悪魔と仲間達2 No.9 【大規模演習】
大変お待たせしてもう申し訳ありません。第9話です。どうぞ!!
20○○年5月○日
午前10時30分
清州城
司令官「これらが今回のそちらへお渡しする品になります。どうか、お納め下さい。」
久遠「うむ。しかと、受け取った。」
と俺と久遠は今回、地球連邦と異世界の尾張における初めて貿易が行われた。多くの品が日本から連邦を通じて送られ、今その品が全て清州城に集まっていた。
久遠「うむ。約束通りだったな。昨日に一昨日に続き、ご苦労だった。勇人。」
司令官「やるべき仕事をしただけだ。だが、まだまだやる事は山積みだ。」
久遠「そうだな。それより今回の品よくもこんなに集められたな。」
と久遠は次々に運び込まれてくる品を見て言うが、送られてきた中身の約8割は俺たちの世界において誰でも手に入れる事ができる物ばかりだ。何かには100金の物までもある。最初は送られてきた品を見た時俺も流石に
前日
午前10時
一村「コレって、100金の物ですよね。」
司令官「あぁ、普通こういうのってかなり豪華で高値の物を渡すのが普通なんじゃ。」
一村「俺もそう思ってましたけど。」
と送られてきた品を見て、流石にどうかと一村と共に思っていると、
隊員「大佐。次の品が届きました。」
司令官「中身は?」
隊員「農業や一般家庭で使われている物が中心です。」
司令官「一度、見せてくれ。」
隊員「了解です。」
と中身を見させてもらうと、そこにはトラクター、自転車、田植え機など物多数が揃っていた。自転車に関しては1000台もあった。
司令官「浅野元帥は、織田軍で自転車師団でも作る気か。」
と思いつつ、今日を迎えた。
だが生憎にも、
久遠「ほう、勇人。これはどうやって動かすのだ。」
と久遠は自転車など俺たちが持ってきた品に興味深々だった。
司令官「これは、またがって、この歯車みたいな所にはある板に足を乗せて、漕ぐことで前に進む事ができる乗り物だ。俺達の国ではこういうので離れた場所の仕事場に行ったりなど移動手段として使ってる。」
と自転車について説明していると、
久遠「うおっ、おおおー!!」
ガシャーン
と話も聞かずに乗って、転倒していた。
司令官「ダメだ。こりゃ。」
とその後も、日本から送られてきた品について俺は久遠に説明し続けた。カップ麺や冷凍食品、冷蔵庫、扇風機、テレビなどまだ戦国時代ではない物ばかりな為、久遠だけではなく家臣や結菜も興味を示している様子だった。そんな中突然
一村「隊長!!」
と一村が呼びつつ、こちらに駆け寄ってきた。
司令官「悪い。久遠。直ぐに戻る。」
と言うと、
俺は一村の元に向かう。そして、
一村「実は先程・・・・・・・。」
とある事を報告してくる。それを聞いた俺は、直ぐに基地へと戻った。
午前10時30分
清洲前線基地 談話室
コンコン
司令官「大杉勇人!!入ります!!」
と言うと、
ガチャ
俺は談話室へと入る。そこには
浅野「待っていたよ。」
浅野元帥が座っていた。
司令官「来るなら、事前に連絡を下さい。此方にも段取りというものがあるんです。」
浅野「すまなかった。早速だが、話がある。各国の連邦軍、及び政府はこの異世界においてどう対処すべきか話合った結果、いくつかの方法があげられた。一つは、織田軍の兵士数名を我が連邦軍の兵士として入隊させ、帝国と戦ってもらう。」
司令官「はっ!?何を言ってるんですか。」
浅野「君がそう言うのも分かる。だが、話は最後まで聞くべきだ。」
司令官「申し訳ありません。続けてください。」
浅野「二つ目は、今我々が住む世界を捨て、この異世界に移り住むと言う案が出された。君は、これをどう思う。」
司令官「政府や各国の連邦の上の方々は、そのような判断しか出来ないのですか。」
浅野「現状、帝国は進撃を止め戦線は膠着している。だが、これがいつまで続くか分からない。もし、帝国が戦力を整え、再び進行を開始すれば、我々はもう保たないかもしれない。だから、我々は早く決着を着けなければならない。勝利か敗北か。」
司令官「分かっています。ですが、この世界の人々を戦争に巻き込む事は間違っています。もう、何億という人がこの戦争で死にました。家族や友人を・・・・・だからと言って、逃げる事も間違っている。もしここでこの世界に逃げたら、死んでいった仲間達は何のために死んだのですか。自分はこの世界に戦争を巻き込む事も、この世界に逃げる事も間違ってると思います。自分は、この現場を任された身としてこの2つの案は決して受け入れる事はできません。」
浅野「・・・・・そうか。分かった。では、君に新たな任務を命じる。この世界の人々のために、そして自分の信じる道の為にできる事をしなさい。亡くなったお父さんのように。」
司令官「はっ!!」
そういうと、自分は浅野元帥に敬礼する。そして、
浅野「さて、暗い話はここまでにしよう。早速だが、お願いがある。ここの当主と面会させてくれないか。」
司令官「・・・・・ふっ、最初からそれが目的で来たのですか。」
浅野「あぁ、もちろん。部下が世話になっているからな。挨拶くらいはせんと。」
司令官「全く。そういうところは変わりませんね。」
浅野「それが私の良いところだ。」
司令官「それを自分で言いますか。」
と言いつつ、俺の浅野元帥は清洲城に向かった。
午前12時
清洲城
浅野「この度、我が連邦軍との同盟及び、ご協力に関して誠にありがとうございました。」
と浅野元帥が久遠に対して深々と頭を下げる。
久遠「うむ。此方こそ、協力に関しては感謝している。織田家の当主として礼を言う。」
と互いに挨拶し合い、その後は今後について話し合った。まずこれからは本格的に貿易を行なっていくことになり、織田家からは一部の食料を、連邦からは可能な限りの技術供給が決まった。また、俺たちが帝国と戦争している事も浅野元帥は話した。そこのところはまだ、織田家がどう介入するかしないかは決まらなかったが、互いの国の状況を知ることは再度確認することが出来た。そして、俺達は2日後、織田軍との連邦軍による大規模な合同演習を行うことが決定した。目的は稲葉山城の奪還を目的としたものだ。また、この演習において織田家の足軽や武将の一部から俺達と同様の武器を扱える歩兵科1個小隊と機甲科1個小隊が創設される事も決まった。そして、これらの決定した後、浅野元帥は本国へと戻った。
翌日、
午前8時
清洲前線基地 演習場
司令官「各車!!前進!!」
と朝から自分のティーガーに乗って指示を出しまくる。まだ、4月から入隊した新米達は必死に訓練に励んでいた。そんな中、俺も久しぶりに教官として今回の訓練に参加する事になった。担当は機甲科で、主にドイツの戦車においての訓練が中心なる。しかし、戦車に乗って間もない新米達は操縦手がギアの変速を間違え、戦列を乱したり、ずっと動かずにいる的を狙い続ける車輌もいた。そんな新米達に対して俺は、容赦なく
司令官「ギアを間違える操縦手がどこにいる!!お前の行動を次第で搭乗員全員の命を危険に晒すことになるんだぞ!!」
や、
司令官「止まったまま撃つな!!相手からしたら格好の的だ!!」
などかなりきつめに怒鳴る。
そして、2時間後
司令官「20分間、休憩をとる。各自、水分補給をしておけ!!」
と俺は言うと、一旦演習場を離れた。
そして、残った新米達は
岡島「ハァ~、疲れた。」
杉野「もう、手が上がらないよ。」
と皆んな疲れていた。
寺坂「ったく、何が訓練だよ。ただの虐待の間違いだろ。」
と愚痴を言うが、
カルマ「いや、むしろ言われて当然だろ。今の俺達はあの人に勝つなんて不可能なんだから。」
渚「どう言う意味。」
カルマ「そのままの意味だよ。大杉大佐が、今までに敵戦車を何量倒してきたと思ってる。」
渚「何台なの。」
カルマ「462量だよ。」
岡島「462!?」
と岡島が驚く。
カルマ「連邦のデータベースでは正式な記録だけでも1日に87両も撃破した記録が残ってるし。現在、5両倒しただけでも戦車エースと呼ばれるのに。」
杉野「そんな数どうやって。」
と話していると、
司令官「常に周りを見て、一発、一発の撃ってから着弾までの感覚と距離を忘れずに次に活かしてるからだよ。」
とそこには戻ってきた司令官の姿があった。
司令官「俺は常にいつ何処からでも撃たれると思って動いてるからな。戦車っていう物は確かに装甲が硬くて、強い乗り物だが、死角が多い。そんな死角の多い車輌が常に敵を見つけるには戦車長が戦車の目となるしかないんだよ。」
と俺はアドバイスする。
司令官「戦車長の判断が一つでもミスれば搭乗員全員の命が失われる事もある。それを忘れずにやれば、必ず生き残れる。この後の訓練で戦車長は今の俺の言った事を考えた上でやってみろ。他の搭乗員も常に戦車長がどう指示するかを考え、いつでも対応できるようにしておけ。では、残り休憩時間をしっかりと有効活用しろ。」
と言うと、俺は自分のティーガーに乗り込んだ。
午前10時30分
休憩も終わり、新米達は再び戦車の訓練に励む。この時間からは本格的な不意打ちを食らった時を想定した訓練を行なっていた。広い演習場には教官が指揮する戦車達があらゆる所で待ち伏せている。そんな中、新米達は決められたルートを進み、目的地を目出すと言う訓練だ。
そして、新米達は
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
としっかりと戦車で陣形を維持しつつ、前進する。
渚「此方、2号車。敵は視認できず。」
磯貝『了解。各自警戒を怠るな。教官達はどこで待ち伏せているか分からない。』
と無線で連絡し、前進していると、
寺坂『前方に草原。』
磯貝『ヤバいな。此処を真っ直ぐ進んだとしても隠れる場所がない。』
と話していると、
ヒューン
ズドーン
突如、砲撃がくる。
磯貝『一体、何処から!?』
渚「恐らく、北から。」
と言うと、
磯貝『分かった。各車応戦せず、迂回する!!』
と言うと、新米達達が乗るⅣ号戦車H型、全てが右に方向転換する。そして、その後無事に新米達はゴール地点にたどり着くが、
ズドーン
ズドーン
ズドーン
ドガーン
ドガーン
ドガーン
渚「此方、走行不能!!」
と新米達が乗る四号戦車H型の全車が、ゴール手前で待ち伏せしていた一両のティーガーが放った演習弾によって走行不能となった。
午後6時
清洲前線基地 食堂
厳しい訓練を終えた新米達はようやくまともな休憩とも言える時間がやって来た。
杉野「ハァ~、疲れた。」
渚「そうだね。流石に疲れたね。でもまさか、ゴールの手前で待ち伏せしてるなんて、正直想定外だったね。」
カルマ「いや、そりゃあの人ならその方法でくるでしょ。だって、あのティーガーは・・・・・。」
同じ執務室では
一村「まさか、ゴールに先回りするとはずる賢い事を・・・・・隊長。」
司令官「実戦では、ずるいも何もない。相手の目的地が分かったなら、その周辺の防御を固める。お前にも教えた筈だぞ。」
一村「そうでしたね。明日から、演習ですか。」
司令官「あぁ、これが終われば、いよいよ斉藤軍と決着を着ける予定だ。」
一村「その後は・・・・。」
司令官「やれる事をする。それだけだ。」
と言いうと、俺と一村は沈んでいく太陽を見続けた。
翌日
午前9時
兵士「って〜!!」
ドーン
ドーン
ドーン
ズドーン
ズドーン
ズドーン
ドドドドドドドドドド
織田軍「ウオーーー!!」
壬月「進めー!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ズドーン
ズドーン
と朝から始まった織田軍との合同演習。主な戦略は平原においての攻略。まず、砲兵部隊が敵部隊に向かって砲撃、その後戦車などの機甲師団によって編成された部隊とともに織田の騎兵隊が前進。タイミングを見計らって、一気に織田の騎兵部隊が突撃、敵部隊が混乱したと同時に騎兵隊は一時撤収、その後、織田の足軽と我々の歩兵部隊が一気に敵部隊に肉薄攻撃を仕掛けるという戦略だ。
清岡「撃てー!!」
ズドーン
ズドーン
とずっと発砲音が響き渡る。
それを俺は演習場から1キロ離れた場所で机に広げられた地図と部隊の動きを双眼鏡で確認し、指揮を行いつつ、様子を見ていた。
司令官「よし。次の段階に移行。各部隊に連絡を。」
通信兵「了解。」
と俺は双眼鏡で動き見て、すぐに通信兵に指示を出す。すると、
詩乃「どうして、自ら出陣なされなかったのですか。」
の詩乃が聞いてくる。
司令官「今回の演習において参加している兵士の約8割は新米達だ。その新米達がどれほど昨日の厳しい訓練から成長したかを見るのが今回の演習の目的だ。俺はそれをしっかりと見ていたんだよ。まぁ、今日はゆっくり此処で指揮を取らせてもらうよ。通信手、状況は?」
と俺は再度確認を行う。その後も順調に演習は進み、合同演習は幕を下ろした。
午後9時
執務室
ホゥー、ホゥー
と俺たちの日本では珍しいフクロウの声が聞こえてくる。演習を終えた兵士達は皆、疲れきったのかいつものはしゃぐ声が聞こえない。
司令官「ふぅ~、次は美濃との決着か。稲葉山城。どう落とすか。」
と俺は偵察部隊から手に入れた情報を元に稲葉山城周辺の地図を見る。
司令官(史実では稲葉山城を落とすきっかけになったのは豊臣秀吉が川に流した木材で、一夜城を建てた事で決着がついたと言われている。確かに史実に合わせて、一夜城のように前線拠点を造るのも一つの案だ。しかし、相手は自然を活かした城。どうすれば・・・・・・。)
と考えいると、
ガチャ
みほ「失礼します。」
とみほが入ってくる。
司令官「おぉ、みほか。何か用か。」
みほ「うぅん。特に用はないけど。外歩いてたら、執務室の電気がまたついてたから。また、作戦を練ってるの。」
司令官「あぁ、稲葉山城の攻略があるからな。少しでも損害を抑えないといけないからな。」
そう言いつつ、俺は地図を見る。
みほ「少しくらい、休んだら。仕事も大事だけど、たまには・・・・・。」
司令官「悪いが、そうはいか・・・・・。」
と言いたかったが、みほが心配そうな顔をしてたので、
司令官「分かった。少し休むよ。お茶を取ってくるよ。」
と言って俺は執務室の隣にあるお客用のお茶を取りに行った。
午後9時5分
司令官「此処の任務には慣れたか。」
みほ「うん。まだ、分からないこともあるけど慣れてはきたかな。」
と俺とみほは話す。みほの大洗を中心とした部隊は後方においての警護及び、偵察を主任務している。
みほ「この世界の日本はまだ平和な方だね。」
司令官「そうだな。だが、敵がいることには変わりない。だが、俺たちの世界と比べたら何倍もマシだな。」
と話していると、
ヂリリリリリリ
と電話が鳴る。俺は直ぐに受話器を取ると
一村『隊長。緊急である人物が隊長に会いたいと。』
司令官「誰だ!!そいつの名は!?」
と言うと俺はお茶を軽く飲む。すると、
一村『最原レイカ中佐という方です。』
司令官「ブフーー!!」
と俺は一村から口から出た名前を聞いて吹く。そして、
司令官「分かった。直ぐに行く。」
と伝える。すると、
みほ「勇人君。レイカって誰のこと。」
とみほが聞いてくる。
司令官「えーと、連邦の士官学校で椿や岡本、俺と同じ同期なんだが・・・・・・ちょっと、まぁ・・・・・取り敢えず出迎えに行ってくる。」
と言って、俺は外に出た。
午後9時20分
清洲前線基地 正門
レイカ「勇人ーーーー!!!!」
と正門に着くと同時にレイカが手を振ってくる。
司令官「ハァ~。マシか。」
と呟きつつ、俺はレイカの元に向かった。そして、
司令官「お前なぁ、来るなら連絡しろよ。というかいつ日本に戻ったんだよ。」
レイカ「3日前だよ。それより、ようやく前線に戻ってきたんだね。同期としても嬉しいよ。」
司令官「戦局的な面もあったからな。まぁ、今じゃ大部隊の指揮を取らせてもらってるよ。」
と話していると、
一村「あのー、隊長。この方は一体・・・・・。」
とずっと正門で俺を待ってくれていた一村が聞いてくる。正直、存在自体忘れいたが。
司令官「あぁ。一村にとってレイカは初対面だったな。藤原レイカ。俺と同期で、今までヨーロッパにおいての連邦軍の教育や前線においての指揮をしていたんだ。」
と紹介すると、
レイカ「階級は、中佐だから。よろしくね。」
とレイカが言うと、
一村「隊長と同期!?失礼しました。自分は、隊長の元で働いています一村です。」
と敬礼しながら、話す。
レイカ「一村君か。ヨーロッパでも話題になってるよ。英雄を補佐する有能な兵士って。」
司令官「そんな風に一村は言われてるのかよ。」
と言いつつ、普通に話しているが、
司令官(ヤバい。レイカと俺と過去の関係だけはバレないようにしないと。)
と心の中で俺は思っていた。
翌日、
午前9時
会議室
椿「レイカ?なんで、貴方がここに居るのかな。」
と朝から俺が最も恐れていた事態が起きた。
レイカ「何でって言われもねぇ。同じ士官学校で育った仲なんだから会いに来るのは当然だよね。」
椿「へぇ~。日本で私達が必死に戦ってる中、空気も読まずにヨーロッパに行った兵士に仲間を思う気持ちがあったなんて、以外だねー。」
レイカ「そうよ。何処かの年中想いも伝えられないへっぽこ女兵士さんと違って私は度胸があるから。」
椿「ふうーん。そんな事を言いに来たの?それより、この部隊の所属じゃないなら、早くこの部屋から出て行ってくれないかな。今から、大事な会議があるんだけど。」
レイカ「残念ねー。それは出来ないわ。私も本日付けで、勇人の元に就く事になったから。」
椿「へえー。なら、せいぜい私の足を引っ張らないでね。」
レイカ「それは、こっちのセリフよ。」
椿「・・・・・。」
レイカ「・・・・・。」
と朝から女の戦争の火種がくすぶる中、俺は
司令官「えぇ、そろそろ会議の時間なので着席しろ2人とも。一応、久遠達も来てるんだから。」
と言うと、
椿・レイカ「・・・・・・はい。」
と言って席に着く。これより行われる会議の目的は美濃において決着を着ける事においてだ。つまり、稲葉山城を落とす事が目的だ。そして、
司令官「これより、稲葉山城奪還作戦における会議を始める。まず、今回の作戦においては織田と我々、連邦における共闘戦において今までにない大規模なものとなる。では、これより会議を始める。まず、・・・・・。」
と会議は始まり、久遠達や情報を共有しつつ、作戦の手順について話し合った。そして、会議は昼間を挟み、約8時間も続いた。
午後6時
執務室
司令官「ふうー。やっと、作戦がまとまった。これで、ようやく美濃との決着が着く。」
久遠「あぁ、ようやく結菜の故郷を取り戻せる。・・・・・・勇人。お前はこの戦が終わったらどうするのだ。」
司令官「さぁ、上から命令があれば従うが、それまではやれる事を適当にやるよ。」
と俺が久遠に言うと、
久遠「・・・・・勇人。お主はどう思ってるのだ。余のことを。」
司令官「いや、特に何も・・・・。」
と返すと、
久遠「ほんとに何も思っておらぬのか!?お主は余の夫となる男だぞ!!その余に対して何もとはどう言う事だ!?」
司令官「はあ!?お前、何言ってんの!?」
久遠「勇人。お前はこれからも私の元で、いや夫となる男として我を支えよ。これは織田と連邦との同盟においての新たな約束じゃ。よいな!!」
と久遠が顔を赤くして、強く言ってくる。
司令官「分かったよ。」
と俺は久遠と目が合わないように目を逸らして答える。
久遠「よし。なら、我は言うことはもうない。では2日後に。」
と言うと久遠は部屋を出て行った。そして、
司令官「ハァ~。女って難しい。」
とため息を吐き、そう呟いた。そして、
司令官「いよいよだな。これで斉藤軍との決着が着く。」
と言いつつ、俺は執務室の窓から外を見る。そこには、
清岡「急げ!!2日後には出撃だ!!おい!!そこの物資は第6小隊に回せ!!」
と清岡の指示の元、出撃の準備が進められていた。そして、その光景を見つつ、
司令官「やる事をする。それだけだ。」
と言って、俺は窓からの光景を見続けた。
続く
《兵器解説コーナー》
Ⅵ号戦車ティーガー・・・1942年にドイツで開発された重戦車。主砲に8.8センチ高射砲を戦車搭載型に改造した56口径8.8センチ砲を搭載しており、装甲は垂直装甲100ミリである。この装甲は1942年当時においてソ連のT-34やアメリカのM4シャーマンでは正面から撃破する事は困難であるが、一方のティーガーはこれら連合国軍戦車を約3000メートルから撃破が可能であり、これらが原因で連合国軍においてはティーガーショックというティーガーを見るだけでパニック状態となる兵士が続出し、一時は連合国軍において大きな脅威となったドイツを代表する戦車である。また、これらティーガーの出現により各国では更なる装甲や主砲を強化した戦車の開発が行われ、これの経験は戦後においてMBT(主力戦車)の開発の原点にも繋がっている。
次回、美濃最終決戦編です。お楽しみに!!
このSSへのコメント