2023-02-09 09:25:41 更新

前書き

お待たせしました。第8話です。また、今回から武器及び兵器の解説は最後の方に開発コーナーとして書いておりますのでご了承をお願いします。


20○○年4月○日

午前8時

尾張 久遠の屋敷


美濃の偵察から一夜明けた今日、俺は久遠から美濃から新たな報告がはいったと聞き久遠の屋敷を訪れていた。

司令官「それで、新たな報告って。」

久遠「昨日、お前達が偵察に向かった後、稲葉山城に早馬を送ったのだ。」

司令官「内容は?」

久遠「稲葉山城を売れ、とな。・・・・・どういった反応をみせるか試したかったのだ。」

司令官「で、返答は?」

久遠「私利私欲で城を奪った訳ではない。自分はまだ、斎藤家の家臣である。だから、城は売れん、と返ってきた。」

司令官「まぁ、なんとも竹中半兵衛らしい返答だ。」

と言っていると、

久遠「しかし、他の美濃三人衆に早馬を同様の内容で送ったら、高値で売るから買え・・・・と言ってきた。」

司令官「なるほど。アイツが言った通りだな。敵は外だけにあらず、内にあり。まさに戦国の世だな。」

久遠「ほぅ・・・・・アイツとは誰だ。」

司令官「昨日、会った女の子のこと。竹中半兵衛と親しい奴らしい。まぁ、俺はその子をある人物として捉えているけど。」

久遠「そうか。で、お主はどうする気だ。」

司令官「まぁ、何かあったら助けるつもり。」

久遠「そうか。・・・・なんともお前らしいな。まぁ、好きにするがよい。我はお前のする事を後押しするだけだ。」

司令官「そう言ってくれて助かるよ。じゃあ、俺は基地に戻るよ。じゃあな。また、明日。」

と言うと、俺は久遠の頭を撫でて、久遠の屋敷を出て、そのまま基地に向かった。


そして、司令官が屋敷を出た後、久遠は

久遠「・・・・・///////。」

と黙って顔を赤くしていた。すると、

結菜「・・・・・随分と顔が赤いわよ。久遠。」

と結菜が部屋に入ってくる。

久遠「結菜。・・・・・・実は、最近・・・・・。」

結菜「胸が痛い。」

久遠「なぜ、それが分かった!?」

結菜「さっき、やりとり見てたら分かるわよ。」

久遠「最初は・・・・・ただ、勢いであやつに夫となれと言ったが、・・・・・勇人の顔を見るとどうしても・・・・・。」

結菜「そうね。私も最初はあの人を信頼できなかった。でも・・・・・最近、私もやっと分かってきたわ。あの人を見てて。あの人は、誰よりも人のために動こうとしてる。最近、街でのあの人について聞いたのだけど、あの人が来てから街が繁盛したって言うわ。あの人は、無償で必要な農機具なと言った物を与えているそうよ。」

久遠「勇人がか。」

結菜「えぇ。街の人や連邦の方々を見てて思うわ。勇人って人は周りを笑顔にする力を持ってるって。だから、私は久遠が勇人と夫婦になろうが何も言わないわ。」

久遠「そうか。だが、アイツの周りには加賀などという女が・・・・・。」

結菜「そこは、久遠次第じゃない。・・・・・私は少し出掛けるわ。自分の事は自分できるわよね。」

と結菜が言うと

久遠「出掛けるって、どこに行くのだ。」

結菜「野暮用よ。・・・・じゃあね。」

そう言うと結菜は屋敷を後にした。


午後3時

清洲前線基地


和奏「勇人〜!!」

と織田の3バカの1人である和奏が基地に馬で入ってくる。

司令官「どうした。」

と偶然、外で久しぶりに新兵達の指導を行っていた俺はすぐに和奏の元に駆け寄る。

和奏「さっき、美濃から早馬が戻って、今から殿に知らせに行く所なんだけど、ついでにお前にも教えておこうと思って。稲葉山城に龍興が戻ったらしいんだ。どうも稲葉山城を占領してた奴が稲葉山城を龍興に返還したらしい。」

司令官「そうか。・・・・・分かった。直ぐにこの情報を久遠に。俺は出撃する。」

和奏「出撃ってどこに行くんだよ。」

司令官「美濃だよ。」

そういうと、俺は直ぐに準備を始めた。


午後4時

司令官「いいか。可能な限りの弾薬持っていけ。おそらく激しい戦闘が予想される。覚悟してかかれ。」

と俺は今回特別に選抜したメンバー小隊に指示を促す。

渚「大佐。今回の作戦はどういったものですか。」

と渚が聞いてくる。それに対して、俺は

司令官「美濃でお尋ね者になってるVIPの確保し、この終わりまで無事に届ける事だ。いきなりあまり大規模な部隊はまわせない。だから、今回選抜したメンバーで小隊を組むんだ。死ぬ可能性だってある。嫌なら、辞退しても俺は何も言わない。任務もよりも自分の命を守ることが大切だ。」

と俺はマガジンに弾を込めつつ、渚にいうと、

渚「いえ。辞退はしません。どんな過酷な戦いにおいても生き残る覚悟を決めております。」

司令官「・・・・・そうか。なら、その覚悟を俺に言葉だけではない事を示せ。」

と言うと俺はそのまま弾込めを続けた。


午後4時半

清洲前線基地 正門


司令官「全員、集まったな。」

小隊メンバー全員「はい!!」

と集められた小隊メンバーの確認を取る。


小隊メンバー

隊長 大杉勇人

副隊長 磯貝悠馬

隊員 潮田渚、赤羽カルマ、前田陽斗、寺坂竜馬、ひよ子、転子、茅野カエデ、杉野友人、ロニエ・アラベル、ティーゼ・シュトリーネン、千葉龍之介、岡野ひなた、岡島大河、その他6名

以下、21名

車輌 Ⅱ号戦車L型「ルクス」×1、Sbkz251/1(兵員輸送型)×1、Sbkz251/9(短砲身7.5センチ砲搭載型)。



司令官「良いな。今回の任務は極めて危険だ。命を落とす可能性だってある。今なら降りる事も可能だ。」

と言うが、誰もこの任務から降りようとする者はいなかった。それを見た俺は、

司令官「では、現時刻をもって任務開始とする。各員、車輌に搭乗せよ。」

と指示を出す。すると、

ガチャガチャ

と隊員の足音と共に装備の音が響き渡る。そして、俺も車輌に乗り込み移動使用したその時、

?「待って。」

と声が聞こえてくる。声が聞こえた方を見るとそこには結菜が立っていた。そして、

結菜「私も一緒に行くわ。」

と言ってくる。それに対して俺は

司令官「ダメだ。」

結菜「どうして。」

司令官「危険だからだ。」

結菜「私は美濃で産まれた女よ。力になると思うけど。」

司令官「例えそれでも、危険すぎる。久遠の元でじっとしてろ。」

結菜「久遠に許しならもらってる。それに、あそこは私の家がある場所。稲葉山城を取り戻す為なら、何だってするわ。美濃のマムシと呼ばれた母が守ってきた城であり、領地。取り戻すまでは、私も戦うわ。」

と結菜は言うので、仕方なく

司令官「・・・・・・来るのはいいが、俺の指示には従え。それと、今回は領地奪還ではない。重要人物の確保だ。分かったら、乗れ。」

というと、

結菜「ありがとう。」

と笑顔で礼を言ってくるが、俺は気にせず車両に乗り込む。そして、

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

結菜も車輌に乗ると同時に俺たちは美濃へ向けて出発した。


午後11時

ホゥー、ホゥー

とフクロウらしき鳴き声が聞こえてくる中、部下たちは限られたハーフトラックの中で交代しつつ仮眠をとっていた。そして、俺はただひたすら部下たちが少しでも安心して仮眠を取れように周囲の警戒を続けていた。

司令官「・・・・・・。」

と暗く静まりかえった森の中で灯りもなしに敵が来ないか索敵を続ける。

司令官「チッ・・・・・。何も見えない。」

と言いつつ、周囲を見ていると、

ガサッ

と後ろから何かが動く音が聞こえた。

司令官「・・・・・。」

カチャ

と俺は黙って装備しているKP-31スオミを手に取る。そして、

カチャ

司令官「動くな!!」

と構える。しかし、そこに居たのは

磯貝「大佐。俺です。」

と手を上げた状態で立つ、磯貝の姿があった。

司令官「何だ。磯貝かよ。敵かと思ったぞ。」

と言うと俺はホッとしてその場に座り込む。

磯貝「すみません。俺も見張りを手伝うと思って。」

司令官「仮眠良いのか。」

磯貝「充分寝れましたから。それにしても大佐はよくこんな時間まで起きてられますね。」

司令官「まぁ、それは慣れだ。」

磯貝「慣れですか。・・・・・・凄いですね、大佐は。やっぱり英雄と言われる事はありますね。」

司令官「別に俺は英雄になりたくて軍に入った訳じゃないんだがな。だが、守るべき者を守るためにはここに入るしかなかった。最初は、ただ親の仇を打ちたい。それだけの為に入隊した。だが、5年前の第1次中国戦線での戦いで小隊の隊長であった俺は部下を全員死なせてしまった。それ以来、戦う事を躊躇ってしまった。仲間や家族が前線で必死に守るべき、愛する人のために戦ってるというのに。だから、前線に戻った。今度こそ、守り抜くために。死んでいった部下や同僚、両親ためにも今度こそ守り抜いてみせる。そう誓った。だが、戦争は必ず誰かが死ぬものだ。しかし、その死を俺は無駄にしたくない。今までもこれからも死んでいく人たちために俺は戦う。平和と言える、俺たちのようた兵士が銃を持たなくていい日になる時まで。だから、今回の任務も必ず誰も死なせずにやり遂げる。」

磯貝「はい。」

そう言うと、俺は再び索敵及び周囲の警戒を行なった。


翌日、

午前9時

俺たちは朝から村を見つけるたびに竹中半兵衛についての情報を聞きつつ、竹中半兵衛本人の捜索も続けていた。竹中半兵衛は、どうやら斉藤義龍に稲葉山城に返してからは、義龍に裏切り者として追われる身となっているらしい。そのため、義龍の兵は必死に裏切り者の竹中半兵衛を必死に探しているらしい。その為、義龍の兵達との接触を避ける為、俺たちは戦車と装甲車を茂みに隠して、竹中半兵衛の捜索を続けていた。そして、ある道に出た所で、

司令官「よし。じゃあ、此処らで一度休憩とする。」

と指示を出すと、部下たちは木陰に座り込み水筒の水を飲んだり、横になって軽く仮眠を取っていた。俺は相変わらずほぼ休みを取らず、周囲の警戒を続けていた。すると、

結菜「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・。」

とずっと慣れない移動を一緒に歩き続けてる結菜が木陰で座り込む。そんな結菜を見た俺は、

司令官「大丈夫か。」

と声をかける。

結菜「・・・・・流石に疲れたわ。貴方達っていつもこんな事をしてるの。」

司令官「まぁな。だが、こんなのまだ序の口だよ。それにこういう時の為に普段から訓練をしてるからな俺たちは?ほら、飲んでおけ。」

と言うと、俺は自分の水筒結菜にを差し出す。

結菜「ありがとう。」

と言うと結菜は水筒の水を飲む。そして、飲み終えると、

結菜「まだ、水が冷たいわね。水を補給してから随分経つのに。」

司令官「軍が用意した保温付きの水筒だからな。これくらいの時間ならまだ水の冷たさは変わってないよ。」

結菜「便利ね。」

司令官「近い内に、久遠の元に最初の貿易の品を送る予定だからこれと同じくらい良い水筒を送るように頼んでおくよ。」

結菜「そう・・・・・。ねぇ、どうしてここまでしてくれるの。」

司令官「何を。」

結菜「貴方の軍なら私達を攻め滅ぼすのは簡単。なのに、貴方達は、むしろ逆に協力してくれてる。力があるのに。どうしてなの。」

司令官「前にも言っただろ。別に俺たちは喧嘩がしたくてここに来た訳じゃない。仲良くやっていたいから、来たんだ。困ってる人がいるなら助ける。互いに手を取り合い助け合う。俺は今まで沢山の命を奪ってきた。そんな俺に出来るのはこれくらいしかないんだよ。だから、最後まで俺は久遠に付き合うつもりだ。」

そう言うと、俺は水筒を回収し、

司令官「休憩は終わりだ!!移動する!!」

と指示を出し、再び歩き始めた。


2時間後

午前11時

あれから、捜索や情報収集を行い続けたが、竹中半兵衛の足取りさえ掴めていない状態だった。その為、俺たちは2つのチームに分け、捜索を続けた。俺が指揮するチームをA部隊とし、磯貝が指揮する部隊をB部隊としたのだ。そして、俺が指揮するA部隊は、

斉藤軍「竹中半兵衛はこの辺りには居ない。次を探すぞ!!」

と斉藤軍が去っていく。そして、

司令官「ふぅ〜。危ない。アイツらがこの辺りに居るとすると竹中半兵衛も近くにいるかもな。」

と言いつつ、俺は林から頭を出し、周囲を確認する。そして、

司令官「もう。大丈夫だ。出てきて良いぞ。」

と言うと、

ガサガサ

と音を立てて、部下達が林や木の上から降りてくる。

司令官「まさか、此処まで斉藤軍が展開してるとはな。正直、想定外だ。」

結菜「当然よ。竹中さんは誰もが認める知の武将。そんな武将が敵が他の勢力に加われば斉藤軍の負けは必然。それを避ける為にこうして必死に探してるのよ。」

司令官「なるほど。だが、例え俺たちが竹中半兵衛を先に見つけたとしても斉藤軍振り切るのは・・・・・。」

と話していると、

磯貝『こちらチームB。チームA応答を願う!!』

と渚が持つ無線から聞こえてくる。

渚「大佐!!。」

と渚が無線を渡しくてる。俺はそれを受け取ると、

司令官「こちら、チームA。磯貝とうした。』

磯貝『大佐。先程、付近にいた斉藤軍に動きがあり、どうやら話を聞いたところ竹中半兵衛殿を見つけたとらしいです。』

司令官「チッ・・・・・先を越されたか。」

磯貝『いえ、まだ竹中半兵衛殿が見つかっただけで、今は逃走中との事。此方はいつでも攻撃が可能です。どうしますか。』

司令官「・・・・・・いや、攻撃はするな。数は向こうが上だ。こっちも直ぐに合流する。それまで斉藤軍を動きを一才見逃すな。」

磯貝『了解しました。』

そう言うと、無線は切れ、俺は

司令官「直ぐにチームBと合流する!!行くぞ!」

と言うと、俺は部下を連れてチームBと元へと走り出した。


一方、とある森では

少女「竹中殿。あれほどたいそうな事をしでかしておいて、更に逃げるなと何たる恥知らず。武士の風下におけぬ。」

と刀と鎧を纏った少女が話す。

詩乃「もし、私が武士の風下に居るとするならば、家臣として主君を誤った武士にしてまう武士は、私より風下にいる事でしょうね。滑稽極まりない事です。」

少女「チッ・・・・減らす口を!!」

詩乃「減らす口というのは、自分勝手な理屈を捏ねるという意味。まさに、斉藤飛騨殿の仰りようはまさに減らすと言うのです。」

と落ち着いた様子で詩乃は斉藤飛騨という少女に対して言い返す。その後も飛騨の発言に対して竹中殿は落ち着いた様子で言い返し続けた。そして、

飛騨「ううううう、うるさい!!皆の者!!やれ!!」

と遂に飛騨殿は共にいた足軽達に詩乃に対して殺すよう命令する。それに対し、

斉藤軍「おう!!」

と足軽達が詩乃に襲いかかる。

シュ

詩乃「くっ・・・・・!!」

詩乃は戦う事はせず、ただひたすら逃げ惑う。しかし、1人に対して圧倒的な戦力による攻撃により詩乃は次第に追い詰められていく。そして、

詩乃(私は・・・・・此処で終わってしまうのですね。なら・・・・・。)

そう思うと、詩乃は持っていた短剣を取り出し、短剣を自分の喉元に突き立てる。

詩乃「最後この竹中詩乃重治。愚者の手も借りず、雑兵によって辱め受けるなら、自らの手で・・・・。」

と詩乃は覚悟を決める。

飛騨「立ち腹(自害の事)など切らすな!!殺せ!!」

斉藤軍「はっ!!」

と言うと1人の足軽達は詩乃に向かって斬りかかろうとする。

その瞬間、

パァーン

と突如、1発の銃声が鳴り響く。すると、

ドサッ

詩乃に斬りかかろうとした足軽が倒れる。

飛騨「一体、何が!!」

と飛騨が焦って周囲を確認していると、

?「ハァ、間に合った。さてと、竹中殿。自害しなくても構いませんよ。」

突如として詩乃の後ろから1人の男性が現れる。

詩乃「貴方は・・・・・。」

と詩乃は涙を流す。何故ならその男は・・・・


司令官「約束通り助けに来たぞ。」

と言うと俺は詩乃の前に立つ。

飛騨「貴様!!一体何者だ!!」

と見たことのない武将らしき少女が怒鳴ってくるが、

司令官「何者って・・・・ただの通りすがり兵士ですが。まぁ、悪いがコイツは貰っていく。」

飛騨「そんな事を我が許すと思うのか!!」

司令官「ふん。そんなの知った事ねえよ。お前達が許そうが許さなかろうがコイツは俺が貰っていく。」

と言うと、

飛騨「構うな!!相手はただ1人増えただけ!!義龍様に抗う不届き者は此処で殺せ!!」

足軽「はっ!!」

と足軽達が俺に斬りかかろうと向かってくるが、

タタタタタタタタタタ

パァーン

パァーン

足軽「ぐはっ・・・・・!!」

足軽「クッ・・・・!!」

数回の銃声が鳴り響くと共に目の前の斉藤軍の足軽達が倒れていく。そして、

磯貝「大佐!!お怪我は!!」

と後方から磯貝達が合流してくる。そして、

司令官「大丈夫だ。お前ら。もうこうなってしまった以上、やる事は一つ。各員、自分の命を守る為に各自の判断で撃ってよし!!」

部下達「了解!!」

と言うと、武器を全員構える。そして、

飛騨「構うな!!かかれ!!」

と斉藤軍の足軽達がが突っ込んでくる。それと同時に

パァーン

パァーン

パァーン

タタタタタタタタタタ

遂に斉藤軍との戦闘が始まった。俺も直ぐに装備しているKP-31を構え、

パパパパパパパパパ

と撃ちまくる。

パパパパパパパパパ

斉藤「クバ・・・・・!!」

と敵を6人ほど撃ち殺した時、

斉藤軍「ウォー!!!!」

と斉藤軍銃声を聞きつけた付近の斉藤軍の足軽が次々に現れ、此方に向かってくる。

ロニエ「司令官!!数が多すぎます!!」

とロニエが言ってくる。それを聞いた俺は

司令官「少しずつ、後ろに下がれ!!渚!!車輌を直ぐに此方に向かわせろ!!結菜!!竹中殿を後方へ!!」

指示を出す。そして、

結菜「竹中さん。立てる!?」

詩乃「はい。なんとか・・・・・。」

と結菜が詩乃共に後ろに下がろうとした、その時、

足軽「もらった!!」

と気付かない内に側面に回り込んでいた足軽が結菜に斬りかかろうとするが、

司令官「させるか。」

と俺は直ぐにKP-31を足軽に向かって構え、

パパパパパパ

斉藤軍「カッ・・・・・!!」

と数発の銃弾を浴びせる。

そして、

司令官「結菜。無事か!?」

と直ぐに結菜が怪我をしてないか確認するが、

結菜「大丈夫よ。」

と怪我がない事を確認できると、

司令官「急いで、下がれ!!ロニエ!!ティーゼ!!2人共に後方へ!!」

ロニエ・ティーゼ「了解!!」

と言うと、4人は後方へと下がっていく。そして俺は、

パパパパパパ

司令官「もう少しの辛抱だ!!撃ちまくれ!!」

と直ぐに最前線に戻り、撃ちまくる!!

パァーン

パァーン

パァーン

タタタタタタタタタタ

タカタカタカタカ

とあらやる火器が火を吹き続ける。しかし、

ピュン

ピュン

ピュン

タァーン

タァーン

タァーン

此方が遠距離武器を使ってる事を学習したのか、相手も弓矢や鉄砲を使って応戦してくる。

司令官「ヤバいな。磯貝!!先に後退しろ!!俺が援護する!!」

磯貝「了解!!」

パパパパパパパパパ

と指示を出すと直ぐに俺は磯貝達が交代するのを援護する。しかし、

ピュン

ダッ

前原「カッ・・・・・!!」

磯貝「前原!!」

このタイミングで敵が放った矢が後退している最中の前原の左膝に命中したのだ。

前原「クソ・・・・痛え。」

磯貝「しっかりしろ!!寺坂!!手伝ってくれ!!」

寺坂「分かってるよ!!」

と寺坂が前原の両脇を持ち、引きづる形で後退していく。そして、部下全員がある程度、後方に下がる確認すると、俺は

パパパパパパ

とマガジンに入った弾を全て撃ち終えると、

司令官「手榴弾!!」

と手榴弾を1つ投げ、後ろに下がる。

ドガーン

斉藤軍「グハッ!!」

と背後からは手榴弾の爆発と共に斉藤軍の足軽の悲鳴が聞こえてくる。そして、俺はそのまま急いで磯貝達の元まで走り続けた。


午前11時15分

パパパパパパ

司令官「急げ!!」

とあれから、斉藤軍から逃げているものの此方より数が圧倒的に多い斉藤軍の足軽は次々に現れ、攻撃を仕掛けてくる。

司令官「チッ・・・・キリがない!!渚!!まだ、車輌は使いないのか!!」

渚「間もなく到着するとのことです!!」

司令官「車輌が着き次第、負傷者とVIPを最優先に乗せろ!!」

磯貝「了解!!」

司令官「撃ちまくれ!!」

パパパパパパパパパ

タァーン

タタタタタタタタタタ

タカタカタカタカ

と撃ちまくるが、

斉藤軍「ウォー!!!!」

斉藤軍は止まることなく突っ込んでくる。すると、

ダンダンダンダンダン

斉藤軍「グハッ!!」

斉藤軍「ぎゃあああ!!」

と突如、次々に斉藤軍の足軽が薙ぎ倒され行く。

司令官「来たか!!」

と俺が後ろを見ると、

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

と要請していた車輌3台がⅡ号戦車L型「ルクス」を先頭に此方に合流してきたのだ。そして、車輌が停車すると、

磯貝「急げ!!急げ!!」

と負傷した前原と結菜、詩乃を直ぐにハーフトラックの後方へと乗せる。

司令官「よし!!各自、急いで車輌に乗れ!!」

と指示を出す。

パパパパパパパパパ

と俺は直ぐに部下達が車輌に乗る間、必死に敵を近づけない為にも弾幕を浴びせる。そして、殆ど部下達が車輌に乗り終え、残るはロニエ、ティーゼ、俺だけとなった。

司令官「2人共!!行け!!援護する!!」

と言うと、

ロニエ「はい!!」

と2人は走ってハーフトラックに向かって行く。しかし、その瞬間、

パァーン

と1発の銃声が鳴り響いた。すると、

ロニエ「ティーゼ!!」

と背後でロニエが叫ぶ声が聞こえてくる。

俺は直ぐに後ろを見ると、そこにはティーゼが倒れていた。

司令官「まさか!!」

俺は直ぐにティーゼの元に駆け寄ると、ティーゼの胸元付近から大量の出血が確認できた。そう。斉藤軍の鉄砲隊による射撃による弾の1発がティーゼと胸元付近を貫通したのだ。ティーゼの意識はなく危険な状態だった。

司令官「ヤバい!!」

ロニエ「ティーゼ!!ティーゼ!!」

と俺は直ぐに傷口をハンカチで抑え、止血を施す。しかし、

ピュン

ピュン

ピュン

タッタッタッ

と容赦なく矢が降り注いでくる。

司令官「クソ!!ロニエ!!ティーゼをハーフトラックまで連れ行け!!」

と指示を出すが、

タッ

ロニエ「クッ・・・・!?」

司令官「!?」

ロニエにも斉藤軍が放った矢が右肩に刺さっていたのだ!!

司令官「クソ!!」

と俺は直ぐに2人を守る為に撃ちまくる。しかし、

斉藤軍「ウォー!!!!」

とこの気を逃さんの言わんばかりに敵が此方に突っ込んでくる。更に、

ドドドドドドドドドド

と側面からは斉藤軍の騎兵隊が此方に向かっくる姿が確認できた。

ダンダンダンダン

と直ぐにⅡ号戦車L型「ルクス」が騎兵隊に向かって撃ちまくるが、

斉藤軍「ウォー!!」

目の前から迫ってくる大群の足軽まで対処出来ていなかった。

磯貝「大佐!!直ぐにそっちに行きます!!」

と先にハーフトラックに乗っていた磯貝が此方に来ようするが。

司令官「来るな!!」

と俺は止める。このまま、磯貝が来たとしても被害が増すだけだと分かっていたからだ。

ロニエ「司令官・・・・・逃げてください。」

とロニエが右肩に矢が刺さった状態で言うが、

司令官「絶対に誰も見捨てない。もう、誰も死なせたくない!!絶対に誰も死なせない!!」

パパパパパパパパパ

と撃ちまくるが、

カチッカチッ

とKP-31のマガジンが空になる。直ぐに俺はマガジンポーチからマガジンを取り出そうするが、

司令官「クソ!!」

全ての弾薬を使い果たしていたのだ。

カチャ

司令官「来るなら来い!!」

と俺はルガーP08を取り出し、最後の抵抗として撃ちまくる。

斉藤軍「ウォー!!」

と目の前から迫ってくる大群の足軽に対して無力だとは分かっていたが、それでも2人を守ろうと撃ちまくる。

司令官「来い!!」

パン

パン

パン

と2、3発撃ったその瞬間、

ピュン

ピュン

ピュン

斉藤軍「クッ!!」

斉藤軍「ぎゃあああいう!!」

と突如、空からM2ブローニングの機関銃の音と共に次々と斉藤軍の足軽が倒れていく。

司令官「!!」

俺は直ぐに空を見ると、

ブゥーーーン

ブゥーーーン

と頭上をP-51マスタングから通過していく。そして、旋回して再び

ピュン

ピュン

ピュン

と機銃掃射を行なっていく。すると、

渚「大佐!!」

と渚が駆け寄ってきて、無線を渡してくる。すると、無線からは

『ブルドック小隊!!これより大杉大佐の部隊に対し、航空支援を行う!!』

と無線から聞こえてくる。更に、

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ズドーン

ズドーン

後ろから大きなエンジンと砲撃音が聞こえてくる。背後を見ると、そこには大量のM4シャーマンにⅣ号中戦車など多くの装甲師団が此方に向かってきていた。更に、

壬月「続け!!我ら柴田衆の力、此処で存分に斉藤側に味合わせてやろうぞ!!者共続け!!」

柴田衆まで駆けつけてくれた。これにより、

斉藤軍「逃げろー!!柴田衆だ!!例の鉄の猪もいるぞ!!」

と次々に斉藤軍は逃げていった。

そして、

一村「隊長!!」

と一村が数名の部下を連れて、駆け寄ってくる。

一村「大丈夫ですか!!」

司令官「俺は何ともない。だが、ティーゼとロニエを早急に!!頼む!!」

と言うと、

一村「了解!!直ぐにヘリを此方に回します!!」

と言うと、

一村「直ぐに、Fa 223を此方に回せ!!」

部下達に指示を出す。その後、駆けつけたFa 223は、負傷したティーゼ、ロニエ、前原を乗せて直ぐに基地の病院へと向かった。ロニエと前原は軽症であったものの、胸を撃ち抜かれたティーゼは重傷で一時は最悪の事態もあり得たが、医者達の懸命な治療により、翌日には意識も戻った。この作戦で3名が負傷したが、戦死者は出さなかった。また、救出された詩乃は作戦終了後、久遠に許しをもらい、俺の元でひよや転子と同じように働くことになった。


そして、翌日、

午前10時

清州前線基地 執務室

司令官「今回の件に関しては全て俺の責任です。危うく部下を失うところでした。」

浅野『そんなに頭下げなくとも、今回は仕方がなかったことだ。死者が出なかった事が良かったことだ。君の責任ではない。』

と電話で昨日の作戦においての報告を行っていた。

司令官「ですが・・・・・それでも。」

浅野『これから、このような事態をが起きた事を土台にし、対策をしていけば良い。君はよくやった。明日、例の品が届く予定だ。織田の当主方達によろしく頼むよ。』

司令官「了解いたしました。」

浅野『では、よろしく頼むよ。』

と言うと電話は切れる。

司令官「ハァ~、まだまだだな、俺は。」

と言いつつ、俺は椅子に座り込む。すると、

コンコン

加賀「失礼します。」

と加賀が入ってくる。そして、

加賀「ティーゼさんが目を覚ましました。」

と報告してくる。

司令官「そうか。・・・・・良かった。」

と俺は言うが、正直言うとティーゼに会わせる顔がなかった。

司令官「また、部下を失うところだった。」

加賀「分かってるわ。でも、結果誰も死なず済んだ。」

司令官「それでも、事実は変わらない。あの作戦が正しかったとは俺は思えない。」

加賀「・・・・・・そうね。貴方にとって作戦は間違いだったかもしれない。でも、貴方も作戦に参加した者もみんな生きてる。貴方がいる事でみんないつだって救われてる。それを忘れないで。」

と言うと加賀は後ろからそっとして抱きついてくる。

司令官「・・・・・ありがとう。」

と俺は加賀に礼を言った。そして、

司令官「少し・・・・見舞いに行ってくる。」

加賀「私も一緒に行くわ。」

司令官「ほいほい。」

そう言うと、俺は加賀と一緒に基地の病院へと向かった。


続く


《解説コーナー》

KP-31(スオミ)短機関銃・・・・1931年にフィンランド軍において開発、正式採用されたサブマシンガン。冬戦争、継続戦争においてソ連相手に活躍した。ゲリラ戦を主軸としたフィンランド軍において重宝された。また、ソ連がPPShを製造するキッカケを作ったのも冬戦争でこのKP-31が猛威を振るったからである。


Ⅱ号戦車L型「ルクス」・・・・第2次世界大戦化のドイツで不整地においても偵察を可能とする為に1942年にⅡ号戦車をベースに設計された。Ⅱ号戦車よりも装甲を薄くし、エンジンをパワーアップさせている。武装は65口径2センチ機関砲を搭載。開発された当時は200両の発注が予定されていたが、同じ頃に開発された5センチ砲を搭載したSb Kfz234「プーマ」が優先され、半分の100両しか生産されなかった。しかし、製造された100両は機甲大隊において配備され偵察任務で大きく貢献した。


P-51マスタング・・・・アメリカ陸軍航空隊において1940年に採用された傑作機。武装はM2ブローニング重機関銃×6丁。西部戦線では主にB-17爆撃機の護衛戦闘機として活躍。また、太平洋戦争でもB-29の護衛機また、日本本土に対する機銃掃射においても活躍した。また、太平洋戦争においてのP-51マスタングは中国戦線と千葉の水田に不時着した機体が日本に鹵獲されいる。
































後書き

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