2022-06-28 01:30:41 更新

20○○年11月○日

午後4時

鹿山市 防衛戦


鹿山市で防衛戦が始まって早くも2時間近く経つ。防衛戦では、残った一村や清岡、林達が激しく帝国の主力と激戦を繰り広げていた。一村達は、帝国に対してゲリラ戦を展開。戦車も建物中や、瓦礫に隠れ侵攻してくる帝国軍を撃退する。既に、この方法で敵歩兵300名、戦車及び装甲車を90両近く撃退していた。しかし、どれほど撃退しても帝国は部隊を再編成して攻撃を仕掛けてくる。そのため、防衛戦は少しずつ後退していた。

ヒューン

ヒューン

ヒューン

ズドーン

ズドーン

ズドーン

兵士「一体いつまで続くんだ。もう、3時間近く続いてるぞ。もう、無理だ。耐えられない。」

兵士「耐えるんだ。きっと、大杉大佐達が援軍に来てくれる。それまで、耐えるんだ。」

あまりに続く絶望的な戦闘で兵士の中には精神的に異常きたす兵士も現れ始めた。そんな中、みほのⅣ号戦車あんこうでは、

優花里「もう、なんだかんだで3時間続いてますね。こちらもだいぶ砲弾の数が少なくなってきました。どこかのタイミングで補給しないと。」

華「ですが、今ここを離れる訳には・・・・。」

と話していると、

兵士「敵だ。来るぞ!!」

1人の兵士が大声で伝えてくる。

みほ「皆さん、敵襲です。今まで通り、ここを防衛します。」

大洗チーム『了解!!』

とみほは、大洗のみんなに伝える。そして、

ヒューン

ドカーン

ダダタダダダダタダダ

バババババババババ

再び、激しい戦闘が始まったのだ。敵は、戦車を先頭に前進してくる。しかし、

ヒューン

ダァーン

エルヴィン『こちら、カバさんチーム。敵パンターを撃破。』

大洗チームは、みほの指揮の元、なんとか持ち堪えていた。そして、

敵将校「後退だ!!後退しろ!!」

敵は、再び後退していく。

兵士「敵が後退したぞ!!」

と兵士が叫ぶことにより、皆んながホッとする。

すると、

通信兵『こちら、戦前本部。各部隊に朗報です。大杉大佐の部隊が帰還!!繰り返す!!大杉大佐の部隊が帰還!!』

と無線が入る。

みほ「!!」

みほにとってとても嬉しいことだった。大切な2人が帰ってきたのだから。

優花里「西住殿。行ってください。」

華「そうですよ。」

みほ「うん。ありがとう。」

みほは、あんこうから降り、前線本部へ向かった。


午後4時20分

前線本部


みほ「お姉ちゃん!!」

みほは、前線本部に戻ると、そこには姉のまほの姿があった。

まほ「・・・・・みほ。」

みほ「よかった。無事で。」

まほ「・・・・・あぁ。」

と話していると、

一村「まほさん。よくご無事で。」

と一村がやってくる。そして、

一村「隊長は、どこに。」

まほ「・・・・・・。」

一村「まほさん。隊長は、大杉大佐はどこに。」

みほ「・・・・・お姉ちゃん。」

まほ「・・・・・勇人は、・・・・・大杉大佐は敵を食い止める為に・・・・。」

一村「!!」

一村や皆んな驚きを隠せなかった。

みほ「・・・・・・そんな。」

それを聞いた誰もが信じられなかった。


その頃、司令官は、

司令官「来たか。」

あれから俺は、ここに残り敵を食い止める為塹壕に身を潜めて敵を待ち構えていた。この塹壕は、この戦いが始まってすぐに韓国軍と連邦軍が協力して作った塹壕だ。しかし、敵に進撃が速く、俺たちが到着する前に突破され放棄されたのだ。その塹壕を利用したのだ。俺は、その塹壕から双眼鏡で、敵を確認していると、予想していた通り追撃隊が現れたのだ。俺は、すぐに爆薬の準備をする。あらかじめ、道には大量の爆薬を埋めてある。辺りは、林で道を通らなくとも戦車などは走行可能だが、敵は俺がここに居るとは知らない為、普通に道沿いに沿って進んでくる。先頭は、Ⅳ号戦車G型だ。その後ろには20人近くの歩兵が随伴していた。そのⅣ号戦車は、ゆっくりと爆薬が埋めてある場所に向かってくる。

カタカタカタカタ

少しずつ、キャタピラの音が大きくなっていく。そして、遂にⅣ号戦車が爆薬を埋めてある場所を真上にを入った瞬間、

司令官「少し、早いクリスマスプレゼントだ。受け取れ。」

カチッ

俺は、爆薬のスイッチを押す。そして、

ドカーン

ゴォー

爆薬は、見事に起爆。Ⅳ号戦車からは、大きな火柱が上がる。

そして、爆破を確認と同時に俺は、塹壕から顔を出し、MG 42構え、そして、

司令官「くたばれ。」

バババババババババババババババババババババ

俺は、敵歩兵に向かってMG42の弾幕を浴びせる。

敵兵「グハッ!!」

敵兵「きゃああああ。」

油断していた敵歩兵は次々に倒れいく。すると、

ゴーーーーーーーーーーー

後方にいた他の戦車が道から外れ、こちらに向かってくる。そして、ゆっくりと俺の方に照準を合わせてくる。それを気づいた俺は、

司令官「チッ・・・・移動するか。」

急いでMG42と弾薬をまとめて他の場所に移動する。そして、

ダァーン

ドカーン

先程まで俺がいた場所に砲弾が打ち込まれる。

司令官「・・・・・あぶね。移動しておいて正解だった。」

そう言うと、俺は再び塹壕から顔を出してMG42を構え、

バババババババババババババババ

再び、攻撃を開始する。しかし、相手も既に交戦態勢に入っていた為、

ダァーン

ダァーン

バババババババババ

すぐに敵歩兵も撃ち返してくる。

そして、戦車も

ウィーン

ズドーン

再び攻撃を仕掛けてくる。だが俺はまた移動して身を一時潜め、再び攻撃を仕掛ける。この方法を繰り返した。そして、これを4回繰り返していると、

カチッ

カチッ

司令官「チッ。弾切れ。」

MG42の弾を全て使い果たししてしまう。すると、敵は攻撃か止むと同時に1両のパンターこちらに前進させてくる。俺は、4本しかない、パンツァーファウストの内1本を持ち、パンターが来るのを待つ。

ゴーーーーーーーーーーー

パンターが近づいて来るにつれ、地面の揺れが強くなる。

そして、

ゴゴゴゴ

パンターが塹壕の元にたどり着く。そして、塹壕を越えようとする。俺は、すぐにパンターの側面に周り、そして

司令官「鉄屑が・・・・。」

ドーン

ドカーン

俺が放ったパンツァーファウストは、パンターの側面中央を貫通し、車内で大爆発を起こす。そして、

ドーン

ゴォー

パンターからは、大きな火柱が上がり、そして、

ダァーン!!

ガン!!

パンターの砲塔は、爆発し、砲塔は宙を舞い、地面に落ちた。

司令官「ハァ・・・ハァ・・・・これでくらいか。」

俺も流石に負傷していたこともあり、体力の限界が近づいてきていた。まだ、出血はしていないものの、痛みはあった。

司令官「ッ・・・・・痛え。」

俺は、負傷した横腹を押さえ、地面に座り込む。すると、

ズドーン

ズドーン

ズドーン

ズドーン

ズドーン

敵が進撃してきた北の方から、何発もの砲撃音が聞こえてきた。

司令官「やはり、簡単に引き下がるわけがないか。」

そう言いつつ、俺は空を見上げると、何発もの砲弾がこちらに向かって飛んでくるのが見えた。そして、

司令官「フ・・・・・本当にこれが最後の戦いになりそうだな。」

俺は、そう言うと、

ヒューン

ヒューン

ヒューン

ズドーン

ズドーン

ズドーン

砲弾は、次々に着弾していった。その砲撃は、約10分間にわたって続いた。


そして、10分後

帝国軍親衛隊第7SS装甲師団

敵指揮官「どうやら、敵もくたばったようだな。」

先程まで、1人兵士によって足止め食らっていた塹壕付近は、砲撃によりクレーター痕があちらこちらに残っていた。その様子を見ていた敵指揮官は、

敵指揮官「念のためだ。歩兵隊、すぐさまあの塹壕付近を確認してこい。生き残っている奴がいたら、殺せ。」

と歩兵に指示を出す。そして、命令された歩兵隊約30名は、武器を構え、未だに砲撃によってあちらこちらから煙が上がる塹壕に近づいていく。

そして、敵歩兵隊は、塹壕に到達すると、そこには塹壕内でうつ伏せに1人の男が倒れていた。

敵兵「おい、生きてるかどうか確かめろ。」

と1人が言う。

敵兵「了解。」

そして、指示された1人兵士がKar98を持ち、塹壕に入り、その男に近づいていく。そして、

トン

トン

敵兵は、Kar98の銃口で倒れいる男を突く、

敵兵「・・・・・・大丈夫だ。死んでる。」

と振り返りながら、他の敵兵に伝える。その瞬間、

グサッ

突如、死体を調べていた敵兵の胸元から1本の刃が体を貫通する。そして、

ドサッ

その敵兵が倒れると、そこには先程までうつ伏せになって倒れていた男が1本の刀を持ち立っていたのだ。それを見た他の敵兵達は、

敵兵「・・・・何だ。コイツ。死んでるんじゃなかったのか。」

敵兵「落ち着け。相手は、虫の息だ。ここで殺せば・・・・。」

と敵兵は、途中で言葉を詰まらせる。そして、他の敵兵も言葉を詰まらせ、そして、

ザッ

ザッ

と後ろに下がる。そして、敵兵全員は、その男を見て、

敵兵「・・・・何だ。コイツの目。人間なのか。」

敵兵「まるで・・・・バケモノだ。」

誰もが、怯えだす。何故ならその刀を持った男の目は、もはや人間の目ではなかった。4年前、中国戦線で悪魔として恐れてられた男が居た。その男は、刀を2本持ち、次々に帝国兵を殺していった。その男は、敵の攻撃をもろともせずにただひたすら敵陣地に突っ込み、殺し続けた。そして、この男からなんとか生き残ったものは、その男の恐ろしい姿を見てこう言った。「俺は、悪魔に会った。皆んな、奴に殺された。奴は、人間の皮を被った悪魔だ。」これを機に中国戦線では、悪魔と呼ばれた男の噂が広かった。そして、今その敵兵達の目の前には、その時と同じ目をした男の姿があった。そして、

敵兵「撃てー!!」

ダァーン

ダァーン

ダァーン

シャキン!!

敵兵「キャアアアアアアア。」

ダァーン

敵兵「構うな。撃ちまくれ!!」

ダダタダダダダタダダ

シャキン

シャキン

敵兵「クバッ・・・・・!!」

敵兵「うぎゃああああああ!!」

敵は、ただ撃ち続けた。その男を殺す為に。しかし、その男はそれをもろともせずに殺し続けた。

そして、

敵指揮官「何事だ!!」

塹壕からの銃声を聞いた敵指揮官が、無線で塹壕の状況を確認する。

敵通信兵『助けて・・・・奴は、バケモノだ。人間じゃない。頼む・・・・助け・・ザーーーーーーーーーー。』

無線は、途中で切れる。そして、

敵指揮官「・・・・・一体何が・・・・。」

すると、

敵兵「司令官!!塹壕付近に人影が!!」

敵指揮官「何!!」

そう言うと、敵指揮官は双眼鏡で塹壕の方を確認する。するとそこには、

敵指揮官「・・・・・悪魔だ・・・・・。」

刀を持った血だらけ男が立っていた。男は、敵指揮官の方を見て、笑っていた。そして、

敵指揮官「まずい!!こっちに来るぞ!!」

刀を持った男はこちらに向かってきたのだ。その後、数分間にわたり、銃声や砲撃の音がその辺りに鳴り響いた。そしてその日、帝国軍親衛隊第7SS装甲師団は、全滅した。ある1人の男の手によって・・・・・。


午後4時43分

鹿山市 前線本部


清岡「今すぐに隊長の救援に行くべきだ!!」

一村「今我々には、救援部隊を送る戦力はない!!多くの者は負傷。負傷していなくとも皆んな今日1日の戦闘で疲れている!!まだ、敵がいる以上ここの戦力を少しでも保つことが優先だ!!」

林「2人とも落ち着いて!!」

前線本部では、みほ達の帰還後、司令官が1人戦場に残ったと言うことを聞きつけた一村は清岡、林、キリト、長門、神通、加賀、赤城、椿、グロリア、ラーラ、ラインハルト、みほ、まほなどの幹部を集め、司令官の救援のことで話し合っていた。

清岡「俺たちには、隊長が必要だ!!今ここで助けに行かないと手遅れになる!!隊長は既に負傷している!!みほさんから聞いた話によれば、重傷だと聞いている!!そんな、状態で戦えば確実に死ぬ!!」

一村「こんな兵力も足りない状況で隊長の救援に行ったとしてもし、敵の別部隊と遭遇したらどうする!!今の兵力で行ける兵力は少ない!!そんな状態で行けば、被害が増すだけだ!!そんなたった1人の為に仲間を死なせる事はできない!!」

すると、

清岡「一村!!!」

清岡は、一村市村の元に近づき胸元を掴む!!

清岡「たった1人とはどう言う事だ!!俺達にとって隊長は命の恩人だろ!!俺たちがここまで来れたのも隊長が居たからだろ!!まだ、新米だった俺たちをここまで育ててくれたのは隊長だろ!!生きる大切さ、兵士としてあるべき姿。全部、隊長が教えてくれた事だろ!!それでも、お前は隊長を見捨てると言うのか!!」

と清岡は一村に怒鳴る。そして一村も

一村「俺だって、助けに行ける助けに行きたい!!お前の言う通り、今の俺があるのは全部隊長おかげだ!!俺だけじゃない!!神通さんも、加賀さんも、椿さんも、皆んなとって隊長は大切な人だ!!俺たちの恩師であり、俺たちの大事な上官だ!!だけど、俺は隊長にここを任されたものとして、皆んな任された者として皆んなを守らなければならない!!もし、救援行って誰かが死んだら、1番悲しむのは隊長だろ!!隊長は、4年前に部下を失って、辛い思いをしたんだ。あの人にもう一度同じ経験をさせる事なんて俺にはできない!!お前にも分かるだろ!!」

と一村も言い返す。すると、

?『・・・・こちら・・・大杉勇人・・・・誰か応答せよ。』

と聞き覚えのある無線が入っきたのだ。


そして、その無線を入れた人物は、

司令官「誰か・・・・応答せよ・・・誰か。」

俺は、力を振り絞って無線に呼びかける。先程の戦闘で俺の体はボロボロだった。敵部隊の殲滅させたが、俺も砲撃や激しい銃撃戦により既に右足の感覚がほぼなかった。腹からは、にはスナイパーによる狙撃箇所からの出血はだけではなく、砲撃の破片により、あちらこちらから出血していた。また、頭からは、血が流れてきて左目も見えない状態だった。

司令官(何とか、敵を殲滅させたが・・・・・すぐに後続が来る。それまでに・・・・・対処しないと・・・・。)

と思っていると、

一村『こちら、鹿山市前線本部!!隊長、隊長ですか!?』

と返ってくる。

司令官「あぁ・・・・そうだ。」

一村『良かったご無事で・・・・。』

と安堵した声で一村が言ってくる。

一村『隊長・・・・状況は聞いています!!増援が駆けつけ次第すぐに・・・・。』

司令官「一村・・・・頼みがある。」

一村『何でしょうか。』

司令官「ここを・・・・俺に構わず爆撃しろ。」

俺は、一村に命令を出した。

一村『・・・・何を言ってるんですか。隊長。ご冗談を・・・・・。』

司令官「直ぐにここに後続部隊が来る。このままでは、・・・・・本隊と合流されてしまう。それだけは、防がなければならない。俺が進行弾を上げる。上がり次第・・・・・爆撃。いや、砲撃でも構わない。あらゆる火器でここを俺もろとも吹き飛ばせ。」

一村『・・・・そんな事・・・・出来るわけないじゃないですか。』

俺は、すぐに声で分かった。一村が涙を堪えていることを。一村は、状況判断が早い人間だ。だから、俺が伝えた事もすぐに分かったのだろう。

司令官「一村。みんなに聞こえるようにしてくれ。」

一村『・・・・・分かりました。』

そう言うと、無線越しに一村がスピーカーに繋ぐ音が聞こえてきた。そして、


鹿山市 前線本部

一村「・・・・・・出来ました。」

司令官『・・・・・ありがとう。・・・・・一村。俺はきっとここまでだ。お前には、最後まで迷惑かけたな。』

一村「何を・・・・・言ってるんですか。俺は・・・・・ずっと隊長に・・・・憧れて・・・。」

司令官『・・・・・後は全部、お前に任せる。』

一村「・・・・クッ・・・・無理です。俺には、・・・・出来ません。隊長みたいに皆んなをまとめる事なんて。」

司令官『俺の真似をする必要なんてねぇよ。・・・・・お前なりにやればいい。お前には、指揮官の才能がある。だから、絶対に立派な指揮官になれ。』

一村「・・・・・はい。」

司令官『それで良いんだ。』

そして、

司令官『・・・・・清岡。』

と呼ばれる。

清岡「はい。」

司令官『お前には・・・あった時から世話がやける奴だったよ。』

清岡「相変わらず、ひどい人ですね。・・・・・隊長は・・・・これが最後だと言うのに。」

司令官『お前は・・・・いつも明るくて・・・・・前向きで・・・・いつも決めたことには一直線な奴だった。俺は・・・・そんな所が好きだった。だから、・・・・・これからもそのままで居ろよ。そして、林の事を大切にしろよ。』

清岡「気づいてたんですね。」

司令官『・・・・まぁな。お前らが付き合ってる事くらいすぐに分かったよ。いつも、皆んなが寝静まった時間帯にこっそり2人で会ってただろ。いつも・・・・仲悪いように見せかけていてもバレるものはバレるんだよ。』

清岡「・・・・・そうですね。」

司令官『・・・大切な人を絶対に守り抜け。これは、俺からの永久命令だ。』

清岡「・・・・肝に銘じておきます。」

司令官『そうか。・・・・林。』

と今度は林が呼ばれる。

林「はい。」

司令官『・・・・・ごめんな、こんな形でカミングアウトしちまって。』

林「良いんですよ。隊長なら別に。」

司令官『・・・・お前は、誰よりも度胸がある奴だったよ。男にも負けない、力と知力。ほんと、文句なしの奴だったよ。』

林「・・・・・そうですか。」

司令官『だが・・・時には甘えろ。お前は、いつも頑張りすぎだ。支えてくれる良い彼氏がいるんだ・・・・・甘える事くらいどうって事ないよ。・・・・・林、清岡の事頼んだぞ。』

林「・・・・・・はい。」

林は、涙を流しつつ、返事をする。そして、

司令官『・・・・加賀。』

加賀「はい・・・・提督。」

司令官『ごめんな、生きて帰るって約束したのに。』

加賀「・・・・提督の・・・・嘘つき。」

司令官『あぁ、俺は嘘つきだよ。・・・・加賀。生きてくれ。そして、幸せになってくれ。艦娘としてでは無く人として幸せに生きてくれ。俺が言えるのはそれだけだ。』

加賀「・・・・・・はい。」

その後、残された時間の中司令官は椿、まほ、みほに伝えることを伝えた。そして、最後に

司令官『・・・・神通。』

神通「・・・・・はい。」

司令官『・・・・ごめん。デートの時に、あんな事を言って。』

神通「良いんです。もう・・・・そんな事。どうだって。」

司令官『・・・・神通。ありがとう。こんな、俺のために・・・・最後までついてきてくれて。お前と出会えて良かった。』

神通「私もです。司令官。」

司令官『・・・・・神通。生きろよ。何があっても必ず生きろ。これは、命令だ。』

神通「・・・・はい。」

と司令官と神通による最後の無線が終わる。そして、

司令官『今、これを聞いてる全員に告げる。』

と無線は、鹿山市にいる全隊員の無線にも繋がる。

司令官『これから先、お前らにとってとても苦しい戦いがあると思う。だが、どんな事があろうとも必ず、生き残れ。これは命令だ。絶対に死ぬな。例え、足や腕を失ったとしても這いつくばってて生きろ。そして、この戦争で死んでいった者達のことを後世に伝えてほしい。これが俺からの最後の命令だ。君達と共に戦えた事を心から光栄に思う。諸君達が無事に故郷に帰れる事を祈っている。オーバー。』

と無線は切れる。

そして、

一村「・・・・・砲撃、及び爆撃の準備をせよ。」

と一村が指示を出す。その後、鹿山市に配置されている火砲は全て、指揮官が居る場所へと向けられた。また、数分後には約50機にわたる爆撃機が司令官がいる場所へと向かっていった。



そして、

午後5時

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

司令官「来たか。」

遂に、敵の戦車のエンジン音が聞こえてきた。空は日が暮れ、夕焼け色になっていた。そして、俺は最後の力を振り絞り、右足を引き攣りつつ、立ち上がった。そして、信号弾の入った銃を空に向かって構える。

司令官「・・・・・母さん、父さん、お前ら俺も今からそっちに向かうよ。」

と言うと、俺は

パシューン

俺は銃の引き金を引いた。空には緑色の信号弾が打ち上げられる。それと同時に、

ダダタダダダダ

ダァーン

ダァーン

ダァーン

ババババババババババババババババババ

俺の元に次々と敵が攻撃を仕掛けてくる。しかし、俺はその攻撃に臆する事なく、

パン、パン、パン

残ったルガーP08を撃ち続ける。そして、遂に

ヒューン

ヒューン

ヒューン

上から爆弾と砲弾が降ってくる音が俺の耳に入る。そして、

ドガーン

ドガーン

ドガーン

ドガーン

ドガーン

地面が次々に炸裂していった。俺に向かって攻撃してきていた帝国軍は次々に吹き飛ばされていく。そして、遂に

ドガーン

俺の目の前にも爆弾が落ち、爆発した。それと同時に俺は吹き飛ばさた。

司令官(・・・・ありがとう。皆んな。絶対生き残れよ。)

と俺は最後にそう願いつつ、視界は暗闇に包まれいった。


続く




















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