デビル(司令官)と艦娘たち No.11【デビル中隊 出撃!】
20○○年5月○日
13時
提督室
ティーガーのお披露目から、早くも2週間が経過した。俺は、訓練を終え部屋でゆっくりしていた。あの日一村達に話したことはまだ艦娘達に教えていない。
司令官「浅野大将。あなたの目指す日本はどんな国なんですか?」
俺は、独り言で呟いていた。
すると、
タタタタ
誰かが走ってくる足音が聞こえる。
そして、
ダン
一村「隊長!大変です!」
司令官「何事だ⁉︎」
一村「先程、本部から連絡がありました。至急本部に来るようにと。」
司令官「何があったんだ!」
一村「帝国軍の大部隊が北海道に上陸してきました!」
司令官「はぁ⁉︎」
一村「現在、北海道のいる全部隊が防衛に当たっていますが、数が多く苦戦しているらしいです。札幌を中心とした都市は、避難誘導が始まっ
ています。」
司令官「分かった。一村は、俺と来い。後、現在鎮守府にいる部隊に出撃準備をさせておけ。最悪、俺たちも出なければならないかもしれな
い。」
一村「分かりました。」
そう言って一村は、部屋を出っていった。
北海道は、北から来る帝国を防ぐために海岸には、無数の要塞が建てられている。そこには、野砲に機銃あらゆる兵器が置かれており、ww2の時のノルマンディーの要塞を超えている。しかし、それが突破されたのだ。状況は、一刻を争う事態だ。北海道が落ちれば、北から一気に帝国軍が流れ込んでくる。ここは、何としても死守しなければならない。
司令官(姉さん。無事でいてくれ。)
大杉さゆみ 22歳
階級 大佐
大杉家の長女で、龍斗と司令官の姉。かつてロシア派遣において帝国軍の機体を32機撃墜した。帝国からは、「日本の魔女」と恐れられている。現在は、北海道の防衛などを任されている。
俺は、すぐに鎮守府を後にして、本部に向かった。
14時
日本連邦本部
緊急会議室
俺は、急いで会議室入った。
司令官「遅れてすみません!」
浅野大将「構わない。全員揃ったねでは、会議を始めよう。」
俺は、席に着いた。
浅野大将「まず、北海道の現状はどうなっている。」
すると、龍斗が
龍斗「はい。現在北海道に上陸してきた帝国軍の数は、約30個師団になると思われます。」
会議室が騒がしくなる。当然だ。30個師団なんて、普通はありえない。北海道にいる部隊は、14師団明らかに不利だ。
龍斗「また、敵の進撃速度は速く、このままでは1週間で札幌が陥落し、10日で北海道を占領されてしまいます。」
すると、1人の少佐が
少佐A「防衛部隊は、何をしていたんだ!」
それに対して
龍斗「これぐらいの速度で進撃してくれば、まともな防衛陣地を築くことすら困難です。また、未だにT-34の生産の了承が下りていない以上、
北海道に配備されている戦車はBT-7やT-26などの軽戦車ばかりです。こんな、戦車じゃ手足も出ませんよ。現在かろうじて制空権は、取れ
ているとの情報です。」
龍斗が報告を終えると、
浅野「我々は、一刻も早く増援に向かわなければならない。この中で、今すぐに動ける部隊はいないかね。」
しかし、誰も手を上げない。だが、1人を除いて
司令官「俺が行きます。」
俺は、手をあげる。
浅野「行ってくれるのかね。」
司令官「俺の部隊は、この時のために訓練をしてきました。必ず、成果を上げてみせます。」
しかし、
少佐A「ふざけるな!たかが小僧に何ができる!聞いているぞ!お前横須賀鎮守府の提督だろ。艦娘に戦車の訓練をさせているらしいな。そん
な部隊で何ができる!ただの道具でしかない艦娘に無駄な知識を与えて、英雄にでもなるつもりか!それに、お前は中国戦線で部下を
全員死なせた悪魔では、ないか!」
周り、動揺する
少佐B「何と、愚かな子だ。」
中佐A「そんな部隊は、すぐに死ぬだけだ。」
しかし、俺は
司令官「腰抜けどもは、黙ってろ!」
俺は、おもいっきり叫んでやった。
司令官「何も動こうとせずに、味方を助けともしないお前らに言われる筋合いはない!あそこには、俺の姉がいる。俺の数少ない家族だ!それ
だけではない!今でも増援が来てくれることを信じて戦っている奴らがいる。そいつらにも、1人1人に愛する家族や人がいるんだ!俺
は、そんな奴らを見捨てることは、できない。浅野大将!俺に、出撃許可をください。」
俺は、浅野大将に向かって頭を下げる。
すると、
龍斗「俺からもお願いします。」
兄貴も頭を下げた。
そして、
浅野大将「いいだろう。君たち2人に、第1増援部隊として北海道に向かってもらう。そして、増援部隊は大杉君。君に任せる。」
司令官「ありがとうございます。」
浅野大将「明日の朝に北海道に向けて出発する。それまでに準備を済ませておきたまえ。」
司令官「はっ!」
俺は、兄貴も共に会議室を後する。
兄貴「戻ったら、すぐに準備しろ。」
司令官「わかってる。ここに来る前に出撃準備の命令は出しておいた。」
兄貴「さすが、前線で長い間戦ったことはあるな。」
司令官「当たり前のことをしただけだ。」
その後、兄貴と別れ、急いで一村と共に鎮守府に戻った。
15時
横須賀鎮守府
俺は、鎮守府に戻り出撃の準備をしていた。
司令官「おやっさん、ティーガーは?」
おやっさん「いつでも、いけるぞ!」
司令官「分かった。こっちは、もういいから他の戦車に当たってくれ。」
おやっさん「へいよ。」
俺は、戦車の数そして砲弾の数と、砲兵隊の弾薬、無線機の数、そして食糧を確認していた。
長門「急げ!明日には、出発だ!しっかり戦車の状態を確認しておけ!」
艦娘達も準備に追われていた。
結果、全ての準備が終わったは夜であった。
午後8時
俺は、みんなを集めて
司令官「明日、俺たちは帝国と戦う事になる!どんな状況に出会すかも分からない。だが、今まで訓練はこの時のためにやってきた。お前ら、
覚悟はいいな!」
全員「サー!イエッサー!」
司令官「そして、俺からの命令だ。絶対に誰も死ぬな!絶対に生きて帰るぞ!」
全員「オー!」
こうして、俺たちの初陣に向けた準備が終了した。また、俺たちの部隊は、「デビル中隊」と名づけられた。
これから、どんな事が待ち受けているかは、分からない。だが、戦うしかない。そしてたとえ、俺が死ぬ事になってもアイツらは、絶対に守ってみせる。
俺は、そう心に誓った。
続く
次回、北海道で戦闘が始まります。お楽しみに
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