かった。」

そう言うと、林は総理達ともに地下へ向かった。そして、俺は攻撃を受けたラインハルトの部隊の確認をとる

司令官「キリト。無事か。状況を報告しろ。」

キリト『俺たちは無事だ。だが、ラインハルトの部隊の砲兵数人が負傷した。既に、救護隊によって治療を受けている。』

司令官「分かった。引き続き頼む。」

と無線を切る。すると、

大淀「提督!!」

大淀が走ってくる。

司令官「何事だ。」

大淀「大変です。敵が・・・・・中国にいる帝国軍が再び侵攻を開始しました。」

司令官「!!」

大淀「中国において帝国軍は境界線を越え、進行開始。既に、中国の都市は攻撃を受けており、韓国においても中国との国境線から帝国軍が侵攻されおり、帝国は朝鮮全てを占領するつもりかと思われます。これにおいてインドや台湾も招集令が出されています。」

遂に、中国の帝国軍が動き出した。予想はしていたが、まさか韓国にも侵攻するとは俺も思っていなかった。

司令官「・・・・・・大淀。4時間以内にここで作戦会議を開く。準備を頼む。」これは、かつてないほどの戦いになるぞ。」

大淀「・・・・・分かりました。」

こうして、中国において新たな火蓋が切られたのだ。


午後1時

地下作戦本部室

大淀から報告を受けてから、俺は浅野元帥に話し、この基地の地下作戦本部室において日本連邦の幹部達及び、各国の首相、軍人達共に作戦会議が開かれる事になった。そして、

浅野「これより、中国においての作戦会議を行います。」

と浅野元帥によって作戦会議が始まった。

浅野「まず、現在の中国においての現状報告を行います。大杉君。」

司令官「はい、先程襲撃してきた敵機についてです。こちらで捕らえたパイロットによると、彼もまた中国戦線に配備されていたパイロットの1人でした。つまり、あのワイルドキャット4機は中国戦線から飛んできた事になります。確認したところ、帝国軍は進行開始したのは、今日の午前6時からだと思われます。既に中国軍の飛行場を幾つか占領しており、この4機はその飛行場から飛んできたと思われます。実際に計算したところ予備燃料を積んで入れさえすれば中国から日本海、そしてこの基地までに飛行は十分に可能です。そして、パイロットから尋問したところ帝国は午前8時には中国と韓国の国境線に到達。そのまま、韓国にも侵攻しました。韓国でも現在大規模な交戦が続いていることが先程、現地の連邦兵から確認を取れました。状況は、中国も韓国も劣勢であり早急に各国からの派遣部隊を用意するよう頼まれました。」

俺が状況の説明を終えると、現在この作戦会議に参加している首相達は各自に話し始める。また、俺たちも浅野元帥や兄貴、姉さん達共に話し合う。

浅野「大杉君。君はどう思う。」

司令官「俺は、すぐにでも現地に向かうべきだと思います。このまま、韓国と中国を占領されれば、次は日本です。浅野元帥。ここは、俺の部隊に出撃させて下さい。俺は、中国での経験があります。あそこ帝国軍の戦いは知っています。お願いします。」

浅野「・・・・・分かった。」

司令官「ありがとうございます。」

こうして、会議は着々と進み、結果日本から第1として俺たち東京第1連邦基地から俺の部隊と艦隊そして岡本の中隊が派遣される事になった。また第2陣として空からは姉さんの部隊、陸からは兄貴の大隊が派遣される事になった。また、アメリカとドイツ、スペイン、フランス、イギリスからも派遣部隊が日本を経由して韓国と中国にそれぞれ派遣される事になった。しかし、距離があるため時間がかかるとの事あり、最初は俺たちだけで韓国と中国を助けなければならないと言う事だ。そして、会議が終わると、

俺はすぐさま各部隊の隊長を全員集めるよう指示を出した。


午後2時

作戦会議室

俺は各部隊の隊長を集め、会議の結果を行う事にした。そして、各部隊の隊長全員が集まった事を確認すると

司令官「全員、集まったな。先程の襲撃があったばかりですまないが先程の会議であることが決まった。我々の部隊が現在侵攻を受けている韓国に派遣される事になった。現在、韓国は帝国軍による侵攻を受けている。これを我々は現地の部隊ともに帝国軍を食い止めなければならない。そして、この戦いではウチからも死者が出る可能性がある。よって、これは志願者のみとする。覚悟を決めたものだけが志願するように。以上だ。解散。」

そう言うと、各部隊の隊長は次々に作戦会議室から出て行く。そんな中、一村と清岡、林は残り、

一村「隊長。俺たちは行きますよ。」

清岡「俺たちも一応中国戦線で戦った兵士だからな。」

林「今更、逃げるつもりはありませんよ。」

どう言うと、俺の目の前に志願書を置いて会議室を出て行った。

司令官(やっぱり、アイツらは来るか。)

そう思いつつ、3人の志願書を持って俺は執務室に向かった。


午後8時

執務室

あれから俺はただ1人執務室で派遣に向けて準備を進めていた。出発は2日後。この短期間で武器や弾薬、燃料を全て準備しなければならない。既に、おやっさん達によって戦車や航空機のなどの燃料や弾薬の運搬が始まっていた。そんな光景を俺を窓から見ていた。そして、ある事を思っていた。

司令官(これで、ようやく部下の仇がとれる。)

そう思っていた。そして遂に、


2日後、

午前8時

遂に、今日出撃の日を迎えた。今回の派遣の志願者は俺の部隊全員だった。つまり、全員志願したのだ。そして、今その志願した兵士達は、家族達と最後となるかもしれない時間を過ごしていた。皆、死を覚悟した上で志願したのだ。俺はそんな兵士達に家族との時間を大事にして欲しかった。そんな光景を見ていると、

ヴー、ヴー、ヴー

とズボンのポケットからスマホの着信音が聞こえてくる。俺は、スマホを取り、電話に出ると

さゆみ「勇人。」

と姉さんの声が聞こえてくる。

司令官「何?」

さゆみ「アンタがまた、あの戦地に行くから心配になってね。勇人。絶対に死ぬんじゃないわよ。私はもう家族を失うのはごめんだから。」

司令官「分かってるよ。姉さんも後から来ておいて撃ち落とされる事にはならないでくれよ。」

さゆみ「ふふふふ、アンタ、私を誰だと思ってるのよ。」

司令官「そうでしたね。空の英雄である白い魔女様でしたね。」

さゆみ「えぇ、そうよ。・・・・・・・勇人。胡桃の事お願いね。あの子は、まだ兵士としては・・・・・。」

司令官「分かってる。俺が必ず連れて帰る。だから、心配しないでくれ。」

と今回、俺の部下として出撃する妹の胡桃の事も姉さんから頼まれる。

さゆみ「そう。じゃあそろそろ切るわ。同じ戦地でまた会いましょう。」

司令官「あぁ、待ってるよ。」

そう言うと、俺は電話を切る。

そして、30分後


午前8時30分

大和の艦橋

カンカンカンカン

と出発合図の鐘が鳴り響く。それと同時に

司令官「全艦、抜錨。」

と指示を出す。

そして、戦艦大和を先頭に次々に軍艦と輸送艦が出港していく。そんな中、それぞれの船に乗った兵士達は、甲板から身を乗り出し、家族に別れを告げる。その光景は、俺から見るととても辛い光景だった。この別れを告げる兵士達の中には、これが本当に家族との別れとなるからだ。


そして、30分後

出港から30分。既に日本は、ここから見ると小さく。先程まで見ていた東京の街も豆粒みたいになっていた。その光景を見つつ俺は、

司令官「さよなら。我が故郷。日本。」

と言うと、俺は日本に向かって敬礼した。それを見ていた大和や艦橋いた乗組員全員が日本に向かって敬礼した。

そして、これから俺たちが向かうのは4年前、中国で猛威を奮った帝国軍の精鋭。どのような戦いが待っているかは、俺にも検討がつかなかった。そして、この戦いが俺たちにとって過去最も激しく最悪の戦いになることは俺もまだ知らなかった。


続く

































後書き

次回、遂に最後の戦いへと突入していきます。ぜひお楽しみに。


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