2021-12-10 15:22:55 更新

前書き

今回から、主人公の名前は、大杉勇人にします。



20○○年5月○日

5時


まだ、日が明ける前の時間帯に、俺たちは東京にある連邦軍が所有している駅に向かって前進していた。

キュルキュルキュルキュル

艦娘の中には、眠い者もおり、車長と操縦手以外は、仮眠の許可を出した。

司令官「暇だな。」

俺のティーガー装甲車両の後ろを着いていくだけなので、正直暇だった。

そんな時間が、1時間半続いた。


6時30分

東京連邦臨時駅


予定通りに駅に着く事ができた。既に、多くの兵士や戦車それに弾薬に野砲など、全て北海道に向かう兵士たちだ。

すると、

龍斗「愚弟。」

司令官「兄貴も着いていたのか。」

龍斗「まぁな。後ろのヤツらがお前の部隊か?」

司令官「そうだ。」

龍斗「本当に艦娘に戦車の訓練をさせていたのだな。」

司令官「どうしても、一緒に戦いたいだとよ。」

龍斗「そうか。」

司令官「兄貴の戦車最新鋭の戦車ばかりだな。流石、大佐というところだな。」

龍斗「お前も、階級が上がればすぐに乗れるようになるさ。」

兄貴の後ろでは、最近導入が始まったⅤ号戦車パンターが何両もいた。それだけではない。ナースホルンにフンメルそしてヤークトパンター、フェルディナントだ。正直うちとの戦力差がエグい。

司令官「兄貴の戦車は?」

龍斗「あれだ。」

兄貴が指を指した先には、かつてティーガーと同じく連合国を圧倒した戦車がいた。

司令官「ティーガーⅡ」

ティーガーⅡは、既に列車での運搬準備が始まっていた。ティーガーⅡは、まだ導入するか検討中であり、一両だけ試験的に導入されていると聞いていた。

龍斗「お前は、相変わらずティーガーか。」

司令官「こいつ以外に乗るつもりは、ないからな。」

龍斗「お前らしいな。そういうところは、親父とそっくりだな。」

司令官「父さんと?」

龍斗「ここ最近のお前の後ろ姿は、親父と似ている。」

司令官「父さんみたいな存在になれるには、程遠いけどな。」

龍斗「お前なりに強くなればいいんだよ。それじゃ、俺もまだ準備があるからな。後は、現地で話そう。」

司令官「そうだな。」

俺は、自分の部隊のところに戻った。

一村「さすが、龍斗大佐。戦車も歩兵の数も比べ物になりませんね。」

清岡「いいなぁ。ティーガーⅡ。俺も乗りたいよ。」

司令官「そんな、話をする暇があるなら戦車を運ぶ準備をしろ。」

俺たちも、戦車を貨物で運ぶ準備を始めた。

そして1時間後


午前7時30分

ついに、出発の時間になった。既に多くのテレビ局が報道のために、来ていた。兵士たちも列車の中から家族に手を振っていた。

ロニエ「提督。本当に戦場に行くのですね。」

司令官「そうだ。怖いのか?」

ロニエ「はい。」

司令官「怖いのは、当然だ。あの兵士たちも、死を覚悟して行くのだ。これが、家族と会える最後なのかもしれないのだからな。」

ティーゼ「私たちも死ぬかもしれないんですよね。」

司令官「安心しろ。お前たちを死なせるつもりはない。」

俺は、そう言って自分の席に座った。

そして、

ピー

発車の合図か鳴り響いた。それと同時にゆっくりと列車は進み始めた。兵士たちが乗っている車両からは、兵士たちが身を乗り出して家族に別れを告げる。これが最後になるのかもしれないのだから。

俺たちは、青森に向けて出発した。

着くまでの間は、俺はスマホでニュースを見ていた。

『今日、午前7時30分に横須賀鎮守府の部隊と大杉龍斗大佐の部隊が北海道に向けて出発しました。現在北海道では、帝国軍との激しい戦闘を繰り広げており、多くの連邦兵士が死傷しており、また物資も枯渇し始めているとの情報が入っています。この・・・・・』

司令官「姉さん、無事でいてくれよ。」

俺は、そう祈ることしかできなかった。

5時間後


午前12時30分

青森に着いた。俺たちは、そのまま港に向かった。港に着くと既に北海道から、避難してきた人でいっぱいだった。

司令官「凄い人だな。」

一村「こんなにたくさんの人が。」

すると、

清岡「隊長!悪い情報です!」

司令官「何だ!」

清岡「帝国軍が札幌から50キロまでに到達したとの情報です!」

司令官「!」

清岡「今、残った部隊で徹底抗戦をしていますが、いつまでもつか?」

俺は、兄貴の元に急いで向かった。

司令官「兄貴!」

龍斗「あぁ、来たか。」

司令官「札幌のことは?」

龍斗「こちらも聞いた。本部は増援を中止して北海道を捨てるつもりだ。」

司令官「バァ⁉︎」

龍斗「先程、本部からの命令だ。」

司令官「ふざけるな!ここまで来て!」

龍斗「・・・・・・。」

司令官「クソ・・・・・・・。」

龍斗「決めるのは、お前だ」

司令官「兄貴?」

龍斗「今この部隊の総大将は、お前だ。お前の命令ならなんだって動く。俺だけじゃない。他の連中も同じだ。」

兄貴以外にも、多くの隊長たちが俺の指示を待っていた。

司令官「兄貴、みんな。」

龍斗「総大将!命令をくれ!」

この時に、俺は決意した。

司令官「全部隊に告げる!これより、北海道に向かう!各員準備にあたれ!」

全員「はっ!」

そして、すぐに船での輸送が始まった。


30分後

午後1時時

俺たちは、北海道に上陸した。俺たちは、すぐに札幌に向けて進軍を開始した。札幌に向かう道は、避難民で溢れかえっていた。また、多くの輸送トラックも札幌に向かっていくのが、見えた。そんな中俺たちは、札幌に向かった。


2時間後

午後3時

俺たちは、札幌に到着した。既に、多くの兵士たちが緊張漂わせていた。俺は、札幌の検問所に着くと、1人の兵士が寄ってきた。

味方兵A「お前たちが、増援部隊か?」

司令官「そうだ。すぐに前線基地に向かいたい。」

味方兵A「ここを真っ直ぐに言った先にある。そこで大杉さゆみ大佐が指揮を取っている。」

司令官「姉さんが・・・・・。分かったありがとう。」

俺たちは、直ぐに前線基地に向かった。向かう最中道では、負傷した兵士や顔に布を被せられた兵士の遺体が歩道沿いに並んでいた。


札幌前線基地

俺たちは、前線基地に着くと、兄貴と共に姉さんの元に向かった。俺たちは、作戦を立てているテントに向かった。そのテントでは、何人もの人が出入りをしていた。俺たちは、テントに入り

司令官「第1増援部隊ただ今到着しました。」

すると、

さゆみ「勇人に龍斗、どうしてここに⁉︎」

司令官「俺たちが増援部隊だ。」

さゆみ「勇人!やっと前線に出られるようになったんだね。」

司令官「姉さん、喜んでくれるのはありがたいけど、今はやるべき事があるから。」

さゆみ「そうね。こっち来て状況を教えるわ。」

俺は、兄貴と共に姉に着いていく。そして、札幌を中心としたマップが机の上に置かれている所に着いた。

さゆみ「もう、知ってると思うけど、現在帝国軍は札幌から50キロを切っているわ。今は、ここから約40キロのところに防御陣地を築いている

   わ。」

司令官「敵は、どんな部隊で攻めてきてる?」

さゆみ「基本は、Ⅲ号戦車とⅣ号戦車を主力にしている戦車部隊が中心ね。こっちの戦車では、歯が立たないわ。」

龍斗「俺たちの部隊なら、真正面からやりあえるが、数が多すぎる。」

さゆみ「後、これはまだ詳しく分かっていないだけど、敵の一部隊にパンターが編成されていた部隊が目撃されているわ。」

司令官「マジか。うちの部隊じゃ、側面からじゃないと、撃破はできないな。」

さゆみ「2人には、それぞれ北と北西の防御について欲しいの。いいかしら?」

司令官「俺は、構わないけど、俺なりやり方で防衛をさせてもらうよ。」

龍斗「俺も、同じく。」

さゆみ「構わないわ。」

すると、

椿「報告に参りました。先程、北西の敵部隊の一部撃退に成功しました。」

まさか、ここで会うことになるとは思っていなかった。俺の部下を殺した張本人が、ここにいるとは、

椿「どうして、大杉君が⁉︎」

司令官「椿お前。」

俺が、P08を抜こうとする。しかし、

さゆみ「勇人やめて!」

姉さんが椿の前に立つ。

司令官「姉さんどいて。俺は、コイツを次に会った時に殺すと決めたんだ。」

俺は、P08を椿に向けて構える。

さゆみ「貴方の気持ちは分かるわ!でも、椿さんがいなければ、今頃札幌は落ちていたわ!」

司令官「どういうこと?」

さゆみ「帝国軍が上陸してくる前、私たちは椿さんの部隊と合同演習を行っていたの。そして帝国軍が上陸してきた時に椿さんは撤退もできた

   のにここに残って戦ってくれたの。だから、お願い殺さないで!」

椿「さゆみさん・・・・・」

司令官「・・・・・・・」

すると

龍斗「辞めておけ、愚弟。今は1人でも人員が必要だ。ここで殺しても損をするだけだ。それにこいつは、連邦のトップの娘だ。殺せば問題に

  なる。」

そう言われると、俺はP08をしまった。

司令官「今回は、姉さんに免じて許してやる。だが、お前は俺の部下を殺した。それを忘れるな。兄貴俺は、北西の防衛に着く。北は頼ん

   だ。」

俺は、そう言うとテントを出た。しかし、直ぐに後を椿は追ってきて

椿「待ってください!」

司令官「・・・・・・」

椿「私も今は北西の防衛に着いています。北西の防衛の指揮は私に任せられています。私の指示には従ってもらいます。」

司令官「断る。」

椿「なぜ、ですか!?」

司令官「さっき言ったよな。お前は、かつて俺の部下を殺した指揮官だ。そんなやつに命を預けるつもりはない。また、部下を失うのはごめん

   だからな。」

椿「私の気持ちも知らないくせに!」

司令官「知りたくねぇよ。味方を平然に見捨てる奴の気持ちなんか。」

俺は、そう言って自分の部隊の元に向かった。後ろを振り返ると、椿は涙を流していた。


午後4時

横須賀鎮守府部隊の待機場所

俺は、一村や長門などの中心としたメンバーを集めた。

司令官「これより、俺たちは北西の防衛に着くことになった。まず、最初に防衛に着く場所を決めたい。」

俺は、あらかじめに広げて置いた地図を見る。

司令官「現在ここから約40キロの所に味方が防衛陣地を築いている。ここの指揮を任せられているのは、朱雀院椿だ。」

一村「マジですかぁ。あの女が。」

清岡「今のところ一番組みたくない部隊ですね。」

司令官「俺も気持ちは同じだ。しかし、俺たちは単独で動く許可を得ている。そこで、俺はここで敵の戦車部隊を待ちぐせしようと思ってい

   る。」

俺は、防衛陣地から少し離れた先にある森林を指差した。

一村「たしかにここなら待ちくせにはピッタリですが、ここまでに向かう事が大変です。今は、雪が溶け始めて地面はぬかるんでいます。」

司令官「そこは十分承知の上だ。だが、ここで待ちくせにすれば、敵に気づかれることなく敵の側面を攻撃できる。」

清岡「対戦車砲もここに設置するんですか?」

司令官「もちろんだ。全部隊でここで待ちくせをする。」

林「マジで、疲れそう。」

司令官「誰か、他に良い案があるなら考え直すが。」

誰も何も言わない。

司令官「これでいいんだな。」

一村「まぁ、今のところ一番効果があると思うので自分は構いません。」

清岡「俺も同じく。」

林「私も。」

ロニエ「私も。」

ティーゼ「異論はありません。」

長門「私もだ。」

結果、俺の案が採用された。

司令官「よし、ではこれより出撃の準備にかかれ。」

全員「了解!」

直ぐに、戦車の燃料の補給や整備、対戦車砲の牽引準備などが行われた。

そして、


4時30分

俺たちは、出撃準備が整った。そして

司令官「全車両、前進!」

俺の合図と共に全ての車両が目的地に向かった。

目的地に向かうまでは、常に周りを警戒していた。

そして、走ること3時間


ついに北西の防御陣地が見えてきた。

そこでは、椿の部隊の戦車が車体を隠して待機していた。

椿の部隊の戦車は基本四式中戦車チトだ。そんな、戦車を見ながら、目的地に向かった。

そしてついに


午後7時

すっかり日は沈み、夜の中俺たちは目的地に着き、準備を始めた。

地面がぬかるんでいる中、俺たちは戦車や対戦車砲を配置につかせた。また、軽く塹壕も作った。そして全てが終わったのは午後9時だった。


午後9時

準備が全て終わり、俺たちは交代で仮眠を取ることにした。駆逐艦の子達は、体が小さいのにも関わらず対戦車砲を押してくれたり、塹壕を掘るのも手伝ってくれた。そのせいか、みんな爆睡していた。基本は、艦娘はまだ余裕がある戦艦や空母などが、偵察などを交代で行った。また、俺もMP40を装備して、巡回に回った。多くの兵士も塹壕の中や戦車の中で寝ており、数少ない休憩だった。その日の夜は、敵の偵察兵が来ることもなく、静かな時間が続いた。そして、日が昇り


午前6時

朝から俺たちは、朝食を取った後、敵の偵察を行った。方法は、歩兵が2人1組で敵が来ると思われるルートを見ることだ。それを30分に一回交代で行う。その間に、俺たちは敵が通る道に、大量の爆薬を地面に埋めていた。これで敵の先頭車両を撃破できる。そこからは、混乱した敵を狙い撃つだけだ。準備が終わると、そこからは待機だ。基本は自由だ。菓子を食べたり、音楽を聴いたりする兵士が大半だ。そんな、時間が続いた。


午前10時

相変わらずゆっくりしてると、遠くから走って偵察の2人が戻って来るのが、見えた。

司令官「何事だ?」

偵察の1人が寄ってきて

味方A「敵戦車部隊がこちらに進軍してきます。敵は、このルートを確実に通ります。」

司令官「数は?」

味方A「Ⅳ号戦車とⅢ号戦車が多数。そして歩兵が約2000人、後Ⅴ号戦車パンターが4両いました。」

司令官「そうか・・・・・・。分かった。急いで持ち場につけ。」

そう言うと、味方は自分の持ち場に戻っていった。そして、俺は無線を取り、

司令官「総員!戦闘配置!」

俺は指示を出した。直ぐに味方は立ち上がり、戦車に搭乗したり、対戦車砲の配置についたり、斬新に入り武器を構えたりした。

そして、30分後


司令官「来やがった」

俺がティーガーのハッチから、双眼鏡で確認をしていると、敵の戦車がゆっくりと姿を現した。

他の見方も気付いており、バレないように頭を少し出して敵を見ていた。先頭車両の後ろには、列をなして戦車が前進していた。予定通り、爆薬を埋めた道沿いに来ている。全員に緊張感がはしる。

そして、例のパンターも姿を見せる。

司令官「よしよし、そのまま来い。」

敵はこちらに気付いておらず、戦車は、全て側面を見せる。

俺は、工兵に爆薬の爆破準備の合図をジェスチャーでおくる。それを確認した工兵は、爆薬のスイッチをいつでも押せるように準備する。

そして、先頭車両が爆薬を埋めたポイントまで数メートル切った。工兵もタイミングを見計らい、押そうとしたその時、

ピューン

ズドーン

ボーガン

爆薬を埋めてあった場所に突如砲弾が着弾し、敵の先頭車両の目の前で大きな爆発が起きる。

司令官「っ!!」

周りも、唖然とする。

司令官「誰だ!撃った奴は⁉︎」

一村「隊長!あれを!」

一村が指を指した方角を見ると、

キュルキュルキュル

ドン

ズドーン

大量の四式中戦車チトが、敵の戦車に向かってくるのが見えた。

司令官「あれは・・・・・・」

見えたのは、北西の防御陣地を指揮している人物の部隊。そう、椿の部隊だ。さっきの砲弾を放ったのも椿の部隊だろう。

司令官「あのバカ!こっちの作戦が台無しだ!」

一村「隊長!どうします!?」

司令官「まだ、撃つな!敵は幸いこちらに気付いていない!」

敵は、椿の部隊に向けて攻撃を開始した。

すると、早速

ヒューン

ズドーン

先頭を走っていた敵戦車が被弾し、炎上した。燃える敵戦車からは搭乗員が燃えながらハッチから出てきた。それを

タタタタタタタタタタ

チトから、放たれる機銃照射によって倒れていく。

椿の部隊な、止まることなく敵に向かっていく。俺は、無線を椿の車両に繋ぎ、

司令官「椿!下がれ!相手は、パンターを編成している。チトでは正面からやりあうのは、自殺行為だ!一度下がれ!俺たちが、側面から攻撃

   する!」

すると椿は

椿『悪いけど、その案には乗れない。このまま前進して敵を追い返します。そちらは、そこで待機していてください。』

司令官「おい!人の・・・・・、切りやがった。」

今度は、自分の部隊全員に無線を繋いだ。

司令官「全員そのまま待機!だが、いつでも攻撃できるようにきておけ!」

そう言って、俺は無線を切った。

その間にも、椿の部隊は敵の部隊に向かって前進していた。


その椿たちは、

椿「このまま前進!とにかく、攻撃を続けて!」

椿は無線で指示を出す。しかし、

ヒューン

ズドーン

椿の隣を走っていたチトが被弾し、爆発した。それと同時に、砲塔が、宙を舞った。

ズシーン

椿「一体何が!?」

その瞬間、先程撃破した先頭の敵戦車をパンターが道から押し出した。

椿「あれがパンターね。全員あのパンターに集中砲火!ってー‼︎」

ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン

全戦車が、パンターに向かって砲撃をする。しかし、

カンっ!カンっ!カンっ!

全弾パンターの傾斜装甲によって弾かれた。

そして、パンターはまた一両に照準を定めて、

ドン

ヒューン

ドカーン

また、一両のチトが被弾する。しかも、続け様に

ドカーン

ドカーン

ドカーン

他のパンターも攻撃を開始した。

椿「そんな⁉︎」

それからも、パンターの攻撃は続いた。よって椿の部隊は、戦車三十両中二十六両撃破された。

そして、ついに一両のパンターが椿のチトに狙いを定める。

椿(っ‼︎)

椿が目を閉じて、死を覚悟した瞬間、

ヒューン

ズドーン

椿「‼︎」

突如、椿を狙っていたパンターが、爆発し、車体から砲塔がずれる。

椿「まさか⁉︎」

椿はとある部隊がいる方を向いた。


その方向にいたのは、

司令官「よし!命中!全部隊攻撃開始!」

その合図をした瞬間、あらゆる火器がが、敵の戦車部隊の側面に向けて攻撃を開始した。

バババババババババ

タカタカタカタカタカ

バンッバンッバンッ

ダンダンダンダンダンダン

ズドーン

ズドーン

ズドーン

次々に火を噴く火器は、敵の戦車や歩兵に対して絶大なダメージを与えた。

バーン

バーン

戦車は次々に破壊され、炎上したり弾薬が誘爆し大きな火柱をあげて爆発したりした。また、歩兵も爆発に巻きこれ吹き飛ばされたり、榴弾の破片が刺さり倒れる者や、機関銃や小銃によって倒れる者もいた。

司令官「前へ出るぞ!」

俺はさらに合図を出すと、俺が乗っているティーガーを先頭に、次々に戦車や歩兵たちが前進を開始する。

司令官「前方!撤退している戦車!ってー!」

ダーン

ヒューン

ズドーン

見事に敵戦車に命中した。爆発も炎上もしなかったが、敵戦車は沈黙した。

その後も、歩兵と戦車共に協力したことによって、次々に敵を蹂躙していった。

しかし、

一村『隊長!さらに敵の戦車が来ます!」

一村から無線越しに報告がくる。

司令官「一村!お前たちはここで待機!俺がやる!」

一村『やるって!?まさか!?』

その瞬間、俺はティーガーを前進させた。

敵が出てきた丘を越えると、新たに二十両近くのⅢ号戦車とⅣ号戦車がこちらに向かってきていた。

そして、こちらに敵も気付いたのか、攻撃をしてきた。

ドン

ヒューン

カンッ

ティーガーに一発は命中したが、俺のティーガーをその弾を弾いた。

司令官「昼飯の角度を維持したまま前進!」

ティーガーの車体を傾け、前進しつつ砲撃を続けた。

ドン

ドン

ヒューン

ヒューン

ズドーン

ズドーン

昼飯の角度のまま前進させ、行進間射撃を続けた。結果、増援できた二十両の敵戦車は、全滅した。俺のティーガーも何発もの砲撃を受けたが、昼飯の角度を維持していたこともあり、全弾を弾いた。


今回の被害

椿部隊 四式中戦車チト 三十両中二十六両が大破

         死者 150人中126人

        負傷者 21名


横須賀鎮守府陸上部隊 被害なし


椿の部隊は、壊滅的被害を受けた。このような被害が出たのも全て椿の責任だ。あの時に突っ込まなければこのようなことにはならなかっただろう。

俺たちは、戦闘終了後、椿の部隊で負傷した兵士の治療や亡くなった兵士の亡骸を回収していた。そんな中椿は膝をついたまま地面を眺めていた。

俺は、椿の元に向かい

司令官「自分のせいで、死なせた部下の遺体の回収ぐらいやったらどうだ。」

椿「・・・・・。」

司令官「なぜ、あの時に突っ込んだ?明らかに、勝ち目がないことくらい分かっていたはずだ。」

椿「・・・・・。」

椿は俯いたまま、何も喋らない。流石に腹が立ったので、

パシーン

俺は、椿に平手打ちをした。

司令官「いい加減にしろ!そうやって、俯いたって死んだ奴は帰ってこないんだよ!残された者にできるのは、死んでいった奴の思い共に前を

   向くことしかできないんだよ!そうでもしないと、死んだ奴らは、永遠に報われないんだよ!」

俺は、椿の襟を掴んで、怒りをぶつけた。すると、椿は

椿「そんなことくらい分かってる!でも、あの時はああするしかなかった!そうでもしないと、私は家族に認めてもらえない。」

司令官「そんなことで、部下を死なせたのか?」

椿「私には、もう頼れる人なんていない。いつも、周りから姉さんたちやお父さんと比べられて、劣等扱いされて誰もみてくれなかった。」

司令官「そんな、くだらない理由で俺たちを見捨てたのか?」

椿「それは・・・・・・」

司令官「チッ・・・‼︎」

俺は、自分のC96を椿の元に置いた。

司令官「今ここで、決めろ。ここで軍人として自ら命を絶つか、このまま劣等扱いとして生きるか。どちらか選べ!」

一村「隊長!それは・・・・!」

司令官「一村黙っていろ。これを決めるのは、椿自身だ。」

すると、椿はC96を拾い、頭に銃口を向けた。

司令官「・・・・・・」

椿は、手が震えていた。

司令官「・・・・・」

ゴト

椿は、C96を地面に落とした。つまり劣等扱いとして生きることを決めたのだ。

司令官「このC96は、元々お前のだ。ここで返す。」

そう。これは、俺と椿が入隊した時に、互いにお守りとして交換した銃なのだ。

俺は、椿に銃を返すと、一旦防衛陣地まで、撤退した。

その後、椿の部隊は、今回の戦闘で壊滅したことで、本部に戻ることになった。そして、椿の代わりとして俺が北西の防衛陣地の指揮を取ることになった。それからは次々に新たな連邦の増援部隊が北海道に到着した。また、T-34の量産も承認され、量産から1週間後約120両のT-34が北海道に到着した。そして5月の○日に、俺は、北西に置いて俺の部隊を中心に反抗作戦を開始した。結果、成功し多くの敵の打倒に成功した。

また、俺が搭乗しているティーガーは、この戦いで約300両の戦車を撃破した。このことは、すぐに日本中に知れ渡り、北海道で戦っている味方にとっては、朗報であった。この影響で北西での反抗作戦から3日後、兄貴が指揮をしている北の防衛陣地でも反抗作戦が実施された。この作戦も成功した。北海道全域で、帝国に対する反撃が始まった。そして、ここから俺たちの帝国との戦いが始まったのであった。























このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2022-02-14 19:23:25

2021-12-10 15:57:22

このSSへの応援

2件応援されています


SS好きの名無しさんから
2022-02-14 19:23:26

2021-12-10 15:57:17

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください