2022-03-12 10:18:47 更新

20○○年9月○日

午前12時

東京湾


東京の空襲を阻止した俺たちは、今無事に東京湾まで帰還することができた。

司令官「よし、なんとか第1フェーズは成功したな。」

と言っていると、

加賀『こちら、加賀。提督。予定通り、着艦の許可がおりました。早急に着艦をお願いします。』

と俺の零戦の無線から聞こえてくる。

司令官「了解。すぐに着艦する。」

そう言うと、俺はあるポイントに向かった。

そして、そのポイントに着くと、

司令官「見えてきた。」

そこには、堂々と東京湾を航行する空母9隻の姿があった。航空母艦赤城、加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、ホーネット、グラーフ・ツェッペリン、アークロイヤルだ。その周りには多くの駆逐艦も確認できる。そして、俺は赤城共に先頭を並列して航行する空母加賀に向かって着艦態勢をとる。

ブーン

ドンッ

キーーーーーーーーーーー

無事に着艦する事に成功した。そして、俺が零戦から降りると、

作業員「格納を急げ!!」

と作業員達が集まってきて、すぐに格納し始める。

すると、

加賀「提督、お疲れ様。」

と加賀が近づいてきた。

司令官「あぁ、そっちこそお疲れ。予定通り、敵爆撃を撃墜する事に成功したよ。今頃、大和達が攻撃を仕掛けているところだろう。」

と加賀と話していると、

ブーーーーーン

二式単座戦闘機鍾馗が着艦してくる。

すると、

ラーラ「大佐!!」

と鍾馗からラーラが降りてくる。

司令官「お疲れ。」

ラーラ「あの、あの時はありがとうございました。」

司令官「別に良いって。俺はただ当たり前の事をしただけだから。」

ラーラ「でも、・・・・。」

司令官「すぐに、また出るから。それまで、休んでおけ。」

そう言うと、俺は加賀共に艦橋へ向かった。


航空機母艦加賀の艦橋

司令官「入るぞ。」

と俺が艦橋に入ると、

隊員「一同!!司令長官に敬礼!!」

と全員が俺を向いて敬礼する。

司令官「うん、仕事に戻ってくれ。」

そう言うと、隊員達は自分の仕事に戻る。

そして、艦橋にある作戦地図を見る。

司令官「加賀。現在の状況は。」

と聞くと、

加賀「現在、私たちは第2攻撃部隊と合流するためにCポイントに向かっているわ。ここで、軽空母龍驤、飛鷹、隼鷹、祥鳳、瑞鳳、千代田、千歳、戦艦扶桑、山城と合流する予定です。その後、私たちは南東に向かい奇襲部隊と合流、そのまま敵艦隊に攻撃する予定です。また、奇襲部隊である戦艦大和、武蔵、長門、陸奥、金剛、比叡、伊勢、日向、駆逐艦秋月、涼月、不知火、陽炎、軽巡長良、五十鈴、重巡高雄、古鷹、加古、青葉、衣笠、妙高、那智が既に敵艦隊に対して攻撃を開始、敵はハボクックを護衛しつつ距離を取っているわ。」

司令官「敵艦隊の数は。」

加賀「ハボクックを中心に、空母が3隻、戦艦が2隻、重巡4隻、軽巡5隻、駆逐艦8隻よ。既に、軽巡一隻を撃沈したわ。」

司令官「分かった。ではCポイントで合流が完了次第、地上攻撃部隊にも連絡しろ。指揮は兄貴に任せる。」

加賀「了解しました。」

そう言うと、加賀は

加賀「それにしても、よく許可が下りましたね。正直驚いています。」

司令官「あぁ、上の連中を説得するのに苦労したよ。」

そう。元々、この作戦を立てるのには正直苦労した。何故なら、

今から10日前


緊急会議での作戦会議中

司令官「浅野元帥。ここでお願いがあります。」

浅野「何かね。」

司令官「例の艦隊の出撃許可をお願いします。」

浅野「!!」

俺がこれを言った途端、周り騒がしくなった。この中には例の艦隊の事を知る者もいれば知らない人物もいる。だが知っている者は

中将「そんな許可を出せるわけがないだろ!!」

大将「これは、極秘に行われてきたものだ。この作戦で失えば我々の敗北は明白だ。」

と反対された。しかし俺は、

司令官「確かに失えば敗北は確実ですが、その前に帝国は我々が艦隊を造っていることすら知りません。おそらく敵は我々が艦隊を持っていないと思い東京湾からそう遠くない所から爆撃機を発艦しているはずです。自分が思うにこの辺りでしょう。」

そう言うと、俺は地図に赤ペンで円を描く。

司令官「この辺りは、よく濃い霧が発生します。艦隊が身を隠すのには絶好のポイントです。ですので、まず我々、航空隊が敵の爆撃機隊に対して攻撃します。おそらく、第1波、第2波を退けた後、敵は早急に第3波の準備を始めるはずです。その間に、戦艦を主力とした艦隊で敵艦隊に対して攻撃を仕掛けます。目的は、この濃い霧があるポイントから敵を追い出すこと。そうすれば、我々航空隊も簡単に敵艦隊に対しての攻撃が可能となります。そして、敵がポイントから出てきたタイミングで残った航空隊と地上攻撃隊、そして空母から発艦する急降下部隊と雷撃部隊と共に敵艦隊に対して攻撃します。その間にも戦艦を主力とした艦隊にも攻撃を行ってもらいます。この方法なら勝てると思います。」

と説明すると

浅野「その方法であの巨大空母の撃沈は可能なのかね。」

司令官「いえ、それは無理です。」

浅野「相手の巨大空母の撃沈が目的ではないのかね。」

司令官「はい。今回の作戦での俺の目的はハボクックの撃沈ではなく中破もしくは大破させることです。これほど巨大な空母です。撃沈は容易ではありません。ですから、まずはハボクックからの甲板を使えない様にしなければなりません。おそらく敵は爆撃機を甲板から格納部分に収容するのは、時間が掛かると思います。ですので、この甲板にある爆撃機を狙って攻撃し、着艦及び発艦をできない様にすれば、敵はきっと撤退するはずです。」

浅野「なるほど、無理なリスクを背弱すに、可能な限りのことをする。それが君の作戦というわけか。」

司令官「はい。そうです。」

浅野「・・・・・いいだろう。許可しよう。」

司令官「ありがとうございます。」

こうして、この作戦が結構されることになった。その後、会議終了後、俺はおやっさん達ともに陸軍の戦闘機の着艦と発艦ができるように零戦などといったフックを付けた。そして、パイロット達には空母加賀、赤城、鳳翔、グラーフ・ツェッペリン、ホーネットなどを使って着艦、発艦の練習を行った。そして、なんとか作戦実行日までに間に合ったのだ。

そして、今に至る


司令官「後は、無事に合流し、敵艦隊を叩くだけか。」

と言っていると、

加賀「提督、Cポイントに着くわ。」

と加賀に言われる。

司令官「了解。」

そう言うと、俺は双眼鏡で辺りを確認する。すると、

司令官「お、来た来た。」

そこには、

軽空母6隻と戦艦4隻、駆逐艦数隻が確認できた。しかし、

司令官「あれっ!?加賀、戦艦って2隻だけのはずだったよな。」

加賀「えぇ、そうよ。」

司令官「俺が見る限り、戦艦が4隻なんだけど。」

そう言うと、加賀も双眼鏡で確認する。

加賀「確かに4隻ね。扶桑と山城は分かるけど後ろの2隻は分からないわ。」

そう言うと、俺も再び双眼鏡で確認する。そして、よく見ると後ろに戦艦2隻にはそれぞれドイツとアメリカの国旗が高く掲げられていた。

司令官「あれは、戦艦アイオワとビスマルクだな。」

加賀「何故、海外の戦艦が参加しているの。確かその2隻は進水が終わったばかりでまだ出撃できる状態ではなかったはずよ。」

司令官「知るか。おそらく、あの2人が勝手にやったんだろう。まぁいい。戦力が増えることに越したことはない。各艦、予定通りポイントに向かうぞ。そして、攻撃部隊は発艦、兄貴にも連絡を頼む。」

加賀「了解。」

そう言うと、俺は艦橋から降りる階段に向かう。すると、

加賀「提督。」

司令官「ん?」

加賀「必ず戻って来てください。」

司令官「分かってるよ。」

そう言うと、俺は階段を降りて格納庫に向かった。


午前12時23分

加賀の格納部分


格納部分につくと、直ぐに零戦に搭乗する。すると、

おやっさん「お前に言われた通りに、250キロ爆弾を付けておいたぞ。」

とおやっさんが言ってくる。

司令官「ありがとう。」

おやっさん「じゃあ、上げるぞ。」

そう言うと、格納エレベーターが上がり始める。

そして、上がり終えると、作業員が零戦右翼と左翼を押し、発艦態勢に入る。そして、全員作業員が退避すると、発艦よしと言う旗信号を確認できると、

ブーーーーーン

一気に速力を上げ、そして、

ブーーーーーン

無事に発艦に成功した。

その後も、次々に空母から戦闘機や攻撃機が発艦した。また、途中では地上攻撃隊も合流、一式陸攻、Ju88、二式大艇、ウェリントンMkⅡ、B-34などが編成に加わり、大規模な攻撃部隊のここに集まったのだ。数はおよそ600近くだった。

司令官「これぐらいあれば、敵艦隊に対して効果は絶大だろうな。」

そして、無線越しに

龍斗『予定通り、全機が集まったぞ。』

司令官「了解。全機、敵艦隊と元に向かうぞ。」

こうして、俺たちは敵艦隊に対して反撃が始まったのだ。


一方、奇襲を任された大和達は、

ズドーン

ズドーン

ズドーン

大和「全艦、そのまま攻撃を続けて下さい。」

航空部隊が敵艦隊を攻撃できる場所まで追撃していた。

ズドーン

ズドーン

金剛『もう、全然当たらないです。このままでは、提督に良いところが見せられません。』

大和「金剛さん。私たちの今の目的は敵艦隊の撃沈ではありません。敵をこのポイントから追い出すことが任務です。間もなく、霧が晴れます。そうすれば、提督が攻撃部隊ともに敵を撃退してくれるはずです。それまでの辛抱です。」

金剛「クッ・・・・分かったネ。」

すると、

ドカーン

突如、戦艦比叡の2番砲塔が爆発する。

金剛『比叡!!』

比叡『私達は、大丈夫です。』

大和「比叡さん。何があったんですか。」

比叡『敵の戦艦砲撃が1発、2番砲塔に命中しました。2番砲塔は大破。でも、まだ戦えます。』

大和「分かりました。各艦、このまま敵艦隊を追撃してください。後少しです。このまま行けばきっと・・・・。」

観測員「右舷より敵機複数接近!!爆弾を抱えています!!」

突如、上空を確認していた観測員が叫ぶ。

大和「!!」

大和が右舷上空を見ると、そこには爆弾を装備したF6F、7機が一直線に向かって来ていたのだ。

大和「全艦、対空砲火!!」

ダダタダダダダタダダ

ダァーーーーーーーーーーン

ダァーーーーーーーーーーン

敵機に対して、あらゆる艦が対空砲火を始める。

ダァーン、ダァーン、ダァーン、ダァーン

防空駆逐艦秋月と涼月が敵機に対して必死に10センチ高角砲を撃ちまくる。また、伊勢と日向も

伊勢「噴進砲、ってー!!」

日向「放て!!」

F6Fに向かって12センチ30連噴進砲を放つ。そのおかげもあってか、

ブーーーーーン

ブーーーーーン

F6Fは次々に堕ちっていった。しかし、

ズドーン

ズドーン

大和「キャア!!」

追撃している敵艦隊からも攻撃を受ける。

大和(このまま、追撃を続ければ多大なる被害を出しかねない。)

と思ったその時、

観測員「敵艦隊、霧を抜けます!!」

大和「!!」

大和はすぐに双眼鏡で確認すると、敵艦隊が霧を抜け、眩しい太陽の光を浴びる光景が広がっていた。そして、敵艦隊が霧を出たと同時に、

ドカーン

突如、敵艦隊の旗艦ハボクックのすぐ後ろを航行していたエセックス級の空母の甲板が爆発する。

そして、それと同時に

司令官『こちら、攻撃部隊。これより敵艦隊に対して攻撃を開始する。奇襲部隊はすぐさま攻撃艦隊と合流せよ。』

と無線が入る。

大和「全艦!!予定通り、合流します。面舵一杯!!」

と大和を主力とした艦隊は航路を味方艦隊の元へと変える。そして、その空では既に多くの味方航空隊が敵艦隊に向けて照準を捉えていた。

そして、その攻撃部隊の指揮を担うのが、


司令官「全機!!突撃!!」

ブーーーーーン

大和達の追撃で、敵艦隊は霧が出て、俺たちがいる上空からも確認できるようになった。そして、遂に航空隊による反撃が行われた。俺の指示を出すと、次々に攻撃隊が敵艦隊に向かって急降下していく。そして、俺も

ダダタダダダダタダダ

ハボクックの甲板で出撃準備をしているHe 111に向かって攻撃する。そして、

ブーーーーーン

高度を再び上げる。

司令官「敵も少し間は飛べないだろう。」

俺が攻撃したHe 111は左翼のエンジンが炎上し、翼が折れる。そして、俺は高度を取りつつ周辺を確認する。

ドカーン

ドカーン

ダァーン

周りでは次々に帝国軍の艦が爆発している。急降下爆撃機や雷撃機が次々に敵艦に対して戦果を上げていく。

すると、

ドカーン

ドカーン

突如、大きな閃光とともに敵艦が爆発する。

司令官「着いたか。」俺が後ろを確認すると、その視線の先には、ビスマルクとアイオワを先頭に、軽巡洋艦や駆逐艦が敵艦に対して砲撃を開始する。

また、大和もこれに合流し、敵艦に対して攻撃を続ける。

司令官「よし、これなら勝てる。」

そして、俺は無線を取り、本部に繋ぐ。

司令官「こちら、大杉です。予定通り作戦は成功しました。後は、敵艦隊に対して攻撃を続けるだけです。」

浅野『了解した。可能な限り敵艦を潰してくれ。そうすれば、帝国は日本に対しての攻撃が薄れるだろう。このまま、頼むよ。』

司令官「了解しました。」

そう言うと、俺は無線を切る。

そして、俺は再び敵艦隊に向かって行く。そして、

ダダタダダダダタダダ

容赦なく、敵艦に対して弾幕を浴びせる。すると、

タタタタタタタタタタ

突如、背後から攻撃を受ける。

司令官「!!」

俺は後ろを確認すると、1機のF6Fが張り付いていた。

司令官「チッ・・・。」

そう言うと、俺は回避行動を始める。

タタタタタタタタタタ

タタタタタタタタタタ

司令官「やれるもんなら、やってみろ!!」

そう言うと、俺は一気に零戦の速度を落とす。

ブーーーーーン

速度がほぼない状態で、俺は機首を引き、高度を一瞬だけ上げる。そして、

ブーーーーーン

俺の機体はF6Fの目の前で上に一回転する。

その間にF6Fは俺の真下を通過して行く。その時、俺の零戦は敵に対して後ろを取っている状態となる。そして、俺はその瞬間を見逃さずに

ダダタダダダダタダダ

F6Fに対して弾幕を浴びせる。

そして、

ダァーン

ブーーーーーン

敵のF6Fは爆発し、火に包まれて落ちていった。

司令官「よし。」

そう言うと、俺はすぐに機体を水平に戻す。

そして、俺は再び敵艦に対して攻撃に向かう。しかし、向かい始めたその瞬間、

一村『隊長!!大変です!!ハボクックが戦線から離脱を開始しました!!』

と一村から無線で連絡がはいる。

司令官「何が大変なんだ?」

一村『よく見て下さい!!』

そう言われたので俺はハボクックを確認すると、

司令官「!!」

そこには、戦線から離脱しつつあるハボクックの甲板から発艦しようとしている。He 111の姿があった。

司令官「まずい。」

そう言うと、俺は無線を取り全体に繋ぐ、

司令官「この作戦に参加する全てに告ぐ!!現在ハボクックから1機の爆撃機が発艦しようとしている!!このままでは、東京に爆弾が落とされる可能性がある!!早急にハボクックに対して攻撃を集中しろ!!」

そう言うと、俺は無線を切り、ハボクックに向かう。また、他の航空機も次々にハボクックに向かう。しかし、

ダダタダダダダタダダ

敵のF6Fがこれを妨害する。

キリト『悪い。敵の妨害が激しくて、ハボクックに近づけない。』

とキリトから無線が入る。

司令官「チッ・・・・。俺がやるしかない。」

現在、俺の零戦には1つの250キロ爆弾が装備されいる。方法は1つ。この爆弾でハボクックを大破に持ち込む事だ。そして、俺は低空でハボクックに向かって行く。


一方、ハボクックでは

艦長「急いで、爆撃機を発艦させろ!!少しでも多く東京に爆弾を落とし、被害を与えるのだ!!」

爆撃機の発艦準備が進められていた。既に、ハボクックは艦隊から離脱していた。既に、艦隊の多くが大破もしくは撃沈されおり被害が少ないのはハボクックだけだった。

艦長(ここまで、連邦が手強いとは・・・。この屈辱必ず忘れん。)

と思った瞬間、

観測員『後方より、低空でこちらに近づく機体がいます!!あれは・・・・・零戦です!!爆弾を抱えた白い零戦がコチラに突っ込んできます!!』

と報告が入る。

艦長「すぐさま、撃墜しろ!!」

そう言うと、あらゆる火器が白い零戦に対して火を噴く。

ダァーン

ダァーン

ダァーン

特に、VT信管を装填した砲が次々に撃ち込まれる。しかし、

観測員「当たってないぞ!!」

観測員「VT信管が手前で機体の手前で爆発している!!」

観測員「海面の反射に反応している!!」

零戦は尚も対空砲火の中近づいてくる。

観測員「何をしている。早く落とせ!!」

観測員「ダメだ。全然当たらない。アイツ、イカれてやがる。」

観測員「突っ込んでくるぞ!!」

零戦はさらに近づいてくる。しかし、その瞬間、

ブーーーーーン

観測員「上空に1機!!爆弾を抱えてるぞ!!」

さらに上空から1機の二式単座戦闘機鍾馗が急降下で突っ込んでくる。

そして、

ピューン

左翼と右翼にそれぞれ搭載された100キロ爆弾を投下する。そして、

ドカーン

ドカーン

爆弾は右舷対空砲と後方エレベーターに直撃し、爆発する。

整備士「クソ、爆弾が命中した。消化を急げ!!」

整備士「エレベーターをやられた!!操作不能!!」

と整備士はすぐに修理取り掛かる。しかし、

観測員「もう1機突っ込んでくるぞ!!」

その間にも、白い零戦は低空でハボクックに近づいてきていた。そして、ハボクック後方で

ブーーーーーン

ハボクックの後ろで一気に高度を上げ、そして、

ブーーーーーン

先程、破壊されたエレベーターに向かって急降下する。

ダン

ダン

ダン

ダン

ハボクックの船員は全力で零戦に向かって対空火器を向け、撃ちまくる。しかし、零戦には当たることなく、そして、

ピューン

零戦は爆弾を投下する。そして、爆弾は一直線にエレベーターに向かって落ちていく。そして、

ダァーン

爆弾はエレベーターを貫通し、格納庫に落ちる。そして、

ドカーン

エレベーターから大きな炎が上がる。しかし、それだけではなく、

ドカーン

ドカーン

ドカーン

ドカーン

次々に、ハボクックの内部で爆発が起き、炎が大きく立ち昇る。

そう。エレベーターを貫通した爆弾は、格納庫内で爆発し、格納されていた爆撃機に次々と誘爆、また爆弾を機体に搭載する作業を行なっていたため、爆弾にも誘爆、ハボクックは一気に大破した。また、爆発が原因で甲板にの上で待機していた爆撃機も全て破壊された、航空機の発艦は不可能となった。しかし、航行はまだ十分に可能だった。

そんな中、それを見届けるように撤退して行く零戦と鍾馗の姿があった。


司令官「ふぅ、間に合った。」

俺はハボクックに爆弾を命中させると、一気に距離を取り、ハボクックの撤退を確認をすると、まっすぐに基地に向かった。すると、

ブーーーーーン

先程、俺の援護をしてくれた鍾馗が俺の横に並んでくる。俺はその鍾馗を見ると、機体にはグロリアの部隊のマークである白いユリが描かれていた。すると、その鍾馗から

ラーラ「大佐。やりましたね。」

そう。先ほど、俺を援護してくれたのはラーラだったのだ。

司令官「ラーラか。」

ラーラ「すいません。勝手な事をして。」

司令官「いや、お前の援護がなければ、たとえハボクックに爆弾を命中させたとしても、俺はおそらく撃墜された。お前が対空砲を削ってくれたおかげ、爆弾をうまく命中できた。ありがとう。」

ラーラ「そんな、言うほどではありません。私はただ守りたかっただけです。」

司令官「何を?」

ラーラ「大佐をです。」

司令官「・・・・・なぜ、俺なんだ。」

ラーラ「大佐はこんな私にも居場所をくれました。だけど、この居場所は大佐がいなければ何の意味もありません。もう、ボクいえ、私は居場所を失いたくありません。だから、守りたかった。自分のためにも大佐のためにも。」

司令官「そうか。」

ラーラ「大佐。私、夢があるんです。」

司令官「夢?」

ラーラ「平和な世界で、家庭を持ち、ちゃんと自分の手で子供を育てたいんです。」

司令官「・・・・・。」

ラーラ「変ですか。」

司令官「いや、良い夢じゃないか。平和な世界で自分の子供を育てたい。女性としては普通だと思うぜ。」

ラーラ「そうですか。」

司令官「あぁ、だったら尚更死ぬわけにはいかないな。」

ラーラ「はい。」

司令官「帰るぞ。俺たちの家に。」

ラーラ「はい。」

すると、無線で、

一村『隊長。』

と一村から無線がはいる。

司令官「どうした。一村。」

一村『コチラの敵航空隊の掃討が完了しました。撤退したハボクック以外は既に大破して航行不能もしくは撃沈し、現在海面には多くの帝国兵が漂流しています。どうしますか。』

司令官「・・・・・・・・救助しろ。」

一村『・・・・良いんですか。また、上から言われますよ。」

司令官「構わない。責任は俺が取る。だから、すぐさま救助活動を開始しろ。水上機や駆逐艦などを中心に救助を行え。漂流している者は全員救助白。俺も今からそちらに向かう。それまでは、指揮を頼んだぞ。一村。」

一村『了解です。』

そう言うと、無線は切れる。そして、

司令官「ラーラ。すぐに加賀と元に戻るぞ。」

ラーラ「はい。」

その後、俺たちは加賀の元に無事に戻ることができた。そして、それからは救助活動を行った。救助活動にはアメリカのPBYや日本の二式大波艇などが大きく活躍した。また、駆逐艦も救助活動を行い、計300名近くの帝国兵の救助に成功した。そして、この戦いで連邦は初めて海戦で帝国軍に対して勝利を収めた。これにより、世界各国の連邦や同盟軍からは歓喜の声が上がった。こちらは戦艦比叡や長門が中破しただけで、艦隊にとって大きな被害は受けなかった。しかし、それとは逆で航空隊には多大なる被害が出た。参加していた800名近くのパイロットうち、約200名近くか死傷した。特に第2派の爆撃隊の迎撃の際に110名が死傷。多くの兵士がこの日本を守るために空で散っていったのだ。そして、この先も多くの人が亡くなることは誰もが分かっている事だった。今回の戦いで連邦が艦隊を保有している事は知られてしまった。そのため、これからはさらに一層戦いの激しさを増すだろう。だが、俺たちはまだ、帝国の本当の力を知らなかったのだ。そして、この時、既にあの地獄の戦線で大きな戦いが再び起きようとしていたのだった。



























後書き

いつも読んでいただきありがとうございます。今回からこの作品「デビルと仲間たち」をハーメルンでも投稿する事にしました。是非、ハーメルンの方でも読んでみて下さい。それでは、次回もお楽しみに。


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2022-07-10 21:12:25

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1: SS好きの名無しさん 2022-03-13 23:04:06 ID: S:qnrr_a

待ってましたぁ。
いつも楽しみにしています。
頑張ってください。

2: SS好きの名無しさん 2022-04-06 12:29:45 ID: S:kUeFAE

Ⅴ1(ドイツ国のミサイル)
Ⅴ2(同じく)
me264(ドイツ国の大型爆撃機)
センガー(ドイツの大陸間爆撃機)
BⅤ238(ドイツの大型水上機)
B29(アメリカの大型爆撃機)
Ho229(ドイツ国の大型戦闘爆撃機)
HS293(ドイツ国の誘導爆弾)
フリッツⅩ(同じく)
とかどうですか?


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